注目の近刊

7月29日刊
D・V・ビショップ『フィレンツェに悪魔が彷徨う』
1539年、コジモ・デ・メディチ統治下のフィレンツェ。夜間治安官チェーザレは、夜間外出禁止令下の雨の夜に不審者を追う最中、ミケランジェロのダヴィデ像の下で、磔刑のポーズをとらされた男の惨殺体と遭遇する。翌日、同様の手口の惨殺体が発見されるが……。猟奇連続殺人を軸に、同性愛、悪魔祓い、ヴェネツィアとの諜報戦といった要素まで複雑に絡み合った歴史ミステリー。熊谷千寿訳
(新潮文庫 予価1320円)[amazon]

7月29日刊
ジュンパ・ラヒリ『ローマ物語』
〈新潮クレスト・ブックス〉郊外の貸別荘の管理人一家の娘は、束の間の田舎暮らしを楽しんだ客が去ったあとの部屋で、思いがけないものを見つける。大邸宅で開かれた妻の友人のパーティを訪れた男は、見知らぬ女性と交わした断片的な会話に取り憑かれ、再会を待ち望むようになる。親友の恋人からの「ダンテ・アリギエーリ」という差出人名の手紙を受け取った少女の初恋とその後の人生。家族との隔たり、友人関係の変容、余所者への視線……。短篇小説の名手ラヒリがイタリア語で書いた9篇の苛烈で愛おしい人間ドラマ。中嶋浩郎訳
(新潮社 予価2365円)[amazon]

7月30日刊
エドワード・ドルニック『恐竜発見 巨大な骨の化石の謎に挑んだ人々の物語
19世紀のイギリス。産業革命で掘り返されるようになった土中から、六千年前と考えられていた天地創造より古い、異形の動物の化石が発見される。未知の“恐竜”はどのように発見され、その存在と当時の世界観はいかにして折り合いをつけられたのか。貧しい女性化石ハンター、風変わりな地質学者、最も尊敬かつ軽蔑された科学者の物語を軸に、その過程をスリリングに描く。『ヒエログリフを解け』の著者による傑作ノンフィクション。杉田七重訳
(東京創元社 予価3520円)[amazon]

7月30日刊
エドワード・ケアリー『劇場の子イーディス・ハラー 上・下
わたしは十三歳の女の子、イーディス・ハラー。このハラー劇場で生まれ育った。ある呪いのせいで、わたしは一歩も劇場から出ることができない。でも、本や町の資料を読んで、このノリッジの町を、世界を旅している。やがて、町の古今の資料を片っ端から読んでいくうちに、わたしはこの町の恐ろしい秘密に気がつき、町の人々に知らせるため芝居に書くことにする。その頃、大好きなお父さんがある女性と再婚すると聞かされるが……。『堆塵館』著者が再びおくる、少女と劇場と町の奇怪な物語。古屋美登里訳
(東京創元社 予価各3520円)[amazon]

7月30日刊
シャルロッテ・リンク『孤独な夜 上・下
スカボロー署で新任の女性上司のもと、新たな事件に向き合うケイト。彼女は婚活会社に申し込んでいたのだが、そこに登録していた女性が惨殺された。現場からは9年前のある少年をめぐる事件現場に残されていた指紋と同じ指紋が検出され、ケイレブがその事件を担当していたと知ったケイトは彼を訪ねる。いじめられていた少年は事件後、植物状態となっていた。いじめ、執着、複雑な人間関係……。そしてケイトとケイレブの関係の行方は? 浅井晶子訳
(創元推理文庫 予価各1540円)[amazon]

7月30日刊
谷崎潤一郎『乱菊物語』
戦乱の室町時代、瀬戸内の美しい海と島々を背景に、絢爛たる伝奇絵巻が開く。播州の太守赤松家と代官浦上家の確執に端を発し、両家の侍が京を駆け巡る狂騒の美女捜し。御家騒動には絶世の遊女かげろう御前、幻術を以て翻弄する幻阿彌法師、果ては謎に包まれた海龍王までが姿を現す――史実や伝説をまじえて文豪が悠揚たる筆致で読者を誘う、奇想と幻想に彩られた永遠に終わることなき物語の愉楽。谷崎文学の隠れた山嶺がここに甦る。
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

7月30日刊

アンリ゠フレデリック・アミエル『人生について 日記抄
トルストイをして「生命、知恵、教訓、慰安」にみちた「最上の書物のひとつ」と言わしめた哲学教授アミエルの日記、そのエッセンス。土居寛之 編訳
(白水Uブックス/思想の地平線 予価1650円) [amazon]

7月31日刊
呼延雲『掃鼠嶺 廃駅を喰らう火群 上・下
北京の西郊で女性を狙った「連続殺人事件」が発生、警察も手をこまねく中、学生だった呼延雲の推理により、周立平という高校生が容疑者として浮上、一件の殺人罪で収監される。10 年後、「掃鼠嶺」という地にある廃地下鉄駅付近で4体の焼死体が発見される。うち三体は子供のもので、激しい虐待の痕があった。容疑者として名前があがったのは、すでに出所していた周立平だったが……。阿井幸作訳
(二見文庫 予価各1760円)[amazon]


▼8月予定

8月4日刊
シャーロット・マコノヒー『野生の暗き岸辺』
気候変動の激化する近未来、水没が迫る亜南極の孤島に棲むソルト一家と研究者たち。ある日、激しい嵐のあとで一人の女性が島の海岸に打ち上げられた。この女性は一体だれなのか。謎の女性ローワンがソルト一家の秘密を暴くとき、押し込められていた過去が動き出す。エドガー賞最終候補のオーストラリア・ミステリ。高橋尚子訳
(小学館文庫 予価1364円)[amazon]

8月5日刊
マーガレット・ミラー『歪んだ雪』
〈論創海外ミステリ〉猛吹雪のため荒野で立ち往生したスキーバスの乗客たちは、一夜の宿を求めて小高い丘に建つ屋敷へ向かうが、彼らは出迎えたのは一発の銃声だった……。柿沼瑛子・平岡扶佐子訳
(論創社 予価3520円)[amazon]

8月5日刊
ウィリアム・ギブスン『フューチャーマチック 新版
歴史の大転換を生む結節点の到来が迫るなか、謎を解く鍵となる腕時計「フューチャーマチック」をめぐり人々は〈橋〉へ集結する。浅倉久志訳
(ハヤカワ文庫SF 予価2420円)[amazon]

8月5日刊
ジョン・ブロウンロウ『アサシン18』
世界一危険な元殺し屋を撃ったのは、暗殺者ではなく寡黙な少女だった。彼女の背後に潜む巨大な陰謀を追い、男は再び死地へ向かう。武藤陽生訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1980円)[amazon]

8月5日刊
サマンサ・ソット・ヤンバオ『鳥かごに集めた想い
東京の路地裏にあるその質屋は異界に通じ、人生に迷う者だけが訪れる。ハナが質屋を父から継いだ初日の朝、店は荒らされ、父の姿が消えた。店にやってきた客のケイシンとともに、ハナは水たまりに飛び込み、父を探してその先の不思議な空間を旅することに――。金井真弓訳
(早川書房 予価4180円)[amazon]

8月5日刊
ヴィルジニー・デパント『親愛なるゲス野郎へ』
性加害の告発を受けた作家オスカーは、フェミニストとして知られる俳優レベッカとメールの応酬を始める。家父長制への違和感、ドラッグやSNSへの依存、家族との距離をめぐって言葉は激しさを増し、ふたりの関係は思わぬ形に――現代の分断と対話を描く書簡体小説。齋藤可津子訳
(早川書房 予価3300円)[amazon]

8月5日刊
ウィリアム・ハッセー『名探偵ジェリコ』
容疑者とのトラブルで職を失い、無為な日々を送っていた元刑事のジェリコに、ある歴史家から奇妙な依頼が届く。150年前に起きた旅芸人一座の溺死事件に見立てた連続殺人が進行中であり、それを調べてほしいというのだ。ジェリコは刑事時代のメンターの激励を受けながら、この怪事件に挑むが……。何もかもが奇妙で、グロテスクで、人工的な事件。その狙いは何か? そして犯人は? イギリス本格ミステリの新シリーズ第一作。
(文春文庫 予価1650円)[amazon]

8月6日刊
ウィリアム・シェイクスピア『真訳シェイクスピア四大悲劇 リア王』
原文を忠実に訳し、作品の背後の史実を読み解き、戯曲に込められた真実に近づいた翻訳として高い評価を得た「真訳」が遂に文庫化。石井美樹子訳
(河出文庫 予価990円)[amazon]

8月6日刊
細馬宏通『浅草十二階』
浅草凌雲閣、通称「十二階」。新聞、絵はがき、広告チラシ、写真にパノラマ、近代小説……さまざまなメディアを通して、関東大震災で失われた塔の実像が立体的に立ち上がる。待望の文庫化。
(河出文庫 予価1650円)[amazon]

8月7日刊
ウィリアム・トレヴァー『トレヴァー短編選集1』
英語圏最高の短編作家と称されるウィリアム・トレヴァー。人間の生の全域を短編で描き尽くす文学の魔法。新訳4編を含む全8編収録。栩木伸明編訳
(ちくま文庫 予価1320円)[amazon]

8月7日刊
蜂巣敦『「八つ墓村」は実在する ルポ「津山三十人殺し」と「落武者殺し伝説」
横溝正史の傑作ミステリーのモデルと言われる津山三十人殺し事件と落武者殺し伝説。現場を歩き証言を集め史料を読み解いた記録。
(ちくま文庫 予価1100円)[amazon]

8月7日刊
パオロ・ロッシ『普遍の鍵 ルルスからライプニッツにいたる記憶術と結合論理学
9つのアルファベットを組合せて宇宙を解読せんとした、思想家ルルスの〈術〉。記憶術、世界劇場、普遍言語等へと発展していく驚異の思想的系譜。清瀬卓訳
(ちくま学芸文庫 予価1980円)[amazon]

8月7日刊
ジョルジュ・バタイユ『至高性』
バタイユが政治へと切り込んだ新しいスタイルの主体性論にして、『呪われた部分』第三巻に当たる名著。バタイユ研究の第一人者による決定版新訳。酒井健訳
(ちくま学芸文庫 予価1870円)[amazon]

8月7日刊
吉田禎吾『日本の憑きもの 社会人類学的考察
キツネ憑きやイヌガミ憑きは単なる迷信なのか。吉田禎吾はウィッチクラフト(妖術)研究の知見を踏まえ、日本各地の「憑きもの筋」を精査し、その背後に人間関係を調整し共同体の秩序を維持する社会的機能を見出した。差別や偏見の問題とも深く結びつく主題に正面から向き合い、大きな反響を呼んだ名著(1972)を文庫化。その洞察は、現代社会に潜む類似の思考様式へも通じることを示唆する。「憑きもの信仰」は、姿を変えて今も生きている。解説=香川雅信。
(法蔵館文庫 予価1320円)[amazon]

8月7日刊
グギ・ワ・ジオンゴ『一粒の麦』
1963年、長く続いた植民地支配からの独立にわくケニア。独立を目指して激しい抵抗運動を繰り広げ、多数の犠牲者を出したザファイ村では、老若男女を問わず民衆の多くが心に傷を負っている。記念式典までの四日間を起点に、物語は過去と現在を行き来しつつ進む。闘争のさなかに処刑された村の英雄キヒカを裏切ったのは誰なのか――キヒカ逮捕の謎を中心に、さまざまな裏切りや疑念、迷い、罪の告白を、重層的な語りで描き出す。粟飯原文子訳
(光文社古典新訳文庫 予価1870円)[amazon]

8月7日刊
チェーザレ・パヴェーゼ『美しい夏』
20世紀イタリアを代表する作家、チェーザレ・パヴェーゼの代表作の一つ。舞台は1938年のトリノ。洋裁店でお針子として働く16歳の少女ジーニアは、3歳上の美しく自由な女性アメーリアと運命的な出会いをする。絵のモデルとなり、男性の前で裸になることもいとわないアメーリアのことが気になるジーニアは、彼女の男友達の画家に惹かれ……。少女から少しずつ大人になっていく青春の輝きと痛みを瑞々しく描いた作品。渡辺由利子訳
(光文社古典新訳文庫 予価1078円)[amazon]

8月7日刊
アレクサンドル・デュマ『モンテ=クリスト伯 3』
物語の舞台はついにパリへ。モンテ゠クリスト伯は、ローマで知り合ったアルベール・ド・モルセルフ子爵やマクシミリアン・モレルらとも合流し、社交界へ進出する。いまや男爵位にある仇敵ダングラールや司法官ヴィルフォールとも正体を隠して再会し、巨万の富と奇策で搦手から復讐の準備を整えていくのだった。前山悠訳
(光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon]

8月7日刊
『石原豪人 「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター中村圭子編
昭和40年代、少年雑誌の「大図解」で活躍した伝説のイラストレーター石原豪人の50年に及ぶ画業が一冊に。好評既刊の増補版。
(河出書房新社 予価2090円)[amazon]

8月7日刊
『クン・チャーン、クン・ペーン物語 タイの国民文学 1
民衆の伝承に発し宮廷人に彫琢された物語。チェンマイ戦役を背景に、美女をめぐり男前の英雄と禿げの富豪がくんずほぐれつ。戦闘も呪術もエロスも罵詈雑言まで満載の傑作。全3巻。宇戸清治訳
(平凡社/東洋文庫 予価4840円)[amazon]

8月7日刊
ハン・ジョンウォン『私が四番目に愛する季節』
『詩と散策』のハン・ジョンウォンが綴る八月。夏の陽射しを浴びた木の陰、夏の雨が澱んだ水たまり、沈黙に向かう鐘の音、など。過ぎていく夏を記憶し、鼻の先や耳元に残っている夏の形跡をたどる。ナンダ出版社の詩のシリーズの一冊。橋本智保 訳
(書肆侃侃房 予価2200円)[amazon]

8月7日刊
スコット・フィッツジェラルド/村上春樹著・訳村上春樹翻訳ライブラリー ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック』
生地セント・ポールから魂の眠るロックヴィルへ――ゆかりの地を巡る紀行や妻ゼルダの評伝等、訳者によるエッセイ8篇、フィッツジェラルドの短篇小説2作を収録。和田誠オリジナル画にカバーをリニューアル。
(中央公論新社 予価1650円)[amazon]

8月7日刊
マイケル・ホーガン『ドッグウォーカー探偵事務所』
イギリス郊外の町で暮らすグラフィックデザイナーのチャーリーは、森で愛犬の散歩中、元刑事の死体を発見する。行きつけのコーヒーショップのオーナーや、犬の散歩代行業を営むコンビ、引退した弁護士など、ドッグウォーカー(犬の散歩)仲間たちと事件を追うが、容疑者と目された少年も殺され、それもチャーリーが第一発見者となってしまう。平和な町で起こった事件の意外な結末とは? 林啓恵訳
(竹書房文庫 予価1903円)[amazon]

8月9日刊
マイケル・ウェンドロフ『史上最悪の相棒』
行動派のジャックと知能派のジル――相性最悪の刑事が連続殺人事件でバディを組む。捜査は意外に順調に見えたが、FBIに妨害され、メディアからも叩かれてしまう。新たな被害者も現れ、二人の仲はさらに険悪に。単独で行動するジャックが何者かに狙われ……。黒木章人訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価2970円)[amazon]

8月10日刊
山尾悠子『鏡の角度』
夢見の塔、炎上する夜の宮殿、老画家と少女。光と反射の奥へ、詩と散文のあわいをゆく12の言葉の庭。《現代詩手帖》連載「鏡の中の鏡」を改題書籍化。内容
(思潮社 予価2420円)[amazon]

8月10日刊
E・C・ベントリー&ワーナー・アレン『トレント自身の事件』

〈論創海外ミステリ〉有名な慈善家ランドルフが殺された。肖像画家フィリップ・トレントの親友フェアマンは、自白書を残して自殺を図るが、叶わずに逮捕されてしまう。トレントは友人の無実を信じて調査に乗り出すが、次々と怪しげな人物が現れ、ランドルフの息子を名乗る人物まで飛び込んできた。はたして犯人は誰なのか。やがてトレント自身も事件の渦中へと呑み込まれていく。 金井真弓訳
(論創社 予価3850円)[amazon]

8月10日刊
石川栄作編訳『ジークフリート伝説集成』
ジークフリートの英雄伝説を北欧の『エッダ』『サガ』から、16世紀のハンス・ザックスの戯曲、民衆本、ドイツ・ロマン派ティークの二つのロマンツェまで、ジークフリート伝説の貴重なテクストを集成。
(講談社学術文庫 予価1760円)[amazon]

8月10日刊
小田島雄志『半自伝 このままでいいのか、いけないのか 新装
シェイクスピア戯曲の個人完訳は、どんな人生からもたらされたのか? 生きた日本語による名翻訳が誕生するまでを綴る自伝エッセイ。新装復刊。巻末に小田島創志の追悼エッセイ収録。
(白水社 予価2200円)[amazon]

8月10日刊
洪凌『混沌輪舞』
“魔王陛下” 汨韃胴の「至高なる墜落」によって、超越界と人の世の境界が崩れ去った〈南天超銀河〉。そこには、あまりの美貌ゆえに衆生の欲望の標的となり、受刑の祭壇でさえ夢遊病者のような微笑を浮かべる “残陽の法師” 司徒睚の姿があった……。台湾クィア小説第一人者が贈るスペースオペラとポストヒューマンを融合させた壮大な物語。華文SF・ファンタジーの金字塔。立原透耶訳
(新紀元社 予価3080円)[amazon]

8月12日刊
フレドリック・ブラウン『すべての善きベムが フレドリック・ブラウンSF短編全集3
奇抜な着想、軽快なプロット、巧妙な話術で、短編を書かせては随一の名手、フレドリック・ブラウン。SFや推理小説はもとより、怪奇小説や寓話などその多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを新訳で収めた決定版全集を待望の文庫化。第三巻には、「地球最後の男が、ひとり部屋に座っていた。すると、ドアにノックの音が……」の一文で知られる古典的名作「ノックの音が」など、傑作10編を収録。安原和見訳
(創元SF文庫 予価1430円)[amazon]

8月12日刊
ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ 新装版
コロンビア大学院に学ぶニールのもとへ急な仕事が舞い込んだ。8月の民主党全国大会で副大統領候補に推されるはずの上院議員が、行方不明の17歳の娘を捜し出してほしいと言ってきたらしい。期限は大会まで。ニールにとっての、長く切ない夏が始まった……。プロの探偵に稼業のイロハをたたき込まれた元ストリート・キッドが、ナイーブな心を減らず口の陰に隠して、胸のすく活躍を展開する。新カバー、巻末解説を追加収録した決定版。東江一紀訳
(創元推理文庫 予価1870円)[amazon]

8月12日発売
《紙魚の手帖》vol.30 AUGUST 2026 GENESIS
彩瀬まる、小川一水、宮西建礼ら豪華執筆陣が集う、恒例夏のSF特集号。第17回創元SF短編賞受賞作・選評掲載。SF誕生(アメージング・ストーリーズ創刊)100周年記念企画、SF短編・わたしのベスト5[2025年版]など読み物も充実。
(東京創元社 1760円)[amazon]

8月19日刊
M・W・クレイヴン『ブラッディダイスの殺人 上・下
英国全土で連続狙撃事件が発生。犠牲者は17人にのぼるも犯人の手がかりはなく、ポーとティリーは国家犯罪対策庁に呼び戻されるが……。東野さやか訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各1210円)[amazon]

8月19日刊
古谷博和『怪異の脳科学 幻聴からUFO、異世界ま
「時々、声が聞こえてくるんです」……統合失調症と思いきや「てんかん発作」? 芥川やゴッホが描いた「閃輝暗点」の世界とは? UFOや異世界体験も神経学的に説明可能? 私たちの脳と不可思議な現象の関係を豊富な症例/怪談から解明する、シリーズ第2弾。
(ハヤカワ新書 予価1254円)[amazon]

8月19日刊

チャーリー・イングリッシュ『CIA禁書密輸作戦 冷戦を終結させた1000万冊
冷戦期のポーランド。CIAは、ハンナ・アーレント、ジョージ・オーウェルといった作家たちの「禁書」を密輸する作戦を実施する。本に心を揺さぶられた人々の抵抗は、やがて東西対立に大きな風穴を空けていく。言葉や読書が持つ力を改めて感じさせる、迫真の実話。濱野大道訳
(早川書房 予価3960円)[amazon]

8月19日刊
エリザベス・ストラウト『海辺のルーシー』
コロナ禍でNYを離れ、元夫とともにメイン州へ身を寄せたルーシー。思いがけず始まった共同生活は、これまで言葉にできなかった思いや、消えない痛みを浮かび上がらせ、二人の関係を変えていく──人が誰かと生きることの不確かさと切実さを描く新たなる傑作。小川高義訳
(早川書房 予価3300円)[amazon]

8月20日刊
夢野久作『東京人の堕落時代』
夢野久作は『九州日報』記者時代、関東大震災直後の東京を取材し、一年後の東京を再訪した。「東京人の堕落時代」は単なるルポに留まらず、地方の視点から関東大震災後のショックドクトリンを破天荒な文体で炙り出す。混迷の時代に読まれるべき作品。「街頭から見た新東京の裏面(抄)」も収録。「夢野久作」誕生前夜の混沌がここに。川崎賢子編
(岩波文庫 1089円)[amazon]

8月20日刊
ガリレオ・ガリレイ『天文対話
木星衛星の発見、金星の位相変化、超新星の出現。天文観測の諸発見により天動説への信頼がゆらぐなか、地動説の正当性を確信するガリレオはその立証に着手する。宇宙の仕組を科学的方法にもとづき探究した本書は、近代物理学の黎明を告げる重要著作となった。下巻では、地球の自転と公転、その根拠として潮汐について論じる。田中一郎訳
(岩波文庫 1276円)[amazon]

8月20日刊
田中美知太郎『ロゴスとイデア』
プラトンと対話することで、哲学的探究を粘り強く進めた田中美知太郎(1902-85)。様々なテクストを深く読みこみ、「自己自身の事として考える」哲学の本来的なあり方を示した記念碑的著作。戦時中に発表された「現実」「未来」「過去」「時間」「ロゴス」「ミソロゴス」「名目」「イデア」の八篇から成る。
(岩波文庫 1276円)[amazon]

8月20日刊
アシュリー・ウィーヴァー『金庫破りの豪華な調査』
第二次世界大戦下のロンドン。金庫破りのエリーは、ラムゼイ少佐とドイツのスパイ活動を妨害する任務をおこなってきた。ある日、エリーはディナー・パーティ強盗事件の新聞記事に違和感を覚え、ラムゼイ少佐を訪ねる。どうやら裏に大きな陰謀があるらしいとわかり、調査を始めることに。しかし聞き込み中、ホテルの一室で女性の死体を発見して……。凄腕の金庫破りと堅物の青年少佐の謎解きを描く人気シリーズ、急展開の第4弾。辻早苗訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

8月20日刊
ブレイク・マーラ『ロンドン、ドッグパーク探偵団 骨は災いのもと』
今度はルイーズの友人が犬の散歩中に死体を発見。被害者は首を絞められたあとで喉にチキンの骨を突っ込まれていた。最近できたフライドチキン店周辺にたむろしているチンピラの仕業? この地域にチキン店が多いのはなぜ? 疑問を抱いたルイーズが話を聞いた不動産開発会社の友人も何者かに襲われる。このままでは犬の散歩もままならないと、ルイーズと仲間が事件解決に邁進する。愛すべき犬たちと飼い主が活躍するシリーズ第2弾。高橋恭美子訳
(創元推理文庫 予価1840円)[amazon]

8月20日刊
カミラ・グルドーヴァ『楽園の子どもたち』
ようやく得た職場は、前任が5日で精神を病んだという、古い映画館〈パラダイス〉。英語圏で最も注目を集める作家の鮮烈長編作。上田麻由子訳
(河出書房新社 予価2970円)[amazon]

8月20日刊
ケン・ジャヴォロウスキー『死体はどうなる』
ラストベルトの寂れた町で交錯する男女三人の運命、そして彼らの前に横たわる三つの死体……。悲痛で滑稽な愛と戦慄の犯罪小説。白須清美訳
(集英社文庫 予価1375円)[amazon]

8月21日刊
エマニュエル・ドンガラ『世界が生まれた朝に』
ある乾季の日にバナナ畑で生を受けたマンダラ・マンクンクは、賢者の緑の眼を持つがゆえ孤独な幼少期をすごす。やがて村に征服者である異人が到来し生活は一変する。神話的世界から、植民地化、戦争、急速な近代化と矛盾――。一人の人間の一生を通してアフリカ共通の歴史を描き出す幻想大河小説。アフリカ版「百年の孤独」。高野秀行訳
(中公文庫 予価1760円)[amazon]

8月21日刊
松本清張『陽炎 清張短篇レアセレクション 歴史・時代篇
男が任務を終え帰郷した時、新妻は別の男と失踪していた――幻のデビュー第二作(表題作)他、初書籍化3篇を含む文庫オリジナル短篇集。
(中公文庫 予価1078円)[amazon]

8月21日刊
森見登美彦『シャーロック・ホームズの凱旋』
「天から与えられた才能はどこへ消えた?」舞台はヴィクトリア朝京都。洛中洛外に名を轟かせた名探偵ホームズが……まさかの大スランプ!? 謎が謎を呼ぶ痛快無比な森見劇場、開幕。
(中公文庫 予価1210円)[amazon]

8月23日刊
H・R・ウェイクフィールド『幸運の木立』
〈怪奇の本棚〉地下墓所に潜む邪霊、ゴルフ場の怪、禁忌の木立、あごひげの老人の悪夢、クリケット試合をめぐる幽霊譚、山岳怪談、人形の恐怖……ヴァラエティに富んだ題材と巧みな語り口による怪異描写でM・R・ジェイムズ以来の伝統を継ぎ、怪奇小説黄金時代の最後を飾った恐怖の名匠H・R・ウェイクフィールドの傑作集。本邦初訳多数。渦巻栗編訳
(国書刊行会 3960円)[amazon]

8月24日刊
ホープ・リース『毒殺村のエンジェルメーカー 妻たちによる史上最大の「夫殺しカルト」(仮)
1910₋20年代、ハンガリーの寒村で起きた300人以上の集団殺人。なぜ妻たちはヒ素を用いて夫を殺害したのか。圧巻のノンフィクション。広瀬恭子訳
(河出書房新社 予価2310円)[amazon]

8月24日刊
二沓ようこ『〈家庭の天使〉を殺す時間 ジェンダーの視点で読み解く日本ミステリ史
ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた文学の〈周縁〉だった。戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか? ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める文芸批評。目次
(書肆侃侃房 予価2420円)[amazon]

8月24日刊
カン・バンファ『ことばの波間で 日本語と韓国語のあいだ
キム・チョヨプ作品などの日本語翻訳を手がけ、翻訳講師としても活躍する著者が、翻訳家になるまでの軌跡、ふたつの言語のあいだで生きる日々をつづる初めてのエッセイ集。
(平凡社 予価2420円)[amazon]

8月25日刊
ドラゴ・ヤンチャル『昨夜、彼女を見た』
〈ルリユール叢書〉あの夜、彼女に何が起きたのか。第二次大戦下で姿を消した美しき女の謎の素顔が、愛人、パルチザンら複数の視点から浮き彫りにされていく――戦争という暴力が引き裂く愛と日常。抗えぬ狂気の歴史と個人の運命が交差する、世界が絶賛したスロヴェニアの巨匠による本邦初訳の歴史小説。木村高子訳
(幻戯書房 予価3630円)[amazon]

8月25日刊
小村雪岱/真田幸治『小村雪岱挿絵集2 都新聞連載・子母澤寛「突っかけ侍」より
佐幕か勤皇か――幕末の中で揺れる男と女を活写。昭和9年(1934)の初出紙を克明に再現。初めて、その全挿絵206点を収めた一冊。連載時の「都新聞」演芸欄の題字とカットが雪岱の仕事だったという新情報も紹介。
(幻戯書房 予価3960円)[amazon]

8月25日刊
木石岳『ホラー映画のサウンドスケープ 〈否定の音楽〉論
なぜ、あの音は怖いのか? 無調、反復、無音……ホラー映画にひそむ現代音楽の手法を解剖し、恐怖を鳴らす「音」の正体に迫る。
(白水社 予価2420円)[amazon]

8月25日刊
C・L・R・ジェームズ『船乗り、反逆者、流れ者 ハーマン・メルヴィルの物語とわたしたちの世界
『白鯨』をはじめとするメルヴィル作品の現代性を回復させ、移民問題、国境管理の歴史に切り込む、カリブ海地域文学批評の古典的重要作。「本書は、アメリカ合衆国からの強制送還についてのもっとも雄弁な抗議の書である。そして何よりも、ハーマン・メルヴィルへの賛辞にほかならない」(スチュアート・ホール)。吉田裕訳
(月曜社 予価3960円)[amazon]

8月25日刊
サム・ロイド『善人による完全犯罪』
我が子のために何度、殺人をかばえますか? ラスト50ページ、世界が180度変わる。2026年CWA Twisted Dagger最終候補作。高山真由美訳
(ハーパーBOOKS 予価1650円)[amazon]

8月25日発売
《ミステリマガジン》10月号
(早川書房)[amazon]

8月25日発売
《SFマガジン》10月号
(早川書房)[amazon]

8月25日刊

ヘンリー・D・ソロー『市民の反抗 ソロー傑作選
多数派の腕力や政府の便宜ではなく、己の「良心」に従え――。社会に対し静かに宣戦布告し、ガンジーやキング牧師にも影響を与えた表題作をはじめ、ソローの思想的エッセンスが伺える傑作選を新訳で。齊藤昇訳
(角川文庫 予価1320円)[amazon]

8月26日刊
ミランダ・ジュライ『はいつくばって』
すべてを失っても、まだそこに光がある。黄金色の光が。アーチストとして成功し、ハンサムな夫と可愛い子とともに暮らす45歳のわたし。新たな自分に出会うための単独ドライブ旅行をきっかけに、人生が思わぬ方向に転がりだす。はたして自由を目指す旅路の先に見えたものとは――。中年期の魂のジェットコースターを描き切り、全米図書賞ファイナリストにも輝いた著者最高傑作。岸本佐知子訳
(新潮社 予価3245円)[amazon]

8月27日刊
デビッド・スーシェ『スーシェと巡るクリスティーの世界旅行』
アガサ・クリスティーはかつて、大英帝国博覧会の使節として世界を巡る旅に出た。それから百年余りの時を経て、ドラマで名探偵ポワロを演じたデビッド・スーシェがその足跡を辿る。スーシェ本人による各地の写真を多数収録。高尾菜つこ訳
(原書房 予価2750円)[amazon]

8月27日刊
マリア・レヴァ『絶滅者たちの国』
独身男大量誘拐事件のさなかに起きた、ロシア軍のウクライナ侵攻。絶滅危機の国と種をめぐる、ダークなユーモアの傑作長篇。山北めぐみ訳
(河出書房新社 予価5280円)[amazon]

8月28日刊
H・P・ラヴクラフト『未知なるカダスを夢に求めて』
ランドルフ・カーターが目指すのは、夢の国の深奥にあるカダスの地。船で海を渡り、冥き道を歩む旅の過程で、カーターは食屍鬼や猫たちの助けを得る。奇怪な神や魔の眷族がひしめき合う、クトゥルー神話の真骨頂たる表題作をはじめ、英文学への思慕を籠めた「霊廟」、大都会ニューヨークへの失望を刻む「あの男」など9編を収録。幻視者ラヴクラフトの発した囁きはこの宇宙に永遠に響き続ける。南條竹則訳
(新潮文庫 予価781円)[amazon]

8月28日刊
星新一『きまぐれカプセル』
空飛ぶ円盤に熱中した理由、5000年後に贈るタイムカプセルの中身、江戸川乱歩や小松左京、和田誠らとの親交――星新一が綴った多彩なエッセイから、書籍・文庫に未収録の作品を厳選。幼少期から晩年まで時系列に並んだ91編と未収録ショートショート3編で日本を代表するSF作家の軌跡をたどる。ユーモアと才気あふれる名文を盟友真鍋博のカバーイラストでお届けする、生誕100年記念作品集。
(新潮文庫 予価693円)[amazon]

8月31日刊
余兒『九龍城砦3 終章』
龍捲風亡き後、九龍城砦を護る〈龍城幫〉の龍頭となった信一。だが、かつての龍捲風の旧友、狄秋は信一の龍頭就任をよしとせず、最凶の男・雷公子と手を組む。かくして勃発した香港を巻き込む死闘に、洛軍と信一は勝利できるのか。《九龍城砦》三部作完結篇。よしだかおり・光吉さくら・ワン チャイ訳
(早川書房 予価5500円)[amazon]

8月31日刊
ケイト・モートン『時計職人の娘 上・下
会社の創始者のものと思われる古い箱に入っていた一冊のスケッチブック。そこに描かれていたのは、エロディが寝る前に母が語り聞かせてくれた物語の屋敷だった。幼い頃に事故死した母のおぼろな記憶をたよりにスケッチの謎を解くべく、過去への旅に足を踏み出すエロディ。そして浮かび上がったのは一人の画家と非業の死を遂げたその婚約者の存在だった……。『忘れられた花園』『秘密』著者の待望の新作。務台夏子訳
(東京創元社 予価各2750円)[amazon]

8月31日刊
夏来健次編訳『古典アメリカ幽霊譚傑作集』
「悪魔に首を賭けてもいい」が口癖の若者が遭遇した異様な人物。強い絆で結ばれた少女二人の関係の変化と怪現象。小さな村に棲みついた奇妙な余所者をめぐる不可思議な逸話。敬虔なカトリック信仰者である尼僧の身に起きた悲劇と神秘体験……ラヴクラフト登場以前、パルプマガジン隆盛期前にあたる18世紀末から19世紀にかけてアメリカで書かれた幽霊譚13編を集成。ポオ、アーヴィングらの傑作ほか、本邦初訳作多数。
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

8月31日刊
ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』
ホロコーストを招いたと言われる、今では「偽書」とされている「シオン賢者の議定書」を書き上げたシモーネ・シモニーニ。彼の回想録の形をとった小説。彼以外の登場人物のほぼ全員が実在の人物という、19世紀欧州を舞台に繰り広げられる大陰謀小説。『薔薇の名前』の著者のもうひとつの傑作。知の巨人エーコが描く憎しみと差別のメカニズムは現代社会を鏡のように映し出している。著者のコレクションによる挿画多数。待望の文庫化。橋本勝雄訳
(創元ライブラリ 予価2310円)[amazon]

8月31日刊
マージョリー・シェファー『胡椒 暴虐の世界史
人びとはなぜ胡椒を求め、命を賭してまで海へ出たのか。植民地主義と帝国主義の源流を、豊富な逸話で描く歴史ノンフィクション。栗原泉訳
(白水Uブックス/人文知への扉 予価1980円)[amazon]

8月31日刊
堀江敏幸『もののはずみ』
〈堀江敏幸コレクション〉フランスの蚤の市や古道具屋で出会ったものに秘められた物語を綴る名エッセイ。書き下ろしを加えた決定版。著者撮影写真60点収録。
(白水Uブックス 予価1540円)[amazon]

8月31日刊
丹治愛『イングランド田園風景の文化史 創造されたナショナル・アイデンティティ
「イングランドのナショナル・アイデンティティは田園風景にある」という観念は、いかにして創造されたのか。ジェイン・オースティンからカズオ・イシグロまで、二世紀にわたるイギリス小説を、同時代の政治・経済・社会・絵画史を背景に読み解き、跡づける。著者のライフワークである文化研究の精華。
(岩波書店 予価7150円)[amazon]

8月31日刊
齋藤孝『齋藤孝の読み解き乱歩 江戸川乱歩の「妖し」の世界
『声に出して読みたい日本語』の齋藤孝が、江戸川乱歩の妖異怪異の世界を徹底解説。38作品を取り上げ、原作を紹介しながら、その魅力と読みどころをわかりやすく案内した入門書。
(春陽堂書店 予価2530円)[amazon]

8月予定
オノレ・ド・バルザック『《人間喜劇》第7巻 地方生活情景***』
水声社 予価11,000円)

8月予定
アルノ・シュミット『レヴィアータン』
〈アルノ・シュミット・コレクション〉幻の地を求めて灼熱の砂漠を突き進む男、半世紀ものあいだ脱獄を企む老探検家、馬鹿げた戦争から逃れようとする兵士、遭難した島で何者かに怯える若者……書き綴ることに囚われた人たちの生き様を描いた短編集。時代に先駆けた実験精神で既存の文学史を徹底的に再編し、戦後ドイツ文学の源流ともなった鬼才の、いまだ知られざる作品群を紹介する第2弾。窪俊一訳
水声社 予価2200円)


▼9月予定

9月2日刊
レベッカ・ヤロス『フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫 上・下
竜の騎手たちが魔法の力で国防を担う国ナヴァール。書記官を目指していた20歳のヴァイオレットは、軍の司令官である母親の命令でバスギアス軍事大学に入学して騎手を目指すことに。だがそこは、入学者の大半が命を落とす死と隣り合わせの場所だった。新入生の多くはライバルを減らして竜と契りを結ぶため、小柄なヴァイオレットを殺そうとする。彼女を待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方は――。原島文世訳
(ハヤカワ文庫FT 予価各1430円)[amazon]

9月3日刊
ローレンス・ロビンズ『大統領の弁護人』
敏腕刑事弁護人ロブのもとに最大の事件が舞い込む。依頼人は愛人殺害の罪で起訴された元アメリカ合衆国大統領。ロブの幼馴染だ。彼が人を殺すとは思えない。だが、事件を追うほど猜疑心が芽生える。彼は殺人犯か、罠にはめられたのか。全米注目の裁判の行方は。田村義進訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価3190円)[amazon]

9月3日刊
アン・クリーヴス『悔恨』
嵐の夜、船乗りジェムの死体がノース・デヴォン沖合で発見された。彼はなぜ嵐のなか船を出したのか。マシュー・ヴェンが謎に挑む。高山真由美訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1980円)[amazon]

9月3日刊
ピエール・バイヤール『アクロイドを殺したのは誰か』
『アクロイド殺し』の真犯人は別にいた!? 『読んでいない本について堂々と語る方法』著者による、「正解」を疑うための読書術。 大浦康介訳
(ハヤカワ文庫NF 予価1760円)[amazon]

9月3日刊
エリック・ハイセラー『同時世』
事件の発生を未然に防ぐ捜査官グラントが受けた、あるクリニックのセラピストからの通報。それは恐るべき連続殺人の幕開けだった。中原尚哉訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1980円)[amazon]

9月3日刊
キム・リゲット『グレイス・イヤー 少女たちの聖域
ガーナー郡に住む16歳のすべての少女は、危険な魔力を持つとされ、森の奥のキャンプへ一年間追放される。少女ティアニーが、語ることを禁じられた通過儀礼〈グレイス・イヤー〉でのサバイバルの果てに見た真実とは。フェミニズム×ディストピアの傑作長篇小説。堀江里美訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1760円)[amazon]

9月3日刊
マリー・ンディアイ『復讐はわたしのもの』
3人の幼子を殺害した罪で起訴された母親。その夫から弁護を依頼されたシュザーヌ弁護士は、男の姿に息を呑んだ。男には32年前に彼女の人生を揺るがした少年の面影があった。だが彼女には、当時の記憶の一部がない。封印された過去と凄惨な事件の関係とは。笠間直穂子訳
(早川書房 予価3190円)[amazon]

9月3日刊
オスカー・ワイルド『インテンションズ』
有名なフレーズ「自然は芸術を模倣する」の出典でもある4篇から成る古典的名著の新訳。これらのエッセイや対話は、ウィットの持ち主、ロマン主義者、話術の達人、講演者、人文主義者、学者といった、ワイルドの天才と人柄のあらゆる側面を体現し、多様な魅力を備えている。その芸術至上主義は、百年以上にわたり文化と芸術(批評文学、演劇やロック、絵画やポップアート)に多大な影響を与え、世界中で文化論の必読書とされている。河内恵子訳
(みすず書房 予価4620円)[amazon]

9月7日刊

ハリー・スティーヴン・キーラー『マルソー事件の真相 上 スナイド探偵篇
〈論創海外ミステリ〉上空から現れた赤ん坊が老人を絞め殺して再び空に消えた? 奇絶怪絶、摩訶不思議。奇才H・S・キーラーの本領が存分に発揮された異色ミステリ。福森典子訳
(論創社 予価3740円)[amazon]
ハリー・スティーヴン・キーラー『マルソー事件の真相 下 X・ジョーンズ捜査官篇
〈論創海外ミステリ〉“空飛ぶ絞殺魔ベイビー”の謎を調査するジョーンズ捜査官が解き明かす意外な真相とは? 奇想天外、奇奇妙妙。読者の予想を裏切る「マルソー事件」、第二の解決編。福森典子訳
(論創社 予価3740円)[amazon]

9月7日刊
ホルスト・ブレーデカンプ『新版 古代憧憬と機械信仰 クンストカマーの未来
16世紀から18世紀のヨーロッパで、貴族や学者が自らのコレクションを陳列するために作り出したクンストカマー。ヴンダーカマー=驚異博物館とも呼ばれるその収集室は、豪華絢爛な美術品のコレクションを展示するのみではなく、ときに奇妙な機械、剥製、玩具、異国物、武具といったものからなる混沌世界を覗かせた。その驚異の世界を探究した古典的名著を復刊。藤代幸一・津山拓也訳。「新版へのあとがき」(2000)を新たに訳出。解説 田中純「ブレーデカンプのプログラムークンストカマーからイメージ学へ」。内容
(早稲田大学出版会 予価3520円)[amazon]

9月7日刊
スコット・フィッツジェラルド『バビロンに帰る ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック2
〈村上春樹翻訳ライブラリー〉フィッツジェラルドの小説五作と、ゆかりの地アッシュヴィルを訪れた訳者によるエッセイを収録。
(中央公論新社 予価1650円)[amazon]

9月8日刊
スティーヴン・キング『ファイアスターター 上・下
念力放火能力を持つ少女とその父を追う、政府政府諜報機関――。『炎の少女チャーリー』として二度も映画化されたキングの初期代表作が待望の復刊。深町眞理子訳
(河出文庫 予価各1078円)[amazon]

9月8日刊
『クン・チャーン、クン・ペーン物語 タイの国民文学 2
禿げの金持ちに奪われた妻を盗み出し森で暮らすが、妊娠が発覚。二人は自首を選び、英雄は王により投獄される。十数年後、チェンマイとの戦役に英雄は息子と共に再び立つ。全3巻。宇戸清治訳
(平凡社/東洋文庫 予価4950円)[amazon]

9月9日刊

『万葉集』
日本最古の歌集、全約4500首から厳選した350首が、現代語訳で蘇る。土地や自然への思い、恋、親子の情、暮しを詠む万葉びとの言葉は現代人の胸に沁み、心を抉る。秀歌に触れたい人、歴史的・地理的背景を学びたい人、相聞・挽歌など部立ごとに読みたい人、いずれもこれ一冊で堪能でき、原歌の味わいを生かした新訳を修辞・語釈「注」とともに読むことで作品理解が進む。「基礎知識」と文学地図、目的別索引つき。佐々木和歌子 編訳
(光文社古典新訳文庫 予価1320円)[amazon]

9月9日刊
アルトゥール・ショーペンハウアー『意志と表象としての世界 1』
「世界はわたしの表象である。」――カント、ヘーゲルが説く「理性の限界」を超えて、人間の欲求、根源的な生の衝動をリアルに捉え、意志の哲学を打ち立てた異端の思想家、ショーペンハウアーの主著。のちのニーチェに決定的な影響を与えた。本編の付録「カント哲学の批判」を含めた全4巻の構成。中山元訳。
(光文社古典新訳文庫 予価1650円)[amazon]

9月10日刊
アンソニー・ホロヴィッツ『命取りのエピソード』
探偵ダニエル・ホーソーンが殺された――いや正確には、映画版『メインテーマは殺人』の撮影現場で、ホーソーンを演じていたスター俳優が殺された。その刺殺事件には、現場にいた関係者それぞれに動機があるらしい。だが、犯人が間違いを犯したということはないだろうか。すなわち、犯人が狙っていたのは本物のホーソーンということは……。ホーソーンが“ホーソーン”殺しの謎に挑む、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊。山田蘭訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

9月10日刊
ダニエル・クラウス『クジラに落ちた男』
巨大クジラに丸呑みされ、酸素残量は1時間。生還する唯一の鍵は、憎んでいた父に叩き込まれた教え――卓越したダイバーだが不器用な生き方しかできなかった父が、海で自ら命を絶った。17歳の息子ジェイはその遺骨を求め、海に潜るが……ピュリッツァー賞作家が放つ傑作海洋小説。佐田千織訳
(東京創元社 予価3080円)[amazon]

9月10日刊
J・ペナー『魔法の国のベイキング大会』
両親を早くに失い、手作りの菓子を売って生計をたてているアルレタのもとに、エルフ主催のベイキング大会の招待状が届く。“魔法なきところに敬意なし”の世界で魔法が使えない自分が参加できるわけがないとしりごみするアルレタだったが、招待状を届けてくれたエルフの(なぜか)熱心な説得もあり出場を決意する。母から受け継いだレシピと経験を武器に大会に出場したアルレタの運命は? スイーツと友情のコージーファンタジイ。圷香織訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

9月10日刊

デブ・マーロウ『ロンドン万博殺人事件 男爵令嬢カラの事件簿(仮)
1851年ロンドン万博。男爵の娘カラは精巧な自動人形の発明家。万博に発明品を展示し、同じく出品者の鉄細工アーティストのナイアル・キアと知り合う。万博でカラの人形の腕部が盗まれ、その部品で男性が殺害される事件が発生し、容疑がかかってしまう。カラは潔白を証明するためナイアルの力を借りて真犯人を追うが……。19世紀ロンドンを舞台にしたヒストリカル・コージー・ミステリ。寺尾まち子訳
(竹書房文庫 予価1650円)[amazon]

9月10日刊
備仲臣道編著『内田百閒大事典』
軍も大政翼賛会も文学報国会もアメリカも大嫌で、このとてつもなく気むずかしい、怪異を信じた作家をめぐるキーワードを、五十音順に解く。書いたこと・言ったこと・やったことから、内田家の人びと、桑原会の仲間、法政大学の教え子たち、漱石山房の先輩、俳句仲間、郷里岡山の友まで、人も物も、百閒をめぐる1434のキーワード。
(幻戯書房 予価4620円)[amazon]

9月11日刊
ルイザ・メイ・オルコット『仕事 ある女性の物語』
「若草物語」のオルコットによる、19世紀後半のアメリカを舞台に描かれる、21歳から20年に及ぶ女性主人公クリスティの仕事と自立の物語。安部由紀子・矢島里奈訳
(ちくま文庫 予価1650円)[amazon]

9月11日刊
夢野久作『白髪小僧 夢野久作全童話 上
今なお不動の人気を誇る作家「夢野久作」誕生前夜、現在確認できる「九州日報」記者時代に残した童話作品を網羅する作品集。全2巻。日下三蔵編
(ちくま文庫 予価1870円)[amazon]

9月11日刊
山東京伝『現代語訳 復讐奇談安積沼/桜姫全伝曙草紙』
江戸時代の長編読本から芝居等でお馴染みの怪奇な二作品を格調高い現代語訳で。有名絵師による挿絵も全点収録。詳細註・訳者解題付。須永朝彦訳
(ちくま学芸文庫 予価1870円)[amazon]

9月11日刊
宮田登『江戸歳時記 都市民俗誌の試み
正月、初午、盆、十五夜。時節のうつりかわりに沿って営まれた民俗行事の数々。江戸の町人文化に、現代日本の日常生活の祖型を読む。
(ちくま学芸文庫 予価1540円)[amazon]

9月11日刊
テリー・ビッスン『数字は嘘をつかない 万能中国人ウィルスン・ウー短篇集(仮)
中村融訳
(竹書房文庫 予価1100円)[amazon]

9月15日刊
安井眞奈美『怪異と身体の民俗学 異界から出産と子育てを問い直す
出産や子育てをめぐる習俗や怪異譚には、人びとの身体観・生命観・異界観が刻み込まれている。怪異や妖怪にまつわる多彩な事例を通して、日本人が身体と生死をどのように捉えてきたのかを解き明かす。
(法蔵館文庫 予価1650円)[amazon]

9月16日刊
ジョン・スコルジー『老人と宇宙7』
異星人コンスー族の政変に巻き込まれたコロニー連合と地球。外交官グレッチェンはもろい平和を守るため、死力を尽くすが!? 内田昌之訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1760円)[amazon]

9月16日刊
クリス・ウィタカー『暗闇を描くすべての色 上・下
生まれつき片目の無いパッチは誘拐事件に首を突っ込み、自身が誘拐されてしまう。地下壕の闇の中、パッチは少女グレースと出会い恋に落ちる。数週間後、パッチは助け出されるも、グレースは消息不明に。パッチは生涯をかけて彼女を見つけ出すことを誓うが……。鈴木恵訳
(早川書房 予価各2420円)[amazon]

9月17日刊
馮夢龍 『白蛇の妖恋 明代怪異小説集
大木康編訳
(岩波文庫)[amazon]

9月17日刊
カエサル『カエサル戦記集 アレクサンドリア戦記 他二篇
高橋宏幸訳
(岩波文庫)[amazon]

9月17日刊
イマヌエル・カント 『啓蒙とは何か 他四篇
啓蒙とは、人間が未成年状態から脱することである―― 『純粋理性批判』を発表したカントは、批判哲学に基づきつつ、現実世界への深い関心のもと、啓蒙、世界市民、道徳、法、歴史、宗教などを平明に論じた。理性的かつ普遍的に考えることの意味と可能性を、今なお問いかける代表的論考5篇を収録。待望の新訳。寺田俊郎訳
(岩波文庫 予価858円)[amazon]

9月刊
新井潤美『アガサ・クリスティのイギリス』
(岩波新書)[amazon]

9月17日刊
松岡和子『シェイクスピア 私はこう訳してきた 悲劇篇』
読めば、台詞の一言一言がより深く味わえる。全37作品を訳した第一人者による、目からうろこのシェイクスピア読本。
(筑摩書房 予価2420円)[amazon]

9月18日刊
ジェラルド・カーシュ『廃墟の歌声』
神の怒りに触れて滅んだという古代遺跡に響く物悲しい歌――奇想が思いも寄らぬ結末を迎える表題作を始め、第二次大戦の帰還兵を載せた船で出会った古い傷痕だらけの男が語る「クックー伍長の身の上話」、ワーテルローの戦いの前夜にあった知られざるもうひとつの戦いが語られる「テシエ大佐の惨憺たる騎行」――残酷とユーモア、いびつさとさみしさ、相反するものを結びつける語りの妙が存分に味わえる、本邦初訳作品を含む新編集の傑作選。好野理恵他訳
(創元推理文庫 予価1430円)[amazon]

9月18日刊
マイク・オマー『人質交渉人』
二人の子供を育てるアビー・マレンは、ニューヨーク市警の人質交渉人だ。ある日突然、知人のイーデンから助けを求める電話がかかってくる。8歳の息子を誘拐したと連絡があったという。犯人はイーデンに払えるはずもない500万ドルを要求。なぜこれほど高額な身代金なのか? アビーは犯人との交渉に乗りだすが……。言葉で犯罪者の心を捉えて事件解決へと導く巧みな交渉術と、緻密で予測不可能な展開に興奮必至。大注目のミステリ3部作開幕。西谷かおり訳
(創元推理文庫 予価1760円)[amazon]

9月21日刊

松本清張『老公 清張短篇レアセレクション 古書・伝記篇
殺人事件関係者が書き込んだ二冊の古書から見えてくる、事件の真相(「二冊の同じ本」)。作家の「私」が買い取った、明治の贋札事件解明の手がかりとなる大隈重信の手紙(「相模国愛甲郡中津村」)。偶然手にした古書が謎を解き、そして更なる謎を呼ぶ――初書籍化作品1篇を含む、書物と過去の謎をテーマにした文庫オリジナル短篇集。
(中公文庫 予価1078円)[amazon]

9月28日刊

『別冊太陽 印刷と文字の一五〇年』別冊太陽編集部 編
人類の知の基盤を支えてきた印刷と文字。明治期に発展した活版印刷術の魅力や書体開発のストーリー、さらにタイポグラフィによって発展してきたデザインの歴史を探る。
(平凡社 予価2750円)[amazon]

9月29日刊
アルバ・ドナーティ『丘の上の本屋さん イタリアの180人の村で開いた小さな書店の記録(仮)
人口わずか180人の村で一人の女性が書店を開いた。世界各国でベストセラーリスト入りを果たした、いま「本を読む」ことを問い直す書物への愛と信頼に満ちた、思索をめぐらせた151日間の記録。栗原俊秀訳
(河出書房新社 予価2640円)[amazon]

9月30日刊
都筑道夫『大偏見書見台 都筑道夫エッセー集成
〈キイ・ライブラリー〉日本版EQMMの初代編集長にして幅広いジャンルで傑作をものした不世出の作家・都筑道夫は、稀代の論客でもあった。作家論を集成する第二巻には、久生十蘭、小栗虫太郎、江戸川乱歩、大坪砂男、野村胡堂らの作品に寄せた評論に加え、「奇想天外」に連載した縦横無尽のエンターテインメント時評「大偏見書見台」、岡本綺堂や半村良、サキ、ジョルジュ・シムノン、エラリー・クイーンの少年ものに寄せた解説再録など、単著未収録の評論・書評を多数収録。日下三蔵編
(東京創元社 予価4180円)[amazon]

9月30日刊
ケイト・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』
ウィットブレッド賞・コスタ賞受賞作家による、奇妙で野心的な物語集。千夜一夜物語のようでありながら、現実世界の不確実性を垣間見させてくれる、不思議な魅力溢れる一冊。猫を拾って可愛がっていたら、気がつくと巨大化してソファで足を組んで座り、テレビを見ている……そして? 真面目な青年と、悪さばかりする、彼のドッペルゲンガーの物語、事故で命を落とした女性が、死後もこの世にとどまり家族を見守り続ける話……等々、時空の裂け目にひきずり込まれるような、魔術的味わいの12の短篇。青木純子訳
(創元文芸文庫 予価1650円)[amazon]

9月30日刊
クラスナホルカイ・ラースロー『北は山、南は湖、西は道、東は川 新訳版
「隠された庭園」を求め、源氏の君の孫が時を超え無人の京を訪れる。ハンガリーのノーベル賞作家と日本文化の邂逅が生んだ異色作。上岡伸雄・甘利幸子・丸山カタリン訳
(ハヤカワepi文庫 予価140円)[amazon]

9月予定
ジョーン・コッキン『リトルビクリングの春』
〈論創海外ミステリ〉
国に接収された小さな村で老メッセンジャーが撲殺された。スパイ気どりの「のぞき魔」だった老人には殺されるべき理由がいくつもあり……。元英国情報省勤めの女性によるヴィレッジ・ミステリ本邦初登場。水野恵訳
(論創社 予価3630円)[amazon]

9月予定
ブライアン・フリン『闇夜に響く』
〈論創海外ミステリ〉
荒野に鳴り響く喇叭の謎。英国式本格ミステリの長編を初邦訳。松尾恭子訳
(論創社 予価2860円)[amazon]

9月予定?

ミュリエル・スパーク『ロビンソンの領土』
〈論創海外ミステリ〉
1954年5月、アゾレス諸島に向かう飛行機が北大西洋の孤島に墜落し、乗客29人のうち26人が死亡した。運良く生き残った3人の男女は、島で隠遁生活を送るロビンソンという男の世話を受け、8月に訪れるという船を待ちながら、平穏な日々を送っていたが……。井伊順彦訳
(論創社 予価2640円)[amazon]

9月予定
Martin Edwards《The Classic Crime Companion》
クラシックミステリの名作ガイド《The Story of Classic Crime in 100 Books》の増補改訂版。(対象作品は100作→125作に拡大)
(British Library Publishing)[amazon]


▼10月以降予定

10月8日発売
『光文社古典新訳文庫ジャーナル2027』
光文社古典新訳文庫創刊20周年記念。2色刷りの年間・月間カレンダーのほか、1日1頁の「ジャーナル」にはページ下部に古典の名文・名場面を毎日掲載。簡単な日記、読んだ本の感想や要点を書き留めるのに最適。文庫の全作品成立年を配置した年表、解説目録も収録。 
(光文社 予価2750円)[amazon]

10月9日刊
孫昌渉『流氓』
斎藤真理子訳
(みすず書房 予価5500円)[amazon]

10月上旬発売
《創元推理文庫 復刊フェア》
F・W・クロフツ『フレンチ油田を掘りあてる』
ドロシー・L・セイヤーズ『ベローナ・クラブの不愉快な事件』
レイモンド・T・ボンド編/『暗号ミステリ傑作選』
渡辺温『アンドロギュノスの裔
(ちすじ)
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『ダークホルムの闇の君』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『グリフィンの年』

《創元SF文庫》
ラリー・ニーヴン&ジュリー・パーネル『降伏の儀式 上・下

10月15日刊
パク・ワンソ『親切な福姫さん』
〈韓国文学クラシックス〉
市井に暮らす人の感情を描き数々のベストセラーを生んだ「韓国文学の至宝」であり、韓国フェミニズム文学の先駆者。最初期から遺作まで、生きるエネルギーと哀しみに満ちた怒涛の作品群。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価2970円)[amazon]

10月16日刊
頭木弘樹『カフカの『変身』をすごくゆっくり読む』
(みすず書房 予価3520円)[amazon]

10月予定
ドン・デリーロ『アメリカーナ』
〈ドン・デリーロ コレクション〉虚実入り混じる噂が飛び交うニューヨークのテレビ局。ドキュメンタリー番組を撮影するため、西へと車を走らせるデイヴィッドは、その途上、突如仕事を放棄し、自伝的映画を撮影し始める……。冷戦下のアメリカで、記憶と記録のはざまに自らの生を掴み取ろうともがく人々の姿を描いた〈ロードムービー〉。渾身のデビュー作。日野原慶訳 ※シリーズ内容
水声社 予価3080円)

10月予定
ドン・デリーロ『マオⅡ』
〈ドン・デリーロ コレクション〉決して人前に姿を現わさず、その姿も、住んでいる場所も謎に包まれている寡作の小説家ビル。あるとき、長い沈黙を破って肖像写真の撮影に応じた彼は、それをきっかけに陰謀に巻き込まれてゆく……。拘束された若き詩人の解放を訴えるためロンドン、アテネ、そしてベイルートへと向かう小説家の道程に、メディアが生み出す果てしない群衆のイメージと、疎外された人々の孤独な生が交差する。渡邉克昭訳
水声社 予価3080円)

11月4日刊
アン・ラドクリフ『イタリア人、あるいは黒悔悛会の懺悔室
『ユドルフォ城の怪奇』に比肩する、ゴシック・ホラーの傑作にして探偵小説の源流。半世紀ぶりの新訳刊行。三馬志伸訳
(作品社 予価5940円)[amazon]

11月30日刊
夢野久作『ドグラ・マグラ 特装版』
日本読書史に燦然とその名を刻み込む、怪奇小説の帝王・夢野久作による畢生の大作『ドグラ・マグラ』。読む者を惑わすと語られる奇書が、美麗な装丁で大いなる復活を果たした。文芸ファン必携の一冊。内容
(KADOKAWA 予価6930円)[amazon]


2027年1月予定
イ・チョンジュン『虫の話』
〈韓国文学クラシックス〉
戦争というミステリーを追求した巨匠中の巨匠。イ・チャンドン監督により映画化された表題作を初めとした魅惑の物語。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3520円)[amazon]

2027年4月予定

イ・ホチョル『副市長は馬山に赴任しない』
〈韓国文学クラシックス〉
分断のマジック・リアリズム。戦争捕虜として北朝鮮から韓国へ渡り、その後生涯をかけて故郷喪失を書き続けた作家のベスト作品集。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3520円)[amazon]

2027年10月予定
オ・ジョンヒ『銅鏡』
〈韓国文学クラシックス〉
社会や家族のなかでもがきながら生きる女性の姿を描き、韓国文学を世界へと拓いた作家。女性文学の金字塔であり短編文学の頂点。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3960円)[amazon]

2028年1月予定
ユン・フンギル他『九足の靴で居残った男
〈韓国文学クラシックス〉
戦争の予感を生きる。現代にいたる韓国の土台をめぐるメルクマール的作品を集めたアンソロジー。斎藤真理子訳
(河出書房新社 予価3960円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

ネオクリス・ガラノプロス『ヨルゴス・ダノシスの新たなバージョン』(仮)
現代ギリシャを代表する本格ミステリ作家のデビュー作。橘孝司訳
(竹書房文庫 予価1540円)[amazon]

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