12月16日
◆1917年のこの日、アーサー・C・クラークが英国サマセット州マインヘッドで生まれる。天体観測に勤しみ、パルプ雑誌のSFに熱中する少年時代を過ごす。
◆1927年のこの日、英国奇想派の最前衛ピーター・ディキンスンが、アフリカのザンビアで生まれる。ピブル警視が登場する 『ガラス箱の蟻』 (68)、『英雄の誇り』 (69) でCWA賞ゴールド・ダガーを連続受賞、早速ポケミスにも収録されたが、ロンドンのニューギニア人コミュニティで起きた事件や、眠り病に冒された子供たちが登場するその作品は、当時、日本ででほとんど理解者を得られなかった。70年代末から80年代初めにサンリオSF文庫で 『緑色遺伝子』 『キングとジョーカー』 などが翻訳されたあと、児童書の分野を除くとすっかり紹介が途絶えていたが、その後十数年の空白を経て、代表作のひとつ 『毒の神託』 が紹介された。これも特殊な知能をもった猿が登場するキテレツなミステリ。こういうヘンテコな作家がメジャーな場で高い評価を得てしまうのは、さすが変人の本場イギリス。ちなみに顔も魔法使いのお婆さんみたいで、ちょっと怖い。
◆1928年のこの日、フィリップ・K・ディックがシカゴで生まれる。
◆2015年のこの日、ピータ・ディキンスンが死去。