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注目の近刊
4月21日刊 堀江敏幸『魔法の石板 ジョルジュ・ペロスの方へ』 パリを離れ、ブルターニュの漁師町に移住した孤高の詩人ジョルジュ・ぺロス。名声を嫌い、「私」を消し、孤独を渇望した彼は、敬愛するジャン・グルニエに接近しながらも離れていく生き方を選んだ。漁師町の人々との貧しく生き生きとした暮らしのなかで生まれる孤独と詩的な状態に耳を澄ませ、生への希求を日々の断片に刻んだぺロスに著者は共鳴し、深い信頼を寄せる。なぜぺロスの言葉に魅了されるのか。その光源を自ら探りあて、言葉への信頼を取り戻す渾身の長篇エッセイ。新資料をもとに大幅加筆、73頁の追記を加えた決定版。 (白水Uブックス 予価1870円)[amazon] 4月21日発売 森英俊・野村宏平『本の探偵3 戦後探偵小説資料集2 朝山蜻一/岡田鯱彦/下村明/宮野村子/鷲尾三郎』 ※先行販売 「全ニッポン古本博覧会 in 千代田のさくらまつり」(4/16-19) (盛林堂ミステリアス文庫 5000円) 4月22日刊 馬伯庸『両京十五日 3 済南の仏母』 敵に連れ去られ、皇太子一行と別れた呉定縁は、白蓮教の指導者・仏母に会う。そこで彼は、自らの出生の衝撃的な秘密を聞き……。齊藤正高・泊功訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon] 4月22日刊 キャット・タン『レンタル家族の消滅』 アプリでレンタルされる家族や恋人や友人として、虚構を生きる「ぼく」。だが一人の顧客がきっかけで、その人生がかき乱される。金井真弓訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1936円)[amazon] 4月22日刊 ヘンリー・ワイズ『無垢なる町』 バージニア南部で起きた殺人の容疑者に浮上した女。だが、なぜか女への捜査は打ち切られる。保安官補ウィルは独自に捜査をするが。吉野弘人訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2310円)[amazon] 4月22日刊 ニッカ・ハーカウェイ『カーラの選択』 ソ連の暗殺者のターゲットになった男が姿を消した。引退生活を送っていたスマイリーは、情報部の強い要請で男を追うが、やがて衝撃の事実が! 二大傑作『寒い国から帰ってきたスパイ』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を鮮やかにつなぐ待望作。加賀山卓朗訳 (早川書房 予価3520円)[amazon] 4月22日刊 法月綸太郎『法月綸太郎の不覚』 スマートで知的で大胆不敵。本格ミステリの魅力に満ちた傑作作品集。 (講談社 予価2090円)[amazon] 4月22日刊 ローリー・ムーア『死んでいる元カノとの旅』 〈新潮クレスト・ブックス〉死んだはずの元恋人と一緒に旅に出る、アメリカのいまを描いたゾンビ小説。心を病んでいた元恋人リリーが自殺を図ったらしい。僕は慌てて駆けつけるが、時すでに遅し、もう埋葬されたという。だが失意の僕が墓地に行くと、生前ほぼそのまま(ただし少し腐りかけ)のリリーが。彼女の願いは「死体農場」に行くこと――全米批評家協会賞受賞、トランプ時代のアメリカを映し出す不思議なロードノベル。栩木玲子訳 (新潮社 予価2530円)[amazon] 4月22日刊 オードリー・リー『記憶の帝国』 LA郊外、超高級精神医療施設ワイルダーに入所したホープ・ナカノは、最先端技術による記憶治療を受けている。医師たちが説く覚えのない過去、姿を消す入所者、増える投薬。これらは治療なのか、人格改造なのか? ここから出られる日は来るのか? 施設のひた隠しにする闇を追うホープに、医師は更に強力な施術を迫る。エドガー賞最優秀新人賞最終候補となった戦慄のサイコ・サスペンス。高増春代訳 (新潮文庫 予価1375円)[amazon] 4月22日刊 飯城勇三『どんでん返しミステリガイド』 ミステリにおける「どんでん返し」の進化に迫るべく、海外作品から20作、国内作品から40作、計60作をガイド。 (星海社新書 予価1320円)[amazon] 4月22日刊 『日本文学の翻訳者たち』 「いらっしゃいませ」をどう訳す? 英語、韓国語、中国語、タイ語、ドイツ語、フランス語、オランダ語……日本文学の翻訳に携わる7名が仕事の裏側を語るインタビュー集。金原瑞人 監修 (平凡社 予価2640円)[amazon] 4月22日刊 朴泰遠『小説家仇甫氏の一日』 1930年代、京城(現ソウル)。定職につかず、結婚相手も見つからず母に心配されている小説家の仇甫(クボ)。ステッキとノートを手に、百貨店へ、喫茶店へと、街をさまよい歩く……。朝鮮モダニズム文学を代表する作家、朴泰遠(パク・テウォン)による自伝的都市小説を、李箱(イ・サン)による挿絵とともに書籍化。李箱=絵/山田佳子訳 (平凡社 予価2530円)[amazon] 4月23日刊 スティーヴン・キング『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』 世界に静かに終末が迫るなか、町のあちこちに出現する「ありがとう、チャック!」と書かれた看板広告。「チャック」とは何者? 人生の不思議を描く感動作「チャックの数奇な人生」。お金持ちのハリガンさんが送ってくれた宝くじ付きのカードが三千ドルの当たりに。そのお金で僕はスマートフォンをプレゼントすることにしたが……「ハリガンさんの電話」。現代最高のストーリーテラーが人生の"不思議"と"感動"を描いた中編2編。安野玲・高山真由美訳 (文藝春秋 予価2970円)[amazon] 4月23日刊 ウンベルト・エーコ『フーコーの振り子 中』 アルデンティ大佐失踪から数年後、ブラジルからイタリアへ戻り、ベルボらと再会したカゾボンは、テンプル騎士団の伝言を記した書類に戻り、ある『計画』をスタートする。カバラ、錬金術、グノーシス、薔薇十字、古代の超大陸から現代まで、古今東西の知識や伝承、オカルトや奇想が引用された博覧強記の冒険的ミステリー。記号学の世界的権威であり、中世史については専門家をしのぐ著者が著した大作。藤村昌昭訳 (中公文庫 予価1760円)[amazon] 4月23日刊 萩原朔太郎『詩文集 夜の酒場』 酒場と孤独を愛した詩人の酒をめぐる詩・短歌・アフォリズムを初集成。そのほか1920年代の時代風俗を伝えるラジオ、映画、旅、東京等をテーマにした随筆20篇、短篇小説「猫町」他1篇を収録する。〈巻末附録〉江戸川乱歩ほか。オリジナル編集。 (中公文庫 予価990円)[amazon] 4月23日刊 岩本敏男『ねむれなくなる本』 人生のふとした瞬間に出逢う、暗闇や不安。それを鋭い眼で捉え続けた異端の児童文学者による、伝説の短篇集。巻末に初期短篇を増補した。 (中公文庫 予価1078円)[amazon] 4月23日刊 ウィリアム・フォークナー『征服されざる者たち』 南北戦争期の南部を舞台に、白人少年と黒人少年と祖母ちゃんの冒険譚や、成長した少年が南部の因習に抗って苦悩する姿などを描く。ノーベル賞作家によるもう一つの『風と共に去りぬ』。半世紀ぶりの新訳。小野正嗣訳 (河出書房 予価3960円)[amazon] 4月24日刊 スティーヴン・キング(文)/モーリス・センダック(絵)『ヘンゼルとグレーテル』 『かいじゅうたちのいるところ』の作者モーリス・センダックが生前のこした「ヘンゼルとグレーテル」の絵が、一冊の作品に。物語はなんと、世界的ベストセラー作家スティーヴン・キングによる書きおろし。穂村弘訳 (NHK出版 予価2530円)[amazon] 4月24日刊 リヒャルト・ワーグナー『完訳 ニーベルングの指環』 ワーグナーが26年の歳月をかけて完成させたオペラ史上最大級の傑作《ニーベルングの指環》。黄金の指環をめぐって神々と人間が三世代に渡って争いを繰り広げ、最後に世界が崩壊するまでを描く4部作。高橋康也・高橋迪・高橋宣也訳 (角川文庫 予価1980円)[amazon] 4月24日刊 竹原春泉/京極夏彦『絵本百物語』 「巷説百物語」シリーズのテーマとして有名になった、江戸時代の妖怪本『絵本百物語』。翻刻文・現代語訳は、ベストセラー作家・京極夏彦の書き下ろし。 (角川文庫 予価1078円)[amazon] 4月24日刊 河野真一郎『100de名著 ディケンズ『大いなる遺産』』 少年ピップは美しい少女エステラと出会い、やがて莫大な財産の受取人に選ばれ、ジェントルマンとなるべくロンドンへと向かう。ディケンズ『大いなる遺産』は、主人公の成長と立身出世を描く「教養小説」の名作として親しまれてきたが、ピップの成功と挫折から見えてくるのは、19世紀のイギリスで浮上していた階級社会や実力主義社会、そしてジェンダーの問題だ。彼の歩みを読み解きながら、真の成長とは何か、社会の中で生きるとはどういうことかを考える。 (NHK出版 700円)[amazon] 4月24日刊 ベルナール・ミニエ『猫、そして14の不思議で恐るべき残酷な物語』 ミステリー、ホラー、幻想小説、仏ベストセラー作家が仕掛ける色とりどりの恐怖のデパート。話題の暗黒短篇集。青木智美訳 (ハーパーBOOKS 予価1606円)[amazon] 4月24日刊 オスカー・ワイルド『人間とは、人生とは オスカー・ワイルドの言葉』 ワイルドが小説、芸術論、戯曲、書簡、会話等を通して紡いできたウィットに富んだアフォリズム、意表を衝く逆説、ユーモアなど、300余の言葉で綴った珠玉の「名言集」。佐藤松男編訳 (国書刊行会 予価3520円)[amazon] 4月24日刊 アダム・スミス『本作り500年の歴史 本の印刷からZineカルチャーまで』 グーテンベルクからZineまでの出版、製紙技術、製本やタイポグラフィー……「本作り」の変遷の長い歴史を、印刷・出版の発展に貢献した18名の人物を通して掘り下げながら紹介する書物の発展の歴史。図版75点。村上彩訳 (原書房 予価5280円)[amazon] 4月24日発売 《SFマガジン》6月号 (早川書房 1540円)[amazon] 4月27日刊 残雪『廊下に植えた林檎の木』 ぼくの家族はみな他人には言えない秘密を持っていた。異形の家族の奇妙な関係性を超現実的手法で描いた表題中篇ほか、「帰り道」「黄菊の花によせる遐(はる)かな想い」「逢引」「汚水の上の石鹸の泡」の全5篇。付録として「夜の涯の家 「帰り道」を読む」(近藤直子)、「残雪との対談」を併録。近藤直子・鷲巣益美訳 (白水Uブックス 予価1980円)[amazon] 4月27日刊 フアン・ルルフォ『黄金の軍鶏』 メキシコの田舎町。片腕の不自由なディオニシオは、町のお触れ屋を生業として貧しい暮しをしていたが、闘鶏で深手を負った一羽の軍鶏を譲り受けたことから、彼の人生は思いもよらぬ方向へ転がりはじめる。やがて息を吹き返した"黄金の軍鶏"は、闘鶏で勝ち続け、富と名声を彼にもたらすが……。メキシコの国民的作家ルルフォが放った最後の閃光、ガルシア=マルケスとカルロス・フエンテスの脚本によって映画化もされた、欲望と宿命の物語。本邦初訳。杉山晃訳 (国書刊行会 予価2640円)[amazon] 4月27日刊 フリードリヒ・シラー『シラー戯曲傑作選 群盗 戯曲と悲劇』 〈ルリユール叢書〉若きシラーが一夜にして名声を確立した衝撃のデビュー作。自由への渇望を描く「疾風怒濤」の最高傑作が蘇る。1781年匿名出版の『群盗――戯曲』と、熱狂を生んだ82年改稿版『群盗――悲劇』の両版を収録。本邦初訳の「初版序文」も加え、天才劇作家の原点に迫る決定版。本田博之訳 (幻戯書房 予価5940円)[amazon] 4月27日発売 《怪と幽》vol.022 特集1 はじめてのクトゥルー/特集2 乙一 三十周年 & 山白朝子 二十二周年 (KADOKAWA 2420円)[amazon] 4月28日刊 『図説 妖怪・幻獣づくし』兵庫県立歴史博物館/鳥取県立博物館 編 〈ふくろうの本〉人知を超えた存在として長らく恐怖と畏敬の対象となってきた妖怪と、実在の生物のあいだをうごめきながら人びとを魅了する幻獣が、大集合。人と自然とのかかわりの歴史を明らかにしていく。 (河出書房新社 予価2530円)[amazon] 4月28日刊 矢沢英一『チェーホフ 忘れえぬ人物たち、言葉たち 「生きたイメージ」を読む』 『桜の園』『三人姉妹』で知られるロシアの作家、アントン・チェーホフ(1860-1904)。代表的な短編や戯曲を丁寧に辿りながら、その複雑で豊かな「言葉」の世界を読み解く。 (平凡社 予価2640円)[amazon] 4月30日刊 ディーノ・ブッツァーティ『アズィズ・マイオ事件』 日常の世界から離れて戦地に向かう者が、車窓に感じる寂寥感と、宇宙の彼方から人間の営みと運命を静かに見守り続ける星への想いを瞑想的に語った「夜が訪れる度に」、カラスのくちばしのような形をした長いつばのある奇妙な帽子をかぶった謎の使者が届ける通知がもたらす不可解な事象「アズィズ・マイオ事件」、山での孤独や絶対的な静寂を、現実と幻想を融合して描く「フィラデルフィアの冬の夜」、運命的な出来事の到来の希求と、それを無にしてしまう時の流れをテーマにした「とぎれた物語」など、全21篇。長野徹訳 (東宣出版 予価2420円)[amazon] 4月30日刊 B・S・ジョンソン『不運な奴ら』 現代を先取りしていた作家、B・S・ジョンソンによる、綴じられていない27のパーツを函に収めた実験的な小説。若くして病死した親友との記憶が記された様々なページ数のパーツは、 最初と最後以外は読む順番は決められていない。サミュエル・ベケットに絶賛された作家による問題作。若島正訳 (東京創元社 11,000円)※受注販売商品(3/31まで予約受付) 4月30日刊 米沢穂信『倫敦スコーンの謎』 「なあ常悟朗。お前に頼んでいいことなのかどうかわからないんだが……小佐内を紹介してくれないか?」堂島健吾曰く、かつて絵の謎を解いた(ことになっている)小佐内さんに、もう一度知恵を借りたいのだという。──美術家の縞大我が、サンフランシスコ・ビエンナーレの黒熊賞を受賞した。健吾は地元のテレビ局に頼まれ学内を捜索、彼の在校時代の作品を発見するが、その作品は模写でありながら展覧会に出品された事実も掘り起こしてしまったのだ。果たしてこの作品は盗作か否か? 小市民を目指す小鳩君と小佐内さんの謎解きの日々。大人気シリーズ、待望の第二作品集。4編を収録。 (創元推理文庫 予価704円)[amazon] 4月30日刊 ロス・マクドナルド『凶悪の浜 新訳版』 ロスアンジェルス近郊、マリブ海岸の高級会員制クラブ支配人から、身辺警護の依頼を受けた私立探偵リュー・アーチャー。自分の妻が失踪し、支配人がその影にいると夫に疑われ、狙われているのだという。その女性の行方を追ううちに、2年前の殺人事件が浮かび上がり、更なる殺人事件が……。次第に解き明かされる暴力に彩られた複雑な人間関係。闇に落ちていく人間たちの哀れな姿を、孤独な探偵は冷徹に暴いていく。ロス・マクドナルド名義第一作、新訳決定版。田口俊樹訳 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 4月30日刊 エリザベス・ウェイン『祖国なき者たちへ』 1937年。ヨーロッパで、平和推進を掲げた青少年エアレースが開催される。20歳までのパイロット12人が英国から飛行機で出発し、さまざまな国を経てパリへ向かい、タイムを競い合うのだ。唯一の女性パイロットである英国代表のステラは、レース初日に恐るべき光景を目撃する。前方を飛んでいた二機の飛行機のうち、上の飛行機が下に向かって意図的に接近したように見えた。そして片方は海に墜落。勝利のために、誰かが殺人を犯したのか? ステラは自らの身を守るため犯人捜しに乗りだすが……。国際スリラー作家協会YA部門賞受賞、大空を飛ぶパイロットたちを描く爽快なミステリ。吉澤康子訳 (創元推理文庫 予価1760円)[amazon] 4月30日刊 H・G・ウェルズ『深海潜航 ウェルズSF傑作集』 〈ウェルズ生誕160年〉直径6メートルの鋼鉄の球体に乗って潜航した先の海底では――表題作をはじめ、本邦初訳短編「石器時代の物語」など全5編を新訳で贈る。全作品に雑誌初出時の挿絵を付す。中村融訳 (創元SF文庫 予価990円)[amazon] 4月30日刊 デイヴィッド・ロッジ『現代文学の表現様式』 19世紀のリアリズム的小説から20世紀のモダニズム小説、そしてポストモダニズム小説へ、隠喩(メタファー)と換喩(メトニミー)の区別を通して、ロマーン・ヤーコブソンを乗り越えようと、小説の言葉がいかに形成されているかを精査し、テクストを「文学的にする」類型の変遷を明らかにする。小説家でもあるロッジならではの「読み」の実践。玉井暲・村里好俊訳 目次 (小鳥遊書房 予価4620円)[amazon] 4月30日刊 小野俊太郎『増補新版 ガメラの精神史』 『大怪獣ガメラ』から『小さき勇者たち〜ガメラ〜』、2015年のガメラ予告編、そしてアニメーション作品『GAMERA~Rebirth』までの全作を扱い、時代や社会に応答してきたガメラ映画を総括する文化史。第8章「ガメラ再誕」を増補。目次 (小鳥遊書房 予価2200円)[amazon] 4月予定 カルロス・フランス『かつて楽園のあったところ』 (水声社 予価3080円) ▼5月刊 5月1日刊 韓松『悪夢航路』 謎の病院に運び込まれた楊偉は、一夜にして数十歳も老い、巨大な病院船に閉じ込められていることに気づく。楊偉は自分と同様に老いてしまった患者たちとともに、船の真実を探るために船内を探索しはじめるが……。謎と不条理が渦巻く《医院》シリーズ第二弾。山田和子訳 (早川書房 予価4400円)[amazon] 5月1日刊 ポール・リンチ『預言者の歌』 〈ハヤカワ・プラス〉近未来アイルランド。全体主義国家へと変貌を遂げていくなか、生物学の研究者で四人の子供の母でもあるエイリッシュは決断を迫られる。国家警察に連行された夫を待つか、子供たちを守るためカナダへと亡命するか。2023年ブッカー賞受賞の傑作ディストピア小説。栩木伸明訳 (早川書房 予価3300円)[amazon] 5月1日刊 カミーラ・シャムジー『すべての石に宿る神』 〈ハヤカワ・プラス〉1914年、古代遺跡を発掘する英国女性ヴィヴィアンとパシュトゥーン人の兵士カイユム。ペシャワール行きの列車で出会った二人の運命は、15年後の反植民地闘争と古代の遺物を巡り交錯する。歴史の闇に埋もれた声を掘り起こす、女性小説賞受賞作家の心震える傑作。河内恵子訳 (早川書房 予価3960円)[amazon] 5月1日刊 織守きょうや(文)/山田佳世子(イラスト)『英国の怖い家』 ロンドン生まれの小説家、織守きょうやが、英国の幽霊譚や怪奇現象にまつわる建物を詳細に調査し、15軒の「怖い家」の物語をひもとき、山田佳世子による建物のイラストや間取り図が現地の雰囲気をリアルに伝え、その場にいるかのような臨場感を味わえる。 (エクスナレッジ 予価2420円)[amazon] 5月1日刊 『日韓SF交換日記 あなたの言葉を聞くための対話』日本SF作家クラブ・韓国SF作家連帯 編 日本SF作家クラブと韓国SF作家連帯による共同プロジェクト。30名以上の作家が参加し、それぞれの作家が抱いている「書きたい」という思いを掘り下げ、SFやフィクションの魅力を分かち合い、時にSFへの問題意識を話し合い、文化を取り巻く社会の状況、両国の歴史、課題を語り合い、未来をまなざす。韓国文学ファンにもおすすめの一冊。 (Kaguya Books 予価2970円)[amazon] 5月1日刊 ヨルン・リーエン・ホルスト/ヤン=エーリク・フィエル『クライムキャスト Vol.1 届かなかった叫び』 キャンピングカーを拠点に未解決事件を追うポッドキャスターのマルクスは、ある日、地元紙記者から配信シリーズ〈届かなかった叫び〉について問い合わせを受ける。15年前、小さな町で7歳の少女が失踪。彼女の父親が逮捕されるも、刑務所で命を絶ったという事件を扱ったもので、ある事情により更新を打ち切っていた。だが、その後新たな事件が発生し、関連を疑ったマルクスは調査を再開。情報を得るため、収監中の父フランクに連絡を取る。ノルウェーの人気ミステリ作家二人による合作。中谷友紀子訳 (小学館文庫 予価1166円)[amazon] 5月2日刊 小松和彦『いざなぎ流の研究 祭儀編』 太夫が紡ぐ言霊、神霊を縛る御幣。四国・物部の深淵に秘匿された「いざなぎ流」のすべて。現代の安倍晴明とも称される太夫たちが、血肉化してきたのは、圧倒的な「言葉の魔術」だった――。50年間に及ぶ徹底調査により、研究の第一人者が、謎多き祭文の深淵を読み解く。 日本の精神史に刻まれた知られざる神話の記録。 (KADOKAWA 予価7480円)[amazon] 5月7日刊 アリ・スミス『五月 その他の短篇』 近所の木に恋する「私」、バグパイプの楽隊につきまとわれる老女、地下鉄駅構内の死神、教会のミサに乱入する三人の女……。現代英語圏を代表する作家による、ユーモアと不思議に満ちた12か月の物語。岸本佐知子訳 (河出文庫 予価1320円)[amazon] 5月7日刊 E・C・ネヴィン『ブック・フェスティバルは大騒ぎ』 自分の本を売り込もうとブック・フェスティバルに参加した作家のジェイン。けれど、大物編集者にも書評家にもうまく話しかけられないし、期待の新人作家には嫉妬してしまう。そんなとき、物販テントで死体を発見してしまい!? 加藤洋子訳 (原書房/コージ―ブックス 予価1540円)[amazon] 5月8日刊 クリストフェル・カールソン『暗殺の冬』 首相暗殺の夜に起きた未解決殺人事件。それは30年に及ぶ連続殺人の最初の凶行だった。隠された罪を静かに問う十年に一度の傑作。棚橋志行訳 (文春文庫 予価1650円)[amazon] 5月8日刊 『原典訳 マハーバーラタ 7』 大戦11日目。軍司令官に就任したドローナの猛攻に、パーンダヴァ軍は苦しめられる。アルジュナの愛息アビマニユ、そして羅刹のガトートカチャが戦場に命を散らす。クリシュナはドローナに対抗するため、ある奇計を講ずる。上村勝彦訳 (法蔵館文庫 予価2750円)[amazon] 5月9日刊 イアン・フレミング『007/薔薇と拳銃 新訳版』 秘密情報部のスパイ、007のコードをもつ男──ジェームズ・ボンド。祖国の安寧のためさまざまな国で危険な任務を遂行する。パリ郊外の森で、最高機密の入った書類ケースを運んでいた陸軍司令部隊の伝令係が殺害された。秘密情報部の責任者Mの指令でボンドが犯人を追う表題作のほか、ジャマイカでMの友人夫妻が無惨に殺され、ボンドが実力行使の正義をくだす「読後焼却すべし(フォー・ユア・アイズ・オンリー)」など5編を収録。名手による新訳で贈る傑作短編集。白石朗訳 (創元推理文庫 予価1320円)[amazon] 5月9日刊 三島由紀夫『黒蜥蜴』 社交界の花形にして暗黒街の女王、その左腕には黒蜥蜴の刺青が――稀代のダイヤモンド「エジプトの星」をめぐって名探偵明智小五郎を翻弄する女賊黒蜥蜴。「あいつが私をとらえようとすれば、あいつは逃げてゆく、夜の遠くへ。……最後に勝つのはこっちさ」。江戸川乱歩と三島由紀夫、ふたつの才能が交わり生まれた、美しくも妖しき黒蜥蜴の物語。 (創元推理文庫 予価880円)[amazon] 5月9日刊 フレドリック・ブラウン『フレドリック・ブラウンSF短編全集2 星ねずみ』 奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を待望の文庫化。第2巻には、結婚を目前にした男に降りかかる数々のありえない出来事の謎を解く「天使ミミズ」など、初期の傑作9編を収録。安原和見訳 (創元SF文庫 予価1430円)[amazon] 5月11日刊 ガビーノ・イグレシアス『デビル・ロード』 多額の借金を抱えながら、まっとうに生きたいと願うマリオが引き受けた最後の仕事。それはカルテルの現金輸送車を襲うものだった。だがその仕事を受けた瞬間から、彼が幼い頃に聞いていた幻聴――悪魔が罪の道へと誘い込むあの声がまたしても聞こえはじめ……。渡辺義久訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価2860円)[amazon] 5月11日刊 アーシュラ・K・ル・グィン『赦しへの四つの道』 奴隷解放戦争に疲弊した惑星で宇宙連合の使節が見た真実とは。ローカス賞受賞作「赦しの日」ほか圧倒的想像力に満ちた四つの物語。小尾芙佐・鳴庭真人訳 (ハヤカワ文庫SF 予価1760円)[amazon] 5月11日刊 ナタン・ドゥヴェール『反世界(アンチモンド)』 2022年、コロナ禍のフランスで画期的なメタバース「反世界」が誕生。夢破れ、鬱屈した日々をおくる青年ジュリアンは詩人ヴァンジェルとしての人生を始め、一躍反世界のスターとなる。やがて彼が巻き起こす熱狂は現実世界に影響するまでに膨れ上がり……。山崎美穂訳 (早川書房 予価3630円)[amazon] 5月11日刊 張天翼『雪の如く山の如く』 大学生から70代まで、それぞれ異なる漢字だが同じ「リーリー」という読みの名を持つ6人の女性たちがそれぞれに遭遇する、ありふれた、しかしのっぴきならない現実とは。どの「彼女」が体験する痛みと哀しみにも共感が呼び覚まされる、現代中国の新鋭作家による話題の短編集。濱田麻矢訳 (集英社 予価2420円)[amazon] 5月12日刊 アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』 夫と三人の子供に恵まれた裕福な中年女性ジョーンは、荒天のため足止めを食った砂漠のレストハウスで、ひとり自分の人生を振り返る。「良き妻、良き母」という自己イメージがしだいに崩れはじめて……。どこの家族にでもありそうな問題、誰かに似ているような主人公を、ミステリーの女王が深い人間観察で描き切る。クリスティー没後50年の記念の年に贈る新訳。廣野由美子訳 (光文社古典新訳文庫 予価1320円)[amazon] 5月12日刊 アラン『わが思想の歩み』 『幸福論』で知られる哲学者アランの柔軟で自由な思考はいかに形成されたのか。プラトン、モンテーニュ、デカルト、カント、ヘーゲルなど、アランは自分がかかわりをもったさまざまな思想を、懐疑し、点検し、省察し、現実をいっそう深く、明晰に理解しようと努めた。本書は、自らの考える行為を振り返りながら、考える楽しさ、曖昧な世界のなかで思索を重ねる営みの豊さと魅力を伝える思想的自伝。長谷川宏訳 (光文社古典新訳文庫 予価1540円)[amazon] 5月12日刊 日影丈吉『仮面紳士 ハイカラ右京探偵全集 探偵くらぶ』 異色の推理小説作家として知られる日影丈吉の創造した名探偵ハイカラ右京の作品集。明治初期、文明開化の波に揺れる日本で、山高帽に針のような口髭、鹿革の手袋に細身の杖という洋装で、元国際スパイとも噂される「仮面紳士」のハイカラ右京こと右京慎策が難事件を次々と解決する。日下三蔵編 (光文社文庫 予価1540円)[amazon] 5月14日刊 『ハンムラビ法典』 バビロン第1王朝第6代の王ハンムラビ(在位前1792-前1750)は、バビロニアを統一して大王国を築き、法典の編纂を命じた。そこでは裁判、犯罪、被害者の救済、兵士、社会構成、農業、商業、結婚、家族、遺産相続など、さまざまな事例が扱われ、ハンムラビ法典は当時の社会の重要史料として、揺るがぬ価値を持ち続けている。貴重な記録の全訳とともに、読解を助ける訳注、各条文の「注解」、時代背景の説明を含む「訳者解説」を収録。中田一郎訳 (講談社学術文庫 予価1650円)[amazon] 5月15日刊 パトリック・キーティング『ダイナミック・フレーム 古典的ハリウッド映画におけるカメラの運動』 巨匠たちは、カメラをどう動かしたのか。名作の背後に隠れた技法と美学を掘り起こし、ハリウッド撮影史のダイナミズムを描き出す。森本光訳 (京都大学学術出版会 予価5500円)[amazon] 5月18日刊 ヴェルナー・ヘルツォーク『氷上旅日記 ミュンヘン-パリを歩いて』 〈書物復権〉重病の親友の回復を願かけて、氷と雪に閉ざされたミュンヘン─パリ間を彷徨する〈魂〉の軌跡。鬼才が綴る孤高の幻視行。藤川芳朗訳 (白水社 予価3080円)[amazon] 5月18日刊 ジャン=ジャック・ルソー『自然と社会』 〈書物復権〉『エミール』『人間不平等起源論』『告白』等、ルソーの重要著作のエッセンスを、わかりやすくユニークに伝える基本図書。平岡昇編訳 (白水社 予価5170円)[amazon] 5月18日刊 『現代ギリシャ詩選 新装版』 〈書物復権〉空と海と鴎と白い島……。ギリシャ詩のリズムに捉えられた精神科医が情熱を傾注した108の詩。中井久夫訳 (みすず書房 予価4400円)[amazon] 5月18日刊 エドガール・モラン『オルレアンのうわさ 女性誘拐のうわさとその神話作用 新装版』 〈書物復権〉1969年5月、ひとつのうわさがオルレアンで広まった。幾人かの女性が行方不明になっているという。ユダヤ人の商人たちが、ブティックの試着室で女性をさらい、地下通路を経て外国の売春街へ送っているというのだ。うわさは尾ひれをつけられ、ユダヤ商人への敵意が高まる。実際には何も起きていなかった。オルレアンで行方不明の女性などおらず、すべては伝聞でしかなかった。モランとその調査グループは、この事件の解明を試みる。なぜオルレアンで? なぜユダヤ人が? いかにうわさは増殖し、神話化したか? 杉山光信訳 (みすず書房 予価5720円)[amazon] 5月19日刊 ソポクレース『アイアース』 勇猛果敢、廉直の人として愛されたトロイアー戦争の英雄アイアース。アキレウスの遺品をめぐりオデュッセウスと争い敗れた結果、狂気に陥り――。古代ギリシア三大悲劇詩人の一人ソポクレースの、現存する最古の作品とされる。木曾明子訳 (岩波文庫 予価693円)[amazon] 5月20日刊 グン・アヨルザナ『シュグデン』 〈アジア文芸ライブラリー〉現代モンゴルの長編小説が日本初上陸。仏教僧院で起きた不可解な銃撃死事件。警察犬トレーナーのセルジャムツは、故人の親友サマンダと出会い、事件の謎を追う。やがて死の謎は禁忌とされる忿怒尊《シュグデン》の信仰が関わっていたことが徐々に明らかになる……。現代モンゴルを代表する人気作家による、分断された民族の歴史の記憶とアイデンティティを問いなおす壮大な物語。阿比留美帆訳 (春秋社 予価3520円)[amazon] 5月21日刊 ウィルヘルム・ハウフ『ハウフ ショートセレクション 幽霊船の話』 酒寄進一訳 (理論社 予価1430円)[amazon] 5月21日刊 ホリー・ヘップバーン『シャーロック・ホームズは引退しました』 1932年のロンドン、ベイカー街。シャーロック・ホームズの作中住所に建つアビーロード金融組合には、かの名探偵の実在を信じる人々から依頼の手紙が今日も届く。そんな手紙に逐一「シャーロック・ホームズは引退しました」と断りの返事を書く仕事をこなしていたハリエットはある日、失踪したメイドの身を案じる切実な依頼を読み、ホームズの秘書を名乗って調査に乗りだすことに……。名探偵はいないけど、届く悩みは本物だ。変装、尾行、そして推理を駆使して事件に挑む清新なミステリ。廣瀬麻微訳 (創元推理文庫 予価1100円)[amazon] 5月21日刊 メイソン・コイル『ウィリアム』 広場恐怖症の男が屋根裏で創ったロボット。家族に披露したその時、"それ"は家を封鎖し、彼らに襲いかかる!? 驚愕のサスペンス。山本佳世訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1100円)[amazon] 5月21日刊 ジョセフ・ホーン『古書贋作師トーマス・ワイズ』 1932年のロンドンで、マニア垂涎の本を発掘し、名を馳せるトーマス・ワイズ。だが彼は、本を偽造してコレクターを騙す詐欺師だった。彼の出品した"綺麗すぎる"本に疑念を感じた二人の書店員は、流行している探偵小説に倣いワイズを調べるが……。衝撃の実話。倉田真木訳 (早川書房 予価3520円)[amazon] 5月21日刊 ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』 食糧も電気も供給が不安定になった近未来、近隣の住人たちで自転車発電チームを結成することに……。暗い世の中での希望を描く表題作など6篇を収録。未来への夢、過去への想いや未知のものとの出会いを温かく描きだす、ヒューゴー賞ほか7冠の傑作SF短篇集。桐谷知未訳 (早川書房 予価2420円)[amazon] 5月21日刊 アーダ・ダダーモ『あなたは空気のように』 重い障害をもつ娘ダリヤを育ててきたアーダは、49歳で乳がんを告げられる。限られた時間の中で彼女は娘に語りかける。介護の日々に刻まれた葛藤と喜び、溢れる愛。生と死の境界で紡がれる想いを描いた自伝的作品。イタリア文学最高峰ストレーガ賞受賞作。越前貴美子訳 (早川書房 予価2860円)[amazon] 5月刊 馬伯庸『両京十五日 4 北京炎上』 豪雨の中、北京・紫禁城へとたどり着く皇太子一行。だが彼らを待ち受けていたのは、最後にして最大の試練と、壮絶な真実だった。齊藤正高・泊功訳 (ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon] 5月22日刊 ウンベルト・エーコ『フーコーの振り子 下』 イエズス会、シオン議定書、サン・ジェルマン伯爵、ヒットラー……あらゆるオカルトの系譜を取り込んで構築された「計画」が現実を侵食する。虚構に取り込まれるベルボ。衰弱するディオッタレーヴィ。終焉を見届けるため、振り子へと急ぐカゾボン。人々を翻弄する虚構と真実を描く、エーコ畢生の大作、堂々完結。。藤村昌昭訳 (中公文庫 予価1870円)[amazon] 5月22日刊 フョードル・ドストエフスキー『ドストエフスキー全短篇 Ⅰ』 数々の長篇で有名なドストエフスキーは、短篇の名手でもあった。「プロハルチン氏」から「白夜」まで、貴重な初期作品8篇を収める。米川正夫訳/解説 江川卓 (中公文庫 予価1320円)[amazon] フョードル・ドストエフスキー『ドストエフスキー全短篇 Ⅱ』 シベリア流刑以後、その才能を深化させていったドストエフスキー。「ボボーク」「おとなしい女」他、主に後期作品11篇を収める。米川正夫訳/解説 江川卓 (中公文庫 予価1320円)[amazon] 5月22日刊 コルム・トビーン『ブルックリン』 1950年代前半アイルランドの田舎から大都会ブルックリンへ移住した少女の物語。巧みな会話と心理描写、映画化も話題を呼んだ長篇。栩木伸明訳 (白水Uブックス 予価2530円)[amazon] 5月22日刊 E・D・ビガーズ『ボールドペイト山荘の七つの鍵』 〈論創海外ミステリ〉閑散とした冬の避暑地のホテルへ集まる個性豊かな男女。様々な思惑の裏に隠された“真の目的”とは……。欲望が渦巻く〈ボールドペイト山荘〉で最後に笑うのは誰だ! ビガーズの出世作にして、映画化・舞台化もされた作品の初邦訳。赤星美樹訳 (論創社 予価3740円)[amazon] 5月22日刊 トム・フィリップス『世界の破滅を信じた人たちのとんでもない世界史』 世界の終わり、最後の審判、終末などの考えは、地震、隕石、大洪水、戦争、疫病などへの恐怖とともに、世界の歴史でつねに物議を醸してきた。陰謀やカルト教団、預言者たちの驚くべき物語。寺西のぶ子訳 (河出書房新社 予価2750円)[amazon] 5月25日刊 ドン・ウィンズロウ『THE FINAL SCORE』(原題) 権力、裏切り、命の代償――“アメリカで最も偉大な犯罪小説家”ドン・ウィンズロウ、新作中篇集。田口俊樹訳 (ハーパーBOOKS 予価1430円)[amazon] 5月25日刊 イム・ソンスン『コンサルタント 死を執筆する男』 暗殺は実行される。僕が書いた小説(シナリオ)のとおりに――連続TVドラマ化(WOWOW)決定。カンバンファ訳 (ハーパーBOOKS 予価1276円)[amazon] 5月25日刊 コリイ・ドクトロウ『マジック・キングダムで落ちぶれて』 この世界で一世紀以上生きてきたジュールズは、ディズニー・ワールドのマジック・キングダムに住み、ガールフレンド、リルと幸せな日々を送っていた。人類は記憶や人格のバックアップ技術を確立し、クローンと組み合わせることで“再生”が可能になり、また、お金の代わりに“評価”で経済を回し、仮想通貨「ウッフィー」の多寡ですべてが決まるように。旧来の価値観から解放された未来を描く傑作SFを復刊。川副智子訳 (復刊ドットコム 予価3080円)[amazon] 5月25日発売 《ミステリマガジン》7月号 (早川書房)[amazon] 5月26日刊 ナオミ・イシグロ『雨影の孤児たち 上・下』 貧民街に住む孤児のトシコは、恩人を殺した犯罪組織の首魁・サイトウを襲撃するが、彼が計画した女帝暗殺未遂事件に巻き込まれ追われる身となってしまう。そしてその裏では、科学と魔法を複合させた人型労働ロボットによる帝国支配の陰謀が進行していた……! 川野靖子訳 (早川書房 予価各3300円)[amazon上・下] 5月26日刊 トレイシー・シュヴァリエ『真珠の耳飾りの少女 新版』 画家フェルメールに思いを寄せ、名画のモデルになった少女の運命は? 17世紀オランダを舞台に、謎に包まれた巨匠の光と影に迫る。木下哲夫訳 (白水Uブックス 予価1870円)[amazon] 5月26日刊 タデウシュ・コンヴィツキ『現代の夢解きの本』 〈ルリユール叢書〉自殺未遂から目覚めた男が彷徨う見知らぬ町には、喪われた故郷ヴィルノの幻影と戦争の記憶が交錯していた――20世紀ポーランド文学・映画界の巨星コンヴィツキの代表作にして、不条理な状況下での実存の不安を深く抉り出す東欧文学の幻の傑作長編小説。本邦初訳。菅原祥訳 (幻戯書房 予価5390円)[amazon] 5月26日刊 石井美樹子『事件で読むシェイクスピア 真訳シェイクスピア講義』(仮) 「生きるべきか、死ぬべきか」は誤訳である! 『真訳シェイクスピア四大悲劇』『真訳シェイクスピア傑作選』をもとに、原文を正確かつ作品の歴史的背景を詳細に読み解き、深い理解を導く。 (河出書房新社 予価2750円)[amazon] 5月26日刊 ウンベルト・エーコ『ウンベルト・エーコの世界文明講義』 現代屈指の知の巨人が、思想、哲学、文学から、メディア、サブカルチャーまで縦横無尽に語った文明の秘密。「見えないもの」「陰謀」「絶対と相対」「炎は美しい」など。カラー図版136点。和田忠彦監訳 (河出書房新社 予価5390円)[amazon] 5月27日刊 ロジェ・マルタン・デュ・ガール『チボー家の人々1 灰色のノート 新版』 第一次世界大戦前後、ヨーロッパの大変動期を舞台に若者たちの青春と悲劇を描く。時を超えて胸を打つ永遠の大河小説。山内義雄訳 (白水Uブックス 予価1540円)[amazon] 5月27日刊 アリス・マンロー『ジュビリー』 カナダ、オンタリオ州の田舎町ジュビリーで暮らす少女デル。好奇心旺盛で記憶力抜群の彼女は、周囲のうわさ話に耳を傾け、大人たちの世界をあれこれと想像している。上昇志向が強く、周囲から浮いている母、商売に失敗したものの、実直な人柄の父、因習深く辛辣な大おばたち、あけすけなようでいて互いに本心を明かせない友だち。進学を控えたデルは、性の実践へと果敢に身を乗り出しながら、町の人々の物語を小説に書きはじめる。生まれ故郷を舞台に描かれた、マンロー唯一の「長篇小説」。小竹由美子訳 (新潮社 予価2915円)[amazon] 5月27日刊 スティーヴン・キング『もし血が流れれば イフ・イット・ブリーズ』 大惨事を報じる記者の邪悪な正体――キングらしい恐怖との戦いを描く表題作とスランプに苦しむ作家を襲う怪異「ラット」の2編収録。白石朗・安野玲訳 (文藝春秋 予価3960円)[amazon] 5月28日刊 アン・クリーヴス『水面の弔花』 イングランド北東部ノーサンバーランド州。ある夏の夜、ひとりの少年が自宅で死んでいるのを外出から帰った母親が見つける。絞殺された彼の死体は、浴槽の中に沈められ、水面にはなぜか野の草花が浮いていた……。ヴェラ・スタンホープ警部の捜査により浮かび上がる小さな町の人間関係と秘密。事件の真相と犯人の名は? ドラマ「ヴェラ~信念の女警部~」原作、クリーヴスの名を一躍知らしめた傑作ミステリ・シリーズ。玉木亨訳 (創元推理文庫 予価1430円)[amazon] 5月28日刊 ニーナ・サイモン『彼女たちの謎解きの夜』 不動産バイヤーのラナは、仕事一筋で生きてきた。しかし癌を宣告され、16年前に家を出ていった娘のベス、孫娘のジャックと同居することに。だが15歳のジャックが、アルバイト中に環境保護区の湿地で他殺死体を発見してしまう。ジャックは刑事たちに容疑者のように問い詰められ、ラナは孫のために真相を見つけ出そうと、事件の調査を始める。エネルギッシュな祖母、堅実な娘、しっかり者の孫。個性豊かな3人の推理と絆を描く謎解きミステリ。神林美和訳 (創元推理文庫 予価1760円)[amazon] 5月28日刊 エリカ・ルース・ノイバウアー『イスタンブールの殺人』 婚約者を父に紹介するべく故郷のボストンに戻ったジェーン。だが父ヴンダリー教授は、屋敷を担保に銀行から大金を借りて姿を消していた。書き置きから行き先を知ったジェーンたちはイスタンブールへ。どうやら教授は〈スルタンの心臓〉とやらを追っているらしい。ところが教授は見つからないばかりか、尾行されたり手がかりを握る人物が殺されたりと、きな臭さは増すばかり。アガサ賞デビュー長編賞受賞シリーズ第4弾。山田順子訳 (創元推理文庫 予価1540円)[amazon] 5月28日刊 シルヴィア・パク『闇より射す光』(仮) 藤沢町子訳 (新潮文庫 予価1375円)[amazon] 5月刊 ジョン・ブラックバーン『痛苦の聖母』 〈怪奇の本棚〉若さと美貌を保つため多くの若い女性を殺してその血で湯浴みした17世紀ハンガリーの「血の伯爵夫人」エリザベート・バートリに取材した新作戯曲『痛苦の聖母』が、まもなく初日を迎えようとしていた。主演女優の元に出入りする悪徳医師の後を追う新聞記者クレイは、不可解な連続自殺事件に遭遇、やがて悪夢のような事件にまきこまれていく。超自然的恐怖にミステリ要素を組み合わせ、1960‐70年代に人気を博した英国モダンホラーの先駆者ブラックバーンの最高傑作。永島憲江訳/解説 中島晶也 (国書刊行会 予価3740円)[amaozn] 5月予定 大西亮『ホルヘ・ルイス・ボルヘス 無人称の文学空間をめざして』 〈知の革命家たち〉文学が膨大な文字の組み合わせに過ぎないなら、作者という主体は言語の総体へと解消される。古今東西の文学を渉猟し、引用やパロディを介して作品が作品を生成する営みを透徹した眼で見つめた博覧強記の作家は、その先に何を夢見たのか。文学の伝統を裏返し、書物をめぐる価値観を一変させ、虚構から現実を照射し、知の迷宮を駆け抜けた巨匠の真髄に触れる。 (水声社 予価1980円) 5月予定 塩塚秀一郎『ジョルジュ・ペレック 世にも稀なる風変わりな文学的個性』 〈知の革命家たち〉 (水声社 予価1980円) 5月予定 レックス・スタウト『上流の一族でも』 〈論創海外ミステリ〉巨悪アーノルド・ゼックと天才探偵ネロ・ウルフの直接対決を描く〈アーノルド・ゼック三部作〉完結編! 初邦訳。渕上瘦平訳 (論創社 予価3080円)[amazon] 5月予定 レックス・スタウト『意志あるところに殺しは開ける』 〈論創海外ミステリ〉奇妙な遺言が招く惨劇。女性嫌いの名探偵ネロ・ウルフは珍しく外出して捜査に乗り出すが……。鬼頭玲子訳 (論創社 予価2860円)[amazon] 5月予定 チャールズ・H・フォート『呪われし者の書』 南山宏訳 (国書刊行会)[amazon] 5月予定 アルノ・シュミット『レヴィアータン』 〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳 (水声社 予価2200円) ▼6月予定 6月2日刊 コレージュ・ド・パタフィジック編『101語でわかるパタフィジック』 天才芸術家の発明は、どのように前衛集団に継承されたのか? おおよそ100語で、その歴史と戦略をユーモアたっぷりに振り返る。合田陽祐訳 (白水社/文庫クセジュ 予価1760円)[amazon] 6月2日刊 ニコライ・ベルジャーエフ『ドストエフスキーの世界観』 自由、悪、革命、大審問官──魂の近親者ベルジャーエフがドストエフスキーから論じるロシア精神と人類に課された普遍的問題のすべて。斎藤栄治訳 (白水Uブックス/思想の地平線 予価1760円)[amazon] 6月2日刊 大石雅彦『ミハイル・バフチン論 「ロゴス圏」探求のために』 その思想の根本問題を出来事、言語、身体と見定め、徹底的に読み解く未曾有のバフチン論。多孔的で未完結の全体像がここに生成す。 (白水社 予価7150円)[amazon] 6月4日刊 エイミー・ティンテラ『嘘に耳を澄ませ』 親友が殺された夜、現場にいたルーシーは事件の記憶を全て失っていた。5後、故郷へ戻った彼女は、周囲に犯人と疑われながらも、素人探偵と共に事件を再調査する。記憶がもどりはじめ、「殺しちゃおう」と脳裏に謎の声が響く中、彼女がたどり着いた真相とは。服部京子訳 (ハヤカワ・ミステリ 予価3080円)[amazon] 6月4日刊 サラ・パレツキー『ラスト・セッション 上・下』 カンザス州を訪れたヴィクの元に事件の調査の依頼が。失踪事件、麻薬密売、そして若い女性の遺体……彼女がたどり着いた真実とは。山本やよい訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1650円)[amazon上・下] 6月4日刊 エリン・E・アダムス『贄の森』 友人の結婚式のためリズは帰ってきた。かつて少女たちが心臓を抜かれて見つかったこの町に。閉鎖された町で起こる事件の真実とは。岩瀬徳子訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2200円)[amazon] 6月4日刊 ウィリアム・ギブスン『あいどる 新版』 世界的ロックスターがヴァーチャル"あいどる"投影麗との結婚を宣言!? そして東京と仮想空間〈城砦都市〉で巨大な陰謀が蠢く。浅倉久志訳 (ハヤカワ文庫SF 予価2420円)[amazon] 6月4日刊 アリアナ・ハルウィッツ『死んでよ、アモール』 「ただひたすら、死んでしまいたい」。母になった彼女の中で、崩壊しはじめたもの。女であること、愛の残酷さ──現代アルゼンチン文学シーンを牽引する著者が、むきだしの感情をもって迫るブッカー国際賞ノミネート作。宮﨑真紀訳 (早川書房 予価2640円)[amazon] 6月5日刊 スティーヴ・キャヴァナー『キル・フォー・ミー キル・フォー・ユー』 夜のニューヨーク。愛する娘を奪われた二人の女は、ある夜、復讐の誓いを立てる。――「殺人を交換するのよ」。別の場所では、夫の留守中に妻が青い目の侵入者に襲われる。――「あいつを殺さなければならない」。そして衝撃的なゲームチェンジ! 『弁護士の血』でミステリー・ファンを驚かせた「ツイストの魔術師」がヒッチコックへのオマージュをこめて描く超絶サスペンス。吉野弘人訳 (小学館文庫 予価1331円)[amazon] 6月8日刊 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 『半分のぼった黄色い太陽 上・下』 数百万の犠牲者が生まれたビアフラ戦争。その悲劇をもとに紡がれる、恋人たち、家族たちのスリリングな物語。英オレンジ賞受賞。くぼたのぞみ訳 (河出文庫 予価各1650円)[amazon上・下] 6月10日刊 ウィリアム・シェイクスピア『ロミオとジュリエット』 「ああロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの?」花の都ヴェローナ。モンタギュー家のロミオは、対立するキャピュレット家の晩餐会に忍び込み、ジュリエットに一目惚れする。バルコニーでの有名な呼びかけ合いを経て、二人は秘密裡に結婚するが、両家の抗争の果てにロミオが相手側の人間を殺し追放されてましまう。ジュリエットは別な人物との結婚を強要されるが……。世界で最も有名な恋愛悲劇を、鮮烈な新訳で。小田島創志訳 (光文社古典新訳文庫)[amazon] 6月10日刊 ジークムント・フロイト『フロイト、不安について語る』 わたしたちは誰もが不安になる。不安を覚えないでいることのできる人はほぼいない。フロイトは、そんな病理としての不安に注目し、不安が生まれるメカニズムを独自の視点で捉え、解明を試みた。個人的な問題としてだけでなく、文明論的な見地からも考察を深めたフロイトならではの不安論。不安神経症、不安ヒステリー、強迫神経症などの症例を取り上げた代表的な5つの論文(『精神分析入門』の講義も含む)を収録。中山元訳 (光文社古典新訳文庫 予価1386円)[amazon] 6月発売 《紙魚の手帖》vol.29 ケイト・モートン『時計職人の娘(仮)』の先行掲載、ジェラルド・カーシュ初訳短編やコラムなどで贈る「2026年注目の翻訳ミステリ特集」。倉知淳、久永実木彦による新連載ほか。 (東京創元社)[amazon] 6月刊 ショーン・オフェイロン『オフェイロン短篇集』 若島正訳 (岩波文庫)[amazon] 6月刊 アイスキュロス『縛られたプロメーテウス』 伊藤照夫訳 (岩波文庫)[amazon] 6月刊 ルクレティウス『事物の本性について 上・下』 瀬口昌久訳 (岩波文庫)[amazon上・下] 6月18日刊 モナ・アワド『バニー』 名門大学の創作科。サマンサは、互いを「バニー」と呼び慣れ合う女子学生たちを軽蔑していた。だが秘密のワークショップで"作品"を生み出した夜から、彼女は甘やかな連帯に絡め取られていく。孤独な創作と群れの連帯は両立するのか。創造の狂気を描く注目作。下田明子訳 (早川書房 予価3630円)[amazon] 6月19日刊 ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を 特装版』 32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。やがて手術によってチャーリイの知能は向上していくのだが……。全世界が涙した不朽の名作を函入りの特装版で。小尾芙佐訳 (早川書房 予価7260円)[amazon] 6月25日発売 《SFマガジン》8月号 (早川書房)[amazon] 6月29日刊 松村一男・沖田瑞穂『『オデュッセイア』入門』 世界最古の冒険叙事詩、『オデュッセイア』。ひとびとに語り継がれる奇想天外なその魅了と謎にスリリングに迫る、入門書の決定版。 (河出新書 予価1100円)[amazon] 6月刊 ジェラルド・カーシュ『壜の中の手記』 無人島で発見された奇怪な白骨と日記がささやかな楽園の終焉を物語る「豚の島の女王」、アンブローズ・ビアスの失踪という文学史上の謎に材を採ったアメリカ探偵作家クラブ賞受賞の表題作、18世紀英国で漁師の網にかかった極彩色の怪物の驚くべき正体が綴られる「ブライトンの怪物」――全編に横溢する残酷とユーモア、奇想を奇想たらしめる語りの妙、そしてひねりの利いた結末が時に人間の愚かさやもの悲しさをも漂わせる、異色短編作家の傑作選。西崎憲他訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 C・J・ボックス『黄昏の銃声』 猟区管理官ジョー・ピケットは、ヒューイット判事が自宅で狙撃されたという連絡を受ける。弾は妻に当たり、瀕死の重傷を負ってしまう。判事は自分が有罪を宣告した者の中に犯人がいるはずだと断定し、法執行官たちに捜査を命じる。ジョーは射撃のプロである盟友、鷹匠のネイトに協力を仰ぐが、ネイト自身にも危険が迫っていた……。急展開を迎える冒険サスペンス・シリーズ。野口百合子訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 ジョン・マクマホン『猟犬の誇り』 FBI捜査官のガードナーは、他殺体の身元確認のためにテキサスを訪ねていた。殺された男は7年前の連続殺人事件で犯人と目されたが、逮捕寸前に自宅で焼死したはずの男だ。死んだ男が、なぜまた死体となって現れたのか。ガードナーのもとへ新たに一報が入る。長い服役を経て仮釈放された連続殺人犯が殺されたのだ。かくして事件は「連続殺人犯ばかりを狙う連続殺人」の様相を帯び――。奇妙な手がかり、深まる謎、執念の捜査行。全米注目の俊英が放つ、最大熱量、最高濃度の警察ミステリ。髙山祥子訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 マルク・ラーベ『スズメバチ』 ベルリンで開催されたロックスター、ブラッド・ギャロウェイのライブ中、女性がステージで彼に謎の封筒を手渡した。その中のアルミケースには、凝固した血の上に小さな白い羽根が載っていた……。翌日の夕方、ブラッドの遺体が警察のゲストハウスで発見される。胸には「愛する者の命は大事か?」というメッセージが。『17の鍵』『19号室』に続く刑事トム・バビロン・シリーズ第3弾。酒寄進一訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 エミリー・カーペンター『ゴシックタウン』(仮) コロナ禍のためにニューヨークの一流料理店を閉店したビリーの元に、ジュリアナという南部の田舎町への移住勧誘メールが舞い込む。百ドルで豪華な邸宅を提供し、しかも起業の資金援助もするという内容に、好奇心に駆られ返信したビリーは、オファーを受けて夫と幼い娘と猫とともに移住を決断する。暖かな気候、素敵な館、親切な住民、理想の仕事……しかし、ジュリアナにはどこか奇妙な空気が漂っていた。シャーリイ・ジャクスン「くじ」にインスパイアされた傑作ホラー。茂木健訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 ヘザー・フォーセット『エミリー・ワイルドの妖精事典』(仮) 樹木妖精学博士エミリー・ワイルドは、妖精に関する話(と証拠)を集めるために北極圏に近い島を訪れていた。ところが初日から族長の不興を買い前途多難な様相。そこに現れたのは同僚兼ライバルのバンブルビー。美形で人当たりがいい彼はすぐに村人に溶け込むが……。研究オタクのエミリーと傍若無人だが面倒見のいいバンブルビーの妖精フィールドワークの顛末は。ロマンチック&コージー・ファンタジイ。原島文世訳 (創元推理文庫)[amazon] 6月刊 P・ジェリ・クラーク『カイロの死せる精霊(ジン) 精霊を統べる者』 〈創元海外SF叢書〉19世紀後半、伝説の魔術師アル゠ジャーヒズがジン(精霊)の世界の扉を開き、世界は一変した。ジンの魔法と科学の融合により急速な発展を遂げたエジプトでは、錬金術・魔術・超自然的存在省の特別調査官ファトマが怪事件に立ち向かう……ファトマと恋人シティの出会いを描く前日譚の表題作など3編収録。SF各賞に輝いた『精霊を統べる者』シリーズ最新刊。鍛治靖子訳 (東京創元社)[amazon] 6月刊 ローラン・ビネ『遠近法』(仮) 〈海外文学セレクション〉ルネサンス期の画家ポントルモが制作中のフレスコ画の前で殺害された。傍らにはメディチ家の娘で婚礼を控えたマリア・デ・メディチの猥褻な絵が残されていた。マリアの父コジモ・デ・メディチの命により、『芸術家列伝』の著者ヴァザーリが事件を調べ始める。ミケランジェロ、コジモ・デ・メディチ、マリア・デ・メディチ、カトリーヌ・ド・メディシス、チェッリーニらの176通の書簡からなる驚愕の書簡体ミステリ。高橋啓訳 (東京創元社)[amazon] ▼7月以降予定 7月14日刊 J・D・サリンジャー『サリンジャー初期短篇全集』 一目惚れをした男が投獄されるユーモラスなアンチ・ラブストーリー、戦争の気配が色濃くなる時代の若者たちを活写した傑作など、サリンジャーの原点とエッセンスが詰まった初期全作品集。柴田元幸訳 (河出書房新社 予価2970円)[amazon] 7月予定 A・M・バレイジ『誰かがいる部屋 A・M・バレイジ怪談傑作集』(仮) 植草昌実編訳 (新紀元社)[amazon] ▼予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう) クリストファー・イシャウッド『シングル・マン』 真野泰訳 (岩波文庫)[amazon] E・C・ベントリー&ワーナー・アレン『トレント自身の事件』 〈論創海外ミステリ〉有名な慈善家ランドルフが殺された。肖像画家フィリップ・トレントの親友フェアマンは、自白書を残して自殺を図るが、叶わずに逮捕されてしまう。トレントは友人の無実を信じて調査に乗り出すが、次々と怪しげな人物が現れ、ランドルフの息子を名乗る人物まで飛び込んできた。はたして犯人は誰なのか。やがてトレント自身も事件の渦中へと呑み込まれていく。 金井真弓訳 (論創社 予価3850円)[amazon] ピーター・ヘラー『いつかぼくが帰る場所 上・下』 人類の大半が流感で死んだ世界。愛犬と孤独に暮らす男は、無線で何者かの声を聞く。希望を抱き、声の主を探しに旅へ。映画化原作。堀川志野舞訳 (ハヤカワ文庫NV 予価各1232円)[amazon上・下] ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮) 現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳 (竹書房文庫 予価1540円)[amazon] Amazonのアソシエイトとして、藤原編集室は適格販売により収入を得ています。 |