注目の新刊 発売中


トニ・モリスン&スレイド・モリスン/パスカル・ルメートル(絵) 『どっちの勝ち?』
イソップ物語の 「アリとキリギリス」 「ライオンとネズミ」 「おじいちゃんとヘビ」 が現代社会に飛び出します。矛盾だらけの世界で生きぬくために、必要な知恵はなに? 「生きるバネ」──自信と勇気──を見出すチャンスが見つかる絵本。米国初のノーベル賞受賞黒人女性作家が学校や教科書が教えない大切なことを伝えます。鵜殿えりか・小泉泉訳
(みすず書房 3300円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『逆まわりの世界 改訳版
生者は若返り、死者は墓から蘇る時間逆流現象 “ホバート位相” が発生した世界で起こる奇妙で不条理な現実を描くディック幻の傑作。小尾芙佐訳
(ハヤカワ文庫SF 1452円)[amazon]

ティム・ベイカー 『神と罌粟』
十年で八百人を超す謎の連続強姦殺人事件。真相を追う刑事が見た、メキシコの深い闇とは。五人の視点で描かれる本格派スリラー。鈴木恵訳
(ハヤカワ文庫NV 1562円)[amazon]


▼6月刊

フェルナンド・デ・ロハス 『セレスティーナ カリストとメリベーアの悲喜劇
売春の取り持ち、離婚調停、怪しい薬の調合、産婆から悪魔使いまで、裏社会のあらゆる仕事を請け負う老婆セレスティーナ。報酬欲しさに、恋に取り憑かれた貴族の若者の願いを叶えるべく、強欲な従僕らと結託し奔走するが…….。中世スペイン文学の傑作。岡村一訳
(水声社 4400円)[honto]

オラシオ・カステジャーノス・モヤ 『吐き気』
〈フィクションのエル・ドラード〉
祖国エルサルバドルへの圧倒的な罵詈雑言と呪詛ゆえに作者の亡命さえ招いた問題作 『吐き気――サンサルバドルのトーマス・ベルンハルト』 に、ひとつの事件をめぐって無数の異説をもてあそぶ虚無的な生を描き出す 「フランシスコ・オルメド殺害をめぐる変奏」、罪なき市民が暴力の渦に巻き込まれる 「過ぎし嵐の苦痛ゆえに」 の全3篇。浜田和範訳
(水声社 2420円)[honto]

フアン・パブロ・ビジャロボス 『犬売ります』
〈フィクションの楽しみ〉
画家になりたかった老タコス屋のテオは、アドルノ『美の理論』を引用し人生問題を解決している。彼とマンションのロビーで読書会を主催するフランチェスカ、革命家で八百屋の女将ジュリエットの三角関係を軸にモルモン教の青年、毛沢東主義者、テオの家族や愛犬、動物愛護協会の役人、ゴキブリ集団らがメキシコ・シティーで繰り広げる虚々実々のメタフィクション。平田渡訳
(水声社 3080円)[honto]

アレン・ギンズバーグ 『新訳 吠える その他の詩』
カウンターカルチャーの発火点となった「吠える」をはじめ、「吠える 脚注」、「カリフォルニアのスーパーマーケット」など“その他の詩"を含む、1956年発表のオリジナル版 HOWL AND OTHER POEMS を柴田元幸が完全新訳。
(スイッチパブリッシング 1650円)[amazon]

池澤夏樹/池澤春菜 『ぜんぶ本の話』
ケストナー、ル・グィン、ヴォネガット、福永武彦……世界は素敵な本で溢れてる!小説家の父と声優の娘が読む喜びを伝える対談集。
(毎日新聞出版 1760円)[amazon]

C・J・ボックス 『発火点』
猟区管理官ジョー・ピケットの知人ブッチが失踪。彼の所有地からは二人の男の射殺体が発見されていた。殺害されたのは連邦政府環境保護局の特別捜査官で、ブッチは同局から不可解かつ冷酷な仕打ちを受けていた。ジョーは山を知り尽くしているブッチを追うが……。一気読み間違いなしの冒険サスペンス。〈猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ〉新作。野口百合子訳
(創元推理文庫 1430円)[amazon]

ガストン・ルルー 『黄色い部屋の謎 新訳版
高名な科学者スタンガルソン教授父娘が暮らす城の離れ、内部から完全に密閉された 〈黄色い部屋〉 から響いた女性の悲鳴。ドアを壊して室内に足を踏み入れた者たちが見出したのは、血の海に倒れる令嬢マティルドだった。この怪事件に挑むのは18歳の新聞記者ルルタビーユ。密室ミステリの古典を、ジャン・コクトーによる序文を収録した新訳で。平岡敦訳
(創元推理文庫 1012円)[amazon]

『武部本一郎 画集 I 〈美女〉』 大橋博之編
多くのSFファンを魅了し続ける武部本一郎の世界を、原寸サイズ、高繊細スキャンで再現。限定生産部数で贈る、豪華A3判画集企画がついに実現。初恋の人 デジャー・ソリスよ、永遠なれ。内容
復刊ドットコム [直販・先着特典有] 27,500円)[amazon]

閻連科 『丁庄の夢』
政府の売血政策で多くの死者が生まれた「エイズ村」をめぐる、死と絶望と哄笑の物語。世界規模の感染症が生む悲喜劇を描く傑作長篇。谷川毅訳
(河出書房新社 3520円)[amazon]

『皆川博子長篇推理コレクション3 知床岬殺人事件 相馬野馬追い殺人事件』
極寒の地を訪れた映画ロケ隊を襲うスタッフ転落殺人事件。その容疑者は二重人格の女!?――『知床岬殺人事件』。矢で射殺された騎馬武者姿の男の死に端を発する連続殺人――『相馬野馬追い殺人事件』。巧緻な犯罪計画の上で繰り広げられる男女の愛憎劇を、トリッキーかつ哀切に描く二長篇。日下三蔵編
(柏書房 3300円)[amazon]

『時のきざはし 現代中華SF傑作選 立原透耶編
韓松、何夕、陸秋槎、王晋康、他収録。中国語文化圏の多彩なSF短篇から傑作を厳選したアンソロジー。
(新紀元社 2420円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『ミス・マープルの名推理 予告殺人』
〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉
殺人発生の日付、時刻までを予告する途方もない新聞広告が掲載され、小さな村は大騒ぎになった。誰もがいたずらだと思ったが、時計が予告時間を指したとき、銃声が響き、殺人は現実に! 驚くべき事件の意外な真相を暴くのは、上品な老婦人探偵ミス・マープル。羽田詩津子訳
(早川書房 1540円)[amazon]

中村圭子 『奇想の国の麗人たち 絵で見る日本のあやしい話
〈らんぷの本〉
日本の「伝説」「古典文学」には妖しの美、幻想に満ちた禁断の世界が登場する。圧倒的な恐怖、妖艶な世界を描く絵画満載。
(河出書房新社 2090円)[amazon]

《ミステリマガジン》 7月号
特集=藤田宜永追悼/冒険小説の新時代
(早川書房 1320円)[amazon]

生島治郎 『星になれるか』
『傷痕の街』 で作家デビューした越路玄一郎。野坂昭如との出会い、吉行淳之介、長部日出雄とのバンコク旅行、そして直木賞受賞。その後訪れた睡眠薬中毒と小泉喜美子との離婚。自身が再起へ向かう姿と、1964~78年の綺羅星のような作家たちの活躍を描く、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説完結編。
(中公文庫 968円)[amazon]

アーネスト・ヘミングウェイ 『老人と海』
84日間の不漁に見舞われた老漁師は、ひとり小舟で海へ出た。やがてその釣綱に、大物の手応えが。見たこともない巨大カジキとの死闘を繰り広げた老人に、海はさらなる試練を課すのだが……。世界文学の金字塔を新訳。高見浩訳
(新潮文庫 539円)[amazon]

フランシス・ホジソン・バーネット 『小公子』
アメリカに生まれ、幸せに暮らしていた少年セドリックは、名も知らぬ貴族の祖父の跡継ぎになるためイギリスへ渡ることに。祖父は傲慢だったが、次第に少年の純真さに心動かされ……。川端康成の名訳でよみがえる児童文学の傑作。
(新潮文庫 649円)[amazon]

チョン・セラン 『屋上で会いましょう』
〈チョン・セランの本 2〉
結婚・離婚・ハラスメント・突然死——現代の女性たちが抱えるさまざまな問題や、社会に広がる不条理を、希望と連帯、やさしさとおかしさを織り交ぜて、色とりどりに描く9作品を収録。韓国文学を代表する人気作家チョン・セラン、初めての短編集。すんみ訳
(亜紀書房 1760円)[amazon]

野崎六助 『北米探偵小説論21』
ホフマンに遡り、ゾラを発見し、ヴィクトル・セルジュを救出しつつ、ジュネを召喚する。欧米探偵小説の聖杯の騎士達は言うに及ばず、マヤコフスキー、チャペック、ボルヘス、レム、マルケス……そして数多の日本語文学作家をも包摂した比類なき大著。19世紀から21世紀の現在まで、米国、西欧、東欧、ロシアから南米、東アジア、日本まで、時空間を超え、探偵小説の原像と現在像を描ききる。未踏の領域へ到達した北米=世界探偵小説論、書き下ろし3500枚。目次
(インスクリプト 9680円)[amazon]

フランシス・ハーディング 『影を呑んだ少女』
17世紀の英国。幽霊が憑依する体質の少女メイクピースは、暴動で命を落とした母の霊を取り込もうとして、死んだクマの霊を取り込んでしまう。クマをもてあましていたメイクピースのもとへ、会ったこともない亡き父親の一族から迎えが来る。父は死者の霊を取り込む能力をもつ旧家の長男だったのだ。屋敷の人々の不気味さに嫌気が差したメイクピースは逃げだそうとするが……。『嘘の木』 のハーディング最新作。児玉敦子訳
(東京創元社 3630円)[amazon]

野崎充彦 『「慵斎叢話」 15世紀朝鮮奇譚の世界
15世紀朝鮮の官僚、成俔の随筆 「慵斎叢話」 は当時の世相を知る最上の資料でもある。宮中世界、歴史・文学、自然現象から巷の奇譚・笑話に至るまで多様な話を収めた同書の中から、極めて人間臭い話題を中心に、男女のスキャンダル、破壊僧、呪詛・占い、宮廷秘話などの奇異譚を紹介。
(集英社新書 924円)[amazon]

ホルヘ・ミゲル・ココム・ペッチ 『言葉の守り人』
〈新しいマヤの文学〉
マヤの伝承の語り手たる 〈言葉の守り人〉 に選ばれた 「ぼく」 は、祖父に連れられて、神々と精霊が棲まう森へ、夜ごと修行に出かける。不思議な鳥たちとの邂逅、風の精霊の召喚儀式、蛇神の見せる夢と幻影の試練……。神話の森を舞台に少年が受ける通過儀礼と成長を描いた、呪術的マヤ・ファンタジー。吉田栄人訳
(国書刊行会 2640円)[amazon]

アルベール・コーエン 『おお、あなた方人間、兄弟たちよ』
1905年仏マルセイユ。10歳の少年が誕生日に、ユダヤ人である憎しみの言葉を投げつけられた……。アカデミーフランセーズ賞作家コーエンの原点がここにある。人生の黄昏時77歳でものした、思いやりと赦しの書。紋田廣子訳
(国書刊行会 3740円)[amazon]

『岩波新書解説総目録 1938-2019』 岩波新書編集部編
1938年の創刊以来、3400点あまり刊行されてきた岩波新書。本書は、その80年の歩みのなかで初めて編まれた総目録である。1938~1946年の赤版、1949~1977年の青版、1977~1987年の黄版、1988年から現在にいたる新赤版まで。そのラインナップを刊行順に配列し内容解説文を付す。
(岩波書店 1100円)[amazon]

『赤江瀑の世界』 河出書房新社編集部編
鬼才・赤江瀑の単行本未収録小説、長谷川敬名義の詩、作品ガイドなどを収録し、その蠱惑的な世界の全貌に迫る。永久保存版読本。
(河出書房新社 2860円)[amazon]

中山忠直 『中山忠直SF詩集 地球を弔ふ・火星 抄』
「どれだけの時が過ぎたかしら――? 嗚呼あの太陽の喘ぎ疲れた赤銅色!」 明治末から昭和初にかけて宇宙的スケールのSF詩を発表した中山忠直(1895-1957)の詩集。横田順彌 「マルチ人間中山忠直の著作」を収録。横田順彌・北原尚彦編
盛林堂ミステリアス文庫 2000円)

泉鏡花 『新柳集』 澁澤龍彦編
〈澁澤龍彦 泉鏡花セレクション〉
「草迷宮」「戦国茶漬」「照葉狂言」「ななもと桜」「化銀杏」「夜行巡査」「貴婦人」「瓜の涙」の全8篇。あわせて、澁澤龍彦の名エッセー「ランプの廻転」も収録。
(国書刊行会 9680円)[amazon]

『震える叫び』 R・L・スタイン監修
〈Scream! 絶叫コレクション〉
キーワードは「Scream=叫び」。全米の第一線で活躍するホラー作家、ミステリー作家20人がYA向けに競作した 《Scream and Scream again》 を3分冊で刊行。1冊目は『図書館脱出ゲームシリーズ』のクリス・グラベンスタイン、『サーティーナイン・クルーズ・シリーズ』のピーター・ルランジスなど、7作家による7作。三辺律子監訳 内容
(理論社 1650円)[amazon]

劉 慈欣 『三体2 黒暗森林 上・下
葉文潔をリーダーに戴いた地球三体協会の瓦解により、地球は三体文明により侵略の危機的状況にあることが判明した。人類は、人類文明最後の希望となる「面壁者」を立てて立ち向かうことを決断する――! 13万部を突破した『三体』待望の第二部、ついに刊行。大森望・ 立原透耶・ 上原かおり訳
(早川書房 各1870円)[amazon]

横田順彌 『幻綺行 完全版
明治時代に活躍した破天荒な世界無銭探検家、中村春吉を主人公にした探検SF作品に単行本未収録の2篇を追加し復刊。日下三蔵編
(竹書房文庫 1100円)[amazon]

現代語訳 怪談「諸国百物語」』 志村有弘
江戸前期に諸国の怪談を集めて編まれ、「百物語」の嚆矢ともなった怪奇談の金字塔初めて全編通して現代語訳。
(河出書房新社 2420円)[amazon]

テイラー・アダムス 『パーキングエリア』
女子大生のダービーは、白いバンの中の檻に 少女が監禁されているところを目撃する。誘拐犯はPAに居合わせた4人のうちの誰か。東野さやか訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

レティシア・コロンバニ 『彼女たちの部屋』
現代。ソレーヌは、困窮した女性が避難できる施設のボランティア。百年前。ブランシュは、その施設創設のため奔走する。背景の異なる人との連帯に苦労しつつ、手をとりあうソレーヌ。理解と資金を得ていくブランシュ。だが、二人の前に最後の壁が立ちはだかる。齋藤可津子訳
(早川書房 1760円)[amazon]

アネ・カテリーネ・ボーマン 『余生と厭世』
引退を決心した71歳の精神科医のもとにやってきた最後の新患は、若くして希死念慮にとらわれた女性だった。精神科医は彼女の面談をとおして、他者とのかかわりを避けてきた自らの人生に向き合う。デンマーク人精神科医が描く、老いと死を静かに見つめる小説。木村由利子訳
(早川書房 2530円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『雲をつかむ死 新訳版』
英仏間を飛ぶ飛行機内で、変死した老婦人が発見された。死因は蜂毒によるものか、それとも……。名探偵ポアロが大空の密室に挑む。田中一江訳
(早川書房/クリスティー文庫 1210円)[amazon]

ダニエル・アレンソン 『地球防衛戦線 2 アゾス鉱山奪回指令』
ベン‐アリ少尉ひきいるドラゴン小隊は、救 難信号を受信し、アゾス採掘中の巨大ガス惑 星へと向かう。そこで待ち受けていたのは!? 金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1100円)[amazon]

エイモア・トールズ 『賢者たちの街』

1937年の大みそか、マンハッタン。タイピストのケイトとルームメイトのイヴは、バーで居合わせた若き銀行家ティンカーと友達になる。この出会いをきっかけに、三人の人生は大きく動き出す──戦間期のニューヨークのきらめきの中で過ごした三人の、一年間の物語。宇佐川晶子訳
(早川書房 3630円)[amazon]

カルロ・ギンズブルグ 『それでも。マキァヴェッリ、パスカル』

マキァヴェッリとパスカル。まったく異なる思想の場に立ち、現代に影響力をもつ二人は、模範からいくつもの推論を導きだして結論へといたる 「決疑法」 において通底している。「良いリーダーとは獅子のようにどう猛で、狐のように狡猾でなくてはならない」 というマッキャヴェッリ 『君主論』 中の有名な言葉が表現されたミケランジェロによる彫像の発見ほか、ギンズブルグならではの徴候的解読の本。上村忠男訳
(みすず書房 6270円)[amazon]

カリン・スローター 『破滅のループ』
〈ウィル・トレント〉シリーズ最新刊。大学の爆破事件の混乱の中、検死官が拉致された。一刻を争う救出作戦、シリーズ史上最大の危機。鈴木美朋訳
(ハーパーBOOKS 1360円)[amazon]

サルマン・ラシュディ 『真夜中の子供たち
「貴君は年老いた、しかし永遠に若くあり続けるインドという国を担ういちばん新しい顔なのです」──ついに露顕した出生の秘密。禁断の愛を抱えつつ、〈清浄〉の国との境をさまよう 〈真夜中の子供〉 サリームは……。稀代のストーリーテラーが絢爛たる語りで紡ぎだす、あまりに魅惑的な物語。寺門泰彦訳
(岩波文庫 1320円)[amazon]

エドワード・ダンティカ 『すべて内なるものは』
異郷に暮らしながら、故国を想いつづける人びとの、愛と喪失の物語。四半世紀にわたり、アメリカ文学の中心で、ひとりの移民女性としてリリカルで静謐な物語をつむぐ、ハイチ系作家の最新作品集、その円熟の境地。左川愛子訳
(作品社 2640円)[amazon]

W・G・ゼーバルト 『目眩まし 新装版
カフカと同じ旅をした語り手の〈私〉は、死と暴力の予感におののいて、ヴェローナから逃げ帰る……。謎めいた四つの物語。鈴木仁子訳
(白水社 2970円)[amazon]

H・P・ラヴクラフト 『宇宙の彼方の色 新訳クトゥルー神話コレクション5
クトゥルー神話入門の新定番シリーズ第五弾は、表題作や 「ハーバート・ウェスト――死体蘇生者」 を収録したミスカトニック大学編。森瀬繚訳。【収録内容】 「彼方より」 「家の中の絵」 「ハーバート・ウェスト――死体蘇生者」 「冷気」 「宇宙の彼方の色」 「古の轍」 「ユゴスよりの真菌(きのこ)」 「暗闇で囁くもの」 「魔女の家で見た夢」 「戸口に現れたもの」 「断章」
(星海社FICTIONS 1650円)[amazon]

クラーク・アシュトン・スミス 『響尾(ガラガラ)蛇の復活』
HPLの盟友、パルプ雑誌作家、詩人、彫刻家C・A・スミスの知られざる作品を紹介。本邦初訳多数。【収録作品】 響尾〔ガラガラ〕蛇の復活/今生の唇づけ/四次元の殺人/小惑星の領主/混沌空間/仙女座星雲の放逐 甲比丹ヴァルマー冒險譚之壹/完璧な女性/ひめごと/なにかあたらしいこと/不滅の水星
(綺想社 5000円) 取扱=盛林堂

《ナイトランド・クォータリー》 vol.21 空の幻想、蒼の都
古から人は空を飛ぶことを夢想していた。それこそが、幻想のはじまりだったのかもしれない――空や飛行にまつわる驚異のインスピレーションの数々。エドガー・アラン・ポー、アダム=トロイ・カストロ、マージョリー・ローレンス、M・ジョン・ハリスン、フーゴ・ハル、草薙刃、井上雅彦など小説10編。中野善夫インタビューほか。目次
(アトリエサード 1870円)[amazon]

《MONKEY》 Vol.21  特集 猿もうたえば
「うた (詩・声・歌)」 の特集。アメリカの近現代詩から、ロックやブルースの歌詞、アメリカ・インディアンの口承詩、日本の説話文学までを射程に、言葉にいかに生命が宿るのか、声にする/耳で聞く“うた"としての「詩」に焦点をあてる。
(スイッチパブリッシング 1320円)[amazon]

真田啓介ミステリ論集 『古典探偵小説の愉しみⅠ フェアプレイの文学』
個人誌・同人誌の原稿から国書刊行会〈世界探偵小説全集〉、創元推理文庫、〈論創海外ミステリ〉等の解説まで、「クラシック・ミステリ・ルネサンス」 30年史の貴重な証言でもある真田啓介ミステリ評論を集大成。第1巻はアントニイ・バークリー論を中心に、ベントリー、ミルン、ノックス、ケネディ、ブルース、イネス、クリスピンの〈英国余裕派〉作家を取り上げた論考を集成。解説=小林晋。内容
(荒蝦夷 4400円)[honto]
真田啓介ミステリ論集 『古典探偵小説の愉しみⅡ 悪人たちの肖像』
コナン・ドイル、コリンズ、クロフツ、セイヤーズ、クリスティ、ウェイド、フィルポッツ、D・スミス、ディヴァイン、M・スチュアート、ウッドハウス、ダンセイニ、ストリブリング、デ・ラ・トーレ、ミラー、カー、江戸川乱歩、横溝正史、山口雅也、狩久などを論じる。解説=塚田よしと。内容
(荒蝦夷 4400円)[honto]
荒蝦夷(2冊セット・著者サイン入り 送料込 9170円)

横溝正史 『花髑髏』
名探偵由利先生のもとに突然舞い込んだ差し出し人不明の手紙、それは恐ろしい殺人事件の予告だった。指定の場所へ急行した彼は、箱の裂目から鮮血を滴らせた黒塗りの大きな長持を目の当たりにするが……。
(角川文庫 880円)[amazonn]

ヒュー・ロフティング 『新訳 ドリトル先生の郵便局』
ドリトル先生は海の上の郵便局を動物たちとはじめることに。それも世界最速のツバメ郵便。 世界じゅうの動物からへんてこな手紙がどっさり届く。やがて、この世で一番古い謎の生き物から、秘密の湖への招待状が……。シリーズ第3巻。河合祥一郎訳
(角川文庫 748円)[amazon]

ヒュー・ロフティング 『新訳 ドリトル先生のサーカス』
やっとおうちに帰ってきたドリトル先生。でもお財布はすっからかん。もう動物たちとサーカス団に入るしかない!? シリーズ第4巻。河合祥一郎訳
(角川文庫 770円)[amazon]

鈴木棠三 『日本俗信辞典 植物編』
「ナスの夢をみるとよいことがある」 「ミョウガを食べると物忘れをする」 「モモを食って川へ行くと河童に引かれる」 ほか、日本全国に伝わる植物の俗信を徹底収集。項目ごとに整理した唯一無二の書。
(角川ソフィア文庫 1716円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 宇宙と素粒子』
松岡正剛が50年にわたって読んできた科学書の中から宇宙論と素粒子論をめぐる代表的な本を厳選。ガリレオ、ケプラー、ハッブルから、パリティの問題、部分と全体の関係の問題、ゲージ理論、ヒッグス粒子まで。
(角川ソフィア文庫 1606円)[amazon]

フリオ・ホセ・オルドバス 『天使のいる廃墟』
人生を諦めた人にしか用がないと言われる廃墟パライソ・アルトには、様々な人がやってくる。逆立ちで現れたうなじにコウモリのタトゥーがある少女、車に積んだ札束を燃やしたいという銀行家、横笛を吹きながら現れ、質問にも横笛で答える男……。廃墟に住む 「天使」 は彼らの話に耳を傾け、向こう側への旅立ちを見送る。生と死、日常と非日常の狭間にある不思議な場所と来訪者たちを描く、美しくも奇妙な物語。白川貴子訳
(東京創元社 1760円)[amazon]

N・K・ジェミシン 『第五の季節』
数百年ごとに〈第五の季節〉と呼ばれる破滅的な天変地異が勃発し、文明を滅ぼす歴史が繰り返されてきた超大陸。この世界には、地球と通じる能力を持つがゆえに差別される“ロガ”と呼ばれる人々がいた。そしてまた、“石喰い”と呼ばれる、人間の姿をした謎の存在も。そんな中、新たな〈季節〉がまさに到来しようとしていた……。三年連続で三部作がヒューゴー賞受賞の破滅SF、開幕編。小野田和子訳
(創元SF文庫 1650円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.101
「懸賞付き犯人当て小説」 第6弾に、異才・白井智之が本誌初登場。読み切り、近藤史恵 〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ最新作。第11回創元SF短編賞選評掲載ほか。
(東京創元社 予価1320円)[amazon]

泉鏡花(作)/金井田英津子(画) 『絵本の春』
泉鏡花の幽玄華麗な文体が煌めく名作短篇。泉鏡花記念館で開催予定の 「泉鏡花×金井田英津子 『絵本の春』 原画展」 公式画本。
(朝日出版社 2310円)[amazon]

李光洙 『無情』
朝鮮近代文学の祖と言われるも、解放後 「親日」 と糾弾され消息不明となった李光洙。日本統治下の人々と社会をつぶさに描き、旧世界への危機感を喚起した傑作。波田野節子訳
(平凡社ライブラリー 1980円)[amazon]

J・M・G・ル・クレジオ 『隔離の島』
フランス発モーリシャス行きの船で天然痘が発生、一行は目的地に近い島で40日間隔離される。薬品も食糧も不足し、死が忍びよる極限状態を描く。中地義和訳
(ちくま文庫 1650円)[amazon]

シェイクスピア全集32 『ジョン王』
「イングランド史上最悪」 と評される弱き王と個性的な周囲の人物が織りなす混迷の初期歴史劇。松岡和子訳
(ちくま文庫 990円)[amazon]

バーバラ・W・タックマン 『最初の礼砲 アメリカ独立をめぐる世界戦争
独立戦争は18世紀の世界戦争であった。豊富な挿話を積み上げながら、そのドラマと真実を見事な語り口で描いたビュリツァー賞受賞作家の遺著。大社淑子訳
(ちくま学芸文庫 1870円)[amazon]

デボラ・クロンビー 『警視の謀略』
ホルボン署に異動になったキンケイド警視のもとに、駅のライブ会場で起きた爆破テロの報が届く。現場に駆け付けると、そこには警視の元部下メロディがいた。爆発の瞬間に居合わせた彼女は避難誘導のさなか、青い瞳の男性に謎の言葉を言い残されたというが……。人気シリーズ第16巻。西田佳子訳
(講談社文庫 1100円)[amazon]

野村胡堂 『銭形平次捕物控 傑作集六 決死冒険篇
江戸中を荒らし回る強盗の正体は銭形平次という噂が持ち上がる。背格好ばかりか銭まで投げてみせる強盗の正体を暴くべく、平次親分とガラッ八こと八五郎が事の真相を探りはじめるが……。昔も今も何度読んでも面白い、名作シリーズのテーマ別傑作集第6弾。
(双葉文庫 726円)[amazon]

M・R・ジェイムズ 『消えた心臓/マグヌス伯爵』
中世の大聖堂や僧院などゴシック趣味満点の舞台を背景に、不気味なものの怪しさがクライマックスの恐怖へと達する作品を数々発表し、「英国が生んだ最高の怪談作家」 と呼ばれるM・R・ジェイムズの怪談集。「消えた心臓」 「マグヌス伯爵」 などを収めた第一短篇集 『好古家の怪談集』 に 「私が書こうと思った話」 を併録。南條竹則訳
(光文社古典新訳文庫 1012円)[amazon]

ゴットフリート・アウグスト・ビュルガー 『ほら吹き男爵の冒険』
東西南北、海や地底、そして月世界にまでも……。かのミュンヒハウゼン男爵はいかにして世界各地を旅し、八面六臂、英雄的な活躍をするに至ったのか。その奇妙奇天烈な体験が、彼自身の口から語られる。 有名なドレの挿画もすべて収録。酒寄進一訳
(光文社古典新訳文庫 968円)[amazon]

スティーヴン・キング 『呪われた町 上・下
丘の上の屋敷に新たな住人が住み始めた日から、町に不吉な影が。吸血鬼譚を現代に甦らせ、現代ホラーに巨大な影響を及ぼした名作。永井淳訳
(文春文庫 各1045円)[amazon]

今野真二 『乱歩の日本語』
出版される度に編集・校訂を加えられたテキストから、乱歩の 「執筆時の気分」 をはかることはできるのか。それぞれのテキストを対照させながら検証。また、乱歩作品にたびたび登場するキーワード (麻布区K町、産業博覧会、鬼熊事件、神奈川県O町、開化アパート、麴町アパート 等)、独特のオノマトペ (むくむく、ねっとり、ドキドキ、ギョクン 等) の考察も。内容
(春陽堂書店 2420円)[amazon]

花咲一男 『雑魚のととまじり』
師事した江戸川乱歩、協働した高橋鉄らの知られざる事実――。大正生まれの東京少年は、探偵小説のマニアとなり、古本屋を巡るうち、男色物を含む春画など軟派文献の蒐集、研究に没頭、ついにはワイセツ図画頒布罪で逮捕される。関東大震災、金融恐慌、満州事変、日支事変、大東亜戦争、敗戦、そして高度経済成長、バブル崩壊を生き抜いた、近世風俗研究の巨頭による記録。
(幻戯書房 4400円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『フラッシュ 或る伝記
英国南部の小村で生まれたコッカースパニエルのフラッシュは、著名な詩人エリザベス・バレットへの贈り物として、ロンドンへやってきた。病弱でひきこもりがちな主人の家で、フラッシュは都会の生活になじんでいくが、やがてエリザベスの前に一人の男が現れる……。犬の目を通して19世紀英国の詩人エリザベス・ブラウニングの人生を描く、モダニズム作家ウルフの愛すべき小品。「犬好きによって書かれた本というより、むしろ犬になりたいと思う人によって書かれた本」。出淵敬子訳
(白水Uブックス 1760円)[amazon]

モーリス・ルヴェル 『ルヴェル新発見傑作集 緑の酒』
『夜鳥』 の作家ルヴェルが新聞雑誌に発表したまま埋もれていた作品群から、傑作秀作を選んだコレクション第3巻。中川潤編訳 【収録作品】 緑の酒/金髪の人/家名を穢すな/栗鼠を飼う/小径の先/忘却の淵
(エニグマティカ 1000円) 取扱=盛林堂

ビル・ニーヴン 『ヒトラーと映画 総統の秘められた情熱
映画に関する「最終決定権」を握っていたのはヒトラーだった。独裁者がドイツ映画の中心に屹立していたことを証する画期的論考。若林美佐知訳
(白水社 5830円)[amazon]

《kotoba》 夏号

特集=スティーヴン・キング 目次
(集英社 1470円)[amazon]

クレア・マッキントッシュ 『その手を離すのは、私』
母親と二人で暮らす5歳の少年がひき逃げ事件で命を奪われた。ブリストル署の警官レイは事件を追うが、犯人は見つからず、捜査の打ち切りを迫られていた。一方、海辺の町に現れ身を隠すように暮らしていた謎の女性ジェナは獣医師のパトリックと惹かれ合うが……。読み出したら止められない傑作スリラー。高橋尚子訳
(小学館文庫 1210円)[amazon]

エルサ・マルポ 『念入りに殺された男』
フランスの田舎町でゲストハウスを営んでいるアレックス。あるとき、宿泊客としてやってきたゴンクール賞作家のシャルル・ベリエに襲われ、彼を殺してしまう。彼女は夫にも事情を隠してパリへ行き、殺人の隠ぺい工作を始める……。スピード感あふれるサスペンス。加藤かおり訳
(ハヤカワ・ミステリ 1870円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『市(まち)に虎声(こせい)あらん』
1950年代のサンフランシスコ。テレビ販売店に勤めるハドリーの日常は、ある日狂い始める……。25歳のディックが書いた自伝的小説。阿部重夫訳
(ハヤカワ文庫SF 1650円)[amazon]

ノヴァ・ジェイコブズ 『博士を殺した数式』
方程式を守れ――著名な物理学者アイザック は書店主の孫娘に遺書を託す。素人探偵が連 続殺人事件の真相に迫る暗号謎解きミステリ。高里ひろ訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1298円)[amazon]

筒井康隆 『筒井康隆、自作を語る』
SFマガジンに連載されたインタビューに自選短篇集の解題と全著作リストを併録する必携の1冊、作家デビュー60周年にあわせ文庫化。
(ハヤカワ文庫JA 1012円)[amazon]

ロネン・バーグマン 『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史 血塗られた諜報三機関 上・下
国家とユダヤ人を危害から守るためにあらゆる手段を講じるイスラエル。イスラエルの新聞記者が政府・軍関係者への膨大な聞き取りから明らかにした、イスラエルで特殊任務にあたるモサド、シン・ ベト、アマンの3機関による、諜報活動と要人暗殺作戦の初の通史。
(早川書房 各3520円)[amazon]

ヘルマン・ヘッセ 『地獄は克服できる』
50歳でスイスに移住するも、離婚、家族の死や病気、世界大戦などで心身ともに疲れ果てたヘッセがその間に書き記した、心の悩みからの脱出法や苦しみとの付き合い方などについてのエッセイ・断章をまとめた本。フォルカー・ミヒェルス編、岡田朝雄訳
(草思社文庫 990円)[amazon]


▼5月刊

エミール・ガボリオ 『バスティーユの悪魔』
〈論創海外ミステリ〉
バスティーユ監獄での出会いが騎士と毒薬使いの運命を変えていく……。17世紀のパリで繰り広げられる歴史浪漫譚。エミール・ガボリオの幻の長編を本邦初訳。佐藤絵里訳
(論創社 2860円)[amazon]

小田光雄 『近代出版史探索 Ⅱ』
前著『近代出版史探索』から続く、失われた戦前の出版史を探る200編。目次
(論創社 6600円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『ジョイス論/プルースト論 ベケット 詩・評論集
『フィネガンズ・ウェイク』について書かれた世界初の本格的評論と、『失われた時を求めて』の本質を鋭くえぐるプルースト論。二大評論に最初期の詩作等を収録。高橋康也他訳。〈書物復権〉 復刊
(白水社 3960円)[amazon]

ゲオルク・ジンメル 『橋と扉』
「生と哲学」「歴史と文化」「宗教」「美と芸術」「歴史的人物像」「社会」の6部からなる、最盛期ジンメルの思索活動の結実ともいえるエッセイ集。酒田健一他訳。〈書物復権〉 復刊
(白水社 3960円)[amazon]

小野俊太郎 『改訂新版 ピグマリオン・コンプレックス プリティ・ウーマンの系譜
男性が理想の女性を創造するピュグマリオン神話が、男/女のジェンダーを越境して拡散する。『あしながおじさん』 『秘密の花園』 などの文学テクストから 『マイ・フェア・レディ』 『羊たちの沈黙』 『エイリアン』 『ターミネーター』 などの映画を通して女性教育の系譜やフェミニスト・ヒーロー/プリティ・ウーマンの形姿を、「ドレスアップ/変身」 を鍵語に鮮やかに読み解く。序論を増補、小見出しを付けるなど旧版(ありな書房、1997)を全面改訂。
(小鳥遊書房 2970円)[amazon]

連城三紀彦 『運命の八分休符』
困った人を見掛けると放ってはおけない心優しき落ちこぼれ青年・軍平は、度々事件にまきこまれては素人探偵として奔走する羽目に。殺人容疑をかけられたモデルを救うため鉄壁のアリバイ崩しに挑む表題作をはじめ、著者の短編のなかでもひときわ印象深い名品 「観客はただ一人」 など全5編を収め、隠れた傑作と名高い連作推理短編集。
(創元推理文庫 858円)[amazon]

ケイト・アトキンソン 『ライフ・アフター・ライフ』
アーシュラは臍の緒が首に巻きつき、産声もあげずに死亡した。しかし、もし死ななかったとしたら……。幾度も生まれ、様々な死を迎え、幾つもの別の生を生きる一人の女性。スペイン風邪で、溺れて、屋根から落ち、ロンドン大空襲で……人生の分かれ道について考えさせられるコスタ賞受賞の傑作。青木純子訳
(東京創元社 3960円)[amazon]

マウリツィオ・デ・ジョバンニ 『集結 P分署捜査班
ナポリでも治安最悪の地区にあるピッツォファルコーネ分署で、汚職により捜査課に大量欠員が発生。そこで各地から腕ききだが問題のある警官たちが送りこまれ、急造で捜査チームが結成される。イタリア発の大人気警察小説、21世紀の〈87分署〉シリーズ開幕。直良和美訳
(創元推理文庫 1100円)[amazon]

ポール・オースター 『ブルックリン・フォリーズ』
傷ついた犬のように、私は、生まれた場所へと戻ってきた……。静かに人生を振り返ろうと故郷ブルックリンに戻ってきたネイサンが巻き込まれる、思いがけない冒険。温かく、ウィットに富んだ、家族再生の物語。柴田元幸訳
(新潮文庫 880円)[amazon]

『皆川博子長篇推理コレクション2 巫女の棲む家 妖かし蔵殺人事件』
霊媒として祀り上げられた少女を取り巻く人々の狂気の渦――著者自身の体験が色濃く反映された神霊サスペンス 『巫女の棲む家』、芝居小道具商の歴代当主の失踪、そして歌舞伎俳優の消失に端を発する連続殺人をけれん味たっぷりに描く 『妖かし蔵殺人事件』。日下三蔵編
(柏書房 3300円)[amazon]

ライアン・ギャディス 『血まみれ鉄拳ハイスクール』
暴力の支配するその学園を人はカンフー・ハイスクールと呼ぶ。壮絶な抗争を拳で切り抜ける少女を描く気鋭のノワール作家の問題作。夏来健次訳
(文藝春秋 2200円)[amazon]

ジャスパー・フォード 『最後の竜殺し』
魔法の力が弱まり、魔法使いが家の修繕やピザ配達ぐらいしかできることがなくなった世界。いましも最後の竜が死のうとしていた。勇者的存在ドラゴンスレイヤーになったジェニファーだが、飲料メーカーや玩具メーカーからはCMの出演依頼が殺到。腐った資本主義に振り回される勇者ジェニファーの運命は?  ないとうふみこ訳
(竹書房文庫 1430円)[amazon]

ベルナルド・アチャガ 『アコーディオン弾きの息子』
葛藤、友情、そして裏切り――内戦から民族独立の抵抗運動まで、波乱の近現代史を描く、クレスト・ブックスはじめてのバスク語文学。金子奈美訳
(新潮クレスト・ブックス 3300円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『ある作家の日記 新装版
いま読んでいる本、創作過程の実際、本の評判や売上げ、エリオットやフォースターとの交友など、1918年36歳の年から1941年自殺する直前までの日記。死後、夫レナードによって文学活動を中心に編纂された本巻は、創造の苦しみと楽しみを生き生きと伝える。神谷美恵子訳
(みすず書房 4840円)[amazon]

ミゲル・デリーベス 『そよ吹く南風にまどろむ』
スペインの作家デリーベスの短・中篇集。都会と田舎、異なる舞台に展開される四作品を収録。喜多延鷹訳
(彩流社 2420円)[amazon]

ティムール・ヴェルメシュ 『空腹ねずみと満腹ねずみ 上・下
『帰ってきたヒトラー』 の著者が6年の沈黙を破ってついに発表した小説。数年後の欧州を舞台に、押し寄せる難民と国境を閉じるドイツ。何が、なぜ起こるのか、満を持して問う問題作。森内薫訳
(河出書房新社 各2090円)[amazon]

イーディス・パールマン 『蜜のように甘く』
戦争で夫を亡くし、足のケアサロンを営むペイジ。斜向かいに住む大学教師ベンの密かな楽しみは、ペイジの生活の一部始終を観察することだった……「初心」 他、「現存する最高のアメリカ作家による、最高傑作集」。古屋美登里訳
(亜紀書房 2200円)[amazon]

リズ・ムーア 『果てしなき輝きの果てに』
オピオイド危機に揺れる街ケンジントンで起きた女性の連続殺人事件。パトロール警官ミカエラは、ここひと月ほど行方不明の妹ケイシーが次の被害者になるのではと心配し、捜査に乗り出す。かつて仲の良い姉妹だった二人は警官と娼婦として袂を分かっていた…… 。竹内要江訳
(ハヤカワ・ミステリ 2420円)[amazon]

セシル・スコット・フォレスター 『駆逐艦キーリング 新訳版
第二次大戦中、酷寒の大西洋を舞台に、37隻の輸送船団を守るために奮闘する駆逐艦キー リングと、海の狼Uボートとの死闘を描く。武藤陽生訳。映画化。
(ハヤカワ文庫NV 1034円) [amazon]

マイクル・クライトン/ダニエル・H・ウィルソン 『アンドロメダ病原体 変異 上・下
地球外病原体のアンドロメダ病原体によるパンデミックを封じ込め、人類絶滅の危機を乗り越えた5日間から50年。その再来を監視する 「永続警戒計画」 は、アマゾンの密林奥に異常を検出した……人類は再び未曾有の脅威に立ち向かう。著者の遺族公認の公式続篇。酒井昭伸訳
(早川書房 各1980円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『予告殺人 新訳版
「殺人をお知らせします」……新聞記事の予告通りに起きた殺人事件に名探偵ミス・マープルが挑む! 著者代表作が新訳版で登場。羽田詩津子訳
(早川書房/クリスティー文庫 1232円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『名探偵ポアロ 雲をつかむ死』
〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉
パリからロンドンに向かう旅客機内で事件が起きた。眠っていると思われた乗客の女性が、じつは死んでいたのだ。死体のそばには、吹き矢とハチの死骸が……。大空を飛ぶ飛行機は、完全な密室だ。犯人は、必ずこの機内にいる。名探偵ポアロの推理がはじまった。田中一江訳
(早川書房 1430円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『トミーとタペンスの大冒険 秘密機関』
〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉
大不況のなか、幼なじみのトミーとタペンスは、探偵の会社をはじめる。その直後、国の命運がかかった極秘文書消失事件に巻き込まれてしまい、文書をねらう地下組織の大ボスとの対決へと突き進む。冒険また冒険、若いふたりの運命は? 名コンビの胸おどる活躍。嵯峨静江訳
(早川書房 1540円)[amazon]

レベッカ・ウィーバー=ハイタワー 『帝国の島々 遭難者、食人種、征服幻想
〈叢書・ウニベルシタス〉
『テンペスト』 から 『ロビンソン・クルーソー』 『ガリヴァー旅行記』、そしてメルヴィル、ヴェルヌ、H・G・ウェルズらの諸作品を経て現代文学・映画・テレビシリーズへ。見知らぬ島に漂着した遭難者たちの冒険を描き、世界中で人気を博したこれら 「島の物語」 がいかにして帝国主義イデオロギーの拡大を支え、白人男性による暴力と植民地支配、新自由主義的搾取を正当化してきたかを論じる。本橋哲也訳
(法政大学出版局 5280円)[amazon]

《SFマガジン》 6月号
英語圏SF受賞作特集/緊急企画「コロナ禍のいま」
(早川書房 1320円)[amazon]

ダヴィッド・フェンキノス 『シャルロッテ』
〈エクス・リブリス〉
アウシュヴィッツで26歳の若さで命を落とした天才画家の知られざる生涯。ルノドー賞、「高校生が選ぶゴンクール賞」 を受賞した代表作。岩坂悦子訳
(白水社 3190円)[amazon]

リチャード・プレストン 『ホット・ゾーン エボラ・ウイルス制圧に命を懸けた人々
1989年、米国の首都ワシントン近郊の町レストンに、エボラ・ウイルスが突如現れた。致死率90%、人間の脳や内臓を溶かし「崩壊」にいたらしめるエボラ出血熱のパンデミックを阻止すべく、ユーサムリッド(米陸軍伝染病医学研究所)の専門家たちが立ち上がる。感染と隣り合わせの極限状況で、彼らは何を思い、どのように戦ったのか? 未曾有のウイルス禍と制圧作戦の全貌を描いた世界的ベストセラー。 高見浩訳
(ハヤカワ文庫NF 1166円)[amazon]

《幻想と怪奇2 人狼伝説 変身と野生のフォークロア
ヨーロッパに広く伝わる伝説の存在――人狼。人と獣のあいだを行き来するものたちは、呪われた怪物なのか、あるいは選ばれて野生の能力を得た者なのか。名のみ高い古典作品『人狼ヴァグナー』をはじめとする英国怪奇小説から、パルプ・フィクションを経て現代の都市伝説にまで脈々とつながる、変身と野生のフォークロアをここに追究する。内容
(新紀元社 2420円)[amazon]

ミッチェル・バークビー 『ベイカー街の女たち ミセス・ハドスンとメアリー・ワトスンの事件簿1
ロンドンの街で秘かに起きている、既婚の女性を狙った薄汚い恐喝事件。名探偵ホームズに依頼を断られ、意気消沈した女性を救うべく、ハドスン夫人とメアリーはホームズとワトスンに内緒で調査に乗り出す。駒月雅子訳
(角川文庫 1100円)[amazon]

オーエン・コルファー 『アルテミス・ファウル 失われし島』
デーモンに会う約束でスペインにやってきたアルテミスは、ふいに現れたデーモンに連れていかれそうになる。一方ホリーはアルテミスの意図を探る任務を与えられ、追ってくる。デーモンの中でも異端であるNo.1が人間界に現れ、三者はオペラハウスで出会うが──。大久保寛訳
(角川文庫 1100円)[amazon]

横溝正史 『血蝙蝠』
肝試しに荒れ果てた屋敷に向かった女性は、かつて人殺しがあった部屋で生乾きの血で描いた蝙蝠の絵を発見する。その後も女性の周囲に現れる蝙蝠のサイン――。名探偵・由利麟太郎が謎を追う、傑作短編集。
(角川文庫 792円)[amazon]

寺田寅彦 『銀座アルプス』
近代文学史の科学随筆の名手による短文集の傑作。「電車と風呂」「鼠と猫」「石油ラムプ」「流言蜚語」「珈琲哲学序説」他30篇。写生文を始めた頃から昭和八年まで、寅彦の鳥瞰図ともいうべき作品を収録。
(角川ソフィア文庫 924円)[amazon]

寺田寅彦 『科学歳時記』
電車、銀座の街頭、デパートの食堂、花鳥草木など、生けるものの世界に俳諧を見出し、人生を見出して、科学と調和させた独自の随筆集。「春六題」「蓑蟲と蜘蛛」「疑問と空想」「凍雨と冬夜」他39篇収録。
(角川ソフィア文庫 924円)[amazon]

クラーク・アシュトン・スミス 『黑の書』
ゾシーク、ハイパーボリア物などで知られる怪奇作家C・A・スミスが遺した創作ノート 《Black Book》 を翻訳。プロット用語、オカルト・魔法に関するメモ、物語のあらすじ、詩の断片、人物名・地名など、スミス作品読解の鍵となる一冊。大石努訳/大石大一郎監修
(念黝之神根院書局 5000円) 取扱=盛林堂

北村薫 『ユーカリの木の蔭で』
本から本への思いがけない旅。「目黒のサンマ」 はフランス語ではどうなるか、 鶴八鶴次郎の決して動かせない名セリフとは何か、思わずニヤリとする帯のいたずら……。好奇心と興味のままひろがってゆく活字の楽しさがいっぱい。
(本の雑誌社 1760円)[amazon]

山田英春 『花束の石 プルーム・アゲート 不思議で奇麗な石の本
古代より世界中で愛好されてきた瑪瑙の中でもブルーム・アゲートに焦点を絞り、その魅力を存分に伝える一冊。花や羽毛にしか見えない形象を瑪瑙の中に持ち、アクセサリーや鑑賞石としても珍重された名品の数々を産地別に一挙紹介。
(創元社 1980円)[amazon]

生島治郎 『浪漫疾風録』
23歳の越路玄一郎が入社したのは、個性派揃いの梁山泊のような出版社だった。部長の田村隆一に仕事を叩きこまれ、都筑道夫の後を受けて 『EQMM』 編集長を務め、そして作家に。1956-64年の疾風怒濤の編集者時代と戦後ミステリの草創期を活写する、ハードボルド作家の自伝的長篇小説。
(中公文庫 968円)[amazon]

ウィリアム・マクドナルド 『ニューヨーク・タイムズが報じた100人の死亡記事』
いかなる人物も死から免れることはできない。リンカーンからスティーブ・ジョブズまで、死亡記事から見える歴史上の人物たちの生き様と死に様。歴史の縮図としての死亡記事を読む。矢羽野薫訳
(河出書房新社 3960円)[amazon]

泡坂妻夫 『宝引の辰 捕者帳 第四巻 織姫かえる』
2002~2008年に発表された「雪見船」 「駒込の馬」 「毒にも薬」 「熊谷の馬」 「十二月十四日」 「消えた百両」 「願かけて」 「織姫かえる」 「焼野の灰兵衛」 「千両の一失」 「菜の花や」 「蟹と河童」 「五ん兵衛船」 「山王の猿と」 宝引の辰最終作 「だらだら祭」 の短編15編を収録。全4巻完結。オンデマンド出版
(捕物出版 1815円)[amazon]

エイザ・ブリッグズ 『ヴィクトリア朝のもの』
イギリス・ヴィクトリア朝において製作された「もの」についての文化史。1851年にロンドンで開催された第1回万博を中核に据えて、ヴィクトリア朝の「もの」の文化のありようを検証。その後に迎える変容・変化も紹介する。玉井暲・米本弘一 監訳
(国文社 6600円)[honto]

シャネル・ベンツ 『おれの眼を撃った男は死んだ』
南北戦争で両親を亡くした少女は兄の手で自分を虐待するおじ一家から助け出されたが、さらに残酷な外の世界を知る(「よくある西部の物語」)。暴力に満ちたさまざまな時代と場所で、血まみれで生きる人々の一瞬の美しさを切り取る。O・ヘンリー賞受賞作ほか10編収録の珠玉の短編集.。高山真由美訳
(東京創元社 2420円)[amazon]

モーリーン・ジョンソン 『寄宿学校の天才探偵』
エリンガム・アカデミーは天才を輩出してきた全寮制の学校。新入生のスティヴィは推理マニア、過去に起きたアカデミー創始者エリンガムの妻と娘が誘拐された事件を調べている。身代金が払われたのに妻は殺され、娘は行方不明のまま、犯人の正体も不明。スティヴィは事件の調べ直しを課題として与えられるが、そこへ新たに殺人が……。谷泰子訳
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

ソニア・パーネル 『ナチスが恐れた義足の女スパイ 伝説の諜報部員ヴァージニア・ホール
イギリス特殊作戦執行部 (SOE)やアメリカCIA の前身OSSの特殊工作員として単身でナチス統治下のフランスに単身で潜入、仲間の脱獄や破壊工作に従事、レジスタンスからも信頼され、第二次世界大戦を勝利に導いた知られざる女性スパイの活躍を描く実話。並木均訳
(中央公論新社 2970円)[amazon]

サルマン・ラシュディ 『真夜中の子供たち
1947年8月15日、インド独立の日の真夜中に、不思議な能力とともに生まれた子供たち。なかでも0時ちょうどに生まれたサリームの運命は、革命、戦争、そして古い物語と魔法が絡みあう祖国の歴史と分かちがたく結びつき──。刊行当時 「『百年の孤独』以来の衝撃」 とも言われた、20世紀小説を代表する一作。寺門泰彦訳
(岩波文庫 1320円)[amazon]

オスカー・ワイルド 『童話集 幸福な王子 他八篇
全身を金箔で覆われた王子の彫像が国民の悲惨な生活を知り、サファイアの目や体じゅうの金箔をツバメにたのんで貧しい人々に分けあたえる 「幸福な王子」、人魚に恋した若い漁師が財宝に目もくれず、ひたむきに恋のために自分の魂をなげうつ 「漁師とその魂」など、無垢なるものや純愛への限りない賛嘆にみちたワイルドの全童話。富士川義之訳
(岩波文庫 924円)[amazon]

イーユン・リー 『理由のない場所』
母親の「私」と自殺してまもない16歳の息子との会話で進められる物語。著者の実体験をもとに書かれた本書からは、母親の深い悲しみが伝わり、強く心を打つ。他に類をみない秀逸な一冊。篠森ゆりこ訳
(河出書房新社 2420円)[amazon]

鮎川哲也 『幻の探偵作家を求めて 完全版 下
〈論創ミステリ・ライブラリ〉
本格推理小説の第一人者、鮎川哲也の 『こんな探偵小説が読みたい』 (晶文社、1982) に収録されたエッセイ、インタビューに加え、アンソロジー解説集を増補。日下三蔵編 目次
(論創社 4620円)[amazon]

M・R・ラインハート 『ヒルダ・アダムスの事件簿』
〈論創海外ミステリ〉
看護婦探偵ヒルダ・アダムス初登場。謎の失踪事件を追い、マーチ家に潜入したヒルダが孤軍奮闘、初めての事件を解決に導けるのか? 金井真弓訳
(論創社 2420円)[amazon]

ヒュー・ペンティコースト 『シャーロック伯父さん』
〈論創海外ミステリ〉
平和な地方都市が孕む悪意と謎。レイクビューの “シャーロック・ホームズ” が全てを見透かす大いなる叡智で難事件を鮮やかに解き明かす。熊木信太郎訳
(論創社 2420円)[amazon]

W・G・ゼーバルト 『移民たち 新装版
移民たちは、長い期間をおいて、みずから破滅の道をたどる……。語り手の〈私〉はそれらの人々の生涯をたどりなおす。鈴木仁子訳
(白水社 3190円)[amazon]

『ガラン版 千一夜物語 6』
「開け、ゴマ」 の呪文で有名な 「アリババと、女奴隷に殺された四十人の盗賊の話」、魔法の馬に乗って空を飛び、ベンガルの王女に出会ったペルシアの王子の話、美しい妖精と結婚した王子の話、スルタンと結婚した妹を妬んだ姉たちが捨てた子どもたちが密かに拾われて育ち三つの宝を探し出す話など、不思議な物語が語られる。西尾哲夫訳。全6完結。
(岩波書店 3850円)[amazon]

ピエール・アルベール 『新聞・雑誌の歴史』
印刷技術や通信制度の整備により、新聞や雑誌といった定期刊行物は発展してきた。その歴史を約400紙に触れながら概説する。斎藤かぐみ訳
(白水社/文庫クセジュ 1320円)[amazon]

《本の雑誌》 6月号
特集=翻訳出版の現在! 内容
(本の雑誌社 734円)[amazon]

マーガレット・アトウッド 『サークル・ゲーム』
現代カナダ文学を代表する作家、マーガレット・アトウッドのデビュー作。不穏な空気に包まれた28篇の詩集。出口菜摘訳
(彩流社 2420円)[amazon]

《『新青年』 趣味》 20号
特集 「甲賀三郎/『新青年』 創刊100年」 内容
(「新青年」研究会)[amazon] 盛林堂

レフ・トルストイ 『戦争と平和 2』
1805年アウステルリッツの会戦でフランス軍に敗れ、負傷し行方不明になっていたアンドレイが戻った夜、妻リーザは男子を出産するのだが……。一方、ピエールは妻エレーヌの不貞への疑念からドーロホフに決闘を申し込むのだった。(全6巻) 望月哲男訳
(光文社古典新訳文庫 1210円)[amazon]

テオドール・シュトルム 『みずうみ/三食すみれ/人形使いのポーレ』
将来結婚するものと考えていた幼なじみとのはかない恋とその後日を回想する代表作 「みずうみ」 ほか、「三色すみれ」 「人形使いのポーレ」 を収録。若き日の甘く切ない経験を繊細な心理描写で綴ったシュトルムの傑作短編集。松永美穂訳
(光文社古典新訳文庫 924円)[amazon]

小泉喜美子 『ミステリー作家は二度死ぬ』
推理作家の恋住木美子は、作品数も収入も知名度も低いが、能書だけはまくし立て、おまけに酒乱ときては敬遠する編集者も多い。だが、そんな彼女にテレビ局から、現代ミステリーについて一席という出演依頼があり、それが大変なことに……自身をパロディ化した 「木美子の冒険」 をはじめ、ファンタジーやハードボイルドなど、文庫初収録を多く含む傑作短編集。
(光文社文庫 990円)[amazon]

久生十蘭 『十字街』
画学生の小田孝吉、アメリカでフランス語講師になることを夢見る高松ユキ子、計理士の勉強中の大学生・佐竹潔、ユキ子を陰で支える富豪の鹿島与兵衛。四人の日本人が、フランスで疑獄事件や左翼・右翼の権力闘争に巻き込まれ、命の危機にさらされる。〈スタヴィスキー事件〉 を題材に、鬼才久生十蘭が繰り広げるアドベンチャーストーリー。
(小学館 P+D BOOKS 660円)[amazon]

『泉鏡花〈怪談会〉全集』 東雅夫編
空前の怪談会ブームのいま、甦る大いなる原点の書。お化け好きの文豪・泉鏡花が関わった春陽堂系の三大 「怪談会」 を、初出時の紙面を復刻することで完全再現。京極夏彦インタビューを併録。
(春陽堂書店 4950円)[amazon]

G・K・チェスタトン 『知りすぎた男』
「我々は知りすぎているんです。お互いのこと、自分のことを」 新進気鋭の記者ハロルド・マーチが、取材に向かう中で出会ったホーン・フィッシャーという男とともに目撃した奇妙な自動車事故の意外な真相とは。諧謔と奇想に満ちた連作ミステリ。南條竹則訳
(創元推理文庫 880円)[amazon]

チャーリー・ジェーン・アンダーズ 『空のあらゆる鳥を』
魔法使いの少女パトリシアと天才科学少年ローレンス。特別な才能を持つがゆえに周囲に疎まれるもの同士として友情を育んだ二人は、やがて人類の行く末を左右する運命にあった……。ネビュラ賞・ローカス賞・クロフォード賞受賞の傑作SFファンタジイ。市田泉訳
(東京創元社 2640円)[amazon]

ミシェル・クオ 『パトリックと本を読む』
罪を犯したかつての教え子を救うために何ができるか。読書の喜びを通して、貧困からくる悪循環にあえぐ青年の心に寄り添った法律家の記録。神田由布子訳
(白水社 2860円)[amazon]

鹿島茂 『職業別 パリ風俗』
弁護をしない「代訴人」、情報通の「門番女」、自営の「高級娼婦」?名作に登場する様々な職業から19世紀フランス社会の実態に迫る。画から読み解く19世紀〈風俗ファイル〉。
(白水Uブックス 2090円)[amazon]

グレイス・ペイリー 『その日の後刻に』
生涯に3冊の作品集を残したグレイス・ペイリーの村上春樹訳が完結。17の短篇とエッセイ、ロングインタビュー、訳者あとがき。村上春樹訳
(文春文庫 902円)[amazon]

スジャータ・マッシー 『ボンベイ、マラバー・ヒルの未亡人たち』
1921年のインド。パールシーの一族の出身で、ボンベイ唯一の女性弁護士パーヴィーンは、ムスリムの実業家の屋敷に暮らす三人の未亡人の遺産管理のため、高級住宅街を訪れた。閉鎖的な生活を送る彼女たちの役に立とうと決意した矢先、屋敷内で殺人事件が……。アガサ賞歴史小説部門大賞受賞作。林香織訳
(小学館文庫 1320円)[amazon]

佐藤=ロスベアグ・ナナ 『学問としての翻訳 『季刊翻訳』 『翻訳の世界』 とその時代
忘れられた専門誌 『季刊翻訳』 の驚くべき革新性、次いで 『翻訳の世界』 がポストモダンの思想界に放ったインターカルチュラルな輝き。二誌の翻訳言説を追い、さらに 『翻訳の世界』 にかかわった翻訳家・編集者9人 (辻由美、鴻巣友季子、伊藤比呂美、西成彦、井上健、管啓次郎、沼野充義、丸山哲郎、今野哲男) にインタビュー。
(みすず書房 4950円)[amazon]

J・M・クッツェー 『鉄の時代』
人種差別の嵐の中、末期ガンの初老の女性がホームレスの男と心を通わせる。遠方の娘への愛と暴力的な現実。ノーベル賞作家の傑作。くぼたのぞみ訳
(河出文庫 1320円)[amazon]


▼4月刊

チャールズ・ウィルフォード 『コックファイター』
1960年代のアメリカ南部。プロの闘鶏家フランクは、最優秀闘鶏家賞のメダルを手にするまでは誰とも口を利かないという沈黙の誓いを立てて、闘鶏に命を懸けて生きてきた。サシの勝負で敗れ、最後の鶏まで喪って文無しになったフランクは復活を期して動き始めるが……。乾いたユーモアと血腥い戦いの美学に彩られた、これぞ 「男」 のノワール。解説=滝本誠。斎藤浩太訳
(扶桑社ミステリー 1155円)[amazon]

岡本健 『大学で学ぶゾンビ学 人はなぜゾンビに惹かれるのか
近畿大学の超人気講義が一冊に。そもそも 「ゾンビ」 とは何か。映画、ゲームなどのコンテンツでどのように発展してきたか。いつからゾンビは全力疾走するようになったのか。『鬼滅の刃』 はゾンビものなのか。日本独特の 「カワイイ」 文化に取り込まれたゾンビや、ゾンビでの町おこしなど、あらゆる角度からゾンビを分析。
(扶桑社新書 1034円)[amazon]

《怪と幽》 vol.004
時代を超えて読み継がれる名作から一部の世代に多大な影響を与えた奇書まで――子どもたち、そしてかつて子どもだったすべての人々に贈るこわ~い本を特集。目次
(KADOKAWA 1980円)[amazon]

『皆川博子長篇推理コレクション1 虹の悲劇 霧の悲劇』
〈小説の女王〉皆川博子の長篇ミステリ8作品を全4巻に集成。長崎のおくんち祭で起きた死亡事故と佐世保市内で起きた叔母殺し――二つの事件を結ぶ意外な展開とその背後に浮ぶ戦時中の強制連行の闇を暴く 『虹の悲劇』、深夜の路上で拾った謎の女性をめぐる探索行から明らかになる反戦宗教家の悲劇と陰謀を描く 『霧の悲劇』。日下三蔵編
(柏書房 3300円)[amazon]

エドワード・ウィルソン=リー 『コロンブスの図書館』
蔵書はあらゆる分野におよぶ3200冊。それでも持ち主が生涯をかけて蒐集したほんの一部だ。持ち主の名はエルナンド・コロン、コロンブスの私生児である。15世紀半ばのグーテンベルクの印刷革命から100年足らず、ルネサンス、宗教改革、大航海時代の最前線で世界のありとあらゆる情報を集めて目録化しようと試みた書物狂の知られざる物語。五十嵐加奈子訳
(柏書房 2970円)[amazon]

北見隆 『北見隆 装幀画集 書物の幻影』
赤川次郎、今邑彩、恩田陸、中島らも、折原一、津原泰水、カルヴィーノ、エーコ、チャペック、J・D・カー……あのワクワクは、この絵とともにあった――北見隆が40年間に手がけた装幀画から、約400点を収録した決定版画集。内容
(アトリエサード 3520円)[amazon]

ケイト・ウィルヘルム 『鳥の歌いまは絶え』
放射能汚染によって、生殖能力が極端に低くなった地球上の生物群は、緩やかな滅びへと向かっていた。その中で豊かな渓谷の一族がクローン繁殖の技術によって滅亡を回避しようと試みる。だが誕生したクローンたちは個々の自意識が薄く、今までの人類の文化と異なる無個性の王国を築き上げようとしていた……。ヒューゴー賞、ローカス賞受賞作。酒匂真理子訳
(創元SF文庫 1276円)[amazon]

アレン・スティール 『キャプテン・フューチャー最初の事件』
カーティス・ニュートンがキャプテン・フューチャーと呼ばれるようになる以前の、最初の事件。カーティスの幼年期に天才科学者の両親を殺した張本人は、月共和国の有力議員となっていた。ヒューゴー賞賞受賞「キャプテン・フューチャーの死」の著者が21世紀に完全にリブート。中村融訳
(創元SF文庫 1320円)[amazon]

シェーン・バウアー 『アメリカン・プリズン 潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス
イランで投獄されたことで、アメリカの刑務所問題に関心を持った著者は、身分を隠して面接を受け、アメリカ最大の刑務所運営会社が運営する刑務所で刑務官として働きはじめる。本書の元になった記事が政府を動かすほどに衝撃を与え、全米で話題を呼んだノンフィクション。満園真木訳
(東京創元社 2310円)[amazon]

トンマーゾ・カンパネッラ 『哲学詩集』
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉
ユートピア論 『太陽の都』 の著者、預言者にして自然哲学者・占星術師・カトリック僧が、体制転覆を計画して逮捕され、四半世紀に及ぶ獄中生活において綴った詩片の集成。異形の知識人の生と思想のすべてが結実した、驚嘆すべき人倫の詩集。澤井繁男訳
(水声社 6600円)[honto]

ブアレム・サンサール 『ドイツ人の村 シラー兄弟の日記
叢書《エル・アトラス》
前途有望な兄ラシェルの突然の自殺に見舞われた弟のマルリクは、遺品として兄の日記を手渡される。日記をめくるごとに明らかになっていく兄の心境と自殺の動機、そしてナチスに加担した過去をもつ父親の存在……。人がもつ孤独の闇と、それでもなお人を信頼する希望の光を、シラー兄弟の日記を通して重層的に物語る傑作長編。青柳悦子訳
(水声社 3300円)[honto]

オーウェン・デイヴィス 『スーパーナチュラル・ウォー 第一次世界大戦と驚異のオカルト・魔術・民間信仰
第一次世界大戦中、数々の「迷信」や「呪術」が復活し、世を賑わした。護符、占い、予言、霊媒、魔術儀式、まじない、都市伝説……〈超自然的なるもの〉に人々は何を求めたのか。未曾有の災厄をもたらした戦争において、オカルトパワーの約束に魅入られた人々の驚くべきストーリーを明らかにし、ジェンダー、植民地主義を含む幅広い問題に光を当てた、戦争民俗学/戦争社会史の名著。江口之隆訳
(ヒカルランド 3520円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『名探偵ポアロ メソポタミヤの殺人
〈ハヤカワ・ジュニア・ブックス〉
中近東の発掘調査団の宿舎で不可解な出来事がつづいた。窓からのぞく不気味な顔、深夜の倉庫にちらつく怪しい光。そして調査団リーダーの妻には、15年も前に死んだはずの元夫から脅迫状が届く。だがそれはすべて、まもなく起きる殺人事件の序曲にすぎなかった。田村義進訳
(早川書房 1320円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『ミス・マープルの名推理 パディントン発4時50分』
〈ハヤカワ・ジュニア・ブックス〉
マギリカディ夫人は列車の窓から見た風景に、あっと驚いた。並んで走る列車のなかで男が女を絞め殺すところだったのだ。すぐに通報したが、死体は車内のどこにも見つからない。その話を聞いたミス・マープルは、ある作戦を思いつく。果たして死体の行方は? 小尾芙佐訳
(早川書房 1430円)[amazon]

ミシェル・フーコー 『監獄の誕生 監視と処罰 新装版
肉体の刑から魂を罰する刑へ――今日の監獄は、どのような歴史的社会的な背景のもとで生まれたのか。学校や軍隊にも応用された、人々を監視し管理する技術とはいかなるものか。国家権力の集中機構としての監獄を独得の考古学的手法で捉え、その本質を解明する。田村俶訳
(新潮社 5390円)[amazon]

デラノ・エームズ 『殺人者は一族のなかに ダゴベルトとジェーンの夫婦探偵シリーズ
「もうすぐ殺人が起こるだろうから……」 大農場の女主人の不気味な予言は現実となり、連続殺人へと発展。被害者と旧知のダゴベルトとジェーンが謎の解明に乗り出す。奇妙な一族に渦巻く複雑な人間関係が醸成した感情と殺意。そしてついに驚くべき真犯人が明かされる。チャーミングな素人夫婦探偵ダゴベルトとジェーンの活躍を描く本格ミステリ。Murder Begins at Home (1949)。松本真一訳
(風詠社 1430円)[amazon]

《Re-ClaM》 第4号
特集=F・W・クロフツの“Humdrum”な冒険/若島正 「『ギャルトン事件』を読む」/A・ブラックウッド 「鍵をかけろ」/E・D・ホック 「ゴーストタウン」/他 目次
(Re-ClaM編集部 1200円)取扱=盛林堂

『大阪圭吉 自筆資料集』 小野純一編
大阪圭吉遺族の家に保管されていた、創作ノートをはじめとした大阪圭吉の自筆資料を発掘。「らくがき帖 その二」、「作品記録帳」、原稿、仕事メモ他、約20点の資料をカラー収録。
盛林堂ミステリアス文庫 4500円)

堀井一摩 『国民国家と不気味なもの 日露戦後文学の〈うち〉なる他者像
男たちを獣に変える女、寸断された兵士の死体、国家を蝕む伝染病――フロイトの論を手がかりに、日露戦前・戦後の文学空間に取り憑く 「不気味なもの」 をたどりつつ、国民化の抑圧と民衆の抵抗の力学を鮮やかに剔抉する。国民国家論更新の試み。
(新曜社 4180円)[amazon]

ヴィットーリオ・アルフィエーリ 『アルフィエーリ悲劇選 フィリッポ サウル』
〈ルリユール叢書〉
若きスタンダールとバイロンを熱狂させた異形の才能、18世紀イタリア最大の劇作家アルフィエーリ──王家の親子の確執を描いた『フィリッポ』、正気と狂気の狭間をゆれ動く古の王『サウル』の傑作悲劇2篇を収録。本邦初訳。菅野類訳
(幻戯書房 3960円)[amazon]

ジャコモ・レオパルディ 『断想集』
〈ルリユール叢書〉
イタリア人に最も愛された大詩人にして、ショーペンハウアー、ニーチェ、ベンヤミン、カミュ、夏目漱石、芥川龍之介、三島由起夫ら、東西の文人に影響を与えた19世紀イタリアの思想家・哲学者レオパルディ──実存主義に先駆けた、「人間と事物の本性」をめぐる遺作の哲学散文集。國司航佑訳
(幻戯書房 3190円)[amazon]

ヴィクトール・ユゴー 『レ・ミゼラブル 第五部 ジャン・ヴァルジャン
1832年共和派市民が政府軍と死闘に。バリケードにはマリウスら主要登場人物たちが。最後は地下道を抜け出た主人公の天上的な死。西永良成訳
(平凡社ライブラリー 1870円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『大いなる遺産 上・下
鍛冶屋の義兄ジョーに育てられている少年ピップは、クリスマス・イヴの晩、脱獄囚の男と出会う。ピップは男に脅されて、足枷を切るヤスリを家から盗んで与えた。長じたある日、ロンドンから来た弁護士に、さる人物の莫大な遺産を相続することを示唆され……。痛烈なユーモアと深い情感で人間世界の悲喜交々を描いた、19世紀英国の文豪の代表長編。加賀山卓朗訳
(新潮文庫 各781円)[amazon]

ジョーゼフ・キャンベル 『ジョーゼフ・キャンベルの神話と女神』
原始の時代、女神は生と死と豊饒を司り、尊敬を集めていた。しかし社会の変化にともない、男神にその地位を追われていく。世界各地の神話、伝承をもとに、神話学の第一人者が女神の変容の歴史を探る。図版多数。倉田真木訳
(原書房 4950円)[amazon]

『月岡芳年 血と怪奇の異才絵師河出書房新社編集部編
衝撃の残酷絵で人気絵師へ。武者絵から歴史画まで多様な画風をこなした芳年の魅力を、傑作の数々とともに。オールカラー。新装版。
(河出書房新社 2640円)[amazon]

濱中利信編 『改訂増補新版 エドワード・ゴーリーの世界』
唯一無二の作家の魅力と作品を紹介した日本オリジナル編集。新たなコレクションを増補改訂、カラーページも増量した最新決定版。
(河出書房新社 2200円)[amazon]

パオロ・ジョルダーノ 『コロナの時代の僕ら』
2020年2月から3月のイタリア、ローマ。小説家パオロ・ジョルダーノにもたらされた空白は一冊の傑作を生みだした。生まれもった科学的な姿勢と、全世界的な抑圧の中の静かな情熱が綾をなす、私たちがこれから生きなくてはならない、コロナウイルス時代の文学。飯田亮介訳
(早川書房 1430円)[amazon]

横溝正史 『完本 人形佐七捕物帳 三』
江戸を舞台に、人形のような色男佐七が繰り広げる推理劇。【収録作品】 血屋敷/敵討走馬燈/捕物三つ巴/いろは巷談/清姫の帯/鳥追人形/まぼろし小町/身代り千之丞/出世競べ三人旅/怪談閨の鴛鴦/人面瘡若衆/蝙蝠屋敷/笛を吹く浪人/狼侍/日蝕御殿/雪達磨の怪/坊主斬り貞宗
(春陽堂書店 4950円)[amazon]

ベルンハルト・シュリンク 『オルガ』
女は手が届く確かな幸せを願い、男は国の繁栄を求めて北の果てに消えた。運命に引き裂かれ、数々の苦難を乗り越えて20世紀ドイツを生き抜いたオルガ。彼女が最期にとった途方もない選択とは? ぶれることのない女性の、ひたむきな生き方に心揺さぶられる最新長篇。松永美穂訳
(新潮クレスト・ブックス 2200円)[amazon]

横溝正史 『憑かれた女』
自称探偵小説作家の井手江南に伴われ、エマ子は不気味な洋館の中へ入った。そして問題のドアが開かれた瞬間、彼女は恐怖の悲鳴を上げた。部屋の隅に燃えさかる暖炉の中には、黒煙をあげてくすぶる一本の女の腕が……。名探偵由利先生と事件記者三津木俊助シリーズ長編ほか、「首吊り船」「幽霊騎手」の2篇を収録。
(角川文庫 836円)[amazon]

小松左京 『日本沈没
上・下
伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。
(角川文庫 予価各660円)[amazon]

鈴木棠三 『日本俗信辞典 動物編』
「猫が顔を洗うと雨がふる」 「ナマズがあばれると地震がおきる」 「ねずみがいなくなると火事がおきる」――。日本全国に伝わる俗信を、「猫」 「狐」 「とんぼ」 「蛇」 などの項目ごとに整理した画期的な辞典。
(角川ソフィア文庫 1848円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 大アジア』
古代から近代までのアジアと日本の関係とその変転、そして歪められた近代アジア史の問題点を考察。アジアにおける日本の立ち位置を考えるうえで必須の一冊。
(角川ソフィア文庫 1606円)[amazon]

チェ・ウニョン 『わたしに無害なひと』
〈となりの国のものがたり〉
あの頃の私は、まだ何もわかっていなかった。二度と会えなくなった友人、傷つき傷つけた恋人との別れ、弱きものに向けられた暴力……。あのとき言葉にできなかった想いがさまざまにあふれ出る。もし時間を戻せるなら、あの瞬間に……。第8回若い作家賞受賞作「あの夏」を含む7作品を収録。古川綾子訳
(亜紀書房 1760円)[amazon]

アントーニオ・スクラーティ 『私たちの生涯の最良の時』
ファシズム体制のもと、迫害・拷問・獄死という過酷なレジスタンスの生涯を生き抜いたギンツブルグ家の数奇な運命。戦火の絶えない20世紀を生きた人々の《大河ドラマ》にして、苦渋に満ちた家族の一大《サーガ》。ヴィアレッジョ賞、カンピエッロ賞 同時受賞作。望月紀子訳
(青土社 2860円)[amazon]

泡坂妻夫 『宝引の辰 捕者帳 第三巻 鳥居の赤兵衛
1995~2002年に発表された 「朱房の鷹」 「笠秋草」 「角平市松」 「この手かさね」 「墓磨きの怪」 「天狗飛び」 「にっころ河岸」 「鳥居の赤兵衛」 「優曇華の銭」 「黒田狐」 の短編10編を収録。オンデマンド出版
(捕物出版 1804円)[amazon]

ラーラ・プレスコット 『あの本は読まれているか』
冷戦下。CIAにタイピストとして雇われたロシア移民の娘イリーナは、秘かにスパイの訓練を受け、ある特殊作戦に抜擢される。その目的は、反体制的とされた共産圏の禁書 『ドクトル・ジバゴ』 をソ連国民の手に渡し、ソ連がいかに自由な思想を禁じているかを知らしめることだった。一冊の小説を武器に世界を変えようと危険な任務に挑む女性たちを描く、話題エンターテインメント。吉澤康子訳
(東京創元社 1980円)[amazon]

アガサ・クリスティ 『ハーリー・クィンの事件簿』
常に傍観者として他者の人生を眺めて過ごしてきた老人サタスウェイトが、ある屋敷のパーティで不穏な気配を感じ取る。過去に起きた自殺事件、現在の主人夫婦の間に張り詰める見えざる緊張の糸。その夜屋敷を訪れた不思議な人物ハーリー・クィン氏にヒントをもらったサタスゥェイトは、鋭い観察眼でもつれた謎を解きはじめる。深い人間描写が光る12編を収めた短編集。山田順子訳
(創元推理文庫 990円)[amazon]

オルテガ・イ・ガセット 『大衆の反逆』
スペインの哲学者オルテガ・イ・ガセットによる痛烈な時代批判の書。自らの使命を顧みず、みんなと同じであることに満足しきった「大衆」は、人間の生や世界をいかに変質させたのか。1930年刊行の本文に加え、「フランス人のためのプロローグ」および「イギリス人のためのエピローグ」も収録。佐々木孝訳
(岩波文庫 1177円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『から騒ぎ』
「確かに私はあらゆる女性に愛される、あなたは別だが」──アラゴンの貴族クローディオーとメシーナの知事の娘ヒーローは、互いに好意を寄せる仲。ベアトリスとベネディックは、会えば必ず激しい舌戦。シェイクスピア喜劇、屈指の機知溢れるやりとりで、二つの対照的な恋を描く。その台詞の躍動感をいきいきと正確に伝える新訳。喜志哲雄訳
(岩波文庫 726円)[amazon]

岩波文庫 重版
ジョージ・オーウェル 『オーウェル評論集』
バンジャマン・コンスタン 『アドルフ』


クラウス・コルドン 『ベルリン1933 壁を背にして 上・下

1932年夏、世界恐慌のあおりでベルリンの街にも失業者があふれるなか、「よりよき未来」を約束するナチは急速に勢力を拡大していた。ヘレの弟ハンスは、悩みながらも社会に足を踏み入れていくが、やがて否応なく不穏な時代の流れに巻き込まれていく。.ヒトラー政権奪取までのわずか数か月を、15歳の視点で描く第二作。酒寄進一訳
(岩波少年文庫 各1320円)[amazon]

J・M・クッツェー 『イエスの学校時代』
少年ダビードはシモンとイネスの庇護のもと、言葉を学び、友を作った。犬のボリバルも健在だ。やがて少年は七歳になり、バレエスクールへ入学する。ダンスシューズを履いた彼は、徐々に大人の世界の裏を知る――成長とは? 親とは? クッツェーの新境地。鴻巣友季子訳
(早川書房 2530円)[amazon]

マーク・グリーニー/H・リプリー・ローリングス四世 『レッド・メタル作戦発動 上・下
レアメタル鉱山の極秘奪回作戦を始動したロシア。世界を揺るがすこの陰謀に、世界各地の精鋭が立ち向かう。大型冒険アクション。伏見威蕃訳
(ハヤカワ文庫NV 各1078円)[amazon]

リチャード・フォックス 『鉄の竜騎兵 新兵選抜試験、開始
幼少時に異星人との戦闘で両親を失ったローランドは、地球連合軍の中でも最強とうたわれる装甲機動兵部隊への入隊を志願するが……。丸山伸子訳
(ハヤカワ文庫SF 990円)[amazon]

野村胡堂 『銭形平次捕物控 傑作集5 江戸風俗篇
野村胡堂の不朽の名作『銭形平次捕物控』。富籤が引き起こす殺人、庶民を震撼させた連続放火、傾城番付ならぬ色男番付など、江戸時代特有の習俗に絡んだ事件に平次親分が挑む名作シリーズのテーマ別傑作集第5弾。
(双葉文庫 704円)[amazon]

佐々木喜善 『ザシキワラシと婆さま夜語り 遠野のむかし話
『遠野物語』に結実した伝承を提供した喜善が研究した座敷童子の話と、遠野の老婆から聞き書きした「老媼夜譚」を現代仮名遣いで。
(河出書房新社 1760円)[amazon]

筒井康隆 『堕地獄仏法/公共伏魔殿』
巨大な権力を握った某国営放送の腐敗と恐怖を描き、一読すれば受信料を払わずにはいられない「公共伏魔殿」、諸事情によりここにはあらすじを書けないもうひとつの表題作「堕地獄仏法」、ロボット記者たちに理路整然と問い詰められた政治家がパニックになり、無茶苦茶な答弁をしてしまう「やぶれかぶれのオロ氏」など、初期傑作短篇16作を収録。日下三蔵編
(竹書房文庫 1430円)[amazon]

『戯曲アルセーヌ・ルパン対ハーロック・ショームズ』
原作 モーリス・ルブラン/作 ヴィクトール・ダルレ&アンリ・ド・ゴルス
1910年10月 パリ、シャトレ劇場初演。モーリス・ルブランが公認したこのパロディ劇は、「ルパン対ホームズ」物としては最初期の作品。近年発見された脚本を翻訳。萩原純訳
(トサカ文庫 2500円) 取扱=盛林堂

古井戸秀夫 『鶴屋南北』
文化文政期の江戸歌舞伎を支えた狂言作者。江戸日本橋に生まれ、57歳で4世を襲名。おかしみのある茶番、目まぐるしい場面展開で小気味の良さが持ち味。初世尾上松助や5世松本幸四郎らの当たり作を生み出し、『東海道四谷怪談』 など百数十種の台本を著す。幅広い年齢層に知られ、子供の頃より人を笑わせることを好んだ「大南北」の生涯に迫る。
(吉川弘文館/人物叢書 2420円)[amazon]

エリック・ジャコメッティ/ジャック・ラヴェンヌ 『邪神(メシア)の覚醒 上・下
史上最悪の独裁者ヒトラーの覚醒により、覇者の秘宝<鉤十字>を巡る戦いは苛烈を極めていく。メタ戦記ミステリ、シリーズ第二弾。大林薫訳
(竹書房文庫 各1100円)[amazon]

アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ 『すべては消えゆく』
五月下旬の午後遅く、パリの町の美しさを堪能しつつメトロに乗り込んだユゴー・アルノルドは、隣の席に座った女が無遠慮に化粧するさまに魅了される。女優だという彼女は彼をエロスの極みに誘うが……。隣り合わせの性と死を描く3篇収録。中条省平訳
(光文社古典新訳文庫 1078円)[amazon]

マルティン・ハイデガー 『存在と時間 7』
第7巻では、〈死に臨む存在〉としての死への先駆性と良心の根源的な働きである決意性を時間性によって結びつけることで、現存在の本来的なあり方を明らかにする。将来、既往、現在、時熟という独自の時間概念での考察が展開される。中山元訳
(光文社古典新訳文庫 1430円)[amazon]

仁木悦子 『死の花の咲く家 昭和ミステリールネサンス
寿子にとって誰よりも仲良しだった母。だが寿子が思いを寄せる青年からの手紙を勝手に開封し、タンスに隠していて……。単行本初収録になる「隠された手紙」など短編8編、ショートショート4編を収録。
(光文社文庫 990円)[amazon]

ジョン・ジェームズ・オーデュボン 『オーデュボンの鳥 『アメリカの鳥類』 セレクション
19世紀博物画集の名作 『アメリカの鳥類』 収録の鳥類画435点から150点を精選し、テーマ別に編成。オールカラー。
(新評論 2200円)[amazon]

『死の濃霧 延原謙翻訳セレクション
〈論創海外ミステリ〉
探偵作家による往年の名訳をまとめた〈翻訳セレクション〉第3弾は延原謙翻訳集。 大正時代のコナン・ドイル翻訳から昭和30年代に改訳された〈シャーロック・ホームズ物語〉まで選りすぐりの14作を集成。コナン・ドイル、マッカレー、ビーストン、クロフツ、ウェイド、メースン他。収録内容 中西裕編
(論創社 3520円)[amazon]

『甲賀三郎探偵小説選Ⅳ』
〈論創ミステリ叢書〉
甲賀三郎の代表長編 「姿なき怪盗」 を巻頭に、傑作短編をセレクションした〈甲賀三郎探偵小説選〉第四集。次女・深草淑子による未発表短編を併録し、巻末には最新情報を反映させた「甲賀三郎著作リスト[改訂版]」を付す。収録内容
(論創社 4620円)[amazon]

中川裕 『改訂版 アイヌの物語世界』
アイヌ=人間とカムイが織りなす様々な物語――『ゴールデンカムイ』 の監修者が繙く、豊かなアイヌの世界観と口承文芸の魅力。
(平凡社ライブラリー 1540円)[amazon]

コン・ソノク 『私の生のアリバイ』
〈韓国文学ショートショートきむふなセレクション〉
「私は知らない。本当に、私がテリムについて知っていることはそれほど多くない。そして、私はテリムを知っている」 80年代の光州をともに過ごした旧友をめぐる4つの陳述。社会から疎外された人々の姿と貧困の問題を見つめ続けたコン・ソノクが描く、様々なかたちの 「愛」 の有無。カン・バンファ訳
(クオン 1320円)[amazon]

イ・ジャンウク 『私たち皆のチョン・グィボ』
〈韓国文学ショートショートきむふなセレクション〉
死後にその名を知られるようになった伝説の画家、チョン・グィボ。美術専門出版社の依頼で彼の評伝執筆に取りかかった「私」は、その足跡をたどって取材を重ねるうちに不思議な世界に迷い込む……。五十嵐真希訳
(クオン 1320円)[amazon]

ペガーナ・コレクション第3巻 『戦争の物語』
かつては幻の短篇集と言われ、姉妹作 「過ぎ去りし不幸」 とあわせて涙なしには読めないと言われた戦争文学珠玉の作品集。2004年版を全面改訂、新たに発見された未収録作品5篇も収載。稲垣博訳。
盛林堂ミステリアス文庫 2000円) 4/5予約開始

沼野充義 『徹夜の塊3 世界文学論』
世界文学とは「あなたがそれをどう読むか」なのだ。つまり、世界文学――それはこの本を手に取ったあなただ。『亡命文学論』『ユートピア文学論』に続く〈徹夜の塊〉三部作、ついに完結。
(作品社 5720円)[amazon]

エドワード・ウェイクリング 『ルイス・キャロルの実像』
手紙や日記、回顧録など膨大な一次資料から浮き上がる、『不思議の国のアリス』の作者、ルイス・キャロルの真の姿。楠本君恵・高屋一成・下笠徳次 監訳。内容
(小鳥遊書房 6600円)[amazon]

マルクス・シドニウス・ファルクス/ジェリー・トナー=解説 『奴隷のしつけ方』
奴隷の選び方から反乱を抑える方法まで、古代ローマ貴族が現代人に向けて平易に解説。奴隷なくして回らない古代ローマの姿が見えてくる。橘明美訳
(ちくま文庫 880円)[amazon]

矢島文夫 『メソポタミアの神話』
バビロニアの創世記」から「ギルガメシュ叙事詩」まで、古代メソポタミアの代表的神話をやさしく紹介。第一人者による最良の入門書。
(ちくま学芸文庫 1100円)[amazon]

ウィリアム・オヴ・レンヌ 『ブリタニア列王の事績 中世ラテン叙事詩
古典古代の叙事詩の伝統的な韻律 (長短短六韻脚) を用い、ジェフリー・オヴ・モンマスの 『ブリタニア列王史』 を英雄叙事詩に翻案した幻のアーサー王物語。本邦初訳作品を読みやすい散文訳で。瀬谷幸男訳
(論創社 4400円)[amazon]

ヘンリック・イプセン 『人形の家』
〈近代古典劇翻訳〈注釈付〉シリーズ〉 世界でもっとも上演される近代劇の父、ヘンリック・イプセン。女性解放を促した不朽の名作に詳細な注釈を付す。毛利三彌訳
(論創社 1650円)[amazon]

ジョーン・エイキン 『月のケーキ』
幼い娘が想像した「バームキン」を宣伝に使ったスーパーマーケットの社長、だが実体のない「バームキン」がひとり歩きしてしまい大騒ぎに……『バームキンがいちばん』。ヴァイキングの侵略者が攻めてきた。魔女だった祖母亡き今、城の守りは孫のコラムに託された。果たしてコラムはどんな手段を使って城を守るのか? 『にぐるま城』 など、奇妙な味わいの13編を収めた短編集。三辺律子訳
(東京創元社 2200円)[amazon]

ミネット・ウォルターズ 『カメレオンの影』
アクランド英国軍中尉はイラクで爆弾によって頭に重傷を負い、片目を喪失する。病院では他人に触れられると暴力的になった。退院後、ロンドンに住むが、アクランドともめた高齢の男がその後に何者かに襲われ、彼は警察に拘束される。近隣では独り暮らしの男性が殴殺される連続殺人が起きていた。 〈現代英国ミステリの女王〉の最新作。成川裕子訳
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

エリー・アレグザンダー 『ビール職人のレシピと推理』
ビールで知られる小さな町レブンワースに、今年も待ちに待ったオクトーバーフェストの開催が迫っていた。そんな中、クラフトビールをテーマにしたドキュメンタリー映画がこの町で撮影されることに。しかし、イベント前日の夜、会場近くで映画の関係者が殺されているのが見つかって……。愉快で美味しいビール・ミステリ第二弾。越智睦訳
(創元推理文庫 1210円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.100
【ミステリーズ!100号記念】 青崎有吾、堂場瞬一、山田正紀ら新作読切による豪華共演。気鋭・櫛木理宇の長編新連載 『老い蜂』。「懸賞付き犯人当て小説」に法月綸太郎が登場。麻耶雄嵩「紅葉の錦」解答編も掲載。第5回創元ファンタジイ新人賞選評ほか。
(東京創元社 1320円)[amazon]

シャルル=ルイ・ドモンテスキュー 『ペルシア人の手紙』
宮廷での政争に疲れたペルシアの貴族ユズベクがパリに長期滞在する間、故国をはじめとする各地の知人・友人と交わした書簡のかたちで、著者の政治や宗教についての考え、思想を明かしたモンテスキューの代表作。田中卓臣訳
(講談社学術文庫 2068円)[amazon]

カール・マルクス 『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』
1848年革命に乗じ、大統領選挙で勝利したルイ・ボナパルトは、1851年12月2日にクーデタを起こし議会を解散、翌52年には皇帝に即位し、第二帝政を開始する。この過程をジャーナリストとしてつぶさに見ていたマルクスが、なぜルイ・ボナパルトは次々に野望を実現することができたのかを分析する。丘沢静也訳
(講談社学術文庫 924円)[amazon]

ジェームズ・ロリンズ 『AIの魔女 上・下
クリスマスイヴの夜、〈シグマフォース〉隊員グレイ・ピアースの家が荒らされ、恋人のセイチャンと同僚モンクの子供たちが誘拐された。一方、ポルトガルでは5人の女性科学者が虐殺され、21歳の天才AI研究者が行方不明に。二つの事件を結びつけるのは、中世の魔女狩り論文 『魔女への鉄槌』。AI研究と“魔女”の間にどんな繋がりがあるのか? 森田健訳
(竹書房文庫 各825円)[amazon]

トニ・ヒル 『ガラスの虎たち』
1978年12月、バルセロナの貧困地区で一人の少年が殺された。それから37年後、二人の男が偶然再会した。一人は人生の成功者として、一人は人生の落伍者として。彼らは幼い頃に同じ団地で過ごし、12歳の時に罪を犯して、周囲の思惑で離ればなれとなっていた。そしてその再会から全ての歯車が狂い始めた……。ノスタルジックでやるせない、スペイン発傑作ミステリー。村岡直子訳
(小学館文庫 1320円)[amazon]

『世界の文学、文学の世界』奥彩子・鵜戸聡・中村隆之・福嶋伸洋 編
世界のさまざまな場所であまたの文学が生み出され、それら一つ一つを大切に受けとめる人たちの営みとともに、文学の世界がかたちづくられ、はてしなくひろがってゆく。ケニア、シリア、イラン、タイ、デンマーク、アルバニアほか、多様な国の、多様な言語で書かれた小説・詩・戯曲を集めた、世界の文学/文学の世界への扉となるアンソロジー。目次
(松籟社 1980円)[amazon]

フォルチュネ・デュ・ボアゴベ 『乗合馬車の犯罪』 別冊Re-ClaM Vol.2
夜更けのパリを走る乗合馬車の終点で、年若い娘の死体が発見される。馬車に乗り合わせた画家のポールは、その死因が毒の塗られたヘアピンで刺されたことだと偶然突き止めてしまう。19世紀フランスの人気作家ボアゴベの知られざる犯罪小説。小林晋訳
(Re-ClaM 2500円) 取扱=盛林堂

日影丈吉編 『フランス怪談集』
奇妙な風習のある村、死霊に憑かれた僧侶、ミイラを作る女達……。フランスを代表する作家たちの、怪奇とスリルに満ちた傑作怪談集。新装復刊。
(河出文庫 1210円)[amazon]

ジェレミー・マーサー 『シェイクスピア&カンパニー書店の優しき日々』
パリの伝説の書店に偶然住みつくこととなった、カナダから来た元新聞記者による回想記。本好きに圧倒的支持を受けた楽しき書店物語。市川恵里訳
(河出文庫 1320円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.20
〈特集=バベルの図書館〉
その架空の図書館の存在は、無限の知識と想像の集積をイメージさせる。図書館と本へのインスピレーションから生まれた驚異の物語。ゾラン・ジヴコヴィッチ、ジーン・ウルフ、M・ジョン・ハリスン、ジェイムズ・ブランチ・キャベルなど翻訳8編。高山宏ロングインタビューを掲載。目次
(アトリエサード 1870円)[amazon]

ローリー・レーダー=デイ 『最悪の館』
不眠症に悩まされるイーデンは星空の鑑賞で有名なダークスカイ・パークを訪れる。死んだ夫が生前、結婚記念日に予約していたのだ。だがゲストハウスには別のグループも宿泊することに。そしてその夜、殺人が……。ディーヴァー&クリーヴス絶賛のフーダニット。岩瀬徳子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2090円)[amazon]

ヴィクター・メソス 『弁護士ダニエル・ローリンズ』
飲んだくれのバツイチ美人弁護士ダニエルは薬物売買で告発された知的障害を持つ少年の弁護を引き受けるが、背後には公権力の影が……。関麻衣子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1166円)[amazon]

ニール・スティーヴンスン 『七人のイヴ 上・下
何の前触れもなく月が7つに分裂した。ビル ・ゲイツが絶賛しオバマ大統領が楽しんだ、人 類滅亡の危機に挑む近未来宇宙開発ハードSF。日暮雅通訳
(ハヤカワ文庫SF 各1606円)[amazon]

ガエル・ファイユ 『ちいさな国で』
内戦が起きて、ぼくの日常は崩れ去った。フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作。加藤かおり訳
(ハヤカワepi文庫 990円)[amazon]

ラハッティン・デミルタシュ 『セヘルが見なかった夜明け』
刑務所の窓に巣をかけたスズメの夫婦、通勤中にデモに出くわした掃除婦、工場の同僚に恋心を寄せる女性、紛争地帯のレストランの店主……中東に暮らす人々の日々の営みと、彼らが情勢や伝統に翻弄される様を、トルコ政府に拘束中のクルド系政治家が描く短篇集。鈴木麻矢訳
(早川書房 2090円)[amazon]

フランソワ・トリュフォー 『ある映画の物語』
映画はこうしてつくられる。『華氏451』 製作中の苦吟する日々の撮影日記、『アメリカの夜』 の映画作りの混乱する現場を描いたシナリオ――フランソワ・トリュフォー監督が自作2作品を通して、映画という芸術形式の創造の秘密を赤裸々にかつ率直に綴った稀有な本。山田宏一訳
(草思社文庫 1760円)[amazon]


▼3月刊

深町悟 『「侵攻小説」 というプロパガンダ装置の誕生』
1871年に英国で誕生した 「侵攻小説」。その後世界に広まったこのジャンルは 「未来戦記」 「架空戦記」 「IF戦記」 などの名称で日本でも親しまれている。本書はそのオリジナルとして知られる 『ドーキングの戦い』 に加え、未だ研究のなされてこなかった数々の作品を取り上げ、そのジャンルの英国での受容を論じる。目次
(溪水社 3080円)[amazon]

『二〇世紀 「英国」 小説の展開』 高橋和久・丹治愛編
20世紀英国小説研究の新しい傾向を踏まえつつ、「小説を読む」意味を問い直す。ヘンリー・ジェイムズ、コンラッド、ウォーからファウルズ、クッツェー、カズオ・イシグロまで、重要な作家の作品論を、幅広い世代の18人の論者が展開する。目次
(松柏社5280円)[amazon]

トーマス・ブルスィヒ 『太陽通り ゾンネンアレー
まだ東西ドイツがあった頃のお話。15歳の男の子ミヒャエルは太陽通り(ゾンネンアレー)の「ベルリンの壁」近くに住んでいる。太陽通りは西ベルリンから長く続く道で、最後の60メートルだけが東ベルリンにある。あとちょっとで西側に住めたのに、とミヒャは思う。ミヒャと、彼をとりまくおかしな人々による「ベルリンの壁コメディー」。浅井晶子訳
(三修社 2200円)[amazon]

フェデリーコ・ヴィットーレ・ナルデッリ 『ピランデッロ秘密の素顔』
20世紀前半のイタリアを代表する小説家、劇作家ピランデッロの、亡命中のパリでの3カ月にわたるインタビューをもとに書き上げられた、半ば自伝とも言いうる詳細な伝記。斎藤泰弘訳
(水声社 4400円)[honto]

ビアトリス・ホーネガー『茶の世界史 中国の霊薬から世界の飲み物へ 新装版
その一杯を味わいながら繙きたい――ポスト・コロニアルな問題意識とお茶への愛とに裏打ちされた豊穣な東西文化史。平田紀之訳
(白水社 予3520円)[amazon]

香住春吾 『地獄横丁』
ミステリ作家・脚本家・放送作家である香住春吾の中篇スリラー小説を初の書籍化。表題作以外にも、単行本未収録となっている短篇5編を収録。
(盛林堂ミステリアス文庫 2500円)

城崎龍子 『ハルピンお龍行状記 姿なき脅迫者』
城崎龍子(潮寒二)の女スリ「ハルピンお龍」シリーズを初集成。善渡爾宗衛編
(我刊我書房 6000円) 取扱=盛林堂

ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生アフリカへ行く』
ドリトル先生シリーズ100周年改訂新版 (原書のユーモアや面白さはそのままに、現代の見地から見ると問題のある表現などを改めたもの)。金原瑞人・藤嶋桂子訳
(竹書房 1540円)[amazon]

西崎憲 『未知の鳥類がやってくるまで』
「行列」 「開閉式」 「東京の鈴木」 などに書き下ろし 「未知の鳥類がやってくるまで」 を加えた全10作の短篇集。SF的、幻想的、審美的味わいと本をめぐる物語。
(筑摩書房 1870円)[amazon]

一柳廣孝 『怪異の表象空間 メディア・オカルト・サブカルチャー』
日本の近現代は怪異とどう向き合ってきたのか。明治期の怪談の流行から1970年代のオカルトブーム、そして現代のポップカルチャーまで、21世紀になってもなおその領域を拡大し続ける「闇」の領域――怪異が紡いできた近現代日本の文化表象を多角的視座から探究。目次
(国書刊行会3960円)[amazon]

木場貴俊 『怪異をつくる 日本近世怪異文化史
人がいなければ、怪異は怪異にはならない。では誰が何を 「あやしい」 と認定して怪異になったのか。つまり、怪異はどうつくられてきたのか。その様々なありさまを、当時の 「知」 の体系に照らし描く。近世の怪異をつくった第一人者、林羅山からはじまり、政治、本草学、語彙、民衆の怪異認識、化物絵、ウブメ、河童、大坂、古賀侗庵の全10章プラス補論3章。
(文学通信 3080円)[amazon]

ユーディット・シャランスキー 『失われたいくつかの物の目録』
解体された東ドイツの宮殿、絶滅種のトラ、太平洋に沈んだ島、老いたグレタ・ガルボ……自然や芸術作品が雄弁に語り始める夢の目録。細井直子訳
(河出書房新社 3190円)[amazon]

クライブ・カッスラー/グラハム・ブラウン 『気象兵器の嵐を打ち払え 上・下
インド洋で発見された焼けただれた漂流船は、水温調査をしていたNUMA(国立海中海洋機関)の双胴船だった。真相究明にモルディブへ向かったオースチンらNUMA特別出動班は、船体の燃え滓の中に異常な物体を大量に見つける。〈NUMAファイル〉シリーズ第10弾。土屋晃訳
(扶桑社ミステリー 各990円)[amazon]

寺尾隆吉 『100人の作家で知る ラテンアメリカ文学ガイドブック』
ラテンアメリカ出身の作家は数多く日本で紹介され、作品も多く邦訳されている。しかし、その一方でそうした作家や作品をまとめて紹介した媒体はほとんど存在していない。19~21世紀の代表的な作家100人と、作家の代表作を紹介し、ラテンアメリカ文学を読む人への指針となるハンドブック。
(勉誠出版 3080円)[amazon]

《ミステリマガジン》 5月号
〈特集=ハヤカワ・ジュニア・ミステリ創刊〉 目次
(早川書房 1320円)[amazon]

テレツィア・モーラ 『よそ者たちの愛』
〈エクス・リブリス〉
この世界になじめずに都市の片隅で不器用に生きる人びと。どこにでも、誰のなかにも存在する<よそ者>たちの様々な思いを描く短篇集。鈴木仁子訳
(白水社 3190円)[amazon]

ジェスミン・ウォード 『歌え、葬られぬ者たちよ、歌え』
アメリカ南部で困難を生き抜く家族の絆の物語であり、臓腑に響く力強いロードノヴェルでありながら、生者ならぬものが跳梁するマジックリアリズム的手法がちりばめられた、壮大で美しく澄みわたる叙事詩。現代アメリカ文学を代表する長篇小説。全米図書賞受賞。石川由美子訳
(作品社 2860円)[amazon]

イ・ジン 『ギター・ブギー・シャッフル』
〈韓国文学セレクション〉
朝鮮戦争の傷跡が残る1960年代初頭のソウル。戦争で孤児となった主人公キム・ヒョンの心の友は、米軍のラジオ局から流れてくる最新のポップスだった。どん底の生活を続けていたヒョンは偶然の積み重ねで、憧れの龍山(ヨンサン)米軍基地内のクラブステージにギタリストとして立つことに……。李眞・岡裕美訳
(新泉社 2200円)[amazon]

横溝正史 『蝶々殺人事件』
原さくら歌劇団の主宰者、原さくらが 「蝶々夫人」 の大阪公演を前に突然、姿を消した。数日後、数多くの艶聞をまきちらしプリマドンナとして君臨していたさくらの死体は、バラと砂と共にコントラバスの中から発見される。由利麟太郎&三津木俊助シリーズ。表題作他「蜘蛛と百合」「薔薇と鬱金香」を収録。
(角川文庫 946円)[amazon]

アリ・スミス 『秋』
分断が進む世界で小説に何ができるのか。新時代の希望を描く「EU離脱後」小説。EU離脱に揺れるイギリスのとある施設で眠る謎の老人と、彼を見舞う若い美術史家の女。かつて隣人同士だった二人の人生は、六〇年代に早世した女性アーティストを介して再び交錯し――不協和音が響く現代に、生きることの意味を改めて問いかける。『両方になる』で読者を驚かせた著者による、奇想とユーモアに満ちた話題作。 木原善彦訳
(新潮社クレスト・ブックス 2200円)[amazon]

泡坂妻夫 『宝引の辰 捕者帳 第二巻 凧をみる武士』
日本推理作家協会賞、直木賞受賞に輝く著者の代表的な捕者小説。本書には1993~1995年に発表された旅差道中、夜光亭の一夜、忍び半弓、雛の宵宮、面影蛍、幽霊大夫、とんぼ玉異聞の短編7編と、中編の凧をみる武士を作品発表順に収録。オンデマンド出版
(捕物出版 1804円)[amazon]

チョン・セラン 『保健室のアン・ウニョン先生』
養護教諭のアン・ウニョンが新しく赴任した私立M高校。この学校には原因不明の怪奇現象や不思議な出来事がつぎつぎと起こる。霊能力を持つ彼女はBB弾の銃とレインボーカラーの剣を手に、同僚の漢文教師ホン・インピョとさまざまな謎や邪悪なものたちに立ち向かう。『フィフティ・ピープル』の若き旗手が放つ、奇想天外な物語。斎藤真理子訳
(亜紀書房 1760円)[amazon]

ダン・フェスパーマン 『隠れ家の女』
聞いてはいけない工作員たちの会話を録音してしまったCIA女性職員ヘレンに命の危険が迫る。ミステリの興趣溢れるスパイ小説。東野さやか訳
(集英社文庫 1540円)[amazon]

エルンスト・ユンガー 『エウメスヴィル あるアナークの手記
〈叢書・エクリチュールの冒険〉
後の架空の都市国家に生きる一青年の任務と日常に仮託して、来たるべき人間と社会の趨勢を描いた、ユンガーの知られざる長篇小説。『大理石の断崖の上で』『ヘリオーポリス』に続く本作で、ユンガーはついに、独裁者たちが巨大な森へと消失する未来を幻視する。稀代の魔術的リアリストが描く、異形のSF世界。田尻三千夫訳
(月曜社 3850円)[amazon]

岡田鯱彦 『薫大将と匂の宮』
身体から不思議な芳香をはなつ薫大将と、源氏の孫にあたる匂の宮――源氏の亡き後、二人の貴公子の織りなす物語が 『源氏物語』 でも名高き「宇治十帖」である。その「宇治十帖」を最後に未完とされていたこの物語には、幻の続編が存在した。貴公子たちの恋の鞘当てが招く、美しき姫君たちの死。平安の宮中を震撼させる怪事に、紫式部と清少納言が推理を競う。推理作家にして古典文学者、ふたつの顔を持つ著者のみが書き得た絢爛たる王朝推理絵巻が、いま甦る。「艶説清少納言」 「「六条の御息所」 誕生」 他、関連短編とエッセイを併録。
(創元推理文庫 1100円)[amazon]

小森収編 『短編ミステリの二百年 2』
短編ミステリの歴史をさぐるアンソロジー第二巻は、1920~50年代の都会小説、ハードボイルド/私立探偵小説、謎解きミステリの逸品を通して、進化と発展の過程を概観。ハメット、チャンドラー、スタウト、アリンガム、クリスピン、ヴィカーズらの11短編を新訳で収録。猪俣美江子他訳 収録内容
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

アーナルデュル・インドリダソン 『湖の男』
干上がった湖の底で発見された白骨。頭蓋骨には穴があき、壊れたソ連製の盗聴器が体に結びつけられている。エーレンデュルらの調査はひとつの失踪事件に行き当たった。農機具のセールスマンが婚約者を残し消息を絶ったのだ。男は偽名を使っていた。男は何者で、何故消されたのか? 北欧ミステリ大作。柳沢由実子訳
(創元推理文庫 1496円)[amazon]

ケン・リュウ編 『月の光 現代中国SFアンソロジー
『三体』著者、劉慈欣による表題作ほか、現代の北京でSNS産業のエリートのひとりとして生きる主人公の狂乱を描いた、『荒潮』著者の陳楸帆による「開光」など、14作家16篇を収録。最先端の現代中国SFを収録した、ケン・リュウ編によるアンソロジー第2弾.
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2420円)[amazon]

アリソン・ゲイリン 『もし今夜ぼくが死んだら、』
自殺をほのめかす少年。彼に何が起こったのか――時は遡り、4人の登場人物の視点から、嘘と秘密に満ちた5日間が描かれる。奥村章子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1386円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『名探偵ポアロ オリエント急行の殺人』
〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉
豪華列車内で事件がおきた。殺されたのは金持ちの男。世界一の名探偵ポアロが調査することに。犯人は乗客の誰かにまちがいない。だが全員にアリバイがある。はたしてポアロの推理は……。クリスティーの傑作を、ルビと挿絵つき、完訳で贈る。小学5・6年生から。山本やよい訳
(早川書房 1430円)[amazon]

アガサ・クリスティー 『そして誰もいなくなった』
〈ハヤカワ・ジュニア・ミステリ〉
なぞの人物に招待された十人の男女が孤島の邸宅に集まったとき、おそるべき殺人ゲームがはじまる。童謡の歌詞どおりに一人また一人と殺されてゆく。犯人は誰か? そして生き残るのは……? クリスティーの傑作を、ルビと挿絵つき、完訳で贈る。小学5・6年生から。青木久恵訳
(早川書房 1430円)[amazon]

ダニエル・アレンソン 『地球防衛戦線1 スカム襲来』
異星人の攻撃により人口の6割が死亡した地球を舞台に、絶望的な状態の中、果敢に戦いを挑む若き兵士たちの死闘を描く戦争SF。金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1100円)[amazon]

ニコラス・アーヴィング/A・J・タタ 『狙撃手リーパー ゴースト・ターゲット』
久々に帰国した凄腕スナイパーを待っていたのは、所在不明になった彼自身の銃を使った連続狙撃事件だった。アクション・スリラー。公手成幸訳
(ハヤカワ文庫NV 1254円)[amazon]

『オカルト伝説 人を魅了する世界の不思議な話ナショナル ジオグラフィック編
世界各地のオカルト伝説を紹介し、人間の生活とどのように絡み合って来たのか、古代から中世、現代へと歴史を辿りながら明らかにする。魔法や幽霊、UFOなどを現代の科学的知識によって、ただ単に種明かしするのではなく、それらの現象を生み出した社会背景、人間の心理などを分析して、オカルト伝説とは何かを考察する。
(日経ナショナルジオグラフィック社 1540円)[amazon]

ジェラール・ド・ネルヴァル 『火の娘たち』
「その美しい夏の朝かぎり、ぼくらは花婿と花嫁だった」──パリの女優の面影が呼び覚ます、故郷ヴァロワの日々。金髪のアドリエンヌ、黒髪のシルヴィの回想は、過去と現在、夢とうつつ、光と闇とを往還する。小説・戯曲・翻案・詩を一つに編み上げた、幻想の作家ネルヴァル珠玉の作品集。その魔術的魅惑を爽やかな訳文で伝える。野崎歓訳
(岩波文庫 1386円)[amazon]

福井健策 『改訂版 著作権とは何か 文化と創造のゆくえ
著作権はどのような場合に生まれ、具体的にどのようなことができ、そもそも何のために存在するのか。著作権を専門とする弁護士が、その基礎や考え方をシェイクスピア、ディズニー、手塚治虫などの豊富な実例でわかりやすく解説。著作権保護期間など最近の状況を盛り込んだ、ロングセラーの増補版。
(集英社新書 902円)[amazon]

式場隆三郎 『二笑亭綺譚』
精神科医・式場隆三郎が実在した奇妙な建築「二笑亭」と、その主人の人生を詳らかに描いた 『二笑亭綺譚』 が、式場が熱望した木村荘八の挿絵(未発表)と、発見された当時の資料をあわせ新装版として蘇る。『決定版 二笑亭綺譚』(今野書房、昭和40年)の章立てを一部変更して採録し、書下ろしを加えて構成。
(中西出版 3300円)[amazon]

ハン・スンウォン 『月光色のチマ』
〈韓国文学の源流シリーズ〉 日本による植民統治時代に生まれ、露草のように美しく生きた気丈な母チョモン。半島南部のとある海辺風景をバックに、激動の時代の約一世紀を強く生き抜いた母の生涯を叙情あふれる筆致で描く傑作長編。井手俊作訳
(書肆侃侃房 2420円)[amazon]

デヴィッド・コープ 『深層地下4階』
貸倉庫の夜勤シフトについた前科持ちのティーケイクは、壁の奥に隠された深層地下階の図面パネルを発見する。それは40年前、小さな町を全滅させるほどに進化した寄生体が極秘に封印されている場所だった……。異色スリラー。伊賀由宇介訳
(ハーパーBOOKS 1200円)[amazon]

J・D・バーカー 『嗤う猿』
「見ざる、聞かざる、言わざる」 になぞらえ猟奇殺人を繰り返した“四猿"が忽然と姿をくらましてから4カ月――シカゴを震撼させる新たな事件が発生した。公園の池で凍った少女の死体が発見されたが、体には拷問の跡や不可解な点が見られ、その奇怪な手口に世間は“四猿の再来"と騒ぎ立てる。『悪の猿』 に続くシリーズ第2弾。富永和子訳
(ハーパーBOOKS 1360円)[amazon]

瀬川裕司 『映画講義 ロマンティック・コメディ』
ロマンティック・コメディは時代とともにいかに変化してきたか。物語のパターンの読み解き、登場人物の特徴など、魅力の源泉に迫る。
(平凡社新書 1012円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『オリバー・ツイスト』
イギリスの地方都市の救貧院で育った孤児オリバー・ツイストは、ロンドンの犯罪社会に巻き込まれたり、温厚な紳士の庇護を受けたり、様々な運命の変転を経験しながら、やがて自らの出自の謎を知る……。文豪ディケンズの代表作。挿絵多数。唐戸信嘉訳
(光文社古典新訳文庫 1760円)[amazon]

新章文子 『沈黙の家』
男女の愛憎と微妙な心理を巧みに配した長編サスペンスに加え、レトリックが冴える傑作短編3編を収録。いずれも初文庫化。
(光文社文庫 1078円)[amazon]

『飛鳥高探偵小説選Ⅴ』
〈論創ミステリ叢書〉
長編「ガラスの檻」を巻頭に、デビュー直後の短編「湖」から断筆直前の単行本未収録中編「プルタバの流れ」まで全16作を収録。日本推理小説文壇最長老、飛鳥高の探偵小説集第5弾にして集大成。
(論創社 4400円)[amazon]

キャロル・オコンネル 『修道女の薔薇』
消えた修道女を捜してほしい、マロリーのもとに一件の訴えが持ち込まれる。同じとき、彼女の甥と思われる盲目の少年も姿を消していた。数日後、修道女は意外なところで発見される。市長邸の正面階段に積まれた四体の死体、その中に彼女もいたのだ。その頃少年は、ある男のもとに囚われていた。一方殺害事件を追うマロリーは……。氷の天使、マロリー・シリーズ。務台夏子訳
(創元推理文庫 1628円)[amazon]

ユーン・ハ・リー 『ナインフォックスの覚醒』
物理法則を超越する科学体系〈暦法〉を駆使する星間大国〈六連合〉の若き女性軍人にして数学の天才チェリスは、伝説の戦術家ジェダオの精神をその身に憑依させ、艦隊を率いて巨大宇宙都市要塞の攻略に向かう。2017年ローカス賞受賞、ヒューゴー賞・ネビュラ賞候補の本格宇宙SF。赤尾秀子訳
(創元SF文庫 1210円)[amazon]

桑野隆 『改訂版 バフチン カーニヴァル・対話・笑い
じつは哲学、言語学、記号論等々をまたぐ領域横断的な知のあり方が本領のバフチン。全体像をあますところなく描く最良の入門書。
(平凡社ライブラリー 1760円)[amazon]

ヴィクトール・ユゴー 『レ・ミゼラブル 第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩
七月革命後の混迷のパリを舞台に物語は核心部へ。コゼットとの愛を育みつつ反政府秘密結社員として活動を続けるマリユスは……。西永良成訳
(平凡社ライブラリー 1980円)[amazon]

稲垣足穂 『稲垣足穂詩文集』
「詩的要素は多い」と認めつつ、「詩人」のレッテルを否定した稲垣足穂。それでも、詩やコントというべき独創的作品が数多く大正期の前衛詩誌に発表され、若い詩人たちに影響を与えた。1920-30年代を中心に晩年までの作品集に、詩論やエッセイを併載し、日本文学の異才の“詩性”を剔出する。中野嘉一編
(講談社文芸文庫 2420円)[amazon]

山尾悠子 『翼と宝冠』
小説と人形が織りなす奇蹟の幻想譚 『小鳥たち』 外伝。小鳥の侍女のさいしょの始まり。プロローグにしてコーダ。物語はこの侍女の譚をもって完結する。山尾悠子の新作書き下ろし、豆本にてリリース。
(ステュディオ・パラボリカ 2200円)[amazon]

カルメン・マリア・マチャド 『彼女の体とその他の断片』
首にリボンを巻いている妻の秘密、セックスをリスト化しながら迎える終末、食べられない手術を受けた私の体、消えゆく女たちが憑く先は……。大胆奔放な想像力と緻密なストーリーテーリングで「身体」を書き換える新しい文学、クィアでストレンジな全8篇収録の短篇集。小澤英実・小澤身和子・岸本佐知子・松田青子訳
(エトセトラブックス 2640円)[amazon]

エリカ・ダイアン・ラパポート 『お買い物は楽しむため 近現代イギリスの消費文化とジェンダー
中・上流階級の女性の娯楽、社交生活、政治の拠点となったロンドンのウェストエンド。百貨店の誕生から、既婚女性財産法、フェミニストの運動、演劇と女性のショッピング、ショーウィンドウを破壊した女性参政権運動まで。19世紀~20世紀初めのロンドンで、女性たちがどのように「家庭」から「街」に飛び出し、ショッピングを楽しむようになったのかを明らかにする。目次
(彩流社 5280円)[amazon]

都筑道夫 『悪意銀行』
洒落た会話と何重にも仕掛けられる罠、激烈な銃撃戦(死者多数)とちょっぴりのお色気、そして結末は完全予測不能。近藤・土方シリーズ第二弾が復活。日下三蔵編
(ちくま文庫 880円)[amazon]

恩田陸 『土曜日は灰色の馬』
顔は知らない、見たこともない。けれど、おはなしの神様はたしかにいる――。恩田陸が眺める世界を堪能できる、傑作エッセイを待望の文庫化。
(ちくま文庫 792円)[amazon]

西山けい子 『エドガー・アラン・ポー 極限の体験、リアルとの出会い
19世紀前半の作家でありながら、今なお読者を魅了してやまないエドガー・アラン・ポー。その魅力を、怪奇小説、探偵小説の祖というだけでなく、多様な作品を取り上げて、常に境界を超出してリアルに出会おうとする現代的作家資質に見出す。
(新曜社 3520円)[amazon]

小野俊太郎 『「クマのプーさん」 の世界』
誰でも名前は知っている世界一有名なクマ。『クマのプーさん』 と 『プー横丁の家』 を精読。「正典」とされる二作品の各章の「あらすじ」を整理しながら、各章ごとに鍵になるテーマを順に読解していく。また、「プー物語」の他の作品への影響関係などにも迫る。目次
(小鳥遊書房 2640円)[amazon]

二上洋一 『銀の宝珠 二上洋一童話集
ミステリ評論家・少年小説研究家、二上洋一氏の初の小説集。蔵書整理中に発見された大学時代にノートに書かれた作品を集成。
盛林堂ミステリアス文庫 1500円)

レスコフ作品集2 『髪結いの芸術家』
ロシア・ウラル地方の鉱山で発見されて皇帝の名を与えられた宝石「アレクサンドライト」、妖しい光を放つチェコの紅柘榴石。神秘的な石に魅せられた人間が誘い込まれる物語とは…。冷酷な地主にさからえないおかかえ劇団の女優と腕のいい美容師「髪結いの芸術家」が命がけの駆け落ちをはかったその先に待ち受けていた運命とは…。物語作家として名高いレスコフの持ち味が存分に発揮された新訳作品集。
(群像社 1100円)[amazon]

レスコフ作品集1 『左利き』
ある日突然現れたかと思えばふいに姿を消してまた帰ってくる「じゃこう牛」というあだ名の男。世の中をさかなでするような遍歴を繰り返すこの不思議な男はどこへ向かうのか…。ロシアの皇帝から与えられた課題を「左利き」の職人が見事な腕前で成し遂げて先進国イギリスの鼻をあかしたかと思いきや、その技巧が思いがけない展開を呼びこんで…。ロシアにはこんな人間が必ずいる、そんな主人公を次々と生み出すレスコフの実話と見まがう物語。
(群像社 1100円)[amazon]

フランク・グルーバー 『ポンコツ競走馬の秘密』
〈論創海外ミステリ〉
伸るか反るかの大博打! 狙うは大穴、一攫千金。駄馬の馬主になったお気楽ジョニー、競馬界に進出か? 駄馬の馬主になったお気楽ジョニーは奇禍に見舞われ、ギャングの包囲網を逃れながら殺人犯の汚名を晴らすハメに……。ドタバタ喜劇の真骨頂、〈ジョニー&サム〉シリーズ第6作。冨田ひろみ訳
(論創社 2420円)[amazon]

M・R・ラインハート 『憑りつかれた老婦人』
〈論創海外ミステリ〉
閉め切った部屋に出没する蝙蝠の謎。それは老婦人の妄想か? パットン警視の要請により看護婦探偵ミス・ピンカートンが調査に乗り出す。金井真弓訳
(論創社 3080円)[amazon]

アレックス・リーヴ 『ハーフムーン街の殺人』
19世紀末のロンドン、病院の解剖医助手レオ・スタンホープは、牧師の娘として生まれながら15歳で家を出て、男として生きてきたトランスジェンダーだった。娼婦のマリアと恋人になることを夢見ていたが、マリアは殺され、レオは容疑者として連行されてしまう。突然、「上からの命令」で釈放されたレオの真犯人探索が始まる。CWAヒストリカル・ダガー賞最終候補作。満園真木訳
(小学館文庫 1045円)[amazon]

クリスティーン・ベル 『不協和音 GRIEVANCE
最愛の夫デズを亡くした二児の母リリーのもとに、夫の過去の恋人を名乗る者から妙なお悔やみの手紙が届く。リリーは心を乱されるが、その後もエスカレートする手紙と共に不穏な出来事が続く。追い詰められていく彼女を待ち受けていたのは……。国際スリラー作家協会賞受賞作。大谷瑠璃子訳
(小学館文庫 1034円)[amazon]


種村季弘編 『ドイツ怪談集』
死んだ男が歩き回る村、知らない男が写りこむ家族写真、話し出す髑髏……ドイツで紡がれた暗黒と幻想の傑作怪談集、待望の新装復刊。
(河出文庫 1100円)[amazon]

ジョゼ・サラマーゴ 『白の闇』
ある日突然失明する原因不明の「白い病」。一人視力の残る女性の視点で語られる悪の連鎖。ノーベル賞作家の究極のディストピア小説。雨沢泰訳
(河出文庫 1430円)[amazon]

ミラン・クンデラ 『邂逅 クンデラ文学・芸術評論集
ラブレー、ドストエフスキー、セリーヌ、ガルシア=マルケス、フェリーニ……愛する小説、絵画、音楽、映画を論じた、決定版評論集。西永良成訳
(河出文庫 1540円)[amazon]

ブラッドリー・ハーパー 『探偵コナン・ドイル』
19世紀英国。作家・医者のコナン・ドイルは 〈名探偵シャーロック・ホームズ〉 シリーズ第1作 『緋色の研究』 が思ったように売れず落ち込んでいた。そこにホームズのモデルにしたベル博士が、巷を騒がす連続殺人鬼の事件を一緒に調査しないかと誘ってきて……。府川由美恵訳
(ハヤカワ・ミステリ 1980円)[amazon]

ディーリア・オーエンズ 『ザリガニの鳴くところ』
ノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」 と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の顚末と少女の成長が絡み合う長篇。友廣純訳
(早川書房 2090円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『タイタンのゲーム・プレーヤー』
星間戦争に敗北し、タイタンの生物に支配された地球。人口が激減したこの世界では、自らの土地を賭けた〈ゲーム〉が流行していた。大森望訳
(ハヤカワ文庫SF 1496円)[amazon]

ピーター・シェーファー 『ピーター・シェーファー 1 ピサロ/アマデウス』
パルコ劇場オープニング作品として話題の『ピサロ』、アカデミー賞受賞作の原作『アマデウス』の傑作2篇。
(ハヤカワ演劇文庫 2090円)[amazon]

サマル・ヤズベク 『無の国の門 引き裂かれた祖国シリアへの旅
祖国を逃れた作家が一時帰還し、反体制派の人々の苦悩と挫折に耳を傾ける。記録する行為を通じて内戦という過酷な現実と向き合う労作。柳谷あゆみ訳
(白水社 3520円)[amazon]

池上俊一 『ヨーロッパ中世の想像界』
西洋中世の人々が生きた豊穣なる世界——。動植物や人間から、四大や宇宙、天使や魔女、仲間と他者、さらには楽園と煉獄まで、文学・図像・伝説・夢を彩る広大な想像界を縦横無尽に論じ、その全体構造を解明する。心性史・社会史を刷新する「イマジネールの歴史学」の集大成。目次
(名古屋大学出版会 9900円)[amazon]

横溝正史 『完本 人形佐七捕物帳 二』
江戸の町を舞台に、人形のような色男佐七が繰り広げる推理劇。最初で最後の大全集。全180篇を初めて完全集成(全10巻)。《収録内容》「敵討人形噺」「恩愛の凧」「まぼろし役者」「いなり娘」「括猿の秘密」「戯作地獄」「佐七の青春」「振袖幻之丞」「幽霊姉妹」「二人亀之助」「風流六歌仙」「生きている自来也」「血染め表紙」「怪談五色猫」「本所七不思議」「紅梅屋敷」「からくり御殿」「お化小姓」「嵐の修験者」
(春陽堂書店 4950円)[amazon]

フレデリック・フォーサイス 『ザ・フォックス』
ミッションはシステム侵入。標的は、イラン、北朝鮮、ロシアの最高機密。サイバースペースで繰り広げられる戦いを、圧倒的なリアリティで描く、国際謀略サスペンス。黒原敏行訳
(KADOKAWA 1980円)[amazon]

井村君江 『妖精についてのおはなし 新・妖精学入門
井村君江米寿記念出版。本について、音楽について、演劇について、あらゆる場面にあらわれる妖精についての入門書。
(Oisein Press 3000円) 取扱=盛林堂

ケン・フォレット 『火の柱 上・中・下
16世紀中葉のイングランド。ウィラード家のネッドと商売敵フィッツジェラルド家のマージェリーは恋仲だったが、両親の反対にあって引き裂かれる。失意のネッドは、エリザベス・チューダーの下で仕事をするようになるが……。戸田裕之訳
(扶桑社ミステリー 1430円/1430円/1375円)[amazon]



▼2月刊

松下隆志 『ナショナルな欲望のゆくえ ソ連後のロシア文学を読み解く
ゼロ年代のロシア文学とはなんだったのか。ソローキンなど数々の翻訳で知られる著者の現代ロシア文学論。ソ連崩壊後のロシアでは、国家の形だけでなく文化や文学も多様化する。本書は90年代ロシアの新しい潮流として影響力を持った《ポストモダニズム》を軸に据え、ゼロ年代にいたる多彩なロシア文学の歩みを 「一つの物語」 として読む。現代思想やチェチェン戦争の影響など、現代ロシア文学をアクチュアルに一望する。
(共和国 3080円)[amaon]

W・G・ゼーバルト 『アウステルリッツ 新装版
建築史家のアウステルリッツは、帝国主義の遺物の駅舎、要塞、病院、監獄を巡り、〈私〉に暴力と権力の歴史を語る。鈴木仁子訳。多和田葉子=解説
(白水社 3300円)[amazon]

佐野誠子 『怪を志す 六朝志怪の誕生と展開
歴史と宗教のあしもとで――。「怪力乱神を語らぬ」 儒教の国にあって、怪異はなぜ、いかにして記録されるようになったのか。『今昔物語集』 等にも影響を与えた古代中国の「志怪」について、史書の伝統や仏教伝来との関係を軸に、社会的文脈から生成過程、文体まで、初めてトータルに捉え、中国人の精神のかたちを逆照射する。
(名古屋大学出版会 6930円)[amazon]

フョードル・ドストエフスキー 『詳注版 カラマーゾフの兄弟』
見過ごされてきた誤訳の指摘や、読み飛ばしがちな19 世紀ロシアの複雑な司法・教育制度、ファッション、宗教、文化、自然などの詳細な解説を含む膨大な訳注を収録した、これまでの邦訳では味わえない新たな 『カラマーゾフ』 体験を可能にする決定版。杉里直人訳
(水声社 2巻セット19,800円)[honto]

ドロシー・L・セイヤーズ 『大忙しの蜜月旅行』
とうとう結婚へと至ったピーター卿と探偵作家のハリエット。従僕のバンターと三人で向かった蜜月旅行先は、〈トールボーイズ〉という古い農家。しかし、いざ着いてみると、屋敷は真っ暗で鍵がかかっており、待っているはずの前所有者は見当たらず……。シリーズ最後の長編を新訳。後日談の短編も収録。猪俣美江子訳
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

アントニオ・マンジーニ 『汚れた雪』
ローマでの不祥事がもとでアルプス山麓の町に飛ばされてきた副警察長ロッコ・スキャヴォーネは、愛妻家だが、荒っぽく、悪に手を染めることもいとわない。村中が親戚関係といってもいい狭い村で、圧雪車にひかれた男の遺体が発見された。これは事故ではない。イタリアでTVドラマ化された人気作が日本上陸。天野泰明訳
(創元推理文庫 1210円)[amazon]

ソル・ケー・モオ 『女であるだけで』
〈新しいマヤの文学〉
メキシコのある静かな村で起きた衝撃的な夫殺し事件。その背後に浮かび上がってきたのは、おそろしく理不尽で困難な事実の数々だった……。先住民女性の夫殺しと恩赦を法廷劇的に描いた、《世界文学》 志向の新しい現代ラテンアメリカ文学×フェミニズム小説。吉田栄人訳
(国書刊行会 2640円)[amazon]

『別冊太陽 ロンドン・ナショナル・ギャラリー』
13~20世紀初頭の世界屈指のヨーロッパ絵画を所蔵するロンドン・ナショナル・ギャラリー。「絵画史を構築する」意図で集められた、美の殿堂のコレクションを存分に紹介。小池寿子 ・高橋明也 監修
(平凡社 2750円)[amazon]

デイビッド・ホワイトハウス 『月の科学と人間の歴史 ラスコー洞窟、知的生命体の発見騒動から火星行きの基地化まで
地球に最も近い天体である月は、アマゾン先住民から古代エジプト、イスラム、ルネッサンスから近現代の科学者まで、無数の人びとを魅了し、科学研究を動機付けてきた。優れた天文学者、ジャーナリストである著者が、先史時代から現代までの、神話から科学研究までの、人間と月との関係を描いた異色の月大全。西田美緒子訳
(築地書館 3740円)[amazon]

ポール・オースター 『サンセット・パーク』
リーマン・ショック不況下のブルックリン。それぞれの苦悩を抱えながら空家に不法居住する男女四人が織りなす、葛藤と再生の群像劇。柴田元幸訳
(新潮社 2420円)[amazon]

『夜ふけに読みたい 数奇なアイルランドのおとぎ話』
話題の〈夜ふけに読みたいおとぎ話〉シリーズに、アイルランド民話集が追加。既刊のイギリス民話集と同じアーサー・ラッカムの挿絵も楽しめる。気鋭のアイルランド研究者により、これまでばらつきのあった人名などの固有名詞をなるべく原型に近い形で統一。独自の世界観を忠実に再現した決定版。長島真以於 監修/加藤洋子・吉澤康子・和爾桃子 編訳
(平凡社 2420円)[amazon]

ミシェル・フーコー 『言葉と物 人文科学の考古学 新装版
ベラスケスの名画「侍女たち」は、古典主義時代における人間の不在を表現している。実は「人間」という存在は近代に登場したものであり、いずれ終焉を迎えることになるだろう――。西欧思想史を厳密に分析批判した上で、今日の人間諸科学の冒険的試みを統合し、画期的認識論をうちたてた名著。渡辺一民・佐々木明訳
(新潮社 5170円)[amazon]

ジョエル・ウィリアムソン 『評伝ウィリアム・フォークナー』
「響きと怒り」「八月の光」で知られるノーベル賞作家ウィリアム・フォークナー。アメリカ南部史研究の泰斗が、両親の家系、黒人親族との秘められた関係から作家の生涯を明らかにし、その栄光と悲惨を描き出す。
(水声社 8800円)[honto]

泡坂妻夫 『宝引の辰 捕者帳 第一巻 鬼女の鱗』
日本推理作家協会賞、直木賞受賞に輝く著者の代表的な捕者小説。第1巻には昭和55年に発表された第1作「吉の死人形」の他、「柾木心中」「鬼女の鱗」「辰巳菩薩」「伊万里の杯」「江戸桜小紋」「改三分定銀」「自来也小町」「雪の大菊」「毒を食らわば」「謡幽霊」の11編を収録。オンデマンド出版
(捕物出版 1870円)[amazon]

『100分de名著 アーサー・C・クラーク スペシャル』
SFの巨匠クラークが予言した人類の未来。豊富な科学知識に基づきつつも、想像力の翼を羽ばたかせたその作品群は、来たるべき未来を大胆に予言する。『太陽系最後の日』 『幼年期の終わり』 『都市と星』 『楽園の泉』 の4作を中心に、卓越した文明論としてクラークの思考実験を読みとく。(「100分de名著」 3月放送テキスト)
(NHK出版 576円)[amazon]

《SFマガジン》 4月号
特集=眉村卓追悼
(早川書房 1320円)[amazon]

バリェ゠インクラン 『独裁者ティラノ・バンデラス』
〈ルリユール叢書〉
衛兵の交代に目を光らす彼の横顔は、司祭の蝶ネクタイをつけ黒いサングラスをかけた髑髏のようだ――。スペイン 〈98年世代〉 の作家バリェ゠インクランが独自の小説技法で描き出した、いびつで歪んだグロテスクな現実世界――ガルシア゠マルケス、フエンテスら世界文学者に継承される〈独裁者小説〉の先駆的作品。本邦初訳。大楠栄三訳
(幻戯書房 4620円)[amazon]

福田理代 『切り剣 福田理代切り絵作品集
切り絵作品 《King of Herrings/リュウグウノツカイ》 のツイートに4万いいねと2万リツイート超えでブレイク。その後 《海蛸子》 でさらに大ブレイクしメディア取材が殺到、その職人芸的世界は海外からも注目を集める福田理代、初めての作品集。
(国書刊行会 2640円)[amazon]

ジョン・マクフィー 『ピュリツァー賞作家が明かす ノンフィクションの技法』
米国で当代随一のノンフィクション作家、名文家と評される著者が執筆にあたっての技術的なノウハウと考え方、そして出版業界の舞台裏を、書き手としての自身の歩みに即して綴ったハウツー本にして自伝的エッセイ。栗原泉訳
(白水社 予価2420円)[amazon]

オーブリー・シャーマン 『ヴァンパイアの教科書 神話と伝説と物語
邪悪な闇の存在でありながら愛と死を投影されてきたヴァンパイア。世界各地の伝説や伝承に基づく起源とともに、見た目のイメージを作った映画、ヴァンパイアが起こしたとされる実際の犯罪、近年のロマンス小説までをも網羅。 元村まゆ訳
(原書房 2200円)[amazon]

ベン・ハバード 『図説 毒と毒殺の歴史』
毒を使った暗殺の歴史は、人間の歴史と同じくらい古い。本書では、クレオパトラ、ボルジア家、サド侯爵といった歴史上の人物から現代のテロリストまで、毒と人間との関わりや、代表的な毒物の作用、効果をフルカラーで解説。上原ゆうこ訳
(原書房 3300円)[amazon]

《幻想と怪奇1 ヴィクトリアン・ワンダーランド 英國奇想博覧會
日本初の幻想文学専門誌 『幻想と怪奇』 (1973-74) が45年を経てここに復活。第一号のテーマは「ヴィクトリアン・ワンダーランド英國奇想博覧會」。技術や交通が大きな変革を迎え、文化が花開いた19世紀後半のイギリスで、自由な想像力を競った作家たちの奇想あふれる小説と、かの時代に夢を馳せる現代作家の作品を掲載。ディケンズ、コリンズ、レ・ファニュ、マッケン、ストーカー、ウェルズ他。目次
(新紀元社 2420円)[amazon]

スティーヴン・レイ 『ハリウッド・ブック・クラブ スターたちの読書風景
ジェームズ・ディーン、マリリン・モンロー、ソフィア・ローレン、ベティ・デイヴィス、サミー・デイヴィス・ジュニア、ハンフリー・ボガート、ローレン・バコール――55枚の写真が映し出す、スターたちの読書風景。
(竹書房 3300円)[amazon]

アレホ・カルペンティエール 『時との戦い』
〈フィクションのエル・ドラード〉
「聖ヤコブの道」「種への旅」「夜の如くに」(国書刊行会版/集英社版収録)に加え、「闇夜の祈禱」「逃亡者たち」「庇護権」の3編を新訳収録し、生前、カルペンティエール本人が編纂した 『短編全集』 を完全再現。鼓直・寺尾隆吉訳
(水声社 2420円)[honto]

ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生アフリカへ行く』
ドリトル先生は動物のことばが話せる、世界でただひとりのお医者さん。でも患者は動物ばかりで、いつも貧乏。ある日、ジャングルのサルの間で広がる、おそろしい伝染病の話を聞き、仲良しのオウム、子ブタ、アヒル、犬、ワニたちと、船でアフリカへむかう。河合祥一郎訳 (角川つばさ文庫版の漢字表記や表現を大人向けに加筆修正)
(角川文庫 484円)[amazon]

ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生航海記』
動物と話せるお医者さん、ドリトル先生。博物学者でもある先生は世界中を探検する。今回は、海をぷかぷか流されていくクモザル島をめざす船の旅。助手のトミー少年やおなじみの動物たちと、謎の大学者ロング・アローを捜すことに。河合祥一郎訳(角川つばさ文庫版の漢字表記や表現を大人向けに加筆修正)
(角川文庫 770円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション心とトラウマ』
意識や精神はどこにあるのか。脳と心は別ものなのか。自分の中に別人がいる感覚や、鏡の中に自分がいる感覚。だれもが持ちうる違和感に焦点をあてる。なにかと生きづらさを感じるこの世の中で、自分の中の道しるべにふと気づける本が満載。
(角川ソフィア文庫 1496円)[amazon]

ジーン・ウルフ 『書架の探偵』
推理作家のクローンとして図書館の書架に住む男スミス。謎を携えた令嬢が彼のもとを訪れて……。巨匠の遺作となったSFミステリ。酒井昭伸訳
(ハヤカワ文庫SF 1210円)[amazon]

エイドリアン・マッキンティ 『ザ・チェーン 連鎖誘拐 上・下
誘拐された娘を救うために、他人の子を誘拐することになった母親を襲う危機また危機!英米ミステリ界で絶賛された超話題作上陸。鈴木恵訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各858円)[amazon]

イーゴル・デ・アミーチス 『七つ目の墓』
偽の墓に名前を書かれた人々が、その通りに残虐な死を遂げていく。清水由貴子訳
(ハヤカワ文庫NV 1298円)[amazon]

龍膽寺雄 『龍膽寺雄 焼夷弾を浴びたシャボテン
〈STANDARD BOOKS〉
戦前、突如文壇から姿を消した小説家は、戦後、サボテンの栽培研究で知られるようになる。サボテンを通じて彼が示した「荒涼の美学」「寂寥の哲学」や独自の科学観を精選。
(平凡社 1540円)[amazon]

平山三郎 『百鬼園先生雑記帳 附・百閒書簡註解
「百閒先生日暦」 「『冥土』の周辺」 ほか、阿房列車でお馴染み〈ヒマラヤ山系〉による随筆と秘蔵書簡への詳細な註解。百鬼園文学の副読本。解説=田村隆一
(中公文庫 990円)[amazon]

和田誠 『装丁物語』
星新一から村上春樹まで――かくも愉しき装丁今昔。そのデザインの源泉は、幅広い好奇心と書物への愛着。 編集者から依頼を受け、ゲラを読み、絵を描き、文字を配し、一冊の本を作り上げるプロセスを詳しく紹介。
(中公文庫 924円)[amazon]

ニコ・ウォーカー 『チェリー』
戦争から帰った青年はなぜ連続強盗犯になったのか。痛々しい青春小説と荒々しい犯罪小説を交錯させて獄中作家が綴ったベストセラー。黒原敏行訳
(文藝春秋 2145円)[amazon]

ロジェ・フリゾン=ロッシュ 『結ばれたロープ』
モンブラン山群の雪と岩と氷、シャモニー谷の緑のなかで展開する若者たちの物語。登攀ガイドの父を事故で失った青年ピエールは、苦悩の末に自らの人生を選び取ろうと氷壁に挑んでゆく。 フランスの登山家作家フリゾン=ロッシュの山岳小説の古典を新訳。石川美子訳
(みすず書房 4180円)[amazon]

スーザン・イーリア・マクニール 『スコットランドの危険なスパイ』
極秘情報を知ったために収容所として使われている孤島に囚われたマギー・ホープ。島には他にも九名が囚われていた。無為な日々を送るたマギーだが、新たな収容者が島にやってきた日から、収容者がひとりずつ謎の死を遂げていく。この島で何が起きているのか? ベストセラー・シリーズ最新刊。圷香織訳
(創元推理文庫 1496円)[amazon]

コリン・ブッチャー 『モリー、100匹の猫を見つけた保護犬』
失踪したネコを専門に探す探偵が存在する。元警部補コリンはペット事件専門の探偵事務所を開いたが、悩ましいのは失踪したネコの捜索だった。コリンは猫を探す優秀な探偵犬を自らの手で育てようと決心、候補犬探しは難航したが、そこで出会ったのが保護犬モリーだった。コリンとモリーのネコ探し探偵業が始まった。杉田七重訳
(東京創元社 1980円)[amazon]

飛鳥高 『細い赤い糸』
連続殺人を繋げる"赤い糸"の秘密とは? 日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)受賞作 『細い赤い糸』(1962) が待望の復刊。受賞コメント 「受賞の決まった日」、著者による書下ろしエッセイも収録。
(論創社 2750円)[amazon]

カリン・スローター 『開かれた瞳孔』
小さな町のレストランのトイレで、大学教授の女性が腹部を十字に切り裂かれて殺害された。偶然、第一発見者となった検死官サラは、迷いのない切創と異様な暴行の痕に戦慄を覚える。しかも犯人は被害者の習慣を熟知した人物に違いない。やがて第二の事件が発生、犯人の影はサラに忍び寄る……。MWA賞受賞作家のデビュー作。北野寿美枝訳
(ハーパーBOOKS 1100円)[amazon]

《MONKEY》 Vol.20 探偵の一ダース
柴田元幸=編集
 今年、没後90年を迎えるアーサー・コナン・ドイルの「ホームズ」シリーズより、短篇「青いザクロ石の冒険」を柴田元幸が新訳。さらに柴崎友香、円城塔、片岡義男、西川美和ら豪華作家陣が「探偵」をテーマにした作品を書き下ろし。表紙イラストレーションは和田誠。内容
(スイッチパブリッシング 1320円)[amazon]

クラウス・コルドン 『ベルリン1919 赤い水兵 上・下
戦争が終わり、皇帝はいなくなった。新しい時代を夢見た人びとは、よりよい明日を求めて戦うが……。1918年から1919年にかけての冬、ベルリンの貧しい地区で育った少年ヘレは、失敗に終わった革命を目撃する。20世紀前半のベルリンを舞台に、激動の時代の転換期を労働者一家の目線でとらえた三部作、第一巻。酒寄進一訳
(岩波少年文庫 各1320円)[amazon]

イーヴリン・ウォー 『回想のブライズヘッド 上・下
(岩波文庫 重版

ギルバート・キース・チェスタトン 『チェスタトン ショートセレクション ブラウン神父 呪いの書』
〈世界ショートセレクション〉
 ホームズのライバルといわれるブラウン神父。その面相に似合わずキレのいい推理が冴え渡る。開いた人が皆消えてしまう 『呪いの書』、残酷な息子の愚かさを描く 『世の中でいちばんおそろしい犯罪』 等5編を厳選。金原瑞人訳
(理論社 1430円)[amazon]

マイクル・コナリー 『レイトショー 上・下
ロス市警本部の強盗殺人課の女性刑事レネイは、班長のセクハラを告発したためにハリウッド分署に飛ばされ、「深夜番組(レイトショー)」と呼ばれる夜勤担当にさせられた。ある夜、受け持ち地域で、空き巣、暴行、クラブでの発砲という三件の事件が起こり、レネイたちは処理に追われる。古沢嘉通訳
(講談社文庫 各968円)[amazon]

佐々木喜善 『遠野奇談』
柳田国男に『遠野物語』を語り伝えた佐々木喜善が、自ら集め自ら綴った、遠野周辺の不思議な話。石井正己編。新装版。
(河出書房新社 1980円)[amazon]

野村胡堂 『銭形平次捕物控 傑作集4 八五郎大変篇
野村胡堂の不朽の名作 『銭形平次捕物控』。娘とみれば岡惚ればかり、いまだ独り身の八五郎が巻き込まれる事件の真相に明神下の平次親分が挑む! 昔も今も何度読んでも面白い、名作シリーズのテーマ別傑作集第4弾。
(双葉文庫 726円)[amazon]

ロマン・ガリ 『凧』
戦後フランスを代表する作家ロマン・ガリが自殺直前に遺した最後の長篇小説。凧揚げ名人を叔父にもつ少年リュドは、ポーランド人の令嬢リラに恋をするが、対ナチス戦によって二人は引き裂かれる。リュドは凧が再び自由に空を舞う日を取り戻すためにレジスタンスへ身を投じるが……。永田千奈訳
(共和国 2970円)[amazon]

マーガレット・ミラー 『鉄の門』
16年前に死亡した親友の夫アンドルーと再婚したルシール。一見平穏な生活の裏で、アンドルーを溺愛する義妹や自分から距離を置く継子たちとの関係に息苦しさを感じていたが、ある日、奇妙な男が家を訪れ、ルシールに小箱を渡して立ち去った。その後、彼女は何も言い残さずに失踪を遂げる。心理ミステリの巧手ミラーの初期傑作が新訳で復活。宮脇裕子訳
(創元推理文庫 1144円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『幕間』
スターリンがムッソリーニが、ヒトラーが台頭しつつあった頃、イギリス内陸の貴族の館で上演される野外劇に集った人々──迫り来る戦争の気配と時代の気分を捉えた遺作の新訳。片山亜紀訳
(平凡社ライブラリー 1540円)[amazon]

ヴィクトール・ユゴー 『レ・ミゼラブル 第三部 マリユス
王党派貴族を祖父にもつ青年マリユス。社会主義に感化され恵まれた身分を捨てた彼は、公園で毎日出会う未知の少女コゼットに惹かれていく。運命の大転機となる出会い。(全5巻) 西永良成訳
(平凡社ライブラリー 1650円)[amazon]

内田百閒/小川洋子編 『小川洋子と読む 内田百閒アンソロジー』
汽車に揺られ、小鳥を愛し、土手をぼんやりと歩く……どこか遠くの現実とすぐそこの幻を行き来するような、百閒先生の作品を小川洋子が編む夢の一冊 。
(ちくま文庫 968円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.99
ネヴァーランドと現実世界で、凄惨な事件を起こした犯人は誰か? 衝撃の結末で贈る、小林泰三 「ティンカー・ベル殺し」 最終回。西澤保彦、奥田亜希子の傑作読み切り。南雲マサキ、第9回創元SF短編賞優秀賞掲載ほか。
(東京創元社 1320円)[amazon]

岩波文庫 春のリクエスト復刊
岡本綺堂 『修善寺物語・正雪の二代目 他四篇』
フランク・ノリス 『死の谷(マクティーグ) 上・下』
ヴィリエ・ド・リラダン 『未来のイヴ 上・下』
アンドレ・ジイド 『法王庁の抜け穴』
フリードリヒ・シルレル 『オルレアンの少女』

全27点

山本幸正 『松本清張が「砂の器」を書くまで ベストセラーと新聞小説の一九五〇年代
〈早稲田大学エウプラクシス叢書〉
清張はいかにして国民的作家になったのか。1960年、讀賣新聞夕刊に「砂の器」連載開始。しかし、清張が超えなければならない壁は三つあった。一つは全国紙の朝刊を占めるベテラン作家たち。残る二つとは……。 かつて絶大な影響力を持った新聞小説と作家の深い関係に迫る。
(早稲田大学出版部 4400円)[amazon]

エリザベス・フェラーズ 『亀は死を招く』
〈論創海外ミステリ〉
戦争未亡人のシーリアは、夫との思い出の地、フランスのマレット村を訪れた。盛大なお祭りの最中、宿泊するホテルの客が殺害される事件が発生。亀の盗難、カフェのオーナーの失踪、密入国仲介組織の暗躍と不可思議な出来事が相次ぎ、シーリアも事件に巻き込まれていく。ノン・シリーズ長編第5作。稲見佳代子訳
(論創社 2750円)[amazon]

ドメニック・スタンズベリー 『白い悪魔』
私は二度結婚した。そして、夫は二人とも死んでしまった──。故郷アメリカを離れ、ローマで暮らす若手女優とその兄。彼らは名門出身の政治家と有名女優の夫妻に惹かれて近づくが……。ルネサンス期の戯曲をもとにエドガー賞受賞作家が描きだす傑作ノワール。真崎義博訳
(ハヤカワ・ミステリ 2090円)[amazon]

『SFが読みたい! 2020』 SFマガジン編集部編
年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2020年の各出版社のSF書籍刊行予定、SF関連書籍&DVD目録などでおくる、恒例のガイドブック最新版。特別企画「2010年代ベストSF」も掲載。
(早川書房 946円)[amazon]

ジャニーン・カミンズ 『夕陽の道を北へゆけ』
アカプルコで書店を営むリディアの幸せな日々は、カルテルのボスの差し金で家族16人を殺され、崩壊した。彼女は、生き残った幼い息子ルカを連れ、メキシコを縦断してアメリカを目指すことを決意する──過酷な運命の中で、明日を信じて進み続ける人々を描く。宇佐川晶子訳
(早川書房 3410円)[amazon]

ヨルン・リーエル・ホルスト 『警部ヴィンスティング カタリーナ・コード』
ノルウェー南部の小都市、ラルヴィク警察のヴィスティング警部が、謎の失踪を遂げたカタリーナ・ハウゲンの行方を追い始めて24年がたっていた。ある日来訪したオスロの国家犯罪捜査局未解決事件班の捜査官スティレルは、カタリーナ事件の2年前に起きた別の誘拐事件の再捜査を始めていた。事件は殺人事件と見なされ、その最重要被疑者として名前が挙がったのがカタリーナの夫マッティン・ハウゲンだった……。中谷友紀子訳
(小学館文庫 1100円)[amazon]

レミギウシュ・ムルス 『あの日に消えたエヴァ』
十年前、プロポーズ直後に暴漢に襲われたエヴァとヴェルネル。目の前でレイプされたエヴァはそのまま失踪した。絶望の日々を送るヴェルネルは、偶然フェイスブックで見つけた彼女の写真を手がかりに捜索を始める……。ポーランドのベストセラー作家によるスリラー。佐々木申子訳
(小学館文庫 1100円)[amazon]

『ベスト・プレイズII 西洋古典戯曲13選西洋比較演劇研究会編
演劇を学ぶ学生と演劇愛好家の座右の書として版を重ねてきた 『新訂ベスト・プレイズ 西洋古典戯曲12選』 (2011) の続編。古代ギリシア悲劇 『アンティゴネ』 から現代イタリア演劇 『作者を探す六人の登場人物』 まで、演劇を学ぶ上で「基本中の基本」ともいうべき13作を選定。内容
(論創社 4620円)[amazon]

江坂遊選 『猫の扉 猫ショートショート傑作選
古今東西の猫にまつわる名作から選びぬいた珠玉の掌編30編+α。星新一、筒井康隆、小松左京、スレッサー、ブラウンといったショートショートの代表的作家から、ヘミングウェイら文豪の名作、有名童話、コミックまで。
(扶桑社文庫 990円)[amazon]

土方正志 『瓦礫から本を生む』
解散寸前、社員3人の出版社へ届いたのは、作家、書店、そして読者からの激励の声だった。3.11の絶望に立ち向かった感動の記録。
(河出文庫 1078円)[amazon]

二階堂奥歯 『八本脚の蝶』
25歳、自らの意志でこの世を去った女性編集者による約2年間の日記。誰よりも本を物語を言葉を愛した彼女の目に映る世界とは。文庫化。
(河出文庫 1320円)[amazon]

スティーヴン・キング 『ファインダーズ・キーパーズ 上・下
多額の現金と幻の原稿を拾った貧しい少年。それは出所したばかりの強盗の盗んだものだった。少年を守るため元刑事たちが立ち上がる。 白石朗訳
(文春文庫 各968円)[amazon]

二階堂卓也 『日本映画裏返史』
多羅尾坂内・ゴジラ・変身人間・大映怪奇映画・忍法映画・マイトガイ・乱歩映画・ゲイシャ映画……東映・東宝・松竹・日活・大映、映画5社の代表的作品を扱う本書は、同時代に「映画」を見続けてきた著者の面目躍如。小川徹的「裏目読み」ともいえるタクヤの「裏返」し的映画批評。目次
(彩流社 3300円)[amazon]

『平林初之輔・佐左木俊郎 ミステリー・レガシー山前譲編
江戸川乱歩が戦時統制下に筆を折っていたように、ミステリーは自由で民主的な社会でしか発展できない。探偵小説が一般に普及したのも大正デモクラシーの風潮と無縁ではなく、そんな新しい時代に書かれたプロレタリア文学運動の理論家・平林初之輔と、農民文学の旗手・佐左木俊郎のミステリーは、長い時を経ても決して色褪せることのない輝きを放っている。
(光文社文庫 946円)[amazon]

マルクス、エンゲルス 『共産党宣言』
マルクスとエンゲルスが共同執筆し、1848年の二月革命直前に発表。その後のプロレタリア運動の指針となった「世界を変えた文書」。共産主義の勝利と人間の解放が歴史の必然であると説く。各国版序文とそれに関する二人の手紙 (抜粋)付き。森田成也訳
(光文社古典新訳文庫 1144円)[amazon]

ジークムント・フロイト 『モーセと一神教』
ファシズムの脅威のなか書き上げられたフロイトの「遺著」。ユダヤ教の成立とキリスト教誕生の間に隠された謎を、「原父殺害」「潜伏期」「抑圧されたものの回帰」といった精神分析の理論を援用して解読する。中山元訳
(光文社古典新訳文庫 1166円)[amazon]

ジャック・ケッチャム 『オフシーズン』
メイン州の避暑地へニューヨークからやってきた六人の男女。全員が到着した晩に事件は勃発した。当地に住む“食人族"が六人に襲いかかったのだ。“食人族"対“都 会族"の凄惨な死闘が開始する。ケッチャムのデビュー作、待望の復刊。金子浩訳
(扶桑社文庫 990円)[amazon]

H・G・ウェルズ 『ポリー氏の人生』
〈エクス・リブリス・クラシックス〉
「SFの父」 ウェルズが自身の青少年時代を投影し、下層中産階級の苦悩をコミカルに描く。作家自ら、最愛の作品と認める自伝的長篇。本邦初訳。 高儀進訳
(白水社 3300円)[amazon]

ナナ・クワメ・アジェイ=ブレニヤー 『フライデー・ブラック』
現代に生きるアフリカ系アメリカ人につきまとう暴力と理不尽さを描いて鮮烈な印象を残す「フィンケルスティーン5」、大量消費社会のグロテスクな姿をホラー的感覚でブラックユーモアたっぷりに描いた表題作 「フライデー・ブラック」などの短編、全12編を収録。押野素子訳
(駒草出版 2420円)[amazon]



▼1月刊

スカイ・アレクサンダー 『妖精の教科書 神話と伝説と物語
妖精はいたずら好きで気まぐれで裏切りも得意、人を助けることもあれば死に誘うこともある。ルールに縛られない自由さと危うさは、太古から人を惹きつけてきた。世界各国に存在するさまざまな性質の妖精を紹介、妖精の目撃談も収録。白須清美訳
(原書房 2200円)[amazon]

生賴範義 『生賴範義画集 〈狼男達〉』
生賴範義と平井和正による迫力の画集企画第2弾。「ウルフガイ」シリーズを中心とした初版限定300部の特装本。
復刊ドットコム 27,500円)[amazon]

クリストファー・モーリー 『取り憑かれた本屋』
1918年冬、ブルックリンの奇妙な古本屋を舞台にした探偵小説&ラブストーリー。趣味の料理をこよなく愛する本マニアの書店主とその妻、ちょっと慌て者の広告屋の若者、美しい社長令嬢、勇敢で賢いテリア犬など、愛すべきキャラクターたちが国際犯罪に立ち向かう。アメリカの古典探偵小説(1919年刊)。龍居龍昌訳
(NextPublishing Authors Press/オンデマンド出版 2200円)[amazon]

ウージェーヌ・イヨネスコ 『ベスト・オブ・イヨネスコ 授業/犀 新装版
ベケットとともに不条理演劇の双璧をなすイヨネスコの、コミカルでグロテスクな名作集。表題作のほか、『禿の女歌手』『椅子』『アルマ即興』『歩行訓練』を収める。安藤信也・木村光一他訳
(白水社 3960円)[amazon]

キム・ヨンス 『夜は歌う』
〈韓国文学セレクション〉
現代韓国を代表する作家キム・ヨンスが、満州国が建国された1930年代の北間島を舞台に、愛と革命に引き裂かれ、国家・民族・イデオロギーに翻弄された若者たちの不条理な生と死を描いた長篇。橋本智保訳
(新泉社2530円)[amazon]

マティアス・ボーストレム 『〈ホームズ〉から〈シャーロック〉へ
 偶像を作り出した人々の物語
『緋色の研究』 (1886) からBBCドラマ 『シャーロック』 (2010~) にいたるまで、世界中の人々はホームズをいかに受容してきたか、130年に及ぶ歴史をシャーロッキアンが徹底研究。熱狂的シャーロッキアンとコナン・ドイル遺族の対立の歴史、各種関連団体の立ち上げ、映画・演劇・テレビ化作品などを多角的に論じ、著名シャーロッキアンの活動も網羅した一冊。 ないとうふみこ・中村久里子訳/平山雄一監訳
(作品社 6380円)[amazon]

柴田元幸 『ぼくは翻訳についてこう考えています 柴田元幸の意見100』
アメリカ文学者・翻訳家、柴田元幸の著作、インタビュー、対談、講演、ラジオ番組、東京大学での講義等から、翻訳にまつわる選り抜きの 「いい言葉」 を100個収めた語録集。 翻訳とはどういう行為か、ぼくの翻訳手法、翻訳を仕事にするとは、翻訳の教え方、村上春樹さんとのお仕事、若い人たちへのメッセージなど、計7章に分けて収載。
(アルク 1760円)[amazon]

シーグリッド・ヌーネス 『友だち』
誰よりも大切な男友だちを失った女性作家と、主を喪くした巨大な老犬。静かな看取りの時間の中で人生の意味を問う全米図書賞受賞作。村松潔訳
(新潮クレスト・ブックス 2200円)[amazon]

萬屋健司 『ヴィルヘルム・ハマスホイ 静寂の詩人
近年欧米や日本で回顧展が開かれ再評価の気運が高まるデンマークの画家ハマスホイ。静謐な、詩情溢れる画風が印象的な孤高の芸術世界を、二十年来の研究者が紹介する、日本初の本格的画集。
(東京美術 2530円)[amazon]

泉鏡花 『銀燭集』 澁澤龍彦編
〈澁澤龍彦 泉鏡花セレクション〉
澁澤龍彦生前に企画されながらも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。 第2巻は「眉かくしの霊」「海神別荘」「黒百合、沼夫人」「髯題目」「幻往来」「蠅を憎む記」「龍潭譚」「玄武朱雀」「ささ蟹」「薬草取」の全11篇を収録。
(国書刊行会 9680円)[amazon]

アンナ・カヴァン 『草地は緑に輝いて』
破壊を糧に蔓延る、 無数の草の刃。氷の嵐、炎に縁取られた塔、雲の海に浮かぶ高楼都市(ハイシティ)――中期の短篇集 A Bright Green Field (1958)。安野玲訳
(文遊社 2750円)[amazon]

キャサリン・バーデキン 『鉤十字の夜』
西暦26XX 年。19XX 年の世界最終戦争で圧勝したナチス・ドイツが「神聖ドイツ帝国」を樹立して、「日本帝国」と世界の覇権を争う時代。女性は産む機械としてゲットーに収容されるなか、従属民族のアルフレッドは帝国開闢の真相を物語る禁書を手にした……。1937 年にイギリスで刊行され、ナチスのみならず、男性中心社会を痛烈に批判したフェミニスト・ディストピア小説。日吉信貴訳
(水声社 2750円)[honto]

アーシュラ・K・ル=グウィン 『暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて ル=グウィン・エッセイ集
美しい自然や動植物、文学、音楽から、軍服、罵り言葉、愛猫パードまで。「アメリカSFの女王」 が自らの人生経験をふまえて繊細かつ奔放に綴った2010年代のエッセイを集成。 谷垣暁美訳
(河出書房新社 2640円)[amazon]

『旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより国立映画アーカイブ監修
1951年、ヴェネチア国際映画祭の 『羅生門』 金獅子賞受賞以来、世界の映画界を席巻してきた《クロサワ》。監督デビュー作 『姿三四郎』 から遺作 『まあだだよ』 まで、欧米諸国からアジア各国など世界30か国のデザイナーや画家たちが制作した黒澤映画海外版ポスター82点をオールカラーで集大成。
(国書刊行会 2860円)[amazon]

『ヴィルへルム・ハマスホイ 沈黙の絵画
〈コロナ・ブックス〉
「北欧のフェルメール」 と呼ばれ、熱烈なファンをもつハマスホイ。謎めいた室内画を描き続けた画家の代表作を一挙掲載。佐藤直樹監修。
(平凡社 2200円)[amazon]

ケイト・フォックス 『さらに不思議なイングリッシュネス 英国人のふるまいのルール2
老若男女、あらゆる階級のイギリス人の行動と会話を人類学の参与観察の手法で観察・分析、隠れたふるまいのルールを導き出したベストセラー 『イングリッシュネス』 の後半である本書は、ルールがさまざまな場でどう発動されるかを徹底検証。「最も奇妙で最もわけのわからないイギリス人という部族」 の 〈らしさ〉 の決め手満載のイギリス文化・イギリス人論。北条文緒・香川由紀子訳
(みすず書房 3960円)[amazon]

マーク・トウェイン 『アダムとイヴの日記』
この世で最初の男女アダムとイヴが日記をつけていた! 男女の心情のすれ違いと、愛の本質を描いた永遠の名著。最後の一行は必読。大久保博訳
(河出文庫 858円)[amazon]

ピエール・アド 『イシスのヴェール 自然概念の歴史をめぐるエッセー』
〈叢書ウニベルシタス〉
「自然は隠れることを好む」。ヘラクレイトスの謎の箴言から、25世紀にわたる西洋世界の自然探究が始まる。慎しみ深く身を隠す女神の真の相貌をめぐって、古代哲学から中世の神秘主義、ルネサンス以降の機械論的世界観からゲーテ、ニーチェやハイデガー、そして現代科学にいたるまで人間の知が繰り広げてきた思索の営みの物語。フーコーの信頼厚かったフランスの古典学者アド、初の邦訳。小黒和子訳
(法政大学出版局 5500円)[amazon]

岩田準一 『彼の偶像 岩田準一作品集
『本朝男色考』 『男色文献書志』 の男色風俗研究家、江戸川乱歩の盟友、竹久夢二の弟子という様々な顔を持つ岩田準一の小説を中心に集めた作品集。
盛林堂ミステリアス文庫 2500円)

《ミステリマガジン》 3月号
特集=シャーロック・ホームズは何度でも蘇る
(早川書房 1320円)[amazon]

イ・ギホ 『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』
必死で 情けなくて まぬけな 愛すべき 「私たち」。親切も罪も恥も丸ごと抱えて生きていく「人間」を、やさしい共感をこめて描き出す。韓国文学の旗手による傑作短編集。斎藤真理子訳
(亜紀書房 1870円)[amazon]

アンドリュー・メイン 『生物学探偵セオ・クレイ 街の狩人』
街に潜んで殺人を繰り返す〝おもちゃ男〟の存在を察知したセオは、その正体を追うことに。生物学探偵の暴走気味の大活躍を見よ。唐木田みゆき訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1034円)[amazon]

陳楸帆 『荒潮』
電子ゴミまみれの中国南東部の島、シリコン島。ゴミから資源を探し出す "ゴミ人" の米米の運命は、環境調査のため島に上陸したブランドルと開宗、そして島を仕切る御三家を巻きこんで大きく狂っていく。『三体』 劉慈欣激賞、中国SFの超新星が放つデビュー作。中原尚哉訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 1980円)[amazon]

ジョージ・R・R・マーティン 『七王国の騎士』
ターガリエン家が〈鉄の玉座〉に座る時代、数奇な運命を背負う騎士ダンクと従者エッグの冒険を描く〈氷と炎の歌〉シリーズ短篇集。酒井昭伸訳
(ハヤカワ文庫SF 1760円)[amazon]

スティーブン・R・バウン 『青狐の島 世界の果てをめざした挑んだベーリングと史上最大の科学探検隊
ベーリングとカムチャッカ探検隊によるシベリアへの陸路開拓、苦難する三千人の一行、アメリカ北岸への航海、壊血病……約十年間の生死を賭けた果敢な戦いを描く。世界の果てをめざした男たちの物語。小林政子訳。内容
(国書刊行会 3520円)[amazon]

入江哲朗 『火星の旅人 パーシヴァル・ローエルと世紀転換期アメリカ思想史
ハーヴァード大学の興隆に寄与した名門ローエル家に生まれたパーシヴァル。詩文をよくし、科学的知性を携えた青年は19世紀末アメリカの知識階級の伝統と逸脱に揺れ動きながら、日本へ渡る。ラフカディオ・ハーンにも読まれたジャパノロジストの足跡と、ラヴクラフトのクトゥルー神話に接続する“観測"という想像力を追う、新たなるアメリカ思想史。
(青土社 3520円)[amazon]

テーオドール・シュトルム 『従弟クリスティアンの家で 他五篇
〈ルリユール叢書〉
地上の暗さと夜空の暗い深淵との間には、解きがたい謎をはらんで微睡んでいる人間の生が横たわっていた。抒情から叙事へ――詩的写実主義の作家シュトルムの転換期を代表する人間個人の心理に肉迫する表題作ほか、「三色すみれ」「人形つかいのポーレ」「森のかたすみ」「静かな音楽家」「荒野の村」五つの短篇小説を収録。岡本雅克訳
(幻戯書房 4290円)[amazon]

矢部潤子 『本を売る技術』
本屋の仕事にはすべて道理がある。書店員の多岐にわたる仕事が、取引や流通のことから、売場作り、平積みの仕方、平台の考え方、掃除やPOPの付け方にいたるまで、具体的・論理的に語られる。本を売る人はもちろん、買う人が読んでも面白い、ますます本屋が好きになる書店員の知恵と工夫。
(本の雑誌社 1760円)[amazon]

フレデリック・フォーサイス 『キル・リスト 上・下
ホワイトハウス内に存在する極秘の〈暗殺リスト〉に、ネットでテロを扇動する狂信的イスラム主義者〈説教師〉が新たに加えられた。各国諜報機関や秘密組織、そして天才ハッカーを巻き込み、圧倒的リアリティで描く、戦慄の国際謀略サスペンス。黒原敏行訳
(角川文庫 各946円)[amazon]

ナターリヤ・ソコローワ 『旅に出る時ほほえみを』
《人間》が怪獣をつくりだした。合金の骨格に緑色の人工血液、生肉を動力源とする鉄製の怪獣17Pは、前肢の鑿岩機で地中を進み、また拙いながら人間のことばも話した。怪獣を創造した科学者、《人間》は自ら怪獣に乗りこみ、地下潜行試験を繰り返していた。一方、市内で発生したストライキを鎮圧した国家総統は独裁体制を推し進めていく。「旅に出る時ほほえみを・・・」 金属製の怪獣の歌う声が心に響く、現代のおとぎ話。草鹿外吉訳
(白水Uブックス 1980円)[amazon]

木原善彦 『アイロニーはなぜ伝わるのか?』
「言いたいことの逆を言う」 アイロニーがどうして相手に伝わるのかという問題を考え、加えて現実を相対化するための、知的な 「武器としてのアイロニー」 の可能性も示す。
(光文社新書 858円)[amazon]

ロドリゲス・デ・モンタルボ 『エスプランディアンの武勲 続 アマディス・デ・ガウラ
コンスタンチノープル防衛のための異教徒トルコ軍との戦い――天下無敵の父アマディス・デ・ガウラの子 「コンスタンチノープル皇帝エスプランディアン」 の波瀾万丈の世界を描く古典的名書。スペイン版「騎士道物語」 『アマディス・デ・ガウラ』 の続編。岩根圀和訳
(彩流社 5500円)[amazon]

レイフ・G・W・ペーション 『見習い警官殺し 上・下
被害者の名はリンダ、警察大学の学生。強姦されたうえ絞殺されていた。県警は国家犯罪捜査局の特別殺人捜査班に応援を要請する。それに応じて派遣されたベックストレーム警部率いる捜査チームは早速捜査を開始する。英国ペトローナ賞受賞。『許されざる者』 著者の最新シリーズ。
(創元推理文庫 各1144円)[amazon]

泡坂妻夫 『奇術探偵 曾我佳城全集 上・下
若くして引退した、美貌の奇術師・曾我佳城は、不可思議な事件に遭遇する度に、奇術の種明かしのごとく、鮮やかに謎を解く名探偵でもあった。殺人事件の被害者が死の間際、天井に貼りつけたトランプの意味を解き明かす 「天井のとらんぷ」。弾丸受け止め術で本物の銃が使用された事件の謎を追う 「消える銃弾」。”足跡のない殺人”の謎を解く 「ミダス王の奇跡」。佳城の夢であった奇術博物館〈佳城苑〉にて悲劇が起こる、最終話 「魔術城落成」 など、珠玉の名編を集成。
(創元推理文庫 1210円/1320円)[amazon]

マーセル・セロー 『極北』
極限の孤絶状態に陥り、 酷寒の迷宮に足を踏み入れた私の行く手に待ち受けるものは―― 最初の1ページを読み始めたら、決して後戻りはできない。予断を揺るがし、世界の行く末を見透かす、強靱なサバイバルの物語。この危機は、人類の未来図なのか。村上春樹訳
(中公文庫 946円)[amazon]

ペーター・ハントケ 『不安 ペナルティキックを受けるゴールキーパーの……』
かつてサッカーのゴールキーパーだったヨーゼフ・ブロッホは勤め先の工場を解雇され、町をうろつくなかで衝動的に殺人を犯す。しかし、日々は淡々と続いていく。不安におののく人間心理が魅惑的に描かれた、ペーター・ハントケ(2019年ノーベル文学賞受賞)の初期代表的小説。羽白幸雄訳。復刊
(三修社 1980円)[amazon]

原克 『騒音の文明史 ノイズ都市論
寺の鐘、拍子木、サイレン、ラジオ……。19世紀末~20世紀前半の東京を舞台に、さまざまなメディアに表出した庶民の織りなす音風景を、ヨーロッパ思想の援用を踏まえて博捜。騒音の歴史を通して日本の近代をあぶりだす。
(東洋書林 4180円)[amazon]

『ビジュアル版 日本の妖怪百科 普及版岩井宏實監修
鬼、天狗、コナキ爺、河童、化け猫、ザシキワラシ……古来描かれてきた妖怪画の数々とともに、伝承や古典文学に現れたもののけの世界を探る。2015年刊をソフトカバーにした新装・普及版。
(河出書房新社 2970円)[amazon]

佐藤卓己 『『キング』 の時代 国民大衆雑誌の公共性
日本で初めて発行部数100万部を達成し、雑誌の黄金時代を築いた大日本雄辯會講談社の伝説的雑誌 『キング』。同時代のメディア環境全体のなかでこの国民大衆誌の意味を捉え直し、戦時体制下において 「雑誌王」 野間清治と 「講談社文化」 とが果たした役割を解き明かしたメディア史研究の金字塔。
(岩波現代文庫 1936円)[amazon]

『ガラン版 千一夜物語 4』
王の命で買った賢く美しい女奴隷と宰相の息子の話、ペルシア王と海の王女との間に生まれた王子と海の王国サマンダルの王女との縁談をめぐる話、ダマスの商人の息子がカリフお気にいりの貴婦人を助ける話、バスラの王子が父王の死後,夢に見た老人の導きでジンの王に会い様々な冒険をする話など、不思議な物語の数々が語られる。西尾哲夫訳
(岩波書店 3850円)[amazon]

『中島河太郎著作集 上』
江戸川乱歩の薫陶を受けた推理小説研究の第一人者が書誌学者としての腕前を存分に揮った『日本推理小説辞典』と『海外推理作家事典』を一冊に合本。推理小説研究の基礎文献、待望の復刊。文学、書誌学、民俗学に精通した碩学の集大成、第1巻。中嶋淑人編
(論創社 6600円)[amazon]

ジェシカ・バリー 『墜落 フリーフォール
ロッキー山脈で小型自家用飛行機が墜落、パイロットは即死し、同乗者のアリソンひとりが生き残った。彼女は機内にあった救急セットをバックパックに突っ込んで、急ぎ現場を離れた。山を越え平地を目指し、東へと移動するアリソン。彼女は何かから逃げていた。一方、アリソンの母マギィは搭乗者の生存は絶望的と告げられるが信じられず、独自に事故の調査を始める……。法村里絵訳
(集英社文庫 1320円)[amazon]

有栖川有栖(文)・市川友章(絵) 『おろしてください』
〈怪談えほん〉
裏山を探検していた「ぼく」は、道に迷って歩きまわるうちに、小さな駅を見つけた。そこへやってきた列車に乗り込んだ「ぼく」の目に飛びこんで来たものは……。有栖川有栖と市川友章が描く、悪夢の列車がはしり出す。編集=東雅夫
(岩崎書店 1650円)[amazon]

高遠弘美 『物語 パリの歴史』
どの街角を歩いても歴史に出会う街、パリ。その尽きせぬ魅力を物語風に活写する。第1部はパリの誕生から現在まで、2000年以上にわたるその歴史を30の章に分けて紹介。第2部は、パリの様々な横顔を連想風につづる。旅行ガイドにもおすすめ。
(講談社現代新書 1100円)[amazon]

オウィディウス 『ヘーローイデス ギリシア神話の女性たち
書名の 「ヘーローイデス」 はヒロインのこと、所謂 『名婦の書簡』。ギリシア神話に登場する女性が良人や恋人に宛てた手紙21歌。それぞれの神話の結末を暗示する内容。高橋宏幸訳
(平凡社ライブラリー 1870円)[amazon]

ヴィクトール・ユゴー 『レ・ミゼラブル 第二部 コゼット
フランス・ロマン主義文学に燦然と輝く金字塔の新訳決定版全5冊。脱獄後、本巻ではいよいよジャン・ヴァルジャンがコゼットを救い出す。西永良成訳
(平凡社ライブラリー 1650円)[amazon]

ディーノ・ブッツァーティ 『怪物』
謎のメッセージを残し、地球の周りを回りつづける人工衛星の乗組員が見たものとは?…… 「一九五八年三月二十四日」、古代エジプト遺跡の発掘現場で起きた奇跡と災厄を描く 「ホルム・エル=ハガルを訪れた王」、屋根裏部屋でこの世のものとは思われない生き物に遭遇した家政婦兼家庭教師の娘が不安と疑念にからめとられてゆく 「怪物」 など、全18篇。幻想と寓意とアイロニーが織り成す未邦訳短篇集第三弾。長野徹訳
(東宣出版 2420円)[amazon]

フレドリック・ブラウン 『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 すべての善きベムが
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手フレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第2巻には 「闘技場」 「ノック」 などSF黄金期の傑作15編を収録。安原和見訳
(東京創元社 3850円)[amazon]
アンドレアス・フェーア 『突破口 弁護士アイゼンベルク
凄腕の女性弁護士アイゼンベルクは、映画プロデューサーのユーディットから弁護を依頼される。ログハウスに爆弾を仕掛け、滞在していた恋人を遠隔操作で爆殺した容疑で逮捕されたというのだ。ユーディットは無実を主張するが、自宅からは爆弾と起爆装置が発見される。鋭い洞察力と行動力を武器に奔走する敏腕弁護士の活躍を描く、一気読み必至のエンターテインメント。酒寄進一訳
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

シャンナ・スウェンドソン 『魔法使いのウエディング・ベル (株)魔法製作所』
MSIに入社して以来、さまざまな任務を全うしてきたが、このミッションほど緊張したことはない。愛するオーウェンとの結婚式のために、ウェディングドレスのセールで、お気に入りの一着を手に入れるのだ。ところが、会場で魔法を使ったいざこざが発生。大人気シリーズ、ついにフィナーレ。今泉敦子訳
(創元推理文庫 1210円)[amazon]

ローレンス・オズボーン 『ただの眠りを』
フィリップ・マーロウも72歳。探偵はとっくに引退、ホテルのテラスでマルガリータを飲み、カードを楽しむ日々を送っている。保険屋を名乗る怪しげな男たちの依頼で十年ぶりに仕事に復帰するが、なぜ今になって彼に仕事が……。新鋭が描く、1988年のマーロウ譚。田口俊樹訳
(ハヤカワ・ミステリ 1870円)[amazon]

レイモンド・チャンドラー 『水底の女』
私立探偵フィリップ・マーロウは、香水会社の社長から行方知れずの妻の安否を確認してほしいと頼まれるが……。旧題 『湖中の女』。村上春樹訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1188円)[amazon]

レオポルド・ルゴーネス 『アラバスターの壺/女王の瞳 ルゴーネス幻想短編集
エジプトの古代墳墓に仕組まれていた〈死の芳香〉。その香りを纏い、関わる男性たちが自死を遂げていく女性の正体は? 博物学的で多彩なモチーフを、人間の原初的な衝動が駆動していくような、近代アルゼンチンを代表する作家の幻想的作品集。大西亮訳
(光文社古典新訳文庫 1166円)[amazon]

レフ・トルストイ 『戦争と平和1』
19世紀初頭のナポレオン戦争の時代を舞台に、ロシア貴族の興亡からロシアの大地で生きる農民に至るまで、国難に立ち向かう人びとの姿を描いたトルストイの代表作。「あらゆる小説の中でもっとも偉大な作品」(モーム)と呼ばれる一大叙事詩。望月哲男訳
(光文社古典新訳文庫 1188円)[amazon]

メアリー・ビアード 『舌を抜かれる女たち』
メドゥーサ、ピロメラ、ヒラリー・クリントン、テリーザ・メイ……。歴史上長らく、女性たちは公の場で語ることを封じられ、発言力のある女性は忌み嫌われてきた。古代ギリシア・ローマ以来の文芸・美術をひも解くと、見えてくるのは現代社会と地続きにあるミソジニーのルーツ。軽やかなウィットとともに西洋古典と現代を縦横無尽に行き来しながら、女性の声を奪い続けている伝統の輪郭をあぶり出す。宮﨑真紀訳
(晶文社 1760円)[amazon]

『ワールドブックデザイン』
世界中から厳選した優れた装丁、造本、製本100事例。全世界からこだわりぬいた装幀、製本、造本のブックデザインを集めたリファレンス集。詳細スペックや図解とともに、各デザイナーのコンセプトや狙いをあますところなく公開。小林功二 監修/石田亜矢子訳
(グラフィック社 4290円)[amazon]

南條竹則 『ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚
英国怪談の第一人者であり、古典に精通する著者が、英国・アイルランドの奇妙な物語を厳選して紹介。人の死を予言する屍蝋燭や音声妖怪、黒い犬の話、海の妖精。衒学的な怖さとユーモアに満ちた奇想天外な随筆集。
(KADOKAWA 3080円)[amazon]

スタニスワフ・レム 『完全な真空』

『新しい宇宙創造説』、『ロビンソン物語』、『誤謬としての文化』など、<存在しない書物>をユーモラスに読み解く究極の書評集。沼野充義他訳
(河出文庫 1375円)[amazon]

ジェイムズ・ヒルトン 『失われた地平線 新装版
行方不明の飛行機は、不老不死の人々が住む最後の楽園、シャングリラに不時着した。冒険小説の世界的代表作が新装復刊。
(河出文庫 935円)[amazon]

志村有弘編 『諸国山峡奇談』
古代から近代まで、諸国の山野に伝わる怪異譚、不思議な話、奇妙な話を多数蒐集し、現代語訳でお届けする。僧や、旅人、木こり、山人など、登場人物も多彩。知られざる話も多数収録。
(河出文庫 836円)[amazon]