フィリピントヨタ労組(TMPCWA)を支援する会
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不当労働行為救済申立に対する報告


トヨタ不当労働行為行政訴訟  最高裁判所に上告   2008年2月27日

最高裁・上告受理申し立て理由書 (pdf)
最高裁・上告理由書 (pdf)  



トヨタ不当労働行為行政訴訟  東京高裁不当判決  2007年12月26日

12月26日東京高裁控訴は私たちの提出した口頭弁論再開申し出をまったく無視し、控訴棄却の判決を言い渡した。判決理由は「労働委員会が国外の労使関係を対象とする救済を行うことはできないものというべきである」としている。私たちの提出した、トヨタ自動車がいかに不当にフィリピントヨタ労組潰しを行ったかについては一言もふれていない。

私たちが口頭弁論再開申し出で明らかにしたようにトヨタ自動車を中心とするフィリピン進出の日系企業がアロヨ政権に対し、資本撤退の脅しをかけ、フィリピントヨタ労組の闘いを阻止したのであり、日本の多国籍企業が自分たちの利益のためにフィリピントヨタ労組をはじめとするフィリピン民衆の闘いを潰しているのです。私たちはフィリピントヨタ労組の闘いに支援、連帯し続けることにより、反グローバリゼーションの闘いの最前線にいたったようです。

私たちは最高裁に上告し闘います。ご支援よろしくお願いします。

  東京高裁判決 12/26 (pdf)
  東京高等裁判所 2007・12・26判決批判 多国籍企業トヨタの組合つぶしを擁護! (pdf)


トヨタ不当労働行為行政訴訟  12月26日東京高裁へ  国際法無視の判決か!
 口頭弁論再開申し出を受理か!

「不当労働行為救済命令取消請求控訴事件」  12月26日(水) PM 1:15

国と裁判所は判決を急いでいます。
裁判所の弁論終結に対して、私たちは口頭弁論の再開を申し出ています。
  口頭弁論再開申出書 12/13 (pdf)
  陳述書 「トヨタは 労働者の反撃に対し、フィリピン政府をどのように脅したか! 12/12 (pdf)

私たちが提出している論点は明確です。
海外子会社の組合つぶしについて、
  日本トヨタは法律上の責任を問われないのか。
  日本の法律で救済することができないのか。
海外子会社の組合つぶしへのトヨタの加担について、
    日本トヨタは法律上の責任を問われないのか。
     日本の法律で救済することはできないのか。
日本トヨタの加担の新たな証拠を採用せよ! 

国側の主張も明確です。
日本の労組法は海外の労使関係には適用されない。

フィリピントヨタの親会社は日本トヨタです。このことは国側も認めています。現在の国際法の常識では海外での違法行為について親会社にも法的な責任があります。日本の司法はこの世界の常識に逆らっています。

そればかりでなく、日本トヨタはこの組合つぶしに明確に加担しています。フィリピントヨタ労組はフィリピントヨタだけから組合つぶしの攻撃を受けたのではありません。日本トヨタとその子会社であるフィリピントヨタの攻撃を受けたのです。私たちはこのトヨタの加担を証明する新たな証拠と証人を提起しています。

フィリピンの労働者はフィリピン国内からの組合つぶしからだけ保護されているのでしょうか。日本からの組合つぶしからは保護されないのでしょうか。日本の多国籍企業は海外に対して違法行為を行っても、法的な責任は問われないのでしょうか。国側の主張は日本の多国籍企業は海外に向けてどんな不当労働行為をやっても日本では無罪だ、フジモリ同様日本では守ってやるというものです。

こんな理屈が21世紀グローバル社会に通用させていいのでしょうか。

21世紀は明らかに多国籍企業の時代です。この世界の労働者、働く者にとって過酷な時代にあって一番大切なことは世界の労働者が競争しあうのではなく、結びつくことです。この時代に日本の労組法が海外の労働者を守るものでなかったならば、この日本の労組法は労働者のための法律ではなく、多国籍企業のための法律、帝国主義的な法律になってしまいます。私たちはそんな事態を許すわけにはいかない。

233名の解雇された労働者を目に浮かべて、この解雇された労働者と一緒に闘う職場の労働者を目に浮かべて、国境を越えて団結するために私たちの手をさらに伸ばさん!


トヨタ不当労働行為行政訴訟  東京高裁第一回弁論報告  2007年10月29日

 本日、午前10時より東京高裁824号法廷において、「不当労働行為救済命令取消請求控訴事件」の第一回弁論が東京高裁第12民事部の柳田幸三裁判長、白石史子裁判官、村上正敏裁判官により開かれました。
 わたしたちは国際人権法研究者の戸塚悦朗氏(龍谷大学教授)を証人申請しましたが、被告側弁護人は「日本の労働法になじまない内容であり証人は必要ない」と主張し、3人の裁判官は合議の上、証人申請を却下しました。そして、柳田幸三裁判長は「弁論をこれで結審」し、「次回12月26日(水)午後1時15分から判決を言い渡す」と述べ閉廷されてしまいました。

 2001年3月のフィリピントヨタ社によるフィリピントヨタ労組員への解雇攻撃とストライキの突入、4月、フィリピン労働雇用省長官によるスト停止と職場復帰命令。その間在フィリピン日本商工会議所などによるフィリピン政府に対する企業撤退の圧力等々、日本企業とフィリピン政府が一体となり、フィリピントヨタ労組へ不当な攻撃を加えたことは明白です。そうした日本の多国籍企業の海外における法律違反、労働基本権、人権侵害に対し東京高裁は明確な司法判断をするべきであり、証人申請をいとも簡単に却下することは許されない。

  控訴理由書 10/9 (pdf)
  原告準備書面と証拠申出書(証人申請) 10/24 (pdf)
  被告準備書面 10/26 (pdf)
  被告準備書面に対する批判 11/12

トヨタ不当労働行為行政訴訟  東京高裁第一回弁論案内  2007年10月

トヨタ不当労働行為行政訴訟 東京高裁第一回弁論
 10月29日(月) 10:00 824号室

戸塚逸朗 国際人権法・龍谷大学教授を証人申請

東京高裁は
   国境を越えた労使関係という事実から出発しなければならない!      

                                    フィリピントヨタ労組を支援する会
                                    全造船機械労働組合関東地方協議会
驚くべき東京地裁判決

 東京地裁判決は驚くべき判決を行った。地裁の主張はこのようなものである。
――日本国憲法が保障している労働者の団結権、団体行動権は日本国内の労働者を対象としたものである。したがって、日本の法律では海外で行われたこの団結権、団体行動権の侵害を裁くことはできない。また、その侵害行為が日本での親会社の指示、承認によって行われたものであっても、日本の労働組合法はその行為を裁くことはできない――

 つまり日本で行われた日本の法律に違反した行為であっても、団結権・団体行動権を侵害された労働者が日本国憲法の管轄外の外国にいるから日本の法律では救済されないというのである。

フィリピン労働者の団結権、団体行動権は守られなければならない
フィリピン法も国連の国際人権規約、ILO条約も
           労働者の団結権、団体行動権を認めている。

 いうまでもなく日本国憲法の団結権、団体行動権は海外の労働者のそれを保障するものではない。しかしフィリピンにおいても団結権、団体行動権は保障されている。また日本もフィリピンも労働者の団結権、団体行動権を保障する国連の国際人権規約、ILO条約などを承認している。したがって、フィリピン労働者への団結権、団体行動権の侵害は救済されねばならない。

 それはフィリピン(裁判所)の責務であるだけでなく、世界の責務である。
 フィリピン労働者に対する団結権、団体行動権の侵害の最終的な救済はフィリピンで行われねばならないが、日本トヨタの組合潰しの指示、承認についての救済は日本の労働組合法で行われる必要がある。つまり、日本トヨタはフィリピントヨタに労組つぶしを改めるよう指導しなければならない。

多くの発展途上国で傍若無人に振舞う多国籍企業

 現在多国籍企業は世界中で、とりわけ、発展途上国で大きな力を持っている。途上国のほとんどの国は法律上では労働者の団結権、団体行動権を認めている。しかし、途上国政府は資本誘致、技術移転、雇用確保などのため、多国籍企業を積極的に誘致している。そのため、途上国政府は多国籍企業の組合つぶしを事実上容認し、積極的に擁護している。多国籍企業は発展途上国の多くで傍若無人に振舞っている。

 フィリピンでもトヨタは合法的に獲得された団体交渉権を拒否し、それに抗議する労働者を233名も一挙に解雇した。その上、これに抗議するストライキで操業が停止するやフィリピン政府に「争議を正常化しないと資本を引き上げる」と圧力をかけ、フィリピン政府はスト中止命令を出した。それ以後もフィリピン政府はトヨタの御用組合育成を全面的に支援してきた。

国境を越える多国籍企業に対し、労働者も国境を越える
グローバル時代に立ち遅れる日本の司法

 途上国のほとんどの国では、国境を越えて活動する多国籍企業の強大な力によって、政府の強権で法律で認められた団結権、団体行動権が、現実的には否定されてしまっている。だからフィリピントヨタ労組は現地で闘うだけでなく国境を越えて全造船関東地協に加盟し、組合つぶしを指示し、承認している日本トヨタに団体交渉を申し込んだのである。つまり団体交渉の議題は国境を越えた労使関係であった。

 ところが東京地裁はこの国境を越えた労使関係をフィリピンの労使関係にすり替え、日本の労組法の適用範囲ではないとした。むろん、フィリピントヨタ争議は単なる日本の争議ではない、と同時に単なるフィリピンの争議ではない。それは、正確にはフィリピンと日本の国境を越えた多国籍企業トヨタの争議である。東京地裁は、このグローバルな時代に何十年も前の頭脳で「フィリピンか日本か」などと言っているのである。

 東京高裁は、東京地裁のような架空の世界ではなく、「国境を越えた労使関係」という明確な事実から出発しなければならない。


中労委救済申立却下取り消し訴訟 不当判決    2007年8月06日

判決は「原告の請求を棄却する」。
 理由は「不当労働行為の救済に関する我が国の労働組合法の規定の適用はないという他ないのであり、原告の主張は理由がないという結論になる。」つまり門前払いでした。
僅か数秒で終わり、判決文をうつむいて読み上げた渡邉裁判官はそくそくと退場しました。
以下判決文を紹介します。

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<主文>
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は、補助参加によって生じた費用を含め、原告の負担とする。

<事実及び理由>
第1 請求

中央労働委員会が、平成18年(不再)第53号事件について、平成18年12月6日付けでした命令を取り消す。

第2 事案の概要

1 原告は、多国籍企業である被告補助参加人らがフィリピン共和国に所在するToyota Motor Phlippines Corporation(以下「フィリピントヨタ社」という。)の支配企業であってフィリピントヨタ社の労働者の労働条件に実質的に重大な影響力を及ぼしている等とした上で、

(1)被告補助参加人トヨタ自動車株式会社が、フィリピン共和国においてフィリピントヨタ社がToyota Motor Phlippines CorporationWorkersAs-sociation(以下「フィリピントヨタ労組」という。)を労働組合として承認すらしていない事態を放置していること及びフィリピントヨタ労組の組合員の解雇問題につき、原告と協議すらしないことは不作為による支配介入に当たる。

(2)フィリピントヨタ労組の上部団体である原告が、上記のフィリピントヨタ社とフィリピントヨタ労組間の労働関係上の問題について、日本において被告補助参加人らに団体交渉を申し入れたのに対し、被告補助参加人らがこれを拒否したことは団体交渉拒否に当たる

と主張して、平成17年2月10日、神奈川県労働委員会に対し、被告補助参加人らを被申立人として不当労働行為救済申立てをした(神労委平成17年(不〉第1号事件、以下「本件申立て」という。)。

 神奈川県労働委員会は、平成18年8月4日、本件申立てに関しては我が国の労働組合法の適用はなく、原告に申立人適格を認めることはできないとして本件申立てを却下した(以下「本件初審決定」という。)。
 原告は、本件初審決定を不服として、同月22日、中央労働委員会に対し、再審査申立てをした(平成18年(不再)第53号事件〉ところ、中央労働委員会は、同年12月6日、本件申立ては、我が国の労働組合法を適用すべき労使関係に関する申立てとは認め難く、本件申立ては不適法なものであるとして再審査申立てを棄却するとの命令(以下「本件命令」という。)をした。
 本件は、原告が本件命令を不服としてその取消しを求めた事案である。

2 争点
本件において、我が国の労働組合法が適用されるか。

(1) 原告の主張
 原告が不当労働行為として主張している行為は、フィリピン共和国におけるフィリピントヨタ社による解雇等そのものではなく、多国籍企業でフィリピントヨタ社の支配企業である被告補助参加人らがフィリピントヨタ社の解雇等を容認又は放置していること及び原告が我が国で被告補助参加人らに団体交渉を申し入れたのに対して被告補助参加人らがそれを拒否したことである。したがって、本件は、我が国の労働組合法が適用されるべき事案である。

(2) 被告及び被告補助参加人らの主張
 原告の主張は、外国における労使関係において生じた労使紛争を問題とするものであるから、本件に我が国の労働組合法が適用される余地はない。

第3 当裁判所の判断

 労働組合法27条に定める労働委員会の救済命令制度は、日本国憲法28条の保障する労働者の団結権及び団体行動権の保護を目的とし、これらの権利を侵害する使用者の一定の行為を不当労働行為として禁止した労働組合法7条の規定の実効性を担保するために設けられたものである。したがって、不当労働行為の救済に関する我が国の労働組合法の規定は、我が国に存在する労使関係に対して適用されるものと解するのが相当である。

 確かに、本件申立ては、我が国国内の労働粗合である原告が、国内の企業である被告補助参加人らに対し、一定の対応と団体交渉を申し入れたのにこれを拒否したことを不当労働行為であると主張するものであるが.この主張の実質は、結局のところ、フィリピン共和国におけるフィリピントヨタ社とその労働者又はフィリピントヨタ労組との間の労使関係において生じた労使紛争の救済を求めるもので、国外の労使関係を対象としたものというべきである。

 そうすると、本件においては、不当労働行為の救済に関する我が国の労働組合法の規定の適用はないという他ないのであり、原告の主張には理由がないという結論になる。

 以上によれば、本件命令は適法であり、原告の請求は理由がないのでこれを棄却することとし、主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第36部
裁判長 裁判官 渡邉弘
      裁判官 山口均
      裁判官 田辺暁志

 東京地裁判決 (pdf)


中労委救済申立却下取り消し訴訟 第2回弁論報告    2007年7月02日

本日午前10時、東京地裁722号法廷で開廷。裁判長は本日の弁論で結審である旨を述べ、
「次回8月6日(月)午前11時に判決を出す」と極めて事務処理的に申し渡しました。
具体的な審理などは一切なく、10時5分には閉廷しました。裁判長の審理指揮からは、明らかにこちら側の完全敗訴を予感させる程の雰囲気が傍聴者全員に伝わりました。

弁論終了後の報告会で井上弁護士から、出されるであろう判決理由が到底納得出来ないなら、当然上級審での再審を求めるものとなるであろうとの締めくくり発言がありました。
傍聴参加者は合計14名、愛知の会からの参加もあり、ご苦労さまでした。

フィリピントヨタ労組を支援する会事務局長 小嶋

被告・中労委側の準備書面 6/28 (pdf)

原告準備書面1 6/25 (pdf)


中労委救済申立却下取り消し訴訟 第2回傍聴のお願い    2007年6月

フィリピントヨタ労組へのご支援大変ありがとうございます。
さて、フィリピントヨタ不当労働行為救済中労委命令取消行政訴訟の第二回弁論が
7月2日(月)東京地裁722号法廷で午前10時から開かれます。
第一回弁論において、 裁判長は冒頭陳述が迷惑な様子で、仕方なく陳述を認め、せっかちに一刻も早く決着を付けたい感じで、中身に入らず直ぐに裁判を終わらせたいような口振りでした。裁判長の横暴を許さず、多くの方の傍聴をよろしくお願いします。

中労委救済申立却下取り消し訴訟 第1回弁論報告    2007年5月07日

裁判の原告側傍聴者は井上弁護士も含めて16名が参加しました。
裁判長、中労委側は傍聴者の数が気になるらしく、小嶋の冒頭陳述の間中、しきりに傍聴者の人数を数えていました。
トヨタ、三井物産の弁護士たちも補助参加人として出席し、中労委側の末席に座って居ましたが、自分たちが中心であると言うような素振りをしているように感じました。
裁判長は冒頭陳述が迷惑な様子で、仕方なく陳述を認め、せっかちに一刻も早く決着を付けたい感じで、中身に入らず直ぐに裁判を終わらせたいような口振りでした。

次回の弁論期日は7月2日(月) 午前10時から 722号法廷です。
更なるより多数の傍聴を宜しくお願いいたします。

フィリピントヨタ労組を支援する会
事務局長     小嶋

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当日の原告側冒頭陳述書

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陳 述 書

私は原告を代表して、なぜ私たちがこの訴えを起こさなければならなかったのかについて、その理由と私たちの考えを、以下のとおり申し上げます。どうか裁判所におかれましては、この点に十分なる考慮をお払い下さいますようお願い致します。

 [一] この事件の基になっている事実関係はフィリピンにおける労働者の団結権・団体交渉権・争議権をめぐっての問題にあるという点で外国が一つの舞台ですが、このような労働者の基本的権利を侵害している使用者側の不当労働行為から捉えるならば、むしろ事件の主舞台はわが国にあると言えます。なぜならば、フィリピンの当該企業は日本企業の、それも今や売上高・利益とも世界ナンバーワンとなった多国籍企業トヨタ自動車の現地法人であり、日本のトヨタ自動車株式会社こそが責任を負う立場にあると考えるからです。

トヨタ自動車が海外で労働者いじめをしているというと、心ある人たちから、「まさかコンプライアンスや企業の社会的責任を標榜しわが国企業の模範的存在となっているトヨタがそのようなことをする筈がない。労働者の側に何か非があるのではないか、それを伏せての一面的なプロパガンダではないのか。」といったような反響が聞かれることがあります。ところが私たちの訴えていることは真実なのです。具体的な事実については、岩波書店の雑誌『世界』に載っている金子・遠野両氏の論文(金子文夫・遠野はるひ「トヨタはフィリピンで何をしているか」同誌2006年12月号)に詳しく述べられています。

フィリピントヨタ労組はフィリピン労働法に基づく組合承認投票で労働者の過半数の支持を獲得し、フィリピン最高裁がこの組合を唯一交渉団体であると認めたのに、フィリピントヨタ自動車は「まだ高裁に懸かっている事件の結論が出るまでは団交に応じる義務はない」と言い張り、4年間にもわたり団交拒否をしてきました。その一方で着々と会社の息のかかった新組合を準備し、フィリピン政府(労働雇用省)の助力のもとに新たな組合承認投票を強行し、高裁の事件の結論が出ていないにもかかわらず、この新組合を唯一交渉団体と認知し労働協約を締結してしまったのです。このようなやり方は国際労働機関(ILO)でも87号および97号条約に違反するとして問題にされています。また世界的な金属労働者の労働組合である国際金属労連(IMF)もトヨタのやり方に対する国際的な批判を強めています。

私たちは、このような国際的世論にさからってフィリピントヨタ自動車が事を強行するのは、その総元締めである日本のトヨタ自動車の指示や承認といった強い意思が働いていると考えます。また、現地の誤った対労働者関係方針を正し、正常化させていく責任を日本のトヨタ自動車は負っていると考えます。

[二] そういうことからフィリピントヨタ労組はやむにやまれず一縷の望みを託して日本の私たちの組合に加盟し、私たちは日本のトヨタ自動車との団交応諾を求めて不当労働行為の申立を行いました。しかしながら労働委員会、とりわけ二審の中央労働委員会は、わが国の企業が海外においてゆゆしき労働問題を引き起こしていることに労働行政機関としてまともに対処することなく、いとも簡単に「わが国の労働組合法はわが国内の問題にしか適用されない」という勝手な解釈のもとに、「本件は外国の問題であるから労組法の適用対象外である」という木で鼻を括ったような判断で、私たちの必死の思いからの申立を一方的に斥けてしまいました。

そのため私たちは、中労委の法令解釈にも審理の進め方にも、判断の結論にも、どうしても納得がいきません。この上は司法機関のご判断を仰ぐしかないということでこの訴えを起こした次第です。

 [三] 私たちはかって日本のある造船会社のフィリピンでの公害輸出問題に関わったことがありました。フィリピンのセブ島で新造船の建造と老朽船の解撤工事(解体)の操業が始められたことから、周辺の海が重金属、廃油等により汚染され、大きな環境汚染が引き起こされました。私たちは造船労働者と言う立場で住民からの相談にのりました。その結果、企業側の杜撰な対応が多数判明し、日比両国の環境省、経済産業省、国土省、そして国会等でも大きな問題となり、国際法であるバーゼル条約にも抵触し、結局日本の造船会社は船の解体事業を断念し撤退せざるを得なくなりました。

 このようなフィリピンセブ島での一定の成果を知ったフィリピントヨタ労組は私たちに国際的な支援要請をして来たわけです。私たちは、フィリピンの造船所に公害が輸出されたと同じように、日本からフィリピントヨタ社に不当労働行為が輸出されていることを知りました。日本の多国籍企業がアジア諸国で問題を起こすことは、正に国境を越えた国際的労働問題の輸出だと考えます。

 [四] フィリピンでは、今、労働者・農民・社会運動家・宗教指導者たちに対する国軍による暗殺が横行し国連の人権理事会でも大問題となっています。アロヨ政権が誕生した2001年以降、既に830名以上の指導者たちが暗殺され続けています。去る3月に、フィリピントヨタ労組のエド・クベロ委員長がトヨタ自動車本社への抗議・要請、OECD−NCP(日本ナショナルコンタクトポイント)への陳情、日本の労働者への連帯アピールのために短期間来日しましたが、彼もまた命を狙われる危険を常に感じており、フィリピンの空港に戻った後、妻子の待つ我が家には直ぐに帰ることが出来ないのだと心配しながら帰途についたほどでした。

 [五] このようなフィリピンの現実を知らされるとき、彼らが家族と安心して生活出来るように、この労使紛争の一刻も早い解決が不可欠です。私たちは日本の労働者・国民・企業経営者・法律家・政治家・政府がみな何ほどかの重い責任を負っていることを自覚しなければならないのではないかという思いをもっています。

以上申し述べました理由と考えから、私たちはこの訴えを起こしました。裁判所の公正な判断を切に期待いたします。

以上

平成19年5月7日

原告・全日本造船機械労働組合関東地方協議会
神奈川地域労働組合執行委員
フィリピントヨタ労組を支援する会事務局長
小 嶋 武 志

東京地方裁判所民事第36部御中


中労委救済申立却下取り消し訴訟 第1回傍聴のお願い    2007年4月27日

 フィリピントヨタ不当労働行為救済申し立て却下命令取消請求の第一回弁論が5月7日(月)東京地裁722号法廷で午前10時から開かれます。
当日、午前9:30より裁判所前にてビラ配布を行います。ご参加と傍聴をよろしくお願いします。

フィリピントヨタ労組を支援する会         
全造船機械労働組合関東地協協議会
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中央労働委員会決定の取り消し請求
多国籍企業トヨタの本国、日本でトヨタに有罪を!

2007年4月27日          

全造船機械労働組合関東地方協議会のトヨタ不当労働行為の救済再審査申し立てを、中央労働委員会は日本の労働組合法は「わが国に存在する労使関係に適用される」のであり、「国外において生じている労使紛争」には適用できないとして棄却した。

 この命令はきわめて時代錯誤的なものである。今やトヨタ資本に限らず多国籍企業は国際化、グローバル化している。トヨタが多国籍企業とかグローバル企業といわれるのは、日本にあるトヨタ自動車がその資本を世界的に展開しているからである。つまり、この展開されて外国にあるトヨタが、例え独立法人であっても、また各国の外資制限で合弁の独立法人であっても、その全体がトヨタというブランド名が示す理念と世界戦略の下に資本のみならず人・技術・部品供給などで結び付けられた単一の有機体なのである。

したがって、現在の社会では多国籍企業、グローバル企業の行動を巡って企業と消費者の関係、企業と地域住民の関係、企業と労働者の関係は不可避的に国際化し、不当労働行為も国境を越えたものになり、不当労働行為の救済を求める行為もまた国境を越えたものになる。昨年9月のフィリピントヨタ労組233名の解雇撤回、団体交渉の開始を求める国際金属労連(IMF)を中心とした世界45ヵ国の労働者の闘いがそのことをはっきりと示している。

私たちが救済を求めているのは「国外において生じている労使紛争」ではない、このトヨタ自動車の国境を越えた不当労働行為についてである。フィリピントヨタ労組が不当労働行為を受けたのは確かにフィリピンにおいてである。しかしこれはフィリピントヨタ単独の行為ではなく、多国籍企業トヨタとしての行為であり、日本のトヨタ自動車が指示、もしくは承認を与えている行為である。このことの救済を私達は求めているのである。このトヨタ自動車は日本の企業である。そして救済を申し立てたのは不当労働行為を受けたフィリピントヨタ労組を傘下に持つ日本の労働組合である。すなわち日本の企業が国境を越えて行った不当労働行為を、当該組合を国境を越えて組織している日本の労働組合が救済申し立てしたのである。

ところがこの「命令」は、時代錯誤にもこの国境を越えて争われている労使紛争を勝手に「国外の労使紛争」に歪曲して、トヨタ自動車が世界で行う国境を越えた違法行為を免罪してしまった。

 問題を深刻にしているのは、日本のトヨタ自動車は違法行為まみれの企業であり、とりわけ労使関係の不法に関しては確信犯的な企業であること、またフィリピンは多国籍企業の不当労働行為が野放しにされ、司法の判決も実施されないことが多いことである。

昨年マスコミは多くのトヨタグループとその下請の違法行為を報道した。偽装請負、違法派遣、偽装出向、不当労働行為、労災隠し、最低賃金・残業割増違反、強制労働、リコール隠し、架空販売、粉飾決算、汚水排出、税申告違反など、実に11件である。このように違法行為が多発し、特に下請で労使関係の違法が構造化しているのは、トヨタが海外で企業から独立した労働組合に対する違法行為を重ね、それに慣れてきたためである。

フィリピンではフィリピン最高裁判所がフィリピントヨタ労組の団体交渉権を認めても、フィリピントヨタは団体交渉を拒否し続けている。フィリピン・ネスレは最高裁が退職金が団体交渉事項であると判決しているにもかかわらずこの団体交渉に応じない。フィリピン日産は最高裁が一般組合員の復職を求める判決を出しても復職に応じない。重要なのは,これはフィリピンにとどまらず多くの発展途上国で起きていることである。多国籍企業は多くの発展途上国でまさしく傍若無人に振舞っている。

 発展途上国、そしてフィリピンでも労働者の労働基本権を確立する闘いは前進していくに違いない。しかし、多国籍企業国境を越えた違法行為は現地だけではなく本国でも裁かれる必要がある。多国籍企業中枢が世界に対して行っている不当労働行為を断罪する必要である。フィリピントヨタの団体交渉拒否から7年、解雇から8年が経過している。トヨタ中枢はこの事実を周知しており、例えこのトヨタの行為が当初トヨタ中枢の指示によるものでなかったとしても、トヨタ中枢がそれを承認し続けてきたことは明白である。これはトヨタの明確な犯罪である。そしてトヨタの海外に向かって犯罪行為を行い続けながら国内では違法行為を行わないなどということはありえないのである。

国境を超えた多国籍企業の不当労働行為は現地と本国の両方で裁かれなければならない。


再審査申立棄却取消しを求め中央労働委員会を提訴    2007年4月2日

 フィリピントヨタ労組が加盟する全日本造船機械労働組合関東地方協議会神奈川地域労働組合は本日、東京地裁に中央労働委員会が昨年12月に下した、「再審査申立てを棄却する命令」を取り消す訴状を提出しました。

訴状 (pdf)

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提訴前の記者会見のお知らせ

日時:4月2日PM 2時
場所:厚生労働省記者会

トヨタの海外での労働組合つぶしを免罪する「中労委決定」の取り消しを求めて東京地裁に提訴

フィリピントヨタ労組委員長とフィリピン日産労組副委員長が、告発のため来日

今、多国籍企業は世界中で、とりわけ発展途上国で傍若無人のごとく振舞っています。
しかし、昨年12月中央労働委員会は、全造船関東地協の多国籍企業トヨタのフィリピンでの労働組合つぶしに関する再審査申し立てを棄却しました。この命令は日本の多国籍企業の海外での組合つぶしを野放しにするものであり、到底容認できるものではありません。全造船関東地協はこの命令の取り消しを求めて4月2日東京地方裁判所に訴えます。

これに合わせて、今回フィリピンから日本の多国籍企業の組合つぶしと7年も闘っている二つの組合の指導者を招きました。フィリピントヨタ労組委員長エド・クベロ氏とフィリピン日産労組副委員長ロデル・ディオレータ氏です。

この二つの組合は2001年に労働組合つぶしのための大量解雇攻撃を受けました。そして昨年末フィリピン最高裁はフィリピン日産の労働者144名の職場復帰と過去分賃金の支払いを命じました。しかしフィリピン日産もまたこの司法の最高機関の判決に従おうとしません。

この二つの組合は日本の多国籍企業の下でいつ終結するかわからない厳しい闘いを現在も続けています。

ぜひ、実情を知っていただきたく、記者会見にお越しいただけますよう、お願いします。

記者会見の毎日新聞報道

中労委、再審査申立を棄却!トヨタの国境を越えた不当労働行為を免罪!   

中央労働委員会、トヨタの国境を越えた不当労働行為を免罪!

多国籍企業トヨタの母国、日本でトヨタに有罪を!

2007年1月25日
フィリピントヨタ労組を支援する会

 20061220日中央労働委員会は全造船機械労働組合関東地方協議会のトヨタ不当労働行為の救済再審査申し立てを棄却した。理由は神奈川県労働委員会の判断と同様で、日本の労働組合法は「わが国に存在する労使関係に適用される」のであり,「国外において生じている労使紛争」には適用できないというものである。

中央労働委員会は 事実を歪曲し、
   トヨタの海外への不当労働行為指示を免罪する

 この命令は事実を正しく捉えていない。いうまでもなく、今やトヨタ資本に限らず多国籍企業資本は国際化、グローバル化している。トヨタが多国籍企業とかグローバル企業といわれるのは、日本にあるトヨタ自動車がその資本を世界的に展開しているからである。つまりこの展開されて外国にあるトヨタが、例え独立法人であっても、また各国の外資制限で合弁の独立法人であっても、その全体がトヨタというブランド名が示す理念と世界戦略の下に資本のみならず人・技術・部品供給などで結び付けられた単一の有機体なのである。

 したがって、現在の社会では多国籍企業、グローバル企業の行動を巡って企業と消費者の関係、企業と地域住民の関係、企業と労働者の関係は不可避的に国際化、グローバル化し、不当労働行為も国境を越えたものになる。それに対して不当労働行為の救済を求める行為もまた国境を越えたものになる。昨年国際金属労連(IMF)を中心としてフィリピントヨタの233名の解雇撤回、団体交渉の開始を求める闘いが世界45ヵ国で闘われたのはこの労働者の闘いもまた国境を越えるのだということを現実の運動で示すことになった。

 私たちが救済を求めているのは「国外において生じている労使紛争」ではない、このトヨタ自動車の国境を越えた不当労働行為についてである。フィリピントヨタ労組が不当労働行為を受けたのは確かにフィリピントヨタからである。しかしトヨタ自動車はこのフィリピントヨタの行為を指示もしくは承認している。このことの救済を私達は求めているのである。このトヨタ自動車は日本の企業である。そして救済を申し立てた日本の労働組合である全造船労働組合関東地協である。そしてフィリピントヨタ労組は全造船労働組合関東地協の傘下団体であり、全造船機械労働組合関東地協は当事者組合としての資格を持っている。すなわち日本の企業が国境を越えて行った不当労働行為を、当該組合を国境を越えて組織している日本の労働組合が救済申し立てしたのである。

 ところがこの「命令」は、時代錯誤にもこの国境を越えて争われている労使紛争を勝手に「国外の労使紛争」に歪曲してしまったのである。そしてこの国外の紛争には日本の労働組合法は適用できないとして、トヨタ自動車の世界中に対する国境を越えた違法行為を免罪してしまった。むろん単なる海外の労使紛争であれば日本の労組法が適用されることはないであろう。しかし問題となっているのは日本の企業の国境を越えた行為であり、この国境を越えた不当労働行為を改めよといっているのである。もしトヨタがこれを改める必要がないならば、日本の多国籍企業は日本から世界に組合潰しの指示をやりたいだけやってよろしいということになってしまう。

過労死生産方式=組合潰し生産方式で違法まみれのトヨタ自動車

 問題を深刻にしているのは、日本のトヨタ自動車は違法行為まみれの企業であり、とりわけ労使関係の不法に関しては確信犯的な企業であること、またフィリピンは大国や多国籍企業の違法行為を司法が裁いてもその判決が実施されないことが多く、多国籍企業の違法行為が放置されていることである。

 昨年7月以来マスコミは次から次とトヨタの国内の違法行為を報道した。トヨタの違法行為に焦点を合わせながら2006年のトヨタの出来事を下にざっと整理してみたが、マスコミ報道だけで、偽装請負、違法派遣、偽装出向、不当労働行為、労災隠し、最低賃金・残業割増違反、強制労働、リコール隠し、架空販売、粉飾決算、汚水排出、税申告違反など、実に11件である。このように違法行為が多発し労使関係では不法が構造化しているのは、トヨタ生産方式が「過労死生産方式」であり、「労働組合潰しの生産方式」だからである。トヨタは従業員の過労死をいとわないし、御用組合しか認めない。いうまでもなく、私人であればこれだけの不法行為を重ねれば公的な社会から確実に追放され,零落する以外ない。しかし,法人としての巨大企業は生き延びるのであり、違法行為をものともせず世界中に膨張し利益を拡大し続け、世界に「過労死生産方式」「労働組合潰しの生産方式」を広めている。


発展途上国で傍若無人に振舞う多国籍企業

新春早々新聞が伝えている。昨年フィリピン米兵レイプ事件で地方裁判所が有罪判決を出し米兵はフィリピン政府に引き渡された。しかし、アメリカ政府は米兵控訴の後に米兵をアメリカに引き渡さないと共同演習を拒否するとフィリピン政府を恫喝し、フィリピン政府は米兵を再びアメリカ大使館に引き渡した。フィリピンは八千万人超の人口を要する発展途上国では大国のひとつである。にもかかわらずフィリピン政府は戦前にタイムスピリットしたかのようにアメリカに屈従している。このことはフィリピン政府が自国民の利益よりも日米欧諸国の利害を優先せざるを得なくなっていることを示している。

 フィリピントヨタ問題でも、フィリピン政府はフィリピン最高裁判所がフィリピントヨタ労組の団体交渉権を認めても、トヨタ(フィリピントヨタ)がそれを認めない限りトヨタの団体交渉拒否を放置している。これはトヨタに対してだけではない。フィリピン・ネスレ、フィリピン日産争議でも同じである。フィリピン日産争議では「最高裁は、去る2006年10月31日にその最終判決を下して、事件の明確化を発した。判決は、16名の組合執行委員を解雇としながらも、144名以上の日産の正規労働者を復職させることを命じた。」(「ニュースリース」2006・11・28より) しかしなんと!驚くべきことに日産は、交渉の席で職場復帰でなく退職金、それも「25名の退職金についてのみ解決に応じる」(「同」2007・1・11)と言い放っている。

 また,これはフィリピンに限らない。政治的な問題はともかく労使紛争に関する限り、中南米などの一部政権を除いて発展途上国のほとんど全ての政権が多国籍企業を擁護し労働者を弾圧する。人口13億を数え購買力平価GDP世界第二位、市場為替レートでもGDP世界第四位の大国中国ですら例外ではない。日米欧の多国籍企業は世界人口の85%を占める発展途上国でまさに傍若無人に振舞っている。そして、いまや日米欧諸国においても同様に振舞おうとしている。

多国籍企業本国でこそ闘いを

トヨタは御用組合以外の労働組合潰しの確信犯である。そして多国籍企業とその政府がフィリピンに大きな力を持っているがゆえに、発展途上国では日本のトヨタとフィリピントヨタの組合潰しを止めさせることは極めて困難である。だとするなら、やはり私達は多国籍企業トヨタの母国でトヨタを追い詰めなければならない。トヨタがフィリピントヨタの不当労働行為を指示または容認し続けていることが犯罪であるという判決を獲得することが必要である。

 私達はあきらめるわけにはいかない。多国籍企業のグローバル化によって発展途上国の貧困と不法が日米欧諸国にも持ち込まれている。日本における「働いても貧しい」人々の急増、そして下に示したトヨタの日本での違法のオンパレードはそのことを示して余りある。多国籍企業の違法行為を根本からなくすためには資本主義の先進諸国で彼らの違法行為を改めさせるだけでなく発展途上国での不法状態を改めさせることが必要である。労働者がグローバルに団結して多国籍企業の横暴を一つ一つ潰していかねばならない。

 世界の労働者の団結で、フィリピントヨタの闘いを勝利させなければならない。
 
世界製造業NO.1企業トヨタに勝利しなければならない。


トヨタ2006年、違法行為のオンパレード!
 
060429 05188万台リコール(01年の3倍)、系列部品メーカー年間20件超の労災死亡事故、「レクサス」一万一千台全車リコールを受け、特別に品質だけの専任専務をおく
060425 日本乗用車8社、海外生産初の1千万台、初の内外逆転
060510 北米トヨタ大高英昭社長セクハラ。 060804和解
060624 品質担当副社長 調達・技術の2人体制に
060712 トヨタ3人の品質保証部長リコール隠しで書類送検
060804 トヨタ労組パート労働者(看護士)を組合員に、そしてユニオンショップ協定
060806 トヨタ系部品メーカー「光洋シーリングテクノ」偽装請負
060813 トヨタ車体精工 労災隠し
060904 トヨタ下請けベトナム人研修生・実習生、最低賃金違反、残業割増違反
060919 トヨタ車体精工、違法派遣を直接雇用に改めるに当たって、労災内部告発者を対象から除外
061006 日野自動車1100人偽装出向受け入れ
061010 大阪トヨタ架空販売,元室長ら4人逮捕
061029 郵政公社、トヨタ生産方式で混乱
061030 日本貨物鉄道名古屋市南貨物駅でトヨタ自動車向け専用列車
061104 トヨタ2006年度予測、売上23兆円、営業益2兆円、純利益14500億円
061108 トヨタ いすゞへ出資、ディーゼル共同開発
061206 トヨタ07年海外生産440万台、国内を逆転へ(日野・ダイハツを除く)
0612xx トヨタ下請けベトナム人研修生・実習生、強制労働
061214 トヨタ期間満了期間従業員を関連会社に紹介
061217 ミサワホーム九州の粉飾決算
061223 トヨタ07世界生産体制942万台へ GM抜き首位か
061227 トヨタ自動車横浜事業所汚水排出で子会社社長罰金略式命令
061230 トヨタ60億円申告漏れ、部品を安く売って海外子会社支援


中央労働委員会、再審査申立を棄却!    2006年12月20日

 2006年12月20日、中央労働委員会は、トヨタがフィリピントヨタ労働者に対して行った不当労働行為について、フィリピントヨタ労組の上部団体である全造船関東地協の再審査申立てを却下した。理由は神奈川県労働委員会と同じ判断で、日本の労働組合法は「我が国に存在する労使関係に適用される」のであり、「国外において生じている労使紛争」には適用できないというものである。

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平成18年12月20日 中央労働委員会事務局

第二部会担当審査総括室

トヨタ自動車外1社不当労働行為再審査事件
(平成18年(不再)第53号)命令書交付について

 中央労働委員会第二部会(部会長 菅野和夫)は、平成18年12月20日、標記事件に係る命令書を関係当事者に交付したので、お知らせします。命令の概要は、次のとおりです。

I 当事者   
再審査申立人  全日本造船機械労働組合関東地方協議会神奈川地域労働組合
                   (「全造船神奈川労組」)

再審査被申立人   トヨタ自動車株式会社(「トヨタ自動車」)
                         三井物産株式会社(「三井物産」)

II 事案の概要  
1  本件は、(1)トヨタ自動車が、フィリピン共和国内においてフィリピントヨタ自動車(「TMPC」)がフィリピントヨタ労働組合(「TMPCWA」)を労働組合として承認しない事態を放置していること、及びTMPCWAの組合員の解雇問題についてTMPCWAが加盟した全造船神奈川労組と協議しないこと、
(2)トヨタ自動車及び三井物産が、上記解雇問題等についての全造船神奈川労組の団体交渉申入れを拒否したことが不当労働行為であるとして、平成17年2月10日、全造船神奈川労組が神奈川県労働委員会(「神奈川県労委」)に救済申立てを行った事件である。

2  神奈川県労委は、本件救済申立てを却下したところ、全造船神奈川労組は、これを不服として、平成18年8月22日、初審決定の取消し及び請求どおりの救済を求めて、再審査を申し立てた。

III 命令の要旨  
1  命令主文
  本件再審査申立てを棄却する。

2  判断
 本件初審申立て及び再審査申立てによれば、再審査申立人が不当労働行為であるとするのは、フィリピン共和国内に所在する企業であるTMPCと、同企業に雇用される労働者が同国内において組織した労働団体であるTMPCWAとの間の、同国内での労使関係において生じているTMPCWAの労働組合としての承認及び同団体の組合員の解雇等を巡る紛争に係るものである。

すなわち、本件は、フィリピン共和国内で営まれるTMPCとその労働者間の労働関係を基礎に同国内において存在しているTMPCとTMPCWA間の労使関係から生じた紛争について、TMPCWAが日本国内に所在する労働組合(全造船神奈川労組)に加盟し、同組合が、当該労使関係における使用者であるTMPCの労働者の「労働条件について実質的に重大な影響力を及ぼしている」と主張する日本国内の企業(トヨタ自動車及び三井物産)に対し当該紛争に関する対応を求め、団体交渉を申し入れたものである。

我が国の労働組合法は、我が国に存在する労使関係に適用されると解されるところ、上記のように本件救済申立ては、我が国の国内の労働組合が国内の企業を相手に申し立ててはいるが、本件救済申立ての内容は、国外の労使関係において生じている労使紛争について、国内の労働組合が当該紛争への関わりをもって、当該紛争に関係すると主張する国内の企業に対し交渉と対応を求めるものであるから、我が国の労働組合法を適用すべき労使関係に関する申立てとは認め難い。

したがって、労働委員会としては、本件の不当労働行為救済申立てを審査する権限を有せず、本件救済申立ては不適法なものであり、これを労働委員会規則第33条に基づき却下した初審決定は相当である。

【参考】
初審救済申立日  平成17年2月10日(神奈川県労委平成17年(不)第1号)
初審命令交付日  平成18年8月8日
再審査申立日  平成18年8月22日

中央労働委員会命令書原文 (pdf)

神奈川県労働委員会への審問開始要請署名活動へのお礼とご報告

                                                 2006年9月4日
各労働組合・市民団体各位へ
                                   フィリピントヨタ労組を支援する会
                                     共同代表  山際正道
                                   全造船機械労働組合関東地方協議会
                                     議長  宇佐美雄三

 日頃の貴職の労働者支援の諸活動に対して敬意を表します。また当「フィリピントヨタ労組を支援する会」へのご支援・ご協力に感謝いたします。

 さて、フィリピントヨタ労組とその上部団体である全造船機械労働組合関東地方協議会は、2005年2月神奈川県労働委員会に対して団体交渉拒否の不当労働行為の救済を求めて申し立てを行いました。県労働委員会は、この申立てを受理し調査活動を進め当事者に対して救釈明を求めてきました。

 私たちは積極的に対応しましたが、トヨタ側は、一貫して建前的法律論を主張するばかりで審問入りに抵抗してきました。そこで私たちは、多くの皆様のご協力いただく中で審問が開始されます事を目指し県労働委員会に向けた署名活動に取り組みました。幸い多くの皆様のご理解ご協力を得ることができ6月14日、7月31日の2次にわたり合計800枚余の署名を結集し、県労働委員会に提出、審問開始について強く要請いたしました。

 しかしながら8月4日「申し立て却下」のが決定され通知されました。皆さんのご支援の中このような結果になりました事は、大変に申し訳なく残念に思っています。8月22日に中央労働委員会に対して再審査の申し立てを行いました。

 現地では労働雇用省に対する要請行動を行うとともにその間に生じた不当弾圧を跳ね返しながら闘いを継続しています。一方ILOから第4次勧告が出されIMFにおいても全世界での抗議行動が展開されるなど運動は、着々と前進しています。 

 今「順風満帆」といわれるトヨタには、大量リコールに見られる技術力の問題、北米トヨタ社社長によるセクハラ事件に見られる人事の問題、下請け企業による偽請負事件の問題など多国籍な世界企業の屋台骨を揺るがしかねない事態が生じています。トヨタ自らがこれらの問題を克服するためには、世界が認めるILOの労働法制等を遵守し、労働者・労働組合を重視する姿勢を確立することこそ重要です。その第1歩として、フィリピントヨタでの労使紛争をILO・IMFの支援を受けるフィリピントヨタ労組の主張に沿って解決を図ることが求められています。

 私たちは、必ず勝利することをめざし闘うフィリピトヨタ労組を支援してゆきますので、引き続き皆様のご支援をお願いして御礼といたします。


中央労働委員会に再審査申立   2006年8月22日

       再 審 査 申 立 書
                                  平成18年8月22日

中央労働委員会 御中
                      全日本造船機械労働組合
                      関東地方協議会神奈川地域労働組合
(当事者の表示)
  再審査申立人      全日本造船機械労働組合
                 関東地方協議会神奈川地域労働組合
  再審査被申立人    トヨタ自動車株式会社
  再審査被申立人    三井物産株式会社


 神奈川県労働委員会が、平成17年(不)第1号事件につき平成18年8月4日に決定し、同月8日に申立人に交付された却下決定は全部不服であるから再審査を申し立てる。

          不服の要点

 初審決定を取り消し、初審で請求した救済内容を認容すること

すなわち、
1)再審査被申立人トヨタ自動車株式会社は、フィリピントヨタ(TMPC)をして、同社が2001年3月16日にフィリピントヨタ労働組合(TMPCWA)の組合員227名に対して行った解雇を撤回し、すみやかに職場に復帰させる。

2)再審査被申立人トヨタ自動車株式会社は、TMPCをして、別紙記載の各組合員に対し、別紙記載の金員を支払うようにさせること。

3)再審査被申立人トヨタ自動車株式会社は、TMPCにTMPCWAを労働組合として認めさせること。

4)再審査被申立人らは、前3項目の労働問題につき、日本において再審査申立人(関東地協)と誠実に団体交渉をすること。

5)ポストノーティス(謝罪文の掲示)。

          不服の理由

1、労働組合法の適用
 初審決定は、本件で救済が求められているのは、フィリピン国内における労使関係であって、我が国からすれば「外国における労使関係」であるとして労組法の適用がないとした。
 しかしながら、再審査申立人が求めた救済内容には、究極的にはフィリピン国内における労使紛争の解決に役立つのであるが、第一義的には多国籍企業であり日本国内の株式会社である再審査被申立人らが紛争解決に乗り出すこと、及びそのために再審査申立人と団体交渉をすることを求めているのであって、再審査被申立人らが紛争を解決せず、団体交渉にも応じないということ自体は「国内における」労使紛争であって、労組法の適用がないと決めつけることはできない。

 この点でいえば、再審査申立人は、フィリピン現地法人であるフィリピントヨタに直接紛争解決をすることを求める申立をしているわけではなく、日本国内の法人である再審査被申立人らに対して彼らができる救済で、かつすべき救済を求めているだけであって、初審決定は、そもそも事案の捉え方が間違っている。
 また、多国籍企業の社会的責任の観点からすれば、海外子会社で生じた紛争や問題について、それを本国の本社が放置しておくこと自体が問題視されるのであって、その本社の姿勢自体は本国たる日本国内で、日本国の労働組合法を含む諸軌範に照らして責任追求されてしかるべき問題である。

 なお、米国NGOの「国際労働権利基金」はミャンマーの軍事政権と米国系石油会社のパイプライン建設で起きた強制労働を米国の裁判所に訴え、昨年、企業側が原告の労働者たちに和解金を支払って解決している。その際、米国で提訴する根拠となったのが、米国建国当時、領海外の海賊対策でできた「外国人不法行為請求権法」であるが、米国外の行為でも米国内で物やサービスを売る会社なら責任を問われると裁判所も認めたのである。不安定な政情や政府と企業の密接な関係から、現地での解決が難しいことが多い中で、米国の裁判によって、企業は世界のどこでも社会的責任が問われる時代に入ったことを示す事例である。

 初審決定が、「外国における労使関係」であるとした本件紛争についても、米国において提訴される可能性は十分にあるわけで、多国籍企業の本社のある日本国内において労働委員会が「対岸の火事」として知らん顔できるような問題ではないはずである。

2、申立人適格
 初審決定は、本件団体交渉は、申立人加盟組合であるTMPCWAのフィリピンにおける労使紛争に係るものであって、当該労使関係については我が国の労組法の適用がないのであるから、申立人適格がないとしている。
 ここでも初審決定は、本件で再審査申立人が求めている救済が、第一義的には多国籍企業であり日本国内の株式会社である再審査被申立人らが紛争解決に乗り出すこと、及びそのために再審査申立人と団体交渉をすることを求めているのであって、再審査被申立人らが紛争解決をせず、団体交渉にも応じないということ自体は「国内における」労使紛争であることを看過している。
 多国籍企業の本社に対して直接に団体交渉をしていくのは、日本国内の労働組合が現地の労働組合と連携して交渉するのが効果的・現実的であり、現地の労働組合が加盟している上部団体としての再審査申立人がまさに適任であるといえる。

3、使用者性の問題
 初審においては、実は労組法の適用がありや否やということは殆ど争点化しておらず、その主張立証の大半は、いわゆる「使用者性」の問題に費やされてきた。その意味では、「労組法の適用なし」という理由で却下決定を下したのは、多国籍企業としての再審査被申立人らの立場を正面から問う姿勢に欠けたものであり、いわば「肩すかし」の決定である。

 そして、本件で「使用者性」が最大の争点となったのは、親会社子会社より以上に結びつきの強い多国籍企業において、海外展開した先で不当労働行為を含む違法行為があった場合に、その責任を本国で問えるかが問われているからであり、その当然の前提として、もし日本人ないし日本法人が直接海外で不法行為をした場合には日本国内でその責任を追及することは当然できるとの考え方があるからである。

 しがたって、本来「使用者性」の判断次第では、日本企業が海外で起こした不当労働行為につき、日本でそれを問題とし、その紛争解決を求める団体交渉につき、これを拒否した事案といえるのであって、その場合、当然に労組法の適用が認められることもありうるのであり、初審決定のように「使用者性」の論点に全く触れないまま、「労組法の適用なし」だけで門前払いすることは、論理的にも間違った判断遺脱の決定といわざるを得ないのである。

4、労働組合法の適用について
 なお、初審決定は、労働組合法の適用につき、日本における労使関係に適用されるのが原則であって、本件のような外国における労使関係には、同法を適用しなければ公平さに欠けるとか不合理であるなどの特段の事情がない限り適用されないと考えられるとし、本件では、その特段の事情の存在を窺わせる具体的事実に関する主張・疎明がないとした。
 そもそも、本件事案につき単に「外国における労使関係」と位置づけることの問題点については前述したところであるが、仮に万が一、これを「外国における労使関係」だとして、初審決定の枠組みに従ったとしても、本件紛争につき日本の労働組合法を適用しなければ不合理であるといえる特段の事情がある。

 すなわち、本件紛争は単にフィリピン国内の労使問題にとどまらず、ILOやIMFといった国際機関や国際労働組織の場でも問題とされてきた事案であり、IMFはフィリピン政府に向けて、紛争解決の勧告を何度も出しているし、IMFはIMF-JCなどを通じて、日本国内で労使の直接交渉の場を設けてきたのである。このような国際機関の関与にかかわらず、本件紛争が解決に向わないのは、何よりも多国籍企業の中枢部たる再審査被申立人らが日本国内で何ら責任ある行動をとろうとしないからである。
 その意味では、国際的に見れば、日本国内で本件紛争につき解決すべき舞台を設定することしか残された道はないのであり、おそらくはILOとしても本件問題を解決しようと努力しない日本政府に対して勧告を出さざるを得なくなるでろうし、すでに展開されているIMFの世界キャンペーンの最終目標として日本本社が名指しされるであろうことは明らかである。

 かつて外国において日本企業が公害を輸出して国際的に避難を浴びたように、日本の多国籍企業の行動とくに労働分野での弾圧や組合つぶしは国際的な非難の的となりうるのである。その際、本件事件につき再審査申立人が、直接的に日本の多国籍企業を相手方として日本国内で団体交渉などの解決手段を求めてきたことはと特筆すべきことであるし、これに対して我が国の労働組合法の適用がそもそもされないとする合理的な理由は見いだせない。なお、先に見たように、本件についても、米国においては、「外国人不法行為請求権法」に基づき再審査被申立人らを提訴することは理論的には可能だと思われる。しかし、あえて米国の裁判所という舞台を借りるまでもなく、日本には労働委員会という労使紛争を解決する場が存在しているのであるから、多国籍企業の中枢部の存在している日本国内で問題解決をする場を設けるのが、労使双方にとって有意義かつ合理的であることは明らかであろう。そして、労使問題につき話し合いの場を設けることができる公的な機関として労働委員会しか存在していないのであるから、労働組合組織であるIMFにおいてすら日本で話し合いの場を設け、本件紛争解決のために尽力している中で、労働委員会が本件を「外国の労使問題」だとして紛争解決に対し手をこまねいているのは、国際的に見れば、まさに不合理きわまりないことである。 

                                                    以上
再審査申立書原文 (pdf) 

【参考】 企業に責任ある行動を働きかける米国の弁護士(朝日新聞 06.08.17) (jpg)


神奈川県労働委員会調査報告



神奈川県労働委員会「却下」決定に抗議する!  2006年8月16日

多国籍企業の不法を世界の労働者の団結で追い詰めよう!

 2005年2月10日、全造船機械労働組合関東地方協議会(以下ZENZOSEN)は、(1)日本多国籍企業トヨタの総帥トヨタ自動車のフィリピントヨタ労組(以下TMPCWA)に対する国際的不当労働行為、A、団体交渉拒否、B、233名の解雇と25名を刑事告訴、(2)この不当労働行為についてZENZOSENとの団体交渉拒否、の救済を神奈川県労働委員会に申し立てていた。神奈川県労委は2006年2月8日の第6回調査を最後に審問も開始することなく中断し、ZENZOSENは7月までに審問開始を要求する団体署名約700通を神奈川県労委に提出していた。しかし、神奈川県労委は8月8日救済申し立て却下の決定を通知してきた。

 この決定は無数の日本の多国籍企業が世界中で行っている無数の不当労働行為に正面から向き合うことを回避し、この多国籍企業の不当労働行為を免罪するばかりでなく助長するものであり、到底容認できるものではない。

  県労委「決定」批判の全文


労働委員会が「不当労働行為救済申し立て却下の決定!  2006年8月4日

非常に残念な結果が届きました。神奈川県労働委員会の勇気の無さに落胆させられました。
批判を続けて書くつもりです。まずは、取り急ぎご報告まで。
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2006年8月8日神奈川県労働委員会は全造船機械労働組合関東地方協議会のトヨタ自動車の不当労働行為救済申し立てを却下する決定を8月4日に行ったことを通知してきた。

主文は「本件申し立てを却下する」

理由は約四枚半に展開されているが、その核心は次の二点である。

「我が国の労働組合法は、日本における労使関係に適用されるのが原則であって、本件のような外国における労使関係には、同法を適用しなければ公平さに欠けるとか不合理であるなどの特段の事情がない限り適用されないと考えられる。-------我が国の労働組合法を適用すべき特段の事情をうかがわせる具体的事情の存在を窺わせる具体的事実に関する主張があったとは認められず、またそれに関する疎明も見当たらない。」

「本件申し立てにおいて、被申立人らが拒否したと申立人が主張する団体交渉は、申立人加盟組合であるTMPCWAのフィリピンにおける労使紛争に係るものであって、当該労使関係についてはすでに見たように我が国の労働組合法の適用がないのであるから、-----その限りにおいて不当労働行為救済手続きにおける申立人適格を有しないといわざるを得ない。」

  決定書(pdf)


トヨタ自動車を審問の場に!  団体署名をお願いする!  2006年5月1日

 トヨタ自動車の指示、又は承認の下、フィリピントヨタは団体交渉を拒否し、233名を解雇した。
多国籍企業トヨタがフィリピン政府に圧力をかけ、フィリピントヨタ労組の団体交渉権を剥奪し、御用組合に与えた。この国境を跨ぐ国際的不当労働行為を日本で裁かなければならない。全国の労働組合、市民団体に神奈川県労働委員会での審問開始の団体署名をお願いする!
 (第一次集約日=5/31、 第二次集約日=6/30、 最終締切日=8/20) 

 ※用紙は下記をクリックするとダウンロードできます。
   署名要請書    署名用紙

フィリピントヨタ労組(TMPCWA)の闘いの経過と要求

ポスター1 ↓                ・ポスター2 ↓

ポスター1   ポスター2

・ビラ 6月16日発行   〔PDF 24KB〕
  国際金属労連(IMF)世界キャンペーンに呼応して
      グローバル企業トヨタに対する闘いを全国に!
  神奈川県労働委員会に「審問開始」の団体署名を!


不当労働行為救済 第6回調査   2006年2月8日(水)

 2月8日の調査では労働委員会から労使双方が個別に呼ばれ現状報告の説明を求められた。
 2月16日にDOLE(雇用労働省)によって開始が強行決定されてしまった「承認投票選挙」について、2月7日にエド委員長から送られてきた「近況報告」を紹介し、DOLE及びフィリピントヨタ社、並びにTMPCLOの政労使3者によって画策されている不当労働行為と選挙の不当性を訴えた。併せてIMF-JCの仲介交渉の経過についても説明した。トヨタ側の県労委への主張は唯「即刻却下!」を声高に喚くのみで県労委との話が全く噛み合わなかったとのことである。

 しかし、労働委員会側は審問を開くつもりは全く無い様子で、今後の現地での推移を見守り続け、ただ「様子見」の姿勢であった。次回は3月17日までに現地での状況報告と、「特段の事情の更なる裏付(根拠)の証明」の提出が求められた。それに基づき公益委員会議で今後の進め方が決定されるとのことである。


全造船関東地協、回答書を提出   2006年1月13日(金)

 神奈川県労委は、2月上旬までには多国籍企業トヨタの世界的な責任を問うため審問に入るか、それともトヨタに媚びて本件申し立てを却下するかの入口の議論についての結論を下す。
 神奈川県労委は審問に移る前提条件として、@フィリピンで起きている事件に日本法を適用する特段の理由があるのか、Aトヨタにフィリピン労働者に対する使用者性があるのか、という2点について全造船関東地協に釈明を求めた。
 私たちは、1月13日、@フィリピンでは多国籍企業トヨタに法律が適用されず、最高裁決定すら執行されないという特別の条件があること、A私たちはフィリピン国内だけの独立した事件の救済を申し立てているのではなく、日本の法人であるトヨタの国境を越えた不当労働行為の救済を求めていること、Bトヨタは34%の株券しか持っていないが、フィリピントヨタの会社定款やトヨタの多国籍企業戦略などを見れば、フィリピントヨタを完全に支配していることは明らかであること、を示した。
(詳しくは「神奈川県労委への回答書」参照)


不当労働行為救済 第5回調査の現状   2005年11月21日(月)

神奈川県労働委員会の「求釈明」に対して
  トヨタ、釈明の必要なしと居直る!

労働委員会は審問に移るべきか否かを巡って決定的な時点に突入しています。
県労委「求釈明」(10/3) と トヨタの「釈明」(10/31)


不当労働行為救済 第4回調査   2005年9月26日(月)

トヨタは裁かれねばならない!! 
  第二の関門 審問に移るか否かの最大の山場に!!

 9月26日(月)神奈川県労働委員会第四回調査は20人程度の仲間が参加したが、僅か10分程度で終了した。26日以前に、全造船関東地協の代理人井上弁護士の第4回準備書面とトヨタ代理人からの第2回準備書面が出されており、それを受けて、労働委員会が出した方針は前回の「審問開始」主張と比較するとやや後退したものであった。

 つまり、労働委員会の決定は次の内容であった。
1) 1週間程度後に労使双方に対して次の点の求釈明をする。
  イ)裁判などの争議について、 ロ)トヨタの使用者性について。
2) 労使双方は10月中にそれへの回答を行い、必要な書証を提出する。
3) 労働委員会はこの回答、書証を労使双方に示し、 労使双方は11月17日頃までに
  これへの反論を行う。
4) 労働委員会はこの結果を受けて審問に移るか否かについての決定を行う。

 井上弁護士の第4回準備書面は、内外の新聞報道等でフィリピントヨタ社とトヨタ本体、そして三井物産の動向を跡付け、トヨタと三井物産がフィリピントヨタに対して支配的な位置に立っており、特にトヨタはこのフィリピントヨタ争議にも直接介入していることを示した。

 それに対するトヨタの反論は、ただ1995年最高裁判決の「労働組合法7条」が「団結権の侵害に当たる一定の行為を不当労働行為として排除、是正して正常な労使関係を回復することを目的としていることにかんがみると、雇用主以外の事業主であっても、雇用主から労働者の派遣を受けて自己の業務に従事させ、その労働者の基本的労働条件などについて、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配決定することができる地位にある場合には、その限りにおいて、右事業主は同条の「使用者」にあたる」という要件が必要であり、全造船関東地協代理人の主張はこの要件を満たしていないというものである。

 これに対する私たちの立場は次のようなものである。
1) トヨタのフィリピン子会社が行っているフィリピントヨタ労組への団交拒否、解雇、刑事起訴は合法的労働組合への破壊攻撃であり、國際労働運動への攻撃、私たちへの攻撃である。

2) この行為は国際的労働規範にも反しており、ILO勧告がすでに出されている。また少なくとも団体交渉権仮差し止めはフィリピン最高裁で覆されており、団体交渉拒否がフィリピン法にも違反していることは確定している。

3) そしてトヨタは海外の子会社を完全に支配しており、それゆえ、「内外の法およびその精神を遵守し」(トヨタ基本理念)と主張し、事実上フィリピントヨタを含む世界の子会社に不当労働行為を行わせないと宣言している。このことは不当労働行為についてトヨタが海外子会社に自己の方針を強制できる管理体制を保持していること、直接介入できる立場にあることを示しており、フィリピントヨタ争議のような大問題においては不可分一体の立場にあることを示している。

4) しかし、フィリピン政府は國際労働規範を守ることができず、また、フィリピントヨタに対して最高裁決定に従わせる力も持っていない。さらに、トヨタもまた自らフィリピンでの不当労働行為を改めることができない以上、トヨタの不法行為を改めさせるためにはトヨタの本国、日本の法によらなければならない。

5) 日本の最高裁判例が「使用者性」を狭く制限し、トヨタのフィリピンでの不法行為を裁けないならば(労働委員会決定はそれほど狭くない)、私たちの闘いでそれを拡大しなければならない。

 私達は神奈川県労働委員会の「申し立て受付」という第一の関門は突破した。第二の「審問の開始」という関門も突破しなければならない。

第五回調査日は11月21日(月)午前10時〜12時。

不当労働行為救済 第3回調査   2005年7月19日(火)

第三回調査は、「調査」から「審問入り」をめぐって激しく対立
準備書面のやり取りの後、労働委員会は、『申し立てを棄却する理由がないので調査に区切りをつけ審問の日程を定めて行きたい』と提案した。しかしこれにトヨタの代理人は猛反発し、『申立て人はトヨタの適格性、使用者性について碌な立証もしていないのに、審問に入るなど到底納得できない。申立人から提出された準備書面は一般的なことしか言及しておらず、もっと具体的な立証をすべきである。十分なものを早く出せ!』と激しく迫った。

そのあと個別面談の結果、労働委員会は、「我々申立て人側は予定されていた現地から出されている資料に基づく使用者性の立証を8月19日までに提出し、それに対する反論をトヨタ、三井物産がしたため、次回の調査を9月26日に行う」ということになった。

 トヨタ側が「使用者性」についての厳格な立証を求めて、入り口で私達の申し立てを棄却しようとしたが、ほぼこの目論見は完全に崩れた。調査が一回延びたが、次回の調査の後本格的な立証に移る。焦点は多国籍企業トヨタの現地労働者支配の理論的、現実的な裏づけである。

 第四回調査日は9月26日(月)午後3時からです。

不当労働行為救済 第2回調査   2005年6月6日(月)

第二回調査は15人の傍聴のもとで単時間で終了した。

 トヨタ側の準備書面(1)でのトヨタの主張は、「不当労働行為救済制度が憲法28条を前提とした制度」であり、「日本国憲法の規定に基づく労働基本権の享有主体としては---日本国の主権の範囲外にある外国人労働者、すなわち外国法に準拠して外国において設立された企業において、現地法を準拠法として採用され、現地で就労している外国人労働者までもが含まれるものではない」ので、「外国人労働者に関する現地の労使紛争の救済は、そもそも日本国における不当労働行為救済制度の対象となるものではない」というものである。また使用者性についても、朝日放送事件を例に出して、「最高裁は---雇用主以外の事業主であっても『雇用主と部分的とはいえ同視できる程度』に、その労働者の基本的な労働条件などを『現実的かつ具体的に支配、決定することが出来る地位』にある場合には、その限りにおいて『使用者』に該当するとしている」のであって、「(イ)トヨタ自動車がフィリピントヨタに対して34%を出資していること、(ロ)フィリピントヨタの社長に田端延明氏が就任していること」だけから使用者性があるとはいえない、と主張している。

 それに対して、申し立て代理人井上弁護士準備書面(2)の主張は、「不当労働行為救済制度の目的は、---『労働者』個人の救済のためだけにある制度ではなく、むしろ使用者と労働組合との『労使関係』を正常化するための制度でもある」とし、「いずれかの国が人道的な労働条件を採用しないことは、自国にいおける労働条件の改善を希求する他の諸国の障害となる」(ILO憲章前文)のであり、日本の「トヨタ労組も会社と一体化して、唯一団体交渉権を有するフィリピントヨタ労組を無視して、これと別の労組と接触を取るなど不穏な動きをしている」条件の下では、全造船関東地協が「フィリピントヨタ労組の上部団体として日本トヨタ本社などに団交を申し入れて、正常な労使関係を築く必要がある。」しかしながら、トヨタはこの団体交渉申し入れに対しそれを拒否しているのであり、トヨタは不当労働行為を行っていることは明らかだというものである。  申立て人代理人は、続いて使用者性についてトヨタの「多国籍企業」としての実態から明らかにすることを約束し、被申立て人代理人等はこの申し立て側のトヨタの使用者性についての主張・立証を待って反論することになった。

 第三回調査日は7月19日(火)午前10時からです。

不当労働行為救済 第1回調査   2005年4月11日(月)

 4月11日、午後2時より神奈川県労働委員会においてフィリピントヨタ労組の不当労働行為救済の第一回調査が行われた。春嵐の中、約30名の労働者、市民が傍聴に参加し熱気に包まれ、調査が開始された。
この第一回調査で公益委員の神尾さんは申し立て側、被申し立て側双方の主張を整理し、調査の論点は

1)申立ての却下事由があるか否か。
2)当事者適格、使用者適格があるか否か。
3)救済内容が認められるか否か

の三点にあるとまとめられた。第一回調査で述べられた支援する会事務局長小嶋さんの冒頭陳述とエド委員長の挨拶をご紹介します。なお、第二回調査日は6月6日(月)午後2時と決まりました。多くの方々のご参加をよろしくお願いします。
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■支援する会事務局長小嶋さんの冒頭陳述

陳述書

 全造船関東地協・神奈川地域労働組合の執行委員の小嶋です。私は同じ労働組合傘下の「かながわシテイユニオンヨコスカ」の執行委員長も兼務しています。

 このトヨタ自動車の不当労働行為救済の申立事件に関して、組合の中で私が担当し、今まで深く長く関わって来ました。

 この冒頭陳述の場では、私は全造船・神奈川地域労組が何故この問題を取り組むようになったのか、そして神奈川県労働員会に不当労働行為の救済申立を行ったかを簡単に述べたいと思います。

 2000年の1月ユニオンヨコスカに、以前から交流があるフィリピンのカトリック団体からフィリピントヨタ労組(TMPCWA)への支援の要請がありました。その理由は過って私たち全造船が日本の造船会社のフィリピンでの公害輸出問題に関わったことがあったからです。

 広島にある常石造船がフィリピンのセブ島に常石セブ造船所を現地資本と合弁で創設し、新造船の建造と老朽船の解撤工事(解体)の操業を始めたことから、海が重金属、廃油等により汚染され、大きな環境汚染問題を引き起こし、地元住民たちが造船所の操業反対運動に立ち上がりました。そこの住民代表から私たち全造船に支援の要請があり私たちは造船労働者と言う立場で住民運動を支援しました。その結果、日本政府が廃船の解体事業に莫大な助成金を出していること、海が船底塗料の有機スズ(TBT、TPT=環境ホルモン物質)によって極度に汚染され、貝類のインポセックスまで起きていること、更には造船所の敷地内に廃船から取り出された大量のアスベストが何の養生も無いままに放置されていること等の企業側の杜撰な対応が判明しました。これ等の調査結果は日比両国の環境省、経済産業省、国土省、そして国会等でも大きな問題となり、日比両国が批准している国際法であるバーゼル条約にも抵触し、結局常石造船は船の解体事業を撤退せざるを得なくなりました。

 このようなフィリピンセブ島での一定の成果を知ったTMPCWAが私たち全造船に対して国際的な支援要請をして来たわけです。私は、早速TMPCWAと連絡を取った結果、フィリピントヨタ社には、常石セブ造船所で公害が輸出されたと同じように、不当労働行為が輸出されていることを知りました。

 フィリピントヨタ社は日本のトヨタの現地法人として日本人の社長を送り込み、トヨタの意に従わない労働組合の存在を一切認めようとはしませんでした。トヨタはフィリピンで操業を始めて以来、労働組合結成の動きが有る度毎に組合をことごとく潰して来ました。トヨタの誇る生産方式とセットで会社による不当労働行為までもが輸出されているのを目の当たりにして、日本の労働組合の一員としてフィリピンの労働者に対して心から申し訳ないと感じました。私たちは日本の多くの労働団体、個人にTMPCWA支援を呼びかけ、寄せられたたくさんの連帯メッセージを現地に送り、彼らの闘いに声援を送り続けました。

 トヨタがTMPCWAの存在を根底から嫌っていることは、2001年3月15日、労働雇用省が承認投票の結果、TMPCWAを正式な団体交渉権の付与された労働組合であると裁定したその当日に、単なる無断欠勤を理由にトヨタがTMPCWAの組合員233名を一挙に不当解雇するという暴挙が正に象徴しています。このような不正義が許されて良いはずはありません。この時点から私たち全造船のTMPCWAへの支援が本格的に始まったのでした。

 グローバル企業の代表であるトヨタは、奥田碩会長自身が日本経団連の会長も担っています。トヨタは自らの企業の基本理念として「内外の法およびその精神を遵守し、オープンでフェアな企業活動を通じて、国際社会から信頼される企業市民をめざす」ことを第一に掲げています。それにもかかわらず、フィリピントヨタ社では結社の自由と団結権を侵害し、フィリピンの労働法を遵守しない経営が行われているのです。

 フィリピントヨタ社はTMPCWAとの労使協議を頑なに拒否し続けて来ました。この間、ILOによる「即刻労使協議を行い、正常な労使関係を築くようにせよ。」との勧告にもフィリピントヨタ社は一切応じようとしませんでした。また、フィリピン司法の最高府最高裁判決の決定も無視し続けています。

 フィリピントヨタ社は労使紛争を解決する努力をせずに、逆に更にTMPCWAに敵対することで持久戦による組合つぶしを狙っています。このようなフィリピン法を無視した態度は一フィリピン企業では不可能です。背景には日本のトヨタがいます。

 トヨタの海外子会社の現地法人であるフィリピントヨタ社が労使紛争解決の能力を持たないとするなら、それは日本のトヨタの責任で解決することで収めるしかありません。TMPCWAは日本のトヨタ本社に解決を求めました。しかしながら日本のトヨタ本社も「現地の問題は現地で解決するよう指導している」と繰り返すのみで全く取り合おうとしませんでした。トヨタとの労使紛争の解決を求めて、TMPCWAは2004年9月16日に私たち全造船関東地協神奈川地域労組に加入しました。TMPCWAが私たちの傘下の組合となり、上部団体である全造船が団交を要求するのは当然のことです。しかし、トヨタも三井物産も団交を拒否しました。両者からは長引く労使紛争を早期に解決する気持ちが全く見受けられませんでした。

 このような状況故に、私たちは打開の道を求めて今回神奈川県労働委員会に不当労働行為救済の申立を行ったのです。この神奈川県労働委員会がトヨタ並びに三井物産の不当労働行為を速やかに認め、フィリピントヨタでの労使紛争が一刻も早く解決されるように十分機能されることを願って已みません。

 グローバル企業のトヨタは国連が推奨するグローバル・コンパクトに参加出来ない理由も、そのグローバル・コンパクトの基準である国際的に認められている規範(人権、労働基準、環境、腐敗防止の4分野)を遵守せず、実践していないからに他なりません。2005年3月現在で29の日本企業がそして世界では76カ国1982の世界的企業・団体がグローバル・コンパクトに参加し、「良き企業市民」をめざし日夜努力しています。企業の社会的責任(CSR)が企業評価の基準になり始めている今日的趨勢の中で、欧米ではグローバル企業トヨタがSRI(社会的責任投資)不適格企業リストに載せられる可能性も出始めています。トヨタはトヨタ車の販売台数を増やすだけが世界的企業でないことを反省すべきです。トヨタ自動車及び三井物産は今こそ内外の法およびその精神を遵守して社会的責任を果たすべきです。

トヨタの不当労働行為の海外輸出とでも言うべきこの事件の解決に向けて神奈川県労働委員会が積極的な役割を果たすことを切に要望致します。

2005年4月11日

小嶋 武志


不当労働行為救済申立   2005年2月10日(木)

 フィリピントヨタ労組(TMPCWA)は昨年9月に全造船機械労働組合関東地協に加盟しました。それに基づき、この間、全造船機械関東地協はフィリピントヨタ社の34%の株主であるトヨタ自動車、15%の株主である三井物産に団体交渉を申し入れして来ました。しかし、トヨタと三井物産はこれを拒否し、トヨタはますますフィリピンでの組合破壊攻撃を強化しています。そのため、2005年2月10日、全造船関東地協はトヨタと三井物産の不当労働行為を神奈川県労働委員会に申し立てしました。申し立ての基本内容は以下の5項目です。

1)トヨタ本社がフィリピントヨタ社をして、227名の組合員の解雇を撤回させて職場にもどさせよ。
2)解雇者全員のバックペイを支払わせよ。
3)フィリピントヨタ労組を認めさせよ。
4)以上の3項目をトヨタ本社は関東地協と誠実に団交せよ。
5)トヨタ本社は救済命令受領後ポストノーチス(謝罪文の掲示)を行え。

さあ! トヨタ自動車をわれわれの土俵に引き込むぞ。
これからが日本での本格的な闘いの開始である!

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