2011WorldTimeAttackChallenge挑戦 本番2日目編
さあ、泣いても笑ってもこれが最後。天気も微妙ですが朝はとりあえず晴れ。でも昼過ぎから崩れるとの予報。これは朝イチもしくは2本目のセッション勝負となりそうです。

足回りのセット変更、エアロ小変更、ECUセッティング変更を施し万全を期します。
気持ち良い朝。昨日よりは気温が低いのでタイムは狙えそう。
ほとんど無人のピットで黙々と作業するチーム。もうおなじみの光景になりつつあります。
オイシイところは朝イチ1LAPのみというのは各チーム十分にわかってます。
切れそうなほどの雰囲気がビンビン。
あまりタイムアタックに慣れてない見学の方も雰囲気を察知するほど。
一発勝負は得意中の得意なチームサイバー。各自やることわかってます。

タイヤはもちろん295G/Sフレッシュ。
少し様子見ラップを重ねた後アタック!

1セッションで1アタックしか出来ないのでキメます!

アタック開始です。
ただ・・ちょっと気になることが。アタックに入った周のストレート、異音がしたんです。
外からでもわかるような音が。はっきり言ってしまえばタービンの音。
アタックに入り通過するサイバーの後姿が頼りなく見えます。音が明らかに正常ではない。
この周だけでいいから持ってくれ!という気持ちと明らかに異音なので無理、エンジンまでは
壊れるな!という気持ちでグチャグチャに。なんだか気持ち悪い1分30秒・・。

帰ってきた!音は変だけど吹けてはいる。頼むぅ!
タイムは・・

1分29秒751!コースレコードを0.7秒更新。
スリックタイヤの2座レーシングカーのタイムを上回りました。

よし!トップGET。ということでピットは大盛り上がり。
車が戻ってきて各部チェックすると・・うん、もう少しタイム詰められる要素アリ。
タイヤもうまく使えてないし。
ブーストもピーク値はまずまずなのでイケるかも。
ま、でも無理しても・・なのでこのまま逃げ切りたいかな。

と思っていたらなにやら場内アナウンスがやかましい。マサカ・・

SIERRA-SIERRA 1分29秒024!
マジか・・。

同じシチュエーションで走行してここまで差を付けられた事はこれまで一度もありません。
正直愕然です。経験したことの無い気持ち。

でも・・まだタイム上げられる!29秒フラットは難しいかもですが、意地を見せたい。

タイムアタック2日目 1回目まで合計結果
※1日目結果を含む。わかっている限りのタイムです。
1 SIERRA‐SIERRA/CT9A 1分29秒024
2 CyberEvo/CT9A 1分29秒751
3 GARAGE REVOLUTION/FD3S 1分30秒501
4 TILTON INTERIORS/CT9A 1分30秒866
5 SCORCH RACING/S15 1分31秒456
6 Hi OCTONE RACING/34GT-R 1分31秒905
7 PANSPEED/FD3S 1分32秒045
8 Prep'd MOTORSPORTS/EXIGE GT3 1分32秒092

と、ここまではヤル気満々。次のセッションは気温が上がるのでキャンセル。最終セッションに賭けよう。
てなわけでルーチンの点検をば。恐る恐るタービンをチェック。
ブ、ブレードが・・。

全てのブレード先端にダメージがあり、そのうち2枚はかなり変形してしまってます。
終わった・・。

走れるかもしれませんが、ベストなパフォーマンスは全く望めません。
エンジンにも砂状の細かい破片を吸い込んでます。これでジ・エンド。

メカに「とりあえず走れるようにしといて。取材走行もあるかもだし」と指示。

最終セッションまで時間がかなりあったので撮影会や取材などを行います。
  AMEさんのブースで記念撮影したり・・
ADVAN集合写真。とにかくどこに行ってもサイバーの周りは黒山の人だかり。身動き取れないほど。
アタック終了した(あきらめてた)ので日向ぼっこ。

取材などのその間ずっと考えてました。
悔しくないわけないけど、海外勢のアタックの為にも連覇しない方が良いんだ。
ほら、ADVAN的にもずっとADVAN勢が勝ち続けるより競争相手がいた方が業界全体が盛り上がるし。
もしこのままの順位であったとしても潤沢な資金を誇るレーシングチーム、SIERRA-SIERRA相手ですので
負けても仕方が無い。SIERRAもサイバーを目標に何年もアタックしてきたので、素直におめでとうと。
サイバーは自己レギュレーションでボディは切らないので限界がある。仕方が無いんだ・・

仕方が無い・・

仕方が・・無くない!!

まだヤル。絶対ヤル!

滝沢さんとも相談し、壊れるまでやろうと。
KAZ「アタックしよう。やれるだけやらないと目覚めも悪いし他チームに失礼だ」
鍋島、関田「だろうね。準備終わってるよ」
気持ちは一緒ね。サスガ。

最終セッションで走る予定ですが、天候や雲の動きを鍋島メカが読みます。
念のためいつでもイケるように準備完了。あとはタイミング待ち。
もうホントのホントに1LAPのみ。アタックは絶対1LAPしかしません。
(あれ?去年もそんなこと言ってたような・・笑)

雨がパラつく。路面が濡れてきました。グリップが失われるほどではないが・・。
最終セッションは無理するチームもあるだろうし路面が荒れると予想。天候も考慮し・・
 
イったれ〜!

エンジン、空力、セット、タイヤなど全てこれまでのノウハウをつぎ込みます。

タイムは・・

1分28秒86!(公式タイムは1分28秒851)

その瞬間ピットエリアは大爆発。やや遅れて実況が流れてグランドスタンドも大爆発!

実況は興奮しすぎて何言ってるかわからんし知らない人がピットに雪崩れ込みハグされるし、カオス過ぎる・・。
セッション3まではトップタイム。でもまだ最終が残ってます。

タービンを点検。あ・・走行前よりも明らかにダメージが。

これ以上は無理、と判断し最終セッションはキャンセルすることに。これでまた逆転されたら潔くあきらめます。
夕暮れのSIERRAの最終アタック。コースアウトしかかるし彼らも限界いっぱいです。

そして・・練習日に壊したエンジンのヘッドガスケットが再度抜けて終了。

他チームも路面の悪化があったのかタイムが伸びずに・・。

It finishes fighting and DAVID EMPRINGHAM passes a pit.
He blessed us by Thumbs up.
What kind of wonderful sportsmanship!
What kind of wonderful driver!
What kind of wonderful SIERRA-SIERRA team!
We would like to become like when or you.
ピットに戻るSIERRA。ドライバーのDAVID EMPRINGHAMが親指を立ててサムズアップして通り過ぎます。

今回の一番の印象に残るシーン。素晴らしいドライバー、素晴らしいチームです。チューニングやってきてよかった、とまで思いました。

全力で戦い、終えたら勝者を称える。このメンタリティはまだまだ彼らの方がはるかに高次元です。見習っていきたい。

最終結果
1
CyberEvo/CT9A
1分28秒851
2
SIERRA‐SIERRA/CT9A
1分29秒024
3
GARAGE REVOLUTION/FD3S
1分30秒501
4 TILTON INTERIORS/CT9A 1分30秒866
5
SCORCH RACING/S15
1分31秒456
6
Hi OCTONE RACING/34GT-R
1分31秒905
7
Prep'd MOTORSPORTS/EXIGE GT3
1分31秒916
8
PANSPEED/FD3S
1分32秒034
9 GT AUTO GARAGE/HKS AUST 1分32秒413
10
MCA SUSPENSION
1分33秒062





結果はWTAC2連覇という結果。
サイバーエボ滝沢さんがいないと何も始まらないし走らないのは当然ですが、超絶ドライバーの山田英二さん、
空力マスターのVOLTEX中嶋さん&前田くん、ロガーマスターのレッド隊長、AVDAN、東名パワードさんをはじめ素晴らしいパーツを供給して頂いているスポンサーの皆様、内外のライバル達、今年も様々助けて頂いた現地の皆様、こんな貧乏チームを招待してくれたHi OCTONE、そして皆様のお陰でここまでこれました。
本当に感謝致します。

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