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ハサン・ブラーシム 『死体展覧会』
〈エクス・リブリス〉
現実か悪夢か。イラクにはびこる不条理な暴力を、亡命作家が冷徹かつ幻想的に描き出す。現代アラブ文学の新鋭が放つ鮮烈な短篇集。
(白水社 2484円)[amazon]

唐仁原教久 『「濹東綺譚」 を歩く』
永井荷風の名作を飾った木村荘八の挿絵を人気画家が詳細に検証、舞台となった玉の井を中心に、刊行80年後の風景を新たに描く異色作。
(白水社 2592円)[amazon]

ロバート・サウジー 『タラバ、悪を滅ぼす者』
主人公タラバは、悪を滅ぼすことを運命づけられているがゆえに、かえって魔術師たちに命をねらわれ、父や兄弟姉妹を殺されてしまう。母も死に、親切な老人に拾われ、その娘と一緒に育てられる。やがて自分の使命を知り、復讐を心に誓って旅に出るが……。 19世紀英国ロマン派の桂冠詩人による、オリエントを舞台にした血沸き肉躍るエンターテインメント長篇叙事詩。本邦初の完訳。
(作品社 2592円)[amazon]

亀山郁夫・沼野充義 『ロシア革命100年の謎』
100年前に起きた歴史上比類のない革命。文学・芸術が先導して築いた 「理想の社会」 はなぜ矛盾に引き裂かれたか? 白熱の徹底対論。
(河出書房新社 994円)[amazon]

グスタフ・マイリンク 『ワルプルギスの夜 マイリンク幻想小説集
ドイツ幻想文学の最高峰マイリンクの一巻本作品集成。『ワルプルギスの夜』 『白いドミニコ僧』の2長篇小説のほか、短篇8編とエッセイ5編を収録。垂野創一郎訳。
(国書刊行会 4968円)[amazon]

フランシス・ハーディング 『嘘の木』
高名な博物学者で牧師のサンダース師による世紀の大発見。だがそれが捏造だという噂が流れ、一家は世間の目を逃れるようにヴェイン島へ移住する。だが噂は島にも追いかけてきた。そんななかサンダース師が謎の死を遂げ、娘のフェイスは父の死因に疑問を抱く。奇妙な父の手記。嘘を養分に育ち、真実を見せる実をつける不思議な木。フェイスは真相を暴くことができるのか?
(東京創元社 3240円)[amazon]

ネレ・ノイハウス 『穢れた風』
風力発電施設建設会社のビルの中で、夜警の死体が見つかった。ビルには何者かが不法侵入した形跡が。奇妙なことに、社長室の机の上になぜかハムスターの死骸が残されていた。一体何を意味しているのか? 風力発電の利権にからむ容疑者が次々と浮かびあがり、さらに第二の殺人が。再生可能エネルギーにかかわる国家的犯罪なのか。人々の欲望と巨大な陰謀に吞み込まれる刑事オリヴァーとピア。ドイツNO.1警察小説シリーズ最新作。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

エリザベス・ベア 『スチーム・ガール』

飛行船や蒸気機械が行き交う港町。悪党に追われる少女プリヤに一目ぼれしたカレンは、彼女を守るため蒸気駆動の甲冑を身にまとう──ヒューゴー賞作家が放つ傑作冒険SF。
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

内田百閒 『大貧帳』
「無心者や押売りが悪態をついて、これだけの構えに二円や三円の金がないと云う筈はないなどと云い出すと、蔭で聞いていても可笑しくなる。そう云う俗物にはそんな気がするかも知れないが、無いとなったら洗った様になくなる」 (本文より)。質屋、借金、原稿料……飄然としたなかに笑いが滲みでる。お金にまつわる38篇。
(中公文庫 864円)[amazon]

ミシェル・ビュッシ 『黒い睡蓮』
三人の女性が語る三つの殺人事件。その真実とは? 読者を謎の迷宮に誘う、仏ルブラン賞・フロベール賞受賞の話題作。
(集英社文庫 1296円)[amazon]

クリストファー・プリースト 『隣接界』
近未来英国、フリーカメラマンのティボー・タラントは、トルコで反政府ゲリラの襲撃に遭い、最愛の妻を失ってしまう。本国に送還されるタラントだが、それから彼の世界は次第に歪み始めていく……。現実と虚構のあわいを巧みに描きとる、著者の集大成的物語。
(新ハヤカワSFシリーズ 2700円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『銀河の壺直し 新訳版
壺なおしを職業とするジョーのもとに、シリウス星系から奇妙な依頼が届いた。ディック的モチーフに溢れた幻の長篇。大森望・新訳。
(ハヤカワ文庫SF 886円)[amazon]

瀧井朝世 『偏愛読書トライアングル』
書評やインタビューで活躍するライターが、本当に愛する本だけを紹介。 読書生活をさらに楽しく豊かにする、必読レビュー集。
(新潮社 1836円)[amazon]

マイケル・ベンソン 『世界《宇宙誌》大図鑑』
太古から人は宇宙の神秘に想いをつのらせ、各時代最高の英知をもってその全貌を解明せんとしてきた。前2000年から、コンピュータを駆使した現代の解析図に至るまで、美麗図版300点を用いた天文学の驚異や発見、理解についての色鮮やかな記録を集成。
(東洋書林 8640円)[amazon]

カズオ・イシグロ 『忘れられた巨人』
遠方の息子に会うため老夫婦は村を出た。戦士、少年、老騎士……様々な人々に出会いながら、ふたりは謎の霧に満ちた大地を旅する。
(ハヤカワepi文庫 1058円)[amazon]

プリーモ・レーヴィ 『周期律 新装版
アウシュヴィッツ体験を持つユダヤ系イタリア人作家プリーモ・レーヴィの自伝的短編集。アルゴン、水素、亜鉛、鉄、カリウム……化学者として歩んできた日々を、周期表の元素とからめて語る。科学と文学を高純度に融け合わせた逸品。
(工作舎 2700円)[amazon]

J・L・ボルヘス 『語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか
「書物」 「不死」 「エマヌエル・スウェーデンボリ」 「探偵小説」 「時間」――。1978年6月に、ブエノスアイレスの大学で行われた連続講演の記録。〈知の工匠〉 ボルヘスが、数十年にわたって考え抜いてきたことを、のびやかに語る。木村榮一訳
(岩波文庫 626円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『荒涼館 3』
荒涼館の一員となったエスターは、教会で見た准男爵夫人の姿になぜか深い衝撃を受ける。ロンドンでは、リチャードが終わりの見えない裁判に期待を寄せ、身元不明の代書人の死にまつわる捜査も広がりを見せる。佐々木徹訳
(岩波文庫 1231円)[amazon]

江戸川乱歩 『少年探偵団・超人ニコラ』
「少年探偵団」 は乱歩の少年物第2作。明智探偵、小林少年が、宝石を狙う二十面相に立ち向かい活躍する。「超人ニコラ」 は少年探偵団シリーズの最終作。戦時下に書かれた小篇も収録。
(岩波文庫 1026円)[amazon]

ド・クインシー 『阿片常用者の告白』 復刊
(岩波文庫)[amazon]

近藤ようこ/坂口安吾 『桜の森の満開の下』
鈴鹿の山に暮らす一人の山賊。怖いものなしの山賊が唯一怖れていたのは満開の桜の森であった。ある日、山賊は旅をする美しい女に出会い、その夫を殺して自分の妻にする。わがままな女の言いなりになる山賊と、涯のない欲望を持つ女はやがて――。
(岩波現代文庫 864円)[amazon]
近藤ようこ/坂口安吾『夜長姫と耳男』
長者の一粒種として慈しまれる夜長姫の身体は光り輝き、黄金の香りがすると言われていた。飛騨随一の匠の弟子で、大きな耳を持つ耳男は、姫が13歳の時、姫のために弥勒菩薩像を造るよう長者から命じられる。美しく,無邪気な姫の笑顔に魅入られた耳男は、次第に残酷な運命に巻き込まれていく。
(岩波現代文庫 1058円)[amazon]

MONKEY》 vol.13 食の一ダース 考える糧
柴田元幸
編集。リオノーラ・キャリントン/堀江敏幸/西加奈子/戌井昭人/小山田浩子/ブライアン・エヴンソン/ 砂田麻美/神慶太/村田沙耶香/ジェームズ・ロバートソン/坂口恭平◇ボブ・ディラン「ノーベル賞受賞講演」◇柴田元幸「日本翻訳史 明治篇 後半」 目次
(スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

C・S・ルイス 『新訳 ナルニア国物語1 ライオンと魔女と洋服だんす』
ママたちとはなれ、いなかの風がわりな教授の家にあずけられた四人の兄妹。家の中を探検していると、末っ子のルーシーが大きな洋服だんすをみつけます。ふと開けてみると、たんすのむこうは悪い魔女が支配する魔法の国ナルニアでした。河合祥一郎訳
(角川つばさ文庫 713円)[amazon]

『澁澤龍彥 ドラコニアの地平』 世田谷文学館編
没後30周年、世田谷文学館開催の大回顧展公式図録。草稿、創作メモ、美術品、装幀……澁澤の世界=ドラコニアの魅力をこれ一冊で。
(平凡社 2592円)[amazon]

デイヴ・エガーズ 『ザ・サークル 上・下
世界一と評されるインターネット企業、サークル。広々とした明るいキャンパス、信じられないほど充実した福利厚生、そして頭脳と熱意と才能をかねそなえた社員たちが次々に生み出す新技術――そこにないものはない。どんなことだって可能なのだ! サークルへの転職に成功した24歳のメイは、新生活への期待で胸をいっぱいにして働きはじめるが……。SNSとウェブの未来を予言するサスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 各842円)[amazon]

マイクル・コナリー『罪責の神々 リンカーン弁護士 上・下
依頼人アンドレ・ラコッセは殺害容疑で逮捕されていた。女性を絞殺し、証拠隠滅をはかって火を放ったのだという。かつての依頼人デイトンが名前を変え、ロスに戻り、娼婦に復帰し、殺されていたとは意外だった。ハラーは、ラコッセの弁護を引き受けることにしたが……
(講談社文庫 予価各950円)[amazon]

ジョヴァンニ・ボッカッチョ 『名婦列伝』
ミネルヴァ、メドゥーサ、女流詩人サッポー、クレオパトラほか、神話・歴史上の著名な女性たち106名の伝記集。ラテン語の原典より本邦初訳。
(論創社 5940円)[amazon]

『進化する妖怪文化研究』 小松和彦編
目次 (Ⅰ)伝承―伝承・空間、造形化・図像 (Ⅱ)方法/創作―妖怪論/分類・方法、妖怪論/小説・マンガ・映画 (Ⅲ)比較妖怪学―伝承と創作・前近代と近現代のあわいで (Ⅳ)日本と海外・国際的妖怪研究に向けて。
(せりか書房 6264円)[amazon]

都甲幸治 『今を生きる人のための世界文学案内』
とにかく面白い本を、国・言語にかかわらずひたすら読みまくる。そしてその本について書きまくる。これは、そんな 「狂喜の読み屋」 の戦いの記録だ。都甲幸治のベスト書評集。
(立東舎 2160円)[amazon]

文学ムック たべるのがおそい》 vol.4
西崎憲編集。【巻頭エッセイ】 皆川博子 【特集〈わたしのガイドブック〉】 澤田瞳子 谷崎由依 山崎まどか 山田航 【小説】 木下古栗 古谷田奈月 町田康 宮内悠介 【短歌】 伊舎堂仁 國森晴野 染野太朗 野口あや子 【エッセイ】 辻山良雄 都甲幸治 【翻訳】 アルフォンス・アレー/マルセル・シュオッブ/マルセル・ベアリュ (西崎憲訳)/マルレーン・ハウスホーファー (松永美穂訳) 目次
(書肆侃侃房 1404円)[amazon]

レフ・トロツキー 『ロシア革命とは何か』
1905年革命の経験を踏まえ自らの永続革命論について展開した「総括と展望」と、亡命後の1932年に行った 「コペンハーゲン演説」 を軸に編んだトロツキー論文集。革命の全体像と歴史的意義を考察する、ロシア革命100周年企画第一弾。森田成也訳
(光文社古典新訳文庫 1188円)[amazon]

ルイザ・メイ・オルコット 『若草物語』
メグ、ジョー、ベス、エイミー。感性豊かで個性的な四姉妹を中心に繰り広げられる家族の物語は、「貧困」 「幸福」 「女性の自立」 などのテーマとともに、まさに現代的。世界中で読み継がれるオルコットの代表作を鮮度抜群の新訳で。麻生九美訳
(光文社古典新訳文庫 1361円)[amazon]

『少女ミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編
成人女性にはない、未熟さや危うさ、刹那的な美しさ。少女特有の魅力が作品をいっそう引き立てる。連城三紀彦 「少女」、笹沢左保 「六本木心中」 など、“少女” が活躍するミステリー13作品を収録したアンソロジー。
(光文社文庫 予価950円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『三ギニー 戦争を阻止するために
教育や職業の場での女性への直接的・制度的差別が戦争と通底する暴力行為であることを明らかにし、戦争なき未来のあり方を提示する。
(平凡社ライブラリー 1404円)[amazon]

シャンナ・スウェンドソン 『女王のジレンマ』
妖精界にまたも偽の女王出現? 新たに女王の位に就いたソフィーは片思い中の刑事マイケルと共に妖精界に乗りこむが……。〈㈱魔法製作所〉の著者の新シリーズ第2弾。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ 『老人犯罪団の逆襲』
ラスベガスでカジノ三昧の日々を送っていた老人犯罪一味の五人も、さすがに故郷が恋しくなってきた。新たなターゲットは? 老人たちの痛快な活躍を描くシリーズ第二弾。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.85
第27回鮎川哲也賞&第14回ミステリーズ!新人賞発表および選評掲載。期待の新鋭・岩下悠子が贈る読切掲載。乾ルカ、連載最終回ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

中野好夫 『シェイクスピアの面白さ』
木下順二、丸谷才一らが師と仰いだ名翻訳家にしてシェイクスピア学の第一人者が、その芝居の面白さを縦横無尽に語った痛快エッセイ。
(講談社文芸文庫 1620円)[amazon]

『水滸伝 二』
北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」へと終結する、中国武侠小説の最大傑作。井波律子訳
(講談社学術文庫 1976円)[amazon]

ヨハン・ゴットフリート・ヘルダー 『言語起源論』

西欧思想に燦然と輝く古典的名著、新訳。
(講談社学術文庫 907円)[amazon]

J・G・フレイザー 『金枝篇7 穀物と野獣の霊 下
神々の死と再生に関するフォークロアを詳述。下巻は、神を食べること、肉食に関する類感呪術、神である動物を殺すこと、狩人による野獣の慰霊、人間霊魂の動物への転生、動物聖餐の類型など、動物霊を中心に取り上げる。
(国書刊行会 10,260円)[amazon]

エドワード・ゴーリー 『思い出した訪問』
奇妙な老人との約束を思い出した女の子が、まさにそうしようとしたことで、老人の死を知る――初期傑作。柴田元幸訳.
(河出書房新社 1296円)[amazon]

ハン・ガン 『ギリシャ語の時間』
〈韓国文学のおくりもの〉
ある日突然言葉を話せなくなった女は、失われた言葉を取り戻すために 古代ギリシャ語を習い始める。ギリシャ語講師の男は次第に視力を失っていく。 ふたりの出会いと対話を通じて、人間が失った本質とは何かを問いかける物語。斎藤真理子訳
(晶文社 1944円)[amazon]

ヤマザキマリ/とり・みき 『プリニウス 6』
アフリカに上陸したプリニウス一行。出会うもの全てに好奇心を刺激される博物学者は、当地の総督ウェスパシアヌスと旧交を温めたのち、ラクダに乗って新たな旅路へ。一方の帝都ローマ、皇帝ネロは倦怠の日々。陰謀渦巻く王宮でそれぞれの思惑が交錯する。
(新潮社 734円)[amazon]

ジャック・カーリイ 『キリング・ゲーム』
連続殺人の被害者の共通点は何か。ルーマニアで心理実験の実験台になった犯人の心の闇に大胆な罠を仕込んだシリーズ屈指の驚愕作。
(文春文庫 1004円)[amazon]

レオ・ペルッツ 『アンチクリストの誕生』
ある夜不思議な夢を見たパレルモの靴直しは、夢判断によって生まれたばかりの子供が 「偽預言者アンチクリスト」 だという確信を抱く。思い悩んだ男がとった行動は……二転三転する展開が読者を翻弄する表題中篇。代々月を恐れ憎んできた一族の物語 「月は笑う」、降霊術奇譚 「ボタンを押すだけで」、ロシア革命時の暗号解読を題材にした 「主よ、われを憐れみたまえ」 など、全8編を収録。垂野創一郎訳。解説=皆川博子
(ちくま文庫 972円)[amazon]

『シェイクスピア全集29 アテネのタイモン』
なみはずれて気前のいいアテネの貴族タイモンをとりまく人間模様。痛烈な人間不信と憎悪、カネ本位の社会を容赦なく描いたきわめて現代的な問題作。松岡和子訳
(ちくま文庫 864円)[amazon]

チャイナ・ミエヴィル 『オクトーバー 物語ロシア革命
腐りきった帝政を打破し、ここに人類の理想郷を築かねばならない――。歴史の奔流に命を賭して抗った人々が織りなす革命の実像を、SF界の鬼才が鮮烈に描く。
(筑摩書房 2916円)[amazon]

A・G・リドル 『タイタン・プロジェクト』
作家のハーパーが乗ったロンドン行き305便が墜落した。彼女と生き残った飛行機の乗客たちは助け合って救助を待つが、捜索隊はいっこうに現われない。それもそのはず、そこは人類が消えてしまった未来だったのだ。なぜハーパーたちはここに連れてこられ、人類はどこに消えたのか。謎と興奮のタイムトラベルSF。
(ハヤカワ文庫SF 1123円)[amazon]

浜尾四郎 『鉄鎖殺人事件』
殺人現場に残された西郷隆盛の引き裂かれた肖像画は、死体の顔と酷似していた。元検事藤枝慎太郎が挑む。
(河出文庫 864円)[amazon]

パトリシア・ハイスミス 『見知らぬ乗客』
妻との離婚を望むガイは、父親を憎む青年ブルーノに列車の中で出会い、「交換殺人」 を提案される……ハイスミス長編第一作、新訳決定版。白石朗訳
(河出文庫 950円)[amazon]

『トム・ストッパード Ⅲ ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』
「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」。シェークスピアの 『ハムレット』 の終幕、こんな一言で片付けられてしまう憐れな脇役の二人。本作は、ハムレットの学友であるが故に、玉座争いに巻き込まれ、死すべき運命に流される彼らの運命を描く。果たして「筋書き」通りの行く末なのか……。イギリス最高峰と称される劇作家、トム・ストッパードの出世作が気鋭の演出家・小川絵梨子の新訳で甦る。
(ハヤカワ演劇文庫 1296円)[amazon]

J・P・ディレイニー 『冷たい家』
ロンドンの住宅街に建てられた奇妙なまでにシンプルな家。新進気鋭の建築家が手がけた、この一切の無駄が廃された家に住む女性たちには、なぜか不幸が訪れるのだった――。この家にはどんな秘密が隠されているのか? 様々な語りが交錯する全米ベストセラー。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

ダヴィッド・ラーゲルクランツ 『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上・下
人工知能の専門家に関わるスクープを狙うミカエルは、リスベットの存在を事件の背後に感じ取っていた……。シリーズ最新刊。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各886円)[amazon]

オースティン・ライト 『ノクターナル・アニマルズ』
二十年前に別れた元夫から送られてきた犯罪小説の原稿。その真意とは? 二重、三重の構造が謎と恐怖を増幅する、知的企みに満ちた野心作。『ミステリ原稿』 改題・文庫化。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]

『日本SF傑作選2 小松左京 神への長い道/継ぐのは誰か?』
「地には平和を」「時の顔」「紙か髪か」「御先祖様万歳」「お召し」「物体O」「神への長い道」『継ぐのは誰か?』の8篇収録。
(ハヤカワ文庫JA 1620円)[amazon]

W・ブルース・キャメロン 『真夜中の閃光』
相棒はおれの頭の中にいる? 超異色のコンビが殺人事件に挑む! 全米ベストセラーのユーモア作家が贈る、笑いと涙のサスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1188円)[amazon]

ブレイク・クラウチ 『ダーク・マター』
「今の人生で幸せか?」 そう問われたのち、見知らぬ男に殴り倒され気を失ったジェイソン。目覚めると彼の人生は一変していた……
(ハヤカワ文庫NV 1188円)[amazon]

アンナ・アフマートヴァ 『レイクイエム』
監獄の前で差し入れを持って並ぶ列の中で「これを書くことができますか」と問われた詩人がともに苦難の中にある人々への思いをつづった詩篇「レクイエム」。悪事が行われた場所に生えて笛となってその悪をあばいたと言われる伝説の「葦」を表題にかかげ、忘却にあらがって書き続けられた言葉。孤独と絶望の中でささやく女の声が詩となって私たちに届く。
(群像社 1296円)[amazon]


ヘイドン・ホワイト 『メタヒストリー 一九世紀ヨーロッパにおける歴史的想像力
「メタヒストリー」によって歴史学に革命的転換をもたらしたヘイドン・ホワイト――その全体像を理解するための主要論文を一冊に編纂。目次
(作品社 7344円)[amazon]

クリフォード・ナイト 『〈サーカス・クイーン号〉 事件』
〈論創海外ミステリ〉
太平洋を航海しながら寄港先で興行を行なう移動サーカス団 〈サーカスクイーン号〉。団長の不可解な死を皮切りに、サーカス団員たちは災難に巻き込まれていく。マニラから乗船することになったロジャーズ教授が事件解決に乗り出す。
(論創社 2592円)[amazon]

アメリア・レイノルズ・ロング 『死者はふたたび』
〈論創海外ミステリ〉
未亡人のリンダから 「溺死した夫の名前を名乗る男が現れたので調査してほしい」 と依頼された私立探偵ダウェンボートは、問題の人物が宿泊するホテルを訪れるが……。
(論創社 2376円)[amazon]

『岩田賛探偵小説選』
〈論創ミステリ叢書〉
雑誌 『宝石』 の第1回探偵小説募集当選作 「砥石」 でデビューした岩田賛の探偵小説を初集成。 「高木彬光論」 「カアの面白さ」 などの随筆類も収録。
(論創社 4104円)[amazon]

鹿島茂 『フランス絵本の世界』
愛らしく楽しい秘蔵のフランス絵本コレクションを初公開。フランスにおいて子どもの本が発展した19世紀半ば~20世紀前半に生まれた貴重本・美本を厳選。19世紀フランスの子どもたちの暮らしの風景、20世紀に吹き込まれたモダン、そして漫画(バンド・デシネ)とアニメーションへのつながりまで。
(青幻舎 3456円)[amazon]


▼9月刊

陳浩基 『13・67』
現在(2013年)から1967年へ、1人の名刑事の警察人生を遡りながら、香港社会の変化(アイデンティティ、生活・風景、警察=権力)をたどる逆年代記(リバース・クロノロジー)形式の本格ミステリー。どの作品も結末に意外性があり、犯人との論戦やアクションもスピーディで迫力満点。権力者と民衆の相克を描く中国語ミステリーの到達点。
(文藝春秋 1998円)[amazon]

ミシェル・アダムズ 『邪魔者』
「わたしがここへ来たのは、なくした自分の欠片を、ここに置き去りにした自分の欠片を見つけるためだ。それが見つかるのはここしかないと、わたしはずっと知っていた」 デビュー作にして見事なページターナー。15か国で翻訳が決定した傑作サイコ・スリラー。
(小学館文庫 918円)[amazon]

小栗虫太郎 『「新青年」 版 黒死館殺人事件』 山口雄也 註・校異・解題
日本探偵小説史上に聳え立つ異形の大作 『黒死館殺人事件』 の 「新青年」 連載版を初めて単行本化。2,000項目におよぶ語註により、衒学趣味(ペダントリー)に彩られた本文を精緻に読み解く。世田谷文学館所蔵の虫太郎手稿と雑誌掲載時の異同を綿密に調査。松野一夫の初出時の挿絵も完全収録。ミステリマニア驚愕の一冊。
(作品社 7344円)[amazon]

フアン・ガブリエル・バスケス 『密告者』
名士である実父による著書への激越な批判、その父の病と交通事故での死、愛人の告発、昔馴染みの女性の証言、そして彼が密告した家族の生き残りとの時を越えた対話……。父親の隠された真の姿への探求の果てに、第二次大戦下の歴史の闇が浮かび上がる。マリオ・バルガス=リョサが激賞するコロンビアの気鋭による壮大な長篇小説。
(作品社 4968円)[amazon]

『J・G・バラード短編全集4』 柳下毅一郎監修
『結晶世界』 『ハイ・ライズ』 などの傑作群で20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を5巻に集成。第4巻には自伝的要素が色濃く投影された本邦初訳作 「Dead Time」 や発表時に多大な衝撃をもたらした濃縮小説 「下り坂カーレースにみたてたジョン・フィッツジェラルド・ケネディ暗殺事件」 など21篇を収録。
(東京創元社 3888円)[amazon]

エリス・ピーターズ 『雪と毒杯』
クリスマスが迫るウィーンで、オペラ界の歌姫を看取った人々。チャーター機でロンドンへの帰途に着くが、悪天候でオーストリアの雪山に不時着してしまう。避難した山村は雪で外部とは隔絶、ホテルに落ち着いたものの、歌姫の遺産をめぐって緊張感は増すばかり。とうとう遺書が読み上げられた直後に、事件が起きて――。修道士カドフェル・シリーズの巨匠による、本邦初訳の本格ミステリ。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

鹿島茂 『病膏肓に入る 鹿島茂の何でもコレクション
月刊誌「アートコレクターズ」 2011年2月号~2016年1月号まで、約5年間続いた人気連載「我、発見せり」 を単行本化。
(生活の友社 3240円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ファインダーズ・キーパーズ 上・下
多額の現金と幻の原稿を拾った貧しい少年。それは出所したばかりの強盗の盗んだものだった。少年を守るため元刑事たちが立ち上がる。
(文藝春秋 各1944円)[amazon]

ローレン・グロフ 『運命と復讐』
電撃的な出会いで結婚した、売れない俳優ロットと美貌のマチルド。純真な妻に支えられた夫はやがて脚本家として成功し、それは幸せに満ちた人生のはずだった――妻のいまわしき秘密を知るまでは。家族の愛は夫婦の噓に勝てるのか? 巧みなプロットと古典劇の文学性を併せ持ち、全米図書賞候補にもなった圧巻の大河恋愛小説。
(新潮クレスト・ブックス 2916円)[amazon]

今日泊亜蘭 『海王星市から来た男/縹渺譚』
戦後最初の長編SF作家として知られ、一昨年に没した著者の、高名にして入手困難な短編集2冊を合冊し、単行本初収録の連作 「浮間の桜」 と短編 「笑わぬ目」 を加えた。日下三蔵編
(創元SF文庫 1575円)[amazon]

飯倉義之・香川雅信 『47都道府県・妖怪伝承百科』
海の怪、川の主、人魂、入道、小豆とぎ、座敷童子、狐、ムジナ、人魚など、地域の特徴的な妖怪たちを民俗学的視点で紹介。
(丸善出版 4104円)[amazon]


クライブ・カッスラー 『カリブ深海の陰謀を阻止せよ 上・下
カリブ海に突如 “死の海域” が発生した。拡大していく謎の汚染の原因を突き止めるため、ダーク・ピットはカストロ議長の死去により不穏な空気が漂うキューバへと向かった。一方、息子のダークと娘のサマーはメキシコの洞穴で潜水中に、アステカ文明の遺物の写本を発見。そこには財宝の在処を示す石板の存在が記されていた。シリーズ最新刊。
(新潮文庫 637円/680円)[amazon]

『90年版岩波文庫解説総目録 1927―2016』 岩波文庫編集部編
この10年間に刊行した新刊536点のデータを新たに加え、創刊以来の全書目をジャンル別に収録した解説総目録の新版。簡潔な文章による内容紹介に加え、刊行年月日、ページ数、ISBNコードなどの書誌データを網羅。書名からも著訳者名からも引ける便利な索引つき。格好の世界名著案内。
(岩波書店 4860円)[amazon]

J・M・クッツェー 『ダスクランズ』
ヴェトナム戦争末期、プロパガンダを練るエリート青年。18世紀、南部アフリカで植民地の拡大に携わる白人の男。ふたりに取りつく妄想と狂気を、驚くべき力業で描き取る。人間心理に鋭いメスを入れ、数々の傑作を生みだしたノーベル賞作家、J・M・クッツェー。そのすべては、ここからはじまる。
(人文書院 予価2916円)[amazon]

ロベルト・ボラーニョ 『チリ夜想曲』
〈ボラーニョ・コレクション〉
死の床にある神父のドン・キホーテ的独白が生む幻想。動乱の祖国と青春の日々、文学、旅、友情……後期を代表する戦慄の中篇小説。
(白水社 2376円)[amazon]

サックス・ローマ― 『魔女王の血脈』
謎の青年フェラーラの行く先には、必ず不審な死が――疑念をいだき彼を追う医学生ケルンはいつしか、古代エジプトの魔女王をめぐる闇深き謎の渦中へ。英国を熱狂させた怪奇冒険の巨匠の大作。
(アトリエサード 2592円)[amazon]

エリン・L・トンプソン 『どうしても欲しい! 美術品蒐集家たちの執念とあやまちに関する研究
なぜ権力者・金持ちは美術品を収集するのか。古今東西の名品から現代美術までを集めて、窃盗、捏造、改変を施す……美術犯罪学を専門とする著者による、人間の 「暗部」 からみた美術小史。
(河出書房新社 2592円)[amazon]


《ミステリマガジン》 11月号
〈特集:幻想と怪奇 ノベル×コミック×ムービー〉
 イーディス・ウォートン「一壜のペリエ水」 他 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

波野次郎 『怪人ジキル』
古書山たかし 『怪書探訪』 で紹介された少年探偵小説の怪作。「意思を持ったタンスが大坂の街で暴れまわる終盤の展開には唖然呆然……元ネタはフランスのユーモア作家カミ」
盛林堂ミステリアス文庫 1000円)

ウラジーミル・ソローキン 『テルリア』
21世紀中葉、近代国家が崩壊し、イスラムの脅威にさらされる人々は、謎の物質テルルに救いを求める。異形の者たちが跋扈する 「新しい中世」 を多様なスタイルで描く予言的長篇。
(河出書房新社 3240円)[amazon]

『19世紀末の幻想世界 マックス・クリンガー ポストカードブック』 神奈川県立近代美術館編
19世紀~20世紀の転換期にドイツで活躍した幻想版画家マックス・クリンガー。生涯で制作した14組の版画連作のうち、神奈川県立近代美術館開催の「生誕160年 マックス・クリンガー版画展」で紹介される、同館所蔵の『イヴと未来,作品Ⅲ』『間奏曲』(作品Ⅳ)『手袋』(作品Ⅵ)『ある愛』(作品Ⅹ)と『ブラームス幻想』(作品Ⅷ)を含む、5つの版画集から26枚を厳選した、公式ポストカードブック。
(求龍堂 1836円)[amazpn]

創元推理文庫/SF文庫 復刊フェア 詳細
ウィリアム・アイリッシュ 『黒いカーテン』 [amazon]
F・W・クロフ ツ 『チョールフォント荘の恐怖』 [amazon]
エリザベス・フェラーズ 『猿来たりなば』 [amazon]
マーガレット・ミラー 『殺す風』 [amazon]
ルース・レンデル 『死が二人を別つまで』 [amazon]
中野善夫・吉村満美子編訳 『怪奇礼讃』 [amazon]
平井呈一 『真夜中の檻』 [amazon]
ロバート・A・ハインライン 『宇宙の呼び声』 [amazon]
エドガー・R・バローズ 『時間に忘れられた国』 [amazon]
ジェイムズ・P・ホーガン 『仮想空間計画』
[amazon]

ダニエル・デフォー 『ペストの記憶』
〈英国十八世紀文学叢書〉 ロンドンで約10万人の死者を出したペスト大流行の詳細を、当時の公的文書や個人の日記などを基に再現した小説。伝染病の爆発的流行や都市型災害の勃発、その拡大と対策に関する貴重なドキュメントとして、今日も読み継がれている古典。 文芸批評でも活躍する英文学者・武田将明による、斬新な視点からの新訳。
(研究社 3780円)[amazon]

ウラジーミル・ナボコフ 『アーダ 新訳版 上・下
美しい11歳の従姉妹アーダに出会ってまもなく、14歳のヴァンは彼女の虜となった。青白い肌の博学なアーダと知的なヴァン。一族の田舎屋敷で、愛欲まみれの恋を繰り広げる二人はしかし、ある事情により引き裂かれる。著者の想像力と言語遊戯が結実する傑作長篇。ナボコフ最大の問題作、『ロリータ』 訳者の精緻な新訳により遂に全貌が明らかに。若島正訳。
(早川書房 各2700円)[amazon]

吉田健一 『父のこと』
ワンマン宰相はワンマン親爺だったのか。長男である著者の吉田茂に関する全エッセイと父子対談 「大磯清談」 を併せた待望の一冊。巻末エッセイ・吉田暁子。
(中公文庫 929円)[amazon]

澁澤龍彦 『エロス的人間』
「エロティシズム……太古の闇のなかの恐怖をそのまま現代に持ってきたかのような、社会生活をおびやかす暗い力」。千夜一夜物語やサド、ジャン・ジュネ、フロイト、同性愛、ナルシシズムと、あらゆる角度から人間のアンモラルな隠れ家を探検。
(中公文庫 734円)[amazon]

澁澤龍彦 『エロティシズム』
「人間の性的活動は、動物のそれと全く違った面をもっている……つまり快楽の欲求によって動かされている」。芸術や宗教の根柢に横たわり、快楽・錯乱・狂気にまで高丸エロティシズムの渉猟。矛盾に満ちた精神世界を冒険した澁澤龍彦の軌跡。
(中公文庫 842円)[amazon]

エイミー・カウフマン/ジェイ・クリストフ 『イルミナエ・ファイル』
辺境の採掘惑星がライバル企業に襲撃された。戦闘を生き延びた3隻の宇宙船は、住民を救出して惑星を脱出する。だが、敵の戦艦が迫るなか、船団では凶暴化ウイルスが蔓延し、船の人工知能が暴走を始めていた……。メールや文書ファイルでつづられた異色SF。
(早川書房 4644円)[amazon]

ローネ・タイルス 『北海に消えた少女』
行方不明の少女を調べる記者のノラ。調査は服役中の連続殺人犯に辿り着く。二つの事件の繋がりは? 真相を追う彼女に危険が迫る。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『去年を待ちながら 新訳版
星間戦争のさなか、人工臓器移植医エリックは、国連事務総長の主治医モリナーリに任命されるが……。ディック中期の傑作、新訳版。
(ハヤカワ文庫SF 1123円)[amazon]

ジャン・ジロドゥ 『ジャン・ジロドゥⅠ トロイ戦争は起こらない』

平和を愛するトロイの王子・エクトールはギリシャとの戦争を回避できるのか。ギリシャ神話を題材に戦争の危機を訴える不朽の名作。
(ハヤカワ演劇文庫 950円)[amazon]

ミハイル・ブルガーコフ 『劇場』
〈独立劇場〉のために戯曲を執筆したマクスードフだが、演出家の不条理な介入や劇場内の対立など、様々な障害によって上演はひたすら先延ばしされる。劇場の複雑な機構に翻弄されながらもその虜となっていく作家の悲喜劇を、作者自身の実体験にもとづいて戯画的に描く。
(白水Uブックス 1944円)[amazon]

アドルフ・ロース 『ポチョムキン都市』
世紀末に出現した書割都市ウィーンを痛烈に批判した表題作をはじめ、近代建築史最大の躓きの石にしてラウムプランの提唱者が自作について、同時代の建築家について、さらには家具・工芸品、絵画・映画、モードや立ち居ふるまいにいたるまでジャンルをこえ縦横無尽に語った全45篇。
(みすず書房 6264円)[amazon]

チゴズィエ・オビオマ 『ぼくらが漁師だったころ』
ナイジェリアの小さい町に暮らす四人兄弟。厳しい父が不在の隙に兄弟は学校をさぼって魚を釣りに行く。しかし川のほとりで出会った狂人は、長男が兄弟の誰かによって殺されると予言した――九歳の少年の視点で生き生きと語られる、闇と笑いに満ちた悲劇の物語。
(早川書房 2484円)[amazon]

サイモン・ホロビン 『スペリングの英語史』
英単語はなぜ発音どおりに綴らないのか? イラッとした経験のあるすべての読者にお薦め。あの変な綴りは壮大な歴史と背景あってのことかと思わず納得する、オックスフォード大教授によるノルマン征服から現代までの英語史をスペリングから覗くユニークな論考。
(早川書房 2916円)[amazon]

バーナデット・マーフィー 『ゴッホの耳 天才画家 最大の謎
1888年、フランスに滞在していた画家のゴッホは、己の片耳を切り落とす――現在でも語り草になっているこの衝撃的な事件はなぜ起きたのか? イギリスの気鋭の歴史学者が世界各地の調査をもとに新事実・新資料を発掘し、「狂気の画家」の知られざる一面に迫る。
(早川書房 2376円)[amazon]

『アンドレ・ジッド集成IV』
20世紀フランスを代表する作家の個人全訳集成。第IV巻には実験的な小説 「贋金つくり」 「『贋金つくり』の日記」、最後の作品 「テゼ (テーセウス)」 を収録。
(筑摩書房 8316円)[amazon]

J・R・R・トールキン 『トールキンのベーオウルフ物語』
トールキンに多大な影響を与えたイギリス中世の英雄叙事詩 『ベーオウルフ』 の再話。未出版の原稿をトールキン自身の講義の内容を参考に編集し、著者が意図した本来の姿を再現。
(原書房 3024円)[amazon]

アーナルデュル・インドリダソン 『湖の男』
干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴があき、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュルらは、丹念な調査の末、ひとつの失踪事件に行き当たった。農機具のセールスマンが、婚約者を残し消息を絶ったのだ……。北欧ミステリの巨人渾身の大作。
(東京創元社 2268円)[amazon]

G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の醜聞 新版
『そして誰もいなくなった』 に先んじたような 「古書の呪い」、閉ざされた現場から忽然と消えた殺人者の謎 「ブルー氏の追跡」、陸へ上がったばかりの提督が殺害された奇妙な事件とブラウン神父の鮮やかな推理が印象的な 「緑の人」 など、チェスタトン特有のユーモアと逆説にあふれた9編を収録。名シリーズの最終巻。解説=若島正。
(創元推理文庫 799円)[amazon]

レイ・ペリー 『ガイコツと探偵をする方法』

娘を連れ故郷に戻ったジョージアは、世にも不思議な歩いて喋る骸骨である親友シドと再会し、生前の彼について調べる過程で殺人事件に巻きこまれる。笑って泣けるミステリ。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ダニエル・コール 『人形は指をさす』
6人の犠牲者の体の部位を縫い合わせて作られた1つの遺体。6人の名が記された殺人予告リスト。二つの事件をロンドン警視庁のウルフが追う。彼の名もまた、リストに記されていたのだった……。
(集英社文庫 1188円)[amazon]

江戸川乱歩 『怪人二十面相・青銅の魔人』
二十の顔を持つ謎の盗賊、怪人二十面相と名探偵・明智小五郎と助手の小林少年との知恵と知恵の対決が繰り広げられる。江戸川乱歩の少年物の名作2篇。
(岩波文庫 983円)[amazon]

阿部公彦 『名作をいじる 「らくがき式」 で読む最初の1ページ
漱石、太宰、谷崎、乱歩……文豪の名作に 「らくがき」 をしたら、小説のことがもっとわかった。東大の先生が考えた、新しくておもしろい読書入門。
(立東舎 1944円)[amazon]

友井健人他 『タケダアワーの時代』
タケダなくしてウルトラなし!! 『月光仮面』『隠密剣士』『ウルトラQ』『ウルトラマン』『キャプテンウルトラ』『ウルトラセブン』『怪奇大作戦』『柔道一直線』『シルバー仮面』……ウルトラシリーズをはじめ、いくつもの人気番組を生み出したTBSの日曜19時枠、通称 「タケダアワー」。提供・武田薬品、放送・TBS、代理店・宣弘社で続いた17年間を、製作の視点から検証する。
(洋泉社 1512円)[amazon]


タイモン・スクリーチ 『江戸の大普請 徳川都市計画の詩学
日本橋の建設とその意味、寛永寺、清水堂、三十三間堂、大仏など名所や聖地の創造、歌枕をめぐる考察、吉原通いの図像学まで、京に匹敵する都をつくりたいと願った徳川幕府の都市計画を解き明かす。
(講談社学術文庫 1037円)[amazon]

『水滸伝 一』
北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が、そこら中で戦いを繰り広げながら、「梁山泊」 へと終結する、中国武侠小説の最大傑作。その魅力満載、躍動感あふれる世界を、読みやすく、勢いのある文体で新訳。井波律子訳。全5巻。
(講談社学術文庫 1998円)[amazon]

日下実男 『絵ときSF もしもの世界 復刻版
もしもイルカが人間と話し合えたら… もしも死なない薬が作れたら… もしも地球の中心まではいっていけたら… もしも海の水がなくなったら… もしも海流の流れが変わったら… 正気の沙汰とは思えない!? 僕たちの未来を予言した、幻の奇書 (学研、1973) を完全復刻。
(復刊ドットコム 3996円)[amazon]

アメリア・グレイ 『AM/PM』
このアンバランスな世界で見つけた、私だけの孤独――AMからPMへ、時間ごとに奇妙にずれていく120の物語。いまもっとも注目を浴びる新たな才能の鮮烈デビュー作を、松田青子が翻訳。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

レベッカ・ブラウン/ナンシー・キーファー(絵) 『かつらの合っていない女』
誰も聞いてくれなかった 何度言っても。彼女が叫んで叫んで叫んだのは 「狼」 じゃなかった 叫んだのは彼女には言えないことだった。(「誰も」) 大胆な色使いを進めるナンシー・キーファーの絵と、奇妙なリズムや反復を使ったレベッカ・ブラウンの文章とが対話する、暗さとユーモアと烈しさに満ちた鮮烈な共作。 柴田元幸訳
(思潮社 2160円)[amazon]


レイ・ヴクサヴィッチ 『月の部屋で会いましょう』
皮膚が宇宙服になって飛んでいってしまう人々、恋人の手編みのセーターの中で迷子になる男……とびきり奇妙で切ない短編集。本邦初訳の短編1編を追加し、待望の文庫化。 
(創元SF文庫 1188円)[amazon]

Th・H・ガスター 『世界最古の物語 バビロニア・ハッティ・カナアン
ギルガメシュ叙事詩ほか、四千年も前に近東で語られていた、粘土板上に残されたそれらの物語を復元・解説しわかりやすく語り直す。
(平凡社/東洋文庫 3132円)[amazon]

『池澤夏樹、文学全集を編む』 河出書房新社編集部編
史上初の全巻個人編集 「世界」 「日本」 文学全集の楽しみ方とは。対談、エッセイに石牟礼道子、大江健三郎、角田光代、森見登美彦、川上弘美、中島京子、堀江敏幸、江國香織、柴田元幸など。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

ソポクレス 『オイディプス王』
テーバイの王オイディプスは危機に瀕する国を救うため神託を請う。結果は 「先王ライオスを殺害したものを罰せよ」 だった。犯人探しのうちに真相が明らかになるにつれ、オイディプスは自らの出生の秘密を知ることになり……。ギリシャ悲劇の最高傑作ともいわれるソポクレスの代表作。河合祥一郎訳
(光文社古典新訳文庫 799円)[amazon]

CS・ルイス 『ナルニア国物語5 ドーン・トレッダー号の航海』
いとこのユースティスとともに、突然ナルニアに呼び戻されたエドマンドとルーシーは、カスピアン王やリーピチープと再会し、行方不明の7人の貴族を探す船旅に同行することに。だが行く先々の海域には、未知の生き物や、一行の心を惑わす不思議な出来事が待ち受けているのだった。土屋京子訳
(光文社古典新訳文庫 821円)[amazon]

ニッコロ・マキャヴェッリ 『君主論』
傭兵ではなく自前の軍隊をもち、人民を味方につけ、時には悪をもためらわない。フィレンツェ共和国の官僚で外交軍事の実務を担ったマキャヴェッリが、君主に必要な力量(徳)を示し、キリスト教的モラルから脱却した新しい君主像を提言した主著。近代政治学における最重要古典の一つ。森川辰文訳
(光文社古典新訳文庫 929円)[amazon]

マイケル・ディラン・フォスター 『日本妖怪考 百鬼夜行から水木しげるまで
日本人は妖怪をどのように捉え、描き、表象してきたのか。江戸時代に編まれた百科事典や画集から、近代科学とのせめぎあい、文学や民俗学との関わり、そしてマンガなど現代メディアの中の妖怪像まで、日本の「妖怪文化」を縦横無尽に語りつくす。ニューヨーク出身のアメリカ人民俗学者による気鋭の妖怪論。
(森話社 5184円)[amazon]

ミック・ヘロン 『放たれた虎』
英国情報部の落ちこぼれスパイたち、通称 〈遅い馬〉 のひとりで、ボスのジャクソン・ラムの片腕の秘書キャサリンが、何者かに拉致された。犯人の脅迫を受けたカートライトは彼女の身の安全と引き換えに、本部へ侵入して厳重に保管された情報を盗み出すことを引き受けるが……。〈窓際のスパイ〉シリーズ最新刊。
(ハヤカワ文庫NV 1080円)[amazon]

C・デイリー・キング他 『鉄路のオベリスト 鮎川哲也翻訳セレクション
〈論創海外ミステリ〉
ニューヨーク・サンフランシスコ間を横断する豪華列車のプール車両で銀行頭取の溺死体が発見された。乗り合わせた四人の心理学者は、事故、自殺、他殺、それぞれの意見を述べるが決め手もないまま、姿なき犯人に翻弄される。雑誌 『EQ』 連載の鮎川哲也訳を復刊。雑誌 『マスコット』 掲載の翻訳4作を併録。日下三蔵編。
(論創社 3024円)[amazon]

メアリー・スチュアート 『霧の島のかがり火』
〈論創海外ミステリ〉
休暇でスカイ島を訪れたファッションモデルのジャイアネッタは、同じホテルに投宿する男性から二週間前に島内の岩山で地元の娘が惨殺されたことを知る。娘の死後も山での惨劇は続き、次々と登山者が殺されていく。やがて犯人の魔手はジャイアネッタにも迫る。
(論創社 2376円)[amazon]

椹木野衣 『震美術論』
自然災害による破壊と復興、そして反復と忘却を繰り返してきた日本列島という 「悪い場所」 において、はたして、西欧で生まれ発達した 「美術」 そのものが成り立つのか。東日本大震災をひとつのきっかけに、日本列島という地質学的条件のもとに、「日本列島の美術」 を足もとから捉え直すことで、「日本・列島・美術」 における 「震災画」 の誕生、そして、そこで 「美術」 はいかにして可能となるのかを再考する。
(美術出版社 4536円)[amazon]

綾辻行人 『十角館の殺人 限定愛蔵版
1987年9月、『十角館の殺人』 (講談社ノベルス) 発売から30年。函入・限定愛蔵版を刊行。特別付録として、33名の豪華執筆陣によるエッセイ 「私の 『十角館』」 を別冊に収録。内容
(講談社 3996円)[amazon]

エーネ・リール 『樹脂』
人里離れた半島で、森に囲まれて暮らす一家。何度もつらい喪失を経験した父親は、もうこれ以上は愛するものを奪われまいと決意して、あるとき幼い娘が死んだと偽りの報告をする。そして娘を隠して育てはじめるが……デンマークの注目作家が著した傑作長篇。
(ハヤカワ・ミステリ 1728円)[amazon]

ビル・ビバリー 『東の果て、夜へ』
犯罪組織の命を受け、少年たちは数千キロの旅に出る。人を殺すために……。ミステリ各賞を総なめにしたロードノベルにしてクライムノベルの傑作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 994円)[amazon]

ラメズ・ラム 『ネクサス 上・下
人類に新たなる世界をもたらす究極のナノマシン・ドラッグ"ネクサス5"。開発者の若き科学者ケイドの運命を描くSFスリラー。
(ハヤカワ文庫SF 各929円)[amazon]

スティーヴン・キング 『死の舞踏』
古今東西のホラー作品を圧倒的な熱量で語り尽くす 〈恐怖のバイブル〉。35ページに及ぶ「2010年版へのまえがき」(初訳)を付して待望の復刊。
(ちくま文庫 1620円)[amazon]

チャールズ・ブコウスキー 『ありきたりの狂気の物語』
すべてに見放されたサイテーな毎日。その一瞬の狂った輝きを切り取る、伝説的カルト作家の愛と笑いと哀しみに満ちた異色短篇集。
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

澤田瑞穂 『中国史談集』
皇帝、彫青、男色、刑罰、宗教結社など中国裏面史を彩った人物や事件を中国文学の碩学が独自の視点で解き明かす。「怪力乱心」 をあえて語る。
(ちくま学芸文庫 1404円)[amazon]

Martin Edwards 《The Story of Classic Crime in 100 Books》
『探偵小説の黄金時代』 (国書刊行会予定) のマーティン・エドワーズが選んだクラッシックミステリ100冊のガイドブック。
(Poisoned Pen Press)[amazon]

ゴットフリート・ベーム 『図像の哲学 いかにイメージは意味をつくるか
イコノロジーの第一人者による最新の成果。20世紀のデジタル革命で図像はますます重要性を増した。ハイデガーのスナップ写真から話を始め、先史時代の洞窟壁画、レントゲン写真、中世の地図や宗教画からウォーホルまで、あらゆるジャンル100点以上をもとに、言語とは異なる図像の意味を哲学的に考察する。
(法政大学出版局/叢書ウニベルシタス 5400円)[amazon]

ブルース・チャトウィン 『パタゴニア』
黄金の都市、マゼランが見た巨人、アメリカ人の強盗団、世界各地からの移住者たち……。幼い頃に魅せられた一片の毛皮の記憶をもとに綴られる見果てぬ夢の物語。紀行文学の新たな古典。
(河出文庫 1296円)[amazon]

小酒井不木 『疑問の黒枠』

差出人不明の謎の死亡広告を利用して、擬似生前葬と還暦祝いを企図した村井喜七郎は実際に死亡し……不木長篇最高傑作の初の文庫化。
(河出文庫 864円)[amazon]

鼓直編 『ラテンアメリカ怪談集 新装版
(紀伊國屋書店創業90年記念復刊)
(河出文庫 842円)[amazon] [紀伊國屋]

澁澤龍彦 『高丘親王航海記』
幼時からエクゾティシズムの徒であった平城帝の子・高丘親王は一路、天竺を目指す。読売文学賞に輝いた怪奇と幻想のロマネスク。
(文春文庫 778円)[amazon]

レオ・ブルース 『三人の名探偵のための事件』
サーストン家で開かれたパーティーの夜、突如として起こった密室殺人事件。早速、村の警官ビーフ巡査部長が捜査を開始するが、翌朝、ウィムジイ卿、ポアロ、ブラウン神父を彷彿とさせる名探偵たちが次々に登場して……華麗なる推理合戦と意外な結末。レオ・ブルースの第一作。小林晋訳。解説・真田啓介。
(扶桑社文庫 1058円)[amazon]

『月岡芳年 月百姿』
無残絵で知られる芳年が最晩年に描いた知られざる傑作。和漢の物語や詩歌・謡曲の中の月にまつわる場面を題材とした、静かで趣深い100の歴史画。※太田記念美術館 《月岡芳年月百姿》 展 (9/1~9/24)
(青幻舎 2484円)[amazon]

影山徹 『空からのぞいた桃太郎』
誰もが知っている 「桃太郎」 には、知られざる“もう一つの顔”があった。全ページ俯瞰図、空からのぞくことで 「桃太郎」 の語られざる側面が浮かび上がる。慣れ親しんだ童話の価値観を覆す衝撃絵本。内容
(岩崎書店 1620円)[amazon]



▼8月刊

《ROM》 s-001
クラシックミステリ・ファンジン 《ROM》がリニューアルして再出発。海外古典作品の原書レビューに、海外最新事情、J・T・ロジャーズ「死の隠れ鬼」(翻訳)など。
(申込はROMに記載されたアドレスへ。 1000円)

『松本泰探偵小説選 III』
〈論創ミステリ叢書〉
探偵小説デビュー作 「濃霧」 から 『キング』 連載の中編 「嫦蛾の冠」 まで、大正時代に書かれた創作探偵小説を6作収録。入手困難な探偵小説評論集 『探偵小説通』 も完全収録。英国モダニズムの鮮麗を受けた日本探偵小説界の先駆者、松本泰の作品集第3弾。
(論創社 4104円)[amazon]

『フランスのポスター 京都工芸繊維大学美術工芸資料館デザインコレクション2
19世紀末のパリでは華やかなポスターが街を彩り、やがてそれ自体が芸術作品として収集の対象となった。フランスで育まれたポスターの数々を当時の都市文化とともに紹介。平芳幸浩編。
(青幻舎 1620円)[amazon]

ヘレン・マクロイ 『月明かりの男』
大学構内でフォイル次長警視正が拾った紙片には “殺人計画” が書かれていた。決行の時刻に大学へ戻ったフォイルは死体を発見する。被害者は亡命科学者コンラディ教授。月明かりの中を逃げる不審人物が三人の男に目撃されていたが、彼らの説明はすべて食い違っていた。大学を舞台にした殺人にウィリング博士が挑む本格ミステリ。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ケイト・モートン 『湖畔荘 上・下
ロンドン警視庁の女性刑事が、謹慎中にコーンウォールの祖父の家の近くで打ち捨てられた屋敷を発見する。そこでは70年前に赤ん坊が消える事件があり、迷宮入りになっていた。興味を抱いた刑事は事件を調べ始めた。かつてそこで何があったのか? 仕事上の失敗と自身の問題と70年前の事件が交錯し、謎は深まる。
(東京創元社 各2052円)[amazon]

ジョー・ウォルトン 『わたしの本当の子どもたち』
もしあのとき、別の選択をしていたら? パトリシアの人生は、若き日の決断を境に二つに分岐した。並行して語られる二つの世界で、彼女はまったく異なる道を歩んでゆく。それぞれの世界で出逢う、まったく別の喜び、悲しみ、そして子どもたち……どちらの世界が”真実”なのだろうか?
(創元SF文庫 1404円)[amazon]

グレイス・ペイリー 『その日の後刻に』
アメリカ文学シーンのカリスマ的存在として現在も尊敬を集める作家の最後の短篇集を村上春樹訳で。貴重なロングインタビューを併録。
(文藝春秋 1998円)[amazon]

『世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌』 文學界編集部編
九月公開『散歩する侵略者』(長澤まさみ他出演)公開を機に、世界から注目される異才の全貌に迫る。宮部みゆき氏らとの対談収録。
(文藝春秋 1944円)[amazon]

猫SF傑作選 猫は宇宙で丸くなる
不思議な猫たちが活躍する話を10編収録 (本邦初訳作3編を含む)。シオドア・スタージョン他。中村融訳
(竹書房文庫 972円)
[amazon]

コリン・バレット 『ヤングスキンズ』
経済が崩壊し、人心が鬱屈したアイルランドの地方都市に暮らす無軌道な若者たちを、繊細かつ暴力的な筆致で描きだす、ニューウェイブ文学の傑作。世界が注目する新星のデビュー作。ガーディアン・ファーストブック賞、ルーニー賞、フランク・オコナー国際短編賞受賞。
(作品社 2592円)[amazon]

ル・クレジオ 『心は燃える』
幼き日々を懐かしみ、愛する妹との絆の回復を望む判事の女と、その思いを拒絶して、乱脈な生活の果てに恋人に裏切られる妹。先人の足跡を追い、ペトラの町の遺跡へ辿り着く冒険家の男と、名も知らぬ西欧の女性に憧れて、夢想の母と重ね合わせる少年。ノーベル文学賞作家による珠玉の一冊。
(作品社 2160円)[amazon]

デイヴィッド・ロッジ 『起きようとしない男 その他の短篇
小説の技巧』の作家の本領発揮! 初期から晩年まで、作家の経験に基づいて描かれた、笑いと皮肉が満載の傑作短篇集。全8編収録。
(白水社 2376円)[amazon]

マドレーヌ・ピノー 『百科全書』
本文・図版をあわせ全28巻におよぶ『百科全書』。出版に携わる人々、時代背景、数々の告発事件、各版の内容などをまとめた入門書。
(白水社/文庫クセジュ 1296円)[amazon]

寺山修司 『寺山修司・幻想写真館 犬神家の人々 愛蔵復刻版
写真家・寺山修司が表現する虚構の世界。 40年の時を経て、伝説の作品集 『犬神家の人々』 (読売新聞社、1975) が愛蔵復刻版として復刊。
復刊ドットコム 10,800円)[amazon]

ステファン・グラビンスキ 『火の書』
ポーランド随一の狂気的恐怖小説作家ステファン・グラビンスキによる怪奇幻想作品集。〈火〉 をテーマとする短篇小説と、自伝的エッセイ、インタビューを収録。目眩めく紅蓮色の怪夢、病み憑きの陶酔と惑乱の書。
(国書刊行会 2916円)[amazon]

『ホームズ、ロシアを駆ける』 久野康彦編
〈ホームズ万国博覧会 ロシア篇〉
ロシア帝政末期 (1907-08年頃) に書かれ、革命で消えた幻のホームズ・パロディ作品を集成。モスクワ、ペテルブルグ、シベリア……ロシア全土を舞台に、ホームズとワトスンが難事件に立ち向かう。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

『新編 日本幻想文学集成』 第7巻 三島由紀夫/川端康成/正宗白鳥/室生犀星
美貌の御息所と高徳の老僧の恋の物語 「志賀寺上人の恋」。死後の霊との関わりを描く 「死者の書」。妖しいラヴレターが波瀾を巻き起す 「人生恐怖図」。金魚と老作家の会話でできた 「蜜のあはれ」 他。
(国書刊行会 6264円)[amazon]

セルジュ・ブリュソロ 『闇夜にさまよう女』
頭に銃弾を受けた若い女は、脳の一部とともに失った記憶を取り戻そうとする。「正常な」 世界に戻ったとき、自分が普通の女ではなかったのではと疑う。追跡されている連続殺人犯なのか? それとも被害者なのか? フランスの人気作家ブリュソロの傑作ミステリー。
(国書刊行会 2700円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.10 逢魔が刻の狩人
恐怖にまさる探求心で 「向こう側」 の世界に挑むゴースト・ハンターたちの物語を、ホラー界の名探偵たちの物語と共に紹介。キム・ニューマン、H・S・ホワイトヘッド、シーベリー・クインなど翻訳6編のほか、朝松健、友野詳の小説、仁賀克雄インタビュー、〈ゴーストハンター〉シリーズのあゆみなど。内容
(アトリエサード 1836円)[amazon]

中村美砂子『宮廷画家ルドゥーテとバラの物語』
ルドゥーテの生い立ちから、マリー・アントワネット、ナポレオン皇妃ジョセフィーヌに愛される宮廷画家になるまでを辿る、バラにまつわる究極の物語。バラ図譜より代表作80余点を厳選して収録。
(青幻舎 1620円)[amazon]

ヘンリー・ジェイムズ 『ねじの回転』
イギリス郊外の古い貴族屋敷に、両親と死別し身を寄せる兄と妹。家庭教師として雇われた [私」 は兄妹を悪の世界に引きずりこもうとする幽霊を目撃するのだが、幽霊はほかの誰にも見られることがない。本当に幽霊は存在するのか? 小川高義訳
(新潮文庫 529円)[amazon]

オマル・エル・アッカドアメリカン・ウォー 上・下
2075年、環境破壊のため沿岸地域が水没しつつあるアメリカ。化石燃料使用の全面禁止法案に反発した南部三州が独立を宣言、合衆国は内戦に陥った。家族の大黒柱をテロで失った南部の貧しい一家の娘サラットは、難民キャンプへ。ゲリラ戦を繰り返す武装組織に接近する兄。サラットに自爆テロ攻撃をそそのかす謎の男。苛酷な運命に導かれる彼女はどこへ向かうのか――
(新潮文庫 各680円)[amazon]

ブアレム・サンサル 『2084 世界の終わり』
2084年、偉大な神への服従を強いられる国で主人公は謎の国境を目指す。アカデミーフランセーズ大賞受賞のディストピア長篇。
(河出書房新社 2592円)[amazon]

ポール・ウィリアムズ 『フィリップ・K・ディックの世界』
PKDの生涯の秘密、創作の背景――フィルの盟友が長年の取材と鋭く深い洞察で迫った唯一無二のロング・インタビュー。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

別冊本の雑誌 古典名作本の雑誌』 本の雑誌編集部編
海外は、イギリス、フランス、ドイツなど国やエリア別に、国内は中古、中世、近世、明治など時代ごとに、そしてミステリ(国内/海外)、SF(国内/海外)、ノンフィクションなど25ジャンルにわけ、それぞれ20作ずつ紹介。もちろん年表や座談会など読み物ページも充実。不朽のブックガイド。
(本の雑誌社 1728円)[amazon]

ジャン・コクトオ 『大胯びらき 愛蔵版
複数の芸術ジャンルを横断した稀代の才人による1923年作の半自伝的青春小説。翻訳家・澁澤龍彦の記念すべきデビュー作にして名訳。
(白水社 3888円)[amazon]
アルフレッド・ジャリ 『超男性 愛蔵版
壮絶な自転車レースと性交ゲームの果てに待ち受けるものとは……自らも自転車愛に憑かれた奇才による1902年刊の 「現代小説」。澁澤龍彦訳。
(白水社 3888円)[amazon]
アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ 『城の中のイギリス人 愛蔵版
できるだけ残酷で破廉恥で……悪の原理に対する和解の接吻の物語。1979年刊の新版に基づくシュルレアリスム小説の奇書。澁澤龍彦訳。
(白水社 3888円)[amazon]

ヴィエト・タン・ウィン 『シンパサイザー』

「私はスパイです。冬眠中の諜報員であり、秘密工作員。二つの顔を持つ男――」 捕らえられた北ベトナムのスパイは、独房で告白をつづる。息もつかせぬスパイ小説にして皮肉に満ちた文芸長篇。ピュリッツァー賞、エドガー賞最優秀新人賞など六冠に輝いた傑作。
(早川書房 2808円)[amazon]
ヴィエト・タン・ウィン 『シンパサイザー 上・下
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各778円)[amazon]

アダム・ロバーツ 『ジャック・グラス伝 宇宙的殺人者
稀代の犯罪者ジャック・グラス。彼が起こす犯罪は、不可能にして宇宙的。彼はいかにして殺人者となり、そして伝説の男となったのか? 絶対に解けるはずのない謎解きに、ミステリマニアの変人令嬢ダイアナが挑むのだが……!? 黄金時代の香り漂うSFミステリ。
(新ハヤカワSFシリーズ 2484円)[amazon]

マーク・グリーニー 『暗殺者の特務 上・下
中国人の天才ハッカーを追うグレイマン。だが行く手には香港とベトナムの犯罪組織、さらにロシア情報機関の戦闘員が立ち塞がる。
(ハヤカワ文庫NV 各929円)[amazon]

『山の怪談』
山の怪談アンソロジー。山人の怪異民俗、文人の心霊譚、岳人の遭難・神秘体験。柳田国男から工藤美代子まで20人の20話。
(河出書房新社 1296円)[amazon]

《SFマガジン》 10月号
〈オールタイム・ベストSF映画総解説 PART1〉
SF映画が再び黄金期を迎えている今、あらためて観るべき作品を、実写・アニメ、洋画・邦画を問わず合計500作選出。SF作家・評論家たちが見どころを解説。PART1では、1902年 『月世界旅行』 から1988年 『ゼイリブ』 まで250作を掲載。
(早川書房 1296円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーⅥ
スザンナの歌 上・下
〈狼〉たちとの死闘の終結に安堵する間もなく、スザンナが忌まわしい水晶球とともに行方をくらませた。彼女の第四の人格ミーアは妖魔の子を身ごもっているが、そのことと関連しているのか?
(角川文庫 各994円)[amazon]

『推理作家謎友録 日本推理作家協会70周年記念エッセイ 日本推理作家協会編
江戸川乱歩賞などの文学賞の選出のほか、作家たちの交流団体としての一面を持つ日本推理作家協会。そこに所属する作家同士は、どのような付き合いをしているのか、また作家たちは、日々何を考え執筆しているのか。抱腹絶倒の交遊録から、とっておきの読書録まで、協会員作家たちによる書き下ろしエッセイ集。
(角川文庫 734円)[amazon]

エンリーケ・ビラ=マタス 『パリに終わりはこない』
マルグリット・デュラスの家に下宿しながら 「私」 はパリで作家修行をするが……。文学に新しい地平を切り拓くビラ=マタスの代表作。
(河出書房新社 25929円)[amazon]

トーン・テレヘン 『おじいさんに聞いた話』
ハッピーエンドのお話はないの? ロシア生れの祖父が語る悲哀に満ちた人生の物語。『ハリネズミの願い』 の作家による愛すべき掌篇集。
(新潮社 1944円)[amazon]

サラ・ブレーデル失踪人特捜部 忘れられた少女たち
新設されたお荷物部署・失踪人特捜部に配属された女刑事は、相棒と2人で「不可能犯罪」に挑む。それは、20年前の双子少女焼死事件につながる、連続殺人だった。
(角川文庫 1080円)[amazon]

アンドルー・ラング 『夢と幽霊の書』
ルイス・キャロル、コナン・ドイルらが所属した心霊現象研究協会の会長による幽霊・予知夢の実話集の古典。ロンドン留学中の夏目漱石が愛読し、短篇 「琴のそら音」 の着想を得た名著、120年の時を越えて待望の本邦初訳。
(作品社 2592円)[amazon]

『INTO THE BLACK LODGE ツイン・ピークスの深淵へ』 滝本誠監修
新シリーズが放映され、ふたたび大きな話題を呼んでいる「ツイン・ピークス」をメインにリンチの豊穣なる作品世界を徹底解析する。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

マルク・ブレー/セバスティアン・ステイエ 『驚異の未来生物 人類が消えた1000万年後の世界
地上から誰一人いなくなった未来の地球。しかし、生命は死に絶えていなかった――獰猛な巨大イカやキリンのような鳥、空を滑るように飛ぶオオムカデ、凶暴なウニなど、未来の海、森、砂漠に棲息する驚愕のクリーチャーたち。古生物学者とCGクリエイターがタッグを組み、科学的想像力を駆使して生まれた、壮大な知的SFエンターテインメント。内容
(創元社 2484円)[amazon]

小泉喜美子 『殺さずにはいられない 小泉喜美子傑作短篇集
子ども禁制、大人のためのミステリ。ミステリ、サスペンス、ホラー、初書籍化のショートショート。バラエティ豊かな文庫オリジナル短篇集第二弾。
(中公文庫 886円)[amazon]

トーマス・マン 『五つの証言』
第二次大戦前夜、戦闘的ユマニスムの必要を説いたドイツの文豪トーマス・マン。戦争末期、空襲が激化するなか、マンへの共感から戦後を見据えて翻訳した渡辺一夫。この渾身の訳業によるマンの文章と、寛容論ほか渡辺の代表的なエッセイ、中野重治との往復書簡を併せて一冊にする。文庫オリジナル。
(中公文庫 864円)[amazon]

大橋竜太 『ロンドン大火 歴史都市の再建
史上最大規模の大災害、大都市ロンドンを焼きつくした1666年の大火、そしてゼロからの都市再建までを、同時代の日本も参照しつつ、建築史の視点から詳細にわかりやすく紹介した世界都市の近代への歩み。図版多数。
(原書房 3024円)[amazon]

ジュール・ヴェルヌ 〈驚異の旅〉 コレクション 『蒸気で動く家』
セポイの叛乱で捕虜を虐殺し合い、互いの妻を殺し合った宿敵同士、イギリス陸軍士官モンローと叛乱軍首領ナーナー・サーヒブ。叛乱鎮圧後、モンローを励まそうと、友人たちは鋼鉄の象が牽引する豪華客車を用意、インド横断の旅に出る。闇の中に蠢く叛乱軍の残党たち、密林を彷徨する謎の女性……。大自然を舞台に繰り広げられる冒険と復讐の物語。初の完訳。内容
(インスクリプト 5940円)[amazon]

新装版 ベクシンスキ作品集成 Ⅱ』
ポーランド幻想絵画の巨匠ベクシンスキを集成したファン待望のシリーズ。増補新版。第2巻には、80年代~90年代および晩年の絵画作品、60年代の彫刻レリーフ作品を収める。
(河出書房新社 4104円)[amazon]

ジェームズ・B・ハリス/伊勢田邦彦・絵 『
活劇絵小説 暗黒街の群狼』
白昼堂々新宿の銀行を襲撃、毒ガス弾を用いる凶悪な手口で大金を奪ったギャング団の正体を暴くため、近代タイムス記者、星野五郎が立ち上がった……。 昭和24-25年 《少年少女譚海》 連載の絵物語を復刻。
盛林堂ミステリアス文庫 3000円)

チャールズ・ディケンズ 『荒涼館 2』
「なにかがわたしのなかで息づきはじめました」 教会で見かけた准男爵夫人の姿に、なぜか衝撃を受けるエスター。進展するはずのない裁判に期待する若者。身元不明の代書人の死にまつわる捜査など、不穏な動きが広がる。
(岩波文庫 1231円)[amazon]

『プレヴェール詩集』
恋人たちの歓喜と悲哀、戦争や日々の労働のありさまを、ユーモアと諷刺に包んでうたいあげた、フランスの国民的詩人ジャック・プレヴェール。シャンソン「枯葉」を含む84篇。小笠原豊樹訳
(岩波文庫 907円)[amazon]

マックス・リュティ 『ヨーロッパの昔話 その形と本質
昔話には決まった形がある。魔女・こびととも違和感なく出会い、主人公に与えられる試練の数は三つ、心の葛藤は描かず肉体の痛みもない……。ヨーロッパ各地に伝わる数多くの昔話を分析、その本質を学問的に解明した先駆的著作。
(岩波文庫 1048円)[amazon]

ザミャーチン 『われら』
20世紀ソヴィエト文学の 「異端者」 ザミャーチンの代表作。ロシアの政治体制がこのまま進行し、西欧の科学技術がこれに加わったらどうなるか、という未来図絵を描いてみせたアンチ・ユートピア小説。復刊
(岩波文庫 1048円)[amazon]

アリス・ラプラント 『忘却のパズル』
アルツハイマー病を患うジェニファーに、殺人容疑がかけられてしまう。殺されたのはジェニファーの親友の女性で、なぜか死体の右手は4本の指が切断されていた。曖昧な記憶や独白など、パズルのピースのように断片的な記述が描き出す衝撃の真相。「記憶」 を失っていく語り手が紡ぐ衝撃のミステリ。※『忘却の声』 改題・文庫化
(創元推理文庫 1620円)[amazon


池内紀 『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記
ナチス台頭から終焉、終戦後までの激動を、亡命作家はどう見つめ、記録したか。遺された浩瀚な日記から浮かび上がる闘いの軌跡。
(中公新書 886円)[amazon]

岡本和明・辻堂真理 『コックリさんの父 中岡俊哉のオカルト人生』
かつて日本中を熱狂させた数々の 「超常現象」 は、すべてこの男の仕掛けだった。ユリ・ゲラーやJ少年の 「スプーン曲げ」、地縛霊と背後霊の 「心霊写真」、行方不明者捜索の 「透視予知」、そして全国の学校教室を席捲した 「コックリさん」――超常現象研究家・中岡俊哉の知られざる素顔を、息子と “最後の弟子” が描く。完全復刻、中岡氏によるオフィシャル版 「コックリさん文字盤」 付き。
(新潮社 1620円)[amazon]


ロバート・ルイス・スティーヴンスン&ロイド・オズボーン 『引き潮』
タヒチの浜辺にたむろする三人の男が、天然痘のため欠員が出た貿易船の乗組員に雇われる。三人は船を乗っ取って南米へ逃げようとたくらむが……。『宝島』 の文豪が南太平洋の雄大な自然を背景に描き上げた海洋冒険小説。コナン・ドイル、チェスタトン、ボルヘスも愛読した知られざる逸品。本邦初訳。
(国書刊行会 2700円)[amazon] [honto]


エドワード・ブルック=ヒッチング 『世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語
アトランティス、悪魔の島、エルドラド、南方大陸、朝鮮島……。古地図に描かれた伝説、間違い、そして嘘に基づく 「幻の地」 を旅する。130点を超える古地図と貴重な図版・写真を掲載。
(日経ナショナルジオグラフィック社 2916円)[amazon]

田中純 『歴史の地震計 アビ・ヴァールブルク 『ムネモシュネ・アトラス』 論
過去からの記憶の波動を感知し、記録した装置=地震計である 「ムネモシュネ・アトラス」。特異な美術史家ヴァールブルクが作り続けたそのイメージの地図帖 (アトラス) に宿るアクチュアルな歴史を解放し、ありえなかったはずの過去に触れる。
(東京大学出版会 5184円)[amazon]

『画家 合田佐和子 光へ向かう旅
〈コロナ・ブックス〉
色と光を駆使し、唯一無二の世界観を描いた伝説の画家、合田佐和子。未発表作を含む作品集と華麗な芸術家人生の軌跡を収めた決定版。
(平凡社 2160円)[amazon]

東雅夫編 『文豪妖怪名作選』
文豪たちの語る様々な妖怪たちを集めたアンソロジー。尾崎紅葉 「鬼桃太郎」、泉鏡花 「天守物語」、柳田國男 「獅子舞考」、宮澤賢治 「ざしき童子のはなし」、小泉八雲著/円城塔訳 「ムジナ」、芥川龍之介 「狢」、室生犀星 「天狗」 等19編を収録。
(創元推理文庫 929円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.84
円城塔、他人の生を経験し続ける人々を描く短編。倉知淳、死神めいた刑事が活躍する倒叙ミステリシリーズ最新中編。特別企画 「宮内悠介×日高トモキチ対談」 ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

『ヘンリー・ジェイムズ傑作選』
没後100年が過ぎ、なおその文学的先駆性と言語表現の豊饒さで魅了するヘンリー・ジェイムズ。中短篇から選りすぐった傑作選。 行方昭夫訳
(講談社文芸文庫 1944円)[amazon]

A・メリット 『魔女を焼き殺せ!』
〈ナイトランド叢書〉
連続する原因不明の変死。死者たちの傍らには人形が微笑む。謎を追う医師の前には魔女の影が……。稀代のストーリーテラーがホラーに挑んだ幻の傑作。
(アトリエサード 2484円)[amazon]

『『悪魔の手毬唄』 完全資料集成』 別冊映画秘宝編集部編
1977年公開、市川崑監督作品 『悪魔の手毬唄』。金田一耕助シリーズ映像化作品の中で最高傑作の呼び名も高い本作の、写真を中心にした資料集。東宝所蔵の膨大なメイキング写真、アウトテイク写真で構成・解説。金田一ファン・市川崑ファン必携の写真集。
(洋泉社 4104円)[amazon]

ウィリアム・サローヤン 『ヒューマン・コメディ』
第二次世界大戦中、カリフォルニア州イサカのマコーリー家では父が死に、長兄も出征し、14歳のホーマーが電報配達をして家計を助けている。家族や町の人々との触れあいの中で成長する少年の姿を描いた、可笑しくて切ない長篇小説。小川敏子訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

コードウェイナー・スミス 『三惑星の探求 人類補完機構全短篇3
「宝石の惑星」 をはじめとするキャッシャー・オニール・シリーズ4篇、オリジナル版の 「第81Q戦争」 など全11篇を収録した完結篇。
(ハヤカワ文庫SF 1512円)[amazon]

ミンディ・メヒア 『ハティの最期の舞台』
演劇の才能に恵まれ、誰からも愛されていたはずの少女は、なぜ命を落としたのか。保安官が突き止めたあまりにも切ない真相とは?
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

『日本SF傑作選1 筒井康隆 マグロマル/トラブル
「お紺昇天」 「東海道戦争」 「ベトナム観光公社」 「バブリング創世記」 ほか傑作短篇20篇を精選。詳細な著作リスト、解説付き。
(ハヤカワ文庫JA 1620円)[amazon]

『呼び出された男 スウェーデン・ミステリ傑作集
北欧ミステリの中心地たるスウェーデンから、『ミレニアム』 のスティーグ・ラーソン、〈エーランド島四部作〉 のヨハン・テオリン、〈マルティン・ベック〉 シリーズのマイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー、〈ヴァランダー警部〉 シリーズのヘニング・マンケルらの傑作短篇を集成した画期的アンソロジー。
(ハヤカワ・ミステリ 2160円)[amazon]

アン・モーガン 『わたしはヘレン』
あの日、双子の妹は 「わたし」 を奪った。どうして誰も信じてくれないの? 少女のアイデンティティが崩壊する、驚愕のサスペンス。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1361円)[amazon]

ヴァレリー・シュール=エルメル 『幻想版画 ゴヤからルドンまでの奇怪コレクション
文学に触発されて生まれ、ロマン主義、新ロマン主義、象徴主義と時代に寄り添い発展してきた、不気味で悪魔的、悪夢のような幻想版画。ゴヤにはじまりルドンにいたる、フランス国立図書館所蔵の貴重な名作を解説とともに収録。
(グラフィック社 3024円)[amazon]

澁澤龍彦 『バビロンの架空園』
著者の全エッセイから 「植物」 をテーマに、最も面白い作品を集めた究極の 「奇妙な植物たちの物語集」。「フローラ逍遥」 も収録。
(河出文庫 950円)[amazon]

宗 洋 『世紀末の長い黄昏 H・G・ウェルズ試論
19世紀末、科学技術教育の普及によって登場した 「観察者としての読者」 は、どのように文学作品と向き合ったのか。初期のSF (『タイム・マシーン』 『モロー博士の島』 『透明人間』 『宇宙戦争』)、異色のサイクリング小説 (『運命の車輪』)、社会小説 (『トーノ・バンゲイ』) の計6編をとりあげ、〈観察〉 という視点からウェルズを読み解く。
(春風社 2916円)[amazon]

松田行正 『RED ヒトラーのデザイン』
ヒトラーは、もっともデザインを知る独裁者だった。多くの人々を煽動したナチス・デザインに、グラフィック・デザイナーの松田行正が迫る。120点以上の映画と、膨大な図版を導き手に解剖する、ヒトラーのデザインの特質とは。自在な筆致で、負の歴史、そして現代を照射する、渾身の一冊。
(左右社 2916円)[amazon]

『月岡芳年 妖怪百物語』
月岡芳年が生涯を通して描き続けた妖怪画から初々しい20代に制作したシリーズ 「和漢百物語」、精神を病んだ50代の 「新形三十六怪撰」 を全点収録、合わせて選りすぐりの傑作を含む約100点を紹介。浮世絵師 月岡芳年の描いた 「妖怪尽くし」 の一冊。※太田記念美術館 《月岡芳年 妖怪百物語》 展 (7/29~8/27)
(青幻舎 2484円)[amazon]


宮田昇 『昭和の翻訳出版事件簿』
編集者として、児童文学作家として、翻訳者として、そして翻訳権エージェントとして、戦後の占領下から現在に至るまで、本の世界に生きてきた著者が、翻訳出版史上の事件を自己の体験と綿密な調査からとらえ直し、個性豊かな出版人、翻訳者の素顔を描き出す。内容
(創元社 2700円)[amazon]

アントニオ・ガルシア=グティエレス 『吟遊詩人』
〈ロス・クラシコス〉
スペインのロマン主義演劇を、世界の最前線に押し出した名作。ヴェルディのオペラ化でも有名。
(現代企画室 予価2592円)[amazon]


▼7月刊

『前期読本怪談集』 江戸怪談文芸名作選2
近年、近世読本の始祖・都賀庭鐘 作という説が再浮上している奇談集の佳品 『垣根草』。怪異に託して志の是非を述べた、高踏的な内容を有する怪異譚 『新斎夜語』 正篇・続篇。水谷不倒をして 「幻の奇談中の逸品」 と言わしめた、本文紹介が長らく俟たれた傑作 『唐土の吉野』 を収録。
(国書刊行会 5832円)[amazon]

クレイグ・クルナス 『図像だらけの中国 明代のヴィジュアル・カルチャー
明代の魅力的で多様な図像は、どのような意図のもとに作られ、どのように用いられていたのか。 《ピクチャーとペインティング》 《天・地・人》 《ミメーシス》 《木版画複製》 《エロティック絵画》 等のテーマを軸に、視覚文化に関わる多彩な問題を論じつくす。図版約100点。武田雅哉訳。
(国書刊行会 5616円)[amazon]

小澤京子 『ユートピア都市の書法 クロード = ニコラ・ルドゥの建築思想
都市構想と性愛、性的建築と身体管理、書物としての理想都市、世界創造と建築の起源。呪われた建築家の幻視と理想とともに時代の認識と欲望のあり方を炙り出す。目次
(法政大学出版局 4320円)[amazon]


『原典 ルネサンス自然学 上・下 池上俊一監修
万物をめぐる知の総体を集成。身体から宇宙まで、料理から農事まで、魔術から機械まで、実験から教育まで、驚異から地理まで、計算から原子まで……、本邦初訳テキストと貴重図版により 「科学的人文主義」 の精華をつたえるアンソロジー。フランシス・べイコン 「森の森」、ゲスナー 「動物誌」、ヴェサリウス 「人体の構造について」、パレ 「怪物と驚異について 」、アグリッパ 「オカルト哲学について」、ジョン・ディー 「数学への序説」、ケプラー 「屈折光学」 他、ハーヴィ、パラケルスス、コペルニクス、フィチーノ、ボイル、ニュートン等々。目次
(名古屋大学出版会 各9936円)[amazon]

ジョン・ロード 『代診医の死』
〈論創海外ミステリ〉
資産家の最期を看取った代診医の不可解な死。プリーストリーの鋭い推理が暴き出す真相とは……。渕上痩平訳
(論創社 2376円)[amazon]

ミニヨン・G・エバハート 『夜間病棟』
〈論創海外ミステリ〉
セント・アン病院の18号室で一人の患者が遺体で発見された。死因はモルヒネの過剰摂取。死んだ患者はラジウム治療を受けていた。翌日、同18号室で再び新たな遺体が発見される。 次々と起こる奇怪な事件にオリアリー警部が挑む。長編デビュー作。
(論創社 2376円)[amazon]

ジム・トンプスン 『天国の南』
1920年代のテキサスの西端は、 タフな世界だった。パイプライン工事に流れ込む 放浪者、浮浪者、そして前科者……。本邦初訳。
(文遊社 2700円)[amazon]

ドナ・タート 『黙約 上・下
緑の蔦に覆われた大学の古い建物、深い霧に包まれる森。東部ヴァーモント州の大学に編入した主人公リチャードは、衒学的なモロー教授のもとで古代ギリシアの世界に耽溺する学生五人と知り合う。そしてある夜、バッコス祭の神秘を再現する熱狂の中で凄惨な事件が起こった。美と恐怖と狂気が彼らを駆り立てる――『罪と罰』 を彷彿とさせる傑作長編小説。シークレット・ヒストリー』 改題復刊
(新潮文庫 810円/853円)[amazon]

ブライアン・フリーマントル 『クラウド・テロリスト 上・下
米国NSAの局員アーヴァインは暗号解読の専門家。中東のテロリストを炙り出すためのプロジェクト 「サイバー・シェパード」 を立ち上げた。その矢先に世界各地で同時多発テロが発生するが……。スパイ小説の巨匠が放つ迫真の電脳諜報サスペンス。
(新潮文庫 各680円)[amazon]

テジュ・コール 『オープン・シティ』
〈新潮クレスト・ブックス〉
マンハッタンを日ごと彷徨する、若き精神科医。街路に残る歴史の痕跡、無数の移民たちの声、そして不意に明らかになる自らの過去――。PEN/ヘミングウェイ賞ほか数々の賞に輝き 「ゼーバルトの再来」 と讃えられた、ナイジェリア系作家によるデビュー長篇。
(新潮社 2052円)[amazon]

ジョン・アーヴィング 『神秘大通り 上・下
メキシコのゴミ捨て場育ちの作家が、NYからマニラへと旅立った。それがいつしか過去への旅に。ライオンの檻で死んだ妹。娼婦で掃除婦だった母。元神学生とトランスヴェスタイトの養父母。怪しい美人母娘を道連れに、この旅はどこへ行き着くのか。待望の最新長篇。
(新潮社 各2484円)[amazon]

初見健一 『昭和こども図書館』
『ぐりとぐら』 『からすのパンやさん』 などの名作絵本から、教科書掲載のトラウマ童話 『モチモチの木』、漱石の 『三四郎』 『草枕』、そして 『恐怖の心霊写真集』 『ノストラダムスの大予言』 などオカルト本の名著(?)まで、100点を超える懐かしの児童書を紹介。
(大空出版 1620円)[amazon]


『HELL 地獄 地獄をみる
さまざまな経典をもとに源信が著した 『往生要集』 を始め、国宝 「六道絵」、国宝 「北野天神縁起絵巻(承久本)」、白隠筆 「地獄極楽変相図」、河鍋暁斎筆 「地獄極楽図」、耳鳥斎筆 「地獄図巻」 等、連綿と生み出されてきた日本独特の 「地獄」 の大パノラマ。
(パイインターナショナル 6372円)[amazon]

シュテファン・スルペツキ 『探偵レミングの災難』
“レミング”と呼ばれる興信所調査員ヴァリシュは、浮気調査で老人を尾行するが、目を離した一瞬の隙に、ターゲットが殺害されてしまう。勝手に犯人捜しを始めるが、仕事をクビになったり、助けた巨大犬に部屋を荒らされたり、なぜか不憫な目にあうはめに。ドイツ推理作家協会賞新人賞受賞の軽快なミステリ。
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

A・E・ヴァン・ヴォークト 『宇宙船ビーグル号の冒険 新版
軍人と科学者1000名が乗り組んだ探査宇宙船ビーグル号。その行く手には、人類の想像を絶した、恐るべき宇宙生命体が待ち構えていた。猫のような怪物ケアル、宇宙空間に棲息するリイム人。人類の科学の粋とエイリアンの超能力が、手に汗にぎる死闘を展開する。SF史に輝く傑作。
(創元SF文庫 950円)[amazon]

キャリー・パテル 『墓標都市』
文明崩壊から数百年。人々は地上を厭い、巨大な地下都市国家を築いていた。その一つ、階級社会が栄えるリコレッタでは、崩壊前の知識は重大なタブーとされ、政府によって厳重に管理・秘匿されている。そんな中、政府の極秘計画 「プロメテウス」 に携わる歴史学者が何者かに殺された……。
(創元SF文庫 1447円)[amazon]

クラウス・メルツ 『幸福の烙印』
〈エクス・リブリス〉
スイスの片田舎に暮らす一家のささやかな日常を詩的で圧縮された表現で描く。現代スイスを代表する作家の代表的三篇を集めた初の邦訳。
(白水社 2592円)[amazon]

『分断された時代を生きる 知のフィールドワーク 東京大学教養学部編
流動性を増す現代。その課題に応えるはずの学問も複雑化し、なにを知るべきかを見定めることさえ難しい。いっぽう、「学問の社会還元」 を合言葉にするかのように、とかく手早い成果が求められる。しかし、異質なもの、未知との遭遇は避けられないからこそ、長い目で事象をとらえる力が必要ではないか。東京大学教養学部がこの問題意識に向き合うべく、高校生、社会人向けに開講する公開講座 「金曜特別講座」 を書籍化。
(白水社 2376円)[amazon]

『科学の最前線を歩く 知のフィールドワーク 東京大学教養学部編
東京大学教養学部の高校生、社会人向け公開講座 「金曜特別講座」 を書籍化。ニュートリノを探究し、いっぽうで医療や産業に研究を生かし生活に寄りそう。さまざまな時代や場所、日常から宇宙までを見つめる眼差しを、この講座は社会と共有してきた。
(白水社 2592円)[amazon]


谷口幸男 『エッダとサガ 北欧古典への案内
万物の父オーディンをはじめ、トール、ロキといった名だたる神々の躍動、ヴァイキングたちの冒険、氷と火の島アイスランドでの生活と信仰――詩篇 「エッダ」 と散文芸術 「サガ」 に生きいきと綴られた、北欧の豊穣なる古典世界への扉をひらく名著、待望の復刊。
(新潮社 1620円)[amazon]

澁澤龍彦 『澁澤龍彦玉手匣』 東雅夫編
自らを 「アフォリズム型」 と称する澁澤龍彦の神髄を、パラグラフで読む。澁澤が描いた幻想的イメージの宇宙を、アンソロジスト・東雅夫が編む、濃密な 「澁澤体験」 の一冊。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

スタニスワフ・レム 『主の変容病院・挑発
レムはここから始まった――ナチスによって占領された病院を舞台に、苦闘する青年医師の姿を描いた処女長篇 『主の変容病院』 と、ナチスによるユダヤ人大虐殺を扱った架空の歴史書の書評 『挑発』 や 『二一世紀叢書』 など、メタフィクショナルな中短篇5篇を収録。〈スタニスワフ・レム・コレクション〉 全6巻完結。
(国書刊行会 3024円)[amazon]

蜂須賀正氏 『世界一の珍しい鳥 破格の人 〈ハチスカ・マサウジ〉 の博物随想集
華族探検家・鳥類学者の蜂須賀正氏が一般向けに書いた、絶滅鳥ドードーや、モアなど鳥に関する文章を集成。稀覯書 『世界の涯』 収録のエッセイを中心に、卒業論文「鳳凰の研究」や雑誌に発表された記事を加え、蜂須賀の文業の粋を一巻に収めた。
(原書房 4104円)
[amazon]

ウンベルト・エーコ 『ウンベルト・エーコの小説講座 若き小説家の告白
中世美学研究者にして現代思想家がある日ベストセラー小説家に! どのような方法で名作は生み出されたのか。『薔薇の名前』 の作者が創作の全・手のうちを見せる。
(筑摩書房 2484円)[amazon]

湯本豪一 『古今妖怪纍纍 湯本豪一コレクション
古くは江戸時代に描かれた妖怪から、新しくは昭和の懐かしい妖怪まで古今津々浦々から、ぞくぞくと集結。前作 『今昔妖怪大鑑』 収録には、うっかり間に合わなかった妖怪たちの大舞台 『古今妖怪纍纍』、いよいよ開幕。長らく秘蔵された初公開の妖怪は150体以上。
(パイインターナショナル 3132円)[amazon]

《ミステリマガジン》 9月号
特集:シャーロック・ホームズは永遠に/追悼:コリン・デクスター
(早川書房 1296円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーⅤ カーラの狼 上・下
のどかなカーラの町に最悪の報せが届く。もうすぐ 〈狼〉 たちが、双子の片割れをさらいにやってくるのだ――おとなしく子どもを差し出すか、勝ち目のない戦いに挑むか。ローランドは人々とともに立ち上がる。
(角川文庫 1382円/1469円)[amazon]

ヒュー・ハウイー 『サンド』
砂丘に囲まれた紛争と暴力の街。サンドダイバー・ビクトリアの父は失踪、家族は壊れつつあった。そこに父の娘を名乗る少女が現れて。砂漠化した未来、閉ざされた共同体と家族の再生を描くSFファンタジー。
(角川文庫 1210円)[amazon]

ジェニファー・リンチ 『ツイン・ピークス ローラの日記
2017年7月~WOWOWで新シリーズが放映される 『ツイン・ピークス』。すべての事件の発端となった少女殺人事件の被害者による日記。すべての秘密が、この中にある。
(角川文庫 994円)[amazon]


樫原辰郎 『帝都公園物語』
一国の首都は公園設計からはじまった。日比谷公園、上野公園、新宿御苑、明治神宮外苑などはいかにして完成したのか。日本の近代化をめぐる人びとの物語。
(幻戯書房 2376円)[amazon]


クラウディア・ブリンカー・フォン・デア・ハイデ 『写本の文化誌 ヨーロッパ中世の文学とメディア
本が一点物だった時代、本の書写、テキストの制作、パトロンによる発注は、どのような意味をもっていたのか。印刷以前の書籍文化誌。
(白水社 3564円)[amazon]

小倉孝誠 『ゾラと近代フランス 歴史から物語へ
百貨店、炭鉱、そして近代市場。資本主義が立ち上がってくるパリを支配していたものは何か?自然主義文学と欲望の力学の鮮やかな交錯。
(白水社 3456円)[amazon]

鈴木一誌 『ブックデザイナー鈴木一誌の生活と意見 あるデザイナーの観察と意見
約半世紀にわたってブックデザインの世界で活動してきた著者が、生活者としての視点から日常の出来事や現代社会にひそむデザインの政治性や権力性について2005年以降に発表してきたエッセイのほか、各誌に発表してきた書評やコメントを集成。
(誠文堂新光社 2700円)[amazon]


小松崎茂 『小松崎茂 日本の軍艦塗り絵』 根本圭助監修
空想科学イラストや戦記物・プラモデルの箱絵などで活躍した画家・イラストレーターの小松崎茂の塗り絵を楽しむ一冊。大和、武蔵、陸奥、赤城など人気の軍艦イラスト16点を収録。
(河出書房新社 1296円)[amazon]

ピエール・スヴェストル&マルセル・アラン 『ファントマ』
20世紀初頭パリ、神出鬼没の百面相。変装の名手ファントマの真の姿を見たものはいない。すべての極悪犯罪にファントマの影を感じ、敏腕ジューヴ警部が追う。物語は常識を軽く越え、夢幻的な雰囲気すら漂う犯罪の一大博覧会と化す。 1910年代にフランスを熱狂させ、32巻まで続いたベストセラー大衆小説。「ファントマ」 デビュー作を完訳。横尾忠則=装幀。
(風濤社 2700円)[amazon]

『石原豪人 「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター 中村圭子編
〈らんぷの本〉
力・毒・色気あふれる、50年に及ぶ画業が初めて一冊に! 昭和40年代、少年雑誌の 「大図解」 で大活躍。伝説のイラストレーター石原豪人の全軌跡。増補新装版。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

フォルカー・クルプフル&ミハイル・コブル 『大鎌殺人と収穫の秋
高齢者を騙していた悪質旅行業者、違法中絶を行なっていた元医師が、相次いで殺される。死体の首は鎌で切りつけられ、現場には奇妙な暗号が残されていた。当然のように捜査は難航し、クルフティンガー警部率いる捜査陣は五里霧中の迷路に陥る。ドイツの大ヒットシリーズ第2弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『風の名前 5』
チャンドリアンによる惨劇の噂をききつけて、トレボンの町へと急行したクォートは、ただ一人惨劇から生き残った目撃者から状況を聞き出そうとする。だが、その目撃者とは、なんと愛しのデナだった。デナとともに惨劇の現場を調査するため北の丘へとのぼった彼は、青い炎を吐く伝説の恐竜ドラッカスに遭遇する。
(ハヤカワ文庫FT 886円)[amazon]

エミリー・ディキンスン 『わたしは名前がない。あなたは誰? エミリー・ディキンスン詩集
英文の構造が変則的で、それゆえ翻訳が難しいとされるエミリー・ディキンスンの詩から73編を選び、7つのジャンルに分けて構成。ディキンスンを愛してやまない詩人翻訳家、内藤里永子による渾身の訳。
(KADOKAWA 1512円)[amazon]

『江戸博物文庫 魚の巻』
遊泳する色と形の美しさ……。海水魚を中心に、江戸期の彩色魚類図版約180種を収録。和名の由来、味や調理法など食材としての魅力も説明する。
(工作舎 1728円)[amazon]

『江戸博物文庫 菜樹の巻』
江戸期植物図鑑の最高傑作 『本草図譜』 より、野菜・果物からキノコ、松竹梅まで約180種を紹介。「食べられる」植物の傑作図集。
(工作舎 1728円)[amazon]

ルイス・キャロル 『対訳・注解 不思議の国のアリス』 安井泉 訳・注
原書 (第6版、1897年) の全文と、全42点の挿絵を掲載。原文の魅力を伝える読みやすい新訳に、読解には欠かせない背景知識を説明した注釈を添えた、『不思議の国のアリス』 の世界を英語で味わうための、最良の道しるべ。
(研究社 3780円)[amazon]

『鮎川哲也探偵小説選』
〈論創ミステリ叢書〉
未完の遺稿 「白樺荘事件」、ファン待望の単行本初収録。雪の山荘での連続殺人に名探偵・星影龍三が挑む 「白の恐怖」、アリバイトリックを扱った 「青いネッカチーフ」、ロマンチシズムの色気が漂う 「寒椿」、掌編 「草が茂った頃に」 など、単行本未収録作品を集成。別名義で発表された12作の絵物語も挿絵付きで収録。
(論創社 4104円)[amazon]


G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の秘密 新版
不可解かつ幻想的な殺人の謎 「大法律家の鏡」、この世の出来事とは思えぬ状況で発生した金塊消失事件 「飛び魚の歌」、常識を超えたユーモアと恐怖の底に必然的動機がひそむ「ヴォードリーの失踪」 など珠玉の10編。読みやすく、新しいカバーでリニューアル。解説=高山宏
(創元推理文庫 799円)[amazon]

ルシンダ・ライリー 『蘭の館 上・下
レマン湖畔に建つおとぎ話の城のような館 〈アトランティス〉。主は世界中から六人の赤ん坊を迎え、愛情を込めて養育した。ロンドンで養父の急死の報を受けた長女マイアは、謎めいた遺言に従いリオ・デ・ジャネイロに飛ぶ。そこで出会ったのは想像もしなかった過去の物語だった。世界的ベストセラー作家が壮大な構想で描くシリーズ開幕。
(創元推理文庫 各1188円)[amazon]

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』
サハラ砂漠に不時着した孤独な飛行士と、「ほんとうのこと」 しか知りたがらない純粋な星の王子さまとのふれあいを描いた永遠の名作を、内藤濯の歴史的名訳で。『星の王子さま』 誕生の秘話を満載したエッセイを収録。〔カラー版〕
(岩波文庫 562円)[amazon]

『クァジーモド全詩集』
20世紀イタリアを代表する詩人クァジーモドの全詩集。反ファシズム闘争に身を投じ、人間を蹂躙する現実への激しい怒りを表現し、戦後は冷戦や核の恐怖を見据えた強靭な社会詩を書き続けた詩人による、社会の悲惨、歴史の苦悩に対峙することばを、詩心あふれる名訳で。河島英昭訳。
(岩波文庫 1156円)[amazon]

澁澤龍彦 『ヨーロッパの乳房』
ボマルツォの怪物庭園、プラハの怪しい幻影、ノイシュヴァンシュタイン城、骸骨寺、パリの奇怪な偶像、イランのモスクなど、初めての欧州旅行で収穫したエッセイ。没後30年を機に新装版で再登場。
(河出文庫 821円)[amazon]
澁澤龍彦 『華やかな食物誌』
古代ローマの饗宴での想像を絶する料理の数々、フランスの宮廷と美食家たちなど、美食に取り憑かれた奇人たちの表題作ほか、18のエッセイを収録。没後30年を機に新装版で再登場。
(河出文庫 756円)[amazon]
澁澤龍彦 『神聖受胎』
反社会、テロ、スキャンダル、ユートピアの恐怖と魅惑など、わいせつ罪に問われた 「サド裁判」 当時に書かれた時評含みのエッセイ集。若き澁澤の真髄。没後30年を機に新装版で再登場。
(河出文庫 799円)[amazon]
澁澤龍彦 『エロスの解剖』

母性の女神に対する愛の女神を貞操帯から語る 「女神の帯について」 ほか、乳房コンプレックス、サド=マゾヒズムなど、エロスについての16のエッセイ集。没後30年を機に新装版で再登場。
(河出文庫 756円)[amazon]


紀田順一郎 『蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか
やむをえない事情から3万冊超の蔵書を手放した著者。自らの半身をもぎとられたような痛恨の蔵書処分を契機に、近代日本の出版史・読書文化を振り返りながら、「蔵書」 の意義と可能性、その限界を探る。
(松籟社 1944円)[amazon] [honto]


リズ・ベリー 『月影の迷路』
サマセットの丘陵地帯にひっそりと建つ館と中国庭園、それを支える小さな村。大学進学目前の夏休み、ロンドン育ちのクレアがそこで出会ったものは、眠れる力を目覚めさせ、運命を大きく変えるものだった……。秘密の宝石箱のように精巧に創られたスピリチュアル・ファンタジー。
(国書刊行会 3024円)[amazon]

萩尾望都 『ピアリス』
過去が見えるピアリス。未来が見えるユーロ。幼い頃生き別れになった双子の姉弟、数奇な運命の物語。萩尾望都が90年代に 「SF作家・木下司」 の名前で執筆・発表した幻のSF小説 『ピアリス』 を初単行本化。小説執筆と同時に描いた挿絵イラストも40点掲載。
(河出書房新社 1566円)[amazon]

シャーロット・スレイ 『紙の上の動物園 博物画に描かれた動物たち
15世紀に生まれた動物画の変遷をその500 年の歴史とともに紐解く。ジョン・J.・オーデュボンやマリア・シビラ・メーリアンなど巨匠の作品や博物学上貴重な作品、名もなき画家の大変興味深く美しい作品を一挙掲載。
(グラフィック社 3024円)[amazon]

エラリー・クイーン 『アメリカ銃の謎 新訳版
競技場 〈ザ・コロシアム〉 に二万人の大観衆を集めたロデオショウの公演。馬による追跡劇の最中、銃声が轟き、西部劇の英雄バック・ホーンの命は絶たれた。客席にいたクイーン警視とエラリーは、眼前で起きた大胆きわまる犯罪に立ち向かう。〈国名シリーズ〉 新訳。中村有希訳。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ルネ・ナイト 『夏の沈黙』
TVドキュメンタリー制作者のキャサリン。仕事はうまくいき、夫は優しく、息子も就職して独立している。だが、彼女の人生は、引越し先で手にした見覚えのない本を開いた瞬間に暗転した。その本の主人公は私だ。しかもそれは、20年間隠しつづけてきた、あの夏の秘密を暴こうとしている。衝撃の結末で世界に旋風を巻き起こしたデビュー・ミステリを文庫化。
(創元推理文庫 予価1080円)[amazon]

夢野久作 『夢Q夢魔物語 夢野久作怪異小品集
『ドグラ・マグラ』 の作家の作品を 【魔】 【魅】 【夢】 【冥】 【妄】 の章立てで、誰も知らない夢Qワールドへ。文豪怪異小品集第6弾。東雅夫編
(平凡社ライブラリー 1620円)[amazon]

内田隆三 『乱歩と正史 人はなぜ死の夢を見るのか
日本に探偵小説が誕生して100年。なかで一頭地を抜く 「乱歩」 と 「正史」 の位置とは? 時代・社会背景と作家・作品との関係とは?
(講談社選書メチエ 1944円)[amazon]

ルース・グッドマン 『ヴィクトリア朝英国人の日常生活 上・下
貴族もメイドも、子供も大人も、目覚めから就寝までどのように暮らしていたのか。文献、広告、日記など膨大な資料を読み込み、当時の品物を実際に使用して描くほんとうのヴィクトリア朝英国の暮らしかた。
(原書房 各2160円)[amazon]

長田順行 『暗号大全 原理とその世界
人間社会の構築やコミュニケーション行為における意思や情報の伝達と秘匿の必要性から発生し、時代や社会の変遷とともに発展、進化しつづけた暗号。そこには数千年におよぶ人類の叡智がこめられている。世界や日本のさまざまな暗号の実際と理論、そして歴史的な変遷を、豊富な具体的な例を掲げ、平易かつ簡潔に網羅した〈日本暗号学〉不朽の古典。
(講談社学術文庫 1404円)[amazon]

トマス・ウルフ 『天使よ故郷を見よ
作者自身を色濃く反映した青年ユウジーンの青春の孤独と苦悩を、20世紀初頭のアメリカの時代精神と重ね合わせて綴る、鮮烈な叙事詩。大沢衛訳。
(講談社文芸文庫 2268円)[amazon]

ボンテンペッリ 『鏡の前のチェス盤』
語り手である 「ぼく」 が10歳のころ、部屋にあった鏡のなかの世界に入り込んだ体験を回想するファンタジー。チェスの駒が会話し、現実と非現実の境が曖昧な迷宮ワールドを描く、キャロルの〝アリスもの〟を思わせる幻想的色彩の強い物語。橋本勝雄訳。
(光文社古典新訳文庫 821円)[amazon]

ハイデガー 『存在と時間3』
第3巻はデカルトの存在論を批判し、世界内存在としての現存在と手元存在者の空間性との関係から世界の世界性を、また 「共同現存在」 という概念から現存在とは誰なのか、他者とは誰かという実存論的な問いを考察する。(第27節まで) 。中山元訳。
(光文社古典新訳文庫 1318円)[amazon]

柳下毅一郎 『皆殺し映画通信 地獄旅』
話題の映画を斬って斬ってきりまくる!舌鋒鋭い映画評論家・柳下毅一郎による2016年邦画超毒舌レビュー集。
(カンゼン 1836円)[amazon]


ポール・ガンビーノ 『死をめぐるコレクション 病的な蒐集家が紡ぐ奇怪な世界
スカル、ミイラ化した頭部、病理標本、刑事事件の証拠物品、オカルトグッズなど、猟奇的なアイテムを蒐集する18人へのインタビュー&コレクション集。死をめぐる奇妙なものに魅せられる人々とその世界を解き明かす。
(グラフィック社 2700円)[amazon]

レベッカ・ソルニット 『ウォークス 歩くことの精神史
歴史上の出来事に、科学や文学などの文化に、なによりもわたしたち自身の自己認識に、歩くことがどのように影を落しているのか、自在な語り口でソルニットは語る。人類学、宗教、哲学、文学、芸術、政治、社会、レジャー、エコロジー、フェミニズム、アメリカ、都市へ。歩くことがもたらしたものを語った歴史的傑作。目次
(左右社 4860円)[amazon]

京樂真帆子 『牛車で行こう! 平安貴族と乗り物文化
車種は? スピードは? 嫌なやつと同乗したら? 平安貴族の移動手段 「牛車(ぎっしゃ)」 とは、どんな乗り物だったのか。古記録や古典文学、絵巻物を素材に、乗り降りの作法、生きる動力=牛の性能、乗車定員やマナーなど、失われた日常生活を豊富な図版とともに生き生きと再現。牛車に魅せられた著者が、その魅力を余すところなく語る。
(吉川弘文館 2052円)[amazon]

山田風太郎 『半身棺桶』
「最大の滑稽事は自分の死」――人間の死に方に思いを馳せ、世相を眺め、麻雀を楽しみ、チーズの肉トロに舌鼓を打つ。絶品エッセイ集。
(ちくま文庫 1080円)[amazon]

ジグムント・ミウォシェフスキ 『怒り 上・下
ポーランド北部の工事現場で白骨化した遺体が見つかった。現場が病院に続く地下防空壕だったことから、戦時中のドイツ人の遺体と考えられたが、検死の結果、遺体の男は10日前には生きていたことが判明、さらにこの短期間で白骨化することはあり得ないという……。ポーランドでベストセラーとなった傑作ミステリ。
(小学館文庫 各832円)[amazon]

ノア・ホーリー 『晩夏の墜落』
霧にけぶる八月の海にプライベート・ジェット機が墜落した。乗り合わせていた画家のスコットはからくも死を免れ、救助した男の子とともに泳いで生還を果たす。連邦の調査チームによる墜落原因の特定が難航する一方で、死亡したとみられている乗客の中に米国有数のメディア王や訴追直前の富豪が含まれていたことから、全米を過激な陰謀論が飛び交うことに。はたして偶然の事故なのか? 加熱する報道の矛先は生存者であるスコットへと向けられ……。MWA賞最優秀長篇賞に輝く迫真のサスペンス。ハヤカワ・ミステリ版&文庫版同時発売。
(ハヤカワ・ミステリ 2376円)[amazon]
ノア・ホーリー 『晩夏の墜落 上・下
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各821円)[amazon]

アレクサンドラ・オリヴァ 『ラスト・ワン』
リアリティ番組 『闇のなか』 の撮影が始まった。荒野に集められた12名の参加者が、数々の 〈チャレンジ〉 に挑み賞金獲得を争う様子を、ほぼリアルタイムで放送するのだ。最初は単純なトレッキングから徐々に困難な〈チャレンジ〉へと進み、少しずつ参加者がふるい落とされていくが、彼らの知らない外の世界では巨大な異変が起きていた……。注目のサバイバル・スリラー。
(ハヤカワ文庫NV 1253円)[amazon]

フィリップ・ジャン 『エル ELLE』
一人暮らしの自宅で、覆面の男に襲われたミシェル。その後、犯人から自分を監視しているらしきメールが届く。男はいまも近くにいるのだろうか。次々と起きる問題に奮闘する彼女の前に、再び犯人が現れた! フランスのベストセラー・サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 713円)[amazon]

ジョン・スコルジー 『レッドスーツ』
銀河連邦の新任少尉ダールは、憧れの宇宙艦隊の旗艦イントレピッド号に配属される。だが、彼と新人仲間はすぐに周囲で奇妙な事象が頻発していることに気づく。この世界では何が起こっているのか? 自分たちは何かに操られているのか……? 宇宙冒険ユーモアSF。
(ハヤカワ文庫SF 1080円)[amazon]

エレナ・フェッランテ 『リラとわたし1 ナポリの物語
真面目なエレナと、天才的な頭脳を持つ反逆児リラ。十歳で出会った少女ふたりは、ときに頼りあい、ときに反発しあいながらも、変わりゆく1950年代のイタリア、ナポリで成長していく。多数の有名作家・書評家を熱狂させた波瀾万丈な友情の物語、ついに開幕。
(早川書房 2268円)[amazon]

ルーシー・ヒューズ=ハレット 『ダンヌンツィオ 誘惑のファシスト
イタリアの国民的詩人にしてナショナリストのデマゴーグ、戦争の英雄にして色事師……いくつもの貌を持つ奇才のスキャンダラスな生涯に迫る、評伝の決定版。
(白水社 9936円)[amazon]

イサベル・アジェンデ 『精霊たちの家 上・下
予知能力を持つクラーラは、毒殺された姉ローサの死体解剖を目にしてから誰とも口をきかなくなる――精霊たちが飛び交う神話的世界を描き、ガルシア=マルケス 『百年の孤独』 と並び称されるラテンアメリカ文学の傑作。
(河出文庫 各1188円)[amazon]

小栗虫太郎 『二十世紀鉄仮面』
九州某所に幽閉された 「鉄仮面」 とは何者か、私立探偵法水麟太郎は、死の商人・瀬高十八郎から、彼を救い出せるのか。帝都に大流行したペストの陰の大陰謀が絡む、ペダンチック冒険ミステリ。
(河出文庫 864円)[amazon]

澁澤龍彦 『極楽鳥とカタツムリ』
澁澤没後三十年を機に、著者のすべての小説とエッセイから 「動物」 をテーマに最も面白い作品を集めた究極の 「奇妙な動物たちの物語集」。ジュゴン、バク、ラクダから鳥や魚や貝、昆虫までの驚異の動物園。
(河出文庫 950円)[amazon]

テリー・イーグルトン 『アメリカ人はどうしてああなのか』
あまりにブラック、そして痛快。抱腹絶倒、滑稽話の波状攻撃。イギリス屈指の毒舌批評家が、アメリカ人とアメリカという国、ひいては現代世界全体を鋭くえぐる。文庫化にあたり新しい序文を収録。
(河出文庫 918円)[amazon]

コルム・トビーン 『ブラックウォーター灯台船』
死期の近づいた弟のために、棄てたはずの故郷に戻ってきたヘレン。自分の人生から切り離した過去と、とりわけその中心にいる母という存在と向き合う苦しみのなかで、彼女が見出したものとは……。現代アイルランドを代表する作家の長編小説。
(松籟社 2160円)[amazon] [honto]

ジェームズ・ロリンズ 『暗黒結晶 上・下
新世紀最初の日食の最中、巨大地震が太平洋全域を襲う。米大統領搭乗機が太平洋上空で姿を消し、沈没船探査中のジャックに米軍の救援要請が届く。一方そのころ与那国島沖の遺跡へ向かっていた人類学者のグレイスは、地震で隆起した古代都市を目にする。アクション・アドベンチャー巨編。
(扶桑社ミステリー 各994円)[amazon]


▼6月刊

R・D・ウィングフィールド 『フロスト始末 上・下
あのフロスト警部がデントン署を去るときが来た? 自らのヘマが招いた事態とはいえ、管内で容赦なく起き続ける事件の捜査に時間を取られ、異動の日は刻一刻近づくばかり。絶体絶命、史上最大のピンチに見舞われ弱りきった警部は、最後にどんな始末をつけるのか。超人気警察小説最終巻。
(創元推理文庫 各1404円)[amazon]

チャールズ・ボズウェル 『彼女たちはみな、若くして死んだ』
謎めいた殺人事件は世間の耳目を集める。被害者が若い女性で、凶悪な暴力の犠牲となったとあれば、人々の注目は高まる。手がかりを追って、〈真実〉 という確固とした断片を集めていけば、謎は解明され犯人は逮捕される。本書に収録した事件は公式の情報をもとに、多数の若い女性が殺害された事件を再現したものである――MWA賞受賞のジャーナリストが実在の事件を題材に、誠実な調査と真摯な筆致で描き出す十の事件簿。
(創元推理文庫 予価972円)[amazon]

ジム・ケリー 『凍った夏』
公営アパートで男が肘掛け椅子に座ったまま死んだ。閉所恐怖症の彼は真冬にもかかわらず扉を外し、窓を開け放したまま寝て凍死したらしい。自殺や事故の可能性が高いとされたが、取材に訪れた新聞記者ドライデンは現場で疑問を抱く。些細な謎は恐るべき真相への手がかりだった。丹念な調査と明晰な推理が冴え渡る英国本格ミステリ。
(創元推理文庫 予価1404円)[amazon]

ティラー・マッツェオ 『歴史の証人 ホテル・リッツ』
世界中の観光客の憧れの的であるこのホテルは、1900年代にプルースト、ワイルドが出入りし、20年代にはヘミングウェイが待ち合わせに使い、ナチス占領下にはゲーリングが拠点を置いた……歴史を見守ってきたホテルの物語。傑作ノンフィクション。
(東京創元社 予価2700円)[amazon]

ベルンハルト・シュリンク 『階段を下りる女』
〈新潮クレスト・ブックス〉
名画とともに異国に消えた謎の女。消そうとして消せなかった彼女の過去とは? 一枚の絵をめぐるドイツのベストセラー作家の新境地。
(新潮社 予価2052円)[amazon]


《幽》 vol.27
〈特集 山田風太郎!〉
怪談専門誌としてスタンスから、現代エンターテインメントの巨人 「山風(ヤマフウ)」 の一面に、斬新なアプローチを試みる。水木しげるの漫画化 (京極夏彦 着色) 「大いなる幻術」、インタビュー再録や、筒井康隆、貴志祐介が語る風太郎作品の魅力、菊地秀行、仁木英之、花房観音による短編競作など。
(KADOKAWA 1990円)[amazon]

黒田日出男 『岩佐又兵衛と松平忠直 パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎
特異な表現によって浮世絵をつくったとされる岩佐又兵衛。この天才絵師が関わったとされる長大な 「又兵衛絵巻群」 にはとりわけ異様な魅力がある。そうした魅力を生んだ根源は何か、本書は絵画史料論的アプローチによって絵巻群に迫る。
(岩波書店 2700円)[amazon]


サマセット・モーム 『英国諜報員アシェンデン』
第一次大戦の最中、英国のスパイ、アシェンデンは上司Rの密命を帯びてヨーロッパ各国を渡り歩いている。一癖も二癖もあるメキシコやギリシア、インドなどの諜報員と接触しつつアシェンデンが目撃した、愛と裏切りと革命の日々。そしてその果てにある人間の真実。諜報員として活躍したモームによるスパイ小説の先駆にして金字塔。金原瑞人訳
(新潮文庫 724円)[amazon]

エラ・バーソード/スーザン・エルダキン 『文学効能事典 あなたの悩みに効く小説
小説で愉しむ 「病」 と 「悩み」 の処方箋。古今東西の名作文学作品があなたの悩みに効く 「薬」 になる!(かもしれない)。月曜の朝が憂鬱なときは… V・ウルフ 『ダロウェイ夫人』、腹が立ったときは… ヘミングウェイ 『老人と海』 、つま先をぶつけたときは… ジョイス 『若い藝術家の肖像』、憎しみを感じるときは…オーウェル 『一九八四年』、歯が痛いときは…トルストイ 『アンナ・カレーニナ』 等々。
(フィルムアート社 2160円)[amazon]

『新修隠語大辞典』
特殊な集団の話言葉である 「隠語」 を総合的・網羅的に扱った辞典。警察や検察、税務署などの資料から、雑誌の隠語関係記事までを渉猟し、語釈・文献名等を添えて50音順に収録する。
(皓星社 8100円)[amazon]

『チェコ ポーランド ハンガリーのポスター 京都工芸繊維大学美術工芸資料館デザインコレクション
社会主義体制下の東欧では、斬新なデザインのポスターが生み出された。映画、演劇、展覧会…初公開多数含む220点を厳選紹介。ビジュアル文庫新シリーズ創刊、60~70年代、ポスター黄金期の集大成。
(青幻舎 予価1620円)[amazon]

プルタルコス 『新訳 アレクサンドロス大王伝』
大王の生涯を描いたローマ期の最重要資料が、平易かつドラマティックな新訳と、最新の研究結果を踏まえた大充実の註とともに甦る。森谷公俊訳
(河出書房新社 3456円)[amazon]

魔子鬼一 『幽霊横行 魔子鬼一作品集成 第2巻
書肆盛林堂 3000円)

『命みじかし恋せよ乙女 大正恋愛事件簿 中村圭子編
〈らんぷの本〉
世の中を賑わせた恋愛事件が頻発した大正時代。心中・自殺も流行。人気イラストレーター、マツオヒロミの書き下ろし挿絵収録。※弥生美術館 「命短し恋せよ乙女」 展 (7/1~)
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ノーマン・ポルマー/トーマス・B・アレン 『スパイ大事典』
日本で初めてのスパイに関する本格的な事典。歴史的事件の裏で、秘密裏に暗躍したスパイに関する事項を多数の写真、図版と共に収録。
(論創社 12,960円)[amazon]


鈴木宏 『風から水へ ある小出版社の三十五年
〈書肆風の薔薇〉 から 〈水声社〉 へ。編集者・経営者として過ごした35年間の、さまざまな人や本との忘れがたい出会いと別れ……。小出版社の現状に関心を寄せる人々に向けて語り、書いた、内側からの 「現状報告」 の書。
(論創社 3240円)[amazon]

北原尚彦 『シャーロック・ホームズ 秘宝の研究』
TVシリーズ 『SHERLOCK』 や、ロバート・ダウニー・Jr.主演の映画 『シャーロック・ホームズ』 など近年公開された作品をはじめ、これまでに出版・公開されたシャーロック・ホームズの映画・ドラマ・翻案小説・コミックスなど、硬軟とりまぜた世界中のメディアミックスをホームズ研究の第一人者が紹介。
(宝島文庫 745円)[amazon]

コナン・ドイル/山中峯太郎訳 『名探偵ホームズ全集 第三巻』
悪魔の足 黒蛇紳士 謎の手品師 土人の毒矢 消えた蝋面 黒い魔船
(作品社 7344円)[amazon]

ジャン・ポール ディディエローラン 『6時27分発の電車に乗って、僕は本を読む』
彼は今日も朗読する――死にゆく本を “天国” へ送るため。パリ郊外の断裁工場で働くギレンは、本を “死” へ追いやる毎日にジレンマを抱えている。生き延びたページを持ち帰っては翌朝の通勤電車で朗読して “往生” させるのが日課だが、憂鬱な日々はある朝、持ち主不明の日記を拾った時から変わり始める。
(ハーパーコリンズ・ジャパン 1512円)[amazon]


スティーヴン・ミルハウザー 『木に登る王 三つの中篇小説
男女関係の綾なす心理を匠の技巧で物語る傑作集。「復讐」 「ドン・フアンの冒険」、トリスタンとイゾルデ伝説を踏まえた表題作を収録。
(白水社 2808円)[amazon]

ジーン・ウルフ 『書架の探偵』
推理作家のクローンとして公共図書館の書架に住まう男。彼の力を借りるべく、謎を携えた麗しき令嬢が図書館を訪れる。令嬢に貸し出された彼の元に立ちはだかった、驚愕の事件とは……。SF界の巨匠、ジーン・ウルフの最新作にして、騙りに満ちたSFミステリ。
(新ハヤカワSFシリーズ 2376円)[amazon]

サンドローネ・ダツィエーリ 『死の天使ギルティネ 上・下
ローマのテルミニ駅に到着した急行列車。しかし一等車両の乗客は全員死んでいた……。イスラム過激派が犯行声明を出すなか、事件を担当することになった捜査官コロンバは違和感をおぼえ、ずば抜けた頭脳を持つコンサルタント、ダンテに連絡をとる。イタリアのサスペンス 『パードレはそこにいる』 シリーズ第二弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各886円)[amazon]

ユッシ・エーズラ・オールスン 『アルファベット・ハウス 上・下
第二次世界大戦中、敵地で撃墜された英国軍パイロットのブライアンとジェイムズ。ドイツ軍兵士になりすましたものの、彼らが搬送されたのは悪徳将校たちの虐待が横行する 「アルファベット・ハウス」 と呼ばれる病院だった。一人だけ脱出に成功したブライアンは、戦後ドイツを訪れ……。激動の時代を描く傑作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各972円)[amazon]

ソフィー・ハナ 『閉じられた棺』
面識のない貴婦人からパーティーに招かれたポアロと相棒のキャッチプール。なぜ? と訝しむ二人の前で殺人事件が発生して……。
(早川書房 クリスティー文庫 1145円)[amazon]

クリストファー・ナトール 『女王陛下の航宙艦』
歴戦の老艦長が知略を駆使して、建造後70年の英国航宙母艦〈アーク・ロイヤル〉とともに異星人艦隊に立ち向かう。熱血戦争SF。
(ハヤカワ文庫SF 1231円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『風の名前4』
夜道でアンブローズの差し向けた二人組の刺客に襲われたクォートは、やむなく慣れ親しんだアンカー亭をはなれて身を隠したが……
(ハヤカワ文庫FT 886円)[amazon]

フィリップ・マッド 『CIA極秘分析マニュアル 「HEAD」 武器としてのインテリジェンス
本職の 「スパイ」 はいかに情報を集め、最適解を導き出すのか? CIAやFBIで20年以上のキャリアを積んだ情報のプロが、最前線で編み出した実践的インテリジェンス・テクニックを徹底伝授。豊富な事例で明かす車選びからテロ対策にまで使える 「5つの法則」。
(早川書房 1728円)[amazon]

吉田健一 『わが人生処方』
常識的な叡智が底流する独自の人生論、書物への惜しみない愛情を綴った読書論、そして著者の中核をなす佳篇 「余生の文学」……。大人の風格漂う人生と読書をめぐる極上の随想を初集成。巻末に吉田暁子・松浦寿輝対談 「夕暮れの美学」 を収録。 没後40年記念エッセイ第3弾。
(中公文庫 929円)[amazon]

E・O・キロヴィッチ 『鏡の迷宮』
芸エージェントに送りつけられた小説の原稿。それは20年前に迷宮入りした殺人事件の真相を告白するものだった……。視点と思い込みの違いで読者をミスリードする異色のミステリー。
(集英社文庫 821円)[amazon]

『新編 日本幻想文学集成』 第6巻 宮沢賢治/小川未明/牧野信一/坂口安吾
幻妖メルヘン集――ノスタルジーと夢魔を宿す遥かなるメルヘン群全59編。ある日一郎君のところに届いたふしぎな手紙 「どんぐりと山猫」。金色の輪の少年が導く死の世界 「金の輪」。不条理なリンチの慣わしがある奇妙奇天烈な村の物語 「鬼涙村」。憎むべき論敵・蛸博士への復讐がたくらまれるナンセンス・ストーリー 「風博士」 他。
(国書刊行会 6264円)[amazon]


山田英春編 『美しいアンティーク生物画の本 クラゲ・ウニ・ヒトデ篇
19世紀半ばから20世紀初頭に刊行された百科辞典や図鑑などの挿画プレートから、とくにクラゲ、ウニ、ヒトデの秀作を厳選し収録。写真では到底味わえない絶妙な色彩やディテイルも堪能できるレトロでアンティークな世界。
(創元社 1620円)[amazon]

ハンス・ファラダ 『ピネベルク、明日はどうする!?
1930年のドイツ。地方の簿記係ピネベルクは明るく母性的なエマとできちゃった婚で夫婦となる。若夫婦の新生活はしかし、突然の失業で思いがけない方向へ。首都ベルリンへ移るも、世は空前の大量失業時代、二人にジリ貧が襲いかかる。一介の庶民を主人公に大衆小説の姿をとりつつ、社会の暗部を鋭く抉り、現代まで読み継がれるロングセラー。
(みすず書房 3888円)[amazon]


イアン・モーティマー 『シェイクスピアの時代のイギリス生活百科』
シェイクスピアが活躍した16世紀イングランドの、衣食住から法律、言葉、娯楽まで、当時の人々の暮らしを体験する旅へ出かけよう。
(河出書房新社 4104円)[amazon]

エヴァンジェリン・ウォルトン 『強き者の島』
グウィネズの王の後継ぎグウィデオンは、恋煩いでやつれた末弟の思いを叶えるために、吟遊詩人に身をやつし、新しき民の治めるダヴェドの地から豚を盗んで、両国に戦を起こさせる。ウェールズ神話最大の英雄で神、グウィデオンの物語をもって、神話ファンタジイの金字塔は完結する。
(創元推理文庫 1728円)[amazon]

斎藤守弘 『なぞ怪奇 超科学ミステリー (ジュニアチャンピオンコース) 復刻版
予言者、テレパシー人間、透視人間……」。科学で解き明かすことのできない、さまざまな現象を 「超能力者」 「奇跡」 「怪現象」 の3つの章に分けて、写真・図解・資料とともにわかりやすく解説した名著を復刻。〔初版:学研 1974年刊)
(復刊ドットコム 3990円)[amazon]

加藤光也 『詩について アンドルー・マーヴェルから
「いかにも、解釈を一つ誤れば身の破滅なのだ。彼らの会話に耳を澄ますなら、詩人がその裏に何を読みとっているのかもわかる」。マーヴェル、ポープ、ジェフリー・ヒル、ロチェスター、テッド・ヒューズ、シルヴィア・プラス、ヒーニー、イェイツ、萩原朔太郎、与謝野晶子……詩人との対話がここにある。目次
(松柏社 3780円)[amazon] [honto]

ハナ・ウェブスター・フォスター 『コケット あるいはエライザ・ウォートンの物語
〈アメリカ古典大衆小説コレクション〉
若さと美貌と才気を武器に恋愛を謳歌するエライザ・ウォートンだったが、自由を愛するがゆえ結婚できず、不倫の挙句私生児を身ごもる。後のアメリカン・ドリームをも彷彿とさせるエライザの物語が、共感と涙を誘う。
(松柏社 2970円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーⅣ 魔道師と水晶球 上・下
〈旅の仲間〉 であるエディとスザンナを得たローランド。二人にガンスリンガーとしての教えを叩きこみながら、〈暗黒の塔〉 への旅は続く。だが、見殺しにした少年ジェイクの面影がローランドを苦しめる……。
(角川文庫 各1469円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーIV‐1/2 鍵穴を吹き抜ける風』
15歳で最年少のガンスリンガーとなったローランドは、デバリア地方で起きた凄惨な殺人事件の調査に赴く。そこで親を亡くし怯えるビル少年と出会った彼は、母から読み聞かされた御伽噺を聞かせる……。ファン待望、シリーズ唯一の未訳作がついに登場。
(角川文庫 1080円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 新訳 まちがいの喜劇』
生き別れた双子の兄弟のせいで、街は大混乱。抱腹絶倒のシェイクスピア。河合祥一郎訳
(角川文庫 648円)[amazon]

A・A・ミルン 『クマのプー』
百エーカーの森で暮らすプーは、ハチミツが大好物。雨雲に扮してハチミツをとろうとしたり、謎の動物を追跡したり……。クリストファー・ロビンや森の仲間と繰り広げる冒険に心が温かくなる世界的名作。森絵都訳
(角川文庫 562円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『荒涼館 1』
「おまえはおかあさんの恥でした」──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと、あまたの人を破滅させてなお継続する 「ジャーンダイス訴訟」。この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し、呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に、貴族から孤児まで、19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作 (全4冊)。 佐々木徹訳
(岩波文庫 1231円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『アメリカ紀行 上・下※復刊
1842年1月、新興国アメリカの地に降り立った若き人気作家ディケンズは、好奇心に満ちた目でアメリカの姿をつぶさに観察し、母国イギリスとの比較もまじえながら、ときにユーモラスに、ときに辛辣に、生き生きと描く。
(岩波文庫 各1080円)[amazon]

モーリス・ブランショ 『終わりなき対話 II 限界―経験』
言語活動が指し示すのはいかなる意味なのか──白眉のニーチェ論を転回点にヘラクレイトスからバタイユへ。哲学と文学を架橋し、意味の極北を探る渾身の第二部。
(筑摩書房 6372円)[amazon]

アレホ・カルペンティエール 『バロック協奏曲』
〈フィクションのエル・ドラード〉
新大陸征服の大航海時代を時間の錯綜によって叙述する 〈詩学大全〉。オペラ 『モンテスマ』 上演場面を幻想的に挿入させる傑作。鼓直訳
(水声社 2160円)[honto]

アイリアノス 『動物奇譚集2』
前2〜3世紀、古代ローマの著述家による本書は、獣・魚・鳥はもとより、爬虫類・両生類から虫・植物、果ては未確認動物に至るまで、あらゆる生物にまつわる多彩なエピソードを800話近く集めたもの。原書17巻を2冊に編み、第2分冊には10巻以降と索引・地図等を収める。本邦初訳。
(京都大学学術出版会 4212円)[amazon]

《MONKEY》 vol.12 翻訳は嫌い?
柴田元幸 「日本翻訳史 明治篇」 は、江戸時代の浄瑠璃からの発展を目指した明治時代の文学運動を徹底解説。伊藤比呂美と柴田元幸の対談 「あれは翻訳といえますか?」 に加え、「見えない都市」(イタロ・カルヴィーノ+マット・キッシュ)、「ノルウェー語を学ぶ」(リディア・デイヴィス)、村上春樹と柴田元幸によるスペシャル対談も収録。
(スイッチパブリッシング 1512円)[amazon]

喜国雅彦 『本棚探偵最後の挨拶』
これだけ古本を蒐めても、墓場までは持っていかれない ──そのことに気づいた著者が、厳選に厳選を重ねトランク一つ分に本を詰めてみたり、私家版 『暗黒館の殺人』 の製作に着手したり、再び日下三蔵邸の本棚整理に行ってみたり……。本を愛してやまない本棚探偵シリーズ第4弾。
(双葉文庫 780円)[amazon]

『日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集4 妖異』
療養がてら実家に戻った作家が、犬の散歩の際に訪れた河原で、のっぺらぼうの奇妙な人形を拾う (「人形」)。小さな箱を携え、エーゲ海の船旅に参加した男が、いけすかないアベックの殺害を企てる (「エーゲ海の殺人」) など、日本推理作家協会賞の受賞作家六名による、奇異で妖しい物語の数々。
(双葉文庫 680円)[amazon]

『日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集5 幻異』
同居の老人の奇行に悩まされ追い詰められた主婦が、一線を越えた末に信じがたい事実を知ることになる (「厭な老人」)。静かな部屋で時刻を告げる古い鳩啼時計には、遠く離れた恋人との悲劇の恋の結末が隠されていた (「鳩啼時計」) など、日本推理作家協会賞の受賞作家六名による、現実とも幻ともつかぬ奇怪な物語の数々。
(双葉文庫 680円)[amazon]

ジョシュア・ハマー 『アルカイダから古文書を守った図書館員』
マリ共和国トンブクトゥの図書館に保存されていたイスラムの彩色写本など貴重な古文書が、2012年に始まるアルカイダの攻撃で危機にさらされた。敵の目を欺き、それら古文書の救出作戦を計画し、幾多の危険を乗り越えて、比較的安全なマリ南部に30万点もの歴史遺産を避難させた、ある図書館員の活躍を描くノンフィクション。
(紀伊國屋書店 2268円)[amazon]


サキ 『平和の玩具』
子供たちには武器の玩具ではなく平和的な玩具を、という新聞記事に感化された母親が早速実践にうつすが……「平和の玩具」。その城には一族の者が死ぬとき森の狼が集まって一晩中吠えたてるという伝説があった……「セルノグラツの狼」 他、全33篇を収録。奇想とブラックユーモアの作家サキの没後編集された短篇集を初の完訳。序文G・K・チェスタトン。付録としてサキ及び近親者の書簡を収録。挿絵エドワード・ゴーリー。
(白水Uブックス 1728円)[amazon]

岡本綺堂 『西郷星 傑作奇譚集
西南の役で西郷隆盛が没した後に、帝都の夜空に箒星がいく度も流れた。幼少時の記憶をもとに綴られたユーモア溢れる表題作をはじめとする、稀代のストーリーテラー岡本綺堂の傑作集。初文庫化作品を含む全11編を収録。【収録内容】 俳諧師鬼貫/不孝者/水野十郎左衛/古田家滅亡/大森彦七/新長恨歌/心中の味/埋れ木/黒狐/西郷星/随筆・西郷星
(光文社文庫 734円)[amazon]

ヘルマン・ヘッセ 『デーミアン』

些細なことから悪童クローマーに脅されていたシンクレア少年は、年上の友人デーミアンに助けられて以来、常識破りなデーミアンの独特な考え方に影響を受け、自分の生き方について深く悩み続けるが……青春期の心の葛藤を鮮烈に描いた傑作。酒寄進一訳
(光文社古典新訳文庫 778円)[amazon]

C・S・ルイス 『ナルニア国物語4 カスピアン王子』
ナルニアはテルマール人の治世。カスピアン王子は、王である叔父に実子が誕生したため命を狙われ逃亡する。落馬した彼を介抱したのは、森に隠れ住むナルニアの住人たちだった。一方、四きょうだいは魔法の力でナルニアに呼び戻され……。土屋京子訳
(光文社古典新訳文庫 778円)[amazon]

アレクサンドル・ベリャーエフ 『永久パン 他一篇』
人類の食料問題解決のために40年間研究を続けたベルリン大学の教授は課題の解決に近づくが……『永久パン』 (1928)。家政ロボットものの短編 「開け、ゴマ!」 を併録。
アルトアーツ 1188円)

トーマス・ラープ 『静寂 ある殺人者の記録
鋭敏な聴覚を持って産まれたカールは、9歳のとき、心を病んだ母親の入水をきっかけに、死という 「静寂」 こそが安らぎであると確信する。そして、人の手で、誰かに死を贈ることもできるのだと。この世界にとってあまりにも異質に生まれついてしまった、純粋で奇妙な殺人者の生涯とは。
(東京創元社 2376円)[amazon]

M・ヨート&H・ローセンフェルト 『白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン 上・下
トレッキング中の女性が偶然見つけたのは、山中に埋められた六人の遺体。すでに白骨化していたが頭蓋骨には弾痕が。トルケル率いる殺人捜査特別班に捜査要請が出された。トルケルは迷った挙げ句、有能だがトラブルメーカーのセバスチャンにも声をかける。史上最強の迷惑男セバスチャン再び。
(創元推理文庫 各1123円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.83
インタビューやエッセイ、短編セレクションなどで贈る、深町眞理子版 〈ホームズ〉 全集の完結記念特集。新連載、青柳碧人 〈ほしがり探偵ユリオ〉 セカンドシーズン掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

柳瀬尚樹 『ユリシーズ航海記 『ユリシーズ』 を読むための本
天才翻訳家が遺した 『ユリシーズ』 に関する文章を集成。第12章の発犬伝をはじめ、音楽、競馬、試訳など、ジョイスフルな一冊。
(河出書房新社 3456円)[amazon]

ルスタン・カーツ 『ソヴィエト・ファンタスチカの歴史』
革命後のソ連文学史は、ファンタスチカ (SF+幻想文学) による権力闘争の歴史だった! 粛清、雪どけ、そしてペレストロイカまで。本国ロシアでは社会学者や報道関係者が 「事実」 として引用した、教科書にぜったい載ってはならない反革命的メタメタフィクション。内容
(共和国 2808円)[amazon]

トマス・ウルフ 『天使よ故郷を見よ
20世紀初頭のアメリカで、自由を求める青年ユウジーンの孤独な魂の成長と挫折を情熱的に描く。数々の逸話に彩られ、37歳で夭逝した伝説の作家の自伝的小説。大沢衛訳
(講談社文芸文庫 2160円)[amazon]

川村伸秀 『斎藤昌三 書痴の肖像』
風変わりな造本でいまなお書物愛好家を魅了し続けている〝書物展望社本〟――その仕掛け人・斎藤昌三の人物像と、彼をめぐる荷風、魯庵、茂吉、吉野作造、宮武外骨、梅原北明ら書痴や畸人たちとの交流を描き出し、日本の知られざる文学史・出版史・趣味の歴史に迫った画期的労作。
(晶文社 5940円)[amazon]

ロバート・シルヴァーバーグ 『時間線をのぼろう 新訳版
2059年。時間局には、過去の監視と復旧を任務とする時間警察と、時間観光客を案内する観光部がある。歴史研究者の青年ジャドは時間観光ガイドとなり、ビザンティン帝国で絶世の美女に出会うが……。タイム・パラドックスSFの金字塔を新訳で。伊藤典夫訳
(創元SF文庫 1080円)[amazon]

新装版 寺山修司幻想劇集』
「レミング」 「身毒丸」 「奴婢訓」 など、もはや誰も成し得ない実験的・画期的な7作品を収録した戯曲集の新装復刊。寺山自身の解題付。
(平凡社ライブラリー 1620円)[amazon]

ロマン・ガリ 夜明けの約束』
狂おしいまでの母の愛を、全身で受けとめる私の愛。純粋なふたつの愛の遍歴――。謎の多い作者の半生が赤裸々に語られる最高傑作。史上唯一、ゴンクール賞を2度受賞した作家で外交官、女優ジーン・セバーグの伴侶にして、拳銃自殺を遂げたロマン・ガリ。その代表作であり、戦後フランスを象徴する自伝小説の白眉、ついに刊行。
(共和国 2808円)[amazon]

ボストン・テラン 『その犬の歩むところ』
その犬の名はギヴ。ひとり傷だらけで発見された彼の過去には、人々の悲しみがあった…。『音もなく少女は』 の名匠が贈る感動の物語。
(文春文庫 886円)[amazon]

スミス・ヘンダースン 『われらの独立を記念し』
庭は崩壊寸前だ。そのうえ彼は他の家族の面倒まで見なければならない。なぜなら彼は家庭福祉局で仕事をしているからだ――80年代の激動のアメリカを舞台に、様々な家庭、親子、そして犯罪を目の当たりにするソーシャル・ワーカーを描いた大作。
(ハヤカワ・ミステリ 2484円)[amazon]

ルース・ウェア 『暗い暗い森の中で』
学生時代の友人クレアの独身さよならパーティーへの招待。かつて彼女との間には色々なことがあったのに、わたしは誘い込まれるように招待に応じてしまう。人里離れた森の奥の別荘に集まったのは六人。ぎくしゃくした奇妙な雰囲気のパーティーは、やがて血塗られた惨劇へと変貌する。気鋭の異色サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1231円)[amazon]

グレッグ・イーガン 『白熱光』
はるかな未来、150万年のあいだ意思疎通を拒んでいた孤高世界から、融合世界に使者がやってきた。未知のDNA基盤の生命が存在する可能性があるという。その生命体を探しだそうと考えたラケシュは、友人とともに銀河系中心部をめざす。現代SF界最高の作家による究極のハードSF。
(ハヤカワ文庫SF 1145円)[amazon]

アーサー・ミラー 『アーサー・ミラーⅤ 代価 二つの月曜日の思い出』
大恐慌後のアメリカ。家族への自己犠牲を問う 「代価」、平凡な事務所の日常が著者の若き日を彷彿とさせる 「二つの月曜日の思い出」 の2篇を収録。
(ハヤカワ演劇文庫 1620円)[amazon]

ガエル・ファイユ 『ちいさな国で』
1990年代初頭にアフリカのブルンジ共和国で生まれたガブリエルは、家族や友人とともに幸せな日々を送っていた。しかし隣国ルワンダの民族対立が深刻化すると、平穏な生活は音を立てて崩れていくのだった――フランスで活躍する現役ラッパーが、自らの過酷な生い立ちをもとに書いた自伝的小説。
(早川書房 2052円)[amazon]

ジュセッペ・グラッソネッリカルメーロ・サルド 『復讐者マレルバ 巨大マフィアに挑んだ男
巨大マフィアに家族を殺された21歳の青年。その日から、復讐が彼の生きる目的になった。賭博で金を稼ぎ、銃を仕入れ、敵を撃つ。やがて彼は新興マフィアのボスとなり、家族殺しの首謀者を追い詰める。膨大な死傷者を出した抗争の当事者が獄中で語った真相。
(早川書房 2376円)[amazon]

『フランス・ルネサンス文学集3 旅と日常と
フランス・ルネサンス文学の全貌を伝える。第3巻には、日々の暮らしや激動の時代を浮き彫りにする回想録・日記、旅行記などを収録。
(白水社 8964円)[amazon]

中野美代子 『カニバリズム論』
根源的タブーの人肉嗜食や纏足、宦官……。目を背けたくなるものを冷静に論ずることで逆説的に人間の真実に迫る血の滴る論文集。
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

阿部謹也 『中世の窓から』
中世ヨーロッパに生じた産業革命にも比する大転換――。名もなき人びとの暮らしを丹念に辿り、その全体像を描き出す。
(ちくま学芸文庫 1404円)[amazon]

山田英春 『奇妙で美しい 石の世界』
石の模様の美しい写真とともに、石に魅了された人たちの数奇な人生や、歴史上の逸話、旅先の話など、国内外のさまざまな物語を語る。
(ちくま新書 994円)[amazon]

E・C・R・ロラック 『殺しのディナーにご招待』
〈論創海外ミステリ〉
主賓が姿を現さない奇妙なディナーパーティーが終わった後、レストランの地下食堂でペテン師の死体が発見された。彼は 『いつ』 『誰によって』 『どのように』 殺されたのか。ロンドン警視庁犯罪捜査課のマクドナルド警部は捜査を開始するが、警察を嘲笑うかのように怪事件が続発する。
(論創社 2376円)[amazon]

セース・ノーテボーム 『儀式』
1
950-70年代のアムステルダムを背景に、複雑な過去をもつ知的な自由人、インニと日常のルーティーンさえ儀式と捉えて過ごす狂気と紙一重のターズ父子が繰り広げる物語。
(論創社 2160円)[amazon]

パトリック・リー 『予言ラジオ』
サムは軍隊時代の旧友クレアから突然呼びだされ、四人の少女を救出した。その後、クレアは奇妙な筐体を彼に見せ、数時間前に録音したニュースを聞かせた。「このマシーンは放送される十時間二十四分前のラジオの電波を拾うのよ」 数時間先の未来を知る者たちの息詰まる攻防、読み出したら止まらない疾走系SFスリラー。
(小学館文庫 918円)[amazon]

海野弘 『ロシアの世紀末 〈銀の時代〉 への旅

19世紀末から20世紀初のロシアは、独自のアール・ヌーヴォーの時代だった。チェーホフ、ブローク、ベールイ、ヴルーベリ、ディアギレフ、ニジンスキーなどの芸術家たちを、ペテルブルクやモスクワという都市空間の中でいきいきと描き、この時代を浮かび上がらせる。図版100点を収録。
(新曜社 6696円)[amazon]


大川一夫 『ホームズ!まだ謎はあるのか? 弁護士はシャーロッキアン
ホームズの新たな 「?」 に弁護士が挑む。【目次】 シャーロック・ホームズの推理法と弁護術/シャーロック・ホームズはメンタリストであった/中世の人権派弁護士/シャーロック・ホームズと綾辻行人/シャーロック・ホームズと叙述トリック/日本民法とシャーロック/巻末特別寄稿=綾辻行人
(一葉社 1620円)[amazon]


エミール・クストリッツァ 『夫婦の中のよそもの』
1970年代、サラエヴォ。インテリ家庭で育った少年は、親に内緒で不良仲間と旅に出るが、列車の切符係に父親の愛人情報を聞かされショックを受ける。そんな動揺をよそに警察に追われた珍道中はどんどん変な方向へ……。表題作ほか、《アンダーグラウンド》《黒猫・白猫》 の天才映画監督が初めてペンを執った魅惑の短編集。
(集英社 2268円)[amazon]

ガッサーン・カナファーニー 『ハイファに戻って/太陽の男たち』
二十年ぶりに再会した息子は別の家族に育てられていた――時代の苦悩を凝縮させた 「ハイファに戻って」、密入国を試みる難民たちのおそるべき末路を描いた 「太陽の男たち」 など、不滅の光を放つ名作群。
(河出文庫 950円)[amazon]

アントナン・アルトー 『タラウマラ』
メキシコのタラウマラ族と出会い、ペヨトルの儀式に参加したアルトーがその衝撃を刻印したテクスト群を集成、「器官なき身体」 への覚醒をよびさまし、世界への新たな闘いを告げる奇跡的な名著。
(河出文庫 864円)[amazon]


キム・スコット 『ほら、死びとが、死びとが踊る ヌンガルの少年ボビーの物語
19世紀前半、植民初期のオーストラリア南西部、ヌンガルの少年ボビーは、一族の死者と交信する 「死びとの踊り」 の導き手であると同時に、持ち前の好奇心から入植者の社会に入り込んでいたが、やがて先住民と入植者の間の緊張が高まり……。アボリジニにルーツを持つ作家が、オーストラリア現代文学に切り拓いた新たな地平。
(現代企画室 2700円)[amazon]


ローベルト・ゼーターラー 『キオスク』
1937年秋、ナチズムが台頭するウィーン。少年はキオスクでフロイトに出会った。フロイトは少年の話に耳をかたむけた。17歳で田舎から出てきた少年フランツの目を通して時代のうねりを活写した青春小説。国際的に注目される現代オーストリアの人気作家、初邦訳。
(東宣出版 2052円)[amazon]

友成純一 『世界ファンタスティック映画狂時代』
1980年代に著者が渡り歩いた、世界の三大ファンタスティック映画祭から、知られざるC級イベントまで、ヨーロッパを中心としたファンタ系映画・映画祭の貴重な記録。80年代の黄金期を経て現在に至るまで、世界のファンタ系映画祭の特徴や変遷を辿り、当時のポスターやプログラムなど図版も掲載。
(洋泉社 2700円)[amazon]


coco/日高トモキチ/玉川数 『里山奇談』
野山を渉猟する 「生き物屋」 が蒐集した、里山の妖しく不思議なお話。ダムに沈んだ小さな集落には決して入ってはならない 「湯」 があった…。大分県の山深く、畑仕事の老人が遭遇した不気味な嗤い声と不思議な動きをする影…。愛知万博開催が決定し、道路交通網の整備が始まったとき、この山を削ると祟られると年寄りたちが騒ぎ出した…。日本の原風景につながる不思議な40話を収録。
(KADOKAWA 1512円)[amazon]

ジョルジュ・フェドー 『どうにもこうにも』
裕福で美しい歌姫リュセットは、魅力的だが一文無しの青年ボワ=ダンギアンに首ったけ。一方、ボワ=ダンギアンは彼女への想いを引きずりながらも、資産家である男爵令嬢ヴィヴィアンヌとの結婚を決意していた。19世紀末のパリ社交界を舞台に、ままならない恋の駆け引きを描く、フランス式艶笑コメディ。
(水声社 3240円)[honto]


▼5月刊

《ナイトランド・クォータリー》 vol. 09 悪夢と幻影
一刻も早く逃れたい悪夢の物語を特集。エドワード・ルーカス・ホワイト、リサ・タトル、ロバート・エイクマンなど翻訳8編のほか、朝松健、澤村伊智の小説、鏡明インタビューほか。目次
(アトリエサード 1836円)[amazon]

鈴木堅広 『とんでも春画 妖怪・幽霊・けものたち
こわい、あやしい、ばかばかしい! 奇想天外のエロスが勢ぞろい。国貞や国芳による性器頭の妖怪春画から、思わずゾッとする女幽霊との交合図、そして北斎の傑作 「蛸と海女」 まで。江戸の想像力の極致と呼ぶべき、〈人ならざるもの〉 との交わりを描いた計130余点を、気鋭研究者が読み解く。
(新潮社 1728円)[amazon]

Keikichi Osaka 《The Ginza Ghost》
戦前日本を代表する本格ミステリ作家・大阪圭吉の傑作12篇を収録。序文=芦辺拓。【収録作品】 デパートの絞刑吏/石塀幽霊/とむらい機関車/燈台鬼/幽霊妻/幻妖/寒の夜晴れ/三狂人/人間燈台/坑鬼/手紙を喰うポスト/銀座幽霊
(Locked Room International)[amazon kindle]

トマス・オルディ・フーヴェルト 『魔女の棲む町』
人口約三千人の町、ブラックスプリング。この町には邪悪な魔女が棲んでいる。その呪いのせいで、住民はべつの場所へ移り住むことができない。離れようとすれば死への願望が植えつけられてしまい、町に戻るしかなかった。あるとき、若く裕福な夫婦が引っ越してきたが……。
(マグノリアブックス 1080円)[amazon]

パク・ミンギュ『ピンポン』
〈エクス・リブリス〉
世界に 「あちゃー」 された男子中学生 「釘」 と 「モアイ」 は卓球に熱中し、「卓球界」 で人類存亡を賭けた試合に臨む……。『カステラ』 の韓国の鬼才が猛打する長篇。
(白水社 2376円)[amazon]

『J・G・バラード短編全集3』 柳下毅一郎監修
第三巻はサイエンス・フィクションに文芸的手法を用いて、小説に新たな次元を切り開いた濃縮小説 (コンデンスト・ノヴェル) の代表作 「終着の浜辺」、本邦初訳 「光り輝く男」 など19編を収める。
(東京創元社 3888円)[amazon]

アーサー・C・クラーク 『地球幼年期の終わり 新版
宇宙に進出しようとした人類の前に、突如として未知の大宇宙船団が主要都市の上空に下りてきた。他の太陽系から来た生命体で、高度な知能と科学力をもつ全能者である彼らは、地球を全面的に管理し、ここに理想社会が出現したが、その姿を人類の前に現すことはなかった。SF史に輝く不朽の傑作。
(創元SF文庫 864円)[amazon]

ジーン・ウェブスター 『あしながおじさん』
孤児院で育ったジュディの人生に、とびきりのチャンスと幸せが舞い込んできた。名を名乗らない裕福な紳士が、奨学金を出して彼女を大学に通わせてくれるという。ただし条件がひとつ。毎月、手紙を書いて送ること。ジュディは謎の紳士を 「あしながおじさん」 と呼び、持ち前のユーモアがあふれた手紙を書き続けるのだが――。岩本正恵訳
(新潮文庫 562円)[amazon]

ジーン・ウェブスター 『続 あしながおじさん』
幸せな結婚を果たした級友ジュデ ィに、彼女の育った孤児院の運営を任されることになったサリー・マクブライド。何不自由ない家庭で育ったサリーにはとても抱えきれない重荷だが、ジュディや恋人の政治家、嘱託医にユーモアたっぷりの愚痴を手紙に書いて送るうち、少しずつ院長の責務に喜びを見出していく。畔柳和代訳
(新潮文庫 680円)[amazon]

エリナー・ファージョン 『ガラスの靴』
妖精の魔法によって、少女は煌めく宝石とドレスをまとい舞踏会へ――。夢のように魅惑的な言葉で紡がれた、永遠のシンデレラ物語。野口百合子訳
(新潮文庫 562円)[amazon]

キャサリン・ダン 『異形の愛』
巡業サーカス団長の父と母、アザラシ少年の兄、シャム双子の姉、超能力をもつ弟、そして平凡なわたし……伝説の名作、復活。
(河出書房新社 3456円)[amazon]

古川日出男 『平家物語 犬王の巻』
時は室町。京で世阿弥と人気を二分しながらも、歴史から消された能役者がいた。その名は犬王――鳴り響く琵琶は呪いか祝福か。窮極の美を求めた異貌の男の一生が物語られる。平家物語異聞。
(河出書房新社 1620円)[amazon]

エドワード・ケアリー 『穢れの町 アイアマンガー三部作2
月桂樹の館を逃げ出したジェームズは、フィルチングの町で、決して使うなと言われていた金貨でパンを買ってしまう。それがとんでもない事態を招くとも知らず……。物の声を聞く能力のあるクロッド・アイアマンガーと、召使いのルーシー。世にも奇妙で怖ろしい運命に見舞われた二人の運命は? 堆塵館に何が起きているのか。
(東京創元社 3024円)[amazon]

パトリック・ネス/シヴォーン・ダウド原案 『怪物はささやく』
怪物は真夜中過ぎにやってきた。墓地の真ん中にそびえるイチイの大木の怪物がコナーの部屋の窓からのぞきこんでいた。おまえに三つの物語を話して聞かせる。わたしが語り終えたら、おまえが四つめの物語を話すのだ……。夭折した天才のアイデアを、カーネギー賞受賞の若き作家が完成させた、心締めつけるような物語。
(創元推理文庫 864円)[amazon]


エイドリアン・トミネ 『キリング・アンド・ダイング』
突如アートに目覚める植木職人の理想と現実、ポルノ女優そっくりの顔で悩む娘の告白、口下手なのにスタンダップ・コメディアンを目指す少女とその父の葛藤……。現代で最も才能あるグラフィック・ノヴェリストが、6通りのヴィジュアル・語り口で描く、静かに胸に突き刺さる6つの人生の物語。
(国書刊行会 3672円)[amazon]

『定本 夢野久作全集 第2巻』 小説Ⅱ 1931-1933
歿後80年記念出版。多彩な活動の全貌を集大成し、新たに大量の新資料を収載した決定版全集。【収録作品】 一足お先に/霊感!/ココナットの実/犬神博士/自白心理/怪夢/斜坑/焦点を合はせる/狂人は笑ふ/幽霊と推進機/ビルヂング/キチガヒ地獄/老巡査/意外な夢遊探偵/けむりを吐かぬ煙突
(国書刊行会 9720円)[amazon]


西山智則 『エドガー・アラン・ポーとテロリズム 恐怖の文学の系譜
テロリズムを軸に、エドガー・アラン・ポーの 「恐怖のテクスト」 を先行/後続する映画や文学作品という 「縦糸」、同時代の文化や事件などの 「横糸」 という 「インターテクスト性」 から読み解こうとする文化研究。目次
(彩流社 1944円)[amazon]

スキップ・ホランズワース 『ミッドナイト・アサシン アメリカ犯罪史上初の未解決連続殺人事件
真夜中の暗殺者、女中娘殲滅者、見えない復讐者、斧男と呼ばれたのはいったい何者なのか!? 1884年から85年にかけて、テキサス州オースティンをかつてないパニックと恐怖に陥れた、謎の連続殺人鬼の正体に迫る衝撃のノンフィクション。
(二見書房 2700円)[amazon]

ワシーリー・グロスマン 『トレブリンカの地獄 ワシーリー・グロスマン前期作品集
独ソ戦時、赤軍記者としてユダヤ人強制収容所の解放に立ち会い、世界で最初にホロコーストを報じた記事となった表題作など、スターリンの死(1953年)以前に書かれた、短篇小説・ルポルタージュ・戯曲を収録。
(みすず書房 4968円)[amazon]

ジャン=アンリ・ファーブル 『完訳ファーブル昆虫記 第10巻下』 奥本大三郎訳
シリーズ全20冊の完結編。80歳を超えたファーブルが、幼年時代や高等中学校 (リセ) 当時の思い出をつづる 「昆虫記」 全221章のなかでも指折りの感動的なエッセイも掲載。
(集英社 4104円)[amazon]

ヘンリー・ペトロスキー 『本棚の歴史』
復刊 〈書物復権〉
書物の発達と共に進んできた本棚の知られざる歴史を名著 『鉛筆と人間』 の著者が跡づける。
(白水社 5184円)[amazon]

ジャック・ヴァンス 『スペース・オペラ』
〈ジャック・ヴァンス・トレジャリー〉
未知の惑星ルラールから来た 〈第九歌劇団〉 は素晴らしい演目を披露したあと、忽然と姿を消した……宇宙歌劇団が繰り広げる啞然茫然・波瀾万丈の珍道中を描く傑作SF長篇、そして浅倉久志がセレクトした珠玉の中短篇4篇 (「新しい元首」 「悪魔のいる惑星」 「海への贈り物」 「エルンの海」) を集成。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ローズ・トレメイン 『音楽と沈黙 1・2
伝説の王クレスチャン4世の苦悩、 そして官能に溺れる王妃キアステンが夢見る人生―― 17世紀デンマークを舞台にした波瀾万丈の歴史ロマン大作、ついに登場。ウィットブレッド賞受賞。
(国書刊行会 各2376円)[amazon ]

《ミステリマガジン》 7月号
〈特集:このミステリ・コミックが大好き!!〉
目次
(早川書房 1296円)[amazon]

寺嶋さなえ 『発見!不思議の国のアリス 鉄とガラスのヴィクトリア時代
『不思議の国のアリス』 の物語とイラストをたどって見えてくるヴィクトリア時代の文化を解説。切手/時計/ロンドン万国博覧会/フラワー・ショーなど、テニエルのイラストから当時の文化を知る新しい『アリス』の読み方。ストーリーマップ、ヴィクトリア時代の年表、キャロルを知るキーワードなど。
(彩流社 1944円)[amazon]

『山の怪奇 百物語』 山村民俗の会編
「山村民俗の会」 新旧会員による、山岳と山村の怪談、怪異譚、不思議な話の取材レポート。高山低山山麓、歴史伝説からさまざまな実見まで各地と多岐にわたる。
(河出書房新社 1296円)[amazon]


ダーシー・ベル 『ささやかな頼み』
育児ブログを運営するステファニーは、消えた友人女性の行方を探しはじめるが……英米ミステリ界を席捲する家庭ノワールの真骨頂。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1145円)[amazon]

イアン・コールドウェル 『第五の福音書 上・下
ヴァチカン美術館の学芸員が死んだ。殺人の容疑者となった兄を救うため、弟の神父は謎を追うが、やがて想像を絶する真相を知る。国際スリラー賞最優秀長篇賞受賞。
(ハヤカワ文庫NV 各972円)[amazon]

ジョシュア・ダルゼル 『暗黒の艦隊 駆逐艦〈ブルー・ジャケット〉
時は25世紀。辺境星域に突如襲来した異星種族の巨大戦闘艦に対し、敢然と立ち向かう駆逐艦〈ブルー・ジャケット〉の壮絶な戦い。
(ハヤカワ文庫SF 994円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『風の名前 3』
二学期の終わり、学費を稼ぐために居酒屋でリュートを演奏したことがきっかけで、クォートは黒髪の美しい娘デナと再会するが……
(ハヤカワ文庫FT 886円)[amazon]

デイヴィッド・ホワイトハウス 『図書館は逃走中』
家にも学校にも居場所がなかった少年。彼はある日、移動図書館車の清掃員の母娘に出会う。本を通じた幸せな交流もつかの間、ある事件によって、彼らは移動図書館車に乗って逃避行の旅に出る。本と図書館を愛するすべての人に贈る、一風変わった家族ドラマ。
(早川書房 1944円)[amazon]


吉野朔実 『愛蔵版BOXセット 少年は荒野をめざす 全3巻
「あの少年は私 今もあの青い日向で 世界の果てを見ている」 浅葱中学3年生の狩野都は、見学に訪れた蒼陸高校で自分そっくりの上級生、黄味島陸に出会う。「5歳の時、野原に置いてきた少年」 と重なる陸に、狩野は惹かれてゆく――。多感な10代の一時期を描き切った吉野朔実の代表作をA5判全3巻にて新装刊。
(本の雑誌社 6480円)[amazon]


『図説 日本の妖怪百科』 宮本幸枝
本全国に数多く棲息する妖怪たちを国民的妖怪、怖い妖怪、動物の妖怪、地元の妖怪、おかしな妖怪など、ジャンルごとに分類して紹介。妖怪を描いた絵巻物や妖怪のミイラ、妖怪が残していった遺物などの貴重な資料も多数収載。
(学研プラス 648円)[amazon]

『図説 日本の妖怪』
岩井宏實(監修)/近藤雅樹 (編集)
さまざまな異形のものたちの姿を絵巻物、錦絵、各種工芸品のなかにとらえた決定版妖怪大図鑑。新版?
(河出書房新社 1944円)[amazon]


吉田健一 『舌鼓ところどころ/私の食物誌』
グルマン吉田健一の名を広く知らしめた食べ歩きエッセイ 「舌鼓ところどころ」、全国各地の旨いものを綴り全100編を数える 「私の食物誌」。長年にわたり多くの読者を魅了した二大食味随筆を一冊にする決定版。地域別目次を付す。没後40年記念エッセイ集第2弾。
(中公文庫 994円)[amazon]

G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の不信 新版
傑作 「犬のお告げ」、奇想天外な密室トリックの 「ムーン・クレサントの奇跡」、色濃いオカルティズムで後世に多大な影響を及ぼした 「金の十字架の呪い」、トリッキーさではシリーズ随一の 「翼ある剣」 など、珠玉の8編を収録。
(創元推理文庫 799円)[amazon]

ケイト・モートン 『忘れられた花園 上・下
1913年、オーストラリアの港にたったひとり取り残されていた少女を、ある夫婦がネルと名付けて育て上げる。そして2005年、祖母ネルを看取った孫娘カサンドラは、祖母が英国、コーンウォールにコテージを遺してくれたという思いも寄らぬ事実を知らされる。
(創元推理文庫 各1058円)[amazon]

M・R・ケアリー 『パンドラの少女 上・下
人間としての精神を失い、捕食本能に支配された 〈餓えた奴ら〉。崩壊しつつある世界で発見された、持たないはずのものをもつ少女メラニー。この奇跡の少女は世界の救世主なのか? 研究基地を襲う大災厄。そして始まる極限の逃避行。7月映画公開。
(創元推理文庫 各972円)[amazon]

柴田元幸 『新装版 アメリカン・ナルシス メルヴィルからミルハウザーまで
翻訳家,エッセイストとしても知られる著者によるアメリカ小説論集。メルヴィルからオースター、エリクソン、ダイベック、ミルハウザーへ、あらゆる細部を愛惜するかのような著者のスタイルが 「もうひとつのアメリカ文学」 を描き出す。
(東京大学出版会 3672円)[amazon]

『バルザック愛の葛藤・夢魔小説選集4 老嬢』
アランソンで一大サロンを築くコルモン嬢をめぐり、水面下で婿の座争いが起こる。老嬢を射止めるのは老騎士か、商人か、青年か…。老嬢をめぐって鞘当てをする男たちを描いた 「老嬢」 をはじめ、全4篇を収録。【収録内容】 老嬢/ボエームの王/コルネリュス卿/二つの夢
(水声社 4104円)[honoto]

文藝別冊 澁澤龍彦ふたたび』 河出書房新社編集部編
没後30年、澁澤が甦る。東雅夫編コレクション、平野啓一郎、ヤマザキマリ、山崎ナオコーラ、嶽本のばら、三原ミツカズなど。
(河出書房新社 1404円)[amazon]


イタロ・カルヴィーノ 『まっぷたつの子爵』
ぼくの叔父さんテッラルバのメダルド子爵は、トルコ軍の大砲の前に、刀を抜いて立ちはだかり、左右まっぷたつに吹き飛ばされた。奇跡的に助かった子爵の右半身と左半身はそれぞれ極端な〈悪〉と〈善〉となって故郷に帰り、幸せに暮らす人びとの生活をひっくりかえす。イタリアの国民的作家カルヴィーノによる、傑作メルヘン。河島英昭訳
(岩波文庫 562円)[amazon]

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて11 囚われの女2
ヴェルデュラン邸での比類なきコンサートを背景にした人間模様。スワンの死をめぐる感慨、ヴァントゥイユの知られざる傑作が開示する芸術の意味、大貴族シャルリュスの傲慢とブルジョワ夫妻の思いがけぬ報復。「私」 もまた恋人への疑念と断ち切れぬ恋慕に苦しむが、ある日アルベルチーヌ失踪の報に襲われる。吉川一義訳
(岩波文庫 1156円)[amazon]

『死せる神々 ロシア幻想短編集Ⅲ
アンフィテアトル 「死せる神々」 「夢の彫像」、キレーエフスキー 「オパール」、オドエフスキー 「騎士ジャンバティスタ・ピラネージの諸作品」、アンドレーエフ 「沈黙」、チャヤーノフ 「ヴェネツィアの鏡」 を所収。
アルトアーツ 1188円)

郷原宏 『乱歩と清張』
江戸川乱歩と松本清張。日本ミステリー界に燦然と輝く二大巨匠の歩みを丹念に追った本格評伝。時代や育ちは違っても、ミステリーという一点で繋がった二人は友かライバルか。
(双葉社 2700円)[amazon]


マイクル・コナリー 『ブラックボックス 上・下
1992年のロサンジェルス暴動。市内警邏の応援に駆りだされたボッシュ刑事は、外国人白人女性の射殺死体の発見報告を受ける。被害者はデンマーク国籍のフリーカメラマン兼ジャーナリスト。暴動取材中に強盗被害にあったものと思われたが、犯人は見つからなかった。2012年、未解決事件の集中再捜査で、ボッシュは20年前の事件を担当する。
(講談社文庫 各929円)[amazon]

ロバート・ゴダード 『宿命の地 1919年三部作3 上・下
亡父ヘンリーは、なぜ危ない橋を渡り情報を売ろうとしたのか。そして、自らの生誕をめぐる隠された真実とは。その答えを求めて、マックスはチームを組織して日本へと乗り込む。ドイツのスパイ網指揮者は日本の悪名高き大物政治家と手を組み、その行く手を阻む――大正期の東京、横浜を舞台に描く国際諜報戦。
(講談社文庫 各1058円)[amazon]

古賀弘幸 『文字と書の消息』
「文字は人間が作り出した最大のオブジェである」。漢字を敬いながら、単純化を試みたり、複雑な新作文字を生みだす漢字文化圏の人々。生命力溢れる文字の豊かさと広がりを縦横無尽に物語る文化誌。「漢字と拮抗する西夏文字」 「紙背文書と重ね書き」 「キルヒャーの漢字」 「石碑とスカイツリー」 など。
(工作舎 3456円)[amazon]

マイケル・グラント 『GONE III 虚言 上・下
15歳以上の人間が忽然と消えてしまい、子供たちだけとなった町。不気味なバリアに周囲を覆われ、食料不足に加えて電気まで絶たれた今、さらなる絶望が子供たちの間に広がっていく。そんななか突如現れた「預言者」を名乗る少女は、外の世界と交信できると言いだす……。S・キング絶賛のSFサバイバル。
(ハーパーBOOKS 各820円)[amazon]

新装版 ベクシンスキ作品集成 III』
ポーランド幻想絵画の巨匠ベクシンスキを集成。増補新版。1960~70年代の最もダークでエロティックな幻想ドローイングを収める。
(河出書房新社 3888円)[amazon]

『一角獣の変身 青木画廊クロニクル1961-2016 青木画廊編
1961年の開廊以来、幻想絵画の牙城として内外の作家・作品を紹介してきた銀座・青木画廊、55年の軌跡を作品図版、座談会、展覧会テクスト等でたどる。内容
(風濤社 3024円)[amazon]


アイリアノス 『動物奇譚集1』
前2〜3世紀、古代ローマの著述家による本書は、獣・魚・鳥はもとより、爬虫類・両生類から虫・植物、果ては未確認動物に至るまで、あらゆる生物にまつわる多彩なエピソードを800話近く集めたもの。原書17巻を2冊に編み、第1分冊には9巻までを収める。本邦初訳。
(京都大学学術出版会 4428円)[amazon]


有栖川有栖 『ミステリ国の人々』
ミステリ小説という「国」には作家が造形した様々な「人々」が住んでいる。誰もが知る有名人、事件の鍵を握る意外な人物、憎めない脇役、不思議な人、不可解だけれど目が離せない人……そんな人々を通して、当代随一の本格ミステリ作家がミステリを読むおもしろさが何倍にも膨らむ「ツボ」を刺激してくれるミステリファン垂涎、読まず嫌いの小説ファンには目からウロコのエッセイ集。
(日本経済新聞社 1620円)[amazon]

東秀紀 『アガサ・クリスティ-の大英帝国 名作ミステリと 「観光」 の時代
「ミステリの女王」 アガサ・クリスティーはまた 「観光の女王」 でもあった。その生涯を 「ミステリ」 と 「観光」 を軸に追いながら大英帝国の二十世紀を描き出す。
(筑摩選書 1728円)[amazon]

スーザン・プライス 『ゴーストドラム』
高い塔に幽閉されて育った皇太子サファは、太陽や月の光も知らぬまま、孤独に成長する。鶏の脚の生えた家で移動する魔女のチンギスは、皇子の心の叫びに共鳴し、彼を塔から救い出すが……。暗く美しいイメージが全編を貫く英国のダーク・ファンタジー三部作の第一部。金原瑞人訳
サウザンブックス 2052円/電子書籍540円)

ガリレオ・ガリレイ 『星界の報告』
1609年、望遠鏡を製作したガリレオは天体観測を開始。翌年出版された本書は、月、恒星、木星の衛星の詳細な観測記録で世界に衝撃を与え、やがて伝統的な宇宙観を壊す動きをもたらすことになる。近代科学革命の端緒となった一冊を、世界の第一線で活躍する研究者が新たに訳出、詳細な解説を書き下ろす。伊藤和行訳
(講談社学術文庫 648円)[amazon]

ジャンバッティスタ・デッラ・ポルタ 『自然魔術』
16~17世紀、ルネサンス後期に活躍したデッラ・ポルタの 『自然魔術』 は、当時の自然観が率直に語られる一方で、動植物の生成、磁石、医術、女性美、蒸留、芳香、火薬、料理、狩猟、光学などについて、見聞と著者自身による実験観察をもとに詳細に語られている。博物誌としての歴史的意義とルネサンスから近代への思想的転換期を現している書物の抄訳。澤井繁男訳
(講談社学術文庫 1058円)[amazon]

フランシス・ギース 『中世ヨーロッパの騎士』
中世騎士の登場から、十字軍での活躍、吟遊詩人とアーサー王物語に代表される騎士道物語の誕生、テンプル騎士団などの宗教騎士団、さらに衰退を迎えた騎士階級が、『ドン・キホーテ』 に最後の一撃を加えられ、近代社会の中に朽ちていくまでを描く。
(講談社学術文庫 1134円)[amazon]


山口雅也 『落語魅捨理全集 坊主の愉しみ』
「猫の皿」 「品川心中」 「時そば」 「品川心中」 「あたま山」 「野晒し」 「蛇目草」 「粗忽の使者」 「らくだ」 「田能久」 など、古典落語をベースに当代一の謎 (リドル) マスター山口雅也が描く、愉快痛快奇天烈な江戸噺七編を収録。
(講談社 1944円)[amazon]

ヴォルテール 『哲学書簡』
フランスの思想家ヴォルテールの初期代表作。イギリスにおける信教の自由、議会制政治を賛美し、文化、哲学、科学などの考察を通してフランスの旧体制を痛烈に批判した。のちの啓蒙思想家に大きな衝撃を与えたヴォルテールの思想の原点。斉藤悦則訳
(光文社古典新訳文庫 1058円)[amazon]

ジェイムズ・M・バリー 『ケンジントン公園のピーター・パン』
かつて鳥だったころのことが忘れられず、ケンジントン公園に住むことになった赤ん坊のピーター。母親との別れや妖精たちの世界、少女メイミーとの出会いと別れなど、“小さなお化け” をユーモラスに描いた 「もう一つのピーター・パン物語」。南條竹則訳
(光文社古典新訳文庫 734円)[amazon]

『大下宇蛇児 楠田匡介 ミステリー・レガシー ミステリー文学資料館編
ミステリー文学資料館の 「遺産」 ともいえる膨大なコレクションより、戦前から人気作家として活躍した大下宇蛇児と、トリックに執着し続けた楠田匡介のレアな長編2作を選りすぐり、二人の共作を加えた傑作アンソロジー。【収録内容】 大下宇陀児 「自殺を売った男」/楠田匡介「模型人形殺人事件」/大下・楠田 「執念」/楠田 「二枚の借用証書」(エッセー)
(光文社文庫 886円)[amazon]

山川方夫 『春の華客/旅恋い 山川方夫名作選
純度の高い青春恋愛小説からひねりの効いた掌編まで、多彩な作風で燦然と輝きながら早すぎる死が惜しまれる作家の、知られざる傑作選。
(講談社文芸文庫 1836円)[amazon]


チャールズ・ラム 『完訳 エリア随筆Ⅳ』
古今東西におけるエッセー文学の最高峰、チャールズ・ラムの 「エリア随筆」 新訳、全4巻完結。畢生の名品「古陶器」、本邦初訳となる 「死の床」 ほか全11篇を収録。詳細な注付き。南條竹則訳。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ロバート・クレイス 『約束』
ロス市警警察犬隊スコット・ジェイムズ巡査と相棒のシェパード、マギーが踏み込んだ家には爆発物と死体が。読者の胸を熱くした 『容疑者』 続編。固い絆で結ばれた相棒の物語。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

シルヴァン・ヌーヴェル 『巨神計画 上・下
六千年前に何者かが地球全土に残していった、人型巨大ロボットの全パーツを極秘に回収・調査せよ。個人出版から即映画化決定の巨大ロボット・プロジェクトSF。
(創元SF文庫 1080円/1037円)[amazon]


ジェローム・フェラーリ 『原理 ハイゼンベルクの軌跡
1930年代のドイツで行列力学と不確定性原理を導き量子力学の確立に貢献した天才ハイゼンベルク。今日に生きる語り手の 「わたし」 は、愛読するハイゼンベルクに 「あなた」 と呼びかける。現代の不確定な世界 (ベルリンの壁崩壊、リーマン・ショックなど) が、戦時を生きた 「あなた」 の無垢な悲劇的世界と共鳴する。哲学を教えるフランス作家が放つ、詩的な隠喩にみちた理系小説。
(みすず書房 3024円)[amazon]

イアン・ランキン 『寝た犬を起こすな』
女子学生が起こした衝突事故。不自然な状況に気づいたリーバス警部は同乗者がいたことを突き止めるが、彼女は頑として口を開かない。事故の影に何が……いっぽう内部調査部のフォックスは、若き日のリーバスが関係し、隠蔽された事件を発見する。
(ハヤカワ・ミステリ 2484円)[amazon]

ユッシ・エーズラ・オールスン 『特捜部Q 吊された少女 上・下
17年前に起こった少女の轢き逃げ事件。新興宗教の影がちらつく男と何か関係があるようだが、捜査の前には様々な壁が立ちはだかる。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各929円)[amazon]

ケン・リュウ 『もののあはれ ケン・リュウ短篇傑作集2
第一短篇集『紙の動物園』を二分冊した2冊目。ヒューゴー賞受賞作の表題作など、心揺さぶる全8篇を収録した短篇傑作集第二集。
(ハヤカワ文庫SF 734円)[amazon]

エリザベス・ストラウト 『私の名前はルーシー・バートン』
予想外の長期入院をすることになった三十代の作家。夫や幼い娘た ちと離れ孤独に苦しむ彼女のもとを、疎遠だった母が訪れる。そして二人はぽつぽつと言葉を交わしはじめる。日常にひそむ様々な感 情を繊細に描く傑作小説。
(早川書房 1944円)[amazon]

ブライアン・デンソン 『スパイの血脈 父子はなぜアメリカを売ったのか?
CIAの要職にあったジム・ニコルソンはなぜロシアに寝返ったのか? 逮捕後、いかにして息子ネイサンを抱き込み、売国行為を再開したのか? 全米を震撼させた親子の半生を丹念に追うことで米ロ諜報戦の実態を浮かび上がらせる、犯罪ノンフィクションの力作。
(早川書房 2160円)[amazon]

パスカル・キニャール 『謎 キニャール物語集
〈スカル・キニャール・コレクション〉
伝承をもとに書きおこされた物語の蒐集家を自認する作家の核となる文学観が表れた物語集。愛する者を手に入れるため、悪魔と結んだ契約に苦しむ娘と愛された男の苦闘を描いた 「舌の先まで出かかった名前」 など全6編を収録。
(水声社 2592円)[honto]

ラグナル・ヨナソン 『雪盲 SNOW BLIND
新人警官アリ=ソウルの赴任先は、アイスランド北端の小さな町。ある日、町の劇場で老作家の死体が発見される。上司は事故で処理しようとするが、アリ=ソウルは遺体の状況から他殺を疑う。さらに雪の中で半裸の女性が瀕死の状態で発見されて――。町の外へ通じる唯一の道は雪崩で塞がっていた。犯人は町の中にいる。北欧ミステリの大型新人、日本初登場。
(小学館文庫 864円)[amazon]

江戸川乱歩からの挑戦状Ⅰ SF・ホラー編 吸血鬼の島』
昭和30年代、雑誌 『少年』 (光文社)に連載された江戸川乱歩名義の懸賞クイズ付き連載読物。知られざる乱歩ワールドを、当時の挿絵付きで初めての単行本化。
まんだらけ出版部 2700円)
[amazon]

アンディ・ウォーホル 『アンディ・ウォーホルのヘビのおはなし』
1964年、広告デザイナー時代のウォーホルが制作した、最高にクールでおしゃれでキュートな 「幻の絵本」、待望の復刻。
(河出書房新社 2160円)[amazon]

『アントニイ・バークリー書評集』 第6巻
アメリカ作家編。ロス・マクドナルド、M・ミラー、ハイスミス、マクベイン、マッギヴァーン、クェンティン、スタウト、ウォー、ウェストレイクなどを取り上げる。
(アントニイ・バークリー書評集製作委員会) 取扱:盛林堂

伊格言 『グラウンド・ゼロ 台湾第四原発事故
台北近郊の第四原発が原因不明のメルトダウンを起こした。生き残った第四原発のエンジニアの記憶の断片には次期総統候補者の影が……。
(白水社 2916円)[amazon]

甲賀三郎 『蟇屋敷の殺人』
車中の首なし遺体が発見されるや、次々に殺人事件が。探偵作家と警部が謎の犯人を追う、秀逸なプロットが連続する壮大な推理傑作。
(河出文庫 864円)[amazon]

マリオ・バルガス=リョサ 『楽園への道』
ゴーギャンとその祖母で革命家のフローラ・トリスタン。自由への道を求め続けた二人の反逆者の生涯を描く、ノーベル賞作家の傑作。
(河出文庫 1512円)[amazon]

パトリシア・ハイスミス 『リプリーをまねた少年』
犯罪者にして自由人トム・リプリーを慕う少年は、父親を殺した過去を告白する……二人の奇妙な絆を描く、リプリー・シリーズ第四作。
(河出文庫 1296円 )[amazon]

ボッカッチョ 『デカメロン
「百の物語には生命力がみなぎり、読者の五感を楽しませ、一つとして退屈な話はない」(解説より)。大古典の全訳決定版、完結編。
(河出文庫 1080円)[amazon]

鹿島茂 『19世紀パリ時間旅行 失われた街を求めて
仏文学者・鹿島茂エスプリの真骨頂、19世紀パリを美術で巡るタイム・トラベル。「失われたパリの復元」 (“芸術新潮"連載) をもとに、200点以上の図版から、パリ史の中で最も衝撃的な 〈パリ大改造〉 前後を見つめる。《19世紀パリ時間旅行》 展 (練馬区立美術館 4/16~6/4)
(青幻舎 3456円)[amazon]

魔子鬼一 『屍島のイブ 魔子鬼一作品集成 第1巻』
1950年代 《妖奇》 《探偵倶楽部》 《探偵実話》 等の雑誌に寄稿した探偵作家・魔子鬼一の作品を集成。「屍島のイブ」 「変質の街」 「猟奇園殺人事件」 「田虫男娼殺し」 「三人の妻を持つ屍体」 「山吹・はだかにて死す。」 「深夜の目撃者」 「怪盗六ツ星」 解説=森英俊
書肆盛林堂 3000円)


『楳図かずお 『漂流教室』 異次元への旅』
〈太陽の地図帖〉
漫画家・楳図かずお 『漂流教室』 の世界を徹底的に読み解く一冊。椹木野衣の超ロングインタビュー、川島小鳥の東京漂流ルポ他。
(平凡社 1296円)[amazon]


▼4月刊

アンガス・フレッチャー 『アレゴリー ある象徴的モードの理論
〈高山宏セレクション/異貌の人文学〉
西洋思想・文学の最初期から現代に至るまで、アレゴリーは重要な役割を果たしてきた。アレゴリーのもつ宇宙的スケールを絢爛と語り、「思考の仲介者」 として再評価、18世紀以来のシンボル優位の風潮に異議をとなえ、現代におけるアレゴリーの復権を謳った名著。伊藤誓訳
(白水社 8208円)[amazon]


『ピカトリクス 中世星辰魔術集成
西欧中世の闇を映す伝説の魔道書。オカルティストたちが渇仰、ネオプラトニストたちが偏愛した、隠された知の宝庫の深みへと錘鉛を垂らすラテン語版からの全訳。ウォーバーグ研究所が早くから注目した秘書の全容に研究史などの詳細な解説を付す。内容
(八坂書房 7344円)[amazon]

『異郷のモダニズム 満洲写真全史 竹葉丈編
満洲を含む中国各地を記録した 『亜東印画輯』、淵上白陽と 〈満洲写真作家協会〉 の芸術写真、武藤富男によって制度化された 「登録写真」、『FRONT』 『MANCHOUKUO』 などのグラフ雑誌、そしてポーレー・ミッションによって撮影された戦後満洲の姿。300 点を超える写真と論考により、「満洲写真史」 の変遷をつぶさに跡付ける。《異郷のモダニズム 満州写真全史》 展 (名古屋市美術館 4/29~)
(国書刊行会 3780円)[amazon]


ナサニエル・ウエスト 『いなごの日/クール・ミリオン ナサニエル・ウエスト傑作選
絵描きの眼に映った、ハリウッドの夢の影で貧しく生きる人々を描いた 「いなごの日」。立身出世を目指す少年の身に起る悲劇の数々を描き、アメリカン・ドリームを徹底して暗転した 「クール・ミリオン」。グロテスクなブラック・ユーモアを炸裂させて1930年代のアメリカを駆け抜けて早世したウエスト、その代表的な長編に短編2篇を収録。柴田元幸訳
(新潮文庫 810円)[amazon]

ジョン・ニコルズ 『卵を産まない郭公』
舞台は1960年代の米国東部の名門カレッジ。真面目で内気な学生ジェリーは、入学後すぐにお喋りで風変わりな女子大生プーキーと知り合った。彼女にふり回されながらも、しだいに芽生えていく恋。街角でのくちづけ、吹雪の夜の抱擁……だが、愛はいつしかすれ違い、別れの時が来る。生き生きとした会話が魅力の青春小説。村上春樹訳
(新潮文庫 724円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『オリヴァー・ツイスト』
孤児オリヴァー・ツイストは救貧院を追い出され、ユダヤ人フェイギンを頭領とする少年たちの窃盗団に引きずり込まれた。裕福な紳士ブラウンローに保護され、その純粋な心を励まされたが、再びフェイギンやその仲間のサイクスの元に戻されてしまう。どんな運命がオリヴァーを待ち受けるのか――。ディケンズ初期の代表作。加賀山卓朗訳
(新潮文庫 1015円)[amazon]

ダニエル・ルヴィーン 『ハイド』
『ジキル博士とハイド氏』 で描かれる最後の4日間に焦点をあてたサスペンス。原作では悪の権化として描かれたハイドの人間的な苦悩に光を当てて、ハイドの視点で描かれた衝撃作。原作で触れられなかった事件の背景や、ジキルのトラウマが語られた、壮絶な展開が今明らかになる。
(KADOKAWA 2160円)[amazon]


中村融編 『夜の夢見の川 12の奇妙な物語
田舎に引っ越してきた主婦につきまとう、美しい二頭の銀の犬――不安に揺れる女性の孤独を幻想的な筆致で描く、ケイト・ウィルヘルム 「銀の犬」。見せ物小屋で出会った不気味な女に強烈に惹かれた男が過ごす官能と恐怖の一夜を綴る、ロバート・エイクマン 「剣」。奇妙な掟が支配する街に迷い込んでしまったある親子の変容を描いた、キット・リード 「お待ち」など、〈奇妙な味〉の傑作12編を収録。
(創元SF文庫 1058円)[amazon]

トーヴェ・アルステルダール 『海岸の女たち』
取材先のパリで失踪したジャーナリストの夫。舞台美術家の私は、ニューヨークから単身パリへと旅立つ。異邦の地での慣れない行方捜しで、わたしはヨーロッパに広がる底知れぬ闇に遭遇する。スウェーデン・ミステリの新女王によるエンターテインメント巨編。
(創元推理文庫 1490円)[amazon]

キャンディス・フォックス 『楽園 シドニー州都警察殺人捜査課
三人の若い女性の失踪事件を調べるシドニー州都警察の刑事フランクとエデン。手がかりは三人ともある農場に長期滞在していたこと。エデンは囮捜査員として、犯罪者や前科者が働く閉ざされたコミュニティに潜り込む。オーストラリア推理作家協会賞受賞作。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]


オーガスト・ダーレス 『ジョージおじさん 十七人の奇怪な人々
〈ナイトランド叢書〉
少女を守る 「ジョージおじさん」 の幽霊、夜行列車の個室で待ち受ける物言わぬ老人、ライラック香る屋敷に隠れ住む姉妹……。ラヴクラフトの高弟にして、短篇小説の名手ダーレスの、怖くて優しく、奇妙な物語の数々。
(アトリエサード 2592円)[amazon]


R・L・スティーヴンソン 『ジキル博士とハイド氏 新訳
ロンドンに住む高名な紳士ジキル博士の家に、ある時からハイドという男が出入りしている。彼の評判はすこぶる悪い。心配になった親友のアタスンがジキルの様子を窺いに行くと……。人間の善悪の二面性に焦点を当てた名作。 田内志文訳
(角川文庫 432円)[amazon]

マーク・トウェイン 『人間とは何か1 トウェイン完訳コレクション
人間は機械であると主張する老人と、人間の良心を信じる若者。自己犠牲や母の愛などを例にあげて反駁する若者に、老人は人間の行動はすべて自己満足の結果に過ぎないと巧みな説話で導いてゆく。米文学の巨匠トウェインならではのユーモアと鋭い洞察で人間の真理を暴く、最晩年の傑作。
(角川文庫 605円)[amazon]

カート・ヴォネガット 『人みな眠りて』
ヴォネガット、最後の短編集。冷蔵庫型の彼女と旅する天才科学者、殺人犯からメッセージを受けた女性事務員、消えた聖人像事件に遭遇した新聞記者……没後に初公開された珠玉の短編16篇。大森望訳
(河出書房新社 2160円)[amazon]

クセニヤ・メルニク 『五月の雪』
仄暗い歴史を背負う極寒の町マガダン。この土地で暮らす人々の哀しみと喜び。米国注目のロシア系移民作家による、鮮烈な連作短篇集。
(新潮社 2160円)[amazon]

ブリア・サヴァラン 『美味礼讃』
食べることは愛すること、人生を謳歌すること――。食だけに留まらない原書の魅力が伝わるよう大胆に編集し、新訳。その妙味を解説。玉村豊男訳
(新潮社 3024円)[amazon]

『別冊太陽 宮武外骨 生誕150年 別冊太陽編集部編
明治期に活躍した反骨ジャーナリストの生涯を物語る膨大な資料を網羅し、その図抜けた面白さを多彩な執筆陣により紹介する。
(平凡社 2592円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーⅢ 荒地 上・下
〈旅の仲間〉 であるエディとスザンナを得たローランド。二人にガンスリンガーとしての教えを叩きこみながら、〈暗黒の塔〉 への旅は続く。だが、見殺しにした少年ジェイクの面影がローランドを苦しめる。
(角川文庫 各1037円)[amazon]

G・W・F・ヘーゲル 『美学講義』
〈叢書・ウニベルシタス〉
西洋美学思想史に燦然と輝くヘーゲル美学。しかし従来読まれてきた版は、聴講者H・G・ホトーの手で 「体系」 へと編集され、歪曲されたテキストであった。1995年にH・シュナイダー編で初公刊された本書は、1820/21年冬学期ベルリン大学での美学講義を忠実に伝える校訂版であり、ヘーゲル美学のありのままの姿を示す。
(法政大学出版局 4968円)[amazon]


アントニオ・タブッキ 『とるにたらないちいさないきちがい』
一人の女性を愛した男三人の法廷での再会──表題作のほか、魔法の儀式、不治の病、スパイ、戦争……。『インド夜想曲』 につづいて発表された幻想とめまいに満ちた11の短篇集。
(河出書房新社 2376円)[amazon]


アン・チャップマン 『ハイン 地の果ての祭典 南米フエゴ諸島先住民セルクナムの生と死
南米大陸の南端、フエゴ諸島のセルクナム族は、マゼランの世界周航によって初めて西洋社会に知られ、様々な軋轢の末、西洋人による虐殺と彼らが持ち込んだ伝染病により絶滅した。尖った円錐形の仮面、裸身を覆う大胆な模様、不思議なポーズ――セルクナム族の祭典 「ハイン」 の驚くべき姿を、残された記録や証言から丹念に描き出し、「消えた」 部族の姿を生き生きと伝える。
(新評論 3240円)[amazon]

フェルナンド・イワサキ 『悪しき愛の書』
9歳での初恋から23歳での命がけの恋まで――彼の人生を通り過ぎて行った、10人の乙女たち。バルガス・リョサが高く評価する 「ペルーの鬼才」 による、振られ男の悲喜劇。ダンテ、セルバンテス、スタンダール、プルースト、ボルヘス、トルストイ、パステルナーク、ナボコフなどの名作を巧みに取り込んだ、日系小説家によるユーモア満載の長篇。
(作品社 2376円)[amazon]

亀井俊介 『亀井俊介オーラル・ヒストリー 戦後日本における一文学研究者の軌跡
岐阜に生まれた軍国少年は、いかにして、戦後日本の代表的なアメリカ文学者・比較文学者となったのか。自由闊達な学風を展開し、「浴衣がけ」 の学問を提唱してきた著者が、語りとインタビューという形式で、みずからの学問史を自在に語る。
(研究社 3240円)[amazon]

ヘレン・マクドナルド 『ハヤブサ その歴史・文化・生態
人間はなぜこんなにもハヤブサに心惹かれるのだろうか。時代の変化のなかでときには魂の象徴となり、ときには迫害された鳥の文化誌。
(白水社 2916円)[amazon]

宮田昇 『出版の境界に生きる 私の歩んだ戦後と出版の七〇年史
編集者、翻訳権エージェント、著作権コンサルタント、児童文学作家として歩んだ著者による、個人史としての出版史。 様々な出来事に直接間接に関わってきた著者がはじめて明かす 「そのとき何が起こったか」。
(太田出版 2808円)[amazon]

宮澤溥明 『著作権の誕生 フランス著作権史
王より与えられる特権から、著作者の 「もっとも神聖な所有権」 へ。著作権の発祥地であるフランスにおいて、その思想と制度がどのように誕生し、発展したかを振り返り、著作権の原点に立ち戻る。
(太田出版 4104円)[amazon]

トレイシー・シュヴァリエ 『林檎の木から、遠くはなれて
〈ヨーロッパ歴史ノベル・セレクション〉
1850年代、ゴールドラッシュに沸くアメリカ。夢を求めて旅する青年と、故郷に根付く林檎の木。曲がりくねった枝のように、別れてはまた再び出会う……果樹園に芽吹いた、家族の再生の物語。
(柏書房 2376円)[amazon]


吉田健一 『酒談義』
酒を飲む上で覚えたことや経験したことを頭に浮ぶままに書いて行ってみようかと思う――。酒豪で鳴らした文士が、飲み方から各種酒の味、思い出の酒場、そして禁酒の勧めまでを綴る全21編。究極の酒エッセイ集。文庫オリジナル。
(中公文庫 864円)[amazon]

『世界文学大図鑑』
『ギルガメシュ叙事詩』 から 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』 まで、古今東西の 「世界文学」 の主な潮流を、豊富な図版を用いてわかりやすく案内。本編100編あまり、各時代ごとにさらに200を超える作品を紹介。いわゆる 「必読書リスト」 ではなく、読者を次の一冊へと誘う本。内容
(三省堂 4536円)[amazon]


美篶堂 『美篶堂とはじめる 本のお直し、仕立て直し』
カバーの壊れた思い出の絵本、ページの脱落した雑誌、部分的に必要なガイドブック……製本技術で定評のある美篶堂に寄せられるお悩み 「修理術&リメイク術」 を紹介。自分の手で本が甦ります。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

久生十蘭 『魔都』
日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか――昭和九年の大晦日、バーの片隅で交わされる噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。安南国皇帝の失踪と愛人の墜死に巻き込まれた新聞記者・古市加十と捜査に臨む眞名古明警視、二人を待つ運命や如何に。久生十蘭の代表長編。初出 「新青年」 連載版。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

エドワード・D・ホック 『怪盗ニック全仕事4』
「価値のないもの、誰も盗もうとはしないもの」 を専門に独占状態で商売してきた怪盗ニックに、まさかのライバルが登場。〈不可能を朝食前に〉 をモットーとする美貌の女怪盗サンドラ・パリスと、ニックは仕事先で何度も出会い、ときには競い、ときには協力しあう奇妙な間柄になる……。全15編を収録。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

キム・スタンリー・ロビンスン 『ブルー・マーズ 上・下
火星全土に吹き荒れる独立の嵐により、地球の治安部隊は撤退し、軌道エレヴェーターの上端に追いやられる。一滴の血も流すことなく、革命は成功するかに思われただが……。壮大な火星入植計画をリアルに描いた火星三部作の完結編。ヒューゴー賞、ローカス賞受賞作。
(創元SF文庫 各1620円)[amazon]

シャンナ・スウェンドソン 『ニューヨークの妖精物語』
女優を夢見てNYにきたエミリー。念願かなって舞台で脚光を浴びたその晩、忽然と姿を消してしまった。だが、姉のソフィーにはわかっていた。妹は妖精にさらわれたのだ。妹の友人の刑事の追求をかわしつつ、ソフィーは妹を探し始める。現代のフェアリーテイル開幕。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

『SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座2016-2017」 全講義録
現代日本SFのすべてを知る書評家・翻訳家の大森望を主任講師にむかえて行われた年間講座を採録。東浩紀、長谷敏司、冲方丁、藤井太洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀という講師陣がSFとは何か、小説とはいかに書くかを語る。
(早川書房 1728円)[amazon]

ウィリアム・ゴールディング 『蠅の王 新訳版
飛行機が墜落し、無人島にたどりついた少年 たち。協力して生き抜こうとするが、次第に緊張が高まり……。不朽の名作、新訳版。黒原敏行訳
(ハヤカワepi文庫 1080円)[amazon]

ハーラン・エリスン 『ヒトラーの描いた薔薇』
地獄の扉が開き、希代の犯罪者たちが逃亡した時、ヒトラーは……表題作ほか、SF界のレジェンドによる本邦初訳を含む全13篇を収録。
(ハヤカワ文庫SF 1080円)[amazon]

H・ポール・ホジソンガー 『栄光の旗のもとに ユニオン宇宙軍戦記
最新鋭艦〈カンバーランド〉に新艦長として着任した若き海軍少佐ロビショーの異星種族クラグとの激闘の日々を描く戦争冒険SF。
(ハヤカワ文庫SF 1145円)[amazon]

ケン・リュウ 『母の記憶に』
不治の病を宣告された母が愛する娘のために選び取った行動をつづる表題作、明治時代の満州にやってきた熊狩り探検隊一行の思いがけない運命を描いた 「烏蘇里羆」 など、あたたかな幻想と鋭い知性の交錯を透徹な眼差しで描いた16篇を収録した、待望の第二短篇集。
(新ハヤカワSFシリーズ 2376円)[amazon]

高橋葉介 『夢幻紳士 怪奇篇 愛蔵版
漫画家生活40周年記念出版。ファンから要望の高かった文庫版 〈怪奇篇〉 をワイドな単行本サイズで。夢幻魔実也シリーズの描き下ろし16ページ+自身の画業を振り返る特別あとがきを収録。記念愛蔵コミック。
(早川書房 2916円)[amazon]

江戸川乱歩 『明智小五郎事件簿12 「悪魔の紋章」「地獄の道化師」』
顔を潰され、石膏で塗り固められた女性の死体。道化服に身を隠した悪魔の智恵が生み出した執念のトリックに挑む。明智小五郎ものの戦前最後の作品。シリーズ堂々の完結。
(集英社文庫 886円)[amazon]


『少女マンガの宇宙 SF&ファンタジー1970-80年代図書の家編・石堂藍協力
『11人いる! 』 『地球へ…』 など、数多くのSF&ファンタジー少女マンガが生まれた1970~80年代の作品の魅力を、豊富な図版とともに紹介。萩尾望都 「ユニコーンの夢」、少女マンガ家が描いたハヤカワ文庫のカバーイラストもカラーで106点収録。
(立東舎 1944円)[amazon]


皆川博子 『辺境図書館』
《この辺境図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている。知らない、読んだことがない、見つからない――。そんなことはどうでもよろしい。読みたければ、世界をくまなく歩き、発見されたし。運良く手に入れられたら、未知の歓びを得られるだろう。(辺境図書館・司書)》 小説の女王・皆川博子が耽溺した、完全保存版ブックガイド。(書き下ろし短編も収蔵)
(講談社 2376円)[amazon]

ミシェル・ウエルベック 『服従』
2022年フランス大統領選で同時多発テロ発生。極右国民戦線のマリーヌ・ルペンと、穏健イスラーム政党党首が決選投票に挑む。世界の激動を予言したベストセラー。
(河出文庫 994円)[amazon]

岡本健 『ゾンビ学』
ヴードゥー教からジョージ・A・ロメロを経てアイアムアヒーローまで。フィクション、現実世界を問わず世界中で増殖を続けるゾンビとは一体何か? この現象から何が読み取れるのか? 映画、マンガ、アニメ、ドラマ、小説、ゲーム、音楽、キャラクターなど400以上のコンテンツを横断し、あらゆる角度からの分析に挑んだ、気鋭による記念碑的著作。目次
(人文書院 3024円)[amazon]


武藤鉄城 マタギ聞き書き その狩猟民俗と怪異譚
東北の狩猟民族の中心となる、阿仁地方を含む北秋田の 「マタギ」 の人びとから狩猟生活の実態や信仰の実際を生々しく聴き取った貴重な民俗記録集。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

『横溝正史研究6』
特集=横溝正史旧蔵資料が語るものⅡ
(戎光祥出版 2700円)[amazon]


エドウィージ・ダンティカ 『ほどける』
双子の姉を交通事故で喪った、十六歳の少女。自らの半身というべき存在をなくした彼女は、家族や友人らの助けを得て、悲しみのなかでアイデンティティを立て直し、新たな歩みを始める。全米が注目するハイチ系気鋭女性作家による、愛と抒情に満ちた物語。
(作品社 2592円)[amazon]

《たべるのがおそい》 vol.3
【巻頭エッセイ】 小川洋子 【特集〈Retold 漱石・鏡花・白秋〉】 倉田タカシ/最果タヒ/高原英理 【小説】 今村夏子/西崎憲/星野智幸/山尾悠子 【翻訳】 セサル・アイラ 柳原孝敦訳/黄崇凱 天野健太郎訳 他 目次
(書肆侃侃房 1404円)[amazon]

武田悠一・武田美保子編 『増殖するフランケンシュタイン 批評とアダプテーション
200年の時を経ても、読者の想像力を刺激し続ける 『フランケンシュタイン』。現代の視点から分析・批評する第一部と、演劇・小説・映画・マンガ等、この神話的テクストが生み出してきた多種多様な 「翻案・改作 (アダプテーション)」 をめぐる第二部で構成。
(彩流社 3672円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『バウドリーノ 上・下
時は中世、十字軍の時代。西洋と東洋をまたにかける主人公バウドリーノの冒険譚。一歩足の俊足スキアポデス、一角獣を連れた美女など、史実・伝説・ファンタジーを織りまぜて紡ぎだす破天荒なピカレスク・ロマン。
(岩波文庫 各994円)[amazon]

フランク・ヴェデキント 『春のめざめ』
ドイツのギムナジウムで学ぶ十代半ばの少年少女。性にめざめ、友達同士の会話はもっぱらそのこと。しかし、大人は一方的に抑圧し、やがて事態は悲劇へ……。劇作家ヴェデキントの出世作。
(岩波文庫 626円)[amazon]

フランク・ヴェデキント 『地霊・パンドラの箱』
男たちを魅惑し惹きつけ破滅させるルル。『地霊』 では夫になった三人までもが彼女にきりきり舞いしながら死んでゆく。ルルとはいったい何者なのか。世紀末の社会の虚偽・退廃を、ルルを通して描いたヴェデキントの戯曲2篇。復刊
(岩波文庫 907円)[amazon]

森洋子 『ブリューゲルの世界』

〈とんぼの本〉 傑作 《バベルの塔》 を始めとする油彩画全41点を徹底解説。新知見も盛り込み、世界的研究者が中世の大画家の全貌を語り尽くす。
(新潮社 1944円)[amazon]


オノレ・ド・バルザック 『バルザック王国の裏庭から 『リュジェリーの秘密』 と他の作品集
歴史小説 『リュジェリーの秘密』 の新訳とこの小説に至る私信、小品、断片等を執筆順に収録。リアリスト・バルザックの面目躍如。巻末に当時のパリ街路事典、歴史的登場人物の紹介文を併載。
(春風社 2700円)[amazon]


ナターシャ・プーリー 『フィリグリー街の時計師』
1883年ロンドン。内務省に勤める青年サニエルは、誕生日の夜、下宿部屋に見覚えのない懐中時計が置かれていることに気づく。半年後、スコットランドヤードを狙った爆破テロから彼を救ったのは、奇妙なその時計だった。爆弾にも使われていた精緻なぜんまい仕掛け。サニエルは知人の警視の依頼で、天才時計師と名高い日本人モウリの周辺を調べだすが……。ローカス賞処女長編賞候補作。
(ハーパーBOOKS 1050円)[amazon]

『シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン
明快な色や形で 「究極のシンプル」 と評されるディック・ブルーナが手がけた絵本やブックデザイン約200点を厳選。美しい図版とともに、色、線、形などの特徴から新たな分類を試み、ブルーナが生み出した 「シンプルの正体」 を明らかにする。《シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン》展公式図録。
(ブルーシープ 1944円)[amazon]


マイケル・オンダーチェ 『 ビリー・ザ・キッド全仕事』
左ききの拳銃、西部の英雄ビリー・ザ・キッド。その短い生涯は数々の伝説に彩られている。宿敵パット・ギャレットとの抗争、流浪の日々と銃撃戦、束の間の平和、逮捕と脱走、その死までを、詩、挿話、写真、架空のインタビューなどで再構成。断片を集め、多くの声を重ねていく斬新な手法でアウトローの鮮烈な生の軌跡を描いた、ブッカー賞作家オンダーチェの傑作。福間健二訳
(白水Uブックス 1512円)[amazon]

リチャード・ブローティガン 『ブローティガン 東京日記』
1976年5~6月、ブローティガンは1ヶ月半日本に滞在し、日記のように日々の思いや観察を詩に著した。最後の詩集、待望の再刊。福間健二訳
(平凡社ライブラリー 1404円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.82
シリーズ最終巻 『フロスト始末』 刊行記念。対談、レビュー、ショートショート掲載などで贈る〈フロスト警部〉大特集。新連載、本城雅人 『友を待つ』 スタートほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

アンドレアス・グルーバー 『刺青の殺人者』
全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。娘の母ミカエラは、犯人を捜し出し、姉と共に家出したままの妹娘を探し出そうとする。上級警部ヴァルターは、暴走するミカエラに手を焼きつつ調べを進めるが……。『夏を殺す少女』 続編。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズの事件簿』
「サセックスの吸血鬼」 「這う男」 など、ベーカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件、サセックスのささやかな家に隠遁したホームズを待ち受ける事件。深町眞理子訳ホームズ全集、完結。
(創元推理文庫 972円)[amazon]

鹿島茂 『失われたパリの復元 バルザックの時代の街を歩く
今はなき小路や劇場、カフェなど19世紀の街並が、幻の銅版画集と古地図から立ち上がる。パリ好き必携の労作、貴重図版満載で刊行。内容
(新潮社 10,800円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『オリエント急行殺人事件』
名探偵ポアロが乗ったイスタンブール発カレー行きの豪華列車 「オリエント急行」。その車内で奇妙きわまりない殺人事件が起こる。警察の支援も得られぬ状況で、乗客たちを尋問し、探偵が導き出す二つの可能性とは? 英国ミステリーの最高傑作。安原和見訳
(光文社古典新訳文庫 972円)[amazon]

ジュール・ルナール 『にんじん』
三人きょうだいの末っ子で赤毛の少年〝にんじん〟は、いつも母親や姉兄から理不尽な仕打ちにあっているが、やがて日々の生活の中でしたたかに成長していく。『博物誌』などで知られる作家が、短いスケッチを積み重ねて描く自伝的物語。中条省平訳
(光文社古典新訳文庫 821円)[amazon]

江戸川乱歩 『乱歩の変身 江戸川乱歩セレクション
トリックに驚き、幻想に魅了される 「変身」 づくしのセレクション。変装した男女による舞踏会が衝撃の結末を招く 「覆面の舞踏者」、怪人二十面相改め四十面相と小林少年が熾烈な変装合戦を繰り広げる 「怪奇四十面相」 など、乱歩の “変身願望” が具現化された小説の数々。さらには、変身についての冷静な分析と執拗な妄想が入り混じる名随筆を収録。
(光文社文庫 691円)[amazon]

相馬伸一 『ヨハネス・コメニウス 汎知学の光』
『世界図絵』 で 「世界全体と言語のすべての概要」 を示そうとし、あらゆる事柄を独自の世界観で再構成した知の体系を構想した、ヨーロッパの知られざる巨人ヨハネス・アモス・コメニウス (1592-1670) の全貌を明らかにする本格的概説書。
(講談社選書メチエ 1998円)[amazon]

アーネスト・メイスン・サトウ 『アーネスト・サトウの明治日本山岳記』
幕末から明治の日本に赴任したイギリスの外交官アーネスト・サトウは、日本の 「近代登山の幕開け」 に大きく寄与した人物でもあった。サトウの登山家としての仕事を、彼の残した著作から抜粋し、編集した本。
(講談社学術文庫 1058円)[amazon]

セーレン・キェルケゴール 『死に至る病』
「死に至る病とは絶望のことである」──この鮮烈な主張を打ち出した本書は、キェルケゴールの後期著作活動の集大成として燦然と輝いている。気鋭の研究者が最新の校訂版全集に基づいてデンマーク語原典から訳出するとともに、簡にして要を得た訳注を加えた、新時代の決定版と呼ぶにふさわしい新訳。
(講談社学術文庫 1080円)[amazon]

諏訪部浩一 『アメリカ小説をさがして』
フィッツジェラルド 『グレート・ギャッツビー』、アーヴィング 『ガープの世界』、エリクソン 『黒い時計の旅』、ヘンリー・ジェイムズ 『デイジー・ミラー』、ヘミングウェイ 『日はまた昇る』 など、幅広く論じた作品論。日本将棋連盟 「奨励会」 に所属していた著者がアメリカ文学者になるまでの半生を語る将棋エッセイ・観戦記も収録。目次
(松柏社 3132円)[amazon]


今日泊亜蘭 『光の塔』
地球上の電気が消失した 「絶電現象」 は人類を襲う未曾有の危機の前兆だった。日本SF初の長篇にして圧倒的な面白さを誇る傑作が復刊。
(ちくま文庫 1296円)[amazon]

マリオ・レブレーロ 『場所』
〈フィクションのエル・ドラード〉
見ず知らずの部屋で目覚めた男は、そこから脱出しようと試みるも、ドアの先にはまた見知らぬ部屋があるばかり。食事もあり、ベットもあり、ときに言葉の通じない人間とも出逢う迷宮のような 《場所》 を彷徨するうちに、男は悪夢のような数々の場面に立ち会ってゆく……「集合的無意識」 に触発された夢幻的な世界を描き、カルト的な人気を誇るウルグアイの異才レブレーロの代表作。
(水声社 2376円)[honto]


ジェイン・ハーパー 『渇きと偽り』
干ばつに苦しむ町で発生した一家惨殺。ある理由で20年ぶりにこの地へと戻ってきた警官フォークは、事件の犯人と目されている亡き友人ルークの汚名を晴らすべく捜査を始める。果たして真相は? オーストラリアでベストセラーの抒情あふれるフーダニット。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

デニス・ルヘイン 『夜に生きる 上・下
激動の時代、ギャング戦争の中でのしあがる一人の青年を通して、アメリカの裏面史を描き出す大作。エドガー賞最優秀長篇賞受賞。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各799円)[amazon]

ケン・リュウ 『紙の動物園 ケン・リュウ短篇傑作集1
第一短篇集である単行本 『紙の動物園』 から、母と息子の絆を描いて史上初のSF賞3冠に輝いた表題作など、7篇を収録した短篇集。
(ハヤカワ文庫SF 734円)[amazon]

グレン・エリック・ハミルトン 『眠る狼』
十年ぶりで戦地から戻ってみると、プロの泥棒である祖父が銃弾に倒れていた。高く評価された、昂奮と哀愁がクロスするサスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1231円)[amazon]

野﨑まど・大森望編 『誤解するカド ファーストコンタクトSF傑作選
TVアニメ 『正解するカド』 をより楽しむことができるファーストコンタクトSFの傑作群を、国内外問わず精選。筒井康隆/小川一水/野尻芳介/ジョン・クロウリー/シオドア・スタージョン/フィリップ・K・ディック/円城塔/飛浩隆/コニー・ウィリス/野﨑まど
(ハヤカワ文庫JA 864円)[amazon]

アーサー・ミラー 『アーサー・ミラーⅣ 転落の後に/ヴィシーでの出来事』
M・モンローとの結婚生活を題材にした 「転落の後に」、親ナチス政権下の留置場が舞台の 「ヴィシーでの出来事」。傑作2篇を収録。
(ハヤカワ演劇文庫 1620円)[amazon]

マイケル・イネス 『ソニア・ウェイワードの帰還』
〈論創海外ミステリ〉
女流ロマンス小説家ソニア・ウェイワードがヨットの中で急死した。妻の収入に頼っていた夫フォリオット・ペティケートは、死んだ妻の死体を海に投げ捨て、新作執筆のため海外旅行へ出掛けたと周囲に偽り、その死を隠そうとする。しかし、綻びだらけの噓は次々とボロを出し始め、ペティケートは徐々に追いつめられていく。
(論創社 2376円)[amazon]

『飛鳥高探偵小説選 Ⅲ』
〈論創ミステリ叢書〉
長編 『死刑台へどうぞ』、短編 「幻への逃走」 「東京完全犯罪」 など、さらに単行本未収録の 「とられた鑑」 を初収録。最新インタビュー 「遠き歳月を追って」、詳細な著作・著書リストを付す。
(論創社 3888円)[amazon]

山本弘 /尾之上浩司 監修 『世にも不思議な怪奇ドラマの世界 「ミステリー・ゾーン」 「世にも不思議な物語」 研究読本
怪奇・SF・ファンタジーの伝説的アンソロジー番組 《ミステリー・ゾーン》 《世にも不思議な物語》 を徹底解説したガイドブック。《ミステリー・ゾーン》 原作の未訳短篇 「家宝の瓶」 も収録。
(洋泉社 1944円)[amazon]

稲垣足穂 『天体嗜好症 一千一秒物語』
「一千一秒物語」 と 「天体嗜好症」 の綺羅星ファンタジーに加え、宇宙論、ヒコーキへの憧憬などタルホ・コスモロジーのエッセンスを一冊に。
(河出文庫 1296円)[amazon]

ボッカッチョ 『デカメロン
ボッティチェリの名画でも有名なナスタージョ・デリ・オネスティの物語をはじめ、不幸な事件を経てめでたく終わる男女の話、機転で危機を回避した話など四十話を収めた中巻。無類の面白さを誇る物語集。平川祐弘訳
(河出文庫 1080円)[amazon]


アナイス・ニン 『アナイス・ニンの日記』
17歳から74歳の死まで、ヘンリー・ミラー、その妻ジューン、アントナン・アルトーほか作家・芸術家たちとの交遊、恋愛、作家としての葛藤を綴った膨大な日記から、奔放、かつ繊細に生きたアナイス・ニンの生涯を辿る。
(水声社 5400円)[honto]


▼3月刊

ホセ・デ・カダルソ 『モロッコ人の手紙/鬱夜』
〈ロス クラシコス〉 ゴヤ同時代のスペインの作家カダルソ。客観的で公平な批評によって普遍を追求する 『モロッコ人の手紙』、暗い夜の闇のなかで人間存在の悲惨を炸裂せる 『鬱夜』。理性の光ゆえにその影をも見出した彼の作品は、「理性の眠りが怪物を生み出す」 時代のヨーロッパに屹立する。18世紀スペインを代表する文学的達成、待望の邦訳。
(現代企画室 3456円)[amazon]

コナン・ドイル/山中峯太郎訳 『名探偵ホームズ全集 第二巻』
火の地獄船 鍵と地下鉄 夜光怪獣 王冠の謎 閃光暗号 獅子の爪 踊る人形
(作品社 7344円)[amazon]

ロバート・クーヴァー 『ゴーストタウン』
辺境の町に流れ着き、保安官となったカウボーイ。酒場の女性歌手に知らぬうちに求婚するが、町の荒くれ者たちをいつの間にやら敵に回して、命からがら町を出たものの――。
書き割りのような西部劇の神話的世界を目まぐるしく飛び回り、力ずくで解体してその裏面を暴き出す、ポストモダン文学の巨人による空前絶後のパロディ。
(作品社 2592円)[amazon]

セルバンテス全集3 『ドン・キホーテ 後篇』
出版された 『ドン・キホーテ』 前篇を 〈登場人物〉 たちが読み、主従の冒険のすべてを知り、二人を周到に愚弄する……〈夢〉 と 〈現実〉 が交錯する、世界文学史上初の前代未聞のメタ・フィクション。
(水声社 10,800円)[honto]


J・R・R・トールキン 『トールキンのクレルヴォ物語』
1914年執筆の未発表作品。フィンランドの神話伝承 『カレワ ラ』 を再話したもの。
(原書房 2484円)[amazon]


『ウルトラQ画報』
特撮TVシリーズ 『ウルトラQ』 の本放送 (1966) に先立つこと約1年前の製作中から 「ぼくら」 に独占スクープ連載された絵物語 『ウルトラQ』 をはじめ、放送開始後 「ぼくら」 「週刊少年マガジン」 の 『ウルトラQ』 関連の表紙、巻頭カラー口絵、図解特集、活版記事などを1967年初再放送時の 「たのしい幼稚園」 テレビ絵話や 《初復刻》 のフォノシート絵本を併載して、A5判288ページに一挙凝縮復刻。
(講談社 2916円)[amazon]

東雅夫編 『呪 文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション
多くの文豪が残した怪談・怪奇文学の傑作。その 「文豪怪談」 のエッセンスを10代からの若い読者向けに精選したアンソロジーシリーズ。 総ルビ、丁寧な注釈付き。岡本綺堂 「笛塚」、三遊亭圓朝 「百物語」、小泉八雲 「因果ばなし」、田中貢太郎 「這って来る紐」、柳田國男 「遠野物語(抄)」、久生十蘭 「予言」、小松左京 「くだんのはは」、三島由紀夫 「復讐」、吉屋信子 「鬼火」、郡虎彦 「鉄輪」、日夏耿之介 「呪文乃周囲」
(汐文社 1728円)[amazon]


ジュリアン・バーンズ 『人生の段階』
〈新潮クレスト・ブックス〉 悲しみの回帰線を超えて――誰かの死は、その存在が消えることまでは意味しない。公私ともに最高の伴侶を亡くした作家の思索と回想。
(新潮社 1728円)[amazon]

ポール・オースター 『内面からの報告書』
胸を揺さぶられた映画。父の小さな噓。憧れのヒーロー達。元妻リディアへの熱い手紙。『冬の日誌』と対を成す、精神をめぐる回想録。
(新潮社 2376円)[amazon]

チャールズ・チャップリン 『チャップリン自伝 若き日々
ロンドンの劇場で5歳で初舞台を踏んだチャップリン。母の精神病院収容、継母の虐待、アル中の父の死……度重なる苦難のなか、旅回りの一座に加わった少年は、やがてコメディアンの才能を見出されて渡米、草創期の映画界へ。大スターまでの階段を一気に登りつめた 「喜劇王」 の前半生。中里京子訳
(新潮文庫 767円)[amazon]

マーク・グリーニー 『機密奪還 上・下
対テロ民間極秘組織の工作員ドミニク・カルーソーは、インドで元イスラエル特殊工作員ヤコビの家に居候し、格闘術を学んでいた。だが、訓練中に正体不明の暗殺部隊に襲われ、一家は皆殺しになった。九死に一生を得たドミニクは復讐の念に燃え、犯人の追跡を開始する。
(新潮文庫 853円/767円)[amazon]

スティーヴン・ハンター 『Gマン 宿命の銃弾 上・下
アーカンソー州にあるボブの地所の造成地から、祖父チャールズの遺品が発見される。名うての悪漢が跋扈した時代、祖父はアウトローを狩り出す任務に従事していたらしい。祖父の謎に満ちた事績を追うべくボブは調査を開始する。
(扶桑社ミステリー 各994円)[amazon]


『只野真葛の奥州ばなし』 勝山海百合 現代語訳
日本初のドッペルゲンガー現象の記録とも言われる 「影の病」 など、多くの怪異譚を含む江戸期の物語集、只野真葛 『奥州ばなし』 を、日本ファンタジーノベル大賞受賞作家、勝山海百合が現代語訳。
(荒蝦夷 2268円)[honto] 取扱書店


浅木原忍 『ミステリ読者のための連城三紀彦全作品ガイド』
不世出の天才と謳われる直木賞作家・連城三紀彦が遺した数多くのミステリ。その魅力を徹底紹介する究極のガイド。晩年の知られざる作品や未刊行短編まで網羅する連城三紀彦作品研究の集大成。
(論創社 3024円)[amazon]

『別冊太陽 中原淳一のひまわり』
中原淳一が昭和22年に創刊した少女向け雑誌『ひまわり』。日本中の少女たちを魅了した伝説の雑誌の魅力がぎゅっと詰まった1冊。
(平凡社 2592円)[amazon]


森下雨村 『怪星の秘密 森下雨村空想科学小説集
『科学小説 怪星の秘密』 『長編冒険小説 西蔵に咲く花』 を収録。解説=森下一仁・横田順彌/表紙イラスト=喜国雅彦
盛林堂ミステリアス文庫 予価2000円)


キャサリン・マンスフィールド 『マンスフィールド傑作短篇集 不機嫌な女たち
〈エクス・リブリス・クラシックス〉
期待と落胆、安堵と不安……感情の揺れをとらえ日常に潜む皮肉を抉り出す日本オリジナル短篇集。新発見原稿 「ささやかな過去」 収録。
(白水社 2592円)[amazon]

《ミステリマガジン》 5月号
〈特集=北欧ミステリの王は誰か?〉
アンデシュ・ルースルンド/ユッシ・エーズラ・オールスン/ジョー・ネスボ(インタビュー)/他
(早川書房 1296円)[amazon]

マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 『バルコニーの男 刑事マルティン・ベック
ストックホルムの公園で8歳の少女の死体が発見された。少女が不審な男性と接触したと証言を得たものの、警察の捜査は行き詰まる。そこに第二の殺人事件が。刑事マルティン・ベックシリーズ第三作。柳沢由実子訳
(角川文庫 1166円)[amazon]

折口信夫 『古代研究IV 民俗学篇4
昭和4年発表の 『古代研究』 後期論文。「魂の話」 「河童の話」 など興味深い13篇が収められ、学者折口信夫として、また詩人釈迢空としての発想の原点を知ることのできる折口自らによる 「追ひ書き」 も掲載。
(角川ソフィア文庫 994円)[amazon]


ヨハン・テオリン 『冬の灯台が語るとき』
エーランド島の岬の古い屋敷に移り住んだ一家を不幸が襲う。そして、屋敷にも異変が起きて……三冠に輝いた北欧ミステリの傑作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1274円)[amazon]

『文芸翻訳入門 言葉を紡ぎ直す人たち、世界を紡ぎ直す言葉たち
たんなる和訳と文芸翻訳の違い/近代的な翻訳観と現在の翻訳観/なぜ古典文学の新訳は次々に生まれるのか/名訳に親しむ/翻訳の可能性と不可能性/翻訳のレッスン/翻訳の添削/映画字幕の翻訳/ほか
(フィルムアート社 1944円)[amazon]

ヌマ・サドゥール 『メビウス博士とジル氏 二人の漫画家が語る創作の秘密
フランスの伝説的漫画家メビウスに、1974年から晩年まで数回にわたり行なったインタビューをまとめた本。作風により二つの名前を使い分けたメビウス/ジルの半生と創作の秘密を解き明かす。貴重な図版の他、ホドロフスキー、スタン・リー、フェリーニなど、メビウスゆかりの著名人によるインタビューも収録。
(小学館集英社プロダクション 4320円)[amazon]

アンソニー・ホロヴィッツ 『007 逆襲のトリガー』
米ソ宇宙開発競争の裏にうごめく陰謀を阻止せよ。イアン・フレミングの遺稿をもとに、UKが誇るヒットメーカーが描く、一気読みのスパイ・エンタテインメント。(イアン・フレミング財団公認)
(KADOWAKA 2052円)[amazon]

新井素子 『そして、星へ行く船 星へ行く船シリーズ5
憧れの女性レイディに拉致された、あゆみ。 ある仕事を依頼されるが成功すれば全宇宙の英雄、失敗すれば一生火星へ帰れないという極端なもので……表題作ほか、 後日譚 「α (アルファ) だより」、 書き下ろし短編 「バタカップの幸福」、新あとがきを併録。新井素子の人気SFシリーズ全5巻、完結。
(出版芸術社 1620円)[amazon]

クラーク・アシュトン・スミス 『魔術師の帝国2 ハイパーボリア篇
〈ナイトランド叢書〉
スミス作品に愛着深い編者が、SFと幻想文学の境界を超えた比類ない傑作を精選し、ここに贈る、〈ベスト オブ C・A・スミス〉 第2弾。ブラッドベリを魅了した、夢想の語り部の傑作を精選。ラヴクラフトやハワードと才を競った、幻視の語り部の妖異なる小説世界。北のハイパーボリアへ、そして星の世界へ。安田均編
(アトリエサード 2484円)[amazon]


北村薫 『愛さずにいられない 北村薫のエッセイ
博覧強記な文学の話題、心にふれた言葉の妙味、懐かしい人、忘れ得ぬ場所、日常の中にある謎を愉しむ機知。読書愛が深く伝わる一冊。
(新潮社 1944円)[amazon]


池澤夏樹 『世界文学を読みほどく スタンダールからピンチョンまで 増補新版
稀代の読み手・実作者が語る十大傑作。京大講義録にメルヴィル会議の講演録を付した決定版。池澤版世界文学全集はここから始まった。
(新潮社 1836円)[amazon]

ジョン・スコルジー 『終わりなき戦火 老人と宇宙6
脳だけが船に接続され、兵器にされた男の決死の反撃! コロニー連合と地球、異星人の間に争乱を企む謎の一派との最終対決を描く。
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

西永良成 『レ・ミゼラブルの世界』
フランスで聖書の次に読まれる 『レ・ミゼラブル』。その長大さだけでなく、頻出する難解な 「蘊蓄」 により、通読が阻まれる小説でもある。だが、作品の魅力はその 「蘊蓄」 にこそある。作家の伝記とともに成立過程をたどり、亡命先で完成された畢生の大作に織り込まれたユゴーの思想を繙く。
(岩波新書 842円)[amazon]


小泉喜美子 『痛みかたみ妬み 小泉喜美子傑作短篇集
先生、ごめんなさい……。痛みと後悔に苦しむ少女が知らぬ真実 (「痛み」)。裕福な人妻はなぜホテルで突然命を絶ったのか? (「かたみ」)。天才舞踊家をずっと見つめてきた女の心裏は (「妬み」)。息詰まる駆け引き、鮮やかなどんでん返し。人生の裏も表も知る大人のためのミステリー。入手困難・幻の短篇集の増補復刊。
(中公文庫 799円)[amazon]

カート・ヴォネガット 『国のない男』
村上春樹をはじめ多くの作家に影響を与えた、戦後アメリカを代表する作家ヴォネガット。没後10年を迎え、その遺作となったエッセイ集を待望の文庫化。
(中公文庫 778円)[amazon]

『新装版 ベクシンスキ作品集成 I』
ポーランド幻想絵画の巨匠ベクシンスキ。1950~70年代の全盛期を中心に、写真、彫刻、ドローイング、CGを集成した全3巻増補版。
(河出書房新社 4104円)[amazon]


ジュリオ・アレーニ 『大航海時代の地球見聞録 通解 「職方外記」』
巨人の闊歩する国、紫色の顔、海には無数の怪物……。17世紀、中国に渡ったイエズス会宣教師が語った 「世界」 は、不思議で謎と奇跡に満ちていた。江戸時代の 「国際派」 も携えた奇本を、わかりやすい現代語と詳細な注釈で紹介。
(原書房 3240円)[amazon]

ヘンリー・デイヴィッド・ソロー 『コッド岬』
1849年、マサチューセッツ州コッド岬を訪れた詩人博物学者ソロー。「森の哲人」 とも呼ばれた彼が、海に見られる自然の厳しさと、そこで暮らす人びとのたくましさを活写する。ユーモラスで軽快な文体の旅行記は、『ウォールデン 森の生活』 とならぶ代表作。
(工作舎 2700円)[amazon]

潮田登久子 『先生のアトリエ (SERIE BIBLIOTHECA eyesight Ser)
写真の恩師である大辻清司の没後、そのアトリエの書棚や思い出のモノを撮影。「本の景色シリーズ」 第2弾。
(幻戯書房 3780円)[amazon]

潮田登久子 『本の景色 (SERIE BIBLIOTHECA)
国立国会図書館や大学図書館の貴重な古典籍、洋書の風景。外側から聴く本の声。「本の景色シリーズ」 第3弾。
(幻戯書房 8640円)[amazon]

マイケル・ブース 『ありのままのアンデルセン』
デンマーク人女性と結婚し、ロンドンからからコペンハーゲンに移住したマイケル。この国を代表する童話作家アンデルセンの生き方に興味津々のマイケルは、日記や手紙を手がかりにしてアンデルセン追想の旅に出るのだが、そこに待ち受けていたものは……。 『英国一家、日本を食べる』 著者のデビュー作。
(晶文社 2376円)[amazon]


村上春樹 『村上春樹 翻訳 (ほとんど) 全仕事』
その原動力はどこからくるのか ―― 翻訳者・村上春樹が、 70余点の訳書と、36年にわたる道程を振り返る。 訳書、原書の写真多数。 柴田元幸氏との対談もたっぷり収録。
(中央公論新社 1620円)[amazon]


ウィル・ワイルズ 『時間のないホテル』
謎の支配人、壁に掛けられた抽象画、そして運命の女。偽名でホテルを渡り歩く男が遭遇する異様な一夜に始まる恐怖。J・G・バラード 『ハイ・ライズ』+スティーヴン・キング 『シャイニング』 ともいうべき巨大建築幻想譚。
(創元海外SF叢書 2592円)[amazon]

G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の知恵 新版
「通路の人影」 「銅鑼の神」 など、いずれ劣らぬ名作12編を収録。不格好で小柄、手にした帽子と蝙蝠傘をまるで大荷物のように扱いかねている――とても名探偵とは思えぬ外見のブラウン神父が語る事件の真相は、読むものを度肝を抜く。名シリーズの第二集が新カバーでリニューアル。
(創元推理文庫 799円)[amazon]

エリザベス・ウェイン 『コードネーム・ヴェリティ』
第二次世界大戦中、スパイとしてナチの捕虜になった女性の手記。それには親友である飛行士の戦場の日々が小説のように綴られていた。彼女はなぜ手記を物語風に書いたのか?
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

キャンデス・フレミング 『ぼくが死んだ日』
偶然車に乗せた少女に導かれて足を踏み入れたのは、子どもばかりが葬られている、忘れ去られた墓地。いつのまにか現れた子どもたちが語り始めるのは、彼らの最後の物語だった……。廃病院に写真を撮りに行った少年が最後に見たものは。出来のいい姉に悪魔の鏡を覗くように仕向けた妹の運命は。ノスタルジー漂うゴーストストーリーの傑作。
(創元推理文庫 972円)[amazon]

ブライアン・ラムレイ 『旧神郷エリシア 邪神王クトゥルー煌臨!
風の神イタカを退け、再び時空往還機で探索の旅へ出立したド・マリニーとモリーンがボレアに帰還した。再会を喜ぶも束の間、タイタス・クロウより突然の知らせが入る。邪神の王クトゥルーとその眷属がついに蠢きはじめた不吉な兆しが見られるという……。〈タイタス・クロウ・サーガ〉最終巻。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

柴田錬三郎 『花嫁首 眠狂四郎ミステリ傑作選
時代小説の大家が生み出した、孤高の剣士・眠狂四郎。彼は時に老中・水野忠邦の依頼で、時に旅先で謎を解決する名探偵でもある。異色の探偵の活躍を描く珠玉の21編を収録。 末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]


オーリン・グレイ/シルビア・モレノ編 『FUNGI 菌類小説選集 第Iコロニー
植物よりも動物に近く、それでいて、どちらともまったく異なる存在である 「きのこ」。日本映画 『マタンゴ』 の話題で意気投合した二人が、不思議なきのこたちの小説を集めたアンソロジー。収録作はロマン・ノワール、ダーク・ファンタジー、スチーム・パンク、ボディ・ホラーと、多種多彩。
(Pヴァイン 1728円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『船出
南米の港町で、叔母夫妻の別荘に滞在中のレイチェル。自分ひとりの部屋、近くにあるホテルでの老若男女との出会いが、世界を広げていく。そして、初めて打ち解けて話せる異性……。これが 「恋」? 愛するほどに 「分かり合えなさ」 を感じるのはなぜ? 精神の不調を乗り越え出版した本作には、後のウルフ作品のあらゆる萌芽がある。
(岩波文庫 907円)[amazon]

シモーヌ・ヴェイユ 『重力と恩寵』
たとえこの身が汚泥となりはてようと、なにひとつ穢さずにいたい──絶え間なく人間を襲う不幸=重力と、重力によって自らの魂を低めざるをえない人間。善・美・意味から引きはがされた真空状態で、恩寵のみが穢れを免れる道を示す。戦火の中でも、究極の純粋さを志向したヴェイユの深い内省の書。その生の声を伝える雑記帳からの新校訂版。冨原眞弓訳
(岩波文庫 1220円)[amazon]


イタロ・カルヴィーノ 『不在の騎士』
時は中世、シャルルマーニュ大帝の御代、サラセン軍との戦争で数々の武勲をあげた騎士アジルールフォ。だが、その白銀に輝く鎧の中はからっぽだった。ある日、騎士の資格を疑われたアジルールフォは、その証をたてんと遍歴の旅に出るが……。奇想天外な冒険を描く 〈我々の祖先〉 三部作の一作。〔翻訳権取得〕
(白水Uブックス 1620円)[amazon]

高原英理 『怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影
見えない 「何か」 が近くにいる感覚。その土地に伝わる奇妙な伝承。様々な伝説が残る石。至る所にあらわれる火の玉。美少年好きの天狗。果てはろくろ首の種類別考察まで。古今東西の怪談を独自の視点でまとめあげた、怪談随筆の新定番。
(立東舎 1944円)[amazon]


諸星大二郎 『暗黒神話』
原点にして到達点──かつて少年ジャンプ読者を震撼させた禁断のコミックが、時を経てふたたび放たれる。黒と銀、2色のインクが描き出すのは、現実と心象世界が交差するひと函の小宇宙。さらなる加筆と新釈、印刷技術の粋を集めた豪華装丁によって、不朽の名作がここに甦る。
(集英社 3456円)[amazon]


ライナー・シュタッハ 『この人、カフカ?ひとりの作家の99の素顔
日記や手紙、走り書きやサイン、出版広告や高校修了証、アンケート用紙や遺言状などから、作家の知られざる魅力を浮かび上がらせる。
(白水社 2808円)[amazon]

『本の雑誌おじさん三人組が行く!』 本の雑誌編集部
中学生の社会科見学のように出版界に関連するあちらこちらを訪問した記録。新潮社から国書刊行会、早川書房、東京創元社、晶文社、つり人社、舵社、愛石の友まで、大小個性派の出版社に潜入し、古本屋、図書館、花布屋、製函屋、国土地理院、文壇バー、文学フリマなど、本や活字に関係しそうなところを目指しては、知られざる実態をつかんだりする。
(本の雑誌社 1944円)[amazon]

『怪異を語る 伝承と創作のあいだで
民間伝承、文学、芸能、美術――あやかしを「語る」手法の発明、継承、変容。成城学園創立100周年、成城大学文芸学部創設60周年記念シンポジウム報告書。京極夏彦、喜多崎親、太田晋、常光徹、東雅夫
(三元社 1512円)[amazon]

沼野充義編 『つまり、読書は冒険だ。対話で学ぶ〈世界文学〉連続講義5
〈ゲスト〉 川上弘美、小野正嗣、張競、ツベタナ・クリステワ、東京大学現代文芸論研究室
(光文社 2052円)[amazon]


ロバート・ゴダード 『灰色の密命 上・下 1919年三部作2
父ヘンリーの秘密を握るドイツのスパイ網指揮者レンマー。彼を陥れるべく、敢えてドイツのスパイとなったマックスはスコットランド最北に抑留中のドイツ軍艦から極秘ファイルの回収を命じられる。レンマー打倒の材料となるファイルを携えマックスはロンドンをめざす。スリルと疾走感溢れる極上スパイミステリ。
(講談社文庫 各1080円)[amazon]

北原尚彦 『ホームズ連盟の事件簿』
もう 「名探偵」 なんていらない!? 相棒ワトスンが、ホームズを手玉に取ったアイリーンが、快刀乱麻の大活躍。
(祥伝社文庫 648円)[amazon]

ロマン・ギャリ 『ペルーの鳥 死出の旅へ
一面に広がる鳥の屍体を踏み分けて入水する美女、人間をセメント詰めにする男、大男の初恋を馬鹿にする小人……奇々怪々な登場人物たちが織りなす白昼夢の世界。人間の邪悪さと卑小さ、哀しみと悪徳を 〈人間〉 への絶望と愛によって、そして辛辣な皮肉とユーモアをこめて描き出す、謎多き作家の16篇の物語。
(水声社 3024円)[honto]


プラトン 『アルキビアデス クレイトポン』
ソクラテス哲学の根本を伝える重要な対話篇、初の文庫版での新訳。三嶋輝夫訳
(講談社学術文庫 886円)[amazon]

新版 雨月物語 全訳注青木正次=訳注
(講談社学術文庫 1782円)[amazon]


キャロル・オコンネル 『ルート66 上・下
美貌の天才ハッカー、ニューヨーク市警刑事キャシー・マロリー。彼女の家の居間に女の死体が一体。部屋の主は行方不明。マロリーはどこにいったのか。相棒のライカーは彼女のあとを追う。マロリーが改造フォルクスワーゲンを飛ばすのはルート66。古い手紙をたどる彼女の旅が、ルート66上で起きた奇怪な殺人事件と交差する。
(創元推理文庫 各1058円)[amazon]

アリ・ブランドン 『書店猫ハムレットの休日』
ネットにアップロードされた動画が大人気となり、一躍有名になった書店猫ハムレット。キャットショーの特別ゲストに招かれたフロリダで事件が……。人気コージー・シリーズ。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

ダリル・グレゴリイ 『迷宮の天使 上・下
脳を物理的に再編する夢の新薬。しかしそれは、過剰摂取者の現実と自我を決定的に書き換えてしまう――イーガン、チャン、ワッツに続く気鋭が放つ、驚異の脳科学SF。
(創元SF文庫 各972円)[amazon]


ロジャー・ホッブズ 『時限紙幣 ゴーストマン
クアラルンプールの摩天楼内の銀行襲撃計画。爆薬の仕掛けられた金の奪還。裏社会のディテール満載で描く21世紀最高の犯罪小説。
(文春文庫 1058円)[amazon]


C・S・ルイス 『ナルニア国物語3 馬と少年』

カロールメン国に住む漁師の拾い子シャスタは、自分が奴隷として売られると聞いて、「もの言う馬」とともに逃げ出しナルニアを目指す。道中、獰猛なライオンが背後に迫り……。少年の不思議な冒険と、異教国とナルニアの戦いに胸躍る第3巻。土屋京子訳
(光文社古典新訳文庫 778円)[amazon]

セネカ 『人生の短さについて 他2篇
古代ローマの哲学者セネカによる、いかに生きるべきかを説いた実践哲学の書。人生は浪費すれば短いが、過ごし方しだいで十分長くなると説く表題作。仕事や人との付き合いで心の安定をどう得るかを説く 「心の安定について」 ほか一篇を収録。中澤務訳
(光文社古典新訳文庫 972円)[amazon]

江戸川乱歩 『乱歩の猟奇 江戸川乱歩セレクション
正体不明の骸骨男が少年探偵団に迫りくる 「サーカスの怪人」、奇怪な遊園地で狂瀾の宴が繰り広げられる 「地獄風景」などの小説に加え、乱歩の “ネジレ趣味” が垣間見える随筆 「浅草趣味」 や 「旅順開戦館」 も収録。猟奇のサーカスにあなたを招待する、もっとも狂わしき江戸川乱歩選集。
(光文社文庫 691円)[amazon]

パーシヴァル・ワイルド 『悪党どものお楽しみ』
改心した元賭博師のビル・パームリーが、ギャンブル好きでお調子者の友人トニーに担ぎ出されてイカサマ師たちと対決、そのトリックを次々にあばいていくユーモア・ミステリ連作集。新訳 「堕天使の冒険」 を追加収録した完全版。MORE
(ちくま文庫 972円)[amazon]

チャールズ・ブコウスキー 『ブコウスキーの酔いどれ紀行』
テレビに出れば泥酔し、朗読会では罵られ、機内の酒を飲み尽くす。酔いどれエピソード満載。鬼才ブコウスキーのヨーロッパ珍道中。
(ちくま文庫 907円)[amazon]

実相寺昭雄 『ウルトラマン怪獣幻画館』
ジャミラ、ガヴァドン、メトロン星人など、ウルトラシリーズで人気怪獣を送り出した実相寺監督が書き残した怪獣画集。オールカラー。
(ちくま文庫 972円)[amazon]

山室静 『北欧の神話』
キリスト教流入以前のヨーロッパ世界を鮮やかに語り伝える北欧神話。神々と巨人たちとが織りなす壮大な物語をやさしく説き明かす最良のガイド。
(ちくま学芸文庫 1080円)[amazon]

ジョン・ル・カレ 『地下道の鳩 ジョン・ル・カレ回想録
イギリスの二大諜報機関MI5とMI6に在籍していたことを明かし、詐欺師だった父親の奇想天外な人生を打ち明ける。スマイリーなどの登場人物のモデル、紛争地域への取材、小説のヒントになった出来事、サッチャーをはじめとする要人との出会いも語る話題作。
(早川書房 2700円)[amazon]

ローリー・ロイ 『地中の記憶』
ある言い伝えを信じて、深夜、反目する隣家の土地に忍び込んだ15歳のアニー。しかしそこで死体を見つけてしまう。その事件は、町の忌まわしい過去を掘り起こし、アニーと家族の生活まで脅かすが……20世紀半ばのアメリカ南部を舞台にした巧緻で濃密なミステリ。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

ダニエル・トーデイ 『ポクスル・ウェスト最後の飛行』
飛行機乗りであるポクスル・ウェストおじさんの勇ましい物語に夢中になっていたイライジャ少年。だが、やがて少年は、おじさんが決して語らなかった 「真相」 を知ってしまう。《ニューヨー・タイムズ》 紙が絶賛するアメリカの新人作家が挑む、本当の戦争の話。
(早川書房 2916円)[amazon]

M・J・カーター 『紳士と猟犬 インド総督の探偵たち
インドで消息を絶った英国の詩人を探すため、軍人エイヴリーは謎の 「探偵」 とともに盗賊の跋扈する奥地と向かう。MWA長篇賞候補作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]

イングリッド・デジュール 『死を告げられた女』
心に傷を抱えたボディガードは暗殺の脅威に晒される女性活動家を守れるか? テロへの恐怖に揺れるパリの街に吹き荒れる暴力の嵐。
(ハヤカワ文庫NV 1188円)[amazon]

アーヴィン・ウェルシュ 『T2 トレインスポッティング 上・下
危ない奴らが帰って来た! 今度はポルノ映画で一攫千金をねらう。映画化。
(ハヤカワ文庫NV 各994円)[amazon]

大下宇陀児 『見たのは誰だ』
ワケありのアプレ学生が殺人容疑で捕まった。弁護士探偵俵岩男が真犯人追及に乗り出す傑作探偵小説。没後50年、初文庫。
(河出文庫 864円)[amazon]

ボッカッチョ 『デカメロン
ペストが蔓延する14世紀フィレンツェ。郊外に逃れた男女十人が面白おかしい話で迫りくる死の影を追い払おうと、十日の間語りあう百の物語。不滅の大古典の全訳決定版、第一弾。平川祐弘訳
(河出文庫 1080円)[amazon]

千野帽子 『人はなぜ物語を求めるのか』
人は人生に起こる様々なことに意味付けし物語として認識することなしには生きられない。それはどうしてなのか?その仕組みとは?
(ちくまプリマー新書 907円)[amazon]


ハリー・マーマイケル 『ラスキン・テラスの亡霊』
〈論創海外ミステリ〉
不幸な事故か? それとも巧妙な殺人か? 謎めいた服毒死から始まる悲劇の連鎖に翻弄されるクイン&パイパーの名コンビ。ハリー・カーマイケル、長編邦訳第2弾。
(論創社 2376円)[amazon]


『甲賀三郎探偵小説選Ⅲ』
〈論創ミステリ叢書〉
「眼の動く人形」 から 「午後二時三十分」 まで、弁護士・手塚龍太シリーズを集成。「水晶の角玉」 などの単発作品の他、連載エッセイ 「探偵小説講話」 を全編収録。巻末に甲賀三郎著作リスト (創作小説のみ) を付す。
(論創社 3888円)[amazon]


真魚八重子 『バッドエンドの誘惑 なぜ人は厭な映画を観たいと思うのか
後味が悪い、救いのない映画。そんな映画に惹かれてしまうのはなぜだろう。気鋭の映画評論家が挑む、衝撃のバッドエンドムービー評論集。取り上げられる映画一覧
(洋泉社 1512円)[amazon]

パスカル・キニャール・コレクション 『さまよえる影たち 最後の王国
かつてこの世に生きた人々の熱い想いは絵画や文学作品の中にいまだその命を宿し続ける−。異なる時空間に属するさまざまな書物から集められた断片を繫ぎ合わせて構成された、文学作品の定義/既成概念を打ち破る異形の書。
(水声社 2592円)[honto]


江戸川乱歩 『妖怪博士 私立探偵 明智小五郎
ある春の夕暮、曲角に奇妙な十字を書き残す怪老人が向う先には一軒の洋館。そこに捕らわれていたのは、手足を縛られた美しき少女だった……。
(新潮文庫nex 497円)[amazon]

ボーモン夫人 『美女と野獣』
裕福な商人の末娘ベルは、とびきりの美貌と優しい心根の持ち主。ある日、父親が見るも恐ろしい野獣に捕えられると、彼女は身代わりを買って出た――。人生の真実と厳しさを優しく伝え、時代と国を超えて愛され続けてきた物語13編を収録。村松潔訳
(新潮文庫 529円)[amazon]



▼2月刊

リチャード・ライト 『長い夢』
南部で葬儀屋を営む父のもと、思春期を生きるフィッシュベリー。父子の葛藤、白人による友人の殺害、そして、白人警察署長による父の謀殺。アメリカ社会に根深く残る人種問題をありのままに描いた、アメリカ黒人文学の原点。
(水声社 4860円)[honto]

ポール・オースター 『冬の日誌』
幼時の大けが。性の目覚め。パリでの貧乏暮らし。妻との出会い。住んだ家々。母の死――。感覚と肉体をめぐる、心に沁みる回想録。柴田元幸訳
(新潮社 2052円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.8 ノスタルジア
レイ・ブラッドベリ、オーガスト・ダーレス、ニール・ゲイマン、ベイジル・コッパー、スティーヴ・ラスニック・テムほか。目次
(アトリエサード 1836円)[amazon]

カルミネ・アパーテ 『ふたつの海のあいだで
ある日、姿を消した最愛の祖父。《いちじくの館》 再建の夢はいかに――。イタリアを代表する作家が描く、土地に根差した強靱な物語。
(新潮クレスト・ブックス 2052円)[amazon]

G・ウィロー・ウィルソン 『無限の書』
中東の専制国家でハッカーとして暮らす青年アリフは、政府の検閲官に追われる身となる。同時に姿を消した元恋人に託された謎の古写本 『アルフ・イェオム』 には、人間が知るべきではない知識が隠されているという。本の秘密を解き明かすべく、アリフは異界に足を踏み入れる。世界幻想文学大賞受賞のSFファンタジイ。
(創元海外SF叢書 価3024円)[amazon]

ジャック・ルーボー 『誘拐されたオルタンス』
これはミステリなのか? という珍妙な事件とその顛末……を書いた前作に続く、オルタンスたちょをめぐる不可解な出来事。ブロニャール警部が謎に挑む。さらわれてしまったオルタンスは、どうなるのか?
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

D・M・ディヴァイン 『紙片は告発する』
周囲から幼稚な嘘つきと軽んじられるタイピストのルースは、ある日職場で謎の数字を書き付けた紙片を拾う。それはある人物の破滅に繋がるものだった。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

ゴードン・マカルパイン 『青鉛筆の女』
作家デビューを望んだ日系青年と、編集者の間に何が起きたのか? スパイ小説の書籍、手紙、原稿で構成される三重構造の驚異の物語。凝りに凝った瞠目のエドガー賞候補作。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ジョン・ガスパード 『秘密だらけの危険なトリック』
あまりに売りがない映画のため、話題作りのために殺されるんじゃないかとガクガク震える主演男優。助けを求められたマジシャン探偵は……。おしゃれなユーモア・ミステリ。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

ロイス・マクマスター・ビジョルド 『マイルズの旅路』
惑星“キボウダイニ”で開催された人体冷凍術の蘇生会社主催の会議で誘拐され、さんざんな目に遭ったマイルズ。偶然出会った少年に助けられるが……。大人気シリーズ最新刊。
(創元SF文庫 1404円)[amazon]

武田雅哉 『中国のマンガ 〈連環画〉の世界』
中国の多彩な図像学の系譜を受け継ぐ中国のマンガ・連環画。20世紀中国社会を如実に映す連環画を巡る、本邦初の本格的な紹介。
(平凡社 3780円)[amazon]

バルバラ・グラツィオーシ 『オリュンポスの神々の歴史』
「ギリシア神話の神々」 は、どこから来てどこへ行くのか。ホメロス以前の姿からルネサンス、さらにベルリン・オリンピックまでの受容史。
(白水社 3996円)[amazon]

野村悠里 『書物と製本術 ルリユール 綴じの文化史
出版文化史に通じ、かつ本造りの専門家である著者が、装幀・造本をテーマとして、出版文化、出版史、とりわけ技術について精緻に描いた本。
(みすず書房 8100円)[amazon]


『新編 日本幻想文学集成』 第5巻
江戸川乱歩 (別役実編)、稲垣足穂 (矢川澄子編)、佐藤春夫 (須永朝彦編)、宇野浩二 (堀切直人編)を収録。内容
(国書刊行会 6264円)[amazon]

湯本豪一編 『昭和戦前期怪異妖怪記事資料集成 下巻』
妖怪・幽霊・怪現象の新聞記事約1万5千件を収録、総8千ページ。怪異研究の金字塔、『怪異妖怪資料集成』 遂に完結。総索引CD-ROM付き。民俗学・歴史・風俗・社会学・文学の第一級資料。
(国書刊行会 59,400円)[amazon]

フアン・ホセ・サエール 『傷跡』
〈フィクションのエル・ドラード〉
妻殺しの容疑者が取り調べ中に窓から身を投げた。自殺の瞬間に立ち会った若き新聞記者とその母、容疑者の旧友の元弁護士…。〈傷〉 を抱えた登場人物たちの複数の視点から事件を浮かび上がらせた、初期サエールの傑作長編。
(水声社 3024円)[honto]

ジョゼフ・ミッチェル 『マクソーリーの素敵な酒場』
雑誌 〈ニューヨーカー〉 随一の書き手といわれた名文家、ジョゼフ・ミッチェル。1940年代ニューヨークの裏通りにうずまく、人びとの喜び、哀しみ、そして諦め。日々したたかに、しかし誇り高く生きる市井の人びとへまなざしを向ける。今なお色あせない、ジャーナリズムの傑作。
(柏書房 2376円)[amazon]


アダム・カバット 『江戸化物の研究 草双紙に描かれた創作化物の誕生と展開
江戸庶民に愛好された草双紙に登場する、滑稽で愛嬌のある化物に注目した著者は、緻密な文献調査を重ね、独自の視点で草双紙を捉え直してきた。庶民の生活・文化・芸能等との関係も視野に入れながら、江戸都市文化の産物としての 「創作された化物像」 の特徴と変遷を鮮明にする。
(岩波書店 8100円)[amazon]


鹿島茂 『神田神保町書肆街考 世界遺産的 “本の街”の誕生から現在まで
世界でも類例のない古書店街・神田神保町。その誕生から現在までの栄枯盛衰を、地理と歴史を縦横無尽に遊歩して鮮やかに描き出す。
(筑摩書房 4536円)[amazon]

フェイ・ケラーマン 『血のない殺人 上・下
ロス市警の警部補デッカーはホテルで美しい人妻と密会していた。彼女、テリーは暴力的な夫クリスとの別居を望んでおり、デッカーに仲裁を頼んできたのだ。だが直後にテリーが失踪したと、彼女の息子から連絡が入る。そんな折、近くで女性の他殺体が見つかり……。リナ&デッカー・シリーズ。
(ハーパーBOOKS 各970円)[amazon]


M・L・ステッドマン 『海を照らす光 上・下
孤島に暮らす灯台守夫妻は、漂着したボート に赤ん坊を見つけ、実子として育てはじめる が……絆が生みだす幸福と苦しみを描く長篇。
(ハヤカワepi文庫 各842円)[amazon]

アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム 『制裁』
凶悪犯が脱走した時、被害者の親が取った行動とは……。北欧最高の 「ガラスの鍵」 賞を受賞した 〈グレーンス警部〉 シリーズ第一作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1037円)[amazon]

グレッグ・イーガン 『アロウズ・オブ・タイム』
技術を発展させた 〈孤絶〉 内では、ようやく故郷の惑星を滅亡から救う目星がついた。だが、誰も見たことのない母星に、危険を冒して戻る必要はないのではと意見する者も増えている。その中で、未来からの通信を受け取る装置の建設計画が開始されるのだが……。
(新ハヤカワSFシリーズ 2484円)[amazon]

ロバート・F・ヤング 『時をとめた少女』
ロジャーはブルネットとブロンドの二人の魅力的な女性と出会うが……。時間SFの名品である表題作他、初訳2篇を含む全7篇を収録。
(ハヤカワ文庫SF 886円)[amazon]

ゲイル・キャリガー 『ソフロニア嬢、倫敦で恋に陥落する 英国空中学園譚
空飛ぶ学園が、お茶会のさなか邪悪な秘密組織に乗っ取られた! 政府転覆の企みに果敢に立ち向かうソフロニアの運命や、いかに。
(ハヤカワ文庫FT 1123円)[amazon]

『ビゴー 『トバエ』 全素描集 諷刺画のなかの明治日本
清水勲編
。フランス人画家ジョルジュ・ビゴーが雑誌 『トバエ』 に発表した諷刺画全点を集成。『トバエ』 の刊行時期は、自由民権運動が弾圧により沈静化し、大日本帝国憲法が発布され、近代国家・日本が富国強兵への道を邁進していく分岐点にあたる。稀代の諷刺画家の眼に、明治日本の姿はどのように映っていたのか。
(岩波書店 14,040円)[amazon]


ベン・ラーナー 『10:04』
〈エクス・リブリス〉
ハリケーン迫るブルックリン。処女小説で予想外の評価を受けた詩人の “僕” は、新たに長篇の執筆を打診されるが……。主人公の詩人を通じて語られる、「世界が組み変わる」 いくつもの瞬間。身体感覚は失われ、過去と未来、事実と虚構、あらゆる境界が揺らめきだす。オースターやフランゼンが絶賛する若手作家による 「遊歩(フラヌール)」 小説。
(白水社 3132円)[amazon]

筒井康隆 『筒井康隆全戯曲4 大魔神』 日下三蔵編
映画 《大魔神》(1966) を踏襲しつつ、筒井康隆ならではのエッジを効かせたストーリーが展開する表題作、上方歌舞伎の改作 「影武者騒動」、TVアニメ 『スーパー・ジェッター』 のシナリオ、ソノシート版 『ミクロ人間』 『スーパー・ジェッター 未来予言機』 (漫画部分のみ) などを収録。「ミクロ人間」(ドラマ音源)CD付き。
(復刊ドットコム 3996円)[amazon]

岩波文庫 春のリクエスト復刊
サッカレ/平井呈一訳 『床屋コックスの日記 馬丁粋語録』
スティーヴンスン 『南海千一夜物語』
ビアス 『いのちの半ばに』
シラー 『ヴィルヘルム・テル』
トマス・ハーディ 『緑の木蔭』

全38点

D・H・ロレンス 『無意識の幻想』
森羅万象の土台を成すのは生であり、無意識などという観念ではない。ドゥルーズ&ガタリが共感したロレンスの無意識理解とは。現代文明批判の書。
(中公文庫 1080円)[amazon]

出口保夫 『大英博物館の話』
1759年に開館した大英博物館。ハンス・スローンという一民間人のコレクションから生まれたこの博物館は、英国の発展とともに蒐集品を増やしていった。コレクション、寄贈者、職員、足繁く通った作家・詩人・思想家などを通し、いまなお拡大を続ける大英博物館の歴史を辿る。『物語 大英博物館』(中公新書)の文庫化。
(中公文庫 799円)[amazon]


堀辰雄 『羽ばたき 堀辰雄 初期ファンタジー傑作集
『風立ちぬ』 などのサナトリウム文学のイメージを一新する堀辰雄の初期作品を集成。モダンな姿で若者を魅了する東京浅草などを舞台にした作品群、天使や妖精が登場し、軽やかな浮遊感をもたらす初期ファンタジー。長山靖生編
(彩流社 2376円)[amazon]

平井功 『詩集 驕子綺唱』
夭折の天才詩人・平井功の未刊行だった第2詩集を、原稿より編集指示等を踏まえた上で初の書籍化。限定100部。
盛林堂ミステリアス文庫 6000円)


ティモ・サンドベリ 『処刑の丘』
深夜、かつて虐殺の舞台になった 〈黒が丘〉 と呼ばれる場所で、男たちが “処刑” と称し青年を銃殺した。警察は酒の取引きに絡む殺人として処理したが、巡査ケッキだけは納得していなかった。事件の陰に見え隠れする内戦の傷、敗北した人々の鬱屈。果たしてこの町に正義はあるのか? フィンランドの語られざる暗部を描いた注目のミステリ。
(東京創元社 2052円)[amazon]

E・C・ベントリー 『トレント最後の事件 新版
アメリカ実業界の大立者がイギリスの別邸で殺害された。この事件の解決に赴いた画家にして名探偵のトレントは、重要容疑者である、被害者の美しき妻メイベルと出会う……。英米ミステリ黄金時代の先駆けとなった傑作を、新カバー&新解説で。大久保康雄訳。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

山田俊弘 『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論
〈bibliotheca hermetica〉
近代科学の創始者ガリレオやニュートンが活躍した17世紀。天動説と地動説をめぐって論争が繰り広げられ、世界と歴史の理解が大きく変わったこの科学革命の時代に、知識人たちは化石、鉱物、火山活動、気象といったものから、地球がどのようなものだと考えていたのか。デンマーク人ステノを案内人に、「ジオ・コスモス」 (大地の世界) 観の変容を読み解く。
(勁草書房 5184円)[amazon]

吉野朔実 『吉野朔実のシネマガイド シネコン111』
映画の目利きとしても知られていた漫画家、吉野朔実によるイラストエッセイ。今では不朽の名作となった傑作から埋もれた小品まで、計111作品が繊細なイラストと独特の視点で紡がれたテキストで鮮やかに描き出される。新装復刊
(エクスナレッジ 1728円)[amazon]

マーク・トウェイン 『百万ポンド紙幣 マーク・トウェイン ショートセレクション
〈世界ショートセレクション〉
『トム・ソーヤーの冒険』 『ハックルベリー・フィンの冒険』 などの作品で知られ 「最初の真のアメリカ人作家」 とも称されるマーク・トウェインの短編集。表題の 「百万ポンド紙幣」 ほかユーモアに満ちた色褪せることがない7編。YA
(理論社 1404円)[amazon]

チェーホフ 『大きなかぶ チェーホフ ショートセレクション
〈世界ショートセレクション〉
「桜の園」 「三人姉妹」 「かもめ」 「ワーニャ伯父さん」 の四大戯曲ほか、鋭い人間観察から描かれた作品で知られるチェーホフ。ユーモア小説の名手ともいわれたチェーホフがよく感じられる短編小説を10編セレクト。YA
(理論社 1404円)[amazon]


J・L・ボルヘス 『アレフ』
途方もない博識と巧緻をきわめたプロット、極度に凝縮された文体ゆえに、〈知の工匠〉 〈迷宮の作家〉 と呼ばれるボルヘスによる、『伝奇集』 とならぶ代表的短篇集。表題作のほか、「不死の人」 「神の書跡」 「アヴェロエスの探求」 「二人の王と二つの迷宮」 「戦士と囚われの女の物語」 などを収録.。鼓直訳。
(岩波文庫 778円)[amazon]

近藤浩一路 『漫画 吾輩は猫である』
近藤浩一路の漫画のたのしさは、漫画はもとより、各画に添えられた近藤による文章にも発揮されている。滑稽味ある小見出し、表現のポイントを押さえながら、俳文を読むようなユーモア溢れる達意の文にまとめている。『吾輩は猫である』 は国民文学の代名詞ともいえる作品。漫画で文豪の名作を存分に楽しむ。
(岩波文庫 778円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『悪魔の星 上・下
3年前の同僚刑事が殺された事件を追い続けるハリーだが、証拠を得られず生き詰まり、酒におぼれて免職の通達が。そんな中、オスロを震撼させる猟奇的事件が起こり、ハリーも捜査に加わる。北欧ミステリーを牽引する作家の傑作。
(集英社文庫 各864円)[amazon]

江戸川乱歩 『明智小五郎事件簿10 少年探偵団・黒蜥蜴』
大夜会に君臨する黒衣の美女の左腕には、怪奇な黒い蜥蜴の入墨があった。大阪の宝石商の娘の誘拐を予告する怪文書が届く。恐るべき女盗賊・黒蜥蜴と明智の壮絶な対決。解説=有栖川有栖。
(集英社文庫 821円)[amazon]

アントワーヌ・コンパニョン/ジュリア・クリステヴァ他 『プルーストと過ごす夏』
現代フランスを代表するプルースト研究者、批評家、作家らが、トピックごとに、『失われた時を求めて』 の名場面を紹介する。
(光文社 2484円)[amazon]

辻原登 『辻原登の 「カラマーゾフ」 新論 ドストエフスキー連続講義
これまでドストエフスキー嫌いを公言していた小説家が、その小説群を徹底的に読み込み、小説の構造や真意を読み解き、魅力と謎に迫る。
(光文社 1944円)[amazon]


《MONKEY》 vol.11 特集=ともだちがいない!
チャールズ・ブコウスキー、エミリー・ミッチェル、パジェット・パウエル、リュドミラ・ウリツカヤ、アンデルセン、村上春樹アンデルセン賞スピーチ
(スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

デボラ・クロンビー 『警視の挑戦』
キンケイド警視とジェマ警部補のカップルが、テムズ川を舞台にした 「女性刑事殺害事件」 を追う。
(講談社文庫 1188円)[amazon]

セルバンテス全集2 『ドン・キホーテ 前篇』
騎士道物語に魅せられ、〈狂人〉 となった初老の男の 〈荒唐無稽な〉 冒険譚。スペイン黄金世紀文学の巨人による、近代小説の最初にして最高の作品。岡村一訳、本田誠二註釈。
(水声社 10,800円)[honto]

福間良明 『「働く青年」 と教養の戦後史 「人生雑誌」 と読者のゆくえ
経済的な理由で進学を断念し仕事に就いた若者たち。知的世界への憧れと反発。そんな彼らを支えた「人生雑誌」。その盛衰を描き出す。
(筑摩選書 1944円)[amazon]


ホルスト・ブレーデカンプ 『泳ぐ権力者 カール大帝と形象政治
肖像入りのコインがカール大帝の政治図像学の決定的な構成要素を形成したように、支配者たちは、その支配権をシンボル化した。毛沢東やバルバロッサなど、歴史上の重要人物の統治技術を、その象徴政治の面から理解する試み。原研二訳
(産業図書 3780円)[amazon]

ジョーゼフ・ケアリー 『トリエステの亡霊 サーバ、ジョイス、ズヴェーヴォ
20世紀初頭、アドリア海に面した都市トリエステにいた三人の文学者、詩人ウンベルト・サーバ、『ユリシーズ』 以前のジェイムズ・ジョイス、『ゼーノの意識』 の作家イタロ・ズヴェーヴォ。彼らが作った (あるいは作らなかった) 三角形の痕跡をたずねて、アメリカの大学教授の 「私」 は町中の通りをさまよい歩く。歴史・言語・芸術の枠をこえた文学紀行の名品。
(みすず書房 5832円)[amazon]


《ミステリーズ!》 vol.81
シリーズ第三弾、小林泰三 「ドロシー殺し」 連載開始。泡坂妻夫未発表原稿、短編 「酔象秘曲」。「米澤穂信 大刀洗町講演会誌上レポート」 ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

ロビン・スローン 『ペナンブラ氏の24時間書店』

客もいないのに終日営業の、風変わりな書店の棚には、世界を揺るがす秘密への扉が隠れていた? 謎の組織が秘す五百年ものの暗号と、グーグル他の最新デジタル技術が 「本」 を介して交錯する。本好きならば見逃せない、爽快エンタテインメント小説。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

タイラー・ディルツ 『悪い夢さえ見なければ』
殺された教師は全身をナイフで切り刻まれ、なぜか左手首を持ち去られていた。情に厚いダニーと格闘技に秀でた姐御肌のジェン。支え合い真実を追う男女刑事コンビが登場。
(創元推理文庫 1123円)[amazon]

千街晶之 『週刊文春ミステリーレビュー2011-2016 [国内編] 名作を探せ!
20年以上も続く週刊文春の連載 「ミステリーレビュー」 の2011年から2016年までの6年分、140本のコラムをまとめたもの。Kindle版
(文春e-Books 500円)[amazon]

池上冬樹 『週刊文春ミステリーレビュー2011-2016 [海外編] 名作を探せ!
20年以上も続く週刊文春の連載 「ミステリーレビュー」 の2011年から2016年までの6年分、140本のコラムをまとめたもの。Kindle版
(文春e-Books 500円)[amazon]

サマセット・モーム 『聖火』
穏やかな上流家庭の情景が一転、推理劇に。真の愛とは何か、幸福とは何かを問う傑作。モームの問題劇を訳し下し。行方昭夫訳。
(講談社文芸文庫 1404円)[amaozn]

吉田健一 『昔話』
シェイクスピア、ワイルド、チャーチル、清少納言、鴎外……。古今東西を自在に渉猟し、類稀な知性で 「世界」 を読み解く最晩年の傑作。
(講談社文芸文庫 1620円)[amaozn]

『SFが読みたい!2017年版』
年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2017年のSF刊行予定、SF関連書籍&DVD目録などでおくるガイドブック最新版。特別企画として2010年代前半のSFベスト発表&アンケートを掲載。
(早川書房 864円)[amazon]


佐々涼子 『紙つなげ!彼らが本の紙を造っている 再生・日本製紙石巻工場
地元のため、そして本を待つ読者のために!津波で壊滅的被害を受けた製紙工場の復興の軌跡を徹底取材した、傑作ノンフィクション。
(ハヤカワ文庫NF 799円)[amazon]

ミケール・カッツ・クレフェルト 『凍てつく街角』
恋人を残酷な事件で失い、後悔と自責の念のなかで生きる刑事ラウ ン。彼を自暴自棄な酒浸りの生活から引きずり出したのは、友人の 依頼だった。失踪中の若い女性を探すことになったラウンは、しぶ しぶコペンハーゲンの裏社会を訪ね歩くが……。注目の警察小説。
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

グレアム・ムーア 『シャーロック・ホームズ殺人事件 上・下
名探偵ホームズの生みの親ドイルの失われた日記。その知られざる秘密を追え! 時空を超えた二つの事件がからみあう傑作ミステリ。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各929円)[amazon]

『アーサー・ミラー3 みんな我が子/橋からのながめ』
戦争の功罪を問う 「みんな我が子」、あるイタリア系一族の悲劇を描く 「橋からのながめ」。初期の傑作2篇を収録。
(ハヤカワ演劇文庫 1620円)[amazon]


ドストエフスキー 『白痴 2』
稀代の美人ナスターシヤをめぐる葛藤がいよいよ激しさを増す。運命の夜から半年、「許婚者」 ロゴージンとムイシキン公爵は奇妙な友情をつちかうが、張りつめた糸は断ち切られる寸前。エバンチン家の三女アグラーヤの存在感もしだいにふくらみ……。亀山郁夫訳
(光文社古典新訳文庫 929円)[amazon]

ヤマザキマリ、とり・みき 『プリニウス5』
謎の風来坊ラルキウスの冒険譚に刺激を受けたプリニウスは、好奇心の赴くまま、はるかアフリカへの旅を決意。大地震からの復興を急ぐポンペイを後にして、一行は船上の人となる。しかし、大嵐によって船は西へ西へと流される……。火山に恋した博物学者、前途多難の大航海。
(新潮社 734円)[amazon]


ヤン・コット 『シェイクスピア・カーニヴァル』
『シェイクスピアはわれらの同時代人』 で既存の研究に画期をもたらしたコットが、バフチーンのカーニヴァル理論を援用しシェイクスピア作品に流れる 「歴史のメカニズム」 を大胆に読み解く。高山宏訳。
(ちくま学芸文庫 1404円)[amazon]

フリードリヒ・デュレンマット 『ギリシア人男性、ギリシア人女性を求む』
冴えない中年独身男の前に絶世の美女が現れ、彼の人生は一変する。突然の有名人扱い、異例の大昇進……不可解な幸運の裏には何が?
(白水Uブックス 1512円)[amazon]

ジョアンナ・エーベンステイン 『アナトミカル・ヴィーナス 解剖学の美しき人体模型
かつて世界の博物館や移動式遊園地で、女性解剖模型として展示された、解剖学的に正しく分解できる人体模型。妖艶な美しさで魅了し、医学と神話、奉納品と民芸品、キワモノと芸術の狭間を揺れ動いてきた、その真の姿に迫る。
(グラフィック社 3024円)[amazon]

東雅夫編 『恋 文豪ノ怪談 ジュニア・セレクション
川端康成、江戸川乱歩、中井英夫…….。多くの文豪が残した怪談・怪奇文学の傑作。その 「文豪怪談」 のエッセンスを10代からの若い読者向けに、精選・編集したアンソロジーシリーズ。 総ルビで、読みを豊かにしてくれる丁寧な注釈付き。挿絵=谷川千佳。
(汐文社 1728円)[amazon]

『甲賀三郎探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
粗忽者の憎めぬ夜盗 〈気早の惣太〉 シリーズを初集成。戦時中に発表された未刊の長編 「朔風」 を単行本初収録。デビュー作 「真珠塔の秘密」 から遺稿の脚本 「街にある港」 まで、戦前期本格派の長短編を厳選。次女・深草淑子の特別エッセイ 「父・甲賀三郎の思い出」 を併禄。
(論創社 3888円)[amazon] [honto]

J・S・フレッチャー 『ミドル・テンプルの殺人』
〈論創海外ミステリ〉
遠い過去の犯罪が呼び起こす新たな犯罪。深夜の殺人に端を発する難事件に挑む快男児スパルゴの活躍。謎とスリルとサスペンスが絡み合うミステリ協奏曲。第28代アメリカ合衆国大統領ウィルソンに絶讃された長篇が新訳で登場。
(論創社 2376円)[amazon] [honto]

稲垣足穂 『少年愛の美学 A感覚とV感覚 21世紀タルホスコープ
永遠に美少年なるもの、A感覚、ヒップへの憧憬……タルホ的ノスタルジーの源泉。
(河出文庫 1296円)[amazon]

フリオ・リャマサーレス 『黄色い雨』
現代世界文学の新たなる古典が文庫化。死の予感に満ちた表題作に加え、傑作短篇 「遮断機のない踏切」 「不滅の小説」 を収録。
(河出文庫 886円)[amazon]

異端の映画史 新東宝の世界』 映画秘宝編集部編
『宗像姉妹』 『西鶴一代女』 などの文芸映画に、空前の大ヒット作 『明治天皇と日露大戦争』、海女もの、〈地帯〉 シリーズなどグラマラス女優の競演に、ヒーロー映画 『スーパー・ジャイアンツ』……。現代に生きる新東宝ワールドを貴重な証言と資料で綴る決定版。
(洋泉社 3870円)[amazon]

エド・サンダース 『ファミリー シャロン・テート殺人事件 上・下
1969年夏、ロサンゼルスの高級住宅地にある自宅で映画監督ロマン・ポランスキーの身重の妻、女優シャロン・テートが惨殺された。実行犯はカルト教祖チャールズ・マンソンを崇める 「ファミリー」 といわれた彼の信者たちだった。平和的なヒッピー集団が殺人結社と化すまでを追った犯罪ドキュメント。 小鷹信光訳
(草思社文庫 各1296円)[amazon]

シルヴィア・フェデリーチ 『キャリバンと魔女』
16、17世紀の欧米を席巻した魔女狩りによって迫害・処刑された女性たちとその身体こそ、〈資本主義〉 が恐れ、強制的に統治しなければならなかった存在であり、シェイクスピア 『嵐』 に登場するキャリバンこそ、資本主義が生んだ植民地支配への象徴的な抵抗者だった……。魔女狩りから植民地支配、今日のグローバルな規模で実施されるIMF・世界銀行の構造調整プログラムによる搾取を、資本主義による女性への暴力と支配の歴史として、フェミニストの視点から書き換える意欲作。
(以文社 4968円)[amazon]



▼1月刊

『アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国 服部正 監修
デュビュッフェ、ブルトンらが絶賛したアウトサイダーアートを代表する伝説的芸術家による、叙事詩・絵画・楽譜・数字・表計算などあらゆるものが横溢する比類なき作品世界の魅力を凝縮した本邦初の本格画集。※アドルフ・ヴェルフリ展(兵庫名古屋東京
(国書刊行会 2700円)[amazon]

合田佐和子 『90度のまなざし』
シュルレアリスム画家、合田佐和子の生涯にわたる多数の散文から82本を厳選したベスト・エッセイ集。明晰な批評眼に支えられながら色彩豊かなことばの花を咲かせる自由奔放な文章は、現実を笑い飛ばしつつ、霊性の高み、輝く世界への憧れを放ちつづけている。年譜・著作リスト付き。内容
(港の人 3024円)[amazon]

新井素子 『逆恨みのネメシス 星へ行く船シリーズ4
「森村あゆみ様 私はあなたが嫌いです」 と書かれた謎の手紙が届いて……!? 表題作他、書き下ろし 「田崎麻子の特技」、新あとがきを併録。
(出版芸術社 1512円)[amazon]

ベン・ファウンテン 『ビリー・リンの永遠の一日』
イラクから帰還し、戦意高揚のショーに駆り出された兵士。過酷な戦場と愚かな狂騒の、その途方もない隔絶。全米批評家協会賞受賞作。
(新潮社 2484円)[amazon]

ゲイ・タリーズ 『覗くモーテル 観察日誌』
著者におかしな手紙が届いた。送り主は米コロラドのモーテル経営者で、部屋の天井裏から利用者を観察し日誌をつけていると言う。
(文藝春秋 1992円)[amazon]

ジョン・グリシャム 『汚染訴訟 上・下
事務所を解雇された弁護士サマンサはニューヨークを離れ、アパラチア山脈の田舎町にある無料法律相談所に仕事を見つけることができた。地元の弁護士ドノヴァンと出会い、露天掘りや発破で荒れ果てた山々を目の当たりにした彼女は、巨大炭鉱企業の不正を暴かんとするドノヴァンの闘いに巻き込まれていく。
(新潮文庫 810円/724円)[amazon]

カレン・ジョイ・ファウラー 『私たちが姉妹だったころ』
自分の一言が家族をばらばらにしたのだろうか。この記憶はどこまで本物なのか。心理学者の一家が直面する愛と崩壊と再生の物語。
(白水社 3240円)[amazon]

『J・G・バラード短編全集2 歌う彫刻』
本邦初訳の 「ミスターFはミスターF」 ほか、〈ヴァーミリオン・サンズ〉 ものの 「歌う彫刻」 「ステラヴィスタの千の夢」 など全18編を収録。柳下毅一郎監修
(東京創元社 3888円)[amazon]

カーター・ディクスン 『かくして殺人へ』
戦時下イギリスの映画撮影所で続発する怪事件。危機に瀕する若き女流作家の身を案じる探偵小説作家が、証拠を集め、犯人を摘発してくれとヘンリ・メリヴェール卿に談判する。
(創元推理文庫 929円)[amazon]

シャルロッテ・リンク 『失踪者 上・下
事故で障害者となった兄の世話に明け暮れる英国人女性が、幼なじみの結婚式に出るためにジブラルタルに向かうが、霧により飛行機が欠航、そして失踪。数年後に友人が探り出した真相とは? この衝撃を予想できるか? 
(創元推理文庫 各1361円)[amazon]

ピーター・ワッツ 『エコープラクシア 反響動作 上・下
太陽系外縁からの謎の通信を巡り、集合精神教団、人類の亜種・吸血鬼らが動き出す。星雲賞など全世界7冠制覇『ブラインドサイト』の謎が明らかに。究極のハードSF登場。
(創元SF文庫 各1037円)[amazon]


ジャック・ロンドン 『世界が若かったころ ジャック・ロンドン ショートセレクション
〈世界ショートセレクション〉人生においても、その作品においても、多彩で多面的な作家、ジャック・ロンドン。200以上もある短編から 「世界が若かったころ」 「命の掟」 ほか、生きるために生きのびるために知恵の火をおこす人々の物語を贈ります。
(理論社 1404円)[amazon]

D・H・ロレンス 『二番がいちばん ロレンス ショートセレクション
〈世界ショートセレクション〉人間の肉体と精神の一体化からうまれる、精緻な心理描写に優れた作品の多い、D・H・ロレンスの短編作品から 「二番がいちばん」 「乗車券を拝見します」 「木馬のお告げ」 ほかで劇薬のような愛の先へ読者を招待する。
(理論社 1404円)[amazon]


『江戸博物文庫 鳥の巻 天地に舞う』
『江戸博物文庫 花草の巻 四季を彩る』
鳥は羽ばたき、草花は色づく。種類豊富な自然物をテーマに、江戸の博物図譜より選りすぐったヴィジュアルブック。においやかな花鳥の図版それぞれ180点ほどをオールカラーで収載。俗名の由来や四季との縁などを紹介するテキストとともに、華やかでいてどこか儚げな日本的美がたち現れる。
(工作舎 各1728円)[amazon 鳥の巻花草の巻]

クラーク・アシュトン・スミス 『魔術師の帝国 1 ゾシーク篇
〈ナイトランド叢書〉
ラヴクラフトやブラッドベリを魅了した幻視の語り部の絢爛たる作品世界。スミス紹介の先鞭をつけた編者が数多の怪奇と耽美の物語から傑作中の傑作を精選し、ここに贈る、〈ベスト オブ C・A・スミス〉第1弾。地球最後の大陸ゾシークの夢幻譚を収録。安田均編。
(アトリエサード 2376円)[amazon]

アルフレート・デブリーン 『ベルリン アレクサンダー広場』
『ユリシーズ』 『特性のない男』 と並び称される大長編の画期的新訳。ナチスの足音が聞こえる、ヴァイマール期ベルリンの下層社会を舞台に、一人の男の没落と死、そして再生を描く大都市小説。モンタージュという前衛的な手法をもって分厚く編み上げられた精神の現実、「赦し」 とは何か。小島基訳。
(ぷねうま舎 4860円)[amazon]

稲垣連 『「本をつくる」 という仕事』
ミスを無くすための校閲。衣装を着せる装丁。むろん紙がなければ本はできない。印刷、製本、書体など本を支えるプロに話を聞きにいく。
(筑摩書房 1728円)[amazon]

荒川佳洋 『「ジュニア」 と 「官能」 の巨匠 富島健夫伝』
「ジュニア小説」というジャンルをひらき「官能」の巨匠であった伝説的作家の波瀾万丈の生涯と強烈な個性をえがく初の評伝。
(河出書房新社 3132円)[amazon]

小泉喜美子 『殺人はお好き?』
来日したアメリカ人私立探偵ロガードは、元上司の妻が麻薬密売に関係しているかを調べてほしいという依頼を発端に、さまざまなトラブル、そして大きな陰謀に巻き込まれていく。1962年連載、小泉喜美子の幻の処女長編。『このミステリーがすごい! 2014年版』 の 「復刊希望! 幻の名作ベストテン」 ランクインの名作を復刊。
(宝島文庫 691円)[amazon]

村上リコ 『図説 英国社交界ガイド
〈ふくろうの本〉
英国の社交界にとつぜん放り込まれたら?! 敬称やテーブでのマナー、ドレスコード、舞踏会でのルールなど、すべてをお教えします。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

《ミステリマガジン》 3月号
〈特集=そしてクリスティーはいなくならない〉
「戯曲版 そして誰もいなくなった」/エッセイ/資料と研究/他 内容
(早川書房 1296円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーI ガンスリンガー』
ティーヴン・キングの作家人生集大成、壮大なダークタワーシリーズ始動。すべてが奇妙に歪み、変転する世界。この世ならぬ異境で、最後の拳銃使いローランドは、宿敵である黒衣の男を追い続けていた。途中で不思議な少年ジェイクと出会い、ともに旅を続けるのだが……。
(角川文庫 950円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ダークタワーⅡ 運命の三人 上・下
少年ジェイクを見殺しにしたローランド。すさんだ気持ちで旅を続ける彼は、砂浜で満ち潮とともにやってくるロブスターの怪物に襲われる。拳銃使いに絶対必要な右手の指を失った彼は、絶体絶命の危機に陥る。
(角川文庫 864円/950円)[amazon]


ジェイムズ・リーバンクス 『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季
『ピーターラビット』 の故郷、イギリス湖水地方で600年以上続く羊飼いの家系に生まれた著者。ときに厳しい自然の中の暮らし、生業への葛藤……。世界で最も古い職業の一つである羊飼いの生活をユーモアを交えてつづり、世界でベストセラーとなったノンフィクション。
(早川書房 2592円)[amazon]

アーサー・ミラー 『存在感のある人 アーサー・ミラー短篇小集
『セールスマンの死』 『るつぼ』 などで知られるピュリッツァー賞作家が、晩年に発表した短篇小説6篇を収録した作品集。性の不思議な力を感じさせる表題作はじめ、著者の自伝的要素が色濃く反映された作品群。
(早川書房 3240円)[amazon]

ティナ・セスキス 『三人目のわたし』
エミリーはある朝、優しい夫と美しい息子を捨て、家を出た。彼女はキャサリンと名を変え、新しい人生を始める決意をしたのだ。広告会社に職を見つけ、新しい親友を得て、生活をやり直す女。だが、なぜ女は家族を捨てなくてはならなかったのか? やがて、壮絶な過去が彼女に迫りくる――王道の心理サスペンス。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]

L・S・ヒルトン 『真紅のマエストラ』
ロンドンの画商でアシスタントとして働いていたジュディスは、上司の不正を暴こうとする。だが、卑劣な上司は逆に彼女を策略にはめて解雇した。職を失い、体を売るまでに身を落としたジュディスだったが、ある事件をきっかけに逆襲に転じる……。ヨーロッパ美術業界を舞台に、危険な復讐劇を描く傑作サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 予価1253円)[amazon]

マイク・シェパード 『勅命臨時大使、就任!』
王立調査船ワスプ号は、辺境星域を探査中に、かつて人類と壮絶な殺し合いを演じた宿敵イティーチ族の異星船と遭遇した。 だが彼らは外交使節で、なんとクリスの曽祖父で知性連合の王であるレイモンド一世にメッセージを伝えにきたという。クリスは臨時大使となり、異星人一行を王のもとへと送り届けるが……。
(ハヤカワ文庫SF 1188円)[amazon]

和田誠 『もう一度 倫敦巴里』
リヴォルヴァーを商品テストし、美しい殺し方を提唱する 《殺しの手帖》。ダリ、ゴッホ、ピカソ、シャガール、のらくろ、ニャロメ、鉄人28号、星の王子さま、ねじ式、007、「雪国」 文体模写……数々の名作が、とんでもないことに!? 1977年初版の伝説的パロディ本 『倫敦巴里』 が、未収録作を加えて復活。谷川俊太郎、丸谷才一、清水ミチコ、堀部篤史(誠光社)のエッセイを収録した特製小冊子付。
(ナナロク社 2376円)[amazon]

イジー・クラトフヴィル 『約束』
ナチの命で鉤十字型邸宅を建て、戦後、秘密警察に追われる建築家。妹を失い、犯人を監禁する地下街を造る。衝撃のチェコ・ノワール。
(河出書房新社 2808円)[amazon]


斎藤美奈子 『文庫解説ワンダーランド』
古典名作にベストセラーがずらりと揃う文庫本、その巻末の 「解説」 は読みだすとどうにも止められないワンダーランドだった。痛快きわまりない 「解説の解説」 が、幾多の文庫に新たな生命を吹き込む。
(岩波新書 907円)[amazon]

J・S・レ・ファニュ 『ドラゴン・ヴォランの部屋』
ナポレオン戦争直後、パリへの途上で謎めいた美貌の伯爵夫人と出会った英国人青年が奇怪な犯罪と冒険に巻き込まれていく過程が、息もつかせぬサスペンスの連続のうちに語られる中篇 「ドラゴン・ヴォランの部屋」。悪魔と取引した男の凄惨な最期を迫真の筆で描く 「ロバート・アーダ卿の運命」 ほか全5篇を収録。M・R・ジェイムズ、セイヤーズが絶賛する 〈謎と恐怖の巨匠〉 レ・ファニュの傑作選。千葉康樹訳。MORE
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

イヴァン・レピラ 『深い穴に落ちてしまった』
深い穴から出られなくなった名もなき兄弟、なぜか素数のみの章番号、幻覚に織り交ぜられた暗号。寓意と象徴に彩られ、読後に驚愕と力強い感動をもたらす大人のための寓話。
(東京創元社 1620円)[amazon]

木原善彦 『実験する小説たち 物語るとは別の仕方で
実験小説のさまざまなタイプを切り口に、主な作品の読みどころと、一連のおすすめ作品リストを掲載。実験小説に特化した初のガイド本を手に、めくるめく実験小説の世界へ。目次
(彩流社 2376円)[amazon]

ジュール・ヴェルヌ 『地球から月へ 月をまわって 上を下への』
月面に向けて打ち上げられる砲弾列車、月球を周回しての洋上帰還、そして巨大砲の力を利用して地軸を垂直に立て直す最後のプロジェクト……、巨大な大砲に取り憑かれた愛すべき紳士たちが活躍するガンクラブ三部作、世界初訳の補遺、挿画128葉を収録した特大巻。ジュール・ヴェルヌ 〈驚異の旅〉 コレクション、全5巻、刊行開始。
(インスクリプト 6264円)[amazon]

近藤ようこ 『夢十夜』
死んでしまった美しい女との百年後の邂逅、明治の世に運慶が現れる不思議、断崖絶壁で豚の群れに追い詰められる恐怖……。曰く言い難い十夜の夢が語られる珠玉の小品、漱石 『夢十夜』 を漫画化。
(岩波書店 1404円)[amazon]

江戸川乱歩 『明智小五郎事件簿9 大金塊・怪人二十面相』
宮瀬家の洋館で起きた、大胆不敵な強盗事件。狙いは、巨額の埋蔵金の隠し場所を示す暗号文書だった。敵に誘拐された小林少年の大活躍。明智の名推理で危機一髪となるか!? 2編収録。
(集英社文庫 810円)[amazon]

古屋美登里 『雑な読書』
《BURRN!》 連載の書評エッセイを単行本化。1994年に連載開始、250冊以上もの本を紹介してきたコラムの中から、初期10年間の50本を厳選。文学や漫画、ドキュメンタリーからハウツー本まで、洋の東西を問わず、ジャンルにこだわることなく紹介。
(シンコーミュージック 1620円)[amazon]

高原英理 『ゴシックハート』
「ゴシック」 とは何か? 文学、絵画、写真、映画、マンガ、アニメなど、ジャンルを超えて分析していく本書は、死と暗黒、怪奇と恐怖、残酷、異形、廃墟と終末などに象徴される精神の形を起源から辿り、その現代的意味と価値を明らかにする本格評論。
(立東舎文庫 972円)[amazon]


マヌエル・プイグ 『天使の恥部』
億万長者の夫によって楽園のような島に閉じ込められた世界一の美女、地軸変動後の未来都市で性的治療機関に勤める女性W218、メキシコシティの病院に入院中のアルゼンチン女性アナ――様々なスタイル、様々な声を駆使して織りなされる過去・現在・未来。『蜘蛛女のキス』 のプイグによる、夢見る女たちの哀しい愛の物語。MORE
(白水Uブックス 2052円)[amazon]


ヴァージニア・ウルフ 『船出
夜のロンドンを出港する一隻の貨物船。世間知らずの若い娘レイチェルが、船主の父親とともに南米に向け、旅に出たのだった。長い航海に何が起こるのか。自分の生き方を考え始めた女性の内面を細やかに描く。
(岩波文庫 994円)[amazon]

J・マルトゥレイ、M・J・ダ・ガルバ 『ティラン・ロ・ブラン 4
北アフリカに漂着したティランは一時囚われの身となるも、ついにはイスラム国を征服したばかりかキリスト教に改宗させることに成功し、ギリシャ帝国へ帰還したが……。ドン・キホーテが愛読した「世界一」の騎士道小説、完結。
(岩波文庫 1231円)[amazon]

近藤浩一路 『漫画 坊っちゃん』
近代日本漫画の開拓者、近藤浩一路が、坊っちゃんの活躍を諧謔味あふれる絶妙な漫画に。
(岩波文庫 778円)[amazon]

岩波文庫 復刊
J・L・ボルヘス 『続審問』 [amazon]
柴田宵曲 『古句を観る』
[amazon]

コナン・ドイル/山中峯太郎訳 『名探偵ホームズ全集 第一巻』
昭和30-50年代、日本中の少年少女が愛読した、図書館・図書室必備の、山中峯太郎版 「名探偵ホームズ全集」 20冊を全三巻に集約。小説家・山中峯太郎による創意や原作の疑問・矛盾点の解消のための加筆を明らかにする、詳細な註つき。平山雄一註。『深夜の謎』 『恐怖の谷』 『怪盗の宝』 『まだらの紐』 『スパイ王者』 『銀星号事件』 『謎屋敷の怪
(作品社 7344円)[amazon]


エラリー・クイーン 『見習い探偵ジュナの冒険 黒い犬と逃げた銀行強盗』
名探偵エラリー・クイーンの助手ジュナは、警察が取り逃がした銀行強盗の逃走経路を調べる。黒い車は、一本道の途中で消えていた。黒いスコッチテリアの相棒チャンプとともに、ジュナは犯人グループに近づいてく。
(角川つばさ文庫 778円)[amazon]

『ウィリアム・モリス 原風景でたどるデザインの軌跡藤田治彦監修
テキスタイル、壁紙、タペストリー、建築、家具、ブックデザインなど様々な分野で活躍したウィリアム・モリス。 19世紀英国の暮らしを美しく彩ったモリスの作品、色を忠実に再現し、豊富な図版と写真で生涯をたどった決定版作品集。 「ウィリアム・モリス展」 (2017年1月~各地で開催) の公式図録を元に書籍化。
(求龍堂 3240円)[amazon]

ロベルト・ボラーニョ 『ムッシュー・パン』
〈ボラーニョ・コレクション〉
1938年、パリ。ピエール・パンの元に貧し い南米人のしゃっくりを治してほしいとい う依頼が舞い込む……初期の忘れがたい中篇小説。
(白水社 2484円)[amazon]

荒木田隆子 『子どもの本のよあけ 瀬田貞二伝
『ナルニア国ものがたり』 『指輪物語』 をはじめ、子どもの本の翻訳や創作、昔話の再話、評論を手がけ、戦後日本の児童書の世界に大きな足跡を残した瀬田貞二の仕事を振り返る。年譜や図版等の資料を多数収録。
(福音館書店 3456円)[amazon]


ロバート・ゴダード 『謀略の都 1919年三部作1 上・下
1919年春のパリ。第一次大戦終結に向けた講和会議の最中に、英国高官が不審死を遂げる――壮大なスパイスリラー三部作の第一部。
(講談社文庫 各1145円)[amazon]

今橋理子 『江戸の花鳥画 博物学をめぐる文化とその表象
花木や草木、動物、虫魚など、あらゆる生物を対象にした 「花鳥画」。江戸後期に大名や学者から庶民に至るまで広がった動植物の生態への関心、飼育や栽培の流行、江戸時代の 「博物学」 隆盛を論じて、「花鳥画」 という言葉にまったく新しい意味を与えた画期作。1995年度サントリー学芸賞受賞。
(講談社学術文庫 1620円)[amazon]

伊東美和・山崎圭司・中原昌也 『ゾンビ論』
〈映画秘宝セレクション〉
ゾンビとは何なのか? その淵源はどこなのか? 一群の歩く死体によって世界は滅ぼされる。暗い想像力はなぜ圧倒的人気を誇るのか? ゾンビ映画血みどろの歴史を辿りながら、その魅力を縦横無尽に論じる。
(洋泉社 1512円)[amazon]

ランダル・スチュアート 『ナサニエル・ホーソーン伝』
手紙や日記など、作家の日常を映した資料を駆使して、実像を捉えた伝記。現代におけるホーソーン研究の原点となった記念碑的な一冊 (1948年刊)。
(開文社 3996円)[amazon]

オスカー・ワイルド 『幸福な王子/柘榴の家』
町の中心部に高く聳え立ち、自らの宝石や体を覆っている金箔を貧しい人々に差し出す王子像と、それを運ぶ燕。あまりに有名な童話は、哀しいだけでも、愛だけでもない、おとなのための寓話だった。ワイルドの多面性を味わえる短篇集。小尾芙佐訳。
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]


ダフネ・デュ・モーリア 『人形 デュ・モーリア傑作集

島から一歩も出ることなく、平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐 「東風」。海辺で発見された謎の手記に記された、異常な愛の物語 「人形」。独善的で被害妄想の女の半生を独白形式で綴る 「笠貝」 など、短編14編を収録。サスペンスの名手、デュ・モーリアの初期短編傑作集。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]


G・K・チェスタトン 『ブラウン神父の童心』
小柄で不器用、丸く間の抜けた顔。頭が切れるとは思えないブラウン神父が事件の真相を口にすると、世界は一変する。ブラウン神父初登場の 「青い十字架」、大トリックが炸裂する 「見えない男」、著名な台詞で知られる 「折れた剣」 など12編。中村保男訳を改版再刊
(創元推理文庫 799円)[amazon]

ジュリー・ベリー 『聖エセルドレダ女学院の殺人』
英国の小規模な女子寄宿学校で、夕食の最中に校長とその弟が毒殺された。7人の生徒たちは、気転、科学知識、演技力、推理力など個々の得意分野を活かして犯人を探り始める。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

ムア・ラファティ 『魔物のためのニューヨーク案内』
ニューヨークでガイドブックの仕事がしたい。だが面接した会社は「きみは我が社に馴染めない」の一点張り。経歴も実力もあるのになぜ。NYを舞台にしたポップなファンタジー。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

ウォルター・テヴィス 『地球に落ちて来た男』
近未来、T・J・ニュートンと称する男が、ある田舎町に現れた。死にゆく星アンシアから地球へやって来た男の悲哀に満ちた物語。
(二見書房 2700円)[amazon]

アルフレッド・ベスター 『破壊された男』
24世紀、テレパシー能力をもつエスパーの活躍により計画犯罪は不可能となり、殺人は未然に防止されていた。だが、顔のない男の悪夢に悩まされるモナーク産業の社長ベン・ライクは、ライバル企業の社長殺害を決意するが……。心理警察総監パウエルと殺人者ライクの息詰まる死闘を描く、第1回ヒューゴー賞受賞作。
(ハヤカワ文庫SF 864円)[amazon]

オルダス・ハクスリー 『すばらしい新世界 新訳版
世界戦争の終結後、暴力を排除し、安定を最大のモットーとした世界が形成された。人間は受精卵の段階から選別され、5つの階級に分けられて徹底的に区別されていた。孤独な青年バーナードは、出かけた野人保護区で恐るべきものに出会う。『一九八四年』 と並ぶディストピア小説の古典。大森望訳
(ハヤカワepi文庫 864円)[amazon]

ジョージ・オーウェル 『動物農場 新訳版
動物たちは飲んだくれの農場主を追い出し理想的な共和国を築こうとするが……。全体主義やスターリン主義への痛烈な批判を寓話的に描いた作品。山形浩生訳
(ハヤカワepi文庫 756円)[amazon]

ジュリア・ダール 『インヴィジブル・シティ』
ブルックリンの屑鉄置き場で全裸の女性の遺体が見つかる。新米記者レベッカの目前で、遺体は検死もされずに黒衣の男たちに引き渡された……戒律を厳格に守る正統派ユダヤ教徒の閉鎖社会で隠蔽されそうになる事件。真相解明に挑むレベッカだが、そこには強固な壁が! 全米のミステリ新人賞を総なめにした話題作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]


メアリー・チェンバレン 『ダッハウの仕立て師』
1939年、ロンドン。婦人服の仕立て師 (ドレスメーカー) として頭角を現しつつある18歳のエイダは、上流階級の紳士と知り合う。しかし戦争の暗雲が近づく中、その出会いは思いもよらぬ残酷な運命に彼女を導くのだった……。第二次世界大戦を舞台とした歴史小説。
(早川書房 3456円)[amazon]

トーマス・リュダール 『楽園の世捨て人』
母国デンマークを捨ててカナリア諸島で怠惰に暮らすタクシー運転手のエアハートは、海岸に遺棄された車から身元不明の幼児の死体が見つかった事件に遭遇する。警察が事件をうやむやにしようとするのを見たエアハートは、ことの真相を突き止めようとする……。北欧ミステリ最高の賞を射止めた力作。
(ハヤカワ・ミステリ 2376円)[amazon]

アーザル・ナフィーシー 『テヘランでロリータを読む 新装版
イスラーム革命後のイラン、弾圧のため職を失った女性教授は、密かに禁じられた小説を読む読書会をひらく。衝撃の回想録。
(白水社 2592円)[amazon]

アメリア・レイノルズ・ロング 『誰もがポオを読んでいた』
〈論創海外ミステリ〉
エドガー・アラン・ポオの未発表直筆原稿の発見とその盗難に端を発して連続殺人が……。「アモンティラードの酒樽」 「モルグ街の殺人」 といった名作に見立てた殺人事件の謎を追うビブリオミステリ。
(論創社 2376円)[amazon]

『保篠龍緒探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
ルパン翻訳者として知られる保篠龍緒の創作・翻案を集成した作品集第2弾。長編 「白狼無宿」 「愛国魔人」 を筆頭に、「山又山」 「魔の列車」 「闇の骰子」 など、戦前期の傑作を集成。ボーナストラックとして未発表の探偵劇用台本 「結婚の贈物」を初活字化。ルパンやルブランについて言及したエッセイも併禄。
(論創社 3888円)[amazon]

クラウス・マン 『鉄格子のはめられた窓 ルートヴィヒ二世の悲劇
トーマス・マンの長男クラウス・マンによる、19世紀にバイエルン王国で起きた国王ルートヴィヒ2世の悲劇を題材とした小説。
(論創社 2376円)[amazon]