CyberEvo号オーストラリア遠征記 22日編
眠ったり起きたりと微妙な精神状態だった夜が明け・・カーテン開けると

晴れ!
ちょっと遠くの雲が暗いけど1周だけ天気が持てばいいんだ。

テンション上がりまくりでサーキットへしゅっぱ〜つ!
なんかめちゃくちゃ人入ってます。2日間で1万人超えたそうで。

ドリフトとかバイクとか色々やってましたが、バイクならバイクしか見ない、という方は居なかったですね。万遍なくモータースポーツが好き、理解があるという感じがしました。
あ〜でもない、こ〜でもないとレギュレーションのついて説明されて、不足している車両の整備も行います。

というか・・そんなことレギュレーションに書いてなかったじゃんか・・。 


ともあれ車検OKみたいなステッカーを貼ってもらい合格デス。
この大会の冠スポンサーの1つであるオイルメーカー、Wynn'sのステッカーをリアウインドウに。。めちゃかっこいいです。
そして日本国旗がプリントされたアドバンステッカーを貼り付け。走れないからこれを貼ることは無いかも、と思っていただけに感無量です。

日の丸背負ってアタックです。
ついにピットロードへ降り立つCyberEvo号。先頭に並んだつもりなのにSIERRA-SIERRAがカブせてきます。ライバル心剥き出しでバッチバチです。
出走を待つ間にもバッチバチ緊張感。
へへ、望むところですわ。
相手はフォーミュラーやってたチームですが、こちとら1LAPやって長いんだぜ。
SIERRAのエボ。スキの無いつくりで、隙だらけのサイバーとは大違いです(笑)

HKSのCT230Rをも破ったアメリカ王者の風格さえ漂います。
出走を待つエントラント。手前は4位にはいったエキシージ。えっと・・まんまGTカーです。EXIGE GT3にタービンくっつけてブースト3kというバケモノ。

他にもオーストラリア王者HI OCTONEの34Rもめちゃ速ですし、日本勢もめちゃ速です。
  滝沢さんのセットアップにより各部問題ありません。

最初からそのつもりでしたが、1LAPだけの限界走行開始です。
・・当然のことながら走行画像やピットイン画像はありません。

ストップウォッチ持つ手がちょい震えます。なんとか走ってくれぃ・・マジお願い。
車両は問題ありませんがエンジンが心配・・。普段うちで組んだエンジン+滝沢さんのセッティングならな〜んにも心配ないのですが、なにせ急造エンジン。セッティングは当然心配ありませんが、本体が持つかなぁ。

ホームストレートを通過しアタックに入るサイバー。
滝沢さん「いけ!ストレート遅いけど」
その分1コーナーは尋常ではありません。ターザン山田さん、鬼の突っ込みです。チームサイバーを信頼しているからこそ出来る突っ込み、と解釈しちゃいます。

じりじりと首筋がヒリ付くような緊張感。時間が長く感じます。筑波慣れしている私には1周1分以上かかるとドキドキする悲しい習性が身についてます(笑)いつも以上に長く感じる・・。

音が近づいてきて・・最終を立ち上がった!チラっとストップウォッチみた時点で確信。
ホームストレートでウォッチ押して実感。

1分30秒587!!

文句無しのコースレコード樹立!なめんじゃねぇ!って感じです。
※V8スーパーカーのスリックタイヤのレコード破ってます。ラディカルのレーシングVerと同等タイムなんですよ(もちスリックタイヤ)
場内アナウンスも最高潮、めっさ盛り上がってます。グランドスタンドのどよめきがピットまで聞こえてきました。
「なんて車なんだぁ!信じられない、30秒だぜ?狂ってやがる、日本の車は!」ってな感じでした。

クーリングして山田さん戻ってきます。私達には目標タイムがありますので淡々と作業をば。
山田さん「・・このタイムじゃダメ?」
いえいえいえいえ、そんなこと無いんですよぉ・・。すいません、もっと喜ぶべきでした。

実はこのアタック中は些細なトラブルを生じてしまいました。それでも最終出口までは他車よりも感覚的に4秒近く速かったと思います。でも・・ストレートではほとんど加速して無い状態でしたし。
・・喜んでいいのか悲しむべきか難しい表情になりました。

とりあえずアタックは終了ということになりました。最後のセッションはありますが、走りません。
次のセッション開始まで5時間あります(!)ここでアドバンさんが撮影会をしたい、とのことでサーキットの空きスペースへと移動。
その途中で日本からの取材陣からの要望に応えて撮影をすることに。

そこに通りかかった東名キャロッセさん。ついで?なので2台並べようってことでパチっと。


東名キャロッセさんのインプも好タイム。最後のセッションに期待が掛かります。
撮影場所に移動するや否や、人だかりです。日本みたいに遠巻きに・・じゃなくてガンガン入ってきます。

実はこの3倍は集まったのですが、その画像を撮影する前に集合写真撮影の為に呼び出されました。


メカニックも集まって撮影したのですが、海外のファンはちゃんとメカもリスペクトしてくれるんですね。個人でも写真撮られたし、集合したときはパシャパシャ撮影されました。ちょっち嬉しい。
撮影を終えてピットに戻ってきても人だかり。アドバンさんが気を遣って、ピット内に入れないように出入り口にチェーンしてくれたほどです。 

滝沢さん「みんな走りを見たいんだよな?」
KAZ「そりゃそうです。アメージングです」
滝沢さん「走ったら喜ぶかい?」
KAZ「そりゃそうです。グラッドです」

滝沢さん「んじゃ走ろう」
KAZ「ラジャーブラジャーCカップです」
てなわけで急遽最後のアタックをば。前回アタック時のトラブルは滝沢さんとサポート役のあかいけさんにより、原因究明に至り、きっちり走れるようになってます。ということは・・期待できるかもぉ!

・・でもね・・

最後の最後で余計なサプライズが・・。

アタックラップに入る直線でリアウイングがトランク上面ごと剥がれました・・。
私達が最初からターゲットにしていたタイムは幻と消えました。
見事に上面のみペロっとめくれてます。

通常はトランクつぶしてボディにダイレクトマウントするのですが、サイバーは基本市販パーツで作られてます。あくまでチューニングカーという括りですのでエアジャッキも無いんですね。その限界が出たかな・・とも感じました。

但し一般的にはVOLTEXさんのウイングを始め、きちんと作られているものは問題無いですよ。サイバーはこのトランクで8年目ですし、イベントの際に荷物積んだりガソリン抜いたりと開閉が多いんですね。それに加えてガレージ内に専用保管場所があって・・ではなく、当店の空きスペースに鎮座してます。他の預かり車両の関係で出し入れすることも頻繁です。エンジン掛けられないので、当然押したり引いたりしているのですが、そのダメージも蓄積されていました。エアロの問題ではない、というのは断言しておきますね。 
いうわけでサイバーらしくも余計なトラブルでフルアタック出来ずに終了しました。ウイングは端が壊れてしまいましたが、他は特に問題無し。日没近いのでイベントも残すは表彰式だけ。トランクをガムテで補修して表彰式へGO!

1位CyberEvo 2位SIERRA-SIERRA 3位TOMEI-CUSCO

4位は例のエキシージのGTカーですから置いといて、5位にPANSPEEDさん、6位にRマジックさんですから日本のチューニングレベルの高さをまざまざと見せ付けた感じです。
表彰式やってる時に日没でしたが、走行会クラス含めほとんどのエントラントの方はまだ撤収してません。この人だかり。

表彰式もイベントの一部なんですね。
シャンパンでびしょびしょのサイバー。心なしか嬉しそうです。

帰ってきたら洗車してあげないとですね。 
アンリミで撮影を・・と思い、HI OCTONEのKyleに撮影頼んだら・・なんかみんな混ざってきた。嬉しいけどね。

こんな感じでわいわいやってたら何人も話しかけてきたり写真撮ったりされました。嬉しいですね。 
しばらく車を囲んでのドンちゃん騒ぎ。すると・・「帰国の為のコンテナ積み、20時までらしいよ」・・え?聞いてないよぉ・・。てなわけで急いでサイバーばらし始めます。んで梱包して・・ひぃ・・。

なんとかコンテナ積みは間に合いました。隣のコンテナはSIERRA-SIERRAが積み込みを。もう積み込み終了したらしいので、スロープ借りたりとすっかりフレンドリーになってます。ま、ハナから悪い感じのチームではありませんけどね。ヘッドがダメなったときも「サイバー走れないんじゃつまらないから、うちのヘッド貸してやる!」とまで言ってました。

積み込み終了してピットまで戻ろうとすると・・
「お〜い!こっちこいや」
ん?なんか呼ばれた気が・・気のせいか。
「おいってば。いいものやるから来いって」
空耳ではなさそう、レーシングカーが何台も納まっている大きなガレージから聞こえます。
なんだろう・・と近づくと、SIERRA-SIERRAのメンバーがビール飲んで盛り上がってます。
「お前ら、勝ったんだから飲んでいけ!」ワケノワカランこと言ってます。
即効で出来上がりやがって・・全く。こちとら連続の徹夜で疲れてる・・
鍋島「う〜い、ドリンクOK?わははは!」
・・行っちゃったよ。

というわけで呉越同舟な感じでアンリミとSIERRAの飲み会が始まります。
色々と質問攻めでしたが、なんとか退散。彼ら曰く「勝ち逃げは許さん。年末筑波行くから待ってろよ!」だそうです・・。マジかよ・・。

その後22時過ぎにホテルに戻り泥のように眠りましたとさ。
このように非常にたくさんの奇跡が起きた今回の遠征。4回のサイバーエボ号の遠征中でも最大のピンチ、最大の結果だったと思います。私達も非常に良い経験が出来ました。

私達は事前、事後のメンテや製作以外は基本的にのほほんと現地に行って車いじりしていればOKなのですが、サポートして頂いた方々に感謝感謝です。

サイバーエボ滝沢さん、山田英二さん、VOLTEX中嶋さんにはいくら感謝してもし切れません。
同行メンバーのVOLTEX手伝い&コーディネートのtomeさん、あくあさん、データ解析担当のあかいけさん、有難う御座いました!
現地でのサポートをしてくれたヨコハマタイヤさん、AMEホイールさん、パーツの手配からなにから引き受けてくれたIS MOTOR RACINGさんや他のショップさんにも感謝です。
こんな素晴らしいイベントにしてくれたHI OCTONE RACINGさんにも大感謝。
工具などたくさん貸して頂いた東名キャロッセさんにも感謝!
日本で応援してくれた皆様にも感謝感謝ですよ!

何より過酷な状況下でもヘコたれず修復して走らせたメカを自慢しちゃいます。
多数の方に言われたのは
・あの状況下で復帰しちゃうのはすげぇ
・しかもTOPタイムなのもすげぇ
・なにより、バカみたいに明るい。なんで笑ってられるんだ?クレイジーだね
だそうです。ま〜、よくクレイジーって言われましたねぇ。絶望せず笑い合って作業していたのが印象に残ったそうです。

この遠征でまたアンリミは成長したと思います。この経験を生かしてまたより良い車作りやアドバイスに役立てたいと思います。今後も応援宜しくお願い致します!
 
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