注目の近刊

7月27日刊
石松夢人『月世界旅行』
主人公の雲井太郎さんと月形行雄さんの二人が月世界を漫遊するジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』とも違った大正期の児童向け冒険SF。大正6年に三盟舎書店から刊行された作品を復刊。
盛林堂ミステリアス文庫 1500円)[amazon]

7月28日刊
ワシーリー・グロスマン『スターリングラード 
『人生と運命』の前編となる全3巻。チェーホフを思わせる詩情、人物と心理、情景の描写、戦争の現実が胸を打つ。文学史上の金字塔。園部哲訳
(白水社 予価5390円)[amazon]

7月29日刊
別冊太陽 呪術の世界』
日本史の底流で脈々と受け継がれ育まれてきた呪術。時に表舞台で政治を動かし、時に抜き難く私たちの心を支配する呪術とは何か。その歴史を古代から現代までたどる。小松和彦監修
(平凡社 2750円)[amazon]

7月29日刊
黒川正剛『図説 魔女狩り 増補改訂版
〈ふくろうの本〉
中世末から近世、ヨーロッパを狂瀾の坩堝と化した魔女狩り。なぜ5万人もが犠牲となったのか? 魔女とは何なのか? 当時の社会・文化を読み解き、歴史の闇を照らし出す。増補改訂版。
(河出書房新社 予価2310円)[amazon]

7月29日刊
ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ』
『ユリシーズ』に続いて死の間際まで書き継がれ、20世紀最大の文学的事件とされる大傑作。人間の意識と歴史・神話の重層的物語。柳瀬尚紀訳
(河出書房新社 予価6930円)[amazon]
ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク Ⅲ・Ⅳ』
海に流れこむアナ・リディアの美しい独白で夢の言語は閉じられる。数千年の人類の歴史を一夜の夢に凝縮した抱腹絶倒の円環的物語。柳瀬尚紀訳
(河出書房新社 予価5390円)[amazon]
ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク Ⅰ・Ⅱ/Ⅲ・Ⅳセット』
全2巻・セット函入
(河出書房新社 予価11,000円)[amazon]

7月29日刊
ロス・トーマス『狂った宴』
選挙コンサルタントのシャルテルは、大手広告代理店DDTのアップショーとともに、英連邦から独立間近のアフリカの小国アルバーティア初の国家元首選挙に駆り出される。資源に恵まれながら腐敗したこの国で、DDTに有益な人物を当選させるため、二人は汚い手段を駆使してでも選挙キャンペーンを成功させようとするが……。アフリカ諸国の政治的カオスを活写し暴力描写に溢れたクライマックスが印象的な、ロス・トーマスの初期傑作、本邦初訳。松本剛史訳
(新潮文庫 予価1100円)[amazon]

7月29日刊
ジョージ・ドーズ・グリーン『サヴァナの王国』
ジョージア州サヴァナの春の夜、ホームレスの青年が殺害され、考古学者である連れの黒人女性が拉致された。遺体が発見されたのは全焼した空き家で、所有者の土地開発業者グスマンが殺人と放火の罪で逮捕され、探偵事務所を営む老婦人モルガナに真相解明を依頼する。やがて明らかになっていったのは、思いもよらない「歴史の大きな闇」だった――。CWAゴールド・ダガー受賞の南部ゴシック・ミステリー。棚橋志行訳
(新潮文庫 予価1210円)[amazon]

7月30日刊

イ・ヨンド『涙を呑む鳥1 ナガの心臓 上・下
人間、ナガ、トッケビ、レコンの四種族が暮らす大陸。その南方に暮らすナガの少年リュンは、死の際の友に託された使命を果たすべく北へ旅に出る。そして彼を守るため三人の仲間が集まった……。〈ドラゴンラージャ〉著者による本格ファンタジイ、シリーズ開幕。小西直子訳
(早川書房 予価各2640円)[上

7月30日刊
マリオ・プラーツ『ピクチャレスクなスペイン 五角形の半島Ⅰ
〈碩学の旅〉永遠の都ローマを知り尽くした碩学が、血と官能と死に彩られた国スペインを旅し、歓喜と絶望と愛をまとったマハたちの行く何気ない広場や街路や佇まいに秘められた、時空を超えた深い歴史的意味と栄枯盛衰への哀悼と芸術的精華を語る、珠玉のエッセー集。伊藤博明・金山弘昌・新保淳乃訳
(ありな書房 予価3300円)[amazon]

7月下旬予定?
トマス・パヴェル『小説列伝』
古代ギリシアから20世紀に至る西欧小説史を、理想/規範と個人の対立という不変のテーマをめぐる物語創作の無数の試行錯誤として捉え直し、50篇を超える代表的〈小説〉を新しい視点で読み解く。千野帽子訳 内容
(水声社 予価4950円)

7月下旬予定?
クロード・ビショワ/ミシェル・ブリックス『ネルヴァル伝』
ジャーナリズムが勃興した19世紀フランスにおいて、旅行記、劇評、戯曲、評伝、風刺文など、多方面で活躍したロマン主義の詩人ネルヴァル。この《幻想文学》の巨人は一方で、文芸をとりまく時代のメディアに深く関わっていた。作家の出生から自死にいたるまで、新発見の資料を渉猟し、その謎多き人生に迫る。田口亜紀・辻川慶子・畑浩一郎訳
(水声社 予価8800円)


▼8月予定

8月2日刊

ロバート・E・ハワード『愛蔵版 英雄コナン全集4 覇王篇
ヒロイック・ファンタジーの原点、英雄コナンの冒険を集成した決定版全集。40代なかばを迎えたコナンが絶対絶命の危機から立ち上がるシリーズ唯一の長篇『龍の刻』、短編「不死鳥の剣」「真紅の城砦」、および資料を収録。全4巻完結。中村融訳
(新紀元社 予価2420円)[amazon]

8月3日刊
陸秋槎『喪服の似合う少女』
女性私立探偵・劉雅弦の元へやってきた女学生・葛令儀。彼女は劉に、友人の岑樹萱を見つけてほしいと依頼する。劉は調査を始めるが、岑樹萱を深く知っている者は、一人もいなかった。さらに劉は調査の中で死体を見つけ、殺人容疑で警察に逮捕されてしまう……。大久保洋子訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2200円)[amazon]

8月3日刊
エド・マクベイン『キングの身代金 新訳版
87分署の面々が少年の取り違え誘拐事件を追う。ハリウッド・リメイク決定の映画《天国と地獄》の原作にもなった警察小説の傑作が新訳で登場。
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1320円)[amazon]

8月3日刊
陳思宏『二階のいい人』
〈台湾文学コレクション〉ベルリンの弟の家にやってきた台湾の高校教師。不慣れな外国に戸惑う日々の合間、彼女は美容院を営んだ亡母の顧客名簿をめくり、古い記憶をたどる。貧しい一家は母の裏の商売のおかげで生き延びたのだが――。疎外感を抱き生きてきた女性が出会うひと夏の物語。白水紀子訳
(早川書房 予価3080円)[amazon]

8月6日刊
チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』
書いて書いて、飲んで、競馬場に入り浸る。日常を手がかりに、生と死、詩と小説、職業と貧乏などの鋭い思考を晩年に綴った散文集。ロバート・クラム画。中川五郎訳
(河出文庫 予価891円)[amazon]

8月7日刊

『19世紀ロシア奇譚集』
屋敷に棲みつく霊と住人たちの関わりをユーモラスに描くヴェリトマン「家じゃない、おもちゃだ!」、ある女性に愛されたいために悪魔に魂を売った男の真実が悲しいバラトゥインスキー「指輪」、列車で同席した五等官がわたしに特定の駅で降りろと勧めるアンフィテアトロフ「乗り合わせた男」、悲劇的な最期を遂げた歌い手の秘密に迫るにつれ……トゥルゲーネフの心理ホラー「クララ・ミーリチ――死後」など7篇。リアリズム礼賛の蔭で忘却されてきた怪奇幻想の豊饒な世界。高橋知之編訳 収録内容
(光文社古典新訳文庫 予価1210円)[amazon]

8月7日刊
チャールズ・R・ダーウィン『完訳 ビーグル号航海記
進化論の原点となった大旅行の記録。未知の大陸でであう奇妙な動植物や、地質・気象、人々の暮らし──若きダーウィンの探検を、わかりやすい訳文で。荒俣宏訳
(平凡社ライブラリー 予価2200円)[amazon]

8月7日刊
アレクサンドル・デュマ『新訳 モンテ・クリスト伯 2』
姦計により無実の罪で逮捕されたエドモン・ダンテス。自分を陥れた敵を捕らえるための緻密な情報収集と入念な計画──巨万の富を得、モンテ・クリスト伯となった彼の復讐が始まる。西永良和訳
(平凡社ライブラリー 予価2200円)[amazon]

8月7日刊

コリン・ソルター『世界を変えた100の小説 上・下
文学史上の金字塔、ファンタジー、SF、ミステリ、現代のベストセラーまで、世界の文化・芸術・思想に大きな影響を与えた代表的な100人の作家とその最も重要と考えられる小説作品を集め、書影や関連図版とともに紹介する。角敦子訳
(原書房 予価各2640円)[amazon]

8月9日刊
吉田ルイ子『ハーレムの熱い日々』
黒人差別への抗議が広がる60年代NYCハーレムに暮らし、人間としての誇りや優しさを柔らかな眼差しでとらえた名ルポルタージュ。
(ちくま文庫 予価990円)[amazon]

8月9日刊
ジョージ・スタイナー『師弟のまじわり』
師と弟子という対関係が生んできた数々のドラマ。その美しさと醜さはわれわれに何を告げるのか。稀代の批評家が〈教育〉の諸相と深奥へ光をあてる。高田康成訳
(ちくま学芸文庫 予価1540円)[amazon]

8月9日刊
菅原邦城『概説 北欧神話』
世界観、種族、神々とその道具。馴染みあるが掴みづらい北欧神話の全体像を原資料に忠実に提示する。入門者から専門家まで必携の名著。
(ちくま学芸文庫 予価1650円)[amazon]

8月15日刊

デーリン・ニグリオファ『喉に棲むあるひとりの幽霊』
アイルランドの俊英詩人による、鮮烈な散文デビュー作。ジェイムズ・テイト・ブラック記念賞ほか受賞。吉田育未訳
(作品社 予価2970円)[amazon]

8月16日刊
アガサ・クリスティ『チムニーズ館の秘密 新訳版
偶然出会った友人からバルカン半島の小国の元首相の手記をロンドンの出版社に届けて欲しいと頼まれたケイド。冒険心をくすぐられ引き受けたが、実は友人からの頼み事はもうひとつあった。有名な大邸宅チムニーズ館に滞在中の婦人に、あるものを届けて欲しいというのだ。折しもチムニーズ荘では政府の高官や経済界の大物が集まるなか殺人事件が発生、ケイドも巻き込まれるが……。ミステリの女王の冒険活劇。山田順子訳
(創元推理文庫 予価1034円)[amazon]

8月16日発売

《紙魚の手帖》vol.18
彩瀬まる、飛浩隆、松崎有理ら豪華執筆陣が集う、恒例夏のSF特集号。第15回創元SF短編賞受賞作・選評掲載。
(東京創元社 1540円)[amazon]

8月16日刊
カレン・ピアース『料理からたどるアガサ・クリスティー 作品とその時代
ミステリの女王が大切にした食事。作中の晩餐会で、登場人物の故郷の味として、殺人の凶器として登場する料理から見えてくるものは。富原まさ江訳
(原書房 予価2530円)[amazon]

8月16日刊
ガリレオ・ガリレイ『新科学論議
ニュートンの『プリンキピア』に先立つこと半世紀、自由落下や加速度運動など、物理の基本法則を実証的に記述した本書は、近代物理学の幕開けを告げる画期的な著作となった。下巻では、幾何学を縦横に駆使し、自然の背後にひそむ数学的な規則性を明るみに出す。ガリレオ以前に誰も知りえなかった真理が初めて記される。田中一郎訳
(岩波文庫 1001円)[amazon]

8月16日刊
アレクサンドル・ゲルツェン『過去と思索 3
ニコライ一世治下のロシアはその帝政史上、言論統制の最も厳しい時代だったが、皮肉にも、思想の世界には稀に見る豊饒な果実をもたらした。「西欧主義」と「スラブ主義」の論争で、ゲルツェンは主役の一人であった。金子幸彦・長縄光男訳
(岩波文庫 1507円)[amazon]

8月19日刊
ジェイムズ・ボールドウィン『ジョヴァンニの部屋』
生誕100年記念復刊。同性愛をテーマに内なる自己との出会いの衝撃を描いた、米国で再注目される黒人作家の代表作。大橋吉之輔訳/金原瑞人解説
(白水Uブックス 予価2310円)[amazon]

8月19日刊
カルロ・ギンズブルグ『自由は脆い』
ファシズムはテクノロジーによって再作動される。大衆操作は古くて新しい歴史なのだ。ソーシャルメディアがフェイク・ニュースをまき散らすのはたやすいが、立証には重荷がのしかかる。それでも歴史認識は解毒剤になるだろう。欧米では右翼が台頭し、大衆の催眠術操作や世俗化した宗教の利用が再帰している。ITが世界を覆う不透明な転換期に新しい文献学を実践する歴史家の論考集。上村忠男訳
(みすず書房 予価5940円)[amazon]

8月19日刊
サラ・A・クリスマン『ヴィクトリア朝 淑女の流儀 紳士のたしなみ』
19世紀に大ベストセラーとなったエチケット指南書『ヒルの手引き』から、ヴィクトリア朝時代の常識や振る舞いを案内。現代人でも「役に立つ」ユニークな歴史読み物。100年経っても変わらない対人関係の難しさがユーモアとともに浮かび上がる。大間知知子訳
(原書房 予価2640円)[amazon]

8月20日刊
E・M・フォースター『小説の諸相』
ストーリーとプロットの違いは? 平面的人物と立体的人物の役割とは? 小説の未来はどうなるのか? のちにイギリス文学界の長老となった著者が、小説をかたちづくる諸要素とその魅力を、独自の観点からユーモアたっぷりに語る。1927年の初刊以来、世界中の小説家・読者に読み継がれてきた、愉しい名講義にして小説論の古典。中野康司訳
(中公文庫 予価1320円)[amazon]

8月21日刊
M・W・クレイヴン『ボタニストの殺人 上・下
押し花を受け取った著名人が連続で殺される事件が起きた。捜査に挑むポーだったが、彼の同僚の病理学者が殺人容疑で逮捕され……。東野さやか訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各990円)[amazon]

8月21日刊
ジョン・ル・カレ『ナイロビの蜂 上・下
英国外務省勤務のジャスティンは妻とともにナイロビに赴任したが、ある日、妻の死体が発見される。その背景には国際的陰謀が……。加賀山卓朗訳
(ハヤカワ文庫NV 予価各1320円)[amazon]

8月21日刊
リリア・アセンヌ『透明都市』
2029年、パリで「新革命」が起きた。暴力の可視化と予防のため、あらゆる建物をガラス張りに改装し市民が監視し合う都市計画が締結されたのだ。――20年後、犯罪が激減したパリで裕福な一家3人が忽然と消えた。理想都市で起きた奇怪な事件の裏に潜む真実とは。齋藤可津子訳
(早川書房 予価2640円)[amazon]

8月21日刊
エマ・トルジュ『インク・ブラッド・シスター・ライブラリ』
血で記された古代の魔法本を代々守護してきた家に生まれた異母姉妹のエスターとジョアンナ。離ればなれになっていた姉妹は父の死をきっかけに再会し、想像を遙かに超える危険な魔法の世界に足を踏み入れる。本と血と姉妹をめぐるドラマティック・ファンタジー。田辺千幸訳
(早川書房 予価3080円)[amazon]

8月22日刊
エヴァ・ドーラン『終着点』
ロンドンの集合住宅の一室。ひとりの女性、ひとつの死体。見知らぬ男に襲われ、身を守るために殺してしまったと彼女は語る。警察は呼ばれず、死体は壊れたエレベーターシャフトに隠蔽された――謎多き事件が冒頭で描かれたのち、過去へ遡る章と未来へ進む章が交互に置かれ、物語はたくらみに満ちた「始まり」と、すべてが暴かれる「終わり」に向けて疾走する。英国ミステリ界の俊英が放つ衝撃作。玉木亨訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

8月22日刊
サイモン・モックラー『極夜の灰』
1967年末。精神科医のジャックは陸軍医療センターで、顔と両手を包帯で覆われた男の話を聞いていた。北極圏にある極秘基地での火災の調査を依頼されたのだ。隊員2名が死亡、重度の火傷を負ったコナーは唯一の生存者だという。火災現場で発見された遺体は、一方はかろうじて人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ燃焼度に大きな差が出たのか。謎が渦巻く衝撃のミステリ長編。冨田ひろみ訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

8月23日刊
若島正『詰将棋の誕生 『詰むや詰まざるや』を読み解く
詰将棋史上に燦然と輝く二大棋書、伊藤宗看『将棋無双』と伊藤看寿『将棋図巧』。詰将棋が独自の世界を構築することになった名作を、現代最高の詰将棋作家が読み解く。
(平凡社 予価3520円)[amazon]

8月23日刊
エーリヒ・ケストナー『ケストナーの戦争日記 1941-1945
「決めたぞ。戦時下の日常で起きた重要なことを、きょうからひとつひとつ書き残すことにする。」(1941年1月16日)――戦時下に密かにつづられた日記。第三帝国の下劣さ、馬鹿らしさを批判し、空襲や迫害など戦争の中の日常を鋭い観察眼で描いたこの記録から、今わたしたちは何を読み取ることができるだろうか。酒寄進一訳
(岩波書店 予価5060円)[amazon]

8月23日刊
リズ・ニュージェント『サリー・ダイヤモンドの数奇な人生』
幼少期の記憶がない「変わり者」サリー。父が死んだ日、過去が彼女を見つけ出す。ホロヴィッツ絶賛のダークミステリー。能田優訳
(ハーパーBOOKS 予価1510円)[amazon]

8月23日発売
《SFマガジン》10月号
(早川書房 1320円)[amazon]

8月26日刊
ヨン・フォッセ『朝と夕』
演劇、詩でも文学の新境地を切り拓いて注目され「言葉で表せないものに声を与えた」としてノーベル文学賞を受賞した、ヨン・フォッセの珠玉の小品。伊達朱実訳
(国書刊行会 予価2420円)[amazon]

8月26日刊
アダニーヤ・シブリー『とるに足りない細部』
1949年8月、ナクバ(大災厄)渦中のパレスチナ/イスラエルで起きたレイプ殺人と、現代でその痕跡を辿るパレスチナ人女性。二つの時代における極限状況下の〈日常〉を抉る傑作中篇。山本薫訳
(河出書房新社 予価2200円)[amazon]

8月26日刊
ポール・ヴァレリー『メランジュ 詩と散文
〈ルリユール叢書〉
定型韻文詩、自由韻文詩、自由詩、散文、散文詩を混在させ、挿絵とテクストを混淆させた詩人ヴァレリーの精神としての書物――「雑纂」「断章」の文学ジャンルの系譜を、新たな書法(エクリチュール)で切り開く〈散文と詩の混淆(メランジュ)〉。ヴァレリー自身の手による銅版画挿絵入り初版本新訳の決定版。鳥山定嗣訳
(幻戯書房 予価3960円)[amazon]

8月26日刊
ブラニスラヴ・ヌシッチ『不審人物 故人 自叙伝』
〈ルリユール叢書〉
激動の時代のバルカンで、諷刺と喜劇で鋭い批判精神をふるった作家ブラニスラヴ・ヌシッチ――官僚制度を揶揄するゴーゴリものの喜劇『不審人物』、姓とアイデンティティの関係を問う晩年作の喜劇『故人』の本邦初訳2篇と、作家の人生喜劇を綴った「自叙伝」を収録。奥彩子・田中一生訳
(幻戯書房 予価3850円)[amazon]

8月26日刊
アンジェラ・カーター『英雄と悪党との狭間で』
〈論創海外ミステリ〉
終末感漂う近未来、家族を失った少女は共同体の“外側に存在する世界”で新たな価値観を知るのだが……。サマセット・モーム賞受賞作家による〈形而上小説〉。井伊順彦訳
(論創社 予価2750円)[amazon]

8月27日刊
ブライアン・エヴンソン『英日バイリンガル 現代ゴシック小説の書き方』
エドガー・アラン・ポー、ウィリアム・フォークナーから始まり、内田百閒、伊藤潤二、柴崎友香、『鬼滅の刃』までのゴシック、ホラーの作品世界を、現代アメリカの最重要ゴシック作家のひとりブライアン・エヴンソンが語り尽くす。書き下ろしを含むゴシック小説4篇(うち3篇は本邦初公開)と、訳者・柴田元幸との対談も収録。完全英日バイリンガル本。柴田元幸 訳・註 内容
(研究社 予価2420円)[amazon]

8月28日刊
ビル・ブライソン『アメリカを変えた夏 1927年』
リンドバーグが飛び、アル・カポネが暗躍し、ベーブ・ルースが打つ。情熱と楽天主義と悪徳に満ちた「大国」の姿を色彩豊かに活写。伊藤真訳
(白水社 予価4400円)[amazon]

8月30日刊
ヤン・ポトツキ『サラゴサ手稿 
異本『サラゴサ手稿』全3巻完結。第42日―第66日。巻末に訳者による「ヤン・ポトツキについて」を収録。工藤幸雄訳
(創元ライブラリ 予価1320円)[amazon]

8月30日刊
アシュリィ・エルストン『ほんとうの名前は教えない』
生きるため、他人になりすましてきた“わたし”。今回はボスから、エヴィという女の経歴を使い、ある男の裏稼業について調べろと指令を受けた。偶然を装って男と出会い、調査を続けていたある日、状況が一変する。パーティで出会った女性が、自分そっくりの外見で、自分の本名を名乗り、自分の経験を語ってきたのだ――。〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー第1位のサスペンス。法村里絵訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

8月30日刊
アン・クレア『雪山書店と嘘つきな死体 クリスティ書店の事件簿
故郷の雪山に帰ってきたエリーは、姉と看板猫とともにミステリ好きの集う書店、ブック・シャレーを切り盛りしていた。ある日、山腹と麓をつなぐゴンドラ内で男の刺殺体が発見される。男は直前に書店を訪れ、クリスティ『春にして君を離れ』の初版本を残しており、時を同じくして店からは従業員の女性が姿を消した。ふたつの事件には関係が? 新ミステリシリーズ。谷泰子訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

8月30日刊
シェーン・バウアー『ドキュメント民営刑務所』
身分を隠し、刑務官としてアメリカの民営刑務所に潜入したジャーナリストの著者が見たのは、信じられない世界だった――。民営刑務所の暗部を暴く傑作ノンフィクション。満園真木訳
(創元ライブラリ 予価1430円)[amazon]

8月30日予定
荒巻義雄・巽孝之編『SF評論入門』
21世紀現在、世界はSF化してしまった。荒巻義雄の言う「SFする思考」は新しい日常の随所に浸透している。ならばSF評論は、いかにSF的現在を、そして現在 SFを語りうるか。古典から現代SFまで多くのテクストに対峙しつつ、SF評論家たちの来るべきSFのヴィジョンを透視する力作論考12篇を結集。内容
(小鳥遊書房 予価4180円)[amazon]

8月予定
カイ・チェン・トム『危険なトランスガールのおしゃべりメモワール』(仮)
〈IamIamIam〉
カンフーの達人で病的な嘘つきのあたしは、生まれ育った町と家族から逃げ出し、行き着いた「奇跡通り」で様々なトランスたちと出会う。やがて殺されたトランスジェンダー女性の仇を討つことを使命とするガールギャングに入り、ストリートで大暴れ。待ち受ける困難を前に、彼女は新しい家族を守り、痛みを癒し、自分の中の真実を見つけることができるのか? 野中モモ訳
(晶文社)[amazon]

8月予定
アルノ・シュミット『レヴィアータン』
〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳
(水声社 予価2200円)

8月予定?
デイヴィッド・ダムロッシュ『ハーバード大学ダムロッシュ教授の世界文学講義』
世界文学とはなにか。国際的に活躍する文学研究の第一人者が古今東西縦横に、世界のあらゆる文学作品との比較の中で、日本文学の魅力を語る。今まで比較されることのなかった作家をあえて関連づけることによって文学の新たな可能性を見出し、刺激的な読書の世界へ誘う。沼野充義監訳/片山耕二郎・高橋知之・福間恵 訳
(東京大学出版会 予価3520円)[amazon]


▼9月以降予定

9月2日刊
エミーネ・セヴギ・エヅダマ『母の舌』
〈エクス・リブリス〉「移民文学の母」と称され、20カ国以上で刊行されるトルコ出身のドイツ語作家、初の邦訳。ビューヒナー賞受賞。細井直子訳
(白水社 予価2860円)[amazon]

9月4日刊
リチャード・コールズ『殺人は夕礼拝の前に』
英国の田舎町チャンプトンの司祭ダニエルは悩んでいた。教会のトイレ設置をめぐって住民が真っ二つに割れてしまったのだ。そんななか裕福な地元の名士が夜の教会で殺された。住民をまとめあげ、犯人を突き止めるには司祭が適任だ。狡猾な犯人にダニエルが挑む。西谷かおり訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2860円)[amazon]

9月4日刊
レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫  上・下
20歳のヴァイオレットは竜の騎手となるため軍事大学に入学する。だがそこは、入学者の大半が命を落とす危険な場所だった! そんななか彼女は、所属する第四騎竜団(フォース・ウィング)の冷酷な団長ゼイデンに強く惹かれていく。極限状態の恋と、竜との絆、そして命がけの戦い――。原島文世訳
(早川書房 各1980円)[amazon]

9月4日刊
ヨン・フォッセ『三部作(トリロギーエン)
アスレは不毛な海岸地帯の街をさまよっていた。妊娠中のアリーダを連れ、住居と仕事を探していたのだ。だが、お互いだけが家族の17歳を助けてくれる者はいない。決死の思いの選択は、やがて家族の生に影を落とす。ノルウェーのノーベル賞作家による連作短篇集。岡本健志・安藤佳子訳
(早川書房 予価2860円)[amazon]

9月4日刊
ヨン・フォッセ『ヨン・フォッセ1』
『人形の家』のイプセンの妻の十代、中年、老年を同時に登場させ独白させる『スザンナ』をはじめ、3作を収録した待望の戯曲集。
(ハヤカワ演劇文庫 予価2420円)[amazon]

9月4日刊
スティーヴン・キング『コロラド・キッド 他二篇』
市販されなかったレアな表題作、長く絶版だった『ライディング・ザ・ブレット』、新作『浮かびゆく男』を収録した日本オリジナル中篇集。高山真由美・白石朗訳
(文春文庫 予価1540円)[amazon]

9月9日刊
チャールズ・R・ダーウィン『完訳 ビーグル号航海記 
南米最南端を回って、チリの大地震を経験したダーウィンは、進化論に結実する貴重な観察をしたガラパゴス諸島へ向かう。波瀾の博物探検はクライマックスへ。詳しい訳注付き。荒俣宏訳
(平凡社ライブラリー 予価2200円)[amazon]

9月9日刊
アレクサンドル・デュマ『新訳 モンテ・クリスト伯 3』
舞台はパリへ。伯爵が連れた美しい謎のギリシャ人女性は誰なのか。カヴァルカンティとは誰なのか。さまざまな人を巻き込み華やかな社交界を背景に巧妙に仕掛けられる復讐の罠。西永良和訳
(平凡社ライブラリー 予価1980円)[amazon]

9月11日刊

遠山明子編訳『ドイツロマン派怪奇幻想傑作集』
18世紀末に興隆したドイツロマン派は、不合理なものを尊び、豊かな想像力を駆使して、怪奇幻想の物語を数多く紡ぎだした。ティーク「金髪のエックベルト」、フケー「絞首台の小男」、コンテッサ「死の天使」、アルニム「世襲領主たち」、ホフマン「砂男」など9篇を収録。
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

9月11日刊

アンソニー・ホロヴィッツ『死はすぐそばに』
テムズ川沿いの高級住宅地で、金融業界のやり手がクロスボウの矢を喉に突き立てられて殺された。昔の英国の村を思わせる理想的な環境を乱す新参者の被害者には、住人全員が我慢を重ねてきていた。誰もが動機を持っている難事件に、警察は探偵ホーソーンを招聘するが……。〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊。山田蘭訳
(創元推理文庫 予価1210円)[amazon]

9月11日刊
古川弘子『翻訳をジェンダーする』
翻訳小説の女性達は原文以上に「女らしい」言葉で訳されている。翻訳と社会と私達の密接な関係を読みとき、女性の声を伝えるフェミニスト翻訳の可能性を探る。
(ちくまプリマー新書 予価990円)[amazon]

9月12日予定
ジョエル・タウンズリー・コレクション『止まった時計』
〈ジョエル・タウンズリー・コレクション〉
絶世の美人女優として一世を風靡したニーナ・ワンドレイが自宅で命を狙われ、瀕死の重傷を負った。稀代の異才による、過去と現在が入り乱れる眩惑的サスペンス。世紀の怪作『赤い右手』をも凌ぐ傑作。夏来健次訳 内容
(国書刊行会 予価2640円)[amazon]

9月刊

E・T・A・ホフマン『ネコのムル君の人生観 上
鈴木芳子訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月刊
レイチェル・カーソン『沈黙の春』
化学薬品の乱用で自然(生態系)が破壊され、人間をも蝕んでいくその恐ろしさを最初に告発した生物学者レイチェル・カーソンの代表作。残留農薬の問題をいち早く指摘し、社会に大きな影響を与えた。歴史を変えた世紀のベストセラーの新訳。渡辺政隆訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月17日刊

カルロ・ヴェッチェ『カテリーナ、レオナルドの母の微笑』
日高健一郎訳
(みすず書房 予価5280円)[amazon]

9月19日刊
クレマンス・ミシャロン『寡黙な同居人』
家族思いなエイダンは実は連続殺人犯で、次の獲物、レイチェルを監禁している。彼女はエイダンの娘に近づき、逃亡の機会を探るが――。高山真由美訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1320円)[amazon]

9月19日刊
ジョン・ル・カレ『終生の友として 上・下
ヴェトナム戦争からプラハの春、ベルリンの壁崩壊と冷戦の終結、そしてイラク戦争へ……。世界に翻弄された2人のスパイの物語。加賀山卓朗訳
(ハヤカワ文庫NV 予価各1320円)[amazon]

9月19日刊
カレス・ルービン『ターングラス 鏡映しの殺人
1881年イギリス、エセックスのターングラス館で起こった毒殺事件。事件解明の鍵は、館に監禁された女性が持つ一冊の本にあるという。一方、1939年アメリカ、カリフォルニアでは推理作家が奇妙な死を遂げる。彼は、死ぬ間際に58年前の毒殺事件の物語を書いていた――。越前敏弥訳
(早川書房 予価2750円)[amazon]

9月19日刊
マーガレット・アトウッド『老いぼれを燃やせ』
高齢者を口減らしすべく介護施設をつぎつぎ襲撃する若者と、待ち受ける老婦人を描く表題作。4人の夫を看取ってきた女性と、"運命の相手"との再会を描く「岩のマットレス」。復讐譚、ゴシックホラー、社会批評など、バラエティに富んだ9篇を収めた傑作短篇集。鴻巣友季子訳
(早川書房 予価2860円)[amazon]

9月19日刊

エラリー・クイーン『Zの悲劇 新訳版
『Yの悲劇』の事件から十年後。サム警視は退職し、愛娘ペイシェンスと私立探偵を開業していた。ある依頼で滞在中の町で、関係者の上院議員が殺害される。あらゆる状況証拠がひとりの男を指している難事件に、名探偵ドルリー・レーンの出馬を請うことに……。〈レーン四部作〉新訳版。中村有希訳
(創元推理文庫 予価990円)[amazon]

9月19日刊

エリカ・ルース・ノイバウアー『豪華客船オリンピック号の殺人』
実は英国政府のエージェントであるレドヴァースの依頼で、夫婦のふりをして豪華客船オリンピック号に乗り込んだジェーン。目的はドイツのスパイを探し出すことだ。ジェーンは初めての捜査(?)にやる気満々だったが、乗客の女性が新婚の夫が消えてしまったと騒ぎはじめた。船長はとりあおうとしなかったが、ジェーンは乗船前に女性が夫といるところを見ていた……。好評シリーズ第三弾。山田順子訳
(創元推理文庫 予価1386円)[amazon]

9月24日刊
コリン・オサリヴァン『SUNNY』(原題)
堤朝子訳
(ハーパーBOOKS 予価1280円)[amazon]

9月24日刊
ケイト・クイン/ジェイニー・チャン『THE PHOENIX CROWN(原題)
加藤洋子訳
(ハーパーBOOKS 予価1370円)[amazon]

9月25日発売
《ミステリマガジン》11月号
(早川書房)[amazon]

9月26日刊
ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』
出奔した長女への三兄弟の激しい想いを、アメリカ南部の凋落する名家の悲劇を軸に痛ましくも美しく描く。最高傑作を画期的新訳で。桐山大介訳
(河出書房新社 予価3630円)[amazon]

9月27日刊
トーマス・ベルンハルト『石灰工場』
廃墟となった石灰工場でコンラートはなぜ妻を射殺したのか。1981年にベルンハルト初訳書として刊行された伝説的な衝撃作を新訳。飯島雄太郎訳
(河出書房新社 予価3245円)[amazon]

9月27日刊
アグラヤ・ヴェテラニー『その子どもはなぜ、おかゆのなかで煮えているのか』
ピエロの父、首つりの母、踊り子の私。わが家の鍋は煮えたぎる。伝説の夭逝作家が唯一遺した、故郷なき世界文学。16カ国で翻訳。松永美穂訳
(河出書房新社 予価2310円)[amazon]

9月27日刊

ジェレミー・ドロンフィールド『アウシュヴィッツの父と息子に』
父を追い、息子は自らアウシュヴィッツ行きを志願した。『飛蝗の農場』作者による感動のノンフィクション。越前敏弥訳
(河出書房新社 予価3190円)[amazon]

9月28日刊

アラン・フラド『リスボンのブック・スパイ』
第二次世界大戦下、ニューヨーク公共図書館で働くマリアは、戦略分析のため枢軸国の書籍を収集する任務を受けて、リスボンに旅立った。同地では書店を営む青年ティアゴが、書類偽造の天才ローザとともに秘密のユダヤ人避難活動を行っていた。戦時下のリスボンを舞台に、本を愛する者たちの戦いを描く傑作長編。髙山祥子訳
(東京創元社 予価2750円)[amazon]

9月28日刊

R・J・エロリー『弟、去りし日に』
保安官のヴィクターの元に弟の訃報が届いた。彼は車で何度も轢き殺されたという。弟とは約12年間会っていなかったが、唯一の肉親となった弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれたヴィクターは、捜査中の少女殺人事件を追いつつ、弟の死の謎へ踏み込んでいくが……。実力派作家による心揺さぶるミステリ。吉野弘人訳
(創元推理文庫 予価1650円)[amazon]

9月28日刊

ジャン=クリストフ・グランジェ『ミゼレーレ 上・下
パリの教会で聖歌隊指揮者が不審死を遂げた。来合わせた元刑事と、薬物依存症で休職中の若い刑事が捜査に加わる。聖歌隊の少年が容疑者として浮かび、死んだ指揮者の性的嗜好などが明らかになっていくが、殺された男はピノチェト圧制下のチリからの亡命者だった。ナチスが研究していた謎の兵器、南米のカルト教団……二人のはぐれ者刑事の過去が複雑に絡み合う傑作ミステリ。平岡敦訳
(創元推理文庫 予価各1430円)[amazon]

9月下旬発売
《創元推理文庫 復刊フェア》
フランシス・アイルズ『レディに捧げる殺人物語』
ヒラリー・ウォー『この町の誰かが』
F・W・クロフツ『フレンチ警部の多忙な休暇』
ドロシー・L・セイヤーズ『死体をどうぞ』
ビル・S・バリンジャー『煙で描いた肖像画』
パーシヴァル・ワイルド『検死審問
 インクエスト
倉阪鬼一郎・南條竹則・西崎憲編訳『淑やかな悪夢
 英米女流怪談集
創元SF文庫

ジェイムズ・P・ホーガン『時間泥棒』

内容

9月刊
ステファン・テメルソン『缶詰サーディンの謎』
〈ドーキー・アーカイヴ〉一人の文豪が列車の中で頓死する。残された妻と愛人は恋人同士になりスペインのマヨルカ島に移住、そこに女占い師と息子の天才少年、下半身不随の哲学教師とその妻子が現れ、さらにポーランドの将軍の老いた娘やキャプテン・カサノヴァなど多彩な人物が入り乱れ、誰も予想できないラストへ……。ポーランドの前衛作家による奇妙奇天烈な哲学ノヴェル。大久保譲訳
(国書刊行会 予価3080円)[amazon]

10月予定
オスカー・ワイルド『芸術家としての批評家』
河内恵子訳
(みすず書房 予価4620円)[amazon]

11月1日予定
スーネ・デ ・スーザ・シュミット=マスン『カレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについての小さな本』
二つの作家名で知られ、英語とデンマーク語の二言語で作品を発表し、ヘミングウェイに自分よりもノーベル文学賞を受賞するのにふさわしいと言わしめたカレン・ブリクセン/イサク・ディーネセンについてのブック・ガイド。 枇谷玲子訳
(子ども時代 予価2200円)[amazon]

11月22日予定
周浩暉『7人殺される』
阿井幸作訳
(ハーパーBOOKS 予価1540円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。