注目の近刊

8月刊
ヴァーツラフ・ハヴェル 『力なき者たちの力』
すべてはロックミュージシャンの逮捕から始まった。かれらの問題は自分たちの問題だと共鳴した劇作家は、全体主義の権力のあり様を分析し、「真実の生」、「もう一つの文化」の意義を説く。無力な私たちは権力に対してどう声をあげるべきか? チェコの劇作家(後の大統領)ハヴェルによる、冷戦下の東欧で地下出版のかたちで広く読まれた名著。阿部賢一訳
(人文書院 予価2160円)[amazon]

8月19日刊
長山靖生編 『ロマンチック・ドリンカー 飲み物語精華集
堀辰雄、芥川龍之介、室生犀星、太宰治、宮沢賢治、左川ちか、中原中也、夏目漱石…… 飲み物(ソフトドリンク)が香る、甘く潤いの物語。
(彩流社 予価2376円)[amazon]

8月20日刊
アンドリュー・シーン・グリア 『レス』
50歳間近のゲイの小説家、アーサー・レスのもとに元恋人から結婚式の招待状が届いた。レスは結婚式を断る口実に、世界中の文学イベントの招待を受けることに。だが、イベントはどれも何だか変なものばかり、彼はいつも空回り……。作者自身が投影されたメタ小説。上岡伸雄訳
(早川書房 予価2808円)[amazon]

8月20日刊
ジェイソン・レナルズ 『エレベーター』
15歳のウィルは射殺された兄のかたきを討つため、銃を持ってエレベーターに乗り込んだ。自宅のある7階から地上に到着するまでの短い時間に彼が出会う人々とは……ポエトリーとタイポグラフィを駆使する斬新な手法で文芸賞を席巻した注目作、ついに日本上陸。青木千鶴訳
(早川書房 予価1944円)[amazon]

8月20日刊
マーク・グリーニー 『暗殺者の追跡 上・下
グレイマンが乗り合わせたCIAの輸送機が着陸直後に何者かに襲われた。彼は連れ去られた囚人を奪い返すべく、襲撃者たちを追う。伏見威蕃訳
(ハヤカワ文庫NV 予価各950円)[amazon]

8月20日刊
フィリップ・K・ディック 『フロリクス8から来た友人』
22世紀、優秀な能力を持った〈異人〉と〈新人〉が、60億の〈旧人〉を支配する地球に、外宇宙からフロリクス星系人が飛来した……。大森望訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1490円)[amazon]

8月20日刊
ベアント・ブルンナー 『水族館の歴史 海が室内にやってきた 新装版
「生きた博物館」 にして人工の生態系でもある水族館。その前史であるアクアリウムはいかにして誕生したのか。海中世界に憧れた人々の試行錯誤をたどりながら、現代の水族館が向かう先を見据えるユニークな文化史。山川純子訳
(白水社 予価2592円)[amazon]

8月20日刊
ロン・リット・ウーン 『きのこのなぐさめ』
ある日突然、不慮の事故で最愛の夫を失った 「私」。悲しみの淵にいた彼女を連れ出してくれたのは、きのこだった。偶然参加したきのこ狩りコースから始まった、「私」 ときのこの物語。きのこ社会の不可思議な魅力と、きのこ愛好家たちとの交流を通し、「私」 は人生を歩む力を再び取り戻してゆく。人を虜にするきのこをめぐるノンフィクション。枇谷玲子・ 中村冬美訳
(みすず書房 予価3672円)[amazon]

8月21日刊
マルセー・ルドゥレダ 『ダイヤモンド広場』
スペイン内戦の混乱に翻弄されるように生きたひとりの女性の愛のゆくえを、散文詩のような美しい文体で綴る。30以上の言語に翻訳され、現代カタルーニャ文学の至宝と言われる世界的名作。「この作品は,私の意見では,内戦後にスペインで出版された最も美しい小説である」 (ガルシア=マルケス) 田澤耕訳
(岩波文庫 842円)[amazon]

8月22日刊

アーナルデュル・インドリダソン 『厳寒の町』
男の子の年齢は十歳前後。地面にうつ伏せになり、体の下の血だまりは凍りはじめていた。人種差別からくる殺人が疑われ、エーレンデュルら捜査陣は少年が住んでいたアパートや学校を中心に捜査を始める。シリーズ第5弾。柳沢由実子訳
(東京創元社 予価2268円)[amazon]

8月22日刊
イアン・フレミング 『007/カジノ・ロワイヤル 新訳版
英国が誇る秘密情報部で、ある常識外れの計画が持ち上がった。ソ連のスパイで、フランス共産党系労組の大物であるル・シッフルは党の資金を使い込み、ギャンブルでその穴を埋めようとしていた。それを阻止するために送り込まれたのは、冷酷な殺人をも厭わない007のコードを持つ男――ジェームズ・ボンド。007初登場作を新訳で。白石朗訳
(創元推理文庫 予価821円)[amazon]

8月22日刊
南條範夫 『血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作
11代将軍家斉の時代。老中・松平伊豆守信明を叔父にもつ、気ままで人懐っこい青年剣士・月影兵庫は、叔父の秘命を受けた旅の途中で遭遇した事件を、鋭い洞察と武芸を駆使して解決していく。大雨で足止めを食った人々で混みあう旅籠で殺人が起こる 「血染めの旅籠」など、17編。末國善己編
(創元推理文庫 予価1404円)[amazon]

8月22日刊
ジャック・ヴァシェ 『戦時の手紙 ジャック・ヴァシェ大全(仮)
ブルトンにシュルレアリスム誕生の霊感を与えて23歳で自殺した異才が残した著作をはじめて本格的に訳出、シュルレアリストたちの自殺アンケート、架空の自伝併載。伝説がついに復活。原智広訳
(河出書房新社 予価3672円)[amazon]

8月22日刊
藤沢衛彦 『日本の伝説 北陸』
雪深い米所、北陸。白山信仰や,真宗の土地でも。椀貸し伝説、肉付きの面、八百比丘尼、たいたん坊、米山薬師、雪女など全39話。
(河出書房新社 2268円)[amaozn]

8月23日予定
ギュスターヴ・フローベール 『ブヴァールとペキュシェ』
ブヴァールとペキュシェという二人の筆耕が、各地を旅しながら、農学、医学、地質学、考古学、歴史学、文学、美学、政治学、神秘学、哲学、宗教学など、森羅万象あらゆる学問領域の研究に着手するが……。二人を狂言回しとして小説全体があたかも百科全書的な体裁をなす、不可思議なフローベールの遺作長篇。菅谷憲興訳
(作品社 予価4986円)[amazon]

8月23日刊
『初山滋 永遠のモダニスト 竹迫祐子編
大正から昭和にかけて、子供の本の世界で活躍した画家・初山滋。流麗な線と繊細な色彩は、後人に大きな影響を与えた。画業をたどる完全ガイド。
(河出書房新社 予価2052円)[amazon]

8月23日刊
エドワード・バーネット・タイラー 『原始文化
〈宗教学名著選6〉下巻では〈アニミズム教義〉から、転生説、死後の世界、霊の教義、霊的存在の分類、多神教、二元論、至高神、最高神を、〈宗教儀礼〉から、祈り、供犠、断食、人為的忘我、方角の決定、祓い、を探求する。松村一男監修/奥山倫明・奥山史亮・長谷千代子・/堀雅彦訳
(国書刊行会 予価7128円)[amazon]

8月23日刊
ジュンパ・ラヒリ 『わたしのいるところ』
歩道で、本屋で、バールで、美術館で、彼の家で、駅で……孤独とともに生きる女の姿を46の場面で描きだすラヒリ初のイタリア語長篇 。
(新潮クレスト・ブックス 予価1836円)[amazon]

8月23日刊

ラフカディオ・ハーン 『小泉八雲東大講義録 日本文学の未来のために
八雲の創作の立場やghostlyな世界観がよく現れた 「文学における超自然的なもの」、『怪談』や 『青柳ものがたり』 を想起させる 「詩歌の中の樹の精」、最終講義といわれる 「日本文学の未来のために」 など、八雲の芸術と文学についてのエッセンスやその思想的な背景がうかがえる講義の数々を収録。池田雅之訳
(角川ソフィア文庫 予価1166円)[amazon]

8月23日刊
松岡正剛 『神と理性 西の世界観Ⅰ』
神々のロゴス、哲学の劇場。なぜヨーロッパ思想が世界を制したのか、プラトンからフランス革命までをたどる。
(角川ソフィア文庫 予価1469円)[amazon]

8月23日刊

筒井康隆 『短編小説講義 増補版
「短篇小説を書こうとする者は、自分の中に浸みこんでいる古臭い、常識的な作法をむしろ意識して捨てなければならない」 その言葉どおりに数かずの話題作を生み出してきた作家が、ディケンズら先駆者の名作を読み解き、黎明期の短篇に宿る形式と技法の極意を探る。自身の小説で試みた実験的手法も新たに解説する増補版。
(岩波新書 842円)[amazon]

8月23日刊
『伊豫田晃一作品集Ⅱ テネブリス・ルクス』
マックス・エルンスト、岡上淑子のコラージュ・アートにも通ずる、伊豫田作品を集成。日本の幻想美術の新しい胎動。第2弾。
(エディシオン・トレヴィル/河出書房新社 予価4104円)[amazon]

8月23日予定
ミシェル・レキュルール 『レーモン・クノー伝』
シュルレアリスムの影響を受けた青年期から、物書き狂人の研究、コレージュドパタフィジックやウリポの創設などを経て、いかにして規格外の言語遊戯作家になったのか。『文体練習』や『地下鉄のザジ』で知られる作家の知られざる生涯を描く決定版評伝。
(水声社 予価8640円)[honto]


8月24日刊
シャルル・バルバラ 『蝶を飼う男 シャルル・バルバラ幻想作品集
親友ボードレールにエドガー・ポーと音楽の世界を教えた影の男、シャルル・バルバラ。《知られざる鬼才》による、哲学的思考と音楽的文体、科学的着想、幻想的題材が重奏をなす全5篇の物語。亀谷乃里訳
(国書刊行会 予価2916円)[amazon]

8月24日刊

マルク=ウヴェ・クリンク 『クオリティランド』
恋人や仕事・趣味までアルゴリズムで決定される究極の格付社会。アンドロイドが大統領選に立候補し、役立たずの主人公が欠陥ロボットを従えて権力に立ち向かう爆笑ベストセラー。森内薫訳
(河出書房新社 予価3024円)[amazon]

8月25日発売
《SFマガジン》 10月号
神林長平デビュー40周年記念特集/ジーン・ウルフ追悼特集/他
(早川書房 1296円)[amazon]

8月26日刊
連城三紀彦 『虹のような黒』
誰もが彼女を狙っている――。大学祭の当日、英文学ゼミの教室で発生した陵辱事件。ばらまかれる怪文書、謎の猥褻画、五転六転する議論の応酬。いったい、あの「密室」で何が起こったのか? 連城三紀彦“最後の未刊長篇”を初書籍化。さらに、連載時 (「週刊大衆」2002-2003年。全36回) に著者が描き下ろした自筆挿画全72点を完全収録。本文と連動した企みに満ちた「仕掛け」にも注目いただきたい、ファン必携の愛蔵本。
(幻戯書房 予価3240円)[amazon]

8月26日刊
森村たまき 『ジーヴスの世界』
P・G・ウッドハウスのユーモア小説 《ジーヴス・シリーズ》 全14冊の個人全訳を成し遂げた著者が分かりやすく解説する、ジーヴスとウッドハウスの愉快な世界。背景豆知識、登場人物一覧、作者の生涯……入門者からマニアまで誰でも楽しめる最高のガイドブック。図版多数。
(国書刊行会 予価2592円)[amazon]

8月26日刊
長山靖生 『モダニズム・ミステリの時代 探偵小説が新感覚だったころ(仮)
1920年代、相前後して勃興・隆盛するモダニズム文学と探偵小説。怪奇、犯罪、科学といったテーマを軸に、相互に影響しあっていた熱い磁場を活写。戦間期文学の読み直しの可能性を問う。
(河出書房新社 予価3024円)[amazon]

8月26日刊
長山靖生編 『モダニズム・ミステリ傑作選』(仮)
大正末期から昭和初頭にかけて、新感覚派らのモダニズム文学と探偵小説/ミステリが共鳴しあう磁場の中で生まれた名作の数々を集成。正岡蓉、横光利一、小酒井不木、甲賀三郎、夢野久作ほか。
(河出書房新社 予価1944円)[amazon]

8月27日刊
ガブリエル・ガルシア=マルケス 『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選
秘密の隠れ家で身を売る14歳の少女の祖母の支配からの脱出を描く表題作の他、リアリズムと奇想と豊かな物語性に満ちた傑作揃いの12の作品集。世界文学の最高峰マルケスを知るための最良の一冊。野谷文昭訳
(河出書房新社 予価2592円)[amazon]

8月28日刊

ジョセフ・ノックス 『堕落刑事 マンチェスター市警 エイダン・ウェイツ
池田真紀子訳
(新潮文庫 予価1015円)[amazon]

8月28日刊
エクトール・マロ 『家なき子 上・下
優しくぼくを見つめる、母と思っていたその人は母ではなかった。ぼくは捨て子だったのだ。家を追われた8歳の少年レミは、謎の老旅芸人ヴィターリスの一座に加わり、芸をする動物たちとともに巡業の旅に出発する。村松潔訳
(新潮文庫 予価767円/853円)[amazon]

8月28日刊

梯久美子 『狂うひと 「死の棘」 の妻・島尾ミホ
(新潮文庫 予価1188円)[amazon]

8月28日発売
《怪と幽》 vol.002
特集 ムーと怪と幽 内容
(KADOKAWA 1944円)[amazon]

8月29日刊
『幽霊島 平井呈一怪談翻訳集成A・ブラックウッド他/平井呈一訳
『吸血鬼ドラキュラ』 『怪奇小説傑作集』 などの名訳で知られる本邦怪奇小説紹介の第一人者、平井呈一。ラヴクラフト、ジョン・ポリドリ、ブラックウッド、E・F・ベンスン、F・M・クロフォード、M・R・ジェイムズ、アスキス、ワイルドらの怪奇短篇13編の翻訳に、対談・エッセー・書評を通してその業績の全貌に迫る、ファン必携の一冊。内容
(創元推理文庫 予価1512円)[amazon]

8月29日刊
ウィル・マッキントッシュ 『落下世界 上・下
目覚めると、世界は虚空に浮かぶ長方形の小島になっていた。しかも人々はみな記憶を失っていて、なぜこうなったのかもわからない。フォーラーは世界の縁から飛び出し、激変の秘密を求めて、見渡すかぎりの青空の中を落下してゆく……。ヒューゴー賞作家の傑作SF。茂木健訳
(創元SF文庫 予価各1080円)[amazon]

8月29日刊
アニエス・ポワリエ 『パリ左岸 1940-50年』
目まぐるしく移りゆく社会情勢と世相を背景に、戦後、新たな時代の幕開けを彩り、歴史に名を刻む人々の人生が交錯する瞬間を活写する。木下哲夫訳
(白水社 予価5184円)[amazon]

8月29日刊
井田尚 『百科全書 世界を書き換えた百科事典
〈世界を読み解く一冊の本〉 革命神話と啓蒙神話に由来する紋切り型のイメージから離れて、ディドロとダランベールが構想した百科事典としての本来の姿に立ち戻ることで見えてくる景色とは? 『百科全書』 の書物としての成り立ちをたどり、その知識の森へと案内する。
(慶應義塾大学出版会 予価2592円)[amazon]

8月30日刊
ユニティ・ダウ 『隠された悲鳴』
ある村で行方不明になった12歳の少女。村では「儀礼殺人」ではと噂が流れるが、警察は野生動物に襲われたと結論づけた。5年後、その村に赴任した若者が、ひょんなことから事件の真相を追うことになる。ボツワナの現職女性大臣が実際の儀礼殺人事件をもとに描いた驚愕のアフリカ発サスペンス。三辺律子訳
(英治出版 予価2160円)[amazon]

8月31日刊
エレン・ダトロウ編 『ラヴクラフトの怪物たち 上』
H・P・ラヴクラフトが創造した、幻想文学史上もっとも怖ろしいものたちを、21世紀にクトゥルー神話の可能性を追求しつづける気鋭の作家たちが、新たな視点から描く。 現代海外クトゥルー神話を一望するアンソロジー。植草昌実訳 【収録内容】 「世界が再び終わる日」 ニール・ゲイマン/「脅迫者」 レアード・バロン/「赤い山羊、黒い山羊」 ナディア・ブキン/「ともに海の深みへ」 ブライアン・ホッジ/「三時十五分前」 キム・ニューマン/「斑あるもの」 ウィリアム・ブラウニング・スペンサー/「非弾性衝突」 エリザベス・ベア/「残存者たち」 フレッド・チャペル
(新紀元社 予価2700円)[amazon]

8月31日予定

マイケル・オンダーチェ 『戦下の淡き光』
1945年、うちの両親は、犯罪者かもしれない男ふたりの手に僕らをゆだねて姿を消した――。母の秘密を追い、政府機関の任務に就くナサニエル。母たちはどこで何をしていたのか。周囲を取り巻く謎の人物と不穏な空気の陰に何があったのか。人生を賭して、彼は探る。あまりにもスリリングであまりにも美しい長編小説。田栗美奈子訳
(作品社 予価2808円)[amazon]

8月予定
『海外怪奇幻想小説アンソロジーガイド』
海外怪奇幻想小説アンソロジーを紹介するガイド本(同人誌)。内容
(奇妙な世界の片隅で/怪奇幻想読書倶楽部)

8月刊

明治・大正・昭和初期 日本ポスター史大図鑑』 田島奈都子編
明治期に海外から流入し、独自の発展を遂げた広告ポスター。煙草、飲料、百貨店、海運、出版から、美人ポスター、戦時下のプロパガンダまで、函館市中央図書館のコレクションを中心に、日本のポスター文化を懇切な解説を加え紹介した画期的大図鑑。目次
(国書刊行会 予価12,960円)[amazon]


『怪奇鳥獣図巻 大陸からやって来た異形の鬼神たち伊藤清司=監修
白澤、龍馬、九尾狐、狒狒、貘……全76種の中国妖怪カタログ「怪奇鳥獣図巻」。中国古代の博物誌 『山海経』 からの引用を中心に、江戸の無名の絵師によって描かれた極彩色の絵巻物。その全貌をオールカラーで初公開。復刊
(工作舎 予価3456円)[amazon]


『延原謙探偵小説選Ⅱ』
〈論創ミステリ叢書〉 ホームズ訳者として有名な延原謙の創作探偵小説集第2弾。前半は 〈延原謙作品集〉 として中編 「幽霊怪盗」 や昭和13年発表の戦争綺譚 「片耳将軍」 などを収録、後半は延原の妻・勝伸枝の作品を確認されている限り全て収録した〈勝伸枝作品集〉。中西裕編 内容
(論創社 予価4104円)[amazon]


▼9月刊

9月3日刊
ピエール・ルメートル 『わが母なるロージー』
パリのあちこちに仕掛けられた七つの爆弾。犯人だと出頭した青年の狙いは何か? カミーユ警部と富豪刑事ルイが奔走する番外編。橘明美訳
(文春文庫 予価756円)[amazon]

9月4日刊
スタニスワフ・レム 『完全な真空』
『新しい宇宙創造説』、『ロビンソン物語』、『誤謬としての文化』など、<存在しない書物>をユーモラスに読み解く究極の書評集。沼野充義他訳
(河出文庫 予価1350円)[amazon]

9月4日刊

赤江瀑 『オイディプスの刃』
陽ざかりの夏の午後、妖刀 「青江次吉」 が煌めき、三兄弟の運命は狂い始める――赤江瀑による幻影・妖美の傑作刀剣ミステリ。
(河出文庫 予価1048円)[amazon]

9月4日刊

『驚異と怪異 想像界の生きものたち国立民族学博物館編
古今東西の想像上の異径のいきものを集成。国立民族学博物館特別展 《驚異と怪異――想像界の生きものたち》 (8/29-11/26) 公式図録。
(河出書房新社 予価2916円)[amazon]

9月4日刊

江戸川乱歩文庫リニューアル版
『悪魔の紋章』
(春陽堂文庫 予価1048円)[amazon]
『三角館の恐怖』 (春陽堂文庫 予価1048円)[amazon]

9月5日刊
アレックス・マイクリーディーズ 『殺人者は沈黙する』
著名な画家のアリシアは、ある夜、帰宅した夫を射殺した。仲がよかった夫妻に何が起きたのか? 沈黙をつづけるアリシアの口を開かせるため、担当のセラピストは策を練るが……。ダークなツイストと驚きの連続に圧倒される傑作ミステリ。坂本あおい訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価1944円)[amazon]

9月5日刊
ローラ・シムズ 『ルッカ―』
近所の幸せな女優一家に憧れる不幸な女性。 その生活を覗き見て妄想にふける彼女はやがて破滅的な事態へ……。心理スリラーミステリ。国弘喜美代訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価864円)[amazon]

9月5日刊
ロバート・ポビ 『マンハッタンの狙撃手』
寒波に見舞われたマンハッタンで連続銃撃事件が発生。元FBI捜査官の大学教授ルーカスが天才的な空間把握能力を駆使して犯人に迫る。山中朝晶訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1188円)[amazon]

9月5日刊
ディトマー・アーサー・ヴェアー 『時空大戦3 人類最後の惑星
地球滅亡の後、存続をかけて強大な敵と戦う人類は、新たな惑星テラ・ノバで超文明種族と遭遇、時空通信の技術を伝授されるが……。月岡小穂訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1080円)[amazon]

9月6日刊
エリザベス・フェラーズ 『魔女の不在証明』
〈論創海外ミステリ〉イタリア南部の海辺の町で起こった不可解な殺人事件に巻き込まれる若きイギリス人の苦悩。嘘つきは誰だ! 技巧を凝らした傑作長編ミステリ。友田葉子訳
(論創社 予価2700円)[amazon]

9月6日刊
J・J・コニントン 『キャッスルフォード』
〈論創海外ミステリ〉キャッスルフォード家を巡る財産問題の渦中で起こる悲劇。クリントン・ドリフィールド卿が事件の謎に挑む。板垣節子訳
(論創社 予価3672円)[amazon]

9月7日刊
オノレ・ド・バルザック/木原敏江(絵) 『バルザック 三つの恋の物語』
文豪バルザックの 「恋」 をテーマにした三つの短編小説に、『摩利と新吾』 の漫画家・木原敏江によるイラストと 『死刑執行人サンソン』 の仏文学者・安達正勝による訳で贈る、夢のコラボレーション絵本。
(国書刊行会 予価2160円)[amazon]

9月11日刊
エトガル・ケレット 『銀河の果ての落とし穴』
ウサギを父親だと信じる子供、レアキャラ獲得のため戦地に赴く若者、ヒトラーのクローン……奇想と笑いと悲劇が紙一重の掌篇集。広岡杏子訳
(河出書房新社 予価2592円)[amazon]

9月11日刊
エヴゲーニイ・ザミャーチン 『われら』
松下隆志訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月11日刊
ジョージ・エリオット 『サイラス・マーナー』
村はずれで孤独に生きる機織り職人サイラス・マーナーは、ある夜、生きがいに貯めていた金貨を盗まれてしまう。そのうえ玄関先には捨て子が。失意のなか哀れに思ったサイラスは、その幼女を育てる決心をするのだった……。小尾芙佐訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月11日刊
鮎川哲也 『死者を笞打て』
(光文社文庫)[amazon]

9月11日刊
小泉喜美子 『ミステリー作家の休日』
(光文社文庫)[amazon]

9月12日刊
法月綸太郎 『法月綸太郎の消息』
ホームズ探偵譚の異色作 「白面の兵士」 「ライオンのたてがみ」 の裏に隠された、作者コナン・ドイルをめぐる意外なトラップを突き止める 「白面のたてがみ」。ポアロ最後の事件 『カーテン』 に仕組まれた作者アガサ・クリスティーの入念な企みとは? 物語の背後 (バックステージ) が息を呑むほど鮮やかに解読される 「カーテンコール」。他2篇を収録。
(講談社 予価1836円)[amazon]

9月12日刊
チャールズ・ハーネス 『パラドックス・メン』 (仮)
ワイドスクリーン・バロックという言葉は、この作品のために造られた。奇絶怪絶複雑怪奇、内容紹介不可能のSFが70年の時を経て遂に邦訳。中村融訳
(竹書房文庫 予価972円)[amazon]

9月12日刊
佳多山大地 『トラベル・ミステリー聖地巡礼』
西村京太郎 『寝台特急殺人事件』、松本清張 『時間の習俗』など、名作トラベル・ミステリー全16作の舞台となった地を鉄道好きのミステリー評論家が訪れ、「あの事件現場」 を体当たり取材。作品に描かれた舞台の今と、描かれなかった謎の真相を追究する。
(双葉文庫 予価702円)[amazon]

9月12日刊
『中世思想原典集成 精選6 大学の世紀2』
上智大学中世思想研究所 編訳・監修
ライブラリー創刊25周年企画、待望の文庫化(全7巻)。本巻はトマス・アクィナスを頂点とする〈大全〉の時代。
(平凡社ライブラリー 2592円)[amazon]

9月12日刊
石原剛 『空とアメリカ文学』(仮)
ポーの気球小説からメルヴィルに潜む空への想像力、トウェインの空や宇宙を巡るファンタジー、ガーンズバックの宇宙飛行、イニャリトゥの宙空、飛行文学に欠かせないサン=テグジュペリ、アン・モロウ・リンドバーグ、そしてフォークナー、カーヴァー、パワーズ、ソーンダーズ等、21世紀の現代アメリカ作家へ。航空大国アメリカで育まれた、空をめぐる文学的想像。
(彩流社 予価3240円)[amazon]

9月13日刊
吾妻ひでお 『不条理日記 完全版
日記風の漫画エッセイ形式の中にSFパロディを織り込み、星雲賞に輝いた吾妻ひでおの代表作 (奇想天外社、1979) に、その後執筆された続篇を収録した完全版。
(復刊ドットコム 予価2700円)[amazon]

9月14日刊
諸星大二郎・佐藤健寿 『世界伝奇行 パプアニューギニア・マッドメン編
諸星大二郎、初の現地取材を敢行。写真家・佐藤健寿とマッドメンの聖地パプアニューギニアへ旅をし、その一部始終を記録した異色のコラボレーション本。『文藝別冊 特別編集 諸星大二郎 マッドメンの世界』(2015年刊)に対談「萩尾望都×諸星大二郎」など、新たに60ページ追加した増補版。
(河出書房新社 予価2916円)[amazon]

9月14日刊
諸星大二郎・佐藤健寿 『世界伝奇行 中国・西遊妖猿伝編
諸星大二郎、初の中国取材を敢行。写真家・佐藤健寿とシルクロードへ旅をし、その一部始終を記録した異色のコラボレーション本。
(河出書房新社 予価3132円)[amazon]

9月17日刊
岸本佐知子 『ひみつのしつもん』
PR誌『ちくま』名物連載 「ネにもつタイプ」 待望の3巻めがついに。 いっそうぼんやりとしかし軽やかに現実をはぐらかしていくキシモトさんの技の冴えを見よ!
(筑摩書房 予価1728円)[amazon]

9月17日刊
Q・パトリック 『八人の訪問客』
〈奇想天外の本棚〉
数あるQ・パトリック=P・クェンティンの作品から最も入手困難な中編二本立て。『そして誰もいなくなった』 へと繋がる先行作とも噂される 「八人の中の一人」、そして 「八人の招待客」 は、ともに本格趣味の横溢する逸品。山口雅也訳
(原書房 予価2376円)[amazon]

9月17日刊
ジョー・ヒル 『怪奇日和』
記憶を吸い取るポラロイドカメラにまつわる“Snapshot ”、ショッピングモールで起きた無差別銃撃事件を題材にした“Loaded”、スカイダイビング中に不思議な雲に入り込んだ男の物語“Aloft”、棘の雨が降るコロラドを舞台にした“Rain”、モダンホラー新世代の旗手の中篇4篇を収録。白石朗・玉木亨・安野玲・高山真由美 訳
(ハーパーBOOKS 予価1520円)[amazon]

9月17日刊
ルー・バーニー 『11月に去りし者』
1963年、ニューオーリンズ。裏社会を生き抜いてきたマフィアのギドリーは、ボスがケネディ大統領暗殺事件に関与していると気づく。関係者が次々に始末され、危険を予期したギドリーは逃亡を図るが……。2019年ハメット賞受賞作。加賀山卓朗訳
(ハーパーBOOKS 予価1180円)[amazon]

9月17日刊

エリカ・ダイアン・ラパポート 『お買い物は楽しむため 近現代イギリスの消費文化とジェンダー(仮)
中・上流階級の女性の娯楽、社交生活、政治の拠点となったロンドンのウェストエンド。百貨店の誕生から、既婚女性財産法、フェミニストの運動、演劇と女性のショッピング、ショーウィンドウを破壊した女性参政権運動まで。19世紀~20世紀初めのロンドンで、女性たちがどのように「家庭」から「街」に飛び出し、ショッピングを楽しむようになったのかを明らかにする。目次
(彩流社 予価5184円)[amazon]

9月18日刊
ミシェル・パストゥロー 『図説 ヨーロッパから見た狼の文化史 古代神話、伝説、図像、寓話
ギリシア・ローマ・ゲルマン・北欧・ケルト神話や博物誌、人狼伝承、聖人信仰、エンブレム(紋章)、古典的な造形表現、寓話・童話、民間伝承、俗信、言語表現などに登場する、狼の社会的・象徴的・歴史的意味とその変容を、数多くの貴重な図像解読する名著。蔵持不三也訳
(原書房 予価4104円)[amazon]

9月19日刊
オスカー・ワイルド 『ドリアン・グレイの肖像』
19世紀末ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願う。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。富士川義之訳
(岩波文庫 1231円)[amazon]

9月19日刊
ギ・ド・モーパッサン 『わたしたちの心』
「彼女に恋していたから、彼は苦痛だった」──裕福な趣味人マリオルは、心ならずもパリ社交界の女王ビュルヌ夫人に魅惑される。マリオルの繊細な愛情を喜びながらも、夫人がなにより愛するのは自らとその自由。独立心旺盛な女と、女に振り回される男のずるさ、すれ違う心の機微を、死期の迫った文豪が陰影豊かに描く。笠間直穂子訳
(岩波文庫 907円)[amazon]

9月19日刊
エドガー・アラン・ポー/渡辺温・渡辺啓助訳 『ポー傑作集 江戸川乱歩名義訳
円本ブームのなか改造社 《世界大衆文学全集》 の一冊として刊行された江戸川乱歩訳 『ポー・ホフマン集』(昭和4年)のうち、「ポー集」の部分は、実際には渡辺温・渡辺啓助の兄弟による代訳だった。後年、乱歩自身が 「ポーの一行一行を味読し、理解している点、私などの遠く及ばぬところであった」 と認めた名訳を復刊。附録として江戸川乱歩と谷崎潤一郎の渡辺温についての文章を収載。
(中公文庫 予価1296円)[amazon]

9月19日刊
ジュール・ミシュレ 『ジャンヌ・ダルク』
歴史家ミシュレが、大著『フランス史』で描いた人物のなかでも特に愛した〈救国のヒロイン〉ジャンヌ・ダルク。百年戦争下のフランスを窮地から救いながら、異端者として火刑に処せられる数奇な生涯を、ミシュレはキリストになぞらえ、共感と情熱をこめて描き出す。森井真・田代葆訳
(中公文庫 予価1080円)[amazon]

9月19日刊

ニック・ドルナソ 『サブリナ 現代のある失踪事件
ある女性が失踪した。その後、彼女に関する衝撃的な映像を収めたテープが新聞社に送られてくる。その映像はインターネットを席捲し、噂や憶測、陰謀論が湧き上がる。ゼイディー・スミス、エイドリアン・トミネ絶賛。現代社会を映し出す傑作グラフィックノベル。藤井光訳
(早川書房 予価3240円)[amazon]

9月19日刊
マーガレット・アトウッド 『昏き目の暗殺者 上・下
世界文学の最前線を行くカナダ人作家の傑作長篇が初文庫化。ハメット賞&英国最高峰ブッカー賞に輝いた現代文学の金字塔。鴻巣友季子訳
(ハヤカワ文庫 予価各1080円)[amazon]

9月19日刊
ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト 『ボーダー 二つの世界
カンヌ映画祭「ある視点」賞受賞映画の原作である表題作をはじめ、北欧ホラーの旗手、リンドクヴィストの手腕を堪能できる短篇集。
(ハヤカワ文庫NV 予価1188円)[amazon]

9月19日刊
ナット・キャシディ/マック・ロジャース 『物体E』
海軍基地に落下した、生命体を内包する謎の存在〈物体E〉。その研究所に勤めるダコタの部署へ新人が来て彼女の何かが狂い始めた。金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1080円)[amazon]

9月19日刊
テリー・ブレヴァートン 『図説 世界の神話伝説怪物百科』
世界中に残り伝わる怪物伝説、奇人の伝承から不可解な出来事や奇妙な遺物、幽霊や魔物の目撃譚など、あまねく収集した百科事典。人類3000年の「闇の想像力」を分野別に集大成。図版多数。日暮雅通訳
(原書房 予価4836円)[amazon]

9月20日刊
『ガラン版 千一夜物語2』
いまや大金持ちになった船乗りシンドバードが貧しい荷かつぎ屋ヒンドバードに語った世にも不思議な七つの航海の話。夫に殺された女性の一件に関わった奴隷に恩赦を与えるために語られた 「三つのリンゴ」 の話。こぶのある道化の殺人の罪を着せられた三人が面白い話を披露して罪を免れようとする 「こぶ男の物語」 が語られる。西尾哲夫訳
(岩波書店 3780円)[amazon]

9月20日刊
ジェラルディン・マコックラン 『世界のはての少年』
子供9人と大人3人を乗せた船が無人島へと出帆した。孤島で海鳥を獲る旅が、少年達にとっては大人への通過儀礼なのだ。だが約束の2週間が経っても、迎えの船は姿を現さない。皆の不安が募るなか年長の少年クイリアムは、仲間を励まし、生き延びるために闘う。そして……。カーネギー賞受賞、感動の冒険物語。杉田七重訳
(東京創元社 予価3024円)[amazon]

9月20日刊
マックス・アンナス 『ベルリンで追われる男』
アフリカ出身でベルリンに住むコージョは、空きビルの窓から、向かいの部屋で男が金髪の娼婦を殺した瞬間を目撃した。彼は不法残留者で、強制送還を恐れて通報できない。気になって女のアパートに向かうが、住人に姿を見られてしまい容疑者として警察から追われる身に……。ドイツミステリ大賞受賞作家のノンストップ追跡サスペンス。北川和代訳
(創元推理文庫 予価1166円)[amazon]

9月20日刊
カミラ・レックバリ 『魔女 エリカ&パトリック事件簿 上・下
富山クラーソン陽子訳
(集英社文庫 予価各1188円)[amazon]

9月24日刊
ミシェル・ウエルベック 『セロトニン』
巨大生化学メーカーを退職した若い男が、遺伝子組換えや、過去の女性たちへの呪詛や悔恨を織り交ぜて語る現代社会への深い絶望。関口涼子訳
(河出書房新社 予価2592円)[amazon]

9月24日刊
『魔性の女挿絵集 大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち 中村圭子編
泉鏡花「高野聖」の女、谷崎潤一郎「痴人の愛」のナオミ……自らの魅力によって男性を支配し、ついには破滅させる〈魔性の女〉。
(河出書房新社 予価1782円)[amazon]

9月24日刊
デイヴィッド・アーノルド 『身体の植民地化 19世紀インドの国家医療と流行病
イギリス植民地下のインドにおける疫病対策と医療をテーマに、帝国の支配が現地の人々の 「身体」 にまで及んだことを論じる。天然痘、コレラ、ペストなどの流行病に対する西洋医療の介入の歴史をたどりながら、インド側の多様な反応の実態を明らかにし、その抵抗、順応、参加、取り込み、という諸相を丁寧にめくっていく。資料的にも思想史研究としても出色の書。見市雅哉訳
(みすず書房 予価8208円)[amazon]

9月25日刊
シモーヌ・ヴェイユ 『神を待ちのぞむ』
〈須賀敦子の本棚〉自分にとって 「灯台のような存在」 と言い、「息もできないほど感動」 した須賀。思想の核心を徹底的につきつめ不滅の輝きを放つ名作。今村純子訳
(河出書房新社 予価2700円)[amazon]

9月25日発売
《ミステリマガジン》 11月号
(早川書房)[amazon]

9月25日予定

フアン・パブロ・ビジャロボス 『犬売ります』
画家になりたかった老タコス屋のテオは、アドルノの『美の理論』を引用し人生問題を解決している。彼とマンションのロビーで読書会を主催するフランチェスカ、革命家で八百屋の女将ジュリエットの三角関係を軸にモルモン教の青年、毛沢東主義者、テオの家族や愛犬、動物愛護協会の役人、ゴキブリ集団らがメキシコ・シティーで繰り広げる虚々実々のメタフィクション。平田渡訳
(水声社 予価3024円)[honto]

9月26日刊
マリオ・バルガス=リョサ 『シンコ・エスキーナス街の罠』
ペルーの大富豪がゴシップ誌に乱交写真をネタに脅迫されるが、その背後には国家の恐るべき闇が隠されていた。 田村さと子訳
(河出書房新社 予価2916円)[amazon]

9月26日刊
アムラス-トーマス・ベルンハルト 『アムラス』
異才の戦慄すべき作品集。一家心中の生き残りの兄弟の悲劇を描く 「アムラス」、ふたりの会話による狂気のドキュメント 「歩く」。初見基・飯島雄太郎訳
(河出書房新社 予価3240円)[amazon]

9月26日刊
スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント編 『恐怖の飛行』 (仮)
飛行機嫌いのキングが選んだ恐怖の17便(話)。シートベルトをお締めになっても安全は保障致しかねます。コナン・ドイル、R・マシスン、ブラッドベリ、ダール、ダン・シモンズ、ジョー・ヒル、ピーター・トレメイン、キング他。白石朗・中村融訳
(竹書房文庫 予価972円)[amazon]

9月26日刊
ウェイク・ワン 『ケミストリー』
どうしてうまくいかないの? 研究もプロポーズにも答えが出せず、人生に煩悶する理系女を描いた中国系アメリカ人作家のデビュー作。小竹由美子訳
(新潮クレスト・ブックス 予価2160円)[amazon]

9月26日刊
北村薫 『本と幸せ』
作家生活30周年、近況がわかるエッセイ、高校時代のショートショート作品、自選短篇ベスト12発表、自作朗読CDを付す記念本。
(新潮社 予価2592円)[amazon]

9月27日刊
『ウェールズ語原典訳 マビノギオン』
アーサー王物語を含む、ウェールズの神話、伝承がおさめられた古典物語集であるマビノギオンをウェールズ語原典から翻訳。詳細な註解と解説を加え、中世ウェールズの思索と世界観を浮き彫りにする。森野聡子編訳
(原書房 予価5400円)[amazon]

9月27日刊

藤沢衛彦 『日本の伝説 近畿』
シリーズ最終9冊目は、和歌山、兵庫、滋賀。小刑部姫、播州皿屋敷、石童丸、安珍清姫、徐福伝説など全45話。
河出書房新社 2268円)[amaozn]

9月28日刊
アンソニ-・ホロヴィッツ 『メインテーマは殺人』
自らの葬儀の手配をした当日、資産家の婦人が絞殺される。彼女は殺されることを知っていたのか? 作家のわたし、アンソニー・ホロヴィッツは、TVドラマの脚本執筆で知り合った元刑事のホーソーンから連絡を受ける。この奇妙な事件を捜査する自分を書かないかというのだ……。山田蘭訳
(創元推理文庫 予価1188円)[amazon]

9月28日刊
ヒラリー・ウォー 『生まれながらの犠牲者』
成績優秀で礼儀正しいと評判の13歳の美少女、バーバラが失踪した。警察署長フェローズの指揮のもと捜査が行われるが、足取りは全く掴めない。姿を消した前の晩、彼女は生まれて初めてのダンス・パーティーに出かけていた。そこで何かが起こったのか? 本格推理の妙味溢れる警察小説の名手の傑作。〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉第9弾。法村里絵訳
(創元推理文庫 予価1123円)[amazon]

9月28日刊
東雅夫編 『平成怪奇小説傑作集 2』
仄暗い土俗の闇から浮上する怪談文芸。時を超えた地霊の囁きに耳かたむける作家たち。天空から飛来する恐怖の大王(テロリズム)が全世界を戦慄させた、20世紀から21世紀への転換期にあって、平成日本の怪奇小説シーンは、日本と日本人の深淵へ肉迫してゆく……平成時代に生まれた怪奇小説の名作佳品を、全3巻に収録するアンソロジー第二弾。
(創元推理文庫 予価1404円)[amazon]

9月28日刊
『びっくりするほど世界が広がる 翻訳者による翻訳ブックガイド』 金原瑞人・三辺律子編
あの「BOOKMARK」が一冊の本に。最近の翻訳小説の中で特におすすめのものを選んで紹介する大人気のフリーブックレット「BOOKMARK」を加筆書籍化。著名作家による書下ろしエッセイと、各書籍の紹介はその本の翻訳家が自ら執筆。作品の面白さ、背景など、翻訳家ならではの視点で描かれたコラムも人気。
(CCCメディアハウス 予価1620円)[amazon]

9月30日刊
嵯峨景子 『氷室冴子とその時代』
少女小説の文脈で語られることが多かった氷室冴子を、コバルト文庫以外の小説やエッセイを含めた幅広い作家活動にもスポットを当て、同時代の文化・社会とともに捉え直す。雑誌や新聞記事などの資料からも見えてくる新たな氷室冴子像とは。氷室冴子が学生時代に執筆した少女マンガ論 「少女マンガの可能性」 の手書き原稿を収録。
(小鳥遊書房 予価2160円)[amazon]

《創元推理文庫 復刊フェア》 詳細
9月下旬発売
ポール・ギャリコ 『幽霊が多すぎる』
F・W・クロフツ 『クロフツ短編集1』
F・W・クロフツ 『クロフツ短編集2』
マーガレット・ミラー 『見知らぬ者の墓』
モーリス・ルヴェル 『夜鳥』
平石貴樹 『だれもがポオを愛していた』
トーマス・オーウェン 『黒い玉』
ロイス・マクマスター・ビジョルド 『スピリット・リング』
ロバート・A・ハインライン 『レッド・プラネット』
中村融編訳 『地球の静止する日
SF映画原作傑作選

9月以降予定

リディアン・ブルック 『モーガン夫人の秘密』
下隆全訳
(作品社 予価3024円)[amazon]


▼10月刊

10月3日刊
陸秋槎 『雪が白いとき、かつそのときに限り』
冬の朝、一人の少女が死体で発見された。雪に覆われた地面に犯人の足跡は残っておらず、警察は自殺として捜査を終える。それから5年後、学生寮長の顾千千は、生徒会長の馮露葵とともに、密かにこの事件のことを調べ始めるが……新たなる青春ミステリの傑作。稲村文吾訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価1980円) [amazon]

10月3日刊
ケン・リュウ 『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー
『三体』 著者の劉慈欣による「円」など7作家13作品をリュウが精選したアンソロジー、緊急文庫化。
(ハヤカワ文庫SF 予価1100円)[amazon]

10月3日刊
エイダン・トルーヘン『落とし前』
麻薬ディーラーのジャックは知人を殺した犯人を捜し始めるが、何者かに凄腕の暗殺者集団をさしむけられる。ノワール・サスペンス。三角和代訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1100円)[amazon]

10月刊
スティーヴン・クレイン 『勇気の赤い勲章』
藤井光訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

10月刊
後深草院二条 『とはずがたり』
佐々木和歌子訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

10月発売
《ミステリーズ!》 vol.97
選評 第29回鮎川哲也賞、第16回ミステリーズ!新人賞。第16回ミステリーズ!新人賞受賞作、床品美帆「ツマビラカ~保健室の不思議な先生~」掲載。待望の復活、倉知淳〈猫丸先輩〉シリーズ連載スタートほか。
(東京創元社)[amazon]

10月17日刊
オルハン・パムク 『赤い髪の女』
トルコの井戸掘りの親方と弟子。父と子のような彼らの前に、1人の女が現れた。女の赤い髪に心奪われた弟子は、親方の言いつけを破って女の元へ向かった。その選択が彼の人生を幾度も揺り動かすことになるとはまだ知らずに。稀代のストーリーテラーによる傑作。宮下遼訳
(早川書房 予価2200円)[amazon]

10月17日刊

サンドローネ・ダツィエーリ 『パードレはもういない 上・下
ダンテはいまだ行方不明。うちのめされ引退したコロンバだったが、ある日遭遇した事件にパードレの影を感じ……傑作サスペンス。清水由貴子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon]

10月17日刊

アン・パチェット『ベル・カント』
南米のとある国で公邸占拠事件が発生。人質となった各界の要人たちと世界的オペラ歌手、ゲリラの少年少女たちの奇妙な交流を描く。山本やよい訳
(ハヤカワepi文庫 予価990円)[amazon]

10月17日刊

フォンダ・リー 『翡翠城市』
選ばれし者が翡翠から力を引き出し、互いに戦い、支配すべく日々しのぎを削る激烈なる島、ケコン島。ヒロたちコール家のファミリー〈無峰会〉は、島を仕切り、血と硝煙に彩られた世界を生き抜いていたが――。21世紀版『ゴッドファーザー』×異能ファンタジイ。大谷真弓訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 予価2420円)[amazon]

10月17日刊

デニス・E・テイラー 『シンギュラリティ・トラップ』
妻と二人の子供のため、一攫千金を夢見て小惑星帯へ向かう採鉱船に乗りこんだコンピュータ・プログラマーを待ち受けていたのは!? 金子浩訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1100円)[amazon]

10月刊
福永武彦・中村真一郎・丸谷才一 『深夜の散歩 ミステリの愉しみ
深夜、男は一冊の推理小説にそっと手をのばす。そこで彼は書物のなかを出掛ける。走ったり、ひと休みしたり、時々は欠伸したりしながら、いい気になって歩き廻っていると、そのうちにあたりは白々と明けてくる。真犯人を捕まえるまでは、この散歩を途中で止められないのだ――。文学者にして推理小説愛読家である三人による読書エッセイ。推理小説を読み解く愉しさを軽やかに、時に衒学的に語り尽くす歴史的名著が甦る。
(創元推理文庫)[amazon]

10月刊
小森収編 『短編ミステリの二百年1』(仮)
江戸川乱歩編 『世界推理短編傑作集』 刊行から五十余年。創元推理文庫が21世紀の世に問う、新たなる一大アンソロジー。およそ二百年にわたる短編ミステリの歴史を彩る名作を選出、全6巻に集成。第1巻にはモームやフォークナーなどの文豪、サキやビアスといった短編の名手、ウールリッチやコリアなど新聞・雑誌で活躍した俊才による珠玉の12編を、すべて新訳で収録し、編者の評論とともに贈る。深町眞理子 他訳
(創元推理文庫)[amazon]

10月刊
フレッド・ヴァルガス 『ネプチューンの影』(仮)
アダムスベルグ署長は、古い連続殺人事件のひとつとしか思えない事件の報に接する。ネプチューンの三つ叉槍の刺し傷のある死体。しかし、彼が追っていた容疑者はすでに死亡したはず……?! 亡霊? 模倣犯? かつて、アダムスベルグの弟が恋人殺しの容疑をかけられ姿を消した事件も同じ刺し傷だった。一人の高名な判事が真犯人だと主張するアダムスベルグは、なんと自らも新たな事件に巻き込まれる。CWAインターナショナルダガー受賞。田中千春訳
(創元推理文庫)[amazon]

10月刊
レネ・デンフィールド 『スノウガール(仮)
雪と氷に覆われた山。両親の車に乗っていた五歳の少女は、外に出て……次の瞬間消えていた。折しも降り始めた雪は吹雪となり、捜索を困難にした。三年の月日が虚しく過ぎたが、あきらめきれない両親は、行方不明の子ども専門の探偵ナオミに最後の望みを託した。生きていようが死んでいようが、必ず見つけ出す。深い森に閉ざされた山を相手にナオミの戦いが始まる。細美遙子訳
(創元推理文庫)[amazon]

10月刊
ネレ・ノイハウス 『生者と死者に告ぐ』
犬の散歩中の女が突如射殺された。ライフルで80メートルの距離から正確に頭部を狙撃されたのだ。翌日、森に建つ邸宅で、女が頭部を撃たれて死亡。数日後、若い男が心臓を撃ち抜かれる。そして警察署に“仕置き人”と名乗る人物から、死亡告知が届く。犯人の目的は? 被害者たちの“見えない繋がり”とは? 刑事オリヴァーとピアが連続殺人事件に挑む。酒寄進一訳
(創元推理文庫)[amazon]

10月刊
デイヴィッド・ラミレス 『果てなき護り 上・下(仮)
地球を離れて347年目の世代宇宙船《ノア》。巨大な船内では数万以上の乗員全員が超能力を駆使し、豊かで平穏な生活を営んでいた。だがその陰で、ミンチ状の死体が次々と密かに発見される。都市計画官ハナは、捜査官バレンズとともに能力を駆使して事件の真相を追い始める。新鋭が放つ傑作宇宙SF。中村仁美訳
(創元SF文庫)[amazon]

10月刊
ディアドリ・サリバン 『森の物語、水の童話』(仮)
「シンデレラ」「赤ずきん」「ラプンツェル」「ヘンゼルとグレーテル」「ルンペルシュテルツキン」「フェアとブラウンとトレンブリング三姉妹」「白雪姫」……14のよく知られたおとぎ話をひねりを加え再話した、血と陰謀、裏切りと魅惑の匂いが漂う短編集。アイルランドのYA三賞受賞。ダークで美しく、力強い幻想譚。田中亜希子訳
(東京創元社)[amazon]


▼11月以降刊

11月21日刊
横溝正史 『完本 人形佐七捕物帳 第1巻』
横溝正史がもっとも多くの作品を残した捕物帳 「人形佐七」 シリーズ。残されたすべての作品を収めた決定版全集。江戸を舞台に、人形のような色男である佐七が繰り広げる推理劇。戦前~戦後に書き継がれた妖艶・怪奇・戦慄の作の全貌を知らしめる。全10巻。
(春陽堂書店 予価3240円)[amazon]

12月3日刊
John Curran 《The Hooded Gunman: A History of Collins Crime Club》
クリスティー、クロフツ、P・マクドナルド、マーシュ、ブレイクらの人気作家を擁し、1930年から94年までに2000点ものミステリを出版した、英国コリンズ社《クライム・クラブ》叢書の歴史を夥しいジャケット図版(カラー)と共にたどる。内容
(Collins)[amazon]

12月予定
横溝正史 『完本 人形佐七捕物帳 第2巻』
(春陽堂書店 予価3240円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

小栗虫太郎 『小栗虫太郎エッセイ』
(河出書房新社 予価2376円)[amazon]