怪奇SF映画大全 怪奇小説の世紀 魔法の本棚 狂人の太鼓 チャールズ・アダムスのマザー・グース ![]() |
ポスターで見る怪奇・SF・ファンタジー映画の歴史 | |
怪奇SF映画大全 ロナルド・V・ボースト他編 ![]() 1910〜60年代のホラー・SF映画を、美麗オールカラーのポスターで紹介。「カリガリ博士」「魔人ドラキュラ」「宇宙戦争」などの古典から、「サイコ」「猿の惑星」「2001年宇宙の旅」、はては「妖怪巨大女」「怪物の花嫁」といったAIPやエド・ウッドのB級映画の怪作まで、マニアも驚倒の450本を収録。ブロック、ブラッドベリをはじめ、ホラー・SF界の巨人たちが、スクリーンの怪物たちに捧げた熱烈なオマージュを各年代ごとに掲載。映画ファン、怪奇ファン待望の夢のコレクション。
昔の映画ポスターは、色づかいといい、デザインといい、絵のタッチといい、なんとも云えない味があるが、この本をみていくと、だいたい70年頃から雰囲気が変わってくることがよくわかる。デザイン的には洗練されていくのだが、往時のポスターが持つ魔法のような力は失われていく。ブックジャケットの分野でも、同じようなことがいえるような気がする。ミステリの原書ジャケット・コレクション 『ミステリ美術館』とあわせると、20世紀商業アートの一側面が見えてくると思う。怪奇映画に興味がない人にも、ぜひ一度ご覧いただきたい1冊。 【関連書】→『モンスター・ショー』『ハリウッド・ゴシック』 TOP |
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「魔人ドラキュラ」 から 「羊たちの沈黙」
まで、 スクリーンに投影されたアメリカの悪夢を読み解く。 |
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デイヴィッド・J・スカル 栩木玲子訳 国書刊行会 ◆A5判・上製ジャケット装・490頁・図版多数 1998年11月刊 本体5000円 品切 [amazon] 怪奇映画の歴史は映画の誕生とともに始まった。『魔人ドラキュラ』 『フランケンシュタイン』 のユニヴァーサル・モンスター黄金時代、戦後ドライヴイン劇場の若者を楽しませたB級ホラー、『ゴジラ』 と巨大怪獣ブーム、『サイコ』 が切り開いた異常心理スリラー、SFXを駆使したホラーの新しい波……。本書 『モンスター・ショー』 は、怪奇・ホラー映画の歴史を、多くの図版資料と興味深いエピソードによってたどった怪奇映画史の決定版である。 しかし、本書はたんなるホラー・ファン向けの本ではない。怪奇映画に登場する怪物たちには、同時代の大衆が抱いた恐れや不安が色濃く反映されている。著者デイヴィッド・J・スカルは、戦争の悪夢、経済恐慌、核の恐怖、中絶問題、世代の断絶、AIDSなど、スクリーンに投影された20世紀アメリカの悪夢を、怪奇映画の分析を通して読み解いていく。新しい映画論の幕開けを告げる刺激的エッセイ。
ホラー映画の本だが、同時に映画を通して見たアメリカ論でもある。そこで帯の惹句は「恐怖するアメリカ、又は彼等は如何にして恐怖することを止めて怪物を愛するようになったか」 としてみた。 【関連書】→『怪奇SF映画大全』 TOP |
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小説・舞台・映画――吸血鬼ドラキュラのすべて | ||
デイヴィッド・J・スカル 仁賀克雄訳 国書刊行会 ◆A5判・上製ジャケット装・382頁・図版多数 1997年3月刊 本体4300円 【amazon】 ブラム・ストーカーの小説が生んだ不死の怪物、ドラキュラ伯爵。その恐怖と愉悦をもたらす昏い影は、さまざまなメディアを通して瞬く間に全世界を覆った。ストーカーの伝記、『ドラキュラ』 出版の裏事情から、舞台・映画化をめぐる騒動まで、20世紀最大の悪のヒーロー、吸血鬼ドラキュラのすべてを解き明かした決定版。
退社間際の企画で、実際の編集は他の人に担当してもらった。スカルの本はその後、他社からも出たが、生粋のホラー映画マニアでありながら、どれも一般向きに書かれた面白い読物になっている。ともすれば〈同臭〉の人しか受け付けないような本が多いこのジャンルにあって、こういう美質は貴重である。 |
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大いに笑えてちょっぴり不気味なお話 | ||
レシェク・コワコフスキ 沼野充義・芝田文乃訳 国書刊行会 ◆四六変型・上製ジャケット装・210頁 1995年11月刊 本体1553円 【amazon】 どこにあるともしれぬ不思議の国ライロニアから届けられた、奇妙きてれつ、摩訶不思議、大いに笑えてちょっぴり不気味な13の物語。背中にできたこぶがやがて人間そっくりに成長して、身体を乗っ取り、ついには本来の人間のほうが、こぶを取る薬で消え失せてしまう 「こぶ」、地球儀に穴をあける遊びに夢中になったわがまま娘が、本物の地球を穴だらけにしてしまう 「子どものおもちゃの話」、自分の美しい顔を大事にするあまり、それを箱にしまいこんだ男の話 「美しい顔」、子供たちの間で疫病のように蔓延する 「赤いつぎ」 の話、恋人の眼の色がどうしても思い出せず、恥ずかしさのあまり身体が縮んで、とうとう消えてしまった若者の話 「大いなる恥の物語」 など、ポーランドの著名な哲学者が軽妙に物語る、ちょっと変ったおとぎ話の数かず。世界中で愛読されている寓話集。
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