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注目の近刊
1月28日刊 ロス・トーマス『悪党たちのシチュー』 落ちぶれていた辣腕ジャーナリストのシトロンは、くせ者政治屋ヘールに雇われる。現政権の大きな弱みともなるスキャンダル情報を入手すべく、協力を求められたのだった。勇躍、中米の軍事国家へと調査に向かったシトロンは、隠蔽されていた同国での過去の不祥事の内実を探りにかかるが……。あらゆる面白さをごった煮(スープ)にし、思わぬ展開と粋な対話で編み上げた、騙りと企みのタペストリー。松本剛史訳 (新潮文庫 予価1155円)[amazon] 1月28日刊 ジーン・ウェブスター『おちゃめなパティ、カレッジへ行く』 恋に、おしゃれに、勉強に。いまという瞬間をわしづかみにして、かたく抱きしめるんだ。大学四年生のパティが暮らすアメリカの女子寮で「見抜かれないように最大の噓をつく」ゲームが大流行。ところがパティがうっかり種明かしを忘れたために、ありえない噂が学内にまわってしまい大慌て――。大学を卒業した直後のウェブスターが、当時の女学生の生活をいきいきと描いた記念碑的デビュー作。三角和代訳 (新潮文庫 予価781円)[amazon] 1月28日刊 大藪春彦『野獣死すべし』 容赦なく撃つ。それが伊達邦彦の流儀だ。敗戦直後のハルビンでロシア軍による暴虐を目撃した邦彦は、怒りと虚無をその身に秘め、帰国後「死と破壊の使者」と化した。端正な相貌は狂気を湛え、警察官を撃ち殺し、現金輸送車を強奪し、冷徹な知性で大胆な犯罪計画を練っていく。冷え冷えとした銃を手に、ローン・ウルフの魂はどこへ疾走していくのか。ハードボイルドの巨匠の代表作。 (新潮文庫 予価781円)[amazon] 1月29日刊 ミヒャエル・ケンペ『ライプニッツの輝ける七日間』 〈新潮クレスト・ブックス〉「最後の万能の天才」の多彩な生涯を7日間の出来事で描く画期的〈評伝〉。数学や哲学で多大な業績を残し、歴史家や発明家としても活躍した知の巨人ライプニッツ。時に政治に口を出し、時に論争を巻き起こしながら、バロック時代を「転がる石」のように生きた70年の生涯から岐路となった7日間を取り上げ、遺された10万ページのメモと2万通の手紙を元にその思考と業績を再構築した比類なき書。森内薫訳 (新潮社 予価2640円)[amazon] 1月30日刊 ガイ・バート『タンポポ時計』 ロンドンでキャリアの絶頂にある画家のアレックスは、実家を売却するため、イタリアの小村を数十年ぶりに訪れる。年少期に彼は、海と山に囲まれたこの地で、一歳違いのジェイミーと三つ年上のアンナとひと夏を過ごした。平凡だけど明るい夏休みになるはずだった――廃墟となった礼拝堂で傷ついた“隠者”に出会うまでは。アレックスは記憶の断片を繋ぎ合わせて追想する……幼かった三人が深く結びついたあの日々、自分たちのそれからの流転する人生を。煌めくような郷愁と心震わせる愛惜が描き出す円熟の傑作。山田蘭訳 (東京創元社 予価5500円)[amazon] 1月30日刊 H・G・ウェルズ『タイム・マシン ウェルズSF傑作選 新版』 19世紀末のイギリスに登場したウェルズこそはサイエンス・フィクションの巨人である。彼はその後に連綿とつづく現代SFのアイデアのほとんどを創造したといってよい。あまりにも有名な時間旅行SFの原点となった表題作ほか、「塀についたドア」「奇跡をおこせる男」「ダイヤモンド製造家」「イーピヨルニスの島」「水晶の卵」など6編を収める。阿部知二訳 (創元SF文庫 予価990円)[amazon] 1月30日刊 ローラン・ビネ『言語の七番目の機能』 ロラン・バルトの事故死についてバイヤール警部が捜査を開始した。哲学も記号論もチンプンカンプンの反動的プチブルの彼は若手記号学者シモンに協力を仰ぐ。シモンは次第にジェームズ・ボンドばりの活躍をするように! 謎の文書「言語の七番目の機能」がすべての鍵らしい。ウンベルト・エーコが会長を務める秘密結社《ロゴス・クラブ》とは? フーコー、ソレルス、クリステヴァ、ドゥールーズ、デリダ等々現代思想の重鎮や政治家たちも乱舞する、驚愕の記号学ミステリ。言葉の持つ力について改めて考えずにはいられない傑作。高橋啓訳 (創元文芸文庫 予価1870円)[amazon] 1月30日刊 レイモンド・チャンドラー『ザ・リトル・シスター』 兄を探してほしいと、若い娘に依頼されたマーロウは、訪れる先々で死体と遭遇する。やがて、ハリウッドの闇の渦中へ……。フィリップ・マーロウ・シリーズ第5長篇。市川亮平訳 (小鳥遊書房 予価2420円)[amazon] ▼2月予定 2月4日刊 フェリックス・フランシス『勝機』 妻を失いかけて失意のシッドに不正の告発が届く。規制の網の目を突く、その悪辣な手口とは。大きな転機を迎えたシッドの不屈の戦い。加賀山卓朗訳 (文春文庫 予価1320円)[amazon] 2月4日刊 キャロル・J・クローヴァー『男と女とチェーンソー 現代ホラー映画におけるジェンダー』 なぜ女は逃げ、叫び、そして生き残るのか? なぜ男は女を追い、殺し、そして見つめるのか? 『悪魔のいけにえ』『ハロウィン』『13日の金曜日』など、ホラー映画史を代表する作品群を通して、現代社会における性と権力の神話と構造を照らし出す。ホラー研究、フェミニズム批評、さらにはファン文化にも大きな影響を与えた記念碑的著作。小島朋美訳 (晶文社 予価3300円)[amazon] 2月4日刊 アントワーヌ・コンパニョン『文学は割に合う!』 文学は著者に、読者に、どれほどの見返りをもたらすものなのか。多角的な視点から、ユーモアを交えて語る、碩学による刺激的な一冊。本田貴久訳 (作品社 予価2640円)[amazon] 2月4日刊 朴泰遠『川辺の風景 新装版』 植民地朝鮮ソウルの下町、清渓川(チョンゲチョン)の川辺に生きる市井の人々を活写する、全50章の壮大なパノラマ。精緻な描写で庶民の哀歓を綴った韓国近代文学の金字塔、待望の新装復刊。牧瀬暁子訳 (作品社 予価5940円)[amazon] 2月5日刊 ジャン=クリストフ・グランジェ『死の烙印 1』 第二次世界大戦直前のベルリン。ナチ党の旗が翻るなか、上流階級の若い女性が次々と殺される。喉や腹部を切り裂かれ、靴を盗まれた彼女たち。被害者の女性の共通点は、夢に「大理石の男」が出てきたこと。犯人の目的、正体、そして、「大理石の男」の秘密とは。高野優・坂田雪子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3520円)[amazon] 2月5日刊 ガエル・ファイユ『ジャカランダの樹』 1994年フランス。12歳のミランは、母の祖国で起きたジェノサイドを他人事だと思っていた。だが、虐殺から逃れてきた少年と出会い一変する。ミランがルワンダで目にした憎しみの連鎖。赦しと怒りの狭間で揺れる人々の苦悩。その先に見出した希望とは――。加藤かおり訳 (早川書房 予価3520円)[amazon] 2月6日刊 南條竹則編訳『英国幽霊いまむかし』 〈怪奇の本棚〉イギリスは18世紀以来怪談が盛んに書かれた国だが、それが文芸の一分野として成立する以前に、怪談実話やフォークロアの形で長い伝統があった。素朴な幽霊譚から次第に洗練された小説形式が生み出されるさまを時代を追って辿る英国怪談アンソロジー。M・R・ジェイムズが発掘した中世怪談から、怪現象〈テッドワースの鼓手〉事件の記録、ロバート・バーンズの幽霊バラッド、ブルワー=リットンの名作「幽霊屋敷」、ダンセイニ卿、ウェイクフィールド、A・C・ベンスンらの傑作まで全14篇。 (国書刊行会 3960円)[amazon] 2月6日刊 スタッズ・ターケル『仕事! 上・下』 市井の人々から「仕事」について聞き書きしたインタビュー集。全米で長期ベストセラー、ジャーナリズムの記念碑的著作。ピューリッツァー賞作家代表作にして伝説の名著を復刊文庫化。中山容訳 (河出文庫 予価1925円/2178円)[amazon上・下] 2月6日刊 角田喜久雄『歪んだ顔』 (春陽文庫 予価1320円)[amazon] 2月6日刊 国枝史郎『犯罪列車』 (春陽文庫 予価1320円)[amazon] 2月6日刊 C・S・ロバートソン『特殊清掃人グレイス・マクギルと孤独な死者たち』 グラスゴーで孤独死のあった部屋の特殊清掃の仕事につくグレイス・マクギルは、現場を忠実に再現したミニチュア模型を作ることで死者の心に寄り添いつつ、自身の心の均衡を保っていた。担当した二つの現場にある繋がりを見出した彼女は、独自の調査に乗り出し、半世紀以上前に起きた未解決事件に辿り着くが……。スコットランドのベストセラー作家による傑作ダークミステリー。菅原美保訳 (小学館文庫 予価1254円)[amazon] 2月9日刊 金森修『ゴーレムの生命論』 ユダヤ教から生まれた人造生命、ゴーレム。さまざまな物語の中に形を変えながら登場してきたゴーレムが現代科学において現実のものとなりつつある今、命の在り方を問いかける。 (平凡社ライブラリー 予価2145円)[amazon] 2月9日刊 クレオ・コイル『罪と罰のコーヒー・ラウンジ』 客足が途絶えてしまったビレッジブレンド。そこでクレアたちは、2階のラウンジを作家たちに使ってもらうことに。順調にスタートするも、老詩人のノートを巡ってトラブルが。そこには罪と無罰の物語が綴られているというが!? 小川敏子訳 (原書房/コージ―ブックス 予価1540円)[amazon] 2月10日刊 マンリー・ウェイド・ウェルマン『銀のギターのジョン 悪魔なんかこわくない 増補版』 〈ナイトランド叢書〉人より古き者が遍在することを知る智恵深き先住民。その幻惑的な誘いに、音と語りで立ち向かう無頼の徒――人呼んで銀のギターのジョン! その風来旅の吹き着く先は? 短篇集『悪魔なんかこわくない』(深町眞理子訳)に、健部伸明による丁寧な註と解説を増補。 誕生篇たる「蛙の父」(本邦初訳)も収録した決定版。 (アトリエサード 予価3300円)[amazon] 2月10日刊 沖田瑞穂『盗む鳥、死の犬 動物神話の世界』 豊饒の猪、先導する猿、出会いの鹿、不死の蛇、性の馬、知恵の鮭――。動物たちが司るイメージと役割が描かれた神話を鮮明に解きほぐし、その背景と意味を探究する。普段の生活の中で、あるいは動物園などで見られる実在の動物たちは神話においてどのような役割と意味を担っているのか。インド神話への言及を中心に、東西の古代の神話、また現代の小説、アニメ、映画などに現れる動物たちのイメージを読み解いていく。 (晶文社 予価1870円)[amazon] 2月10日刊 アリストテレス『エウデモス倫理学 上・下』 アリストテレスの真作であり、『ニコマコス倫理学』と並ぶ倫理学の主著。善そのものである幸福について、また幸福を実現するうえで重要な「善美の徳」について考察する。『ニコマコス倫理学』との相違、独自性について詳細な解説を付す。渡辺邦夫・加藤喜市・立花幸司 訳 (光文社古典新訳文庫 予価各1760円)[amazon上・下] 2月12日刊 ピーター・ボグダノヴィッチ『大映画術Ⅰ』 サイレント期のパイオニアからテレビドラマ出身の社会派まで――名監督たちが映画作りの秘密を語り尽くす。伝説の名インタビュー集がついに翻訳。収録監督=アラン・ドワン、ラオール・ウォルシュ、フリッツ・ラング、ジョゼフ・フォン・スタンバーグ、ハワード・ホークス、レオ・マッケリー 宮本高晴訳 目次 (国書刊行会 予価5940円)[amazon] 2月12日刊 ピーター・ボグダノヴィッチ『大映画術Ⅱ』 映画の誕生から、勃興期、崩壊期、そして復活まで――16人の名匠による〈アメリカ映画の黄金時代〉。神話的監督たちが勢揃いした奇跡の対話集。収録監督=ジョージ・キューカー、アルフレッド・ヒッチコック、エドガー・G・ウルマー、オットー・プレミンジャー、ジョゼフ・H・ルイス、チャック・ジョーンズ、ドン・シーゲル、フランク・タシュリン、ロバート・アルドリッチ、シドニー・ルメット 宮本高晴訳 目次 (国書刊行会 予価5940円)[amazon] 2月12日刊 『SFが読みたい! 2026年版』S‐Fマガジン編集部編 年間ベストSF発表、ベスト1作家からのメッセージ、サブジャンル別ベスト、この一年のSF関連トピック、2026年の各出版社のSF書籍刊行予定、SF作家たちによる最新予定「2026年のわたし」、SF関連書籍目録などでおくる恒例のSFガイドブック最新版。 (早川書房 予価1386円)[amazon] 2月12日刊 C・J・ボックス『沈黙の森』 ジョーは野生動物を保護・管理する新米の猟区管理官。やりがいはある仕事だが、着任早々、密猟者に違反切符を切っている最中に自分の銃を奪われてしまう。だがある日、娘と自宅の庭で見つけたのはその密猟者の死体だった……。家族と仕事を愛し、巨悪や大自然の脅威に立ち向かう鮮烈な主人公が誕生。四つのミステリ新人賞を受賞して絶賛を浴びた〈猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ〉第一作。野口百合子訳 (創元推理文庫 予価1430円)[amazon] 2月12日刊 エリーザ・ホーフェン『暗黒の瞬間』 30年のキャリアに幕を引くことを決意した、ベルリンの刑事弁護士エーファ。凄腕で知られる彼女は多くの忘れがたい事件を手がけてきた――。十一人が被告人となった裁判で一人だけ無実の者がおり、全員がそれは自分だと主張している。一人を救うため十人を無罪とすべきか……。ひとつの証言、発見、弁護活動で一変する平凡な裁判、そして異常な裁判。大型新人による、息を呑むような完璧なる連作短編ミステリ。浅井晶子訳 (東京創元社 予価2530円)[amazon] 2月12日刊 フレドリック・ブラウン『フレドリック・ブラウンSF短編全集1 未来世界から来た男 新訳版』 奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集、待望の文庫化。第1巻は、創元SF文庫の記念すべき第一弾『未来世界から来た男』を、原書に準じた本来の収録作・収録順とし、解題と新版解説を付して贈る。安原和見訳 (創元SF文庫 予価1320円)[amazon] 2月12日発売 《紙魚の手帖》vol.27 注目の著者・白尾悠、待望の新連載スタート。芦辺拓、真門浩平、エヴゲニア・トリアンダフィルが贈る傑作読切掲載。丸山正樹、『デフ・ヴォイス5』連載最終回ほか。 (東京創元社 1760円)[amazon] 2月12日刊 草森紳一『本に狂う 草森紳一ベスト・エッセイ』 元祖サブカル評論家としても先駆的存在の、多ジャンルの文章を味わう初のベスト・エッセイ集。元連載担当編集者で、雑文家を継ぐ編者による決定版。平山周吉編 (ちくま文庫 予価1210円)[amazon] 2月12日刊 『マビノギオン 中世ウェールズ幻想物語集』 アーサー王(アルスル)が活躍する物語など、古来カムリ人たちが語り紡いできた数々の伝承を収録。詳細な訳注を付したウェールズ語原典からの完訳。中野節子訳 (ちくま学芸文庫 予価1980円)[amazon] 2月12日刊 ロイ・ポーター『啓蒙主義』 理性による人類の進歩を確信した18世紀ヨーロッパ。啓蒙主義はいかなる変革を社会にもたらしたのか。時代の精神とその背景を追う格好の入門書。見市雅俊訳 (ちくま学芸文庫 予価1320円)[amazon] 2月12日刊 松永敏男『博物学の世紀』 18世紀になると自然哲学の勢いは衰え、博物学が時代を代表する学問となった。ヨーロッパでは王侯貴族から市民までが博物学に熱狂し、珍奇な動植物や鉱物を収集・分類することが流行する。この博物学の黄金期を、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネを中心に描く。18世紀の知的熱狂と探究心、そして自然を体系化しようとした人類の壮大な試みをコンパクトにまとめた一冊。博物学の意義とその文化的背景を理解するための入門書。 (講談社学術文庫 予価1210円) [amazon] 2月12日刊 吉田禎吾『魔性の文化誌』 聖なるものはなぜ呪われたものでもあるのか。清純な白と無気味な白・左の神秘・双子の習俗、魔女・憑きもの・不思議な来訪者……日本・バリ・アフリカの民俗をたずね、文化/自然・男/女・昼/夜など、二元的カテゴリー間の均衡を攪乱する「どちらつかずの中間領域」に魔性の発生を見いだす。文化人類学の大家による画期の書。 (講談社学術文庫 予価1650円)[amazon] 2月12日刊 フリードリヒ・ニーチェ『道徳の系譜学に向けて』 「道徳」(価値観)について考察した最晩年の著作。ニーチェ研究の大家が満を持して送りだす新訳決定版。須藤訓任訳 (講談社学術文庫 予価1540円)[amazon] 2月13日刊 パトリシア・コーンウェル『怪物 上・下』 全米で絶大な人気を誇るパトリシア・コーンウェルの大ベストセラー「検屍官」シリーズ27作目。池田真紀子訳 (講談社文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 2月13日刊 『原典訳 マハーバーラタ 4』 五王子が国外追放となり13年目。カルナは生まれながらに身につけていた鎧と耳環と引き換えに、的を外さぬ槍をインドラ神から授けられる。五王子らは各々に変装をしてヴィラータ王の宮廷に潜伏する。ドラウパディーに邪恋を抱いた将軍キーチャカがビーマによって殺害されると、その噂を知ったクル・トリガルタ連合軍がヴィラータの都を急襲。だが女形に変装していたアルジュナがクル軍を敗走させ、ついに約定の13年が満了する。上村勝彦訳 (法蔵館文庫 予価2420円)[amazon] 2月16日刊 エウリピデス『メデイア』 「さあ、心よ、鬼になるのだ。なぜにためらう」。ともに死地をくぐりぬけた夫イアソンの裏切りに遭い、復讐に燃えるコルキスの王女メデイア。激しい愛を燃やし、女を踏みつけにする世を呪い、辱める者を決して許さない強烈な女性像は、古代ギリシア三大悲劇詩人の一人エウリピデスの代表作として後世に多大な影響を与えた。丹下和彦訳 (岩波文庫 627円)[amazon] 2月16日刊 モンテーニュ『モンテーニュ 旅日記 上』 1580年、地元ボルドーで『エセー』初版を出したモンテーニュは、末弟らとともに長旅に出た。スイス、ドイツ、オーストリアを経由して、ヴェネツィア、フィレンツェ、そして念願のローマへ。温泉での湯治、宿屋や食事の様子、名所の風景、土地の風俗など、持ち前の観察眼で綴られた稀有の旅行記。宮下志朗訳 (岩波文庫 1155円)[amazon] 2月16日刊 イマヌエル・カント『プロレゴーメナ』 『純粋理性批判』への無理解や曲解に対して書かれた本書は、『純粋理性批判』の詳細な解説書にして、学問としての形而上学のための序論(プロレゴーメナ)でもある。カント理解に必読の一冊。巻末資料として、本書執筆のきっかけとなったガルヴェ/フェーダー「ゲッティンゲン書評」を掲載。各節梗概も付す。新訳。大橋容一郎訳 (岩波文庫 1210円)[amazon] 2月16日刊 稲泉連『増補 復興の書店』 本は「生活必需品」だった――被災地で本を売ることに懐疑的だった書店員たちは、本を求める多くの人と出会う中で、矜持や喜びを取り戻してゆく。2011年の東日本大震災で甚大な被害をうけた書店の復興に向けた苦闘を描き静かな感動を呼んだ名著に、24年の能登地震で被災した書店の取材記を増補する。 (岩波現代文庫 1331円)[amazon] 2月17日刊 アレハンドロ・ホドロフスキー『ホドロフスキー、魂の言葉』 世界中で熱狂的に支持される映画監督にしてアーティスト/タロット研究家/サイコセラピスト、多才な活動を続けるアレハンドロ・ホドロフスキーによる珠玉の言葉の贈物。人生を彩るための名言集。花方寿行訳 (国書刊行会 予価5280円)[amazon] 2月18日刊 『完全版 エッダ 古代北欧歌謡集』 アイスランドの比類なき世界文学、世界初のコンプリート版。神々と巨人の凄絶な戦い、世界の創造と破滅――主神オーディンをはじめ、雷神ソールや悪知恵にたけたロキ、完全武装で騎乗する乙女軍団ヴァルキューレらが躍動し、現代のサブカルチャーにも尽きぬ題材を提供する古代神話と英雄伝説の宝庫。『エッダ』と『スノッリのエッダ』をともに丸ごと収録する、待望の完全版。谷口幸男訳/伊藤尽・小澤実監修 (新潮社 予価17,600円)[amazon] 2月18日刊 ジョー・ハート『罪人に死を』 幼馴染と不倫中の男に届いた不倫を咎める手紙。相手の夫の仕業と疑うも、夫は殺され、幼馴染も失踪してしまう。エドガー賞受賞作。仁木めぐみ訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2090円)[amazon] 2月18日刊 ジェイムズ・ラヴグローヴ『シャーロック・ホームズとハイゲイトの恐怖 上・下』 ワトスンの恐るべき手稿には続きがあった――ホームズに持ち込まれたハイゲイト墓地での遺体消失事件は異形へと繋がっており!? 日暮雅通訳 (ハヤカワ文庫FT 予価各1650円)[amazon上・下] 2月18日刊 マックス・ポーター『悲しみは羽根をまとって』 母を突然亡くした幼い兄弟と、その父親。喪失の重みが沁みこみ始めたロンドンのフラットに、奇妙な喋るカラスがやってきてこう言う――おまえがおれをいらなくなるまでここにいる。ハン・ガンが「いびつなほどのぬくもりと美しさを秘めた本」と絶賛した傑作。桑原洋子訳 (早川書房 予価2640円)[amazon] 2月18日刊 北清夢『漂泊の星舟』 人類の生存を賭け、恒星間ミッションに旅立った80人の女性。船に爆弾がしかけられ、代替要員のアスカは犯人探しを命じられるが!? 金子浩訳 (ハヤカワ文庫SF 予価2310円)[amazon] 2月18日刊 エイモア・トールズ『モスクワの伯爵 上・下』 革命政府によって、ホテルに軟禁された伯爵。一歩外に出れば死が待っている極限状況で伯爵が見つけたのは、人生の豊かさだった!? 宇佐川晶子訳 (ハヤカワ文庫NV 予価各1430円)[amazon上・下] 2月18日刊 馬伯庸『両京十五日 1 南京脱出』 十五世紀の中国、明の時代。何者かからの襲撃を受けた皇太子・朱瞻基は、三人の仲間とともに、南京から北京へ十五日の決死行を行う。齊藤正高・泊功訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon] 2月18日刊 カルロ・ギンズブルグ『行間を読む、行間に書く』 歴史学の方法を思考し続ける歴史家の8論文。歴史、記憶、グローバリゼーションをめぐり、実践を示す。日本オリジナル編集。上村忠男編訳 (みすず書房 予価6600円)[amazon] 2月18日刊 『読書アンケート 2025』 150名以上の有識者に、新刊・既刊を問わず2025年にお読みになった本のなかから、印象深かったものを挙げていただきました。 (みすず書房 990円)[amazon] 2月18日刊 エドワード・ゴーリー『けだもの赤子』 みんなから忌み嫌われる、世にも奇妙な赤ん坊をめぐる救いのない物語。不幸な子どもを描く作家の真骨頂。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価1540円)[amazon] 2月18日刊 キム・ユダム『ケアする心』 〈エクス・リブリス〉育児や介護など家族のケアに時間と労力を捧げる人々が、ケアされない日常の中で静かに奮闘する心を描く、韓国発の注目の短篇小説集。小山内園子訳 (白水社 予価2420円)[amazon] 2月19日刊 フランシス・ハーディング/エミリー・グラヴェット絵『千の目が光る森』 〈森〉に侵略され〈壁〉の中だけに人が暮らしている世界。〈壁〉の一部〈灰色男の門〉に住むフェザーは、〈森〉で出会った〈よそ者〉に裏切られ、望遠鏡を盗まれたうえに崖から突き落とされてしまった。このままでは集落に戻れない。フェザーは〈よそ者〉を追いひとり危険でいっぱいの森に踏み入った。『嘘の木』の著者が人気イラストレーターとタッグを組んだ豪華なYAファンタジイ。児玉敦子訳 (東京創元社 予価2530円)[amazon] 2月19日刊 オリヴィエ・ゲーズ『ヨーゼフ・メンゲレの逃亡』 優生学に取り憑かれた医師メンゲレはアウシュビッツ絶滅収容所に着いたユダヤ人の子供たち、特に双子たちに想像を絶する人体実験を重ねた。1945年のアウシュビッツ解放後に南米に逃亡、79年ブラジルで病死するまでモサドの目を逃れ生き続けた。彼はなぜ生き延びられたのか? どのような逃亡生活を送ったのか? その半生の真実と、人間の本質に淡々と、鋭い筆致で迫った傑作小説。高橋啓訳 (創元ライブラリ 予価1430円)[amazon] 2月中旬予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第4巻 〈風俗研究〉「私生活情景****」』 娘たちにすべてを捧げた老父の悲劇と、野心を胸に社交界へ踏み出す青年の姿を描く『ゴリオ爺さん』、愛した妻から裏切られ、身ぐるみ剥がされる「シャーベール大佐」……大義なきあとのパリの社会を描き出した「私生活情景」の掉尾を飾る《人間喜劇》屈指の名編を収録。【収録作品】「ゴリオ爺さん「「シャベール大佐」「無神論者のミサ」「禁治産」「結婚財産契約」「婿たちと姑たち」「続女性研究」 (水声社 予価13,200円) 2月20日刊 杉山龍丸『わが父・夢野久作 増補完全版』 杉山茂丸を父に持ち、探偵小説界で名を成すも急逝した作家・夢野久作はどのように考え、生きたのか。定評ある回想記(初刊1976)に、初書籍化作品を大幅増補し、著者による久作関連文章をほぼ網羅した完全版。 (中央公論新社 予価6050円)[amazon] 2月20日刊 アンデルセン/森鴎外・安野光雅訳『口語訳 即興詩人 上・下』 君も即興の詩を作れ、君はもともと詩人なんだ――。事故で母親を失い孤児となるも、才能を見込まれ名家の後ろ盾を得たアントニオ。学校生活では親友ベルナルドと出会うが、やがて一人の女性をめぐり、人生は思わぬ方向へ動き始める……。鴎外の名訳で知られる古典(アンデルセン作)を、長年愛読してきた安野光雅が口語訳で甦らせる。 (中公文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 2月20日刊 上野暸『ちょんまげ手まり歌』 そこは「やさしい殿さま」が支配する「やさしい村」。しかしある日、村の人々はその暮らしに疑問を持ち……。日本児童文学の歴史を変えた、ディストピア×時代小説(初刊1968)。 (中公文庫 予価990円)[amazon] 2月20日刊 余玟欣『『シャーロック・ホームズ』との出会い 日本・中国における「探偵小説」の始まり』 明治と清末民初における近代化のローカルな過程を、『シャーロック・ホームズ』の翻訳、翻案、その他の創作作品の事例から浮き彫りにする試み。歴史社会学、間テクスト性、トランスリンガル的実践をキーワードに、原抱一庵、陳景韓などの仕事を読み解き、日中における近代化を再構築する。 (晃洋書房 予価4950円)[amazon] 2月24日刊 ドミニク・ブリス『パリ文学風景 本のある場所、作品の記憶』 「光の都」パリが、どのようにして世界文学の舞台となってきたかを、豊富な写真とともにガイドする。歴史ある書店や劇場、パッサージュ、カフェ、作家ゆかりの場所、セーヌ川沿いの古書店など、都市の物語をめぐる。小林朋則訳 (原書房 予価3520円)[amazon] 2月24日刊 エヴァン・ジョセフ/エイミー・エヴァンズ『ニューヨーク文学風景 本のある場所、作品の記憶』 ニューヨークの有名書店や図書館、作家ゆかりのホテルやレストラン、詩人や作家たちが集ったバーやカフェ、さらには劇場や詩のクラブ、文学作品に関係する場所など、60カ所あまりを網羅したビジュアルガイド。甲斐理恵子訳 (原書房 予価3520円)[amazon] 2月24日刊 メーガン・ローゼンブルーム 『禁じられた装丁 皮膚でつくられた本の歴史と倫理』 「人間の皮膚」で装丁された本が19世紀の医師たちによって作られていた――。彼らはなぜ、患者の皮膚を本の材料にしたのか? 最新の科学と歴史研究を通じ、近代の医学・権力・倫理のタブーに迫る衝撃のノンフィクション。阿部将大訳 (原書房 予価3520円)[amazon] 2月25日刊 ジュリー・フィリップス『男たちの知らない女 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアの二つの生涯 Ⅰ・Ⅱ』 べつの誰かになったときにのみ、彼女は自身の真実を語ることができた。エイリアンについて書くときにのみ、彼女は自分の身体や経験を語ることができた――『愛はさだめ、さだめは死』『たったひとつの冴えたやりかた』などの名作で知られる伝説のSF作家ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア、初の決定版伝記がついに登場。波乱に満ちたドラマチックな生涯を追った傑作ノンフィクション。全米批評家協会賞、ヒューゴー賞、ローカス賞受賞。北川依子訳 (国書刊行会 予価各3960円)[amazonⅠ・Ⅱ] 2月25日刊 クレメンス・J・ゼッツ『丸いもののもつ慰め』 人生に突如として降りかかってくるまったく予期せぬ出来事、日常生活にみられる秘密めいた深淵。奈落へと通じる隠し扉のような仕掛けから垣間見える、人を惑わす鬼火や二重底に満ちたそこで、読者は、人間の共同生活の不条理とグロテスクさ、死者の亡霊、思わず舌打ちしたくなるような言葉たちに出会うことになる。現代オーストリア文学の鬼才クレメンス・J・ゼッツの、過激な語りで細部に至るまで刺激的な最新短篇集。犬飼彩乃訳 (国書刊行会 予価3300円)[amazon] 2月25日刊 フィリップ・ボール『ビジュアル図鑑 錬金術の歴史』 思想、科学、芸術など、あらゆる分野に影響を与えた西洋思想の源流、錬金術の、古代から現代までの歴史を、貴重図版とともに解説。辻元よしふみ・辻元玲子訳 (河出書房新社 予価6490円)[amazon] 2月25日刊 松永瑠成『明治の貸本屋さん』 ブックレット〈書物をひらく〉営業文書、新聞広告、法令、貸本自体に残る貸本規則の貼札や蔵書目録、ハンコなど、あらゆる資料・痕跡から、海外邦人向けのものまで存在した近代貸本業の実態に迫る試み。 (平凡社 予価1650円)[amazon] 2月25日刊 ロバート・バートレット『燃やされた中世写本』 戦争・革命・焚書……一晩で燃え尽きた写本が、いま蘇る。放火や爆撃といった人為的暴力によって、一瞬にして焼き尽くされた記録は数えきれない。普仏戦争からアイルランド内戦、第二次世界大戦まで、写本や記録文書を消し去ってしまった政治的・軍事的な文脈を丹念にたどることで、失われた写本の意味に迫っていく。史料を守ろうとした学者やアーキヴィストたちの知られざる奮闘にも光を当てる。大津洋子訳 (青土社 予価3080円)[amazon] 2月25日刊 ルイ=フェルディナン・セリーヌ『ロンドン』 〈ルリユール叢書〉セリーヌの詩情の源泉たる霧の都ロンドン。女衒やアナキストが跳梁するこの魔都は、やがて海彼の世界大戦の熱狂に飲まれて錯乱の渦と化してゆく――『戦争』の続編となる幻の未発表作品にして、セリーヌのグロテスク・リアリズムが最高純度で炸裂する自伝的悪漢小説。本邦初訳。森澤友一朗訳 (幻戯書房 予価6600円)[amazon] 2月25日刊 ロス・モンゴメリ『ハレー彗星の館の殺人 老令嬢探偵の事件簿』 1910年の英国。少年院帰りのスティーブンは謎の手紙に導かれ、孤島の館で従僕として仕えることに。その日は奇しくもハレー彗星が地球に到達する日で「毒ガスが広まり、世界が終わる」と騒動が起きていた。主の子爵は館中の窓や扉を板で密閉させ、スティーブンに嫌われ者の老令嬢デシマの世話を任せる。その夜、事件が起きる。子爵が書斎で殺されたのだ。犯人は誰? 村山美雪訳 (角川文庫 予価1540円)[amazon] 2月25日刊 森和『山海経の妖怪たち 古代中国の奇獣図鑑』 古代中国の地理誌『山海経』は、古代の人々が暮らす社会の周縁・世界の辺境に住まう神・獣・人を絵付きで掲載、荒唐無稽としか言いようのない生態と描写は、二千年近くにわたり読む者を魅了してきた。晋代の郭璞(かくはく)による『山海経図讃』の原文・現代語訳、『山海経』の図300点以上、そして著者解説を収録した書き下ろし文庫。 (角川ソフィア文庫 予価1760円)[amazon] 2月25日刊 アンドレイ・プラトーノフ『プラトーノフ・コレクションⅡ ジャン 1932‒1951』 カフカ、ベケットと並び20世紀を代表する幻の作家の全貌が、ついに明らかに。代表的な中篇・短篇・評論・童話・戯曲を網羅的に紹介。「初生水の海」「ジャン」「ごみの風」「牝牛」「ノアの方舟」ほか。工藤順・古川哲編 (作品社 予価5720円)[amazon] 2月25日刊 ノエル・W・イーリ『アンドレアを呼んで』 同じ男に殺された三人の女性による、予測不能の復讐譚――圧倒的な没入感で一度読んだら止まらない、本年度最注目のサイコロジカルスリラー。依田よう訳 (ハーパーBOOKS 予価1320円)[amazon] 2月25日刊 A・A・ミルン『名誉ある平和 『クマのプーさん』の作家による平和への提言』 「戦争を阻止するただ一つの方法は戦争を放棄することです。」第一次世界大戦後に書かれたエッセー「名誉ある平和──戦争という習慣の研究」。その6年後、第二次世界大戦を前に変化した思想が反映された「名誉ある戦争」を収録。第一次大戦にも従軍した『クマのプーさん』の児童作家ミルンが願った平和とは。吉村圭訳 (小鳥遊書房 予価2970円)[amazon] 2月25日刊 オスカー・ワイルド『社会主義下の人間の魂 オスカー・ワイルド評論選』 「社会主義そのものは、それが個人主義に通じる道を準備する限りで、価値あるものとなる」芸術、宗教、個人主義、私有財産、利他主義などを横断し、社会主義に共感する明敏な観察者であったワイルドの理想を色濃く伝える批評の新訳。 ジョージ・オーウェルによる書評や訳者による詳細な解説を併録。町本亮大編訳 (小鳥遊書房 予価2640円)[amazon] 2月25日発売 《ミステリマガジン》4月号 (早川書房)[amazon] 2月25日発売 《SFマガジン》4月号 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』特集。映画公開を控え再び大きく注目を集める作品のヒットの秘密と物語の魅力に各界の著名人やSFレビュアーの視点から多角的に迫る。 (早川書房 1540円)[amazon] 2月26日刊 ローベルト・ゼーターラー『名前のないカフェ』 〈新潮クレスト・ブックス〉その店には、居場所のない人々が集まった。ささやかなぬくもりを求めて――。戦争の名残をとどめるウィーンで、孤児院で育った男が開いた小さなカフェ。市場で身を粉にして働く者、盛りをすぎたプロレスラーなどそれぞれ孤独を抱えた人々が、束の間の居場所を求めて集まる。ドイツ語圏のミリオンセラー『ある一生』の著者が描く、働くことと生きることのかすかな輝きが静かな感動を呼ぶ長篇小説。浅井晶子訳 (新潮社 予価2255円)[amazon] 2月27日刊 クリストファー・プリースト『不死の島へ』 〈創元海外SF叢書〉1976年。研究者の職とロンドンの住居を立て続けに失い、恋人とも破局を迎えたピーター・シンクレアは、知人から仮住まいを許された別荘でとある原稿に着手する。のめり込むようにして執筆にはげみ、改稿を重ねるうちに生み出された〈夢幻諸島〉という名の架空世界はしかし、現実そのものを歪ませてしまう危険なヴィジョンだった――英国SF界の孤峰プリーストの長く邦訳が待たれた最高傑作。古沢嘉通訳 (東京創元社 予価2750円)[amazon] 2月27日刊 都筑道夫『死体を無事に消すまで 都筑道夫エッセイ集成』(仮) 〈キイ・ライブラリー〉EQMM日本版の初代編集長にして戦後英米ミステリ翻訳紹介の第一人者、幅広い分野で傑作をものした作家、都筑道夫は稀代の評論家・随筆家でもあった。その才気が発揮されたエッセイを、分野別に全3巻に集成。第1巻はミステリ論集『死体を無事に消すまで』を中心に、日本版EQMM掲載・単行本未収録の海外ミステリ時評「望遠レンズ」や「辛味亭辞苑」などを収める。日下三蔵編 (東京創元社 予価4400円)[amazon] 2月27日刊 ネレ・ノイハウス『怪物を捕らえる者は』 聖母マリアの祠の裏、雪の下から16歳の少女の死体が発見された。遺体や服から移民の青年のDNAが見つかるが、刑事オリヴァーとピアが事情聴取をする前に彼は消えてしまう。捜査が難航するなか、田舎道で男が車にはねられて死亡する。男は裸足で、体には動物の咬傷や拷問の痕があった。彼はどこから逃げてきたのか――。ふたつの事件の捜査から導き出される、ドイツ警察を揺るがす最大の危機。大人気警察小説シリーズ最新作。酒寄進一訳 (創元推理文庫 予価1870円)[amazon] 2月27日刊 小鷹信光『探偵物語』 「私立探偵の工藤俊作さんだね?」――受話器の向こうから響く声は低く、威圧がこもっていた。電話の内容は、失踪した少女の捜索依頼。四日間の期限付きだが高額の成功報酬に、工藤俊作は依頼を引き受ける。だが調査を始めて間もなく、少女を誘拐したという脅迫電話を端緒として、事件は様相を変える。錯綜した人間関係を手繰る先に待ち受ける苦い真実。同名の名作ドラマ原案者が書いた、もうひとつの探偵物語。国産ハードボイルド史上もっとも有名な私立探偵が、いま甦る。 (創元推理文庫 予価1210円)[amazon] 2月27日刊 福井健太編『意外な犯人 犯人当て小説傑作選』 ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説の傑作から“読者への挑戦”ものを中心に精選したアンソロジー。第3巻は、原案を書いた筈の見知らぬ推理ドラマにミステリ作家が挑む綾辻行人「意外な犯人」、地図の上で殺された男のメッセージを解読する辻真先「DMがいっぱい」、暗殺者の正体をロジカルに推理する井上夢人「殺人トーナメント」など、全9篇を収録。 (創元推理文庫 予価990円)[amazon] 2月27日刊 J・D・サリンジャー『サリンジャー初期短篇全集』 一目惚れをした男が投獄されるユーモラスなアンチ・ラブストーリー、戦争の気配が色濃くなる時代の若者たちを活写した傑作など、サリンジャーの原点とエッセンスが詰まった初期全作品集。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 2月28日刊 トルーマン・カポーティ『遠い声、遠い部屋』 13歳の誕生日、ジョエルのもとに手紙が届く。母を亡くした彼を生き別れた父が引き取るという。父のいる南部の古い屋敷で待っていたのは、ミス・エイミーとその従兄弟のランドルフ。アイダベルという風変わりな少女とも親しくなるが、なぜか父は姿を現さず、屋敷では奇妙なことが続き……。早熟の天才カポーティのデビュー長編にして幻想的魅力をまとう米文学の記念碑的作品を、村上春樹が新訳。 (新潮文庫 予価935円)[amazon] 2月28日刊 ジャクリーン・バブリッツ『連続殺人鬼の妻』 ルースはNYのバーで働く26歳。幼いころ友人が連続殺人鬼オズワルドに殺害されて苦い記憶となっている彼女に、故郷で発生した別な少女の失踪事件の一報が届く。獄死したオズワルドを連想せずにいられないルース。彼には〈共犯者〉がいたのでは? 真相を追ううちに見えてきたのは殺人鬼たちの妻の存在だった。彼女たちの心でくすぶり続ける感情とは? 異様な告白によるイヤミスが誕生。宮脇裕子訳 (新潮文庫 予価1155円)[amazon] 2月28日刊 マリー・ティアニー『夜が少女を探偵にする 』 犯罪史や解剖学に没頭する13歳の少女エイヴァはある夜、家を抜けだし向かった小動物の死骸置場で、級友の少年ミッキーの遺体を発見する。その夜から少年ばかりを狙う拉致殺害事件が発生。どの被害者にも咬み痕があり、傍には仔犬の死骸が。折しも町では獣ともつかぬ怪物が目撃され……。80年代初頭のバーミンガムで、家庭環境に悩む多感な少女が猟奇殺人事件に挑む驚愕のデビュー作。能田優訳 (新潮文庫 予価1265円)[amazon] 2月予定 アルノ・シュミット『レヴィアータン』 〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳 (水声社 予価2200円) 2月予定 イヴ・ボヌフォワ『奥の国』 現実の向こうに開ける「奥の国」。「現前」の詩人はイタリアの風景、クワトロチェントの絵画、遠い記憶の断片をたどりながら、一本の道を選ぶとき、選ばなかった道が通じていたはずのもう一つの国に、永続的な憧れと不確かな予感を抱く。夢と現実が溶け合い、静謐な迷路を織りなす自伝的エッセー。小倉和子訳 (水声社 予価2200円) 2月予定 ヴィリエ・ド・リラダン『未来のイヴ』 〈ヴィリエ・ド・リラダン・コレクション〉野心に燃える発明家エジソンのもとに、恋に幻滅した青年貴族エワルドが訪れる。意のままに操れる機械仕掛けこそが理想の恋人だと唱える発明家と、心を通わす人間の愛情を求めてやまない青年貴族が、愛の真実をめぐり論戦を繰り広げるなか、人造人間が目を覚ます……時代を予告した形而上学的対話篇の新訳。要だと木元豊訳 (水声社 予価4400円) ▼3月以降予定 3月2日刊 デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』 小説愛好家・作家志望者必読! ユリシーズをはじめ、サリンジャー、オースター、イシグロ……古今の傑作を分析し、使える技法を伝授。柴田元幸・斎藤兆史訳 (白水Uブックス 予価2200円)[amazon] 3月2日刊 ジョンストン・マッカレー『怪盗ブラックスター』 〈論創海外ミステリ〉犯行現場に黒い星のマークを残す謎の怪盗”ブラックスター”。その魔手から逃れる術はないと恐れられる怪盗のターゲットにされた富豪青年ロジャー・バーベックは、従僕のマグスと共に捕縛を試みるのだが……。1920年代に巧妙な記述トリックを駆使して書かれたModern Detective Storyの先駆的名作。〈アルセーヌ・ルパンの後継者たち〉第二弾。稲見佳代子訳 (論創社 予価3300円)[amazon] 3月2日刊 トーマス・マン『ヨゼフとその兄弟たち1 ヤコブ物語 上』 トーマス・マンが16年の歳月をかけて執筆した大長編小説。旧約聖書・創世記に描かれたイスラエルの族長ヤコブの子ヨゼフの短い話から紡ぎ出された、四部構成の壮大な、神と人類にまつわる物語。全8巻。第1巻には、人類の歴史についてのトーマス・マンの幻想的なエッセイ「序章・地獄行」と、主人公ヨゼフの父ヤコブと、ヤコブに至る一族の系譜の物語「第一部 ヤコブ物語(前編)」を収録。高橋義孝訳(1972)を復刊。 (あいんしゅりっと 予価2640円)[amazon] トーマス・マン『ヨゼフとその兄弟たち2 ヤコブ物語 下』 ヤコブが逃亡の旅の途中でラケルと出会い、ヨゼフ誕生ののち、一族を率いて帰還の旅へと上る「第一部 ヤコブ物語(後編)」。高橋義孝訳 (あいんしゅりっと 予価2640円)[amazon] 3月4日刊 ジャン=クリストフ・グランジェ『死の烙印 2』 主人公たちの調査により、被害者が「大理石の男」の夢を見ていたこと以外の共通点が明らかになる。被害者の女性たちは妊娠していたというのだ。この猟奇犯罪に隠された真実とは……。二カ月連続刊行、フランスミステリ界の巨匠による歴史大作、堂々の解決篇。高野優・坂田雪子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3630円)[amazon] 3月4日刊 オースマ・ゼハナト・カーン『黒い滝 上・下』 米西部の町で移民の少女が殺された。地元企業や教会、保安官すら刑事の捜査を妨害する中、事件の裏には戦慄の事実が潜んでいた。国弘喜美代訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1650円)[amazon上・下] 3月4日刊 マット・ディニマン『冒険者カールの地球ダンジョン 1 宇宙人襲来! 飼い猫とダンジョンに放りこまれたんだが?』 突然の宇宙人の侵略により地球は壊滅。カールは生き残りを賭けて元カノの飼い猫とともに宇宙人が作ったダンジョンに挑むことに! 中原尚哉訳 (ハヤカワ文庫SF 予価1650円)[amazon] 3月4日刊 ギオルギ・ゴスポディノフ『タイム・シェルター』 幸福だった時代を再現しアルツハイマーを治療するクリニック。患者は懐かしい記憶を追体験することで症状の改善を目指す。だが再現度が高まるほど、現実逃避を望む者が集い、やがて世界中で模倣される。過去は楽園か、それとも監獄か――。ブッカー国際賞受賞作。寺島憲治訳 (早川書房 予価3740円)[amazon] 3月4日刊 ジェスミン・ウォード『私たちが刈り取った男たち』 著者ジェスミン・ウォードと親しかった同世代の若者のうち、2000年からの5年間に亡くなった5人の生と死をめぐる物語。プロローグに続く奇数章では著者の家族の歴史を時系列に追い、偶数章では若者たちの生と死を逆時系列にたどる。そして第10章で2つの時間軸が出会うとともに、著者の弟ジョシュア・アダム・デドーの死の状況が詳らかにされ、続く最終章で、アメリカ南部において貧しい黒人男性であることの意味を問う。石川由美子訳 (作品社 予価2970円)[amazon] 3月4日刊 李箱『増補新版 李箱作品集成』 1930年代の植民地朝鮮・京城で活躍し、26歳の若さで帝都・東京で夭折した作家・李箱。韓国で最も権威ある文学賞にその名を冠し、「難解」「天才」「異常」とも評される謎めいたその作品は、今も多くの人々を魅了している。代表作の短篇「翼」をはじめ、あまり注目されてこなかった作品も収録、年譜と解説も加え、李箱文学の全体像を示す。崔真碩編訳 (作品社 予価5940円)[amazon] 3月6日刊 マルセル・シュオッブ『黄金仮面の王』 金の仮面を纏う病める古代の王、遥か未来の燃え盛る終末世界……ボルヘスや澁澤龍彦に影響を与えた〈象徴主義世代の中で最も優れた短篇作家〉待望の文庫オリジナル傑作選。新訳5編を含む全22編。大濱甫・多田智満子・垂野創一郎・西崎憲訳 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 3月6日刊 リチャード・パワーズ『囚人のジレンマ 上・下』 風変わりな父を持つホブソン一家は、記憶と歴史の交差する場所で人類最大の矛盾に直面する。現代アメリカ文学の旗手による傑作長篇。柴田元幸・前山佳朱彦訳 (河出文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 3月9日刊 ブライアン・クレッグ『タイムトラベル基礎講座 時間のしくみからタイムリープの実現性まで』 相対性理論や双子のパラドクスなど、科学的な概念を軸に、タイムトラベルの可能性を10のレッスンの形式で紹介。SF世界を科学的視点から解剖し、現実に落とし込んでわかりやすくその問題点などを案内。知的好奇心を刺激するスリリングな入門書。柴田譲治訳 (原書房 予価2200円)[amazon] 3月9日刊 ローラ・チャイルズ『ピーチ・ティーと仮面舞踏会』 オペラ協会主催の仮面舞踏会でケータリングを担当することになった〈インディゴ・ティーショップ〉のオーナー、セオドシア。松明の炎で顔を隠した来場者たちが浮かび上がる様子は、なんとも幻想的だった。会場を散策するうちにたどり着いたのは古い製粉所。街の歴史に思いをはせていたが、そこで遺体を発見してしまい!? 東野さやか訳 (原書房/コージーブックス 予価1540円)[amazon] 3月上旬予定 エドワード・ルーカス・ホワイト『セイレーンの歌』 〈ナイトランド叢書〉黄金の古典古代や中世への浪漫に彩られた歴史冒険譚。 (アトリエサード)[amazon] 3月予定 福田裕大『『未来のイヴ』を読み直す』 (水声社 予価3850円) 3月11日刊 ジョー・キャラハン『瞬きすら許さない』 警視正のキャット・フランクは昔気質の刑事だ。事件現場を歩き、容疑者の眼を見ることが捜査の核心だと信じている。新設の捜査チームを率いることになった彼女は、ロックという名の人工知能に出合う。この新世代の「捜査官」は、ホログラムの体をもち、統計データに基づいて事件解決を支援するのだという。生意気なまでに合理性を重視するロックと、刑事の直感を信じるキャット。相反するふたつの頭脳が挑むのは、ありふれているようで、何かが異様な未解決失踪事件……。CWA賞受賞、21世紀の傑作警察捜査小説。吉野弘人訳 (創元推理文庫 予価1430円)[amazon] 3月11日刊 ジョナサン・ストラーン編『新世代スペース・オペラ傑作選 星の海を駆ける』 19世紀末に原型となる作品群が現れてから130年あまり、変化と進化をつづけるスペース・オペラをテーマに、アン・レッキー、アレステア・レナルズ、T・キングフィッシャー、アーカディ・マーティーンなど、近年のヒューゴー賞やネビュラ賞の受賞作家をはじめとするそうそうたる面々が集結。ローカス賞候補の傑作アンソロジー。中原尚哉他訳 (創元SF文庫 予価1870円)[amazon] 3月11日刊 ジャック・ロンドン『試合/獰猛なる野生児 ボクシング小説集』 結婚のため引退する若いボクサーの最後の試合を描いた「試合」。運に恵まれなかったボクサーの父親に人里離れた山の中で育てられ、訓練を受けた息子が主人公の「獰猛なる野生児」。表題2作を含む全4編を収録。ボクサーの覚悟と悲哀、その心情を細やかに描いた傑作ボクシング小説集。抜群のストーリー展開と緊迫感ある打ち合いのシーンが読みどころの本作を、ボクシング経験者によるリアルすぎる新訳で贈る。牧原勝志訳 (光文社古典新訳文庫 予価1100円)[amazon] 3月11日刊 日影丈吉『仮面紳士 ハイカラ右京探偵全集 探偵くらぶ』 異色の推理小説作家として知られる日影丈吉の創造した名探偵ハイカラ右京の作品集。明治初期、文明開化の波に揺れる日本で、山高帽に針のような口髭、鹿革の手袋に細身の杖という洋装で、元国際スパイとも噂される「仮面紳士」のハイカラ右京こと右京慎策が難事件を次々と解決する。日下三蔵編 (光文社文庫 予価1540円)[amazon] 3月11日刊 岸本佐知子『あれは何だったんだろう』 日常は不思議、不思議が日常。虚実のへだてを乗り越えてどこにも行かずにどこまでも行く。翻訳家のささやかな大冒険はつづく。待望の『ねにもつタイプ』第4弾。 (筑摩書房 予価1980円)[amazon] 3月12日刊 山尾悠子編『山尾悠子偏愛アンソロジー 構造と美文』 ボルヘス、バラード、澁澤龍彦、三島由紀夫、ユルスナール……編者が愛してきた〈構造的かつ極度に人工的〉な世界を有する作品を集めた幻想文学集。 (ちくま文庫 予価1100円)[amazon] 3月12日刊 レーモン・オリヴェ/ジャン・コクトー(画)『コクトーの食卓』 世界的名声を博した料理人オリヴィエが、詩人コクトーとの友情の中でつくりだした数々の料理。料理の奥儀と真の楽しみ方を紹介する。辻邦生訳 (ちくま文庫 予価1100円)[amazon] 3月13日刊 『原典訳 マハーバーラタ 5』 五王子に課された13年の亡命期間が満了。クル王国の半分を返還するか、戦争によって国の継承を決めるか――使者が行き交い、和平交渉が繰り広げられる。クンティー夫人はカルナに五王子の長兄であることを打ち明け和睦を勧めるが、カルナはそれを拒否する。ドゥルヨーダナは断固として開戦を訴え、両軍とも戦闘準備を整える。クル軍の総司令官ビーシュマは、アンバー姫の生まれ変わりであるシカンディンを殺さないことを宣言する。上村勝彦訳 (法蔵館文庫 予価2420円)[amazon] 3月刊 ジョン・スタインベック『スタインベック短篇集 長くのびた盆地』 青山南訳 (岩波文庫)[amazon] 3月18日刊 堀啓子『伝説の出版社 博文館』 明治半ばに出現した出版社、博文館はたちまち日本出版界を牽引する一大コンツェルンへと発展した。その革新的なメディア戦術と知られざる文化王国の実像に迫る。 (筑摩選書 予価2200円)[amazon] 3月18日刊 馬伯庸『両京十五日 2 准河の戦い』 南京脱出を目の前にした皇太子一行は最強の敵、梁興甫に襲われる。盗賊団、白龍掛の力を借りて逃げるも、そこに別の敵の影が……。齊藤正高・泊功訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon] 3月18日刊 マット・ディニマン『冒険者カールの地球ダンジョン 1 銀河生配信! デスゲームでめざせフォロワー爆増』 中原尚哉訳 (ハヤカワ文庫SF 予価1650円)[amazon] 3月18日刊 パット・バーカー『トロイの女たち』 トロイア滅亡後、女たちはギリシア軍の「戦利品」となった。息子を殺した男に仕える者、生贄として娘を差し出さねばならなかった者、望まぬ子を腹に抱える者……封じられてきた女たちの声が響き渡る。ブッカー賞作家が贈る『イリアス』語りなおし三部作第二弾。北村みちよ訳 (早川書房 予価4510円)[amazon] 3月18日刊 ロバート・ジャクソン・ベネット『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』 帝国辺境で技術省高官が変死した。体から突然、巨大な木が生えたのだ。捜査を開始したアナとディンは十人の技術省技師が同様に死亡し、海から現れる巨獣を阻止せんための防壁が破壊されたと知らされる。帝国を揺るがす事件の謎を二人は解くことができるのか!? 桐谷知未訳 (早川書房 予価3740円)[amazon] 3月18日刊 チャック・パラニューク『創作のルール 最初の一行で読者を惹きつける技法』 『ファイト・クラブ』の著者パラニュークが作家としての四半世紀にわたる経験を織り交ぜながら、彼の真骨頂である「力強い物語」と「圧倒的な文体」の生み出し方を語る。人称設定、モノローグの描き方、緊張感の構築……プロ・アマ問わず、物語を紡ぐ人必携。池田真紀子訳 (早川書房 予価3190円)[amazon] 3月19日刊 ジャナ・デリオン『アリゲーターには手を出すな』 シンフルの町の象徴であるワニを密猟する不逞の輩が現れた。折りしもフォーチュンは今後の身の振り方を模索中、ガーディは釣りに、アイダ・ベルは改造車に夢中の毎日。別行動が増えたガーディは、バイユーをうろついていてどうも怪しい。まさか? フォーチュンは探偵稼業のお試しとばかり、事件を探りはじめるが……。装備も中身もパワーアップしすぎな三人組が、町をバイユーを疾走する! 〈ワニ町〉シリーズ第9弾。島村浩子訳 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 3月19日刊 クイーム・マクドネル『幸運すぎて埋められる』 ポール、ブリジット、バニーが設立した〈MCM探偵事務所〉は窮地に陥っていた。ポールが別の探偵事務所と揉めているうえ、バニーが浮気調査の対象者への暴力行為で訴えられたのだ。ブリジットは連絡が取れなくなった彼を探すが、バニーは警察が山中で二体の死体を発見したという報道を知って動揺していた。それはかつて、彼が相棒の刑事と一緒に埋めた死体だった……。ノンストップ・サスペンス『平凡すぎて殺される』シリーズ完結編。青木悦子訳 (創元推理文庫 予価1980円)[amazon] 3月23日刊 小原文衛・西山智則編『ホラーの機能 迂回的言語としての映画・文学』 語られなかった死。見えない暴力。忘却を強いられた記憶。それらは消えない。語られないものは、〈迂回的な言語〉=怪物に姿を変えて帰ってくる。ゾンビ、ゴジラ、亡霊、人工身体、アメリカン・パラノイア、悪魔……。ホラー映画と文学を横断し、現代社会の深層/無意識を撃ち抜く、ホラーの〈見方・読み方〉の新たなる地平「ホラー」をもって「悪夢の時代」に対抗せよ! 目次 (小鳥遊書房 予価3080円)[amazon] 3月23日刊 ウィリアム・シェイクスピア『新訳 タイタス・アンドロニカス/ファヴァシャムのアーデン』 勇猛な将軍タイタスはゴート族の美しき女王タモーラと王子らを捕虜として引き連れ、祖国ローマに凱旋。女王の願いを無視し、王子を惨殺する。ところが新皇帝が女王を娶り、立場が逆転。女王による復讐が始まる。血で血を洗う復讐劇の元祖『タイタス・アンドロニカス』に加え、作者をめぐり論争になり、国内全集で未邦訳だったが2016年に正典入りした『ファヴァシャムのアーデン』も収録。河合祥一郎訳 (角川文庫 予価1595円)[amazon] 3月25日刊 荒俣宏編訳『アメリカ異世界冒険譚 荒俣宏幻想文学翻訳集成 欧米幻想ファンタジー精華3』 アメリカで誕生した心霊現象や幻獣、不可解な人間の無意識な現象にまで及ぶ新感覚の怪異談集。「来たるべき能力」(エドワード・ベラミー)、「血は命なれば」(F・M・クロフォード)、「カリブ海の魔術師」(H・S・ホワイトヘッド)他。 (春陽堂書店 予価6600円)[amazon] 3月27日刊 小泉八雲(原作)/田辺青蛙(翻案)/朱華(絵)『ゆうれいだきのでんせつ』 〈八雲えほん〉さむい夜、怪談話に興じていた麻取りの女たち。きもだめしの話になると、名のりをあげたのはおかつ。幼子をせおい、まっくらな道をゆくと、ぼんやりと光る滝が現れた。東雅夫編 (岩崎書店 予価1760円)[amazon] 3月30日刊 カーター・ディクスン『赤後家の殺人 新訳版』 「君は部屋が人を殺せると思うかね?」テアレイン博士を訪れた友人のジョージ卿はそう問いかけた。ロンドン市中に建つマントリング邸には過去に四人もの人物が怪死を遂げた「後家の部屋」なる一室があり、今夜はその謎をあばくのだという。だが深夜、密室状態の室内で、またひとり死者が出る――。フランス革命時に遡る因縁が死を招いたのか? 「人を殺す部屋」の謎に名探偵ヘンリ・メリヴェール卿が挑む不可能犯罪ミステリ。高沢治訳 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 3月30日刊 シャンナ・スウェンドソン『魔法治療師のティーショップ パン職人の秘密』 パンをつくるときは常に優しい気持ちで心を満たすように心がける。それが祖母の教えだ。祖国の動乱を逃れてリディング村でパン屋を営むルシーナは、いまだに悪夢に怯えることがあった。そんなルシーナの心をかき乱す出来事が……。村の鍛冶屋の見習いニコが同郷人だったのだ。祖国の追っ手? そんな矢先、村で頻発する謎の盗難事件の容疑が新入りのニコにかかる。〈(株)魔法製作所〉の著者が贈る、お茶と謎のコージーファンタジイ。今泉敦子訳 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 3月30日刊 H・G・ウェルズ『世界最終戦争の夢 ウェルズSF傑作集 新版』 多彩をきわめるウェルズの全作品のなかから、破滅的な世界戦争を予見し、オペラ化もされた高名な表題作をはじめとして、「アリの帝国」「森の中の宝」「めずらしい蘭の花が咲く」「海からの襲撃者」「盲人の国」など、必読の傑作中短編全12編。阿部知二訳 (創元SF文庫 予価990円)[amazon] 3月予定 E・D・ビガーズ『ボールドペイト山荘の七つの鍵』 〈論創海外ミステリ〉閑散とした冬の避暑地のホテルへ集まる個性豊かな男女。様々な思惑の裏に隠された“真の目的”とは……。欲望が渦巻く〈ボールドペイト山荘〉で最後に笑うのは誰だ! ビガーズの出世作にして、映画化・舞台化もされた作品の初邦訳。赤星美樹訳 (論創社 予価3520円)[amazon] 3月予定 E・C・ベントリー&ワーナー・アレン『トレント自身の事件』 〈論創海外ミステリ〉有名な慈善家ランドルフが殺された。肖像画家フィリップ・トレントの親友フェアマンは、自白書を残して自殺を図るが、叶わずに逮捕されてしまう。トレントは友人の無実を信じて調査に乗り出すが、次々と怪しげな人物が現れ、ランドルフの息子を名乗る人物まで飛び込んできた。はたして犯人は誰なのか。やがてトレント自身も事件の渦中へと呑み込まれていく。 金井真弓訳 (論創社 予価3850円)[amazon] 4月16日刊 西成彦『世界文学重層』 (みすず書房 予価5280円)[amazon] ▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう) ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を 特装版』 32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。やがて手術によってチャーリイの知能は向上していくのだが……。全世界が涙した不朽の名作を函入りの特装版で。小尾芙佐訳 (早川書房 予価7150円)[amazon] ピーター・ヘラー『いつかぼくが帰る場所 上・下』 人類の大半が流感で死んだ世界。愛犬と孤独に暮らす男は、無線で何者かの声を聞く。希望を抱き、声の主を探しに旅へ。映画化原作。堀川志野舞訳 (ハヤカワ文庫NV 予価各1232円)[amazon上・下] ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮) 現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳 (竹書房文庫 予価1540円)[amazon] Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。 |