注目の近刊

8月3日刊
ウィリアム・ボイル 『わたしたちに手を出すな』
ハンマーを持って迫りくる殺し屋から逃げる老婦人、孫娘、勇猛な元セクシー女優。彼女たちの勇気と家族の再生を描く傑作ミステリー。鈴木美朋訳
(文春文庫 予価1210円)[amazon]

8月3日刊
アーシュラ・K・ル=グウィン 『文体の舵をとれ ル=グウィンの小説教室
『ゲド戦記』 『闇の左手』 のアーシュラ・K・ル=グウィンが「自作の執筆に励んでいる人たち」に向けて、小説執筆の技巧(クラフト)を簡潔にまとめた手引書。大久保ゆう訳
(フィルムアート社 予価2200円)[amazon]

8月4日刊
レイチェル・ホーキンズ 『階上の妻』
アメリカ南部に来たばかりのジェーンのさえない日々は、裕福でハンサムなエディ・ロチェスターとの出会いで一変する。だが、エディと惹かれあうにつれ、彼の亡くなった妻ビーの影がちらつき始める。エディの屋敷には、ビーにまつわるある秘密が隠されていた。竹内要江訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価1980円)[amazon]

8月4日刊
朝里樹編著 『玉藻前アンソロジー 殺之巻』
伝説上、最「恐」のヒロイン、玉藻前を扱った作品群を現代語訳で編んだアンソロジー。御伽草子 『玉藻の草子』、謡曲 『殺生石』、読本 『絵本三国妖婦伝』、合巻 『糸車九尾狐』、戦記物語 『那須記』 を収録。
(文学通信 予価2090円)[amazon]

8月6日刊
ジョージ・ソーンダーズ 『短くて恐ろしいフィルの時代』
脳が地面に転がり落ちるたびに熱狂的な演説で民衆を煽る独裁者フィル。国民が6人しかいない小国をめぐる奇想天外、爆笑必至の物語。岸本佐知子訳
(河出文庫 予価880円)[amazon]

8月6日刊
連城三紀彦 『私という名の変奏曲』
私は、今夜、殺されるためにこの人を私の部屋に招待したのだった――。連城ミステリーの最高峰が5度目の文庫化。色褪せない名作。
(河出文庫 予価946円)[amazon]

8月6日刊
筒井康隆 『あるいは酒でいっぱいの海』
奇想天外なアイデア、ドタバタ、黒い笑い、ロマンチック、そしてアッというオチ。数ページの中に物語の魅力がぎっしり! 初期筒井康隆による幻のショートショート集。
(河出文庫 予価682円)[amazon]

8月6日刊
鮎川哲也 『黒い蹉跌 鮎川哲也のチェックメイト
倒叙ミステリースタイルの人気推理ドラマといえば「古畑任三郎」に「刑事コロンボ」そして、鮎川哲也作品が元ネタの 「チェックメイト78」(1978-79)。その原案短編を収めた本格推理の巨匠の傑作集。
(光文社文庫 予価792円)[amazon]

8月6日刊
『今昔物語集』
平安時代末期に編纂された日本最大の仏教説話集。道徳的で無害な世界ではなく、人間くさい、この世のありとあらゆる 「業」 にまつわる説話は、芥川龍之介が 「美しい生ま々々しさ」 に満ちている、と評すなど日本の近代文学に大きな影響を与えた。大岡玲 現代語訳
(光文社古典新訳文庫 予価1738円)[amazon]

8月6日刊
東雅夫編 『幻想童話名作選 文豪怪異小品集
シリーズ 「文豪怪異小品集」 の記念すべき10巻目は幻想怪奇 「童話」。鏡花、乱歩、谷崎、室生犀星、巌谷小波など名だたる文豪の意外な名品を精選。
(平凡社ライブラリー 予価1320円)[amazon]

8月6日刊
平原直美 『ヒロシマ・ボーイ』
広島で育ち、戦後帰米した日系二世、元庭師の老人マス・アライ。同じ帰米二世の親友ハルオが亡くなり、遺族に遺灰を届けるため、マスは50年ぶりに日本を訪れた。そこで彼は、少年が犠牲になる痛ましい事件に遭遇する。マスは広島で経験した少年期の傷痕を思い出し、14歳で命を落とした少年のために謎を追う。日系米国人作家によるエドガー賞(ペイパーバック部門)候補作。芹澤恵訳
(小学館文庫 予価1100円)[amazon]

8月6日刊
中条省平 『カミュ伝』
コロナ禍の中、大きな反響を呼ぶ小説 『ペスト』 の作者アルベール・カミュ。多くのエピソードをちりばめながら、カミュの生涯・思想・哲学について多角的に論じる。
(集英社インターナショナル 予価924円)[amazon]

8月9日刊
オルハン・パルク 『パムクの文学講義 直感の作家と自意識の作家
直感と自意識のあいだを揺れながら書かれ、読まれる「小説」という言語芸術。そこでは実体験が想像とどう混じりあい、キャラクターがプロットや時間とどう組みあわされ、描写が絵画や博物館とどう結びついているのか。そして小説独自の「隠れた中心」の感覚とは何か。『わたしの名は赤』『雪』の作家が語る至高の読書論/創作論。山崎暁子訳
(岩波書店 予価2420円)[amazon]

8月10日刊
横溝正史 『完本 人形佐七捕物帳 十』
人形を思わせる色男の岡っ引き、 佐七が次々に江戸の事件を解決していく推理劇 。最新の研究で明らかにされた全180 篇を 、綿密な校訂のもと初めて発表順に完全収録。全10巻完結。最終巻は、附録として未発表資料、長篇版 『狒々と女』 『番太郎殺し』 草稿を収録。目次
(春陽堂書店 予価4950円)[amazon]


8月10日刊
エンリーケ・ビラ=マタス 『永遠の家』
芸術の破壊と再創造をめざすスペイン文学の奇才が綴る 〈虚空への新たな跳躍〉 を試みる腹話術師の悲しくも可笑しい幻想的連作短編集。木村榮一・野村竜仁訳
(書肆侃侃房 予価2200円)[amazon]

8月10日刊
海老原豊 『ポストヒューマン宣言 SFの中の新しい人間
「他者との遭遇」 「機械化する自己」 「産む身体・殺す身体」――テクノロジーで人間の身体を改変し、人間以上の能力を有するポストヒューマンを鍵語に、小説/映画/マンガを横断して読解するSF批評の最前線。目次
(小鳥遊書房 予価2640円)[amazon]

8月上旬発売
ジョージ・シムズ他 『英国犯罪実話集』
《ストランド・マガジン》 に掲載された犯罪実話記事を収録。平山雄一訳
(ヒラヤマ探偵文庫 1980円) 取扱=CAVA BOOKS 盛林堂

8月上旬~中旬予定

ヘンリー・カットナー 『溺れる男』
SF・ファンタンジー作家と知られるヘンリー・カットナーによるパルプ・ノアール長篇 Man Drowning (1952)。田中実千晶訳
(綺想社 5000円)取扱=盛林堂

8月11日刊
エイダン・チェンバーズ 『おれの墓で踊れ』
16歳の少年ハルは 「死んだ友人の墓を損壊した」 罪で逮捕された。深夜、18歳で死んだ友人バリーの墓で、ハルは何をしようとしていたのか。バリーはなぜ死んだのか……。最も残酷な形で恋を失った少年の混乱と再生を描く、心に響く青春小説。浅羽莢子訳
(徳間文庫 予価880円)[amazon]

8月12日刊

フィリップ・リーヴ 『アーサー王ここに眠る』
騎馬の男たちの集団が館を襲い火を放った。燃えさかる館から逃れた少女グウィナは、奇妙な風体の男に救われる。その男の名はミルディン。ブリテン島の統一を目指す司令官、アーサーに仕える吟遊詩人だった。カーネギー賞受賞。『移動都市』の著者がアーサー王伝説を新たな視点から語り直した傑作ファンタジイ、文庫化。井辻朱美訳
(創元推理文庫 予価1210円)[amazon]

8月12日刊
ユーン・ハー・リー 『レイヴンの奸計』
ついに隣国ハフンによる侵攻が始まった。六連合政府は大艦隊を迎撃に向かわせるが、突如現れた反逆者ジェダオが艦隊を乗っ取ってしまう。しかしジェダオは六連合とではなく、ハフンと戦うことを宣言する。はたしてジェダオの思惑は? 本格宇宙SF 『ナインフォックスの覚醒』 の続編。ヒューゴー賞候補作。赤尾秀子訳
(創元SF文庫 予価1430円)[amazon]

8月12日刊
トーマス・ベルンハルト 『推敲』
自殺した友人の遺稿を整理するために屋根裏部屋にこもった主人公がみいだすカオスと深淵。ベルンハルト中期の傑作。飯島雄太郎訳
(河出書房新社 予価3850円)[amazon]

8月12日刊
東雅夫編 『刀 文豪怪談ライバルズ!
名刀、魔剣、妖刀、聖剣……古今の枠を飛び越えて 「刀」 にまつわる怪奇幻想の名作が集結。業物同士が唸りを上げる文豪×怪談アンソロジー。
(ちくま文庫 予価1100円)[amazon]

8月12日刊
吉田健一 『吉田健一随筆集』
文学、旅、酒、食……。人生の愉しみを自在に綴る吉田健一の芳醇な随想を盟友中村光夫が精選。虚実のあわいに遊ぶ名篇 「酒宴」 を併録。
(平凡社ライブラリー 予価1650円)[amazon]

8月12日刊
西永良成 『ヴィクトール・ユゴー 言葉と権力 ナポレオン三世との戦い
議員になっても大臣にはならず、権力ではなく影響力を求め、時代の声を聞き、言葉の力のみでフランスを共和政へと導いた詩人の生涯。
(平凡社新書 予価968円)[amazon]

8月12日刊
リー・チャイルド 『宿敵 上・下
大学キャンパスで誘拐事件が起こった。居合わせたリーチャーは学生を救うために警官に発砲。なぜ善悪の境目を超えてしまったのか? 世界的な人気を誇るアクションサスペンス、ジャック・リーチャー・シリーズ。青木創訳
(講談社文庫 予価各1100円)[amazon]

8月12日刊
奥畑豊 『ビッグ・ブラザーの世紀 英語圏における独裁者小説の系譜学
オーウェル、ケストラー、ナボコフ、ゴールディング、カーター、バラード、アップダイク 、ナイポール、ラシュディ、バーンズなど20世紀英語圏文学を丹念に辿り、確たる実態を持たない記号のようにあらゆる場所に遍在する「不在の中心」としての「ビッグ・ブラザー=独裁者」の表象を明らかにする。目次
(小鳥遊書房 予価3300円)[amazon]

8月17日刊
ヨルゲン・ブレッケ 『ポー殺人事件』
エドガー・アラン・ポーの像に磔にされた首なし死体――事件の鍵は、一冊の災いの書。ノルウェーNo.1ベストセラー、マウリッツ・ハンセン新人賞受賞作。富永和子訳
(ハーパーBOOKS 予価1210円)[amazon]

8月18日刊
ンネディ・オコラフォー 『ビンティ 調和師の旅立ち
天才的数学者で、たぐいまれな調停能力を持った〈調和師〉でもあるビンティは、巨大エビ型生体宇宙船に乗って銀河系随一の名門、ウウムザ大学をめざす。だがその途上で恐ろしい事件が……。敵対種族との抗争を、才気と能力で解決してゆく少女の波乱万丈の物語。月岡小穂訳
(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ 予価2200円)[amazon]

8月18日刊
アシュリー・オードレイン 『衝動』
娘は普通の子ではない。母親の予感はやがて確信へと変わっていき、平和なはずの家庭は悲劇の道へ――海外書評誌絶賛のサスペンス。中谷友紀子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価1430円)[amazon]

8月18日刊
セルゲイ・レベジェフ 『追跡不能』
恐るべき毒物を開発してしまった科学者のもとに、ソ連崩壊後、追跡者が送り込まれ……迫真の筆致で描かれるスリラー小説の傑作。渡辺義久訳
(ハヤカワ文庫NV 予価1100円)[amazon]

8月18日刊
アーカディ・マーティーン 『帝国と呼ばれた記憶 上・下
大使として、銀河を支配する帝国を訪れたマヒート。そこは策謀が渦巻く混沌の極みにあった。ヒューゴー賞に輝いたSF宮廷陰謀劇。内田昌之訳
(ハヤカワ文庫SF 予価各1078円)[amazon]

8月18日刊
ステファノ・マッシーニ 『リーマン・トリロジー』
成功を夢見て米国に渡ったヘンリー青年。彼の興した小さな店は、弟とその子らの手でみるみる拡大、利益を生むなら祖国すら犠牲にして膨れ上がってゆく。そして――。創業者一族の視点から描く、野望と破滅の三代記。数々のイタリアの文学賞を受賞した長篇小説。飯田亮介訳
(早川書房 予価6600円)[amazon]

8月18日刊
ヴィルジニー・デパント 『ジャスト・ライク・ヘヴン ヴェルノン・クロニクル2
落ちぶれた元・レコード店主のヴェルノンは、亡きロックスターが遺したビデオインタビューを所有していた。人々がその内容を知るために、彼を探し求めているとは知らずに――。ルノードー賞受賞作家がパリの市井で生きる人々を滑稽に描く文芸三部作の第二巻。博多かおる訳
(早川書房 予価2860円)[amazon]

8月18日刊
『現代日本のブックデザイン史 1996-2020 デザインスタイルから読み解く出版クロニクル 長田年伸・川名潤・水戸部功・アイデア編集部編
国内の書籍売上がピークに達した1996年から現在に至る約25年に生み出されたブックデザインをカバーデザインのスタイル別に紹介する。
(誠文堂新光社 予価3300円)[amazon]

8月19日刊
ヴァルター・ベンヤミン 『パサージュ論 五』
事物や歴史の中に眠り込んでいた夢の巨大な力を解放すること――それがベンヤミンのパサージュ・プロジェクトだった。「文学史、ユゴー」 「無為」 などの断章や,初期の草稿 「土星の輪あるいは鉄骨建築」, 『パサージュ論』 をめぐる書簡を収録。引用文献一覧、人名総索引を付す。全5巻完結。今村仁司他訳
(岩波文庫 1177円)[amazon]

8月20日発売
《幻想と怪奇7》 ウィアード・テールズ 恐怖と冒険の王国
1923年創刊のパルプマガジン 『ウィアード・テールズ』 は、「幻想と怪奇」 の専門誌として伝統的な幽霊小説や怪物譚にとどまらず、クトゥルー神話や蛮人コナンの冒険など、SFを含む新たな怪奇と驚異、恐怖と冒険の物語を掲載、ラヴクラフト、ハワード、C・A・スミス、シーベリー・クインらの活躍の場となった。自由な想像力の王国として読者を熱狂させた、伝説の雑誌のグリンプスを、ここに伝える。
(新紀元社 予価2420円)[amazon]

8月20日刊

ピーター・ウェブ/ロバート・ショート 『死、欲望、人形 評伝ハンス・ベルメール
フェティッシュな少女人形――痙攣的な美。ブルトンとバタイユを魅了し、澁澤龍彥と四谷シモンをとりこにしたイマージュの極北。画家・写真家・人形作家ベルメールの不屈の生涯を描く、本邦初の評伝。図版多数。相馬俊樹訳。目次
(国書刊行会 予価4950円)[amazon]

8月20日刊
アーサー・アップフィールド 『ボニーとアボリジニの伝説』
〈論創海外ミステリ〉 巨大な隕石跡 (ルシファーのカウチ) で発見された白人男性の撲殺死体。犯人はクレーター内部に足跡を残さず、どのようにして死体を運んだのか? 身許不明の白人男性は何故殺されたのか? オーストラリアを舞台にした本格ミステリ 〈ナポレオン・ボナパルト警部〉 シリーズ。 The Will of the Tribe(1962) 稲見佳代子訳
(論創社 予価3080円)[amazon]

8月20日刊
ドリス・マイルズ・ディズニー 『黒き瞳の肖像画』
〈論創海外ミステリ〉莫大な富を持ちながら孤独のうちに死んだ老女の秘められた過去。遺された14冊の日記を読んだ姪が錯綜した恋愛模様の謎に挑む。ドリス・マイルズ・ディズニーの長編邦訳第二弾。友田葉子訳
(論創社 予価3080円)[amazon]

8月20日刊
ロベール=ジャック・ティボー 『北欧・ゲルマン神話シンボル事典』
ヨーロッパ文化・文学全体を理解するために必要な北欧・ゲルマン神話の基礎的知識をコンパクトにまとめた事典。項目数985。
(大修館書店 予価4400円)[amazon]

8月20日刊
柴田元幸 〔編・訳・註〕 『英文精読教室3 口語を聴く』
英語で書かれた最良の小説を精選し、読者が一人で隅々まで味わえるよう、対訳、詳細な註と解説を施したシリーズ。シスネロス、マーク・トウェイン、ヘミングウェイ、ジム・シェパード他。
(研究社 予価2420円)[amazon]
柴田元幸 〔編・訳・註〕 『英文精読教室4 性差を考える』
ケイト・ショパン、J・C・オーツ、カレン・ラッセル他。
(研究社 予価2420円)[amazon]

8月21日発売
増本河南 『冒険怪話 空中旅行』
明治時代、あの押川春浪と同時代の作家、増本河南のSF 『冒険怪話 空中旅行』 (明治42) を復刊。電力空中船を駆って星から星へと漫遊の旅。奇怪な生物との遭遇あり、高度な科学文明との遭遇あり、戦い駆け引きトラブルなんでもありの国産冒険SF。
盛林堂ミステリアス文庫 2000円) ※8/15予約開始

8月24日刊
ホリー・ジャクソン 『自由研究には向かない殺人』
イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格”に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため真相を探る。イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ。服部京子訳
(創元推理文庫 予価1540円)[amazon]

8月24日刊
デイヴィッド・ピース 『TOKYO REDUX 下山迷宮』
1949年、国鉄総裁が轢断死体で発見された。謎を追うGHQ捜査官に戦後日本の闇が迫る。英国の鬼才が昭和の魔を描く戦慄の傑作。黒原敏行訳
(文藝春秋 予価2750円)[amazon]

8月24日刊

アントニオ・スクラーティ 『小説ムッソリーニ 1 世紀の落とし子 上・下
イタリアの独裁者ムッソリーニを主人公として書かれたイタリア文学史上初めての小説。すでに国内だけで50万部のベストセラー。栗原俊秀訳
(河出書房新社 予価各3135円)[amazon]

8月24日刊
トーマス・サヴェージ 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』
1920年代、モンタナ州。快活で賢い兄フィルと地味な弟ジョージは牧場を共同経営する裕福な兄弟。ジョージの前に不幸な初婚を経たローズが現れ、二人が結婚したことで、家族に亀裂が入ってゆく。1960年代アメリカ文学。波多野理彩子訳
(角川文庫 予価968円)[amazon]

8月24日刊
横溝正史 『夜の黒豹』
金田一耕助は、思わずぞっとした。ベッドに横たわる女の死体。その乳房の間には不気味な青蜥蜴が描かれていた。そして、事件の鍵を握るホテルのベル・ボーイが重傷を負い、意識不明になってしまう……。没後40年記念復刊。
(角川文庫 予価924円)[amazon]

8月24日刊
遠藤周作 『怪奇小説集 蜘蛛』
ルーアンのホテルで、リヨンの学生寮で、熱海の旅館で体験した怪現象を綴る 「三つの幽霊」。6月の雨の中、夜道を疾走するタクシーで運転手が突然話し始めた奇妙な話 「蜘蛛」、夫に殺される予知夢に怯える女性を襲う恐怖の出来事 「霧の中の声」 など。「人一番怖がりだった」 ことで有名な著者が贈る、世にも不思議な、背筋が凍り付く14話の恐怖譚。
(角川文庫 予価858円)[amazon]

8月24日刊
遠藤周作 『怪奇小説集 共犯者
冬のリヨンで起きた不可解な殺人事件 「ジャニーヌ殺害事件」。夫の死を無意識に願う妻の内面が恐怖を誘う 「共犯者」。骨董品蒐集に憑かれた人間の狂気を皮肉な筆致で描く 「憑かれた人」 など全9篇。深層心理の陰影を描く秀逸なミステリー集。
(角川文庫 予価792円)[amazon]

8月24日予定
ジャン・ジオノ 『蛇座』(仮)
ジオノ最大の関心事であった、羊と羊飼いを扱う 『蛇座』、生まれ育った町について愛着をこめて書いた 『高原の町マノスク』を収録。山本省訳
(水声社 予価3300円)[honto]

8月24日刊
ヒュー・ロフティング 『ドリトル先生の月旅行』
動物と話せるお医者さんが巨大化? 絶体絶命の第8巻。河合祥一郎訳
(角川文庫 予価726円)[amazon]

8月25日刊
ジェニー・ザン 『サワー・ハート』
上海からニューヨークへ移住した極貧一家で育つ少女の、ダークでコミカルな成長譚。注目のアジア系アメリカ作家による、初の短編集。小澤身知子訳
(河出書房新社 予価3245円)[amazon]

8月25日刊
平山亜佐子 『問題の女 本荘幽蘭伝
生涯で職業を数十回変え、80人以上の男性と関係を持ち、19回結婚。宗教も次々と変え日本全国アジア各国に神出鬼没。妖婦、狂女と呼ばれた破天荒な明治時代の女傑の謎の生涯を追う。
(平凡社 予価3080円)[amazon]

8月25日発売
《SFマガジン》 10月号
ハヤカワ文庫JA総解説PART2
(早川書房 1320円)[amazon]

8月25日予定
アナイート・グリゴリャン 『オレデシュ川沿いの村』
〈フィクションの楽しみ〉 髙田映介訳
(水声社 予価3520円)[honto]

8月26日刊
張 渝歌 『ブラックノイズ 荒聞
タクシー運転手の呉士盛は、ある日、タクシーの溜まり場に放置されていた車の中で古いカセットテープレコーダーを見つけ、何気なく再生ボタンを押すと、男のかすれた声が漏れてきた。やがて彼の周囲で次々に異常な出来事が……。台湾モダンホラーの決定版。倉本知明訳
(文藝春秋 予価1980円)[amazon]

8月26日刊
竹内康浩・朴舜起 『謎解きサリンジャー 「自殺」したのは誰なのか
あの名短編のラストが実は 「事件」 だった? 驚天動地、圧巻の評論。「バナナフィッシュにうってつけの日」 のラストは主人公の自殺ではなかった!? 前代未聞の問いは作家の作品世界全体に及び、やがては 『ライ麦畑』 までが……。『ハックルベリー・フィン』 論が 〈エドガー賞〉 評論・評伝部門で最終候補となった 「文学探偵」 が弟子と読み解く新たなサリンジャーの世界。
(新潮選書 予価1650円)[amazon]

8月26日刊
原基晶 『ダンテ論 『神曲』と「個人」の出現
日本初の最新の伝記と研究史を備え、ダンテの中世的な側面から現代の世界に与えた影響までを論じる。ダンテのイメージは、政争に破れベアトリーチェに無垢なる愛を捧げた詩人という 『神曲』 の物語と重ねられ、「イタリア語」 を生み出したイタリア国民の父としてナショナリズムのなかで理解されてきた。詩人の明晰な思想を実証主義に基づいた最新の研究成果と、綿密な読解から明らかにし、世界文学の代表としての 『神曲』 が持つ現在性を描き出す。
(青土社 予価3300円)[amazon]

8月27日刊
横溝正史 『横溝正史少年小説コレクション3 夜光怪人』
全身から蛍火のような光を放つ謎の怪盗 「夜光怪人」、童話に見立てた奇怪な新聞広告通り犯罪を重ねていく 「幽霊鉄仮面」、そして金蝙蝠とともに現れる黒装束の怪人 「深夜の魔術師」、いずれ劣らぬ冷酷無比・極悪非道な犯罪者たちとの、虚々実々、息つく間もない闘いを描く3篇と短篇 「怪盗どくろ指紋」 を収録。日下三蔵編
(柏書房 予価3080円)[amazon]

8月27日刊
オーシャン・ヴオン 『地上で僕らはつかの間きらめく』
〈新潮クレスト・ブックス〉 ベトナム生まれの詩人が書いた、文字を読めない母への手紙――。母と僕の苦難、生きる歓び。全米で話題沸騰の鮮烈なデビュー長篇。木原善彦訳
(新潮社 予価2420円)[amazon]

8月27日刊

橘外男 『予は如何にして文士となりしか
〈銀河叢書〉類い稀なるストーリーテリングと、類人猿(ゴリラ)への異常な執着。軍人の父に放逐された文学好きの不良少年は、芸妓と出逢い一大改心。貿易商のかたわら小説デビューし、あれよという間に直木賞。しかしその回想はいつも微妙に食い違う……虚々実々に彩られた怪作家の人生を辿る自伝物語篇。内容
(幻戯書房 予価3850円)[amazon]

8月27日刊
ヨアン・ペテル・クリアーノ 『異界への旅 世界のシャーマニズムから臨死体験まで
ギルガメシュの冒険、オシリスの死と再生、黄帝の昇天、ラーマクリシュナの恍惚体験、オデュッセウスの遍歴、エノクの黙示録、ダンテ 『神曲』……宗教学の泰斗が古今東西の神話や伝承、宗教説話から蒐集した脱魂や昇天、臨死体験、憑依、シャーマンにまつわるエピソードの検証を通して、「この世の外」 の世界に迫る。瞠目の異世界探求史。桂芳樹訳
(工作舎 予価4180円)[amazon]

8月27日刊
佳多山大地 『新本格ミステリを識るための100冊 令和のためのミステリブックガイド
綾辻行人『十角館の殺人』から令和に至る本格ミステリの潮流を100の傑作で辿る、ミステリ入門の新たな決定版となるブックガイド。
(星海社新書 予価1320円)[amazon]

8月27日刊
石井千湖 『名著のツボ 賢人たちが推す!最強ブックガイド
フィクションのお金が社会を動かすことを予見した『ファウスト』から、アンチ自己責任小説 『阿部一族』 まで、識者たちが読み解く。
(文藝春秋 予価1760円)[amazon]

8月28日刊
アラン・ベネット 『やんごとなき読者』
英国女王、読書にハマる。おかげで公務はうわの空、側近たちは大あわて。人生を変え視野を広げる読書の力についての、楽しくも深い物語。市川恵里訳
(白水Uブックス 予価1430円)[amazon]

8月28日刊
竹本健治選 『変格ミステリ傑作選 【戦前篇】』
乱歩、横溝、夢野から谷崎、川端まで――戦前期に発表された、モダニズムと奇想に彩られた変格ミステリ短編の代表的傑作15編を集成したアンソロジー。同時代に隣国・中国で花開いたミステリ文化を象徴する短編・孫了紅「真偽の間」と、中国での変格ミステリの受容史の解説も併録。
(行舟文庫 予価1100円)[amazon]

8月28日刊
レイチェル・カーソン 『センス・オブ・ワンダー』
雨のそぼ降る森、嵐の去ったあとの海辺、晴れた夜の岬。そこは鳥や虫や植物が歓喜の声をあげ、生命なきものさえ生を祝福し、子どもたちへの大切な贈り物を用意して待っている場所……。環境保護に先鞭をつけた女性生物学者が遺した世界的ベストセラー。上遠恵子訳
(新潮文庫 予価649円)[amazon]

8月28日刊
ジョセフ・ノックス 『
スリープウォーカー マンチェスター市警エイダン・ウェイツ
十数年前、夢うつつのまま一家を惨殺したと目される男〈夢遊病犯〉が、癌で余命宣告され収容された病院で、何者かの襲撃を受けて死亡。なぜ死にかけている男がわざわざ殺されたのか? 人物造型、謎解き、人間ドラマと、すべてに秀でた警察ノワール完成型。池田真紀子訳
(新潮文庫 予価1155円)[amazon]

8月31日刊
サラ・ピンスカー 『A SONG FOR A NEW DAY』(原題)
パンデミックやテロにより人々が隔離され、コンサートが違法となったアメリカを描いた、傑作SFにして音楽小説。2019年度ネビュラ賞長篇部門受賞作。村山美雪訳
(竹書房文庫 予価1320円)[amazon]

8月31日刊
アリス・フィーニー 『彼と彼女の衝撃の瞬間』
ロンドンから車で2時間ほどの町の林で、女性の死体が発見された。爪にマニキュアで謎の言葉を記されて……。故郷で起きた事件の取材に向かったのは、ニュースキャスター職を外されたばかりのアンと事件を捜査する刑事ジャック。だが、両者の言い分は不可解に食い違って……。予想外の展開が待ち受ける、第一級のサスペンス。越智睦訳
(創元推理文庫 予価1320円)[amazon]

8月31日刊
アイザック・アシモフ 『銀河帝国の興亡(1) 風雲編 新訳版
銀河系宇宙を支配する大銀河帝国に、徐々に没落の影がきざしていた。ひとたび銀河帝国が崩壊すれば、各太陽系は小王国に分裂し、人類はふたたび原始の暗黒時代に逆行する運命にあった。このとき現われた天才的な歴史心理学者ハリ・セルダンの予言は? 巨匠の最高傑作たる未来叙事詩三部作。ヒューゴー賞受賞作。新訳決定版。鍛治靖子訳
(創元SF文庫 予価836円)[amazon]

8月31日刊
呉明益 『眠りの航路』
〈エクス・リブリス〉
睡眠に異常を来した「僕」の意識は、太平洋戦争末期に少年工として高座の海軍工廠に従事した父・三郎の記憶へ漕ぎ出してゆく――。鮮烈な長篇デビュー作。倉本知明訳
(白水社 予価2620円)[amazon]

8月31日刊

サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ 『ロマノフ朝史 1613-1918 下
愛憎相半ばする一族、戦争と革命、陰謀と謀反、弾圧と殺害、性愛と嗜虐……王朝の絢爛たる歴史絵巻と血にまみれた秘史を語りつくす。染谷徹訳
(白水社 予価7920円)[amazon]

8月予定
『大島渚全映画秘蔵資料集成』 樋口尚文編著/大島プロダクション監修
各所に秘蔵されていた製作時の未公開・新発見資料や写真類などを集大成し、本人の回想と詳細な解説で贈る大島映画の根本資料。
(国書刊行会 予価9680円)[amazon]

8月末予定
『霜月信二郎探偵小説選』
〈論創ミステリ叢書〉 《幻影城》 誌でデビューを果たしながらも同誌廃刊のため僅か2年で筆を置いた霜月信二郎。デビュー作 「炎の結晶」 から最新作 「分身」 までの全12作を集成。収録内容
(論創社 予価3300円)[amazon]


▼9月刊

9月2日刊
リチャード・オスマン 『木曜殺人クラブ』
未解決事件の調査をして暇をつぶす老人グループ〈木曜殺人クラブ〉。入居する施設の関係者が殺されたのをきっかけに、彼らは真相究明に乗り出すことに。英国で異例の速度で100万部突破のフーダニット。新人離れした完成度を誇るユーモラスな謎解きミステリ。羽田詩津子訳
(ハヤカワ・ミステリ 予価1980円)[amazon]

9月2日刊
ニック・ウェブ 『伝説の艦隊3 〈ヴィクトリー〉』
ジンガノ元帥から、新たに〈ヴィクトリー〉の艦長を引き継いだグレンジャーは、人類の存亡を賭けて、ペナンブラ星系へと向かう。置田房子訳
(ハヤカワ文庫SF 予価1320円)[amazon]

9月2日刊
アン・ラドクリフ 『ユドルフォ城の怪奇 上・下
愛する両親を喪い、悲しみに暮れる乙女エミリーは、叔母の夫である尊大な男モントーニの手に落ちて、イタリア山中の不気味な古城に幽閉されてしまう。英文学史に屹立するゴシック小説を代表する大長編。三馬志伸訳
(作品社 予価各3960円)[amazon]

9月2日刊

ジェスミン・ウォード 『骨を引き上げろ』
フォークナーの再来と呼び声高き俊英による全米図書賞受賞作。「カトリーナによりもたらされた破壊と、すべてを洗い流された海辺の街の原初の風景について、本書は水没したニューオーリンズの映像よりもはるかに多くを教えてくれる」(ニューヨーカー)。石川由美子訳
(作品社 予価2860円)[amazon]

9月3日刊
リサ・ラッツ 『パッセンジャー』
階段から落ちて事故死した夫の死体を見た瞬間、「わたし」の逃亡生活がはじまった。 別人になりすまして第二の人生をスタートしたはずが、たちまち正体不明の追手に襲われる。窮地を救ってくれたはずの女バーテンのブルーも、「わたし」の人生の歯車をさらに狂わせていく。“わきまえない女”が主人公の痛快ミステリ。 杉山直子訳
(小鳥遊書房 予価2090円)[amazon]

9月7日刊
中野美代子 『契丹伝奇集』
変幻自在な暗殺者、流転する耀変天目、滅びゆく王国の姿を見せぬ王と大伽藍……当代きっての中国文化史家が織りなす傑作幻想小説集。
(河出文庫 予価1210円)[amazon]

9月7日刊
アンドレアス・フェーア 『羊の頭』
上級巡査クロイトナーはトーレニングで登った山頂で、顔見知りの小悪党クメーダーで出会う。だが突然気分が悪くなり、目を離している間にクメーダーの姿は消え、頭部が吹き飛んだ胴体がその場所に横たわっていた……。ドイツで大人気の警察小説〈ヴァルナー&クロイトナー〉シリーズ第2弾。酒寄進一訳
(小学館文庫 予価1265円)[amazon]

9月7日発売
《ユリイカ》 10月臨時増刊号 総特集=須永朝彦
『東方花傅』『就眠儀式』『血のアラベスク』『日本幻想文学史』…須永朝彦の描きだしたあえかなる世界はどこにいったのか。短歌に発し、アンソロジストとしても活躍した異才の残したもの。内容
(青土社 予価1980円)[amazon]

9月7日発売
《現代思想》 10月臨時増刊号 総特集=小松左京
日本のSF/エンターテインメント界に巨大な足跡を残した作家、小松左京。『日本沈没』 『復活の日』 『日本アパッチ族』 『果しなき流れの果に』 ……強靭な知性と想像力がつむぎだす作品世界はいまなお鮮烈なアクチュアリティをもち続けている。生誕90年+没後10年…その思想と想像力に迫る。内容
(青土社 予価1980円)[amazon]

9月7日刊
ダイアン・セッターフィールド 『テムズ川の娘』
19世紀イギリス。冬至の夜、テムズ川沿いの小さな村の酒場に、顔に重傷を負い、少女の死体を抱えた大男が現れる。少女はその日のうちに息を吹き返し、この奇跡が近隣に広まると、少女の家族だと主張する三つの家族が現れる。少女は誰なのか? あの晩、彼女に何が起きたのか? 英ベストセラー作家の歴史幻想ミステリ。高橋尚子訳
(小学館文庫 予価1540円)[amazon]

9月9日刊
北村紗衣 『批評の教室 チョウのように読み、ハチのように書く
「精読する、分析する、書く」 の3ステップを徹底攻略。チョウのように軽いフットワークで理解し、ハチのように鋭い視点で読み解く方法を身につけましょう。
(ちくま新書 予価902円)[amazon]

9月9日刊
泉鏡花 『文豪怪奇コレクション 耽美と憧憬の泉鏡花 〈小説編〉』
明治・大正・昭和の三代にわたり、日本の怪奇幻想文学史に不滅の偉業を打ち立てた、不世出の幻想文学者・泉鏡花の名作佳品の中から、これまで文庫化されていなかった、恐怖と戦慄と憧憬に満ちた怪異譚を蒐めた一巻。闇に明滅する螢火を思わせる「女怪幻想」の数々は、読者を妖しき異界へと誘う。東雅夫編
(双葉文庫 予価902円)[amazon]

9月10日刊
ワシントン・アーヴィング/絵=トマス・ロッカー 『ワシントン・アーヴィングのリップ・ヴァン・ウィンクル』
むかし、リップ・ヴァン・ウィンクルという男が、森の中へ銃を持って出かけ、一眠りしてしまい、村に帰ると、20年の月日が流れていた。19世紀アメリカの作家アーヴィングによる現実と幻想が交差する物語を、美しい絵本で。齊藤昇訳
(小鳥遊書房 予価1650円)[amazon]

9月上旬頃予定
kazuou 『海外怪奇幻想小説ブックガイド 2』
幽霊、悪魔、憑かれた家、想像力の恐怖、黒いユーモア、アンソロジーなど、テーマ別に海外怪奇幻想小説を紹介。ブラックウッド、マッケン作品も集中的に取り上げる。
奇妙な世界 2200円) 取扱=CAVA BOOKS

9月刊
アルベール・カミュ 『ペスト』
オラン市で突如発生した死の伝染病ペスト。市外との往来が禁じられ、人々の戸惑いが恐慌に変わる一方、リュー医師ら果敢な市民たちは、病人の搬送や隔離など事態の対応に死力を尽くすが......。人間を襲う不条理を驚くべき洞察力で描く小説。中条省平訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月刊
レフ・トルストイ 『戦争と平和 6』
ナポレオン軍を迎え撃つパルチザン戦で若い命を落とすペーチャ。フランス軍は敗走を重ね、ついにロシアの地から撤退する。捕虜から解放されたピエールとナターシャの、再会したニコライとマリヤの、そして祖国ロシアの行く末は....。全6巻完結。望月哲男訳
(光文社古典新訳文庫)[amazon]

9月12日予定
スタニスワフ・レム 『インヴィンシブル』
《スタニスワフ・レム・コレクション》 第2期(全6巻+別巻1) の第1回配本、『砂漠の惑星』 の原典新訳。関口時正訳
(国書刊行会)[amazon]

9月13日刊
アンソニー・ホロヴィッツ 『ヨルガオ殺人事件 上・下
『カササギ殺人事件』 から2年。クレタ島でホテルを経営する元編集者のわたしを、英国から裕福な夫妻が訪ねてくる。彼らが所有するホテルで8年前に起きた殺人事件の真相をある本で見つけた――そう連絡してきた直後に娘が失踪したというのだ。その本とは名探偵アティカス・ピュント・シリーズの 『愚行の代償』。かつてわたしが編集したミステリだった……。巨匠クリスティへの完璧なオマージュ作品×英国のホテルで起きた殺人事件。『カササギ殺人事件』 の続編にして、至高の犯人当てミステリ。山田蘭訳
(創元推理文庫 予価各1100円)[amazon]

9月13日刊
北村薫 『ミステリは万華鏡』
作家・北村薫の歩む今日には、学生時代の先輩、憧れの作家、デビューしてから知己を得た盟友――同じくミステリを愛するひとびととの得難い出会いがあった。ミステリへの愛が詰まったエッセイを、録り下ろしの座談会や画家・大野隆司氏による描き下ろしの版画など付録いっぱいで贈る。
(創元推理文庫 予価880円)[amazon]

9月13日刊
N・K・ジェミシン 『オベリスクの門』
ついに〈季節〉が訪れ、破滅的な天変地異が超大陸を襲う。降りしきる灰のなか、父親に連れ去られた娘ナッスンは南極地方めざして旅をする。一方、ナッスンの母エッスンは地下水晶都市カストリマにたどり着き、意外な人物と再会する。三年連続ヒューゴー賞受賞の三部作、『第五の季節』 に続く第2弾。小野田和子訳
(創元SF文庫 予価1540円)[amazon]

9月13日刊
須永朝彦 『須永朝彦小説選』
チェンバロの綺羅綺羅しい響き、橋の袂に佇む天使、青暗い水に潜む蛇……独特な美意識で幻想文学ファンを魅了した作品から山尾悠子が23篇を選ぶ。
(ちくま文庫 予価946円)[amazon]

9月13日刊
田中小実昌 『密室殺人ありがとう ミステリ短篇傑作選
編者苦心の末、発掘した1970年代から80年代の雑誌掲載のみになっていたミステリ短篇を中心に再構成する文庫オリジナル作品集。日下三蔵編
(ちくま文庫 予価924円)[amazon]

9月13日刊
大串尚代 『立ちどまらない少女たち 〈少女マンガ〉的想像力のゆくえ
アメリカ文学と日本の少女マンガの接点をたどりつつ、「アメリカ」 という場所が、1960年代から90年代の日本の少女マンガでどのように表象されてきたかをたどる。目次
(松柏社 予価2750円)[amazon]

9月16日刊
ヒラリー・マンテル 『鏡と光 上・下
大規模な反乱が勃発し、トマス・クロムウェルは奔走する。しかしヘンリー八世は彼に不信感をいだく……。庶民の生まれながら自らの才覚で一国の宰相となり、陰謀と欲望に満ちた16世紀イングランドを生きた男を新たな視点で描く傑作歴史小説三部作、ついに完結。宇佐川晶子訳
(早川書房 予価各4400円)[amazon]

9月16日刊
宝樹 『時間の王 宝樹短篇傑作集
俺は時間の王だ――自分の人生のあらゆる時間を自由に通り抜けられる。些細な事故に遭ったせいで思い出した瞬間に戻ることができる能力を手に入れた主人公は、子供のころに会った少女の命を救おうとするのだが……。中国SFの新星による7篇を収録した傑作集。稲村文吾訳
(早川書房 予価2200円)[amazon]

9月16日刊
サラ・パレツキー 『クロス・ボーダー 上・下
殺人容疑をかけられた青年と、前夫の姪の失踪事件……二つの事件を捜査することになった私立探偵ヴィクは驚きの結末にたどり着く。山本やよい訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫 予価各990円)[amazon上・下]

9月16日刊
ハリエット・タイス 『紅いオレンジ』
殺人事件を初めて担当する弁護士アリソン。娘と夫を愛しながら不倫相手とも過ごす彼女に脅迫が。英国発、戦慄のリーガルスリラー。服部京子訳
(ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon]

9月16日刊
アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャー短篇集1 最後の願い』
ウィッチャーのゲラルトは精霊を封じた壺を見つける。願いをかなえようといわれるが!? 人気ゲーム原作シリーズの原点となる短篇集。川野靖子訳
(ハヤカワ文庫FT 予価1100円)[amazon]

9月16日刊
ジョー・ネスボ 『おならパウダー』
小学生のニリーとリサは、キテレツな博士と知り合う。博士の最新の発明は、飲むとオナラが出る不思議な粉。しかも空まで飛ぶぐらい強力なやつも出せるのだ。だが、その爆発力を悪用しようと狙う者が現れ……。世界200万部超の冒険コメディ。神戸万知訳
(ハヤカワ・ジュニア・ブックス 予価1320円)[amazon]

9月17日刊
マティルダ・ヴォス・グスタヴソン 『ノーベル文学賞が消えた日 スウェーデンの#MeToo運動、女性たちの闘い
2018年、ノーベル文学賞発表中止。裏に隠された性的暴行、性差別、スウェーデン・アカデミーの権力闘争の一部始終をあぶり出す。羽根由訳
(平凡社 予価2530円)[amazon]

9月18日刊
W・G・ゼーバルト 『空襲と文学 新装版
ドイツが第二次大戦で被った惨禍は、戦後の文学によって表現されることがなかった。アメリー論、ヴァイス論ほか収録。鈴木仁子訳
(白水社 予価3190円)[amazon]

9月18日刊
アーサー・コナン・ドイル 『シャーロック・ホームズの事件簿』
「マザリンの宝石」「ソア橋の事件」「三人のガリデブ」「三破風館」など全12編――ホームズとワトスンの熱い友情が描かれる傑作冒険譚。駒月雅子訳
(角川文庫 予価968円)[amazon]

9月18日刊
池田雅之 『小泉八雲 日本美と霊性の発見者
教師として日本各地を訪れた小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、日本人の善良さ、辛抱強さと繊細な文化を愛す一方で、西洋化を推し進める新しい日本に幻滅する。詩情豊かな独自の翻訳で読者を魅了し続ける著者が、八雲の手紙や講義録、再話文学からその人物像と心の軌跡に迫る入門書。
(角川ソフィア文庫 予価968円)[amazon]

9月20日刊
ジョゼ・サラマーゴ 『中断する死』
ある年の元旦、突然人が死ななくなる。不死の不自由に戸惑いはじめる人々。『白の闇』のノーベル賞作家が遺した傑作長篇。雨沢泰訳
(河出書房新社 予価3190円)[amazon]

9月21日刊
フレドリック・ブラウン 『不吉なことは何も』
二人の探偵の目前にいて、しかも彼らの目にとまらなかった姿なき殺人者とは? 身代金誘拐事件に巻き込まれた保険外交員の行く末は? 金をたっぷり貯えた老人の家に猛犬がいるのを知った男の計画とは? 奇抜な発想と予想外の結末が光る短編10作と、殺人で終身刑になった男の無実を証明しようとする刑事の奮闘を描く中編 「踊るサンドイッチ」 を収録。『復讐の女神』 改題新訳。越前敏弥訳
(創元推理文庫 予価1100円)[amazon]

9月21日刊
工藤正市 『青森 AOMORI 1950-1962 工藤正市写真集
昭和30年代の青森で、人知れず奇跡の瞬間を撮り溜めていた写真家がいた。押入れに眠っていた70年前の青森の写真たち。跨線橋、市場、工場、町並み、家々、野山、そして海――青森のくらしの原風景がここにある。
(みすず書房 予価3960円)[amazon]

9月22日刊
橘外男 『皇帝溥儀
〈銀河叢書〉
(幻戯書房 予価3850円)[amazon]

9月24日刊
ジェフリー・ディーヴァー 『The Goodbye Man』(原題)
ヘイトクライムの犯人を捕らえた流浪の名探偵ショウは、背後に自己啓発カルトがあるとにらんで潜入するが……。好評新シリーズ第二弾。池田真紀子訳
(文藝春秋 予価2750円)[amazon]

9月28日刊
川本直 『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』
作風は優雅にして猥雑、生涯は華麗にしてスキャンダラス。アメリカ文学史上に燦然と輝く謎多き美貌の作家ジュリアン・バトラーをめぐり気鋭が 「仕掛ける」 壮大な文学&エンターテインメント。
(河出書房新社 予価2420円)[amazon]

928日刊
デイィッド・ダムロッシュ 『ハーバード大学ダムロッシュ教授の世界文学講義』
世界文学とはなにか。国際的に活躍する文学研究の第一人者が古今東西縦横に、世界のあらゆる文学作品との比較の中で、日本文学の魅力を語る。今まで比較されることのなかった作家をあえて関連づけることによって文学の新たな可能性を見出し、刺激的な読書の世界へ誘う。沼野充義監訳/片山耕二郎・高橋知之・福間恵 訳
(東京大学出版会 予価3520円)[amazon]

9月29日刊
ヴォルフガング・ヒルデスハイマー 『詐欺師の楽園』
天才的な贋作画家が中欧の某公国を巻き込み実行した計画の顛末は? 現実と虚構のあわいを軽妙に突いた、ビューヒナー賞作家による幻の傑作コミックノヴェル。小島衛訳
(白水Uブックス 予価1980円)
[amazon]

9月30日刊
ジャナ・デリオン 『ハートに火をつけないで』
身分を偽り小さな町で暮らすCIAスパイ、フォーチュンは、気になる保安官助手カーターとディナーに向かう道中、友人のアリーの家が火事になったことを知る。原因は放火と判明。初めてできた大事な同年代の友のため、フォーチュンはカーターの制止も聞かず放火犯探しを開始、町を混乱に巻きこんでいく。大好評〈ワニ町〉第4弾。島村浩子訳
(創元推理文庫 予価1210円)[amazon]

9月30日刊
蔡 駿 『忘却の河 上・下(仮)
1995年、中国のエリート進学校で女子高校生が殺害される。容疑者とされた若く優秀な国語教師申明もまた何者かに殺され、事件は未解明のまま終わった。そして9年後、ずば抜けた頭脳をもつ小学生の周囲で次々と不可解な事件が起こる。少年は何者なのか。申明を殺した犯人は誰なのか。「中国のスティーヴン・キング」と呼ばれる著者による異色ミステリ。
(竹書房文庫 予価各880円)[amazon]

9月予定
ポール・アルテ 『混沌の王』
名門マンスフォード家には忌まわしい言い伝えがあった。聖夜、鈴の音と共に空を闊歩する白面の怪人 「混沌の王」 が毎年ひとり一族の誰かの命を奪う。伝説を再現するような雪密室殺人が起こり、その真相を知るために開かれた交霊会の夜、再び惨劇が――。名探偵オーウェン・バーンズ・シリーズ第一作。平岡敦訳
行舟文化)[amazon]

9月以降予定
ミルチャ・カルタレスク 『ノスタルジア』
住谷春也訳
(作品社 予価4180円)[amazon]

9月以降予定
沼野充義 『新装版 徹夜の塊 亡命文学論』
(作品社 予価5060円)[amazon]

9月以降予定
沼野充義 『新装版 徹夜の塊 ユートピア文学論』
(作品社 予価5060円)[amazon]


▼10月以降刊

10月10日予定

大庭武年 『曠野に築く夢』
大連で育ち満鉄勤務の傍らで、昭和5年に 「十三号室の殺人」 を《新青年》に発表、探偵小説作家としてデビューした大庭武年の未完の長編小説。《満洲日報》 に連載 (昭和6年) されたが掲載紙の意向で中絶した作品を初の単行本化。オンデマンド出版
大陸書館)[amazon]

10月発売
《創元推理文庫/SF文庫 復刊フェア》 内容
F・W・クロフツ 『マギル卿最後の旅』
H・C・ベイリー 『フォーチュン氏の事件簿』
ドロシー・L・セイヤーズ 『毒を食らわば』
マイケル・ギルバート 『捕虜収容所の死』
ピエール・シニアック 『ウサギ料理は殺しの味』
アントニー・マン 『フランクを始末するには』
アーサー・マッケン 『夢の丘』
W・H・ホジスン 『夜の声』
ロバート・A・ハインライン 『大宇宙の少年』
川又千秋 『幻詩狩り』


10月予定
柴田元幸 〔編・訳・註〕 『英文精読教室5 怪奇に浸る』
英語で書かれた最良の小説を精選し、読者が一人で隅々まで味わえるよう、対訳、詳細な註と解説を施したシリーズ。ヴァージニア・ウルフ 「幽霊屋敷」、ディケンズ 「信号手」、ボウエン 「悪魔の恋人」、ヴォルマン 「失われた物語のための墓」 他。
(研究社 予価2420円)[amazon]
柴田元幸 〔編・訳・註〕 『英文精読教室6 ユーモアを楽しむ』
P・K・ディック、ハーディ、サローヤン、リオノーラ・キャリントン、ミルハウザー他。
(研究社 予価2420円)[amazon]

12月8日刊

沼野恭子 『ロシア文学の食卓』
世界でも指折りの食いしん坊と言われるロシア人の食卓を、ロシア文学の名作を通して味わいつくす美味しい読書案内。
(ちくま文庫 予価990円)[amazon]


予定表に出たり消えたり(そのうち何とかなるだろう)

『短編集 ヴァージニア・ウルフの色』
西崎憲編
(亜紀書房 予価1760円)[amazon]


サリー・ルーニー 『カンバセーションズ・ウィズ・フレンズ』
フランシスは作家志望の21歳の大学生。かつての恋人のボビーと共にダブリンでポエトリー・パフォーマンスを行っている。二人の才能に目をつけたジャーナリストのメリッサと親しくなるが、フランシスはメリッサの俳優の夫に惹かれていく……。山崎まどか訳
(早川書房 予価2530円)[amazon]

秋永芳郎 『赤い夕陽の満州で』
戦記作家、捕物小説などで知られる著者の、黒竜江省を舞台とする日本人馬賊を主人公とする冒険小説。馬賊王、小日向白朗に実際に取材して執筆された作品。オンデマンド出版
大陸書館)[amazon]

小栗虫太郎 『小栗虫太郎雑文集成』
衒学趣味の探偵作家・小栗虫太郎のエッセイ、読物、自作解説など、「小説以外」 の作品を集大成。戦時中の単行本未収録掌編や未完の絶筆 「悪霊」 の笹沢左保による完結編もあわせて収録。 日下三蔵編
(河出書房新社 予価2420円)[amazon]