CyberEvo号オーストラリア遠征記 21日編
ヘッド全損となったCyberEvo号。なんとか復旧を図るべく多方面の方々のご協力の元、復旧作業が始まります。
ダメージを負ってしまったピストン。バルブが突いて尖ってしまった部分があります。ここからノックが発生することもあるので・・。

カッターで削ってリューターで仕上げます。

・・良い子は真似をしないでね。
Indyが持ってきてくれた部品。ヘッド周り交換するんでしょ?んじゃ一式持ってきてあげるとのことで見てみると・・。すげぇ、ほとんど揃ってる。タイベルのテンショナー押さえとかバルブ交換の専用工具まで。助かります!
他のピットが静まり返っていてもサイバーのピットは賑やかです。ある意味、楽しいデス。
工具も無い中ヘッドを組み込み。サクサクっとね・・。あれ?そういえばラッシュアジャスターってあるのかな・・?マズい、Cyberはラッシュキラーを使ってるけど、このカムはラッシュ用だ。んで頂いたヘッドにはラッシュ自体付いてない。ムキー!

Indy「ラッシュは僕のお店にあるよ。取ってくるよ!じゃあね!」

・・感謝。
結局IndyやAMEの方は夜中過ぎまで居てくれました。ピザ差し入れサンキュ〜!
よっしゃ、これで組めるぜ。
関田「てんちょ〜、カムホルダーってどこにあるッスか?」
なぬ!?付いてないの!!

カムを抑えているカムホルダーはヘッドとセットなんです。セットされた状態で真円になるように掘られているので、他のヘッドのホルダーではNGなんですね。ホルダーが無い事に気づかなかった・・。

鍋島「しゃ〜ない。ペーパーで削るわ。1200番くらいのサンドペーパー無い?」(良い子は真似をしないでね)
KAZ「まだHI OCTONEの連中が残って作業してるから、行って来るわ」

てなわけで何度目かの借り物へ。
KAZ「細かいサンドペーパーくれ」
HIメカ「ないなぁ。あ、これでどお?」
KAZ「・・120番じゃんか・・粗いよぉ」
HIメカ「なあに、こうしてペーパー同士を擦り合わせれば・・(シャカシャカ)ほら、300番くらいになったろ?」
KAZ「ク、クレイジー」
HIメカ「ところで、何に使うんだ?」
KAZ「カムホルダー削る。ピストンも仕上げる」
HIメカ「ク、クレイジー・・」

出来る限り細かくしてオイルつけてホルダーを削っていきます。
1つ1つ削ってヘッドに付けて、カムはストレス無く回らなければやり直し・・を何十回と繰り返します。
この作業だけでなんだかんだで4時間近くかかったかも。

関田「てんちょ〜、エキゾースト側のカムも曲がってるっす。どうやっても合わない」

マジか!まあINカムのプーリーがEX側に吹っ飛んだからなぁ・・。しゃ〜ないか。
不夜城と化したピット。
ちょっと明るくなってきました。でもゴールは見えてきたので気持ちも明るくなってきました。
この分なら7時半くらいにエンジンかかるかな。走行は9時からで、走行枠も5本程度あるのでテストも可能・・そんな感じで明るい兆しです。

22日は降水確率90%ですから(21日と22日、2日間で速いタイムを出せば勝ち)実質今日走れなければOUT。緊張の一瞬です。

エンジンスタート!

・・音が変・・。1発死んでます。
KAZ「持ってる人が居るかわからんが、コンプレッションゲージ借りてくるわ」

コンプレッションゲージを運よく借りられて、調べてみると4番の圧縮がゼロ。
全くのゼロですからバルブが開いてるとしか思えません。

KAZ「マイクロスコープ借りてくるわ。持ってる人居るか以下略」

またまた運よくスコープをGET、点検すると・・4番のEXバルブが閉まってない。
恐らくバルブ曲がってます。

実は組む前にチラっとヘッドを見たらバルブが閉じきれてなかったような気がしたんです。その時点で言えば良かったんですけどね・・。元がディスプレイ用エンジンなのでバルブが出たままどこかに置いちゃったとかかもですね。
これまた運悪くこのヘッド、1mmオーバーサイズのバルブが入ってるんです。そんなバルブ無いわ・・。

ここでHI OCTONEのIanさんが「オレの店にバルブあるかも」との申し出が!
滝沢さんが確認へとHI OCTONEへと出かけます。
全く同じもの、ではありませんが使えそうなバルブを持ってきてくれました。
何用だか不明ですがなんとなく合いそうなので(良い子は真似をしないでね)取り付けしましょう。
他にガスケットなどの準備が午後にならないと・・なので、メカ2人はホテルへ戻ってシャワータイム。
私はお留守番してパーツ手配の確認やらスケジュール確認をば。
ベルトカバーもガムテで修理。エンジン掛けてみると・・

おお、大丈夫ぽい!

ここからは大急ぎで各自仕事をこなして走行準備をば。

が、しかし・・走行時間タイムアップ。惜しかった・・。

なんとか1周だけでも走れないか聞いてみたのですが、サーキットの人が帰ってしまったのでNGでした。
この間にも他の車両は次々とアタック。場内アナウンスも盛り上げる盛り上げる。

SIERRA-SIERRA 1分32秒248
PAN SPEED 1分32秒454
TOMEI-CUSCO 1分32秒494
R MAGIC 1分33秒505
Prep’d Motorsport   1分33秒552          

もう悔しくて悔しくて。
歯軋りってホントにするんだな、と初めて知りました。ホントに握り拳って固めるんだな、と初めて知りました。目も眩む程の屈辱。

周囲の方はあきらめムードでしたが、チームサイバーは「1周さえ、1周さえ出来ればひっくり返せる」という合言葉でした。 


明日が雨で、走行時間も残りわずか。でもエンジンかからないサイバーをみな「何やってんだ?」という目で見てます。
く・・見ていろ・・復活した暁には・・
何とか走れそう。でも相変わらず降水確率90%。しかも眠い(こりゃ関係無いか)。

滝沢さん「折角エンジン組んだんだから、奇跡にかけよう。ダイノ回したい」

OKです。周囲のショップさんに聞いてみましょう!
運よく近くのショップさんのHaltechでダイノ回してくれるそう。よっしゃ、って事で異動。
移動用の車もAMEの方の自家用車に乗せて頂く事に。定員オーバーで私と鍋島は残ってピットの片付けを。

夜22時ころかなぁ?ホテルで食事していたらダイノ組が帰還。意外と早かったです。
滝沢さん「トラブルもないし、まあまあ走れるだろう」スパっとセッティング出来てしまう滝沢さん、サスガです。
ちなみにこのダイノ、数値がめっちゃ辛いのですがそれにしても見たことも無いほど数値が低い。やはり急造エンジン&ガソリンの影響は大きいですね。日本よりも数百馬力単位で落ちてます。それでも1周さえ走れれば・・。


というわけで明日の天候を気にしつつ眠れぬ夜を過ごしました。ウトウトしては天気が気になって、またウトウト・・の繰り返し。ようやく眠れたのは明け方でした。
 
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