10月19日
◆1909年のこの日、イタリアの犯罪心理学者チェザーレ・ロンブローゾが死去。凶悪犯罪者は生まれつきの素質、とくに隔世遺伝によって犯罪者となるよう運命づけられおり、犯罪者特有の身体的特徴を持っている、という彼の唱えた 「生来的犯罪者説」 は、多方面に強力な影響を与えた。その事情については、ピエール・ダルモン 『医者と殺人者――ロンブローゾと生来性犯罪者伝説』 (新評論) が詳しい。世紀末から20世紀初頭の文学の至るところ (たとえばゾラの 〈ルーゴン・マッカール叢書〉) にその影響を見出すことができるが、とりわけ探偵小説・犯罪小説には顕著であった (たとえばドイルのホームズ譚にも)。日本にもその波は及び、ニヒリスト辻潤が訳した 『天才論』 (大正3) が話題を呼び、版を重ねた。犯罪学に造詣の深かった小酒井不木も、ロンブローゾの学説には深い関心を抱いていたらしい。小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 や夢野久作 『ドグラ・マグラ』 にも、その影響ははっきりと刻印されている。
◆1931年のこの日、スパイ小説の大家ジョン・ル・カレが英国ドーセットシャーで生まれる。冷戦下の非情な諜報戦を描き、1963年に刊行されるや絶賛を浴びた 『寒い国から帰ってきたスパイ』 の二転三転するプロットは、本格ミステリ・ファンも満足させるはず。
◆1942年のこの日、『赤毛のストレーガ』 のアンドリュー・ヴァクスがニューヨークで生まれる。
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