WOWOWで、「馬鹿が戦車でやって来る」('64)を観る。馬鹿な奴が馬鹿な振る舞いをするのを、もっと馬鹿な連中が馬鹿にするという笑いのとり方が不愉快きわまりなく、半分まで行かずにやめた。
寅さんを含めて、山田洋次の映画ってこれが初めてだったのだが、みんなこの調子なのなら、貴重な人生をムダにせずにすんだという意味で、これまで観なくて幸いだった。
基本的にコメディって観ないのだが、いままで一番笑った映画と言ったら、「奇人たちの晩餐会」('99)かなあ。日本公開が珍しいフレンチ・コメディの傑作。そういえばこの映画は、馬鹿な奴を笑おうとするインテリどもの浅薄さが次第に露わになっていく、という裏のある映画だった。
「ロケットガール」第1話。結構期待してたんだけど、1話を観るかぎりでは人物造形から設定から演出まで、ありきたりで平凡。「体重が軽い」というだけで女子高生を宇宙飛行士に、という無茶な展開は、有人宇宙飛行の実績作りに、推力は低いが信頼性の高い旧型ブースターを使用するため、という理屈でどうにかクリアしているが、これは原作に準拠してるだけだろうし。
どうも気になるのは、ソロモン諸島の現地人やら中国人のステレオタイプな描写。いいのか、21世紀にもなってそんなんで。海外配給を考えているなら、もう少し敏感になるだろうに。こういうのを観てると、「アニメを国際的に通用するコンテンツに」なんて、誰も本気で信じていないのだということがよくわかる。
そのかけ声自体も底の浅いものではあるがね。
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