7月の新刊 ● NEW TITLE |
シリウス
オラフ・ステープルドン 中村能三訳
ちくま文庫 発売中 1430円(税込) [amazon]
生理学実験により人工的に創造された高い知能を持つ超犬シリウスは、天才科学者トレローンの末娘プラクシーと共に育てられる。人間と同等の知性を獲得し、プラクシーとは強い愛情で結びつくが、噴出する野性が時に彼を悩ませた。やがて時局の悪化とともに、人々の異質な存在への敵意がシリウスに向けられていく。孤高の精神を宿した超犬の成長の軌跡と、それゆえの苦悩と葛藤を描いた感動の名作SF。待望の復刊。解説 ヤマザキマリ MORE |
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7月の刊行予定 ● FORTHCOMING TITLE |
《オーストリア綺想小説コレクション 3》
メルヒオール・ドロンテの転生
パウル・ブッソン 垂野創一郎訳
国書刊行会 7月27日予定
予価4400円(税込) [amazon]
ゼノン・フォラウフには前世の記憶があった。以前の彼は十八世紀ドイツの男爵家の息子メルヒオール・ドロンテであり、幼い頃、回教僧の蠟人形に命を救われていた。その後も謎の回教僧は折にふれ姿を見せ、運命に翻弄され流浪を続ける彼の人生を導く。苛酷な戦場、悪魔の誘惑、予言と幻視。そして物語の舞台は大革命下のパリへ。若き主人公のピカレスクな冒険と、魂の遍歴を描く神秘転生譚。MORE |
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9月の刊行予定 ● FORTHCOMING TITLE |
火炎人類
オラフ・ステープルドン 浜口稔 編訳
ちくま文庫
カッスが山歩きの途中で拾った石を暖炉に投げ入れると、不思議な炎があがり、テレパシーで語りかけてきた。それは炎の形態をした知的生命体で、太陽系形成期に太陽から惑星とともに飛び出し、数十億年ものあいだ地球の石の中に閉じ込められていたのだ。火炎人類との対話を通して宇宙精神と生命の秘密に迫る表題中篇に、本邦初訳の珠玉の短篇群、『最後にして最初の人類』ラジオドラマ版、講演「惑星間人類?」他を収録した傑作選。MORE |
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【2025年の刊行予定】
金枝篇 第9巻 麗しのバルドル 上
J・G・フレイザー 神成利男訳 国書刊行会
ミステリの生命誌(仮)
マーティン・エドワーズ 渕上瘦平訳 国書刊行会 |
▼発売中 |
5月の新刊 ● NOW ON SALE |
復讐には天使の優しさを
イサク・ディネセン 横山貞子訳
白水Uブックス 発売中 2530円(税込) [amazon]
身寄りのない少女ルーカンとその親友ゾジーヌは、ロンドンの職業紹介所で、フランスの田舎に住む牧師夫妻から一年間の期限付きで養女にしたいという申し出を受ける。異国の地で平穏な生活を送り始めた少女たちは、やがてその裏側に隠された恐ろしい悪の存在を知ることに。圧倒的な悪の力に立ち向かう二人の運命は? 『アフリカの日々』の作家ディネセンが変名で発表、ナチス占領下のデンマークで暗い時代に生きる人々を魅了した、サスペンスと甘美なロマンスに満ちた冒険物語。MORE |
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3月の新刊 ● NOW ON SALE |
《オーストリア綺想小説コレクション 2》
男爵と魚
ペーター・マーギンター 垂野創一郎訳
国書刊行会 発売中 4400円(税込)[amazon]
カワウソ党の陰謀で故国を追われた魚類学の大家クロイツ‐クヴェルハイム男爵。いざ逆襲とばかりに、ウィスキー樽の中で600年前から生きているスコットランドの先祖の加勢を得て、気球戦団を率いてウィーン征伐に出発したはいいけれど、途中で思わぬアクシデントに見舞われてしまった。だがそれは世紀の発見への入口でもあった。神と人、獣と人が自在に交わる博物学の楽園で、ヨーロッパをかけめぐり、ホムンクルスや天上界の存在をも巻き込む一大ページェントここに開幕。MORE
「ジュール・ヴェルヌの《驚異の旅》シリーズを彷彿とさせる。もっとも、近代のテクノロジカルな感覚を主体としたヴェルヌ作品と対照的に、『男爵と魚』は錬金術医的な世界観、偶然が連鎖する劇的運命論、人智がおよばぬ超越的な宇宙の予感などが、平然と織りこまれる」(牧眞司氏評、WEB本の雑誌) |