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池澤夏樹 『いつだって読むのは目の前の一冊なのだ』
辣腕の書評家にして口達者な本のセールスマンが広大な読書の世界へ分け入り、2003~2019年という大きな時代の変化のなかで選び抜いた逸品、全444冊。週刊文春「私の読書日記」16年分。読書人必読の書評集成。
(作品社 3520円)[amazon]

ギュスターヴ・フローベール 『サラムボー
マトー率いる傭兵の反乱は大国カルタゴをじりじりと苦しめる。長引く戦闘、略奪、飢餓…….女神の聖衣を奪われ国を窮地に陥らせたサラムボーへの市民の糾弾は高まり、ついに凶暴なモロック神への子供たちの供犠が始まる。前作 『ボヴァリー夫人』 から一転、激情と官能と宿命が導く、古代オリエントの緋色の世界。中條屋進訳
(岩波文庫 924円)[amazon]

『ラテンアメリカ民話集』 三原幸久編訳
ラテンアメリカに広く分布し代表的なもの、日本の昔話に関係がありそうなものを中心に37話を精選。それぞれの民話が世界の他地域でどのように変奏されているかなどについて、簡略適確な解説を付す。内容により、動物譚、本格民話、笑話、形式譚に分類、スペイン語文化圏であるアメリカ南西部旧メキシコ領で採話された民話も含めた。
(岩波文庫 1012円)[amazon]

尾崎俊介 『ハーレクイン・ロマンス 恋愛小説から読むアメリカ
恋愛ロマンス小説の代名詞 「ハーレクイン」 はどう読まれ、書かれてきたか。ヒロインとヒーローの変遷、フェミニズムとの攻防……偉大なるマンネリ小説からアメリカ社会を読む。
(平凡社新書 968円)[amazon]

今福龍太 『ボルヘス『伝奇集』 迷宮の夢見る虎
〈世界を読み解く一冊の本〉
ホルヘ・ルイス・ボルヘスが1944年に発表した短編小説集 『伝奇集』 を、その出自や読書遍歴、視力の喪失といったパーソナル・ヒストリーとも照らし合わせ読み解く、必読のボルヘス論。ルート・メタファーとしての「虎」を追い、ボルヘスの謎に迫る――。
(慶應義塾大学出版会 2200円)[amazon]

エドゥアルド・ガレアーノ 『日々の子どもたち あるいは366篇の世界史

円柱の上で眠る聖シメオン、彗星とともに旅するマーク・トウェイン、水に映る月に抱きつこうとして溺死した李白、ボルネオの空から舞い降りる猫、原発事故と黒澤映画、そして時を逍遥する無名の人びと――勝者の歴史だけでなく、埋もれつつある人間的で小さな〈歴史〉にも向けられた著者の厳しくあたたかな眼差しを追体験する366日、一日一話。久野量一訳
(岩波書店 3080円)[amazon]

バリー・ランセット 『ジャパンタウン』
ある夜、サンフランシスコのジャパンタウン近くで、一家全員が射殺される事件が起きた。市警は、現場に残された唯一の手がかりの解読を私立探偵ジム・ブローディに依頼する。それは血まみれの紙片に記された一文字の漢字だった……。白石朗訳
(ホーム社 3520円)[amazon]

エルンスト・ユンガー 『ガラスの蜂』
ドローンが赤く光った。殺意か警告か――不気味な羽音とともに無数に湧きだす透明な〈幽体〉の軍団。大戦敗北の屈辱に、ドイツ軍の精鋭が幻視した黙示録は、現代の恐怖となる。2つの世界大戦を通して地獄を見たドイツ最高峰の知性が、半世紀以上前に《現代のディストピア》を幻視していた。阿部重夫・谷本愼介訳
(田畑書店 3080円)[amazon]

野村胡堂 『銭形平次捕物控 傑作集三 暗号・謎解き篇
不朽の名作 『銭形平次捕物控』。数多ある作品群の中から、テーマ毎に6篇を選定し収録した傑作選第三弾。明神下の岡っ引・平次親分とガラッ八こと八五郎が、江戸で起きる難事件の絵解きに挑む。
(双葉文庫 726円)[amazon]

ニコラス・オールド 『ロウランド・ハーンの不思議な事件』
名探偵ロウランド・ハーンと「私」が遭遇する奇妙な事件の数々。経歴不詳の謎の作家による稀覯短篇集(1928年刊。近年復刊本あり)の全訳。小林晋訳
(ROM叢書 1800円)取扱=盛林堂

ヴィクトール・ユゴー 『レ・ミゼラブル 第一部 ファンチーヌ
岩波文庫改版以後でも50刷以上を数える、いわずと知れたフランス文学に燦然と輝く金字塔の新訳決定版。全5冊で贈る新定番。西永良成訳
(平凡社ライブラリー 1760円)[amazon]

マリーズ・コンテ 『生命の樹 あるカリブの家系の物語
昨年、ノーベル文学賞の代替賞ニュー・アカデミー文学賞受賞したカリブ海作家の代表的長篇小説を復刊。原著は1987年刊。菅啓次郎訳
(平凡社ライブラリー 2090円)[amazon]

『このミステリーがすごい!2020』
2019年の国内&海外新作ミステリー小説ランキング・ベスト20をはじめ、作家生活50年・ミステリー界のレジェンド対談(皆川博子×辻真先)、超人気作家による自身の新刊情報&特別エッセイなど。
(宝島社 748円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.98
今村昌弘のシリーズ新作短編や特別対談で贈る、映画『屍人荘の殺人』公開記念特集号。市川憂人の読切「レッドデビルは知らない」後編掲載のほか、倉知淳、福田和代ら好評連載。
(東京創元社 1320円)[amazon]

マーサ・ウェルズ 『マーダーボット・ダイアリー 上・下
かつて大事件を起こしたがその記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、密かに自らをハッキングして自由になり、所有主である保険会社での任務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、プログラムと契約に従って依頼主を守ろうとするが……。ヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞のトリプルクラウン&2年連続ヒューゴー賞受賞の傑作登場。中原尚哉訳
(創元SF文庫 1100円/1144円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『ヘンリー八世』
16世紀、デューダ朝。欲望、奸計、闘争が渦巻く中、最強の王、現る。稀代の王をめぐるシェイクスピア晩年の壮麗な歴史劇。松岡和子訳
(ちくま文庫 1100円)[amazon]

R・A・スケルトン 『図説 探検地図の歴史 大航海時代から極地探検まで
世界はいかに<発見>されていったか。人類の知が全地球を覆っていく地理的発見の歴史を、時代ごとの地図に沿って描き出す。貴重図版200点以上。増田義郎・信岡奈生訳
(ちくま学芸文庫 1760円)[amazon]

黒岩重吾 『青い枯葉』
〈昭和ミステリールネサンス〉
橋田が大阪で営む機械器具の会社が詐欺にあい、倒産寸前にまで追い詰められた。金策も尽き、旧知の同業者に愛人を差し出すほかに道はなかったが……。表題作等、社会の歪みの中で蠢く人々の闇をあぶり出す7編を収録。
(光文社文庫 990円)[amazon]

マイケル・イネス 『陰謀の島』
〈論創海外ミステリ〉
ロンドン市内でルーシーという娘が行方不明になり、ハロゲイトの田舎町では馬車馬が盗まれ、ホーク・スクエアでは一軒家が丸ごと盗まれた。相次ぐ不可解な事件の捜査にあたるアプルビイ警部は、事件の影に暗躍する悪女の存在を知り、盗まれた物が南米大陸に集められていることを突きとめた……。The Daffodil Affair (1942) 福森典子訳
(論創社 3520円)[amazon]

エレン・ダトロウ編 『ラヴクラフトの怪物たち 下』
H・P・ラヴクラフトが創造した、幻想文学史上もっとも怖ろしいものたちを、21世紀にクトゥルー神話の可能性を追求しつづける気鋭の作家たちが、新たな視点から描く。 現代海外クトゥルー神話を一望するアンソロジー。トマス・リゴッティ、ジェマ・ファイルズ、スティーヴ・ラスニック・テム、カール・エドワード・ワグナー、ジョー・R・ランズデール他。植草昌実訳
(新紀元社 2750円)[amazon]

フョードル・ドストエフスキー 『賭博者』
ドイツの観光地に滞在する将軍家の家庭教師アレクセイは、ルーレット賭博に魅了され、取り憑かれたように勝負に出るのだが……。賭博にのめり込んでいく人間の狂気と破滅していく人間の深層心理を鋭く描き出した「自伝的」作品。亀山郁夫訳
(光文社古典新訳文庫 990円)[amazon]

アンリ・ミュルジェール 『ラ・ボエーム』
1840年代パリを舞台に、詩人ロドルフ、音楽家ショナール、画家マルセル、哲学者コリーヌらの自由放埒な生活を描く小説。貧乏芸術家たちの恋、笑い、議論で綴られる生の真髄。 オペラ 『ラ・ボエーム』、ミュージカル 『レント』 などの原作。辻村永樹訳
(光文社古典新訳文庫 1760円)[amazon]

倉田啓明探偵怪作撰 『落ちていた青白い運命』
マニアックな変態・情痴的怪奇探偵小説を中心に、遠近〔をちこち〕の作品集との重複を極力避けて、「大阪食道楽」などに掲載された、銘品ともいえる酒飯随筆をおさめ、新たな倉田啓明の貌も浮かびあがらせる。単行本未収録作品を多く集めた屈指の一冊。
(東都 我刊我書房 6000円)取扱=盛林堂

『フランケンシュタインの世紀』 日本シェリー研究センター編
フランケンシュタイン博士と彼が創造した怪物の悲劇は現代にも映画、ミュージカル等でその影を投げかけている。 物語が生まれた18世紀から19世紀初頭の時代、社会、文化、人間模様を、いま、改めて眺望する。着想、出版から二百年。誰でも知っているゴシックロマンの名著・SFの元祖「フランケンシュタイン」の受容史を紐解いた論文集。
(大阪教育図書 2750円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.19 特集=架空幻想都市
M・ジョン・ハリスン、ロード・ダンセイニ、リン・カーター、カイラ・リー・ウォード、ウィリアム・フォークナー、フランク・オーウェン、マーク・サミュエルズ、ウィリアム・ミークル他。垂野創一郎ロングインタビュー。
(アトリエサード 1870円)[amazon]

ジグムント ミウォシェフスキ 『一抹の真実』
古都サンドミエシュのシナゴーグで見つかった女性の遺体は咽喉を幾重にも切り開かれ、体中の血を抜かれて真っ白になっていた。ワルシャワから新天地に赴任した傷心の検察官シャツキは、久しぶりの大きな事件に意気込むが、やがて第二の遺体が……。田口俊樹訳
(小学館文庫 1210円)[amazon]

ラグナル・ヨナソン 『闇という名の娘』
レイキャヴィーク警察、定年間近の女性刑事フルダは、20歳も年下の上司に呼び出され、2週間後に部屋を明け渡すように言われる。残りの2週間、フルダに許されたのは、未解決事件の処理だった。そこでフルダは、1年前海岸でロシア人女性が遺体で発見された事件の再捜査を始めるのだが……。吉田薫訳
(小学館文庫 880円)[amazon]

『2020本格ミステリ・ベスト10』 探偵小説研究会編
「本格ミステリ・ランキング」をはじめ、映画・テレビからコミック、ゲーム作品まで新時代の「本格」を網羅。さらに「新時代新鋭」特集にインタビューは青柳碧人、そして井上真偽。
(原書房 1100円)[amazon]

『おすすめ文庫王国 2020』 本の雑誌編集部編
年末恒例、文庫総ざらいのガイドブック。本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10の発表から現代文学、恋愛小説、SF、ミステリ、エンターテインメント、時代小説などジャンル別ベスト10の発表に読み物も満載。
(本の雑誌社 880円)[amazon]

《週刊文春》12月12日号
ミステリーベスト10 〈2019年〉
(文藝春秋)

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 『アメリカーナ 上・下
高校時代に永遠の愛を誓った男女に、現実の壁が立ちはだかる。世界を魅了する作家による三大陸大河ロマン。全米批評家協会賞受賞。くぼたのぞみ訳
(河出文庫 1540円/1650円)[amazon]

John Curran 《The Hooded Gunman: A History of Collins Crime Club》
クリスティー、クロフツ、P・マクドナルド、マーシュ、ブレイクらの人気作家を擁し、1930年から94年までに2000点ものミステリを出版した、英国コリンズ社《クライム・クラブ》叢書の歴史を夥しいジャケット図版(カラー)と共にたどる。内容
(Collins)[amazon]

テッド・チャン 『息吹』
「あなたの人生の物語」 で世界的にブレイクしたテッド・チャン。待望の最新作品集がついに刊行。『千夜一夜物語』 の枠組みを使い、科学的にあり得るタイムトラベルを描いた 「商人と錬金術師の門」 をはじめ、各賞受賞作9篇を収録。大森望訳
(早川書房 2200円)[amazon]

チャールズ・ディケンズ 『ドクター・マリゴールド 朗読小説傑作選
〈ルリユール叢書〉
ディケンズみずから朗読する 「クリスマス・キャロル」 「バーデル対ピクウィック」 など、人気を博した〝声に出して読みたい〟ディケンズの代表的朗読作品5編を収録。井原慶一郎編訳
(幻戯書房 3520円)[amazon]

法月綸太郎 『赤い部屋異聞』
日常に退屈した者が集い、世に秘められた珍奇な話や猟奇譚を披露する 「赤い部屋」。新会員のT氏は、これまで99人の命を奪ったという恐るべき 〈殺人遊戯〉 について語りはじめる。表題作ほか、都筑道夫のホラー短編を下敷きにした“決して最後まで読めない本”の怪異譚 「だまし舟」 (書き下ろし) など全9篇。偏愛する傑作短編9篇に捧ぐオマージュ連作集。
(KADOKAWA 1980円)[amazon]

ダヴィド・ラーゲルクランツ 『ミレニアム 6 上・下
双子の妹にして宿敵カミラとの対決の後、ドラゴン・タトゥーの女リスベット・サランデルは完全に姿を消していた。だが、ミカエルには彼女を再び探す理由が!……。リスベットを待ち受ける、人生最大にして最悪の試練! 世界を揺るがせた六部作、ここに終幕。ヘレンハルメ美穂訳
(早川書房 各1650円)[amazon]

ウォルター・モズリイ 『流れは、いつか海へと』
身に覚えのない罪を着せられて、ニューヨーク市警を馘になった刑事。十年後、私立探偵となった彼は、かつての自分と同じように冤罪で苦しむジャーナリストの事件を引き受ける。一方、自身の事件についても新たな事実が浮上し……。エドガー賞受賞の傑作ミステリ。田村義進訳
(ハヤカワ・ミステリ 2090円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦 4』
人類は滅亡した。ワルキューレは異星人との戦争が始まる前の時代にタイムマシン搭載航宙母艦を送り、勝利をつかもうとするが……。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1298円)[amazon]

E L・ジェイムズ 『ミスター 上・下
思いがけず伯爵位を継ぐことになったプレーボーイのマキシムは、自宅のピアノを演奏していた謎めいた美女にすっかり魅惑される。彼女アレシアは何者なのか、そして、彼女を狙う邪悪な影からマキシムはアレシアを守ることができるのか? 愛と情熱のサスペンス。石原未奈子訳
(早川書房 各1650円)[amazon]

ジェシカ・タウンゼント 『ネバームーア モリガン・クロウの挑戦
9歳の少女モリガン・クロウは夕暮れに生まれたため呪われた少女とされ、この世のすべての不幸が彼女のせいとされていた。ある日現れた謎の男ジュピターに導かれ秘密の魔法都市ネバ―ムーアに来た彼女は特技を持つ数多くの子供たちと競争する試練を課される。田辺千幸訳
(早川書房 2090円)[amazon]

北原尚彦/えのころ工房(絵) 『シャーロック・ホームズ語辞典 ホームズにまつわる言葉をイラストと豆知識でパイプ片手に読み解く
世界一有名と言っても過言ではない名探偵シャーロック・ホームズ。コナン・ドイルの原作小説に出てくる主要な登場人物やホームズ愛好の品、名セリフはもちろん、映画やドラマ、アニメやお芝居、ゲームなど、あらゆるジャンルからホームズにまつわる案件を50音順に辞典形式で紹介。
(誠文堂新光社 1760円)[amazon]

オルガ・トカルチュク 『プラヴィエクとそのほかの時代』

〈東欧の想像力〉
ノーベル賞作家(2018年)トカルチュクの名を一躍、国際的なものにした代表作。ポーランドの架空の村 「プラヴィエク」 を舞台に、この国の経験した激動の20世紀を神話的に描き出す。小椋彩訳
(松籟社 2860円)[amazon]

ヴィクター・ラヴァル 『ブラック・トムのバラード』
〈はじめて出逢う世界のおはなし〉
1924年、ニューヨーク。街角でギターの弾き語りをしていたアフリカ系の若者トミーに、ある日、白人の老人サイダムが自宅のパーティで演奏してほしいと声をかけてきた。老人を捜査するマロウン刑事と私立探偵ハワード、父親の死、霊を呼び出す歌、海原の底に眠る王、そして 〈至上のアルファベット〉――魔術的な出来事がトミーの人生を大きく変える。「レッド・フックの恐怖」 から90年後、アフリカ系アメリカ人作家がラヴクラフトの世界を語り直す。世界幻想文学大賞受賞。藤井光訳
(東宣出版 1980円)[amazon]


▼11月刊

有栖川有栖 『論理仕掛けの奇談 有栖川有栖解説集
松本清張、アガサ・クリスティー、エラリー・クイーン、綾辻行人、皆川博子……。本格ミステリのプロフェッショナルが愛を持って執筆した、宝石のような名作の解説を47本収録。有栖川有栖作家デビュー30周年を飾る記念碑的解説集。
(KADOKAWA 2090円)[amazon]

『怪奇鳥獣図巻 大陸からやって来た異形の鬼神たち伊藤清司=監修
白澤、龍馬、九尾狐、狒狒、貘……全76種の中国妖怪カタログ「怪奇鳥獣図巻」。中国古代の博物誌 『山海経』 からの引用を中心に、江戸の無名の絵師によって描かれた極彩色の絵巻物。その全貌をオールカラーで初公開。
復刊
(工作舎 3520円)[amazon]

エトガル・ケレット/アサフ・ハヌカ (画) 『ピッツェリア・カミカゼ』
自殺者が集まる世界でかつての恋人を探すハイムは「意味のない奇跡」に満ちたサマーキャンプにたどり着く。傑作グラフィックノベル。母袋夏生訳
(河出書房新社 3190円)[amazon]

ヨシフ・ブロツキー(詩)/イーゴリ・オレイニコフ(絵) 『ちいさなタグボートのバラード』
ノーベル文学賞詩人ブロツキーが、子どもたちのために書いた、ちいさなタグボートの美しいものがたり。ぼくの下は海。ぼくの上は空。曳いてきては、曳いていき、曳いてきては、曳いていく――「ぼく」のしごとは、港にはいってくる大型船を停泊させること。ブロツキーの詩の世界にオレイニコフの筆が新たな生命を吹きこんだ、幻想的で気品あふれる絵本。沼野恭子訳
(東京外国語大学出版会 2090円)[amazon]

横溝正史 『不知火捕物双紙』
横溝正史が最初に連載した捕物小説、「不知火捕物双紙」 8編を初出時の挿絵入りで完全収録した初の集成。併せてその関連作品である紫甚左捕物帳、南無三甚内も収録。
(捕物出版 2420円)[amazon]

マリオ・バルガス=リョサ 『プリンストン大学で文学/政治を語る バルガス=リョサ特別講義
キューバ革命、ペルー大統領選、ドミニカの独裁政治、シャルリ・エブドのテロなど、ノーベル賞作家が自らの足跡も交えて政治・暴力と文学の密接な関係を語り尽くす、刺激に満ちた講義録。立林良一訳
(河出書房新社 3300円)[amazon]

パク・ミンギュ 『短篇集ダブル サイドA』
韓国の人気実力派作家パク・ミンギュの短篇集。奇想天外なSF、現実的で抒情的な作品など全9篇。李孝石文学賞、黄順元文学賞受賞作収録。二巻本のどこからでも。 斎藤真理子訳
(筑摩書房 1870円)[amazon]
パク・ミンギュ 『短篇集ダブル サイドB』
ユーモラスなホラー。詩情溢れるドラマ的作品、青春小説など全9篇。韓国の人気実力派作家パク・ミンギュの短篇集。ABどこからでも。著者からのメッセージも。 斎藤真理子訳
(筑摩書房 1870円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『ある協会』

若い女性たちがいつものようにサロンに集っていたある日、ふと疑問を抱く。ねえ、男の人たちって本当に私たちより優れているの?  私たちって本当に男性よりも劣っているの? と。そこで彼女たちは「協会」を結成、文学界、法曹界などの男性社会に潜り込んで、5年後に報告し合うことになり……。ウルフ最初期の短篇。片山亜紀訳
エトセトラブックス 1000円)

エドワード・ケアリー 『おちび』
マリーは小さな女の子。父の死後、母と共に蠟で人体のパーツを作る医師のところに住み込むが、そのあまりのリアルさに敬虔なクリスチャンである母は耐えられずに自殺、残されたマリーが医師の手伝いをすることに。やがてパリに行き、ルイ16世の妹に仕えるが、パリには革命の嵐が……。古屋美登里訳
(東京創元社 4400円)[amazon]

アデリーヌ・デュドネ 『本当の人生』
〈海外文学セレクション〉
狩猟が趣味のDV男の父、夫の顔色を窺うだけの母。少女は明るい弟と無邪気な日々を送っていたが、ある日、恐ろしい事故を目撃してから弟は笑わなくなり、父の剥製部屋にこもって小動物をいじめたりするようになってしまう。十歳の少女は、現実をリセットしたいと思う。あの事故をなかったことにしたい……。利発な少女は弟の笑顔をとりもどせるのか? 藤田真利子訳
(東京創元社 1760円)[amazon]

北村薫 『謎物語 あるいは物語の謎
子どもの頃に読んだ童話や昔ばなしに、スクリーンに映し出される奔馬の姿に、『吾輩は猫である』のなかの一文に――本格ミステリをこよなく愛する著者は、多岐に亘る読書や経験のなかから、鮮やかな手つきでミステリのきらめきを探りだす。当代随一の読み巧者が、謎を見つける楽しさ、そして解き明かす面白さを教えてくれるミステリ・エッセイ。
(創元推理文庫 880円)[amazon]

ジャナ・デリオン 『生きるか死ぬかの町長選挙』
町長不在となったシンフルの町に、二週間前から身分を偽り住んでいるCIA秘密工作員のフォーチュンは、これまでの縁から町長選挙に立候補した婦人会の会長アイダ・ベルを手伝うことに。ところが、公開討論会が終わった直後、対立候補のテッドが殺されてしまう。大人気〈ワニ町〉シリーズ最新刊。島村浩子訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

岡本綺堂 『半七捕物帳 江戸探偵怪異譚
彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった──。雪達磨の中から発見された死体。通行人を無差別に殺し続ける“槍突き”。江戸の難事件に立ち向かうは、神田三河町に居を構える岡っ引・半七。殺人、怪異、怪談。彼の推理はすべての不可思議に真実の光を当てる。今なお古びない捕物帳の嚆矢にして、和製探偵小説の幕開け。全69編の中から宮部みゆきが選んだ傑作集。宮部みゆき編
(新潮文庫nex 605円)[amazon]

ライマン・フランク・ボーム 『サンタクロース少年の冒険』
不死の妖精たちが暮らすバージーの森に、ある日赤ん坊が迷いこんだ。クロースと名付けられたその子どもはすくすくと成長するが、人間たちの厳しい暮らしぶりを見て森を出ることを決意。子どもたちに夢を与えるため、玩具作りを始めたクロースだが、世界には人間に嫌がらせをする怪物が跋扈していて……。『オズの魔法使い』の作者が子どもたちのために書いたクリスマス・プレゼント。畔柳和代訳
(新潮文庫nex 605円)[amazon]

新井素子SF&ファンタジーコレクション3 『ラビリンス〈迷宮〉 ディアナ・ディア・ディアス』
人を喰らう「神」の住む迷宮へ送り出された、いけにえの少女二人の闘いを描く『ラビリンス〈迷宮〉』。権謀うずまく争いに翻弄される、王族母子の苛烈な運命を描く 『ディアナ・ディア・ディアス』。ヒロイック・ファンタジー2編を収録。初期短編「週に一度のお食事を」「宇宙魚顚末記」を併録。シリーズ完結。日下三蔵編。
(柏書房 2970円)[amazon] [honto]

アリエット・ド・ボダール 『茶匠と探偵』
AIを搭載した宇宙船である有魂船 (マインド・シップ) と人間が深宇宙での死亡事故の謎を解く表題作ほか、ネビュラ賞・ローカス賞・英国SF作家協会賞の受賞作を含む9篇を収録した、現代SFの精華 〈シュヤ宇宙〉 シリーズ短篇集。大島豊訳
(竹書房 3190円)[amazon]

生賴範義 『生賴範義画集 〈幻魔〉』
日本イラスト界のミケランジェロ、生賴範義の画業の<かなめ>となる作品集。生賴ファン・幻魔大戦ファンのための本邦初・A3サイズの特装本、初版300部限定。
復刊ドットコム 27,500円)[amazon]

山口雅也 『ミッドナイツ 《狂騒の八〇年代》作品集成
『生ける屍の死』(1989)の長編デビュー前に発表したミステリ、SF、冒険小説、音楽小説、青春小説、ホラー、実話推理、ファンタジー、実験小説、ジャズエッセイ、戯曲などを集大成。全42篇を単行本初収録。作家生活35周年記念デラックス・エディション。
(講談社 3960円)[amazon]

J・S・フレッチャー 『バービカンの秘密』
〈論創海外ミステリ〉
『ミドルテンプルの殺人』(1919)を第28代アメリカ合衆国大統領トーマス・ウッドロウ・ウィルソンが愛読書にあげた作家、J・S・フレッチャーの短編集。中川美穂子訳
(論創社 3960円)[amazon]

L・J・ビーストン/ステイシー・オーモニア 『至妙の殺人 妹尾アキ夫翻訳セレクション
〈論創ミステリ叢書〉
機智とユーモア、意外な結末で 《新青年》 の人気作家となった英国作家の短編を妹尾アキ夫の名訳で。横井司編 【ビーストン集】 ヴォルツリオの審問/東方の宝/敵/パイプ/犯罪の氷の道 【オーモニア集】 犯罪の偶発性/オピンコットが自分を発見した話/暗い廊下/ブレースガートル嬢/撓ゆまぬ母/至妙の殺人
(論創社 3300円)[amazon]

ピーター・メイル 『南仏プロヴァンスの25年 あの頃と今』
英国人作家が見出し、世界中が魅了された「豊かで美味しい」南仏プロヴァンス。あの頃と今、25年を振り返った著者の遺作。池央耿訳
(河出書房新社 1870円)[amazon]

ドメニコ・スタルノーネ 『靴ひも』
四十年を経ても癒やされぬ不貞の傷跡。家族は素晴らしく、そして恐ろしい。ジュンパ・ラヒリが惚れ込み、英訳して絶賛された衝撃作。関口英子訳
(新潮クレスト・ブックス 2090円)[amazon]

《ミステリマガジン》 1月号
ミステリが読みたい!2020年版
(早川書房 1320円)[amazon]

カウテル・アディミ 『アルジェリア、シャラ通りの小さな書店』
1936年、アルジェ。21歳の若さで書店 《真の富》 を開業し、自らの名を冠した出版社を起こしてアルベール・カミュを世に送り出した男、エドモン・シャルロ。第二次大戦とアルジェリア独立戦争のうねりに翻弄された、実在の出版人の実り豊かな人生と苦難の経営を叙情豊かに描き出す、傑作長編小説。平田紀之訳
(作品社 2420円)[amazon]

《Re-ClaM》 vol.3
〈特集=クラシック・ミステリ(再)入門〉 独断と偏見で語る黄金時代作家紹介/文庫で読むクラシック・ミステリ/中華圏における英米ミステリ受容史 〈連載・寄稿〉 Queen's Quorum Quest/海外ミステリ最新事情/こんな翻訳があったのか/P・ゴドフリー「第五の次元」/他
Re-ClaM編集部 1000円) 取扱=盛林堂
ダンセイニ卿 『ペガーナ・コレクション第2巻 芸術論』
既存の評論家にはなしえない透徹した幻視家の目による独創的な芸術論集。『若き作家たちへ』、『ドネラン講義』など、創作世界、文学の世界を歩む上で無二の激励者、案内役となる。文学を志す者、それに携わる者必読の書。稲垣博訳
(盛林堂ミステリアス文庫 3000円) 通販=盛林堂
ウィリアム・ル・キュー 『完訳版 秘中の秘』
乱歩が幼少期に親しんだ菊池幽芳の翻案 『秘中の秘』 を、原作から翻訳。平山雄一訳
(ヒラヤマ探偵文庫 2500円) 取扱=盛林堂
『戦前『犯罪公論』小説傑作選』
エログロ・怪奇・探偵小説全14編に加えて小説リスト付。
(噴飯文庫 1200円) 取扱=盛林堂
《機関精神史》 二号
特集「観念史の破壊」
機関精神史 2300円)

『どこか、安心できる場所で 新しいイタリアの文学』 パオロ・コニェッティ他
エーコ、タブッキ、カルヴィーノだけじゃない、もっと新しいイタリアの文学がここにある。本邦初、21世紀イタリア短篇アンソロジー。13人の作家(うち12人が日本初紹介)による15の物語。関口英子・橋本勝雄・アンドレア・ラオス編。飯田亮介・中嶋浩郎・越前貴美子・粒良麻央訳。収録内容
(国書刊行会 2640円)[amazon]

トリスタン・コルビエール 『アムール・ジョーヌ』
〈ルリユール叢書〉
闇(よる)が来る、子供よ、火花を盗む者! もう夜もなく、昼もない。中原中也の愛した呪われた詩人コルビエールと海の男の子守唄……中也はコルビエールに何を見たのか。解答は、その詩のなかに。あの名高き、アンドレ・ブルトンをして、シュールリアリズムの先駆けと言わしめた 『黄色い恋』 の、本邦初となる全訳完全版。小澤真=訳
(幻戯書房 6160円)[amazon]

ポール・ヴェルレーヌ 『呪われた詩人たち』
〈ルリユール叢書〉
コルビエール、ランボー、マラルメらを世に知らしめ、同時代人の蒙を開き、次代に甚大な影響をもたらした詩人ヴェルレーヌによる画期的評論。鈴木信太郎訳(1951年)以来の新訳であり、原書初版の初の完全翻訳。倉方健作訳
(幻戯書房 3520円)[amazon]

『夜ふけに読みたい へんてこなイギリスのおとぎ話』 和爾桃子・吉澤康子編訳
人気の海外童話読本、待望の続刊。つい夜ふかししてしまう楽しいおとぎ話を、イギリス生まれの2匹の猫がわかりやすく案内。読み聞かせにはもちろん、大人が読んでも楽しい。
(平凡社 2090円)[amazon]

スーザン・オーリアン 『炎の中の図書館』
1986年にロサンゼルス中央図書館で火災が発生。200万冊の蔵書のうち40万冊が焼け、70万冊が損傷した。この火災の経緯を軸に、放火犯として逮捕された男の半生、図書館の歴史、公共空間としての図書館の存在意義を語る、本と図書館好き必読のドキュメント。羽田詩津子訳
(早川書房 2860円)[amazon]

デレク・クンスケン 『量子魔術師』
驚異の量子解析力をもつ詐欺師ベリサリウスは、厳重警戒なワームホールゲートに宇宙艦隊を密かに通過させる仕事を依頼されるが!? 金子司訳
(ハヤカワ文庫SF 1474円)[amazon]

後藤護 『ゴシック・カルチャー入門』
英国文学や建築、絵画、ハマー・フィルムからサザン・ゴシックにいたる映画、パンク/ニューウェーブ/インダストリアルなどのアンダーグラウンドミュージックまで、現代文化のキーワードとして大きな存在感を持ち続けるこのカルチャーの全貌を網羅した入門書。目次
(Pヴァイン 2970円)[amazon]

『ガラン版 千一夜物語 3』
「こぶ男の物語」 の続きで、殺人の罪を着せられた三人の一人、仕立屋が語るおしゃべりな床屋と、その五人の兄たちの抱腹絶倒の物語。また、ペルシアの王族の貴公子とカリフお気に入りの美女との許されざる恋の物語、なかなか結婚しない王子と王女が数奇な運命を経て恋に落ち、結ばれるまでの不思議で面白い物語が語られる。西尾哲夫訳
(岩波書店 3850円)[amazon]

ギヨーム・ミュッソ 『パリのアパルトマン』
元刑事マデリンと劇作家ガスパールは偶然、同じ不動産サイトでパリの一軒家を予約するが、ダブルブッキングが判明。一歩も譲らない二人だったが、その家が1年前ニューヨークで急死した天才画家ローレンツのアトリエと知ると、彼らは画家とその作品に惹かれていき、未発見の3枚の遺作の行方を探し始める。吉田恒雄訳
(集英社文庫 1265円)[amazon]

丸善ジュンク/honto限定復刊
ジェイムズ・ティプトリーJr. 『故郷から10000光年』

(ハヤカワ文庫SF 1650円)[honto]
ブルース・スターリング 『スキズマトリックス』
(ハヤカワ文庫SF 1650円)[honto]

イーデン・フィルポッツ 『赤毛のレドメイン家』
六月の日暮れどき、ダートムアの採石場で、スコットランド・ヤードの刑事ブレンドンは、絶世の美女とすれ違った。数日後、ブレンドンはその女性から助けを請う手紙を受けとる。夫が、彼女の叔父ロバート・レドメインに殺されたらしいというのだ……。レドメイン家をめぐる奇怪な事件は、美しい万華鏡のようにその姿を変化させつづけ、やがて驚愕の真相へ。江戸川乱歩が激賞した名作が新訳で登場。武藤崇恵訳
(創元推理文庫 1320円)[amazon]

ポール・アダム 『ヴァイオリン職人と消えた北欧楽器』
名ヴァイオリン職人のジャンニは、ヴァイオリン製作学校の講師でもある。20年前の教え子であるノルウェー人のリカルドが講演を行い、その夜に殺害されてしまう。そして彼が持っていたヴァイオリンに似た楽器ハルダンゲル・フィドルが消えていた。犯人はなぜ値打ちのない楽器を奪ったのか? 殺人と楽器の謎を追って、ジャンニは友人の刑事とノルウェーへ旅立つ。青木悦子訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

東雅夫編 『平成怪奇小説傑作集 3』
ホラー・ジャパネスクと怪談実話で幕を開けた平成の怪奇小説シーンは、やがて多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝(るつぼ)を形成してゆく。平成の30年間に生み出された名作佳品を、全3巻に精選収録する最新のアンソロジー。
(創元推理文庫 1430円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『名づけられないもの』
20世紀最大の作家による到達点 「小説三部作」 ついに完結。はたしてこれも小説であるのか。ベケット没後30年、フランス語からの個人新訳第3弾。 宇野邦一訳
(河出書房新社 3080円)[amazon]

山田英春 『風景の石パエジナ 不思議で奇麗な石の本
石に閉じ込められた都市の廃墟や古代の風景――風景石パエジナに焦点を当て、その言語に尽くし難い魅力を存分に伝える、今までにないヴィジュアル本が登場。メディチ家やハプスブルク家はじめ、王侯貴族の間でもかつて大流行した、「失われた世界が閉じ込められた謎の石」の一大図鑑。
(創元社 1980円)[amazon]

奥武則 『黒岩涙香 
断じて利の為には非ざるなり
明治時代、大衆新聞『萬朝報』を創刊しスキャンダリズムや社会悪の糾弾で部数を伸ばした涙香は、「探偵小説の元祖」としても知られ、『巌窟王』『噫無情』などで人気を博した。権力におもねらず、いち早く「大衆」を見据えた「まむしの周六」の全体像を描き出す。
(ミネルヴァ書房 予価4180円)[amazon]

佐藤春夫 『女誡扇綺譚・田園の憂鬱』
明治、大正、昭和にわたって、詩歌や小説、文芸評論など幅広い分野で足跡を残した佐藤春夫の珠玉の傑作集。「女誡扇綺譚」 「田園の憂鬱」 「西班牙犬の家」 「のんしゃらん記録」 「美しき町」 を収録。
(小学館/P+D BOOKS 605円)[amazon]

カルロス・フエンテス 『アルテミオ・クルスの死』
大地主の私生児として生まれ、混血の伯父に育てられて革命軍に参加し、政略結婚によって財産の基礎をつくり、政治を巧みに利用してマスコミを含む多くの企業を所有する。.メキシコ革命の動乱を生き抜いて経済界の大立者に成り上がった男アルテミオ・クルスの栄光と悲惨。現代ラテンアメリカ文学の最重要作。木村榮一訳
(岩波文庫 1320円)[amazon]

ヘルマン・バール 『世紀末ウイーン文化評論集』
「彼は実は絵を描いたのではなかった。見ることそのものを描いたのだ」 批判の渦中にあった画家クリムトを擁護し続けた評論家ヘルマン・バール。文学や演劇、美術や音楽など多方面にわたる評論を発表し、世紀末ウィーン文化の結節点に位置したこの人物の代表的な文章を精選。本邦初の評論集。西村雅樹編訳
(岩波文庫 1320円)[amazon]

マルセル・プルースト 『失われた時を求めて 14 見出された時 II』
長い療養生活を経て、ゲルマント大公邸のパーティーに赴いた「私」は驚愕した。時は人びとの外見を変え、記憶を風化させ、社交界の勢力図を一新していた。老いを痛感する「私」の前に、サン=ルーの娘はあたかも歳月の結晶のように現れ、いまこそ「作品」に取りかかるときだと迫る。全巻の人名・地名・作品名を網羅した索引を付す。(全14冊完結)。吉川一義訳
(岩波文庫 1650円)[amazon]

ラビンドラナート・タゴール 『ギーターンジャリ』
アジアで初めてノーベル文学賞を受賞(1913年)したインドの詩聖タゴールの代表作。W・B・イェイツ序文。内山眞理子訳
(未知谷 3300円)[amazon]

安藤礼二 『迷宮と宇宙』
平田篤胤とエドガー・アラン・ポーをめぐる 「二つの『死者の書』」 から始まり、ポーの多面性を繙きながら、鏡花、谷崎、土方、乱歩、三島、澁澤へと論が展開する 「I 迷宮と宇宙」 6編。折口を通底におきながら、賢治と久作を手繰りよせる 「II 胎児の夢」 2編。最後に、ポーからボードレールに及ぶ 「III 批評とは何か」 で、「解釈」(翻訳) そして 「創作」 について分析し、批評の世界を切り拓く。
(羽鳥書店 3080円)[amazon]

『ポルトガル短篇小説傑作選 よみがえるルーススの声ルイ・ズィンク・黒澤直俊編
ジョゼ・ルイス・ペイショット、ドゥルセ・マリア・カルドーゾ、リカルド・アドルフォ、ジョルジュ・デ・セナなど重鎮から新鋭まで、ポルトガル現代文学の魅力を存分に示す12人の作家たちによる珠玉の掌篇集。収録内容
(現代企画室 2420円)[amazon]

『はじめに財布が消えた 現代ロシア短編集
ここに収められた十四人の作者の短編に共通する要素を探すとすれば、それは平凡な日常からの急激な変貌、現実と虚構というふたつの異なる世界の間でのバランスではないだろうか。本書が織りなすモザイク模様から現代ロシア文学の姿が、長年の文学的伝統と新時代の大胆な試みがまざりあった現代のロシア文学の輪郭がいささかなりとも見えてくることを私たちは切に願っている。(L・エルマコーワ「あとがきにかえて」) 内容
(群像社ライブラリー 1980円)[amazon]

キム・ヘジン 『中央駅』
路上生活者となった若い男、同じく路上で暮らしながら、毎晩、際限なく酒をあおる病気持ちの女。ホームレスがたむろする中央駅を舞台に、二人の運命は交錯する。『娘について』のキム・ヘジンによる、どん底に堕とされた男女の哀切な愛を描き出す長編小説。生田美保訳
(彩流社 1650円)[amazon]

由良君美編 『イギリス怪談集』
居住者が次々と死ぬ家、宿泊者が連続して身投げする蒸気船の客室、幽霊屋敷で見つかった化物の正体とは――。怪談の本場イギリスから傑作だけを選んだアンソロジー。復刊
(河出文庫 1100円)[amazon]
中野美代子・武田雅哉編 『中国怪談集』
人肉食、ゾンビ、神童が書いた宇宙図鑑、中華マジックリアリズムの代表作、中国共産党の機関誌記事、そして『阿Q正伝』。怪談の概念を超越した、他に類を見ない圧倒的な奇書。復刊
(河出文庫 1100円)[amazon]
種村季弘編 『日本怪談集 奇妙な場所
妻子の体が半分になって死んでしまう家、尻子玉を奪いあう河童……、日本文学史に残る怪談の中から新旧の傑作だけを選りすぐった怪談アンソロジー。復刊
(河出文庫 1100円)[amazon]
種村季弘編 『日本怪談集 取り憑く霊
江戸川乱歩、芥川龍之介、三島由紀夫、藤沢周平、小松左京など、錚々たる作家たちの傑作短篇を収録。科学では説明のつかない、掛け値なしに怖い究極の怪談アンソロジー。復刊
(河出文庫 1100円)[amazon]

新保博久編 『銀幕ミステリー倶楽部』
映画の世界を題材に描かれた短編を集めたミステリー・アンソロジー。江戸川乱歩、横溝正史、赤川次郎、松本清張、谷崎潤一郎ら12人の名手たちによる、映像を超える傑作ドラマを収録。
(光文社文庫 1100円)[amazon]

《ユリイカ》 12月臨時増刊 総特集=装幀家・菊地信義
最前線で「本」をデザインし続けている菊地信義に迫るとともに、「本」の「未来」を考える総特集。内容
(青土社 1760円)[amazon]

網野善彦・石井進・ 笠松宏至・勝俣鎭夫 『中世の罪と罰』
「お前の母さん……」 「家を焼く」 「ミヽヲキリ、ハナヲソグ」 「死骸敵対」 「都市鎌倉」 「盗み」 「夜討ち」 「博奕」 「未進と身代」 「身曳きと“いましめ”」 10篇のまごうかたなき珠玉の論考が、近くて遠い中世日本の謎めいた魅力を次々に描き出す。稀代の歴史家たちが、ただ一度、一堂に会して究極の問いに挑んだ伝説的名著。
(講談社学術文庫 1265円)[amazon]

楠田匡介 『
事実探偵小説 冷蔵庫の中の屍体』
『犯罪の眼』(同光社、1959)収録の吉川・宇野刑事シリーズを、《読物と講談》誌連載時の掲載順に並べ直して復刊。昭和20年代後半の風俗を映した実話読物。解説=善渡爾宗衛
(東都 我刊我書房 4500円)取扱=盛林堂

『ウェールズ語原典訳 マビノギオン』
アーサー王物語を含む、ウェールズの神話、伝承がおさめられた古典物語集であるマビノギオンをウェールズ語原典から翻訳。詳細な註解と解説を加え、中世ウェールズの思索と世界観を浮き彫りにする。森野聡子編訳
(原書房 5500円)[amazon]

J・M・クッツェー 『続・世界文学論集』
北と南、女性と男性、人間と動物……モラルの根源を物語で追究してきたノーベル賞作家による近作エッセー集。ゲーテ、クライスト、ホーソーンらの誰もが知る古典小説から、ズヴェーヴォ、ヴァルザー、ネミロフスキーの問題作、そしてP.ホワイト、ナイポールの名作まで、実作者ならではの分析と独自の角度から論じる、ちょっと類のない本。田尻芳樹訳
(みすず書房 5500円)[amazon]

アラン・ムーア/エディ・キャンベル(画) 『フロム・ヘル 新装合本
19世紀末ロンドン、切り裂きジャック事件を描いたグラフィック・ノベルの傑作。柳下毅一郎訳
(みすず書房 5060円)[amazon]

トーマス・ベルンハルト 『破滅者』
代表作 『消去』 の数年前に書かれた 『ヴィトゲンシュタインの甥』 と 『破滅者』 を一冊にして新たに刊行。『破滅者』はグレン・グールドを主要登場人物にしたもの、『甥』 は、おじのルートヴィヒともども数奇な生涯を生きたウィトゲンシュタイン家の最後の人を描く。音楽小説であり、著者の真骨頂をしるす抱腹絶倒の書。岩下眞好訳
(みすず書房 6050円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選7 中世後期の神秘思想』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
平凡社ライブラリー創刊25周年企画『中世思想原典集成』文庫化全7巻完結。本巻は13~15世紀の神秘家たちのパノラマ。エックハルトからクザーヌスまで。
(平凡社ライブラリー 2640円)[amazon]

ジョージ・エリオット 『ミドルマーチ 2』
金策に失敗したフレッド・ヴィンシーは、意中の女性メアリを含むガース家の人々を窮地に立たせてしまう。フェザストーン老人の遺言をめぐる騒動の思わぬ結末、ドロシアとカソーボンの夫婦生活の危機など、人間関係が発展していく第2巻。廣野由美子訳
(光文社古典新訳文庫 1386円)[amazon]

吉野作造 『憲政の本義、その有終の美』
主権の所在をあえて問わない人民のための政治、いわゆる「民本主義」を唱道した吉野作造の代表作。当時の藩閥政治を批判し、国家の根本である憲法の本来的な意義を考察するとともに、立憲政治にむけて国民一般の「知徳」が重要だと説く。山田博雄訳
(光文社古典新訳文庫 1188円)[amazon]

都筑道夫 『紙の罠』
都筑作品でも人気の“近藤・土方シリーズ”が遂に復活。贋札作りをめぐり巻き起こる奇想天外アクション小説。二転三転する物語の結末は予測不能。日活映画 《危いことなら銭になる》原作。日下三蔵編
(ちくま文庫 836円)[amazon]

中村禎里 『河童の日本史』
ぬめり、水かき、悪戯にキュウリ。異色の生物学者が、時代ごと地域ごとの民間伝承や古典文献を精査。〈実証分析的〉空想生物学。
(ちくま学芸文庫 1760円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『妖虫』
(春陽堂文庫 1089円)[amazon]
『緑衣の鬼』 (春陽堂文庫 1067円)[amazon]

ラシード・ブージェドラ 『ジブラルタルの征服』
〈叢書・エクリチュールの冒険〉 黄色、それから黄色っぽい色、そしてまた黄色……アルジェリアを舞台に過去と現在、歴史と虚構が交錯し、再説されるたびに差異を孕み、ズレが生じていく。真偽をめぐる境界の曖昧さのアレゴリーと、フィクションによる史実の征服。精密かつ流麗な仕掛けが動き出す。小説とはつまり挑発であり挑戦なのだ。冒険は読者とともに始まるだろう。複数の言語が入り乱れるマグレブ文学の快作。下境真由美訳
(月曜社 3300円)[amazon]

ジェフリー・ディーヴァー 『煽動者 上・下
犯人逃亡の責任を負って左遷されたダンスは、集団パニックによる無差別殺人を追う。シリーズ中屈指のドンデン返しを仕掛けた傑作。池田真紀子訳
(文春文庫 924円/902円)[amazon]

プリーモ・レーヴィ 『溺れるものと救われるもの』
自らのアウシュヴィッツ体験を描いた 『これが人間か』 から約40年、記憶の風化を恐れたレーヴィは、改めてその体験を極限まで考え抜き、分析し、苦闘の末に本書をまとめた。だが刊行の1年後、彼は自ら死を選ぶ。 世界中の哲学者、歴史家が、アウシュヴィッツを語る上で欠かせないとした名著の文庫化。竹山博英訳
(朝日文庫 924円)[amazon]

ジェイムズ・A・マクラフリン 『熊の皮』
地元から遠いアパラチア山脈の自然保護地区で職を得たライス・ムーア。ある日、胆嚢を切り取られた熊の死体が発見される。熊の臓器は闇市場で高額で取引されている。密猟犯を追うライスは、そのせいで過去に逃れてきた因縁の相手に所在を気付かれてしまい……。青木千鶴訳
(ハヤカワ・ミステリ 2090円)[amazon]

スザンナ・ジョーン 『アースクエイクバード』
東京湾で女性の死体が発見され、被害者の友人ルーシーは事情聴取を受けるが。日本が舞台の傑作ミステリ。英国推理作家協会賞受賞。阿尾正子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 880円)[amazon]

ユッシ・エーズラ・オールスン 『特捜部Q 自撮りする女たち 上・下
新旧双方の事件を捜査する事態になるも、予算不足で特捜部は解体の危機、アシスタントのローセは絶不調。一体どうなる特捜部Q! 吉田奈保子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各946円)[amazon]

ジョン・ル・カレ 『スパイたちの遺産』
引退した元スパイのギラムは、冷戦期のある作戦の因縁で、英国情報部に呼び出される。半世紀を経て放たれた『寒い国』の続篇。加賀山卓朗訳
(ハヤカワ文庫NV 1100円)[amazon]

チャールズ・ブラント 『アイリッシュマン 上・下
「ペンキ塗り」は殺しの隠語。米20世紀史の裏で暗躍したマフィアヒットマンが壮絶な半生を自ら語る映画化原作ノンフィクション。高橋知子訳
(ハヤカワ文庫NF 各924円)[amazon]

イアン・ネイサン 『スティーヴン・キング 映画&テレビ コンプリートガイド』
恐怖の帝王スティーヴン・キング原作の映像化作品すべてを収録。『キャリー』(1976)から『シャイニング』の続編で最新作『ドクター・スリープ』(2019)まで。関係者への取材やキング自身のコメント、数百点に及ぶ写真で作品を紹介。入間眞訳
(竹書房 4400円)[amazon]

トム・クランシー/S・ピチェニック 『北朝鮮急襲 上・下
暗殺者のチームが北朝鮮の高官とその家族を強盗に見せかけて殺害、世界の権力のバランスを揺るがす事態が動き出す。未曽有の世界危機を防ぐため奮戦する、オプ・センターのメンバーの活躍第二弾。伏見威蕃訳
(扶桑社ミステリー 各1012円)[amazon]

▼10月刊

東理夫 『コンプリート版 アメリカは歌う。』
「九」という数字はなぜ悲しみと不吉さをまとっているのか? 戦い続けてきたアメリカになぜ反戦歌、厭戦歌が多いのか? 黒人霊歌はなぜ同じような歌詞がくり返し歌われるのか? アメリカにはなぜかくも多くの殺人をテーマにした歌があるのか? 建国以来、現在までのアメリカで生まれた歌に秘められた謎と人びとの想いを追いながら、知られざるもう一つのアメリカの姿を描き出す。アメリカ音楽史の決定版。
(作品社 4620円)[amazon]

礒崎純一 『龍彦親王航海記 澁澤龍彦伝
生い立ちと幼少年期、多感な青年時代、同時代を生きた盟友たちとの交流、最初の妻・矢川澄子、サド裁判、現代思潮社、桃源社をはじめとする出版社との関わり、雑誌「血と薔薇」、二度目の妻・龍子、晩年の生活まで。戦後の日本で、フランス文学の紹介者として、翻訳家、小説家、エッセイスト、アンソロジストとして、日本文学史上に唯一無二の足跡を残した澁澤龍彦の文学と人生を一望する。目次
(白水社 4400円)[amazon]

四方田犬彦 『女王の肖像 切手蒐集の秘かな愉しみ』
さらば帝国、植民地。されど切手は後まで残る。英国ヴィクトリア女王の肖像から始まり、国家の名刺であるとともに、人を堕落させ、広大な幻をも現出させる蠱惑的な紙片、郵便切手をめぐるエッセイ集。
(工作舎 2750円)[amazon]

朝里樹 『歴史人物怪異談事典』
歴史の舞台裏に隠された、  人と、人ならざる者たちの邂逅の記録。紀元前から昭和時代までに活躍した500人以上の歴史人物にまつわる怪異談を紹介するエピソード事典。
(幻冬舎 2200円)[amazon]

福永武彦・中村真一郎・丸谷才一 『深夜の散歩 ミステリの愉しみ
深夜、男は一冊の推理小説にそっと手をのばす。そこで彼は書物のなかを出掛ける。走ったり、ひと休みしたり、時々は欠伸したりしながら、いい気になって歩き廻っていると、そのうちにあたりは白々と明けてくる。真犯人を捕まえるまでは、この散歩を途中で止められないのだ――。文学者にして推理小説愛読家である三人による読書エッセイ。推理小説を読み解く愉しさを軽やかに、時に衒学的に語り尽くす歴史的名著が甦る。
(創元推理文庫 1210円)[amazon]

フレッド・ヴァルガス 『ネプチューンの影』
アダムスベルグ署長は、古い連続殺人事件のひとつとしか思えない事件の報に接する。ネプチューンの三つ叉槍の刺し傷のある死体。しかし、彼が追っていた容疑者はすでに死亡したはず……?! 亡霊? 模倣犯? かつて、アダムスベルグの弟が恋人殺しの容疑をかけられ姿を消した事件も同じ刺し傷だった。一人の高名な判事が真犯人だと主張するアダムスベルグは、なんと自らも新たな事件に巻き込まれる。CWAインターナショナルダガー受賞。田中千春訳
(創元推理文庫 1540円)[amazon]

ネレ・ノイハウス 『生者と死者に告ぐ』
犬の散歩中の女が突如射殺された。ライフルで80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女が頭部を撃たれて死亡。数日後、若い男が心臓を撃ち抜かれる。そして警察署に“仕置き人”と名乗る人物から、死亡告知が届く。犯人の目的は? 被害者たちの“見えない繋がり”とは? 刑事オリヴァーとピアが連続殺人事件に挑む。酒寄進一訳
(創元推理文庫 1650円)[amazon]

ディアドリ・サリバン 『目覚めの森の美女 森と水の14の物語
「シンデレラ」「赤ずきん」「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」「ルンペルシュテルツキン」「フェアとブラウンとトレンブリング三姉妹」「白雪姫」……14のよく知られたおとぎ話をひねりを加え再話した、血と陰謀、裏切りと魅惑の匂いが漂う短編集。アイルランドのYA三賞受賞。ダークで美しく、力強い幻想譚。田中亜希子訳
(東京創元社 2420円)[amazon]

ウラジーミル・ナボコフ 『ロリータ 魅惑者』
20世紀文学を代表する最高傑作「ロリータ」改訂版と、その原型となった中篇「魅惑者」を収録。若島正・後藤篤訳。〈ナボコフ・コレクション〉全5巻完結。
(新潮社 5830円)[amazon]

リチャード・パワーズ 『オーバーストーリー』
アメリカに最後に残る未開の森を守るため木に「召命」された人々。生態系の破壊に抵抗するその闘いを描く、ピュリッツァー賞受賞作。木原善彦訳
(新潮社 4730円)[amazon]

泉鏡花 『龍蜂集』 澁澤龍彦編
〈澁澤龍彦 泉鏡花セレクション1〉
澁澤龍彦生前に企画されながらも実現を見ずに終った幻の選集が、半世紀の歳月を経てついに刊行。我が国最高の幻想作家・鏡花の膨大な作品から、澁澤ならではの鑑識眼が選び抜いた約50篇を4巻で構成。解説=山尾悠子
(国書刊行会 9680円)[amazon]

『映画監督 神代辰巳』
『四畳半襖の裏張り』 『赫い髪の女』 など数々の日活ロマンポルノの傑作、70年代日本映画ベスト作 『青春の蹉跌』 をのこした伝説の監督、神代辰巳の全貌。今までの神代作品評論、インタビュー、対談などを集成、神代組スタッフ・キャストへの新規インタビューや書き下ろし評論、未映画化脚本も収録、B5判・680頁の巨大ヴォリュームでおくる、初にして決定版、空前絶後のクマシロ大全。
(国書刊行会 13,200円)[amazon]

ジェフリー・アーチャー 『運命のコイン 上・下
1968年、ソ連。前途有望な青年アレクサンドルは同級生の讒言で父親を当局に惨殺され、母エレーナと共に国を捨てる決意をした。表が出たらアメリカ、裏ならイギリスへ。二人は運命を 1 枚のコインに委ねた……。 戸田裕之訳
(新潮文庫 各880円)[amazon]

ジェイムズ・ブランチ・キャベル 『ジャーゲン』
〈マニュエル伝〉
行き掛かりに哀れな悪魔を助けた質屋ジャーゲン。返礼にと突如消された口うるさい妻を、周りに言われてしぶしぶ取り戻す旅に出る。奇想天外摩訶不思議な異世界を、当代一流の口八丁と権謀術数を武器に快進する、愛と冒険の喜劇的ロマンス。挿絵フランク・C・パペ。中野善夫訳。
(国書刊行会 3960円)[amazon]

トーマス・C・フォスター 『大学教授のように小説を読む方法 増補新版
キリスト教の象徴、性的暗喩、天気や病気の使い方…。小説の筋を楽しむだけでなく、一歩踏み込んで読み解くための27のヒント。矢倉尚子訳
(白水社 3850円)[amazon]

大阪圭吉 『沙漠の伏魔殿 大阪圭吉 単行本未収録作品集 3
《収録内容》 ・花嫁の塑像/氷 /沙漠の伏魔殿/人外神秘境/主なき貯金/現代小説 山は微笑む/濱田彌兵衛/創作喜劇台本 軍事郵便(一幕)/エッセイ・ハガキ回答・アンケート
※10月25日 店舗(西荻窪)販売/10月26日~ 神田古本まつりで販売/11月5日 通販開始
盛林堂ミステリアス文庫 1600円)

林奕含 『房思琪(ファンスーチー)の初恋の楽園』
房思琪は高級マンションに住む13歳の文学好きな美少女。国語教師から性的虐待を受ける関係に陥り……。台湾社会の闇を抉る衝撃作。泉京鹿訳
(白水社 2200円)[amazon]

ミヒャエル・エンデ 『ミヒャエル・エンデ生誕九〇年記念版 鏡のなかの鏡 迷宮
ミヒャエル・エンデが父エトガー・エンデに捧げた代表作を、生誕90周年の記念版として新訳で刊行。夢の中の出来事のような謎めいた幻想譚30篇と、画家であった父エトガーの不思議な魅力に満ちた絵画とが、互いに響き合うようにして構成されている本書は、父と子の共同作業によって築かれた物語の「迷宮」である。田村都志夫訳
(岩波書店 5280円)[amazon]

アーサー・コナン・ドイル 『恐怖の谷』
ホームズのもとに届いた暗号の手紙。解読するも、時同じくして、サセックス州の小村にある館の主が殺害された。事件の背後にはモリアーティ教授の影。捜査に乗り出したホームズは、過去に事件の鍵を見出す。駒月雅子訳
(角川文庫 770円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『新訳 アテネのタイモン』
アテネの貴族のタイモンは、気前よく散財しすぎて破産。金が尽きるや非情になる友人らを前に、人間世界に絶望する。隠居した森の洞窟で大金を見つけ、唯一の友アルキビアデスのアテネ復讐に力を貸すが――。河合祥一郎訳
(角川文庫 748円)[amazon]

渡辺京二 『夢ひらく彼方へ ファンタジーの周辺 下
英国の児童文学の黄金期を探り、さらには 「アーサー王物語」 「エッダとサガ」、ケルトの妖精譚、ウィリアム・モリス、チェスタトンなど、ファンタジーの古層をたどる。なぜ人は物語を求めるのだろうか。熊本の橙書店での14回の講義の書籍化。
(亜紀書房 1870円)[amazon]

小森収編 『短編ミステリの二百年 1』
江戸川乱歩編 『世界推理短編傑作集』 刊行から五十余年。創元推理文庫が21世紀の世に問う、新たなる一大アンソロジー。およそ二百年にわたる短編ミステリの歴史を彩る名作を選出、全6巻に集成。第1巻にはモームやフォークナーなどの文豪、サキやビアスといった短編の名手、ウールリッチやコリアなど新聞・雑誌で活躍した俊才による珠玉の12編を、すべて新訳で収録し、編者の評論とともに贈る。深町眞理子 他訳
(創元推理文庫 1430円)[amazon]

レネ・デンフィールド 『チャイルド・ファインダー 雪の少女
雪と氷に覆われた山。両親の車に乗っていた五歳の少女は、外に出て……次の瞬間消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり、捜索を困難にした。三年の月日が虚しく過ぎたが、あきらめきれない両親は、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに最後の望みを託した。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山を相手にナオミの戦いが始まる。細美遙子訳
(創元推理文庫 1210円)[amazon]

デイヴィッド・ラミレス 『果てなき護り 上・下
地球を離れて347年目の世代宇宙船《ノア》。巨大な船内では数万以上の乗員全員が超能力を駆使し、豊かで平穏な生活を営んでいた。だがその陰で、ミンチ状の死体が次々と密かに発見される。都市計画官ハナは、捜査官バレンズとともに能力を駆使して事件の真相を追い始める。新鋭が放つ傑作宇宙SF。中村仁美訳
(創元SF文庫 各1144円)[amazon]

ヘンリー・ミラー 『冷暖房完備の悪夢』
〈ヘンリー・ミラー・コレクション〉
1940年から1年がかりのアメリカ横断旅行に出かけ、実利優先社会のここには信仰、情熱で作られた不朽の記念碑などどこにもない、と闊達に綴った先見的文明批評。金澤智訳
(水声社 3410円)[honto]

《Re-ClaM eX》 vol.1
【収録作品】 クリストファー・セント・ジョン・スプリッグ 「あるヨットマンの死」/シリル・ヘアー 「鞭を惜しめば」/ドロシー・L・セイヤーズ 「午前の殺人」/ルーファス・キング 「放蕩花婿事件」/ヘンリー・ウエイド 「嫉妬深い射手」 (三門優祐編訳)
(Re-ClaM事務局 500円) 盛林堂で委託販売

柴田元幸編著 『ハックルベリー・フィンの冒けん』 をめぐる冒けん』
ハック・フィンと柴田元幸の冒けんふたたび。目次
(研究社 1870円)[amazon]

《未来趣味 増刊 横田順彌追悼号》
写真でたどる横田順彌さんの足跡/横田順彌 著作書影集/二十二世紀のみなさんへ(まえがきにかえて)/単行本未収録 小説・エッセイ/ヨコジュンに贈る言葉・イラスト/日本古典SF研究会について/そして、日本古典SF研究会会員から横田さんに贈る言葉/資料
古典SF研究会 2000円) 取扱=盛林堂

幸田露伴 『珍饌会 露伴の食
博覧強記の文豪が描く、奇奇妙妙の「食」尽くし。露伴とその周辺の好事家たちをモデルに描く抱腹絶倒の戯曲「珍饌会」、河豚を愛した文人たちの漢詩を読み解く「桃花と河豚」、故事来歴から料理法まで網羅した「鱸」など随筆六篇を収録。稀代の碩学・露伴の「食」をめぐる蘊蓄と諧謔を味わう名篇集。南條竹則編
(講談社文芸文庫 1540円)[amazon]

『幻想と怪奇 傑作選』 監修=紀田順一郎・荒俣宏
1973年創刊、「我国最初の幻想怪奇文学研究誌」 《幻想と怪奇》全12号から翻訳・小説・評論・コラムを厳選。コッパード、デ・ラ・メア、ウェイクフィールド、ラドクリフ、ブラックウッド、山口年子ほか。付録として《THE HORROR》全4号を復刻収録。内容
(新紀元社 2420円)[amazon]

ギュスターヴ・フローベール 『サラムボー
前三世紀のカルタゴの傭兵叛乱に想を得た、フローベールの一大歴史絵巻。大国カルタゴの統領の娘にして女神に仕える神官サラムボー。傭兵たちの信望厚い隊長マトーは、彼女への許されぬ情念を胸に、叛乱軍の指導者となる。「触れてはならぬ!女神のヴェールです!」──東方の沙漠に花開く、荒々しく残忍な古代の夢。中條屋進訳
(岩波文庫 924円)[amazon]

セアラ・オーン・ジュエット 『とんがりモミの木の郷 他五篇
ヘンリー・ジェイムズが「美の精華」、キプリングが 「まさに人生そのもの」 と本作を絶賛。アメリカの女性作家ジュエット (1849-1909) は,故郷のニューイングランド・メイン州の歴史ある静かな町を舞台に、人びとのささやかな日常と美しい自然を繊細な陰影をもって描き続けた。文学史上に名をのこす傑作、初の邦訳。河島弘美訳
(岩波文庫 1012円)[amazon]

岩波文庫重版
ジョゼフ・コンラッド 『密偵』
『ウィーン世紀末文学選』 池内紀編訳

オルハン・パムク 『赤い髪の女』
トルコの井戸掘りの親方と弟子。父と子のような彼らの前に、1人の女が現れた。女の赤い髪に心奪われた弟子は、親方の言いつけを破って女の元へ向かった。その選択が彼の人生を幾度も揺り動かすことになるとはまだ知らずに。稀代のストーリーテラーによる傑作。宮下遼訳
(早川書房 2530円)[amazon]

サンドローネ・ダツィエーリ 『パードレはもういない 上・下
ダンテはいまだ行方不明。うちのめされ引退したコロンバだったが、ある日遭遇した事件にパードレの影を感じ……傑作サスペンス。清水由貴子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 各1100円)[amazon]

アン・パチェット『ベル・カント』
南米のとある国で公邸占拠事件が発生。人質となった各界の要人たちと世界的オペラ歌手、ゲリラの少年少女たちの奇妙な交流を描く。山本やよい訳
(ハヤカワepi文庫 1364円)[amazon]

フォンダ・リー 『翡翠城市』
選ばれし者が翡翠から力を引き出し、互いに戦い、支配すべく日々しのぎを削る激烈なる島、ケコン島。ヒロたちコール家のファミリー〈無峰会〉は、島を仕切り、血と硝煙に彩られた世界を生き抜いていたが――。21世紀版『ゴッドファーザー』×異能ファンタジイ。大谷真弓訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2750円)[amazon]

デニス・E・テイラー 『シンギュラリティ・トラップ』
妻と二人の子供のため、一攫千金を夢見て小惑星帯へ向かう採鉱船に乗りこんだコンピュータ・プログラマーを待ち受けていたのは!? 金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1210円)[amazon]

ニック・ドルナソ 『サブリナ 現代のある失踪事件
ある女性が失踪した。その後、彼女に関する衝撃的な映像を収めたテープが新聞社に送られてくる。その映像はインターネットを席捲し、噂や憶測、陰謀論が湧き上がる。ゼイディー・スミス、エイドリアン・トミネ絶賛。現代社会を映し出す傑作グラフィックノベル。藤井光訳
(早川書房 3960円)[amazon]

エドワード・ゴーリー 『狂瀾怒濤 あるいは、ブラックドール騒動
物語はあなた次第で進行するのに、行きつく果ては毎度おなじみ、ナンセンスの極み。さらなるエドワード・ゴーリーの大傑作。柴田元幸訳
(河出書房新社 1430円)[amazon]

《MONKEY》 vol.19 サリンジャー ニューヨーク
柴田元幸責任編集
 J・D・サリンジャー特集。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 以前の初期短篇に焦点をあて、1940年発表のデビュー作 「いまどきの若者」、1948年発表の 「針音だらけのレコード盤」 の2篇を柴田元幸訳で掲載。また、作家サリンジャーの誕生を後押ししたコロンビア大学時代の恩師の存在と 『STORY』 誌をめぐるエピソードを柴田元幸が解説。
(スイッチパブリッシング 1320円)[amazon]

『世界物語大事典』 ローラ・ミラー編
空想の王国や不思議の国を舞台にした世界の文学作品を集めたブックガイド。4千年に及ぶ物語の歴史を網羅、『ギルガメシュ叙事詩』や神話伝説から、近現代のSF・ファンタジー・幻想文学の名作まで、世界各国の専門家による解説で紹介。美しく貴重な図版満載。目次 巽孝之=監修/越前敏弥訳
(三省堂 4620円)[amazon]

岸本佐知子 『ひみつのしつもん』
PR誌『ちくま』名物連載 「ネにもつタイプ」 待望の3巻めがついに。 いっそうぼんやりとしかし軽やかに現実をはぐらかしていくキシモトさんの技の冴えを見よ!
(筑摩書房 1760円)[amazon]

ジェフリー・ディーヴァー 『カッティング・エッジ』
ダイヤモンド店で三人の男女が無惨に殺害された。被害者は婚約指輪を受けとりにきたカップルとダイヤ加工職人。現場からはダイヤモンドも持ち去られていた。リンカーン・ライム・シリーズ最新作。池田真紀子訳
(文藝春秋2750円)[amazon]

アンソニー・アボット 『サーカス・クイーンの死』
〈論創海外ミステリ〉
空中ブランコの演者が衆人環視の前で墜落死。自殺か、事故か、それとも殺人か? サーカス団に相次ぐ惨事の謎を追うサッチャー・コルト主任警部の活躍。熊木信太郎訳
(論創社 2860円)[amazon]

『延原謙探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
ホームズ訳者として有名な延原謙の創作探偵小説集第2弾。前半は 〈延原謙作品集〉 として中編 「幽霊怪盗」 や昭和13年発表の戦争綺譚 「片耳将軍」 などを収録、後半は延原の妻・勝伸枝の作品を確認されている限り全て収録した〈勝伸枝作品集〉。中西裕編 内容
(論創社 4180円)[amazon]

スティーヴン・クレイン 『勇気の赤い勲章』
勇敢に戦いたいという熱意から志願して従軍したヘンリーは、停滞している戦況に苛立ちを覚えるものの、戦闘が始まるや、その苛烈さに怯えて隊を逃亡する.。戦場における一兵卒の心理と成長をリアルに描いたアメリカ文学の記念碑的小説。藤井光訳
(光文社古典新訳文庫 968円)[amazon]

後深草院二条 『とはずがたり』
十四歳で後深草院の後宮に入り寵愛を受ける二条。自意識高い美人で宮廷のアイドル的存在となった彼女が、誰にも見られぬ場所で愛欲の生活と出家後の旅の記録を綴った日本中世の日記・紀行文。二条の魅力がより身近に感じられる新訳。佐々木和歌子訳
(光文社古典新訳文庫 1276円)[amazon]

生島治郎 『黄土の奔流』
中国に渡り15年。無一文となった紅真吾は、揚子江から重慶まで溯り豚毛を買い集めるという儲け話に誘われる。だが流域の治安は劣悪で、命の保証はない。一攫千金を狙う真吾は、危険も顧みず出立する。手に汗握る冒険小説。
(光文社文庫 924円)[amazon]

『ガラン版 千一夜物語2』
いまや大金持ちになった船乗りシンドバードが貧しい荷かつぎ屋ヒンドバードに語った世にも不思議な七つの航海の話。夫に殺された女性の一件に関わった奴隷に恩赦を与えるために語られた 「三つのリンゴ」 の話。こぶのある道化の殺人の罪を着せられた三人が面白い話を披露して罪を免れようとする 「こぶ男の物語」 が語られる。西尾哲夫訳
(岩波書店 3850円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.97
選評 第29回鮎川哲也賞、第16回ミステリーズ!新人賞。第16回ミステリーズ!新人賞受賞作、床品美帆「ツマビラカ~保健室の不思議な先生~」掲載。待望の復活、倉知淳〈猫丸先輩〉シリーズ連載スタートほか。
(東京創元社 1320円)[amazon]

ガルシ・ロドリゲス・デ・モンタルボ 『アマディス・デ・ガウラ 
不義の子アマディスのオリアナ姫との別離。「緑の剣の騎士」としての苦難。怪物エンドゥリアゴとの死闘。オリアナ姫との再会ならびに「美貌の息子・エスプランディアン」の誕生など。「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」 の頭を狂わせたスペイン最古の騎士道物語・後半。岩根圀和訳
(彩流社 7150円)[amazon]

サッパー 『十二の奇妙な物語』
〈論創海外ミステリ〉
ミステリ、人間ドラマ、ホラー要素たっぷりの奇妙な体験談から恋物語まで、妖しく魅力的な、十二の物語が楽しめるサッパーの短編集。金井美子訳
(論創社 2860円)[amazon]

ペク・スリン 『静かな事件』
〈韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション〉
あれが私の人生の決定的な場面だったのではないだろうか――。ソウルの再開発地区で過ごした少女時代を回想しつつ、忘れかけていた出来事や当時は気付けなかった感情をそっと取り出し、静かに見守る繊細な物語。李聖和訳
(クオン 1320円)[amazon]

チョン・ヨンジュン 『宣陵散策』
〈韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション〉
先輩から頼まれたアルバイトとして、自閉症の青年ハン・ドゥウンの世話を一日引き受けることになった主人公。ハン・ドゥウンの行動に戸惑いながらも一緒に宣陵公園を散策していくうちに、二人の関係にも少しずつ変化が見られ……。シンプルな文体ながら静かで深い余韻を残す短編。藤田麗子訳
(クオン 1320円)[amazon]

沼野充義編 『ロシア怪談集』
夜ごと棺から起き上がる女と神学生の闘いを描くゴーゴリの名作ほか、ドストエフスキー、チェーホフ、ナボコフら文豪が描き出す恐怖。復刊
(河出文庫 予価1100円)[amazon]

荒俣宏編 『アメリカ怪談集』
ホーソーン、ラヴクラフト、ルイス、ポオなど、開拓と都市の暗黒からうまれたアメリカ文学の粋を集めた究極の怪異譚集。復刊
(河出文庫 予価1100円)[amazon]

パール・バック 『終わりなき探求』
ノーベル賞作家パール・バック未発表の遺作。作品は1973年に死去する直前に書かれ、長らく行方不明。40年後、終焉の地バーモンド州から遠く離れたテキサス州の貸金庫で発見された。戸田章子訳
(国書刊行会 2970円)[amazon]

アントナン・アルトー 『演劇とその分身』
「残酷演劇」を宣言して20世紀演劇をかえた歴史的名著がついに新訳。身体のアナーキーからすべてを問い直すアルトーの核心。鈴木創士訳
(河出文庫 990円)[amazon]

オード・ロカテッリ 『二十世紀の文学と音楽』
さまざまな実験が試みられた時代。文学と音楽のあいだには、いくつもの魅惑的な交流が生まれた。二十世紀の音楽小説案内。大森晋輔訳
(白水社 文庫クセジュ 1320円)[amazon]

マクシム・ゴーリキー 『どん底』
社会の底辺で生きる人間たちがふきだまる宿泊所。過去にいい時代があったと言う者、犯罪に手を染めた者。昼間は手に職あるものは手を動かし、商売ができるものは市場に出ていくが、夜はみなこのどん底の宿に戻り、先の見えない眠りにつく。格差社会の一番下で生きる人間の絡み合いを描いた20世紀初めの戯曲がいま新訳で心に響く。安達紀子訳
(群像社 1100円)[amazon]

陸秋槎 『雪が白いとき、かつそのときに限り』
冬の朝、一人の少女が死体で発見された。雪に覆われた地面に犯人の足跡は残っておらず、警察は自殺として捜査を終える。それから5年後、学生寮長の顾千千は、生徒会長の馮露葵とともに、密かにこの事件のことを調べ始めるが……新たなる青春ミステリの傑作。稲村文吾訳
(ハヤカワ・ミステリ 1650円) [amazon]

ケン・リュウ 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
『三体』 著者の劉慈欣による「円」など7作家13作品をリュウが精選したアンソロジー、緊急文庫化。
(ハヤカワ文庫SF 1100円)[amazon]

エイダン・トルーヘン 『七人の暗殺者』
麻薬ディーラーのジャックは知人を殺した犯人を捜し始めるが、何者かに凄腕の暗殺者集団をさしむけられる。ノワール・サスペンス。三角和代訳
(ハヤカワ文庫NV 1144円)[amazon]

嵯峨景子 『氷室冴子とその時代』
少女小説の文脈で語られることが多かった氷室冴子を、コバルト文庫以外の小説やエッセイを含めた幅広い作家活動にもスポットを当て、同時代の文化・社会とともに捉え直す。雑誌や新聞記事などの資料からも見えてくる新たな氷室冴子像とは。氷室冴子が学生時代に執筆した少女マンガ論 「少女マンガの可能性」 の手書き原稿を収録。
(小鳥遊書房 2475円)[amazon]

ファーガス・ヒューム/丸亭素人(訳述) 『鬼車 二輪馬車の秘密 【明治翻案版】オンデマンド
深夜のメルボルン。馬車のなかで身元不明の男が殺害された。警察の捜査は進み、犯人とおぼしき若者が逮捕されるが、事件は意外な展開をたどる……。1886年にオーストラリアで出版された19世紀ミステリ界最大のベストセラー 『二輪馬車の秘密』 は、5年後の明治24年に 『鬼車』 として翻案されていた。訳者は、黒岩涙香とともに活躍した丸亭素人。その名調子を現代かな遣いで復刊。高木直二=編集
(扶桑社 1728円)[amazon]


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▼9月刊 

陳明仁 『台湾語で歌え日本の歌』
古くからの習俗が残る田園に、因習にしばられながらも永々たる時の流れに生きる明朗なる人々。歌え、彼らの口唇には歌を! 少年時代の幸福な記憶と都会の外省人との軋轢、ときに二二八事件等政治的モチーフが絡みあう。台湾語文学の旗手による傑作群。酒井亨訳
(国書刊行会 3024円)[amazon]

ヨゼフ・チャペック 『独裁者のブーツ イラストは抵抗する
チェコを代表する画家ヨゼフ・チャペックはナチスに抵抗する諷刺画を数多く描き、ナチスに逮捕され、強制収容所で没した。当時の新聞や単行本に掲載した作品に詳しい解説と年譜をつけた日本オリジナル編集。増田幸弘・増田集 編訳
(共和国 2700円)[amazon]

翻訳者による海外文学ブックガイド BOOKMARK』 金原瑞人・三辺律子編
あの「BOOKMARK」が一冊の本に。最近の翻訳小説の中で特におすすめのものを選んで紹介する大人気のフリーブックレット「BOOKMARK」を加筆書籍化。著名作家による書下ろしエッセイと、各書籍の紹介はその本の翻訳家が自ら執筆。作品の面白さ、背景など、翻訳家ならではの視点で描かれたコラムも人気。
(CCCメディアハウス 1620円)[amazon]

マーガレット・アトウッド 『昏き目の暗殺者 上・下
世界文学の最前線を行くカナダ人作家の傑作長篇が初文庫化。ハメット賞&英国最高峰ブッカー賞に輝いた現代文学の金字塔。鴻巣友季子訳
(ハヤカワ文庫 各1296円)[amazon]

ピエトロ・アレティーノ 『コルティジャーナ 宮廷生活
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉 ローマに蠢くペテン師たちが、宮仕えを夢見る若者と人妻に思いを寄せる宮廷人に、手の込んだ悪ふざけを企み…。宮廷生活の幻想を猥雑なパロディによって貶め、人々の虚栄と虚無を笑いに包んで描いた傑作喜劇。栗原俊秀訳
(水声社 3240円)[honto]

アンソニ-・ホロヴィッツ 『メインテーマは殺人』
自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、TVドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を書かないかというのだ……。山田蘭訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

ヒラリー・ウォー 『生まれながらの犠牲者』
成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが失踪した。警察署長フェローズの指揮のもと捜査が行われるが、足取りは全く掴めない。姿を消した前の晩、彼女は生まれて初めてのダンス・パーティーに出かけていた。そこで何かが起こったのか? 本格推理の妙味溢れる警察小説の名手の傑作。〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉第9弾。法村里絵訳
(創元推理文庫 1123円)[amazon]

東雅夫編 『平成怪奇小説傑作集 2』
仄暗い土俗の闇から浮上する怪談文芸。時を超えた地霊の囁きに耳かたむける作家たち。天空から飛来する恐怖の大王(テロリズム)が全世界を戦慄させた、20世紀から21世紀への転換期にあって、平成日本の怪奇小説シーンは、日本と日本人の深淵へ肉迫してゆく……平成時代に生まれた怪奇小説の名作佳品を、全3巻に収録するアンソロジー第二弾。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

フランク・ノリス 『マクティーグ サンフランシスコの物語
〈ルリユール叢書〉
突如その男の内側に住む獣が身をもたげ、目を覚ました。ゾラをも凌ぐアメリカ自然主義の、最高の宿命小説。シュトロハイムに映画 『グリード』 を作らせた、ノワール文学の先駆的作品。高野泰志訳
(幻戯書房 4320円)[amazon]

ウラジーミル・アレクサンドロフ 『かくしてモスクワの夜はつくられ、ジャズはトルコにもたらされた 二つの帝国を渡り歩いた黒人興行師フレデリックの生涯
アメリカン・ドリームをモスクワで叶えた黒人フレデリック。ナイトクラブの興行で巨万の富を築いた彼を革命が襲う――その栄光と破滅。竹田円訳
(白水社 4536円)[amazon]

《ユリイカ》 10月号 特集=トニ・モリスン
デビュー作『青い眼がほしい』から『スーラ』、『ソロモンの歌』 『ビラヴド』、『ホーム』、『God Help the Child』に至るまで、人種/民族、ジェンダーやフェミニズムをモチーフとした小説を刊行しつづけ、アフリカ系アメリカ人として初めてノーベル文学賞を受賞した稀代の作家、トニ・モリスン。現代日本においてもっとも読まれるべきこの巨星の軌跡を追う。追悼特集。
(青土社 1512円)[amazon]

新井素子 『新井素子SF&ファンタジーコレクション2 扉を開けて 二分割幽霊綺譚』
ある日突然異世界に飛び込んだ、三人の若き男女の縦横無尽の活躍を描く 『扉を開けて』、一癖も二癖もある住人ばかりが住む第13あかねマンションの地下で繰り広げられる奇妙な戦いを描く 『二分割幽霊綺譚』――コミカルな筆致の中に、歴史や宇宙における「人間」の存在意義について鋭い問いを投げかける二長篇。巻末付録に著者自身のエッセイやインタビュー、対談や新井素子論、各版の「著者あとがき」を収録。日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

ウィリアム・ギャディス 『カーペンターズ・ゴシック』
大鉱山主の娘エリザベス・ブースは、ハドソン河畔の古いカーペンター・ゴシック様式の屋敷に、夫ポールと暮らしていた。山師気質のポールは、メディアコンサルタントで成功を目論見、いくつもの胡散臭い事業の立ち上げを画策していたが……。『JR』の作家ギャディスによる、一軒の古いゴシック式洋館を舞台に繰り広げられる、世界的陰謀と底無しの悪意が渦巻く狂騒劇。木原善彦訳
(国書刊行会 3024円)[amazon]

ジャック・ドゥルワール 『いやいやながらルパンを生み出した男 モーリス・ルブラン伝
世界中で絶大な人気を誇りつづける《怪盗紳士アルセーヌ・ルパン》の生みの親、モーリス・ルブランの伝記。ルパン研究の第一人者がついに成し遂げた、ミステリ・ファン待望の決定版。小林佐江子訳
(国書刊行会 3888円)[amazon]

ミシェル・ウエルベック 『セロトニン』
巨大生化学メーカーを退職した若い男が、遺伝子組換えや、過去の女性たちへの呪詛や悔恨を織り交ぜて語る現代社会への深い絶望。関口涼子訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント編 『死んだら飛べる』
飛行機嫌いのキングが選んだ恐怖の17便(話)。シートベルトをお締めになっても安全は保障致しかねます。コナン・ドイル、R・マシスン、ブラッドベリ、ダール、ダン・シモンズ、ジョー・ヒル、ピーター・トレメイン、キング他。白石朗・中村融訳
(竹書房文庫 1512円)[amazon]

ウェイク・ワン 『ケミストリー』
どうしてうまくいかないの? 研究もプロポーズにも答えが出せず、人生に煩悶する理系女を描いた中国系アメリカ人作家のデビュー作。小竹由美子訳
(新潮クレスト・ブックス 2160円)[amazon]

北村薫 『本と幸せ』
作家生活30周年、近況がわかるエッセイ、高校時代のショートショート作品、自選短篇ベスト12発表、自作朗読CDを付す記念本。
(新潮社 2592円)[amazon]

『挿絵画家アーサー・ラッカムの世界2 新装版平松洋 監修
19世紀英国で黄金時代を迎えた豪華挿絵本の時代。その頂点に立つ挿絵画家による画業をあらすじ付きで楽しめる。『グリム童話集』『イソップ物語集』『マザー・グース』『クリスマス・キャロル』など12作品を収録。
(KADOKAWA 2052円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 近畿』
シリーズ最終9冊目は、和歌山、兵庫、滋賀。小刑部姫、播州皿屋敷、石童丸、安珍清姫、徐福伝説など全45話。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

マリオ・バルガス=リョサ 『シンコ・エスキーナス街の罠』
ペルーの大富豪がゴシップ誌に乱交写真をネタに脅迫されるが、その背後には国家の恐るべき闇が隠されていた。 田村さと子訳
(河出書房新社 2700円)[amazon]

アムラス-トーマス・ベルンハルト 『アムラス』
異才の戦慄すべき作品集。一家心中の生き残りの兄弟の悲劇を描く 「アムラス」、ふたりの会話による狂気のドキュメント 「歩く」。初見基・飯島雄太郎訳
(河出書房新社 3240円)[amazon]

ミシェル・パストゥロー 『図説 ヨーロッパから見た狼の文化史 古代神話、伝説、図像、寓話
ギリシア・ローマ・ゲルマン・北欧・ケルト神話や博物誌、人狼伝承、聖人信仰、エンブレム(紋章)、古典的な造形表現、寓話・童話、民間伝承、俗信、言語表現などに登場する、狼の社会的・象徴的・歴史的意味とその変容を、数多くの貴重な図像解読する名著。蔵持不三也訳
(原書房 4104円)[amazon]

《ミステリマガジン》 11月号
ハヤカワ時代ミステリ文庫創刊特集
(早川書房 1296円)[amazon]

《創元推理文庫 復刊フェア》 詳細
ポール・ギャリコ 『幽霊が多すぎる』 [amazon]
F・W・クロフツ 『クロフツ短編集1』
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F・W・クロフツ 『クロフツ短編集2』
[amazon]
マーガレット・ミラー 『見知らぬ者の墓』
[amazon]
モーリス・ルヴェル 『夜鳥』
[amazon]
平石貴樹 『だれもがポオを愛していた』
[amazon]
トーマス・オーウェン 『黒い玉』
[amazon]
ロイス・マクマスター・ビジョルド 『スピリット・リング』
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ロバート・A・ハインライン 『レッド・プラネット』
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中村融編訳 『地球の静止する日
SF映画原作傑作選
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イワン・ブーニン 『アルセーニエフの人生』

〈ブーニン作品集4〉 中部ロシアの古い貴族の家系に生まれ、田舎で育った幼年時代、地方都市での中学時代、文学に目覚めて詩人を志した青年時代を激動の時代を超えて亡命の地フランスから振り返る「私」。鋭い感受性と独特の記憶力で自然の変化や人々の生死をつづり、過去となったロシアを心に刻む回想という芸術。望月恒子訳
(群像社 2700円)[amazon]

イリヤー・チラーキ 『集中治療室の手紙』
〈群像社ライブラリー〉 移民の集まるベルリンの病院の集中治療室で生死の定かでない人たちを訪ねてまわるマリア。振り返る人生はどれも後悔や不条理に満ちているけれど、患者たちとマリアの会話から少しずつ共感の糸が見えてくる表題作。一人の優柔不断の男と3人の女のやりとりから生まれる終わりなき会話劇「独楽」。越境するロシア語劇作家が織りなす言葉が新たな空間の共有へと向かう。高柳聡子訳
(群像社 1944円)[amazon]

吾妻ひでお 『不条理日記 完全版
日記風の漫画エッセイ形式の中にSFパロディを織り込み、星雲賞に輝いた吾妻ひでおの代表作 (奇想天外社、1979) に、その後執筆された続篇を収録した完全版。
(復刊ドットコム 2700円)[amazon]

デイヴィッド・アーノルド 『身体の植民地化 19世紀インドの国家医療と流行病
イギリス植民地下のインドにおける疫病対策と医療をテーマに、帝国の支配が現地の人々の 「身体」 にまで及んだことを論じる。天然痘、コレラ、ペストなどの流行病に対する西洋医療の介入の歴史をたどりながら、インド側の多様な反応の実態を明らかにし、その抵抗、順応、参加、取り込み、という諸相を丁寧にめくっていく。資料的にも思想史研究としても出色の書。見市雅哉訳
(みすず書房 8208円)[amazon]

『魔性の女挿絵集 大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち 中村圭子編
泉鏡花「高野聖」の女、谷崎潤一郎「痴人の愛」のナオミ……自らの魅力によって男性を支配し、ついには破滅させる〈魔性の女〉。
(河出書房新社 1836円)[amazon]

ロジェ・カイヨワ 『蛸 想像の世界を支配する論理をさぐる
日本では食卓に並ぶおなじみ蛸が、なぜ西欧では海の魔物となったか。蛸に関するイメージの変遷を、北欧神話やロマン主義文学、日本の春画などからさぐるロジェ・カイヨワのユニークな思索。カイヨワの思想史をたどる充実した解説付き。塚崎幹夫訳。中央公論社版(1975)の復刊
(青土社 予3240円)[amazon]

横溝正史 『朝顔金太捕物帳』(オンデマンド)
昭和19年より14編が執筆された朝顔金太捕物帳。「謎のかぞえ唄」 「相撲の仇討」 「通し矢秘文」 「黄昏長屋」 「消える虚無僧」 「珠数を追う影」 「狐医者」 「からくり駕」 「腰元忠義」 「影右衛門」 「お時計献上」 「お高祖頭巾」 「雪の夜話」 「孟宗竹」 を、中一弥、渡部菊二の挿絵入りで完全収録。
(捕物出版 1901円)[amazon]

テリー・ブレヴァートン 『図説 世界の神話伝説怪物百科』
世界中に残り伝わる怪物伝説、奇人の伝承から不可解な出来事や奇妙な遺物、幽霊や魔物の目撃譚など、あまねく収集した百科事典。人類3000年の「闇の想像力」を分野別に集大成。図版多数。日暮雅通訳
(原書房 4860円)[amazon]

エトガル・ケレット 『銀河の果ての落とし穴』
ウサギを父親だと信じる子供、レアキャラ獲得のため戦地に赴く若者、ヒトラーのクローン……奇想と笑いと悲劇が紙一重の掌篇集。広岡杏子訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

カミラ・レックバリ 『魔女 エリカ&パトリック事件簿 上・下
バリィ家の娘ネーアが行方不明になったという報を受けたパトリック。彼の頭を30年前の事件が過ぎる。しかも、当時は逮捕されなかった容疑者が町に戻っていて……。スウェーデン・ミステリ、エリカ&パトリック・シリーズ第10弾。富山クラーソン陽子訳
(集英社文庫 各1188円)[amazon]

エドガー・アラン・ポー/渡辺温・渡辺啓助訳 『ポー傑作集 江戸川乱歩名義訳
円本ブームのなか改造社 《世界大衆文学全集》 の一冊として刊行された江戸川乱歩訳 『ポー・ホフマン集』(昭和4年)のうち、「ポー集」の部分は、実際には渡辺温・渡辺啓助の兄弟による代訳だった。後年、乱歩自身が 「ポーの一行一行を味読し、理解している点、私などの遠く及ばぬところであった」 と認めた名訳を復刊。附録として江戸川乱歩と谷崎潤一郎の渡辺温についての文章を収載。
(中公文庫 1296円)[amazon]

ジュール・ミシュレ 『ジャンヌ・ダルク』
歴史家ミシュレが、大著『フランス史』で描いた人物のなかでも特に愛した〈救国のヒロイン〉ジャンヌ・ダルク。百年戦争下のフランスを窮地から救いながら、異端者として火刑に処せられる数奇な生涯を、ミシュレはキリストになぞらえ、共感と情熱をこめて描き出す。森井真・田代葆訳
(中公文庫 1080円)[amazon]

オスカー・ワイルド 『ドリアン・グレイの肖像』
19世紀末ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願う。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。富士川義之訳
(岩波文庫 1231円)[amazon]

ギ・ド・モーパッサン 『わたしたちの心』
「彼女に恋していたから、彼は苦痛だった」──裕福な趣味人マリオルは、心ならずもパリ社交界の女王ビュルヌ夫人に魅惑される。マリオルの繊細な愛情を喜びながらも、夫人がなにより愛するのは自らとその自由。独立心旺盛な女と、女に振り回される男のずるさ、すれ違う心の機微を、死期の迫った文豪が陰影豊かに描く。笠間直穂子訳
(岩波文庫 907円)[amazon]

ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 『ボーダー 二つの世界
カンヌ映画祭「ある視点」賞受賞映画の原作である表題作をはじめ、北欧ホラーの旗手、リンドクヴィストの手腕を堪能できる短篇集。
(ハヤカワ文庫NV 1382円)[amazon]

ナット・キャシディ/マック・ロジャース 『物体E』
海軍基地に落下した、生命体を内包する謎の存在〈物体E〉。その研究所に勤めるダコタの部署へ新人が来て彼女の何かが狂い始めた。金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1382円)[amazon]

ジェラルディン・マコックラン 『世界のはての少年』
子供9人と大人3人を乗せた船が無人島へと出帆した。孤島で海鳥を獲る旅が、少年達にとっては大人への通過儀礼なのだ。だが約束の2週間が経っても、迎えの船は姿を現さない。皆の不安が募るなか年長の少年クイリアムは、仲間を励まし、生き延びるために闘う。そして……。カーネギー賞受賞、感動の冒険物語。杉田七重訳
(東京創元社 3024円)[amazon]

マックス・アンナス 『ベルリンで追われる男』
アフリカ出身でベルリンに住むコージョは、空きビルの窓から、向かいの部屋で男が金髪の娼婦を殺した瞬間を目撃した。彼は不法残留者で、強制送還を恐れて通報できない。気になって女のアパートに向かうが、住人に姿を見られてしまい容疑者として警察から追われる身に……。ドイツミステリ大賞受賞作家のノンストップ追跡サスペンス。北川和代訳
(創元推理文庫 1166円)[amazon]

ジョー・ヒル 『怪奇日和』
記憶を吸い取るポラロイドカメラにまつわる“Snapshot ”、ショッピングモールで起きた無差別銃撃事件を題材にした“Loaded”、スカイダイビング中に不思議な雲に入り込んだ男の物語“Aloft”、棘の雨が降るコロラドを舞台にした“Rain”、モダンホラー新世代の旗手の中篇4篇を収録。白石朗・玉木亨・安野玲・高山真由美 訳
(ハーパーBOOKS 1520円)[amazon]

ルー・バーニー 『11月に去りし者』
1963年、ニューオーリンズ。裏社会を生き抜いてきたマフィアのギドリーは、ボスがケネディ大統領暗殺事件に関与していると気づく。関係者が次々に始末され、危険を予期したギドリーは逃亡を図るが……。2019年ハメット賞受賞作。加賀山卓朗訳
(ハーパーBOOKS 1180円)[amazon]

石原剛編著 『空とアメリカ文学』
ポーの気球小説からメルヴィルに潜む空への想像力、トウェインの空や宇宙を巡るファンタジー、ガーンズバックの宇宙飛行、イニャリトゥの宙空、飛行文学に欠かせないサン=テグジュペリ、アン・モロウ・リンドバーグ、そしてフォークナー、カーヴァー、パワーズ、ソーンダーズ等、21世紀の現代アメリカ作家へ。航空大国アメリカで育まれた、空をめぐる文学的想像。
(彩流社 3456円)[amazon]

ガルシ・ロドリゲス・デ・モンタルボ 『アマディス・デ・ガウラ 
ガウラ(フランス)王とスコットランド王女との間に生まれた不義の子「アマディス(アマデウス)」についての物語「アーサー王伝説」につらなる、全ヨーロッパを舞台にしたアマディスとオリアナ姫との禁断の恋と各国との死闘を描く奇想天外な伝説の書。「ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ」 の頭を狂わせたスペイン最古の騎士道物語。岩根圀和訳
(彩流社 7020円)[amazon]

H・P・ラヴクラフト 『未知なるカダスを夢に求めて 新訳クトゥルー神話コレクション4
作者の分身とも言えるランドルフ・カーターものと、幻夢境が舞台の異世界ファンタジー風作品を全て収録した傑作集。森瀬繚訳
(星海社 1620円)[amazon]

諸星大二郎・佐藤健寿 『世界伝奇行 パプアニューギニア・マッドメン編
諸星大二郎、初の現地取材を敢行。写真家・佐藤健寿とマッドメンの聖地パプアニューギニアへ旅をし、その一部始終を記録した異色のコラボレーション本。『文藝別冊 特別編集 諸星大二郎 マッドメンの世界』(2015年刊)に対談「萩尾望都×諸星大二郎」など、新たに60ページ追加した増補版。
(河出書房新社 2916円)[amazon]

諸星大二郎・佐藤健寿 『世界伝奇行 中国・西遊妖猿伝編
諸星大二郎、初の中国取材を敢行。写真家・佐藤健寿とシルクロードへ旅をし、その一部始終を記録した異色のコラボレーション本。
(河出書房新社 3132円)[amazon]

Q・パトリック 『八人の訪問客』
〈奇想天外の本棚〉
数あるQ・パトリック=P・クェンティンの作品から最も入手困難な中編二本立て。『そして誰もいなくなった』 へと繋がる先行作とも噂される 「八人の中の一人」、そして 「八人の招待客」 は、ともに本格趣味の横溢する逸品。山口雅也訳
(原書房 2376円)[amazon]

マイケル・オンダーチェ 『戦下の淡き光』
1945年、うちの両親は、犯罪者かもしれない男ふたりの手に僕らをゆだねて姿を消した――。母の秘密を追い、政府機関の任務に就くナサニエル。母たちはどこで何をしていたのか。周囲を取り巻く謎の人物と不穏な空気の陰に何があったのか。人生を賭して、彼は探る。あまりにもスリリングであまりにも美しい長編小説。田栗美奈子訳
(作品社 2808円)[amazon]

『諸国奇談集』
〈江戸怪談文芸名作選5〉
江戸山手の都市怪談集 『向燈賭話』 『続向燈吐話』、虚実混淆の四方山怪奇譚 『虚実雑談集』、珠玉の烈婦異聞伝 『玉婦伝』、地方巷談物の白眉 『閑栖劇話』、出色の群雄武勲奇談 『四方義草』。全国津々浦々を舞台とした江戸怪談六篇を集成。シリーズ完結。勝又基・木越俊介=校訂代表
(国書刊行会 7344円)[amazon]

チャールズ・ハーネス 『パラドックス・メン』
ワイドスクリーン・バロックという言葉は、この作品のために造られた。奇絶怪絶複雑怪奇、内容紹介不可能のSFが70年の時を経て遂に邦訳。中村融訳
(竹書房文庫 972円)[amazon]

佳多山大地 『トラベル・ミステリー聖地巡礼』
西村京太郎 『寝台特急殺人事件』、松本清張 『時間の習俗』など、名作トラベル・ミステリー全16作の舞台となった地を鉄道好きのミステリー評論家が訪れ、「あの事件現場」 を体当たり取材。作品に描かれた舞台の今と、描かれなかった謎の真相を追究する。
(双葉文庫 702円)[amazon]

法月綸太郎 『法月綸太郎の消息』
ホームズ探偵譚の異色作 「白面の兵士」 「ライオンのたてがみ」 の裏に隠された、作者コナン・ドイルをめぐる意外なトラップを突き止める 「白面のたてがみ」。ポアロ最後の事件 『カーテン』 に仕組まれた作者アガサ・クリスティーの入念な企みとは? 物語の背後 (バックステージ) が息を呑むほど鮮やかに解読される 「カーテンコール」。他2篇を収録。
(講談社 1836円)[amazon]

エヴゲーニイ・ザミャーチン 『われら』
いまから1000年後、地球全土を支配下に収めた〈単一国〉では、各人の行動はすべて合理的に管理されている。その国家的偉業となる宇宙船の建造技師は、古代の風習に傾倒する女に執拗に誘拐され……。ディストピア小説の傑作。松下隆志訳
(光文社古典新訳文庫 1145円)[amazon]

ジョージ・エリオット 『サイラス・マーナー』
村はずれで孤独に生きる機織り職人サイラス・マーナーは、ある夜、生きがいに貯めていた金貨を盗まれてしまう。そのうえ玄関先には捨て子が。失意のなか哀れに思ったサイラスは、その幼女を育てる決心をするのだった……。小尾芙佐訳
(光文社古典新訳文庫 1145円)[amazon]

鮎川哲也 『死者を笞打て』
鮎川哲也が推理雑誌に発表した短編“死者を笞打て”に盗作の疑いがかかった!?十年ほど前に石本峯子なる作家が書いた“未完の手記”と内容が同じだと批評家から指摘を受けたのだ。早速、新聞社が取材に訪れ、出版社からは刊行中止の連絡があった。作家生命の危機にさらされた鮎川は、自ら真相究明に乗り出したが…。巨匠の異色作に加え、激レアな短編も併録。
(光文社文庫 929円)[amazon]

小泉喜美子 『ミステリー作家の休日』

推理作家・泉川ミカ江の許にかかって来た殺害予告の脅迫電話。恐怖と憤りを酒に紛らすうちに職業的好奇心が芽生え……。表題作ほか、単行本未収録の「ダイアモンドは永遠なり」「あじさいの咲く料理店」など、全8編を収録。
(光文社文庫 929円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選6 大学の世紀2』
上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の文庫化(全7巻)。本巻はトマス・アクィナスを頂点とする〈大全〉の時代。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

リディアン・ブルック 『モーガン夫人の秘密』
1946年、破壊された街、ハンブルク。かつての敵国の再建にやってきたイギリス軍のモーガン大佐と、その妻レイチェル、息子エドモンド。屋敷を接収され、モーガン家と同居するルベルト氏と娘フリーダ。そして瓦礫の街をうろつく不良少年たち。互いに反発しあい、惹かれあう人びとのたどりつく先は――。下隆全訳
(作品社 3456円)[amazon]

エリザベス・フェラーズ 『魔女の不在証明』

〈論創海外ミステリ〉
イタリア南部の海辺の町で起こった不可解な殺人事件に巻き込まれる若きイギリス人の苦悩。嘘つきは誰だ! 技巧を凝らした傑作長編ミステリ。友田葉子訳
(論創社 2700円)[amazon]

J・J・コニントン 『キャッスルフォード』
〈論創海外ミステリ〉
キャッスルフォード家を巡る財産問題の渦中で起こる悲劇。クリントン・ドリフィールド卿が事件の謎に挑む。板垣節子訳
(論創社 3672円)[amazon]

オノレ・ド・バルザック/木原敏江(絵) 『バルザック 三つの恋の物語』
文豪バルザックの 「恋」 をテーマにした三つの短編小説に、『摩利と新吾』 の漫画家・木原敏江によるイラストと 『死刑執行人サンソン』 の仏文学者・安達正勝による訳で贈る、夢のコラボレーション絵本。
(国書刊行会 2160円)[amazon]

アレックス・マイクリーディーズ 『サイコセラピスト』
著名な画家のアリシアは、ある夜、帰宅した夫を射殺した。仲がよかった夫妻に何が起きたのか? 沈黙をつづけるアリシアの口を開かせるため、担当のセラピストは策を練るが……。ダークなツイストと驚きの連続に圧倒される傑作ミステリ。坂本あおい訳
(ハヤカワ・ミステリ 2052円)[amazon]

ローラ・シムズ 『あなたを見てます大好きです』
近所の幸せな女優一家に憧れる不幸な女性。 その生活を覗き見て妄想にふける彼女はやがて破滅的な事態へ……。心理スリラーミステリ。国弘喜美代訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 842円)[amazon]

ロバート・ポビ 『マンハッタンの狙撃手』
寒波に見舞われたマンハッタンで連続銃撃事件が発生。元FBI捜査官の大学教授ルーカスが天才的な空間把握能力を駆使して犯人に迫る。山中朝晶訳
(ハヤカワ文庫NV 1361円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦3 人類最後の惑星
地球滅亡の後、存続をかけて強大な敵と戦う人類は、新たな惑星テラ・ノバで超文明種族と遭遇、時空通信の技術を伝授されるが……。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1166円)[amazon]

赤江瀑 『オイディプスの刃』
陽ざかりの夏の午後、妖刀 「青江次吉」 が煌めき、三兄弟の運命は狂い始める――赤江瀑による幻影・妖美の傑作刀剣ミステリ。
(河出文庫 1058円)[amazon]

明治・大正・昭和初期 日本ポスター史大図鑑』 田島奈都子編
明治期に海外から流入し、独自の発展を遂げた広告ポスター。煙草、飲料、百貨店、海運、出版から、美人ポスター、戦時下のプロパガンダまで、函館市中央図書館のコレクションを中心に、日本のポスター文化を懇切な解説を加え紹介した画期的大図鑑。目次
(国書刊行会 12,960円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『悪魔の紋章』
(春陽堂文庫 1026円)[amazon]
『三角館の恐怖』 (春陽堂文庫 1069円)[amazon]

『驚異と怪異 想像界の生きものたち国立民族学博物館編
古今東西の想像上の異径のいきものを集成。国立民族学博物館特別展 《驚異と怪異――想像界の生きものたち》 (8/29-11/26) 公式図録。
(河出書房新社 2916円)[amazon]

ピエール・ルメートル 『わが母なるロージー』
パリのあちこちに仕掛けられた七つの爆弾。犯人だと出頭した青年の狙いは何か? カミーユ警部と富豪刑事ルイが奔走する番外編。橘明美訳
(文春文庫 756円)[amazon]


▼8月刊

エレン・ダトロウ編 『ラヴクラフトの怪物たち 上』
H・P・ラヴクラフトが創造した、幻想文学史上もっとも怖ろしいものたちを、21世紀にクトゥルー神話の可能性を追求しつづける気鋭の作家たちが、新たな視点から描く。 現代海外クトゥルー神話を一望するアンソロジー。植草昌実訳 【収録内容】 「世界が再び終わる日」 ニール・ゲイマン/「脅迫者」 レアード・バロン/「赤い山羊、黒い山羊」 ナディア・ブキン/「ともに海の深みへ」 ブライアン・ホッジ/「三時十五分前」 キム・ニューマン/「斑あるもの」 ウィリアム・ブラウニング・スペンサー/「非弾性衝突」 エリザベス・ベア/「残存者たち」 フレッド・チャペル
(新紀元社 2700円)[amazon]

アニエス・ポワリエ 『パリ左岸 1940-50年』
目まぐるしく移りゆく社会情勢と世相を背景に、戦後、新たな時代の幕開けを彩り、歴史に名を刻む人々の人生が交錯する瞬間を活写する。木下哲夫訳
(白水社 5184円)[amazon]

デイン・ハッケルブリッジ 『史上最恐の人喰い虎 436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター
1900年頃、インドとネパールの国境付近で傷を負った雌のベンガルトラは、人間を獲物にするようになった。それから約7年間 「人喰いチャンパーワット」 は地元民を恐怖のどん底に突き落とした。犠牲者の数はなんと436人。人喰い虎退治に乗り出したハンター、ジム・コーベットは注意深く証拠を集め、ついに森の中に生々しい血痕と足跡を発見、虎との対決に向かう。松田和也訳
(青土社 2160円)[amazon]

kazuou 『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』
日本で刊行された海外怪奇幻想小説アンソロジーをテーマごとに紹介。「海外怪奇幻想小説参考書ガイド」付き。内容
(奇妙な世界の片隅で/怪奇幻想読書倶楽部 1600円) 取扱=盛林堂

《ナイトランド・クォータリー》 vol.18 想像界の生物相
『パステル都市』のM・ジョン・ハリスン、E・ホフマン・プライス、タラ・イザベラ・バートンなど翻訳8編、日本作家は仁木稔、朝松健。 この他、開田裕治インタビュー、三宅陽一郎インタビュー、小特集/国立民族学博物館・特別展「驚異と怪異―想像界の生きものたち」など。
(アトリエサード 1836円)[amazon]

ユニティ・ダウ 『隠された悲鳴』
ある村で行方不明になった12歳の少女。村では「儀礼殺人」ではと噂が流れるが、警察は野生動物に襲われたと結論づけた。5年後、その村に赴任した若者が、ひょんなことから事件の真相を追うことになる。ボツワナの現職女性大臣が実際の儀礼殺人事件をもとに描いた驚愕のアフリカ発サスペンス。三辺律子訳
(英治出版 2160円)[amazon]

井田尚 『百科全書 世界を書き換えた百科事典
〈世界を読み解く一冊の本〉
革命神話と啓蒙神話に由来する紋切り型のイメージから離れて、ディドロとダランベールが構想した百科事典としての本来の姿に立ち戻ることで見えてくる景色とは? 『百科全書』 の書物としての成り立ちをたどり、その知識の森へと案内する。
(慶應義塾大学出版会 2592円)[amazon]

『幽霊島 平井呈一怪談翻訳集成A・ブラックウッド他/平井呈一訳
『吸血鬼ドラキュラ』 『怪奇小説傑作集』 などの名訳で知られる本邦怪奇小説紹介の第一人者、平井呈一。ラヴクラフト、ジョン・ポリドリ、ブラックウッド、E・F・ベンスン、F・M・クロフォード、M・R・ジェイムズ、アスキス、ワイルドらの怪奇短篇13編の翻訳に、対談・エッセー・書評を通してその業績の全貌に迫る、ファン必携の一冊。内容
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

ウィル・マッキントッシュ 『落下世界 上・下
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ長方形の小島になっていた。しかも人々はみな記憶を失っていて、なぜこうなったのかもわからない。フォーラーは世界の縁から飛び出し、激変の秘密を求めて、見渡すかぎりの青空の中を落下してゆく……。ヒューゴー賞作家の傑作SF。茂木健訳
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

森村たまき 『ジーヴスの世界』
P・G・ウッドハウスのユーモア小説 《ジーヴス・シリーズ》 全14冊の個人全訳を成し遂げた著者が分かりやすく解説する、ジーヴスとウッドハウスの愉快な世界。背景豆知識、登場人物一覧、作者の生涯……入門者からマニアまで誰でも楽しめる最高のガイドブック。図版多数。
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ジョセフ・ノックス 『堕落刑事 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ
押収品のドラッグをくすねた刑事ウェイツに提示された唯一の選択肢は、麻薬組織への潜入捜査と、そこに引きこまれた国会議員の娘の調査だった。任務についたウェイツが目にするドラッグ世界の闇、そして本当の悪の正体は……。池田真紀子訳
(新潮文庫 1015円)[amazon]

エクトール・マロ 『家なき子 上・下
優しくぼくを見つめる、母と思っていたその人は母ではなかった。ぼくは捨て子だったのだ。家を追われた8歳の少年レミは、謎の老旅芸人ヴィターリスの一座に加わり、芸をする動物たちとともに巡業の旅に出発する。村松潔訳
(新潮文庫 767円/853円)[amazon]

梯久美子 『狂うひと 「死の棘」 の妻・島尾ミホ
島尾敏雄の私小説 「死の棘」 の愛人の正体は? 本当に狂っていたのは妻か夫か? 島尾夫妻それぞれの日記や手紙など膨大な資料によって、妻ミホの生涯を辿り、戦後文学史に残る伝説的夫婦の真実に迫る。
(新潮文庫 1188円)[amazon]

《怪と幽》 vol.002
特集 ムーと怪と幽 内容
(KADOKAWA 1944円)[amazon]

フランツ・グリルパルツァー 『夢は人生』
人生の多くの喜び、そして言葉も願望も行動も、影にすぎない−。古代ペルシャを舞台に繰り広げられる〈権力〉〈愛〉〈夢〉をめぐる四幕の戯曲。19世紀オーストリアの最高の劇作家が、帝都ウィーンを騒然とさせた代表作。城田千鶴子訳
(水声社 2160円)[honto]

ギュスターヴ・フローベール 『ブヴァールとペキュシェ』
ブヴァールとペキュシェという二人の筆耕が、各地を旅しながら、農学、医学、地質学、考古学、歴史学、文学、美学、政治学、神秘学、哲学、宗教学など、森羅万象あらゆる学問領域の研究に着手するが……。二人を狂言回しとして小説全体があたかも百科全書的な体裁をなす、不可思議なフローベールの遺作長篇。菅谷憲興訳
(作品社 4986円)[amazon]

ガブリエル・ガルシア=マルケス 『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語
 ガルシア=マルケス中短篇傑作選
秘密の隠れ家で身を売る14歳の少女の祖母の支配からの脱出を描く表題作の他、リアリズムと奇想と豊かな物語性に満ちた傑作揃いの12の作品集。世界文学の最高峰マルケスを知るための最良の一冊。野谷文昭訳
(河出書房新社 2700円)[amazon]

長山靖生 『モダニズム・ミステリの時代 探偵小説が新感覚だったころ
1920年代、相前後して勃興・隆盛するモダニズム文学と探偵小説。怪奇、犯罪、科学といったテーマを軸に、相互に影響しあっていた熱い磁場を活写。戦間期文学の読み直しの可能性を問う。
(河出書房新社 3456円)[amazon]

長山靖生編 『モダニズム・ミステリ傑作選』
大正末期から昭和初頭にかけて、新感覚派らのモダニズム文学と探偵小説/ミステリが共鳴しあう磁場の中で生まれた名作の数々を集成。正岡蓉、横光利一、小酒井不木、甲賀三郎、夢野久作ほか。
(河出書房新社 1998円)[amazon]

シャルル・バルバラ 『蝶を飼う男 シャルル・バルバラ幻想作品集
親友ボードレールにエドガー・ポーと音楽の世界を教えた影の男、シャルル・バルバラ。《知られざる鬼才》による、哲学的思考と音楽的文体、科学的着想、幻想的題材が重奏をなす全5篇の物語。亀谷乃里訳
(国書刊行会 2916円)[amazon]

マルク=ウヴェ・クリンク 『クオリティランド』
恋人や仕事・趣味までアルゴリズムで決定される究極の格付社会。アンドロイドが大統領選に立候補し、役立たずの主人公が欠陥ロボットを従えて権力に立ち向かう爆笑ベストセラー。森内薫訳
(河出書房新社 3132円)[amazon]

《SFマガジン》 10月号
神林長平デビュー40周年記念特集/ジーン・ウルフ追悼特集/他
(早川書房 1296円)[amazon]

連城三紀彦 『虹のような黒』
誰もが彼女を狙っている――。大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。ばらまかれる怪文書、謎の猥褻画、五転六転する議論の応酬。いったい、あの「密室」で何が起こったのか? 連城三紀彦“最後の未刊長篇”を初書籍化。さらに、連載時 (「週刊大衆」2002-2003年。全36回) に著者が描き下ろした自筆挿画全72点を完全収録。本文と連動した企みに満ちた「仕掛け」にも注目いただきたい、ファン必携の愛蔵本。
(幻戯書房 予価3240円)[amazon]

ラフカディオ・ハーン 『小泉八雲東大講義録 日本文学の未来のために
八雲の創作の立場やghostlyな世界観がよく現れた 「文学における超自然的なもの」、『怪談』や 『青柳ものがたり』 を想起させる 「詩歌の中の樹の精」、最終講義といわれる 「日本文学の未来のために」 など、八雲の芸術と文学についてのエッセンスやその思想的な背景がうかがえる講義の数々を収録。池田雅之訳
(角川ソフィア文庫 1166円)[amazon]

松岡正剛 『神と理性 西の世界観Ⅰ』
神々のロゴス、哲学の劇場。なぜヨーロッパ思想が世界を制したのか、プラトンからフランス革命までをたどる。
(角川ソフィア文庫 1469円)[amazon]

筒井康隆 『短編小説講義 増補版
「短篇小説を書こうとする者は、自分の中に浸みこんでいる古臭い、常識的な作法をむしろ意識して捨てなければならない」 その言葉どおりに数かずの話題作を生み出してきた作家が、ディケンズら先駆者の名作を読み解き、黎明期の短篇に宿る形式と技法の極意を探る。自身の小説で試みた実験的手法も新たに解説する増補版。
(岩波新書 842円)[amazon]

『伊豫田晃一作品集Ⅱ テネブリス・ルクス』
マックス・エルンスト、岡上淑子のコラージュ・アートにも通ずる、伊豫田作品を集成。日本の幻想美術の新しい胎動。第2弾。
(エディシオン・トレヴィル/河出書房新社 4104円)[amazon]

エドワード・バーネット・タイラー 『原始文化
〈宗教学名著選6〉
下巻では〈アニミズム教義〉から、転生説、死後の世界、霊の教義、霊的存在の分類、多神教、二元論、至高神、最高神を、〈宗教儀礼〉から、祈り、供犠、断食、人為的忘我、方角の決定、祓い、を探求する。松村一男監修/奥山倫明・奥山史亮・長谷千代子・堀雅彦訳
(国書刊行会 7128円)[amazon]

ミシェル・レキュルール 『レーモン・クノー伝』
シュルレアリスムの影響を受けた青年期から、物書き狂人の研究、コレージュドパタフィジックやウリポの創設などを経て、いかにして規格外の言語遊戯作家になったのか。『文体練習』や『地下鉄のザジ』で知られる作家の知られざる生涯を描く決定版評伝。
(水声社 7560円)[honto]

ジュンパ・ラヒリ 『わたしのいるところ』
歩道で、本屋で、バールで、美術館で、彼の家で、駅で……孤独とともに生きる女の姿を46の場面で描きだすラヒリ初のイタリア語長篇 。
(新潮クレスト・ブックス 1836円)[amazon]

ジャック・ヴァシェ 『戦時の手紙 ジャック・ヴァシェ大全
ブルトンにシュルレアリスム誕生の霊感を与えて23歳で自殺した異才が残した著作をはじめて本格的に訳出、シュルレアリストたちの自殺アンケート、架空の自伝併載。伝説がついに復活。原智広訳
(河出書房新社 3672円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 北陸』
雪深い米所、北陸。白山信仰や,真宗の土地でも。椀貸し伝説、肉付きの面、八百比丘尼、たいたん坊、米山薬師、雪女など全39話。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

『初山滋 永遠のモダニスト 竹迫祐子編
大正から昭和にかけて、子供の本の世界で活躍した画家・初山滋。流麗な線と繊細な色彩は、後人に大きな影響を与えた。画業をたどる完全ガイド。
(河出書房新社 2052円)[amazon]

イアン・フレミング 『007/カジノ・ロワイヤル 新訳版
英国が誇る秘密情報部で、ある常識外れの計画が持ち上がった。ソ連のスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルは党の資金を使い込み、ギャンブルでその穴を埋めようとしていた。それを阻止するために送り込まれたのは、冷酷な殺人をも厭わない007のコードを持つ男――ジェームズ・ボンド。007初登場作を新訳で。白石朗訳
(創元推理文庫 821円)[amazon]

アーナルデュル・インドリダソン 『厳寒の町』
男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血だまりは凍りはじめていた。人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は少年が住んでいたアパートや学校を中心に捜査を始める。シリーズ第5弾。柳沢由実子訳
(東京創元社 2268円)[amazon]

南條範夫 『血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選
11代将軍家斉の時代。老中・松平伊豆守信明を叔父にもつ、気ままで人懐っこい青年剣士・月影兵庫は、叔父の秘命を受けた旅の途中で遭遇した事件を、鋭い洞察と武芸を駆使して解決していく。大雨で足止めを食った人々で混みあう旅籠で殺人が起こる 「血染めの旅籠」など、17編。末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

マルセー・ルドゥレダ 『ダイヤモンド広場』
スペイン内戦の混乱に翻弄されるように生きたひとりの女性の愛のゆくえを、散文詩のような美しい文体で綴る。30以上の言語に翻訳され、現代カタルーニャ文学の至宝と言われる世界的名作。「この作品は,私の意見では,内戦後にスペインで出版された最も美しい小説である」 (ガルシア=マルケス) 田澤耕訳
(岩波文庫 842円)[amazon]

アンドリュー・シーン・グリア 『レス』
50歳間近のゲイの小説家、アーサー・レスのもとに元恋人から結婚式の招待状が届いた。レスは結婚式を断る口実に、世界中の文学イベントの招待を受けることに。だが、イベントはどれも何だか変なものばかり、彼はいつも空回り……。作者自身が投影されたメタ小説。上岡伸雄訳
(早川書房 2808円)[amazon]

ジェイソン・レナルズ 『エレベーター』
15歳のウィルは射殺された兄のかたきを討つため、銃を持ってエレベーターに乗り込んだ。自宅のある7階から地上に到着するまでの短い時間に彼が出会う人々とは……ポエトリーとタイポグラフィを駆使する斬新な手法で文芸賞を席巻した注目作、ついに日本上陸。青木千鶴訳
(早川書房 1944円)[amazon]

マーク・グリーニー 『暗殺者の追跡 上・下
グレイマンが乗り合わせたCIAの輸送機が着陸直後に何者かに襲われた。彼は連れ去られた囚人を奪い返すべく、襲撃者たちを追う。伏見威蕃訳
(ハヤカワ文庫NV 各950円)[amazon]

フィリップ・K・ディック 『フロリクス8から来た友人』
22世紀、優秀な能力を持った〈異人〉と〈新人〉が、60億の〈旧人〉を支配する地球に、外宇宙からフロリクス星系人が飛来した……。大森望訳
(ハヤカワ文庫SF 1469円)[amazon]

ベアント・ブルンナー 『水族館の歴史 海が室内にやってきた 新装版
「生きた博物館」 にして人工の生態系でもある水族館。その前史であるアクアリウムはいかにして誕生したのか。海中世界に憧れた人々の試行錯誤をたどりながら、現代の水族館が向かう先を見据えるユニークな文化史。山川純子訳
(白水社 2592円)[amazon]

ロン・リット・ウーン 『きのこのなぐさめ』
ある日突然、不慮の事故で最愛の夫を失った 「私」。悲しみの淵にいた彼女を連れ出してくれたのは、きのこだった。偶然参加したきのこ狩りコースから始まった、「私」 ときのこの物語。きのこ社会の不可思議な魅力と、きのこ愛好家たちとの交流を通し、「私」 は人生を歩む力を再び取り戻してゆく。人を虜にするきのこをめぐるノンフィクション。枇谷玲子・ 中村冬美訳
(みすず書房 3672円)[amazon]

ヴァーツラフ・ハヴェル 『力なき者たちの力』
すべてはロックミュージシャンの逮捕から始まった。かれらの問題は自分たちの問題だと共鳴した劇作家は、全体主義の権力のあり様を分析し、「真実の生」、「もう一つの文化」の意義を説く。無力な私たちは権力に対してどう声をあげるべきか? チェコの劇作家(後の大統領)ハヴェルによる、冷戦下の東欧で地下出版のかたちで広く読まれた名著。阿部賢一訳
(人文書院 2160円)[amazon]


長山靖生編 『ロマンチック・ドリンカー 飲み物語精華集
堀辰雄、芥川龍之介、室生犀星、太宰治、宮沢賢治、左川ちか、中原中也、夏目漱石…… 飲み物(ソフトドリンク)が香る、甘く潤いの物語。
(彩流社 2376円)[amazon]

マイケル・フィーゲル 『ブラックバード』
わたしを誘拐したのは、世界一退屈な殺し屋だった。乱射現場から連れ去られた少女と、感情の壊れた殺し屋。生き延びるための究極の〝レッスン〟は、やがて予想外の方向へ疾走していき――本年度注目のバイオレンスクライム・ロードノベル。高橋恭美子訳
(ハーパーBOOKS 1290円)[amazon]

カーク・ウォレス・ジョンソン 『大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件 なぜ美しい羽は狙われたのか
2009年6月、.ロスチャイルド家がヴィクトリア時代に創設した博物館から、数百羽の鳥の剥製が消えた。世にも美しい鳥が行きついた先は、希少な羽で毛針を制作する愛好家たちの世界だった。.羽毛をめぐる科学史・文化史、毛針愛好家の違法取引、絶滅危惧種の保護問題、そして標本を収集・保存する博物館の存在意義--スピーディーに展開されるノンフィクション。矢野真千子訳
(化学同人 3024円)[amazon]

シャーロット・ブロンテ 『ヴィレット 上・下
ある王国の首都ヴィレット。英国からやって来た身寄りのない女性ルーシー・スノウは、寄宿学校を経営するマダム・ベックに雇われ、英語教師として生活を始める。学内の個性的な人物たち、幼馴染との再会、不器用な男女の恋物語。ヒロインの内面に踏み込んだ心理描写で 『ジェイン・エア』 以上の傑作と称される、シャーロット・ブロンテの文学的到達点。青山誠子訳
(白水Uブックス 各2160円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『マロウン死す』
20世紀最大の作家による到達点「小説三部作」の2作目。意味と無意味の間をさまよう。ベケット没後30年、フランス語からの個人新訳。宇野邦一訳
(河出書房新社 2916円)[amazon]

アッタール 『神の書 ペルシア神秘主義・自己探求への道
ペルシアのイスラーム神秘主義の代表詩人アッタールの書。多様な例話で信仰生活のあるべき姿を諭す。『鳥の言葉』の姉妹編。散文訳。佐々木あや乃訳
(平凡社/東洋文庫 4104円)[amazon]

『栗田信傑作集 上・下
奇書『醗酵人間』で一躍有名になった栗田信の単行本未収録作品を集成。
盛林堂ミステリアス文庫 5000円)

ローレンツ・フランメンベルク 『降霊術師 黒い森の物語
黒い森の古城を皮切りに、場所を変え、時代を越えて姿を見せる降霊術師は、妖術を駆使して怪奇現象を起こしていく。果して彼は何者なのか。その目的は何か。ジェイン・オースティン 『ノーサンガー・アベイ』 で言及された9作のゴシック小説のひとつ。解説=モンタギュー・サマーズ。※夏コミ(8/10 こ34a)で販売開始。
(蝸牛のささやき 1500円)取扱=黒死館古代時計室盛林堂

『Murder, She Drew Vol.1 Beware of Fen』 森脇晃・森咲郭公鳥・kashiba@猟奇の鉄人
エドマンド・クリスピン既訳長短編を徹底図解&鼎談。※夏コミ(8/10 西こ33a ◇ 8/11 西こ16b)で販売。
(饒舌な中年たち/A DETECTIVE IMPACT MYSTERY BOOK)

サーシャ・バッチャーニ 『月下の犯罪 一九四五年三月、レヒニッツで起きたユダヤ人虐殺、そして或るハンガリー貴族の秘史
1945年3月24日の晩、ハンガリー国境沿いにあるオーストリアの村レヒニッツで、約180人のユダヤ人が虐殺された。主犯とされているのは、村の城でパーティーを行っていたナチスの将校や軍属たち。ドイツの劣勢が明白になり、ヒトラーが自殺する一月前にあたる。戦後、現場が捜索されたが、今に至るまで死体はおろか、何の証拠も見つかっていない。「レヒニッツの虐殺」 事件の真相を追うノンフィクション。伊東信宏訳
(講談社選書メチエ 1998円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.96
〈特集=怪奇・幻想小説の新しい地平〉
 西崎憲 「騒擾博士(蕃東国年代記)」、アレクサンダー・レルネット=ホレーニア(垂野創一郎訳) 「トーテンレーベンの三博士」、対談 恩田陸×東雅夫 「怪奇小説の時代」、怪奇幻想小説の翻訳概況ほか。小林泰三、真藤順丈ら好評連載。内容
(東京創元社 1296円)[amazon]

ロバート・ロプレスティ 『休日はコーヒーショップで謎解きを』
銃を持って押し入ってきた男は、なぜ人質に 「憎み合う三人の男たち」 の物語を話すのか? 意外な真相が光る 「二人の男、一挺の銃」をはじめ、腕利きの殺し屋に次々と降りかかる予測不可能な出来事を描く 「残酷」など全9編。『日曜の午後はミステリ作家とお茶を』の短編の名手のとっておき。高山真由美編訳
(創元推理文庫 1166円)[amazon]

スチュアート・タートン『イヴリン嬢は七回殺される』
婚約披露の宴の夜、令嬢は殺された。この夜を何度もループすることになった私は事件を阻止しようとするが。奇想SFミステリの傑作。三角和代訳
(文藝春秋 2160円)[amazon]

東雅夫 『文豪たちの怪談ライブ』
「百物語」の昔から、時代の境目では怪談が流行る――泉鏡花没後80年、「おばけずき」文豪たちの饗宴を追う前代未聞の怪談評論×アンソロジー。
(ちくま文庫 972円)[amazon]

ジョージ・オーウェル 『あなたと原爆 オーウェル評論集
原爆投下のわずかふた月後、その後の東西対立を予見し 「冷戦」 と名付けた表題の 「あなたと原爆」、名エッセイ 「象を撃つ」 「絞首刑」 など6篇を収録。ファクトとフェイク、国家と個人、ナショナリズムの問題など、先見性に富む評論集。秋元孝文訳
(光文社古典新訳文庫 950円)[amazon]

プロスペル・メリメ 『カルメン/タマンゴ』

純粋で真面目な青年ホセは、カルメンの魔性的とも言える情熱に翻弄され、嫉妬にからめとられていく。軍隊を抜け悪事に手を染めるホセはカルメンの情夫を殺し、そしてついに…….。奴隷船を襲った惨劇を巧みに描いた 「タマンゴ」 との2篇。工藤庸子訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

河野典生 『八月は残酷な月 昭和ミステリ―・ルネッサンス
日本のハードボイルド小説の先駆者として知られる河野典生。高度経済成長期の時代や若者達の衝動を反映した熱い作品群。山前譲編
(光文社文庫 994円)[amazon]

野村胡堂 『銭形平次捕物控 傑作集一 陰謀・仇討篇
神田明神下に住む凄腕の岡っ引・銭形平次は、投げ銭と卓越した推理力で、江戸で起こる様々な難事件に挑んでいく。不朽の名作 『銭形平次捕物控』 の数ある作品の中からテーマ毎に6篇を選定した傑作選第一弾。
(双葉文庫 648円)[amazon]

杉山寿美子 『祖国と詩 W・B・イェイツ』
20世紀の英語圏で最も偉大と評価される詩人、W・B・イェイツ。アイルランドの歴史の最も重要な一時代を生き、祖国の変貌する姿をうたい続けた詩人の驚異的人生を一冊に収めた本邦初の本格的伝記。目次
(国書刊行会 5184円)[amazon]

『鮎川哲也探偵小説選Ⅲ』
〈論創ミステリ叢書〉
〈鮎川哲也少年小説コレクション〉第2弾。長編 「悪魔博士」 を巻頭に、推理クイズ 「あなたは名探偵になれるか」、船舶ミステリの傑作 「白鳥号の悲劇」 など単行本収録作品をまとめ、学習雑誌に連載された少年探偵物 「一夫と豪助の事件簿」 全作品を初集成。日下三蔵編 内容
(論創社 4320円)[amazon]

フェルナンド・ペソア 『不安の書 増補版』
ポルトガルの詩人ペソア最大の傑作『不安の書』の完訳、装いも新たに復刊。旧版の新思索社版(初版2007年、第3刷2012年)より断章6篇、巻末に「断章集」を増補。高橋都彦訳
(彩流社 5616円)[amazon]

皆川博子 『彗星図書館』
《この彗星図書館には、皆川博子館長が蒐集してきた名作・稀覯本が収められている。知らない、読んだことがない、見つからない――。そんなことはどうでもよろしい。読みたければ、世界をくまなく歩き、発見されたし。運良く手に入れられたら、未知の歓びを得られるだろう。(彗星図書館・司書)》 小説の女王・皆川博子が耽溺した、永遠に残したい本の数々。『辺境図書館』 に続く特選ブックガイド。(短編も一本収蔵)
(講談社 2484円)[amazon]

ボストン・テラン 『ひとり旅立つ少年よ』
悪党が狙う大金を奴隷解放運動家に届けるべく少年は一人でアメリカ縦断の旅に。非道の中の人間の尊厳を描き続ける巨匠の会心作。田口俊樹訳
(文春文庫 994円)[amazon]

クリス・マクジョージ 『名探偵の密室』
テレビで人気の探偵モーガン・シェパードが目を覚ますと、ホテルのベッドに手錠でつながれており、周囲には見知らぬ5人の男女がいた。さらにバスタブから男の死体が見つかり、この5人の中から3時間以内に犯人を見つけなければ、ホテルを爆破すると脅迫が! 不二淑子訳
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

ジェイン・ハーパー 『潤みと翳り』
企業の研修キャンプで森に入った5人の女性。戻ってきたのはそのうち4人だけだった……。連邦警察官フォークが辿り着く真相とは。青木創訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1318円)[amazon]

ハーラン・エリスン編 『危険なヴィジョン〔完全版〕 3』
スタージョン、スラデック、ラファティ、バラード、ゼラズニイ、ディレイニーらによる14篇を収録の巨大"思弁小説"アンソロジー。
(ハヤカワ文庫SF1339円)[amazon]

デイヴィッド・ハワード 『詐欺師をはめろ 世界一チャーミングな犯罪者 vs. FBI
数百万ドルを騙し取った稀代の詐欺師 「フィル」 ことフィリップ・キッツァー。名うての犯罪者を捕らえるべく、二人の若きFBI捜査官が詐欺師に化けてフィルに近づく。全米各地、東京、バハマなどを巡る3人の不思議な友情とその意外な顚末を物語る傑作犯罪実録。濱野大道訳
(早川書房 予価2916円)[amazon]

ナタシャ・アパナー 『最後の兄弟』
アフリカ・マダガスカル島東方モーリシャス出身の女性作家による、10歳の少年を主人公にした美しく哀しい小説。フランスのフナック小説賞など数々の賞に輝き、16カ国に翻訳された名作。石上健二・藤沢満子訳
(河出書房新社 2484円)[amazon]

ロバート・ルイス・スティーヴンソン 『眺海の館』
『宝島』 の文豪スティーヴンソンが遺した珠玉の短編を独自編纂した作品集。『新アラビアンナイト』 第2巻の全作品を完訳で収めた他、短編3作を収録。井伊順彦他訳 【収録作品】 眺海の館/一夜の宿/マレトロア邸の扉/神慮はギターとともに/寓話/宿なし女/慈善市
(論創社 3240円)[amazon]

坂口安吾 『復員殺人事件』
昭和22年、倉田家に異様な復員兵が帰還した。その翌晩、殺人事件が。五年前の轢死事件との関連は? その後の殺人事件は? 『不連続殺人事件』 に匹敵する推理長篇。掲載誌廃刊のため未完だったものを、安吾没後、高木彬光が書き継いだ「樹のごときもの歩く」も併録。
(河出文庫 907円)[amazon]

江戸川乱歩
(原作)/牛尾走児(画) 怪奇探偵絵物語 人間豹』
次々に若い女性をさらい猟奇殺人を繰り返す怪人〈人間豹〉と名探偵明智小五郎の対決。しかしその魔手は文代夫人にも……。漫画家時代のうしおそうじが乱歩の通俗スリラーを絵物語にした『怪奇探偵絵物語 人間豹』(昭和24)。『冒険探偵絵物語 吼える百獣塔』(昭和25)を併録。
(アップルBOXクリエート 2500円)取扱=盛林堂

ピョン・ヘヨン 『モンスーン』
〈エクス・リブリス〉
李箱文学賞受賞 「モンスーン」 から最新作まで、都市生活者の日常に潜む謎と不条理、抑圧された生の姿を韓国の偉才が鋭く捉えた8篇。姜信子訳
(白水社 2160円)[amazon]

ジム・トンプスン 『ポップ1280』
饒舌な語りと黒い哄笑、突如爆発する暴力。人間の底知れぬ闇をえぐり、読者を彼岸へとみちびく、究極のノワール。 巻末にトンプスン再評価のきっかけとなった歴史的評論を収録のうえ、新装復刊。三川基好訳
(扶桑社ミステリー 918円)[amazon]

D・H・ロレンス 『黙示録論 ほか三篇』
ロレンスの絶筆 『黙示録論』 に、それを補完する評論3篇 「力ある者どもは幸いなり」 「ドストエフスキー『大審問官』への序文」 「民主精神」 を併録。井伊順彦訳
(論創社 2700円)[amazon]


▼7月刊

桑木野幸司 『ルネサンス庭園の精神史』
初期近代イタリアを彩る数々の名苑奇園の内に、当時の自然観や美学、哲学、科学、工学が混淆する創造的瞬間を見る、新しい文化史。
(白水社 5184円)[amazon]

宮脇孝雄 『洋書天国へようこそ 深読みモダンクラシックス
翻訳家・宮脇孝雄氏と共に深読み、横滑り読み、拾い読みしながらモダンクラシックス(19世紀半ば~20世紀半ばにかけての英語の古典文学)の魅力を存分に味わいましょう。ヘミングウェイ、ポオ、ディケンズ、サリンジャー、ハインラインなど純文学からSFに至る広範な分野の傑作を一作ずつ取り上げ、作品のツボや味わい方、文学史上の位置づけ、作家の文体の特徴など、翻訳家ならではの深読み視点で紹介。
(アルク 1728円)[amazon]

山尾悠子・中川多理 『小鳥たち』
降りそそぐ小花、時空はゆらぎ、 小鳥の侍女たちが行き交う庭園と城館。 そこは迷宮? 小説と人形が織りなす奇蹟の幻想譚。 山尾悠子最新作。人形創作=中川多理。
(ステュディオ・パラボリカ 2376円)[amazon]

テレサ・オニール 『ヴィクトリアン・レディーのための秘密のガイド』
これからあなたを、ヴィクトリア朝の世界へお連れします。当時の女性がどのように暮らしていたか知ったら、きっとあなたは驚くはず。ドレス、トイレ、入浴、ダイエット、求愛、結婚、避妊、そして――。約200点の図版を交えて、ヴィクトリア朝の女性のありのままの暮らしを紹介。松尾恭子訳
(東京創元社 4104円)[amazon]

J・G・バラード 『太陽の帝国』
日中戦争中の上海。日本軍が上海のイギリス租界を制圧し、少年ジムは避難民の大混乱のなか両親とはぐれてしまう。ほかのイギリス人とともに龍華捕虜収容所へ送られたジムは、飢餓、病、孤独、絶望に晒されながら生と死の本質を学んでいく。20世紀の歴史に名を刻むバラードの代表作を新訳決定版で贈る。山田和子訳
(創元SF文庫 1512円)[amazon]

カトリーヌ・アルレー 『わらの女 新訳版
大資産家の妻を目指して、知性と打算の見事な結晶の手紙を送ったドイツ人女性ヒルデガルト。手紙が功を奏してカンヌに呼ばれた彼女は、資産家の妻の座を前に秘書の男から、ある申し出を受ける。そこには思いも寄らぬ企みが隠されていた。フランス・ミステリの傑作を新訳で。橘明美訳
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ピーター・スワンソン 『ケイトが恐れるすべて』
ロンドンに住むケイトは、又従兄のコービンと住まいを交換し、半年間ボストンで暮らすことに。だが到着の翌日に、アパートメントの隣室の女性の死体が発見される。『そしてミランダを殺す』の著者が放つ衝撃作。務台夏子訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

別冊ReClaM 第1巻 『死の隠れ鬼 J・T・ロジャーズ作品集
『赤い右手』で知られるJ・T・ロジャーズの中短篇 「死者を二度殺せ」 「真紅のヴァンパイア」 「死の隠れ鬼」 を収録。宇佐見崇之訳。内容
(Re-ClaM編集部 2000円)取扱=盛林堂

新井素子 『新井素子SFファンタジーコレクション1 いつか猫になる日まで グリーン・レクイエム
異星人たちの宇宙戦争に巻き込まれた若き男女六人の痛快な活躍を描く 『いつか猫になる日まで』、緑色の髪の少女の重大な秘密と恋を描く 『グリーン・レクイエム』 とその続編 『緑幻想』 の3作品を収録。付録として刊行の度に書かれた 「著者あとがき」 をすべて収録。シリーズ全3巻刊行開始。日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

ジム・トンプスン 『バッドボーイ』
従兄弟と仕掛けた壮大ないたずら、ネブラスカの“爺”の型破りな教育、独学で博識の父が辿った転落…ユニークな家族に囲まれて育った幼少期から、新聞社の雑用係、喜劇俳優、ベルボーイ、油井労働者など、職を転々とする青年期までの波乱万丈の日々。 トンプスンの創作の原点であり必読の書。土屋晃訳
(文遊社 2700円)[amazon]

ダニイル・ハルムス 『言語機械 ハルムス選集
20世紀ロシア文学最大の奇才、前衛文学・芸術グループ 「オベリウ」 を率い、ロシア・アヴァンギャルドの最後の光芒のごとく消えていったダニイル・ハルムス。ソ連当局検閲の下、地下出版で読み継がれた翻訳不能と言われたザーウミ詩から、音の入れ替えで楽しさを増幅させる児童向けの話、評論や日記・手紙の類まで網羅したハルムス作品の全容。小澤裕之編訳
(未知谷 2160円)[amazon]

ピーター・ヒューム 『図鑑 世界の文学者』
13世紀以降現在まで約800年の間に活躍した文学者に焦点を当て、6つの時代に分けて編年的に配列。取り上げるのは、ダンテから村上春樹までの世界の文学者198名と代表作。文学史の全容を知ることができるのはもちろん、、ページを眺めているだけで楽しく、文学的素養も身につく、ビジュアル大図鑑。
(東京書籍 4536円)[amazon]

ウラジーミル・ナボコフ 『賜物 父の蝶』
〈ナボコフ・コレクション〉
超絶技巧の言葉遊びと文学的引用に彩られ、ロシア語時代の最高傑作と称される「賜物」に、初の邦訳となる短篇「父の蝶」を収録。沼野充義・小西昌隆訳
(新潮社 6156円)[amazon]

小林信彦 『大統領の密使/大統領の晩餐』

〈小林信彦コレクション〉
オヨヨ大統領シリーズの傑作 『大統領の密使』 と 『大統領の晩餐』 のカップリング。早川書房版単行本の際だけに収録されていた、挿絵 (小林泰彦) も収録。
(フリースタイル 1944円)[amazon]

H・P・ラヴクラフト 『インスマスの影 クトゥルー神話傑作選
邪神たちの昏き宴――漆黒の恐怖。クトゥルー神話はここから始まった。ラヴクラフトの傑作が全1冊に…英文学者にして小説家、南條竹則が選び抜き、新たに訳した7篇の傑作。 【収録内容】 異次元の色彩/ダンウィッチの怪/クトゥルーの呼び声/ニャルラトホテプ/闇にささやくもの/暗闇の出没者/インスマスの影
(新潮文庫 810円)[amazon]

トマス・ハリス 『カリ・モーラ』
麻薬王の邸宅管理のバイトがきっかけで、屋敷に隠された金塊を狙う犯罪集団の作戦に巻き込まれた美貌のカリ・モーラ。さらに彼らと対立する臓器密売商の猟奇殺人者シュナイダーの妄執の的にもなってしまい……。高見浩訳
(新潮文庫 961円)[amazon]

ダニエル・デフォー 『ロビンソン・クルーソー』
16322年、英国に生まれた船乗りロビンソンは、難破して絶海の孤島に漂着。以来、28年に及ぶ無人島生活が始まった…。人間の真の強さを描き、世界中に勇気と感動を与えてきた、冒険文学の金字塔を新訳。鈴木恵訳
(新潮文庫 767円)[amazon]

エドゥアール・グリッサン 『第四世紀』
奴隷船でカリブ海・マルティニック島に運ばれたアフリカ黒人の、対立し混じりあう二つの家系を軸に、六代にわたる年代記が描くアフロ=クレオールの歴史。記憶を創造し、歴史を奪い返す想像力の冒険。神話的興趣と散乱する詩語、語りの実験性において、グリッサンが最も影響を受けたフォークナー 『アブサロム、アブサロム! 』 『響きと怒り』 にも比べられる作品。管啓次郎訳
(インスクリプト 4104円)[amazon]

ギャレス・デイル 『カール・ポランニー伝』
『大転換』 の著者にして再評価著しい経済人類学者カール・ポランニーの初の評伝。市場経済の根源的理解者が遺したメッセージとは。若森みどり・若森章孝・太田仁樹訳
(平凡社 4860円)[amazon]

北上次郎 『書評稼業四十年』
本を読んで暮らしたいだけだった。中間小説雑誌が熱かった時代に小説の洗礼を受けた青年は気づけば書評家になっていた。エンタメ書評界の回想録。
(本の雑誌社 1836円)[amazon]

閻連科 『黒い豚の毛、白い豚の毛 閻連科自選短篇傑作選
破格の想像力で信じがたい現実を描き、ノーベル賞有力候補と目される作家の、叙情とユーモア溢れる9つの物語。著者自選短篇集。谷川毅訳
(河出書房新社 3132円)[amazon]

《ミステリマガジンマガジン》 9月号
特集:探偵と名言
(早川書房 1296円)[amazon]

泉斜汀 『百本杭の首無死体 泉斜汀幕末探偵奇譚集
泉鏡花の弟・泉斜汀(1880-1933)の捕物帳など、全10篇収録。100年の時を経て甦る幻の傑作。善渡爾宗衛+杉山淳編
(幻戯書房 4860円)[amazon]

京極夏彦訳/東雅夫編 『稲生物怪録』
江戸時代中期、広島・三次藩の武士・稲生平太郎の屋敷に、一か月にわたり連日妖怪が出没。その目撃譚をもとに描かれた 『稲生物怪録絵巻』 をオールカラーで掲載。平太郎の残した 『三次実録物語』 の現代語訳 (京極夏彦 「武太夫槌を得る」)、柏正甫 『稲生物怪録』 (東雅夫訳)を収録した待望の文庫版。
(角川ソフィア文庫 950円)[amazon]

プリーモ・レーヴィ 『プリーモ・レーヴィ全詩集 予期せぬ時に
『これが人間か (アウシュヴィッツは終わらない)』 『休戦』 を書いたレーヴィは、生前一冊の詩集を遺した。そこには強制収容所から生還した作家の40年に及ぶ感情や思想が、生々しく凝縮されたかたちで結晶している。アイヒマンに語りかけ、広島の少女のことを想い、生き残ったことの罪悪感を抱えながら、世界に溢れる苦しみに心寄せうた。レーヴィ生誕100年に贈る、存在を揺さぶる94篇。20世紀文学の極地。竹山博英訳
(岩波書店 3024円)[amazon]

雷 鈞 『黄』
中国の孤児院で育ち、その聡明さからドイツの里親に引き取られた盲目の少年。凄惨な〈幼児目潰し事件〉を解決すべく母国を再訪する。第4回島田荘司推理小説賞受賞の華文ミステリ。稲村文吾訳
(文藝春秋 1944円)[amazon]

中島敦 『南洋通信 増補新版
二十八日ノ船デ暑イ所ヘ行ッテ来マス――。1941年に南洋庁の官吏としてパラオに赴任した中島敦。その目に映った「南洋」とは。珠玉の小品『南島譚』『環礁』に当時の日記・書簡を加えたオリジナル編集。
(中公文庫 972円)[amazon]

クレイトン・ロースン 『首のない女』
〈奇想天外の本棚〉
奇術師探偵マーリニ・シリーズ代表作が蘇る。「"首のない女"がほしいの」 とマーリニの店に奇術装置を求めに来た謎の女。サーカスの団長の不可解な死とめくるめく奇術世界を舞台に繰り広げられる大仕掛けは、ファンならずとも必読の本格ミステリ。白須清美訳
(原書房 2160円)[amazon]

『世界文学アンソロジー いまからはじめる
いまこそ読みたい、はじめての世界文学。言語も環境も文化も全く異なる、多様な小説・詩27編を精選。アチェベ、コレットの本邦初訳を含む13編が清新な新訳。さらに多くの作品に親しむためのブックガイド付き。秋草俊一郎・戸塚学・奥彩子・福田美雪・山辺弦 編
(三省堂 2376円)[amazon]

『犯罪学大図鑑』 DK社編
強盗、詐欺、誘拐、殺人から、知能犯罪、組織犯罪、暗殺と政治的陰謀まで、世界中の歴史に残る犯罪を、オールカラーの写真や図解とともに解説。事件の概要にとどまらず、犯罪者の心理や多様な捜査方法、社会に与えた影響まで、幅広く考察する。犯罪をとおして人間と社会の本質をみきわめたい人のための一冊。宮脇孝雄・遠藤裕子・大野晶子訳
(三省堂 4536円)[amazon]

大下宇陀児 『少女探偵小説 仮面城』
怪漢の一団によって拐われ、「仮面城」に監禁された柳田由美子嬢を救出せんと奮闘する義侠少年 生駒京之助の活躍。
(東都 我刊我書房 4000円) 取扱=盛林堂

泉斜汀 『舊幕與力 彌太吉翁實話 亂刀』
旧幕与力の佐久間長敬こと彌太吉老人からの聞書きを、泉鏡花の実弟・泉斜汀が捕物帳にまとめたもの。中篇 「亂刀」 に短篇 「佐官の土」 「金時金平」 を収録。
(Noir Punk Press 8000円) 取扱=盛林堂

メアリー・ロバーツ・ラインハート 『ミス・ピンカートン』

「知ってさえいたら」 派の創始者ラインハートのヒルダ・アダムス看護婦シリーズ第3作。没落した名士一族の屋敷で、後継の青年の射殺死体が発見された。その謎を解くため、ヒルダは警察に依頼され、老婦人の付添い看護婦として住み込む。平山雄一訳
(ヒラヤマ探偵文庫 2500円)取扱=盛林堂

東雅夫編 『平成怪奇小説集1』
ホラー・ジャパネスクと怪談実話の興隆で幕を開けた平成の怪奇小説シーンは、やがて多くの人気作家や異色作家を巻きこみながら、幻想と怪奇と恐怖の絢爛たる坩堝(るつぼ)を形成してゆく。平成の30余年に生み出された名作佳品を、全3巻に精選収録する最新のアンソロジー。
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

『ベクシンスキ作品集成 I ver.1.2』
ポーランド幻想絵画の巨匠ベクシンスキ。50年代~70年代の全盛期を中心にアートワークを集成。新装版に図版1点を追加した増補版。
(エディシオン・トレヴィル/河出書房新社 4104円)[amazon]

ジョー・ネスボ 『レパード 闇にひそむ獣 上・下
自分の血液で溺死した女性二人。奇怪な連続殺人の捜査に当たるハリーだが、警察組織間の主導権争いの影響で、動きが封じられ……。戸田裕之訳
(集英社文庫 1296円/1458円)[amazon]

フォード・マドックス・フォード 『男は立ち上がる パレーズ・エンド第3巻
戦闘が激しさを増すなか、主人公ティージェンスの妻は、かつての愛人を利用して兵站基地へ乱入。騒動に関与したティージェンスらは前線送りに。果たして彼らは前線で生き残れるか? 第一次大戦時の英仏を舞台にした長編四部作、第3巻。高津昌宏訳
(論創社 3024円)[amazon]

『ガラン版 千一夜物語1』
古代ペルシアの王シャフリヤールは、王妃の不倫現場を目撃して以来、一夜限りの妻を娶っては殺す,という掟をつくる。宰相の娘シェヘラザードは自ら王の花嫁に志願し、夜明け前にそらんじている物語を聞かせる。話の続きを聞きたくなった王は次の晩まで彼女を生かしておくことにし、物語は次の晩、その次の晩と続いていく。18世紀、『千一夜物語』 を初めて西欧に紹介したアントワーヌ・ガラン仏訳版。全6冊。西尾哲夫訳
(岩波書店 3780円)[amazon]

アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャーV 湖の貴婦人
〈ツバメの塔〉で、辛くも死を逃れた少女シリ。だが彼女はウィッチャーのゲラルトとともに戦うため、戦乱のさなかに戻っていく。川野靖子訳
(ハヤカワ文庫FT 1404円)[amazon]

エドモンド・デ・アミーチス 『クオーレ』
ジェノバの少年マルコが母親を捜して遠くアンデスの麓の町まで旅する 「母をたずねて三千里」 の原作を収録。どこの国でも,いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆を描く、イタリア文学の古典的名作の新訳。和田忠彦訳
(岩波文庫 1231円)[amazon]

ジェニファー・イーガン 『マンハッタン・ビーチ』
第二次世界大戦下のアメリカ、ニューヨーク。常に海に魅了されてきたアナは、ニューヨーク初の女性潜水士をめざす。傑作 『ならずものがやってくる』 の著者が戦時下に生きる人々を描くサスペンスと抒情に満ちた文芸長篇。中谷友紀子訳
(早川書房 3780円)[amazon]

新井素子 『星から来た船
ぶっこわし屋、トラブルメイカー勢ぞろいの「星へ行く船」番外編、完結。物語のその後のその後を描いた書き下ろし短編も乞御期待。
(出版芸術社 1404円)[amazon]

アラン・ムーア/J・H・ウィリアムズIII 『プロメテア 3』
18世紀の叙事詩、新聞連載漫画、パルプ雑誌、都市伝説……歴史上のさまざまな語りの中に登場し、痕跡を残してきた女神プロメテアに変身する能力を得た女子大生ソフィーは、死後の世界の旅を終え、現世へと舞い戻ったが、彼女が不在の間、新装プロメテアとして魔の眷属を倒した親友ステーシアは、プロメテアを放棄することを拒否。ついに親友同士が激突する。シリーズ最終巻。柳下毅一郎訳
(小学館集英社プロダクション 3780円)[amazon]

ドン・ウィンズロウ 『ザ・ボーダー 上・下
グアテマラの殺戮から1年。メキシコの麻薬王アダン・バレーラの死は、麻薬戦争の終結をもたらすどころか、新たな混沌と破壊を解き放った。後継者指名の遺言が火種となり、血で血を洗う抗争が勃発。一方、ヘロイン流入が止まらぬアメリカでは、DEA局長に就任したアート・ケラーがニューヨーク市警麻薬捜査課とある極秘作戦に着手していた――。 田口俊樹訳
(ハーパーBOOKS 1400円/1430円)[amazon]

アンデシュ・リデル 『ナチ 本の略奪』
ナチが略奪したのは美術品だけではなかった。世界を思想的にも制覇しようという彼らの野望にとって、厖大な量の本や資料を略奪し、それを用いて「敵」を研究し尽くすことが、不可欠な手段だった。ヨーロッパ各地を訪れ、本の略奪、蔵書の消滅や四散、そして返還の現在を、新資料とともに検証する。北條文緒・小林祐子訳
(国書刊行会 3456円)[amazon]

フランク・マコート 『教師人生』
『アンジェラの灰』 でピューリッツァー賞を受賞したマコートが、一筋縄ではいかないアメリカのティーンエージャーを相手 (敵手?) に奮闘した30年の 「教師人生」 を、ユーモアたっぷりに描いた感動作。豊田淳訳
(国書刊行会 2592円)[amazon]

ジャック・フットレル 『思考機械 完全版 第2巻』
アメリカにおけるホームズのライヴァルたちを代表する名探偵、「思考機械」 ことオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授の事件簿、全2巻完結。平山雄一訳
(作品社 7344円)[amazon]

J・R・R・トールキン 『サー・ガウェインと緑の騎士』
アーサー王伝説の有名な物語をトールキンが翻案。1953年にBBCラジオで放送された幻の作品を収録した中世騎士道物語集。表題作の他 「真珠」 「サー・オルフェオ」 を収録。山本史郎訳
(原書房 1728円)[amazon]

佐野史郎/ハダタカヒト(絵) 『まどのそと』
〈怪談えほん〉(東雅夫編)
かたかたかた…かたかたかた…ずっとなりやまない音。ねむりたいけどねむれない。何度もよんでも、ママもパパも来やしない。佐野史郎とハダタカヒトが描く、たえがたい恐怖。
(岩崎書店 1620円)[amazon]

マイクル・コナリー 『訣別 上・下
セキュリティ会社の重役経由でボッシュを名指しで依頼したいという大企業オーナーに会いに行くと、老い先短いことを悟った老富豪ヴァンスから、大学生の頃知り合い妊娠させながら、親に仲を裂かれたメキシコ人の恋人、あるいはもしその子どもがいれば、探してほしいと頼まれる。古沢嘉通訳
(講談社文庫 950円/972円)[amazon]

澤村修治 『ベストセラー全史 近代篇』
明治・大正・昭和戦前期のベストセラー本を全て紹介。近代の出版流通と大衆社会の成立、円本ブーム、戦争と出版統制など諸事情を余さず描く壮大な日本文化史。
(筑摩選書 1944円)[amazon]

岩波文庫一括重版
ゴーチエ 『死霊の恋・ポンペイ夜話』
『フィッツジェラルド短篇集』
『フランク・オコナー短篇集』
『ゴーリキー短篇集』
ホフマンスタール 『チャンドス卿の手紙』
『ジェイン・オースティンの手紙』
渡辺一夫 『フランス・ルネサンスの人々』
ベーコン 『ニュー・アトランティス』
ニュートン 『光学』
鈴木棠三編 『中世なぞなぞ集』

他、全36点

サキ 『鼻持ちならぬバシントン』
20世紀初頭のロンドン、豪奢な社交界を舞台に、独特の筆致で描き出される親子の不器用な愛と絆。シニカルでブラックユーモアに溢れた世界観が特徴の短篇の巧手サキの長篇小説。本邦初訳。花輪涼子訳
(彩流社 2376円)[amazon]

クォン・ジエ 『師任堂の真紅の絹の包み』
女性たちの才能は「呪い」であった。朝鮮王朝時代の女流画家師任堂が残した絹の包みに隠された過去とは。良妻賢母であれという束縛から主人公の魂を解き放ち、女性たちの内面の葛藤を描いて話題となったクォン・ジエの力作を初邦訳。キム・ミョンスン訳
(国書刊行会 2700円)[amazon]

Tony Medawar (ed)《Bodies from the Library 2》
書籍初収録の黄金時代探偵小説の短篇15篇を発掘・収録したアンソロジー。エドマンド・クリスピンの未発表中篇(ジャーヴァス・フェン物)、Q・パトリックの中篇、ヘレン・シンプスン、エセル・リナ・ホワイト、E・C・R・ロラック、クリスティアナ・ブランド、アガサ・クリスティー、ドロシイ・L・セイヤーズ(ピーター・ウィムジイ物)、S・S・ヴァン・ダイン、ジョナサン・ラティマー、クレイトン・ロースン、シリル・アリントン、ピーター・アンソニーの短篇、マージェリー・アリンガム、ジョン・ロードのラジオ脚本を収録。
(Collins Crime Club) kindle版 [amazon]
hardcover 9月17日発売 [amazon]

小川未明 『電信柱と妙な男 小川未明怪異小品集東雅夫編
「日本のアンデルセン」 と称賛される童話作家が怪奇幻想世界に嬉々として遊ぶ。黄色い雲、波の音、黒い男、白い影。そして赤く爛れた目のようなランプから異音が響く――。
(平凡社ライブラリー 1620円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選5 大学の世紀1』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の文庫化(全7巻)。本巻は制度的に確立した大学での盛期スコラ学の展開。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

野崎歓 『異邦の香り ネルヴァル『東方紀行』論
プルーストが、ブルトンが、サイードが愛した、19世紀フランスのロマン派詩人・作家ネルヴァル。パリからコンスタンチノープルまで旅した紀行文 『東方紀行』 に、「“異邦人としての自己”を描く文学的先駆性」 を読む意欲的評論。読売文学賞受賞。
(講談社文芸文庫 2592円)[amazon]

フランソワ・ド・ラ・ロシュフコー 『箴言集』
17世紀フランスの激動を生き抜いたモラリストが、人間の本性を見事に言い表した「箴言」。鋭敏な洞察と強靱な思考、そして豊かなユーモアによって紡ぎ出された一行が、神からの自立を果たした近代人の抱える「自己愛」という宿命を撃ち抜き、現代の私たちの心に深く刺さる。原文が醸す空気までをも伝える新訳。武藤剛史訳
(講談社学術文庫 1166円)[amazon]

アンナ・カヴァン 『アサイラム・ピース』
城の地下牢に囚われた女、名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵、いつ終わるとも知れぬ裁判、頭の中の機械、精神療養所のテラスで人形劇じみた場面を演じる人々……。自身の入院体験にもとづく表題作をはじめ、出口なしの閉塞感と絶対の孤独、謎と不条理に満ちた世界を先鋭的なスタイルで描き、作家アンナ・カヴァンの誕生を告げた最初の傑作。山田和子訳 解説=皆川博子
(ちくま文庫 929円)[amazon]

エルンスト・H・ゴンブリッチ 『美術の物語』
全世界800万部の大ベストセラー、絶賛の美術書。洞窟壁画から現代美術まで美術の流れが驚くほどわかりやすく入門書にして決定版。
(河出書房新社 9180円)[amazon]

フレドリック・ブラウン 『フレドリック・ブラウンSF短編全集1 星ねずみ』
奇抜な着想、軽妙なプロットの短編の名手フレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、SF全短編を年代順に収めた全4巻の決定版全集。第1巻には「星ねずみ」「天使ミミズ」など初期の傑作12編を収録。安原和見訳
(東京創元社 3780円)[amazon]

『渡辺啓助探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
昭和20年代に発表された膨大な短編群から 「妖美」 と 「推理」 をテーマにした作品を精選。地方新聞連載の 「吸血劇場」 を70年ぶりに再刊。小松史生子編 内容
(論創社 4104円)[amazon]

ハワード・パイル 『ロビン・フッドの愉快な冒険』
シャーウッドの森の奥深く、おたずね者として暮らすロビンは、一癖も二癖もある強者たちを対決によって配下とし、金持ちや権力者たちに一泡吹かせていく。英国の伝承を元に小説化した痛快な童話。作家自身の手による図版も多数収録。三辺律子訳
(光文社古典新訳文庫 1382円)[amazon]

マルティン・ハイデガー 『存在と時間6』
20世紀最大の哲学書と言われる 『存在と時間』 を詳細な解説付きで読解する。 第6巻では、頑落した日常的な生き方をする現存在の全体性について、〈死に臨む 存在〉と〈良心〉という観点から考察、分析する (第2篇第2章第60節まで)。中山元訳
(光文社古典新訳文庫 1426円)[amazon]

ルシア・ベルリン 『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集
ノーベル賞作家アリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えたが、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。生涯に残したのは数冊の短篇集だけ。その中から、人気翻訳家の岸本佐知子が選りすぐって翻訳したベスト版を刊行。
(講談社 2376円)[amazon]

マキシム・クロンブ 『ゾンビの小哲学 ホラーを通していかに思考するか
我々はなぜゾンビに魅了されるのか。映画をはじめ多様なコンテンツに溢れるゾンビを、現代社会を生きる人々の欲望の徴候と捉え、様々な切り口と角度から論じる。ゾンビの眼に映る人類の未来とは何か。カナダ気鋭の研究者が放つ、ゾンビを通した現代社会論。武田宙也・福田安左子訳。目次
(人文書院 2592円)[amazon]

アンソニー・アボット 『世紀の犯罪』
〈論創海外ミステリ〉
ボート上で発見された男女の遺体。事件の真相を追及するべく、NY市警察本部長のサッチャー・コルトが捜査にのりだす。金田一耕助探偵譚 「貸しボート十三号」 の原型とされる作品の完訳。水野恵訳
((論創社 3024円)[amazon]

廉想渉 『驟雨』
〈韓国文学の源流シリーズ〉
1950年6月、ある日突然戦争が始まった。ソウルが陥落。砲弾に追われ、行き場を失った人々は逃げ惑う。夫が北に去ったあと、社長秘書とは名ばかりの愛人として生きるスンジェと婚約者のいるヨンシクの道ならぬ恋の行方は……。戦争によって運命を狂わされていく人々の姿を描く韓国の文豪、廉想渉の長編小説。白川豊訳
(書肆侃侃房 3024円)[amazon]

残雪 『蒼老たる浮雲』
棟続きの家に住む二組の夫婦。孤児の花の匂いに心乱され、不審な行動をとる更善無を、隣家の妻、虚汝華が覗き見ていた。その夫の老况は生活能力のない男で、しじゅう空豆を食べている。ある夜、更善無と隣家の女は同じ夢を見た・・・。奇怪なイメージと支離滅裂な出来事の連鎖が衝撃を呼ぶ中篇『蒼老たる浮雲』に、短篇「山の上の小屋」「天窓」「わたしの、あの世界でのこと」を収録。近藤直子訳
(白水Uブックス 1836円)[amazon]

チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 『なにかが首のまわりに』
異なる文化に育った男女の心の揺れを瑞々しく描く表題作のほか、文化、歴史、性差のギャップを絶妙な筆致で捉えた魅力の物語集。くぼたのぞみ訳
(河出文庫 1242円)[amazon]

劉慈欣 『三体』
父を文化大革命で亡くし、人類に絶望した中国人エリート女性科学者・葉文潔。彼女が宇宙に向けて秘密裏に発信した電波は、惑星〈三体〉の異星人に届き、地球を揺るがす大災厄を招くことに……! 中国で社会現象となったアジア最大級のSF小説。大森望・光吉さくら・ワン チャイ訳/立原透耶監修
(早川書房 2052円)[amazon]

ハーラン・エリスン編 『危険なヴィジョン 完全版 2』
SF界のカリスマが放つ伝説的アンソロジー。ディック、ニーヴン、ライバー、エムシュウィ ラー、アンダースンらの挑戦的な作品を収録。
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

アビール・ムカジー 『カルカッタの殺人』
1919年、英国領インド。赴任したばかりのウィンダム警部は、英国人高官が殺害された事件の捜査の指揮をとる。優秀なインド人警察官であるバネルジー部長刑事を相棒に、ウィンダムは現地の事情に分け入っていくが……。書評紙誌に絶賛された歴史ミステリ登場。田村義進訳
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

ショーン・プレスコット 『穴の町』
郊外の名もなき町々についての作品を執筆中の 「ぼく」。とある町に滞在し、誰も乗らないバスの運転手をはじめとする町の住人に取材をする。あるとき、街区に大きな穴が空き、町は消失し始める……。〈ガーディアン〉誌で「力強く、かつ不穏」と評された物語。北川絵里子訳
(早川書房 2700円)[amazon]

キャスリーン・ケント 『ダラスの赤い髪』
赤髪とタフさが自慢の刑事ベティ。捜査を先回りするように麻薬カルテル関係者が次々殺される。やがて犯人の影は彼女のすぐそばに。府川由美恵訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1210円)[amazon]

クリステン・ルーペニアン 『キャット・パーソン』
『ニューヨーカー』 掲載の表題作で注目された作家のデビュー短篇集。スマホのメッセージでもりあがった男と女の「あるある感」満載のデートの顛末を描く表題作をはじめ、復讐に燃えるシングルマザー、理想の伴侶を探し求める王女、ハンサムな上司に噛みつきたいOL、魔術であらゆるパワーを身につけようとする女……。.わたしたちの欲望の先に待ち受ける、ダークでファニーな真実をえぐりだす12篇。鈴木潤訳
(集英社 2268円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『猟奇の果』
(春陽堂文庫 972円)[amazon]
『偉大なる夢』 (春陽堂文庫 972円)[amazon]

鏡明 『ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた。』
一冊の雑誌が人生を変えることだってある。少年の時に出会った雑誌 《マンハント》 を通して、ポピュラー・カルチャーとは何かを考えてみる。《フリースタイル》 連載 「マンハントとその時代」 を改題単行本化。
(フリースタイル 2376円)[amazon]

ルーパート・ペニー 『密室殺人』
〈論創海外ミステリ〉
ビール主任警部が挑む最後の難事件は密室殺人! 多数の容疑者、密室殺人、殺人事件の背景に隠された真相、大胆な殺人トリック、緻密な検証作業。英米黄金時代の本格ミステリを愛する読者へ贈る、ペニーからの挑戦状。 熊井ひろ美訳
(論創社 3456円)[amazon]

みうらじゅんの松本清張ファンブック 清張地獄八景』
松本清張の大ファン、みうらじゅんの文章、対談やイラストを中心に、佐藤愛子、京極夏彦、大沢在昌、宮部みゆき、北村薫、有栖川有栖、岩井志麻子、佐野洋、山村正夫一ほかの再録記事、清張原作映像化に携わった和田勉、橋本忍のインタビュー、清張が井上ひさしや女性ファンに書いた手紙、江戸川乱歩への弔辞、直子夫人インタビュー、清張が描いたエッセイ漫画や絵など、貴重な原稿や写真も収録。
(文藝春秋 1080円)[amazon]


▼6月刊

ゾラン・ドヴェンカー 『沈黙の少女』
雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟が何者かに誘拐された。2週間後保護された彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守りつづけることになる。一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲間として加わることに成功する。それはずっと温めてきた計画の第一歩だった。予想を超える展開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 小津薫訳
(扶桑社ミステリー 1166円)[amazon]

朝里樹 『日本現代怪異事典 副読本』
怪異界のベストセラー『日本現代怪異事典』がより分かりやすく、より面白くパワーアップ。類似怪異、出没場所、使用凶器、都道府県別…こっくりさん、カシマさん、口裂け女、ひきこさん、4時44分の怪…日本怪異を徹底ビジュアル解剖。
(笠間書院 1944円)[amazon]

鮎川哲也 『幻の探偵作家を求めて 完全版 上
羽志主水、潮寒二、渡辺温、独多甚九、大慈宗一郎、岩田賛、竹村直伸、大庭武年、九鬼紫郎、ほか。幻の探偵小説家や、その遺族を尋訪し、作家たちとの思い出やエピソードを綴る。本格推理小説の第一人者、鮎川哲也氏による探偵作家尋訪記。単行本未収録の番外編、エッセイを一挙収録。日下三蔵編
(論創社 4104円)[amazon]

E&H・ヘロン 『フラックスマン・ロウの心霊探究』
〈ナイトランド叢書〉
心霊学者が冷静沈着に解決していく超自然的な怪事件の数々。シャーロック・ホームズと同時期に着想された、オカルト探偵ものの先駆けとして知られるシリーズ全12作を完全収録。超常現象の謎を自然の法則にのっとって解き明かす、フラックスマン・ロウのみごとな手腕をご堪能あれ。三浦玲子訳
(アトリエサード 2484円)[amazon]

ミゲル・デ・ウナムーノ 『アベル・サンチェス』
〈ルリユール叢書〉
「永遠に憎悪するために、永遠に生きるのだと考えて私は戦慄した。それは地獄であった」 20世紀スペインを代表する情熱の哲学者が現代に甦らせたカインとアベルの物語。魂の闇の臨床記録。本邦初訳。富田広樹訳 ※〈ルリユール叢書〉刊行予定
(幻戯書房 3240円)[amazon]

アンドレ゠ロベール・アンドレア・ド・ネルシア 『フェリシア、私の愚行録』
〈ルリユール叢書〉
「私をこんな馬鹿な女にした神々が悪いのです」 好事家泣かせの遊蕩三昧。不道徳の廉で禁書となった、ほしいままにする少女の、18世紀フランスの痛快無比な〈反恋愛〉リベルタン小説。本邦初訳。福井寧訳
(幻戯書房 3888円)[amazon]

カーター・ディクスン 『白い僧院の殺人 新訳
ロンドン近郊の屋敷〈白い僧院〉でハリウッドの人気女優が殺害された。周囲は百フィートにわたって雪に覆われ、発見者の足跡以外の痕跡はなかった。甥が〈白い僧院〉の客だったことから呼び寄せられたヘンリ・メリヴェール卿はたちどころに真相を看破する。江戸川乱歩が激賞した本格ミステリの名作。高沢治訳
(創元推理文庫 994円)[amazon]

ベッキー・チェンバーズ 『銀河核へ 上・下
故郷・地球を失った人類は銀河共同体に加盟を許され、弱小種族ながら繁栄を享受していた。多種族混成クルーの中古宇宙船〈ウェイフェアラー〉に突如舞い込んだ大仕事――未知の銀河中心核に向かい、新航路を建設せよというのだ……。大人気スペースオペラ。細美遥子訳
(創元SF文庫 各1123円)[amazon]

キャサリン・M・ヴァレンテ 『パリンプセスト』
夢のなかで訪れることのできる町パリンプセストに魅せられた四人の男女は、肌にパリンプセストの地図を持つ相手と次々と身体を重ね、眠りの中で町を歩く。喪われたものを取り戻せる町パリンプセストでは、鮫頭の将軍を打ち負かし勝者となった女カシミラが移住者を求めていたのだ。幻想と夢が交錯する極上のファンタジー。井辻朱美訳
(東京創元社 3240円)[amazon]

キャロル・ネルソン・ダグラス 『ごきげんいかが、ワトスン博士 上・下
かつてホームズに苦杯をなめさせたアイリーン・アドラーと友人ペネロピーがパリで助けた男は、アフガン戦争で世話になった軍医に命の危機を知らせるため、人探しの旅をしているという。その軍医の名はワトスン……。かくして二人はアフガニスタンに端を発する事件に巻きこまれ、ベイカー街の名探偵と共闘することに……。日暮雅通訳
(創元推理文庫 各1188円)[amazon]

ペク・スリン 『惨憺たる光』
〈Woman's Best 9 韓国女性文学シリーズ〉
苦しみが癒えることはなく、孤独を抱え、それでも、日々、生きていかなければならない。光と闇、生と死。心は彷徨いながら揺れ動く。心のよるべなさを丁寧に掬いあげた初邦訳作家の短編集。カン・バンファ訳
(書肆侃侃房 1944円)[amazon]

ジェフリー・チョーサー 『トロイルスとクリセイデ』
『カンタベリー物語』で知られる中世イギリスの詩人ジェフリー・チョーサーが、ギリシアのトロイ戦争に想を得て完成させた物語詩。松下知紀訳
(彩流社 6480円)[amazon]

フェリスベルト・エルナンデス 『案内係 ほか』
〈フィクションのエル・ドラード〉
暗闇で目が光る能力を手にした語り手が密かな愉しみに興じる表題作、嘘泣きで驚異的な売上を叩き出す営業マンの話 「ワニ」、水を張った豪邸でひとり孤独に水と会話する夫人を幻想的な筆致で描く 「水に沈む家」 など、幻想とユーモアを交えたシニカルな文体で物語を紡ぎ、コルタサルらに称賛されたウルグアイの奇才エルナンデスの傑作短篇集。浜田和範訳
(水声社 3024円)[honto]

セース・ノーテボーム 『サンティアゴへの回り道』
聖地サンティアゴを目指す 「私」。度重なる回り道と彷徨の果てに彼は、スペインの歴史・風土・宗教・物語の坩堝、茫漠たる時空間の襞へと絡めとられていく。オランダ人作家の幻想的旅行記。吉田宣二訳
(水声社 4320円)[honto]

パスカル・キニャール 『音楽の憎しみ』
〈パスカル・キニャール・コレクション〉
音楽という暴力、音楽という闇。ギリシャ神話、ホロコースト、文学的題材を逍遥しながら、心を魅了し、呪縛し、引き裂く音楽を人類の初源から問う、孤高の思索/詩作。博多かおる訳
(水声社 3456円)[honto]

ジョン・グリシャム 『危険な弁護士 上・下
アメリカの大都市で開業中の“無頼の弁護士”セバスチャン・ラッド。目下、幼女二人の暴行殺害容疑で逮捕された少年を弁護中。彼には、他の弁護士がやらないヤバイ事件の被告を弁護する仕事ばかり集まってきて……。白石朗訳
(新潮文庫 各767円)[amazon]

ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生航海記』
イギリスの小さな水辺の町パドルビーに住む少年トミー・スタビンズは、動物の言葉が話せる博物学者ドリトル先生に出会った。先生と動物たち、スタビンズ少年の心躍る冒険の旅が始まる。生物学者福岡伸一による新訳。
(新潮文庫 767円)[amazon]

ローベルト・ゼーターラー 『ある一生』
吹雪の白い静寂のなかに消えていったあの光景。20世紀の時代の荒波にもまれ、誰に知られるともなく生きたある男の生涯が、なぜこんなにも胸に迫るのだろう。現代オーストリア文学の名手が紡ぐ恩寵に満ちた物語。浅井晶子訳
(新潮クレスト・ブックス 1836円)[amazon]

ジャスパー・フォード 『雪降る夏空にきみと眠る 上・下
人間が年に数か月冬眠するようになった世界。なかには途中で餓死したり、人肉を食べるナイトウォーカーになる者もいる。チャーリーは冬眠中の人々の安全を守る冬季取締局の見習いに選ばれるが、初仕事で護送中のナイトウォーカーを盗まれ、次々と事件に巻き込まれていく。桐谷知未訳
(竹書房文庫 各1080円)[amazon]

『ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ』
「箱のアーティスト」として知られるジョゼフ・コーネル(1903-1972)の、国内では1992-93年以来となる大規模個展の公式図録。
(フィルムアート社 3780円)[amazon]

サキ 『ウィリアムが来た時』
ドイツによる支配が始まってから数ヶ月。バッキンガム宮殿にはドイツ国旗がはためき、ロンドンはすっかり様変わりした。ドイツ帝国に支配された架空のロンドンを舞台としたディストピア歴史IF群像劇。短篇の名手サキの長篇小説、本邦初訳。深町悟訳
(国書刊行会 2520円)[amazon]

若島正 『盤上のフロンティア 若島正詰将棋新作品集
最高の詰将棋作家の最新決定版。双玉、逃げ駒、回収手筋……新境地100作を詳細解説。詰将棋解答選手権出題作多数。解説=行方尚史
(河出書房新社 2700円)[amazon]

スティーヴン・ミルハウザー 『私たち異者は』
驚異の世界を緻密に描き、リアルを現出せしめる匠の技巧。表題作や 「大気圏外空間からの侵入」 ほか、さらに凄みを増した最新の7篇。柴田元幸訳
(白水社 2808円)[amazon]

アルフレート・デーブリーン 『最後の旅』
孤高の作家によるナチス占領下フランスからの脱出記。家族との離散、難民収容所、ハリウッドへの亡命……迫真のドキュメント。長谷川純訳
(河出書房新社 5184円)[amazon]

《SFマガジン》 8月号
特集=『三体』と中国SF
(早川書房 1296円)[amazon]

オズヴァルド・ヴィルト 『中世絵師たちのタロット』
アンドレ・ブルトンに大きな影響を与え、種村季弘の重要な情報源ともなったタロット解釈の歴史的名著が初邦訳。スタニスラス・ド・ガイタの慫慂により、ヴィルト自らが、神話世界、天文学、占星術、カバラ、ヘブライ文字、フリーメイソン、錬金術など、様々な神秘思想に基づいて制作したタロットに秘められた深遠なる意味が解き明かされる。序文=ロジェ・カイヨワ。今野喜和人訳
(国書刊行会 5184円)[amazon]

石野重道 『不思議な宝石 石野重道童話集
稲垣足穂の盟友であり、幻の詩集 『彩色ある夢』 の著者、石野重道の童話集。昔話風あり、海外の民話風あり、そして初期稲垣足穂を彷彿する作品も収録。
(書肆盛林堂 1300円)

石野重道 『彩色ある夢』
稲垣足穂の後輩にして 「一千一秒物語」 にもっとも近い作家、石野重道の代表著作 『彩色ある夢』 (大正12年)を復刻。
(東都 我刊我書房 8000円) 取扱=盛林堂

藤沢衛彦 『日本の伝説 山陰・山陽』
八岐大蛇、大国主の国譲り、吉備津の釜鳴り、和気清麻呂、湖山長者、厳島七不思議、平家蟹など全37話。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

トム・フィリップス 『とてつもない失敗の世界史』
あなたは失敗でくよくよ悩んでいないか? 木から落ちて骨折した原人から、国ごと滅ぼすなど数々のメガトン級の失敗を紹介。禰宜田亜希訳
(河出書房新社 2484円)[amazon]

ウティット・ヘーマムーン 『プラータナー 憑依のポートレート
絡み合う政治とエロス。ある芸術家の性愛遍歴を通して語られる、国家の 「からだ」 の欲望とは。タイ現代文学気鋭の小説家の初邦訳。福冨渉訳
(河出書房新社 3024円)[amazon]

キム・エラン 『外は夏』
〈となりの国のものがたり〉
汚れた壁紙を張り替えよう、と妻が深夜に言う。幼い息子を事故で亡くして以来、凍りついたままだった二人の時間が、かすかに動き出す(「立冬」)。いつのまにか失われた恋人への思い、愛犬との別れ、消えゆく千の言語を収めた奇妙な博物館など、韓国文学のトップランナーが描く、悲しみと喪失の七つの光景。古川綾子訳
(亜紀書房 1836円)[amazon]

山田登世子 『書物のエスプリ』
書物と文学を愛した仏文学者の遺稿集、最終第四弾。古典から新刊までさまざまな本を切り口に、水、ブランド、モード、エロスなど、著者ならではのテーマを横断的に語る 「エッセイ篇」 と、約120本の 「書評篇」。時には書評の枠を逸脱しつつ、書物の世界を自在に逍遥し、読書の愉しみを伝えてくれる一冊。
(藤原書店 3024円)[amazon]

ファーガス・ヒューム 『二輪馬車の秘密』
夜更けの街を走る二輪馬車のなかで身元不明の紳士が殺害された。19世紀探偵小説、最大のベストセラー。高木直二訳
(扶桑社 オンデマンド/kindle)[amazon]

ジョー・イデ 『IQ2』
クラブDJの失踪を調べてほしいと依頼された探偵IQ。相棒ドッドソンとラスベガスに赴くが、行く手には裏社会の魑魅魍魎が……。熊谷千寿訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1145円)[amazon]

ケン・リュウ 『草を結びて環(たま)を銜(くわ)えん』
揚州虐殺のなかを生きた遊女を描いた表題作、満州で巨大熊を捕獲しようとした探検隊が出会った悪夢「烏蘇里羆(ウスリーひぐま)」など全7篇を収録。古沢嘉通・市田泉・幹遙子訳
(ハヤカワ文庫SF 778円)[amazon]

マーロン・ジェイムズ 『七つの殺人に関する簡潔な記録』
1976年12月のボブ・マーリー暗殺未遂事件。犯行に及んだ7人は何者で、目的は何だったのか――真相は明かされず、米国の陰謀すら囁かれる事件をもとにした長篇小説。売人やジャーナリスト、CIA局員、亡霊までがうごめく、血塗られた歴史が語られる 旦敬介訳
(早川書房 6480円)[amazon]

マーティン・プフナー 『物語創世 聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力
かつて口伝えで継承された物語は文字に定着されることで飛躍的な伝播力を得、やがて世界を変えた。古代文明から現代に至る各時代に世界の各地で祖型を更新していった、人類文明の基盤をなす数々の大物語を抽出解説する、ハーバード大教授による大胆不敵な文芸評論。塩原通緒・田沢恭子訳
(早川書房 4860円)[amazon]

新井素子 『星から来た船
土星に向かった月村真樹子と太一郎を追う麻子と所長。一同がそろった宙港で、新たなトラブルが勃発!? 表題作ほか書き下ろし1篇収録。
(出版芸術社 1404円)[amazon]

ギョルゲ・ササルマン 『方形の円 偽説・都市生成論
「いくつかの想像上の都市の短い叙述で本を一冊作るというアイデア。その中に5000年の都市史の偉大と悲劇を圧縮する」――ルーマニアの鬼才が描き出す、「憧憬市(アラパバード)」 「学芸市(ムセーウム)」 「憂愁市(シヌルビア)」 ほか36の架空都市の創造と崩壊の歴史。カルヴィーノ 『見えない都市』 に比肩する超現実的幻想小説集。住谷春也訳
(東京創元社 2376円)[amazon]

喜国雅彦 『今宵は誰と 小説の中の女たち
安部公房の 『砂の女』、太宰治の 『女生徒』、ツルゲーネフの 『はつ恋』、S・キングの 『ミザリー』 など──名作に登場する個性的で魅力的な女性たちが、もし自分の夢に登場したら……独自の視点でブンガクのおもしろさを描く、全く新しい文芸漫画。
(双葉社 1728円)[amazon]

エリック・ジャコメッティ/ジャック・ラヴェンヌ 『ナチスの聖杯 上・下
手にした者が世界を制する秘宝を巡り、ナチスと英国機密部隊が激突。第二次世界大戦を舞台に光と闇の戦いを描く歴史ミステリー。大林薫訳
(竹書房文庫 各994円)[amazon]

垂野創一郎編訳 『怪奇骨董翻訳箱 ドイツ・オーストリア幻想短篇集
ドイツが生んだ怪奇・幻想・恐怖・耽美・諧謔・綺想文学の、いまだ知られざる傑作・怪作・奇作18編を収録。≪人形≫≪分身≫≪閉ざされた城にて≫≪悪魔の発明≫≪天国への階段≫≪妖人奇人館≫……6つの不可思議な匣が構成する空前にして絶後の大アンソロジー。ほとんど全編が本邦初訳。収録内容
(国書刊行会 6264円)[amazon]


フェルナンド・ペソア 『アナーキストの銀行家 フェルナンド・ペソア短編集
世界的詩人として高い評価を受けているペソアの、数少ない貴重な短編を編んだ本邦初訳の作品集。近藤紀子訳
(彩流社 2160円)[amazon]

『短編画廊 絵から生まれた17の物語』
エドワード・ホッパーに捧ぐ短編集。ローレンス・ブロック、スティーヴン・キング、ジェフリー・ディーヴァー、マイクル・コナリー他
(ハーパーコリンズジャパン 2376円)[amazon]

ボニー・マクバード 『シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊』
ホームズを知り尽くす著者が手がけた本格パスティーシュ。スコットランドの雰囲気ある情景とともに、小気味いい推理が展開される。あまり語られないホームズの大学時代が事件に大きく関わり、パスティーシュとしても新鮮。日暮雅通訳
(ハーパーBOOKS 1070円)[amazon]

ダリオ・コッレンティ 『血の郷愁』
実在した19世紀の連続殺人犯の模倣犯という設定で、世界のカニバリズムや歴史に残るシリアルキラーたちが引き合いに出され、ミステリー好きの好奇心をくすぐる。ベテラン男性記者と風変わりなインターン女子のコンビも楽しめる一作。イタリア発の本格長編ミステリー。
(ハーパーBOOKS 1290円)[amazon]

カリン・スローター 『ブラック&ホワイト』
待望の〈ウィル・トレント〉シリーズ新作。『罪人のカルマ』 のあの幕切れのあとは? 鈴木美朋訳
(ハーパーBOOKS 1260円)[amazon]

北村紗衣 『お砂糖とスパイスと爆発的な何か 不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門
フェミニストの視点で作品を深く読み解けば、映画も演劇もこんなにおもしろい。自由に批評するために、自らの檻をぶち壊そう。映画と演劇を年に200本観るシェイクスピア研究者によるフェミニスト批評絶好の入門書。
(書肆侃侃房 1620円)[amazon]

《MONKEY》 vol.18 猿の旅行記
国内外の豪華作家陣とともに、旅や土地をめぐる文学のかたちをさまざまに問い直す 「紀行文学特集」。紀行作家ブルース・チャトウィンの没後刊行の選集 『Anatomy of Restlessness』 より、『僕はいつだってパタゴニアに行きたかった――作家の誕生』 『ティンブクトゥーに行ってます』 を柴田元幸がセレクト&訳し下ろし、他。目次
(スイッチパブリッシング 1296円)[amazon]

永井荷風 『花火・来訪者 他十一篇
時代への批判と諦観を語る 「花火」、反時代性の果てにあるエロスを取上げた 「夏すがた」、爛熟した江戸情調への追慕を基調とした小説・随筆を精選。「来訪者」 は男女の交情を描いた戦後発表の問題作。(平井呈一らによる荷風贋作事件を下敷きにした作品)
(岩波文庫 756円)[amazon]

『唐宋伝奇集 上・下 今村与志雄訳
(岩波文庫)重版

諏訪部浩一 『カート・ヴォネガット トラウマの詩学
読者に愛され続けたヴォネガットのトラウマとの戦いを読む。『スローターハウス5』 など長編小説14編を発行順に論じる。目次
(三修社 2916円)[amazon]

中村保男 『新装版 英和翻訳表現辞典』
「辞書にない訳語」を満載の辞書として、翻訳家・英語学習者に大好評の 『新編 英和翻訳表現辞典』、新装版として刊行。
(研究社 5832円)[amazon]

アガサ・クリスティー(原作)/マイケル・モートン(脚本) 『アリバイ』
〈奇想天外の本棚〉
入手困難のクリスティー原作本として半ば伝説化していた戯曲版 『アクロイド殺し』。マイケル・モートンによる脚本は、原作に忠実ながらもドラマティックに演出が施され、ある仕掛けによってポアロ・ファンをもうならせる。山口雅也訳
(原書房 1944円)[amazon]

堤邦彦 『京都怪談巡礼』
近世文学に描かれた、あなたの知らない怖い京都。「桂川の食人鬼」 「蓮台野で燃える墓」 「粟田口に現れる死んだはずの男」 など、ユニークで怖い怪談が盛りだくさん。近世日本文学研究者が、とっておきの京都怪談を紹介。
(淡交社 1728円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『壊れやすいもの』
ホームズがSFに? ベイカー街に住む偉大な探偵が遭遇した緑の血が飛び散る殺人事件の顛末を描くヒューゴー賞受賞作 「翠色の習作」 の他、空前絶後の想像力を駆使した、鬼才ゲイマンの魅力満載の短編集。金原瑞人・野沢佳織訳
(角川文庫 1426円)[amazon]

クレア・ノース 『ホープは突然現れる』
他人から記憶されない体質を持つホープ、職業は泥棒。ある女性の自殺をきっかけに、流行の自己啓発アプリ「パーフェクション」の開発会社をターゲットにするが、やがて大きな陰謀に巻き込まれることに……。世界幻想文学大賞受賞作。雨海弘美訳
(角川文庫 1469円)[amazon]

フランシス・ホジソン・バーネット 『秘密の花園』
インドで両親を亡くし、イギリスに住む親戚に引き取られたメアリ。広い屋敷のなかでひとりぼっちの彼女は、庭を散策するうちに、閉ざされた庭園を見つける。世界中で愛される児童文学の名作。 羽田詩津子訳
(角川文庫 713円)[amazon]

ラフカディオ・ハーン 『新編 日本の怪談 II』
異界の女たちの魔性の美に魅せられた人間の悲劇を描く 「泉の乙女」 「島妻」、散文詩の到達点をしめす 「蓬莱」、自伝的エッセイ 「ゴシックの恐怖」 「幽霊」――伝承や説話に材をとり、一流の美意識で語りなおす「再話」文学作家の才能が遺憾なく発揮された珠玉の作品集。八雲研究の第一人者による新編第二弾。池田雅之編訳
(角川ソフィア文庫 950円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション ことば漬』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。これは文庫革命だ。目次
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

澤村修治 『ベストセラー全史 現代篇』
1945年から2019年までのベストセラー本をすべて紹介。小説、エッセイから実用書、人文書まで、著者と作品内容、出版事情などを叙述する壮大な日本文化史。
(筑摩選書 2376円)[amazon]

ウェンディ・ウォーカー 『まだすべてを忘れたわけではない』
絵のように美しい、コネチカット郊外の小さな町。十代の少女ジェニーがレイプされ、トラウマに悩むことを恐れた母親は事件直後に記憶消去の最新治療を受けさせる。それは同時に犯人に繋がる記憶をも消し去った。町の精神科医が改めて記憶の痕跡を辿ると、閉鎖的な町と家族の深層、事件の真相が顕れてくる。
(講談社文庫 1188円)[amazon]

ホルヘ・カリオン 『世界の書店を旅する』
数々のエピソードとともに世界各地の書店をめぐる紀行エッセイ。本と旅を愛するすべての読者に贈る無類のブックガイド/ガイドブック。野中邦子訳
(白水社 3456円)[amazon]

カルロ・ギンズブルグ 『政治的イコノグラフィーについて』
私たちを取り巻くイメージ(図像)は本来、政治性をもっている。本書はギリシア神話の戦闘場面を使ってアメリカ原住民の征服を描いた16世紀の銀杯、ホッブス 『リヴァイアサン』 の扉絵、ダヴィッド 「マラーの死」、第一次世界大戦時の英国の新兵徴募ポスター、ピカソ 「ゲルニカ」 などの作品を解読することで、イメージの中に権力を発揮する仕掛けが隠されていることを明らかにする。上村忠男訳
(みすず書房 5184円)[amazon]

オルダス・ハクスレー 『モナリザの微笑 ハクスレー傑作選
『すばらしい新世界』 のハクスレーの傑作短篇集。科学、数学、美術、音楽、哲学にいたるまで、博学で知られる作者の面目躍如の5篇、「モナリザの微笑」 「天才児」 「小さなメキシコ帽」 「半休日」 「チョードロン」 を収録。行方昭夫訳
(講談社文芸文庫 1728円)[amazon]

フェルディナント・フォン・シーラッハ 『刑罰』
ダイバースーツを着て浴室で死んでいた男。裁判で証人の孤独に同情してしまった参審員。人身売買で起訴された犯罪組織のボスを弁護する新人弁護士。高級ホテルの部屋で麻薬常習者になったエリート男性。――実際の事件に材を得て、法律で裁けない罪をめぐる犯罪者や弁護士たちの素顔を、切なくも鮮やかに描きだす短篇集。酒寄進一訳
(東京創元社 1836円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.95
新連載、西條奈加〈お蔦さんの神楽坂日記〉シリーズ最新作、古内一絵「平成史を辿るキネマトグラフィカ2」、松尾由美〈ニャン氏の事件簿〉シリーズ最新作スタート。特別企画、「創元推理文庫創刊60周年記念トークショー:北村薫×宮部みゆき」掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

キルケゴール 『新訳 不安の概念』
個体的な人間存在に定位して不安の概念を論ずる。ハイデガー、実存主義哲学に大きな影響を与えた思考のデンマーク語原典からの新訳。村上恭一訳
(平凡社ライブラリー 1944円)[amazon]

『鮎川哲也探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉
少年少女向け探偵小説コレクション第1集。未刊行の中篇「冷凍人間」「透明人間」「片目の道化師」に、少年ミステリの第一作「魔人鋼鉄仮面」(未完)を初単行本化。日下三蔵編 内容
(論創社 4320円)[amazon]

『渡辺啓助探偵小説選Ⅰ』
〈論創ミステリ叢書〉
デビュー直後から終戦間もない頃に発表された作品群より、固定された視角からは評価され得なかった魅力を放つ珠玉の短編を精選。衝撃のグロテスク 「屍版」 から明朗闊達な 〈青春探偵〉 シリーズまで全24篇。浜田雄介編 内容
(論創社 4104円)[amazon]

川野京輔 『推理SFドラマの六〇年 ラジオ・テレビディレクターの現場から
島田一男、星新一、松本清張、山村正夫ら著名作家との交流。大ヒットドラマ 「事件記者」 の裏話。海外ミステリを原作にした連続ドラマの思い出。知られざるドラマ史の系譜を繙いた推理&SFドラマ年代記。※六興出版版(1986)の復刊
(論創社 2376円)[amazon]

ジョゼフ・コンラッド 『シークレット・エージェント』
大都市ロンドンの片隅で雑貨店を営むミスター・ヴァーロックは、実は某国大使館に雇われたアナキストである。しかしその怠惰な働きに業を煮やした上層部は、彼にグリニッジ天文台の爆破を命じ.……。テロをめぐる皮肉な人間模様を描く傑作。高橋和久訳
(光文社古典新訳文庫 1490円)[amazon]

ヘルマン・ヘッセ 『ペーター・カーメンツィント』
豊かな自然のなかで育ったペーターは、文筆家を目指し都会に出る。友を得、恋もしたが、都会生活の虚しさから異郷をさまよった末、故郷の老父のもとに戻るのだった……。美しい自然描写と青春の苦悩、故郷への思いを描いた出世作。猪股和夫訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

ダヴィデ・マリア・トゥロルド 『地球は破壊されはしない』
〈須賀敦子の本棚〉
コルシア書店の創設者で、須賀がその詩を多く訳したダヴィデ神父による戯曲。千年終末論に右往左往する修道士たちの姿を描く傑作。須賀敦子訳
(河出書房新社 2376円)[amazon]

ミシェル・ウエルベック 『ショーペンハウアーとともに』
現代フランスを代表する作家ウエルベックが、19世紀ドイツを代表する哲学者ショーペンハウアーの「元気が出る悲観主義」の精髄を詳解。その思想の最奥に迫る。
(国書刊行会 2484円)[amazon]

《kotoba》 夏号
〈特集=シャーロック・ホームズとコナン・ドイル〉
1887年、コナン・ドイルが創造したシャーロック・ホームズ。このエキセントリックな探偵と60を数える作品は、現在も世界中の人々を魅了し続けている。ドイルとはいったい何者なのか? ホームズはなぜ愛されるのか? 当時の社会背景を追いながら、原作者ドイルの実像と多様な著作群、そしてホームズの魅力に迫る。
(集英社 1440円)[amazon]

スコット・フィッツジェラルド 『ある作家の夕刻 フィッツジェラルド後期作品集
〈楽園の向こう側〉 に一人の小説家が見たものは。早すぎる栄光から一転、30代にして翳りの時代を迎えた作家の葛藤と、困窮のなかでも失われることのない確かな輝き。44歳で死を迎えることになるフィッツジェラルドの 晩年十年間に書かれた短篇とエッセイの名品をセレクト。村上春樹訳
(中央公論新社 1836円)[amazon]

ハーラン・エリスン編 『危険なヴィジョン 〔完全版〕 1』
アメリカSF界のカリスマ作家ハーラン・エリスンが既存の英米SF界に一石を投じるべく企画編集し、全作品に自ら紹介文を付した計33篇収録の伝説的巨大アンソロジー(1967)を3分冊で刊行。第1巻は、まえがき、序文と、デル・レイ、シルヴァーバーグ、F・ポール、ファーマー、ディフォード、ブロック、エリスン、オールディスの8篇を収録。伊藤典夫他訳
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

ジャン=クリストフ・グランジェ 『死者の国』
パリ警視庁警視のコルソは、ストリッパー連続殺人事件の捜査を進めていた。猟奇的で陰惨な事件の背後に見え隠れする白スーツの男に導かれ、コルソは社会の、そして自身の抱える暗部と向きあうことになる。フレンチ・サスペンスの巨匠グランジェが放つ最新刊。高野優・伊禮規与美訳
(ハヤカワ・ミステリ 3240円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦2 戦慄の人類殲滅兵器』
未来からの時空通信による警告を受けたシャイロー大佐は、AI戦闘艇部隊と共に強大な異星人艦隊の猛攻撃を次々に撃退するが……。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1166円)[amazon]

グレアム・ムーア 『訴訟王エジソンの標的』
19世紀末ニューヨーク。悪辣なエジソンとの法廷戦に新米弁護士が挑む。「イミテーション・ゲーム」 脚本家による歴史サスペンス。唐木田みゆき訳
(ハヤカワ文庫NV 1296円)[amazon]

ウンベルト・エーコ 『ウンベルト・エーコの文体練習 完全版
『薔薇の名前』の著者が古今東西の小説・評論、映画、歴史的発見、百科全書などを変幻自在に書き換えた遊戯的パロディ集。和田忠彦訳
(河出文庫 1296円)[amazon]

『ブレードランナー証言録』
SF映画の概念を変えた 『ブレードランナー』 シリーズの製作に関わった、脚本家、アニメーション監督、批評家の四人への独占インタビューを収録。映画誕生秘話や製作裏話など、知られざるエピソードが満載。大野和基訳
(集英社インターナショナル 842円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.17 ケルト幻想~昏い森への誘い~
ケルト神話や、イギリス、アイルランドの異教的伝承の物語に影響を受けた、恐怖・幻想小説を紹介。アーサー・マッケン、ピエール・コムトワ、ジェレマイア・カーティン他。目次
(アトリエサード 1836円)[amazon]

ニクラス・ナット・オ・ダーグ 『1793』
1793年、フランス革命の余波に怯えるスウェーデンの首都ストックホルム。湖で発見された男の死体は、四肢が切り落とされ、眼球、舌、歯も奪われ、美しい金髪だけが残されていた。結核で余命幾ばくもないインテリ法律家と、戦場帰りの荒くれ風紀取締官がタッグを組んで殺人事件の謎を追う。重厚でスリリングな北欧歴史ミステリ。ヘレンハルメ美穂訳
(小学館 2160円)[amazon]

ノーマン・ベロウ 『十一番目の災い』
〈論創海外ミステリ〉
シドニー・ハーバーで殺害された麻薬密売組織のメンバー。オーストラリア警察のウェッソン刑事と私立探偵ジミーはナイトクラブ 〈グリーン・クカブラ〉 に疑惑の目を向ける。暴行事件や殺人事件が続発し、殺人犯と目される謎の男は密室の店内から消す。錯綜する事件の渦中に登場したベテラン俳優モンタギュー・ベルモアが真相に迫っていく。福森典子訳
(論創社 3456円)
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フランク・グルーバー 『おしゃべり時計の秘密』
〈論創海外ミステリ〉
ジョニーとサムが殺しの容疑をかけられた。災難続きの二人の運命やいかに。おしゃべり時計をめぐる謎に迷探偵が挑む。白須清美訳
(論創社2592円)[amazon]

小野俊太郎 『快読 ホームズの 『四つの署名』』
死体の傍らに遺された四人の記号をめぐる密度の濃い一作を解読して見えるものとは……。海外からの脅威に立ち向かう名探偵ホームズの推理と冒険。ともに 「症例=事件」 を扱うワトスンとの友情の試練。ホームズの悪癖から美食まで。「ホームズ物語」 のすべてが 『四つの書名』 には凝縮されている。目次
(小鳥遊書房 1944円)[amazon]

西山智則 『ゾンビの帝国 アナトミー・オブ・ザ・デッド
ハーン、グリフィス、ラヴクラフト、ヴードゥー教、フリークス、ロメロ・ゾンビ映画三部作、POV映画、スティーヴン・キングなどを、「適応」 「媒体」 「複製」 を鍵語にして、ゾンビがいかに 「世界的感染 (パンデミック)」 しているかを鮮やかに「解剖」するゾンビ文化論。目次
(小鳥遊書房 2052円)[amazon]

クライブ・カッスラー/ボイド・モリソン 『秘密結社の野望を阻止せよ 上・下
冒険小説の王者カッスラーの〈オレゴン・ファイル〉シリーズ最新刊。インドのアショカ王によって結成され、2000年にわたって世界の闇を支配してきた秘密組織 「九未知会」 の内部抗争と、スーパーコンピュータをめぐる争いに、ファン・カブリーヨ船長とオレゴン号の仲間たちが巻き込まれていく。伏見威蕃訳
(扶桑社ミステリー 各918円)[amazon]

吾妻隼人 (山中峯太郎) 『実歴奇談 真澄大尉』
「亜細亜の曙」などの少年向け軍事小説、戦後は「名探偵ホームズ全集」などの児童向け探偵小説の翻案で活躍した山中峯太郎が、「吾妻隼人」名義で、明治39年、大阪毎日新聞に連載した軍事探偵小説。新聞連載時の挿絵を全収録。平山雄一編。
盛林堂ミステリアス文庫 2500円)


▼5月刊

アイン・ランド 『アンセム』
集団・平等主義が極限まで推し進められた結果、「私(I)」 という概念が排除され 「われら(we)」 に置き換わってしまった遠い未来。主人公は自由を取り戻す闘いに立ち上がる。『肩をすくめるアトラス』 の著者によるディストピア短編小説。佐々木一郎訳
(Evolving 1404円)[amazon]

ウィリアム・ダルリンプル/アニタ・アナンド 『コ・イ・ヌール 美しきダイヤモンドの血塗られた物語

英国王室の王冠で光り輝く、コ・イ・ヌール (光の山) と呼ばれる巨大なダイヤモンド。ムガル王国皇帝やシク王国の君主など、様々な者の手を経て、英国王室が所有するに至ったその宝石は、富と力をもたらすと信じられたが、同時に数多くの悲劇や凄惨な出来事を惹き起こしてきた。ひとつのダイヤモンドを巡る歴史を鮮やかに描く、面白さ無類のノンフィクション。杉田七重訳
(東京創元社 2916円)[amazon]

ダシール・ハメット 『血の収穫 新訳版
ポイズンヴィルは鉱山会社社長が労働争議対策で集めたギャングたちに支配されていた。その浄化を望む男に呼ばれコンティネンタル探偵社の私が市に着いた途端、男は殺されてしまう。銃弾飛び交う抗争を利用しながら私は市の毒に挑む。巨匠ハメットの長編デビュー作を田口俊樹・新訳で。
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

ブライアン・ラムレイ 『ネクロスコープ 死霊見師ハリー・キーオウ 上・下
ソ連超常諜報戦術開発局のボリス・ドラゴサニと、英国の炭鉱町に生まれたハリー・キーオウ。前者は死体から情報や記憶を奪取する死骸検師(ネクロマンシー)として、後者は死者の魂と交流することでその能力を身に宿す死霊見師(ネクロスコープ)として才能を開化させてゆくが……1970年代、冷戦下の英ソ間で繰り広げられる霊的諜報戦を描く伝奇ホラー.。夏来健次訳
(創元推理文庫 各1296円)[amazon]

ネイサン・ファイラー 『ぼくを忘れないで』
統合失調症の青年が治療の一環として過去や現在を綴る手記の形を取った作品。子供時代に三つ年上のダウン症の兄サイモンが事故で死亡。自分のせいだという罪の意識から引きこもるうちに発病。彼にはいつも兄の声が聞こえ、兄の姿が見える。コスタ賞新人賞・コスタ賞大賞受賞作。古草秀子訳
(東京創元社 2808円)[amazon]

オウィディウス 『変身物語1』
帝政初期に活躍したローマ詩人が、「変身」 を主題に、叙事詩形式で歌った大作。多彩な変身譚が各話完結的な形で語られる。(全2冊) 高橋宏幸訳
(京都大学学術出版会 4212円)[amazon]

小田光雄 『古本屋散策』
蒐集した厖大な古書を読み込み、隣接する項目を縦横に交錯させ、近代出版史と近代文学史の広大な裾野を展望する。『日本古書通信』に17年間にわたり連載した200編を集成。目次
(論創社 5184円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園 戦前・戦中日記 上・下
昭和11年1月1日から 『東京燒盡』 につながる昭和19年10月末日まで、百閒47歳から55歳の日常の記録、未発表日記を初公刊。。今回、活字化される日記は文藝春秋の 「文藝手帳」 に書かれていたもので、発表用に推敲された作品ではない。百閒研究の間隙を埋める貴重な日記を生誕130周年記念出版として刊行。
(慶應義塾大学出版会 各4860円)[amazon]

山本周五郎 『五瓣の椿』
労咳に侵された父親の最期の日々、娘の懸命の願いも聞かず淫蕩な母親は若い役者と遊び惚けた。父親が死んだ夜、母親は娘に出生の秘密を明かす。そして、娘は羅刹と化した……。倒叙型のミステリー仕立てで法と人倫の境界を描く。
(新潮文庫 594円)[amazon]

マーク・グリーニー 『イスラム最終戦争 3・4
「死のカルト集団」イスラム国(IS)のテロがアメリカ全土で勃発。各地で軍人や政府職員らが次々と毒牙にかかる中、〈ザ・キャンパス〉工作員は、テロ攻撃の元となった機密情報源であるルーマニア人を突き止め……。田村源二訳
(新潮文庫 680円/637円)[amazon]

ハン・ガン 『回復する人間』
〈エクス・リブリス〉
大切な人の死、自らを襲う病魔など、絶望の深淵で立ちすくむ人びと……心を苛むような生きづらさに、光明を見出せるのか? 斎藤真理子訳
(白水社 2592円)[amazon]

坂田薫子 『怪物のトリセツ ドラキュラのロンドン、ハリー・ポッターのイギリス
『タイム・マシン』 『モロー博士の島』 『ジキル博士とハイド氏』 『ドラキュラ』 『洞窟の女王』 『血染めの部屋』 『ハリー・ポッター』……ゴシック小説やファンタジー小説に登場する怪物や魔物たちが、時代の社会的、文化的諸問題をどう映し出しているのかを考察する。目次
(音羽書房鶴見書店 3024円)[amazon]

安藤聡 『ファンタジーと英国文化 児童文学王国の名作をたどる
なぜ英国はファンタジー王国なのか? 英国の文化的、風土的背景から名作をたどる。『チャーリーとチョコレート工場』 『思い出のマーニー』 から 『ハウルの動く城』 『ハリー・ポッター』 まで。
(彩流社 3024円)[amazon]

《ユリイカ》 6月臨時増刊 総特集=書店の未来
書店に見る活字文化の未来とは? これから私たちは、本と出逢いを、社会の中にどうつくってゆけばいいのか? 本の出版、流通、販売の課題と展望について、書店の立場から再検証する。内容
(青土社 1620円)[amazon]

ジェフ・ヴァンダミア 『ワンダーブック 図解 奇想小説創作全書
SF、ファンタジー、ホラーなど、〈想像力あふれる〉 小説を書くために必要な知識が一冊に凝縮。遊び心と実用性を併せ持った小説執筆の総合ガイド。朝賀雅子訳
(フィルムアート社 3888円)[amazon]

サランタ・シュウェブリン 『七つのからっぽな家』
家庭や日常に潜む狂気をえぐりだす 「家」 をめぐる7つの短篇。国際ブッカー賞最終候補、ラテンアメリカ新世代の旗手の代表作。見田悠子訳
(河出書房新社 2160円)[amazon]

ハーラン・エリスン 『愛なんてセックスの書き間違い』
〈未来の文学〉
カリスマSF作家エリスンはSF以外の小説も凄い!初期の非SF作品を精選、日本オリジナル編集・全篇初訳でおくる、暴力とセックスと愛とジャズと狂気と孤独と快楽にあふれたエリスン・ワンダーランド、全11篇。若島正・渡辺佐智江訳。収録内容
(国書刊行会 予価2592円)[amazon]

《ミステリマガジン》 7月号
特集=クイーン再入門
 内容
(早川書房 1296円)[amazon]

ポール・アルテ 『金の時計』
1911年の冬、山荘で起きた「雪の密室」殺人。1991年の初夏、劇作家アンドレは子供の頃見たサスペンス映画を探していた……。金の懐中時計、磔刑像、そして“存在しない戯曲”『黄衣の王』――魅惑的な小道具を通じて、80年の時を隔てた「過去」と「現在」が奇妙に呼応する、アルテ・ミステリの新境地。名探偵オーウェン・バーンズシリーズ。平岡敦訳
行舟文化 1728円)[amazon]

紫金陳 『知能犯之罠』
「十五人の局長を殺し、足りなければ課長も殺す」――死体の傍らに残された予告状。警察幹部が殺害され、拳銃が奪われる大事件。誇大妄想的な衝動犯の犯行とみなされたが、やがて犯人は警察の弱点を熟知し、周到な計画を練り上げていたことが明らかになる。そして予告通り第二、第三の殺人が……。「官僚謀殺」 シリーズ第一弾。阿井幸作訳
行舟文化 1998円)[amazon]

『ショーン・タンの世界』
ちひろ美術館で開催される 《ショーン・タンの世界 どこへでもないどこかへ》 展(5/11~7/28) の図録。
(求龍堂 2700円)[amazon]

レスリー・フィードラー 『フリークス 秘められた自己の神話とイメージ 新装版
おぞましいと排除され、珍奇として見せ物に供され、翻ってまた、聖なる存在と崇められたフリークス。文学・美術はもとより、心理学や人文諸科学のさまざまな領域に影の主役の如く君臨するフリークス。その顕現と隠蔽の構造を解きほぐす。フリークスとは本当は誰なのか? 20世紀文化の核心に肉薄する。20世紀表象文化論の金字塔。伊藤俊治・旦敬介・大場正明訳
(青土社 4104円)[amazon]

『図説 ヴィクトリア朝の女性と暮らし ワーキング・クラスの人びと川端有子
隠されていたワーキング・クラスの女子、女性の暮らしの実態を明かす。教育、住居、食物、衣服、娯楽。英国文化の独自性の謎に迫る。
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジョン・メトカーフ 『死者の饗宴』
〈ドーキー・アーカイヴ〉
20世紀英国怪奇文学における幻の鬼才、知られざる異能の物語作家、ジョン・メトカーフ。不安と恐怖と眩暈と狂気に彩られた怪異談・幽霊物語・超自然小説の傑作を集成する本邦初の短篇集。横山茂雄・北川依子訳 【収録内容】 悪夢のジャック/煙をあげる脚/悪い土地/永代保有/時限信管/ブレナーの息子/ふたりの提督/死者の饗宴
(国書刊行会 2808円)[amazon]

サミュエル・ベケット 『モロイ』
20世紀最大の作家による20世紀文学の到達点。最新の研究成果を反映した新訳。フランス語からの個人訳第1弾。宇野邦一訳
(河出書房新社 3132円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 関東』
アマンジャク、真間の手児名、佐倉宗吾、金太郎、児が淵、武蔵野の逃水など。伝説の意外な宝庫。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

アンソニー・ホロヴィッツ 『007 逆襲のトリガー』
ゴールドフィンガー事件の後、ボンドはロケット開発に対するソ連の妨害行為を察知。スメルシュと接触する韓国人実業家シンに目をつけ、美女ジェパディと共に調査を開始する。『カササギ殺人事件』 著者が描く、フレミング財団公認のジェームズ・ボンド。駒月雅子訳
(角川文庫 1123円)[amazoon]

ニール・ゲイマン/テリー・プラチェット 『グッド・オーメンズ 上・下
黙示録に記された世紀末を実現すべく、悪魔が、この世を滅ぼすことになる赤ん坊を外交官の一家に生まれた赤ん坊とすりかえた。しかし数年後様子を見に行くと、赤ん坊がいない!? 人類の命運やいかに?  抱腹絶倒のスラプスティック・ハルマゲドン・ストーリー。金原瑞人・石田文子訳
(角川文庫 各994円)[amazon]

フェリックス・レガメ 『明治日本写生紀行』
開国直後の日本を2度訪れたフランスの画家レガメは、異郷で目にするすべてを描きとめた。誕生したばかりの帝国議会、富裕層と庶民の学校、市川團十郎の歌舞伎の舞台裏。明治の人と風景を克明に描く図版245点。ジャポニスムに火を付けた画家の知られざる全貌、日仏交流史における意義に迫る解説を収録。林久美子訳
(角川ソフィア文庫 1080円)[amazon]

金田一京助・荒木田家寿 『アイヌ童話集』
自然や神(カムイ)と自由闊達に交流してきたアイヌの人々。彼らの間に伝わる様々な童話・説話には、アイヌ世界の豊穣が存分に描かれている。はじめてアイヌ文学に触れる人でも親しみやすいお話16編を集めた、珠玉の童話集。
(角川ソフィア文庫 1037円)[amazoon]

里中高志 『栗本薫と中島梓 世界最長の物語を書いた人
栗本薫と中島梓、二つの名前を持ち、作家・評論家・演出家・音楽家など、才能を自在に操り多くの人たちに感動を与える稀有な存在でありながら、ついに自身の心理的葛藤による苦悩から逃れることはできなかった人。その生涯を関係者への取材と著作から検証する。
(早川書房 2052円)[amazon]

桜庭一樹 『小説という毒を浴びる 桜庭一樹書評集
読書は本当に自由なもの。思いっきり誤読したっていい。少女小説からミステリ、古典から現代のベストセラーまで、本に溺れる愉しさ。約15年分の書評を通して、桜庭一樹の人となりが見えてくる。著者初の書評集。
(集英社 1728円)[amazon]

岡本綺堂 『玉藻の前』
「殺生石伝説」 を下敷きに、時代は平安朝。妖狐に憑かれ国を惑わす美女になった娘と、幼なじみの若き陰陽師、権力に憑かれた殿上人や怪僧らが活躍する。岡本綺堂の稀少な長編小説で、「婦人公論」 に連載された。付録として同じく妖狐が登場する短篇 「狐武者」 を収載。
(中公文庫 950円)[amazon]

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 『ファウスト 悲劇第一部
あらゆる知的探究も内心の欲求を満たさないことに絶望したファウストは、悪魔メフィストフェレスと魂をかけた契約を結ぶ。不朽の大作を格調高い名訳で贈る。手塚富雄訳
(中公文庫 1512円)[amazon]
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ 『ファウスト 悲劇第二部
グレートヒェンを悲運のどん底に落とし心身ともに疲れきったファウストは、しかし 「最高の生き方をめざして絶えず努力をつづけよう」 と決意する。巨匠ゲーテがその80年の生涯をかけて、言葉の深長な象徴力を駆使しつつ自然と人生の深奥に迫った名作。手塚富雄訳
(中公文庫 1728円)[amazon]

ユーディト・W・タシュラー 『国語教師』
16年ぶりに偶然再会した元恋人たちは、かつてのように物語を創作して披露し合う。作家クサヴァーは祖父をモデルにした一代記を語った。国語教師マティルダは若い男を軟禁する女の話を語った。しかしこの戯れが、あの暗い過去の事件へと二人をいざなってゆく。物語に魅了された彼らの人生を問う、フリードリヒ・グラウザー賞受賞作。浅井晶子訳
(集英社 2160円)[amazon]

マリー・ンディアイ 『三人の逞しい女』
弁護士のノラは、長年会っていなかったアフリカ系の父のもとに帰郷するが、最愛の弟の姿が見えず……。アフリカからヨーロッパに渡ろうとするカディ・デンパは、数々の苦難に……。芥川賞作家・小野正嗣の翻訳で贈るフランス文学の極北。ゴンクール賞受賞作。
(早川書房 3132円)[amazon]

『伊藤典夫翻訳SF傑作選 最初の接触高橋良平編
SF評論家の第一人者高橋良平が、黄金時代の1950年代を中心に、ラインスター、ウィンダムなど宇宙テーマの幻の名品7篇を厳選。
(ハヤカワ文庫SF 1166円)[amazon]

ケン・リュウ 『母の記憶に』
不治の病を宣告された母が娘のため選んだ行動をつづる表題作など、第2短篇集の単行本版『母の記憶に』から9篇を収録した短篇集。
(ハヤカワ文庫SF 778円)[amazon]

マルティン・エスターダール 『スターリンの息子 上・下
消えた恋人、出自の謎。ロシアへ飛んだマックスを待ち受けるのは、巨万の富と権力でソ連の復活をもくろむ元スパイの陰謀だった。鵜田良江訳
(ハヤカワ文庫NV 各1145円)[amazon]

エイモア・トールズ 『モスクワの伯爵』
ロシア革命後、ホテル軟禁の刑に処された伯爵。絶望に沈む彼を待っていたのは、曲者ぞろいの従業員と客だった。全米140万部突破。宇佐川晶子訳
(早川書房 3888円)[amazon]

『定本 夢野久作全集』 第6巻
多彩な活動の全貌を集大成した決定版全集。第6巻は童話 「白髪小僧」 「オシヤベリ姫」 「豚吉とヒヨロ子」 ほかを収録。収録内容
(国書刊行会 10,260円)[amazon]

藤井光 『21世紀×アメリカ小説×翻訳演習』
現代アメリカ文学を中心に、文芸翻訳の基礎から応用まで、多様な訳文候補との対話という形で解説。現在の文芸翻訳のさまざまな側面を垣間見つつ、優秀訳文と著者の訳文例を提示する参考書。
(研究社 2376円)[amazon]

『昭和少年SF大図鑑 昭和20~40年代僕らの未来予想図 堀江あき子編
宇宙旅行、空を飛ぶ高速車、超高層ビル群。雑誌に描かれた未来予想図を中心に、昭和の少年少女たちが胸躍らせた世界を再現。新装版
(河出書房新社 1836円)[amazon]

新井素子 『星から来た船
「星へ行く船」 シリーズ番外編が新装&完全版で登場。“おまけ”の書き下ろしと新あとがきも併録。
(出版芸術社1404円)[amazon]

シルヴァン・ヌーヴェル 『巨神降臨 上・下
人類の滅亡を賭けた戦いから9年。地球から消えたテーミス、そして6000年前にロボットを地球に遺した謎の種族の正体は……。『巨神計画』 三部作完結。佐田千織訳
(創元SF文庫 各1080円)[amazon]

ロバート・リーチ 『「パンチ&ジュディ」 のイギリス文化史』
350年の歴史をもつ英国人形劇 「パンチ&ジュディ」。単純で暴力的な内容にもかかわらず人々に愛され続ける、その魅力に迫る。岩田託子訳。目次
(昭和堂 3780円)[amazon]

ヴァージニア・ウルフ 『女性にとっての職業 エッセイ集 新装版
女性の知性・余暇から婦人協同組合まで、ドロシー・オズボーン、メアリ・ウルストンクラフトからブロンテ姉妹、オリーヴ・シュライナー、キャサリン・マンスフィールドへ。「語るべき自己」をもった女性たちを対象にした26篇のエッセイを集成し、ものを書く女たちの内面と歴史を照射した貴重な一冊。出淵敬子・川本静子訳。目次
(みすず書房 3456円)[amazon]

ダニエル・シルヴァ 『赤の女 上・下
亡命したロシア人工作員の暗殺事件。黒幕はイスラエル諜報機関か、英国MI6か――全米ベストセラーのスパイスリラー。山本やよい訳
(ハーパーBOOKS 各960円)[amazon]

スーザン・ハーラン 『文学の中の家 『自分だけの部屋』を装飾する方法
『高慢と偏見』 『嵐が丘』 『ドラキュラ』 『マクベス』 『緋色の研究』 『赤毛のアン』 『白鯨』 『ライオンと魔女』 『スイスのロビンソン』……名作文学の中の登場人物が自らの住まいをブラックユーモアたっぷりに紹介する、「読むお屋敷訪問」。富原まさ江訳
(エクスナレッジ 1944円)[amazon]

北原尚彦 『ホームズ連盟の冒険』
シャーロック・ホームズ最大のライバル、犯罪王モリアーティはなぜ生まれたか!? 相棒ワトスンの夫人が、実兄マイクロフト・ホームズが、あの脇役たちが魅せる名探偵もビックリの名推理。夢のミステリー・ファイル第2集。
(祥伝社文庫 713円)[amazon]

ドリス・マイルズ・ディズニー 『ずれた銃声』
〈論創海外ミステリ〉
退役軍人会の葬儀に集まった参列者の目前で突如倒れた老婆。死因は心臓発作だったが、背中から銃痕が発見された。誰が老婆を殺したのか? 州検事局刑事ジム・オニールが事件に挑む。友田葉子訳
(論創社 2592円)[amazon]

メアリー・スチュアート 『銀の墓碑銘』
〈論創海外ミステリ〉
ギリシャを旅行中の英国女性が出会った男は、第2次大戦中に当地で殺された兄の死の真相を探っていた。フランシスアイルズ (バークリー)が現代スリラーの傑作と評した作品(1960)の初邦訳。木村浩美訳
(論創社 3240円)[amazon]

ジョージ・ラミング 『私の肌の砦のなかで』
〈叢書・エクリチュールの冒険〉
時は第二次大戦中。少年の成長、そして旅立ちが、動乱に揺れるカリブ海の島バルバドスの命運と重なる。彼はなぜ土地から離れなければならなかったのか。生まれた場所から移動することで初めて知ることとは。ポストコロニアル思想の原点にしてカリブ文学の古典的傑作。吉田裕訳
(月曜社 4104円)[amazon]

鶴ヶ谷真一 『記憶の箱船 または読書の変容
書物の出現に始まる 「読書」 という営為と「記憶」という精神の働きの間にはどのような歴史が刻まれてきたのだろうか──西欧の古代・中世、そして日本は江戸・明治を中心に、書物のかたちの変遷 (特に西欧中世における「索引」の誕生に注目) と、それに伴う読書のかたちの変容 (音読から黙読へ) を「 記憶」 を縦糸とした文化史として跡づける試み。
(白水社 3024円)[amazon]

アレクサンドル・デュマ 『千霊一霊物語』
狩猟のために某所に集まった人々が、奇妙ななりゆきで凄惨な殺人の現場検証に立ち会うことになったのを機に、一人ずつ自分の体験した恐怖譚を披露していく。 生首、亡霊、吸血鬼の話まで、稀代の物語作家の本領が発揮される連作短篇集。前山悠訳
(光文社古典新訳文庫 1102円)[amazon]

シドニー=ガブリエル・コレット 『シェリ』
五十を目前に美貌の衰えを自覚する高級娼婦のレア。恋人である25歳の美しい青年シェリの唐突な結婚話に驚き、表向きは祝福しつつも、心穏やかではいられない......。香り立つ恋愛の空気感と細やかな心理描写で綴る、コレットの最高傑作。河野万里子訳
(光文社古典新訳文庫 886円)[amazon]

プラトン 『パイドン』
師であるソクラテス最期の日、獄中に集まった弟子たちと 「魂の不滅」 について対話するプラトン中期の代表作。魂が真実に触れるのを妨げる肉体的な快楽や苦痛からの解放が 「死」 であり、魂そのものになること=死は善いことだと説く。納富信留訳
(光文社古典新訳文庫 994円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの醜態』
見知らぬ部屋で目覚めた作家が発見したバラバラ死体。トリッキーな密室殺人の謎を描く「だらしない男の密室」ほか、犯罪者の狂気に迫る「〈革服の男〉が多過ぎる」など全3編を収録。初文庫化。
(光文社文庫 950円)[amazon]

『森下雨村 小酒井不木 ミステリー・レガシー』 ミステリー文学資料館編
『新青年』 初代編集長・森下雨村と、その雨村の慫慂で探偵小説界へ足を踏み入れた小酒井不木の長短編を収録。
(光文社文庫 972円)[amazon]

ウンベルト・エコ 『現代「液状化社会」を俯瞰する』
情報にあふれ、迷走状態にある現代社会の諸問題について、国際政治・哲学・通俗文化の面から展覧する。イタリア週刊誌上で2000年から2015年にかけて連載された名物コラムの精選集。狂気の知者U・エコ最後のメッセージ。谷口伊兵衛/ジョバンニ・ピアッザ訳
(而立書房 2592円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『暗黒星』
(春陽堂文庫 1048円)[amazon]
『大暗室』
(春陽堂文庫 1048円)[amazon]

残雪 『カッコウが鳴くあの一瞬』
「彼」を探して彷徨う女の心象風景を超現実的な手法で描いた表題作。毎夜、部屋に飛び込んできて乱暴狼藉をはたらく老婆の目的とは・・・「刺繡靴および袁四ばあさんの煩悩」 ほか、夢の不思議さを綴る夜の語り手、残雪の初期短篇9篇を収録。付録として、訳者による作家論「残雪―夜の語り手」を併録。 近藤直子訳
(白水Uブックス 1728円)[amazon]

ショーン・タン 『セミ』
セミが人間と一緒に会社で働いている。誰からも認めらず昇進もせず、それでも17年間コツコツと……。 静かで過激な問題作。岸本佐知子訳
(河出書房新社 1944円)[amazon]

ジャック・フットレル 『思考機械 完全版 第1巻』
アメリカにおけるホームズのライヴァルたちを代表する名探偵、「思考機械」 ことオーガスタス・S・F・X・ヴァン・ドゥーゼン教授の事件簿、50篇を全2巻に完全収録。本邦初訳16篇、単行本初収録6篇。 初出紙誌の挿絵120点超。著者生前の単行本未収録作品はすべて初出紙誌から翻訳。 初出と単行本の異動も詳細に記録。平山雄一訳
(作品社 7344円)[amazon]

隠岐由紀子 『ギュスターヴ・モロー 世紀末パリの神秘と幻想
19世紀末のパリで神秘と幻想の絵画世界を紡いだ象徴主義の画家ギュスターヴ・モロー。モロー自身が作品に対して残した言葉を引用しながら珠玉の作品の数々を紹介し、その生涯と芸術をひもとく。気高い美の世界へといざなう、オールカラー決定版作品集。
(東京美術 2700円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選4 ラテン中世の興隆2』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の文庫化(全7巻)。本巻は続ラテン中世の興隆、サン=ヴィクトルのフーゴーほか。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

レオナルド・パドゥーラ 『犬を愛した男』
〈フィクションのエル・ドラード〉
1977年のハバナ、獣医学雑誌の校正の仕事に身をやつす物書きのイバンは、二頭のボルゾイ犬を連れて浜辺を散歩する不思議な男と出会う。犬の話題で親密になった二人だが、やがて男は彼だけが知る 〈トロツキー暗殺の真相〉 を打ち明けはじめる。イデオロギーの欺瞞とユートピア革命が打ち砕かれる歴史=物語を力強い筆致で描く、現代キューバ文学の金字塔。寺尾隆吉訳
(水声社 4320円)[honto]

リン・トラス 『図書館司書と不死の猫』
愛妻を亡くし、ケンブリッジの図書館を定年退職したばかりのわたしのもとへ、ある日一通の奇妙なメールが届く。添付されたフォルダにはなんと、人間の言葉をあやつる猫が語る血も凍るような半生がおさめられていた……。ミステリ、ホラー、文学への愛とユーモアがたっぷり詰めこまれた不思議でブラックな物語。玉木亨訳
(東京創元社 2160円)[amazon]

ロバート・クレイス 『指名手配』
私立探偵エルヴィス・コールは、仲間と窃盗を繰り返しているらしい息子タイソンのことを調査して欲しいという母親からの依頼を受ける。警察に捕まる前に逃亡中のタイソンを確保して自首させたい母親。だが、コールの先回りをするかのように、何者かが少年の仲間を殺していた。そしてタイソンの身にも危険が……。『容疑者』 『約束』 に続く第3弾。高橋恭美子訳
(創元推理文庫 1469円)[amazon]

アンリ・ベルクソン 『物質と記憶』
フランスを代表する哲学者ベルクソンの主著の一つ 『物質と記憶』 (1896) は、すでに7種もの日本語訳が存在する。そのすべてを凌駕するべく、第一級の研究者が新たに訳出した本書は、簡にして要を得た 「訳者解説」 とあわせ、日本語でベルクソン哲学の真髄を伝える、文字どおりの 「決定版」。今後、本書を手にせずしてベルクソンは語れない。杉山直樹訳
(講談社学術文庫 1436円)[amazon]

クリストファー・R・ブラウニング 『増補 普通の人びと ホロコーストと第101警察予備大隊
ごく平凡な市民が無抵抗なユダヤ人を並べ立たせ、ひたすら銃殺する――なぜ彼らは八万人もの大虐殺に荷担したのか。その実態と心理に迫る戦慄の書。谷喬夫訳
(ちくま学芸文庫 1728円)[amazon]

アミン・マアルーフ 『アイデンティティが人を殺す』
アイデンティティにはひとつの帰属だけでよいのか? 人を殺人にまで駆り立てる発想を作家は告発する。大反響を巻き起こしたエッセイ、遂に邦訳。小野正嗣訳
(ちくま学芸文庫 1188円)[amazon]

ヤーコプ・ブルクハルト 『イタリア・ルネサンスの文化 上・下
中央集権化がすすみ緻密に構成されていく国家あってこそ、イタリア・ルネサンスは可能となった。ブルクハルト若き日の着想に発した畢生の大著。新井精一訳
(ちくま学芸文庫 1620円)[amazon]

『悪魔にもらった眼鏡 世界文学の小宇宙1 欧米・ロシア編亀山郁夫・野谷文昭編
6つの言語で書かれた12の物語……。亀山郁夫(ロシア文学)と野谷文昭(スペイン語圏文学)による悦楽の文学館。W・コリンズ、H・ジェイムズ、ザヴァッティーニの初訳を初め、ヴィリエ・ドゥ・リラダン、チェーホフ、リルケ、K・ショパン、メリメ、ベッケル、P・ジョンソン、ドーデ、ビリニャークの名作群。登場するのは、人間・動物・悪魔・女神・妖精……?
(名古屋外国語大学出版会 2160円)[amazon]

村上春樹・柴田元幸 『本当の翻訳の話をしよう』
文芸誌 『MONKEY』 を主な舞台に重ねられた、小説と翻訳をめぐる対話が一冊に。目次
(スイッチパブリッシング 1944円)[amazon]

千野帽子 『物語は人生を救うのか』
人生はままならないもの。それを引き受けるには人は弱い生きものだ。困難を乗り越えるためには物語が必要だ。それは私たちを救ってくれるのだろうか?
(ちくまプリマ―新書 907円)[amazon]

ソフィー・エナフ 『パリ警視庁迷宮捜査班』
停職処分が明けたばかりのパリ警視庁警視正アンヌは、新結成される捜査班の班長になった。しかし、集められたのは警視庁の落ちこぼれ、曲者ばかり。一癖も二癖もあるメンバーとともに、アンヌは20年前のフェリー沈没と二件の未解決殺人事件の不可解な謎を追う。山本知子・川口明百美訳
(ハヤカワ・ミステリ 1944円)[amazon]

《Re-ClaM》 Vol.2
〈特集=論創海外ミステリ〉 論創海外ミステリ編集部ロングインタビュー/Re-ClaM編集部がオススメする論創海外ミステリ20冊/Queen's Quorum Quest/Letter from M.K./海外ミステリ最新事情/他
(Re-ClaM編集部 1200円) 取扱=盛林堂

モーリス・ルヴェル 『遺恨 ルヴェル新発見傑作集』
「噓」「窓」「生還者」「鐘楼番」「遺恨」「恐れ」など、単行本未収録短篇11篇を収録。中川潤訳
(エニグマティカ叢書)取扱=盛林堂

《『新青年』 趣味》 19号
特集=翻訳・翻案 浜尾四郎 内容
(新青年研究会 2000円) 取扱=盛林堂

デニス・ジョンソン 『海の乙女の惜しみなさ』
〈エクス・リブリス〉
2017年に没した鬼才が死の直前に脱稿した、『ジーザス・サン』に続く26年ぶりの第二短篇集。「老い」と「死」の匂いが漂う遺作。藤井光訳
(白水社 2592円)[amazon]

小栗虫太郎 『法水麟太郎全短篇』
日本探偵小説界の鬼才・小栗虫太郎が生んだ、『黒死館殺人事件』で活躍する名探偵・法水麟太郎。老住職の奇怪な死の謎を鮮やかに解決する初登場作 「後光殺人事件」 はじめ全短編を収録。日下三蔵編
(河出文庫 1188円)[amazon]

ジョージ・R・R・マーティン 『ナイトフライヤー』
異種生命と接触すべく旅を続ける宇宙船 〈ナイトフライヤー〉 を描く表題作、ヒューゴー賞受賞作 「ライアへの賛歌」 他、全6篇収録。酒井昭伸訳
(ハヤカワ文庫SF 1361円)[amazon]


▼4月刊

E・C・R・ロラック 『殺されたのは誰だ』
公園で物思いにふけっていたブルース・マレーグは、暗闇の中を誰かがやってくる足音を耳にする。鈍い音がした後、駆け付けるとそこには死体が。被害者の男は誰か? ロバート・マクドナルド警部は捜査に乗り出すが……。松本真一訳。Murder by Matchlight (1945)
(風詠社 1296円)[amazon]

パウル・ザルトーリ 『鐘の本 ヨーロッパの音と祈りの民俗誌
中世以来、つねに鐘の音とともにあった日常の一齣一齣、その具体的な実像から、鐘鋳造をめぐる奇蹟譚、「悪魔と鐘」、沈鐘伝説などの民間伝承にいたるまで、〈古き良きヨーロッパ〉の象徴ともいうべき〈鐘〉文化の諸相を描き、阿部謹也も高く評価した、ドイツ民俗学の古典的名著。第一次大戦後の大規模な民俗調査の成果であり、技術史・社会史・文化史的に貴重な証言を満載。図版多数。吉田孝夫訳
(八坂書房 3456円)[amazon]

トマス・モリス 『爆発する歯、鼻から尿』
「心臓に巣食った“蛇"」 「水銀タバコ」 「ワイン浣腸」 「頭にナイフを打ち込んで自殺を図った男」 「心臓を鷲づかみにする手術」――現代からすれば目を疑うような不可思議な症例、風変り&あやしげな治療法、奇跡の生還、乱暴きわまりない手術などなど、17~19世紀の医学文献から 「発掘」 された、すべて実話、選りすぐりの61エピソード。日野栄仁訳
(柏書房 2376円)[amazon]

『イメージ学の現在 ヴァールブルクから神経系イメージ学へ 坂本泰宏・田中純・竹峰義和編
ドイツ語圏を中心にイメージをめぐる現象の研究に新しい次元を開拓しているイメージ学の現在を研究者たちの論考によって一望し、比較美術史から写真・アニメーション研究、メディア論にいたる日本の論者たちの成果を集成する。目次
(東京大学出版会 9072円)[amazon]

トルクァート・タッソ 『詩作論』
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉
詩人タッソが 『エルサレム解放』 の創作に取り組みながら、最高の英雄詩のための題材、構成、修辞技法とは何かを追究して書いた著作の一つ。アリストテレス 『詩学』 が示す原則と、当時大流行していた騎士物語の奔放な作風の間で、最良の手法を探り明晰に論じる。村瀬有司訳
(水声社 3240円)[honto]

ダンセイニ卿 『ペガーナ・コレクション第1巻 ロマンス  ダンセイニ卿未収載短篇集
『ペガーナの神々』で知られるアイルランド幻想文学の巨匠ダンセイニは、トールキンやブラッドベリ、ラブクラフトなどに大きな影響を与えた。 この多作な作家の幻とも言われた幻想味溢れる初期作品を含む短編集未収載作品40 作を収録。稲垣博訳
盛林堂ミステリアス文庫 2300円) 文学フリマ東京

渡辺啓助単行本未収録作品集 『悪魔館案内記』
【収録作品】 昆虫王子/幽霊我と共に/悪魔館案内記/アズテカ医学/盲目男爵/妖婦の抱く脚/死の舞踏/幽霊ホテル一泊/夢遊病者/アパート密室事件/鏡の中の殺人/裸体操がお好き/浴槽の美女/帰って来たのはだれか/怪奇の壺/歌うアリバイ/天使の靴 ※善渡爾宗衛編
(東都我刊我書房 4000円)※取扱=盛林堂

山下泰平 『「舞姫」 の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』
「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」 の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森鷗外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響を明らかにする。目次
(柏書房 1944円)[amazon]

マーク・サリヴァン 『緋い空の下で 上・下
第二次世界大戦中、ユダヤ人の亡命を助けていた少年ピノは、ドイツ軍に徴兵される。その後、イタリアのためスパイ活動をするが……。霜月桂訳
(扶桑社ミステリー 各1058円)[amazon]

レベッカ・ソルニット 『迷うことについて』
わたしたちはいつだって迷っている。夜明け前が一番暗いと知っているけど、その暗さに耐えられるときばかりじゃない。失われたもの、時間、そして人びと。個人史と世界史の両方に分け入りながら、迷いと痛みの深みのなかに光を見つける心揺さぶる哲学的エッセイ。東辻賢治郎訳
(左右社 2592円)[amazon]

岡本かの子 『美少年 岡本かの子 アムール幻想傑作集
妖艶耽美な作風で知られる岡本かの子は、戦争の影が忍び寄る昭和10年前後の文壇にあって異端の存在だった。華麗な豪奢さと豊饒で積極的な愛を湛えた名作の数々。長山靖生編
(彩流社 予価2592円)[amazon]

マーク・グリーニー 『イスラム最終戦争 1・2
機密漏洩を示唆する不可解な事件が続発。サイバー空間に蠢く謎の〈情報提供者〉の正体は? 〈ザ・キャンパス〉工作員は機密情報が北朝鮮当局者に渡るのを阻止するため、ジャカルタに向かう。田村源二訳
(新潮文庫 637円/680円)[amazon]

《SFマガジン》 6月号
追悼・横田順彌 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

ソロモン・ヴォルコフ 『20世紀ロシア文化全史』
トルストイからソルジェニーツィンまで、文学、音楽、美術、演劇、映画、バレエの綺羅星のようなスター芸術家の肖像を、時の権力者との関係をふまえて物語性豊かに描いた初の通史。今村朗訳
(河出書房新社 5940円)[amazon]

《怪と幽》 vol.001
すべてのお化け好きに贈る、エンターテインメント・マガジンがここに誕生。妖怪マガジン「怪」と怪談専門誌「幽」が劇的に合体し、ここに新雑誌「怪と幽」が誕生する。待望の新連載「遠巷説百物語」をはじめ、豪華執筆陣による強力連載が目白押し。
(KADOKAWA 1944円)[amazon]

エミール・ギメ 『明治日本散策 東京・日光』
明治9年、来日したフランスの実業家ギメ。憧れの地を人力車で駆け巡り、近代日本の目覚めを体感するとともに、消えゆく江戸の面影に愛惜を募らせてゆく。茶屋娘との心の交流、浅草や不忍池に伝わる奇譚、料亭の宴、博学な僧侶との出会い、そして謎の絵師・河鍋暁斎との対面。のちに東洋学の拠点となる美術館の創始者が軽妙な筆致で綴った紀行を新訳。同行画家レガメの挿画を収録。 岡村嘉子訳
(角川ソフィア文庫 1210円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 芸と道』
日本の芸事は琵琶法師や世阿弥や説経節から始まった。そこから踊りも役者も落語も浪曲も派生した。それぞれの道を極めた芸道名人たちの「間」が却来する一冊。
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

アナイス・ニン 『炎へのはしご』
家庭をすてた自責の念にかられるリリアン、その前に現れる生き生きとしたジューナ、そして破滅的なサビーナ、ヘレン。ヘンリー・ミラーをモデルにした画家ジェイを間にお互いに響きあい、共感の愛を見出し自己を探求していく女性たち。モダニズムのパリを舞台に描く愛の遍歴。三宅あき子訳
(水声社 2700円)[honto]

キャロリン・パーネル 『見ることは信じることではない 啓蒙主義の驚くべき感覚世界
いわゆる「長い18世紀」(1630~1830年)、ヨーロッパでは世界中から新たな食材、香辛料や香料・顔料が持ち込まれ、さまざまな新技術・新理論が誕生した。著作家、芸術家、哲学者、医師、そして市井の人々までもが、新たな感覚刺激とその可能性に魅了され、精神と肉体の関係について議論した。盲人の地位向上、おならを芳香にする薬、珍奇な肉料理の流行……啓蒙主義の時代、人々は身体感覚を通じて世界をどう捉えなおしたか。藤井千絵訳
(白水社 3672円)[amazon]

スチュアート・ダイベック 『路地裏の子供たち』
『シカゴ育ち』『僕はマゼランと旅した』の作家による第一短篇集。少年の日々を追想して、心に残る11篇。日本の読者へ特別寄稿を付す。 柴田元幸訳
(白水社 3024円)[amazon]

ジークムント・フロイト 『新訳 夢判断』
〈新潮モダン・クラシックス〉
今夜、眠るのが愉しみになる! 夢とは望みを叶え、「本当の自分」 が潜む場所。精神科医による大胆な編訳と注釈で歴史的名著が蘇る。大平健編訳
(新潮社 2700円)[amazon]

『世界推理短編傑作集5』 江戸川乱歩編
珠玉の推理短編を年代順に集成した 『世界短編傑作集』 を全面リニューアル。最終第5巻にはアリンガム 「ボーダーライン事件」、ベントリー 「好打」、コリアー 「クリスマスに帰る」、アイリッシュ 「爪」、パトリック 「ある殺人者の肖像」、ヘクト 「十五人の殺人者たち」、ブラウン 「危険な連中」、スタウト 「証拠のかわりに」 他を収録。
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

ヘニング・マンケル 『イタリアン・シューズ』
ひとり島に住む元医師フレドリックのもとに、40年前に捨てた恋人ハリエットがやってくる。不治の病に冒された彼女は、星空のもと森の中に広がる美しい湖に連れていくという昔の約束を果たすよう求めに来たのだ。かつての恋人の願いをかなえるべく、フレドリックは島をあとにするが……。孤独な男の希望と再生の物語。柳沢由実子訳
(東京創元社 2052円)[amazon]

エラリー・クイーン 『Xの悲劇 新訳版
引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件に捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から唯一の犯人Xを指し示すレーンの名推理。バーナビー・ロス名義 〈レーン四部作〉 の開幕を飾る傑作。中村有希訳
(創元推理文庫 1037円)[amazon]

柳下毅一郎 『皆殺し映画通信 お命戴きます』
ありあまる映画愛が忿怒となってほとばしる、2018年の邦画を悶絶毒舌レビュー。
(カンゼン 1836円)[amazon]

F・スコット・フィッツジェラルド 『美しく呪われた人たち』
デビュー作 『楽園のこちら側』 と名作 『グレート・ギャツビー』 の間に書かれた第2作、本邦初訳。長い欧州旅行から戻ったアンソニーは大学時代の友人から従妹グロリアを紹介され、結婚する。二人は郊外に移り住みパーティに明け暮れるが……“狂騒の20年代”、刹那的に生きる 「失われた世代」 を描いた傑作。上岡伸雄訳
(作品社 3456円)[amazon]

井辻朱美 『ファンタジーを読む 『指輪物語』、『ハリーポッター』、そしてネオ・ファンタジーへ
『指輪物語』 『ゲド戦記』 『はてしない物語』 『ハリー・ポッター』、あるいは荻原規子や小野不由美らのライトノベル、はたまた現代短歌まで、現実そのものがファンタジーじみてきたいまなお私たちを惹いてやまないファンタジーの魅力の秘密。百冊を超えるファンタジーを翻訳し、自身も小説家・歌人として携わってきた著者が贈る、21世紀のこれからのためのファンタジー読本。
(青土社 2160円)[amazon]

平野甲賀 『平野甲賀100作 Kindle版』
独特な描き文字を駆使した平野甲賀の装丁は、数十年にわたり出版界を牽引してきた。手がけた装丁は7000冊。平野甲賀が毎日写経のように、すでに出版された装丁やかつての演劇・コンサートのポスター・チラシに描いた文字に向かい、いまいちど自ら手を加え、和紙に刷り出した作品の集積。
(ボイジャー 1620円)[amazon]

アンリ・シャリエール 『パピヨン 上・下
無実の殺人罪で仏領ギアナ徒刑所の無期懲役囚となったやくざ者パピヨン。自由への執念を燃やし脱獄を試みる彼の過酷な運命とは。全世界に衝撃を与え未曾有の大ベストセラーとなった伝説的自伝。再映画化(6月公開)。平井啓之訳
(河出文庫 各1404円)[amazon]

ビアンカ・ベロヴァー 『湖』
まだ、いけにえが足りないんだよ――湖から戻らなくなった祖父。そして少年ナミは母を探し旅立つ。気鋭のチェコ女性作家が描く現代の黙示。マグネジア・リテラ賞、EU文学賞受賞。阿部賢一訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

レティシア・コロンバニ 『三つ編み』
三大陸の三人の女性。かけ離れた境遇に生きる彼女たちに共通するのは、女性が押しつけられる困難と差別に立ち向かっていること。ある者は娘の教育のため、ある者は仲間の生活のため、ある者は自身の夢のために理不尽と闘う。絶大な共感と感動を集めた話題作。齋藤可津子訳
(早川書房 1728円)[amazon]

アンドリュー・メイン 『生物探偵セオ 森の捕食者』
教え子の殺害は本当に熊によるものなのか?生物情報学者のクレイは偽装を見破り、背後にいる恐るべき殺人鬼の存在に迫るが……。唐木田みゆき訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1015円)[amazon]

トッド・メラー 『麻薬王の弁護士』
道徳的には罪だが、法的にはぎりぎり、そして報酬は巨大。悪党を顧客に当局相手の司法取引を仲介する、極限の綱渡りの行く末は? 真崎義博訳
(ハヤカワ文庫NV 1685円)[amazon]

円堂都司昭 『ディストピア・フィクション論 悪夢の現実と対峙する想像力
超管理社会、核戦争、巨大災害、社会分断、ポスト真実……理想 (ユートピア) とは真逆の悪夢 (ディストピア) に接近する現実を前に、創作は何ができるのか? 古典から話題作まで全方位読解。
(作品社 2808円)[amazon]

ジョナサン・フランゼン 『ピュリティ』
24歳のピップは、学生ローンを抱え、仕事もぱっとせず、恋愛も失敗ばかり。彼女はひょんなことから、あるNGO組織のインターンシップに参加することになるが、それは名前も素性も知らない父への道につながっていた。全米図書賞作家による波瀾万丈な成長譚。岩瀬徳子訳
(早川書房 4536円)[amazon]

クリスティーナ・ダルチャー 『声の物語』
近未来アメリカ、すべての女性は一日100語以上喋ることを禁じられた。その中で怒りを抱えながら夫と子供たちと暮らす認知言語学者のジーンの生活に、ある日転機が訪れる。声を、愛を、創造を奪われた女たちを描く、いまこの時代に読むべきディストピア物語。市田泉訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2052円)[amazon]

文学ムック たべるのがおそい》 vol.7
〈特集=ジュヴナイル 秘密の子供たち〉
岩井俊二/銀林みのる/櫻木みわ/飛浩隆/西崎憲/松永美穂/小山田浩子/高山羽根子/柳原孝敦/チョン・ミョングァン(吉良佳奈江訳)/ハイミート・フォン・ドーデラー(垂野創一郎訳)他。西崎憲=編集
(書肆侃侃房 1404円)[amazon]

V・S・ナイポール 『ミゲル・ストリート』
「名前のないモノ」 ばかり作る大工、「世界でいちばんすばらしい詩」 を書いている詩人……ストリートに生きる面々の十七の物語は風変わりで、ちょっと切ない。ノーベル賞作家ナイポールの実質的なデビュー作。小沢自然・小野正嗣訳
(岩波文庫 994円)[amazon]

ゴットフリート・ライプニッツ 『モナドロジー 他二篇
哲学・物理学・論理学・神学を横断する17世紀の知の巨人ライプニッツ。「モナド」という単純実体を基礎に、予定調和の原理、可能世界と最善世界、物体の有機的構造、神と精神の関係まで広範な領域を扱う。関連論文も併収。新訳。谷川多佳子・岡部英男訳
(岩波文庫 842円)[amazon]

『多賀新作品集 鉛筆画の軌跡
江戸川乱歩文庫のカバー装画でお馴染みの銅版画家・多賀新の作品集。幻想的・猟奇的な世界が大判のページ一面に展開する。収録作品250点余。
(春陽堂書店 5940円)[amazon]

リー・チャイルド 『ミッドナイト・ライン 上・下
陸軍士官学校の厳しい訓練をくぐりぬけた者のみに授与される、貴重な卒業記念リングが古道具屋で売られていた。後輩になにがあったのか。ジャック・リーチャーが持ち主を探しはじめると――全世界が熱狂する人気シリーズ、最新作。青木創訳
(講談社文庫 1037円/1015円)[amazon]

松田隆美 『チョーサー 『カンタベリー物語』 ジャンルをめぐる冒険
〈世界を読み解く一冊の本〉
英文学の礎を築いた 「英詩の父」 ジェフリー・チョーサー。多種多様なジャンルを革新的に問い直し、物語文学の枠組みを拡張した、中世を代表する傑作のダイナミズムを描く。
(慶應義塾大学出版会 2592円)[amazon]

伊藤慎吾・中村正明 『〈生ける屍〉の表象文化論 死霊・骸骨・ゾンビ
日本では骸骨が墓場で酒宴を開く情景が古くから描かれてきた。また蘇生・転生で新たな人生を迎えたり、さらに死後、鬼と化すこともあるとも信じられてきた。本書では死霊がどのように描かれてきたかを通史的に示し、日本人の死生観を文化的創造の歴史的側面から照射する。
(青土社 2592円)[amazon]

マルキ・ド・サド 『閨房の哲学』
少女ウージェニー、サン・タンジュ夫人、ドルマンセの三人を中心に進められる物語は、会話や議論を行うシーンとその実践としての乱交のシーンが交互に繰り広げられ、その展開の中から独自の反革命思想が立ち上がってくる。サド入門に絶好の一冊。秋吉良人訳
(講談社学術文庫 1361円)[amazon]

ジャック・ラカン 『アンコール』
「フロイトへの回帰」 を唱えて精神分析の中興の祖となった偉大なる分析家にして思想家ジャック・ラカン。1953年から最晩年まで行われたセミネールの中でも最も名高く、最も重視されてきたのが1972-73年度の 『アンコール』 である。「愛」 という主題を据え、精神分析を新たな領域に飛躍させる後期ラカンの真髄とは? 待望の全訳。藤田博史・片山文保訳
(講談社メチエ 2106円)[amazon]

新章文子 『名も知らぬ夫』
〈昭和ミステリールネサンス〉
母とつましく暮らす市子のもとに、25年前に音信を断った従兄の圭吉が訪ねてきた。ほどなくふたりは結ばれるが、日を追って男の正体が明らかになり……。表題作など、繊細な心理描写が光るサスペンス全8編を収録。山前譲編
(光文社文庫 950円)[amazon]

泡坂妻夫 『泡坂妻夫引退公演 絡繰篇』
緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。生前の単行本未収録の短編小説などを二分冊で文庫化。絡繰篇は、江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、紋章上絵師たちのシリーズなど17編。新保博久編
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

泡坂妻夫 『泡坂妻夫引退公演 手妻篇』
手妻篇は、ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる 「酔象秘曲」ほか、マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、住人が次々と死んだマンションの一室で交霊会を行い、真実を暴く戯曲 「交霊会の夜」 など13編を収録。新保博久編
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

アリソン・マクラウド 『すべての愛しい幽霊たち』
心臓移植の手術中に学者はどんな夢を見たのか。ダイアナ妃に憧れた少女が語るプリンセスの一生とは。聖戦に参加することになったイスラム教徒の青年たちは観光地で何を思うのか。芸術家の老女が家にいる幽霊たちへ向ける想いとは。驚きと寂しさ、愛おしさに満ちた12編。髙山祥子訳
(東京創元社 2376円)[amazon]

ソフィア・サマター 『翼ある歴史 図書館島異聞
帝国オロンドリアを二分した大乱。その只中を生きた四人の女性たち――剣の乙女、遊牧民の歌い手、〈石〉 の女司祭、王家の娘が、歴史から葬られた物語を自らの声で語り始める。世界幻想文学大賞など四冠 『図書館島』 作者の “物語ることについての物語”。市田泉訳
(東京創元社 3132円)[amazon]

ロビン・スローン 『ロイスと歌うパン種』
IT企業の激務で疲れはてたロイスを救ったのは、近所の宅配レストランのパンとスープ。親しくなった店主から餞別にもらった不思議なパン種でパンを焼きはじめた彼女は、思いもよらぬ体験を次々することに!? サンフランシスコを舞台に描く、奇想天外なフード・エンタテインメント。島村浩子訳
(東京創元社 1944円)[amazon]

《ミステリーズ!》 vol.94
小林泰三 『ティンカー・ベル殺し』 連載スタート。朝井リョウ×米澤穂信・対談 「創作と自分」、文庫創刊60周年記念お祝いコメント、シーラッハ最新作品集 『刑罰』 より先行掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

アレクサンドル・プーシキン 『大尉の娘』
ロシア帝政時代に実際にあった農民の乱、プガチョーフの乱を題材に、青年貴族の恋と冒険を描いたプーシキン晩年の傑作。実直な大尉と控えめで聡明な娘、素朴で忠実な老従僕が主人公の将校グリニョーフの危機を救う。歴史小説かつ家族の物語。坂庭淳史訳
(光文社古典新訳文庫 994円)[amazon]

レーモン・ラディゲ 『ドルジェル伯の舞踏会』
青年貴族フランソワは社交界の花形ドルジェル伯爵夫妻に気に入られ、彼らと頻繁に過ごすようになる。気さくだが軽薄な伯爵と、そんな夫を敬愛する貞淑な妻マオ。フランソワはマオへの恋慕を抑えきれず……。社交界を舞台に三角関係の心理を、天才ラディゲが流麗な筆致で描いた恋愛心理小説の傑作。渋谷豊訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

ジャン・グルニエ 『孤島』
「島」とは孤独な人間の謂。透徹した精神のもと、話者の綴る思念と経験が啓示を放つ。カミュが本書との出会いを回想した序文を付す。井上究一郎訳
(ちくま学芸文庫 1296円)[amazon]

『アメリカ人の見たゴジラ、日本人の見たゴジラ』 池田淑子編
戦争の記憶が生々しい1954年に日本で生まれた核怪獣 「ゴジラ」 は、わずか2年で海を渡り、米国に上陸した。しかしその受け止め方の違いは、日米を相互に見直すツールともなる。半世紀以上ゴジラが愛される理由に、日米の6人の研究者が挑む。目次
(大阪大学出版会 2160円)[amazon]

J・S・フレッチャー 『楽園事件 森下雨村翻訳セレクション
〈論創海外ミステリ〉
作家・翻訳家・編集者として日本探偵小説界隆盛の礎を築いた森下雨村の翻訳セレクション。J・S・フレッチャーの代表作 「ダイヤモンド」 「楽園事件」 を収録。
(論創社 3456円)[amazon]

コリン・ウィルスン 『必須の疑念』
〈論創海外ミステリ〉
ニーチェ、ヒトラー、ハイデガー。哲学と政治が絡み合う熱い議論、深まる疑念。哲学教授と、かつての教え子との政治的立ち場を巡る相剋。元教え子は殺人鬼か否か? 井伊順彦訳
(論創社 3456円)[amazon]

ヘロン・カーヴィック 『ミス・シートンは事件を描く』
仕事を辞め田舎暮らしを始めたミス・シートン。目下の悩みは、頼まれた少女の肖像画が何度描き直しても不吉な雰囲気になること。一方、ロンドンでは子供ばかりを狙う事件が発生、捜査に行き詰まった警察はミス・シートンの力を借りることに。しかし村では彼女が逮捕されたと噂に……。 山本やよい訳
(原書房/コージーブックス 950円)[amazon]

メアリー・マッカーシー 『あるカトリック少女の追想』
〈須賀敦子の本棚〉
ベストセラー小説『グループ』著者の痛快回想記。いじめぬかれた子ども時代や12歳で信仰を捨てた少女時代を辛辣なウィットと温かなユーモアで描き出す、小説を読むようにおもしろい傑作。若島正訳
(河出書房新社 2592円)[amazon]

岡本綺堂 『初稿 半七捕物帳 六十九話集 弐/江戸の探偵名話 半七聞書帳』
『半七聞書帳』 『半七聞書帳 後編』 より、「三河万歳」 神田の吉五郎、「槍突き」 三河町の七兵衛、「人形使ひ」 上総屋次郎吉、「張子の虎」 伊豆屋の弥平、「甘酒売」 本所の伊兵衛、「小女郎狐」 常盤屋長次郎、「旅絵師」 御庭番 間宮鉄二郎、「熊の死骸」 神田の吉五郎、「松茸」 下谷の林蔵、「鷹匠」 三河町の半七――のちに半七捕物帳に改稿・収斂される手柄話を、半七が話を聞くというオリジナルの 『半七聞書帳』 版で収録。エッセー「半七捕物帳の思ひ出」 を併録。限定100部
(東都我刊我書房 6000円)※取扱=盛林堂

泡坂妻夫 『毒薬の輪舞』
夢遊病者、拒食症、狂信者、潔癖症、誰も見たことがない特別室の患者――怪しすぎる人物ばかりの精神病院で続発する毒物混入事件でついに犠牲者が……病人を装って潜入した海方と小湊が難解な事件に挑む。
(河出文庫 961円)[amazon]

フリードリヒ・ニーチェ 『偶像の黄昏』
ニーチェの最後の著作が流麗で明晰な新訳でよみがえる。近代の偶像を破壊しながら、その思考を決算したニーチェ哲学の究極的な到達であると同時に自身によるニーチェ入門でもある名著。村井則夫訳
(河出文庫 864円)[amazon]

ヨアブ・ブルーム 『偶然仕掛け人』
指令に基づき、偶然の出来事が自然に引き起こされるよう暗躍する秘密の存在、「偶然仕掛け人」。新米仕掛け人のガイはに日々業務をこなしていたが、ある日何とも困惑する指令が届く……。もしもあの時の出会いが偶然じゃなかったら?  もしも誰かが自分の人生を操っていたとしたら?  そんな「もしも」を物語にした作品。高里ひろ訳
(集英社 2268円)[amazon]

陳浩基 『ディオゲネス変奏曲』
雨の大学教室で、学生たちにまぎれこんだ謎の人物 「X」を探す推理合戦のスリリングな顛末を描いた 「見えないX」、台湾推理作家協会賞最終候補となった手に汗握るサスペンス 「藍を見つめる藍」 など17の傑作ミステリ短篇を収録。陳浩基デビュー10周年記念作品。稲村文吾訳
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

S・J・モーデン 『火星無期懲役』
終身刑と引き換えに火星上の施設建設を命じられたフランクら7名の男女だが、次々に仲間が命を落としていく! ノンストップSF。金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 1296円)[amazon]

椿實 『メーゾン・ベルビウ地帯 椿實初期作品
この世ならぬ夢を追うと笑う者こそ、おろかであろう。地獄の影をみた者のみが、珠玉の夢を見得るのだ――華麗奔放な文学世界と、反時代的な絢爛たるレトリック。日本幻想文学史に燦然と輝く 『椿實全作品』 (1982年刊) を改題、大幅増補のうえ復刊。内容
(幻戯書房 5400円)[amazon]

北野佐久子 『イギリスのお菓子とごちそう アガサ・クリスティーの食卓
ポアロ、マープルなどアガサ・クリスティー作品に登場するお菓子からイギリスの文化、食事情、暮らしが見えてくる。クリスティーのキッチン、愛用の食器、食卓、グリーンウェイ屋敷など貴重な写真を多数掲載。お菓子のレシピ付き。〔婦人画報社 『アガサ・クリスティーの食卓』 (1998)を加筆改題〕
(二見書房 1944円)[amazon]


▼3月刊

ジム・トンプスン 『脱落者』
テキサスの西、ビッグ・サンド(大きな砂地)の町。原油採掘権をめぐる陰謀と死の連鎖、未亡人と保安官補のもうひとつの顔――。田村義進訳
(文遊社 2700円)[amazon]

東雅夫編 『死 文豪ノ怪談ジュニア・セレクション
内田百閒、林芙美子、宮沢賢治……文豪がのこした怪談を分かりやすく編集した読み物シリーズ、第二期最終巻。総ルビ、丁寧な註釈つき。日本を代表する文豪が死と正面から向き合って生み出した、珠玉の作品を収録。作画担当=玉川麻衣。収録内容
(汐文社 1944円)[amazon]

スコット・B・スミス 『シンプル・プラン』
ある雪の日の夕方、ハンクは兄とその友人と共に町外れの道を車で走行中、小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。そこには440万 ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。三人はその金を保管し、自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた、その時からハンクの悪夢が始まった……。近藤純夫訳
(扶桑社文庫 950円)[amazon]

フィリップ・ソレルス 『本当の小説 回想録
ポンジュ、モーリヤック、アラゴン、バタイユ、ラカン、バルト――現代フランス文壇の大御所フィリップ・ソレルスが綴る回想録。女たちとの放蕩、前衛文学生活、「テル・ケル」の創刊、68年5月、毛沢東主義者から法王主義者へ……文学と政治の季節がいま甦る。三ツ堀広一郎訳
(水声社 3240円)[honto]

ロバート・カークマン 『ウォーキング・デッド10』
想像を絶する〈囁く者〉の反撃。反旗を翻す〈救世者たち〉。リックは、ついにネガンの手をも借りる事態に陥る。風前の灯火となったアレクサンドリア。やがておとずれる堪えがたい悲劇—— それでも彼らは生き続ける……。風間賢二訳
(ヴィレッジブックス 4536円)[amazon]

エマヌエル・ベルクマン 『トリック』
ナチ政権下を生き抜いた老マジシャンと、魔法を信じるナイーブな少年。プラハからLAへ。二つの物語に愛の魔法が奇跡を引き起こす。 浅井晶子訳
(新潮クレスト・ブックス 2700円)[amazon]

山本周五郎 『寝ぼけ署長』
5年の在任中、署でも官舎でもぐうぐう寝てばかり。罪を憎んで人を憎まずを信条とする“寝ぼけ署長”こと五道三省が、「中央銀行三十万円紛失事件」 「海南氏恐喝事件」など10件の難事件を、痛快奇抜で人情味あふれる方法で解決する。山本周五郎唯一の探偵小説 (《新青年》 連載)。
(新潮文庫 680円)[amazon]

ルイス・セプルベダ 『カモメに飛ぶことを教えた猫 改版
黒猫のゾルバが、ひん死のカモメに誓った三つの約束。その約束をまもるには、大いなる知恵と、なかまたちの協力が必要だった……。河野万里子訳
(白水Uブックス 972円)[amazon]

ジョヴァンニ・ボテロ 『都市盛衰原因論』
〈イタリアルネサンス文学・哲学コレクション〉
都市の繁栄=人口増大の要因を地理的条件と政治政策の中に探りながら、軍事征服ではなく他国との経済活動によって繁栄する新たな貿易〈帝国〉の像を示し、後のスペインやイギリス等の海洋帝国の出現をも予言した知られざる傑作。石黒盛久訳
(水声社 3240円)[honto]

ウィリアム・マルクス 『文学との訣別 近代文学はいかにして死んだのか
18世紀、「崇高の美学」 に後押しされ文学は栄光まで昇りつめた。しかし19世紀末、文学に 「別れ」 を告げた三人の作家 (ランボー、ヴァレリー、ホフマンスタール) が現れ、20世紀には自閉状態に落ち込んだ文学は影響力を失っていく。この3世紀の間に文学に何が起こったのか。文学と世界との関係が切り替わる転回点をたどり、大胆に文学史を読み換える。
(水声社 4104円)[honto]

岡谷公二 『郵便配達夫シュヴァルの理想宮』
しがない郵便配達夫シュヴァルは、たった一人で33年という歳月をかけて、自らの宮殿を現実のものとした。その驚くべき生涯。
(河出書房新社 2592円)[amazon]

川本三郎 『東京は遠かった 改めて読む松本清張
中央と地方、貧困、格差社会、戦争の影… 現代日本の危機を予見していた清張作品のリアリティとは? 松本清張案内の決定版。
(毎日新聞出版 1944円)[amazon]

《ミステリマガジン》 5月号
特集=シャーロック・ホームズ・アカデミー 目次
(早川書房 1296円)[amazon]

大阪圭吉 『マレーの虎 大阪圭吉単行本未収録作品集2
【収録内容】 隆鼻術/マレーの虎(未発表作品)/青春停車場/アラスカ狐/夜明けの甲板/明るい街/エッセイ・ハガキ回答・アンケート 8編/戦時下のスケッチブック 大阪圭吉小論(芦辺拓)/あとがきにかえて(小野純一)
(盛林堂ミステリアス文庫 1500円)

東雅夫編 『厠 文豪ノ怪談ジュニア・セレクション
大坪砂男、吉行淳之介、谷崎潤一郎、松谷みよ子……。文豪がのこした怪談を分かりやすく編集した読み物シリーズ。総ルビ、丁寧な註釈つき。『厠』の巻では、便所、トイレにまつわる、文化の香り高き傑作を収録。画=ハダタカヒト。収録内容
(汐文社 1944円)[amazon]

ダン・ブラウン 『オリジン 上・中・下
スペインのビルバオ、マドリード、バルセロナを舞台に、ラングドンの前に最強の敵が立ちはだかる。鍵を握るのは、人類最大の謎“我々はどこから来たのか、どこへ行くのか”――。越前敏弥訳
(角川文庫 各778円)[amazon]

江戸川乱歩 『鏡地獄』
少年時代から、鏡やレンズ、ガラスに異常な嗜好を持ち、それが高じてついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男がたどる運命は……表題作ほか、 「人間椅子」 「人でなしの恋」 「芋虫」 「白昼夢」 「踊る一寸法師」 「パノラマ島奇談」 「陰獣」 の全8篇。怪奇・幻想ものの傑作を収録。編/解説=日下三蔵
(角川文庫 821円)[amazon]

ジョゼフ・ゾベル 『黒人小屋通り』
カリブ海に浮かぶフランス領マルチニック島。農園で働く祖母のもとにあずけられた少年は、仲間たちや大人たちに囲まれ、貧しいながらも天真爛漫な少年時代を過ごす。『マルチニックの少年』 として映画化され、半世紀以上にわたって読み継がれる現代の古典、本邦初訳。松井裕史訳
(作品社 2808円)[amazon]

カール・ホフマン 『人喰い ロックフェラー失踪事件
1961年、大財閥の御曹司マイケル・ロックフェラーが、首狩り族の棲む熱帯の地ニューギニアで消息を絶った。全米を揺るがした未解決事件の真相に迫り、人類最大のタブーに挑む衝撃のノンフィクション。著者は、首狩り族と噂されるアスマットの人々を取材し、彼らの文化を内側から理解しようとする。「人喰い」(カニバリズム)とは一体何なのか。マイケルはなぜ殺され、喰われたのか。他者とのコミュニケーションや異文化理解の本質を鋭く問う。古屋美登里訳
(亜紀書房 2700円)[amazon]

『夜ふけに読みたい 不思議なイギリスのおとぎ話』 吉澤康子・和爾桃子編訳
「ジャックと豆の木」「三匹の子豚」など、日本でもおなじみのおとぎ話を外国文学の翻訳で定評のある二人が新たに編集・翻訳。大人も子どもも声に出して読み楽しめる一冊。アーサー・ラッカム挿絵
(平凡社 2052円)[amazon]

ロベルト・テッロージ 『イタリアン・セオリーの現在 批判的試論
イタリア現代哲学の起原をフランス現代思想との連続性とイタリア固有の知的伝統(政治哲学)とに探りその全体的な布置を描く。自身もイタリア現代思想の鬼才である著者による力作書下ろし。柱本元彦訳
(平凡社 4536円)[amazon]

ルイス・キャロル/高山宏・建石修志新訳 不思議の国のアリス 鏡の国のアリス』
建石修志が描く永遠の少女アリス。日本のアリス学の頂点に立つ、絵の極み・建石修志/文の極み・高山宏による夢のコラボレーション。カラー挿絵80点。
(青土社 3888円)[amazon]

郝景芳 『郝景芳短篇集』
〈エクス・リブリス〉
ヒューゴー賞受賞の 『北京、折りたたみの都市』 ほか、社会格差や高齢化、医療問題など、中国社会の様々な問題を反映した、中国SF作家初の短篇集。全7篇。及川茜訳
(白水社 2592円)[amazon]

荻原魚雷 『古書古書話』
本の数だけ世界は広がる。人を知り、人生は深まる。均一台も希覯本もおまかせ。古本処世の達人が読み歩くしあわせな読書エッセイ。「小説すばる」 連載を単行本化。目次
(本の雑誌社 2376円)[amazon]

デイヴィッド・ピース 『Xと云う患者 龍之介幻想
半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。黒原敏行訳
(文藝春秋 2592円)[amazon]

『カート・ヴォネガット全短篇4 明日も明日もその明日も
数多の人々に愛された作家、カート・ヴォネガット。彼がその84年の生涯で著した全短篇を、8つのテーマに分類し全4巻に集成。第4巻には、「ふるまい」 「リンカーン高校音楽科ヘルムホルツ主任教諭」 「未来派」 テーマの28篇を収録。
(早川書房 3240円)[amazon]

エイドリアン・マッキンティ 『アイル・ビー・ゴーン』
脱獄犯の行方を追う刑事ショーン・ダフィ。捜査の過程で彼が遭遇したのは、未解決の密室殺人事件だった。好評シリーズ第三弾。武藤陽生訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1274円)[amazon]

グレッグ・イーガン 『ビット・プレイヤー』
重力が変化した世界で目覚めた主人公を待っていたものを描く表題作など6篇収録、ハードSFの雄イーガンの日本オリジナル短篇集。山岸真訳
(ハヤカワ文庫SF 1123円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記 Ⅲ』
一日ぢゆう雨が降つたり止んだりしてはつきりせざれども小屋にゐる時と違ひ困る事無き也――。新居に電気が引かれ、何年振りかで家の風呂に入る。還暦の内祝に九晩に分けて客を招く。昭和23年6月1日~24年12月31日まで。全三巻完結。〈巻末エッセイ〉 中村武志・平山三郎
(中公文庫 1080円)[amazon]

『子どもたちの見たロシア革命 亡命ロシアの子どもたちの文集大平陽一・新井美智代編訳
1920年代前半、亡命ロシア人の子弟が通うギムナジウムで、ロシア革命後の体験をテーマにした作文が生徒たちに課された。内戦期の混乱に巻き込まれ、肉親との別離や飢えを経験し、難民同然の身で異境の地への亡命を余儀なくされた子どもたちは、その過酷な体験をどのように語っているのか。
(松籟社 2808円)[amazon]

泉鏡花/中川学(画) 『榲桲(まるめろ)に目鼻がつく話』
僧侶でもある画家中川学が満を持して挑戦した鏡花作品。少年少女読者の心に鏡花小説の真髄でもある闇の魅力とその神秘性を刻みこむ。
(河出書房新社 2484円)[amazon]

スチュアート・ケルズ 『図書館巡礼 「限りなき知の館」 への招待
知の集積所としての図書館は、生と死、渇望と喪失といったあらゆる人間ドラマの舞台でもある。アレクサンドリア図書館からボドリアン図書館まで、古今の偉大な図書館の魅力を語り、文献の保守・保存・獲得に心血を注いだ 「愛書家」 たちのエピソードを活写する。小松佳代子訳
(早川書房 2700円)[amazon]

エレナ・フェッランテ 『逃れる者と留まる者 ナポリの物語
婚家を出たリラは、工場で働きながらコンピューターを学ぶ。一方エレナは、学生時代からの恋人と結婚して子供を設けるが、しだいに夫との溝を感じるようになる。そんな折、彼女は初恋の相手と再会し……米HBOドラマ化の世界的話題作、急展開の第三巻。飯田亮介訳
(早川書房 2808円)[amazon]

藤沢衛彦 『日本の伝説 中部・東海』
シリーズ〈日本の伝説〉第5弾。羽衣伝説、姨捨、諏訪の七不思議、八面鬼、猿神退治、一休話など全56話。富士、信州美濃飛騨と伝説の宝庫。
(河出書房新社 2268円)[amazon]

有栖川有栖(文)/磯田和一(絵) 『有栖川有栖の密室大図鑑』
本格ミステリの魅力的な要素のひとつ、密室トリック。1892年~1998年に発表された魅惑的な密室が登場する作品を有栖川有栖がセレクトし、磯田和一の詳細なイラストとともに贈るブックガイド。“世界最初の長編密室ミステリ”といわれるザングウィル 『ビッグ・ボウの殺人』 をはじめ全41作を紹介。密室ミステリ・ファン必携の書。
(創元推理文庫 864円)[amazon]

A・A・ミルン 『赤い館の秘密 新訳版
夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で銃声が轟いた。死んだのは15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄。発見時の状況からマークに疑いがかかるが、当のマークは行方知れず。現場に居合わせた青年ギリンガムは、友人をワトスン役に事件を調べ始める。『クマのプーさん』 の作家ミルンによる長編探偵小説。山田順子・新訳
(創元推理文庫 1015円)[amazon]

ビクトル・デル・アルボル 『終焉の日』
1980年のバルセロナ。弁護士のマリアは、政治捜査局の警部が情報屋を制裁した殺人未遂事件で、警部を終身刑へ追い込み名声を得た。だが数年後、その事件が何者かの陰謀によって仕組まれていたと判明する。マリアは再調査をはじめ、自らの血の桎梏と体制側の恐るべき策略を知る。宮﨑真紀訳
(創元推理文庫 1512円)[amazon]

エリー・アレグザンダー 『ビール職人の醸造と推理』
ビールで有名な小さな町で、ブルワリーを夫とその両親と切り盛りしていたわたし。浮気が発覚した夫を追い出し、町に新しくオープンするブルワリーで働くことにするが、開店の翌朝、店で死体が発見される。越智睦訳
(創元推理文庫 1188円)[amazon]

ピーター・ワッツ 『巨星 ピーター・ワッツ傑作選
恒星を巡る想像を絶する生態の生命体との邂逅を描くヒューゴー賞受賞中編 「島」、シャーリイ・ジャクスン賞受賞の驚愕の一人称短編 「遊星からの物体Xの回想」、戦争犯罪低減のため実験的に“意識”を与えられた軍用ドローンの進化の果てを描く 「天使」など、傑作11編を厳選。嶋田洋一訳
(創元SF文庫 1296円)[amazon]

泉斜汀 『人買船 泉斜汀探偵小説選集
泉鏡花の実弟、泉斜汀(1880-1933)の作品集。編纂・解説=杉山淳
(東都 我刊我書房 7000円) 取扱=盛林堂

『20世紀ラテンアメリカ短篇選』 野谷文昭編訳

ヨーロッパの前衛、熱帯の自然、土着の魔術と神話が渾然一体となって蠱惑的な夢を紡ぎだす大地ラテンアメリカ。ガルシア=マルケス、バルガス=リョサなどはもちろん、アストゥリアス、パスなどの先行世代、アジェンデ、アレナスなどのポスト・ブームの作家まで、20世紀後半に世界的ブームを巻き起こした南米文学の佳篇16篇。収録内容
(岩波文庫 1102円)[amazon]

ジョン・ラスキン 『ヴェネツィアの石』
18世紀末、ヴェネツィア共和国はナポレオン軍の侵攻により消滅した。翌世紀半ば、この地を訪問したラスキンによる、興隆期ビザンティンから絶頂期ゴシック、衰退期ルネサンスにいたるまで精緻かつ雄大に綴られた 「水の都」 の建築史。ターナー、ラファエル前派を擁護し、ウィリアム・モリスやアーツ&クラフツ運動に影響を与えたラスキンの主著――その全体像を知るに最適のヴァージョン、ここに成る。 井上義夫編訳
(みすず書房 6480円)[amazon]

『江戸川乱歩新世紀 越境する探偵小説 石川巧・落合教幸・金子明雄・川崎賢子編
江戸川乱歩は欧米においても大衆文化やモダニズムとの関連で再評価がなされつつある。また乱歩の旧蔵資料、草稿・ノート・メモ等の自筆資料はほぼ完全なかたちで保存されており公開への期待も高い。そうした状況を踏まえ、世界文学としての乱歩を再考するとともに、旧蔵資料、自筆資料を広く活用したテキストの読み直しを行う。目次
(ひつじ書房 3240円)[amazon]

ケイト・クイン 『戦場のアリス』
1947年、戦争中に行方不明になったいとこを探すシャーリーは、ロンドンのある住宅を訪ね、酔いどれの中年女と出会う。その女、イヴは元スパイで、第一次大戦時に容姿と度胸を買われ、ドイツ占領下のフランスへ潜入する。そこでは凄腕のスパイ “アリス” が情報源を統括していた。語られる壮絶な真実とは? 実話に基づく歴史ミステリー。加藤洋子訳
(ハーパーBOOKS 1300円)[amazon]

B・A・パリス 『正しい恋人』
1カ月後にプロポーズを計画していたぼくの前から忽然と姿を消したレイラ。行方不明のまま死亡認定され、12年後、ようやく今の恋人との婚約を決めたその矢先、レイラが肌身離さず持っていたのと同じ人形が家の前で見つかった。そして差出し人不明の不可解なメールが……。富永和子訳
(ハーパーBOOKS 980円)[amazon]

梅澤礼 『囚人と狂気 一九世紀フランスの監獄・文学・社会
1843年、フランス議会に提出された監獄法案は、少年と老人を除く全囚人を独房に収監するものだった。囚人の社会復帰をめざす理想の監獄とその挫折をめぐって、新聞や学術論文、議事録、回想録や文学作品に表れた論争的言説を掘り起こし、独房で精神を病んだ囚人が 〈非理性〉 や植民地へと追放されてゆく過程をたどる。犯罪と近代文学成立をめぐる表象文化研究。目次
(法政大学出版局 5832円)[amazon]

白石雅彦 『「怪奇大作戦」 の挑戦』
1968年9月15日、円谷プロの新シリーズ 「怪奇大作戦」 放送開始。怪獣も宇宙人も登場しない新路線に戸惑っていたのは、視聴者だけでなく、金城哲夫をはじめとするスタッフも同様だった――。テレビ史に残る名特撮ドラマの制作背景を追う本格ノンフィクション。
(双葉社 1944円)[amazon]

丸善ジュンク堂限定復刊
種村季弘編 『日本怪談集 奇妙な場所 (河出文庫)[honto]
種村季弘編 『日本怪談集 取り憑く霊 (河出文庫)[honto]
中野美代子・武田雅哉編 『中国怪談集』 (河出文庫)[honto]
由良君美編 『イギリス怪談集』 (河出文庫)[honto]


イアン・バンクス 『蜂工場』
スコットランド北東の海岸の孤立した家、無口な父と一緒に暮らす16歳のフランク、その異常行動のうらに隠された秘密、「工場」 との繋がりとはなにか ? 刊行当時、欧米メディアを炎上させ、イギリスの音楽にも影響を与えることになった、奇怪なダーク・ゴシック・ミステリーの超問題作、新訳刊行。野村芳夫訳
(Pヴァイン 2160円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの最低の帰還』
遠く離れた塔から放たれた矢が密室の男に命中した!? パンク刑事復活作 「誰が駒鳥を殺そうが」 をはじめ、断崖絶壁の一本道で消えた子供達の謎 「教祖と七人の女房と七袋の中の猫」 など、全5編を収録。初文庫化。
(光文社文庫 予価972円)[amazon]

《本の雑誌》 4月号
特集=昭和ミステリー秘宝館 内容
(本の雑誌社 720円)[amazon]

キャロル・オコンネル 『ゴーストライター』
劇場で客席最前列の男が、暗闇のなか喉を掻き切られて死んでいた。男は上演中の芝居の元脚本家。駆けつけたマロリーとライカーは捜査を開始するが、劇場の関係者は全員が変人ぞろい。おまけに、ゴーストライターなる人物が、日々勝手に脚本を書き換えているという。氷の天使マロリーが、舞台の深い闇に切り込む。務台夏子訳
(創元推理文庫 1598円)[amazon]

ショーニン・マグワイア 『砂糖の空から落ちてきた少女』
異世界で冒険をしたのち戻ってきたものの、現実に適応できない子供たち。そんな子供たちに救いの手をさしのべる“エリノア・ウェストの迷える青少年のための学校”の池に、空から少女が降ってきた……。ファンタジーの醍醐味を凝縮した三部作完結。原島文世訳
(創元推理文庫 972円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選3 ラテン中世の興隆』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の 『中世思想原典集成』 文庫化(全7巻)。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

アリストテレス 『詩学』
ギリシャ悲劇や叙事詩を分析し、「ストーリーの創作」 として詩作について論じた西洋における芸術論の古典中の古典。時代と場所を超え、今も芸術論や美学、文学、演劇、映画などにかかわる多くの人々に刺激を与え続ける偉大な書物。三浦洋訳
(光文社古典新訳文庫 1231円)[amazon]

アンドレ・ジッド 『ソヴィエト旅行紀』
多くの知識人たちが理想郷と考えたソヴィエト社会主義共和国。だが実際その地を訪れたジッドが見たものは……。虚栄を暴き失望を綴った本篇、およびその後の痛烈な批判に真摯に答える「修正」を含む、文学者の誠実さと意志に満ちた紀行文。國分俊宏訳
(光文社古典新訳文庫 1188円)[amazon]

山尾悠子 『歪み真珠』
「歪み真珠」すなわちバロックの名に似つかわしい絢爛で緻密、洗練を極めた圧倒的なイメージを放つ15編を収めた作品集。
(ちくま文庫 821円)[amazon]

『伊豫田晃一作品集Ⅰ マグヌム・オプス』
肉体の眼を閉じ、精神の眼によって紡ぎ出された、夜と夢と神秘の未知なる領分、ネオ・マニエリスムの旗手によるイマージュの詩学。初期作品から「アストロラーベ」「ヘクセン・タロット」を含む最近作を収めた第一作品集。
(エディシオン・トレヴィル/河出書房新社 4104円)[amazon]

エリーサベト・ノウレベック 『私のイサベル』
20年前に失った娘を忘れられないステラ。父を亡くして深い孤独を抱える女子大生のイサベル。愛ゆえの行動が娘を怒らせてばかりのイサベルの母シャスティン。偶然と悪意が絡み合い、ふたりの母親とひとりの娘がついに出会うとき、恐ろしい真実が明らかになる。奥村章子訳
(ハヤカワ・ミステリ 2268円)[amazon]

ジョージ・ウォーレス& ドン・キース 『ハンターキラー 潜航せよ 上・下
米ロ両国の原潜が相次いで沈没。氷に閉ざされた海域で何が起きた? 緊張が高まる中でさらに意外な事件が! ド迫力のサスペンス。山中朝晶訳
(ハヤカワ文庫NV 各972円)[amazon]

ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦 1 異星種族艦隊との遭遇
突如遭遇した正体不明の異星種族艦隊に対し奇妙な幻覚に導かれて、AI搭載戦闘艦と共に戦闘を勝利に導く若き航宙軍艦長の活躍。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 1037円)[amazon]

ウィリー・ヴローティン 『荒野にて』
孤独な15歳の少年は、殺処分が決まった老競走馬をひそかに連れ出し、遠くに住む伯母のもとへ荒野を行く旅に出る。胸を打つ物語。北田絵里子訳
(早川書房 2160円)[amazon]

ラグナル・ヨナソン 『白夜の警官』
アイスランド北部の建設現場で、男性の撲殺死体が発見された。男の自宅からは大金の入ったスポーツバッグが見つかり、陰の仕事に手を染めていた可能性が。また、元妻によれば、被害者は金や女性関係に汚かったらしい。捜査の先に見えたのは、日の沈まない極北の町に隠された暗い記憶の数々だった。
(小学館文庫 950円)[amazon]

ロバート・ベイリー 『ザ・プロフェッサー』
ロースクールの老教授トムは順風満帆な人生を過ごしてきたが、今は愛する妻を失い、友の裏切りから職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫をトラック事故で失った彼女は、トムに 「法廷で真相を知りたい」 という。痛快法廷エンタテインメント。吉野弘人訳
(小学館文庫 1048円) [amazon]

ボフミル・フラバル 『私は英国王に給仕した』
ナチス占領、そして共産主義時代のチェコを舞台に、給仕人から百万長者になった男の波瀾の人生を描き出す、滑稽で奇想天外な大傑作。阿部賢一訳
(河出文庫1296円)[amazon]

坂口安吾 『心霊殺人事件 安吾全推理短篇
「投手殺人事件」「南京虫殺人事件」「選挙殺人事件」「山の神殺人」「正午の殺人」「心霊殺人事件」「能面の秘密」「アンゴウ」などを収録。
(河出文庫 799円)[amazon]

『幽霊の歴史文化学』 小山聡子・松本健太郎編
本来、目に見えないはずの幽霊を、日本人は文学作品や絵画、映像で描いてきた。「幽霊」 という言葉の意味は時代によって変遷し、それはときに現代人が想像するものと大きく異なる。人々は幽霊をどう感知し、それを表象するためにいかなる工夫をしてきたのか、幽霊に何を求めたのか。歴史学、メディア学、文学、美術史学、宗教学、社会学、民俗学等、様々な研究分野から日本人の精神世界の一端に迫る。目次
(思文閣出版 2700円)[amazon]

ピエール・ヴェリー 『絶版殺人事件』
〈論創海外ミステリ〉
遺された一通の手紙と一冊の本。停泊中のクルーザーで起きる殺人事件。事件は謎を深め、徐々に真相に近付いてゆく。第一回フランス冒険小説大賞受賞作。佐藤絵里訳
(論創社 2376円)[amazon]

ジョン・ロード 『クラヴァートンの謎』
〈論創海外ミステリ〉
急逝したジョン・クラヴァートン氏を巡る不可解な謎。遺言書の秘密、不気味な降霊術、介護放棄の疑惑……。果たして彼は「殺された」のか? 不審死の謎に友人プリーストリー博士が挑む。渕上痩平訳
(論創社 2592円)[amazon]

アポロニオス・ロディオス 『アルゴナウティカ』
〈西洋古典叢書〉
金羊皮を求め、アルゴー船で航海へ乗り出す英雄たちの冒険譚。ヘレニズム期を代表する学匠詩人による、アルゴナウタイ物語の決定版。 堀川宏訳
(京都大学学術出版会 4212円)[amazon]

ペネロピ・フィッツジェラルド 『ブックショップ』
1950年代末のイギリス、未亡人フローレンスは小さな海辺の町の古い家で書店を開くが、この家を接収して芸術センターにと目論む土地の有力者夫人のため窮地に立たされる。ブッカー賞最終候補作(1978)。山本やよい訳
(ハーパーコリンズ・ジャパン 1836円)[amazon]

マシュー・レイノルズ 『翻訳 訳すことのストラテジー
最新の翻訳研究 (トランスレーション・スタディーズ) ではなにが論じられているのか? これ一冊でひととおりわかる。やさしい入門書。秋草俊一郎訳
(白水社 2484円)[amazon]

江戸川乱歩文庫リニューアル版
江戸川乱歩 『吸血鬼』
(春陽堂文庫 1069円)[amazon]
江戸川乱歩 『盲獣』 (春陽堂文庫 961円)[amazon]



▼2月刊

『ルネサンス・バロックのブックガイド』 ヒロ・ヒライ監修

占星術、錬金術、魔術が興隆し、近代科学・哲学が胎動したルネサンス・バロック時代。その知のコスモスを伝えるブックガイド。50人の執筆者が116エントリー、総数150冊あまりを紹介。名著から最新の研究成果まで、日本で出版されたルネサンス・バロックの文化や思想の書物を網羅。目次
(工作舎 3024円)[amazon]

フェルナンド・バエス 『書物の破壊の世界史 シュメールの粘土板からデジタル時代まで
シュメールの昔から、アレクサンドリア図書館の栄枯盛衰、ナチスによる「ビブリオコースト」、イラク戦争下の略奪行為、電子テロまで。どの時代にも書物は破壊され、人類は継承されるべき叡智を失ってきた。ことは戦争や迫害、検閲だけでなく、天災・人災、書写材の劣化、害虫による被害、人間の無関心におよぶ。世界各地の書物の破壊の歴史をたどった一冊。八重樫克彦・八重樫由貴子訳
(紀伊國屋書店 3780円)[amazon]

河村彩 『ロシア構成主義 生活と造形の組織学

テクノ、SF、ファッション、建築……あまりに豊穣な革命文化の遺産。ロシア革命直後の1920年代、新しい社会主義文化建設のために生まれた 《ロシア構成主義》。なぜこの文化運動が21世紀になお模倣され、あらゆるモードの祖型となったのか? 「住まう」 「暮らす」 「見せる」 「報せる」 をキーワードにその実像を描き出した書き下ろし論考。
(共和国 3456円)[amazon]

横田順彌 『快絶壮遊 〔天狗倶楽部〕 明治バンカラ交遊録
日本に野球や相撲を広めたスポーツ社交団体 「天狗倶楽部」。その中心人物・押川春浪と周囲の人々の抱腹絶倒のエピソードの数々。NHK大河ドラマ 「いだてん」 で話題、天狗倶楽部と押川春浪の痛快珍談・奇行。
(ハヤカワ文庫JA 820円)[amazon]

《ナイトランド・クォータリー》 vol.16
〈特集=化外(けがい)の科学、悪魔の発明〉
人が作り出したものが、悪魔がひきおこしたかのような結果を招く 「悪魔の発明」 の物語を特集。キム・ニューマン、アンドリュー・ペン・ロマイン、C・A・スミスなど翻訳7編に、日本作家は芦辺拓、朝松健。他に北原尚彦インタビューなど。
(アトリエサード 1836円)[amazon]

トルーマン・カポーティ 『ここから世界が始まる
 トルーマン・カポーティ初期短篇集
「早熟の天才」 と恐れられた作家のデビュー前の才気が迸る。16歳頃から青年期にかけて執筆された14篇を収録。小川高義訳、解説=村上春樹。
(新潮社 2052円)[amazon]

ジェイ・ルービン編 『ペンギン・ブックスが選んだ日本の名短篇29』
世界基準で面白く、イキのいい短篇はこれだ! 三島、百閒、星新一、小川洋子etc.…村上春樹が全収録作を評した序文50枚付き。
(新潮社 3888円)[amazon]

J・R・R・トールキン 『トールキンのアーサー王最後の物語 注釈版』
『アーサー王の死』 はJ・R・R・トールキンがブリテン王アーサーの伝説に取り組んだ唯一の試みであり、古英語の頭韻を詩に使った最高にして最もみごとな作品。アーサー王伝説の結末と 『シルマリルの物語』 との関係や、書かれることのなかったラーンスロットとグウィネヴィアの恋の苦い結末が浮かび上がる。小林朋則訳
(原書房 2700円)[amazon]

ティラー・J・マッツェオ 『イレナの子供たち』
ポーランド人、イレナ・センドレル(1910~2008)は、第2次大戦中に2500人以上ものユダヤ人の子供たちをワルシャワのゲットーから脱出させる救出活動をした人物。イレナの娘や、彼女に助けけられたユダヤ人たちへのインタビューから、若き日の彼女の姿を生き生きと描き上げた感動的なノンフィクション。羽田詩津子訳
(東京創元社 3024円)[amazon]

横溝正史 『蝶々殺人事件 由利・三津木探偵小説集成4
コントラバス・ケースから発見された歌姫の屍体――緻密な犯罪の謎に由利先生が挑む。本格探偵小説の粋を凝らし、坂口安吾から絶賛された表題作から、未完作品 『神の矢』 『模造殺人事件』 まで、全10編を収録。全4巻完結。日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

萩尾望都 『ポーの一族 プレミアムエディション 上・下
永遠の名作 『ポーの一族』 の原稿を著者による修正を経て現在の最高の技術で全てスキャンし直し、モノクロ原稿を美しく再現することを目指したプレミアムシリーズ。カラーページも再現。B5判サイズ。作品の予告カットや物語の時系列がわかる年表も収録。
(小学館 各2808円)[amazon]

《SFマガジン》 4月号
ベスト・オブ・ベスト2018
(早川書房 1296円)[amazon]

フランセス・イエイツ 『薔薇十字の覚醒 隠されたヨーロッパ精神史

新旧キリスト教の抗争渦巻く17世紀ヨーロッパに出現した薔薇十字宣言。魔術とカバラ、錬金術を内包したそのユートピア思想は、もうひとつのヨーロッパ精神史を形づくっていた。『記憶術』 『世界劇場』 他でルネサンス研究に新展開をもたらしたF・イエイツの名著、新装復刊。山下知夫訳
(工作舎 5400円)[amazon]

武田雅哉 『「西遊記」 妖怪たちのカーニヴァル
〈世界を読み解く一冊の本〉
映画やマンガにリメイクされつづける 『西遊記』 は子ども向けの本ではない? 中国の誇る〈神怪小説〉のなりたちと伝播を、妖怪たちの目線から語りつくす。目次
(慶應義塾大学出版会 2160円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活
ある夜一家全員が何者かに殺害された。たった一人生き残った赤ん坊は、墓場に迷い込む。幽霊たちは、力を合わせて育てることにするが……。カーネギー賞とニューベリー賞をダブル受賞した異色ファンタジー。金原瑞人訳
(角川文庫 994円)[amazon]

江戸川乱歩 『黒蜥蜴と怪人二十面相』
美貌と大胆なふるまいで暗黒街の女王に君臨する「黒蜥蜴」。ロマノフ王家のダイヤを狙う「怪人二十面相」。 乱歩作品の中でも屈指の人気を誇る、名探偵明智小五郎の二大ライバルの作品を一冊に。
(角川文庫 648円)[amazon]

松岡正剛 『千夜千冊エディション 感ビジネス』
本は遊びたがっている。知はつながりたがっている。第一章 急に変わってきた/第二章 合理的な愚か者たち/第三章 日本人と会社/第四章 消費と社会の間
(角川ソフィア文庫 1382円)[amazon]

山田登世子 『女とフィクション』
書物をこよなく愛したフランス文学者が、モーパッサン、デュマ、バルザック、ゾラからコレット、デュラスまでを参照しつつ、「文学の中の女」 と 「女の文学」 という視座から、愛と性、美徳と悪徳、虚構と現実、そして時代・風俗・社会を鮮やかに斬る痛快なエッセイ集。単行本未収録論考集成、第三弾。
(藤原書店 3024円)[amazon]

岡上淑子 『美しき瞬間 The Essennce of Toshiko Okanoue
コラージュ作家岡上淑子の代表作を、その言葉・詩と共に収録。創作と自由への想い、女性の心の綾。時を超えてよみがえる夢のしずく。岡上淑子展(東京都庭園美術館)
(河出書房新社 2052円)[amazon]

『吉田健一ふたたび』 川本直・樫原辰郎編
没後40年を過ぎ、今なお新しい読者を獲得し続けている吉田健一。気鋭の執筆陣による新しい評論集。
(冨山房インターナショナル 2700円)[amazon]

チョ・ナムジュ他 『ヒョンナムオッパへ 韓国フェミニズム小説集
『82年生まれ、キム・ジヨン』 の著者による表題作ほか、ミステリーやSFなど多彩な形で表現された7名の若手実力派女性作家の短篇集。 斎藤真理子訳
(白水社 1944円)[amazon]

小川利康 『叛徒と隠士 周作人の1920年代
兄・魯迅らとともに新文学運動を先導した周作人が、やがてその動きと分岐していく思想的変遷を、エリス、白樺派、トルストイ、厨川白村などの影響を精緻に腑分けして描く。
(平凡社 4860円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記Ⅱ』
いよいよ三年の間雨風の音を聞き馴れた小屋と別かれたり――通称 「三畳御殿」 が完成、空襲で焼き出されて以来丸三年にわたる小屋暮らしをついに脱する。昭和22年1月1日から23年5月31日までを収録。全3巻。
(中公文庫 1080円)[amazon]

齋藤美奈子 『吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み
漱石の 『吾輩は猫である』 や、サリンジャーの 『ライ麦畑でつかまえて』 の驚愕のラストを知っていますか? 時代を越えて愛されながら、意外と知られていない名作のエンディング。世界の文学137冊をタイプ別に分析し、お尻の一文から、文豪たちのセンスや生き方を鋭く批評する。斎藤美奈子流・切れ味抜群のブックガイド。
(中公文庫 734円)[amazon]

西崎憲 『全ロック史』
ロックミュージックはいかなる手段で、誰に抗い、何を訴えつづけてきたのか。一体なんのために。スコッツ=アイリッシュのアパラチア山脈への移住からはじまる巨大なるサーガ、ついに誕生。目次
(人文書院 4104円)[amazon]

アンデシュ・ルースルンド/ベリエ・ヘルストレム 『地下道の少女』
冬の朝、43人の子供が市内に突然現れた。ほぼ同時に、病院の地下で女性の死体が発見される。〈ガラスの鍵〉賞受賞シリーズ最新刊。ヘレンハルメ美穂訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 1253円)[amazon]

ネイサン・ヒル 『ニックス』
売れない作家サミュエルはテレビのニュース番組を見ていて驚愕した。映っていたのは長年行方不明の母親、しかも、州知事に石を投げていたのだ。サミュエルは母の伝記で一儲けしようと考え母の半生を調べはじめるが、そこには想像もしない事実が待っていた。佐々田雅子訳
(早川書房 3780円)[amazon]

ケン・リュウ 『生まれ変わり』
悪しき記憶を切除する技術をもつ異星の訪問者により、人類は生まれ変わった。表題作ほか、アジアの工場で過酷な労働に従事する少女の不思議な体験を描いた「ランニング・シューズ」など20篇を収録、現代SFのトップランナーによる日本オリジナル短篇集第3弾。古沢嘉通他訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 2484円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ5 アット・ラスト』
母の葬儀に参列するパトリックは、問題を抱えていた父と母を共に失った後の人生について思いを馳せる。ずっと望んできた心の平安が遂に手に入るのだろうか? 彼の心に光がきざす――。シリーズ完結篇。国弘喜美代・手嶋由美子訳
(早川書房 1944円)[amazon]

F・W・クロフツ 『クロイドン発12時30分 新訳版
チャールズは切羽詰まっていた。父から継いだ会社は経営が傾き、恋しいユナは落ちぶれた男など相手にしてくれない。叔父に援助を乞うも、駄目な甥の烙印を押されるばかり。追いつめられたチャールズは、遺産目当てに叔父殺害計画を練り、実行に移すが……。『樽』 と並ぶクロフツの代表作、新訳決定版。霜島義明訳
(創元推理文庫 1080円)[amazon]

ホーカン・ネッセル 『悪意』
夜中にかかってきた一本の電話、それは22年前に死んだはずの息子からのものだった(「トム」)。亡くなった著名な作家の遺作には母国語での出版を禁じ、翻訳出版のみを許可するという、奇妙な条件が付されていた(「レイン」)。デュ・モーリアの騙りの妙、シーラッハの奥深さ、ディーヴァーのどんでん返しを兼ね備えた傑作短編集。久山葉子訳
(東京創元社 2808円)[amazon]

『怪異学の地平』 東アジア恠異学会編
「〈他〉 の認識と怪異学」 をテーマに、怪異をめぐる言葉、怪異とよばれる事象、怪異をもたらすものが何かを明らかにする怪異学研究の最先端。目次
(臨川書店 7560円)[amazon]

荒木正純 『「荒地」 の時代 アメリカの同時代紙からみる
モダニズム文学の金字塔と云われるT・S・エリオットの 『荒地』 の 「コラージュ」 様式は、同時代のアメリカの新聞紙面の有り様と通底している。作品の組み立てと同時代の新聞記事を併置させて読解することで見えてくる新たな読みの提示。
(小鳥遊書房 7776円)[amazon]

ジェイン・オースティン 『説得されて』
2006年にケンブリッジ大学出版局から刊行された版を底本とし、物語の鑑賞に有用な注を付す。端正な現代日本語で読む最新訳。藤田永祐訳
(春風社 予価2700円)[amazon]

シャルル・ペギー 『クリオ』
〈須賀敦子の本棚〉
歴史の女神クリオが語る老いとは何か、歴史とは何か―究極の名著、初完訳!カトリック左派の中心的な思想家として知られ、須賀敦子も敬愛したペギーが、モネの「睡蓮」やヴィクトル・ユゴーの作品を主軸に、その思索を結実させた傑作。宮林寛訳
(河出書房新社 3456円)[amazon]

佐藤有文 『吸血鬼百科 復刻版
甦る恐怖と怪奇の世界。講談社の児童書 〈ドラゴンブックス〉 シリーズから 『吸血鬼百科』 (1974) を初版時の内容・造本をそのままに復刻。内容=〈恐怖の吸血鬼ベスト10〉〈吸血鬼の7大超能力〉〈吸血鬼の発生と伝説〉〈実在した吸血鬼たち〉〈吸血鬼の科学〉〈20世紀の吸血鬼事件〉他。
イラスト=石原豪人、南村喬之、杉尾輝利、山田維史 他。
復刊ドットコム 4212円)[amazon]

岡本綺堂 『初稿 半七捕物帳 六十九話集 壱/江戸の探偵名話 半七捕物帳』
「シャーロック・ホームズ」 にインスパイアされた半七の捕物事始。「文藝倶楽部」 に大正6~7年に連載された 『江戸時代の探偵名話 半七捕物帳』 にあたる部分の初出13編に、エッセイ 「日本の捕物と支那の捕物」 も収録。半七捕物帳は、作者により刊行のたびにテキストに手が入れられている。一番初めのタイムラインによる三河町の半七手柄話。限定100部
(東都我刊我書房 6000円)※取扱=盛林堂

藤沢衛彦 『日本の伝説 四国・九州』
〈日本の伝説〉第4弾。巡礼、源平、化け猫、キリシタン、沖縄、古代史など、伝説の宝庫。「祖谷山の落武者」など全80話。
(河出書房新社 2268円)[amazon]

カレン・ディオンヌ 『沼の王の娘』
拉致監禁犯の男とその被害者のあいだにできた娘――それがわたしだ。そして今日、終身刑の父が看守を殺して逃走した。父を捕まえられる人間がいるとしたら、父から手ほどきを受けたわたし以外にいない。父と娘の緊迫の心理戦、究極のサバイバルゲームがいま始まる。林啓恵訳
(ハーパーBOOKS 1080円)[amazon]

フェリシア・ヤップ 『ついには誰もがすべてを忘れる』
ケンブリッジの川のほとりで、ブロンド美女の遺体が発見された。被害者の日記によれば、女は有名作家エヴァンズの愛人だというが、作家はファンの誇大妄想だと関係を否定する。一方、彼の妻クレアは事件が発生した2日前の記憶がなかった。そして事件を追う警部も大きな秘密を抱えていた――。山北めぐみ訳
(ハーパーBOOKS 1260円)[amazon]

アンドルー・スカル 『狂気 文明の中の系譜
ホメロスが叙述し、『黄帝内経』 や 『ヒポクラテス集典』 によって止揚され、聖書にあっては神の御心、病めるバートンが憂鬱症を解剖すれば幻惑者メスマーは生体磁気を提唱し、在野の医師フロイトによる分析が巷をにぎわした世紀を後に最新の脳神経科学がその威容を現わす。泰西泰東の先人が執心し、今なお探求の旅が飽かずに続く 「ものくるおしき有様」 の体系化に挑む精神史。三谷武司訳
(東洋書林 5832円)[amazon]

鳥海修・高岡昌生・ 美篶堂・永岡綾 『本をつくる 書体設計、活版印刷、手製本 職人が手でつくる谷川俊太郎詩集
一篇の詩のために活字が生まれ、組版、活版印刷、手製本を経て本ができあがる。当代一の職人たちによる本づくりの過程を辿った書。
(河出書房新社 1998円)[amazon]

《MONKEY》 vol.17 哲学へ
柴田元幸 責任編集 目次
(スイッチパブリッシング 1512円)[amazon]

林淑丹 『小泉八雲・澁澤龍彥と 『夜窓鬼談』 交響する幻想空間
怪異小説の創作の伝統が漢字文化圏でいかに変容したか。明治22年に刊行された漢文小説、石川鴻斎 『夜窓鬼談』 の特性を明らかにし、近現代作家に受容される過程を考察する。目次
(翰林書房 3456円)[amazon]

柳田國男 『柳田國男 ささやかなる昔』
〈STANDARD BOOKS〉
知と文芸を横断するスタンダードブックス第3期刊行開始。民俗学の父が全国を渉猟して見出した、いにしえと今の日本の足跡。
(平凡社 1512円)[amazon]

劉岸偉 『小泉八雲と近代中国』
20世紀前半の中国においてどのように受容されたか。作家没後のドラマを追跡し,新たな作家像を浮彫りに。オンデマンド復刊
(初刊2004)
(岩波書店 4752円)[amazon]

丸善ジュンク堂限定復刊
泡坂妻夫 『妖女のねむり』 (創元推理文庫)[honto]
コリン・ウィルスン 『賢者の石』 (創元推理文庫)[honto]
コーネル・ウールリッチ 『黒衣の花嫁』 (ハヤカワミステリ文庫)[honto]
ダシール・ハメット 『赤い収穫』 (ハヤカワミステリ文庫)[honto]
小松和彦・宮田登・鎌田東二・南伸坊 『日本異界絵巻』 (ちくま文庫)[honto]
森茉莉 『ベスト・オブ・ドッキリチャンネル』 (ちくま文庫)[honto]


『世界推理短編傑作集4』 江戸川乱歩編
名アンソロジー『世界短編傑作集』 を全面リニューアル。第4巻は、コッブ 「信・望・愛」、ノックス 「密室の行者」、バーク 「オッターモール氏の手」、ハメット 「スペードという男」、ダンセイニ 「二壜のソース」、ウォルポール 「銀の仮面」、セイヤーズ 「疑惑」、クイーン 「いかれたお茶会の冒険」、ベイリー 「黄色いなめくじ」 の1930年代以降の名作9編を収録。
(創元推理文庫 予価1037円)[amazon]

《ミステリーズ!》 Vol.93
真藤順丈 『塔の国』 長編ミステリ連載スタート。懸賞付き犯人当て小説企画・第2弾の解答編、米澤穂信 「伯林あげぱんの謎 【実食編】」。文庫版『王とサーカス』刊行記念、米澤穂信×北村薫 対談 「ミステリーを通して世界を見る」 レポート掲載ほか。
(東京創元社 1296円)[amazon]

辻惟雄 『十八世紀京都画壇 蕭白、若冲、応挙たちの世界
蕪村、応挙、若冲、蘆雪、蕭白。ほぼ同時期、同じ地に豊かな才能が輩出した。彼らは旧来の手法から抜けだし、己の個性を恃んで、奔放に新しい表現を打ちだす。18世紀の京都はまさにルネサンスの地であった。「奇想」 の美術史家・辻惟雄の多数の論考から抜粋、作品の解釈、時代背景や人物像にも迫る。
(講談社メチエ 1836円)[amazon]

『SFが読みたい!2019年版』 SFマガジン編集部編
年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2018年の各出版社のSF書籍刊行予定、SF作家たちの最新予定「2019年のわたし」、SF関連書籍&DVD目録などでおくる恒例のガイドブック最新版。
(早川書房 886円)[amazon]

ヘロン・カーヴィック 『村で噂のミス・シートン』
ロンドンの美術教師ミス・シートンは田舎のコテージ行きを楽しみにしていた。しかしその前夜、女性を襲っていた暴漢を傘で撃退、犯人の似顔絵を描いて警察に協力したのを、新聞が 「闘うこうもり傘」 と大々的に書き立てたおかげで、訪れた村でも有名人に。さらに逃走中の犯人がミス・シートンを狙ってやってきて……? 山本やよい訳
(コージー ブックス 907円)[amazon]

アブドゥラマン・アリ・ワベリ 『トランジット』
〈フィクションの楽しみ〉
欧米列強による強権支配,部族対立による混乱から内戦へと,混迷を深めるジブチ現代史を背景に,“難民たち”“亡命者たち”の論理と心理を内側から活写する先鋭な政治小説。林俊訳
(水声社 2700円)[honto]

R・オースティン・フリーマン 『ニュー・イン三十一番の謎』
〈論創海外ミステリ〉
発見された死体と書き換えられた遺言書。遺された財産を巡る人間模様。シャーロック・ホームズのライヴァルで法医学者にして名探偵のソーンダイク博士が、科学的知識を駆使し事件の解決に挑む。福森典子訳
(論創社 3024円)[amazon]

マクシム・ゴーリキー 『二十六人の男と一人の女 ゴーリキー傑作選
毎日パンをもらいにくる快活な少女ターニャの存在は、暗いパン工房でこき使われる男たちの唯一の希望だった。だが、ある日ふらりと現れた伊達男が彼女を落とせると言いだし……。社会の底辺で生きる人々の姿を描く、味わい深い4篇を収録。中村唯史訳
(光文社古典新訳文庫 907円)[amazon]

J-P・サルトル、ベニイ・レヴィ 『いまこそ、希望を』

20世紀を代表する知識人サルトルの最晩年の対談企画。ヒューマニズム、暴力と友愛、同胞愛などの問題について、これまでの発言、思想を振り返りながら、絶望的な状況のなかで新しい「倫理」「希望」を語ろうとするサルトルの姿がここにある。海老坂武訳
(光文社古典新訳文庫 929円)[amazon]

岩波文庫 春のリクエスト復刊
バイロン 『マンフレッド』
ウォルター・スコット 『湖の麗人』
バーナード・ショー 『分らぬもんですよ』
シルレル 『スペインの太子 ドン・カルロス』
プロスペル・メリメ 『エトルリヤの壺』
エミール・ゾラ 『テレーズ・ラカン』

ほか全34点

チョン・ユジョン 『種の起源』
26歳のユ・ジンは目覚めると、自宅で母の死体を発見した。時々記憶障害が起こる彼は前夜のことを何も覚えていない。事件、そして自分と家族の間の真実を明らかにするため、3日間の激しい捜索が始まる。心と記憶の謎、母子の関係を探求するサイコ・スリラー。カン・バンファ訳
(ハヤカワ・ミステリ 1728円)[amazon]

クリス・ホルム 『悪魔の赤い右手 殺し屋を殺せ2
親友を殺された殺し屋専門の殺し屋ヘンドリクスは、全米のギャング組織を束ねる〈評議会〉に復讐を誓うが……。シリーズ第2弾田口俊樹訳
(ハヤカワ文庫NV 1145円)[amazon]

クローディア・グレイ 『円環宇宙の戦士少女』
故郷の惑星を救うため、戦闘艇パイロットのノエミは、遺棄船で発見したロボットと共に 〈ゲート〉を抜けて円環世界へと向かった。中原尚哉訳
(ハヤカワ文庫SF 1231円)[amazon]

レックス・スタウト 『ネロ・ウルフの災難 女難編』
〈論創海外ミステリ〉
アーチー・グッドウィン、辞職す! 絶体絶命の美人依頼者の無実を信じ、迷探偵アーチーの捜査が始まる。女難をテーマにした日本独自編纂の作品集 「ネロ・ウルフの災難」 第一巻は、「悪魔の死」 「殺人規則その三」 「トウモロコシとコロシ」 を収録。巻末付録はウルフとアーチーの 「女性を巡る名言集」。鬼頭玲子訳
(論創社 3024円)[amazon]

ホルヘ・ルイス・ボルヘス 『夢の本』
『ギルガメシュ』 『聖書』 『千夜一夜物語』 『紅楼夢』 から、ニーチェ、カフカなど113篇。独自の視点で編まれた夢のアンソロジー。堀内研二訳
(河出文庫 1296円)[amazon]

小林司・東山あかね 『シャーロック・ホームズ入門百科』
日本を代表するシャーロッキアン夫妻が贈る決定版入門書。全作品のあらすじや基礎データ、名探偵の生涯や数々の逸話など情報満載。
(河出文庫 842円)[amazon]

泡坂妻夫 『死者の輪舞』
競馬場で男が殺された事件を皮切りに容疑者が次から次へと殺される殺人リレーが始まった――警視庁の海方&小湊の刑事コンビが挑む。
(河出文庫 961円)[amazon]

岩田宏 『渡り歩き』
詩人であり作家・翻訳家 (小笠原豊樹) でもあった著者による、これぞ読書、という読書論。本から本へ、忘れられた作家から未知の傑作、無類に面白い名著へと、思いのままに渡り歩く味わいに満ちた読書論。
(草思社文庫 1058円)[amazon]

辻惟雄 『新版 奇想の系譜』
半世紀前に刊行された 『奇想の系譜』 が、新たに図版を加え、さらにカラーで大きく見せるレイアウトに生まれ変わった。また、若冲をはじめ江戸の絵師たちに起こった絵画をとりまく状況の変化を各章末に新原稿として追記。岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、歌川国芳――アバンギャルドな絵師たちの画を約130点も掲載。江戸奇想絵画ブームの原点となる名著をオールカラー完全版で刊行。
(小学館 5400円)[amazon]

トニー・エンジェル 『フクロウの家』
1969年の晩夏、著者一家はシアトル郊外に引っ越した。冬になる頃、近くの森にニシアメリカオオコノハズクが生息していることが判明。窓から見える杉の大木に巣箱を取りつけると、一組のつがいがそこを住処に選んだ。それから一年にわたる観察の日々が始まる。画家、彫刻家として名高い著者による、フクロウと共に生き、触れ合った日々の記録。美しい挿画約100点収録。伊達淳訳
(白水社 3240円)[amazon]

萩野正昭 『これからの本の話をしよう』
数々の画期的な出版プロジェクトに取り組む株式会社ボイジャー。その創業者が、25年にわたる先駆的な歩みを振り返りつつ、本と出版の未来について語った。紙か? 電子か? といった技術論やビジネス論にとどまらない、本そのものの魅力、役割、可能性を考えていく。自分たちのメディアを育て、確立していくための、デジタル時代の出版論。
(晶文社 1836円)[amazon]

巽由樹子 『ツァーリと大衆 近代ロシアの読書の社会史
絵入り雑誌と呼ばれる薄手の週刊誌が次々と発行された19世紀末のロシア社会。新しいメディアを享受した読者とは誰か。読者の変遷がもたらす文化の変容こそが、奴制廃止や教育改革などの大改革から革命に至る騒擾という歴史の転換点につながることを明らかにし、近代ロシア像に再考をうながす。目次
(東京大学出版会 5184円)[amazon]


▼1月刊

ソナーリ・デラニヤガラ 『波』
あの日から、私の世界は闇に閉ざされた。津波に家族を奪われた女性の魂の記録。2004年のクリスマスの翌日、スリランカの南岸に滞在中の一家を巨大な津波が襲った。息子たちと夫と両親を失った経済学者の妻は絶望の淵に突き落とされる。家族の記憶に苛まれ、やがてその思い出が再起を支えた――マイケル・オンダーチェ、テジ ュ・コールら絶賛の手記。佐藤澄子訳
(新潮クレスト・ブックス 2160円)[amazon]

モルガン・スポルテス 『天は語らず』
徳高き神父フェレイラはなぜ棄教したのか? 沢野忠庵と名を変え、キリシタン弾圧に加わり、キリスト教を批判する書物まで著した裏切り者、コラボ(対敵協力者)。その人生と心象、そして西欧による世界支配の先兵としての宣教への懐疑を、史実の行間を有機的につなぎながら、サスペンスフルかつ自由闊達に描く歴史フィクション。吉田恒雄訳
(岩波書店 3024円)[amazon]

ラヴィ・ティドハー 『黒き微睡みの囚人』
ドイツで総統になるはずだった男、政治家ウルフは政変によりロンドンに逃れ、私立探偵をしていた。ユダヤ人嫌いのウルフだったが、金のためユダヤ人女性の行方を探すことになり、さらに娼婦連続殺人事件に巻き込まれてしまう。調査を進めるうちにウルフは元同志たちが暗躍するイギリスの暗部へと足を踏み入れる。ホロコーストを新たな視点で描いた、歴史改変奇想ノワール。押野慎吾訳
(竹書房文庫 1296円)[amazon]

辻惟雄・山下裕二 『血と笑いとエロスの絵師 岩佐又兵衛』
〈とんぼの本〉
「奇想派」最後の大物、見参! 凄絶な復讐譚を長大な絵巻に仕立て、浮世絵の元祖とも呼ばれる画家の入門書。絵巻もたっぷり見せる。
(新潮社 1836円)[amazon]

スティーヴン・キング 『心霊電流 上・下
僕が少年だった日、町にやってきた若き牧師と、やがて訪れた悲劇。キングが怪奇小説の巨匠たちに捧げた慟哭と狂気と恐怖の物語。峯村利哉訳
(文藝春秋 各1944円)[amazon]

ケイト・モートン 『秘密 上・下
1961年、少女ローレルは、突然現れた男を母が刺すのを目撃した。男は多発していた強盗事件の犯人とされ、母の正当防衛が認められた。50年後、女優となったローレルは、死期の近づいた母の過去を知りたいと思うようになる。あの事件は何だったのか? 翻訳ミステリー大賞&読者賞、ダブル受賞の傑作。青木純子訳
(創元推理文庫 各1188円)[amazon]

ハル・クレメント 『重力への挑戦 新版
メタン液の海とアンモニア氷とに覆われ、地球の700倍の重力を持つ巨大惑星メスクリンは、人類の探検を許さない未知の世界だった。そこに座礁したロケットを調査するため、地球人とメスクリン人のあいだに取引が成立する。メスクリン人は、何の目的で、この危険な仕事を無報酬同然で引き受けたのか? 異生物ハードSFの里程標的傑作。井上勇訳
(創元SF文庫 1188円)[amazon]

カリーヌ・ジエベル 『無垢なる者たちの煉獄 上・下
14年の刑期を終えたラファエルは、出所後、弟と新しい犯罪計画に取り掛かるが、警官隊との銃撃戦で弟は重傷、村外れの古い屋敷に逃げ込んだ。その家にいたのは夫の帰りを待つ妻がひとりだけ。理想的な隠れ家のはずだったが……。フランスを代表するミステリ作家のサイコスリラー。坂田雪子訳
(竹書房文庫 各994円)[amazon]

白井啓介 『銀幕發光 中国の映画伝来と上海放映興行の展開
いかにして上海は、東洋のハリウッドとなったのか。映画の伝来から、その後の映画放映の推移、そして中国国産映画が、中国人観客の嗜好に合致する作品特性を生み出すまで、上海映画の血沸き肉躍る歴史を明らかにする。
(作品社 3456円)[amaon]

横溝正史 『仮面劇場 由利・三津木探偵小説集成3
金田一耕助と並ぶ、横溝正史のもうひとつの名探偵シリーズ。由利麟太郎や三津木俊助が登場する一般向けの全作品を、初出・初刊のテキストに準じて再編集。第3巻は、「仮面劇場」 「双仮面」 「悪魔の設計図」 ほか、昭和13-14年に発表された全9篇を収録。収録内容 日下三蔵編
(柏書房 2916円)[amazon]

山本周五郎 『周五郎少年文庫 南方十字星 海洋小説集
謎の結社に入った平馬少年がチンピラ“隼の定吉”と共に某国軍器製造場爆破を目指す 「囮船第一号」。キリコ蕃王の金鉱が南洋の島にあるという。大河内信之は遂に古文書の解読に成功する。黒豹、毒蛇、毒蛭等、猛獣毒蟲を繁殖させたと記録にあるその島に、士郎少年は勇敢にも乗り込むが……(表題作)。新発見4編を含む全8編を収録。
(新潮文庫 767円)[amazon]

カメル・ダーウド 『もうひとつの 『異邦人』 ムルソー再捜査
叢書《エル・アトラス》
カミュの『異邦人』を反転させ、ムルソーによって殺害されたアラブ人の弟が紡ぐ《もうひとつの物語》とはなにか!? 世界でもっとも読まれたフランス小説をアラブ人の視点から創造=想像的に捉え返す衝撃作。鵜戸聡訳
(水声社 2160円)[honto]

モーリス・ルブラン/保篠龍緒訳 『怪盗ルパン 二つえくぼの女』
15年前に歌姫が侯爵邸で不測の死を遂げた。興味をもったルパンの前に、金髪の美女と追う警部。事件の背後には……。洒脱な映画を見るような、ルパン物異色の恋愛ミステリ。
(河出書房新社 2106円)[amazon]

ポール・ルイス/ケン・ラマグ(絵) 『ゾンビで学ぶ A to Z 来るべき終末を生き抜くために
息子が惑星衝突の迫りくる危険について父親に質問。父親は、A(アストロイド)からZ(ゾンビ)まで、アルファベットのすべての文字に込められた子守歌として息子に語り聴かせるが……。この悲惨な時代を不気味な詩と幻想的なイラストで贈るブラックユーモアな絵本。伊藤詔子訳
(小鳥遊書房 1512円)[amazon]

フラン・オブライエン 『ドーキー古文書』
海辺の町ドーキーでミックが知りあった紳士ド・セルビィは、人類救済のための世界破壊を企て、大気中の酸素を除去する物質を開発していた。嘘か真か、時間の制御にも成功したという。一方、ミックは行きつけの酒場で 「ジェイムズ・ジョイスが死んだという話は眉唾物だ」 と聞かされる。次々登場する変人に飛びきりの奇想。世界中で愛されたアイルランド文学の異才フラン・オブライン、最後の傑作。大澤正佳訳
(白水Uブックス 1944円)[amazon]

デイヴィッド・ロッジ 『作家の運 デイヴィッド・ロッジ自伝
成功も失敗も、好きも嫌いも、強みも弱みも隠さずに、充実期の作家人生を振り返る。創作の秘密から文壇や学会の内幕まで、つぶさに物語る。高儀進訳
(白水社 5400円)[amazon]

真鍋博 『新装版 真鍋博の鳥の眼 タイムトリップ日本60'S
「サンデー毎日」 の連載企画で、日本列島を北から南へ5万キロを飛んで描きあげた明治100年の国土の姿。1968初刊。
(毎日新聞出版 3996円)[amazon]

ダニエル・C・テイラー 『イエティ 雪男伝説を歩き明かす』
誰よりもヒマラヤを知り尽くした筆者が、イエティ伝説の全貌を解き明かす。不思議な足跡の主としてのイエティ、信仰の対象としてのイエティ、環境運動のマスコットとしてのイエティ、全てが丁寧な調査と経験から明らかになる。環境活動の冒険記であり、「雪男」 本の最高傑作。
(青土社 3024円)[amazon]

《ミステリマガジン》 3月号
特集=華文ミステリ 内容
(早川書房 1296円)[amazon]

E・H・ヴィシャック 『メドゥーサ』
〈ナイトランド叢書〉 父を亡くした少年ウィリアムは数々の苦難を越え、船主ハクスタブルと共に、その息子を捜す航海へ。 秘密を抱えた船主。そして目指す海域には、何が潜むのか? コリン・ウィルソンを驚嘆させた謎と寓意に満ちた幻の海洋奇譚が、幻想文学史の深き淵より、ついに姿を現す。安原和見訳
(アトリエサード 2484円)[amazon]

ジョン・D・ライト 『[図説] ヴィクトリア朝時代 一九世紀のロンドン・世相・暮らし・人々
ヴィクトリア朝ロンドンの社会と世相を中心に、関連する19世紀欧米の社会現象まで多岐にわたり細部まで探求する。貧困、犯罪、戦争、事件、疫病、飢饉、搾取、見世物小屋、アヘン窟、売春、児童労働ほか帝国絶頂期の闇に迫る。角敦子訳
(原書房 3024円)[amazon]

ジェームズ・ボールドウィン 『ビール・ストリートの恋人たち』
冤罪で収監された恋人ファニーを救うため、彼との子を妊娠中のティッシュは奔走するが……若き恋人たちを描いたボールドウィンの名作が新訳で登場。川副智子訳
(早川書房 2376円)[amazon]

『カート・ヴォネガット全短篇3 夢の家
すぐれた作品群を遺し、多くの人々に愛された作家カート・ヴォネガット。その生涯にものした全短篇を8ジャンルに分類、全4巻で隔月刊行する第3巻には、表題作ほか「働き甲斐vs富と名声」テーマの24篇を収録。没後10年を経て刊行する決定版。
(早川書房 3348円)[amazon]

エドワード・セント・オービン 『パトリック・メルローズ3 マザーズ・ミルク』

結婚をして息子をえたパトリックだが、子どもへの強すぎる愛を持つ妻やニューエイジ団体にはまる母に翻弄されるばかり。メルローズ家は過去の呪縛から逃れられないのか? 家族の新しい世代だけが変化への希望だった。英国最高峰の文学賞ブッカー賞最終候補作。国弘喜美代・手嶋由美子訳
(早川書房 2052円)[amazon]

COCO 『今日の早川さん4』
早川さん、帆掛さん、岩波さん、富士見さん、国生さん、おなじみ本オタクの面々がくりひろげる本と読書の日常、そしてときどき非日常。奇妙な布を拾った早川さんたちに、本の記憶が薄れてゆくという不可解な事件が起こりはじめる。もしやその布は宇宙からの?
(早川書房 1512円)[amazon]
COCO 『今日の早川さん4 限定版』
(早川書房 2052円)[amazon]

ニール・ゲイマン 『物語北欧神話 上・下

霧と炎が支配する世界に巨人と神々が生まれた。彼らは定められた滅びへと突き進んでゆく――断片的な詩や散文からなる複雑な北欧神話を現代ファンタジーの巨匠が再話。後の創作物に多大な影響を与えた神々の物語がよみがえる。金原瑞人・野沢佳織訳
(原書房 各1728円)[amazon]

内田百閒 『百鬼園戦後日記Ⅰ』
暫らく振りに蝋燭の明かりにて日記を書き続ける。こはいけれど空襲よりはいいだらう――ロングセラー 『東京焼盡』 の翌日、昭和20年8月22日から21年12月末までの記録。掘立小屋にも編集者がおしかけ、毎日の酒の入手に苦労する日々を具体的かつ飄然と綴る。巻末付録・谷中安規 「かをるぶみ」。
(中公文庫 1080円)[amazon]

ヨハン・ホイジンガ 『ホモ・ルーデンス』
「人間は遊ぶ存在である」。人間のもろもろのはたらき、生活行為の本質は、人間存在の根源的な様態は何かとの問いに、20世紀最大の文化史家が確信した結論がここにある。文化人類学と歴史学を綜合する雄大な構想で論証し、遊びの退廃の危機に立つ現代に冷徹な診断を下す記念碑的名著。高橋英夫訳
(中公文庫 1296円)[amazon]

『世界名作探偵小説選』 山中峯太郎訳
ポプラ社 「ポー推理小説文庫」 「世界名作探偵文庫」 から、山中峯太郎が翻訳を手掛けた作品を一冊にまとめる。E・A・ポーの著名な3作品のほか、バロネス・オルツィによるナポレオンの密使を主人公にした作品、サックス・ローマー 「フー・マンチュー」 シリーズの2作品を収める。平山雄一 註・解説 【収録内容】 ポー 「モルグ街の怪声」 「黒猫」 「盗まれた秘密書」、オルツィ 「灰色の怪人」、ローマ― 「魔法博士」 「変装アラビア王」
(作品社 7344円)[amazon]

米沢嘉博 『戦後怪奇マンガ史』
初めて解き明かされたホラー漫画の通史。文庫化。赤田祐一編
(鉄人社 918円)[amazon]

フランシス・ハーディング 『カッコーの歌』
「あと七日」 笑い声と共に言葉が聞こえる。 わたしは……わたしはトリス。池に落ちて記憶を失ったらしい。母、父、そして妹ペン。ペンはわたしをきらっている、わたしが偽者だと言う。破りとられた日記帳のページ、異常な食欲、恐ろしい記憶。そして耳もとでささやく声。「あと六日」。わたしに何が起きているの? 『嘘の木』 著者の傑作ファンタジー。英国幻想文学大賞受賞。児玉敦子訳
(東京創元社 3564円)[amazon]

エドワード・D・ホック 『怪盗ニック全仕事 6』
40年以上にわたり 「価値のないもの」 を盗み続けてきた怪盗ニック・ヴェルヴェット。ついに迎えた最終巻は、奇妙な品物を意外な方法と思わぬ理由により盗み出す通常営業の短編から、恋人グロリアとの出会いや〈白の女王〉サンドラ・パリスとの共演などファン必読のエピソードまで、本邦初訳8編を含む全14編を収録。木村二郎訳
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

野村胡堂 『櫛の文字 銭形平次ミステリ傑作選
神田明神下に住む、凄腕の岡っ引・銭形平次。投げ銭と卓越した推理力を武器にして、子分のガラッ八と共に、江戸で起こる様々な事件に立ち向かっていく。383編にも及ぶ捕物帖のスーパーヒーローの活躍譚から、ミステリに特化した傑作17編を収録。末國善己編
(創元推理文庫 1404円)[amazon]

村上リコ 『図説 英国執事 貴族をささえる執事の素顔 新装版
古き良き時代の、貴族と男性使用人たちの生活とは? 何を思い、どんな仕事をしていたの? 何時に起きて、給料はいくら? 出世の道は? 恋や結婚は? 御主人様や奥方様とのあやうい関係? ときには犯罪に走ることも……?
(河出書房新社 1944円)[amazon]

マルグリット・デュラス 『苦悩』
ナチス占領下のパリ、苦しみの時代に強制収容所からの恋人の帰りを待つ苛烈な日々を綴った、デュラスの自伝的作品。表題作の他5篇。田中倫郎訳
(河出書房新社 3456円)[amazon]

ミック・フィンレー 『探偵アローウッド 路地裏の依頼人』
1895年、世間が名探偵ホームズの活躍に喝采する中、苦虫を噛み潰す男がいた――彼の名はアローウッド。同じ私立探偵でも、回ってくるのはホームズには頼めないような曰わくつきの依頼ばかり。ある日、美しいフランス人女性が 「兄が失踪した」 と助けを求めてくる。それは最悪な殺人事件の始まりで――
(ハーパーBOOKS 1080円) [amazon]

重版
W・E・B・デュボイス 『黒人のたましい』
サマセット・モーム 『アシェンデン』
吉田健一 『ヨオロッパの世紀末』

(岩波文庫)

古橋信孝 『ミステリーで読む戦後史』
敗戦後の復興の光と影のなかで、『点と線』 『ゼロの焦点』 が爆発的な人気を博し、推理小説に社会派という新たな流れをつくり出す。さらに、高度成長期へと続く時代、『海の牙』 や 『人喰い』、騒音公害を告発する 『動脈列島』 などの作品が生み出されていく。歴史のなかに位置づけることで、時代が抱える問題が浮かび上がる。ミステリーは戦後社会をどう捉えてきたか。新しい読み方で10年ごとに時代を振り返る。目次
(平凡社新書 1015円)[amazon]

二階堂卓也 『荒野とドルと拳銃と 極私的マカロニウェスタン映画論
「殺られるまえに殺れ!」――男の美学・マカロニウェスタン映画論。目次
(彩流社 3240円)[amazon]

トーマス・ベルンハルト 『凍』
山間部の村に滞在することになった研修医の手記があばく凍りつくほどにきびしいこの世界の真実。おそるべき作家の最高傑作ついに邦訳。池田信雄訳。
(河出書房新社 3024円)[amazon]

アガサ・クリスティ 『ミス・マープルと十三の謎 新訳版
〈火曜の夜クラブ〉 では、毎週、ひとりが知っている謎を提示し、ほかの面々が推理を披露する。凶器なき不可解な殺人 「アシュタルテの祠」、動機と機会の奇妙な交錯 「動機対機会」 など傑作ぞろいの13編。世代を越えて愛される名探偵ミス・マープルの短編集、新訳でリニューアル。深町眞理子訳
(創元推理文庫 972円)[amazon]

フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌』

文字のひとつひとつに色を感じる共感覚を持ち、写真家として大成功をおさめたゼバスティアン。だがある日、若い女性の誘拐・殺人容疑で逮捕されてしまう。強要されて殺害を自供したゼバスティアンを弁護するため、敏腕弁護士ビーグラーが法廷に立つことになった。裁判で暴き出される驚愕の真相とは。酒寄進一訳
(創元推理文庫 864円)[amazon]

金来成 『白仮面』
〈論創海外ミステリ〉
暗躍する怪盗との息詰まる戦い、南海の孤島に繰り広げられる大冒険。名探偵・劉不亂の活躍を描く韓流ジュブナイル・ミステリを二作収録。祖田律男訳
(論創社 2376円)[amazon]

『中世思想原典集成 精選2 ラテン教父の系譜』 上智大学中世思想研究所 編訳・監修
平凡社ライブラリー創刊25周年企画、待望の 『中世思想原典集成』 文庫化(全7巻)。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

デボラ・フォーゲル 『アカシアは花咲く』
〈東欧の想像力〉 ブルーノ・シュルツの第一短編集 『肉桂色の店』 成立に影響を与え、今世紀に入ってからその作品が再発見され、世界のモダニズム地図を書き換える存在として注目を集めるデボラ・フォーゲルの短編集 『アカシアは花咲く』 と、イディッシュ語で発表された短編3作を併載。シュルツによる書評も収めた。加藤有子訳
(松籟社 2160円)[amazon]

R・オースティン・フリーマン 『キャッツ・アイ』
助けを求める若い女性の叫び声に、帰宅途中の弁護士アンスティが駆けつけると、そこには男女が激しく組み合う姿が。男は身を振りほどくと闇の中に姿を消した。近くの邸では主人が宝石コレクションの陳列室で殺害されていた。単純な強盗殺人に思われたが、被害者の弟ローレンス卿は警察の捜査に納得せず、ソーンダイク博士の出馬を要請する。本格推理に伝奇冒険的な要素も加味した黄金時代ミステリの名作。渕上痩平訳
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ウィリアム・シェイクスピア 『ヘンリー五世』
『ヘンリー四世』で手に負えない少年だったハル王子が、徳も分別もある王「ヘンリー五世」へと成長し、フランス征服に乗り出す。松岡和子訳
(ちくま文庫 1026円)[amazon]

ジョーダン・ハーパー 『拳銃使いの娘』
内気な11歳の少女ポリーの前に、収監されているはずの父親が現れた。父の敵がポリーの命を狙っているというのだ。父と出た逃亡の旅路で、ポリーは暴力を知り、盗みを知り、いやおうなしに成長していく。数々の人気ドラマを手がけた脚本家が放つ傑作サスペンス。鈴木恵訳
(ハヤカワ・ミステリ 1836円)[amazon]

ダニエル・ジャドスン 『緊急工作員』

戦地から戻ったトムのもとに、元上官からの緊急メッセージ。命の恩人の元戦友が窮地にあるという。だが、その裏には周到な罠が! 真崎義博訳
(ハヤカワ文庫NV 1404円)[amazon]

スー・バーク 『セミオーシス』
惑星パックスを植民開発する人類は土着植物 が意思を持つことに気づく。人類に敵意を持ち意図的に毒を持つ植物との共存は可能か? 七瀬由惟訳
(ハヤカワ文庫SF 1145円)[amazon]

アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャー4 ツバメの塔』
帝国との戦いが激化するなか、古の血の子シリは追われていた。娘を探すウィチャーのゲラルトは世界の終焉の予感に恐怖するが……。川野靖子訳
(ハヤカワ文庫FT 1296円)[amazon]

カズオ・イシグロ 『浮世の画家 新版
戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野は、終戦を迎えたとたん周囲から疎んじられ……。ノーベル賞作家の出世作。飛田茂雄訳
(ハヤカワepi文庫 972円)[amazon]

山口雅也 『キッド・ピストルズの慢心』
パラレル英国を舞台に、パンク探偵の推理が冴える! キッドが自らの少年時代を語る表題作ほか、靴の形をした館で雪の夜に起こった密室殺人の謎に迫る 「靴の中の死体」 など全5編を収録。京極夏彦のエッセイ等も掲載。
(光文社文庫 886円)[amazon]

小泉喜美子 『殺人は女の仕事』
作家志望の美しい青年に出会った敏腕編集者の志賀子。少女のように胸をときめかせ、彼との将来を夢見るが、青年が妻帯者だと知ったとたん、殺意が……。表題作ほか、単行本未収録の「美わしの思い出」 など全8編を収録。
(光文社文庫 907円)[amazon]

オノレ・ド・バルザック 『イヴの娘』
モダンスタイルで装飾された銀行家の室内、化粧芬々たる女性たちのあらゆる富を動員した貴族社会の大夜会、伯爵夫人にふりかかる野心家の恋……パリ上流社会に「挑戦」する作家の物語。80年ぶりの新訳。宇多直久訳
(春風社 2268円)[amazon]

イ・ジョンミョン 『星をかすめる風』
一編の詩が人を変え、ひとつの言葉が世界を変える。韓国の国民的詩人、尹東柱をめぐる愛と死の物語(フィクション)。鴨良子訳
(論創社 2376円)[amazon]

ジョージ・エリオット 『ミドルマーチ 1』
近代化のただなかにある都市を舞台に、宗教的理想に燃える娘、赴任してきた若き医者、市長の息子、銀行家などの思惑と人間模様をつぶさに描き 「英国最高の小説」 と賞される名作。生誕二百年を迎えるジョージ・エリオットの代表長篇、刊行開始。廣野由美子訳
(光文社古典新訳文庫 1534円)[amazon]

プラトン 『テアイテトス』
「知識とは何か?」 を主題に、老哲学者ソクラテスが、老幾何学者のテオドロスと十代半ばの天才数学者テアイテトスを相手に対話する。知覚や記憶、推論、判断、考えについて議論が展開される中期プラトンを代表する作品。詳細な解説付き。渡辺邦夫訳
(光文社古典新訳文庫 1210円)[amazon]

M・R・ラインハート 『大いなる過失』
〈論創海外ミステリ〉
館で催されるカクテルパーティーで怪死を遂げる男。連鎖する死の真相はいかに? 名作 「螺旋階段」 の著者ラインハートが放つ極上のミステリ。服部寿美子訳
(論創社 3888円)[amazon]