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マイクル・コナリー 『贖罪の街
上・下
自宅で強姦の上、撲殺された市政担当官補レキシー・パークス。被害者の体に残された精液のDNAが合致したため、容疑者として逮捕されたのは、弁護士ハラーの古くからの顧客で、元はギャングの一員だったが更生して画家となったダカン・フォスター。 ハラーは、フォスターの無実を確信しており、ボッシュに事件調査の協力を求める。古沢嘉通訳
(講談社文庫 各950円)[amazon]

パトリシア・コーンウェル 『烙印 上・下
静かな夕暮れ、チャールズ川沿いに自転車に乗っている間に26歳のエリザ・ヴァンデルステルが殺された。彼女はあたかも雷に打たれたような状況で見つかった。。ケンブリッジ・フォレンジック・センターのディレクター、ケイト・スカペッタ博士は、これが神の偶然の行為ではないと判断する……。池田真紀子訳
(講談社文庫 各1296円)[amazon]

『新選百物語 吉文字屋怪談本 翻刻・現代語訳岡島由佳/篠原進(監修)
怪談文化花盛りの江戸時代、上方の版元・吉文字屋による新作怪談本として好評を博した 『新選百物語』。ラフカディオ・ハーンも参照したこの怪談本の本文を翻刻し、語注・現代語訳・解説を加え、初めて本格的に紹介。
(白澤社 2160円)[amazon]

M・P・シール 『紫の雲』
〈ナイトランド叢書〉
誰かいるか? 誰かいるか? ――呼びかけても、答える声はない。ただ一人の生存者が旅する死の世界……邪恋と功名心に駆られ、北極点を目指すアダム。だが、何処からか毒の雲が立ち昇り、地上の動物は死に絶えた。ひとり死を免れたアダムは、孤独と闘いつつ世界中を旅する。生存者を求めて――異端の作家が狂熱を込めて物語る、世界の終焉と、新たな始まり。南條竹則訳
(アトリエサード 2592円)[amazon]

佐藤恵三 『スウェーデン王カール11世の幻視について 奇譚迷宮の散策への誘い
メリメの小説でも有名な17世紀スウェーデン王カール11世の幻視譚をめぐる考察。巷間で語りつづけられたこの謎めいた資料は事実なのだろうか。またその真意は何であったのか、それに限りなく近づこうとする試み。目次
(鳥影社 2808円)[amazon]

ジョゼフ・ミッチェル 『ジョー・グールドの秘密』
「やつの名はジョー・グールド、世界の歴史上、一番長い本を書こうとしてる男です」 ある日、目の前に現れたのは、風変わりなひとりの老人。出会いが作家の人生と、その作品を変えてゆく。マンハッタンを舞台にしたノンフィクション短編と、最高傑作 「ジョー・グールドの秘密」 を収録。
(柏書房 1944円)[amazon]

赤江瀑 『金環食の影飾り』

綾野姚子という無名で、しかも故人による新作歌舞伎 『大内御所花闇菱』 の上演当日、作者の妹である新劇女優、綾野曙子は、劇場内で死んだはずの姉の姚子とよく似た女性を見かけるが、彼女は何者かに刺されてしまう……。現実と併行して展開する新作歌舞伎の物語という、著者面目躍如の妖艶にして耽美的な直木賞候補作。
(小学館 P+D BOOKS 594円)[amazon]

フーベン・フォンセッカ 『あけましておめでとう』
〈ブラジル現代文学コレクション〉
リオデジャネイロの大都会を舞台に暴力と性を描き、ブラジル軍事政権から発禁処分を受けた問題作。大晦日を祝うパーティーを貧困の憎悪が破壊する表題作 「あけましておめでとう」 他14篇を集録。
(水声社 2700円)[honto]

フランチェスコ・コロンナ 『ヒュプネロートマキア・ポリフィリ 全訳・ポリフィルス狂恋夢
恋人ポリアを求めつつ眠りに落ちた主人公ポリフィロは、象徴と寓意の世界を彷徨し、やがて恋人と結ばれるが……。澁澤龍彥が偏愛し、碩学マリオ・プラーツが 《15世紀のジョイス》 と評した、謎に満ちた夢のタペストリー。諸言語を混淆させた難解・独特な文体をもって知られる奇書の原典からの完全訳。原書初版の木版挿絵172点を収録。大橋喜之訳
(八坂書房 7452円)[amazon]

レオ・ペルッツ 『どこに転がっていくの、林檎ちゃん』
元オーストリア陸軍少尉ヴィトーリンは、大戦中の捕虜収容所で司令官セリュコフに受けた屈辱が忘れられず、復讐のためロシアへと舞い戻った。革命後の内戦状態のなか、姿を消したセリュコフを探して旅を続けるヴィトーリン。ロシアとヨーロッパを股にかけた壮大な追跡行の果てに彼を待っていたものとは……。 冒険につぐ冒険、若き日のイアン・フレミングが絶賛したペルッツ最大のヒット作。垂野創一郎訳
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

クロード・レヴィ=ストロース 『仮面の道』
北太平洋西岸の原住民が伝承する仮面。そこに反映された神話世界を、構造人類学のラディカルな理論で切りひらいて見せる。増補版を元にした新版。
(ちくま学芸文庫 1512円)[amazon]

キム・ニューマン 『モリアーティ秘録 上・下
ロンドンの大銀行の貸し金庫に預けられた謎の回想録。執筆者はセバスチャン・モラン大佐――戦場の英雄で賭博狂の大物ハンター、そしてモリアーティ教授の右腕として活躍した男であった。コンサルタントとして依頼人の犯罪を支えるモリアーティが出会う奇矯な謎、事件、怪人たち――大胆な発想と魅力的なキャラクター描写で贈る最高のホームズ・パスティーシュ。北原尚彦訳
(創元推理文庫 1231円/1296円)[amazon]

アイザック・アシモフ 『黒後家蜘蛛の会5 新版
万単位の蔵書から愛書家が遺贈した一冊の本の書名を当てる 「三重の悪魔」、アシモフの実体験をそのまま作品化した 「待てど暮らせど」、いっぷう変わった密室の謎に挑戦した 「秘伝」 など全12編を収録。
(創元推理文庫 972円)[amazon]

連城三紀彦 『落日の門 連城三紀彦傑作集2』 松浦正人編
著者の到達点と呼ぶべき幻の連作 『落日の門』 全編を中心に、円熟を極めた後期の功績 (レイト・ワークス) を辿る名品16編を収める。時代を越えて今なお多くの読者を惹き付けて已まない作家の華やかな軌跡を眺望する傑作集。
(創元推理文庫 1728円)[amazon]

ショーニン・マグワイア 『トランクの中に行った双子』

双子の姉妹ジャクリーンとジリアン子は、ある日、空き部屋のトランクの中に階段を発見する。冒険心に突き動かされて階段を下ったふたりが見たのは、赤い月に照らされた荒野が広がる、奇怪な世界だった。ヒューゴー賞他を受賞したシリーズ第二弾。
(創元推理文庫 950円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.92
米澤穂信、待望のシリーズ最新短編掲載。 懸賞付き犯人当て小説・市川憂人 「赤鉛筆は要らない」 解答編掲載。奥田亜希子、丸山正樹ら傑作読切ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

桑木野幸司 『記憶術全史 ムネモシュネの饗宴
紙が貴重だった古代、長大な弁論を暗唱するために開発された記憶術は、キリスト教の影響を受けて変容、ルネサンスの中で華麗な復活を遂げ、指南書が陸続と出現したが、17世紀に忽然と姿を消す。パオロ・ロッシ 『普遍の鍵』、フランセス・イエイツ 『記憶術』という画期的著作によって脚光を浴びた技法、記憶術の誕生から黄昏までを一望する一冊。
(講談社メチエ 2160円)[amazon]

大野英士 『オカルティズム』
ヘルメス文書、グノーシス、カバラー、タロット、黒ミサ、フリーメーソンやイリュミナティなどの秘密結社、そしてナチ・オカルティズムとユダヤ陰謀論……古代から現代まで、オカルトは人間の歴史と共にある。一方、「魔女狩り」の終焉とともに近代が始まり、その意味合いは大きく変貌する――。理性の時代を貫く非理性の系譜とは何か。世界観の変遷を闇の側からたどる、濃密なオカルティズム思想史
(講談社メチエ 2052円)[amazon]

ジュール・ラフォルグ/吉田健一訳 『ラフォルグ抄』
19世紀末フランスの夭折詩人ラフォルグ。象徴派が勃興する中、近代の倦怠を知的な抒情とした天才が遺した散文集 『伝説的な道徳劇』 を、同じく遺作の詩集 『最後の詩』 と共に吉田健一の名訳で贈る。
(講談社文芸文庫 2268円)[amazon]

町田暁雄編著 『刑事コロンボ読本』
生誕50年!『刑事コロンボ』 の本格研究本。番組の誕生から追っていく分かりやすい構成、ミステリ評論家のディープな考察や社会現象となった背景も検証。【内容】1974年日本での大ブーム/コロンボの伝道師・石上三登志/ノヴェライズブームを作った二見書房/コロンボを語る横溝正史、手塚治虫、他/その後の影響作品/『古畑任三郎』三谷幸喜インタビュー/コロンボに先駆けた倒叙作家・鮎川哲也/「福家警部補シリーズ」大倉崇裕インタビュー/他
(洋泉社 1922円)[amazon]

岡田昌彰 『美しい英国の産業景観(テクノスケープ)
錫鉱山の立坑。前世期の配水塔。田園に映える昔の繊維工場。山間の旧発電所。高級マンションに生まれ変わった巨大倉庫――英国の都市・農村・郊外・田園・山間・河岸・海岸に見事に溶け込む、産業遺産や現役建造物の数々。21年間かけてブリテン島各地を訪ね歩き、自ら撮影した美しい写真を中心に編んだ、今までにない英国本。内容
(創元社 5940円)[amazon]

アリス・テイラー 『窓辺のキャンドル』
受け継がれる 「大切な日」の伝統―― 村に伝わるクリスマスの準備の方法と祝い方。素朴で善良な人々の濃密な関係。アイルランドのベストセラー作家が、「大切な日」 を待ち望むすべての人々に贈る、心温まる文章の数々。
(未知谷 2700円)[amazon]

『このミステリーがすごい! 2019』
元祖ミステリー&エンターテインメント・ランキングBOOKの決定版、30周年号。2018年の国内&海外新作ミステリー小説ランキング・ベスト20に加え、この30年間の 『このミス』 1位の中から1位を選ぶ 「キング・オブ・キング」 ランキングも発表。作家自身による新作情報&特別エッセイなど。
(宝島社 734円)[amazon]

『笠原和夫傑作選3 日本暗殺秘録 昭和史~戦争映画篇
昭和史~戦争映画篇としてテロリズム礼賛のオールスター異色作 『日本暗殺秘録』、笠原戦争映画の決定版 『大日本帝国』、幻の未映画化作 『昭和の天皇』、笠原が自信作と語る第一稿版 『226』、そして笠原版坊ちゃんとも言える心温まる少年ドラマ 『仰げば尊し』 を収録。笠原和夫全作品リストを掲載。昭和史の光と闇に挑んだ日本最大の脚本家、笠原和夫、圧巻の作品集成、全3巻完結。
(国書刊行会 5616円)[amazon]

アンネリース・ヴェルベーケ 『ネムレ!』
極度の不眠症に陥ったマーヤ。酒も薬も、カウンセリングも彼女を救うことはできない。眠れない苦しみを抱え、眠れる人々への怒りに駆られて、夜の街をさまようマーヤ。その彷徨のはてに 「仲間」 となるひとりの中年男と出会い――。オランダ語圏の人気作家アンネリース・ヴェルベーケ、鮮烈のデビュー作。
(松籟社 1944円)[amazon]

チョ・ナムジュ 『82年生まれ、キム・ジヨン』
教育や仕事、育児など女性が人生で出会う困難、差別を描き、絶大な共感から社会現象を巻き起こし、韓国で100万部のベストセラーとなった話題作。
(筑摩書房 1620円)[amazon]

ジェラルディン・ブルックス 『ケイレブ ハーバードのネイティブ・アメリカン
17世紀のアメリカ。初期ハーバード大学には先住民インディアンの学生がいた――史実を軸に、白人キリスト教少女の目を通してアメリカ社会を浮き彫りにする話題の小説。
(平凡社 3024円)[amazon]

ヴィクトル・ユゴー 『死刑囚最後の日』
「死刑を宣告された男の、その最後の日を中心に執行までの瞬間を描いたフィクション。 刻々と迫る執行の時。おぞましいギロチン処刑と、それを見せ物として期待し集まる群衆……。死刑制度撤廃のために情熱を傾けて書きあげた、若きユゴーの作品。小倉孝誠訳
(光文社古典新訳文庫 994円)[amazon]

ハイデガー 『存在と時間 5』
最難関とも言われる「存在と時間』を分かりやすい訳文と詳細な解説で読み解く。前4巻に続き、わたしたちの〈気分〉をもとに、現存在の〈不安〉という情態性、気遣いとしての実在性を考察し、現存在と真理の結びつきを示す。(第6章44節まで) 中山元訳
(光文社古典新訳文庫 1339円)[amazon]

《週刊文春》 12月13日号
「2018ミステリーベストテン」発表
(文藝春秋)

『おすすめ文庫王国2019』
2019年のおもしろ文庫を大紹介。本の雑誌が選んだベストテンはもちろん、ミステリ、SF、文学、エンターテイメント...などなど各ジャンル別おすすめ文庫ベストテンの発表に、今年はなんと新井素子のオールタイム文庫ベストテンも発表。
(本の雑誌社 821円)[amazon]

『2019 本格ミステリ・ベスト10』
1年間のベスト本格ランキング。特集は 「この作品を愛してやまない俺の偏愛ミステリ」。作家・評論家を中心に偏愛ぶりをアンケート。似鳥鶏、白井智之インタビューも。
(原書房 1080円)[amazon]

F・W・クロフツ 『四つの福音書の物語』
名作ミステリ 「樽」 の作者として知られるクロフツが、「四つの福音書」 を基に描き出す20世紀の福音書。聖偉人の生涯をミステリアスに、そしてドラマチックに描いた 「クロフツ福音書」、ここに顕現。
(論創社 3240円)[amazon]

ジョナサン・ラティマー 『精神病院の殺人』
〈論創海外ミステリ〉
精神科の療養所で起こる連続殺人事件。 犯人は患者か、病院関係者か? 酔いどれ探偵ビル・クレイン初登場作。ラティマーの処女作、本邦初訳。
(論創社 3024円)[amazon]

アッティカ・ロック 『ブルーバード、ブルーバード』
ハイウェイ沿いの田舎町で白人女性と黒人男性の死体が発見される。人種差別が根深く絡む事件に、黒人のテキサス・レンジャーが捜査に乗り出すが──。その衝撃的な内容が高く評価され、米書評界で絶賛された話題のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

ビル・クリントン/ジェイムズ・パタースン 『大統領失踪 上・下
元アメリカ合衆国大統領が描く、全米100万部突破のサイバーテロ小説。大統領は、たった一人でアメリカを襲うサイバーテロに立ち向かう。
(早川書房 各1944円)[amazon]

エリザベス・トラウト 『何があってもおかしくない』
生まれ育った田舎町を離れて、都会で作家として名をなしたルーシー・バートン。17年ぶりに帰郷することになった彼女と、その周囲の人々を描いた短篇9篇を収録。卓越した短篇集に与えられるストーリー賞を受賞した、ピュリッツァー賞作家ストラウトの最新作。
(早川書房 2484円)[amazon]

デニス・ルヘイン 『過ぎ去りし世界』
第二次大戦下のフロリダ。ギャング稼業から足を洗ったジョー・コグリンの命を狙うのは誰なのか? 激動の裏社会を生きる男の物語。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1296円)[amazon]

大森望編 『revisions 時間SFアンソロジー』
C・L・ムーアの単行本未収録の名作 「ヴィンテージ・シーズン」 新訳、時間ループものの元祖リチャード・R・スミス 「倦怠の檻」 ほか、驚愕のヴィジョンを提示する古今東西の時間SF傑作選。
(ハヤカワ文庫JA 886円)[amazon]

ジグムント・ミウォシェフスキ 『もつれ』
ワルシャワ市内の教会で、右眼に焼き串を突かれた男の遺体が見つかった。容疑者は、彼と共にグループセラピーに参加していた男女三人と、主催者のセラピスト。検察官シャツキは捜査を進めるが、調べるほどに事件の闇は深まっていく。ハードボイルドなのにポップ、凄惨なのに笑える、予想の斜め上を行くポーランドの怪作ミステリ。
(小学館文庫 1048円)[amazon]

キャシー・アッカー 『血みどろ臓物ハイスクール』
少女ジェイニーの性と暴力をめぐる彷徨譚。多様な文体やイラストで紡がれる愛と狂気の物語。現実と神話が混淆するカルトクラシック。
(河出文庫 1296円)[amazon]

サイモン・ブラウンド 『幻に終わった傑作映画たち 映画史を変えたかもしれない作品は、何故完成しなかったのか?
偉大なる監督たちの〝作られなかった傑作映画〟たち……なぜそれらはスクリーンに辿り着かなかったのか? 巨匠たちの胸に迫る逸話の数々を、脚本の抜粋、ストーリーボード、セットでのスチルや残されたフッテージたちを添えて描き出す。さらに各作品には、定評あるデザイナーによる「妄想ポスター」も掲載。図版400点以上。
(竹書房 3240円)[amazon]

ジェフリー・ディーヴァー 『スキン・コレクター 上・下
ボーン・コレクターの模倣犯か。毒の刺青で被害者を殺す殺人者がNYの地下で犯行を繰り返す。名探偵ライムシリーズを代表する名編。
(文春文庫 832円/886円)[amazon]

アンジェラ・カーター 『ホフマン博士の地獄の欲望装置』
ホフマン博士の謎の機械によって幻覚と混沌の支配する街で、デジデリオは博士の美しい娘と恋に落ちるが、彼女が現れるのは夢の中だけで……。現実と幻想が交錯するマジック・リアリズム。
(図書新聞 2160円)[amazon]

クライブ・カッスラー/ロビン・バーゼル 『英国王の暗号円盤を解読せよ 上・下
古書に隠された財宝の地図とそのありかを示す暗号。トレジャーハンターのファーゴ夫妻は、英国王ジョンの秘宝をめぐって、海賊の末裔と激しい争奪戦を展開する。冒険小説の帝王が贈るシリーズ最新刊。
(扶桑社ミステリー 各896円)[amazon]


▼11月刊

東雅夫 『クトゥルー神話大事典』
「原点回帰」 をコンセプトに、クトゥルー神話大系の原点であり母胎となったラヴクラフトの文学世界と、『文学と超自然的恐怖』 などを通じて窺い知られる、その文学的源流をさかのぼるための良き水先案内の書となることを目指して編纂された総合事典。邪神名を始めとする用語、作品、作家を網羅。神話大系を構成する基本的な事柄と、その文学的・文化史的な背景についての項目を拡充し、原典に即した簡潔で明確な情報を提供。
(新紀元社 2160円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.15 海の幻視
津波や海難、危険な海洋生物、超自然的な怪異、未知への畏怖など、海の恐怖と奇譚の数々。クリストファー・ゴールデン、キム・ニューマン、W・H・ホジスンなど翻訳6編、日本作家は神野オキナ、岩城裕明。この他、夏来健次インタビューなど。目次
(アトリエサード 1836円)[amazon]

倉阪鬼一郎 『怖い短歌』
総収録短歌593首 (見出しの短歌136首) を、「怖ろしい風景」 「向こうから来るもの」 「死の影」 「変容する世界」 「日常に潜むもの」 など9つの章で構成し、「怖さ」 という見えない塔をぐるぐると逍遥するかのような奇想の著。
(幻冬舎新書 842円)[amazon]

上條真埜介 『そこにあった江戸 幕末明治寫真圖會
開国まもない日本を訪れた外国人写真家たちは、横浜を拠点に精力的に日本列島を縦断していった。自然との調和を保ち暮らす人々の様子、江戸の香りが残る町の風情、市井の人々の表情や風物を、写真家たちは撮り収めた。ベアトとスティルフリードの作品を中心に、四半世紀にわたり蒐集してきた古写真コレクションの中から約260点を厳選。A4判。
(求龍堂 4860円)[amazon]

黒岩涙香/江戸川乱歩訳 『死美人』
ガボリオが生んだルコック探偵を主人公にボアゴベーが執筆(『晩年のルコック』)、涙香が翻案、乱歩が現代語訳&解説の豪華版。
(河出書房新社 2160円)[amazon]

文藝別冊 ヒッチコック 生誕120年 河出書房新社編集部編
2019年で生誕120年を迎える映画史上の名匠アルフレッド・ヒッチコック。その特異な作品の魅力、オブセッションを考察する。
(河出書房新社 1404円)[amazon]

G・K・チェスタトン 『奇商クラブ 新訳版
この結社の会員となるための絶対的な条件は、生計を立てる商売が「まったく新しい商売」であることだ。既存の商売の単なる応用や変種は認めず、かつ純然たる商業的収入源である必要がある――突発的狂気に陥ったとみなされ、隠棲生活を送る元判事バジル・グラントが解き明かす六つの類まれなる謎。チェスタトンがブラウン神父シリーズに先駆けて発表した傑作短編集を新訳で贈る。南條竹則訳
(創元推理文庫 799円)[amazon]

ジャン=クリストフ・グランジェ 『クリムゾン・リバー 新版
アルプス山麓の大学町で発見された惨殺死体と別の町の謎の墓荒らし。パリ司法警察の優秀だが暴力的で知られる刑事と、孤児院出身の荒っぽい若手刑事がそれぞれの事件に挑むが。フランス・ミステリを変えたと言われる傑作を新版で。
(創元推理文庫 1620円)[amazon]

シェイン・クーン 『謀略空港』
目的のためには手段を選ばないメンバーを率いて、空港セキュリティーのスペシャリストは、米国を揺るがす最悪のテロを阻止できるのか? 面白さ無類のエンターテインメント。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

ジョン・チーヴァー 『巨大なラジオ/泳ぐ人』
その言葉は静かに我々の耳に残る――短篇小説の名手ジョン・チーヴァーの世界。彼を抜きに1950年代のアメリカ文学は語れないと村上春樹は言う。チーヴァーはサリンジャーと同時代にニューヨーカー誌で活躍し、郊外の高級住宅地を舞台に洒脱でアイロニーに満ちた物語を書いた。ピュリッツァ賞も受賞した都会派作家の傑作短篇選。 全作品から村上春樹が20篇を厳選して翻訳し、各篇に解説を執筆。
(新潮社 2484円)[amazon]

アリス・マンロー 『ピアノ・レッスン』
家族との情愛と葛藤、成熟への恐れと期待、世界との繫がりと孤独――後のノーベル賞作家の鮮烈なデビュー短篇集。
(新潮クレスト・ブックス 2376円)[amazon]

津野海太郎 『最後の読書』
80代になると、本の読み方味わい方は変わる。鶴見俊輔、山田稔、メイ・サートン……。筋金入りの読書家による、老年読書の醍醐味。
(新潮社 2052円)[amazon]

芥川龍之介 『魔術 芥川龍之介 幻想ミステリ傑作集
「謎解き」と「解かれざる神秘」という二重の意味でミステリにこだわった芥川の犯罪、探偵、風刺、幻想、神秘、そして心の声が聞こえてくるミステリアス傑作集。長山靖生編
(彩流社 2484円)[amazon]

山本周五郎 『木乃伊屋敷の秘密 周五郎少年文庫 怪奇小説集
古代蒙古の王族の棺を持ち帰った考古学の権威厩川博士だが、木乃伊が夜毎棺から出て、枕元の水差しの水を飲むことに気づいた。博士は恐怖のあまり……(表題作)。かの名探偵ホームズが来日し、財宝をめぐって悪漢たちと壮絶な戦いを繰り広げる 「シャーロック・ホームズ」 等、痛快探偵小説のうち、怪奇性の強い名品珍品13編を精選。
(新潮文庫 767円)[amazon]

横溝正史 『由利・三津木探偵小説集成1 真珠郎』
元警視庁捜査課長の私立探偵・由利先生と 「新日報」 記者・三津木俊助。耽美と怪奇趣味に彩られた大胆なストーリー展開の傑作シリーズ全4巻、刊行開始。 第1巻には、邪悪な美少年の残酷絵巻を描く 「真珠郎」、正義と悪のコントラストも鮮やかな犯罪活劇 「白蠟変化」 など、横溝正史の魅力が凝縮された全6篇を収録。日下三蔵編。内容
(柏書房 2916円)[amazon]

エトガル・ケレット 『クネレルのサマーキャンプ』
自殺者が集まる世界でかつての恋人を探す表題作のほか、政治的緊張を生きる人々の感覚を軽やかな想像力でユーモラスに描く31篇。
(河出書房新社 2052円)[amazon]

《機関精神史》 創刊号
方法としての精神史(Geistesgeschichte)を追究する批評誌。創刊号は 「特集:精神史の覚醒」 。【内容】 序文(後藤護)/①高山宏インタヴュー 「精神史としてのマニエリスム――アイ・ウォーク・ザ (・サーペンタイン) ・ライン」/②四論考(きだみのる論・林達夫論・山口昌男論・剥製論) /③ヤンポリスキー 『空間的歴史』 抄訳 /④書評コーナー 「書物漫遊記」
1400円

《Re-ClaM》 第1号
《特集 知られざるマーティン・エドワーズ》 エドワーズのメール・インタビュー/『探偵小説の黄金時代』 もうひとつの訳者あとがき/エドワーズ作品レビュー/ブリティッシュ・ライブラリー・クライム・クラシックス 全リスト/他 目次
(Re-ClaM編集部 1000円) ※取扱=盛林堂

大阪圭吉 『花嫁と仮髪
大阪圭吉単行本未収録作品集1
【収録作品】 花嫁と仮髪/愛の先駆車/北洋物語 氷河婆さん/人情馬車/明朗小説 門出の靴/おめでたい人間の味覚(エッセイ)/怒れる山(日立鉱山錬成行)(エッセイ)/鱒を釣る探偵(エッセイ)
盛林堂ミステリアス文庫 1500円)

『『新青年』 趣味』 別冊19号 江戸川乱歩で行こう!
内容
(新青年研究会 800円)

牧逸馬 『世界怪奇残酷実話 浴槽の花嫁
世界怪奇残酷実話、全8話。「女肉を料理する男」 「チャアリイは何処にいる」 「都会の類人猿」 「浴槽の花嫁」 「肉屋に化けた人鬼」 「ウンベルト夫人の遺産」 など。解説・松本清張。
(河出書房新社 1988円)[amazon]

《ミステリマガジン》 1月号
特集:ミステリが読みたい!2019年版
(早川書房 1296円)[amazon]

『ロッド・サーリングと 『四次元への招待』 完全読本』 尾之上浩司編
スピルバーグがサーリングのアンソロジー映画 『怪奇!真夏の夜の夢(四次元への招待)』 で監督デビューしてから2018年で50年。――第2の 『ミステリー・ゾーン』、スピルバーグのデビュー作、そして映画 『トワイライトゾーン』 を結ぶ謎――希代の脚本家ロッド・サーリングの軌跡を改めて追う。
(洋泉社 1944円)[amazon]

『怪異を読む・書く』 木越治・勝又基編
秋成や庭鐘、西鶴、綾足をはじめ、漱石、鏡花、秋聲、そしてポオやボルヘス、ラヴクラフトなどを題材に、気鋭の近世・近代文学研究者たちが、《怪異》 がいかに読まれ書かれてきたかを、これまでにない視点から解き明かす。目次
(国書刊行会 6264円)[amazon]

『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』 澤西祐典・柴田元幸編
芥川が旧制高校の英語副読本として編んだアンソロジー 「新しい英米の文芸」 8巻から20篇を精選。ポーやスティーヴンスンから本邦初訳の作家まで、芥川自身の作品にもつながる 〈怪奇・幻想〉 の世界を新訳で紹介。イエーツやキャロルなどの芥川による翻訳も収録。目次
(岩波書店 2808円)[amazon]

横溝正史 『丹夫人の化粧台 横溝正史推理・怪奇探偵小説傑作選
美貌の丹夫人をめぐる決闘に敗れた初山は、「丹夫人の化粧台に気をつけろ」 という言葉を残してこと切れる。勝者の高見は、丹夫人の化粧台の秘密を探り、恐るべき真相に辿り着き――。表題作他13篇を収録。日下三蔵編
(角川文庫 864円)[amazon]

笹間良彦 『図説 日本未確認生物事典』
実在しないのに実在する未確認生物。豊富な文献・図を駆使して、民衆が想像してきた「幻人・幻獣・幻霊」を1冊に。未確認ながら、確認された土地・名前・ふりがな・概要などを紹介。幻想博物事典の決定版。【目次】 擬人的妖怪編/魚と亀の変化/龍蛇類の変化/獣類の変化/鳥類の変化/湿性類の変化
(角川ソフィア文庫 1296円)[amazon]

澤井繁男 『自然魔術師たちの饗宴 ルネサンス・人文主義・宗教改革の諸相
中世の知が色褪せ、いまだ科学革命の曙光が射さぬ闇のなかで、自然の理の解明を試みて魔術師と呼ばれた者たちと、彼らの生きた時代の宝石のような煌めき。カルダーノ、ブルーノ、デッラ・ポルタ、カンパネッラら知の探索者は何を追い求めたのか。ルター、ツヴィングリ、カルヴァンら宗教改革の英雄はいかに歴史と戦ったのか。近代の一歩手前で繰りひろげられた思想的格闘を、ルネサンスに学究生活を捧げた著者が集大成として世に問う渾身の評論。
(春秋社 3888円)[amazon]

長澤均編 『20世紀初頭のロマンティック・ファッション ベルエポックからアール・ヌーボー、アール・デコまでの流行文化史
アール・ヌーヴォー期からアール・デコの1920年代まで、当時のイラストを色彩豊かに再現し、浜辺、喫煙、スポーツ、散歩、黄昏など日常の風景からインテリアにいたるまで、20世紀初頭の流行ファッションとその背景をひもといたグラフィカルな文化史。
(青幻舎 3456円)[amazon]

筒井康隆 『不良老人の文学論』
大江健三郎、ウンベルト・エーコ、蓮實重彥など世界文学の最前線から現代日本の気鋭作家までを縦横に論じ来り、小松左京や井上ひさしや丸谷才一を追悼し、自作の創作裏話を打ち明け、宗教や老いをも論じ去る。巻末にロング・インタビューも附す、巨匠14年ぶりのエッセイ集。
(新潮社 1836円)[amazon]

長山靖生編 『文豪と東京 明治・大正・昭和の帝都を映す作品集
繁栄か退廃か? 栄達か挫折か? 漱石、鴎外、鏡花、荷風、芥川、谷崎、乱歩、太宰などが描いた珠玉の作品を通して移り変わる東京の多面的な魅力を俯瞰。
(中公文庫 886円)[amazon]

ヨハン・ホイジンガ 『中世の秋 上・下
20世紀を代表する歴史家ホイジンガが、フランスとネーデルラントにおける14、15世紀の人々の実証的調査から、中世から近代にかけての思考と感受性の構造を、絶望と歓喜、残虐と敬虔の対極的な激情としてとらえ、歴史の感動に身をおく楽しみを教える。中世人の意識と中世文化の全像を精細に描きあげた不朽の名著。
(中公文庫 各1296円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『ウンベルト・エーコの世界文明講義』
現代人は古代・中世・近代より進歩しているのか。見えないもの、聖なるもの、美と醜、絶対と相対、パラドックス、嘘、秘密、陰謀……太古からつづく普遍的課題をやさしく解き明かした、知の巨人による最後の贈り物。絵画、音楽、文学、映画、漫画など、カラー図版120点以上。
(河出書房新社 4868円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 京都・大阪・奈良』
シリーズ〈日本の伝説〉第二弾は伝説のふるさと三府県から。「羅生門」 「浦島伝説」 「葛の葉物語」 「役行者」 など全50話。
(河出書房新社 2268円)[amazon]

《ROM》 s-002
クラシックミステリ・ファンジン新生第2号は〈不可能犯罪小特集〉に「退屈派」「怪奇幻想小説」などの原書レビュー、評論「バークリーvsヴァン・ダイン」(真田啓介)、エッセー「最新海外事情」(小林晋)、「欧州古本屋縦断記」(古書山たかし)、翻訳「殺人者」(J・T・ロジャーズ)、「殺しを謹呈します」(P・ゴドフリー)他
ROM 1000円)
取扱=盛林堂

アンナ・スメイル 『鐘は歌う』
ロンドン塔からレイヴンが消え、橋という橋は落ち、ロンドンは瓦礫の街と化した。文字による記録は失われ、新たな支配者〈オーダー〉は鐘の音で人々を支配している。両親を亡くした少年サイモンは、母が遺したひとつの名前と、ひとつのメロディを胸に、住み慣れた農場を離れ、ロンドンに向かった。そこで彼は、奇妙な白い眼を持つ少年リューシャンに出会う。世界幻想文学賞賞受賞、ブッカー賞候補作。幻想文学の名作。
(東京創元社 3456円)[amazon]

ウィリアム・アイリッシュ 『夜は千の目を持つ 新版
正確きわまりない予言をしてきた謎の人物が財産家に告げた、不可解な死の宣告。犯罪を疑う青年刑事は予言者の捜査を始める。サスペンスの名作が新装復刊。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

アリ・ブランドン 『書店猫ハムレットの挨拶』
感謝祭を目の前に張り切るニューヨークの書店主ダーラ。書店のマスコットの黒猫ハムレットは相変わらず気ままに生活。そこに事件が……。大人気の黒猫名探偵シリーズ完結編。
(創元推理文庫 1274円)[amazon]

フィリップ・リーヴ 『廃墟都市の復活 上・下
〈移動都市クロニクル〉
ヘスターが死んで以来、抜け殻のようになってしまったトムの魂をゆさぶり起こしたのは、故郷ロンドンの知り合いの姿だった。見捨てられた地ロンドンで彼らを待つものは?
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

イヴォ・アンドリッチ 『宰相の象の物語』
〈東欧の想像力〉
旧ユーゴスラヴィアを代表する作家アンドリッチの作品集。恐怖政治を布く強大な権力者が気まぐれから一頭の仔象を飼いはじめる。街中を無邪気に暴れまわる象は、人々の憎悪を集め――中篇 「宰相の象の物語」。他に自らの 「小祖国」 ボスニアを舞台に紡いだ3作品、「シナンの僧院に死す」 「絨毯」 「アニカの時代」 を収録。
(松籟社 2376円)[amazon]

『カート・ヴォネガット全短篇2 バーンハウス効果に関する報告書
『タイタンの妖女』など傑作を遺した作家カート・ヴォネガット。彼がその生涯にものした全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する第2巻には、表題作ほか「女」「科学」「ロマンス」テーマの全30篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
(早川書房 2916円)[amazon]

ピエール・ルメートル 『炎の色』
1927年、パリ。銀行家の父を亡くしたマドレーヌは、その莫大な遺産を相続する。しかし、その地位を狙う者は多かった。裏切りと詭計に遭いながらも、彼女は闘い生き抜こうとするが。ゴンクール賞受賞作『天国でまた会おう』三部作、一気読み必至の第二作登場。
(早川書房 3780円)[amazon]
ピエール・ルメートル 『炎の色 上・下
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各799円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『その雪と血を』
標的であるボスの妻に恋をした瞬間、殺し屋の運命の歯車は狂い始めた……クリスマス前夜のオスロを舞台に描かれる、愛と血の物語。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 864円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ2 バッド・ニュース』
22歳になったパトリックは、父の死の知らせを受けてニューヨークへと飛んだ。だが、ヘロイン中毒の彼は売人を求めて街をさまよい、終わりなき白日夢に悩まされるばかりだった。ホテルの部屋でひとりになったパトリックは、自殺したいという願望に身を委ね……。
(早川書房 1620円)[amazon]

山口昌男 『アフリカの神話的世界』
(岩波新書)復刊

ウラジーミル・ナボコフ 『淡い焔』
詩から註釈へ、註釈から詩へ、註釈から註釈へ……幾重もの層を渡り歩きながら奇妙な物語世界へといざなう、『ロリータ』 と並び称されるナボコフの英語小説の傑作。架空の詩人による九九九行の詩、架空の編者が添えたまえがき、註釈、索引。森慎一郎訳。(『青白い炎』 の新訳)
(作品社 4104円)[amazon]

佐藤有文 『悪魔全書 復刻版
悪魔王国の組織、悪魔の七大超能力、悪魔の弱点から、20世紀の悪魔事件、悪魔ばらいの方法まで、悪魔を網羅的に紹介した講談社〈ドラゴンブックス〉シリーズの一巻を復刻 (初版1974)。
復刊ドットコム 3996円)[amazon]

アンドレイ・プラトーノフ 『不死 プラトーノフ初期作品集
ロシア宇宙主義の 「新しい人間」 像を描く――近年、遺された作品が続々と出版され再評価が進むプラトーノフの多様な作品から短編小説、エッセイ、戯曲、詩を厳選。プラトーノフ入門とも評し得る作品集。
(未知谷 2160円)[amaozn]

ピーター・ゴドフリー=スミス 『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源
進化は「まったく違う経路で心を少なくとも二度、つくった」。一つはヒトや鳥類を含む脊索動物、そしてもう一つがタコやコウイカを含む頭足類だ。私たちとはまったく異なる心/内面/知性と呼ぶべきものを、彼らはもっている。38億年前の単細胞生物に始まり、頭足類の意識の覚醒と発達へと至る壮大な旅路をたどる本。
(みすず書房 3240円)[amazon]

D・H・ロレンス 『麗しき夫人 D・H・ロレンス短篇選
ロレンス最後の短篇集 『馬に乗って立ち去った女 その他』 から、作家が生涯追求した 「本物の人間」 「人間本来の姿」 が鮮やかに立ち現れる5篇を新訳。収録作品 「太陽」 「国境沿いの地域」 「最後に笑う者」 「愛に淫して」 「麗しき夫人」
(中央公論新社 2268円)[amazon]

リック・エドワーズ、マイケル・ブルックス 『すごく科学的 SF映画で最新科学がわかる本
絶滅種再生、人工知能、ブラックホール、ゾンビ――映画から科学の最前線が見えてくる。『エイリアン』 『猿の惑星』 から 『インターステラー』 『エクス・マキナ』 まで、新旧名作SF映画の科学に正面から切り込んだ一冊。
(草思社 1944円)[amazon]

三島由紀夫 『若人よ蘇れ・黒蜥蜴 他一篇
劇作にこそ三島文学の本質、天才が発揮されている。「若人よ蘇れ」 「黒蜥蜴」 「喜びの琴」 の3編を収録。華麗、端正なる台詞の応酬、結末に至るまで緻密に構成された展開、三島戯曲の多彩な魅力が発散する。
(岩波文庫 983円)[amazon]

エドガー・アラン・ポオ 『ユリイカ』
重版 「散文詩」と銘打たれたポオ最晩年の詩的宇宙論。物理的精神的両面から宇宙を論じて、その本質、その起原、その創造、その現状、その宿命を壮大に謳う。八木敏雄訳
(岩波文庫 713円)

ジュール・ヴェルヌ 『地底旅行』
鉱物学者リーデンブロック教授とその甥のアクセルは,謎の古文書を手がかりに地球の中心へ向かう旅に出る。平岡敦訳
(岩波少年文庫 907円)[amazon]

H・P・ラヴクラフト 『這い寄る混沌 新訳クトゥルー神話コレクション3
新訳クトゥルー神話コレクション第3弾は、“這い寄る混沌”ナイアルラトホテプをはじめ、ラヴクラフトが創造した神々を巡る傑作を収録。森瀬繚訳
(星海社 1620円)[amazon]

アラン・ロブ=グリエ 『反復 新装版
ベルリンに向かう列車、窓から殺人現場の見えるホテル、SMに魅せられた少女のいる人形店……華麗なる迷宮を彷徨う 〈私〉 の5日間。
(白水社 3024円)[amazon]

村崎修三 『昭和懐古 想い出の少女雑誌物語』
「少女クラブ」「ひまわり」「少女世界」「女学生の友」「少女サロン」……。用紙統制時代から少女雑誌の終焉まで、昭和時代の様々な少女雑誌を、雑誌ごとの扉絵や連載作品を交えて振り返る。戦後・少女雑誌刊行リスト等も掲載。
(熊本出版文化会館 2484円)[honto]

ステファン・アーンヘム 『
刑事ファビアン・リスク 零下18度の棺』

被害者は、二度死んだ男。富豪の凍死体/全身血まみれの女。同時進行する謎に戦慄せよ! 話題沸騰の北欧ミステリー〈刑事ファビアン・リスク〉シリーズ最新作。
(ハーパーBOOKS 1250円)[amazon]

エリック・アクセル・スンド 『クロウ・ガール 上・下
発端は公園で発見された少年の死体だった。捜査にあたったジャネットは、虐待と薬物の痕跡に注目。硬直化した組織の妨害にあいながら困難な犯人捜しをする。そこへ次の死体があがった。スウェーデン・ミステリ。
(講談社文庫 各1620円)[amazon]

C・J・ボックス 『鷹の王』
ネイト・ロマノウスキはこぶしにハヤブサを止まらせ、きびしい表情で北側からヤナギの茂みに向かっていた。このあと生きものが死ぬ運命にある――ジョー・ピケット・シリーズ最新作。
(講談社文庫 1188円)[amazon]

ヘレン・ガーナー 『グリーフ ある殺人事件裁判の物語
父親が運転する車が貯水池に落ち、三人の息子が溺死。これは不幸な事故なのか、それとも別れた妻への復讐なのか? 真相究明を求める法廷で繰り広げられた 「悲嘆(グリーフ)」 のドラマ。オーストラリアの実力派作家が取り組んだ衝撃の裁判ノンフィクション。
(現代企画室 2700円)[amazon]

海野弘編 『おとぎ話のモノクロームイラスト傑作選』
欧米の挿絵黄金期のイラストレーションの中から、圧倒的な画力、繊細な装飾など 「線画」 の魅力溢れるモノクロの挿絵を収集した作品集。
(パイインターナショナル 3456円)[amazon]

『一度は読んでほしい 小さな出版社のおもしろい本 2019』
全国の個性的な出版社55社と注目の330冊。〈男の隠れ家 教養シリーズ〉
(三栄書房 1000円)[amazon]

パット・マガー 『不条理な殺人』
息子の書いた不条理劇の台本に17年前の“事故”の真相が? 継父の人気俳優は劇のキャストに潜りこみ、真意を探ろうとする。才人マガーの仕掛ける傑作演劇ミステリ。
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

シャンナ・スウェンドソン 『カエルの魔法をとく方法』
オーウェンと晴れて婚約したケイティ。だが、魔法界のマフィアと言われる謎の組織がMSIの乗っ取りを企てていることが判明。会社の危機? 大人気シリーズ〈(株)魔法製作所〉待望の第8弾。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

周作人 『周作人読書雑記5』
周作人はどんな書物をどのように読んだのか。第5巻は、筆記、旧小説を渉猟する読書雑記を収録。解説と書名索引を付す。全5巻完結。
(平凡社/東洋文庫 3564円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選 ギリシア教父・ビザンティン思想』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の 『中世思想原典集成』 文庫化 (全7巻) 刊行開始。第1巻はギリシア教父・ビザンティン思想。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

芦辺拓 『少年少女のためのミステリー超入門』
ミステリーのエッセンスを、時代順に並べ、バラエティ豊かな8冊で紹介するブックガイド。『緋色の研究』 から 『羊たちの沈黙』 『ビブリア古書堂の事件手帖』 まで、不朽の名作がたくさんありすぎるミステリーのジャンル。どこから手をつけたらいいのか、途方にくれる若い読者をミステリー作家・芦辺拓先生が道案内。
(岩崎書店 1296円)[amazon]

巽孝之 『パラノイドの帝国 アメリカ文学精神史講義
アメリカ史をパラノイド(=陰謀論)の観点から捉え直し、対する文学の役割を考察。トランプ以降の時代の表現の可能性を展望する。
(大修館書店 2376円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ミスター・メルセデス 上・下
車を暴走させて大量殺人を犯して消えた男を追う退職刑事の執念の追跡。各ミステリーランキング上位を独占した傑作。海外ドラマ化。
(文春文庫 1004円/1058円)[amazon]

陳浩基 『世界を売った男』
車の中で目覚めた刑事。つい先日起きた夫婦惨殺事件を捜査していた……はずが、警察署に出てみれば建物も顔ぶれも全く変わっていて、事件は6年前に起きたもので犯人は逃走中に事故死、事件はすでに解決している、と知らされる。自分は6年間の記憶を失っている? しかし刑事には何故か確信があった。「死んだ男は真犯人ではない!」 第2回島田荘司推理小説賞受賞作。
(文春文庫 907円)[amazon]

陳舜臣 『方壺園 ミステリ短篇傑作選
唐後期、特異な建築「方壺園」で起きた漢詩の盗作をめぐる密室殺人の他、乱歩賞・直木賞・推理作家協会賞を受賞したミステリの名手による傑作集。日下三蔵編
(ちくま文庫 994円)[amazon]

石ノ森章太郎/ジョージ・オーウェル 『アニマル・ファーム』
巨匠が挑んだ世界的名作 「動物農場」 の世界。他に小松左京原作 「くだんのはは」、牡丹燈籠に発想を得た 「カラーン・コローン」 を収録。
(ちくま文庫 799円)[amazon]

高木敏雄 『人身御供論』
人身供犠は、史実として日本に存在したのか。民俗学草創期に先駆的業績を残した著者の、表題作他13篇を収録した比較神話・伝説論集。
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

ウォルター・スコット 『好古家』
18世紀末のスコットランド。主人公は平穏な好古趣味生活を送る老紳士。旅先での一人の青年との出会いをきっかけに、彼の周りで非日常的な出来事が次々に起こる。
(朝日出版社 3780円)[amazon]

山本タカト 『ノスフェラトゥ NOSFERATU』
アンソリットな魅力に富んだドラキュラ主題の最新作品集。夜陰にうごめく吸血鬼と化した美少女美少年達が、牙をたて互いの血を求め合いエロスと命を貪りあう。山本タカト耽美浪漫の極限世界。
(河出書房新社 4104円)[amazon]

井波律子 『中国奇想小説集 古今異界万華鏡
『唐代伝奇』 『聊斎志異』 『子不語』 など六朝から清代までの奇想幻想小説約30篇を、練達の中国文学者が精選し新訳でお届けする。
(平凡社 2160円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの妄想』
名探偵が実在するパラレル英国を舞台に、パンク刑事キッド・ピストルズの推理が冴える中編集。ノアの箱舟を模した船での密室殺人「ノアの最後の航海」、宝探しゲームが死体発見に発展する「永劫の庭」など3編を収録。
(光文社文庫 994円)[amazon]

ローベルト・ヴァルザー/パウル・クレー 『日々はひとつの響き ヴァルザー=クレー詩画集
スーザン・ソンタグをして精神的な双生児と評される詩人ヴァルザーと画家クレーの夢の組合せ。スイス・クレーセンター協力企画。
(平凡社 2160円)[amazon]

ギィ・ド・モーパッサン 『宝石/遺産 モーパッサン傑作選2
夫婦のあいだに横たわる不気味な深淵、下級役人の虚栄心と金銭にたいする執着、女性の無節操、ブルジョワの偽善など、モーパッサン好みのテーマが盛り込まれた6篇を収録した中・短篇集。太田浩一訳
(光文社古典新訳文庫 1037円)[amazon]

フーゴ・フォン・ホーフマンスタール 『チャンドス卿の手紙/アンドレアス』
「ウィーン世紀末」 を代表する作家が、ことばの不確かさ、頼りなさについて考え、自らの文学活動をやめるにいたった精神的な変化を、架空の友人宛ての手紙として綴った 「チャンドス卿の手紙」、未完の小説 「アンドレアス」 を含む5作を収録。丘沢静也訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

トンマーゾ・ランドルフィ 『カフカの父親』
カフカの死んだ父親が巨大な蜘蛛となって現れる 「カフカの父親」。文豪ゴーゴリの愛妻は空気の量によって自在にその姿を変えるゴム人形だった! グロテスクなユーモア譚 「ゴーゴリの妻」など、カルヴィーノ、ブッツァーティと並ぶイタリアの奇想作家ランドルフィの傑作集。奇妙な一行の航海を描く超現実主義的な怪作「ゴキブリの海」を追加収録した決定版。米川良夫他訳
(白水Uブックス 1836円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ7』
二人の少女を旅芸人一座から奪い返し、無事に町まで送り届けたあと、ついにクォートはセヴェレンの大公のもとへ帰り着くが……!?
(ハヤカワ文庫FT 1058円)[amazon]

クリストファー・ナトール 『女王陛下の航宙艦3 トラファルガー特命指令』
老提督は使節団を乗せた艦隊を率い、異星人との和平交渉締結のため、敵領域に向かう。だがそこには恐るべき罠が待ち受けていた!
(ハヤカワ文庫SF 1318円)[amazon]

呉明益 『自転車泥棒』
父の失踪とともに消えた自転車は何処へ――。行方を追い、台湾から戦時下の東南アジアをさまよう。壮大なスケールで描かれる大長編。
(文藝春秋 2268円)[amazon]

オリヴィア・キアナン 『刑事シーハン/紺青の傷痕』
復帰したばかりのシーハン刑事を待っていたのは首吊り死体。残されていた顔料の痕跡から殺人と見抜いた彼女は、被害者の夫の行方を追う。だが別件の死体からも同じ痕跡が発見された。連続殺人なのか? 狡猾きわまる姿なき連続殺人者との対決を描く警察小説。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

フリン・べリー 『レイチェルが死んでから』
無残に殺された姉レイチェル。死の真相を追う妹の心理を静かに、そして鬼気迫る筆致で描くアメリカ探偵作家クラブ賞新人賞受賞作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1102円)[amazon]

モーリス・ルブラン/保篠龍緒訳 『名探偵ルパン』
〈論創海外ミステリ〉
強盗紳士アルセーヌ・ルパンが変名でパリに探偵局を開局。優れた頭脳で難事件を解決し、鮮やかに 「獲物」 も手に入れる。贋作? 真作? 日本でしか読めない名探偵ルパン=ジム・バルネ探偵の事件簿。ボーナストラックとしてルパン冒険譚の異色外伝 「鐘楼の鳩」 を収録。矢野歩編
(論創社 3024円)[amazon]

『川野京輔探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
入手困難な単行本 『たそがれの肉体』 『消えた街』 『妖美館の招待状』 『コールサイン殺人事件』 の収録短編を一冊にまとめ、単行本未収録のSFを3作収録。
(論創社 4104円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『ヌメロ・ゼロ』
隠蔽された真実の告発を目的に創刊準備号の編集に取り組む記者たち。嘘と陰謀と歪んだ報道にまみれた現代社会をえぐる警鐘の書。
(河出文庫 950円)[amazon]

ジョルジュ・シムノン 『十三の謎と十三人の被告』
〈論創海外ミステリ〉
「クイーンの定員」 に選出された傑作短編。フロジェ判事が探偵役の 「十三人の被告」 と行動派刑事G7が活躍する 「十三の謎」 を収録。
(論創社 3024円)[amazon]

間村俊一 『彼方の本 間村俊一の仕事
書体にこだわり、定規、糊、カッターなどの道具だけを用いてブック・デザインを続ける、独自の美学をもつ職人気質の装幀家によるデザイン論・作品集。
(筑摩書房 5076円)[amazon]


▼10月刊

ロバート・カークマン 『ウォーキング・デッド 9』
「流血と苦痛と犠牲」 こそが生であると説く 〈ウィスパラーズ〉 のリーダー、アルファ。「危機的状況こそ、絶好の機会だ」 と説くネガン。 平和と繁栄の象徴になるはずの日は悲しみと憎悪に染め上げられ、殺戮の足音が再び迫り来る……。風間賢二訳
(ヴィレッジブックス 2940円)[amazon]

アンヌ・ガレタ 『『失われた時を求めて』 殺人事件』
怠慢な犯罪者たちが感情のままに貶めてきた 「殺人」 を救え! 完全犯罪という大いなる使命を抱いた主人公によって 『失われた時を求めて』 の登場人物たちが、ある一定のルールに基づいて、一人、また一人と殺されていく、実験文学集団ウリポの数少ない女性会員による、奇想天外な犯罪小説。
(水声社 2376円)[honto]

ジョルジュ・ペレック 『パリの片隅を実況中継する試み ありふれた物事をめぐる人類学
〈フィクションの楽しみ〉
パリのサン=シュルピス教会の前の広場を3日間、ひたすら描写し続けてみた−。ありふれた、誰もが見落としてしまうような、瑣末な日常を捉えようとする実験の書。
(水声社 1944円)[honto]

ガブリエル・カルシア=マルケス 『ガルシア=マルケス 「東欧」 を行く』
1957年、30歳だったガルシア=マルケスが、当時の「民衆主義」諸国をジャーナリスト魂で駆け巡った90日を、作家魂で物語る。木村榮一訳
(新潮社 2376円)[amazon]

パオロ・コニェッティ 『帰れない山』
山はすべてを教えてくれた――牛飼い少年との出会いと冒険、父の孤独と遺志、友との別れ。イタリア最高峰文学賞受賞のベストセラー。関口英子訳
(新潮クレスト・ブックス 2214円)[amazon]

ネレ・ノイハウス 『悪しき狼』
マイン川で少女の死体が発見された。年齢は14歳から16歳、長期にわたって虐待された痕があり、死因は溺死だと判明する。不可解なことに、淡水ではなく塩素水で溺れていた。刑事オリヴァーとピアは捜査を始めるが、数週間経っても身元が判明しない。さらに新たな殺人未遂事件が発生し捜査は混迷を深めていく。〈ドイツ・ミステリの女王〉の大人気警察小説シリーズ第6弾。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

ショーニン・マグワイア 『不思議の国の少女たち』
異世界に行って戻ってきた子供たちばかりが学ぶ寄宿学校を舞台に、“不思議の国のアリス”たちのその後を描いた、ヒューゴー賞など三賞受賞の傑作ファンタジー3部作開幕。
(創元推理文庫 907円)[amazon]

横光利一 『セレナード 横光利一 モダニズム幻想集
多くの理想を抱えて、ひと一倍勤勉な作家であり知識人であった横光利一の今読んでも眩しいぐらいの傑作が、現代仮名遣いによって甦る。長山靖生編
(彩流社 2592円)[amazon]

越川芳明 『周縁から生まれる ボーダー文学論
「境界/周縁」にある文学にこそ、「小説」 の魅力が輝きを増す。数多くの海外文学の翻訳家であり、米文学研究者でもある著者が、「ボーダー」 を主題として、洋の東西を問わず小説および論考を批評する。
(彩流社 3780円)[amazon]

ピョン・ヘヨン 『ホール』
交通事故により、病院でめざめたオギを待っていたのは、混乱・絶望・諦め……。不安と恐怖の中で、オギはいやおうなく過去を一つひとつ検証していくことになる。それとともに事故へ至る軌跡が少しずつ読者に明かされていくのだが。わずかに残された希望の光が見えたとき、オギは――。 シャーリイ・ジャクスン賞を韓国の小説家で初の長編部門受賞。
(書肆侃侃房 1728円)[amazon]

ジュール・ヴェルヌ 〈驚異の旅〉 コレクション5 『カルパチアの城 ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』
東欧を舞台にしたヴェルヌ後期の幻想譚2篇。ヴェルヌ流ゴシック小説 『カルパチアの城』 では、死んだ歌姫が、吸血鬼伝説の本場トランシルヴァニアの城に姿を現わす (新訳)。他方、『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』 は、H・G・ウェルズの向こうを張って書いた透明人間もの。本邦初訳の知られざる傑作。〈驚異の旅〉全5巻内容
(インスクリプト 4536円)[amazon]

デイヴィッド・トリッグ 『書物のある風景 美術で辿る本と人との物語
ポンペイの壁画、浮世絵、セザンヌ、ゴッホ、マグリット、そのほか無名の作家や現代のアーティストにいたるまで、古今東西の本のある風景を捉えた300点を超える芸術作品を収録。時系列順ではなく、異なる時代、異なる文化のもとに生み出された作品が隣り合うことで、私たちに人類共通の姿を見出させてくれる。
(創元社 4536円)[amazon]

『動物怪談集 江戸怪談文芸名作選4
動物が怪異の主体として活躍するファンタスティックな物語を多く収録するユニークな一巻。『雉鼎会談』 『風流狐夜咄』 『怪談記夜狐名玉』 『怪談名香富貴玉』 『怪談見聞実記』 の5編を収録。
(国書刊行会 6480円)[amazon]

山本周五郎 『殺人仮装行列 周五郎少年文庫 探偵小説集
覆面の女性歌手の人気で沸く東都劇場に脅迫状が届いた。彼女を出演中に誘拐するという (「覆面の歌姫」)。殺人光線の研究所所内の園遊会で起きた惨劇を描く表題作。巧妙なトリックと名推理が光る探偵小説18編。
(新潮文庫 767円)[amazon]

ホルヘ・イバルグエンゴイティア 『ライオンを殺せ』
〈フィクションのエル・ドラード〉
独裁者が恐怖政治を行なう国アレパの《真の独立》は成し遂げられるのか? 陰謀、クーデター、暗殺計画、ハードボイルド小説さながらの「政治喜劇」。
(水声社 2700円)[honto]

フィリップ・イード 『イーヴリン・ウォー伝 人生再訪』
長男を偏愛する父親に疎まれ、オックスフォード大学時代は飲酒と同性愛に耽溺。鬱屈し、入水自殺に失敗するが、『衰亡』 で文学界の寵児に。悲惨な結婚と別居を経てカトリックへ改宗。第二次世界大戦に従軍し、「不名誉」 な撤退に苦しむ。戦後、『ブライズヘッド再訪』 でベストセラー作家になるが、生来の厭人癖が嵩じ、「死の願望」 が募っていく。筋金入りの奇人でもあった英国文学の巨匠の生涯を、未公開の書簡や日記を駆使して、小説を読むように堪能できる評伝。
(白水社 9180円)[amazon]

ミロスラヴ・ペンコフ 『西欧の東』
〈エクス・リブリス〉
異文化と人種、生と死などの主題を多層的に描き出す8つの物語。O・ヘンリー賞受賞作を含む、ブルガリア出身の新鋭による鮮烈な短篇集。
(白水社 3024円)[amazon]

『武蔵野美術大学コレクション 博物図譜 デジタルアーカイブの試み』 荒俣宏 監修
武蔵野美術大学美術館・図書館所蔵(荒俣宏氏提供)の貴重書からビジュアルな図版を多数収録。荒俣氏による博物学と図譜についての解説も収録。〔収録作品〕 花蝶珍種図譜/人体構造解剖/第3次太平洋航海記/ルソーの植物学/イギリスの昆虫/熱帯ヤシ科植物図譜/脊椎動物図譜/アストロラブ号世界周航記/チリ前史/八色鳥科鳥類図譜/中国肉筆博物図集/他
(朝倉書店 21,600円)[amazon]

蜂飼耳 『朝毎読』
本と出会う。身体を言葉が通り過ぎていく。そこで思いがけず残るもの。その言葉の蓄積が自分のいまを形作っているのだと、ある時ふと気がつく。静かに、ときにユーモアや驚きを感じながらつむぎだされた言葉。書評は本と人を繋いでいく。初の書評集。
(青土社 2160円)[amazon]

中柳豪文 『日本昭和トンデモ児童書大全』

主に昭和40年代後半から50年代前半に刊行された、怪奇・オカルト、SF、ミステリーなどの子ども向け書籍を紹介。子ども向けとは思えないインパクト、 シュール&エキセントリックな驚異の世界。昭和の"トンデモ児童書"大集合。
(辰巳出版 1620円)[amazon]

マーティン・エドワーズ 『探偵小説の黄金時代』

1930年、チェスタトンを会長とし、セイヤーズ、クリスティー、バークリーら錚々たる顔ぶれが集まり、探偵作家の親睦団体 〈ディテクション・クラブ〉 が発足した。英国探偵小説黄金時代そのものと言っていい同クラブの歴史と作家たちの交流、フェアプレイの遵守を誓う入会儀式の詳細、リレー長篇やラジオ出演などの活動、興味津々のゴシップまで、豊富なエピソードによって生き生きと描き出し、アメリカ探偵作家クラブ賞(評論評伝部門)はじめ、ミステリ各賞を受賞した話題作。図版多数。森英俊・白須清美訳
(国書刊行会 予価4968円)[amazon]

『笠原和夫傑作選1 博奕打ち 総長賭博 初期作品~任侠映画篇
美空ひばり主演の文芸物 『風流深川唄』、東映任侠映画を代表するシリーズ第一作 『日本侠客伝』、金字塔的作品 『博奕打ち 総長賭博』、東映会長岡田茂の一代記 『映画三国志』 他を収録。解題=伊藤彰彦。別冊付録=笠原和夫単行本未収録エッセイ。
(国書刊行会 5616円)[amazon]

《SFマガジン》 12月号
〈ハーラン・エリスン追悼特集〉 「失われた時間の守護者」 「おお、汝信仰うすき者よ」 「奇妙なワイン」 他 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

ナオミ・オルダーマン 『パワー』
ある日、世界中の女に強力な電力を放つ力が宿り、女が男を支配する社会が生まれた。ベイリーズ賞授賞、各紙大絶賛ディストピア小説。
(河出書房新社 1998円)[amazon]

海野十三 『海底大陸』
クィーン・メリー号が姿を消した。ボーイの三千夫は、長良川博士とともに、高度文明を築く海底大陸の海底超人と遭遇、その運命は!?
(河出書房新社 1728円)[amazon]

ケント・ハルフ 『夜のふたりの魂』
人生最後の恋が こんなに初々しいなんて――。夜を乗り越えるため出逢った 孤独な魂の物語。老年の恋をみずみずしく描いた傑作。
(河出書房新社 1836円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 少年の憂鬱』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。生命は情報である。失われた時と未知の冒険をする少年たち。その妄想と葛藤を描いた名作が、次から次へと案内される。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

シャルル=フェルディナン・ラミュ 『もし太陽が戻らなければ』
スイスの国民的大作家ラミュ名作選の第4弾。太陽が消えてしまうという忌まわしい予言に恐れおののく村人たち……第二次世界大戦前夜のヨーロッパの不穏な空気が漂う表題作ほか、、傑作8編を収録。
(国書刊行会 4320円)[amazon]

アダム・ミツキェーヴィチ 『祖霊祭 ヴィリニュス篇』
〈ポーランド文学古典叢書〉
19世紀初頭、三国分割下、地図上から全く姿を消したポーランド祖国回復を願い、ポーランド・ロマン主義を牽引した放浪の天才詩人ミツキェーヴィチの演劇分野での最高傑作。
(未知谷 2700円)[amazon]


岡本綺堂 『怪獣 岡本綺堂読物集七
あることをきっかけに人が違ったようにふるまう姉妹の話 「怪獣」、自分の写し絵を取り戻してくれと泣く娘の話 「恨の蠑螺」、盂蘭盆の夜に海に出てはいけないと言われる婚約者の話 「海亀」 な、動物や道具を媒介に、異界と交わるものたちを描いた妖異譚集。綺堂が自ら編んだ短篇シリーズ最終巻より全12篇と、単行本未収の附録1篇を収める。カバー・口絵=山本タカト
(中公文庫 842円)[amazon]

ジョアンナ・イーベンスタイン 『死の美術大全』
人類はいかにして死と向き合ってきたのか……古今東西の死に関する図版1000点以上、識者による論考を多数収録した決定版大百科。
(河出書房新社 6480円)[amazon]

吉田広明 『西部劇論 その誕生から終焉まで
ジョン・フォードからイーストウッドまで、ハリウッドにおける西部劇の歴史を総覧し、映画にとって、アメリカにとって西部劇とは何だったのかを明らかにする書き下ろし長篇評論。西部劇は今、誰も知らなかった新たな相貌を見せる。
(作品社 4968円)[amazon]

《Tolkien: Treasures》 Catherine McIlwaine
オックスフォード大学ボドレアン図書館のJ・R・R・トールキン・アーカイヴの精髄を紹介。
(The Bodleian Library)[amazon]

カレン・M・マクマナス 『誰かが嘘をついている』
放課後の高校で、5人の生徒がルール違反の罰で理科室に招集された。だが、その一人サイモンが突然苦しみだし、病院搬送後に死亡する。死因はアレルギーのアナフィラキシーショックで、警察は事件性があるとみなす。ほかの生徒は全員が彼のアレルギーを知っていたうえ、彼に秘密を握られていた……。必読の現代本格ミステリ。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

オリヴィエ・ゲーズ 『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』
アウシュビッツ絶滅収容所のユダヤ人を、ガス室行きと生存させる組に選別した医師メンゲレは、優生学に取り憑かれ、子供、特に双子たちに想像を絶する実験を重ねた。1945年のアウシュビッツ解放後に南米に逃れ、モサドの追跡を逃れて生き延び、79年ブラジルで心臓発作で死亡する。その半生の真実と人間の本質に迫った傑作小説。
(東京創元社 1944円)[amazon]

ケルスティン・ギア 『黄色い扉は永遠の階』
あたしを殺して魔物に捧げようなんて、正気の沙汰じゃないことしでかして入院してたアナベルが、学院に戻ってきた。もちろん夢の世界にも……。夢の世界を舞台にしたロマンティック・ファンタジイ完結。
(東京創元社 2916円)[amazon]

ナンシー・アイゼンバーグ 『ホワイト・トラッシュ アメリカ低層白人の四百年史
アメリカには白人最下層(ホワイト・トラッシュ)が常に存在した。英国の植民地政策や建国の父たちの白人最下層への本音、南部の貧しい白人の疎外化や現代のホワイト・トラッシュの変造を分析。アメリカの階級史を解剖する。
(東洋書林 5184円)[honto]

別冊映画秘宝 怖い、映画』
オーソドックスな映画ガイドにはもうウンザリだ!「厭な映画」「謎の映画」「鬱な映画」に続く、映画史のはらわたを覗く禁断の映画特集。改めて振り返るモダン・ホラー50年の歴史。
(洋泉社 1620円)[amazon]

松岡正剛/協力=荒俣宏 『遊読365冊』
雑誌 『遊 読む』 誌上に一挙掲載された伝説のブックガイド、37年ぶりに復活。 「読書は男のケンカだ」 の33冊から 「読書で一番遠いところへ行く」 ための31冊まで、百字一冊でブックコスモスを駆け巡る。『千夜千冊』の原点。
(工作舎 1944円)[amazon]

クリス・ウィタカー 『消えた子供 トールオークスの秘密
誰もが顔見知りの小さな町で、3歳の子供が忽然と消えた。住民総出の捜索でも警察の捜索でも、手がかりすら出てこない。母親は絶望に抗いながら捜し続けるが、やがて町の住民たちそれぞれが抱えていた秘密が明らかになり……。CWA ジョン・クリーシー賞受賞作。
(集英社文庫 1188円)[amazon]

ジェフリー・ディーヴァー 『ブラック・スクリーム』
ニューヨークの路上で男が拉致されるのを少女が目撃した。やがて苦痛のうめきをサンプリングした音楽とともに、監禁されて死に瀕している被害者の姿が動画サイトにアップされた。アップロードしたのは「作曲家(コンポーザー)」を自称する人物。捜査を依頼された科学捜査の天才リンカーン・ライムは現場に残された証拠から監禁場所を割り出すが……。シリーズ最新作。
(文藝春秋 2700円)[amazon]

ベルトルト・ブレヒト 『三文オペラ』
「最悪。マジ最悪。うちの娘の性欲はパンッパンだぞ!」 ロンドンの貧民街に暗躍する乞食たちを描き、《ドイツ黄金の20 年代》 の光と闇を切り裂いたブレヒト不朽の名作を、気鋭の演出家がキレッキレの日本語で訳しおろす。クルト・ヴァイルの名曲群がファシズム前夜の都市を照射する、痛快無比の音楽劇。大岡淳訳
(共和国 2160円)[amazon]

スティーヴン・トールティ 『ブラック・ハンド アメリカ史上最凶の犯罪結社
20世紀初頭、ニューヨークは犯罪結社ブラック・ハンドへの恐怖に覆われていた。 彼らはイタリア系移民たちに、黒い手の図柄の入った脅迫状を送りつけて、みかじめ料を巻き上げ、誘拐した子供の身代金をせしめた。 拒んだ者は殺され、あるいは爆弾で家を吹き飛ばされた。極悪非道の犯罪結社に、「イタリア系のシャーロック・ホームズ」と称えられた名刑事が立ちむかう。20世紀初頭アメリカのマフィアVS警察を描く迫真のノンフィクション。
(早川書房 2700円)[amazon]

マット・ヘイグ 『トム・ハザードの止まらない時間』
歳をとるのが極端に遅い「遅老症(アナジエリア)」のため、16世紀に生まれ、21世紀の今も生き続けている男、トム・ハザード。シェイクスピア、フィッツジェラルド、クック船長らに出会いながら、さまざまな時代の局面に立ち会ってきた、彼の数奇にして波瀾万丈な人生とは――
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2268円)[amazon]

エイドリアン・マッキンティ 『サイレンズ・イン・ザ・ストリート』
スーツケースに詰められた死体と軍人射殺事件の関係は? 刑事ショーンはさらなる混沌に足を踏み入れる。シリーズ第二弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1274円)[amazon]

クリスティン・マンガン 『タンジェリン』
1956年、独立直前のモロッコのタンジール。夫とともにアメリカから移住していたアリスの家に、突然大学時代のルームメイト、ルーシーが現れる。大学時代のある 「事故」 以来、関係を断っていた二人だが、ルーシーの真意をつかみかねるアリスは疑念にとらわれてゆく。異国の地を舞台に二人の女性の心理が織りなす強烈なサスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1058円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ 1 ネヴァー・マインド』
貴族の家の血に連なる五歳のパトリック・メルローズは、南仏の母の一族の屋敷で、残忍さで人を支配する父とアルコールに頼り続ける母と夏を過ごしていた。そんなメルローズ家にディナーのために訪れたある客人の存在が、パトリックの世界を引き裂くことに――
(早川書房 1620円)[amazon]

シャルル・ボードレール 『パリの憂愁』
散文詩を拓いた19世紀文学の精華が、最新の研究と平明な訳で詩的現在のその先に蘇る。山田兼士訳
(思潮社 2376円)[amazon]

キム・ニューマン 『《ドラキュラ紀元一九一八》 鮮血の撃墜王』
《ドラキュラ紀元》 完全版、第2巻 (『ドラキュラ戦記』 改題)。イギリスを逃れ、ドイツ軍最高司令官となったドラキュラ。その策謀を暴くため若き英諜報部員は空から敵地に迫る。迎え討つはレッド・バロンこと、撃墜王フォン・リヒトホーフェン男爵! 秘録・欧州ヴァンパイア大戦。本編に 「間奏曲」 の章を追加し、「ヴァンパイア・ロマンス ドラキュラ紀元一九二三」(書下ろし中編小説)、「レッド・スカイ」(映画アウトライン)、「著者による付記」 を併録。鍛治靖子訳
(アトリエサード 3996円)[amazon]

ディーン・クーンツ 『これほど昏い場所に』
「早く、早く死ななきゃならない」 海兵隊員の夫が、ナイフで自らの首を掻き切る前に書き遺した言葉。それは、FBI捜査官ジェーンの悪夢の始まりだった。自殺率の異常な増加、動機なき殺人、全米を“何か"が浸食している……。
(ハーパーBOOKS 1180円) [amazon]

エドワード・ゴーリー 『音叉』
海へ身を投げた不幸な少女が夢みた切ない物語。地上の家族は浴槽で一人ずつ溺死、最後には誰もいなくなってしまいました……。柴田元幸訳
(河出書房新社 1296円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『ヒイラギ荘の小さな恋 ディケンズショートセレクション
〈世界ショートセレクション〉
19世紀イギリスの国民的作家ディケンズ。怖くも不思議な余韻を残す 「信号手の話」 や愉快で心暖まる 「墓掘りを連れ去ったゴブリンたち」、微笑ましく心なごむ 「ヒイラギ荘の小さな恋」 など、多様な作品を収録。金原瑞人訳
(理論社 1404円)[amazon]

《MONKEY》 vol.16 特集=カバーの一ダース
柴田元幸=責任編集
 国内外11人の気鋭の作家陣によるカバー作品特集。元ネタとなる「作品」は戯曲や小説、民話に加え、「じゃんけん」や「憲法」なども含む多彩なラインナップ。はたして作家たちはどのような 「カバー」 をくり広げるのか。内容
(スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

駒井稔 『いま、息をしている言葉で。』
古典はもはや読むに値しないのだろうか、いや、噛めば噛むほど味わい深く、そこには人がものを考えるためのエッセンスが凝縮されている。古典にこそ読書の醍醐味はある。そんな信念のもと、数多ある外国文学・思想を新訳し、文庫シリーズとして刊行する企画を立ち上げた。道なきところに道を拓く、光文社古典新訳文庫・創刊編集長の奮戦記。
(而立書房 2160円)[amazon]

ウナタリア・ギンズブルグ 『小さな徳』
〈須賀敦子の本棚〉
『ユルスナールの靴』 発想の源流となった 「ぼろ靴」、獄死した夫との日々を描いた 「アブルッツォの冬」 など、著者代表的エッセイ集。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

《たべるのがおそい》 vol.6
西崎憲=編集
【特集〈ミステリ狩り〉】 佐藤究 深緑野分 【創作】 大滝瓶太 北野勇作 谷崎由依 酉島伝法 【翻訳】 メアリー・エリザベス・カウンセルマン 「三つの銅貨」 (狩野一郎訳)/ホルへ・ルイス・ボルヘス 「あまたの叉路の庭」 (西崎憲訳) 他 内容
(書肆侃侃房 1404円)[amazon]

残雪 『黄泥街』
黄泥街は狭く長い一本の通りだ。両側には様々な格好の小さな家がひしめき、黄ばんだ灰色の空からはいつも真っ黒な灰が降っている。泥と灰に覆われた街には人々が捨てたゴミの山がそこらじゅうにあり、店の果物は腐り、動物はやたらに気が狂う。すべてが腐り、溶解し、崩れていく世界の滅びの物語を、言葉の奔流のような圧倒的な文体で描いた〈世界文学〉の最前線。
(白水Uブックス 1944円)[amazon]

谷口江里也 (フランソワ・ラブレー原作/ギュスターヴ・ドレ絵) 『異説ガルガンチュア物語』
16世紀、ラブレーは巨人伝説に着想を得、ルネサンス期の傑作を生む。19世紀、ドレはその作品世界を表現した美麗版画本で人々を魅了。そして今、その版画に導かれて巨人の物語が蘇る。
(未知谷 4320円)[amazon]

トーマス・メレ 『背後の世界』
ある喪失についてみなさんに報告しよう。僕の蔵書の話だ。その蔵書は今では存在しない。僕はそれを失ったわけである。……現代ドイツにおける 「最も重要な作家のひとり」 メレ、本邦初訳。
(河出書房新社 31324円)[amazon]

ヤロスラフ・オルシャ編 『チェコSF短編小説集』
二つの大戦、社会主義政権の樹立、プラハの春とチェコ事件、そしてビロード革命。激動の歴史を背景に中欧の小国チェコで育まれてきたSF。ハクスリー、オーウェル以前に私家版で出版されたディストピア小説から、J・G・バラードやブラッドベリにインスパイアされた作品まで、チェコSF界の最高峰〈カレル・チャペック賞〉受賞作を含む本邦初訳の傑作11編。収録内容
(平凡社ライブラリー 1620円)[amazon]

ジム・トンプスン 『綿畑の小屋』
罠にはまったのはおれだった――オクラホマの地主と娘、殺人事件の発生、そして先住民の儀式。白人貧農の父子は、憎悪の果てに 『おれの中の殺し屋』 と同年に出版された、異人種間の反目を背景とするトンプスンの初期重要作、本邦初訳。
(文遊社 2700円)[amazon]

菊池壮一 『書店に恋して リブロ池袋本店とわたし
1970年代後半に西武百貨店の書籍売場としてスタートし、2015年7月、多くの人に惜しまれつつ閉店を迎えた 「リブロ池袋本店」――およそ40年の歴史を、その最後の日までともに歩んだ著者が綴る〈もうひとつのリブロ史〉。作家との交流や、一癖も二癖もある書店員、お客様たち、ブックフェアの数々を辿りつつ、これからの書店文化への願いを込めたメッセージを送る。
(晶文社 1836円)[amazon]

Lesilie S. Klinger (ed) 《Classic American Crime Fiction of the 1920s》
1920年代アメリカ・ミステリの古典、ビガーズ『鍵のない家』、ヴァン・ダイン『ベンスン殺人事件』、クイーン『ローマ帽子の謎』、ハメット『血の収穫』、バーネット『リトル・シーザー』を収録、レスリー・S・クリンガーが歴史的・文化的背景を含めた詳註を付けたオムニバス本。図版100点以上。
(Pegasus Books)[amazon]

アイザック・アシモフ 『黒後家蜘蛛の会4 新版
シリーズで唯一、女性が謎を持ちこむ「よきサマリア人」や、突然押しかけてきた若い客人の悩みを解決する「飛入り」など、変わり種エピソードが収められた第4巻でも、ヘンリーの給仕と推理の神業ぶりはいささかも揺るがない。12編の小粋なミステリ。
(創元推理文庫 994円)[amazon]

ムア・ラファティ 『六つの航跡 上・下
クローンとして蘇った彼らが最初に目にしたのは、自らの死体だった――。恒星間移民船内で唯一目覚めていた乗組員6人全員が他殺される。蘇った彼らは地球出発後25年間の記憶をすべて消されていた。しかも船のAIも改竄され、再復活は不可能に……。ヒューゴー賞&ネビュラ賞候補の傑作.。
(創元SF文庫 各1058円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.91
第15回ミステリーズ!新人賞受賞作、齊藤飛鳥「屍実盛」&第28回鮎川哲也賞、第15回ミステリーズ!新人賞選評掲載。太田忠司、新連載開始。大倉崇裕、丸山正樹読切り掲載。
(東京創元社 1296円)[amazon]

戸川昌子 『緋の堕胎 ミステリ短篇傑作選
これは悪夢か現実か。独自の美意識に貫かれた淫靡かつ幻想的な世界を築いた異色の作家。常人の倫理を遥かに超えていく劇薬のような短篇9作。日下三蔵編
(ちくま文庫 950円)[amazon]

柴田元幸 『柴田元幸ベスト・エッセイ』
生まれ育った工業地帯、ロックや文学との出会い、学生たちとの交流、言葉をめぐる冒険。名翻訳家による笑いと涙と懐かしさが込み上げる決定版。
(ちくま文庫 907円)[amazon]

フランツ・キュモン 『ミトラの密儀』
東方からローマ帝国に伝えられ、キリスト教と覇を競った謎の古代密儀宗教。その全貌を初めて明らかにした、第一人者による古典的名著。
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

『少年ミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編
美しくも危険な少年たちの光と闇をテーマにしたミステリーを集めたアンソロジー。江戸川乱歩が憧憬する村山槐多の画を巻頭に、推理文壇の名手たちの珠玉の傑作を厳選。
(光文社文庫 950円)[amazon]

ジョゼフ・ミッチェル 『さよなら、シャーリー・テンプル』
〈ニューヨーカー〉 の名匠ミッチェルが見つめたのは、たくましく生きる無名の人びと。ジプシーの女占い師に、マンハッタンの摩天楼で働くインディアンの鳶職。100歳目前の老夫は、魚市場をめぐる。1940年代のアメリカに今、舞い戻る――ジョゼフ・ミッチェル作品集、第3弾。
(柏書房 1944円)[amazon] [honto]

アンリ・コーヴァン 『マクシミリアン・エレール』
容疑者の青年を救うため、屋根裏の哲学者が富豪殺害事件の謎に挑む。デュパンとホームズを繋ぐミッシング・リンクともいうべき19世紀フランス・ミステリの古典(1871年刊)。小林晋訳。
(ROM叢書 1680円) 取扱=ROM事務局/=盛林堂

ギュスターヴ・フローベール 『三つの物語』
純粋な心を持った女性の慎ましい人生を描く 「素朴なひと」。教会のステンドグラスに象られた人物の数奇な運命を綴った 「聖ジュリアン伝」。サロメの伝説をモチーフとした 「ヘロディアス」。作家の想像力と技量が存分に堪能できる短篇集。 谷口亜沙子訳
(光文社古典新訳文庫 972円)[amazon]

クライブ・カッスラー&ダーク・カッスラー 『黒海に消えた金塊を奪取せよ 上・下
沈没した「死の船」の積荷は濃縮ウラン? NUMAが黒海に潜む陰謀に立ち向かう。ダーク・ピット・シリーズ最新刊。
(扶桑社海外文庫 各918円)[amazon]

デボラ・モガー 『チューリップ・フィーバー』
繁栄を誇る17世紀オランダ。過熱するチューリップ・バブルに望みをかけた、豪商の若妻と貧乏画家の道ならぬ恋の行き着く先は――
(河出文庫 1188円)[amazon]

江戸川乱歩 『盲獣・陰獣』
変態度全開の超貴重作 「盲獣」、耽美にして本格推理長篇代表作 「陰獣」。一冊で大乱歩の究極の 〈獣〉 世界に耽溺。
(河出文庫 820円)[amazon]

パット・マガー 『死の実況放送をお茶の間へ』
〈論創海外ミステリ〉
生放送中のTV番組でコメディアンが謎の怪死を遂げる。犯人は業界関係者か? それとも外部の犯行か?
(論創社 2592円)[amazon]

ジョナサン・ラティマー 『サンダルウッドは死の香り』
〈論創海外ミステリ〉
富豪の元に送られてくる脅迫状、身代金目当ての誘拐事件、密室で発見された女の死体。 酔いどれ探偵ビル・クレインが難事件に挑む。
(論創社 3240円)[amazon]

マイケル・イネス 『アリントン邸の怪事件』
〈論創海外ミステリ〉
和やかな夕食会のさなか、同じ敷地で難件発生! 不可解な連続怪死事件に隠された驚愕の真実とは……。民間人となった往年の名刑事アプルビイが再び犯罪捜査に乗り出す。
(論創社 2376円)[amazon]

『小村雪岱挿絵集』 真田幸治編
数多くの物語に生命を吹き込んだ、その描線。大正から昭和初期にかけて活躍した装幀家、挿絵画家、舞台装置家の雑誌、新聞の挿絵を集成。350点以上の挿絵を媒体 (雑誌・新聞) 別に収録。
(幻戯書房 3780円)[amazon]

ギレルモ・デル・トロ 『ギレルモ・デル・トロ創作ノート 驚異の部屋 普及版
ラヴクラフト、ディケンズ、メアリー・シェリー、フェリシアン・ロップス、ルドン、ボリス・カーロフ、ハリーハウゼン……文学・絵画・映画・コミックまで、多岐にわたるジャンルにみるそのインスピレーション源とは。デビュー作 『クロノス』 から 『パシフィック・リム』、さらに未完の作品まで取り上げた、貴重な創作に至る緻密な“メモ"の数々。
(DU BOOKS 4104円)[amazon]

デイヴィッド・ゴードン 『用心棒』
ハーバード中退、ドストエフスキーの愛読者、そして元陸軍軍人のジョー・ブロディーは、ストリップクラブの凄腕用心棒だ。FBIによるテロリスト取り締まりのとばっちりに業を煮やしたニューヨーク暗黒街の顔役たちは、ジョーにテロリスト追跡を命じるが……
(ハヤカワ・ミステリ 1728円)[amazon]

ラシード・ミムニ 『部族の誇り』
〈叢書 エル・アトラス〉
アルジェリア独立後、近代化の波は否応なしに辺境の村ジトゥナの部族にも押し寄せてくる。伝統は変わり、生活は便利になり、村は豊かになっていくのか? 創建時代からの村の物語、そして部族の命運に関わるエル・マブルーク家の秘密を長老が物語る一大サーガ。
(水声社 予価2700円)[honto]

ジョン・ル・カレ 『地下道の鳩
ジョン・ル・カレ回想録

諜報機関在籍時の仕事、詐欺師の父親の奇想天外な人生、スマイリーを始めとする登場人物のモデル、紛争地域での取材、サッチャーなどの大物要人との出会いをも語る話題作。
(ハヤカワ文庫NV 1274円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ 6』
テンピの故郷アデムレへと向かったクォート は、そこでテンピの師匠シェヒンから、ケタンを習得するための苛酷な指導を受けるが!?
(ハヤカワ文庫FT 1058円)[amazon]

デニス・E・テイラー 『われらはレギオン3 太陽系最終大戦
強大なアザーズ艦隊がついに太陽系を襲う。地球に残された人類を守るために、五百体のボブが集結し、怖るべき敵を迎え撃つが……
(ハヤカワ文庫SF 1102円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『ストランド版 続シャーロック・ホームズの冒険』
イギリスの月刊誌 「ストランド・マガジン」1892年12月号〜1893年12月号に掲載された 「シャーロック・ホームズ」 を当時の誌面そのままに日本語化。挿絵シドニー・パジェット。
(ジョージ・ニューンズ社 1080円)[amazon]

ジャン・パウル 『生意気盛り 新装版
ある富豪が遺言で一人の夢想家の青年を相続人に指定する。この青年が実務能力を備えたとき遺産を継承すると遺言は定めるが、青年は詩人気質を矯正できない。助っ人に青年の双子の弟が登場するが……。ジャン・パウルの代表作の一つ。
(九州大学出版会 10,152円)[amazon]

ジャン・パウル 『レヴァーナ あるいは教育論 新装版
フランス革命、ナポレオンの時代に、ドイツの活路を終始考えていた作家ジャン・パウルの教育論 (1806初版)。題名の「レヴァーナ」とは、古代ローマにおいて新生児認知の際に祈られた女神の名前。
(九州大学出版会 7992円)[amazon]

片岡義男 『あとがき』
「ぼくは〈あとがき〉を書くのが大好き。〈あとがき〉を考えると次回作への期待とアイディアでいっぱいになる」……1974年刊行の 『ぼくはプレスリーが大好き』 から2018年の新刊 『珈琲が呼ぶ』 まで、単行本・文庫にある 〈あとがき〉 150点あまりを刊行順にすべて収録。片岡義男のエッセンスが満載の一冊。
(晶文社 2916円)[amazon]


▼9月刊

ニコルソン・ベイカー 『U&I』
独特の緻密かつマニアックな作風で日本でもコアなファンをもつ著者が、大作家アップダイクに対する思いを綴った自伝的エッセイ/小説。
(白水社 2592円)[amazon]

デレク・セイヤー 『プラハ、20世紀の首都 あるシュルレアリスム的な歴史
ベンヤミンの精神を引き継ぎ、「魔法の都」 プラハに花開いた数々の芸術作品を渉猟しながら、ポストモダンの前史を読み解く画期的論考。
(白水社 14,580円)[amazon]

山本周五郎 『周五郎少年文庫 黄色毒矢事件 少年探偵春田龍介
春田龍介、中学2年。学業優秀、推理抜群−。若き日の山本周五郎が旺盛に執筆した血湧き肉躍る少年小説のうち 〈春田龍介もの〉 を厳選。龍介が巧妙な方法で犯人を炙り出す表題作ほか、全7編を収録。末國善己編
(新潮文庫 637円)[amazon]

チョン・セラン 『フィフティ・ピープル』
〈となりの国のものがたり〉
50人のドラマが、あやとりのように絡まり合う。韓国文学をリードする若手作家による、めくるめく連作短編小説集。
(亜紀書房 2376円)[amazon]

エドワード・ルーカス・ホワイト 『ルクンドオ』
〈ナイトランド叢書〉
探検家のテントは夜毎にざわめき、ジグソーパズルは少女の行方を告げ、魔法の剣は流浪の勇者を呼ぶ――歴史ロマンの人気作家が夢で逢った、呪い、怪物、奇妙な犯罪、謎の孤島……眩暈を誘う幻視に満ちた、10篇の物語。
(アトリエサード 2700円)[amazon]

アンソニー・ホロヴィッツ 『カササギ殺人事件 上・下
1955年7月、パイ屋敷の家政婦の葬儀がおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は小さな村の人々へ波紋を広げていく。現代ミステリのトップ・ランナーによる、巨匠クリスティへの愛に満ちた完璧なオマージュ作品。
(創元推理文庫 各1080円)[amazon]

スーザン・イーリア・マクニール 『ホテル・リッツの婚約者』
1942年、イギリス特別作戦執行部の工作員マギー・ホープは、重大な情報を持っているはずの工作員を救うため、ドイツ占領下のパリに潜入した。滞在先のホテル・リッツでココ・シャネルと知り合うマギー。一瞬たりとも気を抜けない日々のなか、イギリスの工作員ネットワークに亀裂が生じる。人気シリーズ最新刊。
(創元推理文庫 1469円)[amazon]

ロイス・マクマスター・ビジョルド 『魔術師ペンリック』
ペンリック19歳、婚約者を迎えに行く途中、病で倒れている老女の最後を看取ったのが、すべての始まりだった。亡くなった神殿魔術師の老女が持っていた魔が、あろうことかペンリックに乗り移ってしまったのだ……。〈五神教〉シリーズ最新作。
(創元推理文庫 1620円)[amazon]

アフィニティ・コナー 『パールとスターシャ』
ユダヤ人の双子パールとスターシャは、アウシュヴィッツに送られ、優生学研究に取り憑かれた医師ヨーゼフ・メンゲレが集めた多くの双子たちとともに 《メンゲレの動物園》 と呼ばれる施設に入れられる。医師の実験体となった二人の少女の目で見た恐るべき世界を描いた、せつなくも力強い物語。
(東京創元社 3132円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『新訳ベケット戯曲全集2 ハッピーデイズ 実験演劇集
「しあわせな日々」 の新訳をはじめ 「クラップの最後の録音」 「プレイ」 「わたしじゃないし」 など、空前絶後の実験劇17作品を収録。
(白水社 4536円)[amazon]

『別冊太陽 中原淳一のジュニアそれいゆ』
十代の人の美しい心と暮しを育てる──。これまでにない少女雑誌を作ろうと、中原淳一が創刊した「ジュニアそれいゆ」が、いま甦る。
(平凡社 2592円)[amazon]

トム・クランシー 『謀略の砂塵 上・下
NFLのフットボール・スタジアム4カ所で同時爆弾テロが発生。アメリカ大統領は攻撃にさらされた本土を守るため、廃止に追い込まれていた国家危機に即応する諜報機関 「オプ・センター」 を再び立ち上げることを決意する。元オプ・セ ンター長官が新長官として推挙したのは、チェイス・ウィリアムズ海軍大将だった。
(扶桑社文庫 各1026円)[amazon]

『定本 夢野久作全集5』
多彩な活動の全貌を集大成した決定版全集。第5巻は1935年から366年までの小説「超人鬚野博士」「髪切虫」「人間レコード」「人間腸詰」「悪魔祈禱書」「少女地獄」ほか全18篇を収録。
(国書刊行会 10,260円)[amazon]

アリ・スミス 『両方になる』
15世紀イタリアに生きた画家と現代の英国に暮らす少女。二人の物語が時空を超えて響き合う。新鮮な驚きに満ちたコスタ賞受賞作。
(新潮クレスト・ブックス 2592円)[amazon]

ポール・オースター 『インヴィジブル』
ニューヨーク、パリ、そしてカリブ海へ。語り手を変えながら綴られる物語は、彼の本当の姿を明らかにするのか? 新境地を拓く長篇。柴田元幸。
(新潮社 2268円)[amazon]

村上リコ 『図説 ヴィクトリア女王の生涯』
〈ふくろうの本〉
大英帝国最大の繁栄期に君臨したヴィクトリア女王。女王の日記や手紙を手がかりに19世紀英国の諸相を描く。生誕200年記念。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

市橋芳則 『昭和少年少女ときめき図鑑』
〈らんぷの本〉
昭和20年~40年代の少年少女の暮らしとは? ほしかったもの、憧れのヒーロー・ヒロイン、わくわくしながら通った幼稚園・小学校、放課後の遊び。あの頃の思い出の扉をそっと開いてみよう。
(河出書房新社 1998円)[amazon]

秋元孝文 『ドルと紙幣のアメリカ文学』
アメリカにおける紙幣のあり方の変遷をたどりながら、その時代時代に発行された紙幣のデザインをテクストとして読み、メルヴィル、マーク・トウェイン、ボーム、ジャック・ロンドン、フィッツジェラルド、ウィリアム・バロウズ、オースター等の文学作品における想像力と通底するものを探る野心的アメリカ文学論。目次
(彩流社 2916円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 江戸東京』
伝説紹介の決定版 〈日本民族伝説全集〉 全9巻 (1955-56) の 「東京」 篇を復刊、第一回配本。新漢字、「です・ます」 調で読みやすい。
(河出書房新社 予価2106円)[amazon]

《ミステリマガジン》 11月号
〈特集=VS怪盗紳士ルパン〉 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

ジュリア・オオツカ 『あのころ、天皇は神だった』
第二次世界大戦中のアメリカで、強制退去によって追われた日系人の一家。彼らはユタ州の砂漠にある収容所に送られる。家族それぞれの視点から語られる、有刺鉄線の内側で過ごす日々……。オオツカの長編デビュー作、待望の新訳。
(フィルムアート社 2484円)[amazon]

パブロ・ネルーダ 『大いなる歌』
〈ロス・クラシコス〉
詩を読む(音読する)悦び、聴く楽しさ。詩(ことば)によって想像力が膨らむ愉しみ。20世紀スペイン語詩の巨人ネルーダが謳う、アメリカ大陸の過去と現在をつなぐ壮大なる叙事詩、待望の完訳。
(現代企画室 4968円)[amazon]

『笠原和夫傑作選2 仁義なき戦い 実録映画篇
博奕打ち 総長賭博』 『仁義なき戦い』 など日本映画史に燦然と輝く名作群をのこした脚本家 笠原和夫、初の選集がついに刊行。シナリオの第一級教科書にして、極上のエンターテインメントを全三巻に集成。第1回配本は 『仁義なき戦い』 四部作のほか 『県警対組織暴力』 『やくざの墓場 くちなしの花』 などの実録映画篇。未映画化の問題作 『実録・共産党』 『沖縄進撃作戦』 も収録。解題=伊藤彰彦 収録内容
(国書刊行会 5400円)[amazon]

蜂須賀正氏 『鳥の棲む氷の国』
徳川慶喜の孫の華族にして、ケンブリッジで学んだ鳥類学者、ドードー鳥の研究で有名な蜂須賀正氏(1903-53)の単行本未収録の文章、旅行記を集成した随筆集。戦前の沖縄の風物にふれた 「琉球採集旅行記」、中国探訪記 「中支生物紀行」 他。小野塚力編
(我刊我書房 8500円) 取扱=盛林堂

マーガレット・アトウッド 『洪水の年 上・下
遺伝子操作で新しい生物が次々に作られ、食べ物は合成物ばかり。人々は巨大企業に支配されている。突然、新型ウイルスにより地上は廃墟となる。偶然生き残ったトビーとレンの運命は? 圧倒的な構想力と息もつかせぬストーリー展開の近未来小説。
(岩波書店 各2916円)[amazon]

ジョイス・キャロル・オーツ 『ジャック・オブ・スペード』
尊敬を集める人気ミステリー作家は、別名で身の毛もよだつ小説を発表していた。家族の葛藤や盗作疑惑に巻き込まれ、彼は泥沼にはまっていく。 栩木玲子訳
(河出書房新社 2484円)[amazon]

山口昌男 『古本的思考 講演敗者学
後期山口人類学は、自ら“敗者学”と名づけた、近代日本において挫折した人々や戊辰戦争に敗れた幕臣たちのネットワークの探求に向けられた。それは 『「挫折の昭和史」』 『「敗者」の精神史』 等の著作へと結実したが、同時期に敗者学に繫がる講演を各所で行っている。単行本初収録となる敗者学関連の講演に、インタヴュー、論考、紀行文等も併録。
(晶文社 2916円)[amazon]

『月岡芳年 西井正氣コレクションより 加藤陽介
〈コロナ・ブックス〉
幕末維新の乱世に活躍した浮世絵師、芳年。天才的な画業を通覧しつつ代表作 「芳年武者无類」 を全点収録。
(平凡社 予価1836円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 情報生命』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。生命は情報である。SF、遺伝子、意識……。地球生命圏には、まだなお未知の情報生命があっても不思議はない。先人のさまざまな考察を生命の進化、ゲノムの不思議、意識の不可思議等々から、多角的に分析。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

東京創元社 復刊フェア
◇創元推理文庫
ウィリアム・アイリッシュ 『黒いアリバイ』 [amazon]
ピーター・アントニイ 『衣裳戸棚の女』
[amazon]
F・W・クロフツ 『フレンチ警部最大の事件』
[amazon]
クレイグ・ライス 『時計は三時に止まる』
[amazon]
ルース・レンデル 『運命のチェスボード』
[amazon]
アレイスター・クロウリー 『黒魔術の娘』
[amazon]
ヘンリー・ジェイムズ 『ねじの回転』
[amazon]

◇創元SF文庫
ウィルスン・タッカー 『静かな太陽の年』 [amazon]
ロバート・A・ハインライン 『ラモックス』
[amazon]
テア・フォン・ハルボウ 『メトロポリス』
[amazon]
内容

スティーヴン・キング 『任務の終わり 上・下
昏睡状態にある殺人鬼は奇怪な能力を駆使して退職刑事に復讐を目論む。ミステリーとホラーを最高レベルで融合させた大作。白石朗訳
(文藝春秋 各1944円)[amazon]

ローレンス・ブロック 『泥棒はスプーンを数える』

四半世紀の時を経て書き続けられた、泥棒探偵バーニイ・ローデンバーシリーズの最終巻が遂に刊行。 相棒キャロリンとの小粋な会話や、愛猫ラッフルズ、悪徳警官レイも健在。最高の話題作。
(集英社文庫 1188円)[amazon]

ジャック・ロンドン 『マーティン・イーデン』
〈エクス・リブリス・クラシックス〉
船乗りマーティンは裕福な中産階級の娘ルースに出会い、その美しさと知性に強く惹かれるとともに文学への関心に目覚める。マーティンは作家を志し、海上での体験や冒険物語を書いて新聞や雑誌に投稿するが……。『野性の呼び声』 で世界的名声を得たジャック・ロンドンが自らの体験をもとに、労働者階級に生まれ独学で自己向上を目指す若者の苦闘を圧倒的な熱量で描いた名作。
(白水社 3888円)[amazon]

筒井康隆/日下三蔵=編 『筒井康隆、自作を語る』
日本SF黎明期におけるデビューから 「浸透と拡散の時代」 とエンタメ黄金期、日本文学界の大家となって 「最後の長篇」 執筆に至るまでのキャリアを作家自身が語る。〈SFマガジン〉 連載のインタビューに自作解題再録と著作リストを追加したファン必携の一冊。
(早川書房 1296円)[amazon]

カート・ヴォネガット 『カート・ヴォネガット全短篇 1 バターより銃
『タイタンの妖女』 『猫のゆりかご』 など傑作を遺したSF作家カート・ヴォネガット。彼がものした切なくも優しい全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する。第1巻には表題作ほか 「戦争」 「女」 テーマの全25篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
(早川書房 2916円)[amazon]

アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ 『兄弟の血 熊と踊れⅡ 上・下
目的は警察への復讐――暴力で繋がれた〝家族〟の結末とは。ミステリ・ランキング第1位の北欧犯罪小説『熊と踊れ』、待望の続篇。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各929円)[amazon]

A・J・フィン 『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ 上・下
広場恐怖症のアナは一軒家で籠もりきりの生活をしている。酒と薬に溺れ、隣近所を覗き見続ける彼女はある日、ラッセル家の妻が何者かに刺されるのを目撃。だが警察は病を抱えるアナの証言を真に受けない。事件は本当に起こったのか? 超一級心理サスペンス。
(早川書房 各1728円)[amazon]

フランコ・モレッティ 『ブルジョワ 歴史と文学のあいだ
ロビンソン・クルーソーの孤島での労働、フェルメール絵画の時空間、ゲーテにおける複式簿記、オースティンの自由間接話法、ヴィクトリア時代の形容詞の用法、ドストエフスキー 『罪と罰』 における金銭――18世紀と19世紀の小説、詩、絵画から引き出した 「ブルジョワ」 の主題を、大胆に、かつ精密に分析する。新時代の文学研究と歴史研究の理想型。
(みすず書房 5184円)[amazon]

ジャナ・デリオン 『ミスコン女王が殺された』
人骨騒ぎにケリをつけ、静かに暮らそうとした秘密工作員フォーチュンだが、町に戻ってきたミスコン女王パンジーに敵視され、町民の前で大衝突してしまう。その翌日パンジーが殺され、フォーチュンは容疑者に……。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

アン・レッキー 『動乱星系』
ラドチ圏から遠く離れた小星系国家。有力政治家の娘イングレイは後継者争いで大逆転を狙い、政敵の子を流刑地から脱走させる。だが引き渡されたのはガラルと名乗る別人だった。進退窮まった彼女は、ガラルになりすましをさせるという賭けに出るが……。《叛逆航路》ユニバース、待望の新作。
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

イタロ・カルヴィーノ 『魔法の庭・空を見上げる部族 他十四篇
子供たちの海遊び、戦争ごっこや冒険、憎みきれない菓子泥棒、空を行き交うミサイルを見上げる原始部族――。まだカルヴィーノが作家としてよりは編集者として活躍していた時期の、ユーモラスで寓話的な初期短篇集。和田忠彦訳
(岩波文庫 778円)[amazon]

ハーマン・メルヴィル 『ビリー・バッド』
 重版
(岩波文庫)

マーガレット・アトウッド 『またの名をグレイス 上・下
19世紀カナダで起き、世界的話題となった殺人事件を素材に、当時の風俗・価値観を織り込みながら、ミステリー仕立てに人間存在の根源を問いかける。巧みな心理描写で読む者を惹きつけるアトウッドの傑作。
(岩波現代文庫 各1253円)[amazon]

L・J・ホーカー 『黒い羊』
地元ラジオ局のDJとして脚光を浴びてから、ネッサの悪夢は始まった。夫は人が変わり、何者かがSNSで彼女の名を騙って差別発言を繰り返し、仕事も家庭も次第に崩壊していく。そんななかブログに投稿された謎めいたコメント。そこにはネッサが捨てた本当の名前が匂わされていた……。怒涛のサイコ・スリラー。
(ハーパーBOOKS 1050円)[amazon]

温又柔 『台湾生まれ 日本語育ち』
三つの言語の狭間で育った東京在住の台湾人作家が、自らのルーツを探った感動の軌跡。日本エッセイスト・クラブ賞受賞作の増補新版。
(白水Uブックス 1512円) [amazon]

クリストファー・デ・ハーメル 『世界で最も美しい12の写本』
有名な12の写本を第一人者が美麗かつ豊富な図版とともに解説。その来歴や纏わる謎などをスリリングに解き明かす。
(青土社 7452円)[amazon]

前田勉 『江戸の読書会 会読の思想史
近世、全国の私塾、藩校で広がった読書会=会読、その対等で自由なディベイトの経験と精神が、明治維新を準備した。思想史の傑作。
(平凡社ライブラリー 1728円)[amazon]

『世界推理短編傑作集2』 江戸川乱歩編

珠玉の推理短編を年代順に集成した 『世界短編傑作集』 を完全リニューアル。第2巻にはチェスタトン 「奇妙な足跡」、ルブラン 「赤い絹の肩かけ」、フリーマン 「オスカー・ブロズキー事件」、クロフツ 「急行列車内の謎」 など9編を収録。探偵ダゴベルト登場のグロラー 「奇妙な跡」 はドイツ語からの新訳。
(創元推理文庫 1037円)[amazon]


ポール・アルテ 『あやかしの裏通り』

ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう 「あやかしの裏通り」 があるという。 そこでは時空が歪み、迷い込んだ者は過去や未来の幻影を目の当たりにし、時にそのまま裏通りに呑み込まれ、行方知らずとなる――単なる噂話ではない。その晩、オーウェン・バーンズのもとに駆け込んできた旧友の外交官ラルフは、まさにたった今、自分は 「あやかしの裏通り」から逃げ帰ってきた、 しかもそこで 「奇妙な殺人」 を目撃したと言うのだった……。謎が謎を呼ぶ怪事件に、名探偵オーウェンが挑む。平岡敦訳
行舟文化 1620円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの冒瀆』
五十年間、家から一歩も出なかった老婆はいかにして毒殺された? 動物園園長が残した死に際の伝言(ダイイング・メッセージ)の意味は? 他にもシリーズ中の白眉「曲がった犯罪」、レゲエ・バンドの見立て殺人「パンキー・レゲエ殺人」を収録。名探偵が実在するパラレル英国を舞台に、パンク刑事キッド・ピストルズの推理が冴える第一短編集が改訂新版で登場。
(光文社文庫 972円)[amazon]

結城昌治 『通り魔』
東京の千川上水沿いで連続する“通り魔”事件。いずれも若く太った女性が臀部を切りつけられ、被害者は数を増すばかり。だが、警察の捜査は捗らず、ついには婦警を囮に犯人を誘き寄せたが……。法の抜け穴をついた巧みな構成が光る表題作を始め、著者の記念すべきデビュー作「寒中水泳」、国際情勢を加味したスパイ小説「風の報酬」など、名手の腕が冴える傑作集。山前譲編
(光文社文庫 799円)[amazon]

黒沢清 『映画はおそろしい 新装版
すべての映画はつまり、ホラー映画なのだ。ホラー映画をこよなく愛し、前人未踏のホラーを撮り上げた現代最高の映画作家が語る、映画のこわさ、映画のふしぎ。「ホラー映画とは何か」にはじまり、ホラー映画ベスト50、生涯映画ベスト10、敬愛する監督たちに捧げるエッセイから映画祭滞在記まで。全作品録を大幅増補し、待望の復刊。
(青土社 2592円)[amazon]

イー・フー・トゥアン 『個人空間の誕生 食卓・家屋・劇場・世界
広間での雑居から個室住まいへ。回し食いから個々人用食器の成立へ。多様なかたちで起った「空間の分節化」を通覧し、近代人の意識の発生をみる。
(ちくま学芸文庫 1404円)[amazon]

ヴィリエ・ド・リラダン 『未来のイヴ』
恋人アリシアの軽薄さに幻滅していたエウォルド卿に手をさしのべたのは、アメリカの発明家エジソンだった。エジソンは、アリシアを模した美貌に知的さを備えた機械人間ハダリーを生み出すが……。アンドロイド小説の始祖、待望の新訳。高野優訳
(光文社古典新訳文庫 1944円)[amazon]

フョードル・ドストエフスキー 『白痴 4』
「世界一美しい恋愛小説」も、いよいよ大詰めを迎える。主人公たち四人の錯綜する関係と、ある「予言」がみちびく恐るべき可能性……。美女二人の最終対決の行方は? そして地上のキリスト、ムイシキン公爵に降りかかる驚愕の運命とは!? 亀山郁夫訳
(光文社古典新訳文庫 1123円)[amazon]

鴨長明 『方丈記』
仏教的無常観を表現した随筆であり、日本中世の名文とされる『方丈記』。その息遣いを瑞々しい訳文で再現、挫折し葛藤と逡巡を繰り返す鴨長明の意外な一面も浮かびあがる。『新古今和歌集』 所収の和歌十首と訳者のオリジナルエッセイ付き。蜂飼耳訳
(光文社古典新訳文庫 691円)[amazon]

ヴァレンタイン・ウィリアムズ 『月光殺人事件』
〈論創海外ミステリ〉
アメリカにある湖畔のキャンプ場で展開する七人の男女の恋愛模様。そんな状況のなかで一人が自殺に見せかけて何者かに殺害される。スコットランドヤードの部長刑事ディーンは、非公式ながら事件の捜査に介入していき……。
(論創社 2592円)[amazon]

オスカル・パニッツァ 『犯罪精神病』
『性愛公会議』 により風俗壊乱罪で故国を追われ皮肉にも精神病院で逝ったパニッツァの本業=19世紀精神病学?たる奇書。種村季弘・多賀健太郎訳
(平凡社 3888円)[amazon]

フィリップ・ウィルキンソン 『まぼろしの奇想建築 天才が夢みた不可能な挑戦 ナショナル ジオグラフィック編
本書で紹介する聖堂、宮殿、監獄、モニュメント、ビル、都市は、どれも実際には存在しなかったものだ。建築家や芸術家、思想家たちが夢みた理想であり、情熱のあふれる妄想である。ダ・ヴィンチの階層構造都市、勝利の凱旋ゾウ、アイザック・ニュートン記念堂、パノプティコン、ピラミッド型墓地、アクロポリスの丘の宮殿、テムズ川の3階建て堤防、万国博覧会の音楽堂、ル・コルビュジエの「輝く都市」、東京計画1960、他。
(日経ナショナルジオグラフィックス社 2916円)[amazon]

『川野京輔探偵小説選Ⅰ』
〈論創ミステリ叢書〉
単行本未収録のデビュー作 「復讐」 をはじめ、風俗雑誌や読物雑誌に発表された初期短編を集成。芸能局勤務時代に書かれた連作 「難波京介の事件簿」 と 「血のマリー」 の全話も収録。目次
(論創社 4104円)[amazon]

陸秋槎 『元年春之祭』
二千年以上前の前漢時代の中国。山中の名家を訪ねてきた少女は、かつてこの地で奇妙な殺人事件が起きたことを聞き、その推理を試みる。そこに新たな事件が! 不可能状況の殺人、二度にわたる「読者への挑戦」。気鋭の中国人作家による本格推理小説の新たな傑作。
(ハヤカワ・ミステリ 1620円)[amazon]

レイモンド・チャンドラー 『プレイバック』
午前六時半。一本の電話が私立探偵フィリップ・マーロウを眠りから覚まさせる。それは、列車で到着するはずの若い女を尾行せよとの依頼だった。依頼主の高圧的な態度に苛立ちながらも、マーロウは駅まで出向く。女はすぐに姿を現すが、彼女には不審な男がぴったりとまとわりつき―― 村上春樹訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 886円)[amazon]

カール・バーンスタイン&ボブ・ウッドワード 『大統領の陰謀 新版
ニクソン大統領の企みを二人の若き記者が追う。粘り強い報道でピュリッツァー賞を受賞、映画化もされたジャーナリズムの金字塔復活。
(ハヤカワ文庫NF 1296円)[amazon]

ニコラス・ペトリ 『帰郷戦線 爆走』
帰還後に自殺した元部下。戦闘後遺症に悩むアッシュは事件の真相を追う。帰る場所を失った兵士の活躍を描くハード・サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1284円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ 5』
大公の徴税人を襲う盗賊団を追って、森林地 帯を彷徨するクォート一行はついに盗賊団を 発見! 嵐の中、その野営地を襲撃するが!?
(ハヤカワ文庫FT 1036円)[amazon]

リンダ・ナガタ 『接続戦闘分隊 暗闇のパトロール』
何者かによって戦闘時の行動を全米に中継され、一躍アメリカのヒーローとなった米国陸軍中尉の驚くべき活躍を描く傑作戦争SF。
(ハヤカワ文庫SF 1274円)[amazon]

山本聡美 『闇の日本美術』
思わず目を背けたくなる死、鬼、地獄、怪異、病、など闇が描かれた中世日本絵画の数々。その背景にある思想を数十点の図版とともに解説する。
(ちくま新書 950円)[amazon]

小栗虫太郎 『紅殻駱駝の秘密』
長篇推理第一作。舞台は首都圏で展開、紅駱駝氏とは何者か。あの 『黒死館殺人事件』 の原型とも言える傑作の初文庫化、驚愕のラスト!
(河出文庫 864円)[amazon]

セルバンテス全集 第5巻 『戯曲集』
当時の文壇で評価されることはなかったが、セルバンテスの芸術哲学が凝縮された、現存する彼の全戯曲、18編を収録。血に彩られた戦場を舞台とする重厚な悲劇、主従、貴賤、異装の男女が入り混じり予想外の展開を見せる恋のコメディア、抱腹絶倒の幕間劇。
(水声社 15,120円)[honto]

フアン=エウヘニオ・ハルツェンブッシュ 『テルエルの恋人たち』
〈ロス・クラシコス〉
レコンキスタ華やかなりし頃、スペイン東部の町テルエルで生まれた悲恋の物語と、16世紀に同じ町の教会で発見された男女二人のミイラ。ふたつが結びついて生まれた、スペイン・ロマン主義演劇の代表作。
(現代企画室 3024円)[amazon]

ジョン・ヴァードン 『数字を一つ思い浮かべろ』
頭に思い浮かべた数字を当ててしまう手紙の謎。一面の雪景色の中で消える殺人者の足跡……謎解きと警察小説を融合させた野心作。
(文春文庫 1264円)[amazon]

山本貴光 『投壜通信』
本とともに暮らす好学の徒が案内する、めくるめく本の世界。ドリトル先生や数学など多岐なテーマから広がるブックガイド、10年の時を経て堂々完成の思想誌クロニクル、一味違う稲垣足穂論に珍しく自身を綴ったエッセイ、書き下ろし(少なからず)まで。
(本の雑誌社 2484円)[amazon]

菅原真弓 『月岡芳年伝 幕末明治のはざまに
「最後の浮世絵師」 とも称される月岡芳年 (1839-1892) は、幕末から明治期という未曾有の大転換期に、絵師としてどのように向き合ったのか。残された資料や作品の精緻な博捜に基づき、客観的かつ立体的に芳年の生涯と画業を描き出す、芳年論の決定版。
(中央公論美術出版 3888円)[amazon]

森下雨村 『冒険小説 宝島探険』
《新青年》編集長にして探偵作家・森下雨村が十代で著した冒険小説。
盛林堂ミステリアス文庫 2500円)

ジュノ・ディアス/レオ・エスピノサ(絵) 『わたしの島をさがして』
移民の子ロラはある日宿題で、生まれた国の絵をかくことに。生まれた 「島」 のことをおぼえていないロラは、家族や近所の人に聞いてみることにします。毛布みたいに大きなコウモリ、とまらない賑やかな音楽、色彩にあふれる人や家、詩にうたわれるような浜辺――そして、「怪物」 についても。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』 の作家による絵本。
(汐文社 1944円)[amazon]


▼8月刊

ポール・ヴァッカ 『鐘の音が響くカフェで』
作家である「僕」が、母と過ごした幸せに満ちた少年時代を回顧した物語。プルースト『失われた時を求めて』の巧みなオマージュ。
(春風社 2700円)[amazon]

『ヴィクトリア朝怪異譚』 三馬志伸編訳
イタリアで客死した叔父の亡骸を捜す青年、予知能力と読心能力を持つ男の生涯、先々代の当主の亡霊に死を予告された男、養女への遺言状を隠したまま落命した老貴婦人の苦悩。19世紀英国の中篇幽霊物語4篇を収録。ウィルキー・コリンズ 「狂気のマンクトン」、ジョージ・エリオット 「剝がれたベール」、メアリ・エリザベス・ブラッドン 「クライトン・アビー」、マーガレット・オリファント 「老貴婦人」。
(作品社 3024円)[amazon]

ルーシャス・シェパード 『竜のグリオールに絵を描いた男』
あまりにも巨大な竜グリオール、彼の上には川が流れ村があり、その体内では四季が巡る。“舞台"は動かぬ巨竜。唯一無二のシリーズ短篇集が遂に日本初刊行。初邦訳1篇、初収録2篇を含む全4篇を収録。
(竹書房文庫 1080円)[amazon]

ピエール・ルメートル 『監禁面接』
リストラで職を追われたアラン、失業4年目。再就職のエントリーをくりかえすも年齢がネックとなり、バイトで糊口をしのいでいた彼に朗報が届いた。一流企業の最終試験に残ったのだ。だが最終試験の内容は異様なものだった。〈就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ〉 知的たくらみとブラック・ユーモア満載、ノンストップ再就職サスペンス。
(文藝春秋 2160円)[amazon]

エリザベス・ウェイン 『ローズ・アンダーファイア』
1944年9月。英国補助航空部隊の女性飛行士ローズはナチスに捕まり、強制収容所に送られる。飢えや寒さに苦しみながら過酷な労働に従事するローズが、収容所で出会った仲間と生き延び、地獄を脱出するための意外な方策とは――。先の見えない展開と結末、少女たちの友情と闘いを描く、『コードネーム・ヴェリティ』 を超える傑作。
(創元推理文庫 1469円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.14 怪物聚合〜モンスターコレクション
人間はなぜ古くから、怪物なるものに心惹かれるのか。 キム・ニューマン、アルジャーノン・ブラックウッド、スティーヴ・ラスニック・テム など翻訳7編、日本作家は朝松健、伊東麻紀。南山宏インタビュー、菊地秀行インタビューなど。
(アトリエサード 1836円)[amazon]

坂口安吾 『不連続殺人事件』
探偵小説を愛し、仲間と犯人当てゲームに興じた坂口安吾初の本格探偵小説にして、日本ミステリ史に輝く名作。その独創的なトリックは江戸川乱歩をも驚嘆せしめた。山奥の洋館で起こる殺人事件。乱倫と狂態の中に残された 「心理の足跡」 を見抜き、あなたは犯人を推理できるか? 自らの原稿料を賭けた 「読者への挑戦状」 を網羅。短篇 「アンゴウ」 併録。
(新潮文庫 562円)[amazon]

ジェフリー・アーチャー 『嘘ばっかり』
町長殺害事件を捜査する刑事の前に現れたのは、犯行を自白する51人もの町民だった……「だれが町長を殺したか?」。早期退職を強いられた銀行員が資産家の顧客の秘密に気づき、人生大逆転の賭けに出る 「上級副支店長」。奇抜すぎる発想と意外すぎる展開で人生の不思議を縦横に描き出す傑作集。
(新潮文庫 853円)[amazon]

イアン・マグワイア 『北氷洋 The North Water
19世紀半ば、英国。北極海を目指し捕鯨船ヴォランティア号が出港した。乗組員は、アヘン中毒の船医サムナー、かつて航海で大勢の船員を犠牲にした船長ブラウンリ ー、そして凶暴な銛打ちのドラックスら曲者揃い。やがて船内で猟奇殺人が起きるが、それは過酷な運命の序章に過ぎなかった。人間の本性と自然の脅威を描き尽くすサバイバル・サスペンス。
(新潮文庫 853円)[amazon]

ジェイムズ・グリック 『タイムトラベル 「時間」の歴史を物語る
「時間とは何か」。有史以来人類を悩ませてきたこの問題を、想像上の概念である「タイムトラベル」から読み解くサイエンスノンフィクション。数々の《時間旅行》物語―H・G・ウェルズの『タイムマシン』、ボルヘス『八岐の園』、プルースト『失われた時を求めて』、ウディ・アレン『ミッドナイト・イン・パリ』、『浦島太郎』、村上春樹『1Q84』―、そして科学者たち―ニュートン、アインシュタイン、ファインマン、ホーキング―の著作や言葉を総動員し、時間の本質に迫る。
(柏書房 2916円)[amazon]

ソル・ケー・モオ 『穢れなき太陽』
メキシコの先住民社会を取り巻く抑圧的な規範のなかで生きる落伍者や弱者たち。彼らに差す一筋の光を丹念に描きながら、伝統的なモラルそのものを批判した、「先住民文学」の新しい地平を切り開く、民族誌的ファンタジー。
(水声社 2376円)[honto]

大沼知之 『新装復刻版 変体英文字図案集』
60年代、デザインの黎明期代に考案された楽しく美しい英字の世界。コンピュータのない時代、文字への愛があふれ出る。『変体英文字図案集』(佳生書房、1962)を完全収録し再構成。
(青幻舎ビジュアル文庫 1620円)[amazon]

ヴィクトル・ペレーヴィン 『iphuck10』
近未来、謎の女にレンタルされたアルゴリズムの運命は? 壮大な奇想と哲学が渦巻く暗黒のヴィジョンを開くベールイ賞受賞の最高傑作。
(河出書房新社 4644円)[amazon]

トニー・アイカー 『死に山 世界一不気味な遭難事故 《ディアトロフ峠事件》 の真相
1952年2月、ウラル山脈でトレッキング中の男女9人が不可解な死を遂げた遭難事故。犠牲者は上着や靴を脱ぎ、3人は骨が砕け1人は舌を喪失、放射線検出。隕石かソ連か宇宙人か? 米国人ジャーナリストがその真相に挑む。
(河出書房新社 価2538円)[amazon]

『100分de名著/ウンベルト・エーコ 『薔薇の名前』』 和田忠彦
14世紀、北イタリアの修道院で連続殺人事件が起こる。これは 「ヨハネの黙示録」 に示された世界の終末の光景なのか──。世界30か国以上で翻訳され、映画化された 『薔薇の名前』。世界的記号学者ウンベルト・エーコはなぜこの 「小説」 を書いたのか? 20世紀を代表する知性がつくり出した 「知の迷宮」 の謎に迫る。(NHK・Eテレ 9月放送テキスト)
(NHK出版 566円)[amazon]

ニール・スティーヴンスン 『七人のイヴ Ⅲ』
大災害から五千年が経過した。人類は「七人のイヴ」子孫の七種族が環境に適応した独自の発展を遂げ、地球を囲む「輪」に暮している。そして、地球をふたたび生き物の世界にする計画が進んでいたが、思いもよらぬ発見から二陣営に分かれて紛争が起こることに!?
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2160円)[amazon]

《SFマガジン》10月号
特集=配信コンテンツの現在
(早川書房 1296円)[amazon]

アン・スウェイト 『グッバイ・クリストファー・ロビン 『クマのプーさん』の知られざる真実
名作 『クマのプーさん』 誕生の背景には、ある家族の喜びと葛藤の日々があった。A・A・ミルンに不滅の名声をもたらしたのは4冊の子ども向けの詩集と読み物だった。しかし、物語の予想以上の成功は家族の平和な日々を破壊し、モデルとなった息子クリストファーを深い苦悩に追い込んだ。人間の幸福の真実を映し出す名著。映画化
(国書刊行会 2916円)[amazon]

山田登世子 『モードの誘惑』
文学はもちろん、文化、芸術、衣装、風俗といったテーマに鮮やかに切り込んできた著者の 「モード」 「ブランド」 に関わる論考を精選。モードを人間の心性の表れとして捉え、歴史理解にフィードバックする、著者ならではの視点が発揮された名文集。
(藤原書店 3024円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『サノクス令夫人 コナン・ドイル・ストーリーズ2
〈シリーズ世界の文豪〉
コナン・ドイルが晩年に自ら編んだ短編集 『コナン・ ドイル・ストーリーズ』 より、恐怖を題材にした6短編を収録。
(柏艪舎 1620円)[amazon]

松閣オルタ 『オカルト・クロニクル』
膨大な資料の読み解きと独特の文体で異彩を放つ、オカルト研究サイト「オカルト・クロニクル」がついに書籍化。奇妙な事件、奇妙な出来事、奇妙な人物――洋の東西を問わず不可解な謎に迫る、「超濃厚オカルト研究読本」。
(洋泉社 1944円)[amazon]

ローレンス・M・プリンチーペ 『錬金術の秘密 再現実験と歴史学から解きあかされる 「高貴なる技」
錬金術はどういう歴史をたどってきたのか? 実験室では何が行われていたのか? 理論と実践の両面から解きあかす錬金術の本当の姿。ヒロ・ヒライ訳
(勁草書房 4860円)[amazon]

蘭郁二郎 『地底大陸』
地の底に先進の文明国があった。その秘密を盗もうとする異国の美女との抗争に巻き込まれる。果たして……。蘭郁二郎の代表SF復刊。
(河出書房新社 1782円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『新訳 お気に召すまま』
舞台はフランス。宮廷から追放され、男装して森に逃げる公爵の娘・ロザリンド。互いに一目惚れした青年オーランドーと森で再会するも、目下男装中。正体を明かさないまま、二人の恋の駆け引きが始まる。河合祥一郎訳
(角川文庫 691円)[amazon]

スティーヴ・オルテン 『MEG ザ・モンスター』
古生物学者であるテイラーは氷河期に絶滅したはずの巨大ザメがいまだ棲息している可能性を発表して周囲の失笑をかった。だが、ある人物の依頼で深海に潜った彼は、そこで最凶の生き物を目にする。
(角川文庫 994円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 文明の奧と底』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。第一章 文明と民族のあいだ/第二章 聖書・アーリア主義・黄禍論/第三章 東風的文明/第四章 鏡の中の文明像
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

ミランダ・ジュライ 『最初の悪い男』
わたしの愛するベイビー、いつになったらまたあなたをこの腕に抱けるの? どこまでも奇妙で切実な愛に導かれた奇跡。待望の初長篇。岸本佐知子訳。
(新潮クレスト・ブックス 2376円)[amazon]

トム・ハンクス 『変わったタイプ』
世界的名優は、短篇小説のおそるべき名手でもあった! 人生のひとコマを鮮やかに切り取る、優しさとユーモアにあふれた17の物語。
(新潮クレスト・ブックス 2592円)[amazon]

マリアーナ・エンリケス 『わたしたちが火の中で失くしたもの』
人間の無意識を見事にえぐり出す悪夢のような12の短篇集。世界20カ国以上で翻訳されている 「ホラーのプリンセス」 本邦初訳。安藤哲行訳
(河出書房新社 2862円)[amazon]

『マジック・ランタン 光と影の映像史 東京都写真美術館編
17世紀に発明された投影装置マジック・ランタンは、視覚的に情報を伝えるメディアであり、多様なイメージで人々を魅了するエンターテインメントでもあった。日本では写し絵や錦影絵、あるいは幻燈としても知られる、「映画以前」 の初期映像文化の貴重な図像や投影装置を紹介し、マジック・ランタンの現代性を照らし出す。「マジック・ランタン 光と影の映像史」展
(青弓社 2592円)[amazon]

ウィラ・キャザー 『大司教に死来る』
〈須賀敦子の本棚〉
須賀敦子訳。須賀の卒業論文。厳しくも美しい自然を背景に、先住民の文化に初めて接し触発されながら布教の旅をつづける修道士たちを描く。
(河出書房新社 2376円)[amazon]

エドワード・ブルワー=リットン 『来るべき種族』
地球内部に住む地底人の先進的な文明社会ヴリル=ヤとの接触をつぶさに描いた19世紀後半の古典的小説。卓越した道徳と科学力、超エネルギー 「ヴリル」 と自動人形の活用により、格差と差別だけでなく、労働や戦争からも解放された未知の種族をめぐるこの異世界譚は、後世の作家やオカルティストたちに影響を与え続けている。神秘思想、心霊主義、ユートピア思想、SFなどの系譜に本作を位置づける訳者解説を付す。
(月曜社 2592円)[amazon]

ヘレン・マクロイ 『悪意の夜』
夫を事故で喪ったアリスは、亡夫の書斎でミス・ラッシュという知らない女性の名が書かれた封筒を見つける。そこへ息子のマルコムが、美女を伴い帰宅した。美女の名前はラッシュ……女性が去ったのち、封筒も消えていた。アリスの疑惑と緊張が深まるなか、ついに殺人が……。ウィリング博士もの最後の未訳長編。駒月雅子訳
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

エドワード・ゴーリー 『失敬な召喚』
悪魔に召喚されたのは、いったい誰なのか? ナンセンスで不気味なゴーリー・ワールド全開の大傑作。柴田元幸訳
(河出書房新社 1296円)[amazon]

デヴィッド・I・カーツァー 『エドガルド・モルターラ誘拐事件』
1858年6月、ボローニャのユダヤ人家庭から、教皇の指示により6歳の少年が連れ去られた。この事件は数奇な展開をたどり、国家統一運動が進む近代イタリアでヴァチカンの権威失墜を招いた。知られざる歴史上の事件を丹念な調査で描いた傑作歴史ノンフィクション。
(早川書房 3240円)[amazon]

ポール・アルテ 『第四の扉』
幽霊屋敷で行われた交霊実験。だがその最中に密室殺人が発生し……。名探偵があまりにも意外な真相を暴く、フランス本格ミステリの名作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 907円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『いたずらの問題』
22世紀、アメリカは小型ロボットが監視する管理社会と化していた。青年社長アレンは衝動に駆られて 「いたずら」 に及んでしまう!? 大森望訳
(ハヤカワ文庫SF 1274円)[amazon]

コーマック・マッカーシー 『ブラッド・メリディアン』
アメリカ開拓時代、少年はインディアン討伐隊に加わるが――。暴力と野蛮と堕落に支配された荒野を描いた、米文学の巨匠の傑作。
(ハヤカワepi文庫 1296円)[amazon]

マーク・グリーニー 『暗殺者の潜入 上・下
シリアの反政府勢力からグレイマンが依頼された仕事。それは、独裁政権打倒の重要な鍵となる大統領の息子を拉致することだった。
(ハヤカワ文庫NV 各929円)[amazon]

デレク・B・ミラー 『砂漠の空から冷凍チキン』
22年前に目の前で射殺された少女とよく似た娘を救うため、アフガンに飛んだ元アメリカ兵とイギリス人記者。黒装束の男たちに捕らわれた彼らを助けたのは……!? スリル満点の物語。
(集英社文庫 1080円)[amazon]

青木正美 『文藝春秋作家原稿流出始末記』
下町の古本屋・青木書店の店主青木正美が文藝春秋から流出した自筆原稿の売買の顛末を綴る 「文藝春秋作家原稿流出始末記」 のほか、戦後の古本価格等の移り変わりを記録した 「古書流行史」、窪川鶴次郎、佐多稲子、中野重治の三人の関係を考察する 「『鶴次郎・稲子・中野重治』 考」 を収録。
(本の雑誌社 1620円)[amazon]

『西條八十集 人食いバラ 他三篇
〈少年少女奇想ミステリ王国1〉
「少女小説の大家」 でもあった西條八十の 『青衣の怪人』 『魔境の二少女』 『人食いバラ』 『すみれの怪人』 を収録。芦辺拓編
(戎光祥出版 3240円)[amazon]

ジャン=クリストフ・グランジェ 『通過者』
濃霧の夜のボルドーで、完全な記憶喪失の男が保護され、同時に牡牛の頭部を被せられた全裸死体が発見される。自分が殺人犯なのかと疑う精神科医の男と、彼は無実と信じる女警部の二人が、同じ謎を追いかけてそれぞれに暴走する。フランス全土をまたぐ二人の逃走と追跡は、ついに嵐の港で真実とぶつかり合う。
(TAC出版 3024円)[amazon]

アンナ・ゼーガース 『第七の十字架
ナチの強制収容所から脱走四日目。包囲網が狭まるなか自動車工ゲオルクは思案する。狂気と暴力、怯えと密告が広がる社会で、いったい誰が信頼できるのか。人間の弱さと希望を描き切る作品。
(岩波文庫 1156円)[amazon]

ロバート・フロスト 『対訳 フロスト詩集 アメリカ詩人選
日常の言葉でニューイングランドの農村や自然、人生を語り、20世紀アメリカの「国民詩人」として愛されるロバート・フロスト。素朴で大らかな描写の下に不気味な暗さをたたえるその詩から36篇を精選。原文とともに味わう。川本皓嗣編
(岩波文庫 842円)[amazon]

塚原渋柿園 『幕末の江戸風俗』

塚原渋柿園(1848-1917)は、江戸から明治への転換期を生きた文学者。喪われた江戸を伝える多くの随想、講演を残した語り部であった。幕末の武士、庶民の生活、風俗習慣、時代の変動描いた本人の体験に基づく証言は、歴史的価値があり、何より江戸を知るための興趣尽きない読み物として楽しめる。18篇を選び、初めての随想集をまとめる。
(岩波文庫 1026円)[amazon]

岩波文庫 復刊
『対訳 コウルリッジ詩集』
『美しい夏』 パヴェーゼ

ウンベルト・エーコ 『永遠のファシズム』

現代イタリアの代表的知識人がネオナチの台頭、難民問題などアクチュアルな問題を取り上げつつファジーなファシズムの危険性を説く。知識人の責任やメディアの役割なども鋭く問い詰めた、まさにいま読まれるべき思想的問題提起の書。
(岩波現代文庫 1015円)[amazon]

フランツ・カフカ 『カフカ ショートセレクション 雑種』
「変身」 や 「審判」 など不条理の文学で知られる作家、カフカの、絶望をものみこむ、突き抜けた短編を15編厳選。没後友人によって改変された作品も多いなか、手稿に忠実に、熱量、衝動の大きさそのままに、新訳でお届けする。酒寄新一訳。YA
(理論社 1404円)[amazon]

吉田朋正 『エピソディカルな構造 〈小説〉的マニエリスムとヒューモアの概念
マニエリスムとヒューモアの概念を駆使し、〈小説〉を近代的表象として再定義しようと試みた表題作。リスボン大震災を軸に17-18世紀の科学史的パラダイム・シフトを読み解く 「倒壊する言語」。"失われた世代" の批評家、ケネス・バーク、マルカム・カウリー、エドマンド・ウィルソンを取り上げた講演録 「モダンの二重螺旋〔より糸〕」 など、18世紀以降のモダンな批評的言説を、鮮やかな概念地図と共に描いた一冊。内容
(彩流社 3672円)[amazon]

『周作人読書雑記4』
新文化運動を唱導した著者は旧文化の教養も深い。第4巻は中国新文学、文学としての経書、詩文集、日記・書簡・家訓、その他の雑記。
(平凡社/東洋文庫 3456円)[amazon]

J・D・バーカー 『悪の猿』
シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿"。「見ざる、聞かざる、言わざる」 になぞらえ被害者の身体の部位を家族に送りつけてから殺す手口で、長年捜査を進める刑事ポーターも未だその尻尾を掴めずにいた。だが事態は急変する――四猿と思しき男が車に轢かれ死んだのだ……。スリラー界の新星登場。
(ハーパーBOOKS 1130円)[amazon]

王聡威 『ここにいる』
〈エクス・リブリス〉
夫や両親、友人との関係を次々に断っていく美君。幼い娘が残り……。日本の孤独死事件をモチーフに台湾文学界の異才が描く 「現代の肖像」。
(白水社 3024円)[amazon]

北川健次 『危うさの角度』

鋭い詩的感性と卓越した意匠性で独自の位置を占める多才な美術家、北川健次が、数年前から精力的に制作し、人気の高いオブジェを中心とした作品集。
(求龍堂 3996円)[amazon]

アダム・ミツキェーヴィチ 『コンラット・ヴァレンロット』
〈ポーランド文学古典叢書〉
19世紀初頭、三国分割下のポーランド、祖国回復を願った国民的大詩人の代表作。
(未知谷 価2700円)[amazon]

阿部徳蔵魔術小説集 『明暗屏風』
戦前天覧奇術も披露した奇術研究家・阿部徳蔵の魔術小説集第三弾。
黒死館附属幻稚園)(直販)/販売=盛林堂 1000円)

ミニヨン・G・エバーハート 『スーザン・デアの事件簿』
クイーンの定員88番「現代アメリカの女性の雑誌で育った典型的な―若くチャーミングでロマンティックであり、かなり感情的なー女性探偵の短篇小説の代表」平山雄一訳<
(ヒラヤマ探偵文庫 2500円) 販売=盛林堂


紅東一 『午前零時の男 他三編
昭和20~30年代に多くのミステリ雑誌で活躍した怪奇探偵小説作家・潮寒二の 「紅東一」 名義の作品集。日活アクション映画を思わせる内容の表題作を含む4編を収録。「深夜の対決」 「午前零時の男」 「無国籍者」 「地獄への階段」
盛林堂ミステリアス文庫 1200円)

古井戸秀夫 『評伝 鶴屋南北 上・下
江戸歌舞伎の発展と成熟に多大な業績を残した狂言作者の生涯と作品を、第一人者が半生を賭し、同時代の人間模様と共に描く渾身の大作。(上下巻・分売不可)
(白水社 27,000円)[amazon]

岩波文庫 一括重版
『ノディエ幻想短篇集』
『ゴプセック・毬打つ猫の店』 バルザック
『ロランの歌』
『至福千年』 石川淳

全31点

『憑依する英語圏テクスト 亡霊・血・まぼろし福田敬子・上野直子・松井優子編
テクストを成立させている「亡霊」について、分野や英語圏各地域を横断しつつ多角的に考察した論集。序文=富山太佳夫。目次
(音羽書房鶴見書店 3240円)[amazon]

黒川正剛 『魔女・怪物・天変地異 近代的精神はどこから生まれたか
ヨーロッパ中世末期、怪異現象が爆発的に増殖したのはなぜか。一方で魔女狩り、他方で驚異の部屋が作られる中、近代的思考はいかに誕生したかを探る。図版多数。
(筑摩選書 1728円)[amazon]

アイザック・アシモフ 『黒後家蜘蛛の会3 新版
〈黒後家蜘蛛の会〉のお楽しみ――それは知性あふれる6名の会員たちによる丁々発止の会話、毎回のゲストが提供する謎かけの数々、そしてその難問を見事に解決する給仕ヘンリーの名推理である。殿堂入りの連作短編集。第3巻にはアメリカ大統領にまつわるトリビアから火星や日蝕の様相まで、多岐にわたる分野に材を得た全12編を収録。
(創元推理文庫 994円)[amazon]

東雅夫編 『猫のまぼろし、猫のまどわし』
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」、江戸川乱歩 「猫町」、岡本綺堂 「猫騒動」、泉鏡花 「駒の話」、ペロー 「猫の親方 あるいは長靴をはいた猫」、レ・ファニュ 「白い猫」、ブラックウッド 「古い魔術」、ミットフォード 「ヴァンパイア・キャット」 等、猫のあやかしを通じて東西の怪奇幻想譚を読み較べる、猫づくしの短編集。
(創元推理文庫 994円)[amazon]

泡坂妻夫 『夜光亭の一夜 宝引の辰捕者帳ミステリ傑作選
幕末の江戸。神田千両町の岡っ引き、辰親分が不可思議な事件に遭遇、鮮やかに謎を解く。殺された男と同じ彫り物をもつ女捜しの意外な顛末 「鬼女の鱗」。謎の画家の吉祥画を専門に狙う怪盗・自来也の真意を探る 「自来也小町」。ミステリ界の魔術師の傑作13編を収録。末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

ミック・ジャクソン 『こうしてイギリスから熊がいなくなりました』
昔々、森を徘徊する悪魔と言われた 「熊精霊」。通夜で豪華な食事とともに故人の罪を食べる 「罪喰い熊」。服を着て綱渡りをさせられた 「サーカスの熊」。ロンドンの地下に閉じこめられ労役につかされた 「下水熊」……。皮肉とユーモアを交えて描かれる8つの奇妙な熊の物語。『10の奇妙な話』 の著者がイギリスで絶滅してしまった熊に捧げる大人のための寓話。
(東京創元社 1620円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.90
近藤史恵、ビストロ 〈パ・マル〉 シリーズ最新作。奥田亜希子、傑作読切り掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

鮎川哲也 『白の恐怖』
軽井沢の豪奢な別荘 「白樺荘」 に、莫大な遺産を相続することになった四人の男女が集まった。だが、生憎の悪天候で雪が降りしきり、別荘は外とは連絡が取れない孤立状態になっていた。そこで、一人、また一人と殺人鬼の毒牙にかかって相続人が死んでいく……。本格推理の巨匠が描いた密室殺人。発表から60年近い年月を経て、初めて文庫化される幻の長編。星影龍三シリーズ。
(光文社文庫 756円)[amazon]

フランク・グルーバー 『はらぺこ犬の秘密』
ジョニーとサムの凸凹コンビが遺産相続?! 突然転がり込んできたおいしい話に飛びつく二人、はたして大金を手中に出来るのか。懐かしのユーモア・ミステリ再び。
(論創海外ミステリ 予価2808円)[amazon]

イザベル・B・マイヤーズ 『疑惑の銃声』
旧家の離れに轟く銃声が連続殺人の幕開けだった。素人探偵ジャーニンガムを嘲笑う姿なき殺人者の恐怖。『殺人者はまだ来ない』 でクイーン 『ローマ帽子の謎』 と懸賞小説コンテストを競ったマイヤーズの第二長編 《Give Me Death》 (1934)。
(論創社 3024円)[amazon]

太田浩一編著対訳 フランス語で読む 「ルパンの告白」 CD付
神出鬼没にして変幻自在、義侠心と愛国心あふれる怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの冒険譚を、原文で読んでみましょう。心躍る朗読CDつき。「陽光のたわむれ」 冒頭部と 「赤い絹のストール」 全文を収録。原文と対訳、詳細な語注、読解のポイントや読物コラムも。
(白水社 2484円)[amazon]

アルジャーノン・ブラックウッド 『いにしえの魔術』
鼠を狙う猫のように、この町は旅人を見すえている……旅人を捕えて放さぬ町の神秘を描き、江戸川乱歩を魅了した 「いにしえの魔術」 をはじめ、英国幻想文学の巨匠が異界へ誘う、5つの物語。新訳と本邦初訳作でおくる精選集。夏来健次訳。【収録作品】 いにしえの魔術/秘法伝授 (初訳)/神の狼 (初訳)/獣の谷/エジプトの奥底へ (初訳)
(アトリエサード 2592円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の恐れ4』
大学を休学し、セヴェレンへと向かったクォ ートは、もちまえの機転を使ってアルヴェロ ン大公の宮廷に入りこむことに成功するが!?
(ハヤカワ文庫FT 1037円)[amazon]

ジョシュア・ダルゼル 『暗黒の艦隊3 探査船〈カール・セーガン〉
本拠惑星ヘイヴンを失いながらも、人類の存亡をかけ、名艦長ウルフは〈カール・セーガン〉の協力のもと、強大な異星種族に挑む。
(ハヤカワ文庫SF 1037円)[amazon]

ジョー・ヒル 『ファイアマン 上・下
全身に鱗状の模様が現れたのち発火現象を起こして焼死する、人類にとって未知の疾病が急速に広がり、世界の終わりが迫っていた。元学校看護師のハーパーは妊娠と同時に感染が発覚。錯乱した夫に殺されそうになったところをキャプテンアメリカの姿をした少女と消防士姿の謎の男 〈ファイアマン〉 に救われる……。ベストセラー作家によるエンタメ超大作。
(小学館文庫 各1080円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『真夜中の太陽』
夏の間は夜でも太陽が浮かぶ極北の地にやってきた 「ウルフ」 と名乗る男。狩猟を通じてサーミ族の人々と交流を深める彼には、ある秘めた過去が――。ノルウェー・ミステリの帝王が翻訳ミステリー大賞受賞作『その雪と血を』に続けて放つ、傑作ノワール第二弾。
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

ダニエル・デフォー 『ロビンソン・クルーソー』
船乗りになるべく家を飛び出したロビンソンは、船に乗るたびに嵐や海賊の襲撃に見舞われる始末。ようやく陸に腰を落ち着けたかと思いきや……。未開の無人島で28年間、試行錯誤を重ねて生き抜いた男の姿を描いた感動作。図版多数。唐戸信嘉訳
(光文社古典新訳文庫 1339円)[amazon]

トーマス・マン 『トニオ・クレーガー』
同級生の男子や、金髪の少女に思い焦がれながらも、愛の炎には身を捧げられず、精神と言葉の世界に歩みだしたトニオ。だが大人になり、小説家として成功してなお、彼の苦悩は燻っていて……。ノーベル賞作家の自伝的小説。浅井晶子訳
(光文社古典新訳文庫 821円)[amazon]

イサク・ディネセン 『アフリカの日々』
すみれ色の青空と澄みきった大気、遠くに揺らぐ花のようなキリンたち、鉄のごときバッファロー。北欧の高貴な魂によって綴られる、大地と動物と男と女の豊かな交歓。20世紀エッセイ=文学の金字塔。横山貞子訳
(河出文庫 1566円)[amazon]

カート・ヴォネガット 『人みな眠りて』
ヴォネガット、最後の短編集。冷蔵庫型の彼女と旅する天才科学者、消えた聖人像事件……没後に初公開された珠玉の短編16篇。大森望訳。
(河出文庫 994円)[amazon]

チョン・スチャン 『羞恥』
主人公たち三人は、北朝鮮から韓国に脱出してきた 「脱北者」。彼らには亡命の過程で家族を失うという共通点があった。全身を羞恥心に貫かれた韓国での生活。社会に渦巻く脱北者への疑いと警戒、不信。やがてオリンピックの選手村建設予定地で、朝鮮戦争にさかのぼる大量の人骨が出土した……。北朝鮮出身の両親をもつ作家が韓国社会の現実を描き、衝撃を放った小説。斎藤真理子訳
(みすず書房 3240円)[amazon]

日影丈吉 『真赤な子犬』
五ツ木守男は自殺のために毒入りステーキを用意した。いざ! その前にトイレ……戻ると、なんと食いしん坊の国務大臣がステーキを頬張っているではないか。慌てた守男は四階から転落死。現場に駆け付けた四道警部は、真赤な犬を見たという女中の証言が気になっていた――さらに雪山で扼殺死体まで見つかって……。
(徳間文庫 756円)[amazon]

ジム・トンプスン 『犯罪者』
容疑者は十五歳の少年。ありきたりの日常に潜む狂気、スキャンダラスな報道と捜査の行方は―― 《The Criminal》 (1953)
(文遊社 2700円)[amazon]


▼7月刊

小沼丹 『不思議なシマ氏』
女スリ、瓜二つの恋人、車上盗難、バイク事故……連鎖する謎を怪人物・シマ氏が華麗に解き明かす。著者最大の探偵小説である表題作ほか、時代小説、漂流譚にコントと、小沼文学の幅を示すいずれも入手困難な力作全五篇を初めて収めた娯楽中短篇集。小沼丹生誕百年記念刊行・第3弾。
(幻戯書房 4320円)[amazon]

東雅夫編 『影 文豪ノ怪談ジュニア・セレクション
梶井基次郎、北原白秋、稲垣足穂、澁澤龍彦……。文豪がのこした怪談を分かりやすく編集した読み物シリーズ第Ⅱ期刊行開始。総ルビ、丁寧な註釈つき。『影』 の巻では、分身、ドッペルゲンガーなど、心の「影」をテーマにした傑作を集成。
(汐文社 1944円)[amazon]

エドウィージ・ダンティカ 『デュー・ブレーカー』
夫は、わたしの身内を拷問した「デュー・ブレーカー」(拷問執行人)かもしれない。わたしが勘づいていることを、夫もまた知っているだろう。いつの日か娘が両親の秘密を知って、アメリカでやっと手にしたこのささやかな幸せが失せる時が来てしまうのだろうか……。カリブの濃密な夜空に輝く星座のように配置された九つの挿話が、ハイチの社会的記憶を浮き上がらせる。ダンティカ二作目の短篇集(2004年)。
(五月書房新社 2376円)[amazon]

エドウィージ・ダンティカ 『クリック? クラック!』
カリブ海を漂流する難民ボートの上で、死体が流れゆく 「虐殺の川」 の岸辺で、ニューヨークのハイチ人コミュニティで……、女たちがつむぐ十個の 「小さな物語」 が地下茎のようにつながり、ひとつの 「大きな物語」 を育んでいく。全米図書賞の最終候補となり、著者の評価を確立した短編小説集(1996年)。新装復刊
(五月書房新社 2160円)[amazon]

平山夢明 『恐怖の構造』
なぜ人間は、“人間の形をした人間ではないモノ"を恐れるのか。また、日本人が「幽霊」を恐れ、アメリカ人が「悪魔」を恐れるのはなぜか。稀代のホラー作家が、「エクソシスト」や「サイコ」など、ホラーの名作を例に取りながら、人間が恐怖や不安を抱き、それに引き込まれていく心理メカニズムについて徹底考察。精神科医の春日武彦氏との対談も特別収録。
(幻冬舎新書 842円)[amazon]

ジョゼ・ルイス・ペイショット 『ガルヴェイアスの犬』
空から巨大な物体が落ちてきて以来、村はすっかり変わってしまった。権威あるオセアノス賞を受賞。奇想天外なポルトガルの傑作長篇。
(新潮クレスト・ブックス 2052円)[amazon]

円城塔 『文字渦』
昔、文字は本当に生きていたのだと思わないかい? 秦の始皇帝の陵墓から発掘された三万の漢字。希少言語学者が遭遇した未知なる言語遊戯 「闘字」。膨大なプログラミング言語の海に光る文字列の島。フレキシブル・ディスプレイの絵巻に人工知能が源氏物語を自動筆記し続け、統合漢字の分離独立運動の果て、ルビが自由に語りだす。文字の起源から未来までを幻視する全12篇。
(新潮社 1944円)[amazon]

柴田元幸 『ケンブリッジ・サーカス』
米文学者にして翻訳家の著者が、少年時代の記憶や若き日の旅、大切な人との出会いを、エッセイ・紀行・自伝的短編小説で描き出す。ヒッチハイクで旅したイギリス、P・オースターと語り合ったニューヨーク、兄を訪ねたオレゴン。東京の六郷で過ごした少年期を回想しつつ、S・ダイベックと京浜工業地帯も訪れる。『ケンブリッジ・サーカス』 に新たに掌篇 9 作を加えた一冊。
(新潮文庫 562円)[amazon]

シュテファン・スルペツキ 『天国通り殺人事件』

私立探偵レミングの目の前で、男が突然頭を撃たれて死んだ。殺人の濡れ衣をきせられかねないと思った彼は、犯人の白手袋の男を探すことにする。ウィーン発の傑作ミステリ。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

カーター・ディクスン 『九人と死で十人だ』
第二次大戦初期、エドワーディック号は英国の某港へ軍需品を輸送すべくニューヨークを出港した。乗客は九人。航海二日目の晩、一人の女性が船室で喉を掻き切られた。肩胛骨に血染めの指紋、現場は海の上で容疑者は限られる。全員の指紋を採って調べたところが、なんと該当者なし。信じがたい展開に頭を抱えた船長は、ヘンリ・メリヴェール卿に事態収拾を依頼する。駒月雅子訳
(創元推理文庫 994円)[amazon]

ジョン・ウィンダム 『トリフィド時代 新訳版
地球が緑色の大流星群の中を通過し、翌朝、流星を見た者は一人残らず視力を失った。狂乱と混沌が全世界を覆った折も折、植物油採取のため栽培されていたトリフィドという三本足の動く植物が野放しになり人類を襲い始めた。英国SFの不滅の金字塔。中村融訳
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

ローラン・オベルトーヌ 『ゲリラ 国家崩壊への三日間
貧困層が多く暮らすパリ郊外の巨大団地で警官が住民との小競り合いの末、住民を射殺した。「警官による差別的な虐殺」との報道から市民は警察に抗議、移民は白人への復讐心から過激な暴力に走り、テロリストも加わり暴動やテロはフランス全土に広がる。、あり得るかもしれない、あっておかしくない三日間を描いた最悪の近未来小説。
(東京創元社 2700円)[amazon]

『幽霊画と冥界 あやかしの世界安村敏信監修
円山応挙などの有名絵師の幽霊画から東北地方の珍しい幽霊画まで。地獄絵、骸骨絵も掲載。ちょっとあの世を覗いてみませんか?
(平凡社 2592円)[amazon]

樋口大介 『カフカの前にユダヤ預言者現れず』
「田舎医者」と訳されていたカフカの短編を独自の視点で訳し直し、詳細に分析することで、作品に刻まれた時代の刻印を明らかにし、重層的作品世界と新たなるカフカ像を提示した画期的論攷。
(河出書房新社 2160円)[amazon]

高原英理編 『ガール・イン・ザ・ダーク 少女のためのゴシック文学館
古今東西の文学作品の中から、小説、詩、日記などジャンルを超えて 「ゴシックと少女」 をモチーフに編む傑作アンソロジー。可憐にして野蛮、耽美で残酷。少女の自由で不穏な欲望が鈍麻した社会を鮮やかに切り裂く、美しくも危険な文学世界へようこそ。
(講談社 2700円)[amazon]

《ミステリマガジン》 9月号
《特集:ミステリ考最前線》 《小特集:幻想と怪奇》 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

タニア・ラポイント 『アート・アンド・ソウル・オブ・ブレードランナー2049』
映画 《ブレードランナー2049》 を詳細に解説した大判の公式ビジュアルガイドブック。製作現場を2年間にわたって記録、未公開のスチール、独創的なコンセプトアート、ストーリーボード、キャストやクルーへのインタビューと舞台裏の写真など、全224ページ、フルカラーで収録。
(早川書房 14,040円)[amazon]

ダグラス・ホフスタッター 『わたしは不思議な環』
ゲーデルの不完全性定理、自己言及、アナロジーなどの多彩なトピックを取り上げながら、私とは、意識とは、考えるとはいったい何なのか、命を持たない物質からそれらはどうやって生じるのか、といった難攻不落の問題に迫る、『ゲーデル、エッシャー、バッハ』 の続編ともいうべき著作。
(白揚社 5400円)[amazon]

ジョージ・ソーンダーズ 『リンカーンとさまよえる霊魂たち』
南北戦争の最中、急死した愛息の墓を訪ねたリンカーンに接し、霊魂達が壮大な企てに挑む。全米ベストセラー感動作。ブッカー賞受賞。
(河出書房新社 3672円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『新訳 オセロー』
美しい貴族の娘デズデモーナを妻に迎えたヴェニスの黒人将軍オセロー。恨みを持つ忠臣イアーゴの巧みな策略により妻の貫通を疑い、信ずるべき者たちを手にかけてしまう。シェイクスピア四大悲劇の傑作。河合祥一郎訳
(角川文庫 691円)[amazon]

ジェレミー・ロビンソン 『プロジェクト・ネメシス』
国土安全保障省のジョン・ハドソンは、超常現象の専門家だ。獣人の目撃情報を受けてメイン州の山奥までやってきて、偶然不思議な研究施設を見つける。そこでは政府の秘密裡の恐ろしい実験が行われていた。
(角川文庫 1253円)[amazon]

フアン・ホセ・アレオラ 『共謀綺談』
〈創造するラテンアメリカ〉
寓話とも、罪のない小噺とも、皮肉みなぎる笑劇とも取れるその作品たちをどう読み、どう味わうかは、著者とあなた(読者)の「共謀」しだい。代表作 「転轍手」 「驚異的なミリグラム」 をはじめ、28の掌篇・短篇を収めたメキシコの作家フアン・ホセ・アレオラの作品。
(松籟社 1944円)[amazon] [honto]

南條竹則訳 『英国怪談珠玉集』
英国怪談の第一人者が半世紀に近い歳月を掛けて選び抜いた、
イギリス怪奇幻想恐怖小説の決定版精華集。26人におよぶ作家の作品32編を一堂に集める。M・P・シール 『薔薇の大司教』、マッケン 『N』、ウェイクフィールド 『紅い別荘』 等の訳し下しや、フィオナ・マクラウド 『牧人』 等の単行本未収録作も多数収録。既訳の作品も全面的に改訂、磨き上げられた愛蔵版。収録内容
(国書刊行会 7344円)[amazon]

土屋健 『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』
さまざまな時代のさまざまな古生物を、現代の (身近な) 風景に配置、古生物のサイズ感を直感的につかめるユニークな図鑑。現代と古生代が交錯したシュールな世界が展開する。
(技術評論社 3456円)[amazon]

三津田信三編 『怪異十三』
ホラー小説マニアとしても名高い三津田信三が、「本当にぞっとした話」 を厳選した怪奇短篇アンソロジー。今は手に入らない逸品から王道の古典作品まで、国内6作と海外6作に、自身の単行本未収録作を加えた全13篇。岡本綺堂、田中貢太郎、橘外男、菊地秀行、R・L・スティーヴンスン、M・R・ジェイムズ、ロイ・ヴィカーズ、マイクル・アレン、W・F・ハーヴィー、イーディス・ウォートン他。
(原書房 1944円)[amazon]

『牡丹灯籠』
〈江戸怪談を読む〉
中国から原話が伝わるやたちまち日本で愛好され、江戸時代に何度もリメイクされてきた牡丹灯籠の物語。なかでも有名な浅井了意翻案による「牡丹灯籠」や、三遊亭円朝の『怪談牡丹灯籠』の他に、あまり知られていない灯籠の出てこない類話、鳥山石燕の妖怪画、幕末の世間話、狂歌など、江戸時代に創られた牡丹灯籠系怪談とでも呼べる物語群を収録。
(白澤社 2160円)[amazon]

ロバート・グレンビル 『絶対に出る 世界の幽霊屋敷』
古城、館、牢獄、教会、墓地、病院、工場など世界各地の有名な幽霊屋敷を、ファンタスティックな写真と怖ろしい幽霊話で紹介した写真集。ナショナルジオグラフィック編。
(日経ナショナルジオグラフィック社 2160円)[amazon]

『文化を映す鏡を磨く 異人・妖怪・フィールドワーク橘弘文・手塚恵子編

レヴィ=ストロースの構造主義理論の強いインパクトを受けて、日本の古い絵巻・説話・伝説の奥深い森に分け入り、歴史の暗闇 (異界) にうごめく異人・妖怪の存在の考察を通して日本人のコスモロジーを探り、旬来の文化史を根底から刷新した脱領域の知性・小松和彦の知的遺産を受け継ぐ気鋭の次世代研究者17人による刺激的な論集。
(せりか書房 3996円)[amazon]

ドミニク・ラニ 『人々をまどわせた“世界の果て”の物語 地上の楽園をめざした34の冒険譚
神話や伝説、妄想、わずかな情報を手がかりに、希望と欲を原動力に地の果てへと邁進した探検家、歴史家、旅行家たちの34の冒険譚。
(河出書房新社 3218円)[amazon]

佐藤春夫 『奇妙な小話 佐藤春夫 ノンシャラン幻想集
「廃墟趣味」 に溢れた佐藤春夫の柔軟自在でありながら強靭な物語が現代仮名遣いによって甦る。目次
(彩流社 2592円)[amazon]

山村美紗 『殺意のまつり 山村美紗傑作短篇集
20年前に発生したある殺人事件の真犯人と名乗る男が現れた。だが、当時犯人として捕まった男は、すでに15年の刑期を終えている。冤罪事件として調査を進める弁護士は、次々と不可解な事態に遭遇し……(「殺意のまつり」) 。時刻表トリック、アリバイトリック、心理トリックが光る傑作短篇集。
(中公文庫 907円)[amazon]

ニール・スティーヴンスン 『七人のイヴ Ⅱ』
月が突如、分裂して二年。その破片が落下して地球は死の世界と化し、人類の生き残りは〈クラウド・アーク〉の人々だけになる。生存をかけて奮闘する彼らだが、次第に月のコア開発派、火星移住派などに分裂していく――近未来宇宙開発ハードSF大作、第二弾。
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2160円)[amazon]

マリオ・バルガス=リョサ 『ラ・カテドラルでの対話
独裁者の大統領、将軍、公安のトップ、利権をむさぼる政商――。権力の中枢にいる人物から社会の最底辺で苦しむ人びとまで、多彩な登場人物を通して、軍事独裁政権下ペルーの陰鬱な政治的・社会的歴史を再現する。ノーベル賞作家が実験的手法を縦横無尽に駆使して物語性豊かに描く、現代ラテンアメリカ文学の傑作。旦敬介訳
(岩波文庫 1361円)[amazon]

カルロス・フエンテス 『アウラ・純な魂』
『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』
張文成 『遊仙窟』

(岩波文庫) 復刊

『須賀敦子エッセンス2 本、そして美しいもの

その人と文学の核心をなす名文章を元担当編集者にして最大の理解者が厳選した須賀文学の精華。最良の入門書であると同時に愛読者にとっては新たな魅力を発見するための決定版アンソロジー。湯川豊編
(河出書房新社 1944円)[amazon]

J・R・R・トールキン 『トールキンのシグルズとグズルーンの伝説 注釈版
トールキンは古代北欧の偉大な伝説を自らの言葉で語る詩を作った。それが、今回初公開となる密接に関連した2編の詩で、これにつけられたタイトルは、『ヴォルスング一族の新しい歌』と『グズルーンの新しい歌』である。
(原書房 3024円)[amazon]

エラリー・クイーン 『エラリー・クイーンの冒険 新訳版
犯罪学講師のエラリーが、学生たちと推理を競う 「アフリカ旅商人の冒険」、サーカスの美姫殺しを扱った 「首吊りアクロバットの冒険」、ダイイングメッセージもの 「ガラスの丸天井付き時計の冒険」、『不思議の国のアリス』 の登場人物に扮した人々が集う屋敷での異様な出来事 「いかれたお茶会の冒険」 など、全11編の傑作が並ぶ巨匠クイーンの第一短編集。初刊時の序文を収録した完全版。中村有希訳
(創元推理文庫 1058円)[amazon]

ルシンダ・ライリー 『影の歌姫 上・下
レマン湖のほとりに建つ館で育った血の繋がらない六人姉妹の次女アリー。父の死の知らせを聞いたとき、アリーは最愛の人と共に、地中海の島に停泊中のヨットの上にいた。父が死んだ? だがアリーはその前日、父の豪華ヨットを目撃したばかりだった。悲しみをこらえ、前に進もうとするアリーにさらなる悲劇が。好評シリーズ第二弾。
(創元推理文庫 各1512円)[amazon]

ジェームズ・バロン 『世界一高価な切手の物語』
1856年、イギリス領ギアナで仮の切手が地元の新聞社の印刷所で発行された。地元のみで使用され、そのまま忘れ去られたが、これがのちに一セントマゼンダとして知られる切手であった。以後この切手の価値は、コレクターたちの間で跳ね上がっていく。世界で一枚しかない高価な切手と、それをめぐる人々の数奇な運命を描く傑作ノンフィクション。
(東京創元社 2052円)[amazon]

ジェイン・パーカー 『渇きと偽り』
警察官フォークは干魃にあえぐ故郷の町に二〇年ぶりに帰ってくる。旧友のルークが妻子を惨殺し、自殺を遂げる事件を起こしたと聞きつけたのだ。ルークの親に依頼されて調査を始めたフォークは、自身の秘めた過去とも向き合うことに。オーストラリア発、鮮烈なフーダニット。英国推理作家協会賞受賞。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1080円)[amazon]

ミシェル・リットモンド 『〈協定〉 上・下
結婚したばかりの二人に届いた結婚祝いは、平穏な結婚生活を約束するはずだった。奇怪な設定が読者を恐怖へと引きずりこむ注目作。
(ハヤカワ文庫NV 各1080円)[amazon]

ジェイムズ・リーバンクス 『羊飼いの暮らし イギリス湖水地方の四季
イギリスの湖水地方で600年以上続く羊飼いの家系に生まれた著者が、美しくも厳しい自然と共存する伝統的な羊飼いの生活を綴る。
(ハヤカワ文庫NF 994円)[amazon]

クリスティーナ・ペリ=ロッシ 『狂人の船』
〈創造するラテンアメリカ〉
終わりのない旅を続ける亡命者エックス。出会いと別れ、獲得と喪失を繰り返す遍歴のはてに見出されるものとは。母国ウルグアイの圧制を逃れ、亡命という 「痛みを伴う複雑な経験」 をくぐり抜けた著者がつづる、現代の遍歴の物語。
(松籟社 2160円)[amazon] [honto]

土方正志 『新編 日本のミイラ仏をたずねて』
過酷な断食を繰り返して痩せさらばえた行者が、自らの身を地面に沈め、「土中入定」 を果たす。かつて、自らがミイラ化することで衆生の救済をめざした僧侶たち、すなわち即身仏がいた。全国の即身仏、全18体を訪ね歩いた異色の紀行文。それぞれのミイラ仏にまつわる伝承に加え、即身仏を守り継ぐ人々、信仰する人々の声を丹念に取材した。『日本のミイラ仏をたずねて』 (1996) に、山折哲雄 「出羽三山即身仏考」 を収録。
(天夢人 1728円)[amazon]

ダニエル・シルヴァ 『死線のサハラ 上・下
ロンドン中心部で死者千名を超える無差別テロが発生。首謀者はISISの大物テロリストだった。MI6から協力を要請されたイスラエル諜報機関のトップ、ガブリエルは、あるフランス人実業家とテロリストの接点に注目し、南仏プロヴァンスでCIA、フランス当局を巻き込んだ合同作戦を始動させる。
(ハーパーBOOKS 各960円)[amazon]

ウーヴェ・ティム 『ぼくの兄の場合』
〈エクス・リブリス〉
十六歳年下の弟である著者が、戦争で命を落とした兄の残した日記や手紙を通じて、「家族」とは、「戦争」とは何かを自問する意欲作。
(白水社 2376円)[amazon]

デイヴィッド・ベロス 『世紀の小説 『レ・ミゼラブル』 の誕生
1862年4月4日に発売されるや、翌日午後にはパリで第1部上下巻6000部が完売。第2・3部の発売日には朝6時に早くも出版社の前の通りは人であふれ、行列の整理のために警察官が出動する騒ぎに。そして 『レ・ミゼラブル』 は世界各地でベストセラーとなる。その執筆・出版の過程を縦糸に、小説の背景となる世界経済やユゴーの用いた技巧の考察から、翻訳のいきさつや意外な読まれ方、ミュージカル・映画などの受容までを横糸に織り上げた 「小説の評伝」。
(白水社 4104円)[amazon]

谷崎潤一郎 『変身綺譚集成 谷崎潤一郎怪異小品集
文豪怪異小品集第7弾。超自然の怪異を描いた「変身綺譚」 系の作品や怪奇幻想文学ジャンルの仲間らについて語った作品を収録する。東雅夫編
(平凡社ライブラリー 1620円)[amazon]

ベン・ブラット 『数字が明かす小説の秘密 スティーヴン・キング、J・K・ローリングからナボコフまで
ビジネスのトレンドである 「統計的思考」を、小説や文章の世界に応用した画期的な一冊。
(DU BOOKS 2376円)[amazon]

ニール・シャスタマン 『奪命者』
コンピューターのデータ処理能力は発達を続け、人類は無限の知識を手に入れた。そして2042年には、ついに死さえも克服するに至った。とはいえ人類が定住できるのは地球しかない。AIに管理委託されなかった唯一の権限を聖職者「サイズ」たちが担う。それは、人口調整のため人の命を奪う行為だった。ユートピアの先に見えてきたものとは?
(講談社文庫 1296円)[amazon]

『マーク・トウェイン完全なる自伝 Volume3』
アメリカという国を見つめ、家族を見つめ、未来を見つめた作家の眼差し。あれから、世界は少しは変わっただろうか――100年前の文豪が、21世紀の私たちに遺したひとつのメッセージ。時代を超えて読みつがれる作家、マーク・トウェイン。全3巻にわたる自伝の完結編。
(柏書房 18,360円)[amazon]

岡本綺堂 『人形の影』
東京を離れた別荘地で自動人形の発明に没頭する南瀬隆と、その世話をする年頃の娘・蔦子。父娘を取り巻く人間関係の悲喜こもごもをサスペンス溢れる筆致で綴る。単行本化されていなかった『讀賣新聞』連載(大正7年)の幻の長編を文庫化。
(光文社文庫 864円)[amazon]

ラフカディオ・ハーン 『怪談』
日本を愛し小泉八雲と名乗ったハーンが、日本古来の文献や民間伝承をもとに、独自の解釈と流麗な文章で情緒豊かな文学作品として創作した怪奇短篇集。「耳なし芳一の話」 「雪女」 「ろくろ首」 「むじな」 などの17篇と 「虫の研究」 の2部構成。 南條竹則訳
(光文社古典新訳文庫 886円)[amazon]

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて6 第三篇 「ゲルマントのほう」
祖母の友人ヴィルパリジ侯爵夫人のサロンに招かれた語り手は、ドレフュス事件をはじめ、芸術や噂話に花を咲かせる社交界の人びとを目の当たりにする。一方、 病気の祖母の容態はますます悪化し、語り手一家は懸命に介護するのだった……。高遠弘美訳
(光文社古典新訳文庫 1361円)[amazon]

『世界推理短編傑作集1』 江戸川乱歩編
珠玉の推理短編を年代順に集成し、1960年初版以来版を重ね現在に至る傑作アンソロジー 『世界短編傑作集』 を完全リニューアル。第一巻は巻頭に編者江戸川乱歩の 「序」 を配し、1844年のポオ 「盗まれた手紙」 に始まり、コリンズ 「人を呪わば」、ドイル 「赤毛組合」、フットレル 「十三号独房の問題」 などを収録。オルツィ 「ダブリン事件」 は新訳し、チェーホフ 「安全マッチ」 はロシア語からの翻訳に差し替える。新カバー、新解説。収録内容
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

ケルスティン・ギア 『黒の扉は秘密の印 第二の夢の書
夢の世界で危機を切り抜け、学校の美形男子4人組のひとりヘンリーとつき合いはじめたリヴ。幸せいっぱいのはずだったが、運命の女神はそう甘くなかった……。大人気の三部作第二弾。
(東京創元社 2700円)[amazon]

日夏耿之介 『唐山感情集』
上田敏に 『海潮音』 あれば、日夏耿之介に 『唐山感情集』 あり。博識にして幽玄神秘な詞藻をもって他に類を見ない詩的世界を構築した日夏耿之介は漢詩の風韻、酒と多情多恨の思いを嫋々たる日本語に移し替え、さらに独自の境地に遊ぶ。唐から民国にいたる1200年にわたる名詩を選び出した稀有な訳詩集。
(講談社文芸文庫 1728円)[amazon]

多岐川恭 『落ちる/黒い木の葉 ミステリ短篇傑作選
江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した昭和の名手、深い抒情性とミステリのたくらみに満ちた単行本未収録作品を含む14篇。文庫オリジナル編集。日下三蔵編
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ミカエル・ロストフツェフ 『隊商都市』
通商交易で繁栄した古代オリエント都市のペトラ、パルミュラなどの遺跡に立ち、往時に思いを馳せたロマン溢れる歴史紀行の古典的名著(1931初刊)。
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

ラグナル・ヨナソン 『極夜の警官』
アイスランド最北の町シグルフィヨルズル郊外の空き家で警察署長が銃撃され、瀕死の重傷を負った。警官アリ=ソウルの捜査で、事件にドラッグと政治家が絡んでいる可能性が浮上する。一方、現場の空き家には50年以上前から忌わしい歴史があったことが明らかに……。
(小学館文庫 810円)[amazon]

デニス・ルヘイン 『あなたを愛してから』

実父を知らずに育てられたレイチェルが捜し当てたのは、残酷な真実だった。やがてジャーナリストとなり結婚するが、そのすべてを失う。ようやくめぐりあった真の愛。しかしそこにも陥穽が待っていた。巨匠が読者に仕掛ける驚愕の罠とは? 注目のサスペンス。
(ハヤカワ・ミステリ 2160円)[amazon]

デニス・E・テイラー 『われらはレギオン2 アザースとの遭遇』
増殖に増殖を重ねて百体以上になったボブは、人類が入植可能な惑星を求めて大宇宙を探索し、四つの植民可能な星系を見つけた。だがその途上で、ボブたちは原住生物が虐殺され、すべての鉱物資源が採掘し尽くされた星系をいくつも発見する。その犯人を〝アザーズ〟と名づけたボブたちは、その正体を探るが……!?
(ハヤカワ文庫SF 1080円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ3』
秘術校を休学せざるを得なくなったクォートは、スレぺ伯爵の勧めを受け、強大な力を持つセヴェレンの大公のもとへと向かうが……
(ハヤカワ文庫FT 1037円)[amazon]

リチャード・パワーズ 『舞踏会へ向かう三人の農夫 上・下
それは1914年のうららかな春、プロイセンで撮られた一枚の写真からはじまった――物語の愉しみ、思索の緻密さの絡み合い。20世紀全体を、アメリカ、戦争と死、陰謀と謎を描いた驚異のデビュー作。柴田元幸訳
(河出文庫 各1058円)[amazon]

サム・マンソン 『クリミナル・タウン』
同級生が何者かに銃殺された。優等生の彼がなぜ? 警察の捜査は行き詰まり、事件は未解決のまま、学校は早くも日常に戻りつつある。周囲の無関心に怒った高校生のアディソンは、女友達と犯人探しを始める。だが、不都合な真実を探る彼らのもとへ、教師や親、ヤクの売人の圧力が次々と押し寄せる。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1058円)[amazon]

小沼丹 『春風コンビお手柄帳』
女子中学生・ユキコさんが探偵役として活躍する表題連作ほか、日常の謎あり、スリラーあり、ハードボイルドありと、多彩な推理が冴え渡る。名作 『黒いハンカチ』 (1958) 以来60年ぶりとなるミステリ作品集。巻末エッセイ=北村薫。1950~60年代にジュニア誌に発表された、全集未収録作品を2冊に集成。
(幻戯書房 3024円)[amazon]

小沼丹 『お下げ髪の詩人』
東京から山間へとやって来た中学生男子の成長をノビノビと描く中篇 「青の季節」 ほか、物語作者としての腕が存分に発揮された恋愛短篇を集成。砂糖菓子のように一人ひっそりと愉しみたい、切ない歓びに満ちた作品集。解説=佐々木敦
(幻戯書房 3024円)[amazon]

アガサ・クリスティ 『十人の小さなインディアン』
〈論創海外ミステリ〉
英国ミステリの女王が遺したミステリ戯曲 『十人の小さなインディアン』 『死との約束』 『ゼロ時間へ』 を収録したファン待望の作品集。 ボーナストラック=単行本未収録短編 「ポワロとレガッタの謎」。解説=数藤康雄。渕上痩平編訳
(論創社 4860円)[amazon]

エラリー・クイーン 『犯罪コーポレーションの冒険 聴取者への挑戦Ⅲ
〈論創海外ミステリ〉
本格、密室、不可能犯罪、サスペンス。クイーン・ファン待望のラジオドラマ集。飯城勇三編訳
(論創社 3672円)[amazon]

『飛鳥高探偵小説選 IV』
〈論創ミステリ叢書〉
日本推理小説界の最長老・飛鳥高、初の自選作品集。最後の長編 『青いリボンの誘惑』 に、昭和20~40年代に発表された短編9作を併録。巻末には、著者が自作を振り返り、執筆当時の思い出話や創作裏話を綴った書下ろしの自作解説を収録。
(論創社 4320円)[amazon]

井谷善恵 『アガサ・クリスティーとコーヒー』
1920年代の第一作 『スタイルズ荘の怪事件』 から、1976年に発表された 『スリーピング・マダー』 までの49作を取り上げ、事件の始まりの紹介の後、コーヒーの記述がどうなされているのかを、映画化された時のポスターなども掲載しながら紹介。
(いなほ書房 1296円)[amazon]

《Tolkien: Maker of Middle-earth》 Catherine McIlwaine
オックスフォード大学ボドレアン図書館のJ・R・R・トールキン展の図録本。原稿、素描、地図、書簡などの図版300点以上を収載、『ホビット』 『指輪物語』 『シルマリリオン』 の創作過程を跡づける。
(The Bodleian Library)[amazon]
※ペイパー版 (10月発売)[amazon]


▼6月刊

『海外ドラマ超大事典』 スティングレイ編
日本のテレビで初めて放送された海外ドラマ「カウボーイGメン」から、シリーズ継続中の「ウォーキング・デッド」「ゲーム・オブ・スローンズ」まで、日本国内で放送・発売・配信された西洋の海外ドラマ2,500本を収録。すべての作品にあらすじを記載し、そのドラマがどんな内容か一目でわかる。
(スティングレイ 4968円)[amazon]

ケント・レスター 『第七の太陽 上・下
ダン・クリフォードは想定外の自然災害 「ブラック・スワン事象」 予知のため、ニューロシス社でプログラム開発に携わっている。無理難題を押しつける社長と意見が対立、休暇を取ってホンジュラスを訪れたダンは、自社の工場で不審な点を発見し、ダイビング中に死体に遭遇する。帰国したダンを待っていたのは……。
(扶桑社文庫 各1080円)[amazon]

スティーブン・ジョーンズ編 『ホラー映画アート集』
ポスター、ロビーカード、広告、宣材物、映画公開と同時に発売された書籍や雑誌など、600点を超える貴重な品々を紹介。映画創成期の1900年代初めから現在までに公開されたホラー映画の全歴史、流行をビジュアル資料でたどる貴重なガイドブック。
(スペースシャワーネットワーク 3996円)[amazon]

《幽》 Vol.29
「刀剣怪談」特集&京極夏彦「百鬼夜行」シリーズ開幕。
(KADOKAWA 1990円)[amazon]

マージェリー・アリンガム 『ホワイトコテージの殺人』
小さな村をドライブ中に出会った若い娘を〈ホワイトコテージ〉まで送ったジェリーは、そこで殺人事件に遭遇する。被害者は隣家の主。ジェリーはロンドン警視庁の敏腕刑事である父親と捜査を進める……。巨匠の初長編ミステリ。本邦初訳。
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

キャサリン・ライアン・ハワード 『遭難信号』
脚本家を目指すアダムは、事件に巻き込まれ失踪したと思しき恋人を追って地中海クルーズ船に乗り込む。何千人もが乗船する豪華客船で暴かれる真実とは。衝撃のデビュー作。
(創元推理文庫 1490円)[amazon]

連城三紀彦 『六花の印 連城三紀彦傑作集1
大胆な仕掛けと叙情あふれる筆致を融合させた連城三紀彦の傑作選全2巻。第一巻は、デビューから 『恋文』 の第91回直木賞受賞前後まで、伏線の妙やどんでん返しが冴え渡る名品・佳品を中心に収める。著者の知られざる一面を垣間見せるエッセイも併録して、近年再評価の進む巨匠の全貌が把握できる充実の傑作集。松浦正人編
(創元推理文庫 1620円)[amazon]

シャーウッド・アンダーソン 『ワインズバーグ、オハイオ』
オハイオ州の架空の町ワインズバ ーグ。そこは発展から取り残された寂しき人々が暮らすうらぶれた町。地元紙の若き記者ジョージ・ウィラードのもとには、住人の奇妙な噂話が次々と寄せられる。僕はこのままこの町にいていいのだろうか……。両大戦に翻弄された 「失われた世代」 の登場を先取りし、モダニズム文学への道を拓いた先駆的傑作。上岡伸雄訳
(新潮文庫 637円)[amazon]

泡坂妻夫 『ヨギ ガンジーの妖術』
ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血にして、ヨーガと奇術の達人ヨギ ガンジー。シカゴではすりの実演、ロンドンではヨーガの教授、そして東京では医者を相手に催眠術の講義。心霊術、念力術、分身術、予言術…意表をつく犯罪にヨーガの極意と妖しげな術で挑む正体不明の名探偵はちょっとエッチ。超能力かトリックか?人生に退屈しているアナタへ贈る必笑・妖術講座。復刊
(新潮文庫 637円)[amazon]

サラ・ワイズ 『塗りつぶされた町 ヴィクトリア期英国のスラムに生きる
19世紀末に作成された、所得階層別に色分けしたロンドン地図で、ひときわ黒々と塗りつぶされたイースト・エンドのニコル地区は、朽ちかけた家々が建ち並び、凄まじい貧困の中、六千人がひしめきあうように暮らし、病気が蔓延、犯罪も横行していた。ロンドンの片隅に巣食う不条理と、20世紀イギリスの福祉制度が萌芽した時代を、圧倒的な筆力で描く。
(紀伊國屋書店 2916円)[amazon]

飯嶋和一 『星夜航行 上・下
徳川家に取り立てられるも、罪なくして徳川家を追われた沢瀬甚五郎は堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。海外交易の隆盛、秀吉の天下統一の激動の時代の波に飲まれ、やがて朝鮮出兵の暴挙が甚五郎の身にも襲いかかる。史料の中に埋もれていた実在の人物を掘り起こし、刊行までに9年の歳月を費やした著者最高傑作の誕生。
(新潮社 各2160円)[amazon]

J・D・サリンジャー 『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16、1924年』
長兄シーモアが7歳のときに書き残していた手紙には――。グラース家最後の物語、ホールデンの登場作などを含む9編の新訳。金原瑞人訳
(新潮社モダン・クラシックス 1620円)[amazon]

レベッカ・マカーイ 『戦時の音楽』
ベスト・アメリカン・ショート・ストーリーズに4年連続選出。戦争と音楽、幻想と歴史の間をたゆたう、短篇の名手による17の物語。
(新潮社クレスト・ブックス 2160円)[amazon]

長谷川郁夫 『編集者 漱石』
朝日新聞文藝欄の編集に携り、明治大正文学の発展に大きな影響を及ぼした夏目漱石。編集者という新たな角度から考察する画期的評伝。
(新潮社 3780円)[amazon]

ドナルド・E・ウェストレイク 『さらば、シェヘラザード』
〈ドーキー・アーカイヴ〉
ポルノ小説のゴーストライター、エド・トップリスの苦悩は、締切が近づいてもまったく書けないこと。いざ書き始めても、自身の生活や夫婦間問題のあれこれが紛れ込んで物語はなかなか進まない。〈悪党パーカー〉 〈泥棒ドートマンダー〉 シリーズの巨匠ウェストレイクによる、仕掛けに満ちた半自伝的&爆笑のメタ奇想小説。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

甲賀三郎 『強盗殺人実話 戦前の凶悪犯罪事件簿
戦前を代表する探偵小説作家による、知られざる戦前の凶悪強盗殺人事件実話集。二本榎惨劇、お艶殺し、鈴弁殺し、大井堀事件、女優一家怪死、ピス健事件など全10話。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

吉田良・野口哲也編著 『鏡花人形』
鏡花文学の謎めいた女人たち。「文豪女子」に人気の高い「泉鏡花」の世界をこの世ならぬ「生き人形」とわかりやす解説で再現。怪しくも美しく、そして儚く怖い、異次元の世界に誘う。
(河出書房新社 2808円)[amazon]

ヘンリー・ソロー 『ソロー日記 冬』
ソローと親交のあったH・G・Оブレークが、ソローの死後にその日記を譲り受け、日付ごとに編纂。『冬』 編は、1840年から1861年の、12月22日から春のめざめを待望する2月23日までの日記を収録。『ソロー日記』 完結。
(彩流社 4860円)[amazon]

マヤ・ルンダ 『蜜蜂』
「蜜蜂」 を媒介に、人間にとって自然とはどんな存在なのかを深く考えさせてくれる傑作。近未来の中国、19世紀のイギリス、現代のアメリカと3つの異なる時代・国のストーリーが交互に展開し、やがてそれらが交差しながら結末に繋がってゆくSFミステリー。ノルウェーで2015年に出版、各国語に訳されたベストセラー。
(NHK出版 2160円)[amazon]

ライプニッツ著作集 第II期 第3巻 『技術・医学・社会システム』
奇想百科 新趣向博覧会開催案、ハルツ鉱山開発、計算機の発明、パパンとの往復書簡、シュタール医学への反論、公営保険、終身年金論、図書館計画など本邦初訳。第II期完結。
(工作舎 9720円)[amazon]

《SFマガジン》 8月号
アーシュラ・K・ル・グィン追悼特集
(早川書房 1296円)[amazon]

西條八十 『怪魔山脈』
西條八十の少年向け小説 「怪魔山脈」 (「おもしろブック」 昭和31年1月号~32年7月号) と 「黒いなぞのかぎ」 (「中学生の友一年」昭和34年9月号~35年3月号/「中学生の友二年」 35年4月号~9月号) の初の書籍化。芦辺拓編
盛林堂ミステリアス文庫 3500円)

宮脇孝雄 『翻訳地獄へようこそ』
翻訳業界の中でもその博識ぶりと名訳者ぶりがリスペクトされている宮脇孝雄氏による、翻訳者と志望者、英語学習者、海外文学愛好家に有用な珠玉のエッセー集。
(アルク 1728円)[amazon]

探偵小説研究復刻版
「鬼」 の旗識のもと、気鋭の戦後新人作家が集った。ミステリの未来を憂う若者たちの情熱が生んだ探偵小説研究誌。戦後本格探偵小説の牙城が今蘇る。高木彬光、香山滋、島田一男、山田風太郎らが 「文学派」 に対抗して創刊した 「本格派」 同人誌、全9号(1950-53)を復刻。
三人社 19,440円)

山本タカト 『緋色のマニエラ デビュー20周年記念版 山本タカト画集
国内外で絶大な人気を誇る山本タカトの平成耽美主義誕生を知らしめた第一画集。未発表作を新たに追加したデビュー20周年記念版。
(河出書房新社 3564円)[amazon]

デヴェンドラ・P・ヴァーマ 『ゴシックの炎 イギリスにおけるゴシック小説の歴史―その起源、開花、崩壊と影響の残滓
ゴシックの本質は神秘なるものの探求であり、そこには恐怖だけではなく、愛と死が感じられるのである。ゴシック文学研究における不朽の名著(1957年刊)、ついに翻訳なる。目次
(松柏社 4860円)[amazon]

エドワード・ゴーリー 『ずぶぬれの木曜日』
俺の傘はどこだ? ブルーノはご主人さまの傘を捜しに雨のなか出かけて行く……傘泥棒、傘で目を突かれた男、傘に乗り流される子ども。鬱陶しくもめくるめく傘をめぐる物語。柴田元幸訳
(河出書房新社 1296円)[amazon]

小野俊太郎 『ハムレットと海賊 海洋国家イギリスのシェイクスピア
『ハムレット』 で海賊が登場した背景には、海洋国家へと向かうイギリスの姿があった。グローバル化という名のもとで、海洋覇権の時代が終わっていない現代において、シェイクスピアの作品群から浮かび上がる課題は、日本にとっても無縁ではない。斬新な視点から読み解くシェイクスピア論。
(松柏社 2376円)[amazon]

アラン・コルバン 『処女崇拝の系譜』
現実存在としての女性に対して、聖性を担わされ、「手の届かぬ存在」 として神話や文学のなかで独自に位置づけられてきた 「乙女」 たち。その姿を丹念にあとづけ、肉体をもつ現実の存在として女性への欲望と対極的な 「乙女」 たちに託された、男性のプラトニックラブ幻想 (ロマンチシズム) を炙り出す。「感性の歴史家」 コルバンの最新作。
(藤原書店 2376円)[amazon]

小西康陽監修 『いま見ているのが夢なら止めろ、止めて写真に撮れ。 小西康陽責任編集・大映映画スチール写真集
光と影を巧みに用いた独特の映像美で“大人の映画"と評された大映映画。そのイメージを本編とともに印象づけたのが 「スチール写真」 である。熱狂的な映画ファンでもある音楽家小西康陽が、同社製作の約2000作品、数万点に及ぶスチール・ストックの中から厳選した写真集。
(DU BOOKS 3024円)[amazon]

ダンテ 『神曲 地獄篇』
〈須賀敦子の本棚〉
須賀敦子・藤谷道夫訳。亡き師と愛弟子の共同作業が結実した画期的な新訳。須賀訳の魅力と、最新研究による驚くべき新解釈で、大古典の豊かな世界が広がる。
(河出書房新社 3132円)[amazon]

松山巌 『本を読む。 松山巖書評集
松山巖が30年以上の間に、心を動かされた本を選び、論じる。1983年〜2016年に 『読売新聞』 『毎日新聞』 『朝日新聞』 及び雑誌に寄せた書評を集成。
(西田書店 4968円)[amazon] [honto]

ロード・ダンセイニ 『エルフランドの王女』
魔法の国エルフランドの王女リラゼルを探して、人間界の王子アルヴェリックの旅はつづき……。ファンタジーの巨人・ダンセイニの傑作。復刊
(沖積舎 3240円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『コナン・ドイルショートセレクション 踊る人形』
〈世界ショートセレクション〉探偵シャーロック・ホームズとその友人ワトソン博士を主人公とする作品群は世界的に人気を博し、今なお熱狂的ファンを産みつづけている。ドイル自身が1位に選んだ 「まだらの紐」、ホームズの人間性を感じる 「踊る人形」 「黄色い顔」、外典の 「ワトソンの推理修行」の4作をセレクト。小気味よい新訳で、華麗な推理を味わえる。千葉茂樹訳
(理論社 1404円)[amazon]

ルネ・ドゥペストル 『ハイチ女へのハレルヤ』
〈フィクションの楽しみ〉
古くから伝わる 《少女と魚の悲恋》 の逸話をなぞるように絶世の美女の叔母に惹かれゆく少年を捉えた表題作をはじめ、規範と差別、偏見に苦悶するなかで邂逅するエロスを晴れやかに描く、現代ハイチ文学の傑作短編集。
(水声社 3024円)[honto]

ジェイムズ・ハドリー・チェイス 『悪女イヴ 新版
嵐の晩、別荘に逃げ込んできた男女。その女の虜になったクライヴ。死んだ男の遺作を我がものとして発表しデビューした彼が彼女に出会ったのはまさに、ハリウッドでの道が開かれようとしていた時だった。謎の多い娼婦イヴに振り回され、落ちていく男。チェイスのもうひとつの代表作。映画化。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

レイ・ペリー 『ガイコツは眠らず捜査する』
ジョージアの娘の高校で殺人事件発生? ただし、死体は見つからず、証人は親友のシド……動いて喋る骸骨ただ一体のみ。母娘と骸骨のデコボコ捜査が楽しいミステリ第2弾。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

シルヴァン・ヌーヴェル 『巨神覚醒 上・下
発掘された巨大ロボット・テーミスを中核とした国連地球防衛隊の創設から9年。ついに恐れていた事態が訪れた――未知の巨大ロボットが突如、ロンドン中心部に現れたのだ。沈黙を守る男性型ロボットに対し、人類側の強硬策は未曾有の大惨事を招く。人類滅亡のタイムリミットが迫る中、ローズたちに打つ手はあるのか? 驚異のデビュー作 『巨神計画』 続編。
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

J・G・バラード 『ミレニアム・ピープル』
ヒースロー空港での爆発テロで、精神科医デーヴィットの前妻ローラは死亡した。その無作為的な死に衝撃を受けたデーヴィットは、様々な反体制活動に潜入し、空港のテロの首謀者を捜し始める。
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

アニエス・ジアール 『愛の日本史 創世神話から現代の寓話まで
フランス人日本研究家の第一人者が、古代から現代にわたる歴史・伝説・文学を縦横自在に渉猟し、日本における 「愛」 を探る。斬新な日本文化論。谷川渥訳
(国書刊行会 4968円)[amazon]

スティーヴン・ミルハウザー 『十三の物語』
猫が鼠を台所で追いかけている。鼠はフロアランプを避けて二つに分裂し、猫は壁に激突、アコーディオンのように体が折りたたまれ、そこから音楽が流れでる。スラップスティックな追いかけっこを描く 「猫と鼠」、周囲から無視しつづけられた少女の体が文字通り消える 「屋根裏部屋」、バベルの塔をめぐるパロディ 「塔」、森の向こうにある町への憧憬 「もうひとつの町」、エジソンの助手による偽の日記 「ウェストオレンジの魔術師」など。〈オープニング漫画〉 〈消滅芸〉 〈ありえない建築〉 〈異端の歴史〉 の4部構成で、13篇を収録。
(白水社 2916円)[amazon]

甘耀明 『冬将軍が来た夏』
レイプ事件で深く傷ついた私のもとに、突然現れた終活中の祖母と5人の老女。台中を舞台に繰り広げられる、ひと夏の愛と再生の物語。大河巨篇 『鬼殺し』 で好評を博した、台湾の若手実力派作家、甘耀明の最新作。
(白水社 2592円)[amazon]

尾之上浩司編著 『「プリズナーNo.6」 完全読本』
1960年代後半に製作・放映されたイギリスのTVドラマ 『プリズナーNo.6』 は、カルト的な人気を誇り、日本でも人気を博した。劇場版の企画をリドリー・スコットが引き継いでいることが発表され、再び注目を集めている伝説のカルト・ドラマの全エピソード解説を含む、唯一無二の完全読本ガイドブック。
(洋泉社 1944円)[amazon]

ニール・スティーヴンスン 『七人のイヴ 1』
突如、月が七つに分裂した! そのかけらが二年後には地球に落下し、数千年つづく灼熱地獄となると判明する。人類生き残りのため宇宙に活路を求め、宇宙ステーションを核とした箱舟がつくられることになるが――人類の未来を俯瞰する近未来宇宙開発ハードSF。
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 1836円)[amazon]

平井和正 『死霊狩り(ゾンビー・ハンター) 全
人間に寄生して心身を操る侵入者への対抗組 織ゾンビー・ハンターは、暗殺者を養成するが。《ウルフガイ》『幻魔大戦』に次ぐ代表作。
(ハヤカワ文庫JA 1534円)[amazon]

ジョー・イデ 『IQ』
LAの若き青年探偵〝IQ〟は、音楽界の大物が命を狙われている事件に挑むが……。ミステリ賞を多数受賞した、鮮烈なデビュー作。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1145円)[amazon]

ジョン・ハート 『終わりなき道 上・下
刑事のエリザベスは、少女監禁犯を拷問の上、射殺したとして激しい批判にさらされていた。州警察が内部調査に乗り出すが、彼女には真実を明かせない理由があった。同じ頃、エリザベスの元同僚の警官が刑務所から釈放される。――様々な秘密を抱えた女と男の道はやがてひとつに繋がり、信じがたい邪悪の存在を暴く。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各886円)[amazon]

ジル・アレグザンダー・エスバウム 『ハオスフラウ』
スイスの町でドイツ語教室に通いはじめたアメリカ人の女。教室を満たすよくわからない言葉と、彼女を誘うわかりやすい男たち。かたくなに秘密と憂鬱を抱えこむ彼女は、嘘を重ねて男たちと情事を続けるが……。詩人作家が独特の文章で孤独をつづった文芸長篇。
(早川書房 2916円)[amazon]

篠田航一 『ヒトラーとUFO [謎]と都市伝説の国ドイツ
ドイツには都市伝説が今もあふれ返る。ヒトラー、UFO、フリーメーソン、ハーメルンの笛吹き男……。ドイツの怪しげな話を追う。
(平凡社新書 821円)[amazon]

コーディー・キャシディ/ポール・ドハティー 『とんでもない死に方の科学 もし○○したら、あなたはこう死ぬ
飛行機の窓が割れたら? ブラックホールに身を投げたら? そのとき、人はどう死ぬのか? 45の 「死に方のシナリオ」 を科学で読み解く、世にも不謹慎で真面目な驚きいっぱいの思考実験。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

マリオ・バルガス=リョサ 『ラ・カテドラルでの対話
独裁者批判、ブルジョアジー批判、父と子の確執、同性愛――。居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話を通して、独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作。作者自らが選ぶ〈自分の作品ベスト1〉。旦敬介訳
(岩波文庫 1426円)[amazon]

アンナ・ゼーガース 『第七の十字架
ナチの強制収容所から七人の囚人が脱走。所内の七本の木に全員を磔にすべく捜索が開始された。年齢も経歴も様々な囚人たちは生き延びられるのか? 第二次大戦中ドイツから亡命した著者によるドイツ抵抗文学の代表作。
(岩波文庫 994円)[amazon]
 
フリオ・コルタサル 『秘密の武器』
E・M ・フォースター『フォースター評論集』
ベルトルト・ブレヒト 『三文オペラ』

(岩波文庫) 復刊

魯迅 『阿Q正伝』
貧しい農民の家に生まれた一人の人間を通し、当時の中国社会を風刺的に描く。辛亥革命の失敗点を痛烈に暴き、民族的決意を促し、文学史にその名を刻んだ代表作。ほかに、デビュー作の「狂人日記」、日本留学の思い出を描いた「藤野先生」、「孔乙己」「小さな事件」「故郷」「家鴨の喜劇」「孤独者」「眉間尺」を収録。増田渉訳
(角川文庫 691円)[amazon]

《MONKEY》 vol.15 特集=アメリカ短篇小説の黄金時代
〈柴田元幸=責任編集〉
1940年代から60年代にかけて多くの短篇小説を発表したジョン・チーヴァーの作品を中心に、短篇の魅力を考える一冊。ジョン・チーヴァー (村上春樹訳)「巨大なラジオ」「泳ぐ人」他/対談 村上春樹+柴田元幸/チャールズ・ブコウスキー「優しい、思いやりのある顔」、シルヴィア・プラス「ミスター・プレスコットが死んだ日」、ウィリアム・ゴイエン「カラスに餌を与えられ」、ジェームズ・ボールドウィン「以前の条件」(柴田元幸訳)/スティーヴン・ミルハウザー「幽霊屋敷物語」(アメリカ未発表短篇)/他 目次
(スイッチパブリッシング 1200円)[amazon]

アルベルト・マンゲル 『図書館 愛諸家の楽園 新装版
アレクサンドリア図書館、ネモ船長の図書室、ヒトラーの蔵書、ボルヘスの書棚……古今東西、現実と架空の〈書物の宇宙〉をめぐる旅。
(白水社 3996円)[amzzon]

スティーヴ・ハミルトン 『ニック・メイソンの脱出への道』
暗黒街の大物、コールによって、電話が鳴れば暗殺者として働かなければならないニック・メイソン。離婚した妻と娘や、愛する女性を守るため、この地獄を脱しようと画策するが、思わぬ事態が待ち受けていた。
(角川文庫 1080円)[amazon]

パウロ・コエーリョ 『ザ・スパイ』
オランダの小さな町で裕福な家に生まれたマルガレータだが、父が事業に失敗。高校も終わるころ、オランダ軍将校の花嫁募集に応募し、インドネシア赴任に同行するが、結婚生活は破綻。現地の舞踊に魅せられたマルガレータは、パリに出て 「東洋の踊子マタ・ハリ」 として別の人生を歩みはじめる。その後誘われてドイツに移るが、それは彼女をスパイにする策略だった……。
(角川文庫 864円)[amazon]

三遊亭円朝 『真景累ヶ淵』
『怪談牡丹燈籠』と並ぶ円朝の代表作。「これが因果の始まりで……」。因果応報に絡めとられる男女の物語。解説=小松和彦
(角川ソフィア文庫 950円)[amazon]

アルベール・カミュ/ジャック・フェランデス 『バンド・デシネ 異邦人』
殺人の動機を「太陽のせい」と証言したムルソー。裁判が始まるや事態は思わぬ展開に……。「不条理文学」の代名詞ともされるアルベール・カミュの名作『異邦人』をマンガ化。
(彩流社 1944円)[amazon]

スーザン・ヒル 『城の王』
11歳のエドモントのお屋敷に、家政婦の母親ともども住むすることになったチャールズ。その日から、同い年のエドモントの執拗ないじめが始まった。二人の暗闘に、両方の親は気づかないまま、事態はエスカレートしていく。そして衝撃の結末が。『ぼくはお城の王さまだ』 を改題文庫化。
(講談社文庫 918円)[amazon]

マイクル・コナリー 『燃える部屋 上・下
2014年、定年延長制度の最後の年をロス市警本部強盗殺人課未解決事件班で迎えようとしているボッシュは、新たな相棒として新米女性刑事ルシア・ソト(28歳)と組むことになった。今回、二人が担当するのは、十年前に銃撃され、体に残った銃弾による後遺症で亡くなったばかりの元マリアッチ・ギタリスト、オルランド・メルセドの事件。
(講談社文庫 各950円)[amazon]

『日本推理作家協会賞受賞作家 傑作短編集(6) 探偵の誇り
日本推理作家協会賞受賞作家6名が生み出した名探偵たちの活躍を収録した珠玉作短編集シリーズ第6弾。泡坂妻夫、坂口安吾、高木彬光、陳舜臣、仁木悦子、横溝正史
(双葉文庫 710円)[amazon]

山口雅也 『生ける屍の死 上・下
アメリカの田舎町で霊園を経営するバーリイコーン一族では、家長が病床に伏しており、その遺産を巡って家中にただならぬ雰囲気が漂っていた。一方その頃、アメリカの各地で不可解な死者の甦り現象が起きていたのだが……。作家デビューまでの経緯、執筆時の試行錯誤、設定の発想源、探偵役のモデルなど制作秘話を明かしたインタビューを収録。作者コメント他
(光文社文庫 各842円)[amazon]

クォン・ソヨン 『春の宵』
生まれてまもない子どもを別れた夫の家族に奪われ、生きる希望を失った主人公ヨンギョンが、しだいにアルコールに依存し、自らを破滅に追い込む 「春の宵」。別れた恋人の姉と酒を飲みながら、彼のその後を知ることになる 「カメラ」 など、韓国文学の今に迫る七つの短編を収録。
(書肆侃侃房 1944円)[amazon]

イザベラ・バード 『イザベラ・バードのハワイ紀行』
150年前のハワイを生き生きと描いた、『日本奥地紀行』 で知られるバードの出世作。火山や渓谷の探検と人との出会い。
(平凡社ライブラリー 1944円)[amazon]

宇田智子 『市場のことば、本の声』
店に立ち、市場のことばに耳を傾ければ、今日も人と本が豊かに、楽しげに行き交う──。沖縄の本を地元で売ることにあこがれて、那覇に移住して9年。店先から見えてきた、そして店先で考えてきた、本のこと、人のこと、沖縄のこと……。古本屋の店主にして気鋭のエッセイストが新たな視点で綴るエッセイ集。
(晶文社 1728円)[amazon]

山田一夫 『幻華堂漫記 其の他』
『初稿 配偶』 から洩れた小品を集めた拾遺輯。表題作 「幻華堂漫記」 をはじめ、生田耕作も愛した中島棕隠について語る 「鴨東四時雑詞」 やロアルド・ダールめいた奇妙な味の 「死人が自ら焼香する話」、己が昔を語る 「京都物語①」、「配偶」 の原型 「人形」 など、佳品10篇。
(東都 我刊我書房 1500円)※盛林堂扱い

アイザック・アシモフ 『黒後家蜘蛛の会2 新版
〈黒後家蜘蛛の会〉の会員たちは毎月の晩餐会でゲストが持ちこむ謎を推理する。だが、真相を言い当てるのは、決まって給仕のヘンリーだった。第2巻には著者自身がモデルのゲストが登場する「追われてもいないのに」、ホームズ譚に挑戦する「終局的犯罪」ほか全12編を収録。
(創元推理文庫 972円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.89
福田和代、新連載『東京ホロウアウト』スタート。特別企画『ドロシイ殺し』刊行記念、小林泰三スペシャルインタビュー掲載。読切、門田充宏「閉鎖回廊」後編ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

周作人 『周作人読書雑記 3』
実に様々な分野・領域を横断しつつ、読書・思考を重ねていった周作人。第3巻は性・女性、子ども・童話、日本文学、西洋文学、言語。全5巻。
(平凡社/東洋文庫 3564円)[amazon]

南條竹則 『英語とは何か』
他の言語に較べて英語の単語数が多いのはなぜか? フランス語やラテン語を知ることが英語学習の早道ってホント? 作家、翻訳家として活躍する著者が、ネイティブも目からウロコを落とす英語の歴史をお教えします。さらに、ラテン語、中国語にも精通する語学のプロフェッショナルの視点から、日本人に適した「正しい英語との付き合い方」を提案。
(集英社インターナショナル 799円)[amazon]

ヘレン・マクロイ 『牧神の影』
深夜、伯父フェリックスの急死を知らせる電話の音でアリスンは目が覚めた。死因は心臓発作とされたが、翌朝訪れた陸軍情報部の大佐は、伯父は軍のために戦地用暗号を開発していたと言う。その後、山中のコテージで一人暮しを始めたアリスンの周囲で次々に怪しい出来事が……。暗号の謎とサスペンスが融合したマクロイ円熟期の傑作。渕上痩平訳
(ちくま文庫 972円)[amazon]

フレデリック・ノット 『ダイヤルMを廻せ!』
ヒッチコック映画化で知られる倒叙ミステリ戯曲。序文=三谷幸喜
(論創社 2376円)[amazon]

フリオ・コルタサル 『奪われた家/天国の扉 動物寓話集
古い大きな家にひっそりと住む兄妹をある日何者かの物音が襲い、二人の生活が侵食されていく 「奪われた家」。盛り場のキャバレーで死んだ恋人の幻を追う 「天国の扉」。ボルヘスと並ぶアルゼンチン幻想文学の代表的作家コルタサルの傑作短篇集。寺尾隆吉訳
(光文社古典新訳文庫 842円)[amazon]

E・M・フォースター 『モーリス』
良家の子弟モーリスと知的な学友クライヴは、互いに友情以上の感情を抱くが、二人の人生はだんだんとすれ違っていく……。同性愛が犯罪であった20世紀初頭の英国を舞台に、抑圧された若者たちの苦悩を描く。作家の死後に発表された衝撃作。加賀山卓朗訳
(光文社古典新訳文庫 1166円)[amazon]

ニュー・イージア 『黒美術 闇と幻を描く表現者たち
私たちの心の闇をあぶりだすダーク・アート。この美しくも不気味な世界を描く、24人のアーティストの作品と共に、彼らがダーク・アートに魅せられる理由や原点を紹介。見る者の心をいやおうなしにえぐるダーク・アート作品集。
(グラフィック社 2808円)[amazon]

山崎まどか 『優雅な読書が最高の復讐である 山崎まどか書評エッセイ集
海外文学における少女探偵、新乙女クラシック、昭和のロマンティックコメディの再発見、ミランダ・ジュライと比肩する本谷有希子の女たちの 「リアル」 など。贅沢な時間をすごすための150冊+α。愛おしい本にまつわるエッセイ・ブックガイド。伝説の 〈Romantic au go! go!〉 や、積読日記、気まぐれな本棚ほか、読書日記も収録。
(DU BOOKS 2376円)[amazon]

鴻巣友季子 『翻訳ってなんだろう?』
翻訳とは 「深い読書」 をすることだ! 誰もが知っている名作を紙上で翻訳しながら読み解く、まったく新しい 「翻訳読書」 のススメ。
(ちくまプリマ―新書 885円)[amazon]

ニナ・サドウスキー 『落ちた花嫁』
カリブ海の高級ホテルの一室。バルコニーから美しい景色を望むエリーの部屋のベッドには血だまりが拡がり、男の死体が横たわっていた。マンハッタンで挙式したばかりの花嫁にいったい何があったのか?  先の読めない展開と、巧みなストーリーテリング。ハリウッド映画プロデューサーの衝撃のデビュー小説。
(小学館文庫 993円)[amazon]

リリー・ライト 『虎の宴』
メキシコの田舎町で盗掘者が秘かに発掘したのは、かつて皇帝の遺体を飾っていたデスマスク。国宝級のこのマスクに群がってきたのは、クセモノ揃いのコレクターたちだった。誰が勝つのか、笑うのか、混沌の地を舞台に執念と欲望まみれの壮絶なる争奪戦が始まる。
(ハヤカワ・ミステリ 2592円)[amazon]

カレン・クリーヴランド 『要秘匿』
CIA分析官ヴィヴは米国潜入中のロシアスパイの情報をついに突き止める。だが、その人物は自分の夫だった!? 異色スパイ小説。
(ハヤカワ文庫NV 907円)[amazon]

『日本SF傑作選6 半村良 わがふるさとは黄泉の国/戦国自衛隊
「赤い酒場を訪れたまえ」 「わがふるさとは 黄泉の国」 などの伝奇SFから、映画化もさ れた 「戦国自衛隊」 まで全12篇収録の傑作選。日下三蔵編
(ハヤカワ文庫JA 1620円)[amazon]

クリストファー・ナトール 『女王陛下の宇宙艦2 ネルソン作戦発令
攻撃は最大の防御なり――地球連合政府は少将に昇進したスミスを司令官とする多国籍艦隊を、敵の本拠星系に向け侵攻させるが!?
(ハヤカワ文庫SF 1252円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ2』
最愛のデナが大事にしていた指輪を宿敵アンブローズから取り戻すため、クォートは宿に忍びこむ。だがそこには恐るべき敵の罠が!
(ハヤカワ文庫FT 1036円)[amazon]

パトリシア・ハイスミス 『死者と踊るリプリー』
天才的犯罪者トム・リプリーが若き日に殺した男ディッキーの名を名乗る者から電話が来た。これはあの妙なアメリカ人夫妻の仕業か? いま過去が暴かれようとしていた……リプリーの物語、最終編。
(河出文庫 1058円)[amazon]

スティーヴン・ハンター 『マスター・スナイパー』
実質的デビュー作 『魔弾』 を改題復刊。第二次大戦末期、ドイツ敗戦の色濃くなる中、ナチス親衛隊は狙撃の名手(マスター・スナイパー)レップ中佐を実行者に 「ニーベルンゲン作戦」 を実行に移す。ターゲットは誰なのか? そして作戦の目的は? スナイパーシリーズの金字塔的傑作。
(扶桑社ミステリー 1080円)[amazon]

クライブ・カッスラー&ボイド・モリソン 『戦慄の魔薬<タイフーン>を掃滅せよ! 上・下
フィリピン海上で反政府勢力の指導者ロクシンを護送中の船が奇襲された。そこで衝撃的な事件が起きた。激しい銃撃戦によって絶命したかに見えた男が目の前で回復を遂げたのだ。警察が茫然とするなか、男は逃走する。満身創痍のはずがいったいなぜ? 人体改造に関わる悪魔の物質の謎にカブリーヨたちが挑む。
(扶桑社ミステリー 各896円)[amazon]


▼5月刊

エレナ・フェッランテ 『新しい名字
ナポリの物語2

若くして結婚したリラは、裕福な婚家での生活にしだいに息苦しさを覚えるようになる。一方、学問を続けるエレナは、ピサの名門大学への進学が決まり、作家としての道を歩みはじめた。対照的な二人の少女の10代から20代の波瀾を描く、世界的ベストセラー第2弾。
(早川書房 2808円)[amazon]

ワシーリイ・アフチェンコ 『右ハンドル』
ソ連解体後、大量の日本の中古車がロシア極東に陸揚げされた。左ハンドルの国ロシアで第二の人生を送ることになった日本の右ハンドル車は沿海地方の人々に愛され、新しい文化を育み、首都モスクワと対抗する自立の象徴にまでなっていったが……。 ウラジオストク育ちの作家が、右ハンドル全盛期のウラジオストクがたどった運命と、右ハンドルとともに生きた日々を語るドキュメンタリー小説。
(群像社ライブラリー 2160円) [amazon]

ゲオルグ・クリストフ・リヒテンベルク 『リヒテンベルクの雑記帳』
「ズボンを二本持っている者は、一方を金に換えこの本を買え」。ニーチェが 「ドイツ散文の宝」 と賞賛し、カネッティが 「世界文学におけるもっとも豊かな書物」 と呼んだドイツ・アフォリズム文学の嚆矢。18世紀後半のヨーロッパにおける文化史・思想史・科学史の貴重なドキュメントの全貌に迫る、画期的訳業。詳細な解説・年譜付。
(作品社 5184円)[amazon]

H・P・ラヴクラフト 『ネクロノミコンの物語』
話題の新訳クトゥルー神話シリーズ第2弾は禁断の書ネクロノミコンを巡る傑作集。「ダンウィッチの怪」 「ピックマンのモデル」 を収録。森瀬繚訳
(星海社FICTIONS 1512円)[amazon]

『ゴジラ 特撮メイキング大寫眞館』
東宝に保存されていた 『ゴジラ』 第1作 (昭和29年) の製作スナップを厳選収録したお宝写真集。解説を排除し、ページが許す限りの大サイズ&ノートリミングで100点以上掲載。全 「ゴジラ」 シリーズの原点、映画 『ゴジラ』 を純粋に楽しみたいファンのための完全保存版写真集。
(講談社 4860円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.13
〈地獄より、再び〉
19世紀末ロンドンで起きた〈切り裂きジャック〉事件を題材にした作品を掲載。ロバート・ブロック、キム・ニューマン、ラムジー・キャンベル、ウィリアム・ミークルなど翻訳6編、日本作家は朝松健、立原透耶。この他、キム・ニューマン インタビューなど。
(アトリエサード 1836円)[amazon]

イアン・マキューアン 『憂鬱な10か月』
わたしは逆さまになって、ある女のなかにいる――。胎児が語る人間たちの世界。誕生の日を待ちながら、母親のお腹のなかにいる 「わたし」。その耳に届く、愛の囁き、ラジオの音、そして犯罪の気配――。胎内から窺い知る、まだ見ぬ外の世界。美しい母、詩を愛する父、父の強欲な弟が繰り広げる、まったく新しい 『ハムレット』。サスペンスと鋭い洞察、苦い笑いに満ちた、英国の名匠による極上の最新作。
(新潮クレスト・ブックス 1944円)[amazon]

ジョン・ディクスン・カー 『盲目の理髪師 新訳版
豪華客船クイーン・ヴィクトリア号で盗難事件、さらに奇怪な殺人事件が発生する。なくなったエメラルドがいつの間にか持ち主の手にもどったり、死体が消えた後に〈盲目の理髪師〉が柄に描かれた血まみれの剃刀が残っていたり。すれ違いと酔っ払いのどんちゃん騒ぎに織り込まれる、不気味なサスペンスと意表を突くトリック。フェル博士登場。三角和代・新訳
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

アン・クリーヴス 『空の幻像』
旧友の結婚式のためシェトランドを訪れたテレビ関係者の女性は、「海辺で踊る白い服の少女を見た」 と同行した友人に話した翌日、失踪しやがて死体で発見される。彼女が目撃したのは数十年前に溺死した少女の幻影なのか? “少女”と事件との関係は? 現代本格ミステリの最高峰、ペレス警部シリーズ最新作。
(創元推理文庫 1425円)[amazon]

リアーン・モリアーティ 『死後開封のこと 上・下
夫の字で 「死後開封のこと」 と書かれた封筒。その手紙を見つけた時からセシリアの幸せな家庭に暗雲がたれこめる。一方、夫と従妹が愛し合っているとの告白に動顛したテスは息子を連れ実家へ帰るが、そこで出会ったのは殺された娘をいまだ忘れられない老婦人レイチェルだった。〈パンドラの箱〉を開けてしまった女性たちを描くトリッキイなミステリ。
(創元推理文庫 各1058円)[amazon]

ドミニク・スミス 『贋作』
画学生エリーは画商に騙され、17世紀オランダ女流画家の作品の複製画を描く。それは真作とすり替えられ、彼女は贋作製作者となってしまう。真作を盗まれた資産家は探偵を雇い彼女の存在を突き止め、近づいたが……。17世紀の女流画家の人生と、自らの罪を隠して生きてきたエリーの人生が、哀しく美しい絵と織りなす見事な人間ドラマ。
(東京創元社 2700円)[amazon]

J・M・クッツェー 『モラルの話』
欲望すること。歳をとること。人間であること。円熟期にある作家が、今どうしても伝えたいこと。これまで自明とされてきた近代的な価値観の根底を問い、時にシニカルな、時にコミカルな筆致で開く新境地。英語オリジナル版に先駆け贈る、極上の7つの物語。
(人文書院 2484円)[amazon]

横溝正史ミステリ短篇コレクション 第6巻 『空蝉処女』
没後発掘された幻想と抒情に溢れる表題作、生前の最後の発表作 「上海氏の蒐集品」、稀少なSF作品 「二千六百万年後」 など全23編を収録。単行本未収録エッセイも充実、バラエティに富んだ作家人生の全貌を知るにふさわしい、コレクション最終巻。日下三蔵編
(柏書房 2888円)[amazon]

マーク・グリーニー 『欧州開戦 3・4
カリブ海の小島で妻子を人質に取られたオーストラリア人トレーダーは、巨額の資金洗浄に加担せざるを得なくなるが、そこに思いがけない救いの手が……。一方、日に日に戦争勃発の危機が迫り、ジャック・ライアン大統領は手持ちの駒をリトアニアに配置し陸上戦に備える。
(新潮文庫 各680円)[amazon ]

『我もし参謀長なりせば』
海野十三、大下宇陀児、甲賀三郎、蘭郁二郎、渡辺啓助の探偵作家五人に、「科学知識」 編集部が、昭和14年に勃発した欧州大戦に、それぞれ 『獨逸側』 『英佛側』 の参謀総長の立場を選ばせ、指揮をとらせて各々勝利へと導くにはどうすればいいか? と誌上での作戦をたてさせた連作。その奇妙奇天烈な作戦はまさに科学探偵小説。五大探偵作家による架空戦記を完全復刻。
(東都 我刊我書房 1200円) ※盛林堂扱い

ジョアン・ギマランイス・ホーザ 『最初の物語』
〈ブラジル現代文学コレクション〉
古代から現代の言葉にいたるまで広範な語彙を駆使し、新語の創造、あるいは語順の転倒や独特な電報的な構文など、さまざまな言語的革新に挑む「ブラジルのジェイムス・ジョイス」が描く、〈死〉と〈不滅〉についての21の物語。
(水声社 2376円)[honto]

リチャード・フラナガン 『奥のほそ道』
1943年、タスマニア出身のドリゴは、オーストラリア軍の軍医として太平洋戦争に従軍するが、日本軍の捕虜となり、「泰緬鉄道」 建設の過酷な重労働につく。そこへ一通の手紙が届き、すべてが変わってしまう。ドリゴの戦前・戦中・戦後の生涯を中心に、俳句を吟じ斬首する日本人将校たち、泥の海を這う骨と皮ばかりのオーストラリア人捕虜たち、戦争で人生の歯車を狂わされた者たち……かれらの生き様を鮮烈に描いた、2014年度ブッカー賞受賞作。
(白水社 4104円)[amazon]

チャールズ・アダムス 『アダムス・ファミリー全集 新装版
朽ち果てた屋敷に住む、謎の美女モーティシアたちアダムス一家。世界中で愛される彼らが活躍する漫画集。未発表作、カラー画を含む全作品を収録。詳細な解説付き。H・ケヴィン・ミゼロッキ編
(河出書房新社 2376円)[amazon]

C・J・チューダー 『白墨人形』
三十年前、僕と僕の友人たちを恐怖に震え上がらせた異常殺人。それが今、甦る。あの事件の真相は? 詩情と恐怖が交錯する話題作。
(文藝春秋 2430円)[amazon]

国枝史郎 『沙漠の古都』
伝奇ロマンの金字塔 「神州纐纈城」 の作家の、もう一方の冒険怪奇ロマンの代表作。マドリッドの獣人を手がかりに、沙漠へ森林へ。探偵と謎の中国青年の冒険譚。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジョン・ルイス+アンドリュー・アイディン (作)/ネイト・パウエル (画) 『MARCH 3 セルマ 勝利をわれらに』
1964年の公民権法の成立後も、アラバマ州セルマでは選挙権登録に来た黒人市民を保安官が妨害していた。ジョン・ルイスは抗議のデモに参加する、,警官隊は催涙弾を打ち込み、デモ隊を棍棒で殴り倒す。「血の日曜日」 事件は全米に放送され、世論や議会に大きな影響を与え、65年の投票権法の成立を導く。
(岩波書店 2916円)[amazon]

《ミステリマガジン》 7月号
特集=おしりたんてい/「ひと組の男女」 マルセル・エイメ/「緑の部屋の謎」 ピエール・ヴェリ/「爺さんと孫夫婦」 トーマ・ナルスジャック/他 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

クレア・ノース 『接触』
私は触れた他人の身体に乗り移ることができる“ゴースト”。ある日「私」は殺され、咄嗟に犯人の身体に避難した。なぜ私は殺されたのか。犯人の姿で探るうち、一人の凶悪なゴーストとある組織に行き当たる。世界幻想文学大賞受賞作家による、壮大なSFサスペンス。
(角川文庫 1339円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』
引退したホームズが最後に手がけた、英国のための一仕事とは (表題作)。姿を見せない下宿人を巡る 「赤い輪」、ホームズとワトソンの友情の深さが垣間見える 「悪魔の足」 「瀕死の探偵」 を含む必読の短編集。駒月雅子訳。
(角川文庫 604円)[amazon]

松岡正剛 『本から本へ 千夜千冊エディション』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。知の巨人、松岡正剛の本の読み方がわかる。読書は交際であり、格闘技である。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

松岡正剛 『デザイン知 千夜千冊エディション』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。意匠、建築、デザイン。人間の存在証明そのものともいえる知覚のしくみから有名デザイナーまでを俯瞰する。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

アダム・シズマン 『ジョン・ル・カレ伝 上・下
かつてMI5、MI6のスパイだったル・カレの波乱に満ちた生涯。 全米批評家協会賞受賞の伝記作家は、近親者、友人への度重なるインタビューを敢行し、さらにはル・カレ自身の膨大な個人アーカイブの資料をひも解きながら、秘密主義の巨匠の真の姿に迫っていく。
(早川書房 3240円)[amazon]

武田雅哉編 『ゆれるおっぱい、ふくらむおっぱい 乳房の図像と記憶
22名の執筆者が豊富な図版(約170点掲載)とともに読み解く、おっぱい=乳房の多彩な表象。日本、中国、西洋、それぞれの乳房観を俯瞰する総論、テーマを掘り下げる各論とともに、楽しいコラムを多数掲載。歴史のなかで、地域によって、揺らぎ、膨らんできた乳房のイメージを、おおっぴらに、まじめに、おもしろく、問いなおす。
(岩波書店 3024円)[amazon]

『皆川博子の辺境薔薇館』 河出書房新社編集部編
皆川博子ロングインタヴュー、絵・写真と詩歌による 「辺境美術館」、未刊行作品、豪華寄稿陣のエッセイやアンケート 「私の愛する皆川作品3」、キーワード20、作品ガイドなど。永久保存版読本。
(河出書房新社 2376円)[amazon]

金森修 『人形論』
祓除の土偶や天児から、ゴシックドール、さらにはラヴドールやロボットまで、広汎な人形ワールドを認識論的に捉える亜人論。遺作。
(平凡社 3456円)[amazon]

荒山正彦 『近代日本の旅行案内書図録』
明治初期から昭和戦前期に刊行された 「旅行案内書」 の系譜を初めて体系化したビジュアル読本。徒歩旅行から鉄道旅行への変化が生んだ近代的なツーリズムは、新たなる 「道中記」 と 「名所図会」 である 「鉄道旅行案内書」 を膨大に生んだ。また、海外や植民地と結ぶ海上交通の発達と併行して 「航路案内」 が生まれ、叢書や雑誌、英文旅行案内などが次々に生み出された。旅行や観光から見た近代日本の姿。内容
(創元社 4860円)[amazon]

ミシェル・パストゥロー 『ヨーロッパ中世象徴史』
動物・植物・色彩・紋章・遊戯などのテーマを通して見た西欧の歴史。象徴を読み解くと、中世に生きた人々の価値観や社会が見えてくる。復刊
(白水社 8100円)[amazon]

カレン・エリザベス・ゴードン 『吸血鬼の文法』
例文が全て吸血鬼か怪奇ネタという英文法書。英語圏で学ぼう働こう、英語で飯を食おう、と思ったならば、闇夜に潜む吸血鬼のように、必ず文法はあなたの背後から迫ってくる。逃げ切るのは不可能だ。英語はまずまず話せるけれど、しっかりした文を 「書く」 自信がない。そんなあなたのための夜の伴侶、お茶目で時に毒が効いた一冊。イラスト満載。下楠昌哉訳。
(彩流社 2376円)[amazon]

『藤原宰太郎探偵小説選』
〈論創ミステリ叢書〉
推理クイズ本で一世を風靡した藤原宰太郎の創作推理小説を集成。探偵久我京介シリーズの長編第一作 『密室の死重奏(カルテット)』、デビュー作 「千に一つの偶然」 から断筆短編まで、中短編を網羅。巻末には86歳を迎えた著者インタビューを収録。
(論創社 4320円)[amazon]

『ニッポンの本屋』 本の雑誌編集部編/中村規写真
ページを開けば本屋さんにいる気分に浸れる、そんな写真集が満を持して登場。 大人気〈本棚〉写真集 『絶景本棚』 の姉妹編。日本各地の普段使いの本屋さん、いつもそばにある本屋さん34軒の棚や平台を存分に収録。本屋さんで、棚を眺め、ぼんやり本を見つける幸せが、この一冊に詰まってます。
(本の雑誌社 2484円)[amazon]

野村胡堂 『奇談クラブ』
若い女性資産家を会長とする秘密サークル「奇談クラブ」を舞台にゲストの語り手が、ミステリ、ホラー、ファンタジーなどの奇談を語るスタイルの連作小説。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジャンバッティスタ・ヴィーコ 『新しい学 上・下
デカルトの科学主義に立ち向かい、人間の歴史の価値に光をあてるヴィーコ。古文献・風習・言語・芸術・貨幣などを読むことで、〈真なるもの〉に迫る。
(中公文庫 各1728円)[amazon]

パーシー・ビッシュ・シェリー 『チェンチ一族』
近親相姦、親殺し、公開処刑というスキャンダラスな内容が盛り込まれた16世紀末ローマのある一族の滅亡の記録を基に、英国ロマン派詩人シェリーが社会に問うた異色の詩劇。
(音羽書房鶴見書店 2700円)[amazon]

ギヨーム・ド・ロビエ/ジャック・ボセ 『世界図書館遺産 壮麗なるクラシックライブラリー23選
ヨーロッパを中心に世界12カ国、計23館の歴史的に貴重なクラシカルライブラリーを紹介。その絢爛豪華な空間美に魅せられた一人のフランスの建築写真家が、天井画から書架まで、閲覧室を彩る優美な室内装飾を余すところなくそのフィルムに収めた。内容
(創元社 4860円)[amazon]

村上リコ 『図説 英国メイドの日常 新装版
〈ふくろうの本〉
19世紀英国ヴィクトリア朝の最大多数派の女の子たち……メイド。同時代の図版を駆使して、彼女たちの日常、恋や結婚、彼女たちの〈本当の気持ち〉に迫る。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

サンドラ・シスネロス 『マンゴー通り、ときどきさよなら』
移民が集まる街に引っ越してきたエスペランサ。自由と夢を追い求める街の人々の悲喜劇を少女の瑞々しい感性で描いた名作。
(白水Uブックス 1404円)[amazon]

秋草俊一郎 『アメリカのナボコフ 塗りかえられた自画像
新大陸に移住後、『ロリータ』 によってスキャンダラスな形で知られたナボコフは、いかにアメリカの大作家へと上りつめたのか。芸術家、文学者へと意図的に自己イメージを操作しながら、亡命者から「世界文学」への道程を歩んでいった作家の姿を、本邦初公開となる膨大な新資料を通じて描きだし、従来のナボコフ像を一新する。図版多数。
(慶応義塾大学出版会 3024円)[amazon]

河村幹夫 『評伝コナンドイルの真実』
ヴィクトリア時代を代表する文化人であり、名探偵ホームズの生みの親にして、偉大なる心霊主義者、コナンドイル。その多彩な人生の真実を徹底解明する。コナンドイル解説付年譜も収録。
(かまくら春秋社 4860円)[honto]

パスカル・キニャール 『涙』
〈パスカル・キニャール・コレクション〉
「ストラスブールの誓い」に立ち会った年代記作者ニタール、見知らぬ女の顔を探し求め彷徨するアルトニッド。反復する誕生、鏡像のような双子。カロリング朝を舞台に、史実と虚構を断章形式で織り交ぜ、フランス語の起源に肉薄する謎めいた小説。
(水声社 2592円)[honto]

ハビエル・アスペイティア 『ヴェネツィアの出版人』
グーテンベルクによる活版印刷発明後のルネサンス期、イタリック体を創出し、持ち運び可能な小型の書籍を開発し、初めて書籍にノンブルを付与した改革者。さらに自ら選定したギリシャ文学の古典を刊行して印刷文化を牽引した出版人、アルド・マヌツィオの生涯。“最初の出版人”の全貌を描く、ビブリオフィリア必読の長篇小説。
(作品社 3024円)[amazon]

チョン・ミョングァン 『鯨』
〈韓国文学のオクリモノ〉
一代にして財を成し、あまたの男の運命を狂わせた母クムボク。並外れた怪力の持ち主にして、人ならざるものと心を通わし、煉瓦づくりに命を賭した娘チュニ。巨大な鯨と煉瓦工場、華やかな劇場をめぐる壮絶な人生ドラマが幕を開ける。ストーリーテラーとして名高い著者が、破壊的なまでに激しく生々しい人間の欲望を壮大なスケールで描き出した一大叙事詩。
(晶文社 2376円)[amazon]

トレヴェニアン 『パールストリートのクレイジー女たち』
ニューヨーク州オールバニーのスラム街に引っ越してきた少年。エキセントリックな母と女優を夢見る妹を支えるため、知恵を絞る毎日だった……。1930年代~40年代のアメリカが江國香織の名訳で甦る。
(集英社文庫 1188円)[amazon]

『諸星大二郎 怪を語り、快を生み出す 大増補新版
萩尾望都、山岸凉子、高橋留美子ほか豪華寄稿陣。星野之宣との新規対談、描き下ろしマンガ、単行本未収録作など、増補内容も超充実。『諸星大二郎(文藝別冊)』(2011)の増補新版。
(河出書房新社 1620円)[amazon] [honto]

フアン・ルルフォ 『燃える平原』
焼けるような暑さ、谷底から吹き上げてくる突風――。メキシコの荒涼とした大地にあえぐ貧しい農民たちの寡黙な力強さや愛憎、暗い情念の噴出から生じる暴力や欲望、あるいは孤独を狂気を、修辞を排した強い喚起力に富んだ文体で描く。
(岩波文庫 842円)[amazon]

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて12 消え去ったアルベルチーヌ』
アルベルチーヌの突然の出奔と事故死の知らせ。なぜ出ていったのか? 疑惑に悶える 「私」 は 「真実」 を暴こうと狂奔する。苦痛が無関心に変わる頃、初恋の人に再会し、人々の変転とヴェネツィアの旅に深い感慨を覚える。吉川一義訳
(岩波文庫 1361円)[amazon]

ジョージ・オーウェル 『カタロニア讃歌』
(岩波文庫 994円)復刊

アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャーⅢ 炎の洗礼』
大陸が再び戦いの渦にのまれようとするなか、ウィッチャーのゲラルトは、少女シリの行方を捜しにニルフガード帝国へ向かう。
(ハヤカワ文庫FT 1080円)[amazon]

カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ 『誹謗』
コペンハーゲン郊外で見つかった白骨死体。捜査を進める法医学者リネア・キルケゴールは、自らの身も危険にさらすことになり……
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

デイヴィッド・グラン 『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生
1920年代、アメリカ南部。オクラホマ州の先住民保留地で20数名が相次いで殺される事件が発生。のちのFBI長官フーヴァーと敏腕捜査官ホワイトが、石油利権と人種問題が複雑に絡む陰謀の真相に迫る。『ロスト・シティZ』 の著者が放つ傑作ノンフィクション。
(早川書房 2376円)[amazon]

グレン・エリック・ハミルトン 『冬の炎』
人探しを依頼されて、赴いた冬山。しかしそこで見つかったのは、若い男女の無残な遺体だった。哀切なハードボイルド・サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 1209円)[amazon]

島田荘司 『本格からHONKAKUへ』
日本本格ミステリーの海外発信、新人の発掘・育成に尽力してきた島田荘司がこの10年の本格ミステリー界を振り返り、向こう10年への提言を行う。
(南雲堂 2700円)[amazon]

四方田犬彦・中条省平編 『1968 [3] 漫画』
実験的であること、前衛的であること、アンダーグラウンドであること。それが漫画の基準だった。時代の異能者が遺した作品群を収録。
(筑摩選書 2808円)[amazon]

パスカル・キニャール 『落馬する人々 最後の王国 7
〈パスカル・キニャール・コレクション〉
馬が嘶き、手綱は千切れ、地面にたたきつけられる。生死の境をさまよった末、血だまりのなかで息を吹き返した人間がみた世界――人馬一体の命運を転覆させ、戦争/平和、動物/人間、言語/イメージ、社会/自由の根幹を問い、起源を生き直すための忘我=脱自(エクスターズ)!
(水声社 3240円)[honto]

オリヴィエ・ル・カレ 『呪われた土地の物語 かつて何かが起きた、そしてこれから起こるかもしれない40の場所
世界には人々を魅惑する秘境がある一方、誰もが目を背ける 「いわくつき」 の土地がある。悪魔の棲む館、怪物が出没する海峡、大虐殺が起きた群島……妄想を掻き立て、語り継がれた40の物語。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

キム・ニューマン 『ドラキュラ紀元一八八八』
吸血鬼ドラキュラ、大英帝国に君臨す。ヴィクトリア女王と結婚し、大英帝国を手中に収めたドラキュラ。だが、人間とヴァンパイアが共存する社会は、わずか三年後、ヴァンパイアの女だけを狙う切り裂き魔 〈銀ナイフ〉 の凶行に揺らぎだした。政府の秘密機関 〈闇内閣〉 の命を受けた諜報員ボウルガードは、五百歳の美少女ジュヌヴィエーヴとともに切り裂き魔を追う。短編「死者ははやく駆ける」、「もうひとつの結末」、「映画『ドラキュラ紀元一八八八』より」 等も収録。
(アトリエサード 3888円)[amazon]

『須賀敦子エッセンス1  仲間たち、そして家族
その人と文学の核心をなす名文章を元担当編集者にして最大の理解者が厳選した須賀文学の精華。最良の入門書であると同時に愛読者にとっては新たな魅力を発見するための決定版アンソロジー。湯川豊編
(河出書房新社 1944円)[amazon]

『ヨハネの黙示録』
終末は永遠の滅びか、永遠の救いか? 新約聖書の最後で世界の終りを暗示する 「ヨハネの黙示録」。全体を貫く不吉なイメージに謎の成立過程、強烈な存在感を背負った問題の書。七つの○○、「666」、大いなるバビロン、千年王国、迫害と勝利……美術、文学、思想から現代の漫画やゲームまで、深い影響を与えている謎の正典のすべてを、ギリシア語原典からの全訳と解説で明らかに。図像82点を収録、図像学者による解説を加える。小河陽訳
(講談社学術文庫 994円)[amazon]

山尾悠子 『飛ぶ孔雀』
石切り場の事故以来、火が燃えにくくなった世界。庭園の大茶会で火を運ぶ娘たちを孔雀が襲い、大蛇蠢く地下世界を男は遍歴する――。待望の最新長篇。
(文藝春秋 2160円)[amazon]

ロバート・ロプレスティ 『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』
「事件を解決するのは警察だ。ぼくは話をつくるだけ」 と言うミステリ作家のシャンクスだが、実際には、いくつもの謎や事件を見事解決に導いていた。図書館司書の著者による連作短編集。
(創元推理文庫 1102円)[amazon]

A・E・W・メイスン 『ロードシップ・レーンの館』
〈論創海外ミステリ〉
小さな詐欺事件が国会議員殺害事件へ発展。複雑に入り組む疑惑の人脈に渦巻く謎また謎。アノー探偵、最後にして最大の事件。ロードシップ・レーンの館に隠された秘密とは……。
(論創社 3456円)[amazon]

メルヴィル・デイヴィスン・ポースト 『ムッシュウ・ジョンケルの事件簿』
〈論創海外ミステリ〉
プロットの巧みさとサプライズ・エンディング。パリ警視総監ムッシュウ・ジョンケルが アメリカ、フランス、イギリスを舞台に謎に挑む。
(論創社 2592円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ミスト 短編傑作選
町を覆った奇妙な濃霧。中に踏み入った者は 「何か」 に襲われる……映画化、TV化された名作 「霧」 他、初期短篇からよりぬいた傑作選。【収録作品】 「ほら、虎がいる」 「ジョウント」 「ノーナ」 「カインの末裔」 「霧」
(文春文庫 929円)[amazon]

仁木悦子 『赤い猫 短篇ミステリ傑作選
爽やかなユーモアと本格推理、そしてほろ苦さを少々。日本推理作家協会賞受賞の表題作ほか、日本のクリスティーの魅力をたっぷり堪能できる傑作選。日下三蔵編
(ちくま文庫 予価950円)[amazon]

笹沢左保 『人喰い』
労働争議が続く 「本多銃砲火薬店」 工場に勤める花城由記子が、社長の一人息子、昭一と心中するという遺書を残して失踪した。二日後、昭一の遺体は発見されたが、由記子の行方はわからない。殺人犯として指名手配を受けた姉を追い、妹の佐紀子は必死の捜索を続けるが、工場でさらなる事件が起こる。第14回日本推理作家協会賞受賞作。
(双葉文庫 660円)[amazon]

『甲賀三郎 大阪圭吉 ミステリー・レガシー』 ミステリー文学資料館編
ミステリー文学資料館の“遺産”ともいえる膨大なコレクションより、本格派探偵小説作家・甲賀三郎の 「琥珀のパイプ」 「歪んだ顔」+エッセー3篇と、本格短編の名手として名高い大阪圭吉の第一作品集 『死の快走船』 (昭和11年) を収録。
(光文社文庫 950円)[amazon]

ウィリアム・フォークナー 『八月の光』
お腹の子の父親を探して旅する女、出生の秘密を抱えた労働者、社会から疎外された牧師、各々の人生が絡み合うように語られ、一つの物語に収斂していく。孤独、 人種差別、愛と暴力が渦巻く、20世紀アメリカ文学の傑作。黒原敏行訳
(光文社古典新訳文庫 1684円)[amazon]

張愛玲 『傾城の恋/封鎖』
離婚後、没落した実家に戻っていた白流蘇。異母姉妹の見合いに同行したところ、英国育ちの華僑の青年実業家にひと目惚れされてしまう……。被占領下の上海と香港を舞台にした「傾城の恋」など5篇からなる傑作短篇集。藤井省三訳
(光文社古典新訳文庫 928円)[amazon]

イレーヌ・ネミロフスキー 『孤独のワイン』
母との確執、熾烈な自己回復、自立への闘い。 革命に追われた流浪の青春、それ以上に、苛烈な少女が辿る内面の旅を。未完の大作『フランス組曲』の作者が贈る、自伝的要素を背景として女性の自立を描く長篇。
(未知谷 2700円)[amazon]

ボリス・ヴィアン 『お前らの墓につばを吐いてやる』
伝説の作家がアメリカ人を偽装して執筆し、フランスで大ベストセラーとなった代表作。人種差別への怒りに燃える青年の明日なき暴走。鈴木創士訳
(河出文庫 994円)[amazon]

カート・ヴォネガット 『はい、チーズ』
「さよならなんて、ぜったい言えないよ」 バーで出会った殺人アドバイザー、夫の新発明を試した妻……ヴォネガットから14の贈り物。大森望訳
(河出文庫 994円)[amazon]

ハーラン・コーベン 『偽りの銃弾』
殺人事件で夫を失った元特殊部隊パイロットのマヤ。2歳の娘を案じ自宅に設置した隠しカメラに写っていたのは、2週間前に殺されたはずの夫ジョーだった。ジョーの死に潜む謎を追ううちに、マヤは4か月前に惨殺された姉クレアの死、そして17年前のある事件の真相へとたどり着く……。
(小学館文庫 1004円)[amazon]

原民喜 『夢の器 原民喜 初期幻想傑作集
原爆小説の代表的作家として知られる原民喜。戦前に描かれた瑞々しい感性のなかに潜む幻想性豊かな初期の傑作を収録。「原民喜」 のイメージを一新する、夢の器に浸ってみたい。天瀬裕康編
(彩流社 2376円)[amazon]

阿部徳蔵 『阿部徳蔵魔術小説集 未亡人の妖術』
戦前天覧奇術も披露した奇術研究家・阿部徳蔵の魔術小説集。初出以降初の活字化、『犯罪公論』『改造』『少年倶楽部』より10編収録。収録作品「未亡人の妖術」「手品師と山伏」「易」「ピアノの線が毛髪にふれる時」「雨の夜の恋人」「酒のつきない瓢箪」「怪行者の丸薬」「キュウバ島恋愛奇談」「奇術王 ウーダンの魔法」「謎の人 フーデニ」
黒死館附属幻推園 1000円)

大阪圭吉 『夏芝居四谷怪談 弓太郎捕物帖
名古屋新聞社出版部 「にっぽん」 に掲載された大阪圭吉の時代(捕物)小説。 全7篇のうちの第2作。
盛林堂ミステリアス文庫 500円) 売切

『定本 夢野久作全集 第4巻』
多彩な活動の全貌を集大成した決定版全集。第4巻は1934年から35年までの小説 「近眼芸妓と迷宮事件」 「白くれなゐ」 「骸骨の黒穂」 「笑ふ唖女」 「ドグラ・マグラ」 を収録。
(国書刊行会 10,260円)[amazon]

デイヴィッド・ヤング 『影の子』
1975年。東ベルリンの〈壁〉に接した墓地で少女の死体が発見された。事件の捜査を命じられた刑事警察の女性班長カーリン・ミュラー中尉は、知らず知らずのうちに国家の闇に迫っていく。冷戦時代の東ドイツを舞台にし、高く評価された歴史ミステリの傑作登場。
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

ベリエ・ヘルストレム/アンデシュ・ルースルンド 『死刑因』
スウェーデンで逮捕されたその男は、アメリカで六年前に死んだはずの死刑囚だった!? 大好評、グレーンス警部シリーズ第三弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

ジャック・キャンベル 『彷徨える艦隊 ジェネシス 先駆者たち
ギアリーやその妻デシャーニの出身星系がおもな舞台として登場し、将来アライアンスを構成する星域のコロニー創設期が語られる。
(ハヤカワ文庫SF 1188円)[amazon]

パトリック・ロスファス 『賢者の怖れ1』
今は身元を隠し隠れ住む伝説の魔法使い 「王殺しのクォート」 が訪ねてきた歴史家に語る驚異の過去の物語、その第2夜がついに開幕。
(ハヤカワ文庫FT 1037円)[amazon]

泡坂妻夫 『奇跡の男』
バスの転落事故でたった一人生き残った男が、今度は宝くじに当たり……。この世にそんな男が存在する?ユニークなミステリ短編集。
(徳間文庫 691円)[amazon]

山根貞男 『日本映画時評集成 1990-1999』
徹底して日本映画の現在と格闘しながら新たな〈活劇の行方〉を問いつづける――「キネマ旬報」で長期連載中の《日本映画時評》を一挙単行本化。時評を突き抜けた圧巻の時評集成、混沌の90年代篇。全3巻完結。
(国書刊行会 5400円)[amazon]


▼4月刊

竹田仰 『夢の久作のごとある』
日本三大奇書の一つ 「ドグラ・マグラ」 を代表作にもつ、昭和初期に活躍した小説家・夢野久作。彼の作品の魅力は、どこから生まれてくるのか。近代日本を駆け抜けた思想の血脈から探る。
(「夢野久作と杉山三代研究会」事務局 1080円)[honto]

横溝正史ミステリ短篇コレクション 第5巻 『殺人暦』
息つく間もないおぞましき復讐劇を描く表題作ほか、犯人当て懸賞小説として大反響を巻き起こした「芙蓉屋敷の秘密」、俳優・鈴木傳明の代作者をつとめた「幽霊嬢」など、昭和初期の作品全14編。【収録内容】 富籤紳士/生首事件/幽霊嬢(ミス・ゆうれい)/寄せ木細工の家/舜吉の綱渡り/三本の毛髪/芙蓉屋敷の秘密/腕環/恐怖の映画/殺人暦/女王蜂/死の部屋/三通の手紙/九時の女
(柏書房 2808円)[amazon]

山田一夫 『初稿 配偶 山田一夫モダニズム小説集 弐
第一部 作品集 『配偶』/第二部 単行本未収録モダニズム小説/第三部 エッセイ・短歌 他
盛林堂ミステリアス文庫 4500円)

ポール・モラン 『黒い魔術』
ベストセラー『夜ひらく』の著者による伝説の短篇集、初邦訳。世界中に圧倒的な影響を与えた、20年代のフランスを代表するモダニスト作家。日本では堀口大學、横光利一など、新感覚派に爪痕を残す。初版時の挿絵8点入。
(未知谷 3024円)[amazon]

アンドレアス・フェーア 『弁護士アイゼンベルク』
女性弁護士アイゼンベルクは、ホームレスの少女から弁護を依頼される。彼女の友人のホームレスの男が若い女性を殺害し、死体を損壊した容疑で逮捕されたのだ。しかもその男はアイゼンベルクの元恋人だった。高名な物理学教授がなぜホームレスになり、殺人の被疑者に? 二転三転する事件と、法廷での論述戦の果てに明らかになる、あまりに意外な犯人。ドイツ推理作家協会賞受賞作家の傑作ミステリ。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

福井健太 『本格ミステリ漫画ゼミ』
本格ミステリ漫画の歴史を概観し、魅力的な作家と作品を紹介。乱歩作品、ホームズなどのコミカライズから、『金田一少年の事件簿』 『名探偵コナン』 『Q.E.D.』 『スパイラル~推理の絆~』 といったオリジナルの傑作まで。
(東京創元社/キイ・ライブラリー 1836円)[amazon]

《ユリイカ》 5月号 特集=アーシュラ・K・ル=グウィンの世界―1929-2018―
『闇の左手』などの〈ハイニッシュ・サイクル〉シリーズから〈ゲド戦記〉シリーズ、そして〈西のはての年代記〉シリーズまで、文化人類学、ジェンダーやフェミニズムもモチーフにしたSF作品を刊行しつづけ、SF界だけではなく、アメリカ文学に多大な業績を残し、また全世界に影響を与え続けている、アーシュラ・K・ル=グウィンの魅力に迫る。目次
(青土社 1512円)[amazon]

マーク・グリーニー 『欧州開戦 1・2
ロシアのヴォローディン大統領は、ある陰謀を胸に秘めて、バレンツ海に出航する原潜を見つめていた。原油価格の暴落による経済危機を脱し、さらに自らの資産隠匿のため、これから大博打を打つのだ。リトアニアのガス貯蔵所爆破を皮切りに事件が続発する中、米極秘情報組織〈ザ・キャンパス〉工作員は悪の影を追う。最新国際情報を盛り込んだジャック・ライアン・シリーズ新展開。
(新潮文庫 680円/724円)[amazon ]

ソール・ベロー 『ラヴェルスタイン』
主人公チックは、友人で、世界的に著名な学者ラヴェルスタインから、回想録執筆を依頼されるのだが……。記憶をたどるチックの問わず語りは果たしてどこへ向かうのか。ソール・ベローの最後の小説。
(彩流社 2700円)[amazon]

ジャック・ドゥルワール 『ルパンの世界』
怪盗アルセーヌ・ルパンの人間関係や過去への偏愛、そして当時の衣装風俗や社会階層、乗り物やアクセサリーや武器にいたるまで、多角的かつ詳細な視点からその実像に迫った、ルパン愛読者必携の書。目次
(水声社 3240円)[honto]

テリー・イーグルトン 『文学という出来事』
そもそも文学とは何か。文学と非文学の境とは―中世から現代に至る様々な議論からその役割・意義・働きを探り、人類の大命題に迫る。
(平凡社 3888円)[amazon]

マーカス・デュ・ソートイ 『知の果てへの旅』
宇宙に果てはあるのか。時間とは何か。意識はどこから生まれるのか。科学はすべてを知りうるのか。科学はかつて不可能だと思われたことを可能にし、多くの謎を解明してきた。知の探究の最先端で今、何が問われているのか。ビッグバンの前に何があったのか。コンピューターは意識を持ちえるか。未来は予測可能か。科学の力をもってしても知りえないことは、はたして存在するのか。『素数の音楽』 の著者による人間の知の限界への挑戦。
(新潮クレスト・ブックス 2916円)[amazon]

トーン・テレヘン 『きげんのいいリス』
ブナの樹の上に暮らす忘れっぽく気のいいリスと、悩みを打ち明けにくるどうぶつたち。『ハリネズミの願い』の作家の幻の名作完全版。
(新潮社 1404円)[amazon]

マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 『消えた消防車 刑事マルティン・ベック
ラーソン警部の目の前で、監視中のアパートが爆発した。猛火に襲われた人々を救うべく奮闘するも虚しく、建物は焼け落ちた。焼死者の中にはある事件の容疑者が。出動したはずの消防車はなぜこなかったのか? スウェーデン発、警察小説の金字塔シリーズ第四作。柳沢由美子訳
(角川文庫 1166円)[amazon]

アンソニー・ホロヴィッツ 『モリアーティ』
ホームズとモリアーティが滝壺に姿を消した。現場を訪れたアメリカの探偵とスコットランドヤードの刑事は、モリアーティに接触しようとしていたアメリカ裏社会の首領を共に追うことに――。コナン・ドイル財団公認第二弾。駒月雅子訳
(角川文庫 1080円)[amazon]

《SFマガジン》 6月号
〈ゲームSF大特集〉
(早川書房 1296円)[amazon]

ジョン・ルイス+アンドリュー・アイディン (作)/ネイト・パウエル (画) 『MARCH 2 ワシントン大行進』
南部にむかうバスに乗って、人種の区別を公然と破るフリーダム・ライド運動に参加したジョン・ルイス。南部の白人社会の反発はすさまじいものだったが、果敢な行動で社会を揺り動かしていく。そしてワシントン大行進で運動は頂点に達したかにみえたが……
(岩波書店 2592円)[amazon]

ロジェ・カイヨワ 『アルペイオスの流れ 旅路の果てに 改訳版
海から出て、やがて辿り着く新しい岸辺でふたたび川となるアルペイオスの流れ。詩と文学、幻想とイメージ、遊び、自然、様々な物との出会いから一個の 〈石〉 へ、そして、挿話的な種としての人類という岸辺へ。ギリシアの川神に託して自らの思想の遍歴を語る自伝的作品の傑作。著者最後の書き下し。改訳版。
(法政大学出版局/叢書ウニベルシタス 3672円)[amazon]

ベルナール・ステファヌ 『パリ地名大事典』
パリの地名の大部分に、歴史上の人物や出来事(戦争・事件)、制度・機関(教会・修道院・学校など)に由来する呼称がついている。本書は、これらの地名のうち、およそ5000例を取り上げている。地名をとおして、おのずとパリの歴史が浮かび上がる好著。
(原書房 10,260円)[amazon]

ウィリアム・カールセン 『マヤ探検記 人類史を書きかえた偉大なる冒険 上・下
古代の遺跡に見せられた二人の男はそれぞれの夢を中央アメリカの熱帯雨林に見出した。猛烈な暑さと湿気、ハエや蚊や毒ヘビ、マラリアや黄熱病、石だらけの道や行く手を阻む沼地、そして繁茂する植物たち。それは、まさに命をかけた冒険だった。マチュピチュ発見よりも60年以上前に人類が果たした壮大な足跡をたどる。図版多数。
(青土社 各3024円)[amazon]

『文壇出世物語』 新秋出版社文芸部編
人気作家から忘れ去られた作家まで、紹介される文壇人は100人。若き日の彼らはいかにして有名人となったのか?大正期に匿名で発表された謎の名著(新秋出版社、1924)が、21世紀の文豪ブームに一石を投じるべく大復活。読んで愉しい100年前の文壇ゴシップ大事典。内容
(幻戯書房 3024円)[amazon]

M. de ウナムーノ 『ベラスケスのキリスト』
1920年公刊のウナムーノ長篇詩の代表作。ベラスケスのキリスト像が喚び起こす観想を通じてスペイン精神の深層と人間の運命を歌い上げ、『神曲』 『失楽園』 の伝統にもつらなるヨーロッパ文学の知られざる傑作を本邦初訳。
(法政大学出版局/叢書ウニベルシタス 2916円)[amazon]

エミール・ゾラ 『猫の楽園 ゾラ ショート セレクション
『居酒屋』 『ナナ』 など19世紀後半の仏文学を代表する作家、エミール・ゾラの短編を7編厳選。ユーモラスな話、皮肉や風刺の効いた話、悲劇的な話、ホラー調の話など、興味深く読める作品群でゾラの多様な作風に触れられる。平岡敦訳。児童・YA向け。
(理論社 1404円)[amazon]

柳瀬尚樹 『ことばと遊び、言葉を学ぶ』
言葉の達人である天才翻訳家が、滋賀・福岡・島根の教壇に立つ。言葉遊び、辞書の重要さ、英語の体得法。面白くためになる特別授業。
(河出書房新社 1620円)[amazon]

ロミ 『自殺の歴史』
古今東西におよぶ自殺の諸相を数々の逸話とともに解析。人間存在の最も哲学的なテーマである自殺の諸問題を、心理・哲学・技術・手法・社会・文学・漫画・小唄など、多方面から論じた類のない労作。
(国書刊行会 4536円)[amazon]

S・S・ヴァン・ダイン 『カナリア殺人事件 新訳版
ブロードウェイの元女優 「カナリア」 が密室で殺害される。容疑者はわずか四人だが、決め手となる証拠は皆無。矛盾だらけで不可解な犯罪に挑むのは、名探偵ファイロ・ヴァンス。独自の推理手法で犯人を突き止めようとするが……。シリーズ第二弾、日暮雅通・新訳。
(創元推理文庫 972円)[amazon]

ヘニング・マンケル 『ピラミッド』
北欧ミステリの帝王マンケルが生んだ名物刑事クルト・ヴァランダーがまだ20代でマルメ署にいた頃の 「ナイフの一突き」 「裂け目」 から、イースタ署に移ったばかりの頃に遭遇した事件 「海辺の男」 「写真家の死」 を経て、『殺人者の顔』 直前のエピソード 「ピラミッド」 に至る5つの短編。若き日のヴァランダーの成長を描いた短編集。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

T・S・エリオット 『荒地/文化の定義のための覚書』
「四月はいちばん無情な月」 で始まる長篇詩 「荒地」 と代表的な文化論の定評ある名訳 (深瀬基寛訳) を一冊にし、巻末に深瀬基寛の評論 「エリオットの人と思想」 を収めた決定版。《古典名訳再発見》 第5弾。解説=阿部公彦。
(中公文庫 1080円)[amazon]

東江一紀 『ねみみにみみず』
翻訳家の日常、翻訳の裏側。迫りくる締切地獄で七転八倒しながらも、言葉とパチンコと競馬に真摯に向き合い、200冊を超える訳書を生んだ翻訳の巨人。知られざる生態と翻訳哲学が明かされる、おもしろうてやがていとしきエッセイ集。越前敏弥編
(作品社 1944円)[amazon]

越前敏弥 『文芸翻訳教室』
「原文をしっかり読む」 「日本語の表現力を増やす」 「調べ物をきっちりする」 といった基本から、「表記のルール」 「各登場人物にふさわしい日本語」 「物語の視点」 を頭に置いた実践的な訳し方まで、第一線で活躍する文芸翻訳家が秘伝を伝授。加えて、シノプシスの書き方や企画の持ち込み方もアドバイス。目次
(研究社 2160円)[amazon]

霜月蒼 『アガサ・クリスティー完全攻略 決定版
英国ミステリの女王、アガサ・クリスティー。作品数が多いゆえに、どれから読んでいいかわからない。有名作品以外も読んでみたい――そんな要望に応え、一冊でクリスティー100作を網羅した傑作評論集にしてブックガイド。『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 論を特別収録。日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞受賞作。
(早川書房/クリスティー文庫 1037円)[amazon]

ジェイコブ・リース 『向こう半分の人々の暮らし 19世紀末ニューヨークの移民下層社会
19世紀後半、欧州・ロシア・中国等からの移民が急増したニューヨーク。とりわけマンハッタン南部のロウアーイーストサイドには、安アパートに貧しい移民が集住した。 その暮らしを当時まだ目新しかった写真を取り入れて活写した、フォトジャーナリズムの古典(1890年刊)を完訳。
(創元社 2916円)[amazon]

アラフェア・バーク 『償いは、今』
銃乱射事件で係争中の被害者遺族が、一転して連続殺人の容疑者に。元恋人を救うべく、女性弁護士は勝ち目が薄い裁判に臨むが……
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1058円)[amazon]

カズオ・イシグロ 『日の名残り ノーベル賞記念版
品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い……。ノーベル文学賞作家の代表作が新装幀、新判型で登場。
(早川書房 2160円)[amazon]

マシュー・メイザー 『サイバー・ストーム 隔離都市 上・下
ネット障害をきっかけに、都市機能が次々と壊滅するニューヨーク。空前の雪嵐が襲来するなか、取り残された人々は生き残れるか?
(ハヤカワ文庫NV 864円/778円)[amazon]

ピーター・トライアス 『メカ・サムライ・エンパイア』
第二次世界大戦で日独が勝利し、巨大ロボット「メカ」が闊歩する日本統治下のアメリカ。メカのパイロット志望だった少年マックは夢をかなえるための士官学校入試で失敗。民間のパイロット養成校に入学を許されるのだが……。話題爆発の歴史改変SF。
(新ハヤカワSFシリーズ 2592円)[amazon]
ピーター・トライアス 『メカ・サムライ・エンパイア 上・下
(ハヤカワ文庫SF 各778円)[amazon]

フォード・マドックス・フォード 『ノー・モア・パレーズ』
第一次大戦期の英仏を舞台にした傑作長編四部作の第2巻。イングランド最後の保守主義者は、戦争にどう向き合ったか。
(論創社 3240円)[amazon]

『ウンガレッティ全詩集』
20世紀イタリア最高の詩人ジュゼッペ・ウンガレッティ。第一次大戦に従軍し最前線の塹壕の中で書き留めた、生命の結晶のごとき初期の前衛的な短詩群から、ペトラルカへと溯るイタリアの詩的伝統に回帰して、詩想を深め詩型を磨いた後年の韻律詩群までの全詩篇を収録。詩論 「詩の必要」 を併収。河島英昭訳
(岩波文庫 1361円)[amazon]

押野武志・谷口基・横濱雄二・諸岡卓真編著 『日本探偵小説を知る 150年の愉楽
明治期の奇異譚から乱歩の奇想へ、清張の社会派を経て<新本格>の時代へ。日本探偵小説をめぐる言説を歴史化し、そのダイナミズムを捉える。<日常の謎>や新しいガジェットなど現在のミステリの最前線も紹介。札幌在住の実作者との対談も収録。探偵小説を読む「愉楽」を伝える評論集。目次
(北海道大学出版会 3024円)[amazon]

田邊園子 『伝説の編集者 坂本一亀とその時代』
終戦後、気鋭の戦後派作家を次々と世に送り出し、〈戦後〉 という時代を作った編集者坂本一亀の類まれなる軌跡に迫る、評伝の決定版。
(河出文庫 896円)[amazon]

ブルーノ・ムナーリ 『ムナーリの機械』
「読めない本」 の創造主であり、アート・デザインや美術教育など、多岐にわたる分野で活躍したムナーリの大傑作。待望の復刊。
(河出書房新社 3132円)[amazon]

辰巳一彦 『魔術妖術大図鑑 復刻版
黒魔術、錬金術、魔法薬、クロウリーやパラケルススなど有名魔術師の紹介から、ジル・ド・レの生涯を描いた劇画 「恐怖! 黒魔術の館 青ヒゲ男爵の物語」、魔女裁判の処刑料金まで、魔術や妖術にまつわる情報を詳しく紹介。 石原豪人・柳柊二・木俣清史・好美のぼる・加藤孝雄・杉尾輝利らがイラストを担当。『魔術妖術大図鑑』(立風書房/ジャガーバックス、1976)を復刊。
復刊ドットコム 4320円)[amazon]

エミリー・アプター 『翻訳地帯 新しい人文学の批評パラダイムにむけて
9.11 「同時多発テロ」 以降、ますます混迷する世界状況に対し、人文学はどのようなことばで相対することが可能だろうか? 著者は、「戦争とは他の手段をもってする誤訳や食い違いの極端な継続にほかならない」 という定義から出発し、単一言語(英語)主義がうむ世界の軋轢に警鐘を鳴らしつつ、「翻訳」 の観点から新たな人文学のアプローチを模索する。
(慶應義塾大学出版会 5940円)[amazon]

高山宏・巽孝之 『マニエリスム談義 驚異の大陸をめぐる超英米文学史
日本で、アメリカ文学を読む意味、意義とは何か? アメリカニズムにおける、イギリスとのトランスアトランティック局面を高山宏が、アメリカン・ルネサンスとトランスパシフィックな局面を巽孝之が、エドガー・アラン・ポーを軸に語り尽くす。目次
(彩流社 1944円)[amazon]

ジェローム・K・ジェローム 『ボートの三人男 もちろん犬も
三人の男と一匹の犬がテムズ川をボートで遡上する旅に出る。風光明媚な場所を巡り「休養と変化」を求めるはずが、泊まる場所や食事の仕方について言い争ったり、荒天で悲惨な目に遭ったり......ドタバタの珍道中を描く英国流ユーモア小説。小山太一訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

ハイデガー 『存在と時間 4』
第4巻では、世界に投げ出されるようにして生きている現存在の日常的なあり方を定義するとともに、そこにおいて現存在がいかに「頽落」しているかを分析、考察する。独自の哲学概念で存在そのものを深く問うハイデガーならではの論考。中山元訳
(光文社古典新訳文庫 1318円)[amazon]

小泉喜美子 『女は帯も謎もとく』
築地生まれでミステリーと歌舞伎と猫が好きな売れっ子新橋芸者 “まり勇”。忙しいお座敷の合間に起きるミステリアスな事件に胸を躍らせ、恋しい刑事と謎を推理し……。都会派連作ミステリー。
(光文社文庫 821円)[amazon]

『清涼井蘇来集』
〈江戸怪談文芸名作選3〉
浮世草子以後、文学の新たな型式を切り拓いた 〈幻の作家〉 清涼井蘇来、その全貌を初集成。 『古実今物語』(正・続)、『今昔雑冥談』、『当世操車』 の怪談・奇談の傑作4篇を収録。
(国書刊行会 6264円)[amazon]

ヨゼフ・チャペック 『ヨゼフ・チャペック エッセイ集』
ゴーレムからロボットに至る人造人間創造の歴史を描いた 「人造人間」 のほか、チェコの人々や文化、政治や戦争に関するエッセイ26篇とナチス収容所で書かれた詩9篇を収録。
(平凡社ライブラリー 1296円)[amazon]

福永武彦 『完全犯罪 加田伶太郎全集』
資産家が住まう洋館に届いた英文の脅迫状と、奇怪な密室殺人――迷宮入となった十年以上前の事件に四人の男が推理を競う傑作 「完全犯罪」。日本推理小説の爛熟期に突如として登場した著者、加田伶太郎とは、文学者・福永武彦が創りだした、もうひとつの顔であった。精緻な論理と遊戯精神を共存させ、日本推理小説史上に於いて最重要短編集に数えられる一冊。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

アイザック・アシモフ 『黒後家蜘蛛の会1 新版
弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の六人からなる 〈黒後家蜘蛛の会〉 は、月一回 〈ミラノ・レストラン〉 で晩餐会を開いていた。会では毎回のようにミステリじみた話題が出て、会員各自が素人探偵ぶりを発揮する。だが常に真相を言い当てるのは、物静かな給仕のヘンリーだった。安楽椅子探偵ものの歴史に燦然と輝く連作推理短編集が、読みやすい新版で刊行開始。
(創元推理文庫 950円)[amazon]

サチ・ロイド 『ダークネット・ダイヴ』
格差拡大政策により一般大衆は切り捨てられ、貧富の対立が意図的に煽られた近未来のロンドン。下層階級に落とされた人々は自由を求めてスラム共同体を築いたが、軍警察に激しく弾圧されている。市民権を持つ少年ハンターは、スラムの少女ウーマと出会い、全世界の虐げられた人々の命運を賭けた戦いが幕を開ける。
(創元推理文庫 1274円)[amazon]

ケルスティン・ギア 『緑の扉は夢の入口 第一の夢の書
母親の恋人の家族と同居することになったリヴ。ある晩見たリアルな夢の中で、学校で人気の男子4人組に遭遇する。『紅玉は終わりにして始まり』 作者の新三部作開幕。
(東京創元社 2160円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.88
樋口有介〈柚木草平シリーズ〉最新作 『うしろから歩いてくる微笑』 連載スタート。西崎憲 「黄燈紅燈」。門田充宏、受賞第一作掲載予定。
(東京創元社 1296円)[amazon]

『澁澤龍彦の記憶』
没後30年を迎えて世田谷文学館で開催された「連続講演」をもとにまとめたエッセイ集。記憶から甦る「澁澤さん」の生きた姿、世代としての姿勢、思考の源泉がわかるとっておきの一冊。
(河出書房新社 2808円)[amazon]

パーシヴァル・ワイルド 『探偵術教えます』
お屋敷付き運転手P・モーランは私立探偵の通信講座を受講中。すっかり名探偵気取りで、学習内容を実地に移してみたくてたまらない。シロウト探偵の暴走がとんでもない騒動をひきおこすユーモアミステリ連作集。新訳 「P・モーランの観察術」 を追加収録した完全版。巴妙子訳
(ちくま文庫 907円)[amazon]

結城昌治 『夜の終る時/熱い死角』
組織の歪みと現場の刑事の葛藤を乾いた筆致でリアルに描き、推理作家協会賞を受賞した警察小説の記念碑的長編『夜の終る時』に傑作短篇4作を増補。日下三蔵編
(ちくま文庫 907円)[amazon]

ニッコロ・マキァヴェッリ 『フィレンツェ史 上・下
権力闘争、周辺国との駆け引き、戦争、そして政権転覆。マキァヴェッリの筆によりさらにドラマチックに彩られるフィレンツェ史。
(ちくま学芸文庫 1512円/1620円)[amazon]

喜安朗・川北稔 『大都会の誕生 ロンドンとパリの社会史
都市型の生活様式は、歴史的にどのように形成されてきたのか。この魅力的な問いに、碩学がふたつ都市の豊富な事例をふまえて重層的に描写する。
(ちくま文庫 1296円)[amazon]

《文学ムック たべるのがおそい》 vol.5
西崎憲=編集
 【創作】 今村夏子/岸本佐知子/澤西祐典/米澤穂信 【エッセイ】 酉島伝法/石井千湖/北原尚彦 【翻訳】 ツェワン・ナムジャ (星泉訳)/エリザベス・ボウエン(西崎憲訳)/他 内容
(書肆侃侃房1404円)[amazon]

小野俊太郎 『太平洋の精神史 ガリヴァーから『パシフィック・リム』へ
日米の間に広がる太平洋は、パシフィック(和平)という幻想によって作り出されてきたが、実際には、ヨーロッパの裏側として、あらゆる汚辱の捨て場所(奴隷、核問題) などの舞台となってきた。日米の文学、映画がどのように太平洋を読み解いてきたのか?映画 『パシフィック・リム: アップライジング』 に合わせ、太平洋のもつ意味合いを概観する文化史。目次
(彩流社 2160円)[amazon]

メアリー・セットガスト 『先史学者プラトン 紀元前一万年―五千年の神話と考古学
戦争も、信仰も、アートも、先史時代に始まった――考古学の成果に依拠した、神話の大胆な読み換えによって、「文明以前」の人類世界を再構築する刺激的試論。
(朝日出版社 3024円)[amazon]

ソル・フアナ・イネス・デ・ラ・クルス 『抒情詩集』
〈ロス・クラシコス〉 17世紀後半、スペイン植民地時代のメキシコ。天賦の詩才に恵まれたソル・フアナは、主体的な生き方を貫くために、あえて修道女となった。男性優位の価値観が支配する社会にあって、教会権力からの抑圧にもさらされながら、女性の自立を求めてなされた文学的達成の精華。
(現代企画室 3456円)[amazon]

ホルヘ・ルイス・ボルヘス/アドルフォ・ビオイ=カサーレス 『ボルヘス怪奇譚集』
「物語の精髄は本書の小品のうちにある」(ボルヘス)。古今東西の書物から編纂された世にも不思議な話の数々。
(河出文庫 896円)[amazon]

石井桃子 『プーと私』
「クマのプーさん」 「ピーターラビット」 など、著者が世に送りだした永遠の文学作品をめぐって、活き活きと綴った随筆集。
(河出文庫 799円)[amazon]

『茂田井武 (一) 幻想・エキゾチカ 中村圭子編
〈挿絵叢書6〉
茂田井武が童画で名を馳せる前に描いた幻想的でエキゾチックな挿絵の数々を蒐集。 巻頭には 『退屈画帳』 から厳選した作品5点をカラーで紹介。挿絵デビュー作である横溝正史 「かいやぐら物語」 や、江戸川乱歩とコラボした 「猫町」 など、貴重な作品を一挙掲載。
(皓星社 3240円)[amazon]

マ―ジェリー・アリンガム 『葬儀屋の次の仕事』
〈論創海外ミステリ〉
ロンドンの寂れた商店街に建つ名家の屋敷。教養ある血筋を襲う不可解な事件。素人探偵アルバート・キャンピオンが暴く、葬儀屋の 「次の仕事」 とは……?
(論創社 3456円)[amazon]

C・デイリー・キング 『間に合わせの埋葬』
〈論創海外ミステリ〉
ニューヨークの富豪の元に届いた幼児誘拐予告事件を未然に防ぐため、NY市警のロード警視はバミューダ行きの船に乗り込む。『いい加減な遺骸』 『厚かましいアリバイ』 に続く 〈ABC三部作〉 完結。
(論創社 3024円)[amazon]

加納一朗 『加納一朗探偵小説選』
〈論創ミステリ叢書〉
名探偵ホック氏の事件簿、一挙集成。日本推理作家協会賞受賞作 「ホック氏の異郷の冒険」 の外伝にあたる書下ろし最新作 「宙に光る顔」 をボーナストラックとして収録。
(論創社 4320円)[amazon]

原尞 『そして夜は甦る』
私立探偵の沢崎はひょんなことから行方不明となったルポライターの調査に乗り出すことに。やがて事件は東京都知事狙撃事件の全貌へと繋がっていく。伝説のデビュー作が遂にポケミスで登場。書下ろし「著者あとがき」を付記し、装画を山野辺進が手がける特別版。
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

エイドリアン・マッキンティ 『コールド・コールド・グラウンド』
武装勢力が入り乱れ、混迷を極める80年代の北アイルランド。殺人現場に遺されたオペラの楽譜は犯人から警察への挑戦状なのか?
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1080円)[amazon]

デニス・E・テイラー 『われらはレギオン1 AI探査機集合体
恒星間探査機のAIとして死からよみがえっ た天才プログラマーは、人類の新たなる居住 地を求めて、はるか未踏の星域へと旅立つ。
(ハヤカワ文庫SF 1080円)[amazon]

『日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書
「無の障壁」 「勇者還る」 など初期宇宙SFの傑作から 「アマゾン砂漠」 「火星人の道」 など東キャナル市連作まで全15篇を収録。 日下三蔵編
(ハヤカワ文庫JA 1620円)[amazon]

多賀新 『江戸川乱歩 幻想と猟奇の世界』
春陽堂・江戸川乱歩文庫のカバーを飾った銅版画家 多賀新の作品を集めた画集。『銅版画・江戸川乱歩の世界』(1988)を、全頁レイアウトを変更、増頁し、乱歩研究の第一人者・落合教幸が全作品の解説を書き改めた。
(春陽堂 2592円)[amazon]


▼3月刊

イタロ・カルヴィーノ 『最後に鴉がやってくる』
死にゆく者はあらゆる種類の鳥が飛ぶのを見るだろう――自身のパルチザン体験や故郷の生活風景を描いた〈文学の魔術師〉 カルヴィーノの輝かしき原点となる第一短篇集(内容)。〈短篇小説の快楽〉 全5巻完結。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ジム・トンプスン 『殺意』
ニューヨークから電車で数時間の海辺の町マンドゥウォク。弁護士のコスメイヤーはゴシップ好きの女ルアンから相談を受ける。夫ラルフが彼女を殺そうとしているというのだが……。トンプスン・ノワール、鮮烈な傑作。
(文遊社 2700円)[amazon]

《怪》 vol.52
特集 〈『怪』と妖怪〉。20年の妖怪文化の変遷や妖怪再入門などを掲載、荒俣宏×小松和彦×京極夏彦×郡司聡の豪華座談会も。
(KADOKAWA 1728円)[amazon]

グレアム・スウィフト 『マザリング・サンデー』
〈新潮クレスト・ブックス〉
1924年春、年に一度の帰郷日に、メイドのジェーンは生涯忘れられない悦びと喪失を味わう。ブッカー賞作家による精緻極まる小説。
(新潮社 1836円)[amazon]

萩尾望都 『私の少女マンガ講義』
イタリアの大学で行った講義を完全収録。創作作法や注目の新作 『春の夢』 など自作についても語り下ろしたハギオモト流少女マンガ論。
(新潮社 1620円)「amazon]

ジェイムズ・ロリンズ 『アンデスの黄金 上・下
インカ文明を専門とする考古学者ヘンリーは、ペルーで首に黄金の十字架をかけたミイラを発見。さらに発掘現場では、神殿の地下に隠された扉が見つかった。ヘンリーの甥サムとメンバーたちは調査を進めるが、神殿が崩落し……。
(扶桑社ミステリー 各950円)[amazon]

アンジェラ・カーター 『新しきイヴの受難』
野蛮な力が遍在する世界に繰り広げられるイヴの奇妙奇天烈な冒険と遍歴を、ブラックユーモアとアイロニーをちりばめて描いた、英国マジック・リアリズムの旗手による、新たな預言の書ともいうべき傑作。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ジョン・ルイス+アンドリュー・アイディン (作)/ネイト・パウエル (画) 『MARCH 1 非暴力の闘い』
バラク・オバマの大統領就任式の日、かつての公民権運動の闘士、ジョン・ルイス下院議員は、これまでの道のりを振り返っていた。南部の農場で生まれ育った少年が、いかにして差別に対抗する非暴力の手法を学び、運動に身を投じるようになったのか。公民権運動の歴史を当事者の目線で描く、骨太のグラフィック・ノベル第一弾。
(岩波書店 2052円)[amazon]

河合隼雄・松岡和子 『決定版 シェイクスピア快読』
シェイクスピアが「ロミオとジュリエット」の下敷きとなった物語に加えた、ふたつの重要なアレンジとは。ハムレットって実は体育会系? その根拠は。リチャード三世はアドラー理論を体現したような人物である――。ひとの心を深く知る心理学者と、女性初のシェイクスピア全作品訳に挑む翻訳家による、洞察力とユーモア溢れる11のセッション。幻の「タイタス・アンドロニカス」論を初収録。
(新潮文庫 594円)[amazon]

『FUNGI 菌類小説選集 第Ⅱコロニー』
きのこ/菌類をテーマにしたSFホラー・ファンタジー短編集。
(Pヴァイン 1836円)[amazon]

中相作 『乱歩謎解きクロニクル』
乱歩はなぜ自伝を執筆したのか? そして乱歩最大のトリックとは? 「本格探偵小説」 「怪奇趣味」 「猟奇趣味」……容易に全体像を摑ませない作家・江戸川乱歩の生涯を、横溝正史ほか同時代の登場人物たちを絡めながら、さまざまな角度から辿ることによって、その秘められた側面をあぶりだす画期的な謎解き評伝。
(言視舎 2376円)[amazon]

セバスチャン・フィツェック 『乗客ナンバー23の消失』
次々に乗客が消える客船に妻子失踪の謎を解くべく乗船した捜査官が直面する謎また謎。一件落着と思わせて連続ドンデン返しが炸裂。
(文藝春秋 2430円)[amazon]

連城三紀彦 『悲体』
40年前に消えた母を探し韓国へやってきた男の物語は、次第に、それを書きつつある作者自身の記憶と混じり合う――戦後日韓関係に翻弄された男女をめぐる物語。。ミステリと私小説的メタフィクションを融合させた、著者晩年の問題作にして最大の実験長篇 (「すばる」2003~04年連載)。没後5年、初の書籍化。
(幻戯書房 2376円)[amazon]

諏訪哲史 『紋章と時間 諏訪哲史文学芸術論集
小説とマイナー文学を論じ、澁澤、種村、ランボー、カフカ、春樹、Q作、西脇、中也、シモン、あがた森魚、中島らもについて語り尽くす。書下ろし 「言語芸術論」 と多和田葉子・谷川渥との対談も収録。
(国書刊行会 3888円)[amazon]

『新編・日本幻想文学集成9』 中島敦/神西清/石川淳/芥川龍之介/森鴎外
矢川澄子/池内紀/橋本治/須永朝彦編
地下のミイラに前世の無限連鎖を見出す 「木乃伊」。応仁の乱に材をとった 「雪の宿り」。不老不死の芸妓の綺譚 「喜寿童女」。キリシタン物 「きりしとほろ上人伝」。怪談会を描く 「百物語」。他全63編。
(国書刊行会 6696円)[amazon]

ドン・ウィンズロウ 『ダ・フォース 上・下
主人公はニューヨーク市警38000人の頂点に立つ 「刑事の王」。麻薬・殺人・レイプ・組織犯罪を取り締まるエリート特捜班ダ・フォースを率いる彼は、いつしか善と悪の境界線を越えるようになっていき……。
(ハーパーBOOKS 各1050円)[amazon]

大下宇陀児 『空魔鉄塔 大下宇陀児少年少女探偵小説撰集 戦前編
長編 「空魔鉄塔」 を新聞連載から発掘(単行本収録とは別ヴァージョン)。少年探偵正木卓郎シリーズより 「黒星館の怪老人」「怪盗乱舞」の2編。他に「六人の眠人形」「消える少女」「金色のレッテル」「怪奇な土産」「ペンネーム本名の由来」「私のペンネーム」「ここは地獄の二丁目くんだり/番場ハジメ」を収録。善渡爾宗衛編
(Noir punk press 4500円) 取扱:盛林堂

周作人 『周作人読書雑記2』
日中の困難な時代を生きた周作人。その文章は不思議にも落ち着きとユーモアを湛えている。書物を通じた周作人の小著作選。第2巻は、民俗、故郷その他を巡る雑記。全5巻。
(平凡社/東洋文庫 3564円)[amazon]

逸見龍生・小関武史編 『百科全書の時空 典拠・生成・転位
近代啓蒙思想史上の記念碑たるディドロとダランベールらの 『百科全書』 は、厳しい検閲や弾圧の中でいかにして執筆・編集・出版されたのか。先行する様々な辞典や著作からの借用・書き換え、翻訳や改訂を通じて各項目テキストが成立した詳細な内情を解明し、18世紀的な知の地図を再構成する試み。日仏の啓蒙研究を代表する執筆陣が切り開く、『百科全書』 研究の新地平。
(法政大学出版局 7560円)[amazon]

北村紗衣 『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち 近代の観劇と読書
女性たちはいかにシェイクスピアを受容し、その正典化に影響を与えてきたか。18世紀までの観客や作家、宮廷人などの関わりを見る。
(白水社 3024円)[amazon]

コストラーニ・デジェー 『ヴォブルン風オムレツ』
革命、独立、分断…、激動のハンガリー・ブダペシュトで政治から距離を置き、持ち前のユーモアで人間社会を次々と斬っていく軽やかな短篇集。
(未知谷 2160円)[amazon]

《ミステリマガジン》 5月号
《特集=アガサ・クリスティーをより楽しむための7つの法則》
戯曲:若竹七海 「死がいちばんの贈りもの」/『アガサ・クリスティー完全攻略〔決定版〕』刊行記念座談会(霜月蒼×杉江松恋×小野家由佳)他/追悼 仁賀克雄 (「谷間は静かだった」 M・W・ウェルマン /「夏のワイン」 A・M・バレイジ/全翻訳・編纂書・著作リスト/他)/追悼 井家上隆幸
(早川書房 1296円)[amazon]

山田風太郎 『忍法双頭の鷲』
延宝8年、家綱の死去により新将軍に綱吉が就任。それに伴い、公儀隠密の要職を担う伊賀組は解任され、替って根来(ねごろ)衆が登用された。若き二人の根来忍者、秦漣四郎と吹矢城助は、隠密として初仕事に勇躍、江戸を後にしたが、彼らの行く手には、復讐に燃える伊賀忍者の執拗な妨害が……。
(角川文庫 864円)[amazon]

横溝正史ミステリ短篇コレクション 第4巻 『誘蛾燈』
短い中に横溝正史のエッセンスが凝縮された表題作、阿部鞠哉名義で書かれた幻想怪奇譚 「舌」 など全17篇。金田一耕助だけではない、作家の多彩な作風を味わえる傑作群。「鬼火」 完結部を独立させた 「湖泥」 は単行本初収録。日下三蔵編
(柏書房 2808円)[amazon]

ファン・ジョンウン 『野蛮なアリスさん』
私はアリシア、女装ホームレスとして、四つ角に立っている――凶暴な母、老いた父、そして沢山の食用犬……。少年アリシアのたった独りの戦いがはじまる。現代韓国最注目の俊英による問題作。
(河出書房新社 1728円)[amazon]

柳下毅一郎 『興行師たちの映画史 エクスプロイテーション・フィルム全史 新装版
大魔術、セックス、フリークス、偽ドキュメンタリー、人種映画、大仕掛け宣伝……リュミエールを元祖とし、ハッタリ屋ヒッチコック、奇術師オーソン・ウェルズまで、企画・撮影・出演・宣伝・上映を一手に握った興行師たちが、特定の観客をあてこんでつくったエクスプロイテーション(搾取)映画こそ、映画史の本流だった。フェイクニュースに扇動される時代に、待望の復刊。
(青土社 2592円)[amazon]

柳下毅一郎 『皆殺し映画通信 骨までしゃぶれ』
こんな映画、なぜ作った!? 映画評論家・柳下毅一郎によるタブーなき日本映画、殺しのレビュー42連発。大人気シリーズ第5弾。
(カンゼン 1836円)[amazon]

ジャッキー・フレミング 『問題だらけの女性たち』
女の脳は小さい? 女が考えると生殖器がダメになる!? 19世紀の女性たちがいかにバカバカしい迷信と固定観念に苦しめられたか、ユーモアと皮肉炸裂で描くイギリス発ジェンダー絵本。松田青子訳。
(河出書房新社 1296円)[amazon]

田中貢太郎 『戦前の怪談』
怪談の巨匠の、実話などでまとめた怪談アンソロジーの決定版。「虫採り」「草藪の中」「狐妖」「白いシャツの群」「妖影」「黒風」「蟇の血」など傑作全24篇。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

長山靖生 『日本SF精神史 完全版
幕末・明治から現代まで、〈未来〉はどう思い描かれ、〈もうひとつの世界〉はいかに空想されてきたか。日本的想像力の系譜をたどる画期的通史。日本SF大賞・星雲賞ダブル受賞作の完全版。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

フェデーリコ・マリア・サルデッリ 『失われた手稿譜』
作曲家ヴィヴァルディは、晩年、多額の借金を抱えたまま、旅先で死亡した。残された家族は債権者に追われ、兄の遺品を処分、以来200年近く闇に消えていた自筆楽譜だったが……。数奇な運命をたどった楽譜の謎を綿密な調査研究によって明らかにした、ミステリにも似た読み応え十分の傑作ノンフィクション・ノベル。
(東京創元社 2268円)[amazon]

エドワード・D・ホック 『怪盗ニック全仕事5』
「価値のないもの、誰も盗もうとはしないもの」だ
けを標的にする怪盗ニック。文庫版全集第5弾は、〈白の女王〉サンドラ・パリスとの共闘、ホック世界の名警官レオポルド警部やニックを名乗る偽者との対決、実在したミステリ書店が登場するクリスマス・ストーリーなどを含む全14編(本邦初訳9編)を収録。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

マルク・パストル 『悪女』
20世紀初頭のバルセロナ。町では幼い子供が何人も失踪していた。噂ではその血をすすり臓物を喰らう化け物に攫われたのだという。そして今日また一人、新たな子供が姿を消し、頸動脈を噛みちぎられた男の死体まで発見された。現役の犯罪捜査官が、町中を震撼させた犯罪者の実話に材を得て描いた戦慄の物語。
(創元推理文庫 予価1253円)[amazon]

ロス・マクドナルド 『動く標的 新訳版
石油王が失踪した。夫人の依頼により調査を開始した私立探偵リュー・アーチャー。夫人とは犬猿の仲である義理の娘、彼女が愛する一家専属のバイロット、娘との結婚を望む弁護士といった面々が複雑に絡み合うなか、次々に殺人事件が……。探偵リュー・アーチャー初登場作を田口俊樹新訳で。
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

北原尚彦 『シャーロック・ホームズの蒐集』
大英帝国を縦横無尽に駆け巡るホームズと相棒ワトスン博士の〈語られざる事件〉を、世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて作品化した、最高水準のパスティーシュ6編。
(創元推理文庫 842円)[amazon]

J・G・バラード 『ハロー、アメリカ』
崩壊し、砂漠と化した22世紀のアメリカに上陸し、諸都市を探訪した探険隊の記録。予言者バラードが辛辣に描き出す、強烈な未来像。(『22世紀のコロンブス』 を改題・文庫化)
(創元SF文庫 1058円)[amazon]

レイモンド・チャンドラー 『フィリップ・マーロウの教える人生』
フィリップ・マーロウの言葉から人生を学ぼう。愛、女、死、酒、チェス、煙草、ハリウッドについて――レイモンド・チャンドラーの生み出した探偵マーロウの至言をテーマごとにチョイス。全篇村上春樹の名訳で贈る珠玉の名言集。訳者による巻末解説も収録。
(早川書房 1296円)[amazon]

マイケル・バー=ゾウハー/ニシム・ミシャル 『秘録イスラエル特殊部隊 中東戦記1948-2014
1948年の建国以来、イスラエルは常に戦乱の只中にあった――。数度の中東戦争、エンテベ空港での人質奪還、エルサレムを巡る終わりなき戦いなど、同国特殊部隊が関与した諸作戦の全貌を、自らも中東戦争に従軍したスパイ小説の巨匠が語る戦記ノンフィクション。
(早川書房 2484円)[amazon]

アーネスト・クライン 『アマルダ 上・下
ゲーマーの少年ザックが目にしたのは、彼が大好きなゲームそっくりの宇宙船だった……オタク文化ネタ満載の戦争冒険ゲームSF。
(ハヤカワ文庫SF 各842円)[amazon]

カミラ・グレーベ&ポール・レアンダ・エングストレー 『サンクトペテルブルクから来た指揮者』
大規模な企業買収計画の裏で、思わぬ事件に直面する男が味わう恐怖と苦闘。ソ連崩壊後の闇社会に展開する、非情な陰謀の標的は?
(ハヤカワ文庫NV 予価1382円)[amazon]

『ラテンアメリカ傑作短編集 続 中南米スペイン語圏の語り 野々山真輝帆編
マジックリアリズムだけじゃないラテンアメリカ文学の内省と豊穣。日本初紹介作家を含む、短編アンソロジー。収録内容
(彩流社 2700円)[amazon]

小針由紀隆 『クロード・ロラン 一七世紀ローマと理想風景画
「誰の目にも美しい」 牧歌的な情景を描き続けたクロード・ロラン。自然の探求から 「理想風景画」 の基盤をつくった画家を軸に、17世紀風景画の成立と展開、そして18世紀自然主義との関連を描き出す。図版100点以上。
(論創社 3888円)[amazon]

『文藝別冊 須賀敦子の本棚』
没後20年を迎える須賀敦子を彼女が愛した本や作家からとらえかえして、新しい須賀像をうちだす。日本作家案内などの未刊行の翻訳を多数収録、池澤夏樹、松山巌、湯川豊、若松英輔他。
(河出書房新社 1404円)[amazon]

『江戸川乱歩作品集Ⅲ パノラマ島奇談・偉大なる夢 他
現実の世界ははかない幻に過ぎない。「夢」 こそ真の実在である。「夢」 の彼方に拡がる世界を探る。代表作 「パノラマ島奇談」、戦時下の問題作 「偉大なる夢」 の他、「百面相役者」 「毒草」 「防空壕」 「指」 の7篇を収録。浜田雄介編
(岩波文庫 1080円)[amazon]

ロバート・カークマン/チャーリー・アドラード 『ウォーキング・デッド 8』
ネガンとの死闘から2年、リックたちは平和を謳歌していた。 作物は豊かに実り、安全な交通が確立され、生活には日常の悩みが戻った。だがある日、パトロール隊が謎の集団に襲われる。それは、言葉を交わしながら移動する死者の群れだった。彼ら 〈囁く者 (ウィスパラーズ)〉 の正体とは? 待望の第2幕スタート。
(ヴィレッジブックス 2970円)[amazon]

清水潤 『鏡花と妖怪』
大正期から昭和期における泉鏡花のテクストを丁寧に読み解き、作品が内包する魅力や可能性を浮かび上がらせる。そして、鏡花を軸にしながら、岡本綺堂、国枝史郎、水木しげる などの多様なテクストやサブカルチャーに目を配り、近代日本文学における〈物語〉のダイナミックな可能性と、そこでの〈怪異〉のありようをも照らし出す。怪異怪談研究会編
(青弓社 3240円)[amazon]

志賀健二郎 『百貨店の展覧会 昭和のみせもの1945-1988
百貨店はかつて、美術も文化も社会現象も展示する情報の発信基地だった──。時代を牽引した百貨店の展覧会から昭和を振り返る。
(筑摩書房 2700円)[amazon]

千街晶之編著 『21世紀本格ミステリ映像大全』
「TRICK」 「金田一少年の事件簿」 から 「貴族探偵」 にいたる、話題を呼んだ 「映像の本格ミステリ」 を、邦画・洋画からテレビドラマ、アニメ、バラエティにいたるまで縦横無尽に紹介。 コラムやインタビューも交えた読んで楽しい本格ガイド。
(原書房 1944円)[amazon]

リー・チャイルド 『パーソナル 上・下
フランスの大統領が狙撃された。犯人と目されるのは、ジャック・リーチャーがかつて逮捕した軍人。闘いの舞台はパリ、そしてロンドンへ。狙撃犯を追ってロシアやイギリスの情報局と協力しながら、G8開催地で捜査を進めるリーチャー。激闘の行方は?
(講談社文庫 各994円)[amazon]

アナトール・フランス 『ペンギンの島』
悪魔に騙された聖者が間違って極地のペンギンに洗礼を施してしまう。天上では神が会議を開き対応を協議、ペンギンを人間に変身させて神学上の問題を切り抜けることにし、ここにペンギン国の歴史が始まった。古代から現代、未来に至るフランスの歴史をパロディ化し、戯画的に語り直した、ノーベル賞作家A・フランスの知られざる名作。
(白水Uブックス 2052円)[amazon]

四方田犬彦・福間健二編 『1968 [2] 文学』
鈴木いづみ、土方巽、澁澤龍彦…。文化の〈異端者〉たちが遺した詩、小説、評論などを収録。反時代的考察を深く味わうアンソロジー。
(筑摩選書 2592円)[amazon]

マリーナ・コレヴァ+タチヤナ・イヴァシコヴァ他 『メイド・イン・ソビエト 20世紀ロシアの生活図鑑
レトロかつ未来的なデザインの電化製品、不便な暮らしの中で発案された独特な日用品……1920年代から80年代まで、ソビエト連邦の歴史の変遷を刻んだ生活雑貨、人気商品、党の行事に関する知られざるエピソード、アネクドートの数々を紹介し、ソ連崩壊と共に消失した、今やロシア人にとっても懐かしい世界の日常風景を豊富な図版とともに追想する。目次
(水声社 2700円)[honto]

森瀬繚 『All Over クトゥルー クトゥルー神話作品大全
「クトゥルー神話」 はH・P・ラブクラフトにより創造され、数々の作品を通じて語り継がれ、発展してきた。本書は日本国内で発売された古今のクトゥルー神話作品を網羅すべく、1000作以上を解説。小説のみならず、コミック・映画・ゲームなどもカバーし、現在に至るまでの神話体系の流れを総攬する。
(三才ブックス 2480円)[amazon]

レーモン・ルーセル 『額の星/無数の太陽』
『ロクス・ソルス』 『アフリカの印象』 の二大散文に並ぶ二大戯曲を一冊に。独自の手法を駆使して織りなされる言葉と物の奇想天外なスペクタクルは小説と変わらない。
(平凡社ライブラリー 1728円)[amazon]

キム・グミ 『あまりにも真昼の恋愛』
会社での地位を失った男が思い出したのは、16年前のある関係だった。第7回若い作家大賞を受賞した表題作や、若い作家賞受賞作 「趙衆均氏の世界」 など、今の世代の心の質感を描く9つの物語。
(晶文社 1944円)[amazon]

キャロル・オコンネル 『生贄の木』
森の中で、袋に入れられて木から吊されていた三人。イカれたパーティーガール、小児性愛者、そして狂気に冒された配給所の聖女。一人は助かり、一人は手遅れ、そして一人は瀕死の状態だった。目撃者は小妖精のような顔立ちのウィリアムズ症候群の少女。マロリーは自分を慕う少女に犯人を思い出させようとするのだが……。好評シリーズ最新刊。
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

マシュー・ディックス 『マイロ・スレイドにうってつけの秘密』
33歳の訪問看護師マイロは、公園でビデオカメラとテープを発見する。テープに映っていたのは、自分と同じ年頃の女性による、友人が自分のせいで亡くなったという告白だった……。「秘密」をめぐる奇妙で愛おしい物語。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

シャンナ・スウェンドソン 『魔法使いの陰謀 フェアリーテイル
妖精が関与しているらしい事件が頻発。そこに魔法使いと妖精の対立を煽る怪しい魔法使いが出現。バレリーナとしてのキャリアを再開したソフィーはまたしても巻きこまれる。シリーズ第三弾。
(創元推理文庫 1339円)[amazon]

J・J・アダムズ&D・H・ウィルソン編 『スタートボタンを押してください』
ケン・リュウ、アンディ・ウィアー、桜坂洋ら、現代SFを牽引する豪華執筆陣が集結。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・星雲賞受賞作家たちが、急激な進化を続けるメディアの可能性に挑む、傑作オリジナルSFアンソロジー。全作が書籍初収録。
(創元SF文庫 1080円)[amazon]

サモセット・モーム 『報いられたもの/働き手』
名声を得た後のモームが 「自らの魂の平穏のため」 に描いた戯曲二篇。人間の本質を衝く傑作悲喜劇を、モーム研究の第一人者の名訳で。行方昭夫訳
(講談社文芸文庫 1836円)[amazon]

ヨハン・ホイジンガ 『ホモ・ルーデンス 文化のもつ遊びの要素についてのある定義づけの試み
「人間の文化は遊びにおいて、遊びとして、成立し、発展した」。歴史学、民族学、そして言語学を綜合した独自の研究は、人間活動の本質が遊びであり、文化の根源には遊びがあることを看破、さらに功利的行為が遊戯的行為を圧する近代社会の危うさに警鐘を鳴らす。「遊びの相の下に」 人類の歴史の再構築を試みた古典をオランダ語版全集から完訳。 里見元一郎訳
(講談社学術文庫 1296円)[amazon]

横溝正史 『雪割草』
戦時下の昭和16年に新潟日日新聞に連載、書籍化されることなく埋もれていたメロドラマ家庭小説。信州・諏訪で何不自由なく育った娘、有為子が日本画家・賀川仁吾と結婚、様々な苦労を経ながら成長していく物語。
(戎光祥出版 2808円)[amazon]

武末祐子 『グロテスク・美のイメージ ドムス・アウレア、ピラネージからフロベールまで
ルネサンス期に発掘された古代ローマ・ネロ帝の黄金宮 (ドムス・アウレア)、ピラネージの廃墟画を経て、ユゴーやフロベールらフランスロマン主義文学へ――あらゆるものを巻き込んで同化し、幻想と現実を分かつと同時につなぐ、洞窟 (グロッタ) に始まるグロテスクの系譜。
(春風社 3456円)[amazon]

C・S・ルイス 『ナルニア国物語7 最後の戦い』
ナルニアでは偽アスランの「命令」により、〈もの言うけもの〉たちは奴隷のように使われ、隣のカロールメン国にもつけいられようとしていた。劣勢となったナルニア王ティリアンはアスランに助けを求めるが……。衝撃的結末を迎える最終巻。土屋京子訳
(光文社古典新訳文庫 756円)[amazon]

サン=テグジュペリ 『戦う操縦士』
ドイツ軍の電撃戦の前に潰走を余儀なくされるフランス軍。決死の偵察飛行を命じられて飛び立った 「私」 の機に、雷雨や敵の対空砲火が容赦なく襲いかかる──。絶望的な状況をかいくぐり、人間の使命とは何かを考え抜いた著者の自伝的小説。鈴木雅生訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

栂正行 『引用と借景 文学・美術・映像・音楽と旅の想到
アートを追って人はどこに到着するのか。各地のパブリック・アート、美術館などを訪ねる鉄道の旅を通じて、文学・美術・映像・音楽の各分野を往還、思索を縦横無尽に連結。カズオ・イシグロ作品の解釈、ナイポール 『到着の謎』 とデ・キリコの絵画 『到着と午後の謎』 の関係、ロンドン・ソーホーの映画群からシュルレアリスムの絵画、市場と広場の成立など、想像を駆使して著者が見出した 「引用」 と 「借景」 の営みとは。目次
(三月社 2376円)[amazon]

中尾真理 『ホームズと推理小説の時代』
ホームズとともに誕生した推理小説。その歴史を黎明期から黄金期まで跡付け、隆盛の背景とその展開を豊富な基礎知識を交えながら詳らかにする。
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

ヘザー・ヤング 『エヴァンズ家の娘』
ジャクリーンは親族から相続した湖畔の家に移り住む。この家では数十年前にある事件が起こったようだが……。過去と現在、交互に描かれる二つの物語は一族の秘密へと繋がっていく。MWA賞最優秀新人賞候補作。
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

マイケル・ロボサム 『生か、死か 上・下
出所日前夜に突如脱獄した男。たった一日さえ待てば、自由も金もすべてが手に入ったはずなのに……。その決断の裏隠された陰謀とは? 英国推理作家協会賞ゴールドダガー賞受賞。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各864円)[amazon]

S・L・グレイ 『その部屋に、いる』
休暇でパリに来た夫婦。しかし宿泊先のアパルトマンには何か不快な雰囲気がただよっていた……背筋の凍るホラーサスペンス登場。
(ハヤカワ文庫NV 1123円)[amazon]

ラリイ・ニーヴン 『無常の月 ザ・ベスト・オブ・ラリイ・ニーヴン
突如地球を襲った未曾有の大災害をスリリングに描いた傑作 「無常の月」、人類未踏の超高密度天体・中性子星に赴いたベーオウルフ・シェイファーの驚異の冒険譚 「中性子星」、同じく 〈ノウンスペース〉 シリーズに属する 「帝国の遺物」 「太陽系(ソル)辺境空域」 など、ハードSFの巨匠の数ある作品の中から、ヒューゴー賞受賞作4篇を含む中短篇全7篇を収録した日本オリジナル傑作選。
(ハヤカワ文庫SF 1037円)[amazon]

チャーリー・N・ホームバーグ 『真実の魔術師』
魔術師実習生のシオニーはもうすぐ最終試験を受ける予定。そんなとき、彼女の命を狙った邪悪な魔術師が脱獄したと知らされる。
(ハヤカワ文庫FT 864円)[amazon]

D・K・ウィップル 『鍾乳洞殺人事件 横溝正史翻訳コレクション1
《新青年》《探偵小説》編集長として海外作品の紹介に尽力した横溝正史は一流の翻訳者でもあった。『八つ墓村』 ほか一連の創作の発想源ともなったウィップル 『鐘乳洞殺人事件』 を収録。 時を経てなお古びない正史の闊達な訳文をご堪能あれ。オンデマンド復刊
(扶桑社 1620円)[amazon]

ファーガス・ヒューム 『二輪馬車の秘密 横溝正史翻訳コレクション2
19世紀末の一大ベストセラーとして名高いヒュームの 『二輪馬車の秘密』。単行本版と結末の異なる雑誌掲載版も併録した。オンデマンド復刊
(扶桑社 2160円)[amazon]

木々高太郎 『三面鏡の恐怖』
死んだ妻とそっくりな妹が現れた。彼女の目的は何か。戦後直後の時代背景に展開する殺人事件。木々高太郎の隠れた代表的推理長篇、初の文庫化。
(河出文庫 799円)[amazon]

泡坂妻夫 『迷蝶の島』
太平洋に漂うヨットの上から落とされた女、絶海の孤島に吊るされた男。一体、誰が誰を殺したのか……そもそもこれは夢か、現実か? 手記、関係者などの証言によって千変万化する事件の驚くべき真相とは?
(河出文庫 778円)[amazon]

アントニオ・タブッキ 『島とクジラと女をめぐる断片』
居酒屋の歌い手がある美しい女性の記憶を語る 「ピム港の女」 のほか、クジラと捕鯨手の関係や歴史的考察、ユーモラスなスケッチなど、様々な断片が響きあう散文集。須賀敦子訳
(河出文庫 799円)[amazon]

ダグラス・アダムズ 『長く暗い魂のティータイム』
コミック・SFミステリー 「ダーク・ジェントリー全体論的探偵事務所」 シリーズ第二弾。今回、史上もっともうさんくさい私立探偵ダーク・ジェントリーが謎解きを挑むのは……なんと 「神」 です。
(河出文庫 994円)[amazon]

マイケル・イネス 『盗まれたフェルメール』
〈論創海外ミステリ〉
殺された画家、盗まれた絵画。フェルメールの絵をめぐり展開するサスペンスとアクション。スコットランドヤード警視監アプルビイが事件を追う。Private View (1952) 解説=真田啓介
(論創社 3024円)[amazon]

ハリー・カーマイケル 『アリバイ』
〈論創海外ミステリ〉
雑木林で見つかった無残な腐乱死体。犯人は 「三人の妻と死別した男」 か? 鉄壁のアリバイ、顔を潰された死体、見つからない動機。作者の仕掛けた巧妙な罠が読者を推理の迷宮へと誘い込む。
(論創社 2592円)[amazon]

『新訳ベケット戯曲全集1 ゴドーを待ちながら/エンドゲーム』
田舎道。木が一本。夕暮れどき。二人組のホームレスが、救済者ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている───『ゴドーを待ちながら』。なにもかも失われていく 「最後の物たち」 の世界で、盲目のハムが、召使クロヴに暴君として振る舞っている───『エンドゲーム』。前代未聞の笑える 「沈黙劇」 を、わかりやすく明快な翻訳で。岡室美奈子訳。
(白水社 3240円)[amazon]

ロバート・R・カーギル 『聖書の成り立ちを語る都市 フェニキアからローマまで
聖書から浮かび上がる古代オリエント・地中海世界、一方で歴史は聖書本文にどんな影響を与えたか。聖書の成り立ちを都市ごとに見る。
(白水社 4104円)[amazon]

テオドール・エルサール・ド・ラ・ヴィルマルケ 『バルザス=ブレイス ブルターニュ古謡集
フランス・ブルターニュ地方で語り継がれる詩歌を編纂した物語歌謡集。1839年の初版刊行以来、文学・芸術・ケルト研究に多大な影響を与えてきた。魔術師マーリン、アーサー王伝説から、ブルターニュの祝祭・恋愛の風習がわかる詩歌まで、ヴィルマルケ生前中の最終校訂版を翻訳。
(彩流社 4860円)[amazon]


▼2月刊

『高井貞二』 末永昭二編
〈挿絵叢書5〉
二科展の天才が若き日に残した挿絵の数々をいまここに! メカニカルかつシュールな作風で著名なモダニズム画家・高井貞二。二科展に最年少で入選し、後に国際的に活躍する高井が、戦前・戦中に『新青年』や『モダン日本』などの雑誌に提供した挿絵を、小説とともに一挙掲載。
(皓星社 3240円)[amazon]

アーネスト・ヘミングウェイ 『誰がために鐘は鳴る 上・下
1930年代、スペイン内戦。共和国側のアメリカ人義勇兵ジョーダンは、山峡の橋の爆破を命ぜられる。協力するゲリラ隊には、腹の読めないパブロ、女傑ピラール、そして敵側に両親を殺された娘マリアらがいた。無垢なマリアと恋に落ちたジョーダンだが、死を賭した作戦決行が数日後に迫っていた。ヘミングウェイ畢生の大作。高見浩訳
(新潮文庫 810円/853円)[amazon

ダン・ブラウン 『オリジン 上・下
スペインのビルバオ、マドリード、セビリア、バルセロナを舞台に、ラングドンの前に最強の敵が立ちはだかる。鍵を握るのは、人類最大の疑問 「我々はどこから来たのか、どこへ行くのか」――。
(KADOKAWA 各1944円)[amazon]

フィオナ・マクラウド/ウィリアム・シャープ 『夢のウラド』
死後に同一人物であることが明かされた二人の作家、フィオナ・マクラウドとウィリアム・シャープ。尾崎翠が思慕し三島由紀夫が讃美した、稀有な魂をもつ作家の作品を初めてひとつに集成する。いま百年の時を経て瑞々しく甦るスコットランドの幻想小説集。中野善夫訳
(国書刊行会 4968円)[amazon]

高崎俊夫 『祝祭の日々 私の映画アトランダム
マニアック&ファナティックな文芸書・映画本を多数手掛ける名編集者による人気連載コラムがついに単行本化。映画から文学へ、文学からジャズへ、そして映画へ――ジャンルを縦横無尽に越境する博覧強記のエッセイ集にして、編集者として出会った神話的人物たちへの愛惜にみちたポルトレ集。
(国書刊行会 2808円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリーvol.12》 不可知の領域――コスミック・ホラー
未知の空間や異次元に迷い込み、人知を超えた存在に遭遇したときの無力さと孤独感、その恐怖を。キム・ニューマン、ネイサン・バリングルード、ジャン・レイなど翻訳9編、日本作家は荒山徹、朝松健。この他、諸星大二郎インタビューなど。内容
(アトリエサード 1836円)[amazon]

デルフィーヌ・ミヌーイ 『シリアの秘密図書館』
シリア内戦下、ダマスカス近郊の町ダラヤでは、人々が政府軍に包囲されていた。砲撃に脅え、死と隣り合わせの過酷な日々。だがそんな過酷すぎる状況下でも、散逸した本を集めて地下に 「秘密の図書館」 を作った人々がいた――。本に希望を見出し、知識を暴力への盾として闘った人々を描く、感動のノンフィクション。
(東京創元社 1728円)[amazon]

西崎憲 『蕃東国年代記』
東の海、唐と倭国の間に浮かぶ麗しき小国 〈蕃東〉――知識や儀礼を司る貴族の家に生まれ、気ままに日々を過ごす青年・宇内と彼の従者を務める17歳の藍佐。彼らが出会った驚異、あるいは目にすることのなかった神秘を鮮やかに描く。繊細な細工物のような5編を収めた空想世界の御伽草子。
(創元推理文庫 756円)[amazon]

タイラー・ディルツ 『ペインスケール ロングビーチ市警殺人課
高級住宅街で下級議員の息子の妻と子どもたちが殺害された。調べれば調べるほど謎に包まれる被害者一家の秘密とは。刑事ダニーと相棒のジェンを予測不可能な事件が襲う。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

デイヴィッド・アーモンド 『ポケットのなかの天使』
定年間際のバスの運転手バートのもとに、天使がやってきた。指でつまみあげられるくらいの小さなかわいい天使に妻のベティは大喜び。学校で調理師をしているベティは、アンジェリーノと名付けた天使を早速職場に連れて行った。学校に天使が! 生徒たちは大喜びだったが……。国際アンデルセン賞受賞の名手が描く、可愛い天使の物語。
(東京創元社 2052円)[amazon]

田中啓文 『シャーロック・ホームズたちの新冒険』
シャーロック・ホームズ&明智小五郎、東西の名探偵の知られざる冒険譚。ミステリ界の基礎教養「黒後家蜘蛛の会」にまつわる重大な秘密。衆人環視下で消えた、手塚治虫の生原稿の謎。松尾芭蕉の死の真相を推理する正岡子規……。実在非実在の名探偵たちの、活躍を描く短編集。
(東京創元社 1836円)[amazon]

ホセ・ドノソ 『夜のみだらな鳥』
〈フィクションのエル・ドラード〉
望まれない畸形児《ボーイ》の養育を託された名家の秘書ウンベルトは、宿痾の胃病で病み衰え、使用人たちが余生を過ごす修道院へと送られる。尼僧、老婆、そして孤児たちとともに暮しながら、ウンベルトは聾啞の《ムディート》の仮面をつけ、悪夢のような自身の伝記を語り始める……。延々と続く独白のなかで人格は崩壊し、自己と他者、現実と妄想、歴史と神話、論理と非論理の対立が混じり合う語りの奔流となる。『百年の孤独』と双璧をなすラテンアメリカ文学の最高傑作。鼓直訳
(水声社 3780円)[honto]

ナボコフ・コレクション 『処刑への誘い 戯曲 事件/ワルツの発明
死刑囚の男に起こる不条理悲喜劇と、初邦訳の知られざる戯曲2篇を収録。笑いと風刺。ナボコフの意外な魅力に満ちたシリーズ第2弾。
(新潮社 5184円)[amazon]

マーガレット・ドラブル 『昏い水』
〈新潮クレスト・ブックス〉
70代後半を迎えたドラブルが、同世代の女性を主人公に男女のさまざまな老いの姿を闊達に描く、まさに英国的苦みの効いた長篇小説。
(新潮社 2484円)[amazon]

『戦後 春陽文庫 資料集成 β版』 小野純一編
昭和28年~60年に刊行されたカバーのついた春陽文庫のデータをまとめた一冊。春陽文庫のかなり珍しいタイトル、異装版を、推理小説、ユーモア・現代小説を中心に約600点掲載。
盛林堂ミステリアス文庫 2500円)

ザカリーヤー・ターミル 『酸っぱいブドウ/はりねずみ』
〈エクス・リブリス〉
卓越したユーモアと奇想、殺伐とした日常を切り取る鋭い眼差し。現代シリア文学を代表する作家による短篇集と中篇を収録。
(白水社 2484円)[amazon]

イサベル・アジェンデ 『日本人の恋びと』
『精霊たちの家』 のアジェンデの新作。アメリカの高齢者向け養護施設を舞台に、生涯の愛について、人生の秘密について、ミステリ仕立てで展開する恋愛小説。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

原武史 『松本清張スペシャル 100分 de 名著
『点と線』 『砂の器』 などで 「社会派推理小説」 という一大ジャンルを築いた作家・松本清張。新資料や独自インタビューで歴史の真実に光をあてた 『昭和史発掘』 や、その成果を活用した未完の遺作 『神々の乱心』 で、彼は何を訴えようとしたのか? 上記4作品を通じて、「思想家」 としての松本清張に迫る。
(NHK出版 566円)[amazon]

澁澤龍彦 『ドラコニアの夢』
東雅夫編。大人気アニメ 「文豪ストレイドッグス」 シリーズ最新作の映画に登場する新キャラクター 「澁澤龍彦」。コラボカバーのアンソロジー文庫で澁澤龍彦のエッセンスを味わおう。珠玉のエッセイと小説を収録。
(角川文庫 605円)[amazon]

山本周五郎 『五辨の椿』
家のために働きづめ、その挙句倒れて死んでしまった大切な父。その時母は浮気相手と不義密通を働いていた。おしのは母の不義を憎み、次々と母や、男たちに復讐を果たしていくが……。サスペンス仕立てで語られる、罪と罰の物語。
(角川文庫 605円)[amazon]

ミシェル・レリス 『ゲームの規則Ⅳ 囁音』
神話の偉大さに達した告白文学(全4巻)。本巻は80歳を目前にした作家の生の余白というには濃密・バロックなアラベスク的断章群。谷昌親訳
(平凡社 4104円)[amazon]

荒俣宏 『新装版 花の王国1 園芸植物』
博物図譜の名品を選び抜き、植物に関する伝承や信仰、発見・栽培史を解説した、他に類を見ない画期的な「花の図鑑」新装版1巻。
(平凡社 4104円)[amazon]
荒俣宏 『新装版 花の王国2 薬用植物』
著者がその博物図譜コレクションと知識を惜しみなく注いだ類まれなる花図鑑。薬草、香草、毒草、聖草などを集めた新装版第2巻。
(平凡社 4104円)[amazon]
荒俣宏 『新装版 花の王国3 有用植物』
17~20世紀に描かれた美しい博物画による花の図鑑が新装版で登場。果実や野菜、庭木や街路樹など有用な植物を集めた第3巻。
(平凡社 4104円)[amazon]
荒俣宏 『新装版 花の王国4 珍奇植物』
植物など想像を超えた姿と生態の珍奇植物。専門家から美術愛好家、子どもも大人も楽しめる空前絶後の花図鑑新装版第4巻。
(平凡社 4104円)[amazon]

リチャード・バーネット 『描かれた歯痛』
激痛を伴う 「歯抜き屋」 の稚拙な抜歯から無痛治療・美容歯科へと至る歯科治療の進化。ゾッとするが惹きつけられてしまう手法や器具の数々……衝撃の医学博物誌シリーズ、完結。
(河出書房新社 4104円)[amazon]

岡本綺堂 『異妖新篇 岡本綺堂読物集六
鷲を親だという娘 「鷲」、鰻に人生を狂わされた 「鰻に呪われた男」、河獺に嫉妬された漁師 「深川の老漁夫」、「くろん坊」という山の妖怪と安易な口約束が招いた悲劇――。短篇集 『異妖新篇』 全作品に、単行本未収録作2篇を付録として収載。カバー・口絵=山本タカト。
(中公文庫 799円)[amazon]

横溝正史ミステリ短篇コレクション 第3巻 『刺青された男』
本格志向、怪奇趣味、耽美的抒情……多彩な横溝ワールドのエッセンスが凝縮された傑作の数々を集成した短篇コレクション第3巻。日下三蔵編。
(柏書房 2808円)[amazon]

鶴岡真弓 『ケルトの想像力 歴史・神話・芸術
古代ヨーロッパ北方の森に生まれ、華麗で装飾的な文様、デザイン性に優れた特異の文化を残し、歴史の彼方に消え去ったケルト人。地中海的〈南の文明〉と対立するケルトの〈北方文明〉に秘められた豊饒性とは? 自然信仰、生命観、古代王権文化、神話・伝説、英雄と妖精……。まだまだ汲み尽くせないケルトの〈謎〉の数々に、ケルト学の第一人者が挑む決定版。
(青土社 3888円)[amazon]

岩波文庫リクエスト復刊
ハウプトマン 『沈鐘』
ドーデ― 『月曜物語』
ゾラ 『獣人』
ゴーゴリ 『イワーン・イワーノウィッチとイワーン・ニキーフォロウィッチとが喧嘩をした話』
佐藤春夫 『都会の憂鬱』

他全37点 復刊リスト

豊島与志雄 『丘の上 豊島与志雄 メランコリー幻想集
太宰が最も尊敬し、芥川、川端が恐れた作家、豊島与志雄の全貌が明らかになる代表作が現代仮名遣いによって甦る。長山靖生編
(彩流社 2592円)[amazon]

『絶景本棚』 本の雑誌編集部編/中村規=写真
《本の雑誌》 人気連載、巻頭カラー 「本棚が見たい!」 を待望の書籍化。35人の書斎を舐めるように撮ったオールカラーの写真集。書籍化に際して大幅に再編集、“十人十棚"、スタイリッシュ、整然、床積み、雪崩、魔窟……本に取り憑かれ、本を溜め込んだ人たちの最強の本棚模様が勢揃い。内容
(本の雑誌社 2484円)[amazon]

ロバート・ヒュー・ベンソン 『テ・デウムを唱いながら エリザベス一世と旧教に殉ずる人々
16世紀のイングランド。イギリス国教会とカトリックの対立旧教に殉ずるロビンとマージョリー、メアリー・ステュアートの処刑……。苦難に耐える若い二人を史実の中に置き、信仰の魂を描く一大歴史絵巻 Come Rack! Come Rope! (1912)。(作者はベンスン三兄弟の末弟)
(未知谷 5400円)[amazon]

川成洋 『英国スパイ物語』
ボーア戦争からはじまるイギリスの20世紀は、二つの世界大戦とロシア革命への対応を柱に、一大情報戦争の時代でもあった。それを現場で担った情報機関と、闇に隠されたスパイの群像を史料をもとに追った、20世紀裏面史。
(中公選書 2592円)[amazon]

ジェラール・ルタイユール 『パリとカフェの歴史』
パリのカフェにモリエールやヴォルテールといった大作家が集い、後世にのこる文学作品を書き上げた17世紀。18世紀のカフェはフランス革命の闘志たちの議会場となる。実在のカフェの数々を舞台にフランス史をひもとく。
(原書房 3888円)[amazon]

ケン・リュウ編 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
三層に分かれた折りたたみ式の北京を描いた郝景芳による表題作、中国に史上初のヒューゴー賞をもたらした劉慈欣 『三体』 の抜粋「円」など7作家の13作品を、『紙の動物園』のケン・リュウが選び収録。いま一番SFが熱い国・中国の粋を集めたアンソロジー。
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2052円)[amazon]

トム・ストッパード 『トム・ストッパードⅣ アルカディア』
19世紀、英国貴族の娘・トマシナが残したある書 き込みは200年後の人々に波紋を広げていく。二 つの世界が美しくも切なく交錯する。
(ハヤカワ演劇文庫 1296円)[amazon]

ジョシュア・ダルゼル 『暗黒の艦隊2 新造艦<アレス>』
あの激烈な戦闘から4年後、「ファージ」と 名づけられた有機生命体に対し、ついに戦力 を整えた人類は、猛然と反撃を開始するが!?
(ハヤカワ文庫SF 1015円)[amazon]

古屋美登里 『楽な読書』
《BURRN!》連載書評の書籍化第2弾。「海外のフィクション」 「日本のフィクション」 「ノンフィクション」 と章を分け、さまざまな本を紹介。
(シンコーミュージック 1620円)[amazon]

ジョン・ウィリアムズ 『ブッチャーズ・クロッシング
『ストーナー』で世界的ブームを巻き起こした著者が描く、19世紀後半の米国西部の大自然。バッファロー狩りに挑む四人は、峻厳な冬山に帰路を閉ざされる。男たちを待つのは生か、死か。
(作品社 2808円)[amazon]

山田英春編 『奇岩の世界』
『不思議で美しい石の図鑑』 『巨石―イギリス・アイルランドの古代を歩く』 の著者が厳選した、五大陸に亘る驚異の奇岩写真集。今までにない、想像をはるかに越えていく迫力の岩の本。内容
(創元社 2160円)[amazon]

ピーター・スワンソン 『そしてミランダを殺す』
空港のバーでテッドは見知らぬ美女リリーに出会う。彼は酔った勢いで、妻のミランダの浮気を打ち明け 「妻を殺したい」 と言ってしまう。リリーはミランダは殺されて当然だと断言し、協力を申し出る。だが殺人計画が具体化され決行の日が近づいたとき、予想外の事件が起こり……。男女4人のモノローグで、殺す者と殺される者、追う者と追われる者の策略と攻防を描く傑作ミステリ。
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

小泉喜美子 『月下の蘭/殺人はちょっと面倒』 日下三蔵編
美しい義姉が創りだした人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材とした短編を収める 『月下の蘭』。男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる 『殺人はちょっと面倒』。幻の二冊を合本にて贈る。能楽や謡、歌舞伎などの古典芸能をテーマに描いた傑作ミステリ8編。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

S・K・ダンストール 『スターシップ・イレヴン 上・下
突如出現した謎のエイリアン船と交信できるのは、変わりものの“歌うラインズマン”だけ? 新鋭が放つ『歌う船』×《ヴォルコシガン》シリーズの傑作スペースオペラ。
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

アンジェラ・マーソンズ 『サイレント・スクリーム』
寂れた郊外の街を震撼させる連続殺人事件に型破りな警部キム・ストーンが挑む。イギリスのベストセラー警察小説シリーズ第一弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

トマス・ペリー 『アベルVSホイト』
未解決事件の真相を探る探偵アベル夫妻は、殺し屋のホイト夫妻に命を狙われることに。駆け引きとアクション満載の痛快サスペンス。
(ハヤカワ文庫NV 994円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『コマドリの賭け 上・下
閑職に異動になった警部ハリーは、高性能狙撃ライフルが密輸入された形跡を見つけ、手掛かりを追う――。『ネメシス 復讐の女神』 『悪魔の星』 へと続く壮大な物語の幕開け。シリーズの根幹となる作品が満を持して登場。
(集英社文庫 994円/842円)[amazon]

E・F・ベンスン 『見えるもの見えざるもの』
〈ナイトランド叢書〉
英国怪奇小説の名匠E・F・ベンスンの傑作集第2弾。吸血鬼、魔女、降霊術――そして、奇蹟。死者の声を聴く発明、雪山の獣人、都会の幽霊……多彩な味わいでモダン・エイジの読者を魅了した怪談12篇。
(アトリエサード 2592円)[amazon]

柴田宵曲 『子規居士の周辺』
さきに子規の生涯(『評伝 正岡子規』)を書いた柴田宵曲は、ついで子規とその門人との交渉を「子規居士の周囲」にまとめた。新たに同書に採り上げなかった人物で、今は披見されることも少なくなった、篤実にして炯眼を具えた八家の門人の子規との交流及び俳句に触れた「明治俳壇の人々」を併載。
(岩波文庫 1026円)[amazon]

柴田宵曲 『新編 俳諧博物誌』

(岩波文庫)[amazon] 復刊

フェルナンデス・デ・モラティン 『娘たちの空返事 他一篇
スペイン新古典主義演劇を代表する劇作家モラティンの代表作2篇。「娘たちの空返事」は、親の言いつけに従順にしたがい老人との結婚を承諾するも、愛する若者との未来を捨てきれない娘の葛藤を描く。『娘たちの「はい」』の新訳。併収する「新作喜劇」は、当時の腐敗した演劇界を皮肉るモラティンによる一種の演劇論。
(岩波文庫 907円)[amazon]

李昂 『海峡を渡る幽霊 李昂短編集
寂れゆく港町に生きる女性、幽霊となり故郷を見守る先住民の女性など、女性の視点から台湾の近代化と社会の問題を描く短編集 。藤井省三編。
(白水社 2376円)[amazon]

スティーヴ・ロビンソン 『或る家の秘密』
ジェファーソン・テイトは米国随一の家系調査士。依頼を受け家系図を作る毎日だが、ある富豪からの仕事に苦戦していた。数百年前に渡英した一族のうち6人の記録が不可解に消えていたのだ――まるで歴史から抹殺されたかのように。一族に隠された悲しい真実とは!?
(ハーパーBOOKS 1130円)[amazon]

《MONKEY vol.14》 絵が大事
「文学」と同じくらい「絵」を愛するMONKEYが両者の関係をあらためて見つめ直し、二つが織りなす豊かな相乗効果を伝える特集。詩の才能と同時に絵の才能を持ち備えた18世紀に活躍したイギリスを代表する詩人、ウィリアム・ブレイクの 「うた――無垢と経験の」 を柴田元幸訳で一挙掲載。カナダ出身の人気絵本作家、ジョン・クラッセンと小川洋子の約4年ぶりのタッグ、他。
( スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

ミシェル・レリス 『ゲームの規則Ⅲ 縫糸』
神話の偉大さに達した告白文学。今回は人生の危機、自殺未遂事件を起こしたレリスは夢と幻覚の中で記憶の縫合手術を試みる。谷昌親訳。全4巻
(平凡社 3888円)[amazon]

デボラ・クロンビー『警視の哀歌』
初老の弁護士が全裸で緊縛、猿ぐつわされたまま、遺体で発見された。容疑者は新進気鋭のギタリスト。貧しい少年時代を過ごした彼には動機があった。その直後、またも彼と因縁深い弁護士が同じ手口で殺害された。ロンドンを舞台に、容疑者、被害者、関係者の、錯綜した過去が解き明かされる人間ドラマ。
(講談社文庫 1080円)[amazon]

ホルヘ・フランコ 『外の世界』
〈城〉 と呼ばれる自宅の近くで誘拐された大富豪ドン・ディエゴ。身代金を奪うため奔走する犯人グループのリーダー、エル・モノ。彼はかつて、“外の世界”から隔離されたドン・ディエゴの一人娘イソルダに想いを寄せていた。そして若き日のドン・ディエゴと、やがてその妻となるディータとのベルリンでの恋。いくつもの時間軸の物語を巧みに輻輳させて描き出す、コロンビア作家のアルファグアラ賞受賞作。
(作品社 3024円)[amazon]

『学年誌が伝えた子ども文化史 昭和40~49年編』
事件・イベントなどのニュース、最新技術・未来予測などの情報、ファッション・遊び・スター・テレビ・スポーツ・オカルトなどのブーム・・・。子どものための総合情報誌「学年誌」(《小学一年生》~《六年生》)から、時代ごとに記事を厳選し構成。大阪万博、アポロ月着陸、パンダ初来日、三億円事件、オリンピックなど、昭和40年代の出来事や流行を特集。目次
(小学館 1296円)[amazon]

レイフ・GW・ペーション 『許されざる者』
国家犯罪捜査局の元長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、麻痺が残る彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く警察小説。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

エル・キャサリン・ホワイト 『龍の騎手』
アリザと龍の騎手アリステアの出会いは最悪だった。騎手といえば誇り高く高潔な人物のはずではなかったのか? 『高慢と偏見』×ドラゴンのロマンティック・ファンタジイ。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.87
〈給食のおにいさん〉シリーズで大人気の遠藤彩見の新シリーズ先行掲載、森谷明子〈秋葉図書館〉シリーズ最新作ほか。青柳碧人〈ほしがり探偵ユリオ〉セカンドシーズン、本城雅人『友を待つ』、東川篤哉『仕掛島』連載完結。
(東京創元社 1296円)[amazon]

近藤ようこ/田中貢太郎(原作) 『蟇の血』
将来を嘱望された青年の歯車が、ある女性との出会いをきっかけに、微妙に狂い出す――。怪談文芸の大家・田中貢太郎の傑作怪奇小説集 『黒雨集』 に収録された退廃的怪異譚を、偉才・近藤ようこが鮮烈に視覚化。
(KADOKAWA 778円)[amazon]

武田崇元・稲生平太郎・高橋洋【映画の生体解剖✕霊的ボリシェヴィキ 霊・物質・言葉 Kindle版
高橋洋の監督脚本新作映画『霊的ボリシェヴィキ』をメイン特集に、「霊的ボリシェヴィキ」の提唱者・武田崇元を加えた三名による鼎談「霊・物質・言葉」を完全収録(カナザワ映画祭2017 「宇宙怪談大会」でのトークイベント)。他に、エッセイや翻訳、インタビューなども収録。
(映画の会 650円)[amazon]

ジェフリー・ディーヴァー 『限界点 上・下
凄腕の殺し屋の手から標的を守るのが私のミッションだ。巧妙な計画で襲い来る敵の裏をかき、反撃せよ。名手の妙技が冴える傑作。
(文春文庫 810円/778円)[amazon]

『SFが読みたい! 2018年版』
年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2018年の各出版社のSF書籍刊行予定、SF作家たちの最新予定「2018年のわたし」、SF関連書籍&DVD目録などでおくる恒例のガイドブック。
(早川書房 予価864円)[amazon]

アンソニー・サドラー&アレク・スカラトス&スペンサー・ストーン 『15時17分、パリ行き』
国際特急列車をイスラム過激派が襲撃した。パニックに陥る車内には、勇敢な米軍人が乗り合わせていた。実在の事件の記録を映画化。
(ハヤカワ文庫NF 864円)[amazon]

マリリン・ロビンスン 『ハウス・キーピング』
両親のいない姉妹と、放浪生活を営んできた奔放な叔母との奇妙な三人暮らし。拠り所となる家(ハウス)の喪失の悲しみを詩情豊かにつづる、ピュリツァー賞・全米批評家賞作家のデビュー作。
(河出書房新社 2592円)[amazon]

エドガー・ウォーレス 『血染めの鍵』
〈論創海外ミステリ〉
資産家のトラスミア氏が密室で殺害された。部屋のドアは複製不可能な鍵で施錠されており、室内には血に染まったピンが落ちていた。警察と協力して事件の謎を追う 『メガフォン』 紙の記者ホランドだが、またしても密室殺人が……。
(論創社 2600円)[amazon]

『森下雨村探偵小説選Ⅲ』

〈論創ミステリ叢書〉 『新青年』の名物企画 【連続短編】 全7作を完全収録。自身が提唱する「ライト・リテラチウア(軽い文学)」を実践した戦前・戦後の短編をまとめた森下雨村の探偵小説選第3弾。
(論創社 4320円)[amazon]

森敦 『私家版 聊齋志異』
中国清代、巷で口承される怪異譚を蒲松齢が書き綴った『聊斎志異』。森敦がこの500余話から選び抜き、私家版で19話を翻案した。妖術、呪い、幽霊など摩訶不思議な事象に加え、酒好き、大食らい、ひょうきん者、試験に落ち続ける男、母と暮らす嫁の来てのない男らが登場し、現代にも通ずる親しみ、可笑しみも溢れている。
(小学館/P+D BOOKS 540円)[amazon]

アレクサンドル・デュマ・フィス 『椿姫』
パリの社交界で金持ちの貴族を相手に奔放な日々を送る美貌の高級娼婦マルグリット。彼女はある日、青年アルマンと出会う。初めて真実の愛に目覚めた彼女は、享楽的な生活を捨て、パリ近郊の別荘で二人は暮らし始めるのだが……。永田千奈訳
(光文社古典新訳文庫 1166円)[amazon]

トマス・ホッブズ 『リヴァイアサン 2』
社会契約による主権国家の成立を理論づけた近代国家論の原点。第2部「国家について」では、国家の創設の理由、定義、主権の絶対性について論じるとともに、主権者と臣民の関係や臣民の自由について、市民法や刑法の観点から考察される。角田安正訳
(光文社古典新訳文庫 1253円)[amazon]

『ゴースト・ハンターズ完全読本 怪異を追う者たち――『事件記者コルチャック』から『死霊館』まで』 尾之上浩司編著
幽霊や怪奇現象に対峙し、“人間"と“未知なる者"との対決を体現したゴースト・ハンターたち――人間臭さと好奇心を武器に戦った事件記者 「カール・コルチャック」、怪奇現象の調査の第一人者 「エド&ロイレン・ウォーレン夫妻」、『事件記者コルチャック』 の全エピソード解説と制作秘話など、二大ゴースト・ハンターズの軌跡と活躍を網羅した完全読本。
(洋泉社 2160円)[amazon]

リンジー・フェイ 『ジェーン・スティールの告白』
幼くして孤児となり艱難辛苦のうちに育ったジェーン。罪に手を染めることも辞さない彼女は、ある企みを胸に、田舎の屋敷に家庭教師としてもぐりこむ。しかし屋敷の当主には何か秘密があるようで……『ニューヨーク最初の警官 ゴッサムの神々』 著者の話題作。
(ハヤカワ・ミステリ 2592円)[amazon]

カズオ・イシグロ 『「特急二十世紀」 を観ながら思ったこと―そして壁を破ってくれた小さな事ども ノーベル文学賞記念講演
デビュー前の若き日々から現在にいたるまでの問題意識、思い出の中の日本について、そして現代社会の諸問題にどう立ち向かっていくか。日系イギリス人作家カズオ・イシグロのノーベル賞受賞記念講演を書籍化。原文と土屋政雄による日本語訳を収録した対訳版。
(早川書房 1404円)[amazon]

シッゲ・エクランド 『迷路の少女』
ある夜11歳の少女が忽然と自宅から消えてしまう。周囲の人々にひろがってゆく波紋。事件の発端はどこに? そして少女の行方は?
(ハヤカワ文庫NV 1296円)[amazon]

マイク・クーパー 『ダウン・サイド 強奪作戦』
難攻不落の保管倉庫から、貴重なレアメタルの山を盗み出せ! ムショ帰りのプロの強盗が企てた奇想天外な強奪計画の結末やいかに。
(ハヤカワ文庫NV 1512円)[amazon]

エラン・マスタイ 『時空のゆりかご』
めざすは1965年!? 自分の時間旅行が原因で世界を変えてしまった男の獅子奮迅の活躍をユーモラスに描いた時間テーマSFの傑作。
(ハヤカワ文庫SF 1188円)[amazon]

『日本SF傑作選4 平井和正 虎は目覚める/サイボーグ・ブルー
「レオノーラ」「虎は目覚める」「虎は暗闇より」「エスパーお蘭」【悪徳学園」などの初期傑作短篇、黒人警官の苦悩を描く『サイボーグ・ブルース』全篇収録。日下三蔵編
(ハヤカワ文庫JA 1620円)[amazon]

ブライアン・フェイガン 『海を渡った人類の遥かな歴史 古代海洋民の航海史
世界中の名もなき古代の海洋民たちは、いかに航海したのか? 祖先たちはなぜ舟をつくり、なぜ海に乗りだしたのかを解き明かす人類の物語。
(河出文庫 1296円)[amazon]

ミシェル・ウエルベック 『闘争領域の拡大』
自由の名の下に、人々が闘争を繰り広げていく現代社会。愛を得られぬ若者二人が出口のない欲望の迷路に陥っていく。現実と欲望の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描く著者の小説第一作。
(河出文庫 950円)[amazon]

ザ・ゴードンズ 『盗聴』
〈論創海外ミステリ〉
グレッグ・エヴァンズ警部補は、マネーロンダリングの大物を追い盗聴室で情報を集めていた。とある会話から別の犯罪を匂わすやりとりを掴み、捜査に乗り出す。元FBIの作家が経験を基に描く、〈盗聴〉をモチーフにしたリアリティー溢れるアメリカン・ミステリ。
(論創社 2808円)[amazon]

松下哲也 『ヘンリー・フューズリの画法
物語とキャラクター表現の革新

幻想絵画の名作 《夢魔》 で知られるフューズリは実は主流派アカデミシャンであり、美術史と古典文学に精通する教養人だった。イギリスロマン主義の源流となり、さらに後代の美術家に深い影響を与えた芸術思想と物語絵画の制作手法を、その着想源となった近代観相学や当時の演劇・見世物など視覚文化の反映と共に明らかにする。目次
(三元社 3456円)[amazon]

エンミ・イタランタ 『織られた町の罠』
ある晩、血にまみれた少女が織の家の敷地内で発見された。舌を切られた少女の手の平に彫られていたのは、織り子エリアナの名だった。彼女の素性を探るうちに、エリアナは町の背後に見えない組織の力がうごめいていることに気づく。洪水が島を何度も襲い、未知の病によって動植物や島民に異変が起こり始め、織り子たちが織り上げた道はゆっくりと沈んでいく。
(西村書店 1620円)[amazon]


▼1月刊

ガリーナ・ドゥトキナ 『夜明けか黄昏か ポスト・ソビエトのロシア文学について
ロシアでは文学はどうなっているのか。ソ連時代からのベテラン編集者で日本文学の翻訳家としても実績のある日本通が大きく変化していくロシア文学の現状をあらゆるジャンルにわたって展開し、同時に文学大国ロシアの日本文学への愛と交流の歴史を語る。未来に向かう想像力の土壌となる現代文化史ドキュメント。
(群像社 2160円)[amazon]

ジェイムズ・シャピロ 『『リア王』 の時代 1606年のシェイクスピア
英国が誇る 「悲劇」 の誕生。 アーデン家もかかわりし火薬陰謀事件の翌年──1606年を、シェイクスピアの人生における重要な年としてクローズアップ。 『リア王』 が書かれた時代背景をつぶさに活写する歴史読み物。
(白水社 6048円)[amazon]

『J・G・バラード短編全集5』
20世紀SFに独自の境地を拓いた鬼才の全短編を五巻に集成。最終巻には短編集 『第三次世界大戦秘史』、Myths of the Near Future の収録作を中心に、本邦初訳作を多数含む24編を収める。柳下毅一郎監修
(東京創元社 3888円)[amazon]

ヴィンセント・ディ・マイオ、ロン・フランセル 『死体は嘘をつかない』
45年にわたって、9000以上の事件を検証してきた全米トップ検死医が語る、知られざる検死の世界とは。アメリカ探偵作家クラブ賞候補の傑作ノンフィクション。
(東京創元社 2700円)[amazon]

C・デイリー・キング 『タラント氏の事件簿 完全版
博物館から消えた古書、ペントハウスの密室殺人、古の詩どおりに現われては消える竪琴……いずれ劣らぬ怪事件に理知の光を当て真相をあばくのは、謎の紳士タラント氏。クイーン絶賛の名短編集に、未収録作品4編を追加。シリーズ全作品を網羅した文庫決定版。
(創元推理文庫 1296円)[amazon]

笹沢左保 『流れ舟は帰らず 木枯し紋次郎ミステリ傑作選
幼なじみの身代りに罪を被って島送りになった紋次郎が、島抜けに参加して事件の真相を追う第1話 「赦免花は散った」。瀕死の老商人の依頼で家出息子を探す 「流れ舟は帰らず」。凄腕の旅人にして名探偵が活躍する珠玉の10編を収録。末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

成田守正 『「人間の森」 を撃つ 森村誠一作品とその時代
戦後昭和から平成の現代まで、変貌する時代のさまざまな問題と人間の在り方に着目し、半世紀にわたって多くのベストセラー作品を生んだ森村誠一。その〝宿命〟の原風景と、森村作品が問いかけてきたものの核心にせまる。
(田畑書店 3024円)[amazon]

アキール・シャルマ 『ファミリー・ライフ』
〈新潮クレスト・ブックス〉
インドからアメリカに渡り、ささやかな幸福を築いてきた移民一家の日常が、ある夏の水難事故で暗転する。フォリオ賞受賞の感動作。
(新潮社 1944円)[amazon]

アンドレアス・セシェ 『蝉の交響詩』
全体主義国家へと変貌した楽園シラケシュで、セリムは命を賭したヴァイオリン演奏に挑む。ドイツ文学期待の新星セシェの音楽小説。
(西村書店 1620円)[amazon]

『水木しげる 日本の妖怪・世界の妖怪』 荒俣宏監修
〈別冊太陽 太陽の地図帖〉
水木しげるが訪ねた日本と世界の約60ヵ国・地域を妖怪画と共に旅する。取材の軌跡をたどる地図や初公開の手土産収集部屋写真等も。
(平凡社 1296円)[amazon]

《ユリイカ》 2月号 特集=クトゥルー神話
H・P・ラヴクラフトが創造したクトゥルー神話は、様々な書き手によって書き継がれてきた。作家ミシェル・ウエルベックのデビュー作 『H・P・ラヴクラフト』 が邦訳されるなど、いままさに話題を集める〈クトゥルー神話〉の無限の可能性に迫る。内容
(青土社 1512円)[amazon]

原田治/酒井チエ 『OSAMU'S MOTHER GOOSE』
最高にキャッチーでどこまでもポップ。そして、誰よりもハイセンス。マザーグースの世界観を原田治のセンスでHAPPYに表現した幻の本(1976初版)を復刊。
(復刊ドットコム 1728円)[amazon]

『東宝版フランケンシュタインの怪獣完全資料集成』 岸川靖編
昭和40年、東宝がアメリカと合作して製作した特撮怪獣映画 『フランケンシュタイン対地底怪獣』 は、衝撃的な内容で多くのファンを獲得した。 翌41年には続編 『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』 公開。現存するスチール写真を中心に編まれた、2本の「東宝フランケンシュタインの怪獣」 映画のビジュアル資料集。
(洋泉社 5076円)[amazon]

エルモア・レナード 『オンブレ』
アリゾナの荒野を行く七人を乗せた駅馬車──御者メンデスとその部下アレン、17歳の娘マクラレン、インディアン管理官フェイヴァー夫妻、無頼漢のブレイデン、そして「男」の異名を持つジョン・ラッセル。浅黒い顔に淡いブルーの瞳、幼少期をアパッチに育てられた伝説の男と悪党たちが灼熱の荒野で息詰まる死闘を繰り広げる。レナードの初期傑作2作品を、村上春樹が痛快無比に翻訳。
(新潮文庫 594円)[amazon]

周作人 『周作人読書雑記1』
魯迅の弟・周作人は群を抜いた読書家だった。古代から現代まで、中国、日本、西洋の書物を縦横無尽に読み抜いた記録を集成。全5巻。
(平凡社/東洋文庫 3564円)[amazon]

ジュリー・マッキュラス他編 『シャーロック・ホームズの失われた災難』
アンソロジー 『シャーロック・ホームズの災難』 の序文で、編者エラリー・クイーンは様々な理由により収録出来なかった作品について解説しているが、本書はその 「失われた」 作品を収録した短編集。遊び心も備わった誰もが楽しめる一冊。日暮雅通訳
(原書房 2592円)[amazon]

ジョン・D・ライト 『図説 呪われたロンドンの歴史』
ローマ人によるロンドン建設から、現代のテロ攻撃まで、この都市を形作ってきた政治と革命とスキャンダルの興味深い年代記。思わず見入ってしまう180点もの絵画、写真、イラストを全編に配した本書は、「ビッグ・スモーク」・ロンドンで繰り広げられた陰鬱で不穏なドラマを深く掘り下げた一冊。
(原書房 3024円)[amazon]

沖田瑞穂 『怖い女 怪談、ホラー、都市伝説の女の神話学
口裂け女、コトリバコ、貞子、伽耶子……Jホラーや都市伝説、怪談で描かれる恐るべき女たちは、なぜ恐れられるのか、どのように恐怖と結びつけられるのか。「怖い女」 の原型を世界の女神神話から解読する。
(原書房 2484円)[amazon]

ジョゼフ・チャプスキ 『収容所のプルースト』
1939年のナチスとソ連によるポーランド侵攻。このときソ連の強制収容所に連行されたポーランド人画家のジョゼフ・チャプスキは、零下40度の極寒と厳しい監視のもと、プルースト 『失われた時を求めて』 の連続講義を開始する。現存するノートをもとに再現された魂の文学論にして、この長篇小説の未読者にも最適なガイドブック。
(共和国 2700円)[amazon]

マリオ・バルガス=ジョサ 『マイタの物語』
〈フィクションのエル・ドラード〉
1958年、ペルー山間部でごく小規模な反乱があった。首謀者はトロツキー派の組合運動家、名前はマイタ。その20年後、ある作家がこの事件を小説で再現しようと、事件の証言者たちを辿ってインタビューを試みるが……。史実とフィクションを意図的に交錯させる大胆な手法を試みた、ノーベル賞作家によるメタ・フィクション。
(水声社 3024円)[honto]

セルバンテス全集 『パルナソ山への旅および詩作品』
文壇や詩人の生態を皮肉り叙事詩のパロディに仕立て上げた表題作ほか、本邦初訳の詩作品を集成し、詩人セルバンテスの実相に迫る。
(水声社 8640円)[honto]

レフ・トルストイ 『アズブカ』
「アズブカ」 とは、日本語でいうところの 「いろは」 のこと。ものごとのはじまりを意味する。『アンナ・カレーニナ』 『戦争と平和』 のトルストイによる子どものための言葉の教科書。玄孫ナターリヤ・トルスタヤの挿絵入り。
(未知谷 1512円)[amazon]

復刊
『フラナリー・オコナー全短篇 上・下

(ちくま文庫 各1512円)

マーク・トウェイン 『ハックルベリー・フィンの冒険 上・下
トム・ソーヤーとの冒険で大金を手に入れたハックは、ダグラス未亡人の元で堅苦しい生活を送る。そこへ金を目当てに飲んだくれの父親が現れ、ハックは逃亡奴隷ジムと、筏でミシシッピをくだる旅へ。千葉茂樹・新訳
(岩波少年文庫 各821円)[amazon]

『成田亨画集 復刻版BOX
『成田亨画集 ウルトラ怪獣デザイン編』 『メカニック編』(朝日ソノラマ、1983/87)を復刻。
復刊ドットコム 9990円)[amazon]

ソーントン・ワイルダー 『三月十五日 カエサルの最期』
アメリカ文学を代表するソーントン・ワイルダーが、古代ローマの英雄カエサル暗殺の日までの心理劇を描き出した書簡体小説。妻ポンペイア、悪女クローディア、詩人カトゥッルス、愛人クレオパトラ…政治のかけひき、恋のさぐりあいのなかで、世界の覇者となったものが最後に信じるのは――権力や芸術をめぐる思考が織り成す大作。本邦初訳。
(みすず書房 3996円)[amazon]

イタロ・カルヴィーノ 『木のぼり男爵』
18世紀イタリア、男爵家の長子コジモは十二歳のときにカタツムリ料理を拒否して庭の木に登り、以後、そこから降りることなく一生を樹上で暮らすことに。恋も冒険も革命もすべて木の上、奇想天外にして波瀾万丈の物語。〈我々の祖先〉 三部作。新装改版
(白水Uブックス 1944円)[amazon]

横溝正史ミステリ短篇コレクション 第2巻 『鬼火』
本格志向、怪奇趣味、耽美的抒情……多彩な横溝ワールドのエッセンスが凝縮された傑作の数々を集成した短篇コレクション。第2巻は、暗く妖しい情念に彩られた傑作 「鬼火」、数奇な運命に翻弄される者たちの複雑な犯罪曼荼羅 「塙侯爵一家」 など、全9編。自筆原稿に基づくオリジナル版「鬼火」 を併録。日下三蔵編。収録作品
(柏書房 2808円)[amazon]

《ミステリマガジン》 3月号
特集 原尞読本
(早川書房 1296円)[amazon]

ヤア・ジャシ 『奇跡の大地』
奴隷貿易が盛んだった18世紀のアフリカで、激しく対立するふたつの部族の間で生き別れた異父姉妹。その子孫がさまざまな運命に翻弄されながら、7つの世代を経て現代に至るまでのドラマを描く。個人の人生と時代の大きなうねりが交差する様を、3つの世紀を通してドラマティックに表現した、心を揺さぶる長編小説。
(集英社 2808円)[amazon]

『小村雪岱随筆集』
大正から昭和初期にかけて活躍した装幀家・挿絵画家・舞台装置家、小村雪岱が書き留めた消えゆく江戸情緒の世界。没後、昭和18年(1943)に刊行された随筆集 『日本橋檜物町』 (30篇収録)に、新たに発掘された40篇を加え刊行。真田幸治編
(幻戯書房 3780円)[amazon]

リチャード・ロイド・パリー 『津波の霊たち 3・11 死と生の物語
在日20年の英国人記者は被災地で何を見たのか? 震災直後から東北に通い続けた著者は、大川小学校事件の遺族たちと運命的な邂逅を果たす。取材はいつしか相次ぐ 「幽霊」 の目撃情報と重なり合い――。『黒い迷宮』 の著者が悲しくも不思議な津波の余波に迫る。
(早川書房 1944円)[amazon]

カール・オーヴェ・クナウスゴール 『わが闘争2 恋する作家』
妻と別れ、ストックホルムに移り住んだ作家クナウスゴール。そこ で彼は、数年前に魅了された個性的な詩人リンダと再会し、恋に落 ちる。しかし家族生活と芸術活動の両立はとても難しかった。破格 の面白さに世界の読書家がうなったノルウェー発のベストセラー。
(早川書房 4968円)[amazon]

アリ・ランド 『善いミリー、悪いアニー』
母親の殺人鬼を警察に告発した少女。彼女はミリーと名前を変えて過去を隠し、臨床心理士に里子として引き取られることになった。新生活を送るミリーだったが、里親一家の歪な関係や学園でのいじめが彼女を苛んでいく。そしてミリーは母親が裁かれる法廷に立つことになるが……。異色のサイコ×法廷×青春ミステリ。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1080円)[amazon]

アンディー・ウィアー 『アルテミス 上・下
人類初の月面都市アルテミスで暮らす女性ジャズは、謎の仕事のオファーを受ける。それは月の運命を左右する陰謀へと繋がっていく。
(ハヤカワ文庫SF 各691円)[amazon]

桂川潤 『装丁、あれこれ』
本に生命を吹き込む「装丁」という仕事。その過程から紡ぎ出される「装丁」論および「出版文化」論。「本」をめぐる真摯なる問い。「理想の装丁とは何か」を徹底的に考える。
(彩流社 1944円)[amazon]

巖谷國士 『澁澤龍彥 幻想美術館/澁澤龍彥と「旅」の仲間』
『澁澤龍彥 幻想美術館』に加え、澁澤龍彥の旅にまつわるエッセー・トークを増補。美術作品図版を散りばめ彼の美術世界を紹介。また、澁澤夫人との対談も。
(勉誠出版 4104円)[amazon]

『小村雪岱作品集 普及版
泉鏡花 『日本橋』 等の装幀で知られる小村雪岱の残した日本画・木版画・挿画・挿絵・デザイン各分野の作品をできる限り集め、現在も人気を集める雪岱の仕事の全貌を明らかにした決定版作品集。製作に関する自筆文献、装幀・挿絵・舞台美術年表なども収録。
(阿部出版 8640円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズの古典事件帖』 北原尚彦編
〈論創海外ミステリ〉
今なお読み継がれるシャーロック・ホームズ物語。コナン・ドイルが生み出した偉大なる名探偵の事件簿より短編13話を厳選し、明治時代から昭和初期にかけての翻案・翻訳を原作の重複なく収録。押川春浪 「ホシナ大探偵」、加藤朝鳥 「毒蛇」、妹尾アキ夫 「這う男」、森下雨村 「サンペドロの猛虎」 他。
(論創社 4860円)[amazon]

アーサー・B・リーヴ 『無音の弾丸』
〈論創海外ミステリ〉
投資家カー・パーカーが会議中に突然死亡した。解剖の結果、首から32口径の銃弾が発見される。しかし目撃者の誰ひとりとして銃声を聞いておらず、硝煙も見なかった、という不可能状況に科学者探偵ケネディが挑む。表題作ほか全12編を収録。
(論創社 3240円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『女王ロアーナ、神秘の炎 上・下
エーコの知られざる赤裸々な文体と姿態が晒される衝撃の超・小説。「あなたお名前は?」 記憶喪失から自分を取り戻すことはできるのか。物議を呼ぶ自伝的物語展開は、幾通りにも読み解きを促す謎と神秘に満ち溢れる。
(岩波書店 各2592円)
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朝里樹 『日本現代怪異事典』
戦前のこっくりさんにはじまり、トイレの花子さん、口裂け女、ベートーベンの怪などの学校の怪談、そして2000年前後にインターネット上で登場する怪異たちまで、主に戦後(1945~)の日本を舞台に語られた一千種類以上の現代怪異を紹介。内容
(笠間書院 2376円)[amazon]

石上三登志 『石上三登志スクラップブック 日本映画ミステリ劇場
戦後のエンタテインメント日本映画を「ミステリ」というジャンルで区切り、脚本家・原作者を切り口として詳細に分析した 「日本映画のミステリライターズ」 を中心に、評論や対談、貴重な資料など単行本未収録原稿を収めた。
(原書房 4104円)[amazon]

エヴゲーニイ・ザミャーチン 『われら』
26世紀、「単一国」 に統治された世界。人々は監視下に置かれ疑問を持たなかった。だが主人公はある女性と恋に落ち、世界の綻びに気づく。1920年代ロシアのディストピア小説の先駆的名作。小笠原豊樹訳
(集英社文庫 821円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『贖い主 顔なき暗殺者 上・下
クリスマスシーズンの街頭で起きた射殺事件。オスロ警察警部のハリーは捜査に当たるが、衆人環視のなかの事件なのに、目撃証言が全く得られない。疾走感あふれる追跡劇が展開する北欧ミステリーの人気シリーズ。
(集英社文庫 各907円)[amazon]

西成彦 『外地巡礼 「越境的」日本語文学論
ポーランドのイディッシュ文学、カリブ海のクレオール文学、英語で書くコンラッド、ドイツ語で書くカフカ、アルゼンチンのゴンブローヴィッチ、日本のハーン……。マイノリティの言語・文学、あるいは異言語・異文化接触による文学的創造を一貫してたどりつづけてきた著者による 「日本語文学史」 書き換えの試み。
(みすず書房 4536円)[amazon]

メアリー・シェリー 『マチルダ』
娘に禁断の愛情を抱いた父、またそのような異常な愛を引き起こし、さらには父を追い詰めてしまった娘、その両者の激しい苦悶と悲劇が切々と綴られた本作は、その内容から父ゴドウィンが原稿を預かったまま返さず、1959年まで出版されなかった。『フランケンシュタイン』 の作者の問題作、初邦訳。
(彩流社 2052円)[amazon]

『岡上淑子全作品』
優雅で不穏、繊細で大胆――幻のコラージュ作家岡上淑子の150作品を収めた完全版作品集。文献、所在不明作品一覧など資料も充実。
(河出書房新社 5400円)[amazon]

タハール・ベン・ジェルーン 『嘘つきジュネ』
不意にかかってきたジュネからの電話。モロッコの新進作家タハール・ベン・ジェルーンは、以降最晩年の作家と無比の関係を続けることになる。フランス人の人種主義、フランスの植民地主義を徹底して告発し、パレスチナに寄り添うジュネ。サルトル、フーコー、バルト、デリダ、ジャコメッティ、ボウルズ……幾多の人物像を点綴しながら描かれる、ジュネ最晩年の時間。
(インスクリプト 3024円)[amazon]
成彦編訳 『世界イディッシュ短篇選』
東欧ユダヤ人の日常言語「イディッシュ」。イディッシュ作家のほとんどは、ホロコーストや反ユダヤ主義を逃れて世界各地を転々とし、自らのアイデンティティーの拠り所であるイディッシュで文学を書き継いだ。ディアスポラの文学。
(岩波文庫 994円)[amazon]

『江戸川乱歩作品集II 陰獣・黒蜥蜴 他』
謎解きを追究した乱歩の真骨頂を示した。「陰獣」 は日本探偵小説史上の名作。女賊と明智探偵の対決と恋を描いた 「黒蜥蜴」。デビュー作 「一枚の切符」。本格的探偵小説 「何者」。戦後の好短篇 「断崖」 の5作品を収録。浜田雄介編
(岩波文庫 1080円)[amazon]

ファン・ジョンウン 『誰でもない』
〈韓国文学のオクリモノ〉
恋人をなくした老婦人や非正規労働で未来に希望を見出だせない若者など、“今”をかろうじて生きる人々の切なく、まがまがしいまでの日常を、圧倒的な筆致で描いた8つの物語。韓国で 「現在、最も期待される作家」 ファン・ジョンウンの最新短編集。
(晶文社 1944円)[amazon]

『岩波書店百年』
1913年創業以来100年間に岩波書店が発行した全書目を発行順に並べ、これに対応する頁に小社の主要記事・出版界の出来事・国内外事情の三欄を掲げる。単なる社史としてだけでなく、一つの文化史として編纂した。
(岩波書店 21,600円)[amazon]

四方田犬彦編 『1968 〈Ⅰ〉 文化
1968-72年の5年間、映画、演劇、音楽、写真、舞踏などの領域で前衛的な実験が展開された。それら歴史的記憶を文化資料として甦らせる。写真資料満載。
(筑摩選書 2592円)[amazon]

『水滸伝 五』
北宋末期の不正と汚職が支配する乱世を舞台に、暴力・知力・胆力を思う存分に発揮して、好漢百八人が「梁山泊」へと集結。中国武侠小説の最大傑作。全5巻完結。井波律子訳
(講談社学術文庫 2009円)[amazon]

ジークムント・フロイト 『メタサイコロジー論』
フロイトが1915年に執筆し、『メタサイコロジー序説』という表題で1冊の書物にまとめることを意図していた論文のうち、現存する5篇と草稿1篇を収録。
(講談社学術文庫 950円)[amazon]

リリー・ブルックス゠ダルトン 『世界の終わりの天文台』
〈創元海外SF叢書〉
どうやら人類は滅ぶらしい。終末の惑星の極北で、宇宙の孤独な大海で――世界が終わるなら、あなたは誰と過ごしたい? 終わりゆく世界の静かな物語。
(東京創元社 2376円)[amazon]

ジェームズ・ロバートソン 『ギデオン・マック牧師の数奇な生涯』
突然、悪魔に命を助けられたなどと冒瀆的な告白をし、失踪してしまった牧師。彼の手記に書かれた波瀾に満ちた生涯とは。スコットランド随一の作家によるブッカー賞候補作。
(東京創元社 3456円)[amazon]

アーナルデュル・インドリダソン 『声』
クリスマスシーズンで賑わうホテルの地下で、一人の男が殺された。ホテルの元ドアマンの男はサンタクロースの扮装でめった刺しにされていた。捜査官エーレンデュルは捜査を進めるうちに、被害者の驚愕の過去を知る。自らも癒やすことのできない傷をかかえたエーレンデュルが到達した悲しい真実。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

ローラ・カミング 『消えたベラスケス』
『侍女たち』で有名な17世紀スペインの宮廷画家ベラスケス。19世紀のイギリスで、ひょんなことからベラスケスの絵を手にした書店主ジョン・スネア。たった数ポンドのキャンバスが男の人生を狂わせてゆく。 モデルの本質を見抜く絵を描いた宮廷画家。その絵に魅せられた一人の男。そして21世紀に幻の絵画を探し求める著者……一枚の名画をめぐり三者の人生が交差する歴史ノンフィクション。
(柏書房 2700円)[amazon]

フョードル・ドストエフスキー 『白痴 3』
ムイシキン公爵と友人ロゴージン、美女ナスターシャ、美少女アグラーヤ。はたして誰が誰を本当に愛しているのか? 謎に満ちた複雑な恋愛四角形は形を変えはじめ、やがてアグラーヤからの一通の手紙が公爵の心を揺り動かす。亀山郁夫訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

ショーペンハウアー 『幸福について』
人は幸福になるために生きているというのは実は人間生来の迷妄である、と逆説的に説くショーペンハウアーの「幸福論」。鈴木芳子訳
(光文社古典新訳文庫 1080円)[amazon]

ルイ=アルベール・ド・ブロイ/シルヴィ・アルブ=タバール 『デロールの理科室から 美しい掛図と科学考察
驚異的な博物学的コレクションをもとに剥製やアート作品を手がけ、アーティストや蒐集家より絶大な支持と評価を集めるパリの老舗デロール。本書はデロールが手がけていた学校用掛図のコレクション集。
(グラフィック社 4104円)[amazon]

ユッシ・エーズラ・オールスン 『特捜部Q 自撮りする女たち』
特捜部Qに閉鎖の危機が訪れる。検挙率の上がらないQには周囲から厳しい目が注がれていた。そんな中、王立公園で老女が殺害される事件が発生。さらには若い女性ばかりを襲うひき逃げ事件が――。次々と起こる事件に関連は? 一方、ローセは苦悩の淵に……
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

モンス・カッレントフト&マルクス・ルッテマン 『刑事ザック 夜の顎 上・下
タイ人の売春婦が四人、自分たちの住む部屋で射殺された。犯罪組織の抗争か、人種差別主義者の暴走か、あるいはシリアルキラーの跋扈か? 特捜部の若き刑事ザックの焦燥は深まる。ストックホルムの闇を追う刑事たちを描く、新シリーズ第1弾。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各821円)[amazon]

チャーリー・N・ホームバーグ 『硝子の魔術師』
セイン師のもとで魔術師実習生としての勉強を続けるシオニー。だが、禁断の術を操る者たちに彼女の秘密の力を気づかれてしまう。
(ハヤカワ文庫FT 864円)[amazon]

小松左京 『復活の日 新版
生物兵器MM-88の蔓延により、南極基地の1万人たらずの者たちを残して人類は滅亡。だが最後の砦である南極までが、超大国の負の遺産である戦略核兵器の脅威にさらされる。人類という種は生き延びることができるのか。
(早川書房 2484円)[amazon]

平井和正 『狼の紋章(エンブレム)
〔ウルフガイ1〕
暴力が吹き荒れる私立中学校、博徳学園に転校してきた奇妙な少年。驚くべき強靭な肉体を持ちながらも、どこか暗い虚無の影を宿した犬神明の行くところには、次々と怪異な事件が巻き起こる。〈死〉 を知らぬ彼の正体とは? 伝説のベストセラーシリーズ復刊。装画=生頼範義。
(ハヤカワ文庫JA 929円)[amazon]

平井和正 『狼の怨歌(レクイエム)
〔ウルフガイ2〕
狼人間の〈不死〉の秘密をわがものにせんと、アメリカCIA対中国情報部〈虎部隊〉の熾烈凄惨な国際諜報戦の幕は切って落とされた。青鹿晶子は敵の罠に落ち、犬神明は記憶を喪失して眠り続ける。そして、もうひとりの狼男、神明は大陰謀の正体に迫る。
(ハヤカワ文庫JA 1058円)[amazon]

オテッサ・モシュフェグ 『アイリーンはもういない』
私の名はアイリーンといった。あるクリスマスイブの夜まで……。矯正施設の事務員として退屈な日々を過ごす私。だが、魅惑的な女性レベッカに出会い、私の人生は劇的に変わる。鋭い観察眼と容赦ない筆致で黒い感情を掻き立てる、アメリカの新鋭のデビュー長篇。
(早川書房 2268円)[amazon]

山田風太郎 『死言状』
麻雀に人生を学び、数十年ぶりの寝小便に狼狽し、男の渡り鳥的欲望について考察する。くだらないようで、どこか深遠なような随筆が飄々とならぶ。
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

黒木夏美 『バナナの皮はなぜすべるのか?』
定番ギャグ 「バナナの皮すべり」 はどのように生まれたのか? マンガ、映画、文学……あらゆるメディアを調べつくす。
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ジョルジュ・バタイユ 『呪われた部分 全般経済学試論・蕩尽
「蕩尽」こそが人間の生の本来的目的である。20世紀を代表し、その後の思想界を震撼させたバタイユの主著。第一人者による45年ぶりの新訳。酒井健訳
(ちくま学芸文庫 1404円)[amazon]

小栗虫太郎 『人外魔境』
暗黒大陸の「悪魔の尿溜」とは? 国際スパイ折竹孫七が活躍する、戦時下の秘境冒険SFファンタジー。全13篇。
(河出文庫 994円)[amazon]

泡坂妻夫 『妖盗S79号』
奇想天外な手口で華麗にお宝を盗む怪盗S79号。その正体と、真の目的とは? 泡坂妻夫3作連続復刊企画第2弾。
(河出文庫 1026円)[amazon]

ジョイス・キャロル・オーツ 『とうもろこしの乙女、あるいは七つの悪夢』
女子中学生誘拐、双子の兄弟の葛藤、猫の魔力、美容整形の闇など、不穏な現実をスリリングに描く著者自選ホラー・ミステリ短篇集。
(河出文庫 1404円)[amazon]

ジル・ドゥルーズ 『ザッヘル=マゾッホ紹介 冷酷なものと残酷なもの
マゾッホを全く新たな視点で甦らせながら、「死の本能」を核心とするドゥルーズ前期哲学の骨格をつたえる名著。
(河出文庫 864円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ドクター・スリープ 上・下
雪山に建つ 「景観荘」 の惨劇から三十年。ダニーを再び襲う悪しきものども。異能力 「かがやき」 を持つ少女と彼は新たな敵に挑む。
(文春文庫 1134円/1166円)[amazon]

ティボール ローデ 『モナ・リザ・ウイルス 上・下
神経美学者ヘレンに電話をかけてきた男は、自分の父親が失踪し、それにヘレンの娘が関与している可能性があると言う。同じ頃、アカプルコではミス・アメリカの候補者全員が行方不明に。ブラジルや中国でミツバチが大量死し始める。これらの事件に関連はあるのか? 21世紀とルネサンス、ヨーロッパとアメリカ、時間と空間を往き来する「美」のミステリー。
(小学館文庫 810円/853円)[amazon]