注目の近刊

11月10日刊
M・R・ラインハート『白樺荘の人々』
〈論創海外ミステリ〉豊かな自然に囲まれた〈白樺荘〉で平和に暮らすメイナード家の人々。一族の“災い”とも言える女性の出現が“当たり前の日常”を崩壊させ、白昼の悪夢にも似た事件を呼び起こす。著者最後の長篇。橘えむ訳
(論創社 予価4950円)[amazon]

11月11日刊
レフ・トルストイ『復活 上』
貴族の青年ネフリュードフは、陪審員として参加した裁判で、かつて若さゆえにもてあそび捨てた使用人のカチューシャと再会。殺人の罪で裁かれる彼女に対して激しい罪悪感に苛まれ、一つの決意をする……。トルストイ最後の長編大作。望月哲男訳
(光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon]

11月12日刊

コリーン・ケンブリッジ『クリスティの家政婦』
ここはミステリ作家アガサ・クリスティが暮らす英国のお屋敷、マローワン・ホール。家政婦長のフィリダは家事のすべてをとりしきり、日々誇り高く働いている。しかしある朝、書斎で男の他殺体が見つかった。凶器はなぜか万年筆。本棚には不自然な血痕。現場は奇妙な謎で満ちていたが、女主人アガサは「現実の謎解きはからきしなの」と鋭意執筆中。フィリダは山積みの家事をさばきつつも真相にたどり着き、お屋敷の平穏を取り戻すことができるのか。アガサ賞ノミネートのお仕事×謎解きミステリ。田辺千幸訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

11月12日刊
ピーター・スワンソン『クリスマス・ゲスト』
アメリカからロンドンの大学に入学した女子留学生は、クリスマス休暇に、友人の実家である旧領主館に招かれた。居心地のいい屋敷で理想の休暇を過ごし、友人の兄に惹かれていくが、彼には予想外の噂が……。驚愕の展開が待ち受ける中編「クリスマス・ゲスト」ほか、ショートショートの名品、子供じみた競争心から危険な崖登りに挑む二人の男とその陰に潜む歪な心理を描く「海食崖」など中短編7作を収録。日本オリジナル傑作選。務台夏子訳
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

11月12日刊
フレドリック・ブラウン『フレドリック・ブラウンSF短編全集4 スポンサーからひとこと』
奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を待望の文庫化。第4巻には、ある日世界中で一斉にラジオから流れた謎の放送が巻き起こす騒動を描いた表題作や、ショートショートの古典的傑作「武器」など、14編を収録。安原和見訳
(創元SF文庫 予価1430円)[amazon]

11月12日刊
岸田今日子『外国遠足日記帖』
どうしても「そこ」へ行きたい時もあり、とにかく「どこか」へ行きたい時もある。出会いの魅力に溢れた旅の記録。インド、北欧、チェコ、香港など、全7篇。
(白水Uブックス/外国語のポケット 予価1760円)[amazon]

11月12日刊
ヴァルター・ベンヤミン『一九〇〇年前後のベルリンの幼年時代 ベルリン・タイプ稿+パリ・タイプ稿』
ベンヤミン(1892-1940)が故郷で過ごした子供時代を回想した断章形式のテクスト。田中純訳
(講談社学術文庫 予価2640円)[amazon]

11月12日刊
井波律子『中国の隠者』
博識な宮廷道化、反骨の田園詩人、漂流する文人……老荘から竹林の七賢、陶淵明、李白、清代の袁枚まで、乱世に翻弄されながら意気軒昂と現実を否認し、自ら隠遁という生存様式を選び取った人々。権力と相対しあるいは身をひるがえし、逸脱の人生を生き抜いた中国の隠者の系譜を辿る。解題として種村季弘との対談「隠者という生き方」を収録。
(講談社学術文庫 予価1320円)[amazon]

11月12日刊
古沢典子『校正の散歩道』
1949年、ひとりの女性が岩波書店校正室の門を叩く。伝説的な先輩たちの言葉や仕事に学び、原稿とゲラに向き合う「頭脳の肉体労働」のなかで発見した、赤字の入れ方ひとつに宿る哲学、よりよい本を読者に届けるための「職人」としての矜持と倫理。瑞々しくも厳しい珠玉の校正/仕事論が、約半世紀の時を超え、私たちの背中を力強く押す。「校正」を語る名エッセイ、待望の復刊。巻末にインタビュー「教え子たちが語る古沢典子」を収録。
(ちくま文庫 予価1100円)[amazon]

11月12日刊
中井英夫『黒衣の短歌史 増補決定版』
「私は心のうちで激しく短歌を愛し、またそれ以上に現代短歌を憎んだ」──『虚無への供物』の作家・中井英夫は、葛原妙子、塚本邦雄、中城ふみ子、寺山修司ら、異才の新人たちとともに戦後短歌を革新した名編集者でもあった。斎藤茂吉ら大家との交流、旧弊な歌壇への反発と改革の道程を綴った回顧録的戦後短歌史『黒衣の短歌史』に、短歌論集『暗い海辺のイカルスたち』、単行本未収録の短歌論、短歌雑誌編集後記を増補した完全版。解説 穂村弘
(ちくま学芸文庫 予価2090円)[amazon]

11月12日刊
アラン・ロブ=グリエ『新しい小説のために 付スナップショット』
戦後フランスで巻き起こった文学潮流ヌーヴォー・ロマンの旗手とみなされたロブ゠グリエは、実験的で難解な作風ゆえに数々の批判にさらされた。彼はそうした声に抗するなかで、小説というジャンルは時代に応じた形式を備えるべきであるとし、過去の形式に囚われることなく、現代に相応しい書き方(エクリチュール)を探究することの重要性を力説する。短編集『スナップ・ショット』を併録した本書は、ヌーヴォー・ロマンのマニフェストにしてラディカルな小説論。平岡篤頼訳
(ちくま学芸文庫 予価1650円)[amazon]

11月16日刊
アラン・マバンク『ヤマアラシの回想』
〈アフリカ文学の愉楽〉その国には分身遣いがいるという――秘儀を施された人間の〈有害な分身〉として、夜の闇に生きてきた一匹の雄ヤマアラシが、いまバオバブの老木を前に血塗られた半生を語る。異常なまでに書物に執着する若者、欧州から来た白人の民族学者たち、裸を見せつけて呪いをかける老婆、奇妙な力を秘めた禍々しい双生児、はたまた肛門にヤシの実を詰めて人々の目を欺く邪な分身遣い……。あの世とこの世、人間界と動物界の閾を揺るがす不穏な逸話の数々。現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる出色のルノドー賞受賞作。桑田光平・福島亮訳
(国書刊行会 予価3080円)[amazon]

11月16日刊

北村紗衣『追っかけから始まるシェイクスピア女子の歴史 近世の観劇と読書』
女性たちはいかにシェイクスピアを受容し、その正典化に影響を与えてきたか。十八世紀までの観客や作家、宮廷人などの関わりを見る。
(白水Uブックス/人文知への扉 予価1980円)[amazon]

11月17日刊
アルベール・カミュ『転落』
「あのう、もしお邪魔でなければ、お手伝いいたしましょうか」――アムステルダムの船員酒場で、男が語り出す。かつてパリの売れっ子弁護士として「正義」を捧じていた彼は、なぜうらぶれたこの地で「改悛した裁判官」をしているのかを。聞き手を引き込む奇妙な独白が、人間に巣くう欺瞞をあぶり出す、カミュ晩年の代表作。塚本昌則訳
(岩波文庫 予価913円)[amazon]

11月17日刊
リック・ゲコスキー『稀覯本をめぐる冒険』
『ハリー・ポッター』私家版から世界史上貴重な手紙まで、有名作家やその家族がお宝を手放す際に見せる素顔を古書ディーラーが語る。矢倉尚子訳
(白水社 予価3080円)[amazon]

11月17日刊
スティーヴン・グッドウィン『暗号解読 歴史と原理、その解読方法』
〈アルケミスト双書〉世界中の支配者たちは数千年にわたって、軍事機密や政治的なやりとりを秘密裡に伝達する方法を模索してきた。ローマ皇帝カエサルの暗号や、戦争の帰趨を決めた南北戦争で使われた暗号、いにしえのスパイたちが使った今となっては牧歌的ともいえる暗号の数々など。さらには暗号機「エニグマ」をめぐるナチスドイツと英米の暗闘、そして最新のエンドツーエンド暗号化まで、歴史の中の暗号を解説。武井摩利訳
(創元社 予価1980円)[amazon]

11月18日刊
アレグザンダー・ボルディザー『五秒先を視る男 上・下』
五秒先の未来を視る特殊能力をもつ以外は平凡な男プレブル。ある事件をきっかけに家族を守るため警察や軍隊、国家に立ち向かう。酒井昭伸訳
(ハヤカワ文庫SF 予価各1980円)[amazon上・下]

11月18日刊
デイヴィッド・フィッシャー『スエズ運河を消せ』
第二次世界大戦、北アフリカ戦線。ドイツの名将ロンメルに追い詰められたイギリス軍の切り札は、兵器ではなくマジックだった――。金原瑞人・杉田七重訳
(ハヤカワ文庫NF 予価2090円)[amazon]

11月18日刊
エドワード・ゴーリー『邪悪な花園』
不気味な植物園に迷い込んだ、おめかし姿の吝嗇な都会人たち、その運命は? 一度読んだら癖になる、カルト作家のダークな傑作絵本。柴田元幸訳
(河出書房新社 予価1650円)[amazon]

11月18日刊
水木しげる『水木しげる妖怪大図録 世界編』
恐ろしくも美しく、ときにゆかいな水木妖怪のイラストを、世界編、日本篇、それぞれ約500体収録。A4変形の大判サイズで迫力の妖怪画を楽しめる、究極の水木しげる妖怪画集。
(講談社 予価17,600円)[amazon]
水木しげる『水木しげる妖怪大図録 日本編』
(講談社 予価16,500円)[amazon]

11月18日刊
レイモンド・チャンドラー『長いお別れ』
ハードボイルド小説の名作を新訳。今まで誰も書かなかった本当の『長いお別れ』とマーロウ、チャンドラー像がここに明かされる。山形浩生訳
(星海社 予価2475円)[amazon]

11月18日刊
山形浩生『翻訳の思考 チャンドラー『長いお別れ』を例に』
訳書累計200冊以上、経済・文学・ITなど多ジャンルにわたって翻訳を手がける山形浩生の翻訳思考が一文・一単語レベルでわかる翻訳指南。
(星海社新書 予価1430円)[amazon]

11月19日刊
会津信吾編『戦前日本モダンホラー傑作選 硝子娘』
「前書『バビロンの吸血鬼』はマイナー作家の発掘に力を注いだが、今回は文学史上、知名な(少なくとも文学辞典に単独立項される程度には)作家の埋もれた作品を掘り起こすことに重点を置いた。前書が「知らない作家の知らない作品」なら、本書は「知ってる作家の知らない作品」のアンソロジーということになる」(編者序文より)。全23編を収録。
(創元推理文庫 予価1650円)[amazon]

11月19日刊
アマンダ・フラワー『罪深きキャラメル
 アーミッシュ・キャンディショップ・ミステリ』
ニューヨークの最先端の店のショコラティエ、ベイリーは、祖父が病との報に急ぎオハイオ州のアーミッシュ・カントリーに向かった。ところが到着した早々、祖父母の店の厨房で死体を発見する羽目に。死体は、店のある一帯をアーミッシュのテーマパークにしようと目論んでいた不動産開発業者だった。第一発見者兼容疑者になったベイリーは、疑いを晴らすべく調べ始めるが……。アーミッシュの村を舞台にしたスイーツ満載のミステリ。大友香奈子訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

11月20日刊
トーマス・ベルンハルト『コンクリート』
メンデルスゾーン論を書き出せない主人公の果てしなきモノローグ。「そうよ」、「安飯喰い」収録。ベルンハルトの魅力を凝縮する。飯島雄太郎訳
(河出書房新社 予価4730円)[amazon]

11月20日刊
谷崎潤一郎『谷崎潤一郎 発禁作品集』
妖艶、耽美、淫蕩、破滅――。過激のあまり、長らく入手困難だった作品が、いま蘇る。直彦は暴走する性慾に慄き、禁欲の旅に出る(「飇風」)。陰謀蠢く江戸の御家騒動は、残虐非道な血塗れの狂宴に発展し……(戯曲「恐怖時代」)他。「文壇第一の注意人物」と睨まれた文豪の大正期発禁作品、ならびに関連する作品を、一部伏字復元のうえ収録。文庫オリジナル。
(中公文庫 予価1100円)[amazon]

11月20日刊
ジャニス・ハレット『すべてお見通し』
名門大学の修士課程に入学した六人の社会人学生。互いの秘密が交錯した結果、信じ難い悲劇を招くことに……。破格のミステリー。山田蘭訳
(集英社文庫 予価2145円)[amazon]

11月24日刊

沼野恭子『スプーンと反戦 戦時下のロシア語文学』
ささやかな、日常的なものこそが戦争に抗うためのよすがとなる。言論封殺のための法改正、喧伝されるプロパガンダ、反体制派の排除──国のために犠牲を強いる強権的な流れに、現代ロシア語作家たちはどのように抵抗しているのか。アレクシエーヴィチ、ウリツカヤ、クルコフらの反戦の声に応答し、戦時における文学の役割を問う。
(岩波書店 予価3080円)[amazon]

11月25日刊
小山内園子・すんみ『はじめての韓国文学 6つのテーマでひらく物語』
いま、世界中から熱い視線を集める韓国発の文学。ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンをはじめ、多くの作家、作品を生み出している。それらを日本の10代にも密接にかかわる「格差」「家族」「ジェンダー」など6つのテーマで読み解き、面白さと魅力を紹介する。各章末には、関係する用語解説をつけ、作品理解を助ける。
(岩波ジュニア新書 予価1122円)[amazon]

11月25日刊
梶尾真治『100分de名著 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』』(仮)
『夏への扉』は、恋人と親友に裏切られ、すべてを失った発明家ダンの大逆転の物語だ。冷凍睡眠で30年後の未来へ送られたダンは、人生を取り戻すため時間を行き来する。張りめぐらされた謎と時間旅行の仕掛けを、SF作家・梶尾真治が実作者の視点から読み解く。〈100分de名著〉12月テキスト
(NHK出版 699円)[amazon]

11月25日刊
ティム・オブライエン『虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ』
嘘が原因で一流ジャーナリストからフェイクニュースの王に転落した中年男ボイド。
田舎町のデパートに勤める彼は、ある日銀行強盗に入り、窓口係のアンジーを人質に、奪った8万1千ドルと逃避行に出る。仕切り屋で喋り通しのアンジーに閉口しつつ西海岸を縦断するボイドと、彼をとりまく大富豪、悪徳警官、美人妻、殺人者─―追う者追われる者が入り乱れ、嘘と疫病に乗って全米を疾走するが……。村上春樹訳
(ハーパーBOOKS 予価1760円)[amazon]

11月25日刊
ギャリー・J・ショー『世界奇書紀行 ヴォイニッチ手稿、天使日記 謎めいた書物の物語』
解読不能とされる「ヴォイニッチ手稿」をはじめ、中世の修道女による秘密文字、天使との交信日記、暗号化された錬金術ノートなど、西洋の9つの文書の謎に迫る。図版多数掲載。
(平凡社 予価3960円)[amazon]

11月25日発売

《ミステリマガジン》1月号
特集 ミステリが読みたい
(早川書房)[amazon]

11月26日刊
ベルンハルト・シュリンク『孫娘』
〈新潮クレスト・ブックス〉探し出した孫娘は、ネオナチだった――。遺された絆は思想の壁を越えるか。「ヒトラーは平和を望んでたの。ドイツ人はユダヤ人を殺してない」亡き妻の秘密を追った孤独な老人が探し出した孫娘は、彼にそう言い放った。横たわるのは世代間の深い断絶と、東西ドイツの分断が生んだ歴史的傷跡。相容れない思想の違いを越え、出会った二人は魂の絆を紡げるのか。『朗読者』に匹敵する感動の長篇小説。松永美穂訳
(新潮社 予価2970円)[amazon]

11月26日刊
スルハン゠サバ・オルベリアニ『嘘の知恵』
〈ルリユール叢書〉
「嘘」とは、人を欺く虚偽ではなく、知恵を伝える〈つくり話〉である――王子教育の枠物語に、ヨーロッパから中東、インドに連なる寓話を巧みに編み込み、人間の愚かさと欲望、友情と善を軽妙かつ辛辣に描く。三世紀を経て、今なお読み継がれるジョージア文学の古典。本邦初訳。児島康宏訳
(幻戯書房 予価3850円)[amazon]

11月26日刊
エドゥアルト・フォン・カイザーリング『波 他三篇』
〈ルリユール叢書〉トーマス・マンが絶賛した、20世紀ドイツ文学の知られざる名作家カイザーリング――光と色彩溢れる海辺を舞台に、駆け落ちした貴族夫人の揺れ動く心理を印象主義的筆致で描く傑作『波』。没落貴族社会の閉塞と官能を捉えた「蒸し暑い日々」「婚約」「隣人」の3篇を併録。本邦初訳。金志成訳
(幻戯書房 予価4180円)[amazon]

11月26日刊
クリストファー・デ・ハーメル『美しき写本をめぐる12の物語』
売買され、秘蔵され、使用され、複製され、分解されて、いまなお世界中の図書館や博物館、あるいは個人宅に遺されている写本たち。その歴史には、制作に関わり、あるいは収集に血道をあげ、よろこびに震える手で写本の頁を繰った、多くの人たちがいた。世界で最も多くの写本に触れてきた著者の案内による、写本に憑かれ、魅せられた12人をめぐる壮大な旅。松田和也訳
(青土社 予価13,200円)[amazon]

11月27日刊
サマンタ・シュウェブリン『よき邪悪』
湖底から生還した母親に野ウサギを手渡す隣人の男、子供の喉に空いた穴から父へかかってくる無言電話、文学レジデンスに滞在中の作家を訪れる愛猫の幽霊、突如家にやってきた願いを一つ叶える押し込み強盗……現代アルゼンチン文学を代表する全米図書賞作家が贈る〈スパニッシュ・ホラー文芸〉最前線。日常の裂け目から居心地の悪さと恐怖が静かに立ち上がる、全6編。。宮﨑真紀訳
(河出書房新社 予価3520円)[amazon]

11月27日刊
東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学VI たそがれケルト編』
日本とアイルランドには「黄昏時の薄暮を愛でる」という共通する心性があった!? 明治から大正にかけて続々と紹介・翻訳されたイェイツらアイルランド文学作品に加え、当時の文学運動を共有していた泉鏡花、柳田國男、芥川龍之介、菊池寛、ラフカディオ・ハーンらの作品も収めたアンソロジー。
(春風社 予価3960円)[amazon]

11月27日刊
エルンスト・ブロッホ『ユートピアの精神 新装版』
若きベンヤミン、アドルノに影響を与えた記念碑的名著。内面の暗闇に垂鉛を下ろし既存の哲学を破砕しつつ薄明へと駆り立てる。「新しき生ここに始まる」。好村冨士彦訳
(白水社 予価6930円)[amazon]

11月28日刊
アーナルデュル・インドリダソン『冷たい炎』
エーレンデュルは故郷であるアイスランド東部を訪れていた。かつて幼い弟と吹雪のなか道に迷い、彼だけが救出された。以来時折弟の痕跡を探しに来ていたが、地元で話を聞くうち、吹雪の中行方不明になった女性の話を耳にする。気になったエーレンデュルは、真相を解き明かそうといまだ生きている関係者たちに話を聞くが、証言からあらわれたのは凄まじいまでの怒りと哀しみに満ちた事件だった。北欧ミステリの巨人のシリーズ最終巻。柳沢由実子訳
(東京創元社 予価3080円)[amazon]

11月28日刊
大矢博子『もっとクリスティを読む! ミステリの女王の名作精読講座』
〈キイ・ライブラリー〉ミステリの女王、アガサ・クリスティの数々の名作は、なぜこんなに面白いのか? その疑問に真正面から答えて好評を博した『クリスティを読む!』の第二弾。〈探偵〉〈舞台〉〈時代〉〈作者の暮らし〉に焦点を当て、各章でおすすめ作品の魅力をたっぷり紹介。驚くべき語り&騙りのテクニックを解説する最終章もパワーアップ。クリスティという作家とミステリという小説ジャンルをより深く知りたい方に最適な一冊。
(東京創元社 予価2090円)[amazon]

11月28日刊
福井健太編『アポロンのナイフ 少年ミステリ傑作選』
古今東西のミステリ小説において、少年が存在感を放つ作は少なくない。未成年ゆえの感性と思考、社会的立場やコミュニティなどを介して、彼らは多彩な謎と物語に貢献してきた。日本の短篇ミステリからその成果を集めた本書には、車椅子の少年が名推理を見せる天藤真「多すぎる証人」、少年犯罪が意外な事態を生む有栖川有栖「アポロンのナイフ」、小学生と青年の友情を描く長岡弘樹「夏の終わりの時間割」など全10篇を収録。
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

11月28日刊
ダニエル・ジャドスン『かくも暗き運河』
雨の夜、橋から吊り下げられた二つの死体。街を牛耳るカステロの組織を裏切った男たちだった。かつての組織員ベイシェイは、恋人を人質にとられ背信の黒幕を探れとカステロに命じられる。一方、元私立探偵ミラーも、旧知の警察署長から事件の調査を命じられていた――。暗い過去を抱える男二人の物語が交錯し、事件は思わぬ結末を迎える! 米ミステリー界を揺るがした傑作犯罪サスペンス。中瀬英樹訳
(新潮文庫 予価1320円)[amazon]

11月28日刊
スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』
狂騒の1920年代。NYの東、ロングアイランドの豪邸では週末ごとに絢爛たるパーティが開かれる。若くてハンサムで途轍もなく裕福なその屋敷の主は一体どこからやって来たのか。強烈な野心は現実と衝突し、秘められた純愛が露わになるが――。ジャズ・エイジを体現した著者は時代の寵児となり、作品は何度も映画化された。世界各国の作家を含め数多の若者に影響を与えた20世紀世界文学の最高峰。上岡伸雄訳
(新潮文庫 予価825円)[amazon]

11月28日刊
セーレン・キルケゴール『死にいたる病 現代の批判』
人間として生きることに潜む矛盾や不条理に向き合い続けたキルケゴール。その思想を余すところなく伝える二つの名著を収録。松浪信三郎・飯島宗享訳
(白水Uブックス/思想の地平線 予価1650円)[amazon]

11月30日刊
夢野久作『ドグラ・マグラ 特装版』
日本読書史に燦然とその名を刻み込む、怪奇小説の帝王・夢野久作による畢生の大作『ドグラ・マグラ』。読む者を惑わすと語られる奇書が、美麗な装丁で大いなる復活を果たした。文芸ファン必携の一冊。内容
(KADOKAWA 予価6930円)[amazon]

11月30日刊
エミリ・ディキンスン『エミリ・ディキンスン書簡選集』
永遠に記憶されるアメリカの詩人、エミリ・ディキンスン。家族、親戚、「マスター」、友人など、彼女が親しい人に託した手紙と、そこに同封された詩を選出。日々の喜び、別れの悲しみ、憂慮、謝罪、信仰、季節の移り変わり……アマストでの隠遁生活の部屋から広がる、饒舌に書き込まれた豊かな感性と、多感な風景。1845〜86年の約40年間に送られた手紙340篇。朝比奈緑訳
(小鳥遊書房 予価6600円)[amazon]

11月予定
オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第10巻 パリ生活情景**』
(水声社 予価13,200円)

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アルノ・シュミット『レヴィアータン』
〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳
(水声社 予価2200円)


▼12月予定

12月2日刊
ジェフリー・パーカー『全地球的危機 17世紀における戦争、気候変動、大災害 上・下』
頻発する戦争と寒冷化による世界同時多発的な大惨事。膨大な史料に埋もれた人々の顔を映しだす17世紀における地球的危機の全貌とは。戦争と気候と民衆の物語が編みだす歴史絵巻。見市雅俊訳
(白水社 予価各9900円)[amazon上・下]

12月2日刊
サミュエル・バー『アルファベット・ボックス パズル作家最期の謎』
パズル作家が共同生活する屋敷で育てられたクレイトンは、義母の遺したパズルに導かれ、実の両親を探す旅に出る。それは彼にとってはじめて協会員以外と交流する旅でもあった。各地の暗号を解くうちに、彼は自身の孤独と向き合っていく。やがて知る真実とは? 服部理佳訳
(早川書房 予価4180円)[amazon]

12月3日刊
ラヴ・グレワル-コク『九月十一日の影』
9.11後のアメリカ。連邦検察官のニールは新設の対テロ情報機関に抜擢される。だが、重大な失敗を犯した彼は、組織の裏で暗躍する情報工作員たちに弱みを握られ、法の制約さえ受けない過激な対テロ作戦に利用されていく。ニールを利用する者の正体とは――。吉野弘人訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価3410円)[amazon]

12月3日刊
フリーダ・マクファデン『バッドゲスト』
職を失い収入のなくなったブレイクは家の一室を女に貸すことに。だが彼女の入居後、問題が続発。隣人殺しの疑いまでかけられ……。高橋知子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1540円)[amazon]

12月3日刊
ヴァージニア・ウルフ『波 新訳版』
20世紀初頭のイギリス。遠い太陽の光が海辺の一日を照らし、生まれては消える波のうねりを描き出す。そこに重なるのは、男女6人のモノローグ。いくつもの声が、幼少期から晩年まで、幻想のように過ぎた日々の思い出を物語る。くり返す描写と語りが重なり、繊細な感覚と記憶が波音と響き合う。作家みずから劇=詩(プレイポエム)と呼び、小説の純粋性を追求した作品であり、後世に多大な影響を与えた、ウルフ文学の到達点。森山恵訳
(ハヤカワepi文庫 予価1540円)[amazon]

12月3日刊
デニス・E・テイラー『われらはレギオン5 巨大銀河連邦の沈黙』
銀河の中心を探索するボブたちが見つけたのは、汎銀河交通網と廃墟と化した星系群。銀河系に未曾有の危機が迫っていたのだ……! 金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1980円)[amazon]

12月3日刊
クレマン・カマル-メルシエ『砕かれた世界で』
ジャンヌは何事もそつなくこなす有名ポルノ女優。ナータンはアメリカ映画の講義で人気の大学教授。だが彼らは薬物にすがり生活する依存者だった。やがてふたりは恋に落ち、愛と幻覚が世界を満たしていく。普通に生きること、その過酷さを描いた心揺さぶる文学。堀切克洋訳
(早川書房 予価4950円)[amazon]

12月3日刊
トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ1 神探福邇の事件簿』
舞台は阿片戦争の記憶も生々しい英国統治下の香港。満洲旗人の名探偵・福邇(フーアル)と、記録者である軍医あがりの華笙(ホアション)が、植民地の怪事件に挑む。『辮髪のシャーロック・ホームズ』(文藝春秋)を改題、新作短篇「福邇とシャーロック・ホームズの出会い」を本邦初収録した増補新版。再刊。舩山むつみ訳。【内容】血文字の謎/紅毛嬌街/黄色い顔のねじれた男/親王府の醜聞/ベトナム語通訳/買弁の書記/福邇とシャーロック・ホームズの出会い
(作品社 予価3520円)[amazon]

12月3日刊

トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ2 神探福邇の最期』
『辮髪のシャーロック・ホームズ』の続篇となる第二巻。舩山むつみ訳。【内容】四人の血書/口曲がりの皇帝/常勤の医者/ 踊り子の暗号/潜龍号の設計図/最後の決戦
(作品社 予価3520円)[amazon]

12月4日刊
『このミステリーがすごい! 2027年版』
2026年のミステリー小説アンケート・ベスト20発表。ARGクリエイター「第四境界」を特集。 新本格ミステリー40周年前夜特集として、綾辻行人×有栖川有栖×法月綸太郎の鼎談。 島田荘司・笠井潔をはじめ、ムーブメントをバックアップした作家・編集者らのエッセイも必読。
(宝島社 990円)[amazon]

12月4日刊
『中国現代文学ギャラリー 家族とくらし』
人口政策と経済発展が社会構造を塗り替える中で、揺らぎ、再編されてきた家族という単位。一族の歴史、夫婦の危機、親子の対立、高齢者の婚活などを通して、世代間の緊張や孤立、ケアの重圧を背負う人々の姿を描く12篇を収録。人々の暮らしの細部から、家族関係の現在を照らし出す。莫言・郝景芳、畢飛宇、梁鴻、双雪濤ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編
(集英社 予価3300円)[amazon]

12月8日刊
クライヴ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』
ニューヨーク地下鉄連続殺人事件と古代からの秘密が明らかになる表題作のほか、死神、幽霊、怪物などが跋扈する最狂ホラー短篇集。宮脇孝雄訳
(河出文庫 予価1540円)[amazon]

12月8日刊
アーサー・ラッカム編・絵『夜ふけに夜みたい マザーグースのおとぎ話』
人気の海外民話集「夜ふけに読みたいおとぎ話」シリーズに、イギリスで子どもから大人まで愛されてきたマザーグースが登場!。おなじみの歌からへんてこな歌まで、 人気挿絵画家アーサー・ラッカムが選んだおとぎ話を、美しくて楽しい挿絵とともに。和爾桃子編訳
(平凡社 予価2750円)[amazon]

12月9日刊
レフ・トルストイ『復活 下』
カチューシャを救うために自らが最も嫌悪する特権階級のコネに縋らざるを得ない自己矛盾や、農民たちに土地を無償で分け与えようとして不穏分子と危険視される理不尽。自らの正義を貫こうとするほど、大きな壁がネフリュードフの前に立ちはだかる。一方、監獄生活を送る政治犯との交流によってカチューシャの心境にも変化が訪れて……。ロシア社会の不条理を鋭く告発しつつ、人間愛の極限を描いたトルストイ最後の長編。望月哲男訳
(光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon]

12月9日刊
ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ『危険な関係』
結婚が決まり、修道院を出た十五歳の美少女セシル。その遠縁にあたる侯爵夫人は、セシルの婚約者に対する復讐として、プレイボーイの子爵にセシルを誘惑させようとたくらむが……。巧みな心理戦に息をのむ、書簡体小説の傑作。渋谷豊訳
(光文社古典新訳文庫 予価2640円)[amazon]

12月9日刊

エラリー・アダムズ『謎解きには、本とスコーンがあれば』
心に傷を抱えた人々が訪れる癒やしの町で、書店主ノラは、一人一人に必要な本を「処方」する。ある日、人生をやり直したいと願った男性が、特製スコーンを受け取ったあとに謎の死を遂げる。自殺とは信じられないノラは、三人の女性と真相を追うことに。心温まる新シリーズ開幕。吉野山早苗訳
(原書房/コージーブックス 予価1650円)[amazon]

12月10日刊
セバスチアン・ジャプリゾ『寝台車の殺人 新訳版』
マルセイユ発の寝台急行の終着駅パリ・リヨン駅、乗客降車後に、あるコンパートメントで女性の絞殺体が発見された。客室の定員は六人。司法警察の癖のある刑事たちが捜査を開始する。乗客名簿を発表すると、有名企業の営業マンが名乗り出た。同室だった五人の客の中に犯人がいるのか? 女優、運送業者、パリに職を求めて出てきた若い娘、エンジニアの妻……。驚くべきことに彼らは次々に殺されていく。『シンデレラの罠』のジャプリゾのミステリ・デビュー作。平岡敦訳
(創元推理文庫 予価1210円)[amazon]

12月10日刊
アレックス・マイクリーディーズ『ねじれた島』
劇作家のエリオットは、元映画スターやその友人らとともに、ギリシャの孤島へやってきた。アウラ島――そよ風を司る女神の名を冠するこの島では、ときに獰猛な風が吹き荒れるという。穏やかなバカンスの陰に見え隠れする、穏やかならぬ七人の関係。島が外界から隔絶された夜、銃声が轟くことを、この中の誰が知っていただろう? ――凄まじい筆力で綴られる「殺人以前」の物語は、刹那、その全容を変え、あなたの脳髄を震えさせる。ミステリ界を牽引する著者が放つ傑作長編。池田真紀子訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

12月10日刊
マイク・オマー『校舎襲撃 人質交渉人2』
銃で武装した陰謀論者数名が、ニューヨーク市の高校に立てこもった。彼らはネット掲示板で情報交換し、その高校に人身売買組織の構成員がいて、児童売買がおこなわれるため、阻止しなくてはならないと主張している。人質をとり、避難した副校長に電話で連絡してきた。市警の人質交渉人アビー・マレンは、電話で犯人の説得をはじめつつ、彼らの正体を探っていくが……。〈人質交渉人〉3部作第2弾。西谷かおり訳
(創元推理文庫 予価1760円)[amazon]

12月10日刊
ブサイナ・アル=イーサ『書籍検閲官の図書館』
〈革命〉によりあらゆる想像力が追放された世界。新人書籍検閲官は禁書を読み始め、物語の魔力に取り憑かれる。彼は、かつて「本と恋に落ちた」と評された元検閲官との出会いにより、禁じられた書物の世界へと引きこまれていく……。アラブ発、『一九八四年』×『不思議の国のアリス』の傑作ディストピア・ファンタジー。佐田千織訳
(東京創元社 予価2750円)[amazon]

12月10日発売
《紙魚の手帖》vol.32
雨井湖音、紅玉いづき、澤田瞳子、日向理恵子、深緑野分で贈る、読切特集「本・読書」。石持浅海新連載スタートほか。
(東京創元社 1760円)[amazon]

12月10日刊
アルテミドロス『夢判断の書』
2世紀末から3世紀初頭のローマ帝国で活動した小アジア出身のギリシア人アルテミドロスによる、現存する唯一の古代の夢判断書。全5巻から成り、夢の分類や解釈方法を体系的に論じるとともに、実際の夢とその後の出来事を数多く収録した実践的な手引書となっている。また当時の社会を映し出す貴重な史料でもある。城江良和訳
(講談社学術文庫 予価1870円)[amazon]

12月10日刊
アラン『幸福についてのプロポ』
日本では『幸福論』の表題で知られるアランの代表作。「プロポ(propos)」とは、アランが試行錯誤の末に到達した表現形式であり、脈絡のない雑話であると同時に、propositumという語源が意味するように目的と意図と主題を明確にもつ提案でもある。合田正人訳
(講談社学術文庫 予価1650円)[amazon]

12月10日刊
レオニー・シェーラー『盗まれた女たち 歴史上なかったことにされた女性の栄光』
その名声は「彼」のものだったのか? 科学、芸術、政治――歴史の陰に消えた女性の功績に光をあてる。ドイツで大反響を呼んだ歴史ノンフィクション、待望の邦訳。森内薫・赤坂桃子訳
(筑摩書房 予価2970円)[amazon]

12月11日刊
アーシュラ・ル=グウィン『ル=グウィン版 老子』
『ゲド戦記』で知られるル=グウィンが「何よりも深い水源」と称えた最愛の書『老子道徳経』――その原文に自ら向き合いつづけた作家の言葉は、現代を生きるすべての人の魂に捧ぐ「詩」として、古典に新たな命を吹き込んだ。名英訳の誉れ高いル=グウィン版、その技と精神を余すところなく伝える待望の日本語訳。大久保ゆう訳
(青土社 予価2860円)[amazon]

12月12日刊
えのころ工房『シャーロック・ホームズ人物解剖図鑑 宿敵と魔犬編』
(エクスナレッジ 予価2750円)[amazon]

12月14日刊
『2027本格ミステリ・ベスト10』探偵小説研究会編
毎年のように登場する「超新星」とベテラン勢がしのぎを削るランキング、特集は「館ミステリ」総合展、インタビューは北山猛邦(『石球城』殺人事件)、楠谷祐(猫鳴く森で謎解きを)。レギュラー記事も高濃度の本格1年分。
(原書房 1320円)[amazon]

12月14日刊
ウィリアム・トレヴァー『トレヴァー短編選集3』

名匠トレヴァーの死後に刊行された遺作集『ラスト・ストーリーズ』を改題して文庫化。短編の技芸が極まった10編を収載。。栩木伸明訳
(ちくま文庫 予価1320円)[amazon]

12月14日刊
ジョン・ロック『人間知性論 上・下』

人間はどのように知識を得るのか?  経験によってである。イギリス経験論の基礎を築いた不朽の哲学古典、待望の新訳。冨田恭彦訳
(ちくま学芸文庫 予価2200円/2090円)[amazon上・下]

12月14日刊
川本皓嗣『アメリカの詩を読む』

英語の詩を理解するための基本事項を解説しながらアメリカの名詩19篇を読みぬく。初心者から上級者まで魅了する最上の案内書。
(ちくま学芸文庫 予価2200円)[amazon]

12月14日刊
ロベルト・ボラーニョ『2666 新装版』
謎のドイツ人作家をめぐる文学の冒険、メキシコ北部の砂漠地帯で今も続く女性連続殺人事件。その背後に隠された「世界の秘密」とは? 野谷文昭・内田兆史・久野量一訳
(白水社 予価7920円)[amazon]

12月14日刊
ロベルト・ボラーニョ『野生の探偵たち 新版』
謎の女流詩人を探し求めてメキシコ北部の砂漠に向かった二人の若き詩人。五十余名の人物の声がその足取りを証言する半自伝的傑作長篇。柳原孝敦・松本健二訳
(白水社 予価6930円)[amazon]

12月14日刊
ピエール-イヴ・ボールペール『フリーメイソン大全 秘密結社の伝説と真実』
1717年のロンドン大ロッジ創設以来、フリーメイソンはヨーロッパ社会の変化とともに広がりながら、その秘密主義ゆえに無数の神話や疑念を生み出してきた。本書はそうした通俗的理解を排し、一次資料や文献を丹念に読み解いて、その実像に迫る。そこから浮かび上がるのは、フリーメイソンが18世紀ヨーロッパにおける知識人ネットワークや社交文化の重要な担い手であったという事実である。専門の歴史家がフリーメイソンの実像を明快に解き明かす。室井茜訳
(原書房 予価3960円)[amazon]

12月16日刊
コニー・ウィリス『ラズウェル道中』
親友の結婚式に出るためロズウェルまでやってきたフランシー。だが、式場に向かうレンタカーの中でなんと宇宙人に拘束されてしまう! 回転草(タンブルウィード)型で触手をもつ謎の宇宙人“インディ”は、フランシーに次々と行動を指示してきて!? 傑作SFエンタテインメント。大森望訳
(早川書房 予価4730円)[amazon]

12月16日刊
テリー・ディアリー『殺し屋を名乗る男』
列車内で殺し屋を名乗る男と乗り合わせた乗客たち。後日、乗客が変死し警察は自殺と断じる。女性警官エイリーンは男を追うが……。矢島真理訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2200円)[amazon]

12月16日刊
ジェイムズ・マクブライド『ヘヴン・アンド・アース・グローサリー・ストア』
1972年、井戸の底から発見された白骨死体。それはかつて貧しくも温かさのあった街〈チキン・ヒル〉で、ユダヤ人と黒人たちが命懸けで守り抜いた「秘密」だった。社会に居場所のなかった人々が愛と絆で理不尽に立ち向かう。全米を優しく包み込んだベストセラー長篇。北田絵里子訳
(早川書房 予価4400円)[amazon]

12月17日刊
インドレック・ハルグラ『薬師メルヒオールとトームペア城の殺人』
15世紀エストニアの都市タリン。バルト海沿岸の海賊を駆逐したドイツ騎士団が拠点とする一方、街は商人たちが権力を握り、平和を保っていた。そんなタリンでドイツ騎士団元指揮官が殺害される。斬り落とされた頭を壁に釘付けにされ、その口には硬貨が詰め込まれていた。事件はそれだけでは終わらず、今度は教会の建築家が殺され……。中世のエストニアを舞台に、薬師メルヒオールがその知識と推理力で事件を追う時代ミステリ。久山葉子訳
(創元推理文庫 予価1650円)[amazon]

12月17日刊
ホリー・ヘップバーン『スラムウェル館の犬 シャーロック・ホームズは引退しました』
ベイカー街の住宅金融組合で郵便室に勤めるハリエットは、ある日奇妙な電報を受けとった。高名な作家が謎の「恐怖」によって死の危機にあるため、原因を調べてほしいという。依頼人は作家の甥。依頼先は――シャーロック・ホームズ。ハリエットの職場はホームズの作中住所に建っているため、かの名探偵の実在を信じる人々から日々依頼の手紙が届くのだ。彼女はホームズの代理人を名乗り、作家が暮らす館を訪れる……。シリーズ第二作。廣瀬麻微訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

12月17日刊
レイ・ブラッドベリ『スは宇宙(スペース)のス 新訳版』
ヴェルヌがわたしの父だった。ウェルズがわたしの賢明な伯父だった。ポオは蝙蝠の翼の生えた兄弟、シェリー夫人がわたしの母親だった。バローズやハガード、スティーヴンスンの作品を貪り読んだ若いころ――。幻想と叙情のSF詩人が、読者を幼年時代へ、怪異な夢魔の息づく不可思議な世界へ誘う珠玉の短編16編。中村融訳
(創元SF文庫 予価1540円)[amazon]

12月18日発売
甲賀三郎『幽霊犯人 新聞連載版』
昭和4年『東京朝日新聞』夕刊連載。避暑地の別荘で起きた不可解な殺人事件と高価な指輪の紛失を巡り、科学的なアプローチで謎に挑む本格探偵小説。竹中英太郎の連載挿絵105点を完全収録。
(MM PROJECT文庫)※先行販売 盛林堂(12月上旬)

12月21日刊
マーク・オルドリッジ『ポワロ百科』
1920年、偉大なる名探偵エルキュール・ポワロが誕生した。それから百年を超えてもなお、ポワロは小説のみならず、舞台、映画、ドラマなどで愛され続けている。著者による独自の調査と考察で、ポワロ作品全作をふりかえる。倉田真木・田中ちよ子・古森科子・岡田ウェンディ・本間綾香・曽根田愛子訳
(原書房 予価3300円)[amazon]

12月21日刊
フランシス・ヤング『妖精の歴史』
「羽をもつ小さな存在」という妖精のイメージはどこから生まれたか。ケルトほか古代ヨーロッパ各地に見られる起源、宗教改革、大航海時代の影響を取り込み、コナン・ドイルの妖精学にまで至る、妖精と人間の文化史・思想史。村岡優訳
(原書房 予価4180円)[amazon]

12月21日刊
ルチャーノ・デ・クレシェンツォ『『オデュッセイア』を楽しく読む』
英雄にして大ぼら吹きのペテン師、時に冷徹なリアルポリティックの人オデュッセウスの冒険譚を、ベストセラー作家が語りなおす。草皆伸子訳
(白水Uブックス 予価2530円)[amazon]

12月21日刊
ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々4 診察/ラ・ソレリーナ 新版』
第一次世界大戦前後、ヨーロッパの大変動期を舞台に若者たちの青春と悲劇を描く。時を超えて胸を打つ永遠の大河小説。山内義雄訳/野崎歓 解説
(白水Uブックス 予価2750円)[amazon]

12月22日刊
『別冊太陽 ホラー漫画の世界』
幻の怪作から令和の人気作まで、ホラー漫画の歴史を網羅した大特集。伊藤潤二のインタビュー、犬木加奈子、中山昌亮、押切蓮介による特別描き下ろし作品も収録。
(平凡社 2750円)[amazon]

12月22日刊
八條忠基『遊びとゲームの有職故実図鑑』
遊びをせんとや生まれけん――。囲碁、将棋、双六、なぞなぞ、雛遊び、貝覆(かいおおい)、蹴鞠、鷹狩、競馬(くらべうま)見物など、平安貴族が愛した遊びの数々を楽しい図版で紹介。貴重図版多数。
(平凡社 予価3850円)[amazon]

12月22日刊
フョードル・ドストエフスキー『ネートチカ・ネズヴァーノヴァ ドストエフスキー中篇選』
空想好きな少女ネートチカがたどる、魂の遍歴――唯一の少女小説にして、逮捕により惜しくも未完となった中篇に、ドストエフスキー文学の核心を示す重要なエッセイ「ペテルブルグの夢」「夏象冬記」を付す。米川正夫訳
(中公文庫 予価1375円)[amazon]

12月22日刊

片岡義男・鴻巣友季子『翻訳問答 英語と日本語行ったり来たり』
『高慢と偏見』『赤毛のアン』『嵐が丘』……。海外文学の名作たちを、作家・片岡義男と翻訳家・鴻巣友季子が互いに訳して本気で語らう。伝説の翻訳がちんこバトル、全七局。ことばの奥深さが沁みわたる名著に、書き下ろしの誕生秘話や当時の裏話を増補。
(中公文庫 予価1320円)[amazon]

12月22日刊

黒岩比佐子『「食道楽」の人 村井弦斎』
明治時代のベストセラー『食道楽』の著者、村井弦斎は新聞小説家として一世を風靡しただけでなく、日本におけるフェミニストの先駆けの一人であり、また生活改良を軸とする理想主義者、啓蒙主義者という一面もあった。ある時代にもっとも大衆に支持された作家が、いまや文学史上からほとんど消えてしまったのはなぜか。
(中公文庫 予価1925円)[amazon]

12月23日刊
マリー・ボナパルト『エドガー・ポー 生涯と作品の精神分析的研究 上・下』
精神分析学の創始者フロイトの弟子で、フランスを代表する精神分析家の一人「公女」マリー・ボナパルトは、フロイトのもとで自らの幼年期の幽霊恐怖を解明しようとエドガー・ポーの作品に再び触れ、それを機に本書は誕生することになった。ポーの生涯と作品、その無意識の深層、ひいては人間の魂の奥底に秘められた謎を、精神分析学のアプローチを用いて赤裸々なまでに解明した、斯界の嚆矢とも言うべき、歴史的名著にして伝説的大著。序文=ジークムント・フロイト。星埜守之監訳/倉智恒夫・上西哲雄・及川和夫訳
(国書刊行会 予価各5280円)[amazon上・下]

12月23日刊
ニコラス・フェラーロ『アンバル』
宮﨑真紀訳
(新潮文庫 予価1045円)[amazon]

12月23日刊
ジーン・ウェブスター『フォー・プールズの謎』(仮)
三角和代訳
(新潮文庫 予価781円)[amazon]

12月23日刊
廣野由美子『別冊NHK100分de名著 集中講義 シャーロック・ホームズ 「世界一の名探偵」はこうして生まれた』
あざやかな推理、人間観察の鋭さ、近代社会へのまなざし、そして読者を夢中にさせる物語の力。登場から140年近くを経てもなお色あせないシャーロック・ホームズ作品の魅力を、英文学研究者が丁寧に読み解く。Eテレ「100分de名著」テキストに書き下ろしを加えた決定版。
(NHK出版 予価1210円)[amazon]

12月23日刊
ハン・ガン『ジ風が吹いている、行け』
〈ハン・ガン コレクション〉
親友の画家が謎の死を遂げた。その真相を命がけで追求する、強い絆で結ばれた女性同士の熾烈な愛の長篇ミステリー。斎藤真理子訳
(白水社 予価2750円)[amazon]

12月24日刊
グゼーリ・ヤーヒナ『ズレイハは目をあける』
スターリン体制下、強制移住を強いられたタタール人女性ズレイハは、静かに強かに対峙する――歴史の暴力に。過酷なシベリアの自然に。ロシア国内で絶讃と論争を呼んだ話題作。守屋愛訳
(白水社 予価4730円)[amazon]

12月24日刊
ジョン・コナリー『あらゆる亡霊のあらゆる墓』
二階の部屋には、日曜日ごとに霧と冷気が現れる。住人一家は害がないからと放置していたが……。家に棲まう「ある存在」について語る忘れがたい表題作のほか、実体化した小説の登場人物たちが暮らす〈キャクストン私設図書館〉の不思議な設立秘話、家族を喪った男とワインセラーに現れた謎の存在との交流を描く一編、水玉模様のネクタイを締めた奇妙な熊の物語など、全13作。『失われたものたちの本』の著者が贈る怪奇小説短編集。田内志文訳
(東京創元社 予価2860円)[amazon]

12月24日刊
アーナルデュル・インドリダソン『黒い空』
レイキャヴィク警察の犯罪捜査官シグルデュル=オーリは、友人からやっかいな相談を受けていた。妻の姉夫婦がいかがわしい写真をネタにゆすられている。表沙汰にならないように写真のデータを取りもどして欲しいというのだ。恐喝者である女性の家に行ってみると女性は血を流して倒れており、シグルデュル=オーリ自身も何者かに殴られて昏倒してしまう……。エーレンデュルが行方不明のなか、シグルデュル=オーリが捜査を進める。北欧ミステリの巨人の名シリーズ第8弾。柳沢由美子訳
(創元推理文庫 予価1650円)[amazon]

12月24日刊
グレース・キャベンディッシュ『レディ・グレース 女王陛下の名探偵』
イングランド、チューダー朝。エリザベス1世暗殺未遂事件の際に母を失った侍女グレースは、13歳の春、ホワイトホール宮殿の舞踏会に参加することになった。彼女はそこで三人の求婚者のうち一人を選んで婚約するよう女王に命じられていたのだ。しかし舞踏会の翌日に起きた変死事件により状況は一変した。グレースは親友の洗濯メイドのエリー、宮廷軽業師のマスーの力を借りて、厳格な侍女頭の目をかいくぐり、事件の犯人を捜すべく活動を開始する。ドラマ原作シリーズ開幕。圷香織訳
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

12月24日刊
福井健太編『玉野五十鈴の誉れ 少女ミステリ傑作選』
文学や映像作品の主要なモチーフである少女は、ミステリ小説でも印象的な役割を果たしている。強さと弱さを伴う不安定な想いや不自由な境遇からは、犯罪譚やスリリングな心理劇が生まれ得る。広義のミステリを対象とした本書には、少女の死体が独白する吉村昭「少女架刑」、同級生を殺された女子高生の心を読み解く加納朋子「ガラスの麒麟」、旧家の令嬢と使用人の絆を描く米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」など全11篇を収録。
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

12月24日刊
レベッカ・ヤロス『あの日出会ったときから』
ニューヨークの富裕な家庭に育ち、上院議員のチーフ・オブ・スタッフ補佐として働くイジーと、イリノイ州の農場出身で、貧困と父親からの家庭内暴力という複雑な生い立ちを持ち、レンジャー部隊を経て特殊部隊デルタフォースに選抜された実力者ネイト。異なる世界に生きる二人が、幾度の出会いと別れを繰り返しながら、互いを選び取るまでの物語。田辺千幸訳
(二見文庫 予価2090円)[amazon]

12月24日刊
洪凌『混沌輪舞』
“魔王陛下” 汨韃胴の「至高なる墜落」によって、超越界と人の世の境界が崩れ去った〈南天超銀河〉。そこには、あまりの美貌ゆえに衆生の欲望の標的となり、受刑の祭壇でさえ夢遊病者のような微笑を浮かべる “残陽の法師” 司徒睚の姿があった……。台湾クィア小説第一人者が贈るスペースオペラとポストヒューマンを融合させた壮大な物語。華文SF・ファンタジーの金字塔。立原透耶訳
(新紀元社 予価3080円)[amazon]

12月25日刊
ミシェル・ビュトール『航空網』
〈ルリユール叢書〉オルリー(パリ)からヌメア(ニューカレドニア)へ、東回りと西回りの二機が同時に飛び立つ。寄港地ごとに人と声が入れ替わり、やがて十機の飛行機が地球を取り巻く〈網〉を織る――昼と夜、時差、愛と記憶、雲上の風景。ビュトールの壮大な〈空間詩〉が奏でる空中交響曲。本邦初訳。福田桃子訳
(幻戯書房 予価3300円)[amazon]

12月25日刊
パトリシア・スリグリー『ホームズとキャット・ワトスンの事件簿』
相棒ワトソンの結婚で孤独に沈むホームズ。新たな相棒に選んだのは、生意気で賢い小さな黒猫だった! 愛猫「キャット・ワトスン」のシニカルな視点で事件と人間模様を描く、異色のホームズ・パスティーシュ。高橋知子訳
(角川文庫 予価1694円)[amazon]

12月25日刊
中島敦『光と風と夢』
『宝島』などで有名なイギリスの作家、スティーヴンソンの自伝の体裁をとった中編小説。南島サモアでの現地の人々との交わりや、西洋諸国の植民地支配への批判などが盛り込まれている。
(角川文庫 予価836円)[amazon]

12月25日刊
ルー・バーニー『CROOKS』(原題)
加賀山卓朗訳
(ハーパーBOOKS 予価1639円)[amazon]

12月25日刊
小泉八雲『知られぬ日本の面影 完全版』
明治日本にやってきたラフカディオ・ハーン=小泉八雲が「神々の国の首都」松江に滞在時の見聞を中心に描いた、来日後初の作品集にして代表作。文学的名声を一躍高めた全27編を完全収録。平川祐弘訳
(河出書房新社 予価5940円)[amazon]

12月26日刊
セオドア・ローザック『フリッカー』
ロサンゼルスの地下空間に隔絶された名画座で、大学生ジョナサン・ゲイツは古典映画の傑作の数々と、それらの映画をあまりにも愛しすぎた共同館主兼批評家、クラリッサ・スワンに出会い、いつしか映画史から忘れ去られた謎の映画監督マックス・キャッスルの足跡を追い始める。観客の無意識に作用する「フリッカー」なる技法をめぐって、フィルムの表面に隠された痕跡を探り、ゲイツはやがてその背後に暗躍する謎めいた〈孤児〉たちの影に辿り着き、自身の運命をも書き換えていく。実在の映画人や出来事を材料に映画史を再編集し、信仰と陰謀の領域にまで映画理論を押し広げた傑作が新訳で復刊。旧訳未収録の著者補遺約20ページを新収録。越前敏弥訳
(フィルムアート社 予価4950円)[amazon]

12月28日刊
ミシェル・フーコー 『ミシェル・フーコー ラジオ講義録 I 1961-1963年』
狂気、性、苦痛、文学、政治――。63本のラジオ放送と講義から浮かび上がるフーコーの姿はいかに――。著作では見えなかった、語り、問いかける哲学者の思考を収めた決定版。全3巻。生誕100年企画。廣瀬浩司訳
(平凡社 予価7150円)[amazon]

12月予定
ヨアン・ルンドベリィ『死の天使 ストックホルム・ダークミステリー3』
スウェーデンのYAミステリ。
(あすなろ書房)[amazon]

12月予定
ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』
〈ドン・デリーロ コレクション〉
(水声社 予価1980円)

12月予定
オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第11巻 パリ生活情景***』
(水声社 予価13,200円)


▼2027年予定

1月5日刊
セバスチャン・バリー『聖なる秘密』
〈エクス・リブリス〉精神病院に半世紀以上幽閉された百歳の老女。記憶の封印が解かれたとき、アイルランドの歴史の闇と壮絶な愛の全貌が明かされる。コスタ賞受賞作。木原善彦訳
(白水社 予価4180円)[amazon]

1月7日刊
ポール・ラファージ『失踪者たちの画家』
アマチュア画家のフランクが恋に落ちたのは、犯行現場の写真家だった。変容する街と、その暗部に潜む失踪者たちを描く、見えない都市の物語。ボルヘス、カルヴィーノ、オースターの流れを汲む傑作長篇。柴田元幸訳
(河出文庫 予価1760円)[amazon]

1月7日刊
ジョージ・ソーンダーズ『リンカーンとさまよえる霊魂たち』
現代アメリカを代表する作家が、南北戦争中のアメリカを舞台に描く傑作長篇小説。幼い息子を亡くしたリンカーン大統領と、息子の墓所を跋扈する亡霊たちの心の交流。ブッカー賞受賞。映画化。上岡伸雄訳
(河出文庫 予価2090円)[amazon]

1月7日刊
『中国現代文学ギャラリー 時間と記憶』
日本による「満洲」の占領支配や毛沢東の死、天安門事件などの時代を画する出来事を背景にした作品から、近未来中国を舞台にしたSFまで、多様な時間軸を横断する11篇を収録。公的な歴史認識から抜け落ちてしまう一般庶民の苦難、運命、人生選択を、個人の記憶に寄り添うフィクションとして描く。余華、韓松、李鋭、史鉄生、蘇童ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編
(集英社 予価3300円)[amazon]

1月8日刊
イタロ・カルヴィーノ『ムッソリーニがやって来た』
第2次世界大戦前夜、ファシズム下のイタリア。爆撃による非日常の高揚感、略奪に湧く仲間から身を引く孤立感、夜間警備の果てに垣間見た娼婦の館――。原題「戦争の入口」を含む初期3作を収録。大文字の戦争ではなく、日常の延長にある小さな冒険や性の目覚めを通じて、大人の世界へ足を踏み入れる16歳の少年たちの姿を瑞々しくシニカルに描いたイタリア文学の巨匠カルヴィーノの連作短編集。澤井繁男訳
(光文社古典新訳文庫 予価1056円)[amazon]

1月8日刊
アルトゥール・ショーペンハウアー『意志と表象としての世界2』
第2分冊は、世界が現象であり意志が物自体であるという前提を受け、プラトンのイデアを観照する「純粋な認識主観」の論理が展開される。芸術とは概念ではなく直観により捉えた本質の伝達であり、天才はその認識を具現化する。建築は重力などの低次のイデアを、彫刻や絵画は生命や人間の形態を表象し、そして音楽のみがイデアを経由せず、世界の本質である意志そのものを直接的に表現する最高位の体系として規定される。原書第3巻。中山元訳
(光文社古典新訳文庫 予価1320円)[amazon]

1月14日刊
イ・チョンジュン『虫の話』
〈韓国文学クラシックス〉
戦争というミステリーを追求した巨匠中の巨匠。イ・チャンドン監督により映画化された表題作を初めとした魅惑の物語。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3520円)[amazon]

1月22日刊
ティム・バートン『オイスター・ボーイの憂鬱な死』
牡蠣のような赤んぼうの受難を描く表題作のほか、奇妙な子どもたちや異形の存在が登場する23の短篇集。ティム・バートン自らがイラストと文章でダークな世界観を表現した傑作絵本。パートカラー。柴田元幸訳
(河出書房新社 予価3080円)[amazon]

1月27日刊
秋草俊一郎 編訳『語るナボコフ/読むナボコフ』
作家自身が創作について語るインタビューと、作家・批評家がナボコフ作品の魅力を読み解くエッセイを精選。ロシア語時代・英語時代をバランスよく配置したファン垂涎の一冊。巻末に読書ガイドも付す。ウラジーミル・ナボコフ/ジョン・アップダイク/アンドレイ・ビートフ/ヴィクトル・エロフェーエフ/マーティン・エイミス
(河出書房新社 予価4620円)[amazon]

1月27日刊
オノレ・ド・バルザック『あら皮 欲望の哲学 バルザック「人間喜劇」セレクション〈新版〉 第10巻』
絶望の淵にいたが、寿命と引き換えに願いを叶える魔法の皮「あら皮」を手に入れた青年の行く末は? 新版(ソフトカバー)復刊。小倉孝誠訳
(藤原書店 予価3520円)[amazon]

1月以降刊
邱妙津『ある鰐の手記 新装版』
私は女を愛する女だ。それが密のように顔を濡らす涙の源泉――。レズビアンに“なる”ことへの恐怖が恋人の愛を拒絶する。女性への愛情と欲望、そして激しい自己否定……。台湾レズビアン文学の記念碑的作品。垂水千恵訳
(作品社 予価3520円)[amazon]

1月以降刊
ルドルフ・ボルヒャルト『アナバシス』
吉用宣二訳
(作品社 予価4180円)[amazon]

2月3日刊
生井英考『映画のかなたへ』
日刊ゲンダイ連載「シネマの本棚」20年分を一挙収録した怒濤の映画評、全527篇。21世紀の20年余で、アメリカをはじめとする世界、および日本はいかに変容していったのか。アメリカ、韓国、フランス、インド、ドイツ……世界各国の映画を読み解き、併せて作品に関連する書籍を紹介しながら変転極まりない時代を照らし出す。
(作品社 予価6380円)[amazon]

2月5日刊
『中国現代文学ギャラリー ジェンダーと多様な性』
出産や結婚をめぐる選択、揺らぐ性的指向と性自認、親密な関係において生じる暴力など、性と生命の継承をめぐる葛藤を通じ、制度や社会通念と個人の欲望がせめぎ合う局面を描く8篇を収録。国家が規定する性の枠組みの中で揺れる、多様な愛と身体のあり方を問い直す。全篇初邦訳。王安憶、張天翼、王小波、鄭執ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編
(集英社 予価3300円)[amazon]

2月8日刊
ジュディ・バドニッツ『空中スキップ』
不死鳥のごとく炎に包まれるチアリーダーたち。電車の乗客たちをめぐる際限なき妄想。奔放な想像力とユーモアに満ちた傑作短篇集。岸本佐知子訳
(河出文庫 予価1650円)[amazon]

3月5日刊
『中国現代文学ギャラリー 風土と社会』
内モンゴルやチベットの高原から、天津や東北の都市空間、そして香港まで。広大で多彩な風土を背景に、民族、歴史、労働、信仰が交錯する社会の現実を描く12篇。土地の記憶と環境条件が、中国特有の社会制度や人々の価値観を形成し、その社会の構成員の生や運命をいかに方向づけるのかを描き出す。阿来、楊知寒、遅子建、馮驥才、賈平凹ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編
(集英社 予価3300円)[amazon]

4月予定

イ・ホチョル『副市長は馬山に赴任しない』
〈韓国文学クラシックス〉
分断のマジック・リアリズム。戦争捕虜として北朝鮮から韓国へ渡り、その後生涯をかけて故郷喪失を書き続けた作家のベスト作品集。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3520円)[amazon]

10月予定

オ・ジョンヒ『銅鏡』
〈韓国文学クラシックス〉
社会や家族のなかでもがきながら生きる女性の姿を描き、韓国文学を世界へと拓いた作家。女性文学の金字塔であり短編文学の頂点。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3960円)[amazon]

2028年1月予定
ユン・フンギル他『九足の靴で居残った男』
〈韓国文学クラシックス〉
戦争の予感を生きる。現代にいたる韓国の土台をめぐるメルクマール的作品を集めたアンソロジー。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3960円)[amazon]


▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮)
現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳
(竹書房文庫 予価1540円)[amazon]

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