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注目の近刊
6月15日刊 『このホラーがすごい! 2026年版』 2025年度に出版されたホラー小説から、国内・海外ベスト20の作品を紹介。 マンガ『光が死んだ夏』作者モクモクれん氏のインタビューをはじめ、令和の青春×ホラーマンガを徹底特集。 『リング』刊行35周年記念特集、人気作家13名によるエッセイ「私の怖い話」など豪華企画も満載。一年のホラーを振り返るのに必読の一冊。 (宝島社 予価900円)[amazon] 6月15日発売 《MONKEY》vol. 39 〈特集 この人たち、本邦初訳です。〉 世界各地の“いまだ知られざる作家”に出会う! 12人の翻訳者が選んだ、13人の作家。その作品を一挙掲載。村上春樹訳による作家ポール・セローの英国旅行記も。【12人の翻訳者】阿部賢一(チェコ語)、及川茜(中国語)、岡真理(アラビア語)、くぼたのぞみ(英語)、小島敬太(中国語)、斎藤真理子(韓国語)、奈倉有里(ロシア語)、福嶋伸洋(ポルトガル語)、宮﨑真紀(スペイン語)、母袋夏生(ヘブライ語)、吉田恭子(英語)、柴田元幸(英語) (スイッチパブリッシング 1760円)[amazon] 6月16日刊 ショーン・オフェイロン『オフェイロン短篇集』 短篇の名手と名高い現代アイルランドの作家オフェイロンの、「無垢」「鱒」から「内外コンプレックス」まで、選りすぐりの十篇を編む。人間の愚かさをユーモアまじりに描く円熟したまなざしは、読者を惹きつけてやまない。若島正訳 (岩波文庫 1221円)[amazon] 6月16日刊 アイスキュロス『縛られたプロメーテウス』 神族の一人でありながら人間に深く同情し、火をもたらしたプロメーテウス。ゼウスの命により、罪過の償いとしてスキュティアーの岩山に手足を縛られながらも、断罪を止めず反抗し続ける。ゲーテやシェリー、ニーチェに深い影響を与えた、ギリシア三大悲劇詩人アイスキュロスが紡ぎ出す壮大な1094 行。伊藤照夫訳 (岩波文庫 627円)[amazon] 6月16日刊 ルクレティウス『事物の本性について 上・下』 無からは何も生まれず、何ものも無にはかえらない。自然現象から人間の活動まで、森羅万象を原子と空虚によって説明したローマ共和政末期の長篇詩。合理的精神と詩の想像力をもって、死の恐怖からの解放を説いた。詳細な訳注と見出しを付した清新な翻訳が、読者を壮大な宇宙へと誘う。瀬口昌久訳 (岩波文庫 1155円/1353円)[amazon上・下] 《重版再開》 アイスキュロス《テーバイ攻めの七将』 (岩波文庫) 6月16日刊 ルクレティウス『事物の本性について』 〈西洋古典叢書〉前1世紀中葉に著わされた教訓叙事詩。ローマ社会において、同時代のキケロがその技巧を高く評価し、オウィディウスもその詩の不朽性に言及した。その反宗教的傾向ゆえ、中世キリスト教社会では異端視され、埋没したが、15世紀に入りドイツの修道院で写本が再発見されたことにより、ヨーロッパ思想史に劇的な復帰を遂げた。著名なラティニストの手になる、正確・平明にして格調高い新訳。山下太郎訳 (京都大学学術出版会 予価5280円)[amazon] 6月16日刊 コルム・トビーン『ロングアイランド』 1976年のロングアイランド、芯の強い女性に成長したアイリーシュ。抑制された文体で「秘められた自我の地図を完璧に描く」長編。『ブルックリン』の続編、終わらない愛の物語。栩木伸明訳 (白水Uブックス 予価2640円)[amazon] 6月16日刊 ヘンリー・D・ソロー『市民の反抗 ソロー傑作選』 多数派の腕力や政府の便宜ではなく、己の「良心」に従え――。社会に対し静かに宣戦布告し、ガンジーやキング牧師にも影響を与えた表題作をはじめ、ソローの思想的エッセンスが伺える傑作選を新訳で。齊藤昇訳 (角川文庫 予価1320円)[amazon] 6月18日刊 ジェラルド・カーシュ『壜の中の手記』 無人島で発見された奇怪な白骨と日記がささやかな楽園の終焉を物語る「豚の島の女王」、アンブローズ・ビアスの失踪という文学史上の謎に材を採ったアメリカ探偵作家クラブ賞受賞の表題作、18世紀英国で漁師の網にかかった極彩色の怪物の驚くべき正体が綴られる「ブライトンの怪物」――全編に横溢する残酷とユーモア、奇想を奇想たらしめる語りの妙、そしてひねりの利いた結末が時に人間の愚かさやもの悲しさをも漂わせる、異色短編作家の傑作選。西崎憲他訳/解説 穂村弘 (創元推理文庫 1210円)[amazon] 6月18日刊 ジョン・マクマホン『猟犬の誇り』 FBI捜査官のガードナーは、他殺体の身元確認のためにテキサスを訪ねていた。殺された男は7年前の連続殺人事件で犯人と目されたが、逮捕寸前に自宅で焼死したはずの男だ。死んだ男が、なぜまた死体となって現れたのか。ガードナーのもとへ新たに一報が入る。長い服役を経て仮釈放された連続殺人犯が殺されたのだ。かくして事件は「連続殺人犯ばかりを狙う連続殺人」の様相を帯び――。奇妙な手がかり、深まる謎、執念の捜査行。全米注目の俊英が放つ、最大熱量、最高濃度の警察ミステリ。髙山祥子訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 6月18日刊 モナ・アワド『うさぎ狩りの夜に』 名門大学の創作科。サマンサは、互いを「バニー」と呼び慣れ合う女子学生たちを軽蔑していた。だが秘密のワークショップで"作品"を生み出した夜から、彼女は甘やかな連帯に絡め取られていく。孤独な創作と群れの連帯は両立するのか。創造の狂気を描く注目作。下田明子訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 6月19日刊 松山巖『ファルスについて 偏愛的作家論』 幸田露伴、斎藤緑雨から、佐藤春夫、室生犀星、内田百閒、夢野久作、小酒井不木、中里介山、石川淳、山田風太郎、種村季弘、須賀敦子まで。『乱歩と東京』『うわさの遠近法』『群衆』『闇のなかの石』の著者にして全国紙書評委員を務めること20年、「本の目利き」が綴った日本近現代文学・作家案内。目次 (皓星社 予価2970円)[amazon] 6月19日刊 木魚庵/本間至『金田一耕助の間取り』 金田一耕助が活躍した戦後の日本建築やその歴史、人々の生活、横溝正史の世界を、一級建築士が新たに図面を作成して、事件ごとに詳細解説。 (エクスナレッジ 予価2750円)[amazon] 6月19日刊 野崎六助『元祖スキャンダリスト黒岩涙香』 醜聞報道、社会正義、娯楽の三本柱で突き進んだ明治のメディア王にして探偵小説の祖、黒岩涙香。彼が幻視した「未踏の可能性」とは? (文春新書 予価1430円)[amazon] 6月19日刊 ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を 特装版』 32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。やがて手術によってチャーリイの知能は向上していくのだが……。全世界が涙した不朽の名作を函入りの特装版で。小尾芙佐訳 (早川書房 予価7920円)[amazon] 6月中旬発送予定 B・S・ジョンソン『不運な奴ら』 現代を先取りしていた作家、B・S・ジョンソンによる、綴じられていない27のパーツを函に収めた実験的な小説。若くして病死した親友との記憶が記された様々なページ数のパーツは、 最初と最後以外は読む順番は決められていない。サミュエル・ベケットに絶賛された作家による問題作。若島正訳 (東京創元社 11,000円)※受注販売商品(3/31まで予約受付) 6月22日 高木彬光『帝国の死角 第一部・天皇の密使』 わたし(高木彬光)が入手した「鈴木文書」。そこには大戦中に欧州で秘匿された闇資金の手がかりが……。長年、著者の「裏ベストワン」として復刊を待望された代表作が、スピンオフ短篇「日本人とユダヤ人」を初めて併録した〈完全版〉として登場。 (中公文庫 予価1430円)[amazon] 高木彬光『帝国の死角 第二部・神々の黄昏』 鈴木高徳少将の息子、二郎は戦後、日本の出版社に勤めていた。スイス銀行に秘匿されているという父の遺産20億ドルをめぐり、彼に次々と事件が……。怪しい新興宗教! 零落した博覧強記の作家! 遺産を狙いつきまとう男たち! そしてすべての事件が解決した後、明らかになるのは……。戦後ミステリ界の鬼才がワーグナー『ニーベルングの指環』に材をとった、破格の構成が一読忘れがたい日本推理史上に残る大・怪・作。 (中公文庫 予価1430円)[amazon] 6月22日刊 牧逸馬/島田荘司編『世界怪奇実話傑作選』 三つの筆名を使い分け、わずか35歳で世を去った伝説の作家、牧逸馬が「中央公論」に連載した実話読物の代表作を精選。愛好家必読のミステリー百科。切り裂きジャック、ハノーヴァーの人肉売り事件、マリー・セレスト号、タイタニック号沈没、マタ・ハリ、ローモン街の自殺ホテル、クリッペン事件、浴槽の花嫁、他。島田荘司編『牧逸馬の世界怪奇実話』(2003)の改題再刊。 (中公文庫 予価1540円)[amazon] 6月22日 紀田順一郎『蔵書一代 なぜ蔵書は増え、そして散逸するのか』 半生を通じて集めた蔵書との〈永訣の朝〉がきた──。晩年を迎え、やむを得ない事情から三万冊もの蔵書を手放した著者が半身をもぎとられるような痛恨事を契機に「蔵書とは何か」という問題に取り組む。本とともに過ごした人生を振り返りつつ、近代日本の出版史、読書文化における「蔵書」の意義を探る。自著解説、盟友荒俣宏との古書・蔵書をめぐる対談を収録。 (中公文庫 予価1210円)[amazon] 6月22日 平山亜佐子『断髪とパンツ 明治・大正・昭和 男装の「事件簿」』 なぜ女装は語られ、男装は語られないのだろうか。明治から昭和にかけて、着物から洋服に移り変わる時代。さまざまな理由からあえて男装を選んだ市井の人々の事情を、新聞記事などから探求していく。 (中央公論新社 予価2530円)[amazon] 6月22日刊 阿部謹也『刑吏の社会史 中世ヨーロッパの庶民生活 改版』 かつて社会にとって最も神聖な儀式であった「処刑」は、12~13世紀を境に「名誉をもたない」刑吏の仕事に変っていった。職業としての刑吏が出現し、彼らは民衆から蔑視され、日常生活でも厳しい差別をうけた。都市の成立とツンフトの結成、それにともなう新しい人間関係の展開、その中で刑罰観はどう変化したのか。刑罰観の変遷と刑吏差別の根源を追究する中で、庶民生活の実態を明らかにし、民衆意識の深層に迫る。 (中公新書 予価1056円)[amazon] 6月22日刊 千野栄一『ビールと古本のプラハ 新版』 稀代のスラヴィストで言語学の大家である著者が、プラハの町とそこに息づく人びとを機知と温かなまなざしで描きだす珠玉のエッセイ集。 (白水Uブックス 予価1650円)[amazon] 6月23日刊 ハン・ガン『私の女の実』 〈ハン・ガン コレクション〉『菜食主義者』の前身である表題作をはじめ、変化していく社会の中で個人が抱える闇と傷を凝視した初期の短篇小説集。斎藤真理子訳/解説 桜庭一樹 (白水社 予価2640円)[amazon] 6月24日刊 クラスナホルカイ・ラースロー『サタンタンゴ』 ハンガリーのある寂れた農場で、住人たちはかつての村のリーダーが戻ってくるという知らせを受ける。彼らは居酒屋に集い、酔って踊ったり、牽制しあいながら男の帰還を待つ。泥濘に沈む村で、死んだはずの男の帰還が、見捨てられた人々を狂乱の渦へと突き動かす。終わりのない文体が描く、世界の崩壊を預言する現代の黙示録。2025年ノーベル文学賞作家のデビュー作にして代表作、待望の翻訳。早稲田みか訳 (国書刊行会 予価2970円)[amazon] 6月24日刊 スタニスワフ・レム/スタニスワフ・ベレシ『レムかく語りき スタニスワフ・ベレシとの対話』 〈スタニスワフ・レム コレクション〉生い立ちから創作過程、文学観、政治情勢から文明論、最先端の科学から宇宙論、そして人類の未来まで、あらゆるテーマについて縦横無尽に、融通無碍に語るレム。連続インタビューから浮かび上がる、すさまじい知力と博識の持ち主であり、SF作家の枠だけには収まりきらない、ユニークな思想家でもあるレムの偉容。沼野充義監訳/後藤正子・菅原祥・木原槙子訳 内容 (国書刊行会 予価5280円)[amazon] 6月24日刊 坂川栄治/坂川事務所『装丁家・坂川栄治の仕事とその時代』 雑誌『Switch』の創刊アートディレクター・デザイナーとして、欧文書体を用いた大胆なデザインで注目を集め、その後数々の雑誌、文芸書、実用書、ビジネス書、自己啓発書、絵本、児童書、教科書など、幅広いジャンルの装丁を手がけた坂川栄治。ベストセラーとなった書籍の装丁も多くデザインしており、日本における書籍や雑誌のデザインの「普通」を底上げした装丁家の仕事を振り返り、紹介する。また、同時代を生き、交流のあった作家、編集者、イラストレーター、デザイナーなどの業界関係者による証言を収録し、出版業界の潮流、その社会背景についても垣間見ることができる一冊。 (ビー・エヌ・エヌ 予価4950円)[amazon] 6月24日刊 リチャード・デミング『絞首台のある庭 私立探偵マニー・ムーン』 探偵ムーンのもとに美しき依頼人グレースが訪れてくる。富豪の父を事故で失くし莫大な遺産が彼女と兄に遺されるはずだが、兄は失踪し、グレースの身には不可解な事故が続いていた。ボディガードを依頼されたムーンは一族の屋敷に乗り込むが、そこには疑わしい人物が勢揃いしていた! 正統派ハードボイルドに本格謎解きの魅力を備えたムーンの活躍が存分に楽しめる、初の長篇ミステリー。田口俊樹訳 (新潮文庫 予価990円)[amazon] 6月24日刊 シャロン・ボルトン『隣人』 湖水地方の閉ざされた村。教会信者たちによる怪しげな集会の準備が進行中だったが、教会から抜け出してきた少女が、隣家に越してきた女性アンに助けを求めにくる。アンも何やら秘密を抱えているようだが。一方、ドーセット州で教師を刺した少年が女性精神科医につきまとったあげく、この村をめざしていた……。幾重もの驚愕が待ち受け、ミステリー界を激震させた究極のサイコ・サスペンス。川副智子訳 新潮文庫 予価1265円)[amazon] 6月24日刊 キム・ウィギョン『ハロー、ベイビー』 〈新潮クレスト・ブックス〉ソウルにある不妊治療の専門病院で出会った6人の女性たちが作ったトークルーム「ハローベイビー」。ノンフィクション作家を目指すライター、離婚弁護士、専業主婦と、メンバーの身の上、夫や姑との関係、不妊の原因もそれぞれである。ある日、一年間音沙汰のなかった46歳で最年長のキム・ジョンヒョから「数日前に赤ちゃんを産んだの」という知らせが入り、彼女の自宅で赤ちゃんのお披露目パーティを開くことになるが……。小山内園子訳 (新潮社 予価2145円)[amazon] 6月24日刊 ジョルジュ・ミノワ『地獄の歴史』 人はなぜ地獄を必要としてきたのか。古代から現代まで、宗教・文学・芸術を横断して地獄観の変遷を描く入門書。 (白水社/文庫クセジュ 予価1760円)[amazon] 6月25日刊 ウィラ・キャザー『教授の家』 社会的な成功と今も美しい妻、幸せな結婚をした娘たち。すべてを手に入れたかに見える歴史学教授に忍び寄る、不安と孤独。作中にはさみこまれた「トム・アウトランドの物語」は、珠玉の青春文学でもある。20世紀前半のアメリカ文学を代表する作家が、ひっそりと苦悩する普遍的な人間の姿を、モダニズムの潮流とも共鳴する独自の手法で描きだす。長らく入手困難だった作者後期の代表作、待望の新訳。加藤洋子訳 (北烏山編集室 予価3520円)[amazon] 6月25日発売 《SFマガジン》8月号 〈巨大ロボットSF特集〉 (早川書房 1540円)[amazon] 6月26日刊 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ『赤い月の夜に』 〈ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ コレクション〉映画産業で財を成したニューヨークの老富豪ティモシー・グレイディは人気女優ローズ・ドーンを見初め、強引に婚約した。母のたっての願いで、愛のない二度目の結婚を承諾したローズ。だが彼女だけでなく、老富豪の身辺には財産狙いや嫉妬や遺恨を孕む一癖も二癖もある者たちが……疑心暗鬼の中、ついに殺人事件が勃発する。鬼才ロジャーズの第一長篇。夏来健次訳 (国書刊行会 予価4180円)[amazon] 6月26日刊 谷昌親編『シュルレアリスム 越境する想像力 『宣言』から100年後のアップデート』 近年、新資料が陸続と刊行されシュルレアリスム研究は新局面を迎えている。『シュルレアリスム宣言』100周年シンポジウム(2024)の成果に、多方面からのアプローチを加えた、14名によるアヴァンギャルド探求最前線。目次 (国書刊行会 予価4180円)[amazon] 6月26日刊 レベッカ・マカーイ『あなたに訊きたいことがある』 30年前、寄宿学校で殺された少女。母校で教鞭を執ることになった私は、被害者のルームメイトだった。罪深い秘密を繊細に描く傑作。中谷友紀子訳 (文藝春秋 予価4235円)[amazon] 6月26日刊 黒川正剛『〈奇異な裁き〉のヨーロッパ史 神判・動物裁判・魔女裁判』 神の時代から悪魔の時代へ――熱湯に手を入れる釜審やパンを呑み込む嚥下審、勝敗が判決を分ける決闘裁判、豚や虫に対する訴訟、そして魔女裁判……中世から近世にかけて、こうした〈奇異な裁き〉が行われたのはなぜか。また、その時代的変遷は何を示しているのか。 (教育評論社 予価3300円)[amazon] 6月29日刊 C・J・ボックス『黄昏の銃声』 猟区管理官ジョー・ピケットは、ヒューイット判事が自宅で狙撃されたという連絡を受ける。弾は妻に当たり、瀕死の重傷を負ってしまう。判事は自分が有罪を宣告した者の中に犯人がいるはずだと断定し、法執行官たちに捜査を命じる。ジョーは射撃のプロである盟友、鷹匠のネイトに協力を仰ぐが、ネイト自身にも危険が迫っていた……。急展開を迎える冒険サスペンス・シリーズ。野口百合子訳 (創元推理文庫 予価1540円)[amazon] 6月29日刊 エミリー・カーペンター『ゴシックタウン』 コロナ禍のためにニューヨークの一流料理店を閉店したビリーの元に、ジュリアナという南部の田舎町への移住勧誘メールが舞い込む。百ドルで豪華な邸宅を提供し、しかも起業の資金援助もするという内容に、好奇心に駆られ返信したビリーは、オファーを受けて夫と幼い娘と猫とともに移住を決断する。暖かな気候、素敵な館、親切な住民、理想の仕事……しかし、ジュリアナにはどこか奇妙な空気が漂っていた。シャーリイ・ジャクスン「くじ」にインスパイアされた傑作ホラー。茂木健訳 (創元推理文庫 予価1870円)[amazon] 6月29日刊 ヘザー・フォーセット『エミリー・ワイルドの妖精事典』 樹木妖精学博士エミリー・ワイルドは、妖精に関する話(と証拠)を集めるために北極圏に近い島を訪れていた。ところが初日から族長の不興を買い前途多難な様相。そこに現れたのは同僚兼ライバルのバンブルビー。美形で人当たりがいい彼はすぐに村人に溶け込むが……。研究オタクのエミリーと傍若無人だが面倒見のいいバンブルビーの妖精フィールドワークの顛末は。ロマンチック&コージー・ファンタジイ。原島文世訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 6月29日刊 ローラン・ビネ『遠近法』 〈海外文学セレクション〉ルネサンス期の画家ポントルモが制作中のフレスコ画の前で殺害された。傍らにはメディチ家の娘で婚礼を控えたマリア・デ・メディチの猥褻な絵が残されていた。マリアの父コジモ・デ・メディチの命により、『芸術家列伝』の著者ヴァザーリが事件を調べ始める。ミケランジェロ、コジモ・デ・メディチ、マリア・デ・メディチ、カトリーヌ・ド・メディシス、チェッリーニらの176通の書簡からなる驚愕の書簡体ミステリ。高橋啓訳 (東京創元社 予価3080円)[amazon] 6月29日刊 エティエンヌ・ド・グレーフ『夜はわが光』 〈ルリユール叢書〉医師の父と夫をもつ女性が、ある日突然、統合失調症を発症する。患者、家族、看護師はおのおの苦しみながらも救いを探ってゆく――ベルギー精神医学界の権威であるド・グレーフが、専門家の眼と細やかな筆致で描いた、人間の尊厳と愛の形を問う感動の長編小説。本邦初訳。梅澤礼訳 (幻戯書房 予価6270円)[amazon] 6月29日刊 大石雅彦『ミハイル・バフチン論 「ロゴス圏」探求のために』 その思想の根本問題を出来事、言語、身体と見定め、徹底的に読み解く未曾有のバフチン論。多孔的で未完結の全体像がここに生成す。 (白水社 予価7150円)[amazon] 6月29日刊 ヘンリー・メイヒュー『ロンドン路地裏の生活誌 ヴィクトリア時代 上・下』 19世紀ロンドン、ヴィクトリア時代――階級社会の最下層で暮らす労働者たちの貧困、生きることへの貪欲さ、諍い、笑い……庶民のリアルな姿と肉声をつぶさに観察、克明に描いた英国生活誌の不朽の名著。2011年3月刊の新装版。ジョン・キャニング編/植松靖夫訳 (原書房 予価各2640円)[amazon上・下] 6月29日刊 松村一男・沖田瑞穂『『オデュッセイア』入門』 世界最古の冒険叙事詩、『オデュッセイア』。ひとびとに語り継がれる奇想天外なその魅了と謎にスリリングに迫る、入門書の決定版。 (河出新書 予価1100円)[amazon] 6月30日刊 サマンサ・ハント『ダーク・ダーク』 〈エクス・リブリス〉性と生殖への渇望が孤独と狂気を生む。不穏で奇妙な日常をリアルでダークに描き出す。米国の奇才による、ストーリー賞受賞の短篇集。壁谷さくら訳 (白水社 予価2970円)[amazon] 6月26日刊 斎藤真理子/チョン・スユン『言葉の森のかくれんぼ』 宮沢賢治の死生観、ハン・ガン作品の痛み、石牟礼道子の詩にみる希望。同時代を生き、互いの国の文学を訳すふたりが、日本語と韓国語の深い森で、考え、問い、対話する。激動の戒厳令、終わらない戦争への抵抗――わたしたちの言葉と歴史について。書くこと、読むことの根源にせまる二年間の往復書簡。「世界」連載書籍化。 (岩波書店 2640円)[amazon] 6月30日刊 ジョルジュ・シムノン『フールネの市長』 〈シムノン ロマン・デュール選集〉市長で工場経営者のーリス・テルリンクは、自分の力だけでその地位まで上り詰めた男だった。ある晩、金の無心にやってきた青年イェフの話を聞くと、ヨーリスの政敵の娘リナを妊娠させてしまったという。ヨーリスは一蹴して追い返すが、その直後にイェフはリナを銃で撃ち、自らも命を絶ってしまう。事件をきっかけに、富と権力で町を支配してきたヨーリスの日常は静かに崩れ始める。シムノン中期の傑作。大林薫訳。瀬名秀明監修 (東宣出版 予価2420円)[amazon] 6月30日刊 セオドア・ドライサー『フージャの休日』 1915年8月、ドライサーは友人の挿絵画家とともに、ニューヨークから二人共通の故郷であるインデイアナ州まで、およそ2000マイル、2週間の自動車旅行に出た。ジャンルや文体の一貫性など歯牙にもかけないようなドライサー文学の特徴があますところなく込められ、のちのロード・ブックやロード・ムービーの源流にもなった旅行記。村山淳彦訳 (小鳥遊書房 予価3960円)[amazon] ▼7月予定 7月2日刊 ホルヘ・カリオン『世界の書店を旅する 増補新版』 本と出会い、仲間と集い、ときに抵抗する場として、書店の未来に寄りそう紀行エッセイ。新たなエピローグと解説、図版を加えた決定版。野中邦子訳 (白水社 予価4180円)[amazon] 7月2日刊 ジェームズ・ロリンズ『ツァーリの蔵書 上・下』 世界を滅ぼす暗号がいま目覚める……歴史の闇に消えた「黄金の蔵書」と「失われた大陸」をめぐり、人類の攻防がいま始まる。ジェームズ・ロリンズが放つ究極の科学冒険譚。シグマフォースシリーズ17巻。桑田健訳 (竹書房文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 7月3日刊 周浩暉『死亡通知書 宿命』 法で裁けない罪人に予告殺人を繰り返す〈エウメニデス〉とそれを追う敏腕刑事の羅飛(ルオ・フェイ)。ふたりの攻防が激化するなか、かつて街中の少女たちを恐怖に陥れたバラバラ殺人事件の真犯人が徐々に姿を現していく。華文ミステリ最高峰のシリーズ第二弾。大久保洋子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3080円)[amazon] 7月3日刊 ジョン・アシュトン『奇怪動物百科 新版』 ユニコーン、巨人、植物ヒツジ……アリストテレスもマルコ・ポーロも本気で信じた、へんな生き物大集合。図版100点以上収録。高橋宣勝訳 (ハヤカワ文庫NF 予価1430円)[amazon] 7月3日刊 ピーター・ヘラー『ラスト・サバイバー 上・下』 人類の大半が流感で死んだ世界。愛犬と孤独に暮らす男は、無線で何者かの声を聞く。希望を抱き、声の主を探しに旅へ。映画化原作。『いつかぼくが帰る場所』改題文庫化。堀川志野舞訳 (ハヤカワ文庫NV 予価各1210円)[amazon上・下] 7月3日刊 デイヴィッド・ベロス/アレクサンドル・モンタギュー『著作権全史 古代ギリシアからAI時代まで』 著作権が現代的な制度となったのは18世紀のロンドンだが、本書は、無形の「アイデア」を「所有できる」という著作権の基礎となる考え方が、どのように生まれ、広がってきたのかを、古代ギリシアやルネサンス期イタリアから、現代までの歴史を辿り、明らかにする。さらに、20世紀後半に起きた、いくつかの些細な制度変更によって、文化的な共有財産の新たな「囲い込み」が生み出され、無形の財の所有権が、有力な大企業などのきわめて少数の主体に独占されることになった現代の状況にも強い警鐘をならす。知財実務に詳しい弁護士と比較文学の教授のコンビが描く、ユニークな文化史・法制度史・グローバル史。小佐田愛子訳 (作品社 予価3520円)[amazon] 7月上旬予定 アレクサンドル・デュマ・フィス『戯曲版 椿姫』 虚飾と歓楽の中に生きる娼婦マルグリット・ゴーティエは、青年アルマンの真摯な恋に出会い、はじめて幸福を知る。しかし、淪落の身に注がれる世間の冷たいまなざしは、その愛を許さない。破産と恥辱と嘘だらけの世界に華開く、真実の愛。世界中で愛される名作小説の、作家本人による戯曲版。大竹仁子・三木原浩史訳 (水声社 予価3300円) 7月6日刊 ジリアン・マカリスター『バスカヴィル作家の最終便』 育休を終えた文芸エージェントのカミラ(キャム)が、娘を保育園に初登園させ、職場に復帰する日の朝、夫が謎のメモを残して姿を消した。そして午後、ロンドン市内で銃を持った男が3人を人質にした立てこもり事件が起きる。キャムを訪ねた警察は、立てこもっているのはルークだと告げる。現場に駆けつけたキャムは、人質交渉人から夫の説得を依頼されるが、そこに銃声が轟き……。 (小学館文庫 予価1364円)[amazon] 7月7日刊 クラリッセ・リスペクトル『星の時』 ロシア内戦下ウクライナに生まれた「ブラジルのヴァージニア・ウルフ」によるひとりの女への大いなる祈りの物語。日本翻訳大賞受賞。福嶋伸洋訳 (河出文庫 予価990円)[amazon] 7月7日刊 内田百閒『ツィゴイネルワイゼン 百閒怪異作品集』 映画『ツィゴイネルワイゼン』の原作となった名作「サラサーテの盤」をはじめ、百閒の幻想世界を味わう小説・随筆23作品を収録。「文豪怪異シリーズ」第15弾。東雅夫編 (平凡社ライブラリー 予価2090円)[amazon] 7月7日刊 ヒロシニコフ『ホラー映画超近現代史 恐怖が映す時代の不安と欲望』 拷問ホラー、POV/モキュメンタリー、ソーシャル・スリラー、アートハウス・ホラー、フェミニズム・ホラーほか、2000年代以降の潮流を網羅した〈現代ホラー完全ガイド〉。 (DU BOOKS 予価3300円)[amazon] 7月8日刊 ジークムント・フロイト『フロイト、不安について語る』 わたしたちは誰もが不安になる。不安を覚えないでいることのできる人はほぼいない。フロイトは、そんな病理としての不安に注目し、不安が生まれるメカニズムを独自の視点で捉え、解明を試みた。個人的な問題としてだけでなく、文明論的な見地からも考察を深めたフロイトならではの不安論。不安神経症、不安ヒステリー、強迫神経症などの症例を取り上げた代表的な5つの論文(『精神分析入門』の講義も含む)を収録。中山元訳 (光文社古典新訳文庫 予価1386円)[amazon] 7月8日刊 日影丈吉『仮面紳士 ハイカラ右京探偵全集 探偵くらぶ』 異色の推理小説作家として知られる日影丈吉の創造した名探偵ハイカラ右京の作品集。明治初期、文明開化の波に揺れる日本で、山高帽に針のような口髭、鹿革の手袋に細身の杖という洋装で、元国際スパイとも噂される「仮面紳士」のハイカラ右京こと右京慎策が難事件を次々と解決する。日下三蔵編 (光文社文庫 予価1540円)[amazon] 7月9日刊 ホリー・ジャクソン『余命一週間の探偵として』 ハロウィーンの夜。27歳のジェットは、何者かに殴打されて意識不明となってしまう。2日後に目覚めたものの、医師によると、脳内には確実に動脈瘤が形成されると考えられ、いずれ破裂して死に至るという。手術はほぼ不可能。余命1週間を宣告されたジェットは死ぬまでに犯人を見つけると誓い、幼なじみのビリーと調査を始める。究極のタイムリミットに挑む主人公を描く、『自由研究には向かない殺人』の著者による犯人当てミステリ。服部京子訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 7月9日刊 アンブローズ・ビアス『ビアス怪奇幻想譚 この世の理を超えて』 〈論創海外ミステリ〉“日常”を装った“非日常”に潜む不思議の数々。〈怪奇と幻想の魔術師〉が色鮮やかに描き出す奇妙な物語を集めた短篇集 Can Such Things Be? の新訳。三浦玲子訳 目次 (論創社 予価3300円)[amazon] 7月9日刊 クエンティン・タランティーノ『おれの映画人生』 『ブリット』『ゲッタウェイ』『ローリング・サンダー』『組織』……愛する映画をゴシップやトリビアも交えて語りつくす自伝&映画論。鈴木恵訳 (文藝春秋 予価4620円)[amazon] 7月9日刊 M・C・ビートン『アガサ・レーズンと豆の木の巨人』 村の素人劇団で事件発生! 無残な姿で発見されたパン屋の男は、どうやら、家族のなかでも、村人の間でもさまざまな噂があり……。羽田詩津子訳 (原書房/コージーブックス 予価1650円)[amazon] 7月9日刊 ソン・ウォンピョン『三十の反撃』 矢島暁子訳 (祥伝社文庫)[amazon] 7月10日刊 チャールズ・H・フォート『呪われし者の書』 空中の怪光体、黒い雨、落下する氷塊、三角形の雲、不可解な古代遺物、消滅する人間、正体不明の怪物、失われた惑星……世界中の不可思議事象を満載し、読む者すべての驚異と興奮と思索を誘わずにおかぬ、超常現象研究の金字塔的著作、ついに邦訳なる。南山宏訳 (国書刊行会 予価5500円)[amazon] 7月10日刊 マリオ・プラーツ『イタリアの光と闇Ⅱ 薔薇色のユートピアを求めて』 〈碩学の旅〉永遠の都ローマを知り尽くした碩学が、イタリアを北から南へ美しく輝く景に映る闇の中の光を愛で、何気ない街や人や事象に秘められた、時空を超えた深い歴史的意味と栄枯盛衰への哀悼と芸術的精華を語る、珠玉のエッセイ集。金山弘昌・新保淳乃 訳編/石井朗企画構成 (ありな書房 予価3960円)[amazon] 7月13日刊 ガブリエル・ガルシア=マルケス『エレンディラ 新版』 ガルシア=マルケスの代表的短篇集。改訂し、詳細な解説を付した新版。6つの短篇と中篇1つを収録する。鼓直・木村榮一訳 (ちくま文庫 予価990円)[amazon] 7月13日刊 ルネ・デカルト『世界論』 世界は何によって出来ているか? デカルト哲学の起点となった自然学。本書はその全体像を著した重要著作である。懇切丁寧な解説と資料を完備。山田弘明訳 (ちくま学芸文庫 予価1540円)[amazon] 7月13日刊 蓮實重彦『『ボヴァリー夫人』論 増補決定版 上・下』 どこまでもその「テクスト的な現実」に即して『ボヴァリー夫人』を読解すること――。それによって作品は驚くほど豊かな相貌を見せることになろう。 (ちくま学芸文庫 予価各2090円)[amazon上・下] 7月13日刊 トルクァート・タッソ『タッソ 解放されたエルサレム』 16世紀イタリアの詩人タッソの代表作にして、イタリア文学・ヨーロッパ文学史上に輝く長編叙事詩。敵味方を超えた愛、英雄たちの戦い、魔女の誘惑 …… 歴史と幻想を織り交ぜ、絵画や舞台芸術にも大きな影響を与えた全20歌を本邦初の全訳。詳細な訳註・解題を付し、臨場感あふれる図版とともに、平明な散文訳で刊行。水野留規訳 (名古屋大学出版会 予価9900円)[amazon] 7月14日刊 コレージュ・ド・パタフィジック編『101語でわかるパタフィジック』 天才芸術家の発明は、どのように前衛集団に継承されたのか? おおよそ100語で、その歴史と戦略をユーモアたっぷりに振り返る。合田陽祐訳 (白水社/文庫クセジュ 予価1760円)[amazon] 7月15日刊 フリーダ・マクファデン『ハウスメイド3 最後の秘密』 ふたりの子供とともに幸せな生活を送るミリー。だがある日、隣人ローウェル家のハウスメイドが何かにおびえているのを発見し……。高橋知子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1430円)[amazon] 7月15日刊 qntm『反ミーム部門は存在しない』 反ミーム、それは相手の記憶・記録から自らを消し去る不可解な存在。人類を守るため密かにこの脅威と対峙し続ける秘密組織を描く。鳴庭真人訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1750円)[amazon] 7月15日刊 馬伯庸『ドラゴン・メトロ 地龍鉄道』 唐の都、長安。その地下では無数の巨龍が鎖に繋がれ、まるで鉄道のようにトンネルを翔け回りながら都の住民を運ばされている。だがその裏では龍の苦痛と怨念により、大いなる災厄が招来されていた。大空を夢見る少年ナタは龍と共に、自由を求め戦い始める。大恵和実訳 (早川書房 予価2750円)[amazon] 7月15日刊 松田隆美 編著『西洋中世写本の歴史と鑑賞 写本・初期印刷本を愉しむための手引き』 総論・本を形づくる要素の解説・具体例の三部構成で、どこに注目して鑑賞すればよいかを、書物史と美術史の両面から紹介する。駒田亜紀子・徳永聡子・池田真弓 共著 (白水社 予価4290円)[amazon] 7月17日刊 クリストファー・イシャウッド『シングル・マン』 1962年冬のある朝、一人目覚めたジョージ。58歳、大学教師、英国生まれ米国西海岸暮らし。長年の恋人ジムは一年前に自動車事故で逝った。喪失、老化、孤独……人間はどこまでも一人。しかし〈シングル〉のささやかな日常を、今日もジョージは生きる。キューバ危機直後のロサンゼルスを舞台とする、作家の代表作。真野泰訳 (岩波文庫 1001円)[amazon] 7月17日刊 ベルトルト・ブレヒト『聖ヨハンナ 奈落への道行き』 本当の救いとはなにか? 善行を積めばよいのか? ブレヒト(1898-1956)が世界恐慌期に放った「叙事的演劇」の傑作。資本主義経済が労働者を搾取しつくす現実に、宗教や道徳を掲げる純真なヨハンナが挑む。果たしてその行方は――行動なき善の限界と、真の変革とはなにかを鋭く問いかける。酒寄進一訳 (岩波文庫 935円)[amazon] 7月17日刊 馮夢龍 選『花魁と油売り 明代人情小説集』 明代、蘇州の文人、馮夢龍が編集刊行した「三言」と総称される短篇作品集は『水滸伝』『西遊記』と並ぶ中国白話文学の代表作。古今の帝王から庶民に至るまで、種々様々な物語を見ることができる。計120篇から、講談・落語の「紺屋高尾」の原案「花魁と油売り」等、心動かす人情噺7篇を挿絵と共に収録。大木康 編訳 (岩波文庫 1364円)[amazon] 7月17日刊 ガリレオ・ガリレイ『天文対話 上』 リレオの集大成的著作。天体の運動を物理学的に考察した本書により、古代以来の神学的・哲学的な宇宙観が打破され、コペルニクスの地動説は理論的に立証された。宇宙の真理は数学で書かれるとの信念のもと、現象の奥にひそむ自然法則を解き明かさずにはおかない、ガリレオのあくなき探究心が世界をゆるがす。全二冊、新訳。田中一郎訳 (岩波文庫 1716円)[amazon] 7月17日刊 井波律子『中国のグロテスク・リアリズム 明代白話小説「三言」を読む』 恋あり、不倫姦通あり、殺人あり――中国明末、馮夢龍によって編まれた短編小説集「三言」には猥雑をきわめる生のエネルギーが過剰に奔騰する。盛り場から生まれた近世中国の語りの文学を縦横に読み解きながら、猥雑・哄笑・快楽・遊びの世界に生きるしたたかな市井人のエトスを描き出す。 (岩波現代文庫 予価1474円)[amazon] 7月20日予定 マーガレット・ミラー『歪んだ雪』 〈論創海外ミステリ〉柿沼瑛子・平岡扶佐子訳 (論創社 予価3520円)[amaon] 7月21日刊 ジャン・ハロルド・ブルンヴァン『消えるヒッチハイカー アメリカの都市伝説とその意味』 〈キイ・ライブラリー〉いつのまにか車内から消えているヒッチハイカー。カップルの車に忍び寄る鉤手の男。乾かすために電子レンジに放り込まれた猫の末路。テイクアウトのフライドチキンを食べたカップルを襲った衝撃。ニューヨークの下水に棲みつく元ペットの恐怖――現代アメリカ社会で「これは実際にあったことなんだけどね……」という前置きで語られ、物語風に仕立てられたりアレンジされて流布され続ける「都市伝説」研究の基本的文献が新訳で復活。満園真木訳 (東京創元社 予価3080円)[amazon] 7月21日刊 トーマス・クヌーヴェア『グデリアの死んだ家』 ドイツ全土を襲った暴風雨が、ウンターリンゲンの村に洪水となって押し寄せる。村人が避難する中、ひとり暮らしの自宅から出るのをかたくなに拒む81歳の老婦人グデリアは、深夜に家の前を流れ去る男女の死体を目撃する。40年前に息子を喪って以来人が変わり、家に固執するようになったグデリア。村に甚大な被害をもたらした洪水が引いたあと、彼女を待ち受けていたのは……? ドイツのミステリ文学賞二冠に輝く衝撃作。安原実津訳 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 7月21日刊 P・J・フィッツシモンズ『斜陽館殺人事件』 伯父、転落死。見えざる手により、投げ落とさる――。ロンドンの紳士倶楽部で余暇を過ごしていたアンティは、英国貴族の末裔である友人から電報を受け取り、一族の城館へやってきた。現場は塔の書斎。転落の直前、書斎からは争うような物音が聞こえたにもかかわらず、鍵を破られた室内には誰もいなかった。さらに伯父の最後の言葉を聞いたという三人が、それぞれ奇妙に食い違う証言をし……。飄々たる名探偵が密室事件に挑む謎解きミステリ。中山宥訳 (創元推理文庫 予価1210円)[amazon] 7月21日刊 中野春夫編『娯楽文化のシェイクスピア歴史劇 芝居小屋における歴史の書き換え』 1590年代から1642年の劇場閉鎖まで抜群の集客力を誇るレパートリーであった英国史劇。権力側の歴史観をそのまま反復するのではない、シェイクスピア史実改変のありようを分析し、ラディカルな娯楽コンテンツとして作り替えられたシェイクスピア歴史劇の魅力に迫る。歴史劇受容の歴史や、歴史劇のテクストへの書き込みを論じるユニークな論も収録。 (北烏山編集室 予価4180円)[amazon] 7月21日刊 呼延雲『掃鼠嶺 廃駅を喰らう火群』 北京の西郊で女性を狙った「連続殺人事件」が発生、警察も手をこまねく中、学生だった呼延雲の推理により、周立平という高校生が容疑者として浮上、一件の殺人罪で収監される。10 年後、「掃鼠嶺」という地にある廃地下鉄駅付近で4体の焼死体が発見される。うち三体は子供のもので、激しい虐待の痕があった。容疑者として名前があがったのは、すでに出所していた周立平だったが……。阿井幸作訳 (二見文庫 予価2200円)[amazon] 7月22日刊 ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々2 少年園 新版』 第一次世界大戦前後、ヨーロッパの大変動期を舞台に若者たちの青春と悲劇を描く。時を超えて胸を打つ永遠の大河小説。山内義雄訳/野崎歓解説 (白水Uブックス 1980円)[amazon] 7月22日刊 梨 編『異界の断片』 ホラーの名手・梨が編む、異界にまつわるホラーアンソロジー。岡本綺堂や泉鏡花などの文豪の作品からインターネット上の怪異、論考まで、多彩な14篇を収録。 (平凡社 予価2090円)[amazon] 7月22日刊 小村雪岱画/真田幸治編『小村雪岱挿絵集2 都新聞連載・子母澤寛「突っかけ侍」より』 佐幕か勤皇か――幕末の中で揺れる男と女を活写。昭和9年(1934)の初出紙を克明に再現。初めて、その全挿絵206点を収めた一冊。連載時の「都新聞」演芸欄の題字とカットが雪岱の仕事だったという新情報も紹介。 (幻戯書房 予価3960円)[amazon] 7月22日刊 トーマス・マン『ヨゼフとその兄弟たち3 若いヨゼフ』 トーマス・マンの後期を代表する大長編小説『ヨゼフとその兄弟たち』。旧約聖書・創世記に基づく短い話から紡ぎ出された四部構成の壮大な物語の第三巻には、神の祝福を受けた族長ヤコブの寵愛を受ける主人公ヨゼフとそれに嫉妬する兄たちとの確執とその結末を描く第二部「若いヨゼフ」収録。佐藤晃一訳 (あいんしゅりっと 予価2750円)[amazon] 7月23日刊 松本清張『金庫 清張短篇レアセレクション 男性篇』 横領犯が秘匿した大金を奪うべく、互いを出し抜こうとする二人の貧乏青年(表題作)。旧子爵邸を買い取った前歴不詳の男が語る、建物にまつわる過去の因縁(「静雲閣」覚書)。嫉妬、疑惑、不信、復讐……いつの世も、男たちは騙し合い、競い合う。初書籍化作品一篇を含む、テーマ別文庫オリジナル作品集。 (中公文庫 予価1078円)[amazon] 7月23日刊 松本清張『氷雨 清張短篇レアセレクション 女性篇』 馴染客を若い後輩に奪われそうになった割烹料理屋の女(表題作)。報われぬまま夭折した画家である夫に脚光が浴びることを願う妻(「紙碑」)。岐路や窮地に立った時、彼女たちがとった行動は……。名手・清張の腕が冴えわたる、初文庫化など清張の珍しい短篇をテーマ別に精選した、文庫オリジナル作品集。 (中公文庫 予価1078円)[amazon] 7月23日刊 ジャン=ジャック・ルソー『社会契約論』 「最初の社会」から論じて、社会契約による正しい統治のあり方を喝破した民主主義の聖典。作田啓一訳/解説 川出良枝・髙山裕二 (白水Uブックス/思想の地平線 予価1540円)[amazon] 7月24日刊 サマンサ・ハーヴィー『軌道から』 〈ハヤカワ・プラス〉地球軌道上にある国際宇宙ステーションで6人の飛行士たちが任務にあたっている。地上から届いた母の死の報せに悲しむ日本人飛行士。壊れかけた結婚に向き合うもう一人の飛行士。母なる大地から離れていても、彼らの人生は続いていく。2024年ブッカー賞受賞作。小澤身和子訳 (早川書房 予価2750円)[amazon] 7月24日刊 ベンジャミン・スティーヴンソン『幕が上がれば誰かが誰かに殺される』(仮) 小さな町での連続殺人。容疑者は6人。手がかりはすべて、目の前に――ハマる人続出!〈信頼できる語り手〉によるシリーズ第3弾。富永和子訳 (ハーパーBOOKS 予価1100円)[amazon] 7月27日刊 イワン・コトリャレウシキー『エネイーダ』 〈ルリユール叢書〉18世紀末、ウクライナの詩人コトリャレウシキーが、古代の英雄をコサックに見立てた『アエネーイス』のパロディにして、帝政ロシア支配下で失われゆく民衆の自由な世界と風俗を笑劇風に活写した叙事詩『エネイーダ』――近代ウクライナ文学の嚆矢たる記念碑的作品を本邦初訳。上村正之訳 (幻戯書房 予価7480円)[amazon] 7月28日刊 A・M・バレイジ『誰かがいる部屋 A・M・バレイジ怪談傑作集』 英国怪奇短篇の名手バレイジ初の邦訳作品集。「違う駅」「遊び相手」他、多彩な13篇を厳選。植草昌実編訳 (新紀元社 予価2970円)[amazon] 7月28日刊 中上健次編『駱駝の目玉 韓国現代短編小説』 日本文学の巨匠が編んだ伝説のアンソロジーを復刊。ハン・ガンの父ハン・スンウォンや世界的作家ファン・ソギョンはじめ巨匠たちの若き生命力あふれる作品群。 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] 7月28日刊 J・D・サリンジャー『サリンジャー初期短篇全集』 一目惚れをした男が投獄されるユーモラスなアンチ・ラブストーリー、戦争の気配が色濃くなる時代の若者たちを活写した傑作など、サリンジャーの原点とエッセンスが詰まった初期全作品集。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 7月28日刊 木石岳『ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論』 なぜ、あの音は怖いのか? 無調、反復、無音……ホラー映画にひそむ現代音楽の手法を解剖し、恐怖を鳴らす「音」の正体に迫る。 (白水社 予価2420円)[amazon] 7月28日刊 キャンディダ・モス『神のゴーストライター 聖書を作った古代ローマの奴隷たち』 古代ローマ時代、文書や文芸作品の制作には、さまざまな形で奴隷がかかわっていた。新約聖書や外典に残るその痕跡を考察する。標珠実訳 (白水社 予価4180円)[amazon] 7月29日刊 D・V・ビショップ『祈りと憤り』(仮) 熊谷千寿訳 (新潮文庫 予価1320円)[amazon] 7月29日刊 ジュンパ・ラヒリ『ローマ物語』 郊外の貸別荘の管理人一家の娘は、束の間の田舎暮らしを楽しんだ客が去ったあとの部屋で、思いがけないものを見つける。大邸宅で開かれた妻の友人のパーティを訪れた男は、見知らぬ女性と交わした断片的な会話に取り憑かれ、再会を待ち望むようになる。親友の恋人からの「ダンテ・アリギエーリ」という差出人名の手紙を受け取った少女の初恋とその後の人生。家族との隔たり、友人関係の変容、余所者への視線……。短篇小説の名手ラヒリがイタリア語で書いた9篇の苛烈で愛おしい人間ドラマ。中嶋浩郎訳 (新潮社 予価2365円)[amazon] 7月30日刊 エドワード・ドルニック『恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語』 19世紀のイギリス。産業革命で掘り返されるようになった土中から、六千年前と考えられていた天地創造より古い、異形の動物の化石が発見される。未知の“恐竜”はどのように発見され、その存在と当時の世界観はいかにして折り合いをつけられたのか。貧しい女性化石ハンター、風変わりな地質学者、最も尊敬かつ軽蔑された科学者の物語を軸に、その過程をスリリングに描く。『ヒエログリフを解け』の著者による傑作ノンフィクション。杉田七重訳 (東京創元社 予価3520円)[amazon] 7月30日刊 エドワード・ケアリー『劇場の子イーディス・ハラー 上・下』 わたしは十三歳の女の子、イーディス・ハラー。このハラー劇場で生まれ育った。ある呪いのせいで、わたしは一歩も劇場から出ることができない。でも、本や町の資料を読んで、このノリッジの町を、世界を旅している。やがて、町の古今の資料を片っ端から読んでいくうちに、わたしはこの町の恐ろしい秘密に気がつき、町の人々に知らせるため芝居に書くことにする。その頃、大好きなお父さんがある女性と再婚すると聞かされるが……。『堆塵館』著者が再びおくる、少女と劇場と町の奇怪な物語。古屋美登里訳 (東京創元社 予価各3520円)[amazon上・下] 7月30日刊 シャルロッテ・リンク『孤独な夜 上・下』 スカボロー署で新任の女性上司のもと、新たな事件に向き合うケイト。彼女は婚活会社に申し込んでいたのだが、そこに登録していた女性が惨殺された。現場からは9年前のある少年をめぐる事件現場に残されていた指紋と同じ指紋が検出され、ケイレブがその事件を担当していたと知ったケイトは彼を訪ねる。いじめられていた少年は事件後、植物状態となっていた。いじめ、執着、複雑な人間関係……。そしてケイトとケイレブの関係の行方は? 浅井晶子訳 (創元推理文庫 予価各1540円)[amazon上・下] 7月30日刊 谷崎潤一郎『乱菊物語』 戦乱の室町時代、瀬戸内の美しい海と島々を背景に、絢爛たる伝奇絵巻が開く。播州の太守赤松家と代官浦上家の確執に端を発し、両家の侍が京を駆け巡る狂騒の美女捜し。御家騒動には絶世の遊女かげろう御前、幻術を以て翻弄する幻阿彌法師、果ては謎に包まれた海龍王までが姿を現す――史実や伝説をまじえて文豪が悠揚たる筆致で読者を誘う、奇想と幻想に彩られた永遠に終わることなき物語の愉楽。谷崎文学の隠れた山嶺がここに甦る。 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 7月30日刊 アンリ゠フレデリック・アミエル『人生について 日記抄』 トルストイをして「生命、知恵、教訓、慰安」にみちた「最上の書物のひとつ」と言わしめた哲学教授アミエルの日記、そのエッセンス。土居寛之 編訳 (白水Uブックス/思想の地平線 予価1650円) [amazon] 7月刊 中野善夫『積読の流儀』 「本を買え、天に届くまで積み上げろ。」「本は今買え、すぐ買え、迷わず買え。」「読まない本が増えることを怖れるな。」――ダンセイニのユーモア、百閒の能天気、芥川の懊悩、バッハの移り気、漱石の無鉄砲、金魚の野放図を彷彿とさせるフィクショナルな自己啓発エッセイ。目次 (国書刊行会 予価3850円)[amazon] 7月30日予定 E・C・ベントリー&ワーナー・アレン『トレント自身の事件』 〈論創海外ミステリ〉有名な慈善家ランドルフが殺された。肖像画家フィリップ・トレントの親友フェアマンは、自白書を残して自殺を図るが、叶わずに逮捕されてしまう。トレントは友人の無実を信じて調査に乗り出すが、次々と怪しげな人物が現れ、ランドルフの息子を名乗る人物まで飛び込んできた。はたして犯人は誰なのか。やがてトレント自身も事件の渦中へと呑み込まれていく。 金井真弓訳 (論創社 予価3850円)[amazon] 7月刊 石橋正孝『ミシェル・ビュトール』 〈知の革命家たち〉 (水声社 予価2200円) 7月刊 塚原史『トリスタン・ツァラ』 〈知の革命家たち〉 (水声社 予価2200円) 7月刊 ヴィクトル・シクロフスキー『エイゼンシテイン』 (水声社 予価6600円) 7月下旬予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第6巻 地方生活情景**』 『ピエレット』『トゥールの司祭』『ラ・ラブイユーズ』を収録。訳 (水声社 予価9900円) 7月下旬予定 ミシェル・ビュトール『サン・マルコ寺院の描写』 (水声社 予価2750円) 7月下旬予定 シドニー=ガブリエル・コレット『コレットの地中海レシピ 新装版』 村上葉訳 (水声社 予価2200円) 7月下旬予定 ミハイル・バフチン『バフチン全著作 4』 伊東一郎訳 (水声社 予価13,200円) 7月予定 アルノ・シュミット『レヴィアータン』 〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳 (水声社 予価2200円) ▼8月予定 8月4日刊 シャーロット・マコノヒー『野生の暗き岸辺』 気候変動の激化する近未来、水没が迫る亜南極の孤島に棲むソルト一家と研究者たち。ある日、激しい嵐のあとで一人の女性が島の海岸に打ち上げられた。この女性は一体だれなのか。謎の女性ローワンがソルト一家の秘密を暴くとき、押し込められていた過去が動き出す。エドガー賞最終候補のオーストラリア・ミステリ。高橋尚子訳 (小学館文庫 予価1364円)[amazon] 8月5日刊 M・W・クレイヴン『ブラッディダイスの殺人 上・下』 英国全土で連続狙撃事件が発生。犠牲者は17人にのぼるも犯人の手がかりはなく、ポーとティリーは国家犯罪対策庁に呼び戻されるが……。東野さやか訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1100円)[amazon上・下] 8月5日刊 ウィリアム・ギブスン『フューチャーマチック 新版』 歴史の大転換を生む結節点の到来が迫るなか、謎を解く鍵となる腕時計「フューチャーマチック」をめぐり人々は〈橋〉へ集結する。浅倉久志訳 (ハヤカワ文庫SF 予価2310円)[amazon] 8月5日刊 ジョン・ブロウンロウ『アサシン18』 世界一危険な元殺し屋を撃ったのは、暗殺者ではなく寡黙な少女だった。彼女の背後に潜む巨大な陰謀を追い、男は再び死地へ向かう。武藤陽生訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1760円)[amazon] 8月5日刊 サマンサ・ソット・ヤンバオ『ウォータームーン』 東京の路地裏にあるその質屋は異界に通じ、人生に迷う者だけが訪れる。ハナが質屋を父から継いだ初日の朝、店は荒らされ、父の姿が消えた。店にやってきた客のケイシンとともに、ハナは水たまりに飛び込み、父を探してその先の不思議な空間を旅することに――。金井真弓訳 (早川書房 予価3410円)[amazon] 8月5日刊 ヴィルジニー・デパント『愛すべきゲス野郎へ』 性加害の告発を受けた作家オスカーは、フェミニストとして知られる俳優レベッカとメールの応酬を始める。家父長制への違和感、ドラッグやSNSへの依存、家族との距離をめぐって言葉は激しさを増し、ふたりの関係は思わぬ形に――現代の分断と対話を描く書簡体小説。齋藤可津子訳 (早川書房 予価3300円)[amazon] 8月5日刊 ウィリアム・ハッセー『名探偵ジェリコ』 容疑者とのトラブルで職を失い、無為な日々を送っていた元刑事のジェリコに、ある歴史家から奇妙な依頼が届く。150年前に起きた旅芸人一座の溺死事件に見立てた連続殺人が進行中であり、それを調べてほしいというのだ。ジェリコは刑事時代のメンターの激励を受けながら、この怪事件に挑むが……。何もかもが奇妙で、グロテスクで、人工的な事件。その狙いは何か? そして犯人は? イギリス本格ミステリの新シリーズ第一作。 (文春文庫 予価1650円)[amazon] 8月6日刊 ウィリアム・シェイクスピア『真訳シェイクスピア四大悲劇 リア王』 原文を忠実に訳し、作品の背後の史実を読み解き、戯曲に込められた真実に近づいた翻訳として高い評価を得た「真訳」が遂に文庫化。石井美樹子訳 (河出文庫 予価990円)[amazon] 8月6日刊 細馬宏通『浅草十二階』 浅草凌雲閣、通称「十二階」。新聞、絵はがき、広告チラシ、写真にパノラマ、近代小説……さまざまなメディアを通して、関東大震災で失われた塔の実像が立体的に立ち上がる。待望の文庫化。 (河出文庫 予価1650円)[amazon] 8月7日刊 チェーザレ・パヴェーゼ『美しい夏』 20世紀イタリアを代表する作家、チェーザレ・パヴェーゼの代表作の一つ。舞台は1938年のトリノ。洋裁店でお針子として働く16歳の少女ジーニアは、3歳上の美しく自由な女性アメーリアと運命的な出会いをする。絵のモデルとなり、男性の前で裸になることもいとわないアメーリアのことが気になるジーニアは、彼女の男友達の画家に惹かれ……。少女から少しずつ大人になっていく青春の輝きと痛みを瑞々しく描いた作品。渡辺由利子訳 (光文社古典新訳文庫 予価1078円)[amazon] 8月7日刊 グギ・ワ・ジオンゴ『一粒の麦』 1963年、長く続いた植民地支配からの独立にわくケニア。独立を目指して激しい抵抗運動を繰り広げ、多数の犠牲者を出したザファイ村では、老若男女を問わず民衆の多くが心に傷を負っている。記念式典までの四日間を起点に、物語は過去と現在を行き来しつつ進む。闘争のさなかに処刑された村の英雄キヒカを裏切ったのは誰なのか――キヒカ逮捕の謎を中心に、さまざまな裏切りや疑念、迷い、罪の告白を、重層的な語りで描き出す。粟飯原文子訳 (光文社古典新訳文庫 予価1870円)[amazon] 8月7日刊 アレクサンドル・デュマ『モンテ=クリスト伯 3』 物語の舞台はついにパリへ。モンテ゠クリスト伯は、ローマで知り合ったアルベール・ド・モルセルフ子爵やマクシミリアン・モレルらとも合流し、社交界へ進出する。いまや男爵位にある仇敵ダングラールや司法官ヴィルフォールとも正体を隠して再会し、巨万の富と奇策で搦手から復讐の準備を整えていくのだった。前山悠訳 (光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon] 8月7日刊 『石原豪人 「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター』中村圭子編 昭和40年代、少年雑誌の「大図解」で活躍した伝説のイラストレーター石原豪人の50年に及ぶ画業が一冊に。好評既刊の増補版。 (河出書房新社 予価2090円)[amazon] 8月9日刊 マイケル・ウェンドロフ『史上最悪の相棒』 行動派のジャックと知能派のジル――相性最悪の刑事が連続殺人事件でバディを組む。捜査は意外に順調に見えたが、FBIに妨害され、メディアからも叩かれてしまう。新たな被害者も現れ、二人の仲はさらに険悪に。単独で行動するジャックが何者かに狙われ……。黒木章人訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価2970円)[amazon] 8月10日刊 洪凌『混沌輪舞』 “魔王陛下” 汨韃胴の「至高なる墜落」によって、超越界と人の世の境界が崩れ去った〈南天超銀河〉。そこには、あまりの美貌ゆえに衆生の欲望の標的となり、受刑の祭壇でさえ夢遊病者のような微笑を浮かべる “残陽の法師” 司徒睚の姿があった……。台湾クィア小説第一人者が贈るスペースオペラとポストヒューマンを融合させた壮大な物語。華文SF・ファンタジーの金字塔。立原透耶訳 (新紀元社 予価3080円)[amazon] 8月15日予定 ハリー・スティーヴン・キーラー『マルソー事件の真相 上・下』 〈論創海外ミステリ〉福森典子訳 (論創社 予価各3740円)[amazon] 8月19日刊 チャーリー・イングリッシュ『CIA禁書密輸作戦 冷戦を終結させた1000万冊』 冷戦期のポーランド。CIAは、ハンナ・アーレント、ジョージ・オーウェルといった作家たちの「禁書」を密輸する作戦を実施する。本に心を揺さぶられた人々の抵抗は、やがて東西対立に大きな風穴を空けていく。言葉や読書が持つ力を改めて感じさせる、迫真の実話。濱野大道訳 (早川書房 予価3520円)[amazon] 8月19日刊 エリザベス・ストラウト『海辺のルーシー』 コロナ禍でNYを離れ、元夫とともにメイン州へ身を寄せたルーシー。思いがけず始まった共同生活は、これまで言葉にできなかった思いや、消えない痛みを浮かび上がらせ、二人の関係を変えていく──人が誰かと生きることの不確かさと切実さを描く新たなる傑作。小川高義訳 (早川書房 予価3300円)[amazon] 8月20日刊 カミラ・グルドーヴァ『楽園の子どもたち』 ようやく得た職場は、前任が5日で精神を病んだという、古い映画館〈パラダイス〉。英語圏で最も注目を集める作家の鮮烈長編作。上田麻由子訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 8月24日刊 ホープ・リース『毒殺村のエンジェルメーカー 妻たちによる史上最大の「夫殺しカルト」』(仮) 1910₋20年代、ハンガリーの寒村で起きた300人以上の集団殺人。なぜ妻たちはヒ素を用いて夫を殺害したのか。圧巻のノンフィクション。広瀬恭子訳 (河出書房新社 予価2310円)[amazon] 8月27日刊 マリア・レヴァ『絶滅者たちの国』 独身男大量誘拐事件のさなかに起きた、ロシア軍のウクライナ侵攻。絶滅危機の国と種をめぐる、ダークなユーモアの傑作長篇。山北めぐみ訳 (河出書房新社 予価5280円)[amazon] 8月30日予定 ブライアン・フリン『闇夜に響く』 〈論創海外ミステリ〉荒野に鳴り響く喇叭の謎。英国式本格ミステリの長編を初邦訳。松尾恭子訳 (論創社 予価2860円)[amazon] 8月31日刊 余兒『九龍城砦3 終章』 龍捲風亡き後、九龍城砦を護る〈龍城幫〉の龍頭となった信一。だが、かつての龍捲風の旧友、狄秋は信一の龍頭就任をよしとせず、最凶の男・雷公子と手を組む。かくして勃発した香港を巻き込む死闘に、洛軍と信一は勝利できるのか。《九龍城砦》三部作完結篇。よしだかおり・光吉さくら・ワン チャイ訳 (早川書房 予価5500円)[amazon] ▼9月以降予定 9月予定 Martin Edwards《The Classic Crime Companion》 クラシックミステリの名作ガイド《The Story of Classic Crime in 100 Books》の増補改訂版。(対象作品は100作→125作に拡大) (British Library Publishing)[amazon] 10月15日刊 パク・ワンソ『親切な福姫さん』 〈韓国文学クラシックス〉市井に暮らす人の感情を描き数々のベストセラーを生んだ「韓国文学の至宝」であり、韓国フェミニズム文学の先駆者。最初期から遺作まで、生きるエネルギーと哀しみに満ちた怒涛の作品群。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 11月4日刊 アン・ラドクリフ『イタリア人、あるいは黒悔悛会の懺悔室』 『ユドルフォ城の怪奇』に比肩する、ゴシック・ホラーの傑作にして探偵小説の源流。半世紀ぶりの新訳刊行。三馬志伸訳 (作品社 予価5940円)[amazon] 2027年1月予定 イ・チョンジュン『虫の話』 〈韓国文学クラシックス〉戦争というミステリーを追求した巨匠中の巨匠。イ・チャンドン監督により映画化された表題作を初めとした魅惑の物語。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 2027年4月予定 イ・ホチョル『副市長は馬山に赴任しない』 〈韓国文学クラシックス〉分断のマジック・リアリズム。戦争捕虜として北朝鮮から韓国へ渡り、その後生涯をかけて故郷喪失を書き続けた作家のベスト作品集。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 2027年10月予定 オ・ジョンヒ『銅鏡』 〈韓国文学クラシックス〉社会や家族のなかでもがきながら生きる女性の姿を描き、韓国文学を世界へと拓いた作家。女性文学の金字塔であり短編文学の頂点。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] 2028年1月予定 ユン・フンギル他『九足の靴で居残った男』 〈韓国文学クラシックス〉戦争の予感を生きる。現代にいたる韓国の土台をめぐるメルクマール的作品を集めたアンソロジー。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] ▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう) ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮) 現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳 (竹書房文庫 予価1540円)[amazon] Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。 |