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注目の近刊
9月17日刊 ジェフ・ライマン『オムニセクシュアル ジェフ・ライマン傑作選』 世界は受精する――武器を妊娠する女、他人の子を孕んだ男。記憶と歓び、土地の痛み、肉塊から抉り出される濡れた希望の物語。ポストコロニアルSFの最高傑作「征たれざる国」「ポル・ポトの美しい娘」が蘇る。さらに「バース・デイズ」「あの影が笑う」ほか多彩な作品を厳選する日本オリジナル傑作選。鯨井久志編訳/中村融・古沢嘉通訳 ◇海外SF叢書〈オムニフィクション〉刊行開始 内容 (国書刊行会 予価3300円)[amazon] 9月17日刊 ヘンノ・マルティン『ナミブ砂漠のロビンソン・クルーソー ナチスから逃れた地質学者二人と犬一匹』 第二次世界大戦下、ナチスの台頭を憂慮する地質学者のヘンノとヘルマンは、戦争を忌避し、砂漠に逃亡して生き延びることを選ぶ。自給自足生活の困難な日々、大自然と生き物たちの力強い姿を描き、戦争と破壊の時代に「人間らしさ」を問う、実話に基づく驚きと感動のノンフィクション。赤坂桃子訳 (国書刊行会 予価3080円)[amazon] 9月17日刊 馮夢龍 撰 『白蛇の妖恋 明代怪異小説集』 蘇州の文人、馮夢龍が編集刊行した「三言」と総称される短篇作品集は『水滸伝』『西遊記』と並ぶ中国白話文学の代表作で、人間にまつわるあらゆる物語を網羅する。計120篇から、表題作をはじめ、『雨月物語』「菊花の約」の原作「命をかけた約束」等、魅力的な怪異譚8篇を集めた。「三言」の「序」も併録。大木康編訳 (岩波文庫 予価1276円)[amazon] 9月17日刊 カエサル『カエサル戦記集 アレクサンドリア戦記 他二篇』 表題作のほか、『アフリカ戦記』『ヒスパーニア戦記』を収録。前48年の宿敵ポンペイウス暗殺後も、反カエサル派との熾烈な戦いは続く。アレクサンドリア制圧とクレオパトラの王位継承、属州アフリカでのスキーピオーやヌミディア王ユバとの対決、ポンペイウス兄弟との最後の戦いなどを描く貴重な三作品、初の文庫化。高橋宏幸訳 (岩波文庫 1210円)[amazon] 9月17日刊 イマヌエル・カント 『啓蒙とは何か 他四篇』 啓蒙とは、人間が未成年状態から脱することである―― 『純粋理性批判』を発表したカントは、批判哲学に基づきつつ、現実世界への深い関心のもと、啓蒙、世界市民、道徳、法、歴史、宗教などを平明に論じた。理性的かつ普遍的に考えることの意味と可能性を、今なお問いかける代表的論考5篇を収録。待望の新訳。寺田俊郎訳 (岩波文庫 予価858円)[amazon] 9月17日刊 松岡和子『シェイクスピア 私はこう訳してきた 悲劇篇』 読めば、台詞の一言一言がより深く味わえる。全37作品を訳した第一人者による、目からうろこのシェイクスピア読本。 (筑摩書房 予価2420円)[amazon] 9月18日刊 ジェラルド・カーシュ『廃墟の歌声』 神の怒りに触れて滅んだという古代遺跡に響く物悲しい歌――奇想が思いも寄らぬ結末を迎える表題作を始め、第二次大戦の帰還兵を載せた船で出会った古い傷痕だらけの男が語る「クックー伍長の身の上話」、ワーテルローの戦いの前夜にあった知られざるもうひとつの戦いが語られる「テシエ大佐の惨憺たる騎行」――残酷とユーモア、いびつさとさみしさ、相反するものを結びつける語りの妙が存分に味わえる、本邦初訳作品を含む新編集の傑作選。好野理恵他訳 (創元推理文庫 1320円)[amazon] 9月18日刊 マイク・オマー『人質交渉人』 二人の子供を育てるアビー・マレンは、ニューヨーク市警の人質交渉人だ。ある日突然、知人のイーデンから助けを求める電話がかかってくる。8歳の息子を誘拐したと連絡があったという。犯人はイーデンに払えるはずもない500万ドルを要求。なぜこれほど高額な身代金なのか? アビーは犯人との交渉に乗りだすが……。言葉で犯罪者の心を捉えて事件解決へと導く巧みな交渉術と、緻密で予測不可能な展開に興奮必至。大注目のミステリ3部作開幕。西谷かおり訳 (創元推理文庫 予価1760円)[amazon] 9月18日刊 マーガレット・アトウッド『獄中シェイクピア劇団』 『テンペスト』の演出に心血を注いでいた舞台芸術監督フェリックスは、ある日突然、部下トニーの裏切りにより職を奪われた。失意のどん底で復讐を誓った彼は、刑務所の更生プログラムの講師となり、服役中の個性的なメンバーに、シェイクスピア劇を指導することに。12年後、ついに好機が到来する。大臣に出世したトニーの一行が視察に来るというのだ。披露する演目はもちろん『テンペスト』。フェリックスの復讐劇の行方は!? 天才シェイクスピアと現代文学界の魔女アトウッドの才気が迸る、奇跡のような物語の誕生。鴻巣友季子訳 (集英社文庫 予価1815円)[amazon] 9月18日予定 イーヴリン・ウォー『一握の塵』 〈エクス・リブリス・クラシックス〉トニー・ラストは荘園屋敷ヘットン・アビーで、美しい妻ブレンダ、幼い息子と共に満ち足りた生活を送っていた。しかし田舎暮しに退屈していたブレンダは、軽薄な若者ビーヴァーとロンドンで逢瀬を重ね、たちまち社交界のゴシップ好きの噂に。寝取られ男のトニーにはさらなる試練がふりかかり、結婚生活の破綻とその後始末は、彼を思いもよらぬ運命へと導いていく。辛辣な諷刺とスラップスティックな笑いを本領とするウォーが、冷徹なリアリズムへの傾斜と、日常に侵入するグロテスクなものへの関心を深め、独自の境地に達した最高傑作。小山太一訳 (白水社 予価3740円)[amazon] 9月18日刊 荒俣宏・武内孝夫『世界の恐怖怪談 復刻版』 H・P・ラブクラフト、レイ・ブラッドベリ、J・S・レ・ファニュ、フィリップ・K・ディック、リチャード・マシスン、M・R・ジェイムズなど、世界の怪奇小説38編を、大胆なダイジェスト形式で収録した贅沢な一冊。恐怖小説名作ガイドをはじめとするコラムやミニ知識も充実、恐怖絵画の図版多数。学研ユア コース シリーズの名作(1977)を復刊。内容 (復刊ドットコム 予価4290円)[amazon] 9月20日発売 大阪圭吉『防諜小説 海底諜報局』 戦前の探偵作家、大阪圭吉による防諜小説『海底諜報局』(昭和16年)を本文旧字旧仮名で復刊。函・カバー付上製本。函は大阪圭吉が自ら起こした熊谷書房版『海底諜報局』の函のデザイン稿を使用。カバーは熊谷書房版『海底諜報局』第3版のカバーデザイン本体。表紙は大阪圭吉の創作ノートに残された『海底諜報局』の表紙デザインで使用されなかったものをそれぞれ採用した限定100部特装版。 (盛林堂ミステリアス文庫 16,500円)※9/13予約受付開始 9月21日刊 松本清張『老公 清張短篇レアセレクション 古書・伝記篇』 殺人事件関係者が書き込んだ二冊の古書から見えてくる、事件の真相(「二冊の同じ本」)。作家の「私」が買い取った、明治の贋札事件解明の手がかりとなる大隈重信の手紙(「相模国愛甲郡中津村」)。偶然手にした古書が謎を解き、そして更なる謎を呼ぶ――初書籍化作品1篇を含む、書物と過去の謎をテーマにした文庫オリジナル短篇集。 (中公文庫 予価1078円)[amazon] 9月24日刊 新井潤美『アガサ・クリスティのイギリス』 ポワロやミス・マープルを生みだし、今も愛されつづける作家クリスティ。その作品には、古き良きイギリスとともに、移りゆく20世紀のイギリスが巧みに描き込まれている。カントリー・ハウスの住人たち、多様化するレジャー、使用人と階級文化、女性たちの生き方……。「ミステリの女王」の眼がとらえたイギリスの今と昔。 (岩波新書 予価1100円)[amazon] 9月24日刊 レベッカ・ヤロス『あの日出会ったときから』 ニューヨークの富裕な家庭に育ち、上院議員のチーフ・オブ・スタッフ補佐として働くイジーと、イリノイ州の農場出身で、貧困と父親からの家庭内暴力という複雑な生い立ちを持ち、レンジャー部隊を経て特殊部隊デルタフォースに選抜された実力者ネイト。異なる世界に生きる二人が、幾度の出会いと別れを繰り返しながら、互いを選び取るまでの物語。田辺千幸訳 (二見文庫 予価2090円)[amazon] 9月25日刊 ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々3 美しい季節 新版』 第一次世界大戦前後、ヨーロッパの大変動期を舞台に若者たちの青春と悲劇を描く。時を超えて胸を打つ永遠の大河小説。山内義雄訳/野崎歓解説 (白水Uブックス 予価2750円)[amazon] 9月25日刊 ジェニファー・クロフト『イレナ・レイの消滅』 ノーベル文学賞の有力候補であるポーランド作家イレナ・レイが新作長編を書き上げたという報に、彼女の作品を担当してきた各言語の翻訳者たちがポーランドの森に集まった。作家の住処で合宿をしながら新作を翻訳するためである。いつものことだったが、今回はどこかおかしかった。イレナの夫の姿はなく、作家本人の言動もどこか奇妙で、やがて「開封禁止」という謎のメールを残して、イレナは忽然と姿を消した――。翻訳者として活躍、国際ブッカー賞を受賞したジェニファー・クロフトが、ゴンブローヴィッチにインスパイアされて紡ぎ出した、言葉と創作と翻訳、謎と森と菌類をめぐる長編小説。越前敏弥・広瀬恭子訳 (文藝春秋 予価3960円)[amazon] 9月25日刊 クリス・ウィタカー『暗闇を描くすべての色 上・下』 生まれつき片目の無いパッチは誘拐事件に首を突っ込み、自身が誘拐されてしまう。地下壕の闇の中、パッチは少女グレースと出会い恋に落ちる。数週間後、パッチは助け出されるも、グレースは消息不明に。パッチは生涯をかけて彼女を見つけ出すことを誓うが……。鈴木恵訳 (早川書房 予価各2420円)[amazon上・下] 9月25日刊 齋藤孝『齋藤孝の読み解き乱歩 江戸川乱歩の「妖し」の世界』 『声に出して読みたい日本語』の齋藤孝が、江戸川乱歩の妖異怪異の世界を徹底解説。38作品を取り上げ、原作を紹介しながら、その魅力と読みどころをわかりやすく案内した入門書。 (春陽堂書店 予価2530円)[amazon] 9月25日予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第8巻 地方生活情景****』 地方で燻る、いまだ世に知られぬ文傑リュシアン・ド・リュバンプレ、社交界への野心を抱くバルジュトン夫人、発明に情熱を注ぐダヴィッド――。それぞれの幻影が、地方や大都会パリとの間で駆け引きと陰謀を巡らせ、社交界での浮沈、文壇での興亡を呼び起こし、そして各々儚く、無残に消え去っていく様を描く『幻滅』を収録。末尾には地方生活情景を眺める解説を付す。柏木隆雄訳 (水声社 予価13,200円) 9月26日刊 木石岳『ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論』 なぜ、あの音は怖いのか? 無調、反復、無音……ホラー映画にひそむ現代音楽の手法を解剖し、恐怖を鳴らす「音」の正体に迫る。 (白水社 予価2420円)[amazon] 9月28日刊 クレイ・マクラウド・チャップマン『愛するあなたに憑かれたい』 愛するサイラスを薬物の過剰摂取で失ったエリン。激しい自責の念に駆られた彼女は、もう一度彼に会いたい一心から死者の姿が見えるようになる薬物「Ghost」に手を染める。しかし、この薬には恐ろしい代償があった。それは生者と死者の世界の境界線を破壊し、一度でも向こう側を覗いてしまえば、もう元の日常には戻れない。ありとあらゆる場所でおぞましい死者たちの影が見え始め、彼女の精神を侵食していく──。入間眞訳 (竹書房 予価3300円)[amazon] 9月28日刊 マーク・ガレオッティ『組織犯罪の世界史 国家を動かしてきた「裏」の社会』 古代の盗賊団からマフィア、ヤクザ、麻薬カルテルにいたる「組織犯罪」の変遷を世界史の視点でたどる。「裏社会」と「表社会」の切っても切れない知られざる関係から、世界の姿を読み解く新たな視点を提示する。白須清美訳 (原書房 予価3300円)[amazon] 9月28日刊 『別冊太陽 印刷と文字の一五〇年』別冊太陽編集部 編 人類の知の基盤を支えてきた印刷と文字。明治期に発展した活版印刷術の魅力や書体開発のストーリー、さらにタイポグラフィによって発展してきたデザインの歴史を探る。 (平凡社 予価2750円)[amazon] 9月28日刊 ジャン・ラシーヌ『ポール゠ロワイヤル史概要』 〈ルリユール叢書〉フランス古典悲劇の巨匠ラシーヌが、若き日に学んだポール゠ロワイヤル修道院の改革と発展、およびそれに伴う王権や教会との軋轢の模様を、修道女や隠士らの内部資料から、静謐な筆致で描いた絶筆の歴史書。第一・第二部に異文、追記、議事録抜粋、自筆ノートを併録した新訳完全版。御園敬介訳 (幻戯書房 予価4620円)[amazon] 9月28日刊 備仲臣道編著『内田百閒大事典』 軍も大政翼賛会も文学報国会もアメリカも大嫌で、このとてつもなく気むずかしい、怪異を信じた作家をめぐるキーワードを、五十音順に解く。書いたこと・言ったこと・やったことから、内田家の人びと、桑原会の仲間、法政大学の教え子たち、漱石山房の先輩、俳句仲間、郷里岡山の友まで、人も物も、百閒をめぐる1434のキーワード。 (幻戯書房 予価4620円)[amazon] 9月29日発売 《思想》10月号 特集=〈魔術〉の世界 (岩波書店 2640円)[amazon] 9月29日刊 アルバ・ドナーティ『丘の上の本屋さん イタリアの180人の村で開いた小さな書店の記録』 人口わずか180人の村で一人の女性が書店を開いた。世界各国でベストセラーリスト入りを果たした、いま「本を読む」ことを問い直す書物への愛と信頼に満ちた、思索をめぐらせた151日間の記録。栗原俊秀訳 (河出書房新社 予価2640円)[amazon] 9月30日刊 ミシェル・フーコー『新訳版 監獄の誕生 監視と処罰』 権力は我々を飼いならしている。著者生誕百年、現代思想の名著ついに新訳。フランス革命を境に、社会や体制に反抗する者への刑罰は、支配者が権力を誇示する苛烈な身体刑から、監視と規律を基本とする「監獄」への収容へと変わっていく。それは支配や統治に柔順な個人を作る過程でもあった。権力の捉え方を一変させた記念碑的著作にして、AIなどによって高度化する統治下に生きる現代人の必読書。慎改康之訳 (新潮社 予価6490円)[amazon] 9月30日刊 都筑道夫『大偏見書見台 都筑道夫エッセー集成』 〈キイ・ライブラリー〉日本版EQMMの初代編集長にして幅広いジャンルで傑作をものした不世出の作家・都筑道夫は、稀代の論客でもあった。作家論を集成する第二巻には、久生十蘭、小栗虫太郎、江戸川乱歩、大坪砂男、野村胡堂らの作品に寄せた評論に加え、「奇想天外」に連載した縦横無尽のエンターテインメント時評「大偏見書見台」、岡本綺堂や半村良、サキ、ジョルジュ・シムノン、エラリー・クイーンの少年ものに寄せた解説再録など、単著未収録の評論・書評を多数収録。日下三蔵編 (東京創元社 予価4180円)[amazon] 9月30日刊 ケイト・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』 ウィットブレッド賞・コスタ賞受賞作家による、奇妙で野心的な物語集。千夜一夜物語のようでありながら、現実世界の不確実性を垣間見させてくれる、不思議な魅力溢れる一冊。猫を拾って可愛がっていたら、気がつくと巨大化してソファで足を組んで座り、テレビを見ている……そして? 真面目な青年と、悪さばかりする、彼のドッペルゲンガーの物語、事故で命を落とした女性が、死後もこの世にとどまり家族を見守り続ける話……等々、時空の裂け目にひきずり込まれるような、魔術的味わいの12の短篇。青木純子訳 (創元文芸文庫 予価1650円)[amazon] 9月30日刊 クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川 新訳版』 「隠された庭園」を求め、源氏の君の孫が時を超え無人の京を訪れる。ハンガリーのノーベル賞作家と日本文化の邂逅が生んだ異色作。上岡伸雄・甘利幸子・丸山カタリン訳 (ハヤカワepi文庫 予価140円)[amazon] 9月30日刊 マルコ・バルツァーノ『いつか家族に戻るとき』 〈新潮クレスト・ブックス〉母はなぜ国を離れて移民として働き、その家族は何を奪われてしまうのか。ダニエラは苦しい家計を支えるため、ルーマニアの僻村からミラノに出稼ぎに行った。子ども達の学費のために厳しいケア労働を続けるが、夫は出奔し、息子は学校でおちこぼれ、さらなる悲劇が一家を襲う……。移民女性一家の哀しみを描いた感動の家族小説。関口英子訳 (新潮社 予価2530円)[amazon] 9月30日刊 レイモンド・チャンドラー『レディー・イン・ザ・レイク』 行方不明となった妻を探してほしいとの依頼を受けたマーロウは、彼女が最後に立ち寄ったとされる湖に辿り着く。マーロウは湖底に揺らぐ白い腕をみた…….。戦争が色濃く影を落とすアメリカを背景にマーロウは次々と事件に巻き込まれてゆく。市川亮平訳 (小鳥遊書房 予価2420円)[amazon] 9月30日刊 大友克洋全集15『AKIRA 4』 ヤングマガジン連載の『AKIRA』の第43~57回を発表時のままの形で収録。特に中盤のネオ東京崩壊シーンは単行本化の際に構成し直され、連載版とはまったく別物になっている。 (講談社 予価3740円)[amazon] 9月予定 Martin Edwards《The Classic Crime Companion》 クラシックミステリの名作ガイド《The Story of Classic Crime in 100 Books》の増補改訂版。(対象作品は100作→125作に拡大) (British Library Publishing)[amazon] ▼10月予定 10月5日刊 ブライアン・フリン『闇夜に響く角笛』 〈論創海外ミステリ〉結婚間近の長男が姿を消し、荒野に不気味な角笛(ホルン)が鳴り響く。英国本格ミステリの長編を初邦訳。松尾恭子訳 (論創社 予価2860円)[amazon] 10月5日刊 ミュリエル・スパーク『ロビンソンの領土』 〈論創海外ミステリ〉1954年5月、アゾレス諸島に向かう飛行機が北大西洋の孤島に墜落し、乗客29人のうち26人が死亡した。運良く生き残った3人の男女は、島で隠遁生活を送るロビンソンという男の世話を受け、8月に訪れるという船を待ちながら、平穏な日々を送っていたが……。井伊順彦訳 (論創社 予価2640円)[amazon] 10月6日刊 スティーヴン・キング『ファイアスターター 上・下』 念力放火能力を持つ少女とその父を追う、政府政府諜報機関――。『炎の少女チャーリー』として二度も映画化されたキングの初期代表作が待望の復刊。深町眞理子訳 (河出文庫 予価各1078円)[amazon上・下] 10月6日刊 鮎川哲也編『猫のミステリー傑作選』 密室の鍵をにぎる猫、卵を生んだ猫、三毛猫ホームズ……名アンソロジストとしても知られる巨匠が選りすぐった、11の猫ミステリー。 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 10月6日刊 鮎川哲也編『犬のミステリー傑作選』 名犬、ノラ犬、忠犬、愛玩犬……いずれも狙った獲物、嗅いだ足跡、覚えた現場は忘れない。本格派の巨匠が精選した8編。 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 10月6日刊 テリー・ビッスン『数字は嘘をつかない 万能中国人ウィルスン・ウー短篇集』(仮) タイヤが無限に入る小屋、時間の逆行、待ち時間ゼロのニューヨーク。こんなSF的異常事態に対処するために必要なものはなんだと思う? 金? 権力? いいや、ちがう。ウィルスン・ウーのような、最高の友人だ。短篇の名手ビッスンによる、ウー(「数字は嘘をつかない」が口癖)とアーヴ(数字はよくわからない)のコンビが活躍する、ユーモアと奇想に満ちた万能数式SFシリーズ短篇集。中村融訳 (竹書房文庫 予価1100円)[amazon] 10月7日刊 イザベラ・マルドナード『暗号使いの影』 FBIのニーナは、少女殺害現場で暗号のような遺体の傷に遭遇する。それはかつてニーナを誘拐した犯人が彼女の体に残したものと同じだった。復讐を誓うニーナは心理分析官ウェイドと捜査に乗り出すが、「暗号使い」と名乗る人物から謎の文字列が送られ……。不二淑子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価2970円)[amazon] 10月7日刊 カーリン・スミルノフ『ミレニアム7 鉤爪に捕らわれた女 上・下』 娘の結婚式で北極圏の町を訪れたミカエル。そこには家族の因縁に導かれたリスベットの姿も。二人が遭遇する巨悪とは。新章開幕。山田文・久山葉子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1540円)[amazon上・下] 10月7日発売 《CRITICA》 Vol.21 創刊20年を迎えた探偵小説研究会の年刊誌『CRITICA』の第21号。特集は「追悼・西澤保彦」。その他の論考・研究として、千野帽子「おとぎ探偵の事件簿『赤ずきんには作者がいる』先行公開版」、琳「偶然ということ―「マリー・ロジェ」の謎」、波多野健「ホームズの「ロンドンの霧」とオスカー・ワイルド」、千街晶之「原作と映像の交叉光線(出張版)」、末國善己「ミステリ聖地探訪 海外篇1」を収録。 (論創社 2200円)[amazon] 10月7日刊 スコット・フィッツジェラルド『冬の夢』 〈村上春樹翻訳ライブラリー〉ベスト短篇と訳者が評す表題作など、若き日のフィッツジェラルドの小説五作をセレクト。カバーを和田誠オリジナル画にリニューアル。 (中央公論新社 予価1650円)[amazon] 10月7日刊 『クン・チャーン、クン・ペーン物語 タイの国民文学 3』 チェンマイ戦からクン・ペーン父子が凱旋。息子の結婚式で、悪酔いするクン・チャーンと息子が諍い、神明裁判ののち、収まるかに見えた事態は決定的な悲劇へと突き進む。全3巻完結。宇戸清治訳 (平凡社/東洋文庫 4840円)[amazon] 10月8日刊 ホルヘ・ルイス・ボルヘス『死と方位磁石 ボルヘス自選短編集』 ブエノスアイレスの場末を舞台に命知らずのチンピラたちを描く「バラ色の街角の男」、大戦下の欧州で真偽不明の書誌情報から暗殺事件の謎を探る「小道の分岐する庭」、推理小説風のストーリーに巧みなアイロニーと人間の運命をめぐる思索が織り込まれた復讐劇「エマ・マンツ」など、推理小説と幻想文学が融合した魅惑の世界を堪能できる9編。解説では、最新の伝記研究を踏まえ、神格化された作家の真実に迫る。寺尾隆吉訳 (光文社古典新訳文庫 予価990円)[amazon] 10月8日発売 『光文社古典新訳文庫ジャーナル2027』 光文社古典新訳文庫創刊20周年記念。2色刷りの年間・月間カレンダーのほか、1日1頁の「ジャーナル」にはページ下部に古典の名文・名場面を毎日掲載。簡単な日記、読んだ本の感想や要点を書き留めるのに最適。文庫の全作品成立年を配置した年表、解説目録も収録。 (光文社 予価2750円)[amazon] 10月8日刊 インガソル・ロックウッド『小さな男爵トランプの旅と冒険』 〈叢書エクリチュールの冒険〉19世紀末のアメリカで出版された、架空諸国への冒険奇譚。腕のない騎士、月の山々、見通せない霧、歌うくしゃみ人、個人教師たち、主のいない港、風食い人、彫刻家たちの島、ゆっくり人、大いなる暗黒の森、跳ねとび人、ネプトゥーヌスの大鍋、太陽の王国、ゴ・グ・ラーの島、まんまる人……。旅する少年は愛犬とともに幾多の危機を乗り越える。21世紀に思いがけない再評価を得た本作を初訳。小澤正人訳 (月曜社 予価4180円)[amazon] 10月8日刊 リン・メッシーナ『公爵さま、まさかの爆発です』 最新の発明である蒸気機関車のお披露目に人々が熱狂するなか、爆発事故が発生! 発明家が犠牲となった悲劇の謎にベアトリスが挑む。藤沢町子訳 (原書房/コージーブックス 予価1650円)[amazon] 10月9日刊 ユーリ・ロートマン『文化と爆発』 「予測できなさ」がいかに社会や歴史を動かすのか。漸進と爆発の二つのモードから人間の諸活動を分析。創作、ファション、天才、狂気、夢、嘘、固有名など多彩な記号の領野を横断し、翻訳可能性と不能性、言語と言語外のものとの緊張により新たな文化が生まれる瞬間を解き明かす。バフチンと並ぶ思想家の代表作がついに邦訳。桑野隆訳 (岩波書店 5610円)[amazpn] 10月上旬発売 《創元推理文庫 復刊フェア》 F・W・クロフツ『フレンチ油田を掘りあてる』 [amazon] ドロシー・L・セイヤーズ『ベローナ・クラブの不愉快な事件』 [amazon] レイモンド・T・ボンド編/『暗号ミステリ傑作選』 [amazon] 渡辺温『アンドロギュノスの裔(ちすじ)』 [amazon] ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『ダークホルムの闇の君』 [amazon] ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『グリフィンの年』 [amazon] 《創元SF文庫》 ラリー・ニーヴン&ジュリー・パーネル『降伏の儀式 上・下』 [amazon上・下] 10月13日刊 アントニイ・バークリー『ウィッチフォード毒殺事件』 ロンドン近郊のウィッチフォードで実業家ベントリー氏が砒素中毒で死亡し、年の離れた妻が毒殺容疑で逮捕された。発見された砒素や使用人の証言など状況証拠は強力で有罪間違いなしとの噂だったが、疑問を抱いた作家ロジャー・シェリンガムは事件の再調査に現地へと乗り込んだ。友人アレック、滞在先の娘シーラと聞き込みを開始すると、次々に意外な事実が……。探偵小説の革新者バークリーが心理的探偵小説を目指すことを宣言したシリーズ第二作。藤村裕美訳 (創元推理文庫 1320円)[amazon] 10月13日刊 キジ・ジョンスン『アパートメント暮らしの動物寓話集 その他の物語』 都市生活者の孤独と喪失に寄り添うさまざまな架空生物たちの生態(表題作)、交尾の際に夫を喰い殺すカマキリの妻の生態をドライに描くヒューゴー賞候補作(カマキリの妻)、「これはすべての物語がいずれ死で終わるという物語だ」物語の本質に鋭く、しかし優しく切り込む世界幻想文学大賞受賞作(ハッピーエンドは特権)――幻想小説界の鬼才による傑作13編を収めた短編集。三角和代訳 (東京創元社 予価3300円)[amazon] 10月13日刊 ペク・スンヨン『手紙の店、クルウォルで』 映画監督の夢を諦めた28歳のヒョヨンは、ソウルのレターショップ「クルウォル」で働き始める。便箋や封筒が入った木のチェストが並び、森の香りが漂う居心地のいい店だ。目玉はペンパルサービス。知らない人宛てに手紙を書くと、引き換えに知らない人の書いた手紙を一通もらえる。サービスを利用するのは、ヒット作の次作に悩む漫画家、小説家を目指す会計士……。四季のうつろいと共に、手紙でつながる人々の日常を愛おしく描いた物語。小西直子訳 (東京創元社 予価2750円)[amazon] 10月13日発売 《紙魚の手帖》vol.31 第36回鮎川哲也賞選評、および第4回創元ミステリ短編賞選評&小池夏美、瑠璃野律也による受賞作掲載。読み切り、近藤史恵、ジョウシャカズヤほか。 (東京創元社 1760円)[amazon] 10月13日刊 ウィリアム・トレヴァー『トレヴァー短編選集2』 歴史の痕跡があるアイルランドを舞台に、人間の宿命と悲喜交々を描く。苦みと同時にふしぎな優しさをあわせもつ短編小説の魔法8編。栩木伸明訳 (ちくま文庫 予価1320円)[amazon] 10月13日刊 ガブリエル・ガルシア=マルケス『無名な幸福時代 新版』 「記者」ガルシア=マルケスが1958年ベネズエラの独裁政権の崩壊、人々の闘い、数々の驚くべき事件を描く。小説のように面白い傑作ルポ、新版。旦敬介訳 (ちくま文庫 予価1100円)[amazon] 10月13日刊 夢野久作『ルルとミミ 夢野久作全童話 下』 「夢野久作」としてのデビュー以前に残した童話作品を集成する全2巻のシリーズ。のちの作品群のテーマや題材にも通ずる奇想あふれる物語たち。日下三蔵編 (ちくま文庫 予価1980円)[amazon] 10月13日刊 ミシェル・フーコー『ミシェル・フーコー講義集成1 〈知への意志〉講義 コレージュ・ド・フランス講義 1970-1971年度』 アリストテレスが述べた人間における認識への欲望。それに真っ向から異を唱えるニーチェ。知と権力の諸関係をめぐる系譜学がついに幕を開ける。慎改康之・藤山真訳 (ちくま学芸文庫 予価2090円)[amazon] 10月13日刊 ラーシュ・マーグナル・エーノクセン『ルーン文字の世界 歴史・意味・解釈』 古来ゲルマン世界で用いられてきた線刻文字ルーン。そこには何が刻まれているか。謎に満ちたその全貌を明らかにする貴重なテキスト。荒川明久訳 (ちくま学芸文庫 予価1870円)[amazon] 10月13日刊 橋本治『橋本治文芸論集』 若いころから師匠のように敬愛してきた山田風太郎。小説家としてデビューしてからその大きな影響を自覚することとなった久生十蘭。純文学としてではなく幻想文学として読み込んでいた芥川龍之介、川端康成、三島由紀夫。そして、江戸川乱歩、小林秀雄、寺山修司、有吉佐和子……橋本治のフィルターを通して見えてきた近現代日本文学の作品の姿は、読者がこれまで抱いてきた先入観を打ち破り、より鮮やかで生き生きとしたものに見えてくる。 (講談社文芸文庫 予価2090円)[amazon] 10月13日刊 鈴木創士『生田耕作との日々』 “先生”と奢霸都(サバト)館、そして、私の半生――異能のフランス文学者との奇妙な師弟関係、それは翻訳の手ほどきでもなければ、文学や思想の教導でもなかった、ある相貌がもたらした感性の邂逅、プライベート・プレスでの静かなる狂騒の不意の幕切れ……。生田耕作との出会いがひとりの青年を荒野から荒野に導く。セリーヌ、ブルトン、バタイユ、そしてシュルレアリスムの奇人たち、著者が初めて綴る反時代的回想録。 (青土社 予価2970円)[amazon] 10月13日予定 ドン・デリーロ『アメリカーナ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉虚実入り混じる噂が飛び交うニューヨークのテレビ局。ドキュメンタリー番組を撮影するため、西へと車を走らせるデイヴィッドは、その途上、突如仕事を放棄し、自伝的映画を撮影し始める……。冷戦下のアメリカで、記憶と記録のはざまに自らの生を掴み取ろうともがく人々の姿を描いた〈ロードムービー〉。渾身のデビュー作。日野原慶訳 ※シリーズ内容 (水声社 予価3080円) 10月13日予定 ドン・デリーロ『マオⅡ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉決して人前に姿を現わさず、その姿も、住んでいる場所も謎に包まれている寡作の小説家ビル。あるとき、長い沈黙を破って肖像写真の撮影に応じた彼は、それをきっかけに陰謀に巻き込まれてゆく……。拘束された若き詩人の解放を訴えるためロンドン、アテネ、そしてベイルートへと向かう小説家の道程に、メディアが生み出す果てしない群衆のイメージと、疎外された人々の孤独な生が交差する。渡邉克昭訳 (水声社 予価3080円) 10月14日刊 孫昌渉『流氓』 二つの〈在日〉家族の、戦前・戦後にまたがる二世代の物語。植民地下の朝鮮で土地を失って日本へ渡り、戦中の強制労働や日本敗戦後の混乱期を生きてきた在日一世の老人たち。彼らを差別する日本社会と、先の見えない朝鮮半島情勢との狭間に生まれ、展望を削られる人生に苦悩する二世の若者たち。著者自身を彷彿させる語り手の「私」は、〈在日〉の境界的な境遇のさらに境界の地点から、帰属を奪われた流氓の生を見つめている。日韓の文学史の、一瞬の貴重な邂逅ともいうべきディアスポラ小説。斎藤真理子訳 (みすず書房 予価5500円)[amazon] 10月15日刊 石堂藍『幻想大事典』全3巻 人類が永年生み出してきた《幻想》のモチーフの歴史的展開を、詳細に跡づける画期的な大事典。天使と悪魔の歴史、幻獣の歴史、鉱物の歴史、分身・変身の歴史、夢の歴史、時間の歴史、庭の歴史、物語の歴史等々、40の魅惑的なテーマに見る、《想像力》の来歴と諸相。古今東西の文学作品、神話、伝説、美術、映画、漫画、アニメにおける《幻想》の諸相をテーマごとに分類し、系譜的に記述。詳細な総合索引付き。図版多数収載。内容 (国書刊行会 予価各22,000円)[amazon第1巻・第2巻・第3巻] 10月15日刊 ルシア・ベルリン『楽園の夕べ ルシア・ベルリン作品集』 人生を物語に刻んで。ロングセラー『掃除婦のための手引き書』(2020年本屋大賞翻訳小説部門第2位)、『すべての月、すべての年』に続く待望の短編集。岸本佐知子訳 (講談社文庫 予価1430円)[amazon] 10月15日刊 パク・ワンソ『親切な福姫さん』 〈韓国文学クラシックス〉市井に暮らす人の感情を描き数々のベストセラーを生んだ「韓国文学の至宝」であり、韓国フェミニズム文学の先駆者。最初期から遺作まで、生きるエネルギーと哀しみに満ちた怒涛の作品群。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 10月16日刊 V・S・ナイポール『ビズワス氏のための家 上・下』 〈ルリユール叢書〉トリニダード・トバゴ出身のノーベル賞作家ナイポール。イギリス移民の孤独を鋭く描く巨匠の最高傑作を本邦初訳。 巨大な妻一族の重圧に抗い、己の「家」を求め果敢に奮闘するビズワス氏の波乱万丈な生涯を描く悲喜劇。森川慎也訳 (幻戯書房 予価各5720円)[amazon上・下] 10月16日刊 ジェニー・ティンフイ・チャン『蒼穹四宝』 〈アジア文芸ライブラリー〉19世紀末、中国の港町で誘拐された少女ダイユー。『紅楼夢』の悲劇のヒロイン林黛玉にちなんで名付けられた彼女は、石炭桶に詰められてアメリカへ渡り、サンフランシスコの娼館に売られる。機転を利かせて脱出し、アイダホで中華系の食料品店に職を見つけたものの、やがてアジア人排斥の気運が高まり、町の人々は暴徒化してゆく。素朴な文体と詩情が融合したモノローグで語られる悲劇の歴史フィクション。山岡万里子訳 (春秋社 予価3630円)[amazon] 10月16日刊 ベッシー・ヘッド『静かなる辺境の地より 語り手と夢想家のアフリカ』 肌の色での分断に抗う言葉から、人間そのものの宿業と向き合う言葉へ。大地に息づく悠久の歴史から、大陸と人類の未来を夢みる言葉へ。アフリカ文学に独自の地平を拓いた作家が現代に遺した、生と思索の遍歴記。横山仁美訳 (雨雲出版 予価2860円)[amazon] 10月19日刊 莫言『酒国 特捜検事丁鈎児の冒険』 〈嬰児の丸焼きを食す〉というおぞましい噂の真偽を追い、〈酒国〉へ向かう特捜検事丁鈎児。果たしてそこは、溢れんばかりの酒、肉、そして物語が極彩色に入り乱れる悪夢の街であった――ノーベル賞作家による魔術的リアリズムの傑作。藤井省三訳 (岩波文庫 1771円)[amazon] 10月19日刊 アルトゥール・ショーペンハウアー『知性について 他四篇』 『意志と表象としての世界』を著したショーペンハウアーの『余録と補遺』から、哲学や認識論、存在論をめぐる5篇を収録。カント哲学を継承しながらその限界を鋭く批判し、物ごとの本質を直観する知性の力とその可能性を探究する。透徹した人間洞察が光る、ショーペンハウアー哲学への格好の入門書。新訳。藤野寛訳 (岩波文庫 1067円)[amazon] 10月19日刊 藤井康栄『松本清張の残像』 松本清張の担当編集者として、30年の歳月を共に過ごした著者が、『昭和史発掘』の舞台裏を中心に、作家との日々を追想する。「他人の使った材料では書きたくない」「一級資料が欲しい」という度重なる無理難題に、どのように応じたのか。創作の現場における豊富なエピソードを通して、巨匠の人間味あふれる姿が浮かび上がる。 (岩波現代文庫 1430円)[amazon] 10月20日刊 頭木弘樹『カフカの『変身』をすごくゆっくり読む』 カフカの最高傑作にして20世紀最大の問題作の一つとされる『変身』を、頭から終わりまで、著者が新訳しながらつぶさに読み解いていく。 ある朝目覚めたら、虫になっていた――という設定のせいで非現実的な不条理小説と思われがちだが、《身体で読む》達人と一緒に読めば、まるでドキュメンタリーのようにリアルな、胸に刺さる場面の連続! ままならない心と体、家族とケア、居場所と権力構造……『変身』は今を生きる私たちの日常の物語だ。 (みすず書房 予価2970円)[amazon] 10月20日刊 ロン・ラッシュ『豊かで風変わりななにか ロン・ラッシュ傑作短篇集』 短篇の名手が描く、アメリカ南部アパラチアの歴史と風土と人間ドラマ。フランク・オコナー国際短編賞、O・ヘンリー賞など、数々の賞を受賞した作家の傑作短篇集Something Rich and Strangeから選りすぐりの19篇を収録。本書に惚れ込んだベテラン翻訳家の手による渾身の翻訳。芹澤恵訳 (北烏山編集室 予価4180円)[amazon] 10月20日刊 L・M・モンゴメリ『モンゴメリ ショートセレクション 男ぎらい女ぎらい』 『赤毛のアン』で知られるモンゴメリの、「アン」の気配を感じる物語6篇。失敗して世をすねている人、まわりから軽んじられている人、他人を見下している人…。そんな人々の憎めない姿が辛口のユーモアに包まれて描かれます。代田亜香子訳 (理論社 予価1430円)[amazon] 10月予定 貝澤哉『ミハイル・バフチン』 (水声社 予価2200円) 10月予定 小川美登里『パスカル・キニャール』 (水声社 予価2200円) 10月21日刊 アン・ラドクリフ『イタリア人、あるいは黒悔悛会の懺悔室』 侯爵家の息子ヴィヴァルディに見初められたエレナ。快く思わぬ侯爵夫人は邪悪な修道士を使い、二人を引き裂こうとする。苦境に陥った彼らの運命は――ゴシック小説の傑作にして探偵小説の源流。『ユドルフォ城の怪奇』に続いて執筆された、著者生前最後の長篇であり最高傑作。半世紀ぶりの新訳成る。三馬志伸訳 (作品社 予価5940円)[amazon] 10月21日刊 バルベー・ドールヴィイ/シャルル・ボードレール『ダンディズム論』 〈叢書・ウニベルシタス〉小説家バルベー・ドールヴィイ、詩人シャルル・ボードレール。二人のデカダン派が深い共感を寄せた〈ダンディズム〉の核心に迫るエッセーを収録。バルベーによる史上初の理論化の試み『ダンディズムとジョージ・ブランメルについて』は本邦初訳。単なる評伝を超え、虚栄心という人間精神の極限形態を詩的・哲学的に洞察。新訳のボードレール「現代生活の画家」とともに、伊達男の美学を結晶化する。中条省平訳 (法政大学出版局 予価3300円)[amazon] 10月21日刊 リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ 二度死んだ男』 消えたダイヤをめぐって、またも老人探偵グループ〈木曜殺人クラブ〉は難事件に巻き込まれる。背後にいるのはスパイとマフィア!? 羽田詩津子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1650円)[amazon] 10月21日刊 テイラー・ジェンキンス・リード『アトモスフィア 空駆ける友へ』 宇宙に魅了されてきたジョーンは、1980年、念願の宇宙飛行士候補に選ばれる。厳しい訓練のなかでの仲間たちとの友情、家族への想い、そして思いがけない恋。だが彼女が交信担当を務めたある日、恋人の乗るスペースシャトルで事故が起きた――感動の人間ドラマ。小野田和子訳 (早川書房 予価3080円)[amazon] 10月21日刊 キム・チョヨプ『それでもふたり、ひとつの貝殻』 ひとつの身体にふたつの人格が共生する主人公が、同時にひとりの人間を愛する葛藤と孤独を描く表題作をはじめ、アイデンティティや他者への理解といった普遍的なテーマに、常識を問い直す想像力で深く切り込んでいく。現代韓国SFの最前線を走る作家の全7篇。カン・バンファ/ユン・ジヨン訳 (早川書房 予価2970円)[amazon] 10月21日刊 マックス・セーク『クイーンの悪手』 凍てつく11月のヘルシンキ。全身を白く塗られ、喉にチェスの駒を詰められた女性の遺体が発見される。殺人犯のプロファイリングを得意とする元諜報員・ミロは、警察と事件を追う。「もし神が我々にチェスをやらせたかったなら、神は我らを黒と白にしたであろう」――これは一体、誰からの挑戦状なのか? 街をチェス盤に見立てた連続殺人事件、その想像を絶する真相とは。「ガラスの鍵」賞受賞。フィンランドのノワール・サスペンス。セルボ貴子訳 (講談社 予価2640円)[amazon] 10月21日刊 スーザン・アブルハワ『ジェニンの朝』 平穏な時代から1948年のナクバ(大災厄)、そして2002年のジェニン虐殺事件まで。パレスチナに生きたアブルヘジャ一家、その三きょうだい――レジスタンスに加わる長男ユーセフ、ナクバの混乱のなかユダヤ人にさらわれた次男イスマイル、アメリカに渡った長女アーマール――を軸に、約60年間に渡る四世代の愛と苦難、悲痛な叫びを描いた傑作ファミリーサーガ。30カ国以上で読み継がれ続けた世界的ベストセラー。最所篤子訳 (小学館 予価3300円)[amazon] 10月21日刊 ヨアン・ルンドベリィ『夜鳥 ストックホルム・ダークミステリー1』 1880年のストックホルム。厳しい冬が街を襲い、物資は不足していた。孤児院で暮らす11歳の少女ミカは、生きのびるために物事を観察し、危険を察知する並外れた能力を身につけていた。ある夜、孤児院にひとりの少年が現れ、ミカに生まれたばかりの赤ちゃんを託した。この事件をきっかけに、残酷な連続殺人犯、通称「夜鳥」を追うことになる。孤児の少女ミカと型破りな中年刑事バルデマルはストックホルムを震撼させた猟奇的な殺人事件に挑む。スウェーデンのYAミステリ。高橋麻里子訳 (あすなろ書房 予価1650円)[amazon] 10月21日刊 ヨアン・ルンドベリィ『盗みの女王 ストックホルム・ダークミステリー2』 1880年。厳しい冬が終わり、ストックホルムに春が訪れた。11歳の孤児の少女ミカが暮らす孤児院の子どもたちに、甘く危険な誘惑が忍び寄る。ミカは事件の真犯人を突き止め、仲間たちを安全に守ることができるのだろうか?孤児の少女ミカと中年刑事バルデマルの二人が新たな事件に挑む。スウェーデンのYAミステリ。高橋麻里子訳 (あすなろ書房 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 フョードル・ドストエフスキー『主婦/伯父様の夢 ドストエフスキー中篇選』 青年とその家主夫妻の三角関係をめぐるミステリアスな「主婦」。シベリア流刑後初めて発表されたユーモア小説「伯父様の夢」。いずれも初文庫化となる珍しい中篇二作を収める。「主婦」……『罪と罰』の原型を思わせるサスペンス。「伯父様の夢」……ドストエフスキー作品のなかでは数少ない喜劇。米川正夫訳 (中公文庫 予価1320円)[amazon] 10月22日刊 S・J・ローザン『ニューヨークの市長たち』 ニューヨーク初の女性市長にして双子の母マッキャン、それが今回の依頼人だ。15歳になる息子マークが失踪したが、折悪しく市は市警と賃金交渉中のため、借りを作らぬよう私立探偵に捜させるらしい。だが捜索を開始するなり、マークの失踪は単なる家出ではないらしいことが明らかになる。加えて、相棒のリディアが同日に依頼された事件とも関連があるようで……現代ハードボイルド最高のコンビ〈ビル&リディア〉シリーズ最新作。直良和美訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽 新装版』 雲や虫を被写体にする青年カメラマン亜愛一郎は、長身で端麗な顔立ちだが、なぜか立ち振る舞いは三枚目。けれども、ひとたび事件に遭遇すると、独特の論理を展開して並外れた推理力を発揮する。第1回幻影城新人賞佳作入選作であり、ミステリ界の魔術師の記念すべきデビュー作「DL2号機事件」。空中密室の謎に挑む「右腕山上空」や、奇妙な童話に隠された秘密を解く「掘出された童話」など、チェスタトン風の論理と展開で描く、全8編を収録したシリーズ第1弾。 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 10月22日刊 トラヴィス・バルドリー『伝説とカフェラテ 書店主、傭兵と旅に出る』 「こんちくしょう!」無尽蔵な悪態の語彙をもつ小鼠人(ラットキン)の書店主ファーンは、窮地に陥っていた。始まりは住み慣れた海辺の町の書店を売り、旧友ヴィヴが珈琲店を経営している町で新しい書店を開店したことだった。書店は大成功なのになぜかファーンは満たされないまま。挙げ句酔った勢いで賞金稼ぎのエルフの馬車に密かに乗り込んでしまったのだ……。小鼠人が思いもよらない冒険の旅に出る、〈伝説とカフェラテ〉シリーズ第3弾。原島文世訳 (創元推理文庫 予価1650円)[amazon] 10月22日刊 安藤聡『英国庭園の文化史 シェイクスピア、ウィリアム・モリスから『アリス』『ハリー・ポッター』まで』 なぜ英国はガーデニング王国なのか? 『不思議の国のアリス』『トムは真夜中の庭で』『ハリー・ポッター』などの文学作品と絡めつつ、英国式庭園の成立とその変遷をたどる。 (平凡社 予価4180円)[amazon] 10月22日刊 ヨン・ヨルム『リシアンサス』 大気汚染に見舞われた地球。人工の身体を持つ者を「人間」、そうでない者を「未登録」と呼んでいた。未登録のジンは人間のギュヒと穏やかに暮らしていたが、ギュヒが何度も未登録の”ペット”を迎えては手放していたことを知り――。第8回SFアワード中短編優秀賞受賞作「リシアンサス」他、あなたの孤独に届く、韓国発・祈りの短編集。カン・バンファ訳 (マイナビ出版 予価2420円)[amazon] 10月23日刊 田中潤司『暗号の話』 古代の軍事から推理小説まで、「秘密」を伝えるための発明の歴史をたどる。今すぐ解読に挑める「暗号」も多数収録。徳間ブックス(1967)を復刊。 (角川ソフィア文庫 予価1430円)[amazon] 10月23日刊 ジェフリー・アーチャー『AN EYE FOR AN EYE』(原題) 中東との武器交渉中に発生した殺人事件。イギリス政府に危機が――スコットランドヤードの警視正ウォーウィックが、国際的陰謀に挑む。戸田裕之訳 (ハーパーBOOKS 予価1463円)[amazon] 10月23日予定 オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第9巻 パリ生活情景*』 (水声社 予価13,200円) 10月26日刊 呉明益『眠りの航路』 睡眠に異常を来した「僕」の意識は、太平洋戦争末期に台湾人少年工として日本へ渡った父の記憶へ漕ぎ出す。鮮烈な長篇デビュー作。倉本知明訳 (白水Uブックス 予価1870円)[amazon] 10月26日刊 北村紗衣『追っかけから始まるシェイクスピア女子の歴史 近世の観劇と読書』 女性たちはいかにシェイクスピアを受容し、その正典化に影響を与えてきたか。十八世紀までの観客や作家、宮廷人などの関わりを見る。 (白水Uブックス/人文知への扉 予価1980円)[amazon] 10月26日刊 ジェイムズ・ハニング『世界一のブックフェスティバルの町を築いた男 ヘイ・オン・ワイを本の町にしたリチャード・ブースの数奇な生涯』 南ウェールズのヘイ・オン・ワイでは毎年10万人を集める世界規模のブックフェスティバルが開催される。この地を英国一の本の町にしたリチャード・ブースという一人の男の、本への熱狂と数奇な人生から辿る本と町の歴史。岸川由美訳 (原書房 予価3080円)[amazon] 10月25日発売 《SFマガジン》12月号 (早川書房)[amazon] 10月27日刊 荒俣宏編訳『荒俣宏幻想文学翻訳集成 欧米幻想ファンタジー精華 4 異次元を覗く家』 コズミック・ホラーの先駆的作品、W・H・ホジスン『異次元を覗く家』を収録。 (春陽堂書店 予価6050円)[amazon] 10月27日刊 川崎市立日本民家園『民家の妖怪 民家の神様』 昔の民家には様々な妖怪や神様がいた。妖怪を避けるまじない、妖怪を追い払う民具など、民家にまつわる妖怪と神様の世界へいざなう。 (河出書房新社 予価1980円)[amazon] 10月27日刊 『シスターパンク・ユニオン』 隣の他人と手を携えてわたしたちは未来へ進む。日韓16名の作家による夢の書き下ろしアンソロジー。日韓同時発売。王谷晶、チョン・ボラ、米澤穂信、キム・チョヨプ、門田充宏、ミン・ジヒョン、空木春宵、ファン・モガ (河出書房新社 予価3190円)[amazon] 10月28日刊 ジェニー・エルペンベック『カイロス』 〈ハヤカワ・プラス〉1986年、東ベルリン。国家が静かに崩壊しつつある時代に、ひとつの恋が始まった。19歳の職業訓練生カタリーナと、妻子のある50代の作家ハンス。秘密に包まれた関係は、やがて執着と支配の色を強めていく。二人の愛の果てには、何が。2024年度ブッカー国際賞受賞作。松永美穂訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 10月28日刊 アニエット・ダーニエ『コウノトリとラクダの歌』 英国ヨークシャー、ブラックベリーの生い茂る丘に眠る、知られざる女性作家エライザ=メイ・ドレイデン。19世紀のイギリスから第一次大戦下のフランス、21世紀のオランダまで、さまざまな人々の人生のなかに繰り返される死と再生の循環――。納棺を手伝う村の女性、牧師の後妻とその妹、取り憑かれたようにエライザを研究する女性伝記作家とその娘たち、ピアノ教師とフランスの地主の娘たち、古い草稿の蒐集家、時計職人とその愛妻など、多くの二人組を主人公に、11の物語がゆるやかにつながりながら、エライザ=メイの姿を浮き彫りにしてゆく。 『嵐が丘』にインスパイアされ、エミリー・ブロンテに捧げられた、オランダ最大の文学賞リブリス賞受賞の大長篇。長山さき訳 (新潮社 予価6600円)[amazon] 10月28日刊 トンミ・キンヌネン『樹の下で』 フィンランド北東部のロシア国境に近い町で、一人の女性が死を迎えようとしていた。戦争で心に深い傷を負い、亡き夫や子供たちにも心を閉ざしたまま、誰にも言えぬ秘密を抱えて生きてきた。彼女は戦争によって何を奪われたのか。沈黙によって何を守ろうとしたのか。人生の最期の瞬間まで続く戦争の傷を描く長編小説。古市真由美訳 (新潮社 予価2255円)[amazon] 10月28日刊 ナサニエル・ホーソーン『ウェイクフィールド ホーソーン傑作選』 齊藤昇訳 (新潮文庫 予価737円)[amazon] 10月28日刊 ジョセフ・ノックス『インポスター・シンドローム』 池田真紀子訳 (新潮文庫 予価1265円)[amazon] 10月30日刊 ピーター・トレメイン『修道院の亡霊 上・下』 フィデルマとエイダルフは、サクソン人のアングリア王国を旅していた。目指すはオールドレッド修道院。エイダルフの幼なじみの修道院執事から、その夜の午前零時までに来てほしいとのことづてを受け取っていたのだ。吹雪のなかようやくたどりついたが、幼なじみは殺害されていた。修道院長はならず者の仕業と断定するが……。フィデルマが風邪をこじらせ寝込んでしまったためエイダルフが単身調査に乗り出す。人気シリーズ第11弾。田村美佐子訳 (創元推理文庫 予価各1320円)[amazon上・下] 10月予定? ドン・デリーロ『ランニング・ドッグ』 〈ドン・デリーロ コレクション〉 (水声社 予価3080円) ? アルノ・シュミット『レヴィアータン』 〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳 (水声社 予価2200円) ▼11月予定 11月2日刊 カン・ファギル『ホワイトホース』 〈エクス・リブリス〉日常にひそむ女から女への抑圧。現実を鋭く見つめた先にある逆転の構図を、新たな女の物語としてスリリングに描く6篇。小山内園子訳 (白水社 予価2420円)[amazon] 11月4日刊 マギー・スティーフベーター『ホテル・アヴァロンの密告者』 第二次世界大戦下のアメリカ。敵国の外交官を客として収容する高級ホテル。総支配人ジューンは、外交官を追うFBIとホテルに潜むスパイ、二つの勢力の狭間に立たされる。国家間の思惑が交錯する諜報戦のなか、ホテルを守るためにジューンは動き始める――。中谷友紀子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3080円)[amazon] 11月4日刊 ジョン・ウィズウェル『モンスターは怪物ハンターと巣づくりしたい』 人に擬態した不定形の怪物シェシェシェンは毒矢に射られたところを旅の女性に助けられて恋をする。だが彼女は怪物ハンターだった。原島文世訳 (ハヤカワ文庫NF 予価2090円)[amazon] 11月4日刊 トム・ストッパード『トム・ストッパード5 レオポルトシュタット』 20世紀のウィーン。成功を手にしたメルツ家にもヒットラーの影が忍び寄る。時代に翻弄された四世代にわたるユダヤ人一族の物語。広田敦郎訳 (ハヤカワ演劇文庫 予価2530円)[amazon] 11月4日刊 ジャン=ポール・デュボワ『誰もが同じ世界を生きるわけではない』 カナダにある極寒の刑務所。献身的なマンション管理人だったポールは、巨漢の暴走族と同房になる。粗暴だが人情味のある男と過ごすなかで、ポールは回想する。亡き父と妻のこと、人生を変えた事件のことを。美しくも哀切な人生の軌跡を描くゴンクール賞受賞作。藤本優子・山田浩之訳 (早川書房 予価3190円)[amazon] 11月5日刊 チョ・ナジュム『君になってあげる』 1980年生まれの母と、2010年生まれの娘が、お互いの体が入れ替わり、タイムスリップ!? 過去と現在と未来を同時に描き、世代間の理解が深まる物語。すんみ・小山内園子訳 (筑摩書房 予価1980円)[amazon] 11月5日刊 チョン・ソヨン『崩れた世界で私たちは』 大学から異界へと続く秘密の階段、過去と未来の宇宙飛行士が交錯する異星の放課後、時間を巻き戻せる不思議な箱――超能力、宇宙、テクノロジー、パンデミック。日常から過去へ、未来へ、星へ誘う韓国SF小説集。吉川凪訳 (集英社 予価2420円)[amazon] 11月5日刊 『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』 改革開放政策により、都市化と国際化が急速に進んだ中国社会。故郷を離れて出稼ぎに向かう「農民工」や海外移住者、長距離移動の途上にある人々を描く12篇を収録。移動がもたらす他者との邂逅や喪失、新たに生まれる葛藤を通して、激動の時代を生きる人々の姿を浮き彫りにする。閻連科、班宇、鉄凝、残雪、王侃瑜ほか。綿矢りさ訳の魯迅作品も収録。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 ◇シリーズ内容 (集英社 予価3300円)[amazon] 11月6日刊 東雅夫・下楠昌哉編『幻想と怪奇の英文学VI たそがれケルト編』 日本とアイルランドには「黄昏時の薄暮を愛でる」という共通する心性があった!? 明治から大正にかけて続々と紹介・翻訳されたイェイツらアイルランド文学作品に加え、当時の文学運動を共有していた泉鏡花、柳田國男、芥川龍之介、菊池寛、ラフカディオ・ハーンらの作品も収めたアンソロジー。 (春風社 予価3960円)[amazon] 11月6日刊 マキシーン・ホン・キングストン『チャイナタウンの女武者』 アメリカ生まれの中国人女性が生きる複雑な文化の網の目をときほぐし、母や家族の記憶と生活のありようを見事に捉えた短編小説集。藤本和子訳 (河出文庫 予価1760円)[amazon] 11月6日刊 ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット 真説シェイクスピア』 「存在するか、しないか──そこが肝心だ」。原文を忠実に読み込むことで見えた真のハムレットの姿。石井訳シェイクスピアの真骨頂。石井美樹子訳 (河出文庫 予価990円)[amazon] 11月6日刊 ミシェル・ウエルベック『ショーペンハウアーとともに』 まならない現実を生きのびるための、「元気が出る悲観主義」。世界的作家とともに読みとく、ショーペンハウアーの人生哲学。序文 アガト・ノヴァック?ルシュヴァリエ。澤田直訳 (河出文庫 予価1210円)[amazon] 11月6日刊 『サイコ・ミステリー傑作選』 目に見えぬ人間の深層心理に潜む不可解な衝動を探る精神分析を手がかりに、現実の奇怪な事件の謎を推理する知的サスペンス――魂のタブーと悪夢の迷路をスリリングに映し出す、究極のダブル・ミステリー。江戸川乱歩他。 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 11月6日刊 『占いミステリー傑作選』 さまざまな占いの神秘が、不気味な犯罪の発生を予言するとき――夢と不安、金欲と色欲に翻弄される人間心理のウラ・オモテを、哀しくもユーモラスに推理する名作の森。果して、あなたの占いは当るかな? 星新一他 (河出文庫 予価1430円)[amazon] 11月9日刊 レナード・S・マーカス『ヴィジュアル版 世界の名作絵本案内 児童書挿絵の知っておくべき画家101人 上・下』 過去200年間の名作絵本を描いた101人の国際的な絵本画家の作品と経歴を解説。児童文学研究の大家が選ぶ究極のマスターピース。児童書の挿絵の歴史を一望できる。フルカラー。川端有子監訳/風早さとみ訳 (原書房 予価各3080円)[amazon上・下] 11月11日刊 レフ・トルストイ『復活 上』 貴族の青年ネフリュードフは、陪審員として参加した裁判で、かつて若さゆえにもてあそび捨てた使用人のカチューシャと再会。殺人の罪で裁かれる彼女に対して激しい罪悪感に苛まれ、一つの決意をする……。トルストイ最後の長編大作。望月哲男訳 (光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon] 11月17日刊 スティーヴン・グッドウィン『暗号解読 歴史と原理、その解読方法』 〈アルケミスト双書〉世界中の支配者たちは数千年にわたって、軍事機密や政治的なやりとりを秘密裡に伝達する方法を模索してきた。ローマ皇帝カエサルの暗号や、戦争の帰趨を決めた南北戦争で使われた暗号、いにしえのスパイたちが使った今となっては牧歌的ともいえる暗号の数々など。さらには暗号機「エニグマ」をめぐるナチスドイツと英米の暗闘、そして最新のエンドツーエンド暗号化まで、歴史の中の暗号を解説。武井摩利訳 (創元社 予価1980円)[amazon] 11月18日刊 サミュエル・バー『アルファベット・ボックス パズル作家最期の謎』 パズル作家が共同生活する屋敷で育てられたクレイトンは、義母の遺したパズルに導かれ、実の両親を探す旅に出る。それは彼にとってはじめて協会員以外と交流する旅でもあった。各地の暗号を解くうちに、彼は自身の孤独と向き合っていく。やがて知る真実とは? 服部理佳訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 11月18日刊 アレグザンダー・ボルディザー『五秒先を視る男 上・下』 五秒先の未来を視る特殊能力をもつ以外は平凡な男プレブル。ある事件をきっかけに家族を守るため警察や軍隊、国家に立ち向かう。酒井昭伸訳 (ハヤカワ文庫SF 予価各1760円)[amazon上・下] 11月18日刊 デイヴィッド・フィッシャー『スエズ運河を消せ』 第二次世界大戦、北アフリカ戦線。ドイツの名将ロンメルに追い詰められたイギリス軍の切り札は、兵器ではなくマジックだった――。金原瑞人・杉田七重訳 (ハヤカワ文庫NF 予価2090円)[amazon] 11月18日刊 エドワード・ゴーリー『邪悪な花園』 不気味な植物園に迷い込んだ、おめかし姿の吝嗇な都会人たち、その運命は? 一度読んだら癖になる、カルト作家のダークな傑作絵本。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価1650円)[amazon] 11月20日刊 トーマス・ベルンハルト『コンクリート』 メンデルスゾーン論を書き出せない主人公の果てしなきモノローグ。「そうよ」、「安飯喰い」収録。ベルンハルトの魅力を凝縮する。飯島雄太郎訳 (河出書房新社 予価4730円)[amazon] 11月25日刊 ティム・オブライエン『虚言の国 アメリカ・ファンタスティカ』 村上春樹訳 (ハーパーBOOKS 予価1760円)[amazon] 11月25日発売 《ミステリマガジン》1月号 (早川書房)[amazon] 11月27日刊 サマンタ・シュウェブリン『よき邪悪』 喉に空いた穴、愛猫の幽霊、願いを叶える強盗、腐臭の泥酔詩人……世界が注目する〈スパニッシュ・ホラー文芸〉旗手の新傑作。宮﨑真紀訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 11月30日刊 夢野久作『ドグラ・マグラ 特装版』 日本読書史に燦然とその名を刻み込む、怪奇小説の帝王・夢野久作による畢生の大作『ドグラ・マグラ』。読む者を惑わすと語られる奇書が、美麗な装丁で大いなる復活を果たした。文芸ファン必携の一冊。内容 (KADOKAWA 予価6930円)[amazon] 11月刊 アーナルデュル・インドリダソン『冷たい火』(仮) エーレンデュルは故郷であるアイスランド東部を訪れていた。かつて幼い弟と吹雪のなか道に迷い、彼だけが救出された。以来時折弟の痕跡を探しに来ていたが、地元で話を聞くうち、吹雪の中行方不明になった女性の話を耳にする。気になったエーレンデュルは、真相を解き明かそうといまだ生きている関係者たちに話を聞くが、証言からあらわれたのは凄まじいまでの怒りと哀しみに満ちた事件だった。北欧ミステリの巨人のシリーズ最終巻。柳沢由実子訳 (東京創元社)[amazon] 11月刊 大矢博子『もっとクリスティを読む! ミステリの女王の名作精読講座』 〈キイ・ライブラリー〉ミステリの女王、アガサ・クリスティの数々の名作は、なぜこんなに面白いのか? その疑問に真正面から答えて好評を博した『クリスティを読む!』の第二弾。〈探偵〉〈舞台〉〈時代〉〈作者の暮らし〉に焦点を当て、各章でおすすめ作品の魅力をたっぷり紹介。驚くべき語り&騙りのテクニックを解説する最終章もパワーアップ。クリスティという作家とミステリという小説ジャンルをより深く知りたい方に最適な一冊。 (東京創元社)[amazon] 11月刊 コリーン・ケンブリッジ『クリスティの家政婦』 ここはミステリ作家アガサ・クリスティが暮らす英国のお屋敷、マローワン・ホール。家政婦長のフィリダは家事のすべてをとりしきり、日々誇り高く働いている。しかしある朝、書斎で男の他殺体が見つかった。凶器はなぜか万年筆。本棚には不自然な血痕。現場は奇妙な謎で満ちていたが、女主人アガサは「現実の謎解きはからきしなの」と鋭意執筆中。フィリダは山積みの家事をさばきつつも真相にたどり着き、お屋敷の平穏を取り戻すことができるのか。アガサ賞ノミネートのお仕事×謎解きミステリ。田辺千幸訳 (創元推理文庫)[amazon] 11月刊 ピーター・スワンソン『クリスマス・ゲスト』 アメリカからロンドンの大学に入学した女子留学生は、クリスマス休暇に、友人の実家である旧領主館に招かれた。居心地のいい屋敷で理想の休暇を過ごし、友人の兄に惹かれていくが、彼には予想外の噂が……。驚愕の展開が待ち受ける中編「クリスマス・ゲスト」ほか、ショートショートの名品、子供じみた競争心から危険な崖登りに挑む二人の男とその陰に潜む歪な心理を描く「海食崖」など中短編7作を収録。日本オリジナル傑作選。務台夏子訳 (創元推理文庫)[amazon] 11月刊 アマンダ・フラワー『罪深きキャラメル〈アーミッシュ・キャンディショップ・ミステリ〉』 ニューヨークの最先端の店のショコラティエ、ベイリーは、祖父が病との報に急ぎオハイオ州のアーミッシュ・カントリーに向かった。ところが到着した早々、祖父母の店の厨房で死体を発見する羽目に。死体は、店のある一帯をアーミッシュのテーマパークにしようと目論んでいた不動産開発業者だった。第一発見者兼容疑者になったベイリーは、疑いを晴らすべく調べ始めるが……。アーミッシュの村を舞台にしたスイーツ満載のミステリ。大友香奈子訳 (創元推理文庫)[amazon] 11月刊 福井健太編『アポロンのナイフ 少年ミステリ傑作選』 古今東西のミステリ小説において、少年が存在感を放つ作は少なくない。未成年ゆえの感性と思考、社会的立場やコミュニティなどを介して、彼らは多彩な謎と物語に貢献してきた。日本の短篇ミステリからその成果を集めた本書には、車椅子の少年が名推理を見せる天藤真「多すぎる証人」、少年犯罪が意外な事態を生む有栖川有栖「アポロンのナイフ」、小学生と青年の友情を描く長岡弘樹「夏の終わりの時間割」など全10篇を収録。 (創元推理文庫)[amazon] 11月刊 会津信吾編『戦前日本モダンホラー傑作選2』(仮) 「前書『バビロンの吸血鬼』はマイナー作家の発掘に力を注いだが、今回は文学史上、知名な(少なくとも文学辞典に単独立項される程度には)作家の埋もれた作品を掘り起こすことに重点を置いた。前書が「知らない作家の知らない作品」なら、本書は「知ってる作家の知らない作品」のアンソロジーということになる」(編者序文より)。全23編を収録。 (創元推理文庫)[amazon] 11月刊 フレドリック・ブラウン『フレドリック・ブラウンSF短編全集4 スポンサーからひとこと』 奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を待望の文庫化。第4巻には、ある日世界中で一斉にラジオから流れた謎の放送が巻き起こす騒動を描いた表題作や、ショートショートの古典的傑作「武器」など、14編を収録。安原和見訳 (創元SF文庫)[amazon] 11月以降刊 ルドルフ・ボルヒャルト『アナバシス』 吉用宣二訳 (作品社 予価4180円)[amazon] ▼12月以降予定 12月3日刊 トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ1 神探福邇の事件簿』 舞台は阿片戦争の記憶も生々しい英国統治下の香港。満洲旗人の名探偵・福邇(フーアル)と、記録者である軍医あがりの華笙(ホアション)が、植民地の怪事件に挑む。『辮髪のシャーロック・ホームズ』(文藝春秋)を改題、新作短篇「福邇とシャーロック・ホームズの出会い」を本邦初収録した増補新版。再刊。舩山むつみ訳。【内容】血文字の謎/紅毛嬌街/黄色い顔のねじれた男/親王府の醜聞/ベトナム語通訳/買弁の書記/福邇とシャーロック・ホームズの出会い (作品社 予価3520円)[amazon] 12月3日刊 トレヴァー・モリス『香港のシャーロック・ホームズ2 神探福邇の最期』 『辮髪のシャーロック・ホームズ』の続篇となる第二巻。舩山むつみ訳。【内容】四人の血書/口曲がりの皇帝/常勤の医者/ 踊り子の暗号/潜龍号の設計図/最後の決戦 (作品社 予価3520円)[amazon] 12月4日刊 『中国現代文学ギャラリー 家族とくらし』 人口政策と経済発展が社会構造を塗り替える中で、揺らぎ、再編されてきた家族という単位。一族の歴史、夫婦の危機、親子の対立、高齢者の婚活などを通して、世代間の緊張や孤立、ケアの重圧を背負う人々の姿を描く12篇を収録。人々の暮らしの細部から、家族関係の現在を照らし出す。莫言・郝景芳、畢飛宇、梁鴻、双雪濤ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 12月8日刊 クライヴ・バーカー『ミッドナイト・ミートトレイン』 ニューヨーク地下鉄連続殺人事件と古代からの秘密が明らかになる表題作のほか、死神、幽霊、怪物などが跋扈する最狂ホラー短篇集。宮脇孝雄訳 (河出文庫 予価1540円)[amazon] 12月刊 レフ・トルストイ『復活 下』 望月哲男訳 (光文社古典新訳文庫)[amazon] 12月24日刊 洪凌『混沌輪舞』 “魔王陛下” 汨韃胴の「至高なる墜落」によって、超越界と人の世の境界が崩れ去った〈南天超銀河〉。そこには、あまりの美貌ゆえに衆生の欲望の標的となり、受刑の祭壇でさえ夢遊病者のような微笑を浮かべる “残陽の法師” 司徒睚の姿があった……。台湾クィア小説第一人者が贈るスペースオペラとポストヒューマンを融合させた壮大な物語。華文SF・ファンタジーの金字塔。立原透耶訳 (新紀元社 予価3080円)[amazon] 12月予定 ヨアン・ルンドベリィ『死の天使 ストックホルム・ダークミステリー3』 スウェーデンのYAミステリ。 (あすなろ書房)[amazon] ▼2027年予定 1月7日刊 ポール・ラファージ『失踪者たちの画家』 アマチュア画家が恋に落ちたのは、犯行現場の写真家だった。変容する街と、その暗部に潜む失踪者たちを描く、見えない都市の物語。柴田元幸訳 (河出文庫 予価1760円)[amazon] 1月7日刊 『中国現代文学ギャラリー 時間と記憶』 日本による「満洲」の占領支配や毛沢東の死、天安門事件などの時代を画する出来事を背景にした作品から、近未来中国を舞台にしたSFまで、多様な時間軸を横断する11篇を収録。公的な歴史認識から抜け落ちてしまう一般庶民の苦難、運命、人生選択を、個人の記憶に寄り添うフィクションとして描く。余華、韓松、李鋭、史鉄生、蘇童ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 1月14日刊 イ・チョンジュン『虫の話』 〈韓国文学クラシックス〉戦争というミステリーを追求した巨匠中の巨匠。イ・チャンドン監督により映画化された表題作を初めとした魅惑の物語。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 2月5日刊 『中国現代文学ギャラリー ジェンダーと多様な性』 出産や結婚をめぐる選択、揺らぐ性的指向と性自認、親密な関係において生じる暴力など、性と生命の継承をめぐる葛藤を通じ、制度や社会通念と個人の欲望がせめぎ合う局面を描く8篇を収録。国家が規定する性の枠組みの中で揺れる、多様な愛と身体のあり方を問い直す。全篇初邦訳。王安憶、張天翼、王小波、鄭執ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 2月8日刊 ジュディ・バドニッツ『空中スキップ』 不死鳥のごとく炎に包まれるチアリーダーたち。電車の乗客たちをめぐる際限なき妄想。奔放な想像力とユーモアに満ちた傑作短篇集。岸本佐知子訳 (河出文庫 予価1650円)[amazon] 3月5日刊 『中国現代文学ギャラリー 風土と社会』 内モンゴルやチベットの高原から、天津や東北の都市空間、そして香港まで。広大で多彩な風土を背景に、民族、歴史、労働、信仰が交錯する社会の現実を描く12篇。土地の記憶と環境条件が、中国特有の社会制度や人々の価値観を形成し、その社会の構成員の生や運命をいかに方向づけるのかを描き出す。阿来、楊知寒、遅子建、馮驥才、賈平凹ほか。飯塚容・濱田麻矢・綿矢りさ編 (集英社 予価3300円)[amazon] 4月予定 イ・ホチョル『副市長は馬山に赴任しない』 〈韓国文学クラシックス〉分断のマジック・リアリズム。戦争捕虜として北朝鮮から韓国へ渡り、その後生涯をかけて故郷喪失を書き続けた作家のベスト作品集。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3520円)[amazon] 10月予定 オ・ジョンヒ『銅鏡』 〈韓国文学クラシックス〉社会や家族のなかでもがきながら生きる女性の姿を描き、韓国文学を世界へと拓いた作家。女性文学の金字塔であり短編文学の頂点。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] 2028年1月予定 ユン・フンギル他『九足の靴で居残った男』 〈韓国文学クラシックス〉戦争の予感を生きる。現代にいたる韓国の土台をめぐるメルクマール的作品を集めたアンソロジー。斎藤真理子訳 (河出書房新社 予価3960円)[amazon] ▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう) ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮) 現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳 (竹書房文庫 予価1540円)[amazon] Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。 |