【収録作家】 カー,A・H・Z |
森英俊 編 国書刊行会 A5判・上製ジャケット装・約980頁 カラー口絵8頁 装丁・造本=妹尾浩也 2003年12月刊 本体7500円 【amazon】 【bk1】 ルブラン、ハメット、ウールリッチらの古典から現代のベストセラー作家まで、欧米の主要ミステリ作家159人を収録。その全作品と邦訳データを掲載、作家プロフィールと代表作などを紹介した、ミステリ・ファンのための決定版レファレンスブック。 |
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最初で最高の贈物 ある作品を読んで気に入ると、その作者の他の作品も読んでみたくなる。だが、これが本格ミステリの書き手であれば著作リストがどこかに載っているものだが、それ以外のいわゆるサスペンス派となるとけっこう大変だ。全著作が邦訳されている作家はごくひと握りだし、リストもほとんど存在しない。多作家となればなおさらで、結局一部を齧っただけで終わってしまい、作者の全貌を知ることはできない。 しかし、これからはもうそんなことはなくなる。ここに大変な労作が誕生したからだ。網羅されているのはサスペンス派だけではない。ハードボイルド・警察小説にまで目配りは行き届いている。もちろん、読んで楽しいのは 『本格派篇』 とまったく同じだ。お馴染みの作家の解説に 「そうそう」 と頷くも良し、未知の作家の存在に胸を躍らせるも良し。 これはミステリ・ファンへの、21世紀最初で最高の贈物である。 |
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ミステリ世界の冒険者のために 1998年に刊行された森英俊編著 『世界ミステリ作家事典/本格派篇』
は、その圧倒的な情報量と、隅々まで行き渡ったミステリへの愛情に対して、多くのミステリ・ファンのご支持をいただき、第52回日本推理作家協会賞受賞という栄誉にも浴しました。同時に本格派以外の作家についても、同様なリファレンスブックを求める声が、編集部宛に多数寄せられました。そこで小社では、『本格派篇』
に引き続き森英俊氏を編者に迎えて続巻を企画し、準備を進めてまいりました。今回の収録作家には、シムノン、クリーシーといった桁外れの多作家も含まれ、書誌情報も錯綜して編集作業は困難を極めましたが、ようやくここに
『ハードボイルド・警察小説・サスペンス篇』
として刊行にこぎつけることができました。 1990年代以降、ミステリの多様化はますます進み、読者の拡散も度々指摘されています。個々の作家に対する理解を深めると共に、ジャンルの歴史的変遷を踏まえた新たなパースペクティヴの確立が、いまこそ必要とされています。本事典が 『本格派篇』 ともども、まだ見ぬ傑作を求めてミステリという大海に漕ぎ出す書斎の冒険者たちの良き海図となりますことを願ってやみません。 国書刊行会 |
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【本書の特色】 ★本邦初の本格的海外ミステリ作家事典として好評を博し、第52回日本推理作家協会賞 (評論その他部門) を受賞した 『世界ミステリ作家事典/本格派篇』 の姉妹篇。 ★ルブラン、ハメット、ウールリッチらの古典から、1990年代に登場した最新の現代作家まで、ハードボイルド・警察小説・サスペンスの分野における主要ミステリ作家159人を収録。英米作家を中心に、近年、再び注目を集めるフランス作家も多数収載した。 付録
どこを開いてもファンなら夢想に誘われる。本書を買った夜は睡眠不足だ。――中条省平氏評(朝日新聞2/15) 書評全文
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