【アントニイ・バークリー/フランシス・アイルズ/A・B・コックス作品】
 第二の銃声 ジャンピング・ジェニイ  レイトン・コートの謎
ウィッチフォード毒殺事件 ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎 絹靴下殺人事件
地下室の殺人 被告の女性に関しては  プリーストリー氏の問題

【第二の銃声】
The Second Shot (1930)

アントニイ・バークリー
西崎 憲訳

探偵作家ジョン・ヒルヤードの邸で開かれたハウス・パーティの催しで、近隣の作家たちを集めて行なわれた犯人当ての殺人劇の最中、被害者役の男が本物の死体となって発見された。殺されたのはプレイボーイとして悪名高い人物で、パーティには彼の死を願う人物が揃っていた。事件当時の状況から窮地に立たされたゲストのひとり、ピンカートン氏は、警察の嫌疑をはらすため、アマチュア探偵として高名な同窓の友人ロジャー・シェリンガムに助けを求めた。現場付近で聞こえた二発の銃声をめぐって錯綜する証言と、予想外の展開に紛糾する検死審問。二転三転する論証の末にシェリンガムがたどりついた驚くべき結論とは?
「人間性の謎」 に重きをおいた新しいミステリの方向性を提唱した序文でも有名な、黄金時代探偵小説の巨匠バークリーの里程標的名作。文庫化。


◆創元推理文庫 2011年2月刊 本体940円 [amazon] [bk1]
◆装画=牛尾篤/装幀=本山木犀
◆解説=巽昌章

※『第二の銃声』 (国書刊行会、1994) の文庫化。

◆『第二の銃声』 (国書刊行会版)
このミステリーがすごい!1996 第5位
このミステリーがすごい! 1988-2008ベスト・オブ・ベスト  第5位



【ジャンピング・ジェニイ】
Jumping Jenny (1933)

アントニイ・バークリー
狩野一郎訳

小説家ロナルド・ストラットンの屋敷で開かれた、参加者が有名な殺人者と被害者に扮装する趣向のパーティの席上、ヒステリックな言動で周囲の顰蹙をかっていた女性に、「人間性の観察者」 ロジャー・シェリンガムは興味を抱いた。常に自分が注目を集めていないと気がすまない主人役の義妹イーナは、どうやらみんなの嫌われ者らしい。やがて夜を徹したパーティも終わりに近づいた頃、余興として屋上に設えられた絞首台にぶら下がるイーナの死体が発見される。一時的な衝動による自殺なのか、それとも……。黄金時代探偵小説きっての異才バークリーの本領発揮の傑作。文庫化。


◆創元推理文庫 2009年10月刊 本体920円 [amazon] [bk1]
◆装画=牛尾篤/装幀=本山木犀
◆解説=川出正樹

※『ジャンピング・ジェニイ』 (国書刊行会、2001) の文庫化。

◆『ジャンピング・ジェニイ』 (国書刊行会版)
このミステリーがすごい!2002 第6位
週刊文春 傑作ミステリー・ベスト10 第8位
本格ミステリ・ベスト10  第1位


黄金期英国で最も頭が良く最も底意地の悪いミステリー作家だったバークリーの面目躍如。周到な構成の中で邪悪なまでの才気と黒い笑いがあふれんばかりの異色作」――千街晶之氏評 (「週刊文春」 2001年8月2日号)


「終幕のあざやかなドンデン返しには、思わず声を上げてしまうにちがいない」――佳多山大地氏評 (「DIAS」 2001年1月24日号)

「本格ミステリに徹底的に淫した作品ということができるかもしれない。茶番と紙一重のところで成立した、類稀なる傑作である」――三橋暁氏評 (「本の雑誌」2001年10月号)

「バークリーがもっとも先鋭的であり、脂が乗り切った時期の作品」――杉江松恋氏評 (「ミステリマガジン」 2001年10月号)

「ようこそ、バークリー未体験の皆さま。本書 『ジャンピング・ジェニイ』 は、初めて彼の作品を読んでみようか、と思った皆さまに格好の入門書として自信を持ってオススメできる傑作です」
――川出正樹氏 (本書解説より)


アントニイ・バークリー (1893-1971)
イギリスの探偵作家。ユーモア作家として 「パンチ」 誌などで活躍した後、“?”名義で 『レイトン・コートの謎』(1925) を発表。以後、バークリー名義で 『ウィッチフォード毒殺事件』 『ロジャー・シェリンガムとヴェインの謎』 『絹靴下殺人事件』 『毒入りチョコレート事件』 『ピカデリーの殺人』 『試行錯誤』 『第二の銃声』 『地下室の殺人』 『ジャンピング・ジェニイ』 他の独創性あふれる探偵小説、フランシス・アイルズ名義で 『殺意』 『犯行以前』 『被告の女性に関しては』 の事件関係者の心理に重きをおいた作品を発表。黄金時代ミステリの頂点を極めるとともに、以後のミステリの流れにも大きな影響を与えた。