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ペク・スリン 『惨憺たる光』
〈Woman's Best 9 韓国女性文学シリーズ〉
苦しみが癒えることはなく、孤独を抱え、それでも、日々、生きていかなければならない。光と闇、生と死。心は彷徨いながら揺れ動く。心のよるべなさを丁寧に掬いあげた初邦訳作家の短編集。カン・バンファ訳
(書肆侃侃房 1944円)[amazon]

ジェフリー・チョーサー 『トロイルスとクリセイデ』
『カンタベリー物語』で知られる中世イギリスの詩人ジェフリー・チョーサーが、ギリシアのトロイ戦争に想を得て完成させた物語詩。松下知紀訳
(彩流社 6480円)[amazon]

フェリスベルト・エルナンデス 『案内係 ほか』
〈フィクションのエル・ドラード〉
暗闇で目が光る能力を手にした語り手が密かな愉しみに興じる表題作、嘘泣きで驚異的な売上を叩き出す営業マンの話 「ワニ」、水を張った豪邸でひとり孤独に水と会話する夫人を幻想的な筆致で描く 「水に沈む家」 など、幻想とユーモアを交えたシニカルな文体で物語を紡ぎ、コルタサルらに称賛されたウルグアイの奇才エルナンデスの傑作短篇集。浜田和範訳
(水声社 3024円)[honto]

セース・ノーテボーム 『サンティアゴへの回り道』
聖地サンティアゴを目指す 「私」。度重なる回り道と彷徨の果てに彼は、スペインの歴史・風土・宗教・物語の坩堝、茫漠たる時空間の襞へと絡めとられていく。オランダ人作家の幻想的旅行記。吉田宣二訳
(水声社 4320円)[honto]

パスカル・キニャール 『音楽の憎しみ』
〈パスカル・キニャール・コレクション〉
音楽という暴力、音楽という闇。ギリシャ神話、ホロコースト、文学的題材を逍遥しながら、心を魅了し、呪縛し、引き裂く音楽を人類の初源から問う、孤高の思索/詩作。博多かおる訳
(水声社 3456円)[honto]

ジョン・グリシャム 『危険な弁護士 上・下
アメリカの大都市で開業中の“無頼の弁護士”セバスチャン・ラッド。目下、幼女二人の暴行殺害容疑で逮捕された少年を弁護中。彼には、他の弁護士がやらないヤバイ事件の被告を弁護する仕事ばかり集まってきて……。白石朗訳
(新潮文庫 各767円)[amazon]

ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生航海記』
イギリスの小さな水辺の町パドルビーに住む少年トミー・スタビンズは、動物の言葉が話せる博物学者ドリトル先生に出会った。先生と動物たち、スタビンズ少年の心躍る冒険の旅が始まる。生物学者福岡伸一による新訳。
(新潮文庫 767円)[amazon]

ローベルト・ゼーターラー 『ある一生』
吹雪の白い静寂のなかに消えていったあの光景。20世紀の時代の荒波にもまれ、誰に知られるともなく生きたある男の生涯が、なぜこんなにも胸に迫るのだろう。現代オーストリア文学の名手が紡ぐ恩寵に満ちた物語。浅井晶子訳
(新潮クレスト・ブクス 1836円)[amazon]

ジャスパー・フォード 『雪降る夏空にきみと眠る 上・下
人間が年に数か月冬眠するようになった世界。なかには途中で餓死したり、人肉を食べるナイトウォーカーになる者もいる。チャーリーは冬眠中の人々の安全を守る冬季取締局の見習いに選ばれるが、初仕事で護送中のナイトウォーカーを盗まれ、次々と事件に巻き込まれていく。桐谷知未訳
(竹書房文庫 各1080円)[amazon]

『ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ』
「箱のアーティスト」として知られるジョゼフ・コーネル(1903-1972)の、国内では1992-93年以来となる大規模個展の公式図録。
(フィルムアート社 3780円)[amazon]

サキ 『ウィリアムが来た時』
ドイツによる支配が始まってから数ヶ月。バッキンガム宮殿にはドイツ国旗がはためき、ロンドンはすっかり様変わりした。ドイツ帝国に支配された架空のロンドンを舞台としたディストピア歴史IF群像劇。短篇の名手サキの長篇小説、本邦初訳。深町悟訳
(国書刊行会 2520円)[amazon]

若島正 『盤上のフロンティア 若島正詰将棋新作品集
最高の詰将棋作家の最新決定版。双玉、逃げ駒、回収手筋……新境地100作を詳細解説。詰将棋解答選手権出題作多数。解説=行方尚史
(河出書房新社 2700円)[amazon]

スティーヴン・ミルハウザー 『私たち異者は』
驚異の世界を緻密に描き、リアルを現出せしめる匠の技巧。表題作や 「大気圏外空間からの侵入」 ほか、さらに凄みを増した最新の7篇。柴田元幸訳
(白水社 2808円)[amazon]

アルフレート・デーブリーン 『最後の旅』
孤高の作家によるナチス占領下フランスからの脱出記。家族との離散、難民収容所、ハリウッドへの亡命……迫真のドキュメント。長谷川純訳
(河出書房新社 5184円)[amazon]

《SFマガジン》 8月号
特集=『三体』と中国SF
(早川書房 1296円)[amazon]

オズヴァルド・ヴィルト 『中世絵師たちのタロット』
アンドレ・ブルトンに大きな影響を与え、種村季弘の重要な情報源ともなったタロット解釈の歴史的名著が初邦訳。スタニスラス・ド・ガイタの慫慂により、ヴィルト自らが、神話世界、天文学、占星術、カバラ、ヘブライ文字、フリーメイソン、錬金術など、様々な神秘思想に基づいて制作したタロットに秘められた深遠なる意味が解き明かされる。序文=ロジェ・カイヨワ。今野喜和人訳
(国書刊行会 5184円)[amazon]

石野重道 『不思議な宝石 石野重道童話集
稲垣足穂の盟友であり、幻の詩集 『彩色ある夢』 の著者、石野重道の童話集。昔話風あり、海外の民話風あり、そして初期稲垣足穂を彷彿する作品も収録。
(書肆盛林堂 1300円)

石野重道 『彩色ある夢』
稲垣足穂の後輩にして 「一千一秒物語」 にもっとも近い作家、石野重道の代表著作 『彩色ある夢』 (大正12年)を復刻。
(東都 我刊我書房 8000円) 取扱=盛林堂

藤沢衛彦 『日本の伝説 山陰・山陽』
八岐大蛇、大国主の国譲り、吉備津の釜鳴り、和気清麻呂、湖山長者、厳島七不思議、平家蟹など全37話。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

トム・フィリップス 『とてつもない失敗の世界史』
あなたは失敗でくよくよ悩んでいないか? 木から落ちて骨折した原人から、国ごと滅ぼすなど数々のメガトン級の失敗を紹介。禰宜田亜希訳
(河出書房新社 2484円)[amazon]

ウティット・ヘーマムーン 『プラータナー 憑依のポートレート
絡み合う政治とエロス。ある芸術家の性愛遍歴を通して語られる、国家の 「からだ」 の欲望とは。タイ現代文学気鋭の小説家の初邦訳。福冨渉訳
(河出書房新社 3024円)[amazon]

キム・エラン 『外は夏』
〈となりの国のものがたり〉
汚れた壁紙を張り替えよう、と妻が深夜に言う。幼い息子を事故で亡くして以来、凍りついたままだった二人の時間が、かすかに動き出す(「立冬」)。いつのまにか失われた恋人への思い、愛犬との別れ、消えゆく千の言語を収めた奇妙な博物館など、韓国文学のトップランナーが描く、悲しみと喪失の七つの光景。古川綾子訳
(亜紀書房 1836円)[amazon]

山田登世子 『書物のエスプリ』
書物と文学を愛した仏文学者の遺稿集、最終第四弾。古典から新刊までさまざまな本を切り口に、水、ブランド、モード、エロスなど、著者ならではのテーマを横断的に語る 「エッセイ篇」 と、約120本の 「書評篇」。時には書評の枠を逸脱しつつ、書物の世界を自在に逍遥し、読書の愉しみを伝えてくれる一冊。
(藤原書店 3024円)[amazon]

ファーガス・ヒューム 『二輪馬車の秘密』
夜更けの街を走る二輪馬車のなかで身元不明の紳士が殺害された。19世紀探偵小説、最大のベストセラー。高木直二訳
(扶桑社 オンデマンド/kindle)[amazon]

ジョー・イデ 『IQ2』
クラブDJの失踪を調べてほしいと依頼された探偵IQ。相棒ドッドソンとラスベガスに赴くが、行く手には裏社会の魑魅魍魎が……。熊谷千寿訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1145円)[amazon]

ケン・リュウ 『草を結びて環(たま)を銜(くわ)えん』
揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録。古沢嘉通・市田泉・幹遙子訳
(ハヤカワ文庫SF 778円)[amazon]

マーロン・ジェイムズ 『七つの殺人に関する簡潔な記録』
1976年12月のボブ・マーリー暗殺未遂事件。犯行に及んだ7人は何者で、目的は何だったのか――真相は明かされず、米国の陰謀すら囁かれる事件をもとにした長篇小説。売人やジャーナリスト、CIA局員、亡霊までがうごめく、血塗られた歴史が語られる 旦敬介訳
(早川書房 6480円)[amazon]

マーティン・プフナー 『物語創世 聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力
かつて口伝えで継承された物語は文字に定着されることで飛躍的な伝播力を得、やがて世界を変えた。古代文明から現代に至る各時代に世界の各地で祖型を更新していった、人類文明の基盤をなす数々の大物語を抽出解説する、ハーバード大教授による大胆不敵な文芸評論。塩原通緒・田沢恭子訳
(早川書房 4860円)[amazon]

新井素子 『星から来た船
土星に向かった月村真樹子と太一郎を追う麻子と所長。一同がそろった宙港で、新たなトラブルが勃発!? 表題作ほか書き下ろし1篇収録。
(出版芸術社 1404円)[amazon]

ギョルゲ・ササルマン 『方形の円 偽説・都市生成論
「いくつかの想像上の都市の短い叙述で本を一冊作るというアイデア。その中に5000年の都市史の偉大と悲劇を圧縮する」――ルーマニアの鬼才が描き出す、「憧憬市(アラパバード)」 「学芸市(ムセーウム)」 「憂愁市(シヌルビア)」 ほか36の架空都市の創造と崩壊の歴史。カルヴィーノ 『見えない都市』 に比肩する超現実的幻想小説集。住谷春也訳
(東京創元社 2376円)[amazon]

喜国雅彦 『今宵は誰と 小説の中の女たち
安部公房の 『砂の女』、太宰治の 『女生徒』、ツルゲーネフの 『はつ恋』、S・キングの 『ミザリー』 など──名作に登場する個性的で魅力的な女性たちが、もし自分の夢に登場したら……独自の視点でブンガクのおもしろさを描く、全く新しい文芸漫画。
(双葉社 1728円)[amazon]

エリック・ジャコメッティ/ジャック・ラヴェンヌ 『ナチスの聖杯 上・下
手にした者が世界を制する秘宝を巡り、ナチスと英国機密部隊が激突。第二次世界大戦を舞台に光と闇の戦いを描く歴史ミステリー。大林薫訳
(竹書房文庫 各994円)[amazon]

垂野創一郎編訳 『怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集
ドイツが生んだ怪奇・幻想・恐怖・耽美・諧謔・綺想文学の、いまだ知られざる傑作・怪作・奇作18編を収録。≪人形≫≪分身≫≪閉ざされた城にて≫≪悪魔の発明≫≪天国への階段≫≪妖人奇人館≫……6つの不可思議な匣が構成する空前にして絶後の大アンソロジー。ほとんど全編が本邦初訳。収録内容
(国書刊行会 6264円)[amazon]


フェルナンド・ペソア 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集
世界的詩人として高い評価を受けているペソアの、数少ない貴重な短編を編んだ本邦初訳の作品集。近藤紀子訳
(彩流社 2160円)[amazon]

『短編画廊 絵から生まれた17の物語』
エドワード・ホッパーに捧ぐ短編集。ローレンス・ブロック、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーヴァー、マイクル・コナリー他
(ハーパーコリンズジャパン 2376円)[amazon]

ボニー・マクバード 『シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊』
ホームズを知り尽くす著者が手がけた本格パスティーシュ。スコットランドの雰囲気ある情景とともに、小気味いい推理が展開される。あまり語られないホームズの大学時代が事件に大きく関わり、パスティーシュとしても新鮮。日暮雅通訳
(ハーパーBOOKS 1070円)[amazon]

ダリオ・コッレンティ 『血の郷愁』
実在した19世紀の連続殺人犯の模倣犯という設定で、世界のカニバリズムや歴史に残るシリアルキラーたちが引き合いに出され、ミステリー好きの好奇心をくすぐる。ベテラン男性記者と風変わりなインターン女子のコンビも楽しめる一作。イタリア発の本格長編ミステリー。
(ハーパーBOOKS 1290円)[amazon]

カリン・スローター 『ブラック&ホワイト』
待望の〈ウィル・トレント〉シリーズ新作。『罪人のカルマ』 のあの幕切れのあとは? 鈴木美朋訳
(ハーパーBOOKS 1260円)[amazon]

北村紗衣 『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
フェミニストの視点で作品を深く読み解けば、映画も演劇もこんなにおもしろい。自由に批評するために、自らの檻をぶち壊そう。映画と演劇を年に200本観るシェイクスピア研究者によるフェミニスト批評絶好の入門書。
(書肆侃侃房 1620円)[amazon]

《MONKEY》 vol.18 猿の旅行記
国内外の豪華作家陣とともに、旅や土地をめぐる文学のかたちをさまざまに問い直す 「紀行文学特集」。紀行作家ブルース・チャトウィンの没後刊行の選集 『Anatomy of Restlessness』 より、『僕はいつだってパタゴニアに行きたかった――作家の誕生』 『ティンブクトゥーに行ってます』 を柴田元幸がセレクト&訳し下ろし、他。目次
(スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

永井荷風 『花火・来訪者 他十一篇
時代への批判と諦観を語る 「花火」、反時代性の果てにあるエロスを取上げた 「夏すがた」、爛熟した江戸情調への追慕を基調とした小説・随筆を精選。「来訪者」 は男女の交情を描いた戦後発表の問題作。(平井呈一らによる荷風贋作事件を下敷きにした作品)
(岩波文庫 756円)[amazon]

『唐宋伝奇集 上・下 今村与志雄訳
(岩波文庫)重版

諏訪部浩一 『カート・ヴォネガット トラウマの詩学
読者に愛され続けたヴォネガットのトラウマとの戦いを読む。『スローターハウス5』 など長編小説14編を発行順に論じる。目次
(三修社 2916円)[amazon]

中村保男 『新装版 英和翻訳表現辞典』
「辞書にない訳語」を満載の辞書として、翻訳家・英語学習者に大好評の 『新編 英和翻訳表現辞典』、新装版として刊行。
(研究社 5832円)[amazon]

アガサ・クリスティー(原作)/マイケル・モートン(脚本) 『アリバイ』
〈奇想天外の本棚〉
入手困難のクリスティー原作本として半ば伝説化していた戯曲版 『アクロイド殺し』。マイケル・モートンによる脚本は、原作に忠実ながらもドラマティックに演出が施され、ある仕掛けによってポアロ・ファンをもうならせる。山口雅也訳
(原書房 1944円)[amazon]

堤邦彦 『京都怪談巡礼』
近世文学に描かれた、あなたの知らない怖い京都。「桂川の食人鬼」 「蓮台野で燃える墓」 「粟田口に現れる死んだはずの男」 など、ユニークで怖い怪談が盛りだくさん。近世日本文学研究者が、とっておきの京都怪談を紹介。
(淡交社 1728円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『壊れやすいもの』
ホームズがSFに? ベイカー街に住む偉大な探偵が遭遇した緑の血が飛び散る殺人事件の顛末を描くヒューゴー賞受賞作 「翠色の習作」 の他、空前絶後の想像力を駆使した、鬼才ゲイマンの魅力満載の短編集。金原瑞人・野沢佳織訳
(角川文庫 1426円)[amazon]

クレア・ノース 『ホープは突然現れる』
他人から記憶されない体質を持つホープ、職業は泥棒。ある女性の自殺をきっかけに、流行の自己啓発アプリ「パーフェクション」の開発会社をターゲットにするが、やがて大きな陰謀に巻き込まれることに……。世界幻想文学大賞受賞作。雨海弘美訳
(角川文庫 1469円)[amazon]

フランシス・ホジソン・バーネット 『秘密の花園』
インドで両親を亡くし、イギリスに住む親戚に引き取られたメアリ。広い屋敷のなかでひとりぼっちの彼女は、庭を散策するうちに、閉ざされた庭園を見つける。世界中で愛される児童文学の名作。 羽田詩津子訳
(角川文庫 713円)[amazon]

ラフカディオ・ハーン 『新編 日本の怪談 II』
異界の女たちの魔性の美に魅せられた人間の悲劇を描く 「泉の乙女」 「島妻」、散文詩の到達点をしめす 「蓬莱」、自伝的エッセイ 「ゴシックの恐怖」 「幽霊」――伝承や説話に材をとり、一流の美意識で語りなおす「再話」文学作家の才能が遺憾なく発揮された珠玉の作品集。八雲研究の第一人者による新編第二弾。池田雅之編訳
(角川ソフィア文庫 950円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション ことば漬』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。これは文庫革命だ。目次
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

澤村修治 『ベストセラー全史 現代篇』
1945年から2019年までのベストセラー本をすべて紹介。小説、エッセイから実用書、人文書まで、著者と作品内容、出版事情などを叙述する壮大な日本文化史。
(筑摩選書 2376円)[amazon]

ウェンディ・ウォーカー 『まだすべてを忘れたわけではない』
絵のように美しい、コネチカット郊外の小さな町。十代の少女ジェニーがレイプされ、トラウマに悩むことを恐れた母親は事件直後に記憶消去の最新治療を受けさせる。それは同時に犯人に繋がる記憶をも消し去った。町の精神科医が改めて記憶の痕跡を辿ると、閉鎖的な町と家族の深層、事件の真相が顕れてくる。
(講談社文庫 1188円)[amazon]

ホルヘ・カリオン 『世界の書店を旅する』
数々のエピソードとともに世界各地の書店をめぐる紀行エッセイ。本と旅を愛するすべての読者に贈る無類のブックガイド/ガイドブック。野中邦子訳
(白水社 3456円)[amazon]

カルロ・ギンズブルグ 『政治的イコノグラフィーについて』
私たちを取り巻くイメージ(図像)は本来、政治性をもっている。本書はギリシア神話の戦闘場面を使ってアメリカ原住民の征服を描いた16世紀の銀杯、ホッブス 『リヴァイアサン』 の扉絵、ダヴィッド 「マラーの死」、第一次世界大戦時の英国の新兵徴募ポスター、ピカソ 「ゲルニカ」 などの作品を解読することで、イメージの中に権力を発揮する仕掛けが隠されていることを明らかにする。上村忠男訳
(みすず書房 5184円)[amazon]

オルダス・ハクスレー 『モナリザの微笑 ハクスレー傑作選
『すばらしい新世界』 のハクスレーの傑作短篇集。科学、数学、美術、音楽、哲学にいたるまで、博学で知られる作者の面目躍如の5篇、「モナリザの微笑」 「天才児」 「小さなメキシコ帽」 「半休日」 「チョードロン」 を収録。行方昭夫訳
(講談社文芸文庫 1728円)[amazon]

フェルディナント・フォン・シーラッハ 『刑罰』
ダイバースーツを着て浴室で死んでいた男。裁判で証人の孤独に同情してしまった参審員。人身売買で起訴された犯罪組織のボスを弁護する新人弁護士。高級ホテルの部屋で麻薬常習者になったエリート男性。――実際の事件に材を得て、法律で裁けない罪をめぐる犯罪者や弁護士たちの素顔を、切なくも鮮やかに描きだす短篇集。酒寄進一訳
(東京創元社 1836円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.95
新連載、西條奈加〈お蔦さんの神楽坂日記〉シリーズ最新作、古内一絵「平成史を辿るキネマトグラフィカ2」、松尾由美〈ニャン氏の事件簿〉シリーズ最新作スタート。特別企画、「創元推理文庫創刊60周年記念トークショー:北村薫×宮部みゆき」掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

キルケゴール 『新訳 不安の概念』
個体的な人間存在に定位して不安の概念を論ずる。ハイデガー、実存主義哲学に大きな影響を与えた思考のデンマーク語原典からの新訳。村上恭一訳
(平凡社ライブラリー 1944円)[amazon]

『鮎川哲也探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
少年少女向け探偵小説コレクション第1集。未刊行の中篇「冷凍人間」「透明人間」「片目の道化師」に、少年ミステリの第一作「魔人鋼鉄仮面」(未完)を初単行本化。日下三蔵編 内容
(論創社 4320円)[amazon]

『渡辺啓助探偵小説選Ⅰ』
〈論創ミステリ叢書〉
デビュー直後から終戦間もない頃に発表された作品群より、固定された視角からは評価され得なかった魅力を放つ珠玉の短編を精選。衝撃のグロテスク 「屍版」 から明朗闊達な 〈青春探偵〉 シリーズまで全24篇。浜田雄介編 内容
(論創社 4104円)[amazon]

川野京輔 『推理SFドラマの六〇年 ラジオ・テレビディレクターの現場から
島田一男、星新一、松本清張、山村正夫ら著名作家との交流。大ヒットドラマ 「事件記者」 の裏話。海外ミステリを原作にした連続ドラマの思い出。知られざるドラマ史の系譜を繙いた推理&SFドラマ年代記。※六興出版版(1986)の復刊
(論創社 2376円)[amazon]

ジョゼフ・コンラッド 『シークレット・エージェント』
大都市ロンドンの片隅で雑貨店を営むミスター・ヴァーロックは、実は某国大使館に雇われたアナキストである。しかしその怠惰な働きに業を煮やした上層部は、彼にグリニッジ天文台の爆破を命じ.……。テロをめぐる皮肉な人間模様を描く傑作。高橋和久訳
(光文社古典新訳文庫 1490円)[amazon]

ヘルマン・ヘッセ 『ペーター・カーメンツィント』
豊かな自然のなかで育ったペーターは、文筆家を目指し都会に出る。友を得、恋もしたが、都会生活の虚しさから異郷をさまよった末、故郷の老父のもとに戻るのだった……。美しい自然描写と青春の苦悩、故郷への思いを描いた出世作。猪股和夫訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

ダヴィデ・マリア・トゥロルド 『地球は破壊されはしない』
〈須賀敦子の本棚〉
コルシア書店の創設者で、須賀がその詩を多く訳したダヴィデ神父による戯曲。千年終末論に右往左往する修道士たちの姿を描く傑作。須賀敦子訳
(河出書房新社 2376円)[amazon]

ミシェル・ウエルベック 『ショーペンハウアーとともに』
現代フランスを代表する作家ウエルベックが、19世紀ドイツを代表する哲学者ショーペンハウアーの「元気が出る悲観主義」の精髄を詳解。その思想の最奥に迫る。
(国書刊行会 2484円)[amazon]

《kotoba》 夏号
〈特集=シャーロック・ホームズとコナン・ドイル〉
1887年、コナン・ドイルが創造したシャーロック・ホームズ。このエキセントリックな探偵と60を数える作品は、現在も世界中の人々を魅了し続けている。ドイルとはいったい何者なのか? ホームズはなぜ愛されるのか? 当時の社会背景を追いながら、原作者ドイルの実像と多様な著作群、そしてホームズの魅力に迫る。
(集英社 1440円)[amazon]

スコット・フィッツジェラルド 『ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集
〈楽園の向こう側〉 に一人の小説家が見たものは。早すぎる栄光から一転、30代にして翳りの時代を迎えた作家の葛藤と、困窮のなかでも失われることのない確かな輝き。44歳で死を迎えることになるフィッツジェラルドの 晩年十年間に書かれた短篇とエッセイの名品をセレクト。村上春樹訳
(中央公論新社 1836円)[amazon]

ハーラン・エリスン編 『危険なヴィジョン 〔完全版〕 1』
アメリカSF界のカリスマ作家ハーラン・エリスンが既存の英米SF界に一石を投じるべく企画編集し、全作品に自ら紹介文を付した計33篇収録の伝説的巨大アンソロジー(1967)を3分冊で刊行。第1巻は、まえがき、序文と、デル・レイ、シルヴァーバーグ、F・ポール、ファーマー、ディフォード、ブロック、エリスン、オールディスの8篇を収録。伊藤典夫他訳
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

ジャン=クリストフ・グランジェ 『死者の国』
パリ警視庁警視のコルソは、ストリッパー連続殺人事件の捜査を進めていた。猟奇的で陰惨な事件の背後に見え隠れする白スーツの男に導かれ、コルソは社会の、そして自身の抱える暗部と向きあうことになる。フレンチ・サスペンスの巨匠グランジェが放つ最新刊。高野優・伊禮規与美訳
(ハヤカワ・ミステリ 3240円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦2 戦慄の人類殲滅兵器』
未来からの時空通信による警告を受けたシャイロー大佐は、AI戦闘艇部隊と共に強大な異星人艦隊の猛攻撃を次々に撃退するが……。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1166円)[amazon]

グレアム・ムーア 『訴訟王エジソンの標的』
19世紀末ニューヨーク。悪辣なエジソンとの法廷戦に新米弁護士が挑む。「イミテーション・ゲーム」 脚本家による歴史サスペンス。唐木田みゆき訳
(ハヤカワ文庫NV 1296円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『ウンベルト・エーコの文体練習 完全版
『薔薇の名前』の著者が古今東西の小説・評論、映画、歴史的発見、百科全書などを変幻自在に書き換えた遊戯的パロディ集。和田忠彦訳
(河出文庫 1296円)[amazon]

『ブレードランナー証言録』
SF映画の概念を変えた 『ブレードランナー』 シリーズの製作に関わった、脚本家、アニメーション監督、批評家の四人への独占インタビューを収録。映画誕生秘話や製作裏話など、知られざるエピソードが満載。大野和基訳
(集英社インターナショナル 842円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.17 ケルト幻想~昏い森への誘い~
ケルト神話や、イギリス、アイルランドの異教的伝承の物語に影響を受けた、恐怖・幻想小説を紹介。アーサー・マッケン、ピエール・コムトワ、ジェレマイア・カーティン他。目次
(アトリエサード 1836円)[amazon]

ニクラス・ナット・オ・ダーグ 『1793』
1793年、フランス革命の余波に怯えるスウェーデンの首都ストックホルム。湖で発見された男の死体は、四肢が切り落とされ、眼球、舌、歯も奪われ、美しい金髪だけが残されていた。結核で余命幾ばくもないインテリ法律家と、戦場帰りの荒くれ風紀取締官がタッグを組んで殺人事件の謎を追う。重厚でスリリングな北欧歴史ミステリ。ヘレンハルメ美穂訳
(小学館 2160円)[amazon]

ノーマン・ベロウ 『十一番目の災い』
〈論創海外ミステリ〉
シドニー・ハーバーで殺害された麻薬密売組織のメンバー。オーストラリア警察のウェッソン刑事と私立探偵ジミーはナイトクラブ 〈グリーン・クカブラ〉 に疑惑の目を向ける。暴行事件や殺人事件が続発し、殺人犯と目される謎の男は密室の店内から消す。錯綜する事件の渦中に登場したベテラン俳優モンタギュー・ベルモアが真相に迫っていく。福森典子訳
(論創社 3456円)
[amazon]

フランク・グルーバー 『おしゃべり時計の秘密』
〈論創海外ミステリ〉
ジョニーとサムが殺しの容疑をかけられた。災難続きの二人の運命やいかに。おしゃべり時計をめぐる謎に迷探偵が挑む。白須清美訳
(論創社2592円)[amazon]

小野俊太郎 『快読 ホームズの 『四つの署名』』
死体の傍らに遺された四人の記号をめぐる密度の濃い一作を解読して見えるものとは……。海外からの脅威に立ち向かう名探偵ホームズの推理と冒険。ともに 「症例=事件」 を扱うワトスンとの友情の試練。ホームズの悪癖から美食まで。「ホームズ物語」 のすべてが 『四つの書名』 には凝縮されている。目次
(小鳥遊書房 1944円)[amazon]

西山智則 『ゾンビの帝国 アナトミー・オブ・ザ・デッド
ハーン、グリフィス、ラヴクラフト、ヴードゥー教、フリークス、ロメロ・ゾンビ映画三部作、POV映画、スティーヴン・キングなどを、「適応」 「媒体」 「複製」 を鍵語にして、ゾンビがいかに 「世界的感染 (パンデミック)」 しているかを鮮やかに「解剖」するゾンビ文化論。目次
(小鳥遊書房 2052円)[amazon]

クライブ・カッスラー/ボイド・モリソン 『秘密結社の野望を阻止せよ 上・下
冒険小説の王者カッスラーの〈オレゴン・ファイル〉シリーズ最新刊。インドのアショカ王によって結成され、2000年にわたって世界の闇を支配してきた秘密組織 「九未知会」 の内部抗争と、スーパーコンピュータをめぐる争いに、ファン・カブリーヨ船長とオレゴン号の仲間たちが巻き込まれていく。伏見威蕃訳
(扶桑社ミステリー 各918円)[amazon]

吾妻隼人 (山中峯太郎) 『実歴奇談 真澄大尉』
「亜細亜の曙」などの少年向け軍事小説、戦後は「名探偵ホームズ全集」などの児童向け探偵小説の翻案で活躍した山中峯太郎が、「吾妻隼人」名義で、明治39年、大阪毎日新聞に連載した軍事探偵小説。新聞連載時の挿絵を全収録。平山雄一編。
盛林堂ミステリアス文庫 2500円)


▼5月刊

アイン・ランド 『アンセム』
集団・平等主義が極限まで推し進められた結果、「私(I)」 という概念が排除され 「われら(we)」 に置き換わってしまった遠い未来。主人公は自由を取り戻す闘いに立ち上がる。『肩をすくめるアトラス』 の著者によるディストピア短編小説。佐々木一郎訳
(Evolving 1404円)[amazon]

ウィリアム・ダルリンプル/アニタ・アナンド 『コ・イ・ヌール 美しきダイヤモンドの血塗られた物語

英国王室の王冠で光り輝く、コ・イ・ヌール (光の山) と呼ばれる巨大なダイヤモンド。ムガル王国皇帝やシク王国の君主など、様々な者の手を経て、英国王室が所有するに至ったその宝石は、富と力をもたらすと信じられたが、同時に数多くの悲劇や凄惨な出来事を惹き起こしてきた。ひとつのダイヤモンドを巡る歴史を鮮やかに描く、面白さ無類のノンフィクション。杉田七重訳
(東京創元社 2916円)[amazon]

ダシール・ハメット 『血の収穫 新訳版
ポイズンヴィルは鉱山会社社長が労働争議対策で集めたギャングたちに支配されていた。その浄化を望む男に呼ばれコンティネンタル探偵社の私が市に着いた途端、男は殺されてしまう。銃弾飛び交う抗争を利用しながら私は市の毒に挑む。巨匠ハメットの長編デビュー作を田口俊樹・新訳で。
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

ブライアン・ラムレイ 『ネクロスコープ 死霊見師ハリー・キーオウ 上・下
ソ連超常諜報戦術開発局のボリス・ドラゴサニと、英国の炭鉱町に生まれたハリー・キーオウ。前者は死体から情報や記憶を奪取する死骸検師(ネクロマンシー)として、後者は死者の魂と交流することでその能力を身に宿す死霊見師(ネクロスコープ)として才能を開化させてゆくが……1970年代、冷戦下の英ソ間で繰り広げられる霊的諜報戦を描く伝奇ホラー.。夏来健次訳
(創元推理文庫 各1296円)[amazon]

ネイサン・ファイラー 『ぼくを忘れないで』
統合失調症の青年が治療の一環として過去や現在を綴る手記の形を取った作品。子供時代に三つ年上のダウン症の兄サイモンが事故で死亡。自分のせいだという罪の意識から引きこもるうちに発病。彼にはいつも兄の声が聞こえ、兄の姿が見える。コスタ賞新人賞・コスタ賞大賞受賞作。古草秀子訳
(東京創元社 2808円)[amazon]

オウィディウス 『変身物語1』
帝政初期に活躍したローマ詩人が、「変身」 を主題に、叙事詩形式で歌った大作。多彩な変身譚が各話完結的な形で語られる。(全2冊) 高橋宏幸訳
(京都大学学術出版会 4212円)[amazon]

小田光雄 『古本屋散策』
蒐集した厖大な古書を読み込み、隣接する項目を縦横に交錯させ、近代出版史と近代文学史の広大な裾野を展望する。『日本古書通信』に17年間にわたり連載した200編を集成。目次
(論創社 5184円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園 戦前・戦中日記 上・下
昭和11年1月1日から 『東京燒盡』 につながる昭和19年10月末日まで、百閒47歳から55歳の日常の記録、未発表日記を初公刊。。今回、活字化される日記は文藝春秋の 「文藝手帳」 に書かれていたもので、発表用に推敲された作品ではない。百閒研究の間隙を埋める貴重な日記を生誕130周年記念出版として刊行。
(慶應義塾大学出版会 各4860円)[amazon]

山本周五郎 『五瓣の椿』
労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず淫蕩な母親は若い役者と遊び惚けた。父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。そして、娘は羅刹と化した……。倒叙型のミステリー仕立てで法と人倫の境界を描く。
(新潮文庫 594円)[amazon]

マーク・グリーニー 『イスラム最終戦争 3・4
「死のカルト集団」イスラム国(IS)のテロがアメリカ全土で勃発。各地で軍人や政府職員らが次々と毒牙にかかる中、〈ザ・キャンパス〉工作員は、テロ攻撃の元となった機密情報源であるルーマニア人を突き止め……。田村源二訳
(新潮文庫 680円/637円)[amazon]

ハン・ガン 『回復する人間』
〈エクス・リブリス〉
大切な人の死、自らを襲う病魔など、絶望の深淵で立ちすくむ人びと……心を苛むような生きづらさに、光明を見出せるのか? 斎藤真理子訳
(白水社 2592円)[amazon]

坂田薫子 『怪物のトリセツ ドラキュラのロンドン、ハリー・ポッターのイギリス
『タイム・マシン』 『モロー博士の島』 『ジキル博士とハイド氏』 『ドラキュラ』 『洞窟の女王』 『血染めの部屋』 『ハリー・ポッター』……ゴシック小説やファンタジー小説に登場する怪物や魔物たちが、時代の社会的、文化的諸問題をどう映し出しているのかを考察する。目次
(音羽書房鶴見書店 3024円)[amazon]

安藤聡 『ファンタジーと英国文化 児童文学王国の名作をたどる
なぜ英国はファンタジー王国なのか? 英国の文化的、風土的背景から名作をたどる。『チャーリーとチョコレート工場』 『思い出のマーニー』 から 『ハウルの動く城』 『ハリー・ポッター』 まで。
(彩流社 3024円)[amazon]

《ユリイカ》 6月臨時増刊 総特集=書店の未来
書店に見る活字文化の未来とは? これから私たちは、本と出逢いを、社会の中にどうつくってゆけばいいのか? 本の出版、流通、販売の課題と展望について、書店の立場から再検証する。内容
(青土社 1620円)[amazon]

ジェフ・ヴァンダミア 『ワンダーブック 図解 奇想小説創作全書
SF、ファンタジー、ホラーなど、〈想像力あふれる〉 小説を書くために必要な知識が一冊に凝縮。遊び心と実用性を併せ持った小説執筆の総合ガイド。朝賀雅子訳
(フィルムアート社 3888円)[amazon]

サランタ・シュウェブリン 『七つのからっぽな家』
家庭や日常に潜む狂気をえぐりだす 「家」 をめぐる7つの短篇。国際ブッカー賞最終候補、ラテンアメリカ新世代の旗手の代表作。見田悠子訳
(河出書房新社 2160円)[amazon]

ハーラン・エリスン 『愛なんてセックスの書き間違い』
〈未来の文学〉
カリスマSF作家エリスンはSF以外の小説も凄い!初期の非SF作品を精選、日本オリジナル編集・全篇初訳でおくる、暴力とセックスと愛とジャズと狂気と孤独と快楽にあふれたエリスン・ワンダーランド、全11篇。若島正・渡辺佐智江訳。収録内容
(国書刊行会 予価2592円)[amazon]

《ミステリマガジン》 7月号
特集=クイーン再入門
 内容
(早川書房 1296円)[amazon]

ポール・アルテ 『金の時計』
1911年の冬、山荘で起きた「雪の密室」殺人。1991年の初夏、劇作家アンドレは子供の頃見たサスペンス映画を探していた……。金の懐中時計、磔刑像、そして“存在しない戯曲”『黄衣の王』――魅惑的な小道具を通じて、80年の時を隔てた「過去」と「現在」が奇妙に呼応する、アルテ・ミステリの新境地。名探偵オーウェン・バーンズシリーズ。平岡敦訳
行舟文化 1728円)[amazon]

紫金陳 『知能犯之罠』
「十五人の局長を殺し、足りなければ課長も殺す」――死体の傍らに残された予告状。警察幹部が殺害され、拳銃が奪われる大事件。誇大妄想的な衝動犯の犯行とみなされたが、やがて犯人は警察の弱点を熟知し、周到な計画を練り上げていたことが明らかになる。そして予告通り第二、第三の殺人が……。「官僚謀殺」 シリーズ第一弾。阿井幸作訳
行舟文化 1998円)[amazon]

『ショーン・タンの世界』
ちひろ美術館で開催される 《ショーン・タンの世界 どこへでもないどこかへ》 展(5/11~7/28) の図録。
(求龍堂 2700円)[amazon]

レスリー・フィードラー 『フリークス 秘められた自己の神話とイメージ 新装版
おぞましいと排除され、珍奇として見せ物に供され、翻ってまた、聖なる存在と崇められたフリークス。文学・美術はもとより、心理学や人文諸科学のさまざまな領域に影の主役の如く君臨するフリークス。その顕現と隠蔽の構造を解きほぐす。フリークスとは本当は誰なのか? 20世紀文化の核心に肉薄する。20世紀表象文化論の金字塔。伊藤俊治・旦敬介・大場正明訳
(青土社 4104円)[amazon]

『図説 ヴィクトリア朝の女性と暮らし ワーキング・クラスの人びと川端有子
隠されていたワーキング・クラスの女子、女性の暮らしの実態を明かす。教育、住居、食物、衣服、娯楽。英国文化の独自性の謎に迫る。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジョン・メトカーフ 『死者の饗宴』
〈ドーキー・アーカイヴ〉
20世紀英国怪奇文学における幻の鬼才、知られざる異能の物語作家、ジョン・メトカーフ。不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた怪異談・幽霊物語・超自然小説の傑作を集成する本邦初の短篇集。横山茂雄・北川依子訳 【収録内容】 悪夢のジャック/煙をあげる脚/悪い土地/永代保有/時限信管/ブレナーの息子/ふたりの提督/死者の饗宴
(国書刊行会 2808円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『モロイ』
20世紀最大の作家による20世紀文学の到達点。最新の研究成果を反映した新訳。フランス語からの個人訳第1弾。宇野邦一訳
(河出書房新社 3132円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 関東』
アマンジャク、真間の手児名、佐倉宗吾、金太郎、児が淵、武蔵野の逃水など。伝説の意外な宝庫。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

アンソニー・ホロヴィッツ 『007 逆襲のトリガー』
ゴールドフィンガー事件の後、ボンドはロケット開発に対するソ連の妨害行為を察知。スメルシュと接触する韓国人実業家シンに目をつけ、美女ジェパディと共に調査を開始する。『カササギ殺人事件』 著者が描く、フレミング財団公認のジェームズ・ボンド。駒月雅子訳
(角川文庫 1123円)[amazoon]

ニール・ゲイマン/テリー・プラチェット 『グッド・オーメンズ 上・下
黙示録に記された世紀末を実現すべく、悪魔が、この世を滅ぼすことになる赤ん坊を外交官の一家に生まれた赤ん坊とすりかえた。しかし数年後様子を見に行くと、赤ん坊がいない!? 人類の命運やいかに?  抱腹絶倒のスラプスティック・ハルマゲドン・ストーリー。金原瑞人・石田文子訳
(角川文庫 各994円)[amazon]

フェリックス・レガメ 『明治日本写生紀行』
開国直後の日本を2度訪れたフランスの画家レガメは、異郷で目にするすべてを描きとめた。誕生したばかりの帝国議会、富裕層と庶民の学校、市川團十郎の歌舞伎の舞台裏。明治の人と風景を克明に描く図版245点。ジャポニスムに火を付けた画家の知られざる全貌、日仏交流史における意義に迫る解説を収録。林久美子訳
(角川ソフィア文庫 1080円)[amazon]

金田一京助・荒木田家寿 『アイヌ童話集』
自然や神(カムイ)と自由闊達に交流してきたアイヌの人々。彼らの間に伝わる様々な童話・説話には、アイヌ世界の豊穣が存分に描かれている。はじめてアイヌ文学に触れる人でも親しみやすいお話16編を集めた、珠玉の童話集。
(角川ソフィア文庫 1037円)[amazoon]

里中高志 『栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人
栗本薫と中島梓、二つの名前を持ち、作家・評論家・演出家・音楽家など、才能を自在に操り多くの人たちに感動を与える稀有な存在でありながら、ついに自身の心理的葛藤による苦悩から逃れることはできなかった人。その生涯を関係者への取材と著作から検証する。
(早川書房 2052円)[amazon]

桜庭一樹 『小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集
読書は本当に自由なもの。思いっきり誤読したっていい。少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる。著者初の書評集。
(集英社 1728円)[amazon]

岡本綺堂 『玉藻の前』
「殺生石伝説」 を下敷きに、時代は平安朝。妖狐に憑かれ国を惑わす美女になった娘と、幼なじみの若き陰陽師、権力に憑かれた殿上人や怪僧らが活躍する。岡本綺堂の稀少な長編小説で、「婦人公論」 に連載された。付録として同じく妖狐が登場する短篇 「狐武者」 を収載。
(中公文庫 950円)[amazon]

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 『ファウスト 悲劇第一部
あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。不朽の大作を格調高い名訳で贈る。手塚富雄訳
(中公文庫 1512円)[amazon]
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 『ファウスト 悲劇第二部
グレートヒェンを悲運のどん底に落とし心身ともに疲れきったファウストは、しかし 「最高の生き方をめざして絶えず努力をつづけよう」 と決意する。巨匠ゲーテがその80年の生涯をかけて、言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った名作。手塚富雄訳
(中公文庫 1728円)[amazon]

ユーディト・W・タシュラー 『国語教師』
16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。作家クサヴァーは祖父をモデルにした一代記を語った。国語教師マティルダは若い男を軟禁する女の話を語った。しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へと二人をいざなってゆく。物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞受賞作。浅井晶子訳
(集英社 2160円)[amazon]

マリー・ンディアイ 『三人の逞しい女』
弁護士のノラは、長年会っていなかったアフリカ系の父のもとに帰郷するが、最愛の弟の姿が見えず……。アフリカからヨーロッパに渡ろうとするカディ・デンパは、数々の苦難に……。芥川賞作家・小野正嗣の翻訳で贈るフランス文学の極北。ゴンクール賞受賞作。
(早川書房 3132円)[amazon]

『伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触高橋良平編
SF評論家の第一人者高橋良平が、黄金時代の1950年代を中心に、ラインスター、ウィンダムなど宇宙テーマの幻の名品7篇を厳選。
(ハヤカワ文庫SF 1166円)[amazon]

ケン・リュウ 『母の記憶に』
不治の病を宣告された母が娘のため選んだ行動をつづる表題作など、第2短篇集の単行本版『母の記憶に』から9篇を収録した短篇集。
(ハヤカワ文庫SF 778円)[amazon]

マルティン・エスターダール 『スターリンの息子 上・下
消えた恋人、出自の謎。ロシアへ飛んだマックスを待ち受けるのは、巨万の富と権力でソ連の復活をもくろむ元スパイの陰謀だった。鵜田良江訳
(ハヤカワ文庫NV 各1145円)[amazon]

エイモア・トールズ 『モスクワの伯爵』
ロシア革命後、ホテル軟禁の刑に処された伯爵。絶望に沈む彼を待っていたのは、曲者ぞろいの従業員と客だった。全米140万部突破。宇佐川晶子訳
(早川書房 3888円)[amazon]

『定本 夢野久作全集』 第6巻
多彩な活動の全貌を集大成した決定版全集。第6巻は童話 「白髪小僧」 「オシヤベリ姫」 「豚吉とヒヨロ子」 ほかを収録。収録内容
(国書刊行会 10,260円)[amazon]

藤井光 『21世紀×アメリカ小説×翻訳演習』
現代アメリカ文学を中心に、文芸翻訳の基礎から応用まで、多様な訳文候補との対話という形で解説。現在の文芸翻訳のさまざまな側面を垣間見つつ、優秀訳文と著者の訳文例を提示する参考書。
(研究社 2376円)[amazon]

『昭和少年SF大図鑑 昭和20~40年代僕らの未来予想図 堀江あき子編
宇宙旅行、空を飛ぶ高速車、超高層ビル群。雑誌に描かれた未来予想図を中心に、昭和の少年少女たちが胸躍らせた世界を再現。新装版
(河出書房新社 1836円)[amazon]

新井素子 『星から来た船
「星へ行く船」 シリーズ番外編が新装&完全版で登場。“おまけ”の書き下ろしと新あとがきも併録。
(出版芸術社1404円)[amazon]

シルヴァン・ヌーヴェル 『巨神降臨 上・下
人類の滅亡を賭けた戦いから9年。地球から消えたテーミス、そして6000年前にロボットを地球に遺した謎の種族の正体は……。『巨神計画』 三部作完結。佐田千織訳
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

ロバート・リーチ 『「パンチ&ジュディ」 のイギリス文化史』
350年の歴史をもつ英国人形劇 「パンチ&ジュディ」。単純で暴力的な内容にもかかわらず人々に愛され続ける、その魅力に迫る。岩田託子訳。目次
(昭和堂 3780円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『女性にとっての職業 エッセイ集 新装版
女性の知性・余暇から婦人協同組合まで、ドロシー・オズボーン、メアリ・ウルストンクラフトからブロンテ姉妹、オリーヴ・シュライナー、キャサリン・マンスフィールドへ。「語るべき自己」をもった女性たちを対象にした26篇のエッセイを集成し、ものを書く女たちの内面と歴史を照射した貴重な一冊。出淵敬子・川本静子訳。目次
(みすず書房 3456円)[amazon]

ダニエル・シルヴァ 『赤の女 上・下
亡命したロシア人工作員の暗殺事件。黒幕はイスラエル諜報機関か、英国MI6か――全米ベストセラーのスパイスリラー。山本やよい訳
(ハーパーBOOKS 各960円)[amazon]

スーザン・ハーラン 『文学の中の家 『自分だけの部屋』を装飾する方法
『高慢と偏見』 『嵐が丘』 『ドラキュラ』 『マクベス』 『緋色の研究』 『赤毛のアン』 『白鯨』 『ライオンと魔女』 『スイスのロビンソン』……名作文学の中の登場人物が自らの住まいをブラックユーモアたっぷりに紹介する、「読むお屋敷訪問」。富原まさ江訳
(エクスナレッジ 1944円)[amazon]

北原尚彦 『ホームズ連盟の冒険』
シャーロック・ホームズ最大のライバル、犯罪王モリアーティはなぜ生まれたか!? 相棒ワトスンの夫人が、実兄マイクロフト・ホームズが、あの脇役たちが魅せる名探偵もビックリの名推理。夢のミステリー・ファイル第2集。
(祥伝社文庫 713円)[amazon]

ドリス・マイルズ・ディズニー 『ずれた銃声』
〈論創海外ミステリ〉
退役軍人会の葬儀に集まった参列者の目前で突如倒れた老婆。死因は心臓発作だったが、背中から銃痕が発見された。誰が老婆を殺したのか? 州検事局刑事ジム・オニールが事件に挑む。友田葉子訳
(論創社 2592円)[amazon]

メアリー・スチュアート 『銀の墓碑銘』
〈論創海外ミステリ〉
ギリシャを旅行中の英国女性が出会った男は、第2次大戦中に当地で殺された兄の死の真相を探っていた。フランシスアイルズ (バークリー)が現代スリラーの傑作と評した作品(1960)の初邦訳。木村浩美訳
(論創社 3240円)[amazon]

ジョージ・ラミング 『私の肌の砦のなかで』
〈叢書・エクリチュールの冒険〉
時は第二次大戦中。少年の成長、そして旅立ちが、動乱に揺れるカリブ海の島バルバドスの命運と重なる。彼はなぜ土地から離れなければならなかったのか。生まれた場所から移動することで初めて知ることとは。ポストコロニアル思想の原点にしてカリブ文学の古典的傑作。吉田裕訳
(月曜社 4104円)[amazon]

鶴ヶ谷真一 『記憶の箱船 または読書の変容
書物の出現に始まる 「読書」 という営為と「記憶」という精神の働きの間にはどのような歴史が刻まれてきたのだろうか──西欧の古代・中世、そして日本は江戸・明治を中心に、書物のかたちの変遷 (特に西欧中世における「索引」の誕生に注目) と、それに伴う読書のかたちの変容 (音読から黙読へ) を「 記憶」 を縦糸とした文化史として跡づける試み。
(白水社 3024円)[amazon]

アレクサンドル・デュマ 『千霊一霊物語』
狩猟のために某所に集まった人々が、奇妙ななりゆきで凄惨な殺人の現場検証に立ち会うことになったのを機に、一人ずつ自分の体験した恐怖譚を披露していく。 生首、亡霊、吸血鬼の話まで、稀代の物語作家の本領が発揮される連作短篇集。前山悠訳
(光文社古典新訳文庫 1102円)[amazon]

シドニー=ガブリエル・コレット 『シェリ』
五十を目前に美貌の衰えを自覚する高級娼婦のレア。恋人である25歳の美しい青年シェリの唐突な結婚話に驚き、表向きは祝福しつつも、心穏やかではいられない......。香り立つ恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、コレットの最高傑作。河野万里子訳
(光文社古典新訳文庫 886円)[amazon]

プラトン 『パイドン』
師であるソクラテス最期の日、獄中に集まった弟子たちと 「魂の不滅」 について対話するプラトン中期の代表作。魂が真実に触れるのを妨げる肉体的な快楽や苦痛からの解放が 「死」 であり、魂そのものになること=死は善いことだと説く。納富信留訳
(光文社古典新訳文庫 994円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの醜態』
見知らぬ部屋で目覚めた作家が発見したバラバラ死体。トリッキーな密室殺人の謎を描く「だらしない男の密室」ほか、犯罪者の狂気に迫る「〈革服の男〉が多過ぎる」など全3編を収録。初文庫化。
(光文社文庫 950円)[amazon]

『森下雨村 小酒井不木 ミステリー・レガシー』 ミステリー文学資料館編
『新青年』 初代編集長・森下雨村と、その雨村の慫慂で探偵小説界へ足を踏み入れた小酒井不木の長短編を収録。
(光文社文庫 972円)[amazon]

ウンベルト・エコ 『現代「液状化社会」を俯瞰する』
情報にあふれ、迷走状態にある現代社会の諸問題について、国際政治・哲学・通俗文化の面から展覧する。イタリア週刊誌上で2000年から2015年にかけて連載された名物コラムの精選集。狂気の知者U・エコ最後のメッセージ。谷口伊兵衛/ジョバンニ・ピアッザ訳
(而立書房 2592円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『暗黒星』
(春陽堂文庫 1048円)[amazon]
『大暗室』
(春陽堂文庫 1048円)[amazon]

残雪 『カッコウが鳴くあの一瞬』
「彼」を探して彷徨う女の心象風景を超現実的な手法で描いた表題作。毎夜、部屋に飛び込んできて乱暴狼藉をはたらく老婆の目的とは・・・「刺繡靴および袁四ばあさんの煩悩」 ほか、夢の不思議さを綴る夜の語り手、残雪の初期短篇9篇を収録。付録として、訳者による作家論「残雪―夜の語り手」を併録。 近藤直子訳
(白水Uブックス 1728円)[amazon]

ショーン・タン 『セミ』
セミが人間と一緒に会社で働いている。誰からも認めらず昇進もせず、それでも17年間コツコツと……。 静かで過激な問題作。岸本佐知子訳
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジャック・フットレル 『思考機械 完全版 第1巻』
アメリカにおけるホームズのライヴァルたちを代表する名探偵、「思考機械」 ことオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授の事件簿、50篇を全2巻に完全収録。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇。 初出紙誌の挿絵120点超。著者生前の単行本未収録作品はすべて初出紙誌から翻訳。 初出と単行本の異動も詳細に記録。平山雄一訳
(作品社 7344円)[amazon]

隠岐由紀子 『ギュスターヴ・モロー 世紀末パリの神秘と幻想
19世紀末のパリで神秘と幻想の絵画世界を紡いだ象徴主義の画家ギュスターヴ・モロー。モロー自身が作品に対して残した言葉を引用しながら珠玉の作品の数々を紹介し、その生涯と芸術をひもとく。気高い美の世界へといざなう、オールカラー決定版作品集。
(東京美術 2700円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選4 ラテン中世の興隆2』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の文庫化(全7巻)。本巻は続ラテン中世の興隆、サン=ヴィクトルのフーゴーほか。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

レオナルド・パドゥーラ 『犬を愛した男』
〈フィクションのエル・ドラード〉
1977年のハバナ、獣医学雑誌の校正の仕事に身をやつす物書きのイバンは、二頭のボルゾイ犬を連れて浜辺を散歩する不思議な男と出会う。犬の話題で親密になった二人だが、やがて男は彼だけが知る 〈トロツキー暗殺の真相〉 を打ち明けはじめる。イデオロギーの欺瞞とユートピア革命が打ち砕かれる歴史=物語を力強い筆致で描く、現代キューバ文学の金字塔。寺尾隆吉訳
(水声社 4320円)[honto]

リン・トラス 『図書館司書と不死の猫』
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されたフォルダにはなんと、人間の言葉をあやつる猫が語る血も凍るような半生がおさめられていた……。ミステリ、ホラー、文学への愛とユーモアがたっぷり詰めこまれた不思議でブラックな物語。玉木亨訳
(東京創元社 2160円)[amazon]

ロバート・クレイス 『指名手配』
私立探偵エルヴィス・コールは、仲間と窃盗を繰り返しているらしい息子タイソンのことを調査して欲しいという母親からの依頼を受ける。警察に捕まる前に逃亡中のタイソンを確保して自首させたい母親。だが、コールの先回りをするかのように、何者かが少年の仲間を殺していた。そしてタイソンの身にも危険が……。『容疑者』 『約束』 に続く第3弾。高橋恭美子訳
(創元推理文庫 1469円)[amazon]

アンリ・ベルクソン 『物質と記憶』
フランスを代表する哲学者ベルクソンの主著の一つ 『物質と記憶』 (1896) は、すでに7種もの日本語訳が存在する。そのすべてを凌駕するべく、第一級の研究者が新たに訳出した本書は、簡にして要を得た 「訳者解説」 とあわせ、日本語でベルクソン哲学の真髄を伝える、文字どおりの 「決定版」。今後、本書を手にせずしてベルクソンは語れない。杉山直樹訳
(講談社学術文庫 1436円)[amazon]

クリストファー・R・ブラウニング 『増補 普通の人びと ホロコーストと第101警察予備大隊
ごく平凡な市民が無抵抗なユダヤ人を並べ立たせ、ひたすら銃殺する――なぜ彼らは八万人もの大虐殺に荷担したのか。その実態と心理に迫る戦慄の書。谷喬夫訳
(ちくま学芸文庫 1728円)[amazon]

アミン・マアルーフ 『アイデンティティが人を殺す』
アイデンティティにはひとつの帰属だけでよいのか? 人を殺人にまで駆り立てる発想を作家は告発する。大反響を巻き起こしたエッセイ、遂に邦訳。小野正嗣訳
(ちくま学芸文庫 1188円)[amazon]

ヤーコプ・ブルクハルト 『イタリア・ルネサンスの文化 上・下
中央集権化がすすみ緻密に構成されていく国家あってこそ、イタリア・ルネサンスは可能となった。ブルクハルト若き日の着想に発した畢生の大著。新井精一訳
(ちくま学芸文庫 1620円)[amazon]

『悪魔にもらった眼鏡 世界文学の小宇宙1 欧米・ロシア編亀山郁夫・野谷文昭編
6つの言語で書かれた12の物語……。亀山郁夫(ロシア文学)と野谷文昭(スペイン語圏文学)による悦楽の文学館。W・コリンズ、H・ジェイムズ、ザヴァッティーニの初訳を初め、ヴィリエ・ドゥ・リラダン、チェーホフ、リルケ、K・ショパン、メリメ、ベッケル、P・ジョンソン、ドーデ、ビリニャークの名作群。登場するのは、人間・動物・悪魔・女神・妖精……?
(名古屋外国語大学出版会 2160円)[amazon]

村上春樹・柴田元幸 『本当の翻訳の話をしよう』
文芸誌 『MONKEY』 を主な舞台に重ねられた、小説と翻訳をめぐる対話が一冊に。目次
(スイッチパブリッシング 1944円)[amazon]

千野帽子 『物語は人生を救うのか』
人生はままならないもの。それを引き受けるには人は弱い生きものだ。困難を乗り越えるためには物語が必要だ。それは私たちを救ってくれるのだろうか?
(ちくまプリマ―新書 907円)[amazon]

ソフィー・エナフ 『パリ警視庁迷宮捜査班』
停職処分が明けたばかりのパリ警視庁警視正アンヌは、新結成される捜査班の班長になった。しかし、集められたのは警視庁の落ちこぼれ、曲者ばかり。一癖も二癖もあるメンバーとともに、アンヌは20年前のフェリー沈没と二件の未解決殺人事件の不可解な謎を追う。山本知子・川口明百美訳
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

《Re-ClaM》 Vol.2
〈特集=論創海外ミステリ〉 論創海外ミステリ編集部ロングインタビュー/Re-ClaM編集部がオススメする論創海外ミステリ20冊/Queen's Quorum Quest/Letter from M.K./海外ミステリ最新事情/他
(Re-ClaM編集部 1200円) 取扱=盛林堂

モーリス・ルヴェル 『遺恨 ルヴェル新発見傑作集』
「噓」「窓」「生還者」「鐘楼番」「遺恨」「恐れ」など、単行本未収録短篇11篇を収録。中川潤訳
(エニグマティカ叢書)取扱=盛林堂

《『新青年』 趣味》 19号
特集=翻訳・翻案 浜尾四郎 内容
(新青年研究会 2000円) 取扱=盛林堂

デニス・ジョンソン 『海の乙女の惜しみなさ』
〈エクス・リブリス〉
2017年に没した鬼才が死の直前に脱稿した、『ジーザス・サン』に続く26年ぶりの第二短篇集。「老い」と「死」の匂いが漂う遺作。藤井光訳
(白水社 2592円)[amazon]

小栗虫太郎 『法水麟太郎全短篇』
日本探偵小説界の鬼才・小栗虫太郎が生んだ、『黒死館殺人事件』で活躍する名探偵・法水麟太郎。老住職の奇怪な死の謎を鮮やかに解決する初登場作 「後光殺人事件」 はじめ全短編を収録。日下三蔵編
(河出文庫 1188円)[amazon]

ジョージ・R・R・マーティン 『ナイトフライヤー』
異種生命と接触すべく旅を続ける宇宙船 〈ナイトフライヤー〉 を描く表題作、ヒューゴー賞受賞作 「ライアへの賛歌」 他、全6篇収録。酒井昭伸訳
(ハヤカワ文庫SF 1361円)[amazon]


▼4月刊

E・C・R・ロラック 『殺されたのは誰だ』
公園で物思いにふけっていたブルース・マレーグは、暗闇の中を誰かがやってくる足音を耳にする。鈍い音がした後、駆け付けるとそこには死体が。被害者の男は誰か? ロバート・マクドナルド警部は捜査に乗り出すが……。松本真一訳。Murder by Matchlight (1945)
(風詠社 1296円)[amazon]

パウル・ザルトーリ 『鐘の本 ヨーロッパの音と祈りの民俗誌
中世以来、つねに鐘の音とともにあった日常の一齣一齣、その具体的な実像から、鐘鋳造をめぐる奇蹟譚、「悪魔と鐘」、沈鐘伝説などの民間伝承にいたるまで、〈古き良きヨーロッパ〉の象徴ともいうべき〈鐘〉文化の諸相を描き、阿部謹也も高く評価した、ドイツ民俗学の古典的名著。第一次大戦後の大規模な民俗調査の成果であり、技術史・社会史・文化史的に貴重な証言を満載。図版多数。吉田孝夫訳
(八坂書房 3456円)[amazon]

トマス・モリス 『爆発する歯、鼻から尿』
「心臓に巣食った“蛇"」 「水銀タバコ」 「ワイン浣腸」 「頭にナイフを打ち込んで自殺を図った男」 「心臓を鷲づかみにする手術」――現代からすれば目を疑うような不可思議な症例、風変り&あやしげな治療法、奇跡の生還、乱暴きわまりない手術などなど、17~19世紀の医学文献から 「発掘」 された、すべて実話、選りすぐりの61エピソード。日野栄仁訳
(柏書房 2376円)[amazon]

『イメージ学の現在 ヴァールブルクから神経系イメージ学へ 坂本泰宏・田中純・竹峰義和編
ドイツ語圏を中心にイメージをめぐる現象の研究に新しい次元を開拓しているイメージ学の現在を研究者たちの論考によって一望し、比較美術史から写真・アニメーション研究、メディア論にいたる日本の論者たちの成果を集成する。目次
(東京大学出版会 9072円)[amazon]

トルクァート・タッソ 『詩作論』
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉
詩人タッソが 『エルサレム解放』 の創作に取り組みながら、最高の英雄詩のための題材、構成、修辞技法とは何かを追究して書いた著作の一つ。アリストテレス 『詩学』 が示す原則と、当時大流行していた騎士物語の奔放な作風の間で、最良の手法を探り明晰に論じる。村瀬有司訳
(水声社 3240円)[honto]

ダンセイニ卿 『ペガーナ・コレクション第1巻 ロマンス  ダンセイニ卿未収載短篇集
『ペガーナの神々』で知られるアイルランド幻想文学の巨匠ダンセイニは、トールキンやブラッドベリ、ラブクラフトなどに大きな影響を与えた。 この多作な作家の幻とも言われた幻想味溢れる初期作品を含む短編集未収載作品40 作を収録。稲垣博訳
盛林堂ミステリアス文庫 2300円) 文学フリマ東京

渡辺啓助単行本未収録作品集 『悪魔館案内記』
【収録作品】 昆虫王子/幽霊我と共に/悪魔館案内記/アズテカ医学/盲目男爵/妖婦の抱く脚/死の舞踏/幽霊ホテル一泊/夢遊病者/アパート密室事件/鏡の中の殺人/裸体操がお好き/浴槽の美女/帰って来たのはだれか/怪奇の壺/歌うアリバイ/天使の靴 ※善渡爾宗衛編
(東都我刊我書房 4000円)※取扱=盛林堂

山下泰平 『「舞姫」 の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』
「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」 の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森鷗外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響を明らかにする。目次
(柏書房 1944円)[amazon]

マーク・サリヴァン 『緋い空の下で 上・下
第二次世界大戦中、ユダヤ人の亡命を助けていた少年ピノは、ドイツ軍に徴兵される。その後、イタリアのためスパイ活動をするが……。霜月桂訳
(扶桑社ミステリー 各1058円)[amazon]

レベッカ・ソルニット 『迷うことについて』
わたしたちはいつだって迷っている。夜明け前が一番暗いと知っているけど、その暗さに耐えられるときばかりじゃない。失われたもの、時間、そして人びと。個人史と世界史の両方に分け入りながら、迷いと痛みの深みのなかに光を見つける心揺さぶる哲学的エッセイ。東辻賢治郎訳
(左右社 2592円)[amazon]

岡本かの子 『美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集
妖艶耽美な作風で知られる岡本かの子は、戦争の影が忍び寄る昭和10年前後の文壇にあって異端の存在だった。華麗な豪奢さと豊饒で積極的な愛を湛えた名作の数々。長山靖生編
(彩流社 予価2592円)[amazon]

マーク・グリーニー 『イスラム最終戦争 1・2
機密漏洩を示唆する不可解な事件が続発。サイバー空間に蠢く謎の〈情報提供者〉の正体は? 〈ザ・キャンパス〉工作員は機密情報が北朝鮮当局者に渡るのを阻止するため、ジャカルタに向かう。田村源二訳
(新潮文庫 637円/680円)[amazon]

《SFマガジン》 6月号
追悼・横田順彌 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

ソロモン・ヴォルコフ 『20世紀ロシア文化全史』
トルストイからソルジェニーツィンまで、文学、音楽、美術、演劇、映画、バレエの綺羅星のようなスター芸術家の肖像を、時の権力者との関係をふまえて物語性豊かに描いた初の通史。今村朗訳
(河出書房新社 5940円)[amazon]

《怪と幽》 vol.001
すべてのお化け好きに贈る、エンターテインメント・マガジンがここに誕生。妖怪マガジン「怪」と怪談専門誌「幽」が劇的に合体し、ここに新雑誌「怪と幽」が誕生する。待望の新連載「遠巷説百物語」をはじめ、豪華執筆陣による強力連載が目白押し。
(KADOKAWA 1944円)[amazon]

エミール・ギメ 『明治日本散策 東京・日光』
明治9年、来日したフランスの実業家ギメ。憧れの地を人力車で駆け巡り、近代日本の目覚めを体感するとともに、消えゆく江戸の面影に愛惜を募らせてゆく。茶屋娘との心の交流、浅草や不忍池に伝わる奇譚、料亭の宴、博学な僧侶との出会い、そして謎の絵師・河鍋暁斎との対面。のちに東洋学の拠点となる美術館の創始者が軽妙な筆致で綴った紀行を新訳。同行画家レガメの挿画を収録。 岡村嘉子訳
(角川ソフィア文庫 1210円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 芸と道』
日本の芸事は琵琶法師や世阿弥や説経節から始まった。そこから踊りも役者も落語も浪曲も派生した。それぞれの道を極めた芸道名人たちの「間」が却来する一冊。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

アナイス・ニン 『炎へのはしご』
家庭をすてた自責の念にかられるリリアン、その前に現れる生き生きとしたジューナ、そして破滅的なサビーナ、ヘレン。ヘンリー・ミラーをモデルにした画家ジェイを間にお互いに響きあい、共感の愛を見出し自己を探求していく女性たち。モダニズムのパリを舞台に描く愛の遍歴。三宅あき子訳
(水声社 2700円)[honto]

キャロリン・パーネル 『見ることは信じることではない 啓蒙主義の驚くべき感覚世界
いわゆる「長い18世紀」(1630~1830年)、ヨーロッパでは世界中から新たな食材、香辛料や香料・顔料が持ち込まれ、さまざまな新技術・新理論が誕生した。著作家、芸術家、哲学者、医師、そして市井の人々までもが、新たな感覚刺激とその可能性に魅了され、精神と肉体の関係について議論した。盲人の地位向上、おならを芳香にする薬、珍奇な肉料理の流行……啓蒙主義の時代、人々は身体感覚を通じて世界をどう捉えなおしたか。藤井千絵訳
(白水社 3672円)[amazon]

スチュアート・ダイベック 『路地裏の子供たち』
『シカゴ育ち』『僕はマゼランと旅した』の作家による第一短篇集。少年の日々を追想して、心に残る11篇。日本の読者へ特別寄稿を付す。 柴田元幸訳
(白水社 3024円)[amazon]

ジークムント・フロイト 『新訳 夢判断』
〈新潮モダン・クラシックス〉
今夜、眠るのが愉しみになる! 夢とは望みを叶え、「本当の自分」 が潜む場所。精神科医による大胆な編訳と注釈で歴史的名著が蘇る。大平健編訳
(新潮社 2700円)[amazon]

『世界推理短編傑作集5』 江戸川乱歩編
珠玉の推理短編を年代順に集成した 『世界短編傑作集』 を全面リニューアル。最終第5巻にはアリンガム 「ボーダーライン事件」、ベントリー 「好打」、コリアー 「クリスマスに帰る」、アイリッシュ 「爪」、パトリック 「ある殺人者の肖像」、ヘクト 「十五人の殺人者たち」、ブラウン 「危険な連中」、スタウト 「証拠のかわりに」 他を収録。
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

ヘニング・マンケル 『イタリアン・シューズ』
ひとり島に住む元医師フレドリックのもとに、40年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。不治の病に冒された彼女は、星空のもと森の中に広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにするが……。孤独な男の希望と再生の物語。柳沢由実子訳
(東京創元社 2052円)[amazon]

エラリー・クイーン 『Xの悲劇 新訳版
引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件に捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から唯一の犯人Xを指し示すレーンの名推理。バーナビー・ロス名義 〈レーン四部作〉 の開幕を飾る傑作。中村有希訳
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

柳下毅一郎 『皆殺し映画通信 お命戴きます』
ありあまる映画愛が忿怒となってほとばしる、2018年の邦画を悶絶毒舌レビュー。
(カンゼン 1836円)[amazon]

F・スコット・フィッツジェラルド 『美しく呪われた人たち』
デビュー作 『楽園のこちら側』 と名作 『グレート・ギャツビー』 の間に書かれた第2作、本邦初訳。長い欧州旅行から戻ったアンソニーは大学時代の友人から従妹グロリアを紹介され、結婚する。二人は郊外に移り住みパーティに明け暮れるが……“狂騒の20年代”、刹那的に生きる 「失われた世代」 を描いた傑作。上岡伸雄訳
(作品社 3456円)[amazon]

井辻朱美 『ファンタジーを読む 『指輪物語』、『ハリーポッター』、そしてネオ・ファンタジーへ
『指輪物語』 『ゲド戦記』 『はてしない物語』 『ハリー・ポッター』、あるいは荻原規子や小野不由美らのライトノベル、はたまた現代短歌まで、現実そのものがファンタジーじみてきたいまなお私たちを惹いてやまないファンタジーの魅力の秘密。百冊を超えるファンタジーを翻訳し、自身も小説家・歌人として携わってきた著者が贈る、21世紀のこれからのためのファンタジー読本。
(青土社 2160円)[amazon]

平野甲賀 『平野甲賀100作 Kindle版』
独特な描き文字を駆使した平野甲賀の装丁は、数十年にわたり出版界を牽引してきた。手がけた装丁は7000冊。平野甲賀が毎日写経のように、すでに出版された装丁やかつての演劇・コンサートのポスター・チラシに描いた文字に向かい、いまいちど自ら手を加え、和紙に刷り出した作品の集積。
(ボイジャー 1620円)[amazon]

アンリ・シャリエール 『パピヨン 上・下
無実の殺人罪で仏領ギアナ徒刑所の無期懲役囚となったやくざ者パピヨン。自由への執念を燃やし脱獄を試みる彼の過酷な運命とは。全世界に衝撃を与え未曾有の大ベストセラーとなった伝説的自伝。再映画化(6月公開)。平井啓之訳
(河出文庫 各1404円)[amazon]

ビアンカ・ベロヴァー 『湖』
まだ、いけにえが足りないんだよ――湖から戻らなくなった祖父。そして少年ナミは母を探し旅立つ。気鋭のチェコ女性作家が描く現代の黙示。マグネジア・リテラ賞、EU文学賞受賞。阿部賢一訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

レティシア・コロンバニ 『三つ編み』
三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性が押しつけられる困難と差別に立ち向かっていること。ある者は娘の教育のため、ある者は仲間の生活のため、ある者は自身の夢のために理不尽と闘う。絶大な共感と感動を集めた話題作。齋藤可津子訳
(早川書房 1728円)[amazon]

アンドリュー・メイン 『生物探偵セオ 森の捕食者』
教え子の殺害は本当に熊によるものなのか?生物情報学者のクレイは偽装を見破り、背後にいる恐るべき殺人鬼の存在に迫るが……。唐木田みゆき訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1015円)[amazon]

トッド・メラー 『麻薬王の弁護士』
道徳的には罪だが、法的にはぎりぎり、そして報酬は巨大。悪党を顧客に当局相手の司法取引を仲介する、極限の綱渡りの行く末は? 真崎義博訳
(ハヤカワ文庫NV 1685円)[amazon]

円堂都司昭 『ディストピア・フィクション論 悪夢の現実と対峙する想像力
超管理社会、核戦争、巨大災害、社会分断、ポスト真実……理想 (ユートピア) とは真逆の悪夢 (ディストピア) に接近する現実を前に、創作は何ができるのか? 古典から話題作まで全方位読解。
(作品社 2808円)[amazon]

ジョナサン・フランゼン 『ピュリティ』
24歳のピップは、学生ローンを抱え、仕事もぱっとせず、恋愛も失敗ばかり。彼女はひょんなことから、あるNGO組織のインターンシップに参加することになるが、それは名前も素性も知らない父への道につながっていた。全米図書賞作家による波瀾万丈な成長譚。岩瀬徳子訳
(早川書房 4536円)[amazon]

クリスティーナ・ダルチャー 『声の物語』
近未来アメリカ、すべての女性は一日100語以上喋ることを禁じられた。その中で怒りを抱えながら夫と子供たちと暮らす認知言語学者のジーンの生活に、ある日転機が訪れる。声を、愛を、創造を奪われた女たちを描く、いまこの時代に読むべきディストピア物語。市田泉訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2052円)[amazon]

文学ムック たべるのがおそい》 vol.7
〈特集=ジュヴナイル 秘密の子供たち〉
岩井俊二/銀林みのる/櫻木みわ/飛浩隆/西崎憲/松永美穂/小山田浩子/高山羽根子/柳原孝敦/チョン・ミョングァン(吉良佳奈江訳)/ハイミート・フォン・ドーデラー(垂野創一郎訳)他。西崎憲=編集
(書肆侃侃房 1404円)[amazon]

V・S・ナイポール 『ミゲル・ストリート』
「名前のないモノ」 ばかり作る大工、「世界でいちばんすばらしい詩」 を書いている詩人……ストリートに生きる面々の十七の物語は風変わりで、ちょっと切ない。ノーベル賞作家ナイポールの実質的なデビュー作。小沢自然・小野正嗣訳
(岩波文庫 994円)[amazon]

ゴットフリート・ライプニッツ 『モナドロジー 他二篇
哲学・物理学・論理学・神学を横断する17世紀の知の巨人ライプニッツ。「モナド」という単純実体を基礎に、予定調和の原理、可能世界と最善世界、物体の有機的構造、神と精神の関係まで広範な領域を扱う。関連論文も併収。新訳。谷川多佳子・岡部英男訳
(岩波文庫 842円)[amazon]

『多賀新作品集 鉛筆画の軌跡
江戸川乱歩文庫のカバー装画でお馴染みの銅版画家・多賀新の作品集。幻想的・猟奇的な世界が大判のページ一面に展開する。収録作品250点余。
(春陽堂書店 5940円)[amazon]

リー・チャイルド 『ミッドナイト・ライン 上・下
陸軍士官学校の厳しい訓練をくぐりぬけた者のみに授与される、貴重な卒業記念リングが古道具屋で売られていた。後輩になにがあったのか。ジャック・リーチャーが持ち主を探しはじめると――全世界が熱狂する人気シリーズ、最新作。青木創訳
(講談社文庫 1037円/1015円)[amazon]

松田隆美 『チョーサー 『カンタベリー物語』 ジャンルをめぐる冒険
〈世界を読み解く一冊の本〉
英文学の礎を築いた 「英詩の父」 ジェフリー・チョーサー。多種多様なジャンルを革新的に問い直し、物語文学の枠組みを拡張した、中世を代表する傑作のダイナミズムを描く。
(慶應義塾大学出版会 2592円)[amazon]

伊藤慎吾・中村正明 『〈生ける屍〉の表象文化論 死霊・骸骨・ゾンビ
日本では骸骨が墓場で酒宴を開く情景が古くから描かれてきた。また蘇生・転生で新たな人生を迎えたり、さらに死後、鬼と化すこともあるとも信じられてきた。本書では死霊がどのように描かれてきたかを通史的に示し、日本人の死生観を文化的創造の歴史的側面から照射する。
(青土社 2592円)[amazon]

マルキ・ド・サド 『閨房の哲学』
少女ウージェニー、サン・タンジュ夫人、ドルマンセの三人を中心に進められる物語は、会話や議論を行うシーンとその実践としての乱交のシーンが交互に繰り広げられ、その展開の中から独自の反革命思想が立ち上がってくる。サド入門に絶好の一冊。秋吉良人訳
(講談社学術文庫 1361円)[amazon]

ジャック・ラカン 『アンコール』
「フロイトへの回帰」 を唱えて精神分析の中興の祖となった偉大なる分析家にして思想家ジャック・ラカン。1953年から最晩年まで行われたセミネールの中でも最も名高く、最も重視されてきたのが1972-73年度の 『アンコール』 である。「愛」 という主題を据え、精神分析を新たな領域に飛躍させる後期ラカンの真髄とは? 待望の全訳。藤田博史・片山文保訳
(講談社メチエ 2106円)[amazon]

新章文子 『名も知らぬ夫』
〈昭和ミステリールネサンス〉
母とつましく暮らす市子のもとに、25年前に音信を断った従兄の圭吉が訪ねてきた。ほどなくふたりは結ばれるが、日を追って男の正体が明らかになり……。表題作など、繊細な心理描写が光るサスペンス全8編を収録。山前譲編
(光文社文庫 950円)[amazon]

泡坂妻夫 『泡坂妻夫引退公演 絡繰篇』
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。生前の単行本未収録の短編小説などを二分冊で文庫化。絡繰篇は、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、紋章上絵師たちのシリーズなど17編。新保博久編
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

泡坂妻夫 『泡坂妻夫引退公演 手妻篇』
手妻篇は、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる 「酔象秘曲」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションの一室で交霊会を行い、真実を暴く戯曲 「交霊会の夜」 など13編を収録。新保博久編
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

アリソン・マクラウド 『すべての愛しい幽霊たち』
心臓移植の手術中に学者はどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは観光地で何を思うのか。芸術家の老女が家にいる幽霊たちへ向ける想いとは。驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。髙山祥子訳
(東京創元社 2376円)[amazon]

ソフィア・サマター 『翼ある歴史 図書館島異聞
帝国オロンドリアを二分した大乱。その只中を生きた四人の女性たち――剣の乙女、遊牧民の歌い手、〈石〉 の女司祭、王家の娘が、歴史から葬られた物語を自らの声で語り始める。世界幻想文学大賞など四冠 『図書館島』 作者の “物語ることについての物語”。市田泉訳
(東京創元社 3132円)[amazon]

ロビン・スローン 『ロイスと歌うパン種』
IT企業の激務で疲れはてたロイスを救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープ。親しくなった店主から餞別にもらった不思議なパン種でパンを焼きはじめた彼女は、思いもよらぬ体験を次々することに!? サンフランシスコを舞台に描く、奇想天外なフード・エンタテインメント。島村浩子訳
(東京創元社 1944円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.94
小林泰三 『ティンカー・ベル殺し』 連載スタート。朝井リョウ×米澤穂信・対談 「創作と自分」、文庫創刊60周年記念お祝いコメント、シーラッハ最新作品集 『刑罰』 より先行掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

アレクサンドル・プーシキン 『大尉の娘』
ロシア帝政時代に実際にあった農民の乱、プガチョーフの乱を題材に、青年貴族の恋と冒険を描いたプーシキン晩年の傑作。実直な大尉と控えめで聡明な娘、素朴で忠実な老従僕が主人公の将校グリニョーフの危機を救う。歴史小説かつ家族の物語。坂庭淳史訳
(光文社古典新訳文庫 994円)[amazon]

レーモン・ラディゲ 『ドルジェル伯の舞踏会』
青年貴族フランソワは社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランソワはマオへの恋慕を抑えきれず……。社交界を舞台に三角関係の心理を、天才ラディゲが流麗な筆致で描いた恋愛心理小説の傑作。渋谷豊訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

ジャン・グルニエ 『孤島』
「島」とは孤独な人間の謂。透徹した精神のもと、話者の綴る思念と経験が啓示を放つ。カミュが本書との出会いを回想した序文を付す。井上究一郎訳
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ』 池田淑子編
戦争の記憶が生々しい1954年に日本で生まれた核怪獣 「ゴジラ」 は、わずか2年で海を渡り、米国に上陸した。しかしその受け止め方の違いは、日米を相互に見直すツールともなる。半世紀以上ゴジラが愛される理由に、日米の6人の研究者が挑む。目次
(大阪大学出版会 2160円)[amazon]

J・S・フレッチャー 『楽園事件 森下雨村翻訳セレクション
〈論創海外ミステリ〉
作家・翻訳家・編集者として日本探偵小説界隆盛の礎を築いた森下雨村の翻訳セレクション。J・S・フレッチャーの代表作 「ダイヤモンド」 「楽園事件」 を収録。
(論創社 3456円)[amazon]

コリン・ウィルスン 『必須の疑念』
〈論創海外ミステリ〉
ニーチェ、ヒトラー、ハイデガー。哲学と政治が絡み合う熱い議論、深まる疑念。哲学教授と、かつての教え子との政治的立ち場を巡る相剋。元教え子は殺人鬼か否か? 井伊順彦訳
(論創社 3456円)[amazon]

ヘロン・カーヴィック 『ミス・シートンは事件を描く』
仕事を辞め田舎暮らしを始めたミス・シートン。目下の悩みは、頼まれた少女の肖像画が何度描き直しても不吉な雰囲気になること。一方、ロンドンでは子供ばかりを狙う事件が発生、捜査に行き詰まった警察はミス・シートンの力を借りることに。しかし村では彼女が逮捕されたと噂に……。 山本やよい訳
(原書房/コージーブックス 950円)[amazon]

メアリー・マッカーシー 『あるカトリック少女の追想』
〈須賀敦子の本棚〉
ベストセラー小説『グループ』著者の痛快回想記。いじめぬかれた子ども時代や12歳で信仰を捨てた少女時代を辛辣なウィットと温かなユーモアで描き出す、小説を読むようにおもしろい傑作。若島正訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

岡本綺堂 『初稿 半七捕物帳 六十九話集 弐/江戸の探偵名話 半七聞書帳』
『半七聞書帳』 『半七聞書帳 後編』 より、「三河万歳」 神田の吉五郎、「槍突き」 三河町の七兵衛、「人形使ひ」 上総屋次郎吉、「張子の虎」 伊豆屋の弥平、「甘酒売」 本所の伊兵衛、「小女郎狐」 常盤屋長次郎、「旅絵師」 御庭番 間宮鉄二郎、「熊の死骸」 神田の吉五郎、「松茸」 下谷の林蔵、「鷹匠」 三河町の半七――のちに半七捕物帳に改稿・収斂される手柄話を、半七が話を聞くというオリジナルの 『半七聞書帳』 版で収録。エッセー「半七捕物帳の思ひ出」 を併録。限定100部
(東都我刊我書房 6000円)※取扱=盛林堂

泡坂妻夫 『毒薬の輪舞』
夢遊病者、拒食症、狂信者、潔癖症、誰も見たことがない特別室の患者――怪しすぎる人物ばかりの精神病院で続発する毒物混入事件でついに犠牲者が……病人を装って潜入した海方と小湊が難解な事件に挑む。
(河出文庫 961円)[amazon]

フリードリヒ・ニーチェ 『偶像の黄昏』
ニーチェの最後の著作が流麗で明晰な新訳でよみがえる。近代の偶像を破壊しながら、その思考を決算したニーチェ哲学の究極的な到達であると同時に自身によるニーチェ入門でもある名著。村井則夫訳
(河出文庫 864円)[amazon]

ヨアブ・ブルーム 『偶然仕掛け人』
指令に基づき、偶然の出来事が自然に引き起こされるよう暗躍する秘密の存在、「偶然仕掛け人」。新米仕掛け人のガイはに日々業務をこなしていたが、ある日何とも困惑する指令が届く……。もしもあの時の出会いが偶然じゃなかったら?  もしも誰かが自分の人生を操っていたとしたら?  そんな「もしも」を物語にした作品。高里ひろ訳
(集英社 2268円)[amazon]

陳浩基 『ディオゲネス変奏曲』
雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物 「X」を探す推理合戦のスリリングな顛末を描いた 「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス 「藍を見つめる藍」 など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品。稲村文吾訳
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

S・J・モーデン 『火星無期懲役』
終身刑と引き換えに火星上の施設建設を命じられたフランクら7名の男女だが、次々に仲間が命を落としていく! ノンストップSF。金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

椿實 『メーゾン・ベルビウ地帯 椿實初期作品
この世ならぬ夢を追うと笑う者こそ、おろかであろう。地獄の影をみた者のみが、珠玉の夢を見得るのだ――華麗奔放な文学世界と、反時代的な絢爛たるレトリック。日本幻想文学史に燦然と輝く 『椿實全作品』 (1982年刊) を改題、大幅増補のうえ復刊。内容
(幻戯書房 5400円)[amazon]

北野佐久子 『イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓
ポアロ、マープルなどアガサ・クリスティー作品に登場するお菓子からイギリスの文化、食事情、暮らしが見えてくる。クリスティーのキッチン、愛用の食器、食卓、グリーンウェイ屋敷など貴重な写真を多数掲載。お菓子のレシピ付き。〔婦人画報社 『アガサ・クリスティーの食卓』 (1998)を加筆改題〕
(二見書房 1944円)[amazon]


▼3月刊

ジム・トンプスン 『脱落者』
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町。原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、未亡人と保安官補のもうひとつの顔――。田村義進訳
(文遊社 2700円)[amazon]

東雅夫編 『死 文豪ノ怪談ジュニア・セレクション
内田百閒、林芙美子、宮沢賢治……文豪がのこした怪談を分かりやすく編集した読み物シリーズ、第二期最終巻。総ルビ、丁寧な註釈つき。日本を代表する文豪が死と正面から向き合って生み出した、珠玉の作品を収録。作画担当=玉川麻衣。収録内容
(汐文社 1944円)[amazon]

スコット・B・スミス 『シンプル・プラン』
ある雪の日の夕方、ハンクは兄とその友人と共に町外れの道を車で走行中、小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには440万 ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。三人はその金を保管し、自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた、その時からハンクの悪夢が始まった……。近藤純夫訳
(扶桑社文庫 950円)[amazon]

フィリップ・ソレルス 『本当の小説 回想録
ポンジュ、モーリヤック、アラゴン、バタイユ、ラカン、バルト――現代フランス文壇の大御所フィリップ・ソレルスが綴る回想録。女たちとの放蕩、前衛文学生活、「テル・ケル」の創刊、68年5月、毛沢東主義者から法王主義者へ……文学と政治の季節がいま甦る。三ツ堀広一郎訳
(水声社 3240円)[honto]

ロバート・カークマン 『ウォーキング・デッド10』
想像を絶する〈囁く者〉の反撃。反旗を翻す〈救世者たち〉。リックは、ついにネガンの手をも借りる事態に陥る。風前の灯火となったアレクサンドリア。やがておとずれる堪えがたい悲劇—— それでも彼らは生き続ける……。風間賢二訳
(ヴィレッジブックス 4536円)[amazon]

エマヌエル・ベルクマン 『トリック』
ナチ政権下を生き抜いた老マジシャンと、魔法を信じるナイーブな少年。プラハからLAへ。二つの物語に愛の魔法が奇跡を引き起こす。 浅井晶子訳
(新潮クレスト・ブックス 2700円)[amazon]

山本周五郎 『寝ぼけ署長』
5年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」 「海南氏恐喝事件」など10件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法で解決する。山本周五郎唯一の探偵小説 (《新青年》 連載)。
(新潮文庫 680円)[amazon]

ルイス・セプルベダ 『カモメに飛ぶことを教えた猫 改版
黒猫のゾルバが、ひん死のカモメに誓った三つの約束。その約束をまもるには、大いなる知恵と、なかまたちの協力が必要だった……。河野万里子訳
(白水Uブックス 972円)[amazon]

ジョヴァンニ・ボテロ 『都市盛衰原因論』
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉
都市の繁栄=人口増大の要因を地理的条件と政治政策の中に探りながら、軍事征服ではなく他国との経済活動によって繁栄する新たな貿易〈帝国〉の像を示し、後のスペインやイギリス等の海洋帝国の出現をも予言した知られざる傑作。石黒盛久訳
(水声社 3240円)[honto]

ウィリアム・マルクス 『文学との訣別 近代文学はいかにして死んだのか
18世紀、「崇高の美学」 に後押しされ文学は栄光まで昇りつめた。しかし19世紀末、文学に 「別れ」 を告げた三人の作家 (ランボー、ヴァレリー、ホフマンスタール) が現れ、20世紀には自閉状態に落ち込んだ文学は影響力を失っていく。この3世紀の間に文学に何が起こったのか。文学と世界との関係が切り替わる転回点をたどり、大胆に文学史を読み換える。
(水声社 4104円)[honto]

岡谷公二 『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』
しがない郵便配達夫シュヴァルは、たった一人で33年という歳月をかけて、自らの宮殿を現実のものとした。その驚くべき生涯。
(河出書房新社 2592円)[amazon]

川本三郎 『東京は遠かった 改めて読む松本清張
中央と地方、貧困、格差社会、戦争の影… 現代日本の危機を予見していた清張作品のリアリティとは? 松本清張案内の決定版。
(毎日新聞出版 1944円)[amazon]

《ミステリマガジン》 5月号
特集=シャーロック・ホームズ・アカデミー 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

大阪圭吉 『マレーの虎 大阪圭吉単行本未収録作品集2
【収録内容】 隆鼻術/マレーの虎(未発表作品)/青春停車場/アラスカ狐/夜明けの甲板/明るい街/エッセイ・ハガキ回答・アンケート 8編/戦時下のスケッチブック 大阪圭吉小論(芦辺拓)/あとがきにかえて(小野純一)
(盛林堂ミステリアス文庫 1500円)

東雅夫編 『厠 文豪ノ怪談ジュニア・セレクション
大坪砂男、吉行淳之介、谷崎潤一郎、松谷みよ子……。文豪がのこした怪談を分かりやすく編集した読み物シリーズ。総ルビ、丁寧な註釈つき。『厠』の巻では、便所、トイレにまつわる、文化の香り高き傑作を収録。画=ハダタカヒト。収録内容
(汐文社 1944円)[amazon]

ダン・ブラウン 『オリジン 上・中・下
スペインのビルバオ、マドリード、バルセロナを舞台に、ラングドンの前に最強の敵が立ちはだかる。鍵を握るのは、人類最大の謎“我々はどこから来たのか、どこへ行くのか”――。越前敏弥訳
(角川文庫 各778円)[amazon]

江戸川乱歩 『鏡地獄』
少年時代から、鏡やレンズ、ガラスに異常な嗜好を持ち、それが高じてついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男がたどる運命は……表題作ほか、 「人間椅子」 「人でなしの恋」 「芋虫」 「白昼夢」 「踊る一寸法師」 「パノラマ島奇談」 「陰獣」 の全8篇。怪奇・幻想ものの傑作を収録。編/解説=日下三蔵
(角川文庫 821円)[amazon]

ジョゼフ・ゾベル 『黒人小屋通り』
カリブ海に浮かぶフランス領マルチニック島。農園で働く祖母のもとにあずけられた少年は、仲間たちや大人たちに囲まれ、貧しいながらも天真爛漫な少年時代を過ごす。『マルチニックの少年』 として映画化され、半世紀以上にわたって読み継がれる現代の古典、本邦初訳。松井裕史訳
(作品社 2808円)[amazon]

カール・ホフマン 『人喰い ロックフェラー失踪事件
1961年、大財閥の御曹司マイケル・ロックフェラーが、首狩り族の棲む熱帯の地ニューギニアで消息を絶った。全米を揺るがした未解決事件の真相に迫り、人類最大のタブーに挑む衝撃のノンフィクション。著者は、首狩り族と噂されるアスマットの人々を取材し、彼らの文化を内側から理解しようとする。「人喰い」(カニバリズム)とは一体何なのか。マイケルはなぜ殺され、喰われたのか。他者とのコミュニケーションや異文化理解の本質を鋭く問う。古屋美登里訳
(亜紀書房 2700円)[amazon]

『夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話』 吉澤康子・和爾桃子編訳
「ジャックと豆の木」「三匹の子豚」など、日本でもおなじみのおとぎ話を外国文学の翻訳で定評のある二人が新たに編集・翻訳。大人も子どもも声に出して読み楽しめる一冊。アーサー・ラッカム挿絵
(平凡社 2052円)[amazon]

ロベルト・テッロージ 『イタリアン・セオリーの現在 批判的試論
イタリア現代哲学の起原をフランス現代思想との連続性とイタリア固有の知的伝統(政治哲学)とに探りその全体的な布置を描く。自身もイタリア現代思想の鬼才である著者による力作書下ろし。柱本元彦訳
(平凡社 4536円)[amazon]

ルイス・キャロル/高山宏・建石修志新訳 不思議の国のアリス 鏡の国のアリス』
建石修志が描く永遠の少女アリス。日本のアリス学の頂点に立つ、絵の極み・建石修志/文の極み・高山宏による夢のコラボレーション。カラー挿絵80点。
(青土社 3888円)[amazon]

郝景芳 『郝景芳短篇集』
〈エクス・リブリス〉
ヒューゴー賞受賞の 『北京、折りたたみの都市』 ほか、社会格差や高齢化、医療問題など、中国社会の様々な問題を反映した、中国SF作家初の短篇集。全7篇。及川茜訳
(白水社 2592円)[amazon]

荻原魚雷 『古書古書話』
本の数だけ世界は広がる。人を知り、人生は深まる。均一台も希覯本もおまかせ。古本処世の達人が読み歩くしあわせな読書エッセイ。「小説すばる」 連載を単行本化。目次
(本の雑誌社 2376円)[amazon]

デイヴィッド・ピース 『Xと云う患者 龍之介幻想
半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。黒原敏行訳
(文藝春秋 2592円)[amazon]

『カート・ヴォネガット全短篇4 明日も明日もその明日も
数多の人々に愛された作家、カート・ヴォネガット。彼がその84年の生涯で著した全短篇を、8つのテーマに分類し全4巻に集成。第4巻には、「ふるまい」 「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」 「未来派」 テーマの28篇を収録。
(早川書房 3240円)[amazon]

エイドリアン・マッキンティ 『アイル・ビー・ゴーン』
脱獄犯の行方を追う刑事ショーン・ダフィ。捜査の過程で彼が遭遇したのは、未解決の密室殺人事件だった。好評シリーズ第三弾。武藤陽生訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1274円)[amazon]

グレッグ・イーガン 『ビット・プレイヤー』
重力が変化した世界で目覚めた主人公を待っていたものを描く表題作など6篇収録、ハードSFの雄イーガンの日本オリジナル短篇集。山岸真訳
(ハヤカワ文庫SF 1123円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記 Ⅲ』
一日ぢゆう雨が降つたり止んだりしてはつきりせざれども小屋にゐる時と違ひ困る事無き也――。新居に電気が引かれ、何年振りかで家の風呂に入る。還暦の内祝に九晩に分けて客を招く。昭和23年6月1日~24年12月31日まで。全三巻完結。〈巻末エッセイ〉 中村武志・平山三郎
(中公文庫 1080円)[amazon]

『子どもたちの見たロシア革命 亡命ロシアの子どもたちの文集大平陽一・新井美智代編訳
1920年代前半、亡命ロシア人の子弟が通うギムナジウムで、ロシア革命後の体験をテーマにした作文が生徒たちに課された。内戦期の混乱に巻き込まれ、肉親との別離や飢えを経験し、難民同然の身で異境の地への亡命を余儀なくされた子どもたちは、その過酷な体験をどのように語っているのか。
(松籟社 2808円)[amazon]

泉鏡花/中川学(画) 『榲桲(まるめろ)に目鼻がつく話』
僧侶でもある画家中川学が満を持して挑戦した鏡花作品。少年少女読者の心に鏡花小説の真髄でもある闇の魅力とその神秘性を刻みこむ。
(河出書房新社 2484円)[amazon]

スチュアート・ケルズ 『図書館巡礼 「限りなき知の館」 への招待
知の集積所としての図書館は、生と死、渇望と喪失といったあらゆる人間ドラマの舞台でもある。アレクサンドリア図書館からボドリアン図書館まで、古今の偉大な図書館の魅力を語り、文献の保守・保存・獲得に心血を注いだ 「愛書家」 たちのエピソードを活写する。小松佳代子訳
(早川書房 2700円)[amazon]

エレナ・フェッランテ 『逃れる者と留まる者 ナポリの物語
婚家を出たリラは、工場で働きながらコンピューターを学ぶ。一方エレナは、学生時代からの恋人と結婚して子供を設けるが、しだいに夫との溝を感じるようになる。そんな折、彼女は初恋の相手と再会し……米HBOドラマ化の世界的話題作、急展開の第三巻。飯田亮介訳
(早川書房 2808円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 中部・東海』
シリーズ〈日本の伝説〉第5弾。羽衣伝説、姨捨、諏訪の七不思議、八面鬼、猿神退治、一休話など全56話。富士、信州美濃飛騨と伝説の宝庫。
(河出書房新社 2268円)[amazon]

有栖川有栖(文)/磯田和一(絵) 『有栖川有栖の密室大図鑑』
本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。1892年~1998年に発表された魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイド。“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるザングウィル 『ビッグ・ボウの殺人』 をはじめ全41作を紹介。密室ミステリ・ファン必携の書。
(創元推理文庫 864円)[amazon]

A・A・ミルン 『赤い館の秘密 新訳版
夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。発見時の状況からマークに疑いがかかるが、当のマークは行方知れず。現場に居合わせた青年ギリンガムは、友人をワトスン役に事件を調べ始める。『クマのプーさん』 の作家ミルンによる長編探偵小説。山田順子・新訳
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

ビクトル・デル・アルボル 『終焉の日』
1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは、政治捜査局の警部が情報屋を制裁した殺人未遂事件で、警部を終身刑へ追い込み名声を得た。だが数年後、その事件が何者かの陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。宮﨑真紀訳
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

エリー・アレグザンダー 『ビール職人の醸造と推理』
ビールで有名な小さな町で、ブルワリーを夫とその両親と切り盛りしていたわたし。浮気が発覚した夫を追い出し、町に新しくオープンするブルワリーで働くことにするが、開店の翌朝、店で死体が発見される。越智睦訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

ピーター・ワッツ 『巨星 ピーター・ワッツ傑作選
恒星を巡る想像を絶する生態の生命体との邂逅を描くヒューゴー賞受賞中編 「島」、シャーリイ・ジャクスン賞受賞の驚愕の一人称短編 「遊星からの物体Xの回想」、戦争犯罪低減のため実験的に“意識”を与えられた軍用ドローンの進化の果てを描く 「天使」など、傑作11編を厳選。嶋田洋一訳
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

泉斜汀 『人買船 泉斜汀探偵小説選集
泉鏡花の実弟、泉斜汀(1880-1933)の作品集。編纂・解説=杉山淳
(東都 我刊我書房 7000円) 取扱=盛林堂

『20世紀ラテンアメリカ短篇選』 野谷文昭編訳

ヨーロッパの前衛、熱帯の自然、土着の魔術と神話が渾然一体となって蠱惑的な夢を紡ぎだす大地ラテンアメリカ。ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなどはもちろん、アストゥリアス、パスなどの先行世代、アジェンデ、アレナスなどのポスト・ブームの作家まで、20世紀後半に世界的ブームを巻き起こした南米文学の佳篇16篇。収録内容
(岩波文庫 1102円)[amazon]

ジョン・ラスキン 『ヴェネツィアの石』
18世紀末、ヴェネツィア共和国はナポレオン軍の侵攻により消滅した。翌世紀半ば、この地を訪問したラスキンによる、興隆期ビザンティンから絶頂期ゴシック、衰退期ルネサンスにいたるまで精緻かつ雄大に綴られた 「水の都」 の建築史。ターナー、ラファエル前派を擁護し、ウィリアム・モリスやアーツ&クラフツ運動に影響を与えたラスキンの主著――その全体像を知るに最適のヴァージョン、ここに成る。 井上義夫編訳
(みすず書房 6480円)[amazon]

『江戸川乱歩新世紀 越境する探偵小説 石川巧・落合教幸・金子明雄・川崎賢子編
江戸川乱歩は欧米においても大衆文化やモダニズムとの関連で再評価がなされつつある。また乱歩の旧蔵資料、草稿・ノート・メモ等の自筆資料はほぼ完全なかたちで保存されており公開への期待も高い。そうした状況を踏まえ、世界文学としての乱歩を再考するとともに、旧蔵資料、自筆資料を広く活用したテキストの読み直しを行う。目次
(ひつじ書房 3240円)[amazon]

ケイト・クイン 『戦場のアリス』
1947年、戦争中に行方不明になったいとこを探すシャーリーは、ロンドンのある住宅を訪ね、酔いどれの中年女と出会う。その女、イヴは元スパイで、第一次大戦時に容姿と度胸を買われ、ドイツ占領下のフランスへ潜入する。そこでは凄腕のスパイ “アリス” が情報源を統括していた。語られる壮絶な真実とは? 実話に基づく歴史ミステリー。加藤洋子訳
(ハーパーBOOKS 1300円)[amazon]

B・A・パリス 『正しい恋人』
1カ月後にプロポーズを計画していたぼくの前から忽然と姿を消したレイラ。行方不明のまま死亡認定され、12年後、ようやく今の恋人との婚約を決めたその矢先、レイラが肌身離さず持っていたのと同じ人形が家の前で見つかった。そして差出し人不明の不可解なメールが……。富永和子訳
(ハーパーBOOKS 980円)[amazon]

梅澤礼 『囚人と狂気 一九世紀フランスの監獄・文学・社会
1843年、フランス議会に提出された監獄法案は、少年と老人を除く全囚人を独房に収監するものだった。囚人の社会復帰をめざす理想の監獄とその挫折をめぐって、新聞や学術論文、議事録、回想録や文学作品に表れた論争的言説を掘り起こし、独房で精神を病んだ囚人が 〈非理性〉 や植民地へと追放されてゆく過程をたどる。犯罪と近代文学成立をめぐる表象文化研究。目次
(法政大学出版局 5832円)[amazon]

白石雅彦 『「怪奇大作戦」 の挑戦』
1968年9月15日、円谷プロの新シリーズ 「怪奇大作戦」 放送開始。怪獣も宇宙人も登場しない新路線に戸惑っていたのは、視聴者だけでなく、金城哲夫をはじめとするスタッフも同様だった――。テレビ史に残る名特撮ドラマの制作背景を追う本格ノンフィクション。
(双葉社 1944円)[amazon]

丸善ジュンク堂限定復刊
種村季弘編 『日本怪談集 奇妙な場所 (河出文庫)[honto]
種村季弘編 『日本怪談集 取り憑く霊 (河出文庫)[honto]
中野美代子・武田雅哉編 『中国怪談集』 (河出文庫)[honto]
由良君美編 『イギリス怪談集』 (河出文庫)[honto]


イアン・バンクス 『蜂工場』
スコットランド北東の海岸の孤立した家、無口な父と一緒に暮らす16歳のフランク、その異常行動のうらに隠された秘密、「工場」 との繋がりとはなにか ? 刊行当時、欧米メディアを炎上させ、イギリスの音楽にも影響を与えることになった、奇怪なダーク・ゴシック・ミステリーの超問題作、新訳刊行。野村芳夫訳
(Pヴァイン 2160円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの最低の帰還』
遠く離れた塔から放たれた矢が密室の男に命中した!? パンク刑事復活作 「誰が駒鳥を殺そうが」 をはじめ、断崖絶壁の一本道で消えた子供達の謎 「教祖と七人の女房と七袋の中の猫」 など、全5編を収録。初文庫化。
(光文社文庫 予価972円)[amazon]

《本の雑誌》 4月号
特集=昭和ミステリー秘宝館 内容
(本の雑誌社 720円)[amazon]

キャロル・オコンネル 『ゴーストライター』
劇場で客席最前列の男が、暗闇のなか喉を掻き切られて死んでいた。男は上演中の芝居の元脚本家。駆けつけたマロリーとライカーは捜査を開始するが、劇場の関係者は全員が変人ぞろい。おまけに、ゴーストライターなる人物が、日々勝手に脚本を書き換えているという。氷の天使マロリーが、舞台の深い闇に切り込む。務台夏子訳
(創元推理文庫 1598円)[amazon]

ショーニン・マグワイア 『砂糖の空から落ちてきた少女』
異世界で冒険をしたのち戻ってきたものの、現実に適応できない子供たち。そんな子供たちに救いの手をさしのべる“エリノア・ウェストの迷える青少年のための学校”の池に、空から少女が降ってきた……。ファンタジーの醍醐味を凝縮した三部作完結。原島文世訳
(創元推理文庫 972円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選3 ラテン中世の興隆』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の 『中世思想原典集成』 文庫化(全7巻)。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

アリストテレス 『詩学』
ギリシャ悲劇や叙事詩を分析し、「ストーリーの創作」 として詩作について論じた西洋における芸術論の古典中の古典。時代と場所を超え、今も芸術論や美学、文学、演劇、映画などにかかわる多くの人々に刺激を与え続ける偉大な書物。三浦洋訳
(光文社古典新訳文庫 1231円)[amazon]

アンドレ・ジッド 『ソヴィエト旅行紀』
多くの知識人たちが理想郷と考えたソヴィエト社会主義共和国。だが実際その地を訪れたジッドが見たものは……。虚栄を暴き失望を綴った本篇、およびその後の痛烈な批判に真摯に答える「修正」を含む、文学者の誠実さと意志に満ちた紀行文。國分俊宏訳
(光文社古典新訳文庫 1188円)[amazon]

山尾悠子 『歪み真珠』
「歪み真珠」すなわちバロックの名に似つかわしい絢爛で緻密、洗練を極めた圧倒的なイメージを放つ15編を収めた作品集。
(ちくま文庫 821円)[amazon]

『伊豫田晃一作品集Ⅰ マグヌム・オプス』
肉体の眼を閉じ、精神の眼によって紡ぎ出された、夜と夢と神秘の未知なる領分、ネオ・マニエリスムの旗手によるイマージュの詩学。初期作品から「アストロラーベ」「ヘクセン・タロット」を含む最近作を収めた第一作品集。
(エディシオン・トレヴィル/河出書房新社 4104円)[amazon]

エリーサベト・ノウレベック 『私のイサベル』
20年前に失った娘を忘れられないステラ。父を亡くして深い孤独を抱える女子大生のイサベル。愛ゆえの行動が娘を怒らせてばかりのイサベルの母シャスティン。偶然と悪意が絡み合い、ふたりの母親とひとりの娘がついに出会うとき、恐ろしい真実が明らかになる。奥村章子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

ジョージ・ウォーレス& ドン・キース 『ハンターキラー 潜航せよ 上・下
米ロ両国の原潜が相次いで沈没。氷に閉ざされた海域で何が起きた? 緊張が高まる中でさらに意外な事件が! ド迫力のサスペンス。山中朝晶訳
(ハヤカワ文庫NV 各972円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦 1 異星種族艦隊との遭遇
突如遭遇した正体不明の異星種族艦隊に対し奇妙な幻覚に導かれて、AI搭載戦闘艦と共に戦闘を勝利に導く若き航宙軍艦長の活躍。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1037円)[amazon]

ウィリー・ヴローティン 『荒野にて』
孤独な15歳の少年は、殺処分が決まった老競走馬をひそかに連れ出し、遠くに住む伯母のもとへ荒野を行く旅に出る。胸を打つ物語。北田絵里子訳
(早川書房 2160円)[amazon]

ラグナル・ヨナソン 『白夜の警官』
アイスランド北部の建設現場で、男性の撲殺死体が発見された。男の自宅からは大金の入ったスポーツバッグが見つかり、陰の仕事に手を染めていた可能性が。また、元妻によれば、被害者は金や女性関係に汚かったらしい。捜査の先に見えたのは、日の沈まない極北の町に隠された暗い記憶の数々だった。
(小学館文庫 950円)[amazon]

ロバート・ベイリー 『ザ・プロフェッサー』
ロースクールの老教授トムは順風満帆な人生を過ごしてきたが、今は愛する妻を失い、友の裏切りから職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫をトラック事故で失った彼女は、トムに 「法廷で真相を知りたい」 という。痛快法廷エンタテインメント。吉野弘人訳
(小学館文庫 1048円) [amazon]

ボフミル・フラバル 『私は英国王に給仕した』
ナチス占領、そして共産主義時代のチェコを舞台に、給仕人から百万長者になった男の波瀾の人生を描き出す、滑稽で奇想天外な大傑作。阿部賢一訳
(河出文庫1296円)[amazon]

坂口安吾 『心霊殺人事件 安吾全推理短篇
「投手殺人事件」「南京虫殺人事件」「選挙殺人事件」「山の神殺人」「正午の殺人」「心霊殺人事件」「能面の秘密」「アンゴウ」などを収録。
(河出文庫 799円)[amazon]

『幽霊の歴史文化学』 小山聡子・松本健太郎編
本来、目に見えないはずの幽霊を、日本人は文学作品や絵画、映像で描いてきた。「幽霊」 という言葉の意味は時代によって変遷し、それはときに現代人が想像するものと大きく異なる。人々は幽霊をどう感知し、それを表象するためにいかなる工夫をしてきたのか、幽霊に何を求めたのか。歴史学、メディア学、文学、美術史学、宗教学、社会学、民俗学等、様々な研究分野から日本人の精神世界の一端に迫る。目次
(思文閣出版 2700円)[amazon]

ピエール・ヴェリー 『絶版殺人事件』
〈論創海外ミステリ〉
遺された一通の手紙と一冊の本。停泊中のクルーザーで起きる殺人事件。事件は謎を深め、徐々に真相に近付いてゆく。第一回フランス冒険小説大賞受賞作。佐藤絵里訳
(論創社 2376円)[amazon]

ジョン・ロード 『クラヴァートンの謎』
〈論創海外ミステリ〉
急逝したジョン・クラヴァートン氏を巡る不可解な謎。遺言書の秘密、不気味な降霊術、介護放棄の疑惑……。果たして彼は「殺された」のか? 不審死の謎に友人プリーストリー博士が挑む。渕上痩平訳
(論創社 2592円)[amazon]

アポロニオス・ロディオス 『アルゴナウティカ』
〈西洋古典叢書〉
金羊皮を求め、アルゴー船で航海へ乗り出す英雄たちの冒険譚。ヘレニズム期を代表する学匠詩人による、アルゴナウタイ物語の決定版。 堀川宏訳
(京都大学学術出版会 4212円)[amazon]

ペネロピ・フィッツジェラルド 『ブックショップ』
1950年代末のイギリス、未亡人フローレンスは小さな海辺の町の古い家で書店を開くが、この家を接収して芸術センターにと目論む土地の有力者夫人のため窮地に立たされる。ブッカー賞最終候補作(1978)。山本やよい訳
(ハーパーコリンズ・ジャパン 1836円)[amazon]

マシュー・レイノルズ 『翻訳 訳すことのストラテジー
最新の翻訳研究 (トランスレーション・スタディーズ) ではなにが論じられているのか? これ一冊でひととおりわかる。やさしい入門書。秋草俊一郎訳
(白水社 2484円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
江戸川乱歩 『吸血鬼』
(春陽堂文庫 1069円)[amazon]
江戸川乱歩 『盲獣』 (春陽堂文庫 961円)[amazon]



▼2月刊

『ルネサンス・バロックのブックガイド』 ヒロ・ヒライ監修

占星術、錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。その知のコスモスを伝えるブックガイド。50人の執筆者が116エントリー、総数150冊あまりを紹介。名著から最新の研究成果まで、日本で出版されたルネサンス・バロックの文化や思想の書物を網羅。目次
(工作舎 3024円)[amazon]

フェルナンド・バエス 『書物の破壊の世界史 シュメールの粘土板からデジタル時代まで
シュメールの昔から、アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰、ナチスによる「ビブリオコースト」、イラク戦争下の略奪行為、電子テロまで。どの時代にも書物は破壊され、人類は継承されるべき叡智を失ってきた。ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心におよぶ。世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。八重樫克彦・八重樫由貴子訳
(紀伊國屋書店 3780円)[amazon]

河村彩 『ロシア構成主義 生活と造形の組織学

テクノ、SF、ファッション、建築……あまりに豊穣な革命文化の遺産。ロシア革命直後の1920年代、新しい社会主義文化建設のために生まれた 《ロシア構成主義》。なぜこの文化運動が21世紀になお模倣され、あらゆるモードの祖型となったのか? 「住まう」 「暮らす」 「見せる」 「報せる」 をキーワードにその実像を描き出した書き下ろし論考。
(共和国 3456円)[amazon]

横田順彌 『快絶壮遊 〔天狗倶楽部〕 明治バンカラ交遊録
日本に野球や相撲を広めたスポーツ社交団体 「天狗倶楽部」。その中心人物・押川春浪と周囲の人々の抱腹絶倒のエピソードの数々。NHK大河ドラマ 「いだてん」 で話題、天狗倶楽部と押川春浪の痛快珍談・奇行。
(ハヤカワ文庫JA 820円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.16
〈特集=化外(けがい)の科学、悪魔の発明〉
人が作り出したものが、悪魔がひきおこしたかのような結果を招く 「悪魔の発明」 の物語を特集。キム・ニューマン、アンドリュー・ペン・ロマイン、C・A・スミスなど翻訳7編に、日本作家は芦辺拓、朝松健。他に北原尚彦インタビューなど。
(アトリエサード 1836円)[amazon]

トルーマン・カポーティ 『ここから世界が始まる
 トルーマン・カポーティ初期短篇集
「早熟の天才」 と恐れられた作家のデビュー前の才気が迸る。16歳頃から青年期にかけて執筆された14篇を収録。小川高義訳、解説=村上春樹。
(新潮社 2052円)[amazon]

ジェイ・ルービン編 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』
世界基準で面白く、イキのいい短篇はこれだ! 三島、百閒、星新一、小川洋子etc.…村上春樹が全収録作を評した序文50枚付き。
(新潮社 3888円)[amazon]

J・R・R・トールキン 『トールキンのアーサー王最後の物語 注釈版』
『アーサー王の死』 はJ・R・R・トールキンがブリテン王アーサーの伝説に取り組んだ唯一の試みであり、古英語の頭韻を詩に使った最高にして最もみごとな作品。アーサー王伝説の結末と 『シルマリルの物語』 との関係や、書かれることのなかったラーンスロットとグウィネヴィアの恋の苦い結末が浮かび上がる。小林朋則訳
(原書房 2700円)[amazon]

ティラー・J・マッツェオ 『イレナの子供たち』
ポーランド人、イレナ・センドレル(1910~2008)は、第2次大戦中に2500人以上ものユダヤ人の子供たちをワルシャワのゲットーから脱出させる救出活動をした人物。イレナの娘や、彼女に助けけられたユダヤ人たちへのインタビューから、若き日の彼女の姿を生き生きと描き上げた感動的なノンフィクション。羽田詩津子訳
(東京創元社 3024円)[amazon]

横溝正史 『蝶々殺人事件 由利・三津木探偵小説集成4
コントラバス・ケースから発見された歌姫の屍体――緻密な犯罪の謎に由利先生が挑む。本格探偵小説の粋を凝らし、坂口安吾から絶賛された表題作から、未完作品 『神の矢』 『模造殺人事件』 まで、全10編を収録。全4巻完結。日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

萩尾望都 『ポーの一族 プレミアムエディション 上・下
永遠の名作 『ポーの一族』 の原稿を著者による修正を経て現在の最高の技術で全てスキャンし直し、モノクロ原稿を美しく再現することを目指したプレミアムシリーズ。カラーページも再現。B5判サイズ。作品の予告カットや物語の時系列がわかる年表も収録。
(小学館 各2808円)[amazon]

《SFマガジン》 4月号
ベスト・オブ・ベスト2018
(早川書房 1296円)[amazon]

フランセス・イエイツ 『薔薇十字の覚醒 隠されたヨーロッパ精神史

新旧キリスト教の抗争渦巻く17世紀ヨーロッパに出現した薔薇十字宣言。魔術とカバラ、錬金術を内包したそのユートピア思想は、もうひとつのヨーロッパ精神史を形づくっていた。『記憶術』 『世界劇場』 他でルネサンス研究に新展開をもたらしたF・イエイツの名著、新装復刊。山下知夫訳
(工作舎 5400円)[amazon]

武田雅哉 『「西遊記」 妖怪たちのカーニヴァル
〈世界を読み解く一冊の本〉
映画やマンガにリメイクされつづける 『西遊記』 は子ども向けの本ではない? 中国の誇る〈神怪小説〉のなりたちと伝播を、妖怪たちの目線から語りつくす。目次
(慶應義塾大学出版会 2160円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活
ある夜一家全員が何者かに殺害された。たった一人生き残った赤ん坊は、墓場に迷い込む。幽霊たちは、力を合わせて育てることにするが……。カーネギー賞とニューベリー賞をダブル受賞した異色ファンタジー。金原瑞人訳
(角川文庫 994円)[amazon]

江戸川乱歩 『黒蜥蜴と怪人二十面相』
美貌と大胆なふるまいで暗黒街の女王に君臨する「黒蜥蜴」。ロマノフ王家のダイヤを狙う「怪人二十面相」。 乱歩作品の中でも屈指の人気を誇る、名探偵明智小五郎の二大ライバルの作品を一冊に。
(角川文庫 648円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 感ビジネス』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。第一章 急に変わってきた/第二章 合理的な愚か者たち/第三章 日本人と会社/第四章 消費と社会の間
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

山田登世子 『女とフィクション』
書物をこよなく愛したフランス文学者が、モーパッサン、デュマ、バルザック、ゾラからコレット、デュラスまでを参照しつつ、「文学の中の女」 と 「女の文学」 という視座から、愛と性、美徳と悪徳、虚構と現実、そして時代・風俗・社会を鮮やかに斬る痛快なエッセイ集。単行本未収録論考集成、第三弾。
(藤原書店 3024円)[amazon]

岡上淑子 『美しき瞬間 The Essennce of Toshiko Okanoue
コラージュ作家岡上淑子の代表作を、その言葉・詩と共に収録。創作と自由への想い、女性の心の綾。時を超えてよみがえる夢のしずく。岡上淑子展(東京都庭園美術館)
(河出書房新社 2052円)[amazon]

『吉田健一ふたたび』 川本直・樫原辰郎編
没後40年を過ぎ、今なお新しい読者を獲得し続けている吉田健一。気鋭の執筆陣による新しい評論集。
(冨山房インターナショナル 2700円)[amazon]

チョ・ナムジュ他 『ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集
『82年生まれ、キム・ジヨン』 の著者による表題作ほか、ミステリーやSFなど多彩な形で表現された7名の若手実力派女性作家の短篇集。 斎藤真理子訳
(白水社 1944円)[amazon]

小川利康 『叛徒と隠士 周作人の1920年代
兄・魯迅らとともに新文学運動を先導した周作人が、やがてその動きと分岐していく思想的変遷を、エリス、白樺派、トルストイ、厨川白村などの影響を精緻に腑分けして描く。
(平凡社 4860円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記Ⅱ』
いよいよ三年の間雨風の音を聞き馴れた小屋と別かれたり――通称 「三畳御殿」 が完成、空襲で焼き出されて以来丸三年にわたる小屋暮らしをついに脱する。昭和22年1月1日から23年5月31日までを収録。全3巻。
(中公文庫 1080円)[amazon]

齋藤美奈子 『吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み
漱石の 『吾輩は猫である』 や、サリンジャーの 『ライ麦畑でつかまえて』 の驚愕のラストを知っていますか? 時代を越えて愛されながら、意外と知られていない名作のエンディング。世界の文学137冊をタイプ別に分析し、お尻の一文から、文豪たちのセンスや生き方を鋭く批評する。斎藤美奈子流・切れ味抜群のブックガイド。
(中公文庫 734円)[amazon]

西崎憲 『全ロック史』
ロックミュージックはいかなる手段で、誰に抗い、何を訴えつづけてきたのか。一体なんのために。スコッツ=アイリッシュのアパラチア山脈への移住からはじまる巨大なるサーガ、ついに誕生。目次
(人文書院 4104円)[amazon]

アンデシュ・ルースルンド/ベリエ・ヘルストレム 『地下道の少女』
冬の朝、43人の子供が市内に突然現れた。ほぼ同時に、病院の地下で女性の死体が発見される。〈ガラスの鍵〉賞受賞シリーズ最新刊。ヘレンハルメ美穂訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1253円)[amazon]

ネイサン・ヒル 『ニックス』
売れない作家サミュエルはテレビのニュース番組を見ていて驚愕した。映っていたのは長年行方不明の母親、しかも、州知事に石を投げていたのだ。サミュエルは母の伝記で一儲けしようと考え母の半生を調べはじめるが、そこには想像もしない事実が待っていた。佐々田雅子訳
(早川書房 3780円)[amazon]

ケン・リュウ 『生まれ変わり』
悪しき記憶を切除する技術をもつ異星の訪問者により、人類は生まれ変わった。表題作ほか、アジアの工場で過酷な労働に従事する少女の不思議な体験を描いた「ランニング・シューズ」など20篇を収録、現代SFのトップランナーによる日本オリジナル短篇集第3弾。古沢嘉通他訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2484円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ5 アット・ラスト』
母の葬儀に参列するパトリックは、問題を抱えていた父と母を共に失った後の人生について思いを馳せる。ずっと望んできた心の平安が遂に手に入るのだろうか? 彼の心に光がきざす――。シリーズ完結篇。国弘喜美代・手嶋由美子訳
(早川書房 1944円)[amazon]

F・W・クロフツ 『クロイドン発12時30分 新訳版
チャールズは切羽詰まっていた。父から継いだ会社は経営が傾き、恋しいユナは落ちぶれた男など相手にしてくれない。叔父に援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。追いつめられたチャールズは、遺産目当てに叔父殺害計画を練り、実行に移すが……。『樽』 と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。霜島義明訳
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ホーカン・ネッセル 『悪意』
夜中にかかってきた一本の電話、それは22年前に死んだはずの息子からのものだった(「トム」)。亡くなった著名な作家の遺作には母国語での出版を禁じ、翻訳出版のみを許可するという、奇妙な条件が付されていた(「レイン」)。デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた傑作短編集。久山葉子訳
(東京創元社 2808円)[amazon]

『怪異学の地平』 東アジア恠異学会編
「〈他〉 の認識と怪異学」 をテーマに、怪異をめぐる言葉、怪異とよばれる事象、怪異をもたらすものが何かを明らかにする怪異学研究の最先端。目次
(臨川書店 7560円)[amazon]

荒木正純 『「荒地」 の時代 アメリカの同時代紙からみる
モダニズム文学の金字塔と云われるT・S・エリオットの 『荒地』 の 「コラージュ」 様式は、同時代のアメリカの新聞紙面の有り様と通底している。作品の組み立てと同時代の新聞記事を併置させて読解することで見えてくる新たな読みの提示。
(小鳥遊書房 7776円)[amazon]

ジェイン・オースティン 『説得されて』
2006年にケンブリッジ大学出版局から刊行された版を底本とし、物語の鑑賞に有用な注を付す。端正な現代日本語で読む最新訳。藤田永祐訳
(春風社 予価2700円)[amazon]

シャルル・ペギー 『クリオ』
〈須賀敦子の本棚〉
歴史の女神クリオが語る老いとは何か、歴史とは何か―究極の名著、初完訳!カトリック左派の中心的な思想家として知られ、須賀敦子も敬愛したペギーが、モネの「睡蓮」やヴィクトル・ユゴーの作品を主軸に、その思索を結実させた傑作。宮林寛訳
(河出書房新社 3456円)[amazon]

佐藤有文 『吸血鬼百科 復刻版
甦る恐怖と怪奇の世界。講談社の児童書 〈ドラゴンブックス〉 シリーズから 『吸血鬼百科』 (1974) を初版時の内容・造本をそのままに復刻。内容=〈恐怖の吸血鬼ベスト10〉〈吸血鬼の7大超能力〉〈吸血鬼の発生と伝説〉〈実在した吸血鬼たち〉〈吸血鬼の科学〉〈20世紀の吸血鬼事件〉他。
イラスト=石原豪人、南村喬之、杉尾輝利、山田維史 他。
復刊ドットコム 4212円)[amazon]

岡本綺堂 『初稿 半七捕物帳 六十九話集 壱/江戸の探偵名話 半七捕物帳』
「シャーロック・ホームズ」 にインスパイアされた半七の捕物事始。「文藝倶楽部」 に大正6~7年に連載された 『江戸時代の探偵名話 半七捕物帳』 にあたる部分の初出13編に、エッセイ 「日本の捕物と支那の捕物」 も収録。半七捕物帳は、作者により刊行のたびにテキストに手が入れられている。一番初めのタイムラインによる三河町の半七手柄話。限定100部
(東都我刊我書房 6000円)※取扱=盛林堂

藤沢衛彦 『日本の伝説 四国・九州』
〈日本の伝説〉第4弾。巡礼、源平、化け猫、キリシタン、沖縄、古代史など、伝説の宝庫。「祖谷山の落武者」など全80話。
(河出書房新社 2268円)[amazon]

カレン・ディオンヌ 『沼の王の娘』
拉致監禁犯の男とその被害者のあいだにできた娘――それがわたしだ。そして今日、終身刑の父が看守を殺して逃走した。父を捕まえられる人間がいるとしたら、父から手ほどきを受けたわたし以外にいない。父と娘の緊迫の心理戦、究極のサバイバルゲームがいま始まる。林啓恵訳
(ハーパーBOOKS 1080円)[amazon]

フェリシア・ヤップ 『ついには誰もがすべてを忘れる』
ケンブリッジの川のほとりで、ブロンド美女の遺体が発見された。被害者の日記によれば、女は有名作家エヴァンズの愛人だというが、作家はファンの誇大妄想だと関係を否定する。一方、彼の妻クレアは事件が発生した2日前の記憶がなかった。そして事件を追う警部も大きな秘密を抱えていた――。山北めぐみ訳
(ハーパーBOOKS 1260円)[amazon]

アンドルー・スカル 『狂気 文明の中の系譜
ホメロスが叙述し、『黄帝内経』 や 『ヒポクラテス集典』 によって止揚され、聖書にあっては神の御心、病めるバートンが憂鬱症を解剖すれば幻惑者メスマーは生体磁気を提唱し、在野の医師フロイトによる分析が巷をにぎわした世紀を後に最新の脳神経科学がその威容を現わす。泰西泰東の先人が執心し、今なお探求の旅が飽かずに続く 「ものくるおしき有様」 の体系化に挑む精神史。三谷武司訳
(東洋書林 5832円)[amazon]

鳥海修・高岡昌生・ 美篶堂・永岡綾 『本をつくる 書体設計、活版印刷、手製本 職人が手でつくる谷川俊太郎詩集
一篇の詩のために活字が生まれ、組版、活版印刷、手製本を経て本ができあがる。当代一の職人たちによる本づくりの過程を辿った書。
(河出書房新社 1998円)[amazon]

《MONKEY》 vol.17 哲学へ
柴田元幸 責任編集 目次
(スイッチパブリッシング 1512円)[amazon]

林淑丹 『小泉八雲・澁澤龍彥と 『夜窓鬼談』 交響する幻想空間
怪異小説の創作の伝統が漢字文化圏でいかに変容したか。明治22年に刊行された漢文小説、石川鴻斎 『夜窓鬼談』 の特性を明らかにし、近現代作家に受容される過程を考察する。目次
(翰林書房 3456円)[amazon]

柳田國男 『柳田國男 ささやかなる昔』
〈STANDARD BOOKS〉
知と文芸を横断するスタンダードブックス第3期刊行開始。民俗学の父が全国を渉猟して見出した、いにしえと今の日本の足跡。
(平凡社 1512円)[amazon]

劉岸偉 『小泉八雲と近代中国』
20世紀前半の中国においてどのように受容されたか。作家没後のドラマを追跡し,新たな作家像を浮彫りに。オンデマンド復刊
(初刊2004)
(岩波書店 4752円)[amazon]

丸善ジュンク堂限定復刊
泡坂妻夫 『妖女のねむり』 (創元推理文庫)[honto]
コリン・ウィルスン 『賢者の石』 (創元推理文庫)[honto]
コーネル・ウールリッチ 『黒衣の花嫁』 (ハヤカワミステリ文庫)[honto]
ダシール・ハメット 『赤い収穫』 (ハヤカワミステリ文庫)[honto]
小松和彦・宮田登・鎌田東二・南伸坊 『日本異界絵巻』 (ちくま文庫)[honto]
森茉莉 『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』 (ちくま文庫)[honto]


『世界推理短編傑作集4』 江戸川乱歩編
名アンソロジー『世界短編傑作集』 を全面リニューアル。第4巻は、コッブ 「信・望・愛」、ノックス 「密室の行者」、バーク 「オッターモール氏の手」、ハメット 「スペードという男」、ダンセイニ 「二壜のソース」、ウォルポール 「銀の仮面」、セイヤーズ 「疑惑」、クイーン 「いかれたお茶会の冒険」、ベイリー 「黄色いなめくじ」 の1930年代以降の名作9編を収録。
(創元推理文庫 予価1037円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.93
真藤順丈 『塔の国』 長編ミステリ連載スタート。懸賞付き犯人当て小説企画・第2弾の解答編、米澤穂信 「伯林あげぱんの謎 【実食編】」。文庫版『王とサーカス』刊行記念、米澤穂信×北村薫 対談 「ミステリーを通して世界を見る」 レポート掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

辻惟雄 『十八世紀京都画壇 蕭白、若冲、応挙たちの世界
蕪村、応挙、若冲、蘆雪、蕭白。ほぼ同時期、同じ地に豊かな才能が輩出した。彼らは旧来の手法から抜けだし、己の個性を恃んで、奔放に新しい表現を打ちだす。18世紀の京都はまさにルネサンスの地であった。「奇想」 の美術史家・辻惟雄の多数の論考から抜粋、作品の解釈、時代背景や人物像にも迫る。
(講談社メチエ 1836円)[amazon]

『SFが読みたい!2019年版』 SFマガジン編集部編
年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2018年の各出版社のSF書籍刊行予定、SF作家たちの最新予定「2019年のわたし」、SF関連書籍&DVD目録などでおくる恒例のガイドブック最新版。
(早川書房 886円)[amazon]

ヘロン・カーヴィック 『村で噂のミス・シートン』
ロンドンの美術教師ミス・シートンは田舎のコテージ行きを楽しみにしていた。しかしその前夜、女性を襲っていた暴漢を傘で撃退、犯人の似顔絵を描いて警察に協力したのを、新聞が 「闘うこうもり傘」 と大々的に書き立てたおかげで、訪れた村でも有名人に。さらに逃走中の犯人がミス・シートンを狙ってやってきて……? 山本やよい訳
(コージー ブックス 907円)[amazon]

アブドゥラマン・アリ・ワベリ 『トランジット』
〈フィクションの楽しみ〉
欧米列強による強権支配,部族対立による混乱から内戦へと,混迷を深めるジブチ現代史を背景に,“難民たち”“亡命者たち”の論理と心理を内側から活写する先鋭な政治小説。林俊訳
(水声社 2700円)[honto]

R・オースティン・フリーマン 『ニュー・イン三十一番の謎』
〈論創海外ミステリ〉
発見された死体と書き換えられた遺言書。遺された財産を巡る人間模様。シャーロック・ホームズのライヴァルで法医学者にして名探偵のソーンダイク博士が、科学的知識を駆使し事件の解決に挑む。福森典子訳
(論創社 3024円)[amazon]

マクシム・ゴーリキー 『二十六人の男と一人の女 ゴーリキー傑作選
毎日パンをもらいにくる快活な少女ターニャの存在は、暗いパン工房でこき使われる男たちの唯一の希望だった。だが、ある日ふらりと現れた伊達男が彼女を落とせると言いだし……。社会の底辺で生きる人々の姿を描く、味わい深い4篇を収録。中村唯史訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

J-P・サルトル、ベニイ・レヴィ 『いまこそ、希望を』

20世紀を代表する知識人サルトルの最晩年の対談企画。ヒューマニズム、暴力と友愛、同胞愛などの問題について、これまでの発言、思想を振り返りながら、絶望的な状況のなかで新しい「倫理」「希望」を語ろうとするサルトルの姿がここにある。海老坂武訳
(光文社古典新訳文庫 929円)[amazon]

岩波文庫 春のリクエスト復刊
バイロン 『マンフレッド』
ウォルター・スコット 『湖の麗人』
バーナード・ショー 『分らぬもんですよ』
シルレル 『スペインの太子 ドン・カルロス』
プロスペル・メリメ 『エトルリヤの壺』
エミール・ゾラ 『テレーズ・ラカン』

ほか全34点

チョン・ユジョン 『種の起源』
26歳のユ・ジンは目覚めると、自宅で母の死体を発見した。時々記憶障害が起こる彼は前夜のことを何も覚えていない。事件、そして自分と家族の間の真実を明らかにするため、3日間の激しい捜索が始まる。心と記憶の謎、母子の関係を探求するサイコ・スリラー。カン・バンファ訳
(ハヤカワ・ミステリ 1728円)[amazon]

クリス・ホルム 『悪魔の赤い右手 殺し屋を殺せ2
親友を殺された殺し屋専門の殺し屋ヘンドリクスは、全米のギャング組織を束ねる〈評議会〉に復讐を誓うが……。シリーズ第2弾田口俊樹訳
(ハヤカワ文庫NV 1145円)[amazon]

クローディア・グレイ 『円環宇宙の戦士少女』
故郷の惑星を救うため、戦闘艇パイロットのノエミは、遺棄船で発見したロボットと共に 〈ゲート〉を抜けて円環世界へと向かった。中原尚哉訳
(ハヤカワ文庫SF 1231円)[amazon]

レックス・スタウト 『ネロ・ウルフの災難 女難編』
〈論創海外ミステリ〉
アーチー・グッドウィン、辞職す! 絶体絶命の美人依頼者の無実を信じ、迷探偵アーチーの捜査が始まる。女難をテーマにした日本独自編纂の作品集 「ネロ・ウルフの災難」 第一巻は、「悪魔の死」 「殺人規則その三」 「トウモロコシとコロシ」 を収録。巻末付録はウルフとアーチーの 「女性を巡る名言集」。鬼頭玲子訳
(論創社 3024円)[amazon]

ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『夢の本』
『ギルガメシュ』 『聖書』 『千夜一夜物語』 『紅楼夢』 から、ニーチェ、カフカなど113篇。独自の視点で編まれた夢のアンソロジー。堀内研二訳
(河出文庫 1296円)[amazon]

小林司・東山あかね 『シャーロック・ホームズ入門百科』
日本を代表するシャーロッキアン夫妻が贈る決定版入門書。全作品のあらすじや基礎データ、名探偵の生涯や数々の逸話など情報満載。
(河出文庫 842円)[amazon]

泡坂妻夫 『死者の輪舞』
競馬場で男が殺された事件を皮切りに容疑者が次から次へと殺される殺人リレーが始まった――警視庁の海方&小湊の刑事コンビが挑む。
(河出文庫 961円)[amazon]

岩田宏 『渡り歩き』
詩人であり作家・翻訳家 (小笠原豊樹) でもあった著者による、これぞ読書、という読書論。本から本へ、忘れられた作家から未知の傑作、無類に面白い名著へと、思いのままに渡り歩く味わいに満ちた読書論。
(草思社文庫 1058円)[amazon]

辻惟雄 『新版 奇想の系譜』
半世紀前に刊行された 『奇想の系譜』 が、新たに図版を加え、さらにカラーで大きく見せるレイアウトに生まれ変わった。また、若冲をはじめ江戸の絵師たちに起こった絵画をとりまく状況の変化を各章末に新原稿として追記。岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、歌川国芳――アバンギャルドな絵師たちの画を約130点も掲載。江戸奇想絵画ブームの原点となる名著をオールカラー完全版で刊行。
(小学館 5400円)[amazon]

トニー・エンジェル 『フクロウの家』
1969年の晩夏、著者一家はシアトル郊外に引っ越した。冬になる頃、近くの森にニシアメリカオオコノハズクが生息していることが判明。窓から見える杉の大木に巣箱を取りつけると、一組のつがいがそこを住処に選んだ。それから一年にわたる観察の日々が始まる。画家、彫刻家として名高い著者による、フクロウと共に生き、触れ合った日々の記録。美しい挿画約100点収録。伊達淳訳
(白水社 3240円)[amazon]

萩野正昭 『これからの本の話をしよう』
数々の画期的な出版プロジェクトに取り組む株式会社ボイジャー。その創業者が、25年にわたる先駆的な歩みを振り返りつつ、本と出版の未来について語った。紙か? 電子か? といった技術論やビジネス論にとどまらない、本そのものの魅力、役割、可能性を考えていく。自分たちのメディアを育て、確立していくための、デジタル時代の出版論。
(晶文社 1836円)[amazon]

巽由樹子 『ツァーリと大衆 近代ロシアの読書の社会史
絵入り雑誌と呼ばれる薄手の週刊誌が次々と発行された19世紀末のロシア社会。新しいメディアを享受した読者とは誰か。読者の変遷がもたらす文化の変容こそが、奴制廃止や教育改革などの大改革から革命に至る騒擾という歴史の転換点につながることを明らかにし、近代ロシア像に再考をうながす。目次
(東京大学出版会 5184円)[amazon]


▼1月刊

ソナーリ・デラニヤガラ 『波』
あの日から、私の世界は闇に閉ざされた。津波に家族を奪われた女性の魂の記録。2004年のクリスマスの翌日、スリランカの南岸に滞在中の一家を巨大な津波が襲った。息子たちと夫と両親を失った経済学者の妻は絶望の淵に突き落とされる。家族の記憶に苛まれ、やがてその思い出が再起を支えた――マイケル・オンダーチェ、テジ ュ・コールら絶賛の手記。佐藤澄子訳
(新潮クレスト・ブックス 2160円)[amazon]

モルガン・スポルテス 『天は語らず』
徳高き神父フェレイラはなぜ棄教したのか? 沢野忠庵と名を変え、キリシタン弾圧に加わり、キリスト教を批判する書物まで著した裏切り者、コラボ(対敵協力者)。その人生と心象、そして西欧による世界支配の先兵としての宣教への懐疑を、史実の行間を有機的につなぎながら、サスペンスフルかつ自由闊達に描く歴史フィクション。吉田恒雄訳
(岩波書店 3024円)[amazon]

ラヴィ・ティドハー 『黒き微睡みの囚人』
ドイツで総統になるはずだった男、政治家ウルフは政変によりロンドンに逃れ、私立探偵をしていた。ユダヤ人嫌いのウルフだったが、金のためユダヤ人女性の行方を探すことになり、さらに娼婦連続殺人事件に巻き込まれてしまう。調査を進めるうちにウルフは元同志たちが暗躍するイギリスの暗部へと足を踏み入れる。ホロコーストを新たな視点で描いた、歴史改変奇想ノワール。押野慎吾訳
(竹書房文庫 1296円)[amazon]

辻惟雄・山下裕二 『血と笑いとエロスの絵師 岩佐又兵衛』
〈とんぼの本〉
「奇想派」最後の大物、見参! 凄絶な復讐譚を長大な絵巻に仕立て、浮世絵の元祖とも呼ばれる画家の入門書。絵巻もたっぷり見せる。
(新潮社 1836円)[amazon]

スティーヴン・キング 『心霊電流 上・下
僕が少年だった日、町にやってきた若き牧師と、やがて訪れた悲劇。キングが怪奇小説の巨匠たちに捧げた慟哭と狂気と恐怖の物語。峯村利哉訳
(文藝春秋 各1944円)[amazon]

ケイト・モートン 『秘密 上・下
1961年、少女ローレルは、突然現れた男を母が刺すのを目撃した。男は多発していた強盗事件の犯人とされ、母の正当防衛が認められた。50年後、女優となったローレルは、死期の近づいた母の過去を知りたいと思うようになる。あの事件は何だったのか? 翻訳ミステリー大賞&読者賞、ダブル受賞の傑作。青木純子訳
(創元推理文庫 各1188円)[amazon]

ハル・クレメント 『重力への挑戦 新版
メタン液の海とアンモニア氷とに覆われ、地球の700倍の重力を持つ巨大惑星メスクリンは、人類の探検を許さない未知の世界だった。そこに座礁したロケットを調査するため、地球人とメスクリン人のあいだに取引が成立する。メスクリン人は、何の目的で、この危険な仕事を無報酬同然で引き受けたのか? 異生物ハードSFの里程標的傑作。井上勇訳
(創元SF文庫 1188円)[amazon]

カリーヌ・ジエベル 『無垢なる者たちの煉獄 上・下
14年の刑期を終えたラファエルは、出所後、弟と新しい犯罪計画に取り掛かるが、警官隊との銃撃戦で弟は重傷、村外れの古い屋敷に逃げ込んだ。その家にいたのは夫の帰りを待つ妻がひとりだけ。理想的な隠れ家のはずだったが……。フランスを代表するミステリ作家のサイコスリラー。坂田雪子訳
(竹書房文庫 各994円)[amazon]

白井啓介 『銀幕發光 中国の映画伝来と上海放映興行の展開
いかにして上海は、東洋のハリウッドとなったのか。映画の伝来から、その後の映画放映の推移、そして中国国産映画が、中国人観客の嗜好に合致する作品特性を生み出すまで、上海映画の血沸き肉躍る歴史を明らかにする。
(作品社 3456円)[amaon]

横溝正史 『仮面劇場 由利・三津木探偵小説集成3
金田一耕助と並ぶ、横溝正史のもうひとつの名探偵シリーズ。由利麟太郎や三津木俊助が登場する一般向けの全作品を、初出・初刊のテキストに準じて再編集。第3巻は、「仮面劇場」 「双仮面」 「悪魔の設計図」 ほか、昭和13-14年に発表された全9篇を収録。収録内容 日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

山本周五郎 『周五郎少年文庫 南方十字星 海洋小説集
謎の結社に入った平馬少年がチンピラ“隼の定吉”と共に某国軍器製造場爆破を目指す 「囮船第一号」。キリコ蕃王の金鉱が南洋の島にあるという。大河内信之は遂に古文書の解読に成功する。黒豹、毒蛇、毒蛭等、猛獣毒蟲を繁殖させたと記録にあるその島に、士郎少年は勇敢にも乗り込むが……(表題作)。新発見4編を含む全8編を収録。
(新潮文庫 767円)[amazon]

カメル・ダーウド 『もうひとつの 『異邦人』 ムルソー再捜査
叢書《エル・アトラス》
カミュの『異邦人』を反転させ、ムルソーによって殺害されたアラブ人の弟が紡ぐ《もうひとつの物語》とはなにか!? 世界でもっとも読まれたフランス小説をアラブ人の視点から創造=想像的に捉え返す衝撃作。鵜戸聡訳
(水声社 2160円)[honto]

モーリス・ルブラン/保篠龍緒訳 『怪盗ルパン 二つえくぼの女』
15年前に歌姫が侯爵邸で不測の死を遂げた。興味をもったルパンの前に、金髪の美女と追う警部。事件の背後には……。洒脱な映画を見るような、ルパン物異色の恋愛ミステリ。
(河出書房新社 2106円)[amazon]

ポール・ルイス/ケン・ラマグ(絵) 『ゾンビで学ぶ A to Z 来るべき終末を生き抜くために
息子が惑星衝突の迫りくる危険について父親に質問。父親は、A(アストロイド)からZ(ゾンビ)まで、アルファベットのすべての文字に込められた子守歌として息子に語り聴かせるが……。この悲惨な時代を不気味な詩と幻想的なイラストで贈るブラックユーモアな絵本。伊藤詔子訳
(小鳥遊書房 1512円)[amazon]

フラン・オブライエン 『ドーキー古文書』
海辺の町ドーキーでミックが知りあった紳士ド・セルビィは、人類救済のための世界破壊を企て、大気中の酸素を除去する物質を開発していた。嘘か真か、時間の制御にも成功したという。一方、ミックは行きつけの酒場で 「ジェイムズ・ジョイスが死んだという話は眉唾物だ」 と聞かされる。次々登場する変人に飛びきりの奇想。世界中で愛されたアイルランド文学の異才フラン・オブライン、最後の傑作。大澤正佳訳
(白水Uブックス 1944円)[amazon]

デイヴィッド・ロッジ 『作家の運 デイヴィッド・ロッジ自伝
成功も失敗も、好きも嫌いも、強みも弱みも隠さずに、充実期の作家人生を振り返る。創作の秘密から文壇や学会の内幕まで、つぶさに物語る。高儀進訳
(白水社 5400円)[amazon]

真鍋博 『新装版 真鍋博の鳥の眼 タイムトリップ日本60'S
「サンデー毎日」 の連載企画で、日本列島を北から南へ5万キロを飛んで描きあげた明治100年の国土の姿。1968初刊。
(毎日新聞出版 3996円)[amazon]

ダニエル・C・テイラー 『イエティ 雪男伝説を歩き明かす』
誰よりもヒマラヤを知り尽くした筆者が、イエティ伝説の全貌を解き明かす。不思議な足跡の主としてのイエティ、信仰の対象としてのイエティ、環境運動のマスコットとしてのイエティ、全てが丁寧な調査と経験から明らかになる。環境活動の冒険記であり、「雪男」 本の最高傑作。
(青土社 3024円)[amazon]

《ミステリマガジン》 3月号
特集=華文ミステリ 内容
(早川書房 1296円)[amazon]

E・H・ヴィシャック 『メドゥーサ』
〈ナイトランド叢書〉 父を亡くした少年ウィリアムは数々の苦難を越え、船主ハクスタブルと共に、その息子を捜す航海へ。 秘密を抱えた船主。そして目指す海域には、何が潜むのか? コリン・ウィルソンを驚嘆させた謎と寓意に満ちた幻の海洋奇譚が、幻想文学史の深き淵より、ついに姿を現す。安原和見訳
(アトリエサード 2484円)[amazon]

ジョン・D・ライト 『[図説] ヴィクトリア朝時代 一九世紀のロンドン・世相・暮らし・人々
ヴィクトリア朝ロンドンの社会と世相を中心に、関連する19世紀欧米の社会現象まで多岐にわたり細部まで探求する。貧困、犯罪、戦争、事件、疫病、飢饉、搾取、見世物小屋、アヘン窟、売春、児童労働ほか帝国絶頂期の闇に迫る。角敦子訳
(原書房 3024円)[amazon]

ジェームズ・ボールドウィン 『ビール・ストリートの恋人たち』
冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。川副智子訳
(早川書房 2376円)[amazon]

『カート・ヴォネガット全短篇3 夢の家
すぐれた作品群を遺し、多くの人々に愛された作家カート・ヴォネガット。その生涯にものした全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する第3巻には、表題作ほか「働き甲斐vs富と名声」テーマの24篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
(早川書房 3348円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ3 マザーズ・ミルク』

結婚をして息子をえたパトリックだが、子どもへの強すぎる愛を持つ妻やニューエイジ団体にはまる母に翻弄されるばかり。メルローズ家は過去の呪縛から逃れられないのか? 家族の新しい世代だけが変化への希望だった。英国最高峰の文学賞ブッカー賞最終候補作。国弘喜美代・手嶋由美子訳
(早川書房 2052円)[amazon]

COCO 『今日の早川さん4』
早川さん、帆掛さん、岩波さん、富士見さん、国生さん、おなじみ本オタクの面々がくりひろげる本と読書の日常、そしてときどき非日常。奇妙な布を拾った早川さんたちに、本の記憶が薄れてゆくという不可解な事件が起こりはじめる。もしやその布は宇宙からの?
(早川書房 1512円)[amazon]
COCO 『今日の早川さん4 限定版』
(早川書房 2052円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『物語北欧神話 上・下

霧と炎が支配する世界に巨人と神々が生まれた。彼らは定められた滅びへと突き進んでゆく――断片的な詩や散文からなる複雑な北欧神話を現代ファンタジーの巨匠が再話。後の創作物に多大な影響を与えた神々の物語がよみがえる。金原瑞人・野沢佳織訳
(原書房 各1728円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記Ⅰ』
暫らく振りに蝋燭の明かりにて日記を書き続ける。こはいけれど空襲よりはいいだらう――ロングセラー 『東京焼盡』 の翌日、昭和20年8月22日から21年12月末までの記録。掘立小屋にも編集者がおしかけ、毎日の酒の入手に苦労する日々を具体的かつ飄然と綴る。巻末付録・谷中安規 「かをるぶみ」。
(中公文庫 1080円)[amazon]

ヨハン・ホイジンガ 『ホモ・ルーデンス』
「人間は遊ぶ存在である」。人間のもろもろのはたらき、生活行為の本質は、人間存在の根源的な様態は何かとの問いに、20世紀最大の文化史家が確信した結論がここにある。文化人類学と歴史学を綜合する雄大な構想で論証し、遊びの退廃の危機に立つ現代に冷徹な診断を下す記念碑的名著。高橋英夫訳
(中公文庫 1296円)[amazon]

『世界名作探偵小説選』 山中峯太郎訳
ポプラ社 「ポー推理小説文庫」 「世界名作探偵文庫」 から、山中峯太郎が翻訳を手掛けた作品を一冊にまとめる。E・A・ポーの著名な3作品のほか、バロネス・オルツィによるナポレオンの密使を主人公にした作品、サックス・ローマー 「フー・マンチュー」 シリーズの2作品を収める。平山雄一 註・解説 【収録内容】 ポー 「モルグ街の怪声」 「黒猫」 「盗まれた秘密書」、オルツィ 「灰色の怪人」、ローマ― 「魔法博士」 「変装アラビア王」
(作品社 7344円)[amazon]

米沢嘉博 『戦後怪奇マンガ史』
初めて解き明かされたホラー漫画の通史。文庫化。赤田祐一編
(鉄人社 918円)[amazon]

フランシス・ハーディング 『カッコーの歌』
「あと七日」 笑い声と共に言葉が聞こえる。 わたしは……わたしはトリス。池に落ちて記憶を失ったらしい。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、わたしが偽者だと言う。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 『嘘の木』 著者の傑作ファンタジー。英国幻想文学大賞受賞。児玉敦子訳
(東京創元社 3564円)[amazon]

エドワード・D・ホック 『怪盗ニック全仕事 6』
40年以上にわたり 「価値のないもの」 を盗み続けてきた怪盗ニック・ヴェルヴェット。ついに迎えた最終巻は、奇妙な品物を意外な方法と思わぬ理由により盗み出す通常営業の短編から、恋人グロリアとの出会いや〈白の女王〉サンドラ・パリスとの共演などファン必読のエピソードまで、本邦初訳8編を含む全14編を収録。木村二郎訳
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

野村胡堂 『櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選
神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分のガラッ八と共に、江戸で起こる様々な事件に立ち向かっていく。383編にも及ぶ捕物帖のスーパーヒーローの活躍譚から、ミステリに特化した傑作17編を収録。末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

村上リコ 『図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 新装版
古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?
(河出書房新社 1944円)[amazon]

マルグリット・デュラス 『苦悩』
ナチス占領下のパリ、苦しみの時代に強制収容所からの恋人の帰りを待つ苛烈な日々を綴った、デュラスの自伝的作品。表題作の他5篇。田中倫郎訳
(河出書房新社 3456円)[amazon]

ミック・フィンレー 『探偵アローウッド 路地裏の依頼人』
1895年、世間が名探偵ホームズの活躍に喝采する中、苦虫を噛み潰す男がいた――彼の名はアローウッド。同じ私立探偵でも、回ってくるのはホームズには頼めないような曰わくつきの依頼ばかり。ある日、美しいフランス人女性が 「兄が失踪した」 と助けを求めてくる。それは最悪な殺人事件の始まりで――
(ハーパーBOOKS 1080円) [amazon]

重版
W・E・B・デュボイス 『黒人のたましい』
サマセット・モーム 『アシェンデン』
吉田健一 『ヨオロッパの世紀末』

(岩波文庫)

古橋信孝 『ミステリーで読む戦後史』
敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』 『ゼロの焦点』 が爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代、『海の牙』 や 『人喰い』、騒音公害を告発する 『動脈列島』 などの作品が生み出されていく。歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が浮かび上がる。ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。新しい読み方で10年ごとに時代を振り返る。目次
(平凡社新書 1015円)[amazon]

二階堂卓也 『荒野とドルと拳銃と 極私的マカロニウェスタン映画論
「殺られるまえに殺れ!」――男の美学・マカロニウェスタン映画論。目次
(彩流社 3240円)[amazon]

トーマス・ベルンハルト 『凍』
山間部の村に滞在することになった研修医の手記があばく凍りつくほどにきびしいこの世界の真実。おそるべき作家の最高傑作ついに邦訳。池田信雄訳。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

アガサ・クリスティ 『ミス・マープルと十三の謎 新訳版
〈火曜の夜クラブ〉 では、毎週、ひとりが知っている謎を提示し、ほかの面々が推理を披露する。凶器なき不可解な殺人 「アシュタルテの祠」、動機と機会の奇妙な交錯 「動機対機会」 など傑作ぞろいの13編。世代を越えて愛される名探偵ミス・マープルの短編集、新訳でリニューアル。深町眞理子訳
(創元推理文庫 972円)[amazon]

フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌』

文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として大成功をおさめたゼバスティアン。だがある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で逮捕されてしまう。強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つことになった。裁判で暴き出される驚愕の真相とは。酒寄進一訳
(創元推理文庫 864円)[amazon]

金来成 『白仮面』
〈論創海外ミステリ〉
暗躍する怪盗との息詰まる戦い、南海の孤島に繰り広げられる大冒険。名探偵・劉不亂の活躍を描く韓流ジュブナイル・ミステリを二作収録。祖田律男訳
(論創社 2376円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選2 ラテン教父の系譜』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の 『中世思想原典集成』 文庫化(全7巻)。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

デボラ・フォーゲル 『アカシアは花咲く』
〈東欧の想像力〉 ブルーノ・シュルツの第一短編集 『肉桂色の店』 成立に影響を与え、今世紀に入ってからその作品が再発見され、世界のモダニズム地図を書き換える存在として注目を集めるデボラ・フォーゲルの短編集 『アカシアは花咲く』 と、イディッシュ語で発表された短編3作を併載。シュルツによる書評も収めた。加藤有子訳
(松籟社 2160円)[amazon]

R・オースティン・フリーマン 『キャッツ・アイ』
助けを求める若い女性の叫び声に、帰宅途中の弁護士アンスティが駆けつけると、そこには男女が激しく組み合う姿が。男は身を振りほどくと闇の中に姿を消した。近くの邸では主人が宝石コレクションの陳列室で殺害されていた。単純な強盗殺人に思われたが、被害者の弟ローレンス卿は警察の捜査に納得せず、ソーンダイク博士の出馬を要請する。本格推理に伝奇冒険的な要素も加味した黄金時代ミステリの名作。渕上痩平訳
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『ヘンリー五世』
『ヘンリー四世』で手に負えない少年だったハル王子が、徳も分別もある王「ヘンリー五世」へと成長し、フランス征服に乗り出す。松岡和子訳
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ジョーダン・ハーパー 『拳銃使いの娘』
内気な11歳の少女ポリーの前に、収監されているはずの父親が現れた。父の敵がポリーの命を狙っているというのだ。父と出た逃亡の旅路で、ポリーは暴力を知り、盗みを知り、いやおうなしに成長していく。数々の人気ドラマを手がけた脚本家が放つ傑作サスペンス。鈴木恵訳
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

ダニエル・ジャドスン 『緊急工作員』

戦地から戻ったトムのもとに、元上官からの緊急メッセージ。命の恩人の元戦友が窮地にあるという。だが、その裏には周到な罠が! 真崎義博訳
(ハヤカワ文庫NV 1404円)[amazon]

スー・バーク 『セミオーシス』
惑星パックスを植民開発する人類は土着植物 が意思を持つことに気づく。人類に敵意を持ち意図的に毒を持つ植物との共存は可能か? 七瀬由惟訳
(ハヤカワ文庫SF 1145円)[amazon]

アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャー4 ツバメの塔』
帝国との戦いが激化するなか、古の血の子シリは追われていた。娘を探すウィチャーのゲラルトは世界の終焉の予感に恐怖するが……。川野靖子訳
(ハヤカワ文庫FT 1296円)[amazon]

カズオ・イシグロ 『浮世の画家 新版
戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野は、終戦を迎えたとたん周囲から疎んじられ……。ノーベル賞作家の出世作。飛田茂雄訳
(ハヤカワepi文庫 972円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの慢心』
パラレル英国を舞台に、パンク探偵の推理が冴える! キッドが自らの少年時代を語る表題作ほか、靴の形をした館で雪の夜に起こった密室殺人の謎に迫る 「靴の中の死体」 など全5編を収録。京極夏彦のエッセイ等も掲載。
(光文社文庫 886円)[amazon]

小泉喜美子 『殺人は女の仕事』
作家志望の美しい青年に出会った敏腕編集者の志賀子。少女のように胸をときめかせ、彼との将来を夢見るが、青年が妻帯者だと知ったとたん、殺意が……。表題作ほか、単行本未収録の「美わしの思い出」 など全8編を収録。
(光文社文庫 907円)[amazon]

オノレ・ド・バルザック 『イヴの娘』
モダンスタイルで装飾された銀行家の室内、化粧芬々たる女性たちのあらゆる富を動員した貴族社会の大夜会、伯爵夫人にふりかかる野心家の恋……パリ上流社会に「挑戦」する作家の物語。80年ぶりの新訳。宇多直久訳
(春風社 2268円)[amazon]

イ・ジョンミョン 『星をかすめる風』
一編の詩が人を変え、ひとつの言葉が世界を変える。韓国の国民的詩人、尹東柱をめぐる愛と死の物語(フィクション)。鴨良子訳
(論創社 2376円)[amazon]

ジョージ・エリオット 『ミドルマーチ 1』
近代化のただなかにある都市を舞台に、宗教的理想に燃える娘、赴任してきた若き医者、市長の息子、銀行家などの思惑と人間模様をつぶさに描き 「英国最高の小説」 と賞される名作。生誕二百年を迎えるジョージ・エリオットの代表長篇、刊行開始。廣野由美子訳
(光文社古典新訳文庫 1534円)[amazon]

プラトン 『テアイテトス』
「知識とは何か?」 を主題に、老哲学者ソクラテスが、老幾何学者のテオドロスと十代半ばの天才数学者テアイテトスを相手に対話する。知覚や記憶、推論、判断、考えについて議論が展開される中期プラトンを代表する作品。詳細な解説付き。渡辺邦夫訳
(光文社古典新訳文庫 1210円)[amazon]

M・R・ラインハート 『大いなる過失』
〈論創海外ミステリ〉
館で催されるカクテルパーティーで怪死を遂げる男。連鎖する死の真相はいかに? 名作 「螺旋階段」 の著者ラインハートが放つ極上のミステリ。服部寿美子訳
(論創社 3888円)[amazon]