11月22日
◆1916年のこの日、ジャック・ロンドンが死去。ロンドンには自伝的作品がいくつかあり、なかでも『マーティン・イーデン』(1909)は元船員の若者が独学で作家を目指し苦闘する姿を描いて圧倒的だが、もちろんロンドンの人生そのままというわけではない。未完の長篇 『殺人株式会社』 は殺人を事業として行なう会社の冷徹なメカニズムを描く。ロバート・L・フィッシュが書き継いで1963年に出版された。邦訳は 『全集・現代世界文学の発見2/危機にたつ人間』 (学藝書林、絶版) に収録。悪夢の全体主義社会を描いた 『鉄の踵』、マッドサイエンティストが奇妙な決闘を繰り広げる 「影と光」、革命教団が資金調達のため無差別殺人を計画する 「死の同心円」、超越的なファンタジー 『星を駆ける者』 など、SF・ミステリ・怪奇幻想の分野でこの作家が残した足跡は思いのほか大きい。ハードボイルドやヒロイック・ファンタジーにも少なからぬ影響を与えている。
◆1917年のこの日、MWA賞を受賞した 『法王の身代金』 のジョン・クリアリーがオーストラリアのシドニーで生まれる。
◆1948年のこの日、『薔薇荘にて』 『矢の家』 『四枚の羽根』 のA・E・W・メイスンが死去。
◆1963年のこの日、『すばらしい新世界』 『対位法』 のオルダス・ハクスリーが死去。
◆同年同日、アメリカ大統領J・F・ケネディがテキサス州ダラスで暗殺される。
◆1983年のこの日、《小鼠》 シリーズのレナード・ウィバーリーが死去。レナード・ホールトン名義ではブレッター神父を探偵役とした本格長篇を11作残していて、なかでも 《Deliver Us from the Devils》 (1963) は狼男伝説に取り組んだ異色作。