注目の近刊

6月2日刊
セバスチャン・バリー『終わりのない日々』
〈エクス・リブリス〉アイルランド移民のトマスは女としてのアイデンティティーに目覚める中、恋人ジョンと共にインディアン戦争、南北戦争を戦っていく。木原善彦訳
(白水社 予価3740円)[amazon]

6月2日刊
『少女マンガはどこからきたの? 「少女マンガを語る会」全記録
少女マンガの「黄金期」は1970年代といわれているが、それまでの作家や作品の記録は多く残されていない。1953年に手塚治虫が描いた「リボンの騎士」から1972年に池田理代子が「ベルサイユのばら」を描くまでのあいだ、少女マンガというジャンルはいかに開拓されてきたのか。少女マンガ界の先駆者たちに、少女向け雑誌の編集者や貸本マンガの関係者も加え50-60年代の少女マンガを語り尽くす。
(青土社 予価2860円)[amazon]

6月2日刊
アーサー・ケストラー『日蝕』
元革命の英雄ルバショウは絶対権力者「ナンバー・ワン」に粛清され、でっち上げの容疑で逮捕投獄される。隣の独房の囚人と壁を叩いて会話を交わし、自身の半生を追想するうちに自分の行動の正当性への確信が揺らぎ始めたルバショウはでっち上げられたグロテスクな罪を自らの意志で自白していく。ケストラーのアンチユートピア小説。75年ぶりに発見されたドイツ語原本からの初翻訳。岩崎克己訳
(三修社 予価3080円)[amazon]

6月5日刊
ニナ・マグロクリン『覚醒せよ、セイレーン』
海神ネプトゥーヌスに襲われた罰を受けて人を石にする髪をまとうメドゥーサ、ユピテルに狙われたことが引き金となっておおぐま座にされたカリスト、いなくなった友達を探すために翼を得て歌い、その歌に男たちが引き寄せられるようになったセイレーンたち……。オイディウス『変身物語』からこぼれ落ちた女性たちの声をすくいあげ、燃える怒りと深い悲しみ、そして生き延びるための願いをこめて語り直す、注目の短篇集。小澤身和子訳
(左右社 予価3300円)[amazon]

6月5日予定

『ギリシャミステリ傑作選 
無益な殺人未遂への想像上の反響
謎解き、ノワール、警察小説……現代ギリシャ・ミステリのいまを一望するアンソロジー。アンドレアス・アポストリディス他。橘孝司訳
(竹書房文庫 予価1430円)[amazon]

6月5日予定
蔡駿『忘却の河 上・下
1995年、中国のエリート進学校で女子高校生が殺害される。容疑者とされた若く優秀な国語教師申明もまた何者かに殺され、事件は未解明のまま終わった。そして9年後、ずば抜けた頭脳をもつ小学生の周囲で次々と不可解な事件が起こる。少年は何者なのか。申明を殺した犯人は誰なのか。「中国のスティーヴン・キング」と呼ばれる著者による異色ミステリ。
(竹書房文庫 予価各880円)[amazon]

6月5日刊

コリン・ワトソン『夏の終わりは家庭から』
〈論創海外ミステリ〉過熱する慈善戦争、身の危険を訴える匿名の手紙、そして殺人事件。フラックス・バラで巻き起こる新たな事件に挑むパーブライト警部。浮上した容疑者は“真犯人”なのか? ミス・ティータイムとの謎解きで明らかになる残酷な真実とは……。岩崎たまゑ訳
(論創社 予価2420円)[amazon]

6月予定?
マージェリー・アリンガム『ファラデー家の殺人』
〈論創海外ミステリ〉屋敷に満ちる憎悪と悪意。ファラデー一族を次々と血祭りに上げる姿なき殺人鬼の正体とは……。誰もが驚く意外な真犯人を描き出した〈アルバート・キャンピオン〉シリーズの長編第4作(旧訳題『手をやく捜査網』)。渕上痩平訳
(論創社 予価3520円)[amazon]

6月6日刊
ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q カールの罪状』
22年前から二年ごとに起こる、事故や自殺に見せかけた事件現場には必ず塩が残されていることに特捜部Qは気づいた。一方、カールが過去のステープル釘打機事件の重要参考人になっていることがわかり――。シリーズ完結目前、特捜部Qが連続殺人事件の謎に挑む。吉田奈保子訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2420円)[amazon]

6月6日刊
ベンジャミン・ブラック『黒い瞳のブロンド』
マーロウのオフィスを訪れた女は、消えた愛人の捜索を依頼する。だが、彼はすでに死んだはずで……『ロング・グッドバイ』公認続篇。小鷹信光訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1320円)[amazon]

6月6日刊
アダム・オイェバンジ『ブレーキング・デイ 減速の日 上・下
AI統治下の地球を発ち、新天地を目指す植民船団。士官候補生ラヴィは船外で消えた少女を捜すうちに、船団の危機を救うことに! 金子司訳
(ハヤカワ文庫SF 予価各1320円)[amazon]

6月6日刊
ローラ・デイヴ『そこにはいない彼の言葉』
夫が消えた。妻のハンナに残されたのは「彼女を守って」と書かれたメモと、夫の連れ子ベイリー。そしてベイリー宛ての大金が入った鞄。のちに夫が働くテック企業に巨額の詐欺の疑いがかかり、ハンナは失踪の謎に迫る。全米200万部のベストセラーサスペンス。竹内要江訳
(早川書房 予価2750円)[amazon]

6月6日刊
チャールズ・アダムス『アダムス・ファミリー全集』
モーティシア、夫ゴメス、パグズリーとウェンズデーたち、アダムス一家。映画・アニメ・ドラマ化もされた原作1コマ漫画を完全集成。H・ケヴィン・ミゼロッキ編。安原和見訳
(河出文庫 予価1100円)[amazon]

6月6日刊
田中貢太郎『日本怪談実話
実話怪談の先駆・第一人者の代表作を文庫化。「佐倉連隊の怪異」「三原山紀行」「飯坂温泉の怪異」「松井須磨子の写真」等全234話。
(河出文庫 予価990円)[amazon]

6月6日刊

志村有弘編『戦前のこわい話 怪奇実話集 増補版
都会や村の出来事に取材した、怪談、不可解事件、猟奇事件の、生々しく怖ろしい実話アンソロジー。
(河出文庫 予価792円)[amazon]

6月9日刊
都筑道夫『三重露出』
翻訳しているスパイ小説に、二年前に変死した女友達の名前が現われた。事件の真相を調べるため、滝口は再調査に乗り出した。
(徳間文庫 予価1210円)[amazon]

6月9日刊
笹沢佐保『シェイクスピアの誘拐』
〈有栖川有栖選 必読! Selection〉
ハムレット役の名優が舞台上から美貌の人妻へ送った謎のメッセージの真相とは。8つのトリックと奇想に満ちたミステリ短編集。
(徳間文庫 予価990円)[amazon]

6月12日刊
J・バルトルシャイティス『新版 幻想の中世 ゴシック美術における古代と異国趣味
ゴシック美術に跳梁する異形異類、繁茂する動植物文、マンダラ──古代と東方の珍奇なイメージの絶えざる越境と異種交配を空前のスケールで描いた綺想の図像学、待望の復刊。西野嘉章訳
(平凡社ライブラリー 予価2640円)[amazon]

6月12日刊
レイフ・GW・ペーション『二度死んだ女』
刑事ベックストレームと同じアパートに住む10歳の少年が、サマーキャンプで人間の頭蓋骨を見つけた。骨の主はアジア系の女性、死後2週間近く経過しているものと思われた。ところが警察の調査でこの女性が12年前にタイで死亡していたことが判明する。果たして人は二度死ぬことができるのか? シリーズ第4弾。久山葉子訳
(創元推理文庫 予価1760円)[amazon]

6月12日刊
アンドリュー・カウフマン『銀行強盗にあって妻が縮んでしまった事件/奇妙という名の五人兄妹』
妻が奇妙な強盗事件に遭遇した。犯人は居合わせた人々から「もっとも思い入れのあるもの」を奪っていったという。以来、なぜだか妻の身長は縮んでいき……。/生まれつき奇妙な〈力〉に悩まされてきた五人兄妹。祖母から〈力〉を消してやると告げられた三女は……。おかしな運命が照らし出す、夫婦の、兄妹の、家族のつながり。カウフマンの小説世界を2冊合本で。田内志文訳
(創元推理文庫 予価1496円)[amazon]

6月12日刊
D・H・ウィルソン&J・J・アダムズ編『ロボット・アップライジング』
現代文明に浸透しつつあるAIやロボットが、もしも反旗を翻したら? ポップカルチャーで繰り返し扱われてきたテーマに気鋭の作家たちが挑む。AIという言葉を発明した伝説的科学者ジョン・マッカーシーの作品を始め、アレステア・レナルズ、イアン・マクドナルド、コリイ・ドクトロウらによる傑作13編。
(創元SF文庫 予価1540円)[amazon]

6月12日発売
《紙魚の手帖》 vol.11
浅ノ宮遼、北山猛邦、京橋史織、久青玩具堂、大和浩則で贈る、初夏のミステリ読切特集。熊倉献コミック新連載スタートほか。
(東京創元社 1540円)[amazon]

6月12日刊
水野忠夫『ロシア・アヴァンギャルド 未完の芸術運動
旧体制に退場を命じる如く登場し、社会主義革命と協調、スターリン体制のなかで終焉を迎えた芸術運動。現代史を体現したその全貌を描く。
(ちくま学芸文庫 予価1650円)[amazon]

6月12日刊
井上円了『妖怪学とは何か 井上円了精選
「コックリ」「天狗」「狐憑き」から「妖怪屋敷」「西瓜の幽霊」「経を誦む古木」まで、全国の妖怪事象を蒐集しつつ、御一新の世になお蔓延る迷信を一網打尽せんとした奇特な哲学者を突き動かしたものとは一体何だったのか。「妖怪学講義録」「おばけの正体」など、井上円了の妖怪学エッセーを精選。菊地章太編
(講談社学術文庫 予価1177円)[amazon]

6月12日刊
フリードリヒ・ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』

故郷を捨てて山に入ったツァラトゥストラは「私は惜しみなくあげたいし、頒かち与えたい」と山から下り、人間たちの世界に入っていく。そして「神の死」を告げ、しかし人類は現状に甘んじることなく高みを目指して進んでいくべきだとする「超人」の思想を伝える。ニーチェ畢生の書。森一郎訳
(講談社学術文庫 予価2200円)[amazon]

6月13日刊
ティム・メジャー『新シャーロック・ホームズ 顔のない男たち』
ベイカー街221Bのホームズの元を訪れた依頼人エドワード・マイブリッジは、かつて走る馬の連続写真で名を馳せた写真家。現在は細々と講演活動を続けていたが、何者かに脅迫され、街路で馬車に轢かれかけるなどしていた。犯人の動きを探っていた矢先、不可解な焼死体が見つかったことから、事件は思わぬ展開を見せる。駒月雅子訳
(角川文庫 予価1408円)[amazon]

6月13日刊
ウィリアム・シェイクスピア『新訳 ジュリアス・シーザー』
古代ローマの独裁官シーザーが共和制を廃して皇帝になるのを恐れたブルータスは、ついに暗殺を決意する。徹底注釈&シェイクスピアが読んだノース訳『英雄伝』抄訳も掲載。河合祥一郎訳
(角川文庫 予価946円)[amazon]

6月13日刊
久生十蘭『あなたも私も』
売れないファッション・モデルとして貧乏生活を送るサト子。実は自らも知らぬ間に、13億円の鉱業権の相続人になっていた! サト子の周りには、一攫千金のにおいをかぎつけた人々が次々と現れるが……。
(角川文庫 予価726円)[amazon]

6月13日刊
『幻想と怪奇 ショートショート・カーニヴァル』「幻想と怪奇」編集室編
『幻想と怪奇』シリーズ、初の創作のみの一巻。寄稿者への課題は「長さは八千字まで」と「過去の作家・作品に関連するものを」。著名作家による多彩な作品23篇に、第1回『幻想と怪奇』ショートショート・コンテストの入選作品を収録。
(新紀元社 予価2420円)[amazon]

6月13日刊
『ダンマパダ ブッダ 真理の言葉
弟子たちに語り継がれ、数百年後にパーリ語で編纂されたブッダの言葉。ブッダ自身の教えにもっとも近づくことができる世界最古の資料で、『スッタニパータ』と双璧をなす。日々の心構えや生き方について、深い洞察に満ちた金言集。今枝由郎訳
(光文社古典新訳文庫 予価814円)[amazon]

6月15日刊
ナヴァ・セメル『ガラスの帽子』
1942年の強制連行から約3年間の収容所生活と、ロシア軍による解放を綴った表題作ほか全9篇。ホロコースト生還者とその次世代がかかえる心の傷(PTSD)を、詩情を湛えた文体でリアリスティックに描いた、イスラエル女性作家の短篇集。樋口範子訳
(東宣出版 予価2420円)[amazon]

6月15日刊

ヘレン・オイェイェミ『あなたのものじゃないものは、あなたのものではない』
スターの炎上、姉妹団と兄弟団のバトル、鍵付きの日記にしたためた”沈黙させられてしまった声”——自由で大胆な知性で描く全9篇。PEN/オープンブック賞受賞。上田麻由子訳
(河出書房新社 予価3190円)[amazon]

6月15日刊
ドン・ウィンズロウ『陽炎の市』
1988年12月。アメリカ東海岸を血に染めた抗争に敗れ、多くの仲間を失ったダニー・ライアンは、わずかな味方とともに西へと逃亡する。イタリア系マフィアとFBIの執拗な追跡に次第に追いつめられるなか、当局から自由と引き換えに危険な仕事を持ちかけられたダニーは賭けに出るが――。メキシコ麻薬カルテル、ハリウッドの裏側も巻き込む男たちの争い。全米ベストセラー3部作、第2弾。田口俊樹訳
(ハーパーBOOKS 予価1430円)[amazon]

6月15日刊
ダニエル・シルヴァ『謀略のカンバス』
イスラエル諜報機関長官を引退したガブリエルは、ヴェネツィアで美術修復師として静かな生活を送ろうとしていた。そんな矢先、画廊経営者の友人からある事件を調べてほしいと依頼される。先日取引されたファン・ダイクの名画に懸念があると知らせてきた女性が、事故死したというのだ。やがて正体不明の贋作師と背後に蠢く組織の存在が浮上し――。伝説のスパイ×美術ミステリー。山本やよい訳
(ハーパーBOOKS 予価1460円)[amazon]

6月17日刊

アラン・パークス『血塗られた一月』
1973年、グラスゴー。特別房の囚人が予言した少女射殺事件の捜査に挑む刑事ハリー・マッコイは、事件の裏の巨悪に触れるが……。吉野弘人訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1562円)[amazon]

6月17日発売
大下宇陀児『女性軌道』
夕刊紙『大阪新聞』に、昭和34年11月16日から昭和35年5月15までの約半年間、連載された長編小説の初の書籍化。 ロマンティク・リアリズムを追求した大下宇陀児の最後の長編ミステリ。解説=沢田安史
盛林堂ミステリアス文庫 3500円)※6/11 予約受付開始

6月18日刊
奈倉有里『ことばの白地図を歩く 翻訳と魔法のあいだ
ロシア文学の研究者であり翻訳者である著者が、自身の留学体験や文芸翻訳の実例をふまえながら、他言語に身をゆだねる魅力や迷いや醍醐味について語り届ける。「異文化」の概念を解きほぐしながら、読書体験という魔法を翻訳することの奥深さを読者と一緒に“クエスト方式”で考える。読書の溢れんばかりの喜びに満ちた一冊。
(創元社 予価1540円)[amazon]

6月19日刊

C・J・ボックス『熱砂の果て』
猟区管理官ジョー・ピケットの盟友ネイトのもとへ現れた政府の男たちは、容疑の抹消と引き換えに、砂漠地帯で大規模テロを計画している可能性がある男の動向を探り出せと要請した。ネイトは引き受けざるを得なかったが……。シリーズ屈指の大迫力アクションが展開される冒険サスペンス。野口百合子訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

6月19日刊
イーディス・ウォートン『無垢の時代』
1870年代初頭、ある1月の宵。純真で貞淑なメイとの婚約発表を間近に控えたニューランドは、社交界の人々が集う歌劇場で、幼なじみのエレンに再会する――。二人の女性の間で揺れ惑う青年の姿を通じて、伝統と変化の対立の只中にある〈オールド・ニューヨーク〉の社会を鮮やかに描き出す。ピューリッツァー賞受賞。河上弘美訳
(岩波文庫 1507円)[amazon]

6月20日刊
ハーパー・リー『ものまね鳥を殺すこと アラバマ物語 新訳版
1930年代米国南部。スカウトは弁護士である父のアティカスと暮らしていた。ある日、白人女性への暴行の嫌疑がかけられた黒人男性の弁護に父が就き、周囲の白人たちから反発を受けるが――。少女の無垢な瞳を通して当時の黒人差別を克明に記した不朽の名作の新訳。上岡伸雄訳
(早川書房 予価3960円)[amazon]

6月20日刊
『蒸気駆動の男 朝鮮王朝スチームパンク年代記イ・ソヨン、チョン・ミョンソプ、パク・エジン、キム・イファン、パク・ハル
蒸気機関が導入され発達した、もうひとつの李氏朝鮮王朝。あるときは謎の旅人として、またあるときは王の側近として、歴史の要所要所で暗躍した蒸気駆動の男=汽機人〈都老〉の500年間にわたる彷徨を描いた5篇を収録した異色のスチームパンクアンソロジー。吉良佳奈江訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 予価2200円)[amazon]

6月20日刊
マーク・グリーニー『アーマード 生還不能 上・下
ベイルートの任務で片脚を失った民間軍事会社の傭兵ジョシュは、メキシコ麻薬紛争での危険なオペレーションに、再び身を投じる。伏見威蕃訳
(ハヤカワ文庫NV 予価各1100円)[amazon]

6月20日刊
アガサ・クリスティー『名探偵ポアロ スタイルズ荘の怪事件』
〈ハヤカワ・ジュニア・ブックス〉ポアロの相棒ヘイスティングズが滞在する屋敷の主人が殺された。何者かに毒を飲まされたのだ。20歳も年下の再婚相手、金に困った息子、現場付近に居合わせた毒物学者……犯人は誰か、どのように毒を盛ったのか、ポアロが挑む。「ミステリの女王」のデビュー作。矢沢聖子訳
(早川書房 予価1980円)[amazon]

6月20日刊
越前敏弥『名作ミステリで学ぶ英文読解』
アガサ・クリスティ、コナン・ドイル、エラリイ・クイーンの名作を題材に英文読解のポイントを指南。ミステリの巨匠たちによる緻密で無駄のない文章を精読することで、論理的な読み解き方を学ぶ。数々のベストセラーを手がける名翻訳家からの「読者への挑戦状」。
(ハヤカワ新書 予価1100円)[amazon]

6月20日刊
トーヴェ・ディトレウセン『毒/結婚』
自分の生きている経験のすべてを題材として、貧しい労働者階級の娘が作家になることをめぐる葛藤をオートフィクションとして世に出したトーヴェ。簡潔な文体で、鮮やかに、繊細に、破滅に向かう正直さで描き、デンマークの若者たちから愛された伝説的作家の代表作。枇谷玲子訳
(みすず書房 予価4620円)[amazon]

6月21日刊
イアン・マキューアン『夢みるピーターの七つの冒険』
ネコや赤ちゃんと体が入れ替わる、いじめっ子の気持ちが手に取るように分かる、うるさい両親を消してしまう、大人になった気分を満喫する。そんな空想の世界に心がとらわれてしまう少年ピーターの毎日はスリルいっぱい。英国ブッカー賞作家が子供たちに贈る物語。真野泰訳
(中央公論新社 予価1980円)[amazon]

6月21日刊
飯城勇三『密室ミステリガイド』
本格ミステリの「密室」の進化に迫るべく、密室ミステリ海外20作&国内30作をネタバレなしの前編&ネタバレありの後編でガイド。
(星海社新書 予価1650円)[amazon]

6月22日刊
ハリー・ムリシュ『襲撃』
第二次大戦解放前夜、親ナチス警視殺害の報復で家族を失った少年が、戦後その夜の真実を知る。オランダ文学の巨匠の代表作。(映画《追想のかなた》原作)。長山さき訳
(河出書房新社 予価2750円)[amazon]

6月22日刊
フェルナン・メンデス・ピント『アジア放浪記』
〈世界探検全集〉1537年から20年間、アジア各地を放浪。その間“5回難破し、13回奴隷となり、16回売られた”男の奇想天外な体験を綴る。江上波夫訳
(河出書房新社 予価2420円)[amazon]

6月23日刊
アダム・オールサッチ・ボードマン『イラストで見る ゴーストの歴史』
幽霊の歴史とそれに関連した文化をイラストで解説。死後の世界、歴史に残る怪奇事件、有名な心霊スポット、幽霊信仰によるイカサマとそれを暴こうとする懐疑主義者たち……。 最古の心霊現象や、現代ならではのデジタルな幽霊なども紹介。ナカイサヤカ訳
(マール社 予価1840円)[amazon]

6月25日刊
ウォルター・デ・ラ・メア『トランペット』
天使像の持つトランペットを吹き鳴らしたら、いったい何が起きるのか。深夜の教会に忍び込んだ二人の少年の冒険を描く「トランペット」。ある暑い日、ロンドンの喫茶店で出会った男が語り続ける同居女性の失踪話に薄気味悪さがにじむ「失踪」。三百五十年の歳月を生きてきた老女の誕生日にお屋敷に招かれた少女の話「アリスの代母さま」他を収録したデ・ラ・メア傑作選。和爾桃子訳。挿絵=エドワード・ゴーリー
(白水Uブックス 予価1980円)[amazon]

6月25日発売

《SFマガジン》8月号
(早川書房)[amazon]

6月26日刊
スティーヴン・キング『異能機関 上・下
恐怖の帝王、王道のSFホラー巨弾。超能力少年少女を拉致する謎の〈研究所〉。天才少年ルークはこの秘密機関から逃れられるのか? 白石朗訳
(文藝春秋 予価各2970円)[amazon]

6月27日刊
カーター・ディクスン『五つの箱の死』
〈奇想天外の本棚〉深夜一時、女性に請われるまま、部屋に足を踏み入れたサンダース医師が目にしたのは、食卓を囲んで座る物いわぬ四人の人間であった。不可能犯罪の巨匠の手練れの技が冴える、本格ミステリ黄金時代の力作。白須清美訳
(国書刊行会 予価2860円)[amazon]

6月27日刊
ラモン・デル・バリェ=インクラン『暗い庭 聖人と亡霊、魔物(ドゥエンデ)と盗賊の物語
神秘主義的なキリスト教と土俗的な民間信仰、背徳的な罪咎の宴――高貴な輝きと隠遁の雰囲気を湛えた昏い廃園は、夢うつつに微睡みながら訪れる客人を待ちわびる。マリオ・プラーツが『肉体と死と悪魔』において言及した数少ないスペイン作家バリェ=インクラン。W・B・イェイツやガルシア=ロルカを想起させる作品など、この世ならぬ場所へと誘う、17の短篇小説。花方寿行訳
(国書刊行会 予価3080円)[amazon]

6月28日刊
ポール・アルテ『吸血鬼の仮面』
クレヴァレイ村で夜ごと目撃される謎の怪人と幽霊騒動。一方、ロンドンでは名探偵オーウェン・バーンズのもとに老人の変死事件が持ち込まれる。彼は5年前の迷宮入り事件に関わっており、口封じに殺された可能性があるというのだ。平岡敦訳
(行舟文化 予価1925円)[amazon]

6月28日刊
パトリック・モディアノ『眠れる記憶』
僕は、街角でしか人が真に出会うことはあり得ないと長らく信じていた――。老齢を迎えた語り手が、60年代を生きた自らの青年期を振り返りながら、記憶の奥底に眠っていた女性たちとの出逢い、別れ、そして再会の思い出を想起する。ノーベル文学賞受賞後初の作品となる表題作ほか、小さな偶然と大きな奇跡──忘却と想起を詰め込んだ、日本語版オリジナル編集の小説集。山崎美穂訳
(作品社 予価2860円)[amazon]

6月29日刊
マギー・オファーレル『ルクレツィアの肖像』
優しくしてくれる夫。でも、今夜、あなたは私を殺そうとしているでしょう? 15歳で結婚し、16歳で亡くなったと、わずかな記録しかイタリア史に残されていない主人公ルクレツィア・ディ・コジモ・デ・メディチ。『ハムネット』でシェイクスピアの妻を鮮やかに蘇らせた著者が、政略結婚の末に早世した少女の「生」を力強く羽ばたかせる。スリリングな展開と大胆なラストで、イギリス文学史に残る傑作長篇小説。小竹由美子訳
(新潮クレスト・ブックス 予価3080円)[amazon]

6月30日刊
デイジー・ジョンソン『九月と七月の姉妹』
絵本作家の母に育てられた、9月生まれのセプテンバーと、翌年7月生まれのジュライ。内気なジュライは、貪欲で残忍な姉の支配下に置かれているが、二人の絆は他の誰も必要としないほど強いものだった。亡父が生まれ育った〈セトルハウス〉へ引越してきた二人だが、ジュライの中には奇妙な違和感が芽生える……。最年少でブッカー賞候補となった俊英による、一編の詩のように忘れがたい物語。市田泉訳
(東京創元社 予価2200円)[amazon]

6月30日刊

『七月七日』ケン・リュウ、藤井太洋他
七夕の夜、ユアンは留学で中国を離れる親友ヂィンに会いに出かけた。別れを惜しむ二人のもとに、どこからともなくカササギの大群が現れ――七夕伝説をはじめ、中国の春節に絡む年獣伝説、不老不死の薬を求める徐福伝説、済州島の巨人伝説など、さまざまな伝説や神話にインスピレーションを得て書かれた十の物語。日中韓3カ国の著者による韓国発のオリジナル・アンソロジー。小西直子・古沢嘉通訳
(東京創元社 予価2640円)[amazon]

6月30日刊
S・J・ローザン『その罪は描けない』
「証明してくれよ、おれが犯人だって」銃を片手に私立探偵ビルを訪ねてきた男はそう言った。男はかつての依頼人。収監された刑務所で絵の才能を見いだされ、現在は画家として活躍中だ。そして、記憶も証拠もないが、近頃ニューヨークで起きた二件の女性殺害事件は自分の犯行だと主張する。ビルは相棒リディアと男の話の真偽を確かめようとするが……。シリーズ最新作。直良和美訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

6月30日刊
『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 3』 [amazon]
『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 9』 [amazon]
(小学館 各1111円)

6月30日予定

『古典&最新ミステリガイド』杉江松恋 監修
古典と最新の両面からミステリの傑作・名作を一挙紹介。
(Pヴァイン 予価1980円)[amazon]

6月下旬刊
ドン・デリーロ『ゼロ・K』
アメリカの大富豪ロス・ロックハートは、死病に冒された愛する妻の身体を凍結し、未来の医療に託そうと目論んでいた。しかし彼は苦悩する。独り現世に取り残された彼はどうなるのか。医療技術の進歩は肉体の復活と愛の再生を約束し得るのか。鬼才ドン・デリーロが突きつける、紙幅と絶望と再生のSF長篇ラブストーリー。日吉信貴訳
(水声社 予価3300円)[honto]

6月予定
『合作探偵小説コレクション4 十三の階段/悪霊物語』
山田風太郎参加作品集。日下三蔵編
(春陽堂書店 予価4180円)[amazon]


▼7月予定

7月2日刊
パク・ソルメ『未来散歩練習』
〈エクス・リブリス〉光州事件、釜山アメリカ文化センター放火事件と五人の女性の生き方を通して、今を生きる・過去を理解する・未来を思うことを重層的に描く力作長篇。斎藤真理子訳
(白水社 予価2310円)[amazon]

7月3日刊
ロバート・E・ハワード『愛蔵版 英雄コナン全集3 降魔篇
シリーズ最高傑作の呼び声も高い「黒河を超えて」他、30代後半を迎え、知力と体力の絶頂にあるコナンの冒険を描いた中篇4篇、ならびに未完成作品の草稿と創作メモを収録。宇野利泰・中村融訳。【収録作品】赤い釘/古代王国の秘宝/黒河を越えて/黒い異邦人/〈資料編〉西方辺境地帯に関する覚え書き/辺境の狼たち(草稿) 
(新紀元社 予価2420円)[amazon]

7月4日刊
リチャード・オスマン『木曜殺人クラブ 逸れた銃弾』
大規模な詐欺事件を調査していたキャスターが、不可解な事故で死んだ。〈木曜殺人クラブ〉は、事故の裏に何かあると直感し、捜査を始める。一方、メンバーのひとりであるエリザベスは、友人のジョイスを殺されたくなければ元KGB大佐を殺すようにと脅迫され……。羽田詩津子訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2420円)[amazon]

7月4日刊
ヴァージニア・フェイト『ミセス・マーチの果てしない猜疑心』
人気作家の妻ミセス・マーチには妄想癖がある。夫は殺人犯だと信じ込む彼女は調査を始め……現実が妄想に侵されるサイコミステリ。青木千鶴訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1650円)[amazon]

7月4日刊
ジェイムズ・ラヴグローヴ『シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪』
精神病院に収容された男が口にしたのはクトゥルーのルルイエ語だった。彼の身にいったい何が? またもホームズが古き神々に挑む。日暮雅通訳
(ハヤカワ文庫FT 予価1540円)[amazon]

7月4日刊
ジョッシュ・ワイス『ハリウッドの悪魔』
1958年、反共産主義を標榜するマッカーシーが大統領となったアメリカ。ロス市警の刑事ベイカーは、映画監督ジョン・ヒューストンと新進記者ウォルター・クロンカイトの殺人事件現場に呼び出される。その死者の手の中のメモが彼の悪夢の過去を呼び覚ましていく。北野寿美枝訳
(早川書房 予価3080円)[amazon]

7月4日予定?
デイヴィッド・ダムロッシュ『ハーバード大学ダムロッシュ教授の世界文学講義』
世界文学とはなにか。国際的に活躍する文学研究の第一人者が古今東西縦横に、世界のあらゆる文学作品との比較の中で、日本文学の魅力を語る。今まで比較されることのなかった作家をあえて関連づけることによって文学の新たな可能性を見出し、刺激的な読書の世界へ誘う。沼野充義監訳/片山耕二郎・高橋知之・福間恵 訳
(東京大学出版会 予価3520円)[amazon]

7月5日刊
カルロ・ギンズブルグ『どの島も孤島ではない 世界的展望のなかでのイギリス文学への四つの視点
書名はエリザベス朝の詩人ジョン・ダンの詩句による。海洋帝国へと成長した島国イギリスの文学の異種混交性を提示する。トマス・モアのどこにもない場所(ユートピア)がメキシコにつくられたり、『宝島』の作者が南洋で文化人類学者に影響を与えたり……。歴史家が初めて文学を対象にして、予測外に飛躍する「読むことと書くことの関係」を浮かび上がらせる。上村忠男訳
(みすず書房 予価5720円)[amazon]

7月6日刊
ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』
中世テーマパークで働く若者、賞金で奇妙な庭の装飾を買う父親、薬物実験の人間モルモット。ダメ人間たちを独特の奇想で描く短篇集。岸本佐知子訳
(河出文庫 予価1320円)[amazon]

7月6日刊
チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』
韓国で300刷を超えるロングセラー、現代作家たちがリスペクトする名作がついに文庫化。千年の怒りが渦巻く祈りの物語。斎藤真理子訳
(河出文庫 予価1430円)[amazon]

7月10日刊
ジェイムズ・P・ホーガン『星を継ぐもの 新版
月面調査員が、真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。綿密な調査の結果、この死体はなんと死後5万年を経過していることが判明する。いっぽう木星の衛星ガニメデでは、地球のものではない宇宙船の残骸が発見された……。ハードSFの巨星の一世を風靡したデビュー作。池央耿訳
(創元SF文庫 予価880円)[amazon]

7月10日予定
袁珂『中国神話史』
中国神話学の大家・袁珂の『中国神話史』、翻訳遂に成る。世界に類を見ない、初めての「神話史」の試み。原著の全訳に加えて、詳細なる訳注、各種の索引、豊富な図版を収載、範囲を拡大した中国神話の全貌を眼前に提示。さらに中国少数民族の神話伝説をも加えて、豊かな中国神話の世界を日本の神話学研究に提供する。佐々木猛訳
(集広舎 予価13,200円)[amazon]

7月刊
アリストテレス『政治学 上・下
三浦洋訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon上・下]

7月14日刊
マイクル・コナリー『正義の弧 上・下
ハリー・ボッシュシリーズ最新作。古沢嘉通訳
(講談社文庫 予価各1012円)[amazon]

7月18日刊
ホリー・ジャクソン『卒業生には向かない真実』
大学入学直前のピップに、不審な出来事がいくつも起きていた。無言電話に匿名のメール。首を切られたハトが敷地内で見つかり、私道にはチョークで首のない棒人間を書かれた。調べた結果、6年前の連続殺人事件との類似点に気づく。『自由研究には向かない殺人』三部作の完結編。服部京子訳
(創元推理文庫 予価1650円)[amazon]

7月18日刊
エリカ・ルース・ノイバウアー『ウェッジフィールド館の殺人』
ジェーンが滞在中の英国の領主屋敷の使用人が車の事故で死亡した。スピードの出しすぎらしいが、ブレーキを踏んだ跡はない。男爵家の養女となっていた娘の身を心配する叔母に頼まれたジェーンは、密かに事件を調べ始める。だが怪しい人影が目撃されるなど不審な出来事が続き……。アガサ賞デビュー長編賞受賞シリーズ第二弾。山田順子訳
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

7月18日刊
エドワード・ケアリー『B 鉛筆と私の500日
コロナのパンデミックで隔離生活を強いられた一年余り。画家・作家エドワード・ケアリーは毎日一枚の絵を描き、ツイッターに投稿していった。偉大な作家や芸術家、歴史上の人物、小説の登場人物、さらに動物や鳥、植物や建物、風景に至るまで500もの絵と、それにまつわる36のエッセイを本書に収録。古屋美登里訳
(東京創元社 予価2860円)[amazon]

7月19日刊
ジャネル・ブラウン『インフルエンサーの原罪 上・下
詐欺師のニーナとラクランは、大金を奪うためインフルエンサーのヴァネッサに近づく。だが、簡単なはずの仕事は予想外の展開に……。奥村章子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1320円)[amazon]

7月19日刊
テッド・チャン『息吹』
AIの未来を描く中篇「ソフトウェア・オブジェクトのライフサイクル」他、全9篇を収録。『あなたの人生の物語』に続く第2作品集。大森望訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1320円)[amazon]

7月19日刊
カズオ・イシグロ『クララとお日さま』
AIを搭載したロボットのクララは、病弱な少女と友情を育んでゆく。愛とは、知性とは、家族とは? 生きることの意味を問う感動作。土屋政雄訳
(ハヤカワepi文庫 予価1375円)[amazon]

7月19日刊
アレックス・シュルマン『生存者』
20年前にある悲劇が起こった湖のコテージに三兄弟が戻ってきた。今、彼らは母親の遺灰を湖に撒き、目を背けてきたあの夏の真実と対峙する。光り輝いていた少年時代を変えた日のことを──スウェーデンを代表する作家が過去と現在を巧みに交差させ描く家族の物語。坂本あおい訳
(早川書房 予価3410円)[amazon]

7月19日刊
劉慈欣『超新星紀元』
1999年末、超新星爆発によって発生した放射線バーストが地球に降り注ぎ、人類に壊滅的な被害をもたらす。一年後に十三歳以上の大人すべてが死にいたることが判明したのだ。"超新星紀元"の地球は子どもたちに託された……。『三体』劉慈欣の長篇デビュー作。大森望・光吉さくら・ワン チャイ訳
(早川書房 予価2420円)[amazon]

7月20日刊
青柳いづみこ『パリの音楽サロン ベルエポックから狂乱の時代まで
(岩波新書)[amazon]

7月21日刊
大友克洋全集1『銃声』

1971-1974年制作の短篇11篇を収録。弱冠19歳のデビュー作「銃声」をはじめ、単行本未収録の最初期作品7篇、未発表作4篇。【収録内容】海が…/戦場 ―習作―/「人形げき」まっちうりの少女/ルイーズ/銃声/親友/スマイリーおじさん/橋と そして…/子供たちは何処へ……/上海かぜ
(講談社 予価3190円)[amazon]

7月21日刊
大友克洋全集5『Fire-Ball』

1978-1979年制作の短篇12篇を収録。後の『童夢』等に繋がるSF作品「Fire-Ball」、単行本初収録の「遠い祭り」他。【収録内容】つやのあとさき/愛の街角2丁目3番地/遠い祭り/ヘンゼルとグレーテル/大麻境/家族/任侠シネマクラブ/あしたの約束/カツ丼/信長戦記/Fire-Ball/Hair
(講談社 予価3190円)[amazon]

7月21日刊

オクテイヴィア・E・バトラー『種蒔く人の物語』
バトラーの代表作にしてSFの名作、ついに邦訳。大島豊訳
(竹書房文庫 予価1430円)[amazon]

7月21日刊

オクテイヴィア・E・バトラー『才有る人の物語』
バトラーの代表作にして、SFの名作、そして転換の作品が遂に邦訳。大島豊訳
(竹書房文庫 予価1430円)[amazon]

7月24日刊
ジョゼ・サラマーゴ『見ること』
突然目が見えなくなる感染症が流行した4年後、同じ国の首都の総選挙で大量の白票が投じられる。ノーベル賞作家による警鐘の書。雨沢泰訳
(河出書房新社 予価3525円)[amazon]

7月24日刊
デイヴィッド・リヴィングストン『アフリカ探検記』
〈世界探検全集〉通算48000キロを踏査し、アフリカ探検史上に不朽の業績を残したリヴィングストンの波瀾万丈の探検記。菅原清治・山極寿一訳
(河出書房新社 予価2750円)[amazon]

7月27日刊
皆川博子『天涯図書館』
小説の女王・皆川博子が百年近くの歳月をかけ耽溺してきた、永遠に残したい本の数々。生まれ変わっても本の山野に埋もれていたい。知るほどに読むほどに好きになる。『辺境図書館』『彗星図書館』に続く、完全保存版ブックガイド。
(講談社 予価2980円)[amazon]

7月27日刊
ミシェル・ウエルベック『滅ぼす 上・下
謎の国際テロ事件が多発するなか、2027年フランス大統領選が行われる。社会の分断と個人の幸福。フランス発の大ベストセラー。野崎歓・齋藤可津子・木内尭訳
(河出書房新社 予価2475円/2585円)[amazon]

7月27日刊
西條八十『あらしの白鳩』
少女の悩みは少女が救う! かつて少年少女が熱狂した西條八十の少女小説が待望の復刊。芦辺拓編
(河出書房新社 予価3685円)[amazon]

7月28日刊
キース・トムスン『海賊たちは黄金を目指す 日誌から見る海賊たちのリアルな生活、航海、そして戦闘
梅毒治療には尿道から水銀を注入し、数か月も風呂に入れず、水と食料が徐々に少なくなっていく恐怖に怯える。もちろん血で血を洗う死闘の数々も――。17世紀後半、カリブ海でスペインの植民地や商船を襲撃した海賊たちが書き残した日誌を基にリアルに描く、海賊たちの喜怒哀楽の激しすぎる日常とは? 杉田七重訳
(東京創元社 予価2970円)[amazon]

7月28日刊
レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる 新訳版
ある年のハロウィーン前夜、ジムとウィル、13歳の二人の少年は、一夜のうちに永久に子供ではなくなった。夜の町に訪れたカーニバルの喧噪のなか、回転木馬の進行につれて、時間は現在から未来へ過去から未来へと変わり、魔女や恐竜の徘徊する悪夢のような世界が現出する。SF界の叙情詩人の傑作ファンタジーを新訳で贈る。中村融訳
(創元SF文庫 予価1210円)[amazon]

7月28日刊
足立和彦・村松定史『対訳 フランス語で読むモーパッサンの怪談 CD付
恐怖・狂気・幻想をテーマに短篇の名手が織りなす世にも奇妙な物語。「墓」「髪」「手」「オルラ」の4篇を、目と耳で味わいつくそう。
(白水社 予価3080円)[amazon]

7月28日刊

『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 4』 [amazon]
『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 5』 [amazon]
(小学館 各1111円)

7月29日刊
ダニイル・ハルムス『ハルムスの世界』
ロシア・アヴァンギャルドの終焉に燦然と輝くハルムスの超短篇集。「ロシア文学」のイメージを覆す、軽さ、ユーモア、ノンセンス。増本浩子/ヴァレリー・グレチュコ訳
(白水Uブックス 予価1870円)[amazon]

7月30日刊
甘耀明『真の人間になる 上・下(仮)
〈エクス・リブリス〉1945年夏、日本人も犠牲となった「三叉山事件」をモチーフに、ブヌン族の少年の成長を描き、台湾・中華圏の文学賞を制覇した感動の大作。白水紀子訳
(白水社 予価各2640円)[amazon]

7月30日刊
ジェフリー・ロバーツ『スターリンの図書館』
血まみれの暴君は「本の虫」でもあった。膨大な蔵書と頁上の書き込みを精査し、思想と政治に及ぼした影響から人格の内奥にまで肉薄。松島芳彦訳
(白水社 予価4950円)[amazon]

7月予定
都筑道夫『二十世紀のツヅキです 1986-1994』
都筑道夫『二十世紀のツヅキです 1995-1999』

(フリースタイル)[amazon]


▼8月以降予定

8月2日刊
トルーマン・カポーティ『遠い声、遠い部屋』
新鮮な言語感覚と幻想に満ちた華麗な文体で構成された本作は、1948年に刊行されるやいなや、アメリカ中で大きな波紋を呼び起こした。父親を探してアメリカ南部の小さな町を訪れたジョエル少年の、近づきつつある大人の世界に怯え屈折する心理と、脆くもうつろいやすい感情とを描いた半自伝的なデビュー長編。村上春樹訳
(新潮社 予価2530円)[amazon]

8月2日刊

バーナディン・エヴァリスト『少女、女、ほか』(仮)
時代も背景も様々な英国黒人女性が乗り越えてきた苦難をウィットに富んだ斬新な文体で語る。文学の新たな地平を拓くブッカー賞受賞作。渡辺佐智江訳
(白水社 予価4950円)[amazon]

8月28日刊
ジョン・スラデック『チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク・チク・タク』(仮)
ロボット三原則を遵守させる「アシモフ回路」。だが、チク・タクにはその回路が作動していない。壁のペンキ塗りをしていたはずのチク・タクは、気づくと少女を殺し、その血で壁に絵を描いていた。しかし、それはチク・タクの悪行のはじまりにすぎなかった――。奇才スラデックによる英国SF協会賞受賞作のロボット・ピカレスク。鯨井久志訳
(竹書房文庫 予価1540円)[amazon]

8月30日刊

『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 6』 [amazon]
『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 10』 [amazon]
(小学館 各1111円)

8月31日予定
アンドレアス・キルヒャー編『カフカ素描集』
高橋文子訳
(みすず書房 予価16,500円)[amazon]

9月8日刊
ダリオ・アルジェント『恐怖 ダリオ・アルジェント自伝(仮)
『Deep Red(サスペリアPART2)』『サスペリア』、『インフェルノ』『フェノミナなど、独自の美学を追求した恐怖映画で知られる“ホラーの帝王”が、その比類なき人生、愛する家族、暗い強迫観念、魅了された映画たち、自らの作品と俳優や仲間たち、輝かしいキャリアと試練や苦難、倒錯的な夢について明かした初の自伝。野村雅夫・柴田幹太訳
(フィルムアート社 予価3740円)[amazon]

9月29日刊
アブドゥルラザク・グルナ『楽園』
〈グルナ・コレクション〉20世紀初頭、現在のタンザニアを舞台に、少年ユスフの成長と東アフリカ沿岸地域の歴史的な大転換期を描く。1994年度ブッカー賞最終候補作。粟飯原文子訳
(白水社 予価3080円)[amazon]

9月29日予定
ロス・コーサート『UFOvs.調査報道ジャーナリスト』
(作品社 予価2970円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

コーネリアス・ライアン『遙かなる橋』
1944年9月、連合軍は"マーケット・ガーデン作戦"を決行した。占領されたオランダ中枢部の五つの橋梁を奪い返し、機甲部隊をドイツ本国に突入させる予定だったが……将兵と市民の証言、連合国とドイツの公式記録文書をもとに史上最大の空挺作戦の全貌を描く。八木勇訳
(早川書房 予価6600円)[amazon]

アンナ・カヴァン『眠りの館』(仮)
Sleep Has His House (1947)の翻訳。安野玲訳
(文遊社)[amazon]

シルヴィア・プラス『ベル・ジャー』
あの夏、輝くニューヨークで19歳のエスターの心は不思議に虚ろだった──。世界中の若者に読み継がれる永遠のベストセラー。30歳で自ら死を選んだ伝説の詩人が遺した、自伝的小説。青柳祐美子訳
(河出文庫 予価1430円)[amazon]

スティーヴン・キング『ファイアー・スターター
上・下
念力放火能力を持つ少女チャーリーとその父を追う政府政府諜報機関。『炎の少女チャーリー』として映画化された初期代表作が復刊。深町眞理子訳
(河出文庫 予価各1078円)[amazon上・下]

掛谷治一朗『ターヘル・アナトミア 横溝正史を解体新書する
(論創社 予価3300円)[amazon]

シャーリイ・ジャクスン『野蛮人との生活』
数々の傑作で知られる作家シャーリイ・ジャクスンが、私生活を独特なユーモアで描いた超・個性的な小説風エッセイ。新版で登場。深町眞理子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1100円)[amazon]