12月30日
◆1865年のこの日、ラドヤード・キプリングがインドのボンベイで生まれる。『キム』 『ジャングル・ブック』 の作者はまた、「獣の印」 「イムレイの帰還」 「幻の人力車」 など、インドを舞台にした怪異譚を数多く残している。「彼等」 は心霊譚の絶品。近年刊行された邦訳短篇集に 『キプリング短篇集』 (岩波文庫)、『祈願の御堂』 (国書刊行会)がある。ちなみにキプリングは1889年と1892年の2回、日本を訪れていて、その見聞記は 『キプリングの日本発見』 (中央公論新社) にまとめられている。新婚旅行で訪れた2回目の旅では 「鎌倉の大仏」 という詩をつくっている。
◆1924年のこの日、『わらの女』 のカトリーヌ・アルレーがパリで生まれる。暗くカタルシスのない結末が多いアルレーの作品は、最初、本国フランスではなかなか受け入れられなかったという。
◆1952年のこの日、オースン・ウェルズがホスト役をつとめたラジオ番組 《Black Museum》 が終了する。番組名はスコットランド・ヤード内にある犯罪博物館――事件の証拠品や犯罪捜査の道具などを陳列した展示室から採られている。
◆1997年のこの日、星新一が死去。前年4月に自宅で倒れ、1年8ヶ月にわたって意識不明の状態が続いていた。