チャールズ・アダムスの
マザー・グース

The Charles Addams Mother Goose

山口雅也 訳・解説

国書刊行会 2004年10月刊
本体1500円 [amazon]
B5判変型・上製ジャケット装・68頁
装丁=妹尾浩也


ハンプティ・ダンプティの中から恐竜が。フェル博士はマッド・サイエンティスト? 〈アダムス・ファミリー〉 の人気漫画家が独自のアイディアで描いた、怖くて愉しいマザー・グース絵本。「三匹の盲目のネズミ」 「ちっちゃな可愛いマフェットたん」 「六ペンスの唄を歌おう」 「この家はジャックが建てた」 など、おなじみの唄が次々登場。言葉あそびいっぱいの原詩を、本邦マザー・グース・ミステリの第一人者、山口雅也がリズミカルな日本語に翻訳。
巻末付録はアダムスの貴重な写真や書影、未発表作品を収めた 「チャールズ・アダムスのマザー・グース・スクラップブック」。
解説 「チャールズ・アダムス 恐怖と笑いの双面神」 (山口雅也)


トム、トム、笛吹き屋のせがれ



ちびのウィリー・ウィンキー

「『チャールズ・アダムスのマザー・グース』 は、愉快なものと不気味なものが同じ割合ではいっている、子どもたちにとっても親たちにとっても宝物のような本だ」
   ――スティーヴン・キング

「チャールズ・アダムスの漫画では、恐怖と笑いが意外なかたちで結びついている。伝承童謡に登場する人間世界の暗い側面を、ファンタジーの衣に包み、明るく笑ってしまう本書が、数あるマザー・グース本の中でも、特別な地位を要求できる一篇なのは間違いのないところだろう」
   ――山口雅也

原典そのものに込められたおかしみを、独特の恐怖と笑いに変換するアダムスの作風は愉快で、あっという間にページをめくり終えてしまうこと請け合い。
   ――三橋暁氏評 『本の雑誌』1月号


エドワード・ゴーリーやティム・バートンにハマった人なら、怪奇とユーモアが混然一体となったアダムス・ワールドも、必ずやお気に召すことでしょう。
   ――東雅夫氏(幻妖ブックブログ)

チャールズ・アダムス
1912年、ニュージャージー州生まれ。1933年の初登場以来、〈ニューヨーカー〉 誌に50年以上にわたって漫画1000点以上、表紙画64点を発表、ブラック・ユーモアとゴシック・テイストに満ちた作風で、アメリカを代表する漫画家のひとり。《ナイトメア・ビフォア・クリスマス》 のティム・バートンら、現代のヴィジュアル・アーティストにも多大な影響を与えている。その作品に登場する怪奇なキャラクター 〈アダムス・ファミリー〉 は絶大な人気を博し、TVドラマや映画になり、これも大ヒットした。1988年死去。没後、『アダムス・ファミリー全集』 (河出書房新社) がまとめられた。

山口雅也
横須賀市生まれ。早稲田大学法学部卒業。ミステリ・映画・音楽などの評論活動から、1889年、『生ける屍の死』 で作家デビュー。〈キッド・ピストルズ〉 シリーズをはじめ、多くのマザー・グース・ミステリを発表。エッセイ集 『マザーグースは殺人鵞鳥 (マーダーグース)』 (原書房) もある。

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