10月13日
◆1867年のこの日、オーストラリアの大衆作家ガイ・ブースビーが、アデレイドで生まれる。チベットの秘境で不死の霊薬を追い求める冒険小説 『魔法医師ニコラ』 (1896) は、南陽外史訳 『魔法医者』 (1899) で明治期の読者にはお馴染みの作品だった (但し、語り手を日本人に変え、女海賊が登場するブースビーの他の作品 『白妖姫』 を挿入するなど、かなりの自由訳。この辺の事情は横田順彌 『日本SFこてん古典』 に詳しい)。戦後、西条八十 (小山書店、1955)、香山滋 (偕成社、1956。児童書、これは翻訳というよりもリライトか) も翻訳を手がけているが、1997年になって菊地秀行訳 (小学館) が登場した。
◆2004年のこの日、翻訳家・作家の矢野徹が、大腸癌のため死去。享年81。ハインライン『月は無慈悲な夜の女王』 『宇宙の戦士』、ハーバート 『デューン 砂の惑星』、R・マシスン 『地獄の家』、ステープルドン 『オッド・ジョン』、スタージョン 『人間以上』、マクリーン 『八点鐘が鳴るとき』 他、数多くの訳書がある。アマチュア時代の昭和28年に、世界SF大会に招待されて渡米。その前に江戸川乱歩邸を訪問したときの話は 『続・幻影城』 所収のエッセー 「科学小説の鬼」 に記録されている。