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注目の近刊
10月刊 ドミトリ・リハチョフ『リハチョフの文芸学 ドストエフスキー論と批評の視点』 1960 年代にすでにリハチョフは、ドストエフスキー文学のいわゆるポストモダニズム的な性格を洞察し、明確に分析していた。ミハイル・バフチン『ドストエフスキーの詩学』(1963)が対話性やポリフォニー性を論じてに注目されたが、小説の構造、語りや叙述のスタイルといった文学研究の視点からいえば、リハチョフのアプローチの方がより革新的で説得力があるとさえいえる。ドストエフスキーを5つの側面から読み取る評論と文芸批評の要点を語る5つの評論。木下豊房訳 (群像社 予価1650円)[amazon] 10月15日発売 《MONKEY》 vol. 40 特集 決められない人 柴田元幸による『ハムレット』新訳を全文一挙掲載。“決められない”をテーマにした創作、インタビュー、エッセイも。 (スイッチ・パブリッシング 1100円)[amazon] 10月15日刊 ルシア・ベルリン『楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集』 人生を物語に刻んで。ロングセラー『掃除婦のための手引き書』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位)、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。岸本佐知子訳 (講談社文庫 予価1430円)[amazon] 10月15日刊 パク・ワンソ『親切な福姫さん』 〈韓国文学クラシックス〉市井に暮らす人の感情を描き数々のベストセラーを生んだ「韓国文学の至宝」であり、韓国フェミニズム文学の先駆者。最初期から遺作まで、生きるエネルギーと哀しみに満ちた怒涛の作品群。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 10月16日刊 ベッシー・ヘッド『静かなる辺境の地より 語り手と夢想家のアフリカ』 肌の色での分断に抗う言葉から、人間そのものの宿業と向き合う言葉へ。大地に息づく悠久の歴史から、大陸と人類の未来を夢みる言葉へ。アフリカ文学に独自の地平を拓いた作家が現代に遺した、生と思索の遍歴記。横山仁美訳 (雨雲出版 予価2860円)[amazon] 10月19日刊 莫言『酒国 特捜検事丁鈎児の冒険』 〈嬰児の丸焼きを食す〉というおぞましい噂の真偽を追い、〈酒国〉へ向かう特捜検事丁鈎児。果たしてそこは、溢れんばかりの酒、肉、そして物語が極彩色に入り乱れる悪夢の街であった――ノーベル賞作家による魔術的リアリズムの傑作。藤井省三訳 (岩波文庫 1771円)[amazon] 10月19日刊 アルトゥール・ショーペンハウアー『知性について 他四篇』 『意志と表象としての世界』を著したショーペンハウアーの『余録と補遺』から、哲学や認識論、存在論をめぐる5篇を収録。カント哲学を継承しながらその限界を鋭く批判し、物ごとの本質を直観する知性の力とその可能性を探究する。透徹した人間洞察が光る、ショーペンハウアー哲学への格好の入門書。新訳。藤野寛訳 (岩波文庫 1067円)[amazon] 《岩波文庫重版再開》 ディーノ・ブッツァーティ『七人の使者・神を見た犬 他十三篇』 アレクサンドル・プーシキン『プーシキン詩集』 10月19日刊 藤井康栄『松本清張の残像』 松本清張の担当編集者として、30年の歳月を共に過ごした著者が、『昭和史発掘』の舞台裏を中心に、作家との日々を追想する。「他人の使った材料では書きたくない」「一級資料が欲しい」という度重なる無理難題に、どのように応じたのか。創作の現場における豊富なエピソードを通して、巨匠の人間味あふれる姿が浮かび上がる。 (岩波現代文庫 1430円)[amazon] 10月中旬予定 ドン・デリーロ『アメリカーナ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉虚実入り混じる噂が飛び交うニューヨークのテレビ局。ドキュメンタリー番組を撮影するため、西へと車を走らせるデイヴィッドは、その途上、突如仕事を放棄し、自伝的映画を撮影し始める……。冷戦下のアメリカで、記憶と記録のはざまに自らの生を掴み取ろうともがく人々の姿を描いた〈ロードムービー〉。渾身のデビュー作。日野原慶訳 ※シリーズ内容 (水声社 予価3080円) 10月中旬予定 ドン・デリーロ『マオⅡ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉決して人前に姿を現わさず、その姿も、住んでいる場所も謎に包まれている寡作の小説家ビル。あるとき、長い沈黙を破って肖像写真の撮影に応じた彼は、それをきっかけに陰謀に巻き込まれてゆく……。拘束された若き詩人の解放を訴えるためロンドン、アテネ、そしてベイルートへと向かう小説家の道程に、メディアが生み出す果てしない群衆のイメージと、疎外された人々の孤独な生が交差する。渡邉克昭訳 (水声社 予価3080円) 10月20日刊 頭木弘樹『カフカの『変身』をすごくゆっくり読む』 カフカの最高傑作にして20世紀最大の問題作の一つとされる『変身』を、頭から終わりまで、著者が新訳しながらつぶさに読み解いていく。 ある朝目覚めたら、虫になっていた――という設定のせいで非現実的な不条理小説と思われがちだが、《身体で読む》達人と一緒に読めば、まるでドキュメンタリーのようにリアルな、胸に刺さる場面の連続! ままならない心と体、家族とケア、居場所と権力構造……『変身』は今を生きる私たちの日常の物語だ。 (みすず書房 予価2970円)[amazon] 10月20日刊 ロン・ラッシュ『豊かで風変わりななにか ロン・ラッシュ傑作短篇集』 短篇の名手が描く、アメリカ南部アパラチアの歴史と風土と人間ドラマ。フランク・オコナー国際短編賞、O・ヘンリー賞など、数々の賞を受賞した作家の傑作短篇集Something Rich and Strangeから選りすぐりの19篇を収録。本書に惚れ込んだベテラン翻訳家の手による渾身の翻訳。芹澤恵訳 (北烏山編集室 予価4180円)[amazon] 10月20日刊 L・M・モンゴメリ『モンゴメリ ショートセレクション 男ぎらい女ぎらい』 『赤毛のアン』で知られるモンゴメリの、「アン」の気配を感じる物語6篇。失敗して世をすねている人、まわりから軽んじられている人、他人を見下している人…。そんな人々の憎めない姿が辛口のユーモアに包まれて描かれます。代田亜香子訳 (理論社 予価1430円)[amazon] 10月21日刊 アン・ラドクリフ『イタリア人、あるいは黒悔悛会の懺悔室』 侯爵家の息子ヴィヴァルディに見初められたエレナ。快く思わぬ侯爵夫人は邪悪な修道士を使い、二人を引き裂こうとする。苦境に陥った彼らの運命は――ゴシック小説の傑作にして探偵小説の源流。『ユドルフォ城の怪奇』に続いて執筆された、著者生前最後の長篇であり最高傑作。半世紀ぶりの新訳成る。三馬志伸訳 (作品社 予価5940円)[amazon] 10月21日刊 ルシア・ベルリン『新しい人生 小説・エッセイ・日記』 『掃除婦のための手引き書』『すべての月、すべての年』『楽園の夕べ』のルシア・ベルリンの小説邦訳、ここに完結。作家の素顔を伝える小説、エッセイ、日記からなる作品集。岸本佐知子訳 (講談社 予価3520円)[amazon] 10月21日刊 ジェニー・ティンフイ・チャン『蒼穹四宝』 〈アジア文芸ライブラリー〉19世紀末、中国の港町で誘拐された少女ダイユー。『紅楼夢』の悲劇のヒロイン林黛玉にちなんで名付けられた彼女は、石炭桶に詰められてアメリカへ渡り、サンフランシスコの娼館に売られる。機転を利かせて脱出し、アイダホで中華系の食料品店に職を見つけたものの、やがてアジア人排斥の気運が高まり、町の人々は暴徒化してゆく。素朴な文体と詩情が融合したモノローグで語られる悲劇の歴史フィクション。山岡万里子訳 (春秋社 予価3630円)[amazon] 10月21日刊 バルベー・ドールヴィイ/シャルル・ボードレール『ダンディズム論』 〈叢書・ウニベルシタス〉小説家バルベー・ドールヴィイ、詩人シャルル・ボードレール。二人のデカダン派が深い共感を寄せた〈ダンディズム〉の核心に迫るエッセーを収録。バルベーによる史上初の理論化の試み『ダンディズムとジョージ・ブランメルについて』は本邦初訳。単なる評伝を超え、虚栄心という人間精神の極限形態を詩的・哲学的に洞察。新訳のボードレール「現代生活の画家」とともに、伊達男の美学を結晶化する。中条省平訳 (法政大学出版局 予価3300円)[amazon] 10月21日刊 リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』 消えたダイヤをめぐって、またも老人探偵グループ〈木曜殺人クラブ〉は難事件に巻き込まれる。背後にいるのはスパイとマフィア!? 羽田詩津子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1650円)[amazon] 10月21日刊 ガブリエル・ゼヴィン『トゥモロー・アンド・トゥモロー・アンド・トゥモロー 上・下』 大学でゲーム制作を学ぶセイディは、周囲に理解されず、自分の居場所を見つけられずにいた。21歳の冬、かつてゲームで結ばれた幼馴染サムと再会する。セイディの才能に惚れ込んだサムから、ゲーム作りを持ちかけられた。互いの欠点を補って、自分一人では作れない作品にたどりつく。二人のデビュー作は大ヒット。セイディとサムは若き天才として一躍脚光を浴びる。だが……。池田真紀子訳 (ハヤカワ文庫NV 予価各1430円)[amazon上・下] 10月21日刊 テイラー・ジェンキンス・リード『アトモスフィア 空駆ける友へ』 宇宙に魅了されてきたジョーンは、1980年、念願の宇宙飛行士候補に選ばれる。厳しい訓練のなかでの仲間たちとの友情、家族への想い、そして思いがけない恋。だが彼女が交信担当を務めたある日、恋人の乗るスペースシャトルで事故が起きた――感動の人間ドラマ。小野田和子訳 (早川書房 予価3080円)[amazon] 10月21日刊 キム・チョヨプ『それでもふたり、ひとつの貝殻』 ひとつの身体にふたつの人格が共生する主人公が、同時にひとりの人間を愛する葛藤と孤独を描く表題作をはじめ、アイデンティティや他者への理解といった普遍的なテーマに、常識を問い直す想像力で深く切り込んでいく。現代韓国SFの最前線を走る作家の全7篇。カン・バンファ/ユン・ジヨン訳 (早川書房 予価2970円)[amazon] 10月21日刊 マックス・セーク『クイーンの悪手』 凍てつく11月のヘルシンキ。全身を白く塗られ、喉にチェスの駒を詰められた女性の遺体が発見される。殺人犯のプロファイリングを得意とする元諜報員・ミロは、警察と事件を追う。「もし神が我々にチェスをやらせたかったなら、神は我らを黒と白にしたであろう」――これは一体、誰からの挑戦状なのか? 街をチェス盤に見立てた連続殺人事件、その想像を絶する真相とは。「ガラスの鍵」賞受賞。フィンランドのノワール・サスペンス。セルボ貴子訳 (講談社 予価2640円)[amazon] 10月21日刊 スーザン・アブルハワ『ジェニンの朝』 平穏な時代から1948年のナクバ(大災厄)、そして2002年のジェニン虐殺事件まで。パレスチナに生きたアブルヘジャ一家、その三きょうだい――レジスタンスに加わる長男ユーセフ、ナクバの混乱のなかユダヤ人にさらわれた次男イスマイル、アメリカに渡った長女アーマール――を軸に、約60年間に渡る四世代の愛と苦難、悲痛な叫びを描いた傑作ファミリーサーガ。30カ国以上で読み継がれ続けた世界的ベストセラー。最所篤子訳 (小学館 予価3300円)[amazon] 10月21日刊 ヨアン・ルンドベリィ『夜鳥 ストックホルム・ダークミステリー1』 1880年のストックホルム。厳しい冬が街を襲い、物資は不足していた。孤児院で暮らす11歳の少女ミカは、生きのびるために物事を観察し、危険を察知する並外れた能力を身につけていた。ある夜、孤児院にひとりの少年が現れ、ミカに生まれたばかりの赤ちゃんを託した。この事件をきっかけに、ミカは残酷な連続殺人犯、通称「夜鳥」を追うことになる。孤児の少女ミカと型破りな中年刑事バルデマルがストックホルムを震撼させた猟奇的な殺人事件に挑む。スウェーデンのYAミステリ。高橋麻里子訳 (あすなろ書房 予価1650円)[amazon] 10月21日刊 ヨアン・ルンドベリィ『盗みの女王 ストックホルム・ダークミステリー2』 1880年。厳しい冬が終わり、ストックホルムに春が訪れた。11歳の少女ミカが暮らす孤児院の子どもたちに、甘く危険な誘惑が忍び寄る。ミカは事件の真犯人を突き止め、仲間たちを安全に守ることができるのだろうか。孤児の少女ミカと中年刑事バルデマルの二人が新たな事件に挑む。スウェーデンのYAミステリ。高橋麻里子訳 (あすなろ書房 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 フョードル・ドストエフスキー『主婦/伯父様の夢 ドストエフスキー中篇選』 青年とその家主夫妻の三角関係をめぐるミステリアスな「主婦」。シベリア流刑後初めて発表されたユーモア小説「伯父様の夢」。いずれも初文庫化となる珍しい中篇二作を収める。「主婦」……『罪と罰』の原型を思わせるサスペンス。「伯父様の夢」……ドストエフスキー作品のなかでは数少ない喜劇。米川正夫訳 (中公文庫 予価1320円)[amazon] 10月22日刊 S・J・ローザン『ニューヨークの市長たち』 ニューヨーク初の女性市長にして双子の母マッキャン、それが今回の依頼人だ。15歳になる息子マークが失踪したが、折悪しく市は市警と賃金交渉中のため、借りを作らぬよう私立探偵に捜させるらしい。だが捜索を開始するなり、マークの失踪は単なる家出ではないらしいことが明らかになる。加えて、相棒のリディアが同日に依頼された事件とも関連があるようで……現代ハードボイルド最高のコンビ〈ビル&リディア〉シリーズ最新作。直良和美訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽 新装版』 雲や虫を被写体にする青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちだが、なぜか立ち振る舞いは三枚目。けれども、ひとたび事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。第1回幻影城新人賞佳作入選作であり、ミステリ界の魔術師の記念すべきデビュー作「DL2号機事件」。空中密室の謎に挑む「右腕山上空」や、奇妙な童話に隠された秘密を解く「掘出された童話」など、チェスタトン風の論理と展開で描く、全8編を収録したシリーズ第1弾。 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 10月22日刊 トラヴィス・バルドリー『伝説とカフェラテ 書店主、傭兵と旅に出る』 「こんちくしょう!」無尽蔵な悪態の語彙をもつ小鼠人(ラットキン)の書店主ファーンは、窮地に陥っていた。始まりは住み慣れた海辺の町の書店を売り、旧友ヴィヴが珈琲店を経営している町で新しい書店を開店したことだった。書店は大成功なのになぜかファーンは満たされないまま。挙げ句酔った勢いで賞金稼ぎのエルフの馬車に密かに乗り込んでしまったのだ……。小鼠人が思いもよらない冒険の旅に出る、〈伝説とカフェラテ〉シリーズ第3弾。原島文世訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 安藤聡『英国庭園の文化史 シェイクスピア、ウィリアム・モリスから『アリス』『ハリー・ポッター』まで』 なぜ英国はガーデニング王国なのか? 『不思議の国のアリス』『トムは真夜中の庭で』『ハリー・ポッター』などの文学作品と絡めつつ、英国式庭園の成立とその変遷をたどる。 (平凡社 予価4180円)[amazon] 10月22日刊 ヨン・ヨルム『リシアンサス』 大気汚染に見舞われた地球。人工の身体を持つ者を「人間」、そうでない者を「未登録」と呼んでいた。未登録のジンは人間のギュヒと穏やかに暮らしていたが、ギュヒが何度も未登録の”ペット”を迎えては手放していたことを知り――。第8回SFアワード中短編優秀賞受賞作「リシアンサス」他、あなたの孤独に届く、韓国発・祈りの短編集。カン・バンファ訳 (マイナビ出版 予価2420円)[amazon] 10月23日刊 田中潤司『暗号の話』 古代の軍事から推理小説まで、「秘密」を伝えるための発明の歴史をたどる。今すぐ解読に挑める「暗号」も多数収録。徳間ブックス(1967)を復刊。 (角川ソフィア文庫 予価1430円)[amazon] 10月23日刊 ジェフリー・アーチャー『そして因果は巡る ロンドン警視庁国家要人警護特別任務』 警視長昇任を控えたウィリアム・ウォーウィックは、政府との交渉のため来英したサウジアラビア王族の警護を任される。だがその息子のアフメド王子は黒い噂がつきまとい、先日サウジで起きた殺人事件にも一枚噛んでいるらしい。英国の交渉人が罪を着せられ現地で投獄されるなか、ウィリアムらは無実を証明できる唯一の証人の警護に奔走するが、敵は監視の目をくぐり抜け――。ロンドン警視庁、最大の窮地。戸田裕之訳 (ハーパーBOOKS 予価1496円)[amazon] 10月23日刊 レイモンド・チャンドラー『レディー・イン・ザ・レイク』 行方不明となった妻を探してほしいとの依頼を受けたマーロウは、彼女が最後に立ち寄ったとされる湖に辿り着く。マーロウは湖底に揺らぐ白い腕をみた…….。戦争が色濃く影を落とすアメリカを背景にマーロウは次々と事件に巻き込まれてゆく。市川亮平訳 (小鳥遊書房 予価2420円)[amazon] 10月23日予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第9巻 パリ生活情景*』 (水声社 予価13,200円) 10月25日発売 《SFマガジン》12月号 〈特集〉SF読者のための東京お笑いライブシーン入門 (早川書房)[amazon] 10月26日刊 呉明益『眠りの航路』 睡眠に異常を来した「僕」の意識は、太平洋戦争末期に台湾人少年工として日本へ渡った父の記憶へ漕ぎ出す。鮮烈な長篇デビュー作。倉本知明訳 (白水Uブックス 予価1870円)[amazon] 10月26日刊 北村紗衣『追っかけから始まるシェイクスピア女子の歴史 近世の観劇と読書』 女性たちはいかにシェイクスピアを受容し、その正典化に影響を与えてきたか。十八世紀までの観客や作家、宮廷人などの関わりを見る。 (白水Uブックス/人文知への扉 予価1980円)[amazon] 10月26日刊 V・S・ナイポール『ビズワス氏のための家 上・下』 〈ルリユール叢書〉トリニダード・トバゴ出身のノーベル賞作家ナイポール。イギリス移民の孤独を鋭く描く巨匠の最高傑作を本邦初訳。 巨大な妻一族の重圧に抗い、己の「家」を求め果敢に奮闘するビズワス氏の波乱万丈な生涯を描く悲喜劇。森川慎也訳 (幻戯書房 予価各5720円)[amazon上・下] 10月26日刊 ジェイムズ・ハニング『世界一のブックフェスティバルの町を築いた男 ヘイ・オン・ワイを本の町にしたリチャード・ブースの数奇な生涯』 南ウェールズのヘイ・オン・ワイでは毎年10万人を集める世界規模のブックフェスティバルが開催される。この地を英国一の本の町にしたリチャード・ブースという一人の男の、本への熱狂と数奇な人生から辿る本と町の歴史。岸川由美訳 (原書房 予価3080円)[amazon] 10月26日刊 スルハン゠サバ・オルベリアニ『嘘の知恵』 〈ルリユール叢書〉「嘘」とは、人を欺く虚偽ではなく、知恵を伝える〈つくり話〉である――王子教育の枠物語に、ヨーロッパから中東、インドに連なる寓話を巧みに編み込み、人間の愚かさと欲望、友情と善を軽妙かつ辛辣に描く。三世紀を経て、今なお読み継がれるジョージア文学の古典。本邦初訳。児島康宏訳 (幻戯書房 予価3850円)[amazon] 10月27日刊 荒俣宏編訳『荒俣宏幻想文学翻訳集成 欧米幻想ファンタジー精華 4 異次元を覗く家』 コズミック・ホラーの先駆的作品、W・H・ホジスン『異次元を覗く家』を収録。 (春陽堂書店 予価6050円)[amazon] 10月27日刊 オノレ・ド・バルザック『あら皮 欲望の哲学 バルザック「人間喜劇」セレクション〈新版〉 第10巻』 絶望の淵にいたが、寿命と引き換えに願いを叶える魔法の皮「あら皮」を手に入れた青年の行く末は? 新版(ソフトカバー)復刊。小倉孝誠訳 (藤原書店 予価3520円)[amazon] 10月27日刊 川崎市立日本民家園『民家の妖怪 民家の神様』 昔の民家には様々な妖怪や神様がいた。妖怪を避けるまじない、妖怪を追い払う民具など、民家にまつわる妖怪と神様の世界へいざなう。 (河出書房新社 予価1980円)[amazon] 10月27日刊 『シスターパンク・ユニオン』 隣の他人と手を携えてわたしたちは未来へ進む。日韓16名の作家による夢の書き下ろしアンソロジー。日韓同時発売。王谷晶、チョン・ボラ、米澤穂信、キム・チョヨプ、門田充宏、ミン・ジヒョン、空木春宵、ファン・モガ (河出書房新社 予価3190円)[amazon] 10月28日刊 ジェニー・エルペンベック『カイロス』 〈ハヤカワ・プラス〉1986年、東ベルリン。国家が静かに崩壊しつつある時代に、ひとつの恋が始まった。19歳の職業訓練生カタリーナと、妻子のある50代の作家ハンス。秘密に包まれた関係は、やがて執着と支配の色を強めていく。二人の愛の果てには、何が。2024年度ブッカー国際賞受賞作。松永美穂訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 10月28日刊 アニエット・ダーニエ『コウノトリとラクダの歌』 英国ヨークシャー、ブラックベリーの生い茂る丘に眠る、知られざる女性作家エライザ=メイ・ドレイデン。19世紀のイギリスから第一次大戦下のフランス、21世紀のオランダまで、さまざまな人々の人生のなかに繰り返される死と再生の循環――。納棺を手伝う村の女性、牧師の後妻とその妹、取り憑かれたようにエライザを研究する女性伝記作家とその娘たち、ピアノ教師とフランスの地主の娘たち、古い草稿の蒐集家、時計職人とその愛妻など、多くの二人組を主人公に、11の物語がゆるやかにつながりながら、エライザ=メイの姿を浮き彫りにしてゆく。 『嵐が丘』にインスパイアされ、エミリー・ブロンテに捧げられた、オランダ最大の文学賞リブリス賞受賞の大長篇。長山さき訳 (新潮社 予価6600円)[amazon] 10月28日刊 トンミ・キンヌネン『樹の下で』 フィンランド北東部のロシア国境に近い町で、一人の女性が死を迎えようとしていた。戦争で心に深い傷を負い、亡き夫や子供たちにも心を閉ざしたまま、誰にも言えぬ秘密を抱えて生きてきた。彼女は戦争によって何を奪われたのか。沈黙によって何を守ろうとしたのか。人生の最期の瞬間まで続く戦争の傷を描く長編小説。古市真由美訳 (新潮社 予価2255円)[amazon] 10月28日刊 ナサニエル・ホーソーン『ウェイクフィールド ホーソーン傑作選』 ある10月の夕暮れ、主人公は結婚10年になる妻の前からとつぜん姿を消す。通りを隔てた近所にアパートを借りた夫は黙ってそこで生活をはじめ、20年後に妻の住む家に戻る――。不条理な出来事が描かれた表題作「ウェイクフィールド」は驚くべき現代性をたたえ、数多の作家に影響を与えた。他に「ラパチーニの娘」「痣」など、『緋文字』でアメリカ文学史に名を刻む著者の名短篇8作を収録。齊藤昇訳 (新潮文庫 予価737円)[amazon] 10月28日刊 ジョセフ・ノックス『インポスター・シンドローム』 パリからロンドンへと逃げ戻った詐欺師リンチは、ホテルで若い女に声をかけられる。5年前に失踪した兄と彼が瓜二つだというのだ。兄妹の家族は崩壊状態ながら相当な資産家らしく、兄になりすませとけしかけられたリンチは、生死不明の男の謎にとり憑かれていく――。幾重にも張り巡らされた謎の迷宮へと読者を誘い込む、現代英国ミステリー界屈指の作家によるサスペンス・ノワール衝撃作。池田真紀子訳 (新潮文庫 予価1265円)[amazon] 10月30日刊 都筑道夫『大偏見書見台 都筑道夫エッセー集成』 〈キイ・ライブラリー〉日本版EQMMの初代編集長にして幅広いジャンルで傑作をものした不世出の作家・都筑道夫は、稀代の論客でもあった。作家論を集成する第二巻には、久生十蘭、小栗虫太郎、江戸川乱歩、大坪砂男、野村胡堂らの作品に寄せた評論に加え、「奇想天外」に連載した縦横無尽のエンターテインメント時評「大偏見書見台」、岡本綺堂や半村良、サキ、ジョルジュ・シムノン、エラリー・クイーンの少年ものに寄せた解説再録など、単著未収録の評論・書評を多数収録。日下三蔵編 (東京創元社 予価4180円)[amazon] 10月30日刊 ピーター・トレメイン『修道院の亡霊 上・下』 フィデルマとエイダルフは、サクソン人のアングリア王国を旅していた。目指すはオールドレッド修道院。エイダルフの幼なじみの修道院執事から、その夜の午前零時までに来てほしいとのことづてを受け取っていたのだ。吹雪のなかようやくたどりついたが、幼なじみは殺害されていた。修道院長はならず者の仕業と断定するが……。フィデルマが風邪をこじらせ寝込んでしまったためエイダルフが単身調査に乗り出す。人気シリーズ第11弾。田村美佐子訳 (創元推理文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 10月30日刊 オクサーナ・ヴァシャキナ『傷』 最愛の母を亡くした作家が、モスクワ-シベリア4000キロを弔いの旅に出る。フェミニストでレズビアンの自分と、自分を愛してくれなかった母の溝。憎みたかったのではなく、愛されたかった――。過酷な「生」をありのままに記述し、散文と詩が混在する多層的なテクストで綴られる旅の記録。現代ロシア文学最重要作家のひとり、オクサーナ・ヴァシャキナの長編小説を初邦訳。高柳聡子訳 (エトセトラブックス 予価3080円)[amazon] 10月31日刊 E・T・A・ホフマン『三人の友 ベルリン幽霊譚』 〈シリーズドイツ語文学〉「お化けのホフマン」として一世を風靡したE.T.A.ホフマンの幽霊物語。ナポレオン解放戦争後の発展しつつあるベルリンで三人の友たちが再開を果たし、語り合っていくと……。啓蒙の時代のモダンな都市に幽霊を出現させた、ドイツ・ロマン派を代表する幻想作家ホフマンらしさ満載の中編小説。ホフマン研究の専門家である訳者による詳細な解説と注釈付き。読みやすく編集されたテキストからの翻訳。識名章喜訳 (あいんしゅりっと 予価1760円)[amazon] 10月予定 貝澤哉『ミハイル・バフチン』 (水声社 予価2200円) 10月予定 小川美登里『パスカル・キニャール』 (水声社 予価2200円) ▼11月予定 11月2日刊 カン・ファギル『ホワイトホース』 〈エクス・リブリス〉日常にひそむ女から女への抑圧。現実を鋭く見つめた先にある逆転の構図を、新たな女の物語としてスリリングに描く6篇。小山内園子訳 (白水社 予価2420円)[amazon] 11月5日刊 マギー・スティーフベーター『ホテル・アヴァロンの密告者』 第二次世界大戦下のアメリカ。敵国の外交官を客として収容する高級ホテル。総支配人ジューンは、外交官を追うFBIとホテルに潜むスパイ、二つの勢力の狭間に立たされる。国家間の思惑が交錯する諜報戦のなか、ホテルを守るためにジューンは動き始める――。中谷友紀子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3080円)[amazon] 11月5日刊 ジェニー・ゴドフリー『少女探偵の最後の夏』 12歳のミヴは親友と共に町を救うため、女性を狙う連続殺人鬼を調査する。ミヴはノートに怪しい人物をリストアップしていくが……。谷泰子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1760円)[amazon] 11月5日刊 ジョン・ウィズウェル『モンスターは怪物ハンターと巣づくりしたい』 人に擬態した不定形の怪物シェシェシェンは毒矢に射られたところを旅の女性に助けられて恋をする。だが彼女は怪物ハンターだった。原島文世訳 (ハヤカワ文庫NF 予価2090円)[amazon] 11月5日刊 トム・ストッパード『トム・ストッパード5 レオポルトシュタット』 20世紀のウィーン。成功を手にしたメルツ家にもヒットラーの影が忍び寄る。時代に翻弄された四世代にわたるユダヤ人一族の物語。広田敦郎訳 (ハヤカワ演劇文庫 予価2530円)[amazon] 11月5日刊 ジャン=ポール・デュボワ『誰もが同じ世界を生きるわけではない』 カナダにある極寒の刑務所。献身的なマンション管理人だったポールは、巨漢の暴走族と同房になる。粗暴だが人情味のある男と過ごすなかで、ポールは回想する。亡き父と妻のこと、人生を変えた事件のことを。美しくも哀切な人生の軌跡を描くゴンクール賞受賞作。藤本優子・山田浩之訳 (早川書房 予価3190円)[amazon] 11月5日刊 ジェフリー・ディーヴァー『真夜中の密室』 厳重に施錠された部屋に侵入する怪人「解錠師」。その目的は? ドンデン返しの魔術師の面目躍如。反転の果てに明かされる真相とは。池田真紀子訳 (文春文庫 予価1485円)[amazon] 11月5日刊 チョ・ナジュム『君になってあげる』 1980年生まれの母と、2010年生まれの娘が、お互いの体が入れ替わり、タイムスリップ!? 過去と現在と未来を同時に描き、世代間の理解が深まる物語。すんみ・小山内園子訳 (筑摩書房 予価1980円)[amazon] 11月5日刊 チョン・ソヨン『崩れた世界で私たちは』 大学から異界へと続く秘密の階段、過去と未来の宇宙飛行士が交錯する異星の放課後、時間を巻き戻せる不思議な箱――超能力、宇宙、テクノロジー、パンデミック。日常から過去へ、未来へ、星へ誘う韓国SF小説集。吉川凪訳 (集英社 予価2420円)[amazon] 11月5日刊 イ・スヨン『最後の心が聞こえる公衆電話』 自殺の理由や原因を分析調査し、遺族をケアする“心理学的剖検センター”を開業したジアン。そのセンターの近くには不思議な公衆電話があった。ジアンはその公衆電話の力も借りながら、職場でのストレス、SNSでの誹謗中傷など、さまざまな理由で大切な人を失った依頼人の心を慰め導いていく。そんななかで、ジアン自身も抱え続けてきた傷に向き合い始める……。古川綾子訳 (集英社 予価2640円)[amazon] 11月5日刊 『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』 改革開放政策により、都市化と国際化が急速に進んだ中国社会。故郷を離れて出稼ぎに向かう「農民工」や海外移住者、長距離移動の途上にある人々を描く12篇を収録。移動がもたらす他者との邂逅や喪失、新たに生まれる葛藤を通して、激動の時代を生きる人々の姿を浮き彫りにする。閻連科、班宇、鉄凝、残雪、王侃瑜ほか。綿矢りさ訳の魯迅作品も収録。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 ◇シリーズ内容 (集英社 予価3300円)[amazon] 11月5日刊 江戸川乱歩『『このミス』が選ぶ この乱歩がすごい! 魅惑の名探偵編』 『このミステリーがすごい! 2026年版』に掲載した「ミステリー作家が選ぶ この乱歩作品がすごい! BEST10」ランクインした作品を収録した江戸川乱歩傑作選。下宿屋の天井裏から住人の生活を覗く趣味に魅入られた男。彼は次第に、恐ろしい殺人計画を“試してみたい”衝動に駆られ……「屋根裏の散歩者」をはじめ、明智小五郎ら名探偵が活躍する作品「パノラマ島綺譚」「何者」「心理試験」「陰獣」を収録。 (宝島文庫 予価990円)[amazon] 11月6日刊 東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学VI たそがれケルト編』 日本とアイルランドには「黄昏時の薄暮を愛でる」という共通する心性があった!? 明治から大正にかけて続々と紹介・翻訳されたイェイツらアイルランド文学作品に加え、当時の文学運動を共有していた泉鏡花、柳田國男、芥川龍之介、菊池寛、ラフカディオ・ハーンらの作品も収めたアンソロジー。 (春風社 予価3960円)[amazon] 11月6日刊 小野純一・小山力也・北原尚彦『ミステリ懐旧三面鏡』 作家、マニア、古本屋が挑んでも辿り着くことができないミステリと古書の深淵。探し、見つけ、また探す、三者三様リレーエッセイ集。喜国雅彦、日下三蔵、杉江松恋による豪華三面鏡解説付き。目次 (本の雑誌社 予価1980円)[amazon] 11月6日刊 アンドレ・デビュース『不倫、その他の選択』 良質の短編作品を残した米国作家アンドレ・デビュース。主人公は少年、若い女性、従軍中の兵士……人との関わりがもたらす心のうちのさざ波、生きていく中で芽生える痛みと慈しみを色合い深く描いて胸に迫る10篇。村上春樹訳 (中央公論新社 予価3465円)[amazon] 11月6日刊 マキシーン・ホン・キングストン『チャイナタウンの女武者』 アメリカ生まれの中国人女性が生きる複雑な文化の網の目をときほぐし、母や家族の記憶と生活のありようを見事に捉えた短編小説集。藤本和子訳 (河出文庫 予価1760円)[amazon] 11月6日刊 ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット 真説シェイクスピア』 「存在するか、しないか──そこが肝心だ」。原文を忠実に読み込むことで見えた真のハムレットの姿。石井訳シェイクスピアの真骨頂。石井美樹子訳 (河出文庫 予価990円)[amazon] 11月6日刊 ミシェル・ウエルベック『ショーペンハウアーとともに』 まならない現実を生きのびるための、「元気が出る悲観主義」。世界的作家とともに読みとく、ショーペンハウアーの人生哲学。序文 アガト・ノヴァック?ルシュヴァリエ。澤田直訳 (河出文庫 予価1210円)[amazon] 11月6日刊 『サイコ・ミステリー傑作選』 目に見えぬ人間の深層心理に潜む不可解な衝動を探る精神分析を手がかりに、現実の奇怪な事件の謎を推理する知的サスペンス――魂のタブーと悪夢の迷路をスリリングに映し出す、究極のダブル・ミステリー。江戸川乱歩他。 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 11月6日刊 『占いミステリー傑作選』 さまざまな占いの神秘が、不気味な犯罪の発生を予言するとき――夢と不安、金欲と色欲に翻弄される人間心理のウラ・オモテを、哀しくもユーモラスに推理する名作の森。果して、あなたの占いは当るかな? 星新一他 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 11月8日発売 関口苑生『関口苑生の「特選ミステリー」大全』 1993年8月から2024年9月までの約31年間、ミステリ評論家・関口苑生が『週刊現代』に連載した翻訳ミステリを中心とした約1200本のレビューを完全集成。 A5判・712頁。序文=阿津川辰海・田口俊樹/三橋曉・三門優祐 編 (盛林堂ミステリアス文庫 5000円) 11月9日刊 レナード・S・マーカス『ヴィジュアル版 世界の名作絵本案内 児童書挿絵の知っておくべき画家101人 上・下』 過去200年間の名作絵本を描いた101人の国際的な絵本画家の作品と経歴を解説。児童文学研究の大家が選ぶ究極のマスターピース。児童書の挿絵の歴史を一望できる。フルカラー。川端有子監訳/風早さとみ訳 (原書房 予価各3080円)[amazon上・下] 11月9日刊 E・C・ネヴィン『カリスマ編集者はどこへ消えた?』 出版記念パーティーで担当編集者が失踪、殺人事件まで! そのせいで新刊返品の危機に陥った新人作家のためにジェインが立ち上がる。加藤洋子訳 (原書房/コージ―ブックス 予価1650円)[amazon] 11月10日刊 M・R・ラインハート『白樺荘の人々』 〈論創海外ミステリ〉豊かな自然に囲まれた〈白樺荘〉で平和に暮らすメイナード家の人々。一族の“災い”とも言える女性の出現が“当たり前の日常”を崩壊させ、白昼の悪夢にも似た事件を呼び起こす。著者最後の長篇。橘えむ訳 (論創社 予価4950円)[amazon] 11月11日刊 レフ・トルストイ『復活 上』 貴族の青年ネフリュードフは、陪審員として参加した裁判で、かつて若さゆえにもてあそび捨てた使用人のカチューシャと再会。殺人の罪で裁かれる彼女に対して激しい罪悪感に苛まれ、一つの決意をする……。トルストイ最後の長編大作。望月哲男訳 (光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon] 11月12日刊 コリーン・ケンブリッジ『クリスティの家政婦』 ここはミステリ作家アガサ・クリスティが暮らす英国のお屋敷、マローワン・ホール。家政婦長のフィリダは家事のすべてをとりしきり、日々誇り高く働いている。しかしある朝、書斎で男の他殺体が見つかった。凶器はなぜか万年筆。本棚には不自然な血痕。現場は奇妙な謎で満ちていたが、女主人アガサは「現実の謎解きはからきしなの」と鋭意執筆中。フィリダは山積みの家事をさばきつつも真相にたどり着き、お屋敷の平穏を取り戻すことができるのか。アガサ賞ノミネートのお仕事×謎解きミステリ。田辺千幸訳 (創元推理文庫 予価1540円)[amazon] 11月12日刊 ピーター・スワンソン『クリスマス・ゲスト』 アメリカからロンドンの大学に入学した女子留学生は、クリスマス休暇に、友人の実家である旧領主館に招かれた。居心地のいい屋敷で理想の休暇を過ごし、友人の兄に惹かれていくが、彼には予想外の噂が……。驚愕の展開が待ち受ける中編「クリスマス・ゲスト」ほか、ショートショートの名品、子供じみた競争心から危険な崖登りに挑む二人の男とその陰に潜む歪な心理を描く「海食崖」など中短編7作を収録。日本オリジナル傑作選。務台夏子訳 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 11月12日刊 フレドリック・ブラウン『フレドリック・ブラウンSF短編全集4 スポンサーからひとこと』 奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を待望の文庫化。第4巻には、ある日世界中で一斉にラジオから流れた謎の放送が巻き起こす騒動を描いた表題作や、ショートショートの古典的傑作「武器」など、14編を収録。安原和見訳 (創元SF文庫 予価1430円)[amazon] 11月12日刊 岸田今日子『外国遠足日記帖』 どうしても「そこ」へ行きたい時もあり、とにかく「どこか」へ行きたい時もある。出会いの魅力に溢れた旅の記録。インド、北欧、チェコ、香港など、全7篇。 (白水Uブックス/外国語のポケット 予価1760円)[amazon] 11月12日刊 ヴァルター・ベンヤミン『一九〇〇年前後のベルリンの幼年時代 ベルリン・タイプ稿+パリ・タイプ稿』 ベンヤミン(1892-1940)が故郷で過ごした子供時代を回想した断章形式のテクスト。田中純訳 (講談社学術文庫 予価2640円)[amazon] 11月12日刊 井波律子『中国の隠者』 博識な宮廷道化、反骨の田園詩人、漂流する文人……老荘から竹林の七賢、陶淵明、李白、清代の袁枚まで、乱世に翻弄されながら意気軒昂と現実を否認し、自ら隠遁という生存様式を選び取った人々。権力と相対しあるいは身をひるがえし、逸脱の人生を生き抜いた中国の隠者の系譜を辿る。解題として種村季弘との対談「隠者という生き方」を収録。 (講談社学術文庫 予価1320円)[amazon] 11月12日刊 中井英夫『黒衣の短歌史 増補決定版』 かの小説家はかつて、きらめく新人を輩出し戦後短歌の一時代を築いた名編集者であった。回顧録的戦後歌壇史に歌論等を増補した完全版。解説 穂村弘 (ちくま学芸文庫 予価2090円)[amazon] 11月12日刊 アラン・ロブ=グリエ『新しい小説のために 付スナップショット』 過去の形式を脱却し、新しい書き方(エクリチュール)を探究せよ──。ヌーヴォー・ロマンの旗手によるラディカルな小説論+短編集。平岡篤頼訳 (ちくま学芸文庫 予価1650円)[amazon] 11月16日刊 アラン・マバンク『ヤマアラシの回想』 〈アフリカ文学の愉楽〉その国には分身遣いがいるという――秘儀を施された人間の〈有害な分身〉として、夜の闇に生きてきた一匹の雄ヤマアラシが、いまバオバブの老木を前に血塗られた半生を語る。異常なまでに書物に執着する若者、欧州から来た白人の民族学者たち、裸を見せつけて呪いをかける老婆、奇妙な力を秘めた禍々しい双生児、はたまた肛門にヤシの実を詰めて人々の目を欺く邪な分身遣い……。あの世とこの世、人間界と動物界の閾を揺るがす不穏な逸話の数々。現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる出色のルノドー賞受賞作。桑田光平・福島亮訳 (国書刊行会 予価3080円)[amazon] 11月17日刊 アルベール・カミュ『転落』 「あのう、もしお邪魔でなければ、お手伝いいたしましょうか」――アムステルダムの船員酒場で、男が語り出す。かつてパリの売れっ子弁護士として「正義」を捧じていた彼は、なぜうらぶれたこの地で「改悛した裁判官」をしているのかを。聞き手を引き込む奇妙な独白が、人間に巣くう欺瞞をあぶり出す、カミュ晩年の代表作。塚本昌則訳 (岩波文庫 予価913円)[amazon] 11月17日刊 リック・ゲコスキー『稀覯本をめぐる冒険』 『ハリー・ポッター』私家版から世界史上貴重な手紙まで、有名作家やその家族がお宝を手放す際に見せる素顔を古書ディーラーが語る。矢倉尚子訳 (白水社 予価3080円)[amazon] 11月17日刊 スティーヴン・グッドウィン『暗号解読 歴史と原理、その解読方法』 〈アルケミスト双書〉世界中の支配者たちは数千年にわたって、軍事機密や政治的なやりとりを秘密裡に伝達する方法を模索してきた。ローマ皇帝カエサルの暗号や、戦争の帰趨を決めた南北戦争で使われた暗号、いにしえのスパイたちが使った今となっては牧歌的ともいえる暗号の数々など。さらには暗号機「エニグマ」をめぐるナチスドイツと英米の暗闘、そして最新のエンドツーエンド暗号化まで、歴史の中の暗号を解説。武井摩利訳 (創元社 予価1980円)[amazon] 11月18日刊 サミュエル・バー『アルファベット・ボックス パズル作家最期の謎』 パズル作家が共同生活する屋敷で育てられたクレイトンは、義母の遺したパズルに導かれ、実の両親を探す旅に出る。それは彼にとってはじめて協会員以外と交流する旅でもあった。各地の暗号を解くうちに、彼は自身の孤独と向き合っていく。やがて知る真実とは? 服部理佳訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 11月18日刊 アレグザンダー・ボルディザー『五秒先を視る男 上・下』 五秒先の未来を視る特殊能力をもつ以外は平凡な男プレブル。ある事件をきっかけに家族を守るため警察や軍隊、国家に立ち向かう。酒井昭伸訳 (ハヤカワ文庫SF 予価各1760円)[amazon上・下] 11月18日刊 デイヴィッド・フィッシャー『スエズ運河を消せ』 第二次世界大戦、北アフリカ戦線。ドイツの名将ロンメルに追い詰められたイギリス軍の切り札は、兵器ではなくマジックだった――。金原瑞人・杉田七重訳 (ハヤカワ文庫NF 予価2090円)[amazon] 11月18日刊 エドワード・ゴーリー『邪悪な花園』 不気味な植物園に迷い込んだ、おめかし姿の吝嗇な都会人たち、その運命は? 一度読んだら癖になる、カルト作家のダークな傑作絵本。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価1650円)[amazon] 11月18日刊 水木しげる『水木しげる妖怪大図録 世界編』 恐ろしくも美しく、ときにゆかいな水木妖怪のイラストを、世界編、日本篇、それぞれ約500体収録。A4変形の大判サイズで迫力の妖怪画を楽しめる、究極の水木しげる妖怪画集。 (講談社 予価17,600円)[amazon] 水木しげる『水木しげる妖怪大図録 日本編』 (講談社 予価16,500円)[amazon] 11月18日刊 山形浩生『翻訳の思考 チャンドラー『長いお別れ』を例に』 訳書累計200冊以上、経済・文学・ITなど多ジャンルにわたって翻訳を手がける山形浩生の翻訳思考が一文・一単語レベルでわかる翻訳指南。 (星海社新書 予価1430円)[amazon] 11月19日刊 会津信吾編『戦前日本モダンホラー傑作選 硝子娘』 「前書『バビロンの吸血鬼』はマイナー作家の発掘に力を注いだが、今回は文学史上、知名な(少なくとも文学辞典に単独立項される程度には)作家の埋もれた作品を掘り起こすことに重点を置いた。前書が「知らない作家の知らない作品」なら、本書は「知ってる作家の知らない作品」のアンソロジーということになる」(編者序文より)。全23編を収録。 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 11月19日刊 アマンダ・フラワー『罪深きキャラメル アーミッシュ・キャンディショップ・ミステリ』 ニューヨークの最先端の店のショコラティエ、ベイリーは、祖父が病との報に急ぎオハイオ州のアーミッシュ・カントリーに向かった。ところが到着した早々、祖父母の店の厨房で死体を発見する羽目に。死体は、店のある一帯をアーミッシュのテーマパークにしようと目論んでいた不動産開発業者だった。第一発見者兼容疑者になったベイリーは、疑いを晴らすべく調べ始めるが……。アーミッシュの村を舞台にしたスイーツ満載のミステリ。大友香奈子訳 (創元推理文庫 予価1540円)[amazon] 11月20日刊 トーマス・ベルンハルト『コンクリート』 メンデルスゾーン論を書き出せない主人公の果てしなきモノローグ。「そうよ」、「安飯喰い」収録。ベルンハルトの魅力を凝縮する。飯島雄太郎訳 (河出書房新社 予価4730円)[amazon] 11月20日刊 谷崎潤一郎『谷崎潤一郎 発禁作品集』 妖艶、耽美、淫蕩、破滅――。過激のあまり、長らく入手困難だった作品が、いま蘇る。直彦は暴走する性慾に慄き、禁欲の旅に出る(「飇風」)。陰謀蠢く江戸の御家騒動は、残虐非道な血塗れの狂宴に発展し……(戯曲「恐怖時代」)他。「文壇第一の注意人物」と睨まれた文豪の大正期発禁作品、ならびに関連する作品を、一部伏字復元のうえ収録。文庫オリジナル。 (中公文庫 予価1100円)[amazon] 11月20日刊 ジャニス・ハレット『すべてお見通し』 山田蘭訳 (集英社文庫)[amazon] 11月24日刊 沼野恭子『スプーンと反戦 戦時下のロシア語文学』 ささやかな、日常的なものこそが戦争に抗うためのよすがとなる。言論封殺のための法改正、喧伝されるプロパガンダ、反体制派の排除──国のために犠牲を強いる強権的な流れに、現代ロシア語作家たちはどのように抵抗しているのか。アレクシエーヴィチ、ウリツカヤ、クルコフらの反戦の声に応答し、戦時における文学の役割を問う。 (岩波書店 予価3080円)[amazon] 11月25日刊 小山内園子・すんみ『はじめての韓国文学 6つのテーマでひらく物語』 いま、世界中から熱い視線を集める韓国発の文学。ノーベル文学賞を受賞したハン・ガンをはじめ、多くの作家、作品を生み出している。それらを日本の10代にも密接にかかわる「格差」「家族」「ジェンダー」など6つのテーマで読み解き、面白さと魅力を紹介する。各章末には、関係する用語解説をつけ、作品理解を助ける。 (岩波ジュニア新書 予価1122円)[amazon] 11月25日刊 えのころ工房『シャーロック・ホームズ人物解剖図鑑 宿敵と魔犬編』 (エクスナレッジ 予価2750円)[amazon] 11月25日刊 梶尾真治『100分de名著 ロバート・A・ハインライン『夏への扉』』(仮) 『夏への扉』は、恋人と親友に裏切られ、すべてを失った発明家ダンの大逆転の物語だ。冷凍睡眠で30年後の未来へ送られたダンは、人生を取り戻すため時間を行き来する。張りめぐらされた謎と時間旅行の仕掛けを、SF作家・梶尾真治が実作者の視点から読み解く。〈100分de名著〉12月テキスト (NHK出版 699円)[amazon] 11月25日刊 ティム・オブライエン『虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ』 村上春樹訳 (ハーパーBOOKS 予価1760円)[amazon] 11月25日発売 《ミステリマガジン》1月号 特集 ミステリが読みたい (早川書房)[amazon] 11月26日刊 ベルンハルト・シュリンク『孫娘』 〈新潮クレスト・ブックス〉探し出した孫娘は、ネオナチだった――。遺された絆は思想の壁を越えるか。「ヒトラーは平和を望んでたの。ドイツ人はユダヤ人を殺してない」亡き妻の秘密を追った孤独な老人が探し出した孫娘は、彼にそう言い放った。横たわるのは世代間の深い断絶と、東西ドイツの分断が生んだ歴史的傷跡。相容れない思想の違いを越え、出会った二人は魂の絆を紡げるのか。『朗読者』に匹敵する感動の長篇小説。松永美穂訳 (新潮社 予価2970円)[amazon] 11月26日刊 エドゥアルト・フォン・カイザーリング『波 他三篇』 〈ルリユール叢書〉トーマス・マンが絶賛した、20世紀ドイツ文学の知られざる名作家カイザーリング――光と色彩溢れる海辺を舞台に、駆け落ちした貴族夫人の揺れ動く心理を印象主義的筆致で描く傑作『波』。没落貴族社会の閉塞と官能を捉えた「蒸し暑い日々」「婚約」「隣人」の3篇を併録。本邦初訳。金志成訳 (幻戯書房 予価4180円)[amazon] 11月26日刊 クリストファー・デ・ハーメル『美しき写本をめぐる12の物語』 売買され、秘蔵され、使用され、複製され、分解されて、いまなお世界中の図書館や博物館、あるいは個人宅に遺されている写本たち。その歴史には、制作に関わり、あるいは収集に血道をあげ、よろこびに震える手で写本の頁を繰った、多くの人たちがいた。世界で最も多くの写本に触れてきた著者の案内による、写本に憑かれ、魅せられた12人をめぐる壮大な旅。松田和也訳 (青土社 予価13,200円)[amazon] 11月27日刊 サマンタ・シュウェブリン『よき邪悪』 喉に空いた穴、愛猫の幽霊、願いを叶える強盗、腐臭の泥酔詩人……世界が注目する〈スパニッシュ・ホラー文芸〉旗手の新傑作。宮﨑真紀訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 11月28日刊 アーナルデュル・インドリダソン『冷たい炎』 エーレンデュルは故郷であるアイスランド東部を訪れていた。かつて幼い弟と吹雪のなか道に迷い、彼だけが救出された。以来時折弟の痕跡を探しに来ていたが、地元で話を聞くうち、吹雪の中行方不明になった女性の話を耳にする。気になったエーレンデュルは、真相を解き明かそうといまだ生きている関係者たちに話を聞くが、証言からあらわれたのは凄まじいまでの怒りと哀しみに満ちた事件だった。北欧ミステリの巨人のシリーズ最終巻。柳沢由実子訳 (東京創元社 予価3080円)[amazon] 11月28日刊 大矢博子『もっとクリスティを読む! ミステリの女王の名作精読講座』 〈キイ・ライブラリー〉ミステリの女王、アガサ・クリスティの数々の名作は、なぜこんなに面白いのか? その疑問に真正面から答えて好評を博した『クリスティを読む!』の第二弾。〈探偵〉〈舞台〉〈時代〉〈作者の暮らし〉に焦点を当て、各章でおすすめ作品の魅力をたっぷり紹介。驚くべき語り&騙りのテクニックを解説する最終章もパワーアップ。クリスティという作家とミステリという小説ジャンルをより深く知りたい方に最適な一冊。 (東京創元社 予価2090円)[amazon] 11月28日刊 福井健太編『アポロンのナイフ 少年ミステリ傑作選』 古今東西のミステリ小説において、少年が存在感を放つ作は少なくない。未成年ゆえの感性と思考、社会的立場やコミュニティなどを介して、彼らは多彩な謎と物語に貢献してきた。日本の短篇ミステリからその成果を集めた本書には、車椅子の少年が名推理を見せる天藤真「多すぎる証人」、少年犯罪が意外な事態を生む有栖川有栖「アポロンのナイフ」、小学生と青年の友情を描く長岡弘樹「夏の終わりの時間割」など全10篇を収録。 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 11月28日刊 ダニエル・ジャドスン『かくも暗き運河』 中瀬英樹訳 (新潮文庫 予価1320円)[amzon] 11月28日刊 スコット・フィツジェラルド『グレート・ギャツビー』 上岡伸雄訳 (新潮文庫 予価825円)[amazon] 11月28日刊 セーレン・キルケゴール『死にいたる病 現代の批判』 人間として生きることに潜む矛盾や不条理に向き合い続けたキルケゴール。その思想を余すところなく伝える二つの名著を収録。松浪信三郎・飯島宗享訳 (白水Uブックス/思想の地平線 予価1650円)[amazon] 11月30日刊 夢野久作『ドグラ・マグラ 特装版』 日本読書史に燦然とその名を刻み込む、怪奇小説の帝王・夢野久作による畢生の大作『ドグラ・マグラ』。読む者を惑わすと語られる奇書が、美麗な装丁で大いなる復活を果たした。文芸ファン必携の一冊。内容 (KADOKAWA 予価6930円)[amazon] 11月30日刊 エミリ・ディキンスン『エミリ・ディキンスン書簡選集』 永遠に記憶されるアメリカの詩人、エミリ・ディキンスン。家族、親戚、「マスター」、友人など、彼女が親しい人に託した手紙と、そこに同封された詩を選出。日々の喜び、別れの悲しみ、憂慮、謝罪、信仰、季節の移り変わり……アマストでの隠遁生活の部屋から広がる、饒舌に書き込まれた豊かな感性と、多感な風景。1845〜86年の約40年間に送られた手紙340篇。朝比奈緑訳 (小鳥遊書房 予価6600円)[amazon] 11月以降刊 ルドルフ・ボルヒャルト『アナバシス』 吉用宣二訳 (作品社 予価4180円)[amazon] 11月予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第10巻 パリ生活情景**』 (水声社 予価13,200円) ? ドン・デリーロ『ランニング・ドッグ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉 (水声社 予価3080円) ? アルノ・シュミット『レヴィアータン』 〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳 (水声社 予価2200円) ▼12月予定 12月2日刊 ジェフリー・パーカー『全地球的危機 17世紀における戦争、気候変動、大災害 上・下』 頻発する戦争と寒冷化による世界同時多発的な大惨事。膨大な史料に埋もれた人々の顔を映しだす17世紀における地球的危機の全貌とは。戦争と気候と民衆の物語が編みだす歴史絵巻。見市雅俊訳 (白水社 予価各9900円)[amazon上・下] 12月3日刊 ラヴ・グレワル-コク『九月十一日の影』 9.11後のアメリカ。連邦検察官のニールは新設の対テロ情報機関に抜擢される。だが、重大な失敗を犯した彼は、組織の裏で暗躍する情報工作員たちに弱みを握られ、法の制約さえ受けない過激な対テロ作戦に利用されていく。ニールを利用する者の正体とは――。吉野弘人訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3410円)[amazon] フリーダ・マクファデン『バッドゲスト』 職を失い収入のなくなったブレイクは家の一室を女に貸すことに。だが彼女の入居後、問題が続発。隣人殺しの疑いまでかけられ……。高橋知子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1540円)[amazon] 12月3日刊 ヴァージニア・ウルフ『波 新訳版』 20世紀初頭のイギリス。遠い太陽の光が海辺の一日を照らし、生まれては消える波のうねりを描き出す。そこに重なるのは、男女6人のモノローグ。いくつもの声が、幼少期から晩年まで、幻想のように過ぎた日々の思い出を物語る。くり返す描写と語りが重なり、繊細な感覚と記憶が波音と響き合う。作家みずから劇=詩(プレイポエム)と呼び、小説の純粋性を追求した作品であり、後世に多大な影響を与えた、ウルフ文学の到達点。森山恵訳 (ハヤカワepi文庫 予価1540円)[amazon] 12月3日刊 デニス・E・テイラー『われらはレギオン5 巨大銀河連邦の沈黙』 銀河の中心を探索するボブたちが見つけたのは、汎銀河交通網と廃墟と化した星系群。銀河系に未曾有の危機が迫っていたのだ……! 金子浩訳 (ハヤカワ文庫SF 予価1980円)[amazon] 12月3日刊 クレマン・カマル-メルシエ『砕かれた世界で』 ジャンヌは何事もそつなくこなす有名ポルノ女優。ナータンはアメリカ映画の講義で人気の大学教授。だが彼らは薬物にすがり生活する依存者だった。やがてふたりは恋に落ち、愛と幻覚が世界を満たしていく。普通に生きること、その過酷さを描いた心揺さぶる文学。堀切克洋訳 (早川書房 予価4950円)[amazon] 12月3日刊 トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ1 神探福邇の事件簿』 舞台は阿片戦争の記憶も生々しい英国統治下の香港。満洲旗人の名探偵・福邇(フーアル)と、記録者である軍医あがりの華笙(ホアション)が、植民地の怪事件に挑む。『辮髪のシャーロック・ホームズ』(文藝春秋)を改題、新作短篇「福邇とシャーロック・ホームズの出会い」を本邦初収録した増補新版。再刊。舩山むつみ訳。【内容】血文字の謎/紅毛嬌街/黄色い顔のねじれた男/親王府の醜聞/ベトナム語通訳/買弁の書記/福邇とシャーロック・ホームズの出会い (作品社 予価3520円)[amazon] 12月3日刊 トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ2 神探福邇の最期』 『辮髪のシャーロック・ホームズ』の続篇となる第二巻。舩山むつみ訳。【内容】四人の血書/口曲がりの皇帝/常勤の医者/ 踊り子の暗号/潜龍号の設計図/最後の決戦 (作品社 予価3520円)[amazon] 12月4日刊 『中国現代文学ギャラリー 家族とくらし』 人口政策と経済発展が社会構造を塗り替える中で、揺らぎ、再編されてきた家族という単位。一族の歴史、夫婦の危機、親子の対立、高齢者の婚活などを通して、世代間の緊張や孤立、ケアの重圧を背負う人々の姿を描く12篇を収録。人々の暮らしの細部から、家族関係の現在を照らし出す。莫言・郝景芳、畢飛宇、梁鴻、双雪濤ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 12月8日刊 クライヴ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』 ニューヨーク地下鉄連続殺人事件と古代からの秘密が明らかになる表題作のほか、死神、幽霊、怪物などが跋扈する最狂ホラー短篇集。宮脇孝雄訳 (河出文庫 予価1540円)[amazon] 12月9日刊 レフ・トルストイ『復活 下』 カチューシャを救うために自らが最も嫌悪する特権階級のコネに縋らざるを得ない自己矛盾や、農民たちに土地を無償で分け与えようとして不穏分子と危険視される理不尽。自らの正義を貫こうとするほど、大きな壁がネフリュードフの前に立ちはだかる。一方、監獄生活を送る政治犯との交流によってカチューシャの心境にも変化が訪れて……。ロシア社会の不条理を鋭く告発しつつ、人間愛の極限を描いたトルストイ最後の長編。望月哲男訳 (光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon] 12月9日刊 ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ『危険な関係』 結婚が決まり、修道院を出た十五歳の美少女セシル。その遠縁にあたる侯爵夫人は、セシルの婚約者に対する復讐として、プレイボーイの子爵にセシルを誘惑させようとたくらむが……。巧みな心理戦に息をのむ、書簡体小説の傑作。渋谷豊訳 (光文社古典新訳文庫 予価2640円)[amazon] 12月11日刊 アーシュラ・ル=グウィン『ル=グウィン版 老子』 『ゲド戦記』で知られるル=グウィンが「何よりも深い水源」と称えた最愛の書『老子道徳経』――その原文に自ら向き合いつづけた作家の言葉は、現代を生きるすべての人の魂に捧ぐ「詩」として、古典に新たな命を吹き込んだ。名英訳の誉れ高いル=グウィン版、その技と精神を余すところなく伝える待望の日本語訳。大久保ゆう訳 (青土社 予価2860円)[amazon] 12月16日刊 コニー・ウィリス『ラズウェル道中』 親友の結婚式に出るためロズウェルまでやってきたフランシー。だが、式場に向かうレンタカーの中でなんと宇宙人に拘束されてしまう! 回転草(タンブルウィード)型で触手をもつ謎の宇宙人“インディ”は、フランシーに次々と行動を指示してきて!? 傑作SFエンタテインメント。大森望訳 (早川書房 予価4730円)[amazon] 12月16日刊 テリー・ディアリー『殺し屋を名乗る男』 列車内で殺し屋を名乗る男と乗り合わせた乗客たち。後日、乗客が変死し警察は自殺と断じる。女性警官エイリーンは男を追うが……。矢島真理訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2200円)[amazon] 12月16日刊 ジェイムズ・マクブライド『ヘヴン・アンド・アース・グローサリー・ストア』 1972年、井戸の底から発見された白骨死体。それはかつて貧しくも温かさのあった街〈チキン・ヒル〉で、ユダヤ人と黒人たちが命懸けで守り抜いた「秘密」だった。社会に居場所のなかった人々が愛と絆で理不尽に立ち向かう。全米を優しく包み込んだベストセラー長篇。北田絵里子訳 (早川書房 予価4400円)[amazon] 12月23日刊 生井英考『映画のかなたへ』 日刊ゲンダイ連載「シネマの本棚」20年分を一挙収録した怒濤の映画評、全527篇。21世紀の20年余で、アメリカをはじめとする世界、および日本はいかに変容していったのか。アメリカ、韓国、フランス、インド、ドイツ……世界各国の映画を読み解き、併せて作品に関連する書籍を紹介しながら変転極まりない時代を照らし出す。 (作品社 予価6380円)[amazon] 12月24日刊 レベッカ・ヤロス『あの日出会ったときから』 ニューヨークの富裕な家庭に育ち、上院議員のチーフ・オブ・スタッフ補佐として働くイジーと、イリノイ州の農場出身で、貧困と父親からの家庭内暴力という複雑な生い立ちを持ち、レンジャー部隊を経て特殊部隊デルタフォースに選抜された実力者ネイト。異なる世界に生きる二人が、幾度の出会いと別れを繰り返しながら、互いを選び取るまでの物語。田辺千幸訳 (二見文庫 予価2090円)[amazon] 12月24日刊 洪凌『混沌輪舞』 “魔王陛下” 汨韃胴の「至高なる墜落」によって、超越界と人の世の境界が崩れ去った〈南天超銀河〉。そこには、あまりの美貌ゆえに衆生の欲望の標的となり、受刑の祭壇でさえ夢遊病者のような微笑を浮かべる “残陽の法師” 司徒睚の姿があった……。台湾クィア小説第一人者が贈るスペースオペラとポストヒューマンを融合させた壮大な物語。華文SF・ファンタジーの金字塔。立原透耶訳 (新紀元社 予価3080円)[amazon] 12月25日刊 小泉八雲『知られぬ日本の面影 完全版』 明治日本にやってきたラフカディオ・ハーン=小泉八雲が「神々の国の首都」松江に滞在時の見聞を中心に描いた、来日後初の作品集にして代表作。文学的名声を一躍高めた全27編を完全収録。平川祐弘訳 (河出書房新社 予価5940円)[amazon] 12月予定 ヨアン・ルンドベリィ『死の天使 ストックホルム・ダークミステリー3』 スウェーデンのYAミステリ。 (あすなろ書房)[amazon] ▼2027年予定 1月7日刊 ポール・ラファージ『失踪者たちの画家』 アマチュア画家が恋に落ちたのは、犯行現場の写真家だった。変容する街と、その暗部に潜む失踪者たちを描く、見えない都市の物語。柴田元幸訳 (河出文庫 予価1760円)[amazon] 1月7日刊 『中国現代文学ギャラリー 時間と記憶』 日本による「満洲」の占領支配や毛沢東の死、天安門事件などの時代を画する出来事を背景にした作品から、近未来中国を舞台にしたSFまで、多様な時間軸を横断する11篇を収録。公的な歴史認識から抜け落ちてしまう一般庶民の苦難、運命、人生選択を、個人の記憶に寄り添うフィクションとして描く。余華、韓松、李鋭、史鉄生、蘇童ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 1月14日刊 イ・チョンジュン『虫の話』 〈韓国文学クラシックス〉戦争というミステリーを追求した巨匠中の巨匠。イ・チャンドン監督により映画化された表題作を初めとした魅惑の物語。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 2月5日刊 『中国現代文学ギャラリー ジェンダーと多様な性』 出産や結婚をめぐる選択、揺らぐ性的指向と性自認、親密な関係において生じる暴力など、性と生命の継承をめぐる葛藤を通じ、制度や社会通念と個人の欲望がせめぎ合う局面を描く8篇を収録。国家が規定する性の枠組みの中で揺れる、多様な愛と身体のあり方を問い直す。全篇初邦訳。王安憶、張天翼、王小波、鄭執ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 2月8日刊 ジュディ・バドニッツ『空中スキップ』 不死鳥のごとく炎に包まれるチアリーダーたち。電車の乗客たちをめぐる際限なき妄想。奔放な想像力とユーモアに満ちた傑作短篇集。岸本佐知子訳 (河出文庫 予価1650円)[amazon] 3月5日刊 『中国現代文学ギャラリー 風土と社会』 内モンゴルやチベットの高原から、天津や東北の都市空間、そして香港まで。広大で多彩な風土を背景に、民族、歴史、労働、信仰が交錯する社会の現実を描く12篇。土地の記憶と環境条件が、中国特有の社会制度や人々の価値観を形成し、その社会の構成員の生や運命をいかに方向づけるのかを描き出す。阿来、楊知寒、遅子建、馮驥才、賈平凹ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 4月予定 イ・ホチョル『副市長は馬山に赴任しない』 〈韓国文学クラシックス〉分断のマジック・リアリズム。戦争捕虜として北朝鮮から韓国へ渡り、その後生涯をかけて故郷喪失を書き続けた作家のベスト作品集。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 10月予定 オ・ジョンヒ『銅鏡』 〈韓国文学クラシックス〉社会や家族のなかでもがきながら生きる女性の姿を描き、韓国文学を世界へと拓いた作家。女性文学の金字塔であり短編文学の頂点。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] 2028年1月予定 ユン・フンギル他『九足の靴で居残った男』 〈韓国文学クラシックス〉戦争の予感を生きる。現代にいたる韓国の土台をめぐるメルクマール的作品を集めたアンソロジー。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] ▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう) ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮) 現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳 (竹書房文庫 予価1540円)[amazon] Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。 |