5月の新刊 ● NEW TITLE |
迷いの谷 平井呈一怪談翻訳集成
A・ブラックウッド他 平井呈一訳
創元推理文庫 発売中 1650円(税込)
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好古趣味と巧みな恐怖演出で近代怪奇小説の礎を築いたM・R・ジェイムズ。多彩な題材に怪異のリアリズムを追求しつつ心理学的解釈を加えたアルジャーノン・ブラックウッド。『幽霊島』に続く平井呈一怪談翻訳集成第二集は、マッケンとあわせて英国怪奇小説の三羽烏と称される恐怖の名匠の傑作を中心に、その訳業の原点ともいうべき昭和初年の翻訳、コッパード「シルヴァ・サアカス」とホフマン「古城物語」、さらに鍾愛の作家ラフカディオ・ハーンの怪奇文学講義を集成。付録として作家解説や翻訳観が窺えるエッセーを収録。解説=垂野創一郎 MORE
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6月の刊行予定 ● FORTHCOMING TITLE |
トランペット
ウォルター・デ・ラ・メア 和爾桃子訳
白水Uブックス 6月25日予定 1980円(税込)[amazon]
天使像が持つトランペットを吹き鳴らしたら、いったい何が起きるのか。深夜の教会に忍び込んだ二人の少年の冒険を描く「トランペット」。ある暑い日、ロンドンの喫茶店で出会った男が語り続ける同居女性の失踪話に薄気味悪さがにじむ「失踪」。三百五十年の歳月を生きてきた老女の誕生日にお屋敷に招かれた少女の話「アリスの代母さま」他を収録したデ・ラ・メア傑作選。挿絵=エドワード・ゴーリー |
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今後の刊行予定 ● FORTHCOMING TITLE |
完訳 金枝篇 呪術と宗教の研究 [第8巻] スケープゴート
J・G・フレイザー 神成利男訳 国書刊行会 |
▼発売中 |
5月の新刊 ● NOW ON SALE |
《書物復権2023》新装復刊
文学とテクノロジー 疎外されたヴィジョン
ワイリー・サイファー 野島秀勝訳
白水社 発売中 6380円(税込)
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実験室は19世紀が生んだもう一つの人工楽園だった。芸術に「科学の正確さ」を求めた自然主義者はもちろん、純粋な美を目指した象徴主義者、唯美主義者に至るまで、19世紀芸術家たちの多くは「方法」と「技術」に取り憑かれていた。産業社会に反逆、あるいは逃避したはずの作家たちもまた、実は彼らの忌避したテクノロジー思考に絡めとられていたことをあばき、近代における「方法の制覇」「視覚の専制」、それがもたらす距離と疎外の問題を論じて、文学史の革命的書き換えを成し遂げた名著。解説=高山宏 MORE |
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1月の新刊 ● NOW ON SALE |
無条件降伏 誉れの剣Ⅲ
イーヴリン・ウォー 小山太一訳
白水社〈エクス・リブリス・クラシックス〉
発売中 4620円(税込) [amazon] [honto]
激戦地クレタ島脱出から2年、ガイ・クラウチバック大尉はロンドンで無為な日々を送っていた。旅団の戦友たちが次々に戦地に向かうなか、年齢を理由にひとり後に残されたガイは、開戦時に抱いた崇高な大義を見失いつつあったが……。自身の軍隊経験をもとに、戦争の醜悪さと滑稽さ、古き理想の崩壊を描いたウォー最後の傑作《誉れの剣》三部作、最終巻。MORE |