各労働組合・市民団体各位へ              200651

                全造船機械労働組合関東地方協議会
                       議長 宇佐見雄三
                フィリピントヨタ労組を支援する会
                    代表 山際正道

フィリピントヨタ問題についての
    神奈川県労働委員会への団体署名のご要請

 世界の製造業NO.1の多国籍企業であるトヨタは、フィリピンで2000年に団体交渉権を獲得したフィリピントヨタ労組との団体交渉を拒否し、2001年それに抗議する労働者233名を解雇し、26人の労働者を刑事告訴しました。この労働組合潰しに対してフィリピントヨタ労組はストライキで対抗し、トヨタは操業停止に追い込まれましたが、トヨタはフィリピン政府を「資本を引き上げるぞ」と脅しフィリピン政府にスト中止命令を出させました。

 それ以後6年間、フィリピントヨタ労組は解雇された労働者の家族会を作るなど被解雇者の団結を維持し、職場においても粘り強い闘いを進め、フィリピントヨタと日本のトヨタ自動車本体に対する闘いを行ってきました。2003年にはフィリピンの最高裁がフィリピントヨタ労組の団体交渉権を認める決定を出し、次いで世界労働機構(ILO)も全ての問題でフィリピントヨタ労組を支持しフィリピン政府に改善を要求する勧告を出しました。しかしフィリピントヨタは団体交渉を拒否し続け、解雇を撤回しようとしません。また、フィリピン政府もILO勧告に従わないばかりでなく、フィリピントヨタを様々なかたちで後押ししています。

 フィリピントヨタ労組と私達はILOのロビー活動などを通じて世界各国の多くの労働組合にこの問題を話してきました。そのため、今このフィリピントヨタ問題は多国籍企業の発展途上国における労働者の団結権の侵害、労働組合破壊の象徴として全世界の政労使の焦点になっています。国際金属労連(IMF)は昨年8月からフィリピントヨタ労組とフィリピントヨタの交渉の仲介をし、原職復帰を求めてきました。しかしこの交渉は今年3月決裂し、IMFは世界のトヨタの労働組合をマニラに集めて世界会議を行い、原職復帰を求めてトヨタに対する世界キャンペーンを行うことを宣言しました。

この闘いを支援するために2001年に「フィリピントヨタ労組を支援する会」が結成され、2004年フィリピントヨタ労組は全造船関東地協に加盟しました。全造船関東地協はトヨタ自動車に対してこの問題での団体交渉を求めましたが、拒否されたため、2005年2月神奈川県労働委員会にトヨタ自動車の不当労働行為の救済を申し立てました。しかしトヨタ自動車は、フィリピンの不当労働行為問題はフィリピンの当事者の問題であり日本法では裁けないとして、審問に入る事に強行に反対しています。トヨタは自分達がフィリピントヨタに不当労働行為を指示し承認しておきながらこの自分達の国境を跨いだ不当労働行為の責任に頬かむりしようとしています。

 こうした多国籍企業の発展途上国での組合敵視、組合潰しは無数にあります。そして、現地政府が多国籍企業に資本を引き上げると脅されてその不当労働行為を容認している現在、この不当労働行為が多国籍企業の母国である資本主義の先進諸国でも裁かれないなら、多国籍企業の発展途上国での不当労働行為や不法は野放しになってしまいます。

 私達は多国籍企業が起こした海外での不当労働行為事件という初めての事案を神奈川県労働委員会が受け付けたことを高く評価しています。そして私達はフィリピン現地での解決がトヨタによって閉ざされた現在、神奈川県労働委員会は直ちに審問を開始し、早急に公正な決定を下す必要があると考えています。

 私達は、全国の皆さんの支援に支えられて闘いを進めていますが、今、フィリピントヨタ争議の前進のため日本での更なる一歩が必要です。神奈川県労働委員会の場にトヨタを実際に引きずりだし圧力を強めることが必要です。そのため、私達は神奈川県労働委員会に対し団体署名による要請を行うことにしました。つきましては皆様の団体署名による協力をよろしくお願いいたします。

第1時集約日を5月31日、第2時集約日を6月30日とします。署名は下記連絡先へ郵送していただくか、連絡いただければ取りに参ります。

フィリピントヨタ労組を支援する会

住所 〒237-0063 神奈川県横須賀市追浜東町3-63-901 
      TEL / FAX:046-869-1415 e-mail:protest-toyota@list.jca.apc.org

全造船機械労働組合関東地方協議会

    住所 〒230-0062 横浜市鶴見区豊岡20−9 サンコーポ豊岡505
    TEL/FAX:045−575-1948



平成17年(不)第1号トヨタ自動車等事件

フィリピントヨタ不当労働行為事件に関する要請書                

                                  2006年   月   日

神奈川県労働委員会
会長小西國友殿

 フィリピントヨタのフィリピントヨタ労組に対する団体交渉拒否、それへの抗議に対する233名の解雇と26名の刑事告訴−起訴は、ILO勧告が示すように同条約第87号、第98号の労働者の自主的な団結と自主的な交渉を促すという国際労働規範を否定するものです。

 現地法に照らしても、フィリピントヨタの団体交渉拒否はすでにフィリピン最高裁判決で断罪されています。しかし、233名解雇は高裁で有効との判断が出てはいるものの、2001年以来4年半も最高裁でたなざらしされています。それは、この解雇の根拠となっている抗議行動がフィリピントヨタの労働組合を敵視した団交拒否によって引き起こされたものであり、高裁判決が国際労動規範はむろん現地法やフィリピントヨタ就業規則に照らしても著しく妥当性を欠くものであるという正しい内外からの批判のためです。

 そして、フィリピントヨタ社はトヨタ自動車の子会社としてトヨタが支配し、上記不当労働行為もトヨタ自動車の指示もしくは承認の下に行われてきたことは明らかです。フィリピントヨタとフィリピン政府が国際条約と現地法に基づく解決についての当事者能力を持たずフィリピン現地ではこの争議を解決することができなくなっている現在、この争議の解決の全責任はトヨタ自動車が負わなければならないことは明らかです。

 争議はすでに7年目に突入しています。私達は貴労働委員会が速やかに審問を開始し、この問題の真実を解明し、公正な決定を一日も早く出されるよう要請するものです。         

               記

1、フィリピントヨタ事件の審問を直ちに開始して下さい。

2、フィリピントヨタ事件について速やかに公正な決定をくだして下さい。

 住 所

     団体名                               印



用紙は下記をクリックするとダウンロードできます。
     署名要請書     神奈川県労働委員会への要請書(署名用紙)

フィリピントヨタ労組(TMPCWA)の闘いの経過と要求
ポスター1 「TOYOTA is NO.1 車づくりも、組合つぶしも
ポスター2 「世界はトヨタの不当労働行為を糾弾する