注目の近刊

3月17日刊
ジョン・スタインベック『スタインベック短篇集 長くのびた盆地』
作家の生地カリフォルニア州サリーナス盆地を舞台とした短篇集。名品と名高い「マム(西洋菊)」「朝めし」「殺人」などに加え、子供向け作品として単独でも親しまれてきた「赤いポニー」も収録、刊行時の完全な形で蘇る。青山南訳
(岩波文庫 1276円)[amazon]

3月17日発売 重版再開
ジョン・スタインベック『怒りのぶどう 上・中・下

大橋健三郎訳
(岩波文庫)

3月17日刊
ジェスミン・ウォード『私たちが刈り取った男たち』
著者ジェスミン・ウォードと親しかった同世代の若者のうち、2000年からの5年間に亡くなった5人の生と死をめぐる物語。プロローグに続く奇数章では著者の家族の歴史を時系列に追い、偶数章では若者たちの生と死を逆時系列にたどる。そして第10章で2つの時間軸が出会うとともに、著者の弟ジョシュア・アダム・デドーの死の状況が詳らかにされ、続く最終章で、アメリカ南部において貧しい黒人男性であることの意味を問う。石川由美子訳
(作品社 予価2970円)[amazon]

3月17日刊
北村紗衣『素面のダブリン市民 ゆるふわアイルランド紀行
大学のサバティカル(在外研究)で1年間ダブリンに住むことになった英文学者、北村紗衣のアイルランド滞在記。文学、ことば、劇場から、最悪の住宅事情に、紅茶論争、ポテトチップス文化まで。
(書肆侃侃房 予価1980円)[amazon]

3月18日刊
堀啓子『伝説の出版社 博文館』
明治半ばに出現した出版社、博文館はたちまち日本出版界を牽引する一大コンツェルンへと発展した。その革新的なメディア戦術と知られざる文化王国の実像に迫る。
(筑摩選書 予価2200円)[amazon]

3月18日刊
馬伯庸『両京十五日 2 准河の戦い』
南京脱出を目の前にした皇太子一行は最強の敵、梁興甫に襲われる。盗賊団、白龍掛の力を借りて逃げるも、そこに別の敵の影が……。齊藤正高・泊功訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon]

3月18日刊
マット・ディニマン『冒険者カールの地球ダンジョン 2  銀河生配信! デスゲームでめざせフォロワー爆増
全宇宙に配信される“地球ダンジョン”攻略で、第一層をクリアしたカールと飼い猫ドーナツ。次々と予想外のヤツらが襲いかかり!? 中原尚哉訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1650円)[amazon]

3月18日刊
パット・バーカー『トロイの女たち』
トロイア滅亡後、女たちはギリシア軍の「戦利品」となった。息子を殺した男に仕える者、生贄として娘を差し出さねばならなかった者、望まぬ子を腹に抱える者……封じられてきた女たちの声が響き渡る。ブッカー賞作家が贈る『イリアス』語りなおし三部作第二弾。北村みちよ訳
(早川書房 予価4510円)[amazon]

3月18日刊
ロバート・ジャクソン・ベネット『記銘師ディンの事件録 木に殺された男』
帝国辺境で技術省高官が変死した。体から突然、巨大な木が生えたのだ。捜査を開始したアナとディンは十人の技術省技師が同様に死亡し、海から現れる巨獣を阻止せんための防壁が破壊されたと知らされる。帝国を揺るがす事件の謎を二人は解くことができるのか!? 桐谷知未訳
(早川書房 予価3960円)[amazon]

3月18日刊
岸本佐知子『あれは何だったんだろう』
日常は不思議、不思議が日常。虚実のへだてを乗り越えてどこにも行かずにどこまでも行く。翻訳家のささやかな大冒険はつづく。待望の『ねにもつタイプ』第4弾。
(筑摩書房 予価1980円)[amazon]

3月18日刊
アンリ・ベルクソン『時間と自由』
時間を、時計のような区切られた点の集まりではなく、意識の内的持続の中に見る。ノーベル文学賞受賞哲学者の代表作。平井啓之訳
(白水Uブックス/思想の地平線 予価1760円)[amazon]

3月19日刊
奈倉有里『背表紙の学校』
学校には存在しない教科を、町の本屋さんが教えてくれた。不安な時代だからこそ、救ってくれる本と記憶がある。『夕暮れに夜明けの歌を』『文化の脱走兵』の著者が贈る、待望の最新エッセイ集。
(講談社 予価1870円)[amazon]

3月19日刊
ジャナ・デリオン『アリゲーターには手を出すな』
シンフルの町の象徴であるワニを密猟する不逞の輩が現れた。折りしもフォーチュンは今後の身の振り方を模索中、ガーディは釣りに、アイダ・ベルは改造車に夢中の毎日。別行動が増えたガーディは、バイユーをうろついていてどうも怪しい。まさか? フォーチュンは探偵稼業のお試しとばかり、事件を探りはじめるが……。装備も中身もパワーアップしすぎな三人組が、町をバイユーを疾走する! 〈ワニ町〉シリーズ第9弾。島村浩子訳
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

3月19日刊
クイーム・マクドネル『幸運すぎて埋められる』
ポール、ブリジット、バニーが設立した〈MCM探偵事務所〉は窮地に陥っていた。ポールが別の探偵事務所と揉めているうえ、バニーが浮気調査の対象者への暴力行為で訴えられたのだ。ブリジットは連絡が取れなくなった彼を探すが、バニーは警察が山中で二体の死体を発見したという報道を知って動揺していた。それはかつて、彼が相棒の刑事と一緒に埋めた死体だった……。ノンストップ・サスペンス『平凡すぎて殺される』シリーズ完結編。青木悦子訳
(創元推理文庫 予価1980円)[amazon]

3月19日刊
マハ・カーン・フィリップス『ペルシャ王女の棺』
洞窟で発見された身元不明のミイラは幻の王女だった!? 女性考古学者が黄金のマスクの下の真実に迫る。歴史エンタメミステリー。
(集英社文庫 予価1485円)[amazon]

3月19日刊
藤野可織(作)/さかたきよこ(絵)『どんな いえ?』
〈怪談えほん〉家に帰ろう、早く帰ろう。あれ、家がない。ねえ、きみの家ってどんな家? 明るい家? それとも暗い家? 帰りたくない怖い家? 帰りたいけど帰れない。どこにあるかもわからない。家を探してさまよう帰り道。藤野可織とさかたきよこが誘う いや~な帰り道。東雅夫編
(岩崎書店 予価1760円)[amazon]

3月19日刊
海老原豊『ディストピア・サバイバル・ガイド』
健康、遺伝子決定、少子高齢化、リアリティ、ルッキズム、分断、生殖管理、依存症、インフルエンス、マインドアップロード――10のディストピアに世界を切り分け、SFを【ストーリー】【サバイバル】【探求】の三つのガイドで読解する。目次
(小鳥遊書房 予価2530円)[amazon]

3月20日刊
ルース・ショー『世界の果ての本屋さん』
ニュージーランドの最南端、マナポウリ湖のほとりで、ルース・ショーは夫とともに小さな本屋を経営している。今や70代後半となった彼女は、これまで世界を股にかけ、冒険に満ちた人生を過ごしてきた。海賊に捕まりながら太平洋や南シナ海を航海し、養豚農家、海軍(脱走)兵、違法な賭博師を経て、シドニーの歓楽街で麻薬中毒者や売春婦とともに働き、各地の教会でシェフを担当し、環境問題の運動にも関わってきた。逮捕歴は2度。結婚歴は4度。ルースの放浪と冒険の根底にあるのは、深い喪失と長きにわたる苦悩だった――。清水由貴子訳
(晶文社 予価2310円)[amazon]

3月23日刊
小原文衛・西山智則編『ホラーの機能 迂回的言語としての映画・文学
語られなかった死。見えない暴力。忘却を強いられた記憶。それらは消えない。語られないものは、〈迂回的な言語〉=怪物に姿を変えて帰ってくる。ゾンビ、ゴジラ、亡霊、人工身体、アメリカン・パラノイア、悪魔……。ホラー映画と文学を横断し、現代社会の深層/無意識を撃ち抜く、ホラーの〈見方・読み方〉の新たなる地平「ホラー」をもって「悪夢の時代」に対抗せよ! 目次
(小鳥遊書房 予価3080円)[amazon]

3月23日刊
ウィリアム・シェイクスピア『新訳 タイタス・アンドロニカス/ファヴァシャムのアーデン』
勇猛な将軍タイタスはゴート族の美しき女王タモーラと王子らを捕虜として引き連れ、祖国ローマに凱旋。女王の願いを無視し、王子を惨殺する。ところが新皇帝が女王を娶り、立場が逆転。女王による復讐が始まる。血で血を洗う復讐劇の元祖『タイタス・アンドロニカス』に加え、作者をめぐり論争になり、国内全集で未邦訳だったが2016年に正典入りした『ファヴァシャムのアーデン』も収録。河合祥一郎訳
(角川文庫 予価1595円)[amazon]

3月24日刊
チャールズ・ディケンズ『バーナビー・ラッジ 上・下
ロンドン郊外チグウェル村の酒場〈メイポール亭〉に、一人の旅人が訪れる。奇しくも22年前の同日に近隣で発生した殺人事件について馴染客が彼に語ったその時、止まっていた運命の輪が動きだす……。イギリスを代表する文豪が推理小説的技巧を用い、E・A・ポオを嫉妬させた歴史長篇、初文庫化。下巻末にポオの書評を付す。小池滋訳
(中公文庫 予価各1650円)[amazon]

3月24日刊
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス/鏡の国のアリス』
あるのどかな昼下がり、白うさぎを追いかけ大きな穴に飛び込んだ少女は、見たこともない不思議な世界に迷い込みます。続篇では、鏡の中に入り込んだ少女が、チェスの駒になって鏡の世界の住人とゲームをすることに……。名作『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』を合本。高山宏訳/佐々木マキ(イラスト)
(中公文庫 予価1590円)[amazon]

3月24日刊
ジャック・ロンドン『ジョン・バーリコーン 酒と冒険の自伝的物語
少年時代を送ったサンフランシスコの酒場で、船乗り仲間の付き合いで、アザラシ船で向かった小笠原諸島で。そして北米大陸放浪、ゴールドラッシュと旅は続き――どれほど労働が苛烈であれ、どこへ旅をしようとも、〈彼〉はいつも傍らにあった。彼=ジョン・バーリコーンとは〈大麦から作られた酒〉を擬人化した呼び名。生きていくことがそのまま冒険だった半生において、作家の血中アルコール濃度は着々と高まり、あやういせめぎ合いはやがて……酒をモチーフに小説仕立てで語る、酔いどれメモワール。辻井栄滋訳
(中公文庫 予価1056円)[amazon]

3月24日刊
ウンベルト・エーコ『フーコーの振り子 
「あの陰謀は本当なんです……殺されるかもしれない」銃声とともに電話は切れ、助けを求める友人ベルボが失踪した。行方を追うカゾボンは、フーコーの振り子を抱くパリ国立工芸院に向かう。テンプル騎士団の秘密にまつわる原稿が持ち込まれたミラノの出版社で、3人の編集者たちは歴史の陰で囁かれてきた「陰謀」に引き寄せられていく。カバラ、錬金術、グノーシス、薔薇十字、古代の超大陸から現代イタリアまで、古今東西の知識や伝承、オカルトや奇想が引用された博覧強記の冒険的ミステリー。エーコ畢生の大作、待望の復刊。全3巻。藤村昌昭訳
(中公文庫 予価1650円)[amazon]

3月24日刊
久生十蘭『顎十郎捕物帳 上・下
ヘチマなりの顎をぶらさげた、北町奉行所例繰方見習、仙波阿古十郎。難解な怪事件に鮮やかな推理で大活躍。探偵小説史に残る、本格ミステリ捕物帳。上下巻に各12話、異稿各1篇を収録。
(中公文庫 予価各1320円)[amazon]

3月25日刊
山下大地『ヴァンパイア・リヴァンプド 「吸血鬼」神話を解体する
近代ヴァンパイア文学史――東欧の民間伝承にあらわれる怪物から、ルスヴン卿、ドラキュラ伯爵など文学史上の記念碑的キャラクターまで。ヴァンパイアをめぐる各地のテクストを批判的にひもとき、ゲーテ、ホフマンらの物語にもふれながら、イメージの歴史的変遷を最新の視座にもとづき詳述する。現代カルチャーに広く根付いたヴァンパイア表象はどこから来たのか。本質に迫る必読の文学研究。目次
(国書刊行会 予価3960円)[amazon]

3月25日刊
タリク・アシュカナニ『真夜中の王』
作家の父が遺した連続殺人の“告白”。 それはおぞましい真実なのか――。衝撃のツイスト、読んだら元の自分には戻れない。2025年マッキルヴァニー賞受賞作。鍋島啓祐訳
(ハーパーBOOKS 予価1430円)[amazon]

3月25日刊
ダニエル・シルヴァ『ダ・ヴィンチの密命』
水の都で発見された顔のない死体。 奪われたダ・ヴィンチの幻の名画の行き先には、世界の均衡を揺るがす陰謀が――。山本やよい訳
(ハーパーBOOKS 予価1628円)[amazon]

3月26日刊
デイヴィッド・ロッジ『小説の技巧』
小説愛好家・作家志望者必読! ユリシーズをはじめ、サリンジャー、オースター、イシグロ……古今の傑作を分析し、使える技法を伝授。柴田元幸・斎藤兆史訳
(白水Uブックス 予価2200円)[amazon]

3月26日刊
厳選 中世ロシア奇譚集』
『セルビア版アレクサンドロス大王物語』『至賢アキルの物語』など、中世ロシアの想像力の性質を端的に表す20の物語を厳選・収録。厳しい現実のなかで光を夢見る差し迫った幻想性を備えたこれらの作品は、きらびやかで妖しい奇想のうちに、ロシアをロシアとして成り立たしめている「精神」のありようをうかがわせる。三浦清美訳
(松籟社 予価5500円)[amazon]

3月26日刊
馬伯庸『長安のライチ』
楊貴妃の誕生日までに、五千里の彼方から新鮮なライチを長安まで運べ。この不可能ミッションに、家族思いの小役人が挑む。池田智恵・立原透耶訳
(文藝春秋 予価2805円)[amazon]

3月26日刊
サミュエル・セルヴォン『ロンリー・ロンドナーズ』
〈ルリユール叢書〉トリニダードの民衆音楽「カリプソ」と小説を融合させた“イギリス黒人文学の父”サミュエル・セルヴォン――クレオール英語の特異な文体で、ロンドン移民の苦境の現実と夢を「都会のブルース」として描き、イギリス社会をユーモラスに風刺する「黒い大西洋(ブラック・アトランティック)」の傑作小説。本邦初訳。星野真志訳
(幻戯書房 予価3190円)[amazon]

3月26日刊

ジョン・ルーリー『骨の記憶 ジョン・ルーリー回想
“フェイク・ジャズ”バンド、ラウンジ・リザーズを率いて音楽シーンに現れ、『ストレンジャー・ザン・パラダイス』などの俳優として世界的にブレイク、80年代ニューヨーク文化のヒップスターとなった男、ジョン・ルーリー。その成功と挫折、純真と狂気を描き、荒々しくも普遍的な美しさを湛えた回想録。パンク/ノーウェイヴの勃興するNYCに集まった万華鏡のような人々の姿が、芸術の創造性の火花が、むきだしの魅力を伴って現れる。齊藤弘平訳 内容
(国書刊行会 予価5280円)[amazon]

3月27日刊
西谷拓哉『メルヴィルと両義性の詩学 後期小説への測鉛
アメリカ文学最大の作家ハーマン・メルヴィル。『白鯨』(1851)以降の後期小説を精読し、黒でもなく白でもなく、あるいは白でもあり黒でもある両義性・曖昧性に満ちたテクストの「深み」へ測鉛を下ろす。主に取り上げた作品――『白鯨』『ピエール』『イズリアル・ポッター』『信用詐欺師』『ビリー・バッド』「バートルビー」「ベニート・セレーノ」「コケコッコー」「エンカンタダス」「私と私の煙突」「林檎材のテーブル」。
(北烏山編集室 予価4400円)[amazon]

3月27日刊
小泉八雲(原作)/田辺青蛙(翻案)/朱華(絵)『ゆうれいだきのでんせつ』
〈八雲えほん〉さむい夜、怪談話に興じていた麻取りの女たち。きもだめしの話になると、名のりをあげたのはおかつ。幼子をせおい、まっくらな道をゆくと、ぼんやりと光る滝が現れた。東雅夫編
(岩崎書店 予価1760円)[amazon]

3月27日刊
高遠弘美『パリ散歩 我もまたアルカディアにありき
「明るい初夏の夕方で、心地よい風が吹き抜ける。夕刻の散歩がひときわ愉しいパリである」。2012年から14年までの2年間を過ごしたパリ滞在の記録。プルースト『失われた時を求めて』の翻訳に勤しみ、街に出ては飲み食べて友と語り合い、映画やオペラに触れる日々のなかで、静かに際立つ生の実質を書きとめる。「日常を離れた地点に、自分の拠って立つ場はない」。『楽しみと日々──壺中天書架記』と対をなす、余生の文学。
(法政大学出版局 予価5500円)[amazon]

3月27日発売
《ユリイカ》4月号 特集=M・K・チュルリョーニス 絵画と音楽の星図
国立西洋美術館「チュルリョーニス展 内なる星図」展開催記念。2025年に生誕150年を迎えた画家・音楽家のチュルリョーニスはリトアニアにおいて伝説的な芸術家としてその名を刻まれている。19世紀末から20世紀初に35年の短い人生を送ったチュルリョーニスは、象徴主義など同時代の思潮から土着の民俗学まで、さまざまな要素を取りこみながら絵画と音楽の制作を手がけ、そこには宇宙的な霊感が傾けられた。その霊感=インスピレーションに迫る。
(青土社 1980円)[amazon]

3月27日刊
矢沢英一『チェーホフ 忘れえぬ人物たち、言葉たち 「生きたイメージ」を読む
『桜の園』『三人姉妹』で知られるロシアの作家、アントン・チェーホフ(1860-1904)。代表的な短編や戯曲を丁寧に辿りながら、その複雑で豊かな「言葉」の世界を読み解く。
(平凡社 予価2640円)[amazon]

3月30日刊
カーター・ディクスン『赤後家の殺人 新訳版
「君は部屋が人を殺せると思うかね?」テアレイン博士を訪れた友人のジョージ卿はそう問いかけた。ロンドン市中に建つマントリング邸には過去に四人もの人物が怪死を遂げた「後家の部屋」なる一室があり、今夜はその謎をあばくのだという。だが深夜、密室状態の室内で、またひとり死者が出る――。フランス革命時に遡る因縁が死を招いたのか? 「人を殺す部屋」の謎に名探偵ヘンリ・メリヴェール卿が挑む不可能犯罪ミステリ。高沢治訳
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

3月30日刊
シャンナ・スウェンドソン『魔法治療師のティーショップ パン職人の秘密』
パンをつくるときは常に優しい気持ちで心を満たすように心がける。それが祖母の教えだ。祖国の動乱を逃れてリディング村でパン屋を営むルシーナは、いまだに悪夢に怯えることがあった。そんなルシーナの心をかき乱す出来事が……。村の鍛冶屋の見習いニコが同郷人だったのだ。祖国の追っ手? そんな矢先、村で頻発する謎の盗難事件の容疑が新入りのニコにかかる。〈(株)魔法製作所〉の著者が贈る、お茶と謎のコージーファンタジイ。今泉敦子訳
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

3月30日刊
H・G・ウェルズ『世界最終戦争の夢 ウェルズSF傑作集 新版
多彩をきわめるウェルズの全作品のなかから、破滅的な世界戦争を予見し、オペラ化もされた高名な表題作をはじめとして、「アリの帝国」「森の中の宝」「めずらしい蘭の花が咲く」「海からの襲撃者」「盲人の国」など、必読の傑作中短編全12編。阿部知二訳
(創元SF文庫 予価990円)[amazon]

3月30日刊
イアン・ロジャーズ『魔都シカモア』
魔都シカモア。吸血鬼や人狼が跋扈する魔界〈ブラックランド〉への出入り口(ポータル)が出現する町。巷では連続惨殺事件が発生し、血塗れの現場から遺体が消えた。「夫の遺体を探してほしい」という依頼を受けた私立探偵フィリックスは、勝気な女性司書を相棒に、まさかのブラックランドへ足を踏み入れる羽目に……。様々な要素を丸呑みにし、フーダニットとしても完成された最先端特殊設定ミステリーの誕生。風間賢二訳
(新潮文庫 予価1210円)[amazon]

3月30日刊
ヒュー・ロフティング『ドリトル先生アフリカへ行く』
ドリトル先生は、動物のことばが分かるお医者さん。馬の弱視もワニの歯痛もお手のもの。ある晩、アフリカに住むサルの間で病気が流行っているという知らせが届いた。仲間を救うため、サルのチーチー、アヒルのダブダブ、子豚のガブガブたちをつれてアフリカへと出発するが、ドリトル先生一行を待っていたのは、嵐に牢屋に海賊だった! 百年を超えて世界中で愛され続ける名作、待望の新訳。小川高義訳
(新潮文庫 予価693円)[amazon]

3月30日刊
北村薫『水 本の小説
向田邦子から村上春樹、三島由紀夫からエラリー・クイーン、芥川龍之介から江戸川乱歩など、水のようにたゆたいながら広がっていく連想。〝本の名探偵〟によって、古今東西の作品や人物が、時空やジャンルを超えて縦横無尽に結びつけられていく。そしてその先に待つ、豊穣な時間。やがて物語の舞台は、泉鏡花の故郷・金沢へ。泉鏡花文学賞受賞作。
(新潮文庫 予価781円)[amazon]

3月30日刊

ギオルギ・ゴスポディノフ『タイム・シェルター』
幸福だった時代を再現しアルツハイマーを治療するクリニック。患者は懐かしい記憶を追体験することで症状の改善を目指す。だが再現度が高まるほど、現実逃避を望む者が集い、やがて世界中で模倣される。過去は楽園か、それとも監獄か――。ブッカー国際賞受賞作。寺島憲治訳
(早川書房 予価3960円)[amazon]

3月30日刊
荒俣宏編訳『アメリカ異世界冒険譚 荒俣宏幻想文学翻訳集成 欧米幻想ファンタジー精華3
アメリカで誕生した心霊現象や幻獣、不可解な人間の無意識な現象にまで及ぶ新感覚の怪異談集。「来たるべき能力」(エドワード・ベラミー)、「血は命なれば」(F・M・クロフォード)、「カリブ海の魔術師」(H・S・ホワイトヘッド)他。
(春陽堂書店 予価6600円)[amazon]

3月30日刊

アントワーヌ・コンパニョン『文学は割に合う!』
文学は著者に、読者に、どれほどの見返りをもたらすものなのか。多角的な視点から、ユーモアを交えて語る、碩学による刺激的な一冊。本田貴久訳
(作品社 予価2640円)[amazon]

3月30日刊
イエヴァ・マリヤ・ソコロヴァイテ『デッサンモデル』
美大生のV.は画家K.のデッサンモデルになるが、K.はモデルとして採用したV.を一切見ずに絵を描き続ける。「見られない」という逆説的な体験のなかで、V.は自分の身体イメージへの葛藤がうまれ、さらにその根底にある母娘関係と正面から向き合っていくことになる。K.はなぜV.を見ずに描くのか……その謎が解けるとき、V.とK.はそれぞれの呪縛からも解き放たれる――。リトアニアの現代文学。木村文訳
(ふらんす堂 予価2420円)[amazon]

3月予定
E・D・ビガーズ『ボールドペイト山荘の七つの鍵』
〈論創海外ミステリ〉閑散とした冬の避暑地のホテルへ集まる個性豊かな男女。様々な思惑の裏に隠された“真の目的”とは……。欲望が渦巻く〈ボールドペイト山荘〉で最後に笑うのは誰だ! ビガーズの出世作にして、映画化・舞台化もされた作品の初邦訳。赤星美樹訳
(論創社 予価3520円)[amazon]

3月予定
E・C・ベントリー&ワーナー・アレン『トレント自身の事件』
〈論創海外ミステリ〉有名な慈善家ランドルフが殺された。肖像画家フィリップ・トレントの親友フェアマンは、自白書を残して自殺を図るが、叶わずに逮捕されてしまう。トレントは友人の無実を信じて調査に乗り出すが、次々と怪しげな人物が現れ、ランドルフの息子を名乗る人物まで飛び込んできた。はたして犯人は誰なのか。やがてトレント自身も事件の渦中へと呑み込まれていく。 金井真弓訳
(論創社 予価3850円)[amazon]

3月下旬予定
オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第5巻 地方生活情景*』
金に目が眩んだいとこに財産を横取りされるユルシュール。自分の財産を捧げた男に裏切られるウジェニー。愛と卑劣さを中心に、あらゆる側面から地方生活の「情景」を描き出す、『ユルシュール・ミルエ』、『ウジェニー・グランデ』の2篇を収録。加藤尚宏・芳川泰久・柏木隆雄訳
水声社 予価11,000円)

3月予定
小田島創志『ハロルド・ピンター 〈間〉の劇作家
〈知の革命家たち〉
「何も起こらないが、何かが起こる」――生の不安や疎外を、沈黙を通じて抉出した劇作家。演劇における「間」にかつてない重要性を与え、言葉の欠落のなかに「語りえないこと」を響かせる。突如変容する日常や不条理な人間関係を描いた作品を仔細に分析し、謎めいた作品によって社会の現実を捉えるその本質に迫る。
水声社 予価1980円)

3月予定
桑野隆『ピョートル・ボガトゥイリョフ 民衆文化記号論へ向けて
〈知の革命家たち〉
プラハ言語学サークルの一員として、構造主義的・記号論的分析を民俗衣裳、民衆演劇の研究にいち早く適用した知られざる民俗学者・民族学者。バルトやレヴィ=ストロースにも影響を与えた〈衣裳の記号論〉や〈機能構造主義〉をはじめとする独創的思想に光を当てるとともに、社会に開かれた〈運動としての学問〉の実践者の相貌を描き出す。
水声社 予価1980円)

3月予定
ヤリタミサコ『アレン・ギンズバーグ 裸形の生と詩と
〈知の革命家たち〉
精神疾患を抱えた母との愛憎、同性愛差別への反対、作品の検閲への抵抗、反戦・反核運動、老い、そして死……。物質主義への反抗を体現するビートジェネレーションの旗手として、権力の暴走や社会の不寛容、そして存在の根源的な不安に詩の力で立ち向かい、「アメリカで最も勇気あるもの」と称賛された詩人の生=詩を読む。
水声社 予価1980円)


▼4月予定

4月1日刊
ニクラス・ナット・オ・ダーグ『運命と希望』
1436年春、スウェーデン最古の貴族家の一人息子モンス・ベンクトソンが、反乱指導者エンゲルブレクトを斧で殺害した。モンスはエンゲルブレクトの忠実な従者だったが、殺害の動機は600年が経った今も謎のまま。この北欧史の謎を、モンスの子孫である著者が史実を基にフィクションの形で解き明かした野心作。『1793』三部作の著者による歴史ミステリー。ヘレンハルメ美穂訳
(小学館 予価3520円)[amazon]

4月2日刊

ダニエル・キイス『アルジャーノンに花束を 新装版
32歳になっても幼児なみの知能しかないチャーリイ・ゴードン。そんな彼に夢のような話が舞いこんだ。大学の先生が頭をよくしてくれるというのだ。やがて手術によってチャーリイの知能は向上していくのだが……。小尾芙佐訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1980円)[amazon]

4月2日刊
チャック・パラニューク『創作のルール 最初の一行で読者を惹きつける技法
『ファイト・クラブ』の著者パラニュークが作家としての四半世紀にわたる経験を織り交ぜながら、彼の真骨頂である「力強い物語」と「圧倒的な文体」の生み出し方を語る。人称設定、モノローグの描き方、緊張感の構築……プロ・アマ問わず、物語を紡ぐ人必携。池田真紀子訳
(早川書房 予価3410円)[amazon]

4月3日刊

中川僚子『フランケンシュタイン、日本到来 明治期日本初訳の謎
映画、バレエ、ミュージカル……。いまなお世界中で再創造され続ける『フランケンシュタイン』。その日本初の翻訳者は誰だったのか。原書の入手経路から、文体比較、挿絵の分析まで、丹念な調査が導き出したのは、翻訳者の正体のみならず、女子教育、美術界、そして近代国家の成立の背景にある、明治社会の実相だった。明治の翻訳文化が誘う、歴史と文学と知への旅。
(大修館書店 予価3080円)[amazon]

4月3日刊
パトリック・キーティング『ダイナミック・フレーム 古典的ハリウッド映画におけるカメラの運動
巨匠たちは、カメラをどう動かしたのか。名作の背後に隠れた技法と美学を掘り起こし、ハリウッド撮影史のダイナミズムを描き出す。森本光訳
(京都大学学術出版会 予価5500円)[amazon]

4月6日刊

ハーラン・コーベン『エージェントは二度推理する』
敏腕エージェントにして名探偵のマイロン・ボライターと仲間たちが還ってきた。人気シリーズ24年ぶりの紹介。ニューヨークの高層ビル内で事業を再開したマイロンのもとに、突然FBI捜査官がやってきた。元スーパーモデルの女性が、何者かによって殺害されたのだ。容疑者はマイロンとは因縁浅からぬ男グレグだという。しかしグレグは5年前に失踪し、その2年後に東南アジアで死んだはずだった……。田口俊樹訳
(小学館文庫 予価1364円)[amazon]

4月7日刊
ジェフリー・ディーヴァー『サプライズ・エンディングス 噓』
あらゆる技巧を凝らして炸裂する意外、逆転、ドンデン返し。天才自ら「驚愕の結末」と命名した大胆不敵な日本オリジナル短編集。池田真紀子訳
(文春文庫 予価1430円)[amazon]

4月7日刊
ソール・クリプキ『指示と存在 存在しないものに固有名はあるか
ユニコーンやゼウスをはじめ、存在しないものを名指すことはできるのか。『名指しと必然性』の理論を推し進め、言葉と世界の結びつきを問い直した、固有名の形而上学。八木沢敬訳
(平凡社ライブラリー 予価2200円)[amazon]

4月7日発売
《近代出版研究》第5号
特集「エフェメラって?――軽薄短命の紙がみ」チラシやチケット、ラベルといった〈薄くてはかない紙もの〉、それがエフェメラ。巻頭インタビューは、第一人者である古書日月堂・佐藤真砂が語る「後ろ向きに全力疾走――古書の森にエフェメラを追いかけて」。昭和レトロ文化研究家の串間努が、戦前コレクターたちの「寸葉品」趣味を概観する力作を寄稿、小林昌樹編集長の総論とあわせて「エフェメラ」の定義/概念を考える上で必読。そのほか紀田順一郎氏追悼の小特集など。内容
(皓星社 予価3300円)[amazon]

4月8日刊

キンバリー・ベル『血塗られた指輪』
夫婦でパリ旅行中のステラは爆発事件に遭遇。混乱の最中、夫が姿を消してしまう。悲しむ間もなく警察から夫は国際的な犯罪者で、爆発は彼を狙ったものだと告げられるステラ。全ては偽りだったのか。夫を狙う何者かの陰謀が迫る中、妻は夫の真実を追っていく。北野寿美枝訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価3190円)[amazon]

4月8日刊
ウィリアム・ギブスン『ヴァーチャル・ライト 新版
大震災で崩壊したロサンジェルス。視神経に直接作用し視覚を発生させる謎の装置V Lをめぐる争奪戦の背後に隠された秘密とは!? 浅倉久志訳
(ハヤカワ文庫SF 予価2420円)[amazon]

4月10日刊
ドーン・ブルックス『ニューヨーク・クルーズにぴったりの失踪 警官レイチェル&看護師サラの事件簿
地中海クルーズの事件を解決した警官レイチェルは、ニューヨークへ向かうクルーズ旅行に招待された。航海には客船で看護師として働くサラも一緒。豪華客船の旅を楽しむつもりが、機関室の乗組員の不審死が発生。さらに同部屋の乗組員が失踪。同僚を殺して海に飛びこんだのかも……。親友同士の女性たちが謎解きに挑むコージーミステリ第2弾。田辺千幸訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

4月10日刊
P・ジェリ・クラーク『精霊を統べる者 上・下
19世紀後半、伝説の魔術師アル゠ジャーヒズがジン(精霊)の世界の扉を開き、世界は一変した。ジンの魔法と科学の融合によりエジプトは急速な発展を遂げるが、アル゠ジャーヒズはなぜか姿を消す。それから40年後、カイロに彼の名を名のる謎の男が現れ、彼を崇拝する人々を焼きつくした。エジプト魔術省の敏腕女性エージェント・ファトマは、恋人の女性シティ、新人パートナーのハディアと捜査に乗り出す。SF各賞に輝いた新鋭の第一長編。鍛治靖子訳
(創元SF文庫 予価各1430円)[amazon]

4月10日発売
《紙魚の手帖》vol.28
新井素子、近藤史恵、実石沙枝子、藤野恵美、永嶋恵美の豪華執筆陣で贈る、読み切り特集「レストラン」。辻堂ゆめ『その火を消し止めて』連載最終回ほか。
(東京創元社 1760円)[amazon]

4月10日刊

原典訳 マハーバーラタ 6』
ダルマの地クルクシェートラに集結したクシャトリヤの大軍勢。敵陣に居並ぶ一族らを目にしたアルジュナは、「私は戦わない」と宣言し戦車の中に座り込む。クリシュナはアルジュナを立ち上がらせるため、結果への執着を捨てて行為することを説く(『バガヴァッド・ギーター』)。老将ビーシュマの猛攻にパーンダヴァ軍は苦戦。アルジュナはシカンディンを先立たせビーシュマを戦車から射落とすが、ビーシュマは矢の床に生き続ける。上村勝彦訳
(法蔵館文庫 予価1980円)[amazon]

4月10日刊
リース・ボウエン『貧乏お嬢さま、子守を探す』
夫と子供と幸せに過ごすジョージーのもとに、おせっかいな義姉が子守りを送り込んできた。こんな育て方はしたくないと急いで新しい子守りを探すなか、良家の若者が連続して不審な事故に遭って亡くなっていることを知ってしまい!? 田辺千幸訳
(原書房/コージ―ブックス 予価1430円)[amazon]

4月14日刊
カール・グスタフ・ユング『回想・夢・思索 上・下
フロイト、アドラーと並ぶ深層心理学の創始者が、積極的かつ雄弁に自らの生を明かす! 幼少期の経験、精神科医としての仕事、フロイトとの出会いと決別……。葛藤と思索に満ちたユングの生の軌跡を、ドイツ語版からの新訳で。アニエラ・ヤッフェ編/村本詔司監訳・福原美穂子訳
(光文社古典新訳文庫 予価1650円/1980円)[amazon]

4月14日刊
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『大魔法使いクレストマンシー 魔法の館にやとわれて』
英国風の貴族の屋敷を舞台に、のちにクレストマンシーとなるクリストファーの十代のころの冒険を描く楽しい作品。田中薫子訳
(徳間文庫 予価1100円)[amazon]

4月16日刊
ボエティウス『哲学の慰め』
「最後のローマ人」と評されるボエティウス(480頃-525年頃)が生涯の最期に残した著作。散文と韻文が交互に配され、人格化された「哲学」との対話形式を採った本書は、中世には聖書に次いで読まれた。ギリシア哲学を土台としつつ、自身の悲痛な体験を背景に抱えながら、理性によって俗情を克服し、徳と善の中で生きる境地を示した本書は、古代哲学の倫理学的な美しさを今に伝える古典である。畠中尚志の名訳を復刊。
(講談社学術文庫 予価1430円)[amazon]

4月16日刊
佐竹謙一『観客という凄まじい怪物 スペイン・ハプスブルク時代の演劇世界
16~17世紀のスペイン。国内外に悲惨な事件が続き、巨大帝国が傾きつつあるとき、空前絶後の「演劇ブーム」が起こっていた。国王から庶民まで、階級も貧富の差も飛び越えて、人々が同じ劇場に集まり、観客のヤジは壮絶、客席の喧嘩や、大衆派と古典派による劇作家同士の嫉妬や足の引っ張り合いも日常茶飯事。不安と不吉の影におびえながら演劇に熱狂していく人々の、騒がしくも愚かしいスペイン演劇世界を活写する。
(講談社選書メチエ 予価2530円)[amazon]

4月17日刊

モンテーニュ『モンテーニュ 旅日記 
トスカーナのデッラ・ヴィッラ温泉での長逗留を経て、ローマを再訪したモンテーニュは、故郷へと帰路につく。現実から逃れるように出た旅は、17カ月にも及んだ。付録として、家のできごとを記した「家事日録」を収載。全2冊完結。宮下志朗訳
(岩波文庫 予価1276円)[amazon]

4月17日刊
カエサル『カエサル 内乱記』
紀元前49年、カエサルはついにルビコーン河を渡り、全ローマを揺るがせる内乱が勃発。地中海世界各地での息づまる攻防から、前48年のエジプトにおけるポンペイウスの死まで、カエサルがみずから描いた不朽の古典。高橋宏幸訳
(岩波文庫 予価1276円)[amazon]

4月17日刊
泉鏡花『註文帳・白鷺』
守り神の鏡と殺し道具の剃刀を結節点に、吉原の男女の複雑な因縁が緻密に構成された「註文帳」。盂蘭盆の夜、雑司ヶ谷を舞台に芸姑小篠の哀切が語られる「白鷺」。花柳小説の傑作2編を収録。鏡花世界を彩る清方・春仙による挿絵も掲載。画文の融合を楽しめる。かなづかいを改め、版面を読みやすく改訂。
(岩波文庫 予価968円)[amazon]

4月17日発売
《怪と幽》vol.022
(KADOKAWA)[amazon]

4月18日刊
河野真太郎『階級と「私たち」のゆくえ イギリス映画が照らす連帯の物語
階級ではなく格差という言葉が選ばれることの多い日本社会。格差という言葉が選ばれるとき、何が隠蔽されているのか? 「階級先進国」イギリスの映画および文学を読み解いていくことで、格差が隠すもの、そして階級のまだ見ぬ可能性を探る。
(フィルムアート社 予価2640円)[amazon]

4月20日刊
ジャクリーン・ゴルディス『メインキャラクター』
実在の人物をモデルとして小説を書く世界的作家、ジネヴラ・Ex。その最新作の主人公を務めたローリィは、報酬としてオリエント急行の旅を贈られた。美しい海岸線をゆくひとり旅――のはずが、彼女は列車内で兄、親友、元恋人と出会う。予期せぬ状況下で走りだした列車は、件の最新作の登場によってさらなる謎に包まれ……。姿なき作家、奇妙な御伽噺、そして客室の死体。「謎」と「物語」が完璧な融合を果たす極上のミステリ。法村里絵訳
(創元推理文庫 予価1870円)[amazon]

4月20日刊
アンデシュ・デ・ラ・モッツ&モンス・ニルソン『死んでもいいくらいの掘り出し物』
骨董市で遺品買取り業者の男が殺された。現場近くにいあわせたストックホルム国家殺人班の捜査官ヴィンストンが、いきがかり上、またしても地元警察唯一の捜査官エスピングと一緒に捜査することに。被害者は故人の財産を遺族から買い取る際にかなりあこぎなことをして、恨みを買っていたらしい。他にも浮気をしていて、愛人には妻と別れると話していたことも判明。人間としての相性はさっぱりなのに捜査の意見はぴったりなコンビが、容疑者にも動機にも事欠かない事件に挑む、シリーズ第二弾。久山葉子訳
(創元推理文庫 予価1870円)[amazon]

4月20日刊
小鷹信光『赤き馬の使者 探偵物語Ⅱ
北海道の田舎町に暮らす男を対象とした素行調査は、依頼人が匿名であることを除けば簡単な仕事で、問題もなく終わる筈だった。ところが、調査から帰ってきた札幌のホテルで、私立探偵工藤俊作は何者かに襲われる。気絶する間際に襲撃者は確かに言った、他人事に首をつっこむな、と――。荒涼の大地を彷徨する、シリーズ最高傑作。
(創元推理文庫 予価1210円)[amazon]

4月20日刊

西成彦『世界文学重層』
占領下上海で異なる語圏との不断の接触・隣接の状況から生まれた「外地の日本語文学」、南北アメリカのコリアン作家が英語やポルトガル語で書く作品、在日コリアン作家が日本語で書く文学。多言語性というプリズムを通して読む宮沢賢治……複数の語圏がせめぎあう状況を内包する作品群を、それが何語で書かれていようと、いかなる「国民文学」でもない「世界文学」としか名づけようのない豊かな文学として捉えかえす。
(みすず書房 予価5720円)[amazon]

4月21日刊

馬伯庸『両京十五日 3 済南の仏母』
敵に連れ去られ、皇太子一行と別れた呉定縁は、白蓮教の指導者・仏母に会う。そこで彼は、自らの出生の衝撃的な秘密を聞き……。齊藤正高・泊功訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon]

4月21日刊
キャット・タン『レンタル家族の消滅』
アプリでレンタルされる家族や恋人や友人として、虚構を生きる「ぼく」。だが一人の顧客がきっかけで、その人生がかき乱される。金井真弓訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1936円)[amazon]

4月21日刊
ヘンリー・ワイズ『無垢なる町』
バージニア南部で起きた殺人の容疑者に浮上した女。だが、なぜか女への捜査は打ち切られる。保安官補ウィルは独自に捜査をするが。吉野弘人訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価2310円)[amazon]

4月22日刊
ニッカ・ハーカウェイ『カーラの選択』
ソ連の暗殺者のターゲットになった男が姿を消した。引退生活を送っていたスマイリーは、情報部の強い要請で男を追うが、やがて衝撃の事実が! 二大傑作『寒い国から帰ってきたスパイ』と『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を鮮やかにつなぐ待望作。加賀山卓朗訳
(早川書房 予価3520円)[amazon]

4月22日刊
法月綸太郎『法月綸太郎の不覚』
スマートで知的で大胆不敵。本格ミステリの魅力に満ちた傑作作品集。
(講談社 予価2090円)[amazon]

4月22日刊

ローリー・ムーア『死んでいる元カノとの旅』
〈新潮クレスト・ブックス〉
死んだはずの元恋人と一緒に旅に出る、アメリカのいまを描いたゾンビ小説。心を病んでいた元恋人リリーが自殺を図ったらしい。僕は慌てて駆けつけるが、時すでに遅し、もう埋葬されたという。だが失意の僕が墓地に行くと、生前ほぼそのまま(ただし少し腐りかけ)のリリーが。彼女の願いは「死体農場」に行くこと――全米批評家協会賞受賞、トランプ時代のアメリカを映し出す不思議なロードノベル。栩木玲子訳
(新潮社 予価2530円)[amazon]

4月22日刊
オードリー・リー『記憶の帝国』
高増春代訳
(新潮文庫 予価1375円)[amazon]

4月22日刊

飯城勇三『どんでん返しミステリガイド』
ミステリにおける「どんでん返し」の進化に迫るべく、海外作品から20作、国内作品から40作、計60作をガイド。
(星海社新書 予価1320円)[amazon] 

4月22日刊
『日本文学の翻訳者たち』
「いらっしゃいませ」をどう訳す? 英語、韓国語、中国語、タイ語、ドイツ語、フランス語、オランダ語……日本文学の翻訳に携わる7名が仕事の裏側を語るインタビュー集。金原瑞人 監修
(平凡社 予価2640円)[amazon]

4月22日刊
朴泰遠『小説家仇甫氏の一日』
1930年代、京城(現ソウル)。定職につかず、結婚相手も見つからず母に心配されている小説家の仇甫(クボ)。ステッキとノートを手に、百貨店へ、喫茶店へと、街をさまよい歩く……。朝鮮モダニズム文学を代表する作家、朴泰遠(パク・テウォン)による自伝的都市小説を、李箱(イ・サン)による挿絵とともに書籍化。李箱=絵/山田佳子訳
(平凡社 予価2530円)[amazon]

4月23日刊
スティーヴン・キング『チャックの数奇な人生 イフ・イット・ブリーズ』
町に出現した謎の看板。そこに書かれた「チャック」とは何者? 人生の不思議を描く感動作+1編。2編どちらも映画化された傑作集。安野玲・高山真由美訳
(文藝春秋 予価2970円)[amazon]

4月23日刊
ウンベルト・エーコ『フーコーの振り子 
アルデンティ大佐失踪から数年後、ブラジルからイタリアへ戻り、ベルボらと再会したカゾボンは、テンプル騎士団の伝言を記した書類に戻り、ある『計画』をスタートする。カバラ、錬金術、グノーシス、薔薇十字、古代の超大陸から現代まで、古今東西の知識や伝承、オカルトや奇想が引用された博覧強記の冒険的ミステリー。記号学の世界的権威であり、中世史については専門家をしのぐ著者が著した大作。藤村昌昭訳
(中公文庫 予価1760円)[amazon]

4月23日刊
萩原朔太郎『詩文集 夜の酒場』
酒場と孤独を愛した詩人の酒をめぐる詩・短歌・アフォリズムを初集成。そのほか1920年代の時代風俗を伝えるラジオ、映画、旅、東京等をテーマにした随筆20篇、短篇小説「猫町」他1篇を収録する。〈巻末附録〉江戸川乱歩ほか。オリジナル編集。
(中公文庫 予価990円)[amazon]

4月23日刊
岩本敏男『ねむれなくなる本』
人生のふとした瞬間に出逢う、暗闇や不安。それを鋭い眼で捉え続けた異端の児童文学者による、伝説の短篇集。巻末に初期短篇を増補した。
(中公文庫 予価1078円)[amazon]

4月23日刊
ウィリアム・フォークナー『征服されざる者たち』
南北戦争期の南部を舞台に、白人少年と黒人少年と祖母ちゃんの冒険譚や、成長した少年が南部の因習に抗って苦悩する姿などを描く。ノーベル賞作家によるもう一つの『風と共に去りぬ』。半世紀ぶりの新訳。小野正嗣訳
(河出書房 予価3960円)[amazon]

4月24日刊
リヒャルト・ワーグナー『完訳 ニーベルングの指環』
ワーグナーが26年の歳月をかけて完成させたオペラ史上最大級の傑作《ニーベルングの指環》。黄金の指環をめぐって神々と人間が三世代に渡って争いを繰り広げ、最後に世界が崩壊するまでを描く4部作。高橋康也・高橋迪・高橋宣也訳
(角川文庫 予価1980円)[amazon]

4月24日刊
竹原春泉/京極夏彦『絵本百物語』
「巷説百物語」シリーズのテーマとして有名になった、江戸時代の妖怪本『絵本百物語』。翻刻文・現代語訳は、ベストセラー作家・京極夏彦の書き下ろし。
(角川文庫 予価1078円)[amazon]

4月24日刊
河野真一郎『100de名著 ディケンズ『大いなる遺産』』
少年ピップは美しい少女エステラと出会い、やがて莫大な財産の受取人に選ばれ、ジェントルマンとなるべくロンドンへと向かう。ディケンズ『大いなる遺産』は、主人公の成長と立身出世を描く「教養小説」の名作として親しまれてきたが、ピップの成功と挫折から見えてくるのは、19世紀のイギリスで浮上していた階級社会や実力主義社会、そしてジェンダーの問題だ。彼の歩みを読み解きながら、真の成長とは何か、社会の中で生きるとはどういうことかを考える。
(NHK出版 700円)[amazon]

4月24日刊
ベルナール・ミニエ『猫、そして14の不思議で恐るべき残酷な物語』
ミステリー、ホラー、幻想小説、仏ベストセラー作家が仕掛ける色とりどりの恐怖のデパート。話題の暗黒短篇集。青木智美訳
(ハーパーBOOKS 予価1606円)[amazon]

4月24日刊
アダム・スミス『本作り500年の歴史 本の印刷からZineカルチャーまで
グーテンベルクからZineまでの出版、製紙技術、製本やタイポグラフィー……「本作り」の変遷の長い歴史を、印刷・出版の発展に貢献した18名の人物を通して掘り下げながら紹介する書物の発展の歴史。図版75点。村上彩訳
(原書房 予価5280円)[amazon]

4月24日発売
《SFマガジン》6月号
(早川書房 1540円)[amazon]

4月27日刊
残雪『廊下に植えた林檎の木』
ぼくの家族はみな他人には言えない秘密を持っていた。異形の家族の奇妙な関係性を超現実的手法で描いた表題中篇ほか、「帰り道」「黄菊の花によせる遐(はる)かな想い」「逢引」「汚水の上の石鹸の泡」の全5篇。付録として「夜の涯の家 「帰り道」を読む」(近藤直子)、「残雪との対談」を併録。近藤直子・鷲巣益美訳
(白水Uブックス 予価1980円)[amazon]

4月27日刊
フリードリヒ・シラー『シラー戯曲傑作選 群盗 戯曲と悲劇
〈ルリユール叢書〉
若きシラーが一夜にして名声を確立した衝撃のデビュー作。自由への渇望を描く「疾風怒濤」の最高傑作が蘇る。1781年匿名出版の『群盗――戯曲』と、熱狂を生んだ82年改稿版『群盗――悲劇』の両版を収録。本邦初訳の「初版序文」も加え、天才劇作家の原点に迫る決定版。本田博之訳
(幻戯書房 予価5940円)[amazon]

4月28日刊
『図説 妖怪・幻獣づくし』兵庫県立歴史博物館/鳥取県立博物館 編
〈ふくろうの本〉
人知を超えた存在として長らく恐怖と畏敬の対象となってきた妖怪と、実在の生物のあいだをうごめきながら人びとを魅了する幻獣が、大集合。人と自然とのかかわりの歴史を明らかにしていく。
(河出書房新社 予価2530円)[amazon]

4月30日刊

B・S・ジョンソン『不運な奴ら』
現代を先取りしていた作家、B・S・ジョンソンによる、綴じられていない27のパーツを函に収めた実験的な小説。若くして病死した親友との記憶が記された様々なページ数のパーツは、 最初と最後以外は読む順番は決められていない。サミュエル・ベケットに絶賛された作家による問題作。若島正訳
(東京創元社 11,000円)受注販売商品(3/16まで予約受付)

4月30日刊
米沢穂信『倫敦スコーンの謎』
「なあ常悟朗。お前に頼んでいいことなのかどうかわからないんだが……小佐内を紹介してくれないか?」堂島健吾曰く、かつて絵の謎を解いた(ことになっている)小佐内さんに、もう一度知恵を借りたいのだという。──美術家の縞大我が、サンフランシスコ・ビエンナーレの黒熊賞を受賞した。健吾は地元のテレビ局に頼まれ学内を捜索、彼の在校時代の作品を発見するが、その作品は模写でありながら展覧会に出品された事実も掘り起こしてしまったのだ。果たしてこの作品は盗作か否か? 小市民を目指す小鳩君と小佐内さんの謎解きの日々。大人気シリーズ、待望の第二作品集。4編を収録。
(創元推理文庫 予価704円)[amazon]

4月30日刊
ロス・マクドナルド『凶悪の浜 新訳版
ロスアンジェルス近郊、マリブ海岸の高級会員制クラブ支配人から、身辺警護の依頼を受けた私立探偵リュー・アーチャー。自分の妻が失踪し、支配人がその影にいると夫に疑われ、狙われているのだという。その女性の行方を追ううちに、2年前の殺人事件が浮かび上がり、更なる殺人事件が……。次第に解き明かされる暴力に彩られた複雑な人間関係。闇に落ちていく人間たちの哀れな姿を、孤独な探偵は冷徹に暴いていく。ロス・マクドナルド名義第一作、新訳決定版。田口俊樹訳
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

4月30日刊
エリザベス・ウェイン『祖国なき者たちへ』
1937年。ヨーロッパで、平和推進を掲げた青少年エアレースが開催される。20歳までのパイロット12人が英国から飛行機で出発し、さまざまな国を経てパリへ向かい、タイムを競い合うのだ。唯一の女性パイロットである英国代表のステラは、レース初日に恐るべき光景を目撃する。前方を飛んでいた二機の飛行機のうち、上の飛行機が下に向かって意図的に接近したように見えた。そして片方は海に墜落。勝利のために、誰かが殺人を犯したのか? ステラは自らの身を守るため犯人捜しに乗りだすが……。国際スリラー作家協会YA部門賞受賞、大空を飛ぶパイロットたちを描く爽快なミステリ。吉澤康子訳
(創元推理文庫 予価1760円)[amazon]

4月30日刊

H・G・ウェルズ『深海潜航 ウェルズSF傑作集
〈ウェルズ生誕160年〉直径6メートルの鋼鉄の球体に乗って潜航した先の海底では――表題作をはじめ、本邦初訳短編「石器時代の物語」など全5編を新訳で贈る。全作品に雑誌初出時の挿絵を付す。中村融訳
(創元SF文庫 予価990円)[amazon]

4月30日刊

デイヴィッド・ロッジ『現代文学の表現様式』
19世紀のリアリズム的小説から20世紀のモダニズム小説、そしてポストモダニズム小説へ、隠喩(メタファー)と換喩(メトニミー)の区別を通して、ロマーン・ヤーコブソンを乗り越えようと、小説の言葉がいかに形成されているかを精査し、テクストを「文学的にする」類型の変遷を明らかにする。小説家でもあるロッジならではの「読み」の実践。玉井暲・村里好俊訳 目次
(小鳥遊書房 予価4620円)[amazon]

4月予定
栩木伸明『W・B・イェイツ
〈知の革命家たち〉

水声社 予価1980円)

4月予定
芳川泰久『クロード・シモン』
〈知の革命家たち〉

水声社 予価1980円)

4月予定

小倉孝誠『アラン・コルバン』
〈知の革命家たち〉

水声社 予価1980円)

4月予定
アルノ・シュミット『レヴィアータン』
〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳
水声社 予価2200円)


▼5月以降予定

5月1日刊
ポール・リンチ『預言者の歌』
〈ハヤカワ・プラス〉近未来アイルランド。全体主義国家へと変貌を遂げていくなか、生物学の研究者で四人の子供の母でもあるエイリッシュは決断を迫られる。国家警察に連行された夫を待つか、子供たちを守るためカナダへと亡命するか。2023年ブッカー賞受賞の傑作ディストピア小説。栩木伸明訳
(早川書房 予価3300円)[amazon]

5月1日刊

韓松『悪夢航路』
謎の病院に運び込まれた楊偉は、一夜にして数十歳も老い、巨大な病院船に閉じ込められていることに気づく。楊偉は自分と同様に老いてしまった患者たちとともに、船の真実を探るために船内を探索しはじめるが……。謎と不条理が渦巻く《医院》シリーズ第二弾。山田和子訳
(早川書房 予価4400円)[amazon]

5月1日刊
カミーラ・シャムジー『すべての石に宿る神』
〈ハヤカワ・プラス〉1914年、古代遺跡を発掘する英国女性ヴィヴィアンとパシュトゥーン人の兵士カイユム。ペシャワール行きの列車で出会った二人の運命は、15年後の反植民地闘争と古代の遺物を巡り交錯する。歴史の闇に埋もれた声を掘り起こす、女性小説賞受賞作家の心震える傑作。河内恵子訳
(早川書房 予価3960円)[amazon]

5月7日刊
アリ・スミス『五月 その他の短篇』
近所の木に恋する「私」、バグパイプの楽隊につきまとわれる老女、地下鉄駅構内の死神、教会のミサに乱入する三人の女……。現代英語圏を代表する作家による、ユーモアと不思議に満ちた12か月の物語。岸本佐知子訳
(河出文庫 予価1320円)[amazon]

5月8日刊
クリストフェル・カールソン『暗殺の冬』
首相暗殺の夜に起きた未解決殺人事件。それは30年に及ぶ連続殺人の最初の凶行だった。隠された罪を静かに問う十年に一度の傑作。棚橋志行訳
(文春文庫 予価1650円)[amazon]

5月11日刊
ガビーノ・イグレシアス『デビル・ロード』
多額の借金を抱えながら、まっとうに生きたいと願うマリオが引き受けた最後の仕事。それはカルテルの現金輸送車を襲うものだった。だがその仕事を受けた瞬間から、彼が幼い頃に聞いていた幻聴――悪魔が罪の道へと誘い込むあの声がまたしても聞こえはじめ……。渡辺義久訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2860円)[amazon]

5月11日刊
アーシュラ・K・ル・グィン『赦しへの四つの道』
奴隷解放戦争に疲弊した惑星で宇宙連合の使節が見た真実とは。ローカス賞受賞作「赦しの日」ほか圧倒的想像力に満ちた四つの物語。小尾芙佐・鳴庭真人訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1760円)[amazon]

5月11日刊
ナタン・ドゥヴェール『反世界(アンチモンド)
2022年、コロナ禍のフランスで画期的なメタバース「反世界」が誕生。夢破れ、鬱屈した日々をおくる青年ジュリアンは詩人ヴァンジェルとしての人生を始め、一躍反世界のスターとなる。やがて彼が巻き起こす熱狂は現実世界に影響するまでに膨れ上がり……。山崎美穂訳
(早川書房 予価3630円)[amazon]

5月11日
張天翼『雪の如く山の如く』
大学生から70代まで、それぞれ異なる漢字だが同じ「リーリー」という読みの名を持つ6人の女性たちがそれぞれに遭遇する、ありふれた、しかしのっぴきならない現実とは。どの「彼女」が体験する痛みと哀しみにも共感が呼び覚まされる、現代中国の新鋭作家による話題の短編集。濱田麻矢訳
(集英社 予価2420円)[amazon]

5月12日刊
アガサ・クリスティー『春にして君を離れ』
夫と三人の子供に恵まれた裕福な中年女性ジョーンは、荒天のため足止めを食った砂漠のレストハウスで、ひとり自分の人生を振り返る。「良き妻、良き母」という自己イメージがしだいに崩れはじめて……。どこの家族にでもありそうな問題、誰かに似ているような主人公を、ミステリーの女王が深い人間観察で描き切る。クリスティー没後50年の記念の年に贈る新訳。廣野由美子訳
(光文社古典新訳文庫 予価1320円)[amazon]

5月12日刊
アラン『わが思想の歩み』
長谷川宏訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

5月12日刊
日影丈吉『仮面紳士 ハイカラ右京探偵全集 探偵くらぶ
異色の推理小説作家として知られる日影丈吉の創造した名探偵ハイカラ右京の作品集。明治初期、文明開化の波に揺れる日本で、山高帽に針のような口髭、鹿革の手袋に細身の杖という洋装で、元国際スパイとも噂される「仮面紳士」のハイカラ右京こと右京慎策が難事件を次々と解決する。日下三蔵編
(光文社文庫 予価1540円)[amazon]

5月12日刊
小野俊太郎『増補新版 ガメラの精神史』
『大怪獣ガメラ』から『小さき勇者たち〜ガメラ〜』、2015年のガメラ予告編、そしてアニメーション作品『GAMERA~Rebirth』までの全作を扱い、時代や社会に応答してきたガメラ映画を総括する文化史。第8章「ガメラ再誕」を増補。目次
(小鳥遊書房 予価2200円)[amazon]

5月21日刊
メイソン・コイル『ウィリアム』
広場恐怖症の男が屋根裏で創ったロボット。家族に披露したその時、"それ"は家を封鎖し、彼らに襲いかかる!? 驚愕のサスペンス。山本佳世訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1100円)[amazon]

5月21日刊
ジョセフ・ホーン『古書贋作師トーマス・ワイズ』
1932年のロンドンで、マニア垂涎の本を発掘し、名を馳せるトーマス・ワイズ。だが彼は、本を偽造してコレクターを騙す詐欺師だった。彼の出品した"綺麗すぎる"本に疑念を感じた二人の書店員は、流行している探偵小説に倣いワイズを調べるが……。衝撃の実話。倉田真木訳
(早川書房 予価3520円)[amazon]

5月21日刊
ナオミ・クリッツァー『陽の光が消えた町で』
食糧も電気も供給が不安定になった近未来、近隣の住人たちで自転車発電チームを結成することに……。暗い世の中での希望を描く表題作など6篇を収録。未来への夢、過去への想いや未知のものとの出会いを温かく描きだす、ヒューゴー賞ほか7冠の傑作SF短篇集。桐谷知未訳
(早川書房 予価2420円)[amazon]

5月21日刊
アーダ・ダダーモ『あなたは空気のように』
重い障害をもつ娘ダリヤを育ててきたアーダは、49歳で乳がんを告げられる。限られた時間の中で彼女は娘に語りかける。介護の日々に刻まれた葛藤と喜び、溢れる愛。生と死の境界で紡がれる想いを描いた自伝的作品。イタリア文学最高峰ストレーガ賞受賞作。越前貴美子訳
(早川書房 予価2860円)[amazon]

5月21日刊
馬伯庸『両京十五日 4』
豪雨の中、北京・紫禁城へとたどり着く皇太子一行。だが彼らを待ち受けていたのは、最後にして最大の試練と、壮絶な真実だった。齊藤正高・泊功訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1320円)[amazon]

5月22日刊
トム・フィリップス『世界の破滅を信じた人たちのとんでもない世界史』
世界の終わり、最後の審判、終末などの考えは、地震、隕石、大洪水、戦争、疫病などへの恐怖とともに、世界の歴史でつねに物議を醸してきた。陰謀やカルト教団、預言者たちの驚くべき物語。寺西のぶ子訳
(河出書房新社 予価2750円)[amazon]

5月26日刊
石井美樹子『事件で読むシェイクスピア 真訳シェイクスピア講義(仮)
「生きるべきか、死ぬべきか」は誤訳である! 『真訳シェイクスピア四大悲劇』『真訳シェイクスピア傑作選』をもとに、原文を正確かつ作品の歴史的背景を詳細に読み解き、深い理解を導く。
(河出書房新社 予価2750円)[amazon]

5月26日刊
ウンベルト・エーコ『ウンベルト・エーコの世界文明講義』
現代屈指の知の巨人が、思想、哲学、文学から、メディア、サブカルチャーまで縦横無尽に語った文明の秘密。「見えないもの」「陰謀」「絶対と相対」「炎は美しい」など。カラー図版136点。和田忠彦監訳
(河出書房新社 予価5390円)[amazon]

5月27日刊

ナオミ・イシグロ『雨影の孤児たち 上・下
貧民街に住む孤児のトシコは、恩人を殺した犯罪組織の首魁・サイトウを襲撃するが、彼が計画した女帝暗殺未遂事件に巻き込まれ追われる身となってしまう。そしてその裏では、科学と魔法を複合させた人型労働ロボットによる帝国支配の陰謀が進行していた……! 川野靖子訳
(早川書房 予価3630円)[amazon]

5月予定
チャールズ・H・フォート『呪われし者の書』
南山宏訳
(国書刊行会)[amazon]

7月14日刊
J・D・サリンジャー『サリンジャー初期短篇全集』
一目惚れをした男が投獄されるユーモラスなアンチ・ラブストーリー、戦争の気配が色濃くなる時代の若者たちを活写した傑作など、サリンジャーの原点とエッセンスが詰まった初期全作品集。柴田元幸訳
(河出書房新社 予価2970円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

ピーター・ヘラー『いつかぼくが帰る場所 上・下
人類の大半が流感で死んだ世界。愛犬と孤独に暮らす男は、無線で何者かの声を聞く。希望を抱き、声の主を探しに旅へ。映画化原作。堀川志野舞訳
(ハヤカワ文庫NV 予価各1232円)[amazon]

ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮)
現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳
(竹書房文庫 予価1540円)[amazon]

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