Diary

5月2日:
NHKアーカイブスでKISSを見た。懐かしい。当時見た覚えがある。驚いたのはKISSってこんなにいい バンドだっ たっけ?エース・フレーリーのギターは記憶以上にシャープでいいリフを叩き出していた。時代の勢いというのもあるだろうが、ライヴの生々しさがなんとも新 鮮だった。コスチュームを含めて演出もスゴかったけど、演奏そのものは生き生きとしていて素晴らしいライヴだった。

 昨日届いた Bert Jansch It Don't Bother Me は、まっとうなGlobeレーベルの初版だったが、なんとジャケットがフリップバック!これには参った。おまけにEJDayのクレジットが無いではない か!こうなるとファーストもフリップバックがあるような気がしてきた。ああいやだ・・・

5月6日:
 連休が明けて仕事に出るととても辛い。時間の使い方が違うんだから仕方ないんだが。(明日出社しなくてい いと思うと不摂生がやっぱり楽しいんだよな〜)

 昨日ヤフオクでいつも競り合う人と会うことになった。私にとっては目の上のタンコブ。相手もそう 思っていたに違いない。ところが、この方、こともあろうに、私が出品した同系列のブツに張ってきて落札されたのだ。

 (実はこの方だけは張ってこないだろうとタカをくくっていた。しかし出品したブツが悪すぎた。こん なもん他に誰も張るはずがなかったのだ!)

 うーん困った。どう返事すりゃいいんだ?いつもお世話様です ってか?まぁそこはお互い様というこ とで、取引後に一度お会いしましょう ということになった。

  会ってみるとやはりそこは同好の士であった。年齢も同じでやはり趣味が合う。こんなドマイナーなものをよくもまぁお互いたくさん持っていることがわかっ た。お互いが好きそうなものを交換しあって、今後ともよろしく とお付き合いが始まった。出会いとは本当に不思議なものだ。

  今度からヤバそうなものが出たときは事前に談合しましょうね と約束したのは言うまでもない。ヤフオク広しとはいえ、なんでもないブツが二人だけのせいで いっきに10倍くらいの値段になってしまうのだ(笑)というわけで、早速出たブツは談合のおかげで開始価格でなんなく終了...こんなもんです。オーク ションは怖い。

5月7日:
 今日はちょっと変わったものが届いた。
ハリー・ベラフォンテのカーネギーホールのライヴ。
アメリカのセラーに頼み込んで送ってもらった。(US only でも頼めば送ってくれるヒトもいます)

 ハリー・ベラフォンテといえばアメリカでは国民的な歌手。日本で言えば美空ひばりのようなものか。 こんなのを欲しがる日本人って美空ひばりを欲しがるアメリカ人くらいヘン。(とセラーが思ったかどうか(笑))以前 Classic Recordsのレプリカで聴いて好きになったのだ。これのオリジナルってどんな音がするんだろうと。興味本位で(いつもそうだが)買ってみた。

 盤はかなりボロいというか汚いので軽く水洗いしてみた。深い傷はなく、なんとか聴けそうな状態に なった。

 RCA のLiving Stereo盤で初回盤かどうか かなり怪しい。マトリクス見ると12Sとか21S(!!)ってこれスゴすぎ?(RCAのマトリクスはよくわかりません。  ご存知の方、教えてくれませんか?)。大丈夫かな?恐る恐る聴いてみると 最初の一音で目が醒めた。全く違う すごい。(Classic Recordsと比べての話)生気が漲っている。新鮮だ。しかしなんという音質!これが1959年の録音か?脳内麻薬がじゅわーっと沁み出してくるのがわ かる。

 普段はUK盤ばかり聴いているのでかなり驚いた。USにも凄い盤があるのだ。BNやMercury と並ぶUSを代表するHiFiブランド RCA Living Stereo さすがだ。
ハマりそうで怖い...
(毎日怖いだな(笑))

5月9日:
 ebayで日本盤が売れた。たいしたもんじゃないし、たいした値段にもならなかった。それはいいとして、 落札した人が いきなりPaypalに振り込んできた(こういう表現が正しいのかどうか)素早いなぁ〜 発送の準備してると、今度はクレームでキャンセルする旨、 Paypalからメールが届く。何がなんだかわからない。次の日に今度はクレームに根拠がなくクレームを取り消す と再度メールが。なにがどうなってん の?

 PaypalではバイヤーがクレームをPaypalへ申し立てす れば簡単に払い戻しを行うようだ。これが有名なbuyer's protectionというやつか。本当にあぶないシステムだ。増してや日本は米、英と違ってprotectされないようだし、へたすると泣き寝入りとい うこともあり得る。事実私の周辺でもPaypalがらみのトラブルはよく聞く。売る場合は最低でも書留扱いにしないと問答無用で買い手に支払いが戻される のだ。信じ難いことだが事実のようだ。速攻で書留にして送ったのは言うまでもない。

 今日はGreensladeをupしようと朝から頑張っていたが、いろいろヤボ用もあって、ファー ストアルバムを書いたところで断念しました。また週末にボチボチ更新します。(ちなみにファーストが一番ヒドイ目に遭いました。他はたいしたことなかった のです)

5月10日:
 待望のGenesis The Lamb Lies Down On BroadwayがSACDマルチでリリースされるようだ。しばらくしてDVD5.1でも出る予定。私は当然どちらも買う。音質的にはSACDだと思う し、オマケはDVD。去年あたりからマルチミックス制作中、来年夏にリリースというニュースが流れていたが、意外に早いリリースになりそうだ。
 何を隠そう、(バレバレ)全Genesisのアルバムで最も愛したのがこれ。ピーター在籍時最後の輝きが ここにはあ る。メンバーも薄々脱退を察していたのか、全力投球の素晴らしい仕上がりになった。当時はハケットがグチグチ文句を言ったりしていたが、Genesis史 上最高傑作であることには間違いない。

 というわけで、Greensladeをさっさと片付けて、マルチが出るまでにGenesisの検証 を行う予定です。
ってことで、Greensladeを軽くupdateしました。私的にはCactus以降はバンドとしての Greensladeとは別に捉えているので一応これでおわりにします。気が向いたらシングル盤を追記します。

5月13日:
 Genesisの検証を書き始めた。初めて聴いた頃の記憶がフラッシュバックする。若い頃はGenesi に限らず何を 聴いても簡単に感動していたような気がする。最近そういう感覚が薄れてきたように思えます。単に感受性が後退しただけなのか(そう思いたくないけど)いい レコードを聴くと、ゾクゾクするから、まだ感覚神経は死んでないのかなと(笑)。昨日は Steeleye Span Ten Man Mopのオリジナルを買った。高くて手が出ずに、いつかは買ってやろうと思っていた。安く出ていたのをみつけて遂に買う時ことができた。ペガサスのオリジ ナルで素晴らしい音だった。これまで聴いていたシャナチーのCDの100倍は素晴らしい。音が乾いてなくて、躍動感が漲っている。この時代のものは再発 CDでは太刀打ちできないなぁと改めて感じた。アナログテープでは保存に限界があるのだろうか。気の抜けたオリジナルテープから起こしたCDにはオリジナ ル盤の躍動感、血の匂いといったものが感じられないのだ。

5月14日:
 ebayで少しレコードが売れたのでPaypalに溜まったカネで普段買えないものを買ってみた。 BeatlesのLove Me Doのシングル。買うならもちろん赤レーベル。シングルは何枚か持っているが、Love Me Doの赤は高くて買う気がしなかった。曲もたかだかLove Me Doだし。赤レーベルの初版はリンゴのバージョンだ。だからといってそうそう買う気にはなれなかった。まぁいいやカネがあるうちが華だ。一応音がまともそ うで状態が悪いやつに張ってみた。今回は勝つ気で張ったので無事落とせた。

 で、今日届いた。状態はVG。波スリーヴが付いてる。かなりスリキズが目立つ。おまけにプッシュア ウトの一部がエグれていて、書き込みまである。まぁ音が出ればいいか。コンディションのわりには高い買い物だったかもしれない... まぁいいか〜・

  今日は仕事がドツボにハマってクタクタだ。棚に放り込んで寝ようかと思ったが、気力を振り絞って聴いてみた。そして最初の1秒で今まで聴かずにいたことを 心底後悔した。イントロのハーモニカが脳天を突き抜けた。同じ曲とは思えない!鮮度たっぷり、余裕綽々で朗々と鳴る。Love Me Doってこんなに音よかったんだ。ヴォーカルに綺麗なエコーが乗っていて、ああぁぁ癒される〜名曲だ。聴き終えたところで疲れが完全に吹き飛んだ。

 なんでこんなつまらない曲をデビューシングルにしたのか、これまで理解できなかったが、これを聴い て納得した。聴かなかった自分が悪かった。マーティンさんごめんなさい。ワタシが間違ってましたです。デビュー曲に相応しい素晴らしい作品でございます。 はい。

 Beatlesのシングルはどれも凄い音がするが、これもやはり例外ではなかった。レコードは聴い てみるまでわからない。

5月15日:
 GenesisのLambまでの音質比較をupしました。
読むだけでは退屈なので、関係ない写真も入れました。気にしないでください。

  改めてCDを聴き直してみたが、どれも言うほど悪くない(笑)。これだけ聴いていればどうということはないのだ。そりゃそうだ。オフィシャル盤だ。言うほ どひどいものがあるわけがない。ブートじゃあるまいし。しかし、較べてしまうと差が歴然とする。絶対的な判断は難しいが、較べると差はよくわかる。

 CD は音の広がりが出にくい。今でもアナログ盤が支持されるのは決して懐古趣味だけではない。CDでは表現できない音がアナログなら出るからだ。(逆にCDな らではというのもあるが)音源がアナログマスターの場合はどう頑張ってもCDにはハンデが大きい。空間表現では圧倒的にCDは不利だ。古い音源ではマス ターの劣化も加わる。Genesisの場合も今回取り上げたものは全てアナログマスターだ。CDはリマスターとはいえ、再発盤のフォーマット違い程度に考 えた方が無難なのかもしれない。手を加えすぎると鮮度がどんどん失われる。あまり手が入ってないものは比較的良かった。

 LambのSACD5.1ch版は大いに期待している。CD(デジタルPCM)では表現が苦手な空 間の広がりといったものがサラウンドにすることでかなり改善されるからだ。あとは鮮度さえ克服できれば...頑張れ Nick!
(って もう作業は終わってるか...)

5月19日:
 FocusのセカンドのオランダImperial盤(FocusII)を買ってみた。ジャケットデザイン も別で、表ラ ミネート貼り。英Blue HorizonのA1/B1(Moving Wagves)を持ってるけど、このアルバム、英録音のくせに、最初にオランダで出て、半年以上遅れて英で出ているのだ。当然オランダ盤の方が初回という ことになるから、音も良いはず ということで買ってみた。よく見てみると、A面のマトリクスは全く同じ。というか、英盤のマトリクスは2431 011 A//1 を線で消して、手書きで2931002と修正してある。オランダ盤は2431 011 A//1のままだ。なんだ、カッティングは同じか。溝の切り方もほとんど同じ。あーやられた。だめだこりゃ。盤質は英の方がよさそうだし。ところが、音は オランダ盤の方がレンジが広く、鮮度も高い。いったいどーなってんの?? 国コード(?)が420なので最初からオランダ向けにカッティングしたもの(も しくはオランダカッティング?)をそのまま英盤に転用したようだ。同じラッカーの盤でこれだけ違いが出るものだろうか?不思議だ。

 B面に至ってはオランダ盤は手書きマトリクスで全く別物。英2431 011 B//1修正手書き2931002よりも良い。A面の良さと同じ傾向だ。これがオランダの初回かどうか判らないが、もう掘るのはやめとこう...かな

 久しぶりに聞いたFocusはなかなかよかった。ドラムとベースが頼りないけど、タイスとヤンの2 トップは強烈な個性を放っている。曲も素晴らしく、もっと評価されていいバンドだと思う。去年だか東京で見たタイスは結構キツそうだったけど、素晴らしい 演奏だった。

P.S. 週末にはDIGに何か追加できればと思ってます。

5月22日:
 最近オランダものに縁があるようだ。ショッキング・ブルーのシングルが届いた。小学校の時、初めてロッ クってかっこいいな と思ったのがショッキング・ブルーのヴィーナスとビートルズのGet Backだった。オランダのバンドと聞いて二度びっくり。確かにヴォーカルは英語らしいが、すごく訛ってる。チープなオルガンのリフがロックのかっこよさ を感じさせる名曲だ。その後何曲かヒットが出た。どれもシンプルな名曲だったと思う。

  ヴィーナスの解説に本国盤はPink Elephantと書いてあったのをずっと覚えていた。子供の頃の記憶力はすごい。いつかはオランダオリジナルを聴いてみたいと思っていた。たまたま ebayに出ていたヴィーナスを買ってみた。6ドルくらいだったか。ヴィーナスはすぐに届いた。こうなると悲しき鉄道員がほしくなる。なかなかでない。オ ランダのebayに行ってみると あった。オランダ語で出ていたのでちょっと不安だったが、なんとか取引成立。支払いはpaypalがだめでeuroを 送った。カネが届いたとメールで知らせてきたのが2ヶ月前。まだ来ない。船便だなこりゃ。この値段じゃ文句言う元気も出ない。

  船便は忘れた頃にやって来る。なんだこりゃ?送料1.9euro?あ、鉄道員だ。やっと来た。ジャケットが素晴らしい。メンバーがニコニコ笑ってるではな いか。これまで見たショッキング・ブルーの写真はみんなムッツリして愛想の悪いのばかりだったのでちょっとびっくり。で、よく見ると、なんとプロモ盤。盤 もピカピカ。

 で、早速聴いてみた。もう言葉が出ないくらい素晴らしい音。これこそオリジナル。もう死んでもい い...

 ためしに日本盤のシングルも聴いてみた。
??????なんじゃこれ?回転数を間違えたのかと思った。すごいスピードなのだ。ケロケロ。何か間違えた のか意図的にやったのか判らないが、これはひどい。あんまりだ。子供の頃こんなものを聴いてたのかと思うと悲しくなってきた。もう30年か。時効だな。

ちなみにヴィーナスもすごくいい音だった。高いばかりがオリジナルではない。

5月31日:
 やたらと忙しい。厄介な仕事を引き受けて四苦八苦である。かといって選べる状況じゃないし。来週あたりは 何か追記できればな〜と思ってます。

 候補はDigging The Recordにある通りなんだけど、Pentangleは紙ジャケが出る前に片付けておきたかったが友人から止められているので保留。Arzachelか Eggをやろうと思っている。どっちも同じバンドなんだけど。

 どっちも掘るつもりはなかった。Arzachelは内容が素晴らしかったし、Eggはとある情報を 貰ったのが転機になった。まさかこんなことになろうとは....ということでまた来週...
 

6月5日:
 もうクタクタである。歳のせいか、筋肉痛が取れない。神経痛も出てきた。おまけに咳が出て熱っぽい。抵抗 力が年々衰えている。といって日頃鍛える気もしない。

 Greenslade のベスト盤 Gold Rock(Ger Brain)を買ってみた。別にレアトラックがあるわけでもなく、どうでもいいアイテムだけど一応...で、聴いてみた。Feathered Friendsからスタート あれ?曲順がヘンな気が...まぁどうでもいいけどさ。続いてEnglish WesternときてA面最後はTemple Song これってファーストと同じじゃ?まぁどうでもいいけどさ。結構音がいい。鮮度は若干後退しているものの、しゃきっとしていてスカっと伸びる。低音の厚みが UKには及ばないがこれはこれですごくいい音だ。よーし早速Brain盤をnetsoundsで探して注文完了っと。8ポンドか...送料込みで15ポン ド也 まぁいい。

 で、B面を聴いてみる。一曲目はMelangeでいいとして、次はSunkissedのはず でも ファーストと同じだ。最後はSundanceときた。これまんまファーストじゃないか!レーベルを見てみるとちゃんとGold Rockになってる。マトリクスはST1027A/B これファーストの番号じゃん。ミスプレスだ。製造時にスタンパを取り違えたな 几帳面なドイツ人に しては珍しいチョンボである。

 ここまで来てはたと気がついた。さっき注文したBrain盤は! 全く同じものが来てしまうじゃな いか! がく〜 今更取り消す元気も出ないよ。

 ベストを買ったお店に文句言う元気も出ない。中身が違うじゃないか なんとかせい と文句言うか、 でも100%店の責任とも... Anyway,I am happy with your record...ってとこかな。やめた。疲れる...

 ファーストはドイツ盤が意外に音が良いことが判ったのでまぁいいか...  か...

8月24日:
 ストレンジデイズにトニー・バンクスとマイク・ラザフォードのインタビューが掲載されていた。全アルバム を5.1chでリミックス中で、ブロードウェイから年内に出す ということだ。やはり遅れていたか・・・

 ともあれ、楽しみではある。昔のメンバーとは仲はいいようで、そのうち何かやってくれるかもしれな い。
とりあえず、一安心。

 ペンタングルの紙ジャケットが出ている。初めてユニオン特典BOXとやらを買ってみたが、復刻オビ なんかも付いていて、なるほどこれが噂のやつか・・・確かにマニアックな出来だ。人気があるのもよくわかった。
内容はcastleのリマスター音源で、ボーナスてんこ盛り。特に Sweet Child のボーナス音源が鳥肌ものだ。やはりペンタングルはファーストに尽きるな と。
そのうちupdateする予定です。

  次はPaypalのトラブルだ。withdrawに指定していた銀行のアカウントが支店統合とかで修正する必要があったので、書き直しに行ったら、うまく 入力できない。口座番号が正しくありません とエラーメッセージが出る。何度やっても同じ。試しに口座番号からゼロを取ってみると、あっさりokになるで はないか!ブラウザーをいろいろかえて試したが、結果は同じ。どうもバグではなかろうか?と、Paypalにメールで問い合せてみるが、もう一度正しく入 力してくれ の一点張りでラチがあかない。次は日本語サポートデスクに電話してくれ(番号はUS)ってんで、かけてみるがこれまた応答がなくて、保留され てる時間だけで電話代がバカらしいのでやめた。
未だに解決できないでいる。まったく・・・

9月5日:
 ペンタングルを書いていたら、何気にebayでBert and John TRA144を発見。もちろん持ってるが、これ、レーベルがwhite/purpleのデザイン違い初期レーベル!!なんと、こんな時期まであったなんて  もうショックです。となると、同時に出たJack Orion TRA143もあるかもしれない。RonbournのAnother Mondayは149でセーフ(かな?)Jack Orionは2回買い直したというのに...また買い直すのか??がっくし...掘ると不幸になる典型である。

 Gentle GiantのDVDを買った。凄い。大道芸の世界だ。ピーター・フランクルもここまではやらんだろう。凄すぎてドイツTVの客は呆れて唖然としている。今 でもたぶんそうだけど、凄すぎて客がついて来れない。ここまで芸を極めても成功(売れる)するとは限らない。憐れだ... まぁGryphonもそうだ が。してみると、王立音楽院ってプログレ貢献度高いですね〜

9月25日:
 先日ebayで落としたBert and John TRA144が届いた。結果は予想すらできなかった。こんなことになろうとは。というわけで、ついでに Pentangleをupしました。

 Greensladeの紙ジャケットを買ってみた。ジャケットは素晴らしい出来だ。しかし肝心の音 が 音がぁぁぁ・・・ というわけでGreensladeのところに少し追記しました。 最近ろくなものが来ない 安くて失神するような盤にたまにはあ たってみたい。

9月30日:
安くて失神しそうなのがついに来た。
Steve Hackett Spectral Morinings 白レーベル盤
このアルバムは名作だ。Hackettの最高傑作だと思う。
これまで英盤5枚買ってみたが、一番若いマトリクスでA4/B2というやつで、日本盤の方がはるかにいい音 だった。 HackettはファーストからCuredに至るまでどれも英盤は素晴らしい音だ。だのにこのアルバムだけは英盤がサエない。きっともっと若いマトリクス のがあるに違いないとずっと思っていたが、白レーベルが出ていたいので買ってみた。3ポンド。送料込みで9ポンド。届いてみるとマトリクスはA3/B1 だ。これはイケるかも〜
いやぁ目の醒めるようないい音でした。特にB面最後のタイトル曲はもうたまりません。シャキーンと伸びてす がすがしい。こうでなくちゃ。通常盤でもこのマトリクスのがあるかもしれない。ご存知の方、ご一報ください!

  あとシャレで買ってみたPPMのゴールドパロ(もちろんモノです)針飛びがあるというので安く買えるかと張ってみた。針飛びは直せばいいや。で100ポン ドちょいで落ちた。結構安いと思う。これでちゃんと音が出れば拾いもんだ。来てみるとジャケットは完全に底抜け。落書きがないのが救いだ。盤はめちゃく ちゃ汚い。アルコールと水を併用してゴシゴシ洗った。いや〜汚いのなんの・・スポンジが真っ黒になる。キズもそこそこあって、見た目はいいとこVG-くら い。だめかこりゃ・・かけてみると意外にスクラッチは少なく、溝もヘタっていない。歪みがほとんど出ない。かなりいい音だ。大満足。針飛びの方は、顕微鏡 で覗いてみるとかなり重症。ナナメにざっくり・・堤防も切れていて、隣の溝と完全に合体してしまっている。こりゃ無音で修復は無理だな せめて飛ばない程 度で我慢しよう。新たに浅くガイド溝を切って直した。少しプツと出るが飛ばなくはなった。それにしてもこれは溝が柔らかい。初期のパーロフォンは結構硬め のが多いが、今回のは針で押さえると溝がグニグニ曲がるくらい。結構怖かった。(実は溶けかかってたりして・・)にしてもレコードってすごいと思う。40 年も経ってるのにこんな強烈な音が出る。

11月23日:
音沙汰なかったEcrectic DiscからEggのリマスターが届いた。音質は素晴らしい出来だ。来年一月に紙ジャケットが出るようで、希望 (?)を含めてEggを追記しました。

 最近テストプレスのハズレばかりを引いてる。たまにいいものもあるけど、なんせリスクは大きい。地 道に初回盤を買った方がいいのかも...

11月3日:
 随分放置しておいたが PCを交換したらプロバイダのパスワードがわかんなくなって...

というわけで、古いPCを引っ張り出してきました。
そのうち環境を移してぼちぼち再開したいと思います。

表紙はブロードウェイに付属していたアドインナーと月影のポンド札です。詳しくはB&Cの ページに追記しました、単なるインサートではないところが悩ましい 今頃こんなものが出てこられてもなぁ...

11月23日:
 日産自動車のCMでよく耳にする表紙の「ふたりのシーズン」洒落た内装のクルマにマッチするCMソングと いうことで、ターゲットは40代なのでしょうか?いつ聴いてもこのリズムパターンは革新的だと思いますね。

 この曲、アルバムではB面ラストに収録されているので音が良いのはシングルだろうと何枚か聴いてみ ましたが、日本で70年代にリイシュされたこれは異様に音が良いのです。中古で見かけたら騙されたと思って聴いてみてください。

 というわけで、ゾンビーズの2枚を追記しました。どちらも素晴らしい内容、音質なのでオススメで す。ちと高いのが難点ですが...もしこれから買ってみようという人がいたら少しは参考になるかもしれません。 

2月31日:
 今年はいろいろあった。中でもジェネシスが10年振りにツアーを行うことが決まり、それに併せて 5.1chでリミック スした旧作が2007年3月からリリースが決まった。いやーよかった。3年間ボツになるかとハラハラしたが、やっと陽の目を見ることになるのだ。これで来 年の目標ができた。Phonogram-eraのオリジナルリストを完成させねば・・・・・では皆さん、よいお年を! 

2月3日:
 SACD/DVDの発売が決定した。まずはTrick から Abacab までの5タイトルが4月に、8月頃にMama以降が 年末もしくは2008年初頭にB&C期の5タイトルというスケジュールになっている。バンド 自体は6月からヨーロッパツアー、その後北米ツアーが予定されている。今回のマルチチャンネル盤のプロモーションということだ。というわけで、4月の発売 前になんとかPhonogramを完成させたい。まずはTrickとW&Wを追記しました。Trickは初版が特定しにくいし、W&Wは レアなマトリクスが発見されている・・・


    
    
    
 2月18日:
 コロシアムのコンサートに行ってきた。2日続けてのコンサートだったが、普段2日続けて行くことは稀だ。 しかし、今回 は2日とも行って本当によかった。特に2日目は素晴らしい演奏だった。特にマーク・クラークは素晴らしかった。終演後メンバーからサインを貰った。だいた いソロのレコードを用意していったのだけど、ハイズマンだけはさすがにコロシアムのこれを持って行った。内ジャケにサインしてもらおうと思ってたのだが、 バーバラのソロを見るや、メンバーに自慢して回る始末(笑)どたばたしてる間に表ジャケに思いっきりサインしてもらっていた(笑)これ自慢じゃないが、私 の持ってる数少ないきれいなジャケットなのだ。まぁバンマスのサインだからいいか・・・デイヴは物静かな人で握手までしてもらった。もう感激...今日の ことは冥途の土産として忘れることはないだろう。彼らを見るのは30年来の夢だったのだ。

 5月20日:
 Genesis Liveの初版と思われる盤を入手した。これまで持っていたのもマトリクスは1U/1Uなのだが、マザー、スタンパーが相当進んでいて、ジャケットはどれ が初回なのか判然としなかった。今回入手したものはマサー/スタンパーが1R/1Gという、これまで見たことがない若さで、音質も抜群だった。で、付属し ていたジャケット(こういう表現もヘンだとは思うが)に明らかにこれが初版だろうという違いを見つけた。こんな安物どうでもいいじゃん・・と思うのは楽で いいのだが、市場価値の問題ではないのだ(笑)
真正オリジナルだと思っていた自分の盤がただのオリジナルになってしまう危険性(笑)があるので、気になる人は見ない方がいいかもしれない。

 8月12日:
 今日から夏休みになった。時間ができたので、サボっていたアフロとキャラバンを追加しまし た。しかし暑い・・この暑さは異常だ。これも温暖化の影響なのだろうか?来週はず〜っとお日様マークで 連日33度という天気予報を見ると気が滅入る。な んとかならんのか?

11月1日:
 Audio Basic誌でお馴染みの山本耕司さんのStudioK'sでは9月から月に一度の音楽喫茶なる試みがスタートしている。詳しくはStudioK's をご覧ください。ひょんなことから次回のRock DayでDJをやらせてもらえることになりました。2DJ体制で、私はZeppelinの担当です。

       
もう一人の
佐藤ピピエコさん
は超弩級のオーディオシステムでロックを聴 いておられるという、Rock DayのDJにぴったりのお方だ。何が凄いって、フツー、たかがロック聴くのにここまでやる?って、これはもう、2000光年彼方のシステムだ。想像した だけでド凄い音がしている(笑)。

 オーディオファイルといえば、クラシックやジャズが王道。ロックはガキの音楽 高音質を語るソースではないと認識されてます。 ロックはうるさいだけで しょ という声が聞こえてきそうだ。 おまけに今回はZeppelin...これは厳しい。正直言ってZeppelinの音がオーディオマニアにウケるよ うな話は一度も聞いたことがないし、内心大丈夫かいな?という不安もある。こうなりゃ鮮度と産地でいい盤を選んでかけるしかないか。しかし、 ここではた と気がついた。 そういや、ZEPはフツーの英オリジナルくらいしか持ってないぞ こうなりゃ他力本願だな。良さそうな盤を持っている友人を片っ端からあ たってみよう。(餌食になった人ごめんね)

 というわけで、開催当日までの間、選定した盤を紹介していこうと思います。マメに更新される佐藤さんのページもお見逃しなく!

 11月3日:
 ちょっと前にFMで放送されている音質 を評価すると いう仕事があった。北米で放送された音をエアチェックして同じ曲をショップから買ってきて、揃えてクライアントに提出するのだが、その中に”クラプトンの レイラ”があった。で、担当した若い社員はLAのショップで”レイラ”を買ってきた。しかし、彼が買ってきたのは”いとしのレイラ”だったのだ。まぁ何十 曲もあるので、ちょっとしたチョンボといえばそうなのだが、実はチョンボでは済まされない結果になるところだったのだ。クライアントに提出する直前になっ て、気になってひととおり聴いてみたら これが発覚して真っ青になった。クライアントの担当も私と同世代でロックが好きな人なのだ。(もっと言うと、この 人、デュアン・オールマンの墓参りをしたことがある)これをそのまま提出していたら「なにやってんの?」とハナで笑われただろうな。あぶねー

 まぁ若い彼を責めるのは無理があるかもしれない。しかし、私とかクライアントの世代でロック小僧だったら、絶対にあり得ないミスだ。
          

 その後、その担当の方が”いとしのレイラ”がSACDで出てますよ と教えてくれたので早速買った。サラウンドフィールドのデザインはともかく、トラッ クダウン前のマルチを聴いているような快感にしびれた。ちなみにこの英オリジナル盤は日本盤とは全然違う音の良さでコレクターの間では有名だ。確かにオリ ジナルを聴いてしまうとあまりの差に唖然呆然となる。

StudioK'sでの音楽喫茶では 何か一曲でもいいから、え?なにこれ?みたいな音をお聴かせできたらいいなと思っています。

 ピピエコさんも書かれていたが、私も老眼は深刻な問題だ。元々近視じゃなかったので、ここ数年でいっきに老眼になってしまった。近くのものがボヤけて見 えないので仕事も大変だ。もう老眼鏡と顕微鏡なしでは仕事ができないくらいになっている。DJとなると正確に針を落とす必要があるが、糸居五郎さんのよう な名人芸はないので、プリアウトをこっそりイヤホンでモニターしてVOLを上げるとか 何か仕掛けを考えないといかんな。

11月4日:
 Rock Dayでかけるシングルをいくつかご紹介しましょう。シングルを選んだのは、老眼にやさしい というのもあるけど(笑)やはり音の良さ。シングルが売れな ければアルバムは売れないし、バンドの存続だって不可能だ。だからシングルには気合の音が入っているし、LPよりも強烈なオーラを発する。線速度はLPよ り有利だし、カッティングレベルも高く取れる。オーディオ的にも悪いわけがない。どうせシングル盤をかけるなら、聴いたことがない曲よりも、聴き慣れた曲 の方がより原盤の良さを楽しむことができると、まずは上の6枚を選んでみました。どれも私と同世代だったら誰でも一度は聴いたことがあるものです。

      

Purple Haze/Jimi Hendrix Experience 604001
これは最初聴いた時はいささかびっくりした。もちろんmonoだが、このバスドラの異様な重さは何だ?その上にジミの噛み付くようなギターとVoが いく らなんでもこりゃ...当時の衝撃度が想像できるような音です。


Time Of The Season/Zombies 3380
この曲にはたっぷり思い入れがある。このリズム感覚はそれまで体験したことのないものだった。勿論曲も素晴らしい。子供が小遣いで買える盤はたかが知れて る。この曲に限ったことではないが、飽きるまで何度も何度も聴いた。
確かにこの英シングルからはオーラが出ている (笑)この曲がヒットしてしまったから、解散状態だったけどLPを発売せざるを得なかったくらいなのだから。

Vienus/The Shocking Blue PE22015
Never Marry A Railroad Man/ PE22040G
私にとってのヴィーナスはロックに目覚めた記念すべき一曲だ。当時聴いたのは当然日本盤。それもシングルだった。(MONOだったな)日記にもちょっと書 いたことがあるが、オランダ盤のシングルを入手した。イントロのギターからしてシャキーンと鳴る。それにリアルステレオだ。2枚目の鉄道員はプロモだ。 こっちはピッチが狂った日本盤じゃなくて回転数がまともで音もスカっと素晴らしい。泣ける。

Get Back/The Beatles R5777
当時聴いたのは日本盤のシングル。とてもいい音だと思っていた。シングルはLet It Beに収録されたのとは別のGeorge Matinミックス版。私はこっちの方が好きだ。英シングルはモノだが、圧倒的な鮮度の差が味わえる。
探検隊の特集にもあったが、これを聴いてしまうと最新リミックスのNaked はミイラだ。

Day After Day/Badfinger Apple40
George Harrisonプロデュースの名曲。いつかもっといい音で聴きたいと思っていた。オリジナルLPやリマスターのLPもいい音だと思っていたが、やはり LPはどれもシングルには及ばない。もうこれ以上ラウドにすると破綻するような紙一重のキワどいカッティングだ。

これでやっと30分 ってとこです。LPとZEP編はまた後日

11月5日:
 閑話休題 Genesis Liveの黒いステッカーの貼ってあるジャケットを発見してしまった。なんだこれは?おまけにFoxtrotと同じ赤インナーが付いてる!まさか、これが 初回?買ってみるしかない。一体何枚買えば気がすむのか。だって、怪しいんだから仕方がない。で一ヶ月かけてやっと届きました。恐る恐るあけてみると、お お、いとしのステッカー!なんて喜んでる場合じゃないよ。そーっと裏を見てみると、なんと3版のジャケットだ。おまけに盤はマトリクス1U/1Uなのだけ ど、10時3時が1/RR、3/RDというかなり進んだもの。ということは、やはりこれは真正初回ではない可能性が高い。一時期出回ったレアなステッカー 付きというだけのものだろう。赤インナーは何かの間違い?時系列で考えるとありえないし。しかし、ファーストプレスの1Uが一ヶ月なのか一年なのかわから ない。細かいことを言わなければこれも初版の一種とも言えるだろう。

 ほっと一安心したものの、また何か出そうな気がする 見たらやっぱり買ってしまうでしょうね。そこはコレクターの悲しい性...集めずにはいられない。
と、エラソーなこと言ってるけど安いから買えるのだ(笑)

 Studio K'sを見ると、山本さんのガラードはセンタースピンドルが若干太いらしい。事前に盤を確認しておかないとあたふたしそうだ。ドーナツ盤のアダプタが入ら ないそうですが、英盤のシングルはほとんどセンターが付いてるのでアダプタなしでOK。ドーナツ盤はアダプタを付けて持ち込みます。かける盤の半分くらい はmonoになるかもしれない。シングル盤はロングアームの方がトラッキングエラーが少ないかも?


       

 11月6日:
 今日はLPをご紹介しましょう。こうやって並べてみると、どれもとありふ れたものばかり(笑)。どういうわけか、アメリカのものが多い。よく考えたらイギリスやヨーロッパのロックは相当に趣味性の高いものしか持ってない気がす る(笑)

 どれも有名な盤なので説明は不要と思う。しいて言えばすべてオリジナル初回盤だ。そのうち、3枚はプロモかテスト盤。どれがそうなのかは聴いてからのお 楽しみ にしときましょうか。全部は無理なので各盤から一曲だけかけるつもりです。この中でMobile FidelityやNautilusから高音質盤が出ているものがある。聴いてみたいので買ってみる。しかし、困ったことに全然良い音に感じない。すごく いい という人もいるけど、私はだめだ。人によって聴きどころが違うのだろう。オーディオでも同じことが起こる。ある人は素晴らしいといい、なんだこ りゃ?という風に意見が分かれる。まぁ人それぞれ趣向が違うのだから仕方がない。原盤の音がいいという人は生々しさ、リアリティに惹かれるのだと思う。 オーディオ的な均整の取れたマスタリングや突出した低音なんかは高音質盤の独壇場かもしれないが、私は生気が失せていると どうしても好きになれないの だ。先に高音質盤を買って、いい音だなと思って満足していた。その後オリジナル盤を聴いてみたら生気の差が歴然...ということが何度もあった。

 70年頃までの録音はアナログテープがマスターだったから、経年とともに磁気抜けなどの問題で精気が失せるのではないかと思っている。その点レコードは 機械式(溝の形状)で記録しているから、経年変化にはアナログテープよりも有利だと思う。ワルターVPOの大地の歌なんか50年前の録音だけど、 Deccaのオリジナル盤は強烈に生々しい音で圧倒される。こういうのを聴くと やっぱりレコードはすごいや と思うのだ。


                
11月7日:
 他力本願のネタがまだ来ないので、Zepのご紹介は週末くらいからになり そうです。

 噂には聞いていたが、世紀の名盤 Steeley Dan の Aja の12インチプロモ aja を買ってみた。なんでもあと2種類あるらしい。(本当は Black Cowがほしいのだ)今手元に出てくるのは写真のLPが5種だけだ。あとMobileとCDが何種類かあったはずだが。上の写真はAB規格とAAが2枚、 日本コロムビア盤、先日出たCISCOの再発 こんな調子で溜まる一方だ。ずっと日本盤で聴いていたけどやはりAB規格のものが一番しっくりくる。で、今 日届いた12インチajaだけど、これには参った。何というか、整音されてなくて、バランスはめちゃくちゃだけど、ものすごいリアルさだ。スタジオのモニ ターから出て来るような音 とでも言うか、異様に生々しい。しかし、慣れ親しんだバランスの頭で聴いてしまうと なんか違和感が先にあって、どうもいけな い。宴会の余興にはもってこいだけど普段聴くのはやはりAB盤かな。だもんで、これは Rock Day には持参しないつもりです(笑)。

 オーディオ装置は、すべてのステージごとに一番ぴったりハマる再生音量というのが必ずある。ダイナミックレンジの一番オイシイところを通すということ だ。うちの装置はLPのカッティングレベル付近がもっともよくて、12インチ盤だとちょっとヘッドルームが足りない感じになる。別に歪んでしまうわけじゃ ないけど、LPに比べると少し突き抜ける感じが足りなくなるように感じる。

 こういう盤はピピエコさんちだと 突き抜けるように
 バキーーーーーン と鳴るんだろうなぁ...

 実は私も早生まれなので、ピピエコさんとは学年はひとつ違うのかもしれない。(歳はKate Bushと同じで誕生日はGeorge Harrisonと同じ)でも全く同世代ということは、かなりの部分で共通の体験があるはずだから、いちいち前フリを説明しなくても要点だけでスバっと話 が通じるのは大変うれしい。おまけに老眼という共通の悩みまで同じだ。妙に親近感を覚えます。しかし、共通項が多いほど当日同じ盤を持ってくる可能性も高 いので、先に出してしまった方があとが楽だね(笑)それもあって、少し頑張ってみています。

  

11月8日:
 週末からZepの盤が集まってくる予定なので、準備を始めた。まずは ファーストから だ。ひさびさに日本盤(日本グラモフォン)の見開きジャケットを取り出してみた。私の世代はすでにワーナーのリリースだったが、日本グラモフォンのはジャ ケ裏の写真と名前(プラントとボンゾ)が入れ替わっているので有名だ。今日久々にジャケ内のライナーを読んでみてびっくりした。もう間違いだらけ(笑)。 書いた人を責めるつもりはない。当時はレコード会社から貰った資料だけで書いているので仕方のないことなのだろう。しかし、文章力は凄い。高くて毛嫌いさ れる日本盤のライナーノートもこのクォリティなら読む価値がある。でもね、今どきこれだけの文章書ける人、そうはいないよ。それにしても ジョンジーが ヤードバーズ出身だとか、ジョンジーが手がけたアレンジはジミーと共に行ったと そんなのあり?単に英文バイオの翻訳を間違えたんだと思うけど。

 それはともかく、文中の印象的な最後の部分を紹介しよう。

 ”現代を征服している強烈なロック音楽は、時として調和を欠き、気狂いじみた狂乱に陥ることもあるが、その底には深い含蓄と強い主張が秘められているこ とを忘れてはならない”

 うーん。素晴らしい。私がロックを好きなのは正にこういうことなんですね。ジミーだってブルースやトラッドの下地があるし、他のメンバーもいろんなバッ クグラウンドがある。その上でこういうサウンドを作ったわけだ。70年前後はスタイルを破るというか、ジャンルに収まらない音楽がたくさんあって、今聴い ても素晴らしいものが多い。自分が若い頃に体験したのがこのあたりだったこともあるけど、私のコレクションはジャンルを問わず、もっぱらこのあたりに集中 している。

 さぁて、そろそろ真面目にZeppelinにとりかかろう・・・

      
11月9日:
 今日はPresenceのB1 Nobody Fault But Mineの針飛びを修理しておこうと、顕微鏡を準備して さあて始めようか と英盤を探しに行ったら....ない こういう時はいくら探しても出てこない ものだ。実は去年引越しをして、まだ開梱していないLPのダンボールが40箱以上ある。明日また探してみますか・・・

 写真は発売日に石丸電気に積んであったのを買った米盤だ。Zeppelinにしては珍しくソリッドでHiFiな音だと思う。これの英初回盤マトリクス1 のB1は針飛びするので有名だ。右の写真は針飛びする部分を顕微鏡で撮影したもの。振幅の大きい溝が隣とタッチしてしまっている。明らかにカッティングミ スだ。針飛びしない方が不思議なくらい。こういうものが発売されると、騒ぎになる頃にすぐ次のカッティングと差し替えられる。このマトリクス1の英盤は B1の針飛びさえなければ大変良い音のオリジナルなので一応エントリーしておく予定だ。

 私は顕微鏡と針を使って針飛びを修理している。プチパチうるさい盤は溝を見るとなにか詰まっていることが多いので、大事な盤はこれも針で掘り起こす。根 気のいる作業だが ピンポイントで要因を排除できるので、他にダメージが及ばないのがいいところだ。針飛び修理は最初の頃何度も失敗したが、最近ではほと んど治せるようになった。それに修理したところは音では判別できないくらいに回復する場合もある。でも溝がエグれてなくなってるようなのはこのやり方では 治せません。

 使っているのは実体顕微鏡というやつで、仕事でプリント基板を見るのに使っていた。ある日、これでレコードの溝が見えるんじゃないかと覗いてみたら、見 てびっくり。驚異の世界でした。手に取るようによく見える。おまけにレンズが高い位置にあるので手が入る。これはひょっとして、針飛びが治せるんじゃない かと始めたのがきっかけだ。

 最初はいろんな縫い針を使ってみた。しかしどれも太くて、細い溝には合わない。それに針先は尖ってるように見えても実は丸くなっていたりして、これを砥 石で研いで使っていたが、最近はクロバーきぬ10号を愛用している。これは絹用の縫い針で、先端が見事に尖っていて、レコードの溝にぴったりだ。これで以 前よりも楽に修正できるようになった。傷で針飛びする修理のコツは傷が入った方向と力具合を推測して、逆のプロセスで針を当てる。スタイラスが走ろうとす る向きとアームの慣性を想像しながら針飛びしない限界を想定して溝と壁を修正する。

 と書けば簡単だけど、うまく治せるようになるまで大変だった。(笑)何事も数をこなせばそれなりに上手くなるものだ。

 これのいいところは針飛びする盤を安く買えることだ。一箇所だけ針飛びするけどあとはきれい というのは案外多い。何らかの原因で傷をつけて針飛びする ようになってしまうと、その後は聴かなくなるからだと思う。そういう盤は大歓迎(笑)


        

11月10日:
 11/26のZeppelinのコンサート(アーティガン追悼コンサー ト)がジミー・ ペイジの指の怪我(骨折??)で12月10日に延期になっている。でも骨折なのに2週間の延期というのもよくわからん。他の出演バンドや海外から見に行く ファンは大変だ。飛行機やホテルのキャンセル、再予約でえらいことになってるようだ。ジェネシスも今年再結成ツアーをやって、ファンクラブの友人10人く らいが仕事の都合をつけてEU,北米へ飛んで行った。彼等の根性には本当に頭が下がる思いだ。こちらは幸い日程通りで無事見れたようだ。

 怪我といえば思い出すのはディープ・パープル。3回目くらいの来日でトミー・ボーリンが怪我でうまく弾けないという事件があった。実はクスリでかなりヤ バかったらしい という話をピピエコさんとしていたところだ(笑)ジミーの件はそういうのとは違うだろうが、なんか腑に落ちないなぁ・・・

 今日はまず餌食になった友人K氏から盤をお借りしてきた。それが写真の白いやつだ。手書きのテストプレスでHouses Of The Holy と書いてあるが、マトリクスを見るとSSK89400ってこれ Physical Graffiti じゃないですか。それもマトリクスがB面1という市販されていないものだ。このアルバム他の面は市販品も1番なのだが、B面だけが4なのだ。B面に収録の カシミールはとても変わったミックスで、これがうまく鳴らないためにカッティングを繰り返したのではないだろうか。このテスト盤のカシミールは濁りのない 爽やかな音とでも言うか、okが出た市販盤を聴くとなるほど という音だ(笑)

 それよりも個人的にはB1のHouses Of The Holyの音の良さに感動した。この曲あまり好きではなかったが、このテスト盤で聴くとキレのいいリフがえらくかっこいい。A面は市販盤と同じマトリクス で、詳細に見たが、全く同じカッティングに見える。しかしなぜか音質がかなり違う。同じカッティングでここまで違うと困ってしまう(笑)マトリクスなんか アテにならんぞー と笑われているようだ。

 こういう盤は一生に一度聴くチャンスがあるかどうか というくらいの確率だと思う。他にもそういう盤を今回はいろいろ用意します。こんなことしていいの かな・・もうどうにでもなれ!

 友人K氏に今回のRock Dayのことを話したら、じゃあこれもどうですか?ものスゲー音でのけぞりましたよ といって貸してくれたのが写真右のThe Birds の名盤 Turn! Turn! Turn! だ。なんと2eyeのRadio白プロモ!聴く前から勝負あった感じだが、恐る恐る聴いてみると 確かにすごかった。有無を言わせない圧倒的な存在感。の けぞる前に降参しました。これだからレコードはやめられない。

 そうそう、山本さん、19時延長、なだれこみの件okです。多少盤を増やして対応します(笑)。


                             
11月11日:
 写真はうちのアンプ。MC専用のプリメインでパワーアンプは7ch。これ も部品がほとんど廃版です(笑)。

 昨日書いた、「こんなことしていいのかな・・もうどうにでもなれ!」というのは冗談ではない。コレクターの立場ではテストプレス盤というのは、 聴いてどうする?っていう類のものなのだ。ああぁなんてスゲーいい音だ と感じたとしてもコレクションに加えることができないのだから意味がない。同じテ スト盤が手に入る確率は皆無に等しいのだから、ある意味不幸を作り出すことにもなりかねない。聴かせると決まって最後には「聴かなきゃよかった」と言う。 へたをするとコレクターからは総スカンを食らう可能性もあるのだ。

 今回の音楽喫茶はよく考えたらオーディオを趣味とする方々にもっとRockというジャンルをオーディオソースとして見直してもらいたい という主旨のも のだ。だからコレクターはこの際気にしなくてもいいよね と思ったら気が楽になった。ならば良い音源を出し惜しみせずに 11/24はStudio K'sがタイムマシンになってもいいだろう。(笑)

 私にとってのオーディオの究極の目的というのは「リアリティ」に尽きる。良い装置で良い盤を聴くと、初めて聴いた時の感動が鮮やかに甦る。その瞬間は時 間と空間がその場にスリップしてきている。時空を飛び越えられないのはリアリティが足りないからだ。何か不自然な要因があると、ハッと現実に引き戻され る。絶世の美女の歯茎に海苔が付いてるのを発見してしまったようなものか(笑)それは音色だったり、空間再現性、歪み、ノイズ、回転ムラ、リニアリティな どいろいろだ。人によって敏感な部分が異なるので、好みというものが存在するのだろう。そういう幻滅する部分を徹底的に排除して現実逃避にどっぷり浸れる 装置が私にとっては良いオーディオなのだ。それには鮮度の高い音源も必須になる。現実に引き戻されないだけのオーラを発する盤がどうしても必要だ。

 それともうひとつ、気になることがあった。
以前ポチ弩級のオーディオ装置(ピピエコさんは超弩級)でオリジナル盤を持ち込んでかけさせてもらったことがある。ところが予想に反し、再発盤とあまり差 が出なかった。これはどういうことなのか?装置がいいとなんでもそれなりにうまく鳴ってしまう。つまり音源よりも装置の支配力が大きいということなのだろ うか。そんなバカな。カセットと38が同じなんてそんな...それ以来コレクターの方向性に疑問を感じるようになった。高いオリジナルを集めるよりも装置 に金をかけた方が手っ取り早いのではないかと。オーディオマニアがあまり音源に拘らないのはそういうわけなのか。 と思っていた矢先、Studio K'sでモアさんのジャズオリジナル盤をたっぷり聴かせていただいた。あ、やっぱりオリジナル盤はちゃんと爆発してるじゃないか!よかった やっぱオレの コレクターの方向性は間違いじゃなかった。と安堵した。
良い音源は正しい装置であればちゃんと鳴るのだ。それじゃオーディオマニアに音源を見直してもらうことは無駄じゃない。少なくともStudio K'sではロックのオリジナルもちゃんと鳴ると確信している。

 今回のRock Dayでオーディオマニアの方々、まずは山本さんがどうお感じになられるかとても楽しみにしています。

         

11月12日:
 聖なる館 Houses Of The Holy といえば、思い出すのはゴルゴ13ですね(笑)何巻かは忘れたけどかなり初期のものだと思う。デューク・東郷が悪者に捕らえられて痛めつけられているシー ン。ヘッドホンでデカい音を聴かされて苦痛の表情を浮かべるゴルゴ。それで聴かせられていたのが「聖なる館」というわけ。作者がロック好きだったのかどう かわからないが、The Song Remains The Same のイントロを聴くたびにあのゴルゴの表情を思い出す(笑)。

 というのは、日本盤の聖なる館はとてもメタリックでラウドな音だ。ゴルゴがヘバるのもすごく共感できてしまう(笑)。この日本盤を聴いた作者がうるさい 音楽だなぁと感じてネタに使ったんじゃないだろうか。カッティングの際にDolbyをonし忘れたんじゃないかと思うくらいだ。この頃供給されたマスター テープはほとんどがDolbyAだったはずだ。英盤やCDを聴いて初めてあの日本盤はやっぱりヘンだったのだと納得した。

 しかし、最初の日本盤を何度も何度も繰り返し聴いたものだから、まともな音を聴いても なんか違うなー と感じてしまう。罪作りな話だと思いませんか?

 実は個人的にはかなり好きな作品。Zepのアルバムで通して聴いても辛くないのはこれくらいじゃないだろうか。
時間があれば通してかけたいくらいのアルバムだ。でも当日かけるとしたら全部(笑)か The Ocean くらいか。

 特に音がどうこうというアルバムではない。悪くもなければまぁフツーですかね(笑)飛びぬけて音が良い盤というのもない。まぁ日本盤は別格だけど。 (笑)だから、盤は一応英初回盤、後発なのに先祖返りマトリクス1という英盤、米初回盤のどれかを選ぶつもり。Classic Recordsの重量盤は私にはピンと来なかった。

 ピピエコさんのhpに載ってるプレーヤーの残骸?はプラッターがついてないので、てっきりジャンクか何かと思ったら、よく見ると930じゃないですか! ひぇー(言葉が出ない


     

11月13日:
 なだれこみ の対応でZep以外の盤をもう少し。
 写真ははっぴいえんどの「風街ろまん」だ。この作品はかなり後追いで聴いた。「ゆでめん」を初めて聴いたのが76年くらいだから、すでにこの時点で完全 に後追いだ。71年頃はまだELECのフォークを聴いていて、URCで聴いたことがあったのは岡林信康くらいだ。はっぴいえんどは「ゆでめん」の印象があ まりよくなかったので、長いこと「風街ろまん」は聴かずにいた。でも、今になってみれば、もっと早く聴いておけばよかったと後悔している。初めてCDに なった時にこれを聴いた。「ゆでめん」よりもはるかに洗練された音で大好きになった。「空いろのくれよん」なんてもう最高だよ。日本のバンドがこんなグ ルーヴ出せるなんて。ごめんなさーい(笑)その後リマスターや紙ジャケも聴いたが、かなり良い音質になったと感心した。 こうなるとLP初盤を聴いてみたくなる。CDのリマスターだって当時のエンジニアがやってるんだし、まぁ大して違わないだろうと思ってたら、まるで生々し さが違う。バランスは多少荒削りだけどこのフレッシュさは何だ?マスターテープが腐ったとしか思えない。それ以来このアルバムを聴く時はいつもLPだ。そ れ以来CDはアーカイブ(持ってるだけ)になった。

 荒井由美のミスリムも似たようなもので、「ひこうき雲」はバックがキャラメル・ママだったこともあって、とても好きだったが、なぜかずっと聴かずにい た。真剣に聴き始めたのはアニメの「魔女の宅急便」あたりからだ(笑)。最初はバーニー・グラントマンリマスターのCDを買った。そしてその音に心底しび れた。何より彼女の声が素晴らしい。瑞々しさというか、ここらが彼女の絶頂期だ 間違いない。張りと艶が圧倒的。曲、アレンジ、バックも最高だ。ほんと名 盤だと思う。(今更遅すぎるって)で、これもLPを聴いてみたくなって近くのジャンク屋で50円で拾ってきた。ジャケはボロボロだが、盤はきれいだった。 どうせ50円だ。 音が出ればいいだろと、聴いて目が点になった。というか、目の前にいる!ってくらいのリアリティ(笑)。これは絶対アナログで聴くべきものだ CDのうそ つき と言いたいくらい。こりゃ大変だってんで、もう一枚1000円出して今度はきれいな盤を買ってみた。ところが、こちらは50円の盤ほどの音は出な い。全く同じ盤なのだがメインマトリクス以外の刻印に違いがある。そのせいなのか、プレス工場が違うのかわからないが、なんかボヤけてる。これならCDで も我慢できるかなー と・・ああいやだ。寝覚めが悪いのであと何枚か買ってみようと思っている。いくら品質のいい日本盤でもマトリクスやスタンパーの記号 が全く同じでも音が同じとは限らない。程度の大小はあるけど、極端なことを言えばアナログ盤はこの世に同じ ものは一枚もない。だからアナログは面白い ともいえるが危険もいっぱいだ(笑)。

というわけで、この50円ミスリムを一応持って行こうと探してみたけど 出てこないんです・・未開封のダンボールに埋もれてるはずなので発掘できたら持っ ていきます(笑)

 さっきStudio K'sを見たら、なんと出雲から夜行バスで来られるという方が・・・ ひゃー こりゃ大変だ!心して頑張らせていただきます!ってマジですか?探検隊の ページにも勢いに任せて「東京駅から10分。新幹線で日帰りok」なんてことを書かせていただいたが、真に受ける人いないと思ってさ・・

                                           
11月14日:
 Led Zeppelin IV 通称 Four Symbols この盤は英盤でよさそうだ。というのは、3まではアメリカでマスタリングされているようで、オリジナルは米盤と断言してしまう探検隊だったりする。 お い、ちょっと待て、 2000年の特集では英盤サイコーって書いてたよね あれ見てみんな英盤買ったんじゃないのかー とブーたれたくもなる。そういうわけで、私も被害者であ る。それを2003年の検証ではあっさりと「米盤がオリジナル」なんて言われてもねぇ...だったら キッチリ始末つけてもらわんとな ってことで、3ま では米オリジナル初回盤もしくはプロモ盤を、IVに関しては、天下の宝刀 マトリクス2/2のテストプレスを提供していただけることになった。被害者の英 盤と比べてみて、言うほど鮮度が高いのか、聴かせてもらおーじゃないの。  ということで、StudioK'sでの音もイメージしつつ、最終決定したいと 思う。

 さて、IVの英通常盤レッドマルーンは3/3と3/4しかない。従って、ボツになったテストプレスが2/2ということになる。なんだボツかよ.. と ガッカリするのはまだ早い。
テストプレスの項に も書いたが、発売されなかったからといって音が悪いとは限らないのだ。元々IVの音質は重い。重心が低いというか、中低音にエネルギーが集中している。こ の2/2のテストプレスは幾分フラットなバランスでヘッドルームを広く取ったカッティング(低めの設定)だ。つまり、ピークの抜けがいい。そのせいですっ きり聴こえる。特にハードロックはこの抜けの良さが重要だ。解像度の低い装置で音量を上げて聞くとダンゴになって拷問になる。遊びのないハンドルの車で高 速を全速力でぶっ飛ばしてるようなものだ。これじゃ神経たまらんです。ハードロックは余裕のあるパワーと能率の良いスピーカーで音源側をがっちり抑えて余 裕で再生するのが正しい。あれ?それってピピエコさんの装置そのもの(笑)ってオチでした。

 とにかくこのアルバムはA面の4曲を通して聴く以外に選択の余地はない。Black Dogから針を下ろしたら、途中で止めることは不可能だ。天国への階段までいっきにかけ昇って頂きましょう。
 

                           
 11月16日:
 最新リマスターのベスト2枚組Mother Shipが知らない間に出ていた。最新と言われても前のを聴いてないし、持ってるCDは最初に出たUKCDとRemastersくらい。まぁ出たら仕方な い。お布施と思ってDVD付きの国内盤(初回限定価格なんだそうな)を買ってきた。着うた無料プレゼントってなんですかね?さっぱりわからん。それより悩 んでるのが今度出る映像の方だ。DVDのほかにBDとHDDVD版も出る。当然ハードは持っていないので、どうしようかなー と大半の人は迷ってるんじゃ ないだろうか。でもよく考えたらセカンドプレスだから音が悪くなるわけじゃなし 慌てて買うこともないなと気がついた(笑)

 それはともかく、CDだ。パッケージのコンセプトはちょっと理解しかねる。よくわからん。一応聴いてみたが、予想に反して???な音だ。今時の Zeppelinってこんな音なんだな。これはipodとかそういうのにリッピングするための素材という観点でマスタリングされたのだろうと思う。少なく とも私の知ってるZeppelinとは異なるものだ。そういうわけで、LPと比較すること自体、意味をなさない と思う。同志(と勝手に思っている)のピ ピエコさんはこれを聴いたらどう思うだろうか。

 今回のDJの相方ピピエコさんと私は両極端な組み合わせだ。人生は出会いと言うけれど、こんな出会いもあるんだなぁと今回改めて出会いの不思議さを感じ た。私はたぶんカテゴリーからすると(ポチ)コレクターの分類なのだけど、自分ではかなりオーディオ寄りだと思っている。私がレコードを選ぶのは単純に音 が良い音源が欲しいからだ。たまたまそれがオリジナル盤の類だったに過ぎない。一方ピピエコさんはご自分でも書かれている通り、オーディオマニアの中でも コレクター寄りなんだそうで、同じ歳でロックが好きという出発点は同じはずなのに、こうも対極なアプローチになってしまってるのが面白い。まぁ同じといっ てもバックグランドや家庭環境、財力?の違いは当然なのですが(笑)。今度お会いしたときにそのあたりをじっくりお話できれば楽しいなと思っている。たぶ ん私はますますオーディオに関心が傾くだろうし、ピピエコさんは今以上にオリジナル盤を収集するハメになるはずだ。お互いのいいとこ取りを共有したりする と、鬼に金棒のオヤジが二人誕生という、超下品なことになりかねない(笑)

 Studio K'sを見てたら 探検隊のことが書いてあった。私は探検隊とはあの恐怖の DSOTM検証以来、おつきあいさせていた だいてはいますが、決して内部の人間ではありません。 どちらかと言えば被害者に近い(笑)。
私には深遠なる紙ジャケ秘境の探検(と称したオリジナル盤全発掘調査)は体力的にムリです。

     
11月17日:
 聖なる館で書いた日本盤のメタリックな音の件だが、案の定ピピエコさんもやられてる。

(このメタリックなZeppで 育った世代としては、変なのではなくて、こういうもんだと思っていたが、果たして・・・・我が家にあった「米盤」をかけてみた。ありゃぁ〜〜〜クリーミー なZeppだこと。B面1曲目「Dancin' Days」のリフなんか聴いていられないじゃないか?日本盤のほうが、Zeppらしくて、育った世代としては、こっちかな?日本人は得したってことか。)

  わはは。クリーミー、聴いていられない ってのが笑えますね。ヘンなのは間違いなく最初の日本盤の方なのだ。他国盤、CD、リマスターどれもマトモ。(再 発の日本盤はどうなんだろ?)これを聴き慣れてしまうとほんと。こっちかな?となってしまう。ブルータスよお前もか!って、おそらく我々の世代は間違いな く全員被害者だ。わたしらにしてみれば、インプリントされたギンギラの日本盤がオリジナルなのだ。あとからまともなものを聴いても 体が拒絶する。残念だ が、体に染み付いた音の記憶は、記憶喪失にでもならない限り絶対に消せない。
(ボケても死ぬまで覚えてるだろうなぁ たぶん)

 ここから先は、オーディオ的な 興味。推測の域を出ないことなので、与太話になるかもしれない。当時のワーナー・パイオニアとか東洋化成の方が見られると いい加減なこと言うなー と ムッとされるかもしれないのであらかじめお断りしておきます。

  仮定は、聖なる館の日本盤はカッティングの時にDolbyのスイッチを押し忘れたんじゃないか?ということだ。こんなことがあり得るのかどうか、全くの推 測なのだが、単なるイコライジングであそこまでギンギンにするものだろうか?という疑念が消えない。もしそうだったとしたら、日本盤はドルビーでエンコー ドされた珍盤ということになる。全くの憶測だが、IVまでのマスターはDolbyなしで、「館」から初めてDolbyになったとか?(IVはヒスノイズの 質感からすると non-Dolbyだったようにも聴こえる)カッティング時にIVと同じように、手を加えないで=Dolbyをonせずに カッティングした可能性もあ る?(ホントか?って与太話ですから真に受けないでくださいねー)

  昔オーディオファイル用でDBXでエンコードされたレコードってのがあった。だったら、「疑惑の館」もDolby-Aでデコードしてみればはっきりするん じゃないか?という実験をしてみたい。DolbyA-のデコーダーはModel363とか探せば結構あるし、スタジオから一時的に借りてもいいだろう。機 材はなんとかなるとして、問題は基準レベルをどこに合わせればいいのかわからない。

 Dolby を含むアナログのノイズリダクションは基準レベルを中心に伸張、圧縮を行うので、これが合っていないと伸張前の元の音は正確に再現できない。基準レベルを 合わせることはノイズリダクションを使う上での基本中の基本だ。マスターテープには0VUのパイロット信号(Dolby Toneかもしれない)が必ず入っていて、それを合わせてしまえば簡単にセットできる。しかし、レコードにはもちろんない。さて、困ったぞ。適当にやって しまえば音は出るが、それでは正しい検証にならない。ただでさえ、Dolby−Aは4つの帯域を別々に処理していて、時定数が1つしかないカセット用の Dolby-Bとは比べ物にならない複雑な動作をする。従ってDolby-Aのレベル合わせは必須の条件になる。

 どなたか、放送用のプロモみた いのでパイロット信号が入ってる音源持ってませんかね?盤のどこかにパイロット信号があればそれを手掛かりに曲のレベルとの相対値で0VUがわかる。

 これはやってみる価値がありそ うだ。聖なる館以外でもDSOTM/Pink Floydの初回日本盤CDも同様の疑いがあるらしい。探せばもっとあるかもしれない。そういうのはミスカッティングのチョンボ盤ではあるけど、 Dolbyをちゃんと通せばいっきに世界最高音質のオーディオファイル用のDolby Encorded Diskに昇格する(笑)かもしれないのだ。でもこういうのは音楽喫茶じゃなくて、戯れる会用のネタですね。
しかし、前回探検隊でquadにハマったのもDSOTMだった。何かと因縁のあるレコードだ。

         
11月18日:
 今日やっと探検隊提供の盤をお預かりしてきました。
白いレーベルやプロモの嵐。ただの米盤でさえマトリクスが1A/1Aとか まず見たことのないマトリクスのもの。だいたい米盤は西、中、東あちこちのプレ スが混在していて、どれがファーストプレスか なんて英盤と比べものにならない難易度なのに・・なんであそこには全部揃ってるんでしょうか。だいたい、レ ココレで話題になってた1stのATCOレーベルの件にしても、ホロヴィッツのRCA10インチ盤のマトリクスからからRCAプレスと割り出た なんて、 こんな鑑定どうやってできるわけ?ありえませんよ。ロックばかりじゃなくてジャズ、クラシックそれにパンク(笑)一体どれほどの発掘品があるのか恐ろしい です。S隊員は部屋中に積め込まれたレコのスキマに寝てるそうで、みんなから「アンタ夜中に地震が来たら絶対助からんよ」と言われてます。

 誤解のないように書いておくが、探検隊の隊員は検証と称してオリジナルを掘って掘って堀りまくる。これ以上奥地に入ると遭難する危険性もあるのに、ずん ずん奥へ入ってしまう。私は探検隊の内部の人間(隊員)ではありませんと書いたのは、誤解されるとこんな命知らずの隊員の方々に失礼だからだ。命が惜し かったら発掘なんか絶対にやってはいけない。

 過去の歴史は新しい発見があれば修正される。学校で習った歴史なんか今やかなり違うものになってしまっている。レコードなんかも同じで、新しいものが発 見されるたびに初版が変わったりする。あたりまえのことだ。このことで探検隊を責めるのは筋が違うだろう。実際、検証が終わっても常に堀り続けている隊員 の方々には本当に頭が下がる。これからも遭難されないことを祈るばかりだ。

  さて、写真のように膨大な量の盤を目の前にして憂鬱になってきた。さてどこから手をつけたものか。やはり目玉のIVのテストからいってみよう。

 Black Dogのイントロ、ウネウネしたギターみたいな音からして鮮度が違う。こりゃイケるかな と身構えていると・・・・うがーー!なんて音!際限なく爆裂する スネアが脳ミソのデーターバンクを直撃 その場でバンクメモリーがフラッシュされてしまいました。おまけに目の覚めるようなイキの良さ・・あぎゃーなんで すかこのRock'n Rolはー 即効で脳ミソが溶けた。失神しそう・・これに比べりゃ英オリジナル3/3は屁の河童だ。なんでこれがボツ??かなりの数テストプレスを聴いた けどこれはその中でも別格です。これはもう異次元の世界。いや、パラレルワールドだ。スタジオがワープしてきやがった。やばい もうアカン。盤選定なんか やめたやめた。このまま天国まで昇ってわたし羽が生えて天使になります。今日の日はさーよーなーらーーー

(ショックで脳ミソが使い物にならん。明日会社行けるかな)

11月19日:
 今日は聖なる館の選定だ。今日こそは決着つけるぞー
昨日脳内麻薬がいっぺんにジュワーーと出たもんだからまだ頭がクラクラします。おかげで仕事はメタメタ(笑)。

 さて、探検隊からお借りした米プロモと英の先祖返り両面マトリクス1を試聴してみる。米盤は英のファーストプレスと言われる盤と基本的に同じ。多少米プ ロモの方がしゃきっとしてるかな?英盤も米カッティングなのでこれはまぁ予想された結果だ。で、英の先祖返り両面マト1は米カッティングの手書きがない。 そのかわり、porkyがついてる。George Peckamのやつだ。これだけ見ればこれがファーストプレスなんだけど、レーベルには75年頃のワーナーロゴがあるし、ジャケットは艶ありでインナーも 艶のあるやつ。マトリクス以外はどこから見てもレイトプレスだ。こりゃだめだろと思って聴いてみたら、意外といいじゃないですか。というか、私はこれが一 番気に入った。鮮度という点では確かに米盤には一歩譲るものの、このレンジバランスは正に伝統的な英オリジナルの音。(と言ってた探検隊の気持ちが理解で きた)Song Remains The Sameのイントロ、12弦に続きドラムがリズムを刻み始めるあたり、うーんいいですね このバランス。中低音が充実していて全体のバランスの良さがなん とも気持ちいい。これなら前作をカッティングしたPeckamの意図通り、IVの延長線上にある音だ。それに「館」ならではの新しいテイストも加味されて いる。これなら日本盤で痛めつけられた世代にも十分アピールすると思う。

 推測ですが、最初はPeckamが切った1/1が英1stプレスになるはずだったが、急遽全世界同時発売することになって、(おそらく海賊盤対策)各国 配布用の統一原盤マスターを用意する必要が生じた。しかしPeckamが切ったmatrix1は米に馴染む音じゃなかったので急遽Bob Ludwigに依頼して英、米どちらでもイケるマスターを用意させた。忘れ去られたPeckamのマトリクス1は後になって英でリカットするときに、「そ ういや、未使用のアレがあったな これ使っちゃおうぜ」と、マトリクス1が刻印されたマザーを使った。音は保管してあった時間だけ鮮度が失せたと。先祖返 りではありますが、最初にカットしたのがこれ と言ってもいいだけの音してると思う。(勝手だなぁ)
というわけで、これに決定しまーす。で、「館」はおしまい。

 佐藤さんにお貸ししたClose To The Edge/Yes 英Atlantic K50012ですが、これマトリクス両面1の英盤だったんです。これ、聴いたことがない人が初めて聴くと大抵驚く。だけど、佐藤さんは「Lyraヘリコン で聴いてる「日本盤の音」と酷似している」とおっしゃる。え?どーなってんの?まさか、渡したのは3/3だったのか とか、ワーナーロゴ付きの手書き 1/1だったり いや、そんな筈はない、間違いなく1/1だ。まさか、例の装置が良ければ皆同じというアレ?出たなー妖怪ーー じゃなくて、ちょっと心配 になった。

 そういえば佐藤さんは「同志」が好きだとおっしゃっていた。まさかこれを比較した? そうかもしんない。なんて悶々としてたら、朝一番でご丁寧にお電話 を頂いた。
「いやぁA面聞いたらびっくりしましたよ早速HPに追記しておきました」だって。正直ホッとしました。Helikon+SME SeriesV+Xerxes(たかがロックに気合入れ杉。槍杉)まで動員して日本盤と同じだったらレコはソノシートでもなんでもいいことになる(笑) シャレにならん。

 レココレで話題になったZep1のRCAプレスを堀りまくった
杉本さん がZepファーストの米テストプレスをお持ちなのを私は忘れない(ってhpに載ってるし)前から杉本さん用に周到に用意しておいたブツ(笑)をネタにテス トプレスを貸してくれーとお願いしてみたところ、快く貸していただけるとのこと。あーよかった。どうもありがとうございます。杉本さんは当日は所用で来れ ないそうで残念ですが、今度上京されたらまた一杯やりましょうね。おーし これで揃ったぞ。あとは試聴して決めるだけだ。(ってやるヒマあんのか?)

        
           
11月20日:
 やっとIIIまで来ました。さて、探検隊からお借りした米盤はGold Awardシール付でマトリクス末尾A/Aという見たこともないもの。移民の歌でのバスドラのスピード感、「貴方を」は空間の表現が素晴らしいということ だ。早速聴いてみると、うーん確かに低域は柔らかくて伸びがいい。空気感は抜群だ。しかし、高域のキレとツヤは英盤の方がある。この英盤はマトリクス 5/5は当然として、これまで満足の行く盤にあたるまで6枚買い直した。やはりPeter Grantクレジットのレーベルの方が若いプレスなのか、鮮度がいい傾向にある。なので、私の英盤もそんなに悪くないと思うのだ。移民の歌のイントロのバ シャーンと尾を引くシンバルの響きがなんとも言えないのは英盤。しかし、「貴方を」の方は音数が少ないこともあって、キレイなのだが何か物足りないような 気もする。そこへいくと米盤は空気感が充満していて、音量を上げるときれいに奥行き感が出る。ボンゾのバスドラのペダルの皮バンドの音がキコキコ聞こえる が、これがリアルなのは米盤。「貴方を」に限れば米盤だな。時間があったらB面もかけたいのだが、今回はIIIからの選曲は移民の歌と「貴方を」に留まっ た。それで、移民の歌は英、貴方を は米盤ということにしようと思います。

  ついでにIIも片付けてしまおう。これの英盤のマトリクス2/2は腰の座った低域がゴリゴリ。迫力満点で有名だ。普通のコレクターはこれで十分満足できる はず。英オリジナルでもB2のクレジットミスLiving Loving Wreckのレーベルの方が若いプレスと言われていて、同じマトリクスでも確かにこちらの方が鮮度がいい。なので、IIはこれをかけるしかないだろうと 思っていた。探検隊から提供された米盤はマトリクスA/Aで東海岸プレスとのこと。さらにRLの刻印(Bob Ludwig)がある。聴いてみると、英盤のようにゴリゴリしたところがなくフラットで大人しいが、気の抜けた日本盤と違い、鮮烈さが潜んでる気配がす る。音量を上げていくとリニアに際限なく広がる音場が素晴らしい。これは本当の意味でのHiFiだと思う。しかし、これでは70dB程度の聴取レベルだと つまらない音に聞こえてしまう。やはりこの盤が本領を発揮するのは85dBを超えたあたりからだ。日本盤と英盤は75dB程度の音量でバランスよく鳴るよ うにマスタリングされていると思う。日と英は同じ島国で耳のラウドネス特性も近いものがあるのかもしれない。というわけで、今回はStudio K'sで鳴らすわけだから、迷わず米盤を採る。音量を上げて鳴らすZepII は爽快そのものだ。

 明日は杉本さんのZep1テスト プレスが届く。個人的にはラフミックスが流出したと言われるRCAプレスが最有力と思っているが、端正なバランスとクリアな音質を誇る英盤との三つ巴の対 決はどうなるか楽しみだ。まるでゴジラ・エビラ・モスラ南海の大決闘みたい(笑)

 しかし、よく考えると英のターゴイス、米RCAプレス、米タイプ打ちテストどれもウルトラ怪物クラスの盤だ。1stアルバムだけでこれだ。しかも、 Zepまとめてこういう盤がこれだけ一堂に会するのは奇跡に近い。ある意味本家の再結成コンサートよりも凄いことかもしれない。そんな盤が聴ける今度の Rock Dayは空前絶後のイベントになるはずだ。

      
     

 11月21日:
 杉本さんのZep1テストプレスが届きました。どうもありがとうございます。これで三者揃い踏み いよいよ 頂上決戦だ。 米テストプレスと白プロモは全く同じマトリクスで末尾A/Aのもの。どちらの盤も手に取ってみると同じ感触。ブラインドで触ったらおそらく区別がつかな い。エッジが丸くて滑りやすいので、うっかり手をすべらせたら大変だ。慎重にターンテーブルへ運ぶ。杉本さんの米テストプレスはPresswell Recordsのファクトリーレーベルにタイプ打ちした紙が貼ってあるものだ。杉本さんのレポートによると、通常盤の同じ A/Aよりも高域が伸びていて、かなり違う印象とのこと。探検隊提供の白プロモと比べてみたが、テストプレスの方が若干伸びがいい。しかし、その差はわず かで、「驚きを隠せない」ほどではなかった。通常盤のA/Aは手元にないのでわからない。

 次に米通常盤のマトリクス末尾Bのものを聴いてみる。超ラウドな音でド迫力はあるが、なんせバランスがよくない。とてもオーディオのイベントに耐える音 質ではない。まぁ余興みたいなもんでした(笑)。そこで、今度は虎の子の英盤を聴いてみた。意外だったのは先の米の白いやつらを聴いたあとでは、なんとまぁ貧相な音だこと。  これレッド・マルーンのマトリクス1ですよ。superhypeに青タコでもついてりゃ300ポンドは下らないブツなのに...参ったな。ノイズは少な いし、周波数バランス、Dレンジも申し分ない のだが、それだけだ。明らかに鮮度は米白君に負けてるし、ガッツも足りない。これまでZEP1といえばこの 盤が私のスタンダードだったのに..対決した相手が圧倒的に強すぎたということか。ああショック..今日からオマエはエビラに格下げだ!

 逆説的に言えば、これまで普通にいい音だと思っていた英レッドマルーンが足元にも及ばなかったのが米テストプレス(僅差で白プロモ)なのだ。これは大変 なことになった。

 最後にRCAプレスのATCOレーベル盤を聴いてみる。これはステレオミックスの配置が明らかに違う。ラフミックスだとすぐにわかった。判りやすいとこ ろではA2のヴォーカルが右にべったりへばりついてるが、通常盤では少し中央に寄っている。音は面白い。鮮度はこれが一番あるように感じる。しかし、ラフ ミックスのせいか全体のバランスがイマイチ。オーディオ的にはちょっとなぁ という音なのだ。それに作品としての完成度に欠ける。これはやはりペイジさん としては封印しておきたい音源なのだろう。鮮度命であればこれがイチオシなのだが、これは余興ネタとして、リクエストタイム用に残しておこうと思う。とい うわけで、頂上対決は杉本さんの米テストプレスが採用決定となった。
あと探検隊が発掘に成功し た米シングルCommunication Breakdownをかけます。これは笑っちゃう凄さです。


 ああ、やっとZep1まで終わりました。一時はもうだめかと思ったけど ついにここまで来た。あとはリストを整備してひたすらレコードを点検だ。

11/22追記 杉本さんからご指摘があって、II のマトリクスは末尾1A/1Aではなくて、A/Aではないでしょうかとのことでした。 ということで再度確認しましたら、確かにA/Aでした。どうもあり がとうございました。大した問題ではないかと思われるかもしれませんが、もし1A/1Aだとするとcolumbia系列のマトリクスの可能性も出てくる。
コントラクトプレスと勘違いされる危険性があるので、日記も訂正しておきます。

     
11月22日:
  昨日で盤の選択が全て終わった。ああ疲れた。こんなに集中してZeppelinを聴いたのは生まれた初めてじゃないだろうか。今日は「狂熱のライヴ」 のDVDを買ってきて見ている。まずボーナスディスクの方から見始めた。うーーーんかっこいいな。やっぱロックはかっこよくなくちゃ と思わせてくれるの がZeppelinです。

 今回のZep対決ではいろんな発見があった。反則技(笑)が3つもあるが、聴いてしまったらもう後には戻れない。

ファーストアルバムの英盤がこの程度だった(泣)(反)
IIの米盤はかなりイケてる
IVのテストプレスは超絶失神(反)
「館」の1/1はやはり英正統の音だった
フィジカルのテストは未体験ゾーン(反)

 目玉はなんといってもIVのテストプレスだ。これを聴くだけでも今回のRock Dayに来る価値がある。(出雲から来られる方にこの盤をお聞かせできるので本当にほっとしています。どれもつまんなかった じゃ申し訳ないからね)正 直、これ聴き終わったらみんな一斉に土下座を始めるかもしれないと思っている(笑)。それくらいありがたい音だ。しかしこれじゃ全くもって怪しい宗教だ なぁ あとは、ファースト、セカンドは米盤の良さが爆発してるし、「館」は正統英国の音で楽しめる。フィジカルのテストとPresenceはどちらも凄い 音だ。

 これだけの体験がいっぺんにできたのだから、もう思い残すことはない。ああ、よかったなー もういつお迎えが来てもいいや じゃなくて、本番は明日だ。 やるだけやって無事終わることを祈るだけだ。11/24のStudio K'sはオーラ大爆発で、あの世からボンゾが降臨してくるか、1970年にフラッシュバックするかは やってみてのお楽しみ(笑)。

 私の友人で当日入れないと悲しいから早めに行きます って人が何人かいた。フリーコンサートじゃないんだから そこまで気合入れなくても... そんな 事態になったらなったで嬉しいけど、んなわけないからゆっくりで大丈夫でしょ と言っておいた。どうなるか全く予想がつかないが、ガラガラだったら選曲好 きに変えてこっちが楽しめそうだし(笑)。

 当日までに変更があるかもしれませんが、現状で予定している曲のリストです。
Vienus/The Shocking Blue
Never Marry A Railroad Man/The Shocking Blue
Day After Day/Badfinger
Questions 67 68/Chicago Transit Authority
Listen To The Music/The Doobie Brothers
China Groove/The Doobie Brothers
Dance With Me/Oreans
More Than A Feeling/Boston
那須のちゃわん焼き/四人囃子
Purple Haze/Jimi Hendrix Experience
Turn! Turn! Turn!/The Birds
Time Of The Season/Zombies
Get Back/The Beatles

Zeppelinで選んだ盤は以下の通り
I  米テストプレス
II  米東海岸プレスA/A
III  UK red maroon/US 東海岸A/A
IV  UK test press 2/2
V  UK 先祖返りmatrix 1/1 porky
PG UK test press 1/1(side I,IIのみ)
Presence UK 1/1 1st press or US promo
single Communication Breakdown US promo
    Over The HIll And Far Away US promo
次点としては I の米RCAプレスデモミックス、II UK wreck
「館」US promoといったところ。これは当日リクエストがあれば聴けるように持参します。

 前にも書いたが、この世に同じレコードは一枚もない。
昨日までに選んだ盤はあくまでも集まった個体に対しての
私個人の評価なので、同じ盤を買ったけど違うと言われても責任は持てない。私が選曲したものはピピエコさんのリストと合体して当日配布される予定です。

11月23日
 明日の盤をチェックして、クリーニングも終わった。洗った盤は一度針を通して一皮むいた。ただひとつ心残りなのは50円ミスリムが出てこなかった。20 箱くらい開けたけど やっぱりない。今度会えるのは何年後だろうか・・というわけでミスリムは持っていけません。ごめんなさーい。

 やっとパッキングも終わってあとはStuido K'sへ行くだけだ。さてどうなるかわかりませんが 出たとこ勝負です。
明日はいろいろ不手際があるかもしれませんが、大目に見て下さいね。それではStudio K'sでお会いしましょう!

11月25日:
  Rock Dayが終わった。DJなんて初めての体験で、内心ヒヤヒヤものだったけど終わってみれば楽しかったことだけが記憶に残っている。お客さんもたくさん来て くれたし、それなりに楽しんでもらえたと思います。でも6時間もずっと座って聴いてくれたことには心底感謝しています。皆さん本当に素晴らしいオーディエ ンス。キミタチサイコダヨ!!
と叫んだウェットンの気持ちがよくわかった(笑)

 開始前から入場を待つ人が10人以上いたのにはびっくりした。こりゃ大変なことになるな と思ったが皆さん最初から最後まで通して聴かれた方が多くて、 これはちょっと意外だった。事前にプログラムを発表したことでこのような形態になったのかな?とも思う。そういう意味では来られた人達はある程度覚悟はし ているとわかったので、こちらも思う存分爆音でやらせてもらった(笑)。

 意外だったのはZep1と2が予想外の音になったことだ。これは全くの計算外。まさかあんな音で鳴るなんて、盤を提供してくれた探検隊の隊員の方もびっ くりされていた。Whole Lotta Loveの中間のギターソロが入る瞬間、間違いなくStudio K'sにはボンゾがいた はっきりとそう感じた。この瞬間だけでも、今回のイベントの価値はあったと思う。

 今度またこの盤をかけてみても同じことが起こるのかはわからない。装置の状態も変わっているだろうし、お客さんの思いも今回と同じとは限らない。漠然と だけど、あんなことは二度と起きないような気がするのだ。

 Studio K'sの山本さん、戯れる会のにしだやさん、相方DJの佐藤さん、探検隊を初め、貴重な盤を快く提供して下さった皆さん、それに今回のRock Dayに関わった全ての皆さん。本当にありがとうございました。心から感謝します。
今はとにかく幸福感でいっぱいです。

11月27日:
Rock Day 忘れないうちに そうですね。
すでにかなり忘れてるかもしれない(笑)
<セットリストの配布>
これは佐藤さんに全面的にお世話になりました。佐藤さんが書かれていたように(きっと来店されるお客さんは、ロック好きな人が中心だろうから「次は、どんな曲がかかるんだろ?」ということよりも 「どんな風に鳴るんだろ?」ということを優先したからだ。)ほんとその通りで、結果的には大変よかったと思う。私はプログラムを事前に公開 することで、「面白そうなので来てみたけどがっかりした」というのを避けたかった というのが第一の理由だった。
<意図したところ>
再度佐藤さんのhpから引用
(結 果としては「ロック好きな方に、良い装置で、音を提供した」ことになった)(オーディオを趣味とする方々にもっとRockというジャンルをオーディオソー スとして見直してもらいたい という目的のためには、どうすればいいんだろ?
難しいなぁ〜。ステサン「BeatSound」誌も、そういう意図なんだろうけど、なかなか、その牙城を崩すのは並大抵ではないようだ)
 
  全くその通りだ。所詮オーディオマニアにRockもいいよ 聴いてみな ってアプローチに無理がある(笑)無理にRock聴かなくてもオーディオに向いた ソースは他にいくらでもある。むしろ、Rock好きな方々にオーディオ機器を買わせる方策を検討すべきだ(笑)。

 今回はZeppelinというテーマがあったので、私の担当は内容が絞られていてやりやすかった。良さそうな盤を選んだ過程を公開した段階でやるべきこ とは終了したといってもいい。しかし、これは完全にコレクターの視点で行ったことで、当然のことながら結果的にはオーディオ系にアピールしなかった。自分 で(オーディオを趣味とする方々に・・・という主旨のものだ)と言っておきながら、盤の選定作業の公開という行為は当初の目的に沿ったものではなかった。 音質の違いなんかは、オーディオ系の人達にわかるような言葉を使って書いたつもりだが、元々のアプローチが間違っていた気がする。結果的に客層もその通り になった。

 終わってからずっと気になっていたのは、目玉のZeppelinを聴くために6時間もの間ずっと我慢してたんじゃないか ということ。Zeppelin の音があまりにも強烈だったので他は霞んでしまったように思えたからだ。しかしこれは全く違う感想ばかりが寄せられて、ある意味驚いた。要するに目玉が Zepだったことはあるけど、最初から最後まで十二分に楽しめました という感想ばかりで、Zepだけ良くて、他はつまんなかった という感想は皆無だっ た。各曲の感想が細かくレポートされた文面を読む限り、単なる社交辞令ではないことは明白だ。あんな音が聴けるのなら、Zepに限らす是非また行きますよ  という。本当に嬉しい話だ。また、そういうニーズがあることもわかった。爆音に限らす(笑)、Studio K'sの音楽喫茶に行けば良い音を楽しめる という認識が広まったのは有意義だったと思う。

 音はどうだったのかというと、自宅で盤を選別したときは たぶんStudio K'sではこんな感じで鳴るだろう とイメージしていた。しかし、
探検隊のレポートに もあるように、出てきた音は全く予想外のものだった。オーナーの山本さんですら予測できなかった音だったに違いない。おそらくあの場にいた人達は私も含め て、11/24のStudio K'sで初めてZeppelinのレコードを高品位な爆音で体験したのだ。いろんな感想をいただいたけど、あんな音、同じ盤買っても家では絶対出せません よ という点では皆同じ感想だった。70年代の音楽喫茶が盛んだった頃は爆音でガンガンやってたんだろうな。リアルタイムに体験できた世代では爆音があた りまえだったのかもしれない。でもStudio K'sで聴けた超絶爆音(笑)は70年代の音楽喫茶やこれまでに経験したものとは全く違う次元の音だった。

12月3日:
 とうとう12月だ。あと1ヶ月弱で2008年か。まいったな。
毎年この時期になるとJohn Lennonの命日を思い出す。
その日私は仕事で夜中に雪の降る真っ暗な高速道路をひとりで出張先まで運転していた。ラジオからなにげにジョンが撃たれて亡くなったと聞いて頭が真っ白に なり、運転を続けることができずに、路肩に車を停めた。そのまましばらくは事実を受け入れることができずに1時間くらいぼーっとしていたことを思い出す。 実際に一報が入ったのは日本時間の昼間だったらしいが、私はその日の夜になって初めて訃報を聞いた。1980年だから、もうあれから27年(?!)
ほんとかよ・・・

 そういうタイミングでもないだろうけど、ジョンの紙ジャケCDが発売されているようだ。私は買う気が起きないが、
探検隊では毎度のごとくお布施をして
検証されている。
個人的には最初の2枚の英オリジナルがあればとりあえずいいと思ってるが、「魂」の初回プレスはやはりMCLENクレジットのものがほしいな。音がいいと か言われるとグラっときてしまう(笑

 先日のRock Dayで異口同音に評判がよかったのは意外なことに、休憩でかかっていたクラシックだった。実際素晴らしい音だった。アナログ盤の最後に近い頃のデジタル 録音らしいが、空間に溶け込むような音色は録音であることを感じさせないような自然な音色だった。こういう音がデジタル録音でも出るんだなと感心した。

 今回の音楽喫茶は喫茶というよりも、最初から最後まで通して聴いた人が多くて、パッケージ化されたコンサートのようになった。事前に曲リストを公開した ことや、テーマがあったせいでこうなったのかもしれない。ふらりと立ち寄る喫茶のイメージとは程遠いものになったが、こういうニーズがあることもわかっ た。音楽を楽しむという意味では同じだけど、今回のような形式と「喫茶」形式は同じ内容では両立し得ないと思う。今度またやるようなことがあれば、やり方 を考える必要がありそうだ。

   
12月9日:
 家内と娘が出かけたスキを狙って今日はひさしぶりにSACDマルチを何枚か聴いた。ちょっと気になることがあったので試してみたのだ。この中でDeep Purple/Machine HeadのSACDは当時4chが流行った頃のquadraphonic版をそのままSACDの4.0chにリマスタされたものだ。つまり、5.1chの フォーマットでありながら、センターとSLは音が入っていない。うちのセッティングでは4chのシステムに5.1を後から足したので、プレーヤーでセン ターとSLは使用しない(フロントLRにダウンミックスする)にして4chの系統に繋いである。

 私は家庭用のシステムではサブウーファーはともかく、 センタースピーカーは不要と考えている。センタースピーカーというのは元々映画のセリフを出すた めのもので、映画用は当初センタースピーカー1本でやっていたのだ。1960年頃、立体音響に拡張したときにLとR(とサラウンド1系統)を足したという 経緯がある。映画館のような広い空間ではLRだけだとセリフが中央に定位せず中抜けしてしまうので、センタースピーカーは必須になるが、家庭用では無用の 長物だ。LRのファンタムセンターで何ら不自由しないし、たかだか4、5m程度の空間ではセンター抜けがするような間抜けなステレオ配置をして聴いている オーディオマニアなんかいない。映画館のようにスクリーンの裏にセンターを置けるわけがないし、そもそも2chステレオのシステムにセンターチャンネル用 のプリ、メイン、スピーカーをどうやって追加しろというのだ?つまり、全てを捨ててサラウンドAVアンプと入れ替えるしか他に方法がないということだ。

 これではあのオイルショック前の1973年頃に流行ったクァドラフォニックの二の舞ではないか。あの時も4chにすればアンプとスピーカーが倍売れるぞ  とメーカーが凄い勢いで普及に努めた。しかし、直後に勃発した中東戦争のアオリでオイルショックになると、あっという間に姿を消した。おいおい、あの勢 いはどうしちゃったの?って感じだったが、それでも2chのシステムにアダプター形式で対応できたのでまだ救いはあった。そういう意味では、今度の 5.1chは2chシステムと親和性がなく、全てを入れ替えるしかない。これは最悪だ。

 そこでメーカーも考えた。既存のシステムに対応するにはセンタースピーカーとSLを使わない(ダウンミックスする)ようにすれば見事に解決しますよ ど うです いいでしょ というわけだ。うーーん すばらしい。さすがに4chの二の舞はしないよね。メーカーもバカじゃない。私もダウンミックスに設定して 既存のシステムに繋ぎこんでいる。これで全てがうまくいっていた(はずだった)。ところが、このダウンミックスは音が悪いらしい という話を聞いたもんだ から、放ってもおけず、慌てて確かめてみた というわけだ。

 で、話は最初に戻って、試しに先のマシン・ヘッドを聴いてみた。このSACDマルチは最初っからセンターとSLが入っていない。これをセンタースピー カー、サブウーファーあり(ダウンミックスしない)セッティングで比べてみた。何が違うのかというと、何も違わないはずなのだ。ところが、ダウンミックス なしで聴くと音質が呆れるくらい違うのだ。フロントだけではなくリアもいきなり活気が漲ってガッツのある音になってしまった。うーーん もういや!どー なってんの?もう何も信じられない。こうなりゃ外付けのダウンミックスを作るしかないな。どんなにヘナチョコに作ってもこれよりは絶対マシな音になる!間 違いない。

 というわけで、急遽作ることにしました。予算は5,000円以内。しかし頭にくるなぁ・・この忙しいときに・・

 気を鎮めるためにJune Christyと英DECCAのペールギュントを聴いた。Something Coolは先日ZEPのテストプレスを提供してくれた
杉本さん にあげちゃったのだが、持ってないと何か落ち着かない(笑 仕方なく初回レーベルのオリジナルを買い直した。ジャケットの色具合も音も全然違う。ああ、あ げてよかった(笑 ペール・ギュントは私が持っているクラシックのレコードで一番音がいいかもしれない。1958年のオリジナルED1 ボロボロだけどい つ聴いても最高の音だ。これを聴くと、あれから50年もの間、エンジニア達はいったい何をやってたんだろ と思う。

           

12月10日:
 昨日の続き。今日はそこらへんの部品を集めてダウンミックスアンプを作った。センターとSLをフロントLRにミックスする。この際、とりあえず音が出れ ばいいや。時間もないし、いらないところはどんどん省く。入力のバッファはSACDプレーヤーの出力インピーダンスが低いので省略。そうなると残りはサミ ングアンプと出力の反転アンプのみ。ゲインもないし、GND基準で動作しているので、オフセットはほとんど出ないはずだ。だったら、カップリングコンデン サも取ってしまおう。0.2mVくらいオフセットが出ているが、まぁいいや。面倒だから出力のカップリングもやめ。これで完全DCアンプだ(笑 昼休みと 放課後の1時間くらいで完成した。

 SACDの出力は4chのデコーダーに接続されている。こっちは入力Cがあるから、この程度のオフセットならまぁいいだろう。ファンタム合成を考慮して センターとSLは1/2にして直列にVRを入れた。これで多少ミックスを加減できる。

 結局廃材モドキ(といっても抵抗はわりといいものを使った)で作ったので買ったのは2連のVR2個で460円だけ。あとは箱に入れてノブを付ければ完成 だ。あと1000円もあれば完成できそうだ。

 家に帰ってさっそく繋いでみた。なんということもなく動作している。プレーヤー内部のダウンミックスに比べると音が痩せない。しかし、本当かね? SACDのダウンミックス処理はDSDデコーダーのCXD2753R内部で処理しているはずだが、なんであんなにヘロヘロになるのか理解できない。DSD の演算処理よりもアナログダウンミックスの方がマシなんて、こんなことがあっていいのだろうか?まいったね。

 センターとSLは1/2(-6dB)にするとちょっと物足りない。
1:1そのままのゲインでも良さそうだ。あとは聴いてみてバランスが取れるように少しアレンジしてみよう。MIX段と出力段は好みのOPAMPを差し替え できるようにしてあるので、転がってるOPAMPをいろいろ差し替えてみようかな
おっと、こんなことやってる場合か!

  
12月11日:
 昨日の続き。この忙しいときに、部品棚を漁ってたら進のプレート抵抗が200個くらい出てきた。こりゃぁいいや サミングの抵抗を早速交換、ついでにセ ンターとSLのゲインを+15、-6に抵抗値を変更した。樹脂ケースに入れて完成。入出力はジャックを取り付けるのが面倒なのでヒモ出しにした。もうこれ でいいだろ。義理は果たしたぞ(笑

 家に持って帰って聴いてみた。うーーん・・なんともいえん滑らかだけど力強い音だ。さすがDCアンプ(笑。 進の抵抗らしい音がしている気がしてきた。 このままずっと聴き続けていたい。結局カーペンターズのsinglesを通して聴いてしまった。正月はOPAMPを差し替えていろいろやってみようかな。 あまり凝っても仕方ないけど。

 ゲインコントロールを付けてわかったことは、センターは意外にたくさん音が入ってる。ファンタムチャンネルで十分なのに、なんでこんなに入れるんだろ う?それとは逆にSLはレベルが低く感じる。もちろんソースにもよると思うのでいろいろ聴いてから判断することにしよう。オマケで付けたVRでミックスレ ベルを可変できるのでいろいろ遊べる。というわけで、こいつは常駐決定になった。結局出費は1500円くらい。新品で全部部品を揃えても、デバイスに拘ら なければ3000円くらいだろう。ゲインが固定ならそれから-500円くらいだが、これはあると大変便利 というか遊べる(笑。

 PCMやDSD処理のダウンミックスというのは、かなり手抜きじゃないのか?固定ストレートで一番いい音になるように設定されてるとすれば、ダウンミッ クスでは合成したレベルが大きくなりすぎるから、ダウンミックス時はあらかじめレベルを低く取ってあるんじゃないかと疑ってしまう。そうしないとレベルの 上限に達してしまうからだ。デジタルはフルビットの0dbFSの上は存在しないので、ヘッドルームが20dBもあるアナログとは勝手が違う。アナログで言 うミキサーの0VUは-20dbFSなんだそうだ。maxの1/10下が基準レベルになっているわけか。なるほど。となるとリニアで3ビットは損してるわ けだから、16bitといっても13bit相当ってことになる。こういう点ではデジタルは不利だ。

                       
12月13日:
 以前リファレンスとして使っていたDENONのDL-305をやっと入手した。これで4個目かな。なかなかいい個体に出会えなくて、ここ5年くらいは仕 方なくAT-33PTGを使っていたが、やっとマトモそうな個体を入手した。写真のは以前カンチレバーを折ってしまった飾りにしかならないやつだけど、音 が出てるのは当然シェルに付いて稼動中。

 ひさびさに聴いてみたら、独特のブライトな艶っぽい音色に懐かしさを感じた。中低音とのバランスがイマイチだけど、この音色は捨てがたい。元々これを ターゲットにマルチのバランスを取っていたので、これでちょうどいいのかもしれない。しかし、バランスを取ったのはもう15年も前で、部屋も今と比べると かなりデッドだった。今の部屋では少しうるさい感じがする。でもなぁ だからといって、AT-33PTGに戻すか?と言われると、戻せないんだなこれが。

 もうひとつ左側のやつはかの名器だけど難アリということで格安で入手した。これでまともな音が出ればめっけもん なのだが。しかし、こいつがリファレン スになったりしたら後が大変だ。

 なんか最近、一番ハマりたくないオーディオにかなり時間もお金も食われてる気がしてならない(笑

   
12月14日:
 Zeppelin本家の12/10のコンサートは無事終了したようだ。You Tubeに早くもいろんな画像が出ていて結構楽しめる。zeppelin 2007 とかで湯壷るとひっかかる。うーーん凄い老けようだな(笑 2時間も演ったみたいで、見れた人は本当に幸せだ。うらやましいぞ。先日、高校の頃、お店で 貰ったZeppelinのポスターを見つけて買った。これはThe Song Remains The Sameの頃貰って,部屋に貼っていた。懐かしいなぁ やっぱりこの頃のZeppelinは最強だった。

  昨日の某名器はヨークにゴミがびっしり詰まっていて、顕微鏡を覗いてきれいに掃除した。ダンパーも弾力が残っていて、コイルも切れていな い。これはイケるかもー さて、聴くぞ わくわく・・・ と よく考えたら会社に忘れてきてしまった(笑 お楽しみは週末だ。


                     
12月19日:
 最近SACDマルチに片足を突っ込んでしまった。先日のアナログダウンミックスが予想外に良かったせいもある。
友人にサラウンドの大家がいるので、彼にいろいろ良さそうなソフトを教えてもらって、少しづつ聴いてみようと思っている。そんな彼も私もオイルショック前 の4chの頃からのサラウンドファンだ。なので、5.1chをシステムに入れるときにはさほど困らなかった。

 うちではサラウンドの中核に据えてあるのはAVアンプではなく、旧型のQUADのデコーダーだ。Sansuiが心血を注いだVario Matrixを搭載したQSD-1というデコーダーである。たかがマトリクス4chのためにデコーダーを3バンドに分割して処理したのち、再度フルレンジ に合成するという、マトリクス4chにここまでやるか というデコーダーなのだ。

 これで通常の2chソースを擬似サラウンドにするとこれまた素晴らしい。ZeppelinのWhole Lotta Loveなんかは昇天しそうな(笑 サラウンドになる。

 部品もいいものが使われていて、キモの出力バッファにはDCアンプでもお馴染みの名石2SA726が搭載されている。音質もたかがデコーダーではなく、 コントロールアンプの品格を備えている。しかし、さすがに30年も経っているので、内部の電解コンデンサはかなり交換した。こいつはうちにある数少ないビ ンテージオーディオなのだ(笑

 QSD-1は何が便利かって、フロントとリアを2軸にしたメインボリュームがあるのだ。これがあればフロントとリアのバランスを瞬時にコントロールでき る。それに4chダイレクト入力というのがあって、ここにダウンミックスした5.1chを入れるだけ。楽勝だ。

 2chのシステムでマルチをやると、リアの音量コントロールはフロントと連動しないというジレンマがある。だからといってAVアンプってのもねぇ...  品がないよなぁ(笑

 そういうわけで、うちのAVアンプはDTSのデコーダーくらいしか機能を使っていない。

        
   

1月2日:
 2007年はいろんなことがあった。なかでもRock Dayはエポックな出来事だった。その余波がまだ年末年始にも波及してしまっている(笑

 年始にダンボールを漁ってみたら、Bonnie Raittのファーストアルバムが出てきた。76年頃にUSロックが好きな友人に聴かせてもらって釣られて買ったものだ。あまりの渋さに2回くらいしか聴 いた覚えがない(笑 いやー懐かしいなぁ30年振りくらいに聴いてみた。今聴くとこのシブさが結構いい感じだ。しかし売れたあとのボニーとは別人ですなぁ

 もう一枚は英盤でMay Blitzというハードロックのアルバム。超シンプルなハードロックなのだがテクニックがしっかりしているので飽きることなく聴ける。ロックのカッコ良さ を感じさせてくれる大好きな一枚だ。2008年はこの2枚を聴いて始まった。

 Zeppelinの時に書いた「聖なる館」の日本盤ドルビー疑惑の件、あれからDolby-Aのユニットを探していたのだが、先日361を入手すること ができた。よーーし早速試してみようと思ったら、日本盤を持っていないことに気がついた(爆
日本盤の見本盤を持っているという友人宅へ持ち込んで聴いてみた。Dolby-Aでデコードした日本盤は英盤並みのバランスに戻った。レベルをいろいろ変 えてデコードしてみたが、かなり過剰に効くようにしても高域が不足している感じはしない。やはりドルビーをかけ忘れたんじゃないかと思う。このアルバムは 全世界同時発売をやろうとして、かなり慌ててリリースしたようだ。ライナーノートも間に合わなかったくらいだし、テープが届いてから発売までの間はほんと にギリギリだったのかもしれない。

 で、このドルビーエンコードされた日本盤が世界最高になったかといえば、そうはならなかった。ドルビーで戻して周波数バランスとS/Nはよくなったのだ が、残念ながら鮮度は英初回盤には及ばない。日本に届いたテープのジェネレーションの差は取り戻すことはできなかった。それにドルビーで戻しても、なにや ら別のイコライジングがなされているようで中域のバランスがまだおかしい(笑 こうなりゃGEQでも使ってみようか・・ いやもうやめとこ。

           

1月9日:
 GenesisのSACD5.1chの第3弾 Gabriel Eraのリリースが遅れている。去年の予定では2008年2月末リリースだったのだが、3月末も怪しい状況らしい。

 しかし、遅れたのにはワケがあった。サラウンドの大家である友人が教えてくれた。どうもPeter Gabriel本人が仕上がりに不満でやり直した(というか、Nick Davisにやり直させた)ようなのだ。 いやーーPeter ありがとう。アンタハエライ!!とほめてあげたい。ニュースソースはAESのコンベンションでPeterがしゃべった?のを抜粋したものだ。(画像にリン クをつけてあります)AESの会員であればコンベンションのレポートが読めると思う。

 Genesisファンの私が言うのもナンだけど、これまでに出た一連のSACDマルチはお世辞にもいいマルチとは言いがたいシロモノだった。もっとはっ きり言うと 私にとってはつまんないマルチだ(笑 極論すればマルチトラックを5方向に振り分けただけ みたいなもんだ。これにはさすがにがっかりした。 これはこれで面白いかもしれないが、マルチトラックを良いセパレーションで聴きたいわけじゃないのだ。
サラウンドの良さは音源となる点と点がつながって線となり、線が面に、さらには立体に発展する という相乗効果で広大なサウンドフィールドが出現すること にある。各スピーカーに点で置いていくようなミックスでは空間が現れない。Genesisの一連のマルチはそういう観点で不満なのだ。

 そこへ行くとフロイドのDSOTMは当時から絡んでいたガスリーが丁寧なサラウンドミックスを行っていて、素晴らしいSACDマルチに仕上がっている。 メインとなる音を前方に集め、効果音やサブの楽器をさりげなくサラウンドから出す というような、メリハリの利いた気配りがされている。もっともアラン・ パーソンズの73年オリジナルのquad版も素晴らしい。SACD版の原型はパーソンズquad版のものだ。

 ロキシーのAvalonにも同じようなことを感じた。こちらもオリジナルのステレオ音場を拡大したような作りで広がりを感じさせる素晴らしいmixだ と。まぁ当時のスタッフが勢ぞろいして、当時できなかったことを喜々としてやってるようなところがあって、これは聴いていて実に楽しい。

 GenesisのはNick Davisが全面的にやっていて、当時の状況を知ってるのはメンバーとFarmのスタッフくらいなもんか。Nick Davisは大変素晴らしいエンジニアなのだが..
We Can't Danceやメカニクスのアルバムを聴けばNickが優れたエンジニアだとすぐにわかる。しかし、今回のSACDマルチに関してはどうも好きになれない。

 このまま同じようなmixで初期作品が出るのかと興醒めしていたところにこのニュースだ。 万歳!してしまった(笑 ここまで来たら、素晴らしいサラウ ンドミックスのBroadwayを期待することにしよう。待つのが楽しみになってきた。


1月16日:
 荒井由美のミスリムだけど、帯付きの美品よりもジャンクで拾ってきた50円の盤の方が音が良かったというのは前に書いた通り。この50円ミスリムがなか なか出てこない。そこで気になっていろいろ探していたのだが、品番はずーっとETP-72001のままなのでどれがファーストプレスなのかジャケットでは 見分けがつかない。あとは盤のマトリクスを追うか、他の部分で初版の特徴があるのかどうかだ。それに東芝は複数のプレス工場があったりして、特定するのは 結構厄介かもしれないな と、思っていろいろ見てみたが、やっとこれが初版だろうと思われる盤を発見した。明らかにこれがそうだろ というのがある。そう か そういうことだったのか。うーー参ったな。
首尾よく盤が入手できたらご紹介しましょう。

 ところで、
ピピエコさんのサイトにアナログダウンミッ クスのことが書いてあった。(1/14の日記のところ)

(S/Nもいいのは勿論だけど、リアの反応が全く変化したのには驚いた)

 これは私も最初に実験したときに体験した。うそなんで?リアの設定はなにもイジってないのに んなバカな、でも実際にデジタルダウンミックス をやめると本来関係ないはずのリアの音までもがレベルも含めて変化する。これは何故だろう?

 よく考えたら、デジタルドメインでダウンミックスを行う場合はそのままの信号を加算するとフルスケールを超えてしまう。あたりまえのことなのだ。だもん で、あらかじめレベルを落としてから加算しているに違いない というところまでは想像がつく。しかし、仮に-6dB落としてからダウンミックスしても、セ ンターとSWが加算されたL(R)のレベルは最悪(全ての信号がフルスケール0dBFS)の場合フルスケールを1.7dBオーバーしてしまう。これでも商 品の仕様としては危ないと思うのだが・・・

 問題は何故関係ないはずのリアまでが変化するのか ということだ。 さきほどのデジタルダウンミックスではフロント側はフルスケールの都合で-6dBに レベルを落としてからミックスしている(と思われる) つまり、フロントの元々のLとRは加算前に-6dBになってしまってるわけで、リアをそのままにし ておくと、フロントよりも6dB高くなってバランスが崩れてしまう。つまり、センターとSWをフロントにデ ジタルダウンミックスすると、本来関係ないはずのリアもフロントとのバランスを取るために、レベルを-6dB(付近)に演算処理している。本 音を言えば 余計なことをするなよ って感じだけど、アナログ的な融通が利かないのがデジタルドメインだったりする(笑

 一方、アナログフロントダウンミックスではリアは一切関係ないので、リアはストレートの状態のままだ。こういう状況も含めて、ヘナチョコなアナログダウ ンミックスでもデジタルよりはマシという奇怪なことが起きる。あとは差がどのくらい違うのか ってことだけど これは実際に聴いて体験してみるしかない。

                
 1月20日:
 念願のミスリム やっと入手できた。ご覧の通り、このオビだ。見た瞬間、こ、これだ!30年前の記憶がフラッシュバックした 。インサートの裏側に買った人が書いたと思われる「Nov.74」という書き込みがあった。発売は74年10月5日 なのでこれが初回オビで間違いないだ ろう。(左側はよく見かける2版のオビ)

 マトリクスを見ると初回のは3S/2S、2版のオビが付いている盤は3S-2/2S-3 となっている。やはり鮮度は末尾の枝番がない初回の方が素晴らしい。しかし、50円ミスリムの方がもっと良かったような気がしてならない(笑

          
               

 他に違いはないかよく見てみると、ジャケットの裏側の左下に東芝EMIのロゴと社名がある。ここの色の濃さというか、初回は黒インクだが、2版は灰色に なっている。(左側が初回、右側が2版)よーく見てみると、曲名やクレジットの文字色も同じく、黒と灰色だ。明らかな違いはここくらい。レーベルは全く同 じだった。

 ここまでわかればエサ箱を漁るときにオビがなくてもある程度判別できる。ジャケットで選びだして、あとは盤面を確認すればいいわけだ。 なんてことが 判ったときにはもう必要のない情報になってたりする(笑

1月25日:
 最近耳鳴りが気になる。別に静かな環境に居るわけでもないのだが、なぜだろう?とうとうヘタってきたか?
こういう時はあまりレコードを聴く気になれない。というわけで、今日はとりとめのないモノローグを・・・

 オーディオの世界は不思議なことが多い。SACDのミックスダウンじゃないけど、理論で説明のつかないことや、常識が通用しないことが多々ある。私はこ れをオカルトオーディオと呼んでいる(笑 オーディオの達人は私から見れば魔法使いのようなものだ。私のようなオーディオオンチは へーー とか、 ほーーー!!とか感心して驚くだけである。

 レコードプレーヤーはその最たるものだ。針を盤の溝に落として走らせる。その振動を電気信号に変換する。とても原始的な機械だけど、こんなものがなぜか CDよりも音がいい。それはともかく、針先からカンチレバーに音波が伝わって、シェル、アームにまで伝わる。盤面からターンテーブルへも音波が伝わる。こ れらを全部拾って電気信号になるのだが、鳴きを全部抑えればよいかといえば、そうでもない。全部を完璧にゼロにすることができないので、どこかで妥協する しかない。プレーヤーには「必要悪」というものが存在する。このへんのサジ加減が実に難しい。これを世間ではチューニングという。このへんのチューニング グッズは効きそうなもの怪しげなものや多種多様なものが存在する。全部真に受けてこんなことをやってたらそのうち自分が棺桶行きになる。とてもレコードな んか集めていられない(笑 

 そうは言っても、ちょっとイジると何かしら音が変わる。たまたま良い方向に行くと またイジってみたくなる。梅干と番茶のようにキリがない。どっちに転 んでも音が変化するのは困る。だからできるだけ触らないようにしなければいけない。信頼できて、できるだけ経年変化しないものを最初っから選ぶことができ ればイジる必要もないのだが。それが出来ないからいつまでも泥沼にハマることになる。

 こんなのはまだいい方で、電源プラグを差し替えると音が良くなるとか、クライオとかいう低温処理をすると音がよくなる とか レコードのレーベルをカッターで切り刻むといいとか オイ、いいかげんにしろよ〜!! って思いませんか?
こういうのは科学的な根拠もあるし、ないものもあります。魔法と科学は紙一重。これを正しく見分けることができなければオーディオはただのお遊びになって しまう。世間からはオーディオやってる人達は降霊術クラブなのかと思われても仕方が無い。確かに目的は近いものがあるが(笑

1月27日:
 Genesisの初期5作品のSACDは3月末リリース予定だった。amazonでは既に予約が始まっていたので、このまま出ると思っていたが、本日未 明、
公式website で発売延期がアナウンスされてしまった。9月って そりゃまたあんまりな・・なんかイヤーな予感がする。良い方向に考えると、最初っからミックスをやり直 してる とか(笑

 今日はジミー・ペイジが西新宿界隈に出没するとタレコミがあったが(笑 実際に現れたのだろうか?今回もプロモーションのついでに という話だけど、実 際はアイテム回収が目的で、プロモーションは飛行機代の口実に違いない。
さすがはペイジさん。毎度のことながら自腹じゃ来ないよね でも、わざわざ来なくても、箱でそのまま送らせればいいのに(笑
結局26日は現れず、27日に
お越しになった
ようだ。


                                     
 1月30日:
 Rockのライヴ盤で音のいいのはどれですかね なんて話をピピエコさんとしていた。よく考えたら、 Rockのライヴって内容はいいけど、音質も優れたものはあまり思い浮かばない。オールマンのフィルモアとかグランドファンクなんかすごくいい演奏(笑  だけど、音はちょっとねーー である。

 内容、音質ともに優れたライヴとなると やはりこれしかないか というのがYessongsになってしまう。ただし、B1のPerpetual Changeだけ  ほかの曲は まぁどうでもいい(笑
最初に買った頃は6面なんか繰り返し聴いたものだが、最近はあまり聴くことがない。曲も長いし、飽きてしまった。
でもこのPerpetual Changeだけはいつ聴いても別格だ。ビルが参加しているトラックというの もあるかもしれないが、演奏のテンションといい、アンサンブル、楽器の音色 いつ聴いても最高の名演だ。Yesの最高傑作は危機ではなくてこの1曲じゃな いかと思う。

 で、最初は当時買った日本盤をずっと聴いていて、その後、英オリジナルも聴いてみた。ワーナーロゴのない全面マトリクス1のファーストプレス だ。ところが、全くサエない音でがっかりした。何枚聴いても同じ。イギリスのyesファンはこんなの聴いてたのか 気の毒やなー。なんでもかんでもオリジ ナルが最高ではないのだ。たまに例外もある。そういえば、このアルバムはイギリスではあまり売れなかったような気がする。この音質のせいだったりして(笑  

 US盤も聴いてみたが、こっちはそんなに悪くない。わりと元気な音だ。しかしこの盤に限って言えば日本盤が飛び抜けて音がいい。コピーと間違えてオリジ ナルマスターを日本に送ったんじゃないか と思えるくらいの差がある。その中でも初回のP-5087-9A の方が再発のP-5503-5よりも鮮明な音 がする。この世界最高音質の日本盤があちこちに捨て値で売られていて、日本って案外いい国なのかもしれないな(笑 熱烈なyesファンのイギリス人にこれ を是非聴かせてみたい。どんな反応をするか楽しみだ。



                    
2月1日:
 気がついたらもう2月になってる。まいったな。
何がまいった って、今月は誕生日なのだ。 うーーむ

 昨日会社のインターネットがダウンした。いきなりトラフィックがなくなって、全くLANが機能しなくなった。焦っていろいろ調べてみたら、特定の回線の 先を切り離すと回復することがわかった。で、調べてみると一台のHUBに辿り着いた。これを繋ぐと上位のHUBに繋がっている端末が全部ダメになる。こい つかーー その場でショップにHUBを買いに走ってようやく復旧させた。

 今日改めてダメになったHUBをあけてみると、電解コンデンサがパンパンに膨らんでいる。写真で上の部分が膨らんでいるのがわかるだろうか?この部分は 意図的に切り込みが入れてあって、内部の圧力が上がると、ここから裂けて爆発しないようになっている。電解液が熱で蒸発し、コンデンサの機能を果たさなく なり、更に発熱が大きくなって という状態だ。膨らんだ電解はまずダメになっている。

 HUBは常時通電の機器で、このHUBは丸1年くらいなのだが、もうコンデンサがやられている。ダメになったコンデンサはスイッチング電源の二次側で、 リップルが大きく、発熱も大きい。常時通電の機器でスイッチング電源が使われていると、経験上ほとんどの故障は電解コンデンサなのだ。

今回故障したコンデンサは1000u/6.3Vというものだった。通常の85℃品じゃなくて、長寿命の105℃品が使われていたが、なにせこの容量にして はサイズが小さい。ケチくさいなぁ こういうきびしいところには余裕を持って一回り大きなものを使うもんだ。おまけに発熱するコイルの横にあったりする。 トンでもない設計ですねー。 というのは普通の設計屋の見方だけど、こんなのが結構多い。8ポートで2千円の中国製のインテリジェントHUBに高信頼性を 求める方が無理があるのかもしれないが(笑 けど、壊れるとほんとに困るんだよなーー

 かといって、まともに設計された長寿命高信頼性のものを買おうとすると とても2万じゃ買えないもんね。
いいもの というのはそういうことだ。
 


                           
           PENTANGLE - ORIGINAL LINE UP - UK Tour announced!July 2008 
 2月2日:
 えらいこっちゃ。オリジナルペン タングルが7月にイギリス国内を巡るツアーを行う。初日のロイヤルフェスティバルホールは既にソー ルドアウト・・ そうだよなぁ 40年経っていてもこれがオリジナルペンタングルに対するイギリスでの評価(期待)なんだよね これはほんとにえらいこっちゃ!!

 去年の1月にメンバーのDanny Thompsonがミュジックアワードを受賞した。その時オリジナルメンバーが全員集まって、Bruton TownとLight Frightを演奏した。その模様はBBCのRadio1でインターネットでも放送された。

 いやー素晴らしかったですね。感動しました。やっぱりペンタングルはあの面子じゃないとね。このメンバーで68年に出したファーストアルバムは個人的に は英国史上最高の一枚だと思っている。

 現在はジャッキー’sペンタングルという名義で活動を行っている
彼女 のサイトにこのリユニオンツアーのことがアナウンスされている。

  6月29日から7月中旬にかけてロイヤルフェスティバルホールを含む12公演が予定されていて、7月のチケットはまだ入手可能だ。 行きたい! これを逃 すともうこの先チャンスはないと思う。7月だと会社休めるかな  なんてね。 できればそのまま日本に来てほしいですね。誰か呼んでくれませんかね?死ぬ 気でプロモーションしますよ(笑 でもギャラ高そう・・・だめならイギリスに行くしかないな。


                                   
 2月4日:
  またまたコンサートですが、去年念願のColosseumを見た。楽屋でサインを貰ったときに また来年来るよ なんてその時は ふーん・・って感じだっ たけど、Colosseumじゃなくて今度はバーバラのソロプロジェクトParaphernaliaで来日するそうな。(という話を昨晩友人から聞いて 知った。話が遠くて ハイズマンが絡んでるバーバラのバンドらしいというので、Paraphernaliaでググってやっとわかった(笑)

Paraphernaliaはバーバラのソロプロジェクトなんだけど、70年代からすでに30年以上の歴史がある(笑 写真のバーバラのファーストソロの タイトルからしてParaphernaliaだ。
メンバーが凄い。夫君のハイズマンは当然として、燻し銀のkbピーター・レマーにヴァイオリンのビリー・トンプソン、ベースにデイヴ・ボールという布陣 だ。ギターじゃなくてViolinってのがシブいね。で、いつ? 2/16は名古屋ボトムライン、東京が18,19,20ってさ来週じゃないですか!しか も月、火、水って・・・場所は六本木のスィートベイジル。で、9千円って・うーむ。困ったなぁ 土日なら迷わず行くんだけど ウィー クデイってのは辛い。この際、会社休んで行くか(笑 ってくらいのいいバンドです。

 このバンド、聴いたことがなくても全然ok。大変良質のロック・ジャズなので、ハットフィールズあたりのジャージーな展開が好きだったらまったく問題な いです。私的には鬼神ハイズマンのドラムにピーター・レマーが聴けるだけでも失神確実。バーバラはどうした?って そりゃもちろんokなんですが(笑

 しかし、もっと早くわかってればなー ハイズマンだけ見たさに行く人も結構いるだろうに。ほとんどプロモーションしてないみたいですね。探すのに苦労し ちゃったよ。


                                                                                                     Philips 835 030 small "Hi-Fi Stereo" logo

    "Minigroove" logo and big panorama Hi-Fi Stereo label

2月20日:
 今度はVan Der Graaf Generatorが6月に、4月にはOpus Avantraが来日する。どちらも行くしかないか・・

 コンサートはおいといて、実はあるレコードを掘っていた。日本人にはお馴染みのイ・ムジチの四季だ。子供の頃からよく聴いたレコードで、四季といえばこ れだった。私ばかりじゃなくて、大多数の日本人にとってはこのレコードが四季のスタンダードになっていると思う。イ・ムジチの四季は何度となくレコーディ ングされているが、どれか一枚となるとやはり59年録音のFelix Ayoのステレオ盤が決定版と言っていいだろう。最近SACDも出たようだからこちらも聴いてみたい気はする。

 聴いていたのは当然日本盤だ。そんなに悪いとは思ってないけど、やはり一度はオリジナルを聴いてみたい。そういうわけで、数年前からオリジナルを探し始 めた。DeccaやColumbia DGGなどの有名レーベルはあちこちに情報があるのだが、なぜかPhilipsに関してはあまり情報がなく、さっぱ りわからない。まぁぼちぼち買ってみるか と掘り始めたのだが。

 Philipsの60年頃のステレオオリジナルはダークマルーンレーベルでパノラマHiFiというロゴがあるらしい というところまではわかった。ふー ん なるほど。じゃそれで探せばいいわけだ。最初の一枚目はわりと簡単に見つかった。おお、これか。これを買おう。わりとあっけなかったな と思っていた ら、同時代のほかの盤を見てみるとパノラマHiFiロゴが大きいのがある。ある時期から大きなパノラマから小さいのに変わったようだ。エマーシーみたいだ な。なるほど。しかし60年というと大パノラマはあるのか?微妙なところだ。(これの切換時期も把握できてないし)しばらく探してみると あった。おお、 これか。じゃあこれを買ってみよう。というわけで、厳選してオランダプレスのオリジナルらしきものを2枚入手した。もういいだろってなもんで、一応ここで やめておく(笑

 さて、届いた盤を見てみると、大パノラマはジャケットがハードカバーで中央部の綴じ袋に盤が収納されていて、作りが全く違う。中の説明文はすべて英語表 記だ。小パノラマはペラペラでこちらはドイツ語。盤はどちらもオランダプレスだけど、仕向地別にいろんなジャケットがあったのかもしれない。中ジャケの写 真も細かく異なっている。ハードカバーのジャケットにはminigrooveというロゴがあって、買った店の話だとこれがあるのがオリジナルということ だった。

 マトリクスは大も小もまったく同じだった。音も大差は感じられないが、大の方がほんの少し鮮度がいい気がする(笑

 で、いにしえの日本盤を聴いてみたが、ちょっと驚いた。
え?こんな音だったっけ?てくらい鈍い音がする。こちらは輸入メタルではなくビクターのカッティングなのだが、これだけ聴いてる分にはわからなかったが、 オリジナルと比べるとその差は歴然だ。たまには日本盤の方がいいものがあるけど、この盤に関しては圧倒的にオランダプレスのオリジナルだった。

    

          
 3月29日:
 年度末でむちゃくちゃ忙しい。実は会社の決算は7月なのだが、得意先がほとんど3月なのだ。おまけに人事考課やら、予算編成やらでもうわけがわかん状態 です(笑

 その最中、暖かくなったもんだから、レコードプレーヤーを入れ替えた。先週友人に手伝ってもらって、なんとか設置した。これまで使っていたYamaha のYP-D10はもうかれこれ30年使っている。別に不満はないのだが、いつかは重量級のプレーヤーを使ってみたいと思っていた。

 先日、家族から捨てると脅かされて、捨てるくらいならと使ってくれる人に譲るよという弩級のプレーヤーを譲り受けた。MicroのRX-5000をモデ ルに精密機械工場へ特注したというエアフロートターンテーブルだ。オリジナルのRX-5000はダイキャストのフレームにドーナツ型のガラス板を貼ったプ ラッターなのだが、これはベースもプラッターもすべてステンレスの削り出しだ。これを金魚ポンプのエアで浮上させる。アームはクラフトのAC- 4000MCのストレートにDL-305を取り付けた。

 設置するとあっさり動き出したが、LP2枚ほど聴いたところでセンタースピンドルからエア漏れが発生。イジっているうちに浮上しなくなってしまった。悪 戦苦闘すること丸一日 なんとか原因を突き止めて今では安定して浮上している。

 しばらくすると今度はドライブモーターから異音が発生した。分解してみたが、特に異常はなさそうだ。結局、軸受けに一滴注油してガタが止まった。オイル レスメタルに含浸したオイルが切れたようだ。エアポンプはその後 水作のSSPP-2に入れ替えた。

 これまでのプレーヤーに比べると芯のしっかりした音が出る。重低音も楽々出るようになったし、高域のうるささも随分減った。だから以前と同じDL- 305でもかなり印象の違う音になった。こっちの方が鳴りのバランスは良い。しかし全部がリジッド構造なので床の振動はよく拾うし、プラッターのメカニカ ルアースがアームベースとはエアで分離されているのがちょっと気になるところ。といっても、プラッターだけで10kもあるから慣性の力頼みといった音だ。  しばらくはチューニングに明け暮れることになりそうだ。


 さて、なんとかまともな音が出始めたので、1月に
ピピエコさんちで
聴いた The Wall/Pink Floydを聴いてみたくなった。Another Brick In The WallでヘリコプタのSEに続く力任せのブレークがオーディオ的快感 のはずなのだが、
あン?おや?なんじゃこれ?ヘナヘナである・・・これマトは2/2/1/2 のとびきり若いやつで、こんな音じゃなかったぞ
と、しばらくしたら突然歪み出した。あ、これは電池だな テスターで当ってみるとドライブ段電源の片側が2Vくらいしかない。そろそろだとは思ってたが、 ついに来たか。考えてみれば前に交換したのは引越し前の夏だからもう丸2年近い。よく持った方だろう。去年まではあまり稼動してなかったが、SACDのダ ウンミックスやらなにやで今年に入ってからかなり稼動している。

 今日は花見に出かけようと思っていたが、こうなったら仕方ない 悪夢の交換作業に取りかかった。電池は常に200本くらい備蓄してある。有事の際はこれ が役に立つ?わけがないけど(笑

 何が面倒かって、電池は全部半田付けしてあるのだ。まず、古い電池から接続ワイヤーを取り外し、新しい電池に軽く半田メッキをする。そしてひたすら繋い でいく。しかしその前に、新しい電池の皮むきがある。これが意外に面倒。それでも以前のものに比べると剥きやすくなった。素材を改良して以前よりも ちぎ れ易いようにしてあるそうだが そもそもシュリンクなんかしないでほしい。 シュリンクされててうれしいのは未開封のレコードだけである。120本の電池 と格闘すること2時間。無事に復旧した。(これで全システムの1/5だもんなぁ やっとれんわ)電池がピンピンの状態で再度 The Wall を聴いてみた。さすがにピピエコさんちのような際限のないドギャーな音は出ないけど、鮮度とリアリティは負けてないと思う。以前のプレーヤーではこんなピ シっとした音は出なかった。やはり重量があるだけのことはあるな(笑 ベース40k、プラッター10k、モーター10k、ベースが20k しめて80kも あるぞ なんせここは木造の2階なのだ。大丈夫か? って今更・・・

        
     

4月30日:
 いやーまいった。(こればっかりだが)ピピエコさんが音沙汰無かったのでどうした のかなと思ってたら、頭を手術し たそうで、びっくり。不謹慎だが、ELPのギーガーのジャケットが脳裏を過った。でも無事に治ったようで何よりだった。お互いあちこち故障してもおかしく ないトシなんだから気をつけないとねー なんてハナで笑ってたら、案の定というか、今度はこっちが故障した。ギックリ腰である。これは痛い。なんせ身動き できないくらい激痛が走って、体の向きすら変えられないのだ。ここに引越ししてきてからは初めてだ。2年に一度くらいやってしまうのだが、今回はちょっと 油断した。スーパーウーファーのキャビネットの左にあるキャスターが目障りで、左右のNS1000Mのバランスが悪い。この連休中に外してしまおうと 昨 日の朝方ウーファーを降ろして、キャビネットの中に入ってボルトを外した。作業は順調に終わって、最後にFW-800を元通りに取り付けて完了 のはず だったのだが・・・穴位置が合わないので うんしょ と上に持ち上げた瞬間・・・・ ビキーー  とイヤな感触が あーーしまったーー やってもーたーー  あとの祭りである。もう動けない。立つ事すらできない。それからはトイレに行くこともままならず、家内にアシストしてもらわないと立つ事すら できない。まいったなー今日は大事な商談があったのだが、部下に任せて休むことにした。大連休になってしまって怨まれてるのだろうが、実際どうにもならな いのだ。おとなしく横になっているしかない。

 こういう場合は都内の某有名な治療室に行く。行けば5分で回復する。信じられない話だが本当だ。効果は個人差があるのだろうが、私の場合、腰が3回、首 が2回ここで治療してもらって、どれもその場で治っている。ところが、運悪く水曜日が定休日...ぐぁぁ あと一日このままかよ 滅入るなぁ 明日は速攻 で行くしかない。明日中に治療を受ければ回復するはずだ。予約がいっぱいで明後日ですねー なんて言われたらどうしよう・・・風呂も入れなくて臭くてたま らんのに(爆

 さて、先日入れ替えたプレーヤーだが、あのあと油漏れが再発したり、いろいろ大変だったがやっと安定して動作するようになった。しかし、重量があるとは いえ、やはり地面の振動を拾っている気がしてならない。インシュレーターのようなものは付けていないので、床からの伝達音をそのまま拾っている気がする。 体には感じないのだが、無音溝をトレースすると何かザワザワするのである。気になりだすと何かやらずにはいられない。インシュレーターを入れようか、それ とも・・・ そう、マイクロユーザーが最高と太鼓判を押すエアインシュレーターがある。ヘルツ工業の空気バネテーブルだ。えーと20万?ひぇーープレー ヤーが買えるじゃないか。でもなぁいつかはやってみたいなぁ と ヤフオクを見ていると、測定機材のカテゴリに型の古いのが出ていた。3万かぁ 誰も競っ てこなけりゃめっけもん かな
と、運よくそのまま落札できた。これで念願の空気バネだ 楽しみだなーーと 届いてみると ん? お、重い なんだこの重さはーー バラしてみるとフレー ムは10kそこそこだけど、無垢の鉄板(だと思う)の10mmくらいのテーブルが30kくらいある。まいったな。こんなもん載せたら100k超えてしまう ぞ。チャチなオーディオラックじゃひとたまりもあるまい。でも潰れたらその時考えよう(笑

 というわけで、やっと載せました。とりあえず水平を取ってそのまま音を出してみると、信じられないような低音が出る。まるでCD並みだ(笑 まだ空気を 入れてなくて、ぺちゃんこだというのにこの音かよ まいったね。

 そのまましばらく聴いていたが、このまま空気を入れないと宝の持ち腐れである。しかし、ちょうどいい空気入れがないのである。愛車バンバンの空気入れで 入れてみたが、圧が不足していて、とても浮上するような気配がない。今度は空気入れを探し始めた。競技用自転車のアクセサリで160psi圧が出る TOPEAKの携帯ポンプを500円で発見。
これを買って、昨日やっと空気を入れてみた。半信半疑でポンプを押してみると おお!浮いた浮いた やったー
これで念願のエアフロートだ。水平をXYで取って音を出してみる ・・・・・なんだこの静けさは!!!素晴らしい!それにこの低音の厚さ。音量を上げても 全く動じない感じがする。もう二度とこの空気バネテーブルは手放せなくなった。やはりこういうのはやってみないとわからない。問題はチャチな下のラックが いつまで持つかなと(笑 なんせ上に載ってるのは100kくらいあるのだ いや、それ以前に家が持つかな・・・

5月5日:
 ぎっくり腰の続き。結局 某治療室には5/1に行った。朝の10時から電話予約開始で、ダイヤルし続けること10分 やっと繋がった。チケット取るより 大変だよ。いやまったく。一番早い予約を頼んでみると午後3時にいいですよ やった!明日に回されなくてよかったよ。必死で環八を車で走った。なんとか辿 り着いて、この時点では車から這い出すのもやっとだ。なんせ乗るだけで30分くらいかかったのだ。受付を済ませて呼ばれるまで5分足らす 呼ばれて治療室 へ行こうにも痛くて立ち上がれない。やっと立って治療を受ける。ものの5分くらいで はいおしまい。 鍼を打つわけでもなく、ゴキゴキひねるわけでもな く、ちょっと足を伸ばしたり、触ったり 痛くも痒くもない。そのあとは立ち上がっても痛みがなく スタスタ歩いて帰った。ほんと どーなってんですかね?神業としか言いようがない。しばらくは筋肉痛が残っているが、立ったり座ったりするのはほぼ不自由しなくなった。その日は3日ぶり の風呂に入って、やっと生きた心地がしてきた(笑

 さて,Studio K'sの第2回Rock Dayが6/8(日)に決定した。前回は本家のリユニオンコンサートにひっかけたZep特集だったけど、今度はプログレやりましょーね と秘かにピピエコさんと画策していたのだ。山本さん からは好きにやっていいですよ と言われた気がする(笑 ので、じゃあ趣味丸出しでプログレやりまひょか というわけだ。

 プログレといっても千差万別十人十色だ。何かテーマを決めないと狙いが定まらない。メジャー系の定番ものをいきなりやるのも大変だし、それは次の機会に 温存することにして(笑 今回は普段聴く機会の少ないマイナーものを中心に趣味丸出しでやってみようということにした。

 というわけで、思い入れのある盤を棚から適当に引っ張り出してみた。それが上のラインナップというわけだ。しかしこうやって並べてみると どれもこれも 紙ジャケで復刻されていて、音源としては目新しいものは少ないね。必死で探して入手した時は結構大変だったのになー と しみじみしてしまうよ。でもまぁ 一応オリジナルだからオーラは紙ジャケの比ではない。アナログテープが音源のこの頃のものは再発CDでまともな音だった試しがない。CDが結構いい音だ なー とオリジナルを聴いてみると、笑うしかない差が歴然 ということもよくあった。感じ方には個人差があるのだろうが、鮮度=リアリティ を主眼に置けば、再 発盤やCDには戻れないだけのオーラが出ているのがオリジナル盤 だと思いたい(笑 今回はマイナーなだけじゃなくて、オーディオ的にも楽しめそうなもの を選定の条件にした。

 もちろん、これが最終稿ではなく、まだ検討を始めたばかりだ。鮮烈なライブ盤特集というのも ピピエコさんと検討中である。

5月12日:
 やっとぎっくり腰から開放されつつある。とは言うものの、まだ痛いのは痛い。しばらく座ったままにしてると、すっくと立ち上がれない。不便やなぁ・・ほ んと健康第一ですね。

 プレーヤーに入れたヘルツ工業の空気バネテーブル こいつの効果で、低音の解像度がうんと上がった。量感はあるけれど、もやもやしない という感じ。端 的な例ではThe Yes Albumの2曲目 Clapでのハウのソロ 爪先で床を叩いてリズムを取る様子がリアルに聞こえる。これは今回初めて、こういう音が入ってたんだと気が ついた。あと ZepのJ・P・Jonesのベース 倍音が少なくてフレーズがわかりにくかったのだけど、ちゃんとフレーズが聴き取れるようになった。音楽そのものを楽 しむには必須ではないようなことだけど、副次的にこういうご利益はあったというわけだ。

  Studio K'sの 第2回Rock Dayプログレ&ライブ特集だけど、所詮プログレそのものがマイナーでしょ どうせならメジャー系もやったら?というご意見を複数いただいた。そりゃそう なんだけど、ELPなんか英MM誌の人気投票でZepを押しのけて一位になったこともあるのだ。商業的にもかなり売れたんじゃないかな。 うーむどうしよ うかな。考え中・・・

 ところで、イタリア盤ってなんであんなに音がいいんだろ というか、日本盤を含め、米盤、ドイツ盤どれも差が大きすぎる。70年当時はイタリアのレコー ドというのは、一旦廃盤になると、マスターテープも消去してしまうので、二度と再発されることはない と言われていた。なので、あるうちに買っておかない と二度と買えない というので、なけなしのお金でかなり無理をして買ったものもある。なので、80年頃になるとユーロロックシリーズで日本盤で発売された 時は驚いた。なんだ あるじゃん(笑 どーなってんの?じゃぁ ってんでこのシリーズを片っ端から買った。高くて買えなかったイタリア盤が日本盤の値段で 買えるんだから そりゃぁもう嬉しくなって買いまくった。
しかし、イタリア盤と比べると(比べるからい けないんだけど)シャレにならないくらい音が違うんだから困る(笑 結局かなりの枚数を買い直すことになってしまった。

 もうひとつ、イタリアのスタジオ機材(コンソールなど)って、70年前半くらいまで真空管式のままだったのかもしれない。PFMの中ジャケに写ってるス タジオの機材の古めかしいこと。メロトロンに至ってはMK2だったりする。最新の設備ではなかったのが逆に音には良かったのかもしれない。カッティングア ンプも球だったのかも。英ではコンソールがトランジスタ式になってから、音が悪くなった という人もいる。イタリア盤の音の柔らかさはこういう要因もある のかもしれない。最新の機材が音が良いとは限らない というのはオーディオでも同じことが言える。今では入手困難な部品はレアなレコード並みのプレミアが 付いてたりする。

5 月16日:
   Studio K'sの 第2回Rock Dayプログレ&ライブ特集だけど、ピピエコさんがメジャー系の選曲をやっていただけることになった。私はすでにメジャーとマイナーの区別すらまともにで きない状態でかなり重症らしい(笑 というわけで、今回はプログレメジャー&マイナー特集 ということになった。それぞれ3時間+五目ロックを1時間 っ てな感じになりそうだ。

 そうなると、上のやつらは少し削って、メジャー系が充実となる。所詮プログレをまともにアルバム単位で聴くと4枚で3時間でおしまい(笑 だけど、まぁ 片面なら9〜10枚はいける。

 以前Niftyのフォーラムでプログレ入門の代表作は?というアンケートというのをやったことがある。あの時の結果は全部覚えていないけど、アンソ ニー・フィリップスが表紙のMarqueeに結果が載ってるはずだ。Top10には イエス、ELP、クリムゾン、フロイドまでは覚えてるけどジェネシスが辛うじてランクインしてたような気がする(笑 どなたかMarqueeが手元にあったら教えてください。

 プログレはオーディオ的に楽しめるものが多いと思う。フロイドだったら、凶暴な音のファースト、おせっかい以降はどれも業界最高の超オーディオな音なの で、どれを選んでも大丈夫。イエスはファースト(英)がとび抜けて鮮度がいい けど、音楽的にはサイケっぽいから聴くのはシンドいかも。セカンドはイマイ チだけど、Eddie Offordがやったサード以降がイエスの絶頂期だろう。(けど長いんだよね(笑) ELPは人気絶頂の頃(頭脳改革)まではどれも楽しめる。特にタルカ スのオリジナルは再発重量盤が裸足で逃げ出す素晴らしい音だ。しかし、これだけがテストプレスが無い(泣  クリムゾンが問題だ。宮殿はマスターテープが 違うので初回盤のみ全く音質が違う。最近発見された幻のマスターテープを使った新盤CDとの聞き比べはオーディオ的にかなり興味のあるところ。 (RockDayでは比較はやりませんが これもスーパークロックPCオーディオで比べてみたいですね)ISLANDは内容は好きだけど寝そう(笑  REDまでをひと区切りとすると、太陽と旋律はオーディオ的に凄みのある音で楽しめると思う。

5月24日:
 閑話休題 世の中は広いというか世間は狭いというか、いろんな人がいるもんだなという事例を2つ。

 先日ebayにGenesisのブロードウェイのA面マトリクス1というのが出ていた。セラーは自信満々。当然、どがんとbidして、常識では考えられ ない金額(笑 で落札した。さて、
届いてみると、なんのことはない ただのマトリクス2(これがファーストプレスと言われている)だった。早速セラーにクレーム。「なんだこりゃ?通常盤の マトリクス2じゃないか、どこがこれマトリクスA-1Uなんだよ 返送するから金返せ 2なら腐るほど持ってる」「いやーすまんすまんオラのミステイク だっちゃ 返品してくれたら返送料も込みで返金する」 とまぁ ここまでは一安心。その翌日、「そんなに同じもの買ってどうするんだ?ひょっとしてオレの マトリクス1をキープして、手持ちを送り返すつもりだろ だったら金返さない」と言ってきた。あわわ、しまった、余計なこと言わなきゃよかったよ 「いい 加減にしろ、これのマトリクス1は発売以来34年世界的に発見されてないんだよ オレはシリアスなGenesisのコレクターだからな。おまえ、マトリク ス1の存在を証明できないだろ、500カラットのダイヤを売ったようなもんだ。わかったら大人しく返金しろよ この詐欺師!」 ここから先はちょっとやば かった。私はいつも一言多いんだよな 詐欺師呼ばわりされたのが相当頭にきたらしい。というわけで、すったもんだの後、やっと返金されて一安心。疲れまし た。

 先日私のhpを見たという方からメールをいただいた。オールマンのフィルモアQUAD盤に関することだったが、この方のhp を見てびっくり。なんと、フィルモアだけで100枚コレクションされている。100枚って ちょっと・・ うちにも同じ盤がたくさんあるが、多くても30 枚くらいのはずだ。(笑 それをレーベルとかマトリクスの違いで詳細に分類されているのだが、これが圧巻の検証になっていて、フィルモアの世界最強の盤を 探し当てることができる。うーん すごい。そして、改めて米盤は危ないと思った(笑 hpを開いているとこういうお付き合いが始まる可能性がある。お互い に情報を交換して、よりよい人間関係が作れると楽しい。その後、お互いの知人に接点があることもわかった。いやはや、世界は広いが同じ趣味を持つ世界は本 当に狭い。 (狭くなったと言うべきか。これもインターネットのせいだ)

     
5月25日:
 オールマンのフィルモアイーストの続き。圧倒的な内容のFillmore And Moreを 読んでみた。結局一番良かったフィルモアのピンクレーベルは最初に買った盤だったという、なんとも省エネに反した(笑 結果になったそうだ。そういうこと もあるんでしょうね。無心の勝利というか、最初にオリジナルを買う時は気合が入るし、念力が出るから、いい盤を引く確率が高い。不思議だけど、本当によく あることなのだ。

 この盤はマーキュリーの超絶録音で知られるGeorge Pirosがカッティングしたサインがある。GP刻印の他にAT、LW、PRもランオフに刻まれている。ということは、この盤はPirosがカッティング したラッカーにまず、末尾Cをランオフに彫って、(ボツになったA,Bがあるのかも)Preswellでマスターを取って、マザーを何枚か作ったと思われ る。出来上がったマザーにCとCCをラッカーで彫ったCのあとに書き足して、(私は持ってないが、書き足した文字は薄いと思う)CCはMOに、CCCは RI 工場に送ったのではないか?CCCのあとの数字や+はRI 工場でスタンパーの記号として書き足したものかもしれない。音質で気になるマスターからマザーを作った順番はどうか?ほぼ同時に3枚のマザーを作ったとす ると、どれが1番目のマザーなのか知る術はない。時間の関係で遠隔地の工場へ送ったマザーが一枚目なのかもしれないのだ。CCC-1が一番音がいい とい うことは、CCCのマザーが1枚目なのかもしれないし、RI のプレスが優秀なので良く聞こえるのかもしれない。いずれにしても、PRが拠点となって、各地の工場へマザーを供給したと考えて良いと思う。

 さて、自分の盤はというと、買う時にどうせ米盤のファーストプレスなんか探せるはずはない と最初っから諦めていたから、ピンクレーベルだけに着目して サクっと買った。
ところがである・・・私の盤をよく見てみると、PR工場プレスのマトリクスは4面全部「C」だ。なんてこと!私のも適当に買ったのが奇しくもファーストプ レスだったのだ!なんて幸運・・おかげさまで私はこれ以上買わずにすみそうだ(笑

 もうひとつ、先日StudioK'sで クリムゾンの「宮殿」の英オリジナルのマトリクス2と発掘テープCDを比較させてもらった。StudioK'sのPCオーディオ+外部クロックの音はそこ らへんのCD再生とは次元の違うウルトラハイレゾな音だ。それに空間描写力もすごい。デジタルでは絶対不可能と思っていた距離感が意識しなくても感じられ る。というわけで、これならCDの音も真っ当に評価できると思ったからだ。アナログのマトリクス2は2/2ではなく、釣れたての刺身と一夜干しくらいは違 う、2/4を用意した。この2/4でさえ、聴き手を圧倒するような鬼気迫る音がする。発掘テープはカッティングに使ったテープよりもジェネレーションが若 いと言われている。だとしたら、マトリクス2よりもCDの方が音質が良いかもしれない。 という期待はあった。しかし、結果から言うと発掘テープCDは 2/4と比べても音に艶がないのと、一部ダンゴに聞こえる。楽器同士の分離が悪く、2/4よりも解像度が足りないのが気になった。(とは言うものの、これ でも従来のCDは足元にも及ばない高解像度なのだ)同席した人からはバランスの整った発掘CDでも十分聴けるし、アナログは逆にキツいという意見もあった ので、聴き所によってはCDに分があるのかもしれない。私は発掘CDもかなりイケるけど、2/4のオーラには勝てないと思った。テープのジェネレーション が若いのに鮮度が落ちてしまっているのは、やはりアナログテープの磁気抜けとか経年変化が影響しているのではと思っている。今回の比較では一般的な再生環 境からすると、CDの方にかなり有利な状況だったと思う。しかし、それでもオリジナルアナログの方に優位な部分が確認できたのは収穫だった。

                     
                            Close To The Edge/Yes K50012 Test pressing 
 5月31日:
 6/8(日)のRockday が一週間後に迫ってきた。さて、プログレメジャーは次のラインナップになりそうだ。

The Wall、DSOTM/Pink Floyd
Tarkus、Trilogy/ELP
In The Court Of/King Crimson
Renaissance,Genesis/BBC Transcription
Close To The Edge/Yes

何の変哲もない内容(笑 だけど、それぞれ最上の盤を用意する。詳細は各アルバムの説明を追記しますが、ファーストプレスはもちろん、テストプレスも大量 投入した。ものによっては通常盤にはないカッティングのテストもあるので、この機会に未体験の音を是非味わってみてください。

 なんて、書いてしまえばそれまでだ。芸のない選定に我ながら呆れていたのだが、こうなりゃプログレ史上最強の盤(笑 を揃えて腹をくくろう。実はその一 環として、今日Yes の Close To The Edge のテストプレスをお借りしてきた。前回 ZepI のテストプレスをお借りした杉本さん にお願いしたところ、快く貸して下さった。この盤、希少と言われているマトリクス両面1の通常盤と同じもので、テストプレスと言えども通常盤の延長線上に ある音であることは疑いようがない。なので、1/1よりも良いだろうな そのうち手に入れたいものだ。くらいにしか考えていなかったのだが・・・聴いてみ てその予想をかなり上回っていたことを白状しなければならない。

 鮮度というよりも、音の荒れ方というか、しっとりと落ち着きのある、とても静かで滑らかな音だった。まるで無風の摩周湖の湖面に真っ青な空が映っている ような とでも言うか、濁りのない澄んだ音なのだ。なので音量を上げても全くうるさく感じないし、ヴォーカルや楽器のディテイルがくっきりと浮かび上が る。同じ1/1とはいえ なんでこんなに鮮度が高いのだろうか。盤面をよく見てみると、メインマトリクスが鮮明に刻印されている。通常盤はかすれて読めな いくらい薄い。それに、テストプレスにはマザーの記号はあるけど、スタンパ記号の刻印がない!通常盤にはもちろんある。スタンパ記号がないってどういうこ となのか 考えられることはただひとつ このテストプレスはスタンパーではなく、マスターからプレスされたということだ。これで音質の違いが辻褄が合う。 EMIの場合はテストプレスでも必ずスタンパー記号があるが、Kナンバーの英ワーナーでもこういう例は少ない。これはたまたまマスターでプレスしたのだろ う。なんとも罪作りなテスト盤だ。というのは、マスターから調子に乗ってテスト盤を大量に(といっても100もないだろうが)プレスしたので、通常盤のマ トリクス1は寿命が短くなったのではないか?とも思えてしまう。それくらい通常盤のマトリクス1は少ない。しかし、この音を聴いてしまうと、通常盤の 1/1はもはや聴く気がしなくなった。A面はもちろんのこと、さらに驚いたのはB面だ。And You And I の12弦の美しさには溜息しか出ない。Siberian Khatruに至ってはこの曲はガチャガチャうるさくて、あまり好きじゃなかった。ここまでしっとり鳴ると静かな美しい曲に思えてしまう(笑 冗談みたい な話だが、これが率直な感想だ。とまぁ とんでもない音質のテスト盤だった。おそらくこの世に存在するこの作品の音源では最高のものだ。何度も同じことを 言うけど、仮にマスターテープが完全な状態で保管されていたとしても、このテスト盤よりも鮮度が落ちると思う。この音はイエスファンのみならず、プログレ ファン、原盤コレクター、CDで満足していた音楽ファンには衝撃を与えることになるだろう。しかし、どんな盤も良く鳴る、立派な装置を持っているオーディ オマニアには全く興味のないものだろう。こういう恵まれた人達は素晴らしい装置でより多くの音楽を楽しまれている。どんな盤をかけてもビンビンの素晴らし い音で鳴るわけだから、同じ盤を何枚も買う必要性がないわけだ。鮮度コレクターからするとなんともうらやましい限りである。

6/1追記
 よく考えたら、なんか矛盾している。マスターからプレスしたのならマザー記号が刻印されてるはすがない(笑 そうすると、やはりこれはスタンパーでプレ スしたのだろう。それはスタンパ刻印のないテストプレス用のスペシャルスタンパーということになる。だとすると、今度はマトリクスの刻印の鮮明さの違いは なぜだろう?もう少し調べてみる必要がありそうだ。

                      
                              Trilogy/Emerson Lake andPalmer 
 6月1日:
 6/8 (日)のRockday 相棒のピピエコさんから 連絡があった。おお、生きてますか?(笑 みたいな会話だったが、なんでもシゴトでカンヅメになっていたそうだ。大変そうだな。
(風呂入ってる?(笑) 盤は適当に選んでおきますから
当日、選曲はよろしくお願いしますね。

 今回も盤をお借りした紙ジャケ探検隊で 今特集されているVan Halenも今回のRockDayで聴かせてもらえることになった。VHのファーストって78年だったんですね。てっきり80年以降だと思ってたのに。 VHはDoobiesと同じ、Ted Templemanがプロデュースしていて、あのギターとVoだ。悪いわけがない。(笑 最新リマスター紙ジャケCDが出た今、オリジナルLPはどうな の?ってのも興味津々である。

 今日はメジャーの中からELPのトリロジーを。下の写真がそれだが、レーベルに何も書いていないので、袋と一緒に写真を撮ったのだが、なんだかウィンダ ム・ヒルのロゴみたいだ(笑 それはともかく、「展覧会の絵」のあとでこれが出た頃はELPは人気絶頂だったわけで、英MM誌の人気投票でLed Zeppelinを抜いてトップになったほどだ。(と、シングル盤に書いてあった)日本でも相当売れたんじゃないだろうか。さて、このアルバムはテストプ レスの項にも書いたが、テストはマトリクスが両面ともに1Uだ。通常盤は2Uだけど十分いい音がする。ただ幾分派手な音の通常盤と比べるとテストはとても 爽やかな鮮度の高い音がする。

 モービルなどから高音質盤が出たけど、どれもこれも英オリジナルには遠く及ばない音質だ。当時の日本盤もそんなに悪くないと思う。オーディオ誌によく高 音質盤として再発重量盤が「素晴らしい音」と紹介されてるのを見るけど、書いている人は本当にいい音だと思っているのだろうか?というか、オリジナルと比 較してレビューしているとは思えないんけどね。まぁ中古盤の方が音がいい なんて書いても商売にならないから。ものによってははるかに音のいいオリジナル の方が重量盤よりも安く買えたりするし。(笑
入手性もインターネットが普及した今となってはそんなに難しいことではない。実名でレビューを書くと恥ずかしいから名前は伏せた方がいいと思うよ。ほん と。

 このテストプレスは通常盤の遥か彼方の圧倒的な鮮度で楽しめる。盤による違いが大きいと感じるか、似たようなものと感じるかは、個人差もあるし、装置の 差もあるのだろうが、こと鮮度に着目して聴いてみるとその差は歴然として存在する。ヘンな例えかもしれないが、新鮮な刺身を一度食べてしまうと、生臭いや つは食べたくなくなる みたいなものか(笑

 この辺の作品は若い頃に何度も何度も繰り返し聴いた。好き嫌いにかかわらず、聴ける絶対数が限られていたので、同じ盤を飽きるまで聴いた。今同じものを 聴くとなると、最上のもの以外は体が受け付けない というのが本音だ。
そして良い音源を体験してしまうと もう元には戻れない。

 今回のメジャー系はそういう年齢層にも今更感動できるような品位の盤を用意するつもりなので、再発重量盤では味わえない音を十分楽しんでもらえると思い ます。

6月4日:
 6/8 (日)のRockday 予告では3部構成のようになっていましたが、第一部を15:30までやって、休憩・入れ替え 第二部を16:00からスタートということになりました。五 目系とVan Halenは前後に振り分けます。前回Zeppelinの時に満員で入れなった人が出たことや、6時間同じ席に座りっ放しというのも不公平感があるという ことで、RockDayのイベントは二部構成で入れ替え制 という厳戒措置(笑 が取られました。一部が終わったら、一旦全員出てリセット、休憩のあと第 二部開始ということになります。何卒ご了承ください。

 今回はZeppelinの時のようなことはないと思うので、キャパの範囲なら一部、二部両方参加でも もちろんokです。
(ちなみにStudioK'sは30人くらいは入れます)

 お客さんが殺到したらキャパのあるものは所詮どうしようもないわけで、そうなったら次回からは事前申し込みにでもするしかない。予約がいっぱいになった らその時点で締め切ればいいわけだ。でもそうなると ますます音楽喫茶というイメージとは程遠いものになってしまう。

 毎月行われているStudioK'sの音楽喫茶ではJazzやクラシックなど他のジャンルではふらりと(都合の良い時間に)来て、1〜2時間聴いて帰る というお客さんが多いそうだ。Zeppelinの時は9割方の人が最初から最後までずっと通して聴いた。事前にメニューを公開したからそうなったのかもし れないと思っていたけど、モアさんが先日Jazzのレア盤音楽喫茶をやられた時もメニューを公開されたのだが、そういう状況にはならなかったようだ。 Rockのリスナーは熱心な人が多い?そんなことはないと思うが、やはり今回も通しで聴く人が多くて、それなりの人数が集まったら、次回からは予約制にす るしかない。そうなると音楽喫茶というイメージからはどんどん異質のものになって・・・ あああ

 まぁ今回は大丈夫でしょう。プログレなんて所詮マイナーなジャンルだし。万が一殺到したら、整理券を出して一部、二部ともオールリクエストにでもするし か手がないですね。他にどうしようもないし(笑

6月7日:
 6/8(日)のRockday いよいよ明日だ。天気は昼間持ちそうだけど、夕方は降るかもしれない とのこと。
今日は久しぶりに晴れてるけど、週末が晴れたのは9週間ぶりなんだって。そういやここんとこずっと週末は寒くて雨だったもんな。しかし、晴れたら晴れたで 蒸し暑いなぁ..

 昨日ちょっと嬉しいことがあった。30年来、いつかは欲しいと思っていたレコードの一枚を手に入れることができた。
そのうち買おうと思っていたのだけど、あれよあれよという間に高騰したもんだから ほとんど雲の上を通り越して成層圏アイテムになってしまった。なんでこ んなに高いのよ
こんなもんがArzachelよりも高いなんて どうかしてるよ。
しかし、買ったのはジャケットに難アリ(縁にテープ跡)ってんで、相場よりも200ポンド以上安かった(爆 こういうものは転売目的で買う人は手を出さな い。特に日本人は美品指向だから、ボロは相場よりも値が付かないことが多い。
こういうものなら買えるチャンスがこっちにも巡ってくる。
まぁ盤さえしっかりしてればいいか ということで。

 買ってみたいけど、高くて買えないものはいくらでもある。
Please Please Me/The Beatlesのステレオ金パロなんか軽く3,000ポンド以上する。こういうのはもう死に際に最後にオーナーになってポクポク..だな。もっともその前 に上空10キロアイテムは押さえておかないといけないけど。んなことできるわきゃない。命短し音源多し。所詮聴ける量には限りがある。いいものは聴けるう ちに聴いておくことだ。あまりバカ高いものばかり追いかけているとろくなことはない。
盤は見た時が一期一会。躊躇してると買い逃す。(笑
そのためにも買うべきものをしっかり明確にしておくことだ。

 昨日ピピエコさんから連絡があって、「どうあがいても行けそうにないです。すまんです」だって。例 の大もめにもめてる法案か。やるときゃやるんだね。今大変な時だもんね RockDayとどっちが大事かって そりゃ言うまでもありゃしません。ここはしっかり国民のために頑張ってくださいませ。ホネは拾ってやるからさ。(ホネよりもReferenceがいいな)

 さて、明日はどうなるかな。天気はまぁまぁみたいだし、適度な人数が来てくれて、楽しんでもらえると嬉しいです。
上の盤は一応持参しますから、この中から五目の時間はリクエストも受けられると思います。

6月8日:
 今朝は休日にしてはわりと早く目が醒めてしまった。子供が遠足の日にはシャキっと起きるようなものかな。今日は多少緊張しているせいか、いつものように ボーっと寝ていられない。まるで子供に戻ったみたいな気分だ(笑

 天気予報だと雨はなんとか持ちそうだ。曇りだけど降り始めるのは未明のようだ。なんせ明日は仕事だからね。ヘバると大変。やっぱり歳だな(笑

 昨日、今日予定している盤をひととおり聴いてみた。ここ数年聴いていなかった盤もかなりあったので、ちょっと心配になった。カビでも生えてるんじゃない かと。でも大丈夫だった。どれも素晴らしい音だ。レコードってすごいな と改めて感心しましたよ。その中でも、久しぶりに聴いた Jethro Tull のThick As A Brickのテスト盤は やはりとんでもない音だった。テスト盤数々あれど、これは別格。次元が違いすぎて唖然呆然である。テスト盤のページに書いたものを読み直して、ちょっと大 袈裟かな と思っていたが、実際に聴いてみると誇張でもなんでもなかった。今日はこれをかけるのが一番の楽しみだ。

 それでは StudioK'sでお会いしましょう!

6月9日:
  6/8(日)のRockday 無事に終了しました。無事に というのは、天気がなんとか持ったのと、StudioK'sのキャパの範囲で収まったからだ。とりあえずほっとした。前半は 12人ほど、後半は23人くらい だった。ガラガラでもなく、スシ詰めでもなく ほどよく満席になったのは運が良かったとしか言いようがない。前回みたい に入れなかったという事態にならなかったのがなによりだった。日曜日にもかかわらず、来て下さった皆さん 本当にどうもありがとうございました。

 どれもいい音で鳴ったと思う。ただ、Goblinだけはなぜか途中でループしてトレース不可能で中止した。途中までは凄い音で鳴っていたのだが、あると ころから溝が2つくらい戻ってしまった。不思議なこともあるものだ。その他では「宮殿」は途中スクラッチがきつかった かな?それを除けば、音に関しては 良かったと思う。選曲については、かなりラウドなネタを並べ過ぎたようだ。自分で聴いていてもちょっと疲れるかな という感じだった。もっと緩急織り交ぜ たプログラムにしないといけませんね。少し欲張り過ぎたようだ。まぁそれでも皆さん楽しんでもらえたようでよかった。ジェラルドと危機のテスト盤は異次元 の凄さだったし、SBTもよく鳴っていた。StudioK'sの山本さんも「こんないい音だったとは」と驚いておられた。確かに2/2のSBTはいい音な のだけど、日本盤を聴き慣れていると、あまりの差にびっくりする。大差ないものもあるけど、DSOTMはその落差が大きい部類に入る。SBTではないマト リクス5くらいの盤でも日本盤と比べると別世界だ。フロイドは探検隊でやった2001年の試聴会の総決算という意味でも8年越しに決着したような気分だ。 そうそう、探検隊がかけてくれたVHも素晴らしくソリッドなリキの入った音で楽しめた。ニコレット・ラーソンはエディがゲスト参加してるやつだけど、とて もバランスのいい音で鳴っていたのが印象的だった。

 唯一リクエストを頂いたプロコル・ハルムは持ってきたつもりが、入れ忘れてしまいました。本当に申し訳ありませんでした。次回機会があればリベンジした いと思います。

 StudioK'sでは今回RockDayは厳戒体制(笑 になってしまったが、今度からは音楽喫茶とは別枠で企画してもらえることになりそうだ。 Rockだけでもシリーズでやれたら、もっといろんな展開が可能になる。その時は皆さんのご意見もお聞きして、いい企画にができればと考えています。

 前半が始まった頃に、ヘリがやたらと飛んでいたが、要人でも来たのかと思っていたら、隣の秋葉原でとんでもない事件が起こっていたのだった。帰りの電車 のモニターを見てそのことを知った。亡くなった方々は本当にお気の毒だけど、そんなすぐ近くで能天気にレコードを聴いていたと思うと、何ともいたたまれな い気分だ。人生は一寸先は闇というが、明日のことは誰にもわからない。生きている者は精一杯自分のやるべきことをやる。それが努めだと思う。

6月10日:
 話題のSHM-CDというのを聴いてみた。2枚組の通常CDとのセットで、試聴用サンプル1,000円というやつだ。同じプレスでポリカーボネートの素 材のみが違うのがSHM-CDとのこと。当然内容は全く同じ。差分を比較するのには最適だ。中身のデーター自体は全く同じはずなので、音に違いがあるとす れば、読み取り時のエラーの大小とか、サーボの負荷が変わるだけのはずだ。そんな差で、どれくらい音が変わるのか興味津々というわけ。

 カーステレオで聴いてみたが、明らかにSHM-CDの方が高解像度な音がする。ここまで違いがあると、本当に同じデーターなのかな と思ってしまう。こ の差はサーボの負荷と読み取りエラー補間以外には要因が考えられない。ということは、サーボって、そんなに音を汚しているのか??という話になってしまう のだけど、じゃあリッピングしたらどうなるのよ ってことなんだ。倍速とかで読み取るのだけど、データー自体は同じはずなのだ。それで違いが出るはずがな い。早速リニアファイルを作ってipodに入れて聴いてみよう。どうなるか楽しみである。もし、違いが出ないなら、CDは一度リッピングすればSHM- CDも通常CDも同じということだ。
(ほんとかね?)

 ただ、いいのはわかったけど、じゃあ全部買い換えるか?って話になると、SHM-CD万能 というわけではない。
音源の方がSHM-CDの音を念頭置いてにマスタリングされているのか ということだ。SHMの音は解像度がよくてきれいだ。でも過剰に聞こえてしまう部 分もある。過剰というのはCDでは足りない部分や失われる部分を見越して最終仕上がりを念頭に置いてマスタリングされているのだと思う。最終的にはこれで バランスの良いCDになるわけだ。これをそのままSHM-CDに入れ物だけ変えると、失われるはずの部分が過剰に聞こえてしまうのではないだろうか。最 初っからSHM-CD前提のマスタリングをすればとてもいいものになると思う。そうなるとリッピングしたらどうなるのよ って話に戻ってしまうわけだ。 うーむ・・・ 追試をしたらまた書いてみます。

*6/8のRockDayでかけたリストを 作りました。改めて見てみると よくこんなのかけたなー ってのが目白押しで並んでます(笑 とてもじゃないけど免疫がなかったら6時間も聴いてらんない よな... と、ここで はたと気がついた。
そうだったんだ。Zeppelinもプログレも免疫がある人達が来たから6時間通しになったのだ。Jazzやクラシックだと、免疫がなくても聴けるし、好 きな時間にふらっと来て帰れる。やはり音楽喫茶にこういうジャンルは無謀だったんだな(笑

6月11日:
 SHM-CDサンプラー「これがSHM-CDだ!」をPCにリッピングしてみた。i-tunesを使ってリニア44.1KのWAVファイル形式にした。 SHM-CDと通常CDの違いはわからない。やはりリッピングしてしまえば同じ音だ。エラーリカバリーをする/しない というのも比較したが、こちらも差 がない。ということは、データーは同じで、読み取り時のサーボの負担の差がSHMと通常CDの差ということになる。

 じゃあディスクを再生するのとリッピング音源ではどちらの方が?? これは圧倒的にリッピングしたファイル再生の方がよかった。通常CDだとあちこち付 帯音があって歪っぽいけど、SHMはそれが少なくてきれいな音がする。しかし、SHM再生よりもリッピングファイルの方が安定感があってストレスなしに聴 ける。

 ってぇことはナニか?SHM-CD買わなくても、普通のCDをリッピングして再生した方がいいじゃん(笑 これも面倒といえば面倒だけど、今時、大半の 人がCDをダイレクトドライブ(笑 で再生するよりもiPodのような媒体に移して聴いてる頻度の方が多いんじゃないのかな?私のi-touchは32G あるので、リニアファイルを入れてもさほど気にならない。

 しかし、サーボ系の負担の違いでこうも音が違うとはね。この2枚のディスクで差が出るということは、サーボ系の電源廻りが何か音に影響しているというこ とになる。なんでメーカーはこんな簡単なことができない?? せっかくこういう開発にうってつけのサンプラーがあるんだから、メーカーは大量にこれを買っ てですね、SHMでも通常CDでも音質差が出ないものを作ってほしいものだ。SHMの開発元のビクターがそういうCDプレーヤーを発売したらすごいよな (笑
PCオーディオもSHMと通常CDで差が出ないのが理想だ。差が出るとすればサーボ電流 ということなのだから。

 だいたい、最初CDが出たときはデジタルだから、音はずっと同じ。プレーヤーで再生音はどれも一緒 みたいなことが言われていた。アナログみたいにカー トリッジで音が変わるなんてことはあり得ない なんて。実は大嘘でしたね。デジタルケーブルを変えるだけでも音が違うし、とにかくナニをイジっても音が変 わる。アナログと同じじゃん。(笑 いや、正体が見えないだけあって、実はもっと始末が悪い。デジタル信号はとても弱くて不安定なものだ。おまけに伝送速 度もインフラ(笑 のわりには結構速い。規格そのものは別にして、こういう脆弱な信号がデジタルオーディオの正体だったりする。

                                  
6月19日:
 先週の土曜日、Fillmore  And More のZappapaさんがうちを尋ねてくれた。東京出張のついで(?)ということだった。その時点ですでにメールを数十回やりとりしているので、(その時間 経過の中だけでフィルモアが10枚くらい増えてるし)お互いの思想(笑 はかなり理解が進んでいた。なので、初対面にもかかわらずコレクター談義に話が弾 んだのは言うまでもない。当日もフィルモアの日本盤の末期頃のオビ付きを入手されていた。もう驚きませんけどね(笑

 その日、Zappapaさんが持参してくれたSP起こしの音源を聴かせてもらった。B.B.Kingとかプレスリーだったが、どうせSPなんて、言うほ どの音じゃないだろうと思ってたら、聴いてびっくり。あまりの鮮烈な音に眩暈がした。あのLove Me Tenderなんかゾクッとするほど生々しい。B.B.Kingでさえ若さ溢れる演奏で、びっくりした。鮮度でいけば確かにこれを凌ぐような音はそうそう ないだろう。さすがに78回転はすごいなと。フォーマットもそうだけど、当時の制作側の情念のようなものが大きいのかもしれない。こういう音楽には本当に 心打たれる。SPにハマるとLPはつまらん というのも少しは理解できたような気がする。スクラッチとか歪は 音楽の力の前には全く無力(笑 だなぁと改めて思った。

 さて、別の話。古い友人から「うちのCDがダメになった」という話を聞いた。Theree Sides Live/Genesisだ。へーそうなの それはそれは。くらいに思っていたら、他の人からも「うちのもやられてる」という報告があったので、ここで やっと自分のCDを見てみた。おっとー こりゃすごい。見事にゴールドCDになってる(写真左)。変色して茶けてしまっていた。かけてみると、なんとか再 生はできたので一安心だ。これは2枚組みで、2枚入りの厚手のケースに入っている。原因はクッションに使われているスポンジだろう。これから発生した腐食 ガスが盤面を侵食したようだ。慌てて他のスポンジ入りのを何枚か見てみると、ものによってはボロボロの粉になっていたり、かなり盤面を痛めていた。いやぁ 怖いですねぇ。もうスポンジは問答無用で全部撤去だな こうなるとオリジナルの付属品にこだわってる場合じゃない。(笑 しかし、スポンジというのは本当 に長持ちしない。カメラのフィルムの通り道とか、オーディオ製品など、工業製品にもいろいろ使われているが、ほとんどが溶けるか粉になってしまってる。そ ういえば、昔PC98のFDDのヘッドにシールドカバーがスポンジで貼り付けられていた。これがあちこちで脱落していたのを思い出す。ヴィンテージものを 買うときには まずスポンジ系のチェックは欠かせない。

                            

6月20日:
 昨日帰ってからCD棚の2枚組を全部点検した。スポンジが腐ってないか、気が気じゃなかった。そしたら20枚くらい出て きましたね。腐ったスポンジが。見事に粉になりかけてる。一番ひどかったのは写真左下のヨッフムのマイスタージンガー。4枚組みでDISK3と4はかなり ひどい。DISK1と2はスポンジで貼り合わされてしまっている。読み取り面が見えるディスクのスポンジの下にもう一枚がレーベル面を対向してくっついて いる。もうどうにもならない。もう一枚だめだったのはBJHのLive Tapes これもスポンジがレーベル面に貼り付いていて、スポンジを落とそうとしたら、アルミ素材そのものが剥れてしまった。これもアウト。結局完全に 死んでいたのはこの2枚だけだった。どっちもポリグラム系じゃないか。だめだなぁハノーバー工場は(笑

 先日 Aphrodite's Child のファーストアルバムを買った。なぜまた買ったかというと、ジャケットがフリップバックだったのだ。え?こっちが初版?? まったくもぅ 幸い、盤は寸分 違わず同じだった。ジャケット表の右上に細かい文字があるのと、裏のフリップの下にバンゲリスのマーケティングがどうの というクレジットがフリップの ジャケットにはない。やはりこちらが初版なのか?詳細は後日追記します。

 あと、Pink FloydのMeddleのデンマークプレスというのを買ってみた。盤は英と同じマトリクスで1U/1Uだ。よくみると3時9時のマザー/スタンパの記号 がない。メタルマザーをデンマークに持ってきてスタンパーを作ってプレスしたものと思われる。だとしたら、なぜマザー番号がない?日本でプレスした DECCAのキング盤にはしっかりマザー記号があるのに。でもひょっとして、音がいいかもしれない というわけで買ってみたのだ。盤はピカピカ。しかし予 想に反して高域の伸びが明らかに足りない 艶っぽさがなくてだめだ。これは逆説的に英のスタンパー、プレスの技術力の優秀さを裏付けたことになった。ただ、唯一の救いはジャケットが英製で、これは 大変程度がよかった。結局はきれいなジャケットを買ったようなものになってしまった(笑

6月23日:
 Aphrodite's Childを追記しました。幸い盤は同じだったのでよかった(笑 けど、高いものだったら、こんなことばかりやってると破産してしまう。

 先週末、StudioK'sの例会に参加してきた。話題のPCオーディオはともかく、(こっちは次元が違いすぎるので、すでに唖然呆然状態だ)会員の人 が持ってきてくれたCDに大いに感銘を受けた。ペッテリサリオラという、フィンランドの23歳だかのギタリストのCDだ。最初音を聴いた瞬間、ああこれは Michael Hedgesだ と思った。ピッキングじゃなくて打弦というか(スラップというらしい)、両指で弦を叩きまくる奏法なのだが、これがもう素晴らしすぎて、 土下座したくなるレコードだ。ヘッジスは21世紀を待たずに亡くなってしまったが、ちゃんと受け継いでいた奴がいたのだ。ライナーノートを見ると、 Bert JanschやJohn Renbournの名前も出てくる。引っ叩き系のギターのルーツは確かにここいらへんなんだろう。私のツボにハマったのも当然といえる。

 もう一枚は Eden Atwood という、ジャズヴォーカルのレコードをわけてもらった。45回転の重量盤で2枚組 マスタリングはバーニー・グラントマンという、いかにもオーディオマニ アが好きそうなやつ(笑 内容はわりと大人しめのバラードをやってる。音質がいいのは当然なのだが、ジャケットがとてもキュートで一発で気に入った。(笑  音は確かにオーディオファイルなのだが、小音量で聴くとオーディオ的な面白みがない。Zeppelinもそうだったけど、ある程度の音量にしないと凄さ が味わえないというのは米のマスタリングの傾向なのかもしれない。


       
                   
         
                                                            


7月1日:
 何枚買っても初版に当たらないのはAphrodite's Childだけではなかった。New Trolls のファーストアルバム 日本では最初のユーロロックシリーズで出た時に特典盤で白黒のジャケットだった。初回の黒CETRAレーベルを買ってはみたもの の、SIAE表記だった。BIEM表記のが初回レーベルだそうだ。一回目はあえなく撃沈。そうは問屋が卸さない(笑 今度こそ とBIEMを買ってみたが これもなんかヘン。モノ/ステレオ表記がセンターにある。3枚目でやっとそれらしいのを手に入れた。しかし、よく見るとジャケットのカタログ番号のところ にSTEREOの表記がない!あちゃぁ・・これか。じゃあこのレーベルが一番若いのか ということで3枚買ってみましたが、全部違うのを引いてしまいまし た。でもマトリクスは全部同じなんですよね(笑

今度買ったらまたどこか違いそうで怖くてもう買えない。
もうやめた。トロルスごときにこれ以上かまっていられるか
(笑

 お次はAtoll の2nd 誉れ高き大名盤である。最初の日本盤のCDは板起こし Museaから出たリマスターCDは英語バージョンだった。日本で最初のLPがユーロロックシリー ズで出たあとにフランス語バージョンのマスターが紛失したという話だ。(未確認)仏オリジナルはラミネートカバーで大車輪じゃなくて(笑 大馬車レーベ ル、ラミネートが裏まで両面コートのものが本当の初回プレスと言われている。

 ここまではまぁ有名な話だ。ところが先日友人のM氏から「B面のエンディングが日本盤と違う」と報告があった。んなバカな と聴き直してみようと手持ち の盤を取り出した。大馬車は2枚あって、盤面を見てみると あらら、B面のマトリクスは違うじゃないの。一枚は手書きで末尾がBで終わっている。もう一枚 はセカンドプレスと言われるBOXED馬車と同じで末尾がB1だった。活字でFRAとも打ってある。こちらの方はB面の最後はリフが2回と消し忘れのよう な音で終わる。日本盤と同じだ。末尾Bのみの方はM氏の指摘通りリフが1回で終わっている。消し忘れのような音も入っていない。もちろん末尾Bの方が鮮度 もあってキレがいい。たぶんこちらが初回プレスなんでしょうね。レーベルは穴が空くほど見てみたが全く同じだった。しいて言えばセンターの段差の寸法が僅 かに違う。今まで気が付かなかったのも情けないけど。なんとも間抜けな話だ。

ユーロロック 何枚買っても当たらない・・・
当たらないユーロシリーズ この話まだまだ続きます





7月15日:
 お次はイタリアのクランプスレーベル。arti+mestieriが有名なこのマイナーレーベルは配給元が転々としていてややこしい。ごく初期のものは Ricordiで、その後baby recordsになって、その後はPolygramである。で、このRicordiが問題なのだが、初期4枚はRicordiからのリリースという話があ る。うちの盤を見てみると、AREAのサードがRicordiだった。4枚というのが正しいとすると、当然AREAのファーストとセカンドも時系列で Ricordiということになる。あとの一枚はarti+mestieriのTILTがRicordiであることが確認されている。これのRicordi のジャケットは漏斗の部分がエンボス加工されていて、ファーストプレスらしい有り難味がある。音もいいらしい(笑 盤だけ見ると配給の記載がないので、同 じプレスなのかもしれない。マトリクスはカタログ番号と日付があるだけだ。

 不思議なのは、ピストルが付いていたAREAのファーストのジャケットがなぜかBaby Recordなのだ。これのRicordiは確認されているので初回はRicordiだと思う。私のピストルはジャケットが入れ替えられたのかもしれない が、ひょっとしたら、RicordiとBabyの両方同時ってことも有り得る?
AREAのファーストをもう一枚買ってみた。これはRicordiの記載があるけど、印刷がボケていて、紙質もゴワゴワでなんかヘンだ。あとで聞いたら、 どうもカウンターフィットらしいことがわかった。盤のマトリクスはカタログ番号だけがあって、日付がない。音はサイアクだった。これならGETBACKか ら再発されたレプリカピストル付きの方がまだマシだ。
ちなみにこのピストル「CORPO DEL REATOn・・・」という
表記と「CORPO DI REATOn・・・」という2種類がある。
これも一体どちらが初回なのか判然としない・・・

当たらないユーロシリーズ この話まだまだ続きます

                             

8月5日:
 ひさびさにレコード・コレクターズを買ってみた。ここのところ名盤100選とか、あまり触手が伸びないような特集が続いていたので、ついつい買わずにい た。今月号はArgentとBeatles後期の特集があったのでひさびさに買ってみた。

 次のStudio K'sのRock Dayが9月7日(日)なのだが、実はBeatles特集にしようかと思っていたのだ。こういう無謀なことがいろいろできるのもRock Dayがシリーズ化されたおかげだ。(笑 定期開催になると、長期スパンでシリーズものが組める。というわけで、シリーズ第一弾には Beatlesはどうかな と考えていたのだ。そういうこともあって、ひさびさにレココレを買ってみたというわけ。ちなみに11月の第4回は旧作の SACDマルチが出揃うGenesisの特集を予定している。

 そのレココレのBeatles後期50選だけど、まぁ誰がどう選んでも結果はいろいろだろうから、別に驚きもしないが、今時こういうネタしかないのかな  とちょっとさびしくなった。
Beatles も最初にCDが出てからもう20年くらい経つわけで、リマスタリングがなかなか出ない。いろんな事情があるのだろうが、現時点でいい音で聴きたかったら、 やはり英オリジナルしかないと思う。モービル盤とか評価の高いものもあるけど、私はだめだ。鮮度がないと体が拒絶する(笑

 で、Rock Dayは6時間あるから いっそ前期、後期100選を全部かけるというのはどうかな?3分平均として、ちょうど6時間くらい。曲によってはアルバム丸ごと 聴きたいものもあるし、ベスト100+αでどうかなと。

 Abbey Road と Let It Beからステレオだけになったので、それ以外は大半がmonoになる。5.1マルチも映像抜きだとあまり普及しそうにないし、原点に帰ってmonoという のも悪くないと思う。

 それはともかく、ポールはワールドツアー計画中で、The Whoが単独で11月に来日するらしい。武道館はともかく、どちらも見てみたいな。

8月14日:
 やっと休みになった というか休むことにした。どうにも動作しないハードウェアがあって、片っ端から見てみたけどどこにも異常がない。駄々っ子のように テコでも動かない。これならうちの娘の方がまだマシだ(笑 悪足掻きをしてひつこくやってたけど、これ以上どうすることもできないので休むことにした。ス トレス溜るなぁ 健康によくないよ(笑

 今年の夏はオリンピックと高校野球の2本立て。結構楽しめる。北島の100m決勝はすごかったな。仕事していて実況を見れなかったがVTR(録画)で見 た。しかし このVTRって用語はいくらなんでもそろそろ使うのをやめた方がいいんでないの?今時テープ式の録画装置を使ってる局なんてどこにもないと思 うけど。音声のアフレコのプレイバックをサイマルシンクと言ってるようなもんだ。(笑

 毎回オリンピックで面白いなぁと思うのは表彰式の国歌の演奏だ。開催国の吹奏楽団なりが演奏したものだと思うけど、開催国のお国柄がアレンジや演奏に反 映されていて実に面白いのだ。今回はアジア系の国歌(日本も含む)はとてもツボを抑えたいいアレンジだと思うけど、欧米のはどれも???なアレンジだ。ア メリカ国歌なんか、吹奏楽じゃなくてBメロがストリングスでアレンジされている。これが物凄い違和感があってね。全然勇壮な感じがしない。イギリスのは荘 厳な感じがしないし、イタリアのはあの弾むようなリズムが全然楽しくない(笑 表彰台に立つ選手たちが違和感を感じて苦笑いしてるように見えるのは気のせ いじゃないと思うな。

 しかし、映像品質は素晴らしい。といってもうちのはワイドテレビにD端子で外部チューナーという フルスペックじゃないのだ。なんちゃってハイビジョン (笑 である。それでもハイビジョンの良さは十分感じられる。

 オリンピックといえば、64年の東京オリンピックをカラーテレビで見たのを思い出す。親戚のうちが商売をやっていてそこで見た記憶がある。なんせカラー テレビなんか村に一台あるかないかという時代だった。録画で残っている入場行進を見ると日本選手団の赤いジャケットがハレって飛んでるけど、生中継も似た ような感じだった。放送の8割はまだ白黒だったし、とにかく色が付いているだけですごかったのだ(笑 そのあとのメキシコ大会からわりとまともなカラー映 像になった気がする。ビーモンの走り幅跳びのスロー映像は強烈に覚えている。高地で出た記録なので、平地では絶対ムリだと言われていた。あの記録は破られ たのだろうか?

 ちょっとググってみたら、オリンピック記録としては未だビーモンの8m90が破られてなくて、東京での世界陸上でパウエルが8m95を跳んで23年ぶり に世界記録を更新したそうだ。

 それはともかく、映像メディアは楽ちんだ。ぼーっとしていれば勝手に目と耳に入ってくる。意識を入れないと楽しめないオーディオと違って一方的に与えら れる娯楽というわけだ。同じ娯楽なら楽なほうがいいもんね。
オーディオや音楽の趣味が廃れるのもムリもないか(笑

8月19日:
 やれやれ、夏季休暇も休んだ気がしない。土壇場になって駄々っ子のハードがやっと動作し始めた。一息ついたのも束の間、すぐに休み明けが訪れたというわ けだ。月末まで相当気張らないとヤバそうだ。RockDayは9月7日には来てしまう。

 最近、ピピエコさんのHPがマメに更新されている。言いたい放題でスカっとするね。どこを読んでもバ カウケなんですけど 特にいいのはこれ

ジョンは別に嫌いじゃないけど、あえて辛辣に言えば、ソロ時代 は愚作ばかりです。特に「ジョンの魂」「イマジン」はマザコン臭くて聴いてられない。
こういうことを堂々と言えるってのはスゴいよ。いやほんと。ピピエコさんだから言えるのであって、普通恐ろしくて言えませんっ て。私はとい うと、ジョンのソロってそもそもあまり好きじゃなかったんですが、最近になってこの2枚を好きになり始めています。ジョンタマのリンゴのドラムの鮮度なん か、英マックレン盤は凄いです。もっさりした日本盤はあきまへん。このUKジャキーンを4350でフルヴォリュームで聴けば印象変わるかもしれませんよ。

そしてこれ、
ポールのなかで最上位が「アナザーディ」っていうのも執筆陣も夏バテか。 しっかりせんかい!
ぎゃははは。もう最高です。ピピエコさんのポール好きは有名だけど 私は「アナザーディ」に異論はないですよ。確かにもっとい い曲は山のよ うにあるし、真面目に全部聴いたわけじゃないけど、青春時代のインパクト度からすると、これはやはり捨てがたい名曲です。ビートルズが解散宣言後、 あーーーぁと落胆していたときに飛ばしたヒットがこれですからね。ポール節健在で正直うれしかったです。まぁ私が選ぶならこれでもいいけど、天下のレココ レがやったらちょっとまずいかもね。

ま、とにかく ピピエコさんもっとやってよー
じゃんじゃんいきましょう。

 で、RockDayのBeatles特集ですけど、レココレのランキング通りにかけるのは超疲れそうなので、時代順にLPかけ流しで合間にシングルって のがラクチンそうでいいかなと。
やっぱり、こっちも夏バテですかね・・・
 
 こないだ、Across The Universeのデモ盤シングルというのを買ってみた。通称バードバージョンという、StarlineシリーズのWWFチャリティ盤に入ってるテイクの やつです。こんなの買ってどーすんの?って言われそうですが、ひょっとして音がいいかも と期待している一枚です。

8月21日:
 オリンピックの陸上100mと200mはすごかったな。特に200mの19.30はすごすぎ。ビーモン以来の衝撃の記録でした。ボルトがジャマイカって のもすごい。(笑 野球はピピエコさんの予言通り(笑 丸刈りが流行ってるのもなんだかなー である。単に暑いだけだったりして(笑 しかし、USAに負 けても決勝戦には出れるのね。韓国戦は頑張ってほしいもんだ。あと楽しみはソフトかな。こっちはタイブレークで競り勝ってたいしたもんだ。決勝ではUSA 相手に頑張ってほしい。

 Across The Universeのデモ盤が届いた。Let It Beのバージョンは元はカセットか?ってくらいの音だったので、多少は音いいかな と思って買ったのだが、確かに多少は良かった。って程度でしたね。盤は 片面のみで、裏はブランクディスク。マトリクスは手書きでした。EMIのプレスじゃなさそうな気がします。それに33回転なんですよね・・・やれやれ。最 初に45でかけてみたら 鳥の音が凄い鮮度で(笑い これはすげーー!と思ってたら イントロのアコギがとてつもなく速い。元々速回ししてるとはいえ、速 すぎる!で、33回転で聴き直したら、まぁ普通の音でした。で、Let It Be並みのキーに回転を落として聴いてみると、うーんやはりこっちの方が若い(笑 ついでにこれもRockDayでかけようと思います。

8月22日:
 ソフトボール金メダルだって。すごい。アメリカには2回もボロ負けしたのに復活ルールで決勝でリベンジ。王者アメリカとしては納得いかないだろうけど、 前回日本も同じ目に遭ってるわけだし。まぁソフトは今回限りらしいから一度くらいは花を持たせてくれてもいいでしょう。途中から見たけど、コールドで終 わってるかなと思ったら日本がリードしていてびっくり。あのアメリカ相手にまさか と見てたら、流れは完全に日本だ。ひょっとするとイケるかもと期待し ちゃいましたよ。いやーすごい。たいしたもんだ。上野は3連投だって。頑張ったね。稲尾を思い出した(笑 山田のホームランもすごかった。キャッチャーか らのカメラアングルだとよく打ったなーって感じに見える。アメリカにもホームランが出たけど、こっちはボール球にバットをちょこんと当てただけだもんな。 こんなの相手によく勝てたな(笑

 さて、RockDayのBeatles特集だけど、ピピエコさんが告知用のイメージをデザインしてくれました。こういうのをサクサク作れるってのは素晴 らしいね。

 ピピエコさんに反応して書いた、「ピピエコさんだから言えるのであって、普通恐ろしくて言えませんって」というのはピピエコさんは あの装置で聴いてるわけですよ。あれでもダ メなんだからもうナニをどうやってもダメなわけです(笑 ピピエコさんだから言える というのはそういう意味です。

 ラジカセはともかく、ラジオで聴いてもいいものはいいんだろうけど、私の場合は少し違った事 情がある。私 は好きなものはそれこそレコードで擦り切れるほど聴いていた。それが多感だった頃で、たまたま日本盤だっだのだ。そうなると、その音が自分にとってのリ ファレンスになる。で、忘れた頃に次元の違う音の盤を聴いてしまった。これは一体??今まで聴いていたのは何だったんだ?という差を感じた。そしてそれは かなり激しい差だったというわけだ。

 オリジナル全部がそうじゃなくて、激しく違うものもあれば大差ないものもある。日本盤の方がオリジナルよりも良いことだってあるのだ。でも大半は勝負に ならない。Beatlesに関して言えば、PPM,with,AHDN辺りは激しく違う。けど、これを激しい差と感じるか、大差ないと感じるかは、個人差 も大きいのだろう。それはこれまでにどんな音をどれくらい聴いて刷り込まれたのかという体験の違いがあるからだと思う。私の世代の大多数は刷り込まれたの は日本盤のアナログレコードだけど、CD世代の人だとオリジナル盤を聴いても全く違う反応をするのかもしれない。

 もしあなたにとって、これまで聴いたBeatlesの音楽があなたの中でかなりの比重を占めていて、オリジナル盤というものを聴いたことがないのなら、 一度は体験してみることをお勧めする。なぜこういう盤を血眼になって集めている人種がいるのか ということが理解できるはずだ。

 おっと、ヤァヤァヤァ!の半掛けオビだ すげーーー!! いくらするんでしょうね(どうせ買えないし) オビから音が出なくてよかったよ 破産しちまう(笑

 北京オリンピックの閉会式にジミー・ペイジ御大が出るそうです。(詳細不明)次の開催はロンドンだからかな。まさかスピーチするために出るなんてことは ないと思うが(笑


8月25日:
 昨夜のオリンピック閉会式 出ましたね。ペイジ御大。イキな演出というべきか、あそこでWhole Lotta Loveですかちょっとミスマッチな気がしないでもないけど。しかし、レオナ・ルイス23歳、ジミー・ペイジ64歳 年の差40歳というお二人です なん て、そこまで言わなくてもええじゃないか と思ってしまいましたよ。でも御大の元気な姿が見れたのはなによりでございましたね。

 さて、RockDayのBeatles特集ですが、積極的にリクエストを受け付けることにしました。聴きたい曲が出るまでじっと待ってるのも辛いだろう し、どうせならこれが聴きたいと言ってもらった方がいいかなと。曲名でもいいし、このアルバムのB面とか、これのここからここまで みたいのでもokで す。 また、複数も可です。それらを取りまとめて曲目を決めます。リクエストの合間はDJが適当に選曲します。当日はukオリジナルLPとシングル、EP などを用意します。オフィシャルリリースは大体okです。LPはSGTとサブマリン、Let It Be,Abbey Road以外はmono盤になります。

 今回はBeatlesのオリジナル盤を聴いたことがない人向けの内容です。なので、いわゆるレア盤が主体ではありません。私のhpを見てる人はこのあた りの盤はほとんど体験ずみでしょうから、そちらの方はあまり期待されるとアテが外れます。(笑 とはいえ、一応オリジナルですからwith やゴム底のラウドカット、XEX607-1くらいは用意します。

 当日は混雑が予想されるので、2回にわけて行います。リクエスト主体なので同じような感じになるかもしれないし、多少違った選曲になるかもしれません。 どちらの回でも、都合のよい方に来てください。満席でなければ途中からでも入れます。1部2部両方聴きたい人は1部終了後、いったん出てから再度入場して ください。満員でなければ入れます。

 19時からはパーティーが催されます。StudioK's特製の赤飯とつみれ汁が出るそうです。材料と手間を惜しまない逸品 だそうですから、是非こち らもご賞味ください ということでした。Beatles談義でも、オリジナル盤の話題でも、はたまたオーディオの話題もokです。限定10名ですので、ご 希望の方は予約を受け付けます。定員に達した時点で締め切りとなりますが、空きがあれば当日申し込みでも可です。詳しくはStudioK's をご覧ください。


8月26日:
 今日はいきなり出張になってしまった。前日の5時過ぎにクライアントから「松阪へ行ってくれ」だと。荷物はどーすんだ この時間じゃ宅急便も間に合わな いし じゃあれか この雨なのにハンドキャリーですがな。というわけで、行ってきました。日帰りはムリだよ と脅かされたのですが 先方に着いたら10分 でおしまい(笑 無事戻ってきました。

 StudioK'sに書いてあった、「冷凍して ない魚から作った「つみれ」はおいしくて、スーパーで売ってるやつとか普通のおでん屋で食べてるつみれを基準に考えると、オリジナル盤との違いぐらいの ショックがある」  これは大変わかりやすい話で、つみれを食べたことのある人はこれまで味わったつみれの味の記憶があって、つみれとはこういうものだという固定概念ができ ている。当然「つみれ」の味がすると思ってそういう「つみれ」を食べると、その味の違いに愕然とし、感動する というわけだ。そして、その瞬間、つみれの 固定概念が書き換えられてしまう。まぁつみれに限らず、世の中にはいろんな旨いもんがある。旨い料理に共通して言えるのは、良い素材を使い、素材の特性に 合った調理法、それに手間を惜しまない ってことかな。料理もオーディオもノウハウが必要でアプローチは同じ ですかね(笑

 これはオリジナル盤体験も全く同じことが言える。好きで聴きこんだ音が自分の中でリファレンスになってるところへ激ウマの音を聴いてしまうと、その違い に愕然とする。違うだけならまだいい。感動の度合いが違うのが一番厄介だ。Beatlesで言えば、例えば With The Beatlesのラウドカットと言われるJobeteクレジットのマトリクス1Nの盤。最初これを聴いたときは、あまりのイキの良さと鮮度の違いに唖然と なった。このアルバム元々嫌いじゃなかったけど、積極的に聴こうという盤でもなかった。しかし、この1Nを聴いてからはかなり印象が変わった。これは日本 盤を聴いた記憶があるから 1Nを楽しめるのであって、最初から1Nを聴いていたイギリスの若者は鼻っからこれがリファレンスなのだ。逆に彼らはヘナヘナの他国盤やCDをどう感じる のだろうか?興味は尽きない(笑

 ラウドではないが、ファーストアルバム←もそうだ。この鮮度感というか、生々しさは50年近い時の流れがワープしてきたような新鮮さがある。こういう盤 は確かに時代の空気が封じ込められていると錯覚させる何かがある。空間の再現性がいいということは、PCMで言うジッターが少なく、アナログで言えば時間 軸の安定度がいいからだ。50,60年代のアナログ音源をリマスターした盤は劣化したテープの高域をイコライジングで補正するしかない。一見メリハリの利 いたいい音に聞こえるが、高域のレスポンスは改善されても、正しい空間情報は失われてしまっている。リマスターCDがオリジナル盤に勝てないのはクロック 精度だけの問題ではない。空気感、距離感というサウンドフィールドが正しく再現できるのは当時の元気な(笑 テープでカッティングされたオリジナル盤が最 良の選択だ。

 イギリスを旅行した時にBBで一緒になった自分より少し若い世代の英国人たちに「ビートルズは好きか?」と聞いてみたことがある。そしたら、口を揃えて 「とんでもない!ビートルズなんか大っ嫌いだ」というのだ。なぜかというと、両親が昼夜問わずガンガンかけまくるわ、唄うわで、いいかげんにしてくれっく らい聴かされたからイヤになったんだ と言うのだ。これは意外だった。その反動でパンクに走ったんだな きっと。私たちコレクターが有難がっている Beatlesの英オリジナル盤は彼らにとっては苦痛以外の何物でもなかったというわけだ。なんとも気の毒な話だね(笑

8月31日:
 今日は友人K君と探検隊さんから何枚かお借りしてきました。Beatlesは一通り持ってはいるが、やはり同じ盤でもできるだけいい音の盤を用意した い。そういう意味では今日お借りした盤は一見ただのオリジナル盤なのだが、実はかなりのレア盤と言えるかもしれない。

Abbey Roadは当然マトリクス2/1だけど、B面のマザー/スタンパーが1Gという奇跡のような完全な初回プレスだ。 Beatlesでこんなの見たことがな い。このアルバムは発売当初軽く100万枚以上を売っているのだ。1Gの盤なんて、砂漠の砂から0.1カラットのダイヤを拾い出すようなものだ。
最初っから100万枚生産するつもりで大量のマザーとスタンパーを用意したはずで、1Gが本当に最初の版なのかという疑問はある。それに何枚目のプレスか どうか知る術はないわけだ。しかしそういう疑惑付き(笑 で聴いてみても、音の鮮度はやはり素晴らしい。間違いなく今まで聴いたどの盤よりも鮮度が高い。もう返したくなくなるなぁ(笑
Here Comes The Sun,Because Huge Medley このどれもが過去最高の鮮度で迫ってくる。 うーん 悪夢だ・・・

Hey Judeはただの米盤ではない。英プレスのエクスポート盤だ。米でリリースされなかった音源を集めたベスト盤なのだが、初めてステレオミックスをした貴重 な音源が多々含まれている。英プレスなので当然英盤の音がする(笑

Help!とAHDNの2枚もとびきり若いプレスの盤だ。Beatlesといえばスタンパー3桁はあたりまえ。マザーは5とか6でも驚かないのだが、この 2枚はマザー1、スタンパー記号1桁という これまた滅多にお目にかかれないものだ。こちらも若いプレス特有の「荒れていない」音がする。マトリクスが同 じでもプレスが進むと音が粗くなっていく。同じ盤を何枚も聴いてみるとその差は明らかだ。しかし、比べなければ判らない程度といえばそれまでなのだが、一 度若い音を聴いてしまうとその印象はやはり残ってしまう。厄介だ(笑

SGT.Peppersは探検隊の虎の子「Fouth Proof」ジャケットにFactory Sampleシール付きというもの。確かにジャケットの色は通常盤よりもかなりトーンが低い。しかしジャケットよりも音だ。私の盤だって、これまで4〜5 枚は買い直しているのだ。大差ないことを祈りつつも うーーん 違うな(笑
これはもうどうしようもない。若い盤特有のしなやかな音がする。 どうしてくれようか(笑

Beatlesのような大量に作られた盤で良い音の盤を探すとなると、気が遠くなるような枚数をあたるしかない。やってみたい気もするけど、ちょっとなぁ (笑 かといってテストプレスは滅多にお目にかからない。出てもまず買えるような値段ではない。私のLet It Beは奇跡的に安かった。もう二度と同じ幸運には巡り会えそうにもない。

よく日本盤は音が悪いとか輸入盤はダメとか言う人がいるけど、これは極めて乱暴な話だ。日本盤でも初回盤はいいものもあるし英盤だからといって、全部いい とは限らない。
英盤だったら、やはり最初にカッティングされた盤が圧倒的に優位で、2回目以降はかなり音質が落ちることが多い。そこへ行くと日本盤はかなりレイトプレス でも英盤ほどには落ちないという傾向があるようだ。それにプレスのばらつきも少ない。英盤は同じマトリクスでもプレスによってかなり個体差がある。これは メーカーにもよるし、プレスされた枚数にもよるので、これまた一概には言えない。米盤だって若いからといって、各地の工場ごとに音質が違うからもうどうし ようもない。それでもコレクターは諦めずに、マトリクスやその他の記号、レーベルの特徴などを研究して、よりよい音の盤を探し求める。そんな馬鹿馬鹿しい ことするよりもいい装置を買えよ と言われそうだけど、そうじゃないんだな。盤の違いというか優劣は装置ごときで吸収できるものではない。こればっかりは聴いてみないとわからない。

今度出たリマスター重量盤はすごくいい なんてことをよく雑誌やhpに書いてあるが、決して鵜呑みにしてはいけない。オリジナル初回盤と比べても良いとい うのならわかる。
しかし、ほとんどの場合、オリジナル盤を聴いたこともない人が書いてるのだから、これは全く信憑性がない。リマスターや重量盤の音質を評論するのなら、 ちゃんとオリジナル盤も土俵に上げてから書いてほしいものだ。ある意味これは最低限のマナーというか、リスペクトでしょう。その点、紙ジャケ探検隊のアプ ローチは際立っている。あくまでオリジナル盤を評価の基準にしているし人並み以上の努力で入手した可能な限りの盤と比べてあるから、信憑性がまるで違う。 これが探検隊が支持される大きな理由だ。



   


9
4:
 昨日改めて Abbey Roadをじっくり聴いてみた。このアルバ ム日本で最初に出た時はアップルの丸帯で赤盤もあった。その音源はUS経由のマスターだったことが 最近明かされた。ちょっと粗いかなとも思えるメリハリのある音で、カッティングレベルもそこそこある。英オリジナルのマトリクス2/1はこれに比べるとかなり大人しい音質だ。鮮度はいいけど日本盤を聴きなれた耳には迫力不足に感じるが、 とてもすっきりした音で鮮度は高い。これまでずっと手持ちの盤を聴いていたが、先日のマザー/スタ ンパー1Gの盤は新しい発見がいろいろあった。まず楽器そのものの音の艶が素晴らしいこと。アコギ やドラムの皮の音、シンバルのシズルの余韻などがくっきりと出る。それをしっかり支えるポールのベースはリンゴのバスドラと見事にシンクロしている様がこ の1Gの盤だとはっきりと聴き取れる。The Endの ギターソロはそれこそバキーーンと噛み付くような切れ込みの良さだ。 ほんと、これは返したくなくなってしまう(笑

 Across The Universeのデモ盤はバードバージョン のモノなのだが、この音源はマーク・ルイソンの本によると、EPで 発売される予定のものがボツになったもので、オリジナルモノミックスはスピードは正常で、鳥の声はマーティン版のステレオミックスの時に足されたらしい  と探検隊から教えてもらいました。この音源は未発表とのことです。このデモ盤のスピードを戻せば、これがオリジナルモノミックス版なのかもしれませんね。StudioK'sのガラード401は速度調整が付いているので、正しい速度で聴くことができます。というわけで、これは本邦初公開 かも しれません(笑

9/5追記
探検隊さんから連絡があって、ボツになったEPはバードバーションではないそうです。私の勘違いでした。つまり、このデモ盤はWWFLPに入っているものと同じバージョンのよう です。L+Rなのか、モノミックスなのかは不明です。

 あと何枚かシングル盤を聴いてみたが、英のオリジナルシングルはどれも凄い音だ。Beatlesは アルバムからのシングルカットじゃなくて、アルバムとシングルを別に制作していたので、英オリジナルアルバムに収録されていないシングルの曲がたくさんあ る。これをオリジナルシングルで聴かないのは本当にもったいないことだ。前の日記にも書いたけどLove Me Do は素晴らしく爽やかな音で、英シングルを聴いてから改めて好きになった。シングルならではの曲といえば、Yes It Is が素晴らしい。イントロの If you wear red tonight...からしてジョンの色気のあるヴォーカルに参ってしまう。声の厚みというか、実在感は英シングルなら ではの音だ。

 Get Backのシングルは前に探検隊のページにも書いてあった が、英シングルの目の醒めるような音を聴いてしまうと もう他の音源は聴く気になれなくなるくらいの鮮烈さがある。モノなのにそんなことは全く気にならな い。逆に日本盤のLet It Beのシングルはなぜかモノだったが、英シングルは最初からステレ オだ。こちらもマーティンミックスを最高の音質で聴くならこれ以外には考えられないと思わせる圧倒的な鮮度がある。

 RainはこれまでシングルのB面 をずっと聴いていた。今回探検隊からお借りしたHey Judeのステレオミックスはとてもいい音 だ。それに英盤の音がする(笑 この曲に限っていえば、このステレオミックスが最良かもしれない。Hey Judeもこの盤のために初めて制作したステレオミックスだそうだ。

 友人のM君からもホワイトアルバムのFactory Sample盤を提供しますよ とありがたい申し出があったので、これも音質を確認して私の 盤よりも良い音質なら採用ってことにしたいと思います。Factory Sampleはレイトプレ スのものもあるので、一概にどれも音が良いとは限らないからだ。

 Beatlesのオリジナルといっても特殊な盤でなければ、そんなに 高いものではない。オーディオアクセサリーでちょっとしたケーブルを買う気があればオリジナル盤10枚 くらいは楽に買える(笑 いい音の盤がわかれば、それを狙って買えばいいわけで、無駄な出費も抑えられる。まずは、聴いてみて、その盤を欲しいと思うかど うか これは個人差があるから一概には言えないけど、私はこういう盤を聴かずに(知らずに)おくのはもったいないことだと思うのだ。

 mixiを 見てみると、Beatlesのオリジナル盤の試聴会というのはあちこちで散発的に行われているよう だ。どこかの会場や装置を借りてやっているのが多いようで、出たとこ勝負でいい音が出ているといいのだが。その点StudioK'sの音は、ルームアコースティッ クを含めて、長年に渡ってチューニングされたとてもバランスの良い音だ。Rockdayのシリーズは盤も良いものを選んでいるので、良い音源を良いオーディオで聴け る。今時こういうのは意外に珍しいんじゃないかと。なので、こういう状態が続くといいなと思う。

 StudioK'sは 交通の便もいいので、気軽に来てみてください。Rockが好きで、良い音を聴いてみたいという興味 があれば是非聴いてみてください。騙されたと思って(笑
 

97

 今朝は6時に目が醒めてしまった。これじゃZeppelinの 時と同じだな(笑

昨日友人と何枚か聴いてみた。この歳になっても未だにBeatlesを 楽しめるのは本当に素晴らしいことだ。トラウマになったかわいそうな英国人(日記参照)と違って、何度でも聴ける。なんせこっちはヘロヘロの日本盤がしっ かり刷り込まれているのだ。(笑

今日は朝から盤を洗って荷造りをした。LPは 量的にはまぁこんなもんだろうと思っていたが、シングルが結構多いのが予想外だった。まぁなんとか運べるかな。午前中は天気は大丈夫そうだけど、午後から 降るような予報だ。お出かけの際は傘をお忘れなく。それではStudioKsでお会いしましょう。


9月8日
 RockdayのBeatles特集 無事終了しました。蒸し暑い中来てくれた皆さん、どうもありがとうございました。リクエストも予想以上に頂いてこ ちらも楽しませてもらえました。なぜかGeorgeの曲が多かった気がするけど(笑  まさか、It's All Too Much とか Only A Northern Song のリクエストが来るとは!やめとこうかと思ったけどYellow Submarine持っていっておいてよかった。今回全く出番がなかったのはFrom Me To You のシングルとOldies くらいだった。その他は持って行ったのがほとんど無駄にならずにすみました。本当にありがとうございました。

 StudioK'sで聴くBeatlesのオリジナルはあまりのイキのよさに違和感がありすぎた。鮮度というよりもリアリティがありすぎて非現実的でさ えある(笑 途中でかけた日本盤のPPMとWithは抑揚がなくて歌謡曲のような趣だった。でもこれが私のリファレンスのBeatlesなのだ。聴きやす く迫力もないが刺激もない。これに比べるとオリジナル盤のメリハリの効いた音はある意味暴力的ですらある。特に初期のシングルはジョンの凶暴さが爆発と いった感じだ。そのあまりのカッティングレベルの高さにちょっとついて行けないような感じもあったが後半の2時間くらいは絶好調で初期の音が抜群だった。 ステレオではAbbey Road のB面は素晴らしいバランスでうっとり聴いてしまった。やはりこの盤は只者じゃなかったな。Hey Judeのステレオもよかった。

 こんな音が聴けるのなら、何度やってもいいなと思った。今度はもっとオーディオや収集家じゃない人達にも告示してみんなでリクエストじゃんじゃん受けて 片っ端からかけよう。ガンガン鳴らして歌うとこれがまたグールドみたいで気持ちよかったなー(笑

 ピピエコさん、にしだやさん、山本さん 本当にありがとうございました。 懲りずにまたやりましょう!

P.S.
The Who の横浜公演のチケットを買ってしまいました・・・
次はカーヴド・エアが1月に来る。 うーーーん シワシワのソーニャは見たくないなぁ(笑 ダイエットしてるのかな?

9月26日
 11/2のRockdayはGenesisを予定していたのだが、発売延期で11/10英リリースとのことだ。これじゃだめじゃん。
じゃあ12月に延期かな と、これ以上遅れたらこっちも怪しくなるなと思って本家のサイトを覗いてみた。リリース予定はそのままで安心したのだが、よく見 ると
HybridSACDの表記が消えてる!
CD stereo/DVD dts,DDSS5.1とあって、どこにもSACDの表記がない・・ 危ないとは思っていたけど、もうがっかりです。何かの間違いであってほしい。

 リリース予告から3年待った挙句がこれですかい。
HMVに予約入れているのだが、もしSACDじゃなかったら値下げしてほしいですよね。SACDということで購入契約してるわけだし。しかし、どこの ショップに行ってもSACDのままになってる ということはまだSACDの線もある???

 頼むからSACDで出してほしい。あの価格のままじゃ納得できないし、これでは死んでも死にきれん。

 と、よくよく見るとUS releaseと書いてありました。
で、USではimport(EU盤)のほかにRhino/Atlantic
バージョンというのがあって、これがどうもCD+DVD
のようなんです。importに比べるといくらか安いようです。
本家サイトに載ってたのはこれかもしれません。
なので、SACDの線はまだありかも。


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                   左下 Erik Smith  中央下 Hans Schmidt Isserstedt
9
月28日
 夏からハマっていた仕事がやっと一段落した。でも次が控えてんだよな・・ その合間にやっと40箱のダンボールを少し漁ってみた。引越し以来聴けてな かったイッセルシュテットのベートベン全集をやっと掘り当てた。4番といえば、この盤が私のスタンダードだ。フルトヴェングラーじゃ少々大袈裟だし、80 年頃に聴いたベーム/VPOのライヴは素晴らしい演奏だったが、FMで一度聴いたきり二度と聴く機会がない。で、どれか一枚となると、普段安心して聴ける のは由緒正しいイッセルシュテット盤なのである。録音も素晴らしい。VPOの音色、ムジーク・フェラインのホールトーンのバランスが実に見事だ。この録音 は英デッカの名プロデューサー エリック・スミスが担当していて、この人、イッセルシュテットの実の息子だったりする。両親は早くに離婚して、スミスは母 親とイギリスに住んでいたようだ。まるでテレビドラマにでもなりそうなシチュエーション。父子鷹じゃないけど、私はこういうのに弱いんだよね(笑

 で、ずっとこの4番を聴きたいと思っていたけど、掘り起こすのが面倒で、実は単品の英オリジナルを買って聴いていた(笑 でも何か違和感があって仕方が なかった。今日やっと日本盤が出てきたので、念願叶って比べることができた。そしてその違和感が何だったのか、やっとわかった。

 キング/ロンドンの日本盤の全集は70年発売だが、英メタルマスターを使っている。4番のマトリクスは2W/3Wだ。一方、単発の英オリジナルは67年 発売でED2である。マトリクスは1W/3Wだ。日本盤を掘り起こして初めて気がついたのだ。私のスタンダードだった4番はマトリクス2Wだったというわ け。しかし、この音が体に染み付いてしまっていて音色の艶があり、鮮度の高い英1Wを聴くとなぜかしっくり来ない ちょっぴりグレーな音色の日本盤がぴっ たりなところへ、こういう鮮度バリバリ君を聴いても ちょっとね。
うーん 困った困った(笑

 ビートルズもそうなんだけど、耳に馴染んだ音とバリバリ鮮度のオリジナル 生理的にはどちらを受け入れるか ということなのだろう。まぁ慣れるまで何度 か聴いてしまえば それまでだけど。

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10月7日
 StudioK'sの音楽喫茶で Led Zeppelinを毎年11月に聴くことになった。去年のLed ZeppelinUは凄かった。だいたいあの音量でZeppelinが聴けるだけでも天国なのだが、盤がこれまたとんでもないやつで、いつでもボンゾが出 せる(笑 おまけに今年はスケールアップしたJBL4333であの爆音が聴けるかもしれないのだ。今回はどんな音を浴びられるのか、今から楽しみである。 あの衝撃のボンゾ出現以来、我慢できずに、Uは米A/Bを、Tはテストプレスと僅差の白プロモを入手してしまった。しかし、この盤、私の家ではさっぱり鳴 らない。というか、あんな爆音で聴くことができないのだ。近所迷惑だし、そもそも米盤のZepは日本の住宅事情を全く考慮していないマスタリングなのだ。 つまり、この盤は80dBくらいで聴いてもふぬけた音しかしない。しかし、90dBを超えたあたりからがらりと様子が変わる。これはもう StudioK'sで95dB強の爆音を聴くしかない。去年聴いた人は理解できると思うけど、Rockは爆音じゃなきゃ というのは確かにあるのだ。だか らといって、英盤をあの音量で鳴らすと、ただうるさいだけ なんだけど(笑

 Zeppelinといえば、あれから、SHM-CDの英装丁紙ジャケが先日リリースされたが、異様な売れ行きだったようだ。限定5000セットだったは ずなのに、なんてオリコン10位なんてことになるわけ?SHM-CDのご利益というよりも、英バージョンのジャケットやオマケのオビがマニア心をくすぐっ たのだろう。それと、永遠の詩とMOTHERSHIPのアナログもリリースされた。こちらは最新のリマスターが使われていて、これがどんな音なのか確かめ る絶好の機会でもある。

 前半はSHM-CDシリーズや最新アナログ盤、クラレコの高音質盤などを中心に試聴する。後半は去年と大差ないが、オリジナル系の音源を聴いていく。ど ちらが良いのか という興味もあるし、最新リマスター(といってもCDは94年リマスター)の実力も確かめてみたい。StudioK'sのCD再生はPC +浮動小数点処理の再生ソフトcubase、Fireface 400+AntelopeOCX+ルビジウムワードクロックという今考えられる最強のCD再生システムなのだ。それだけではない 電源やケーブルも 入念 にチューニングされているので、カリカリに仕上げられたF1マシンみたいなもんだ。ボンゾが乗っていたドラッグマシンを思い出すなぁ(笑 最新のリマス ター音源が最先端の機器でどのように鳴るのか興味津々である。

追伸:遅れていたSACDの初期BOXSETの発売が本決まりになった(11月15日頃入手予定)ので、ついにGENESISの特集が12月7日(日)に 決定した。こちらも前半はSACDマルチチャンネルを、後半はたっぷり英オリジナルを聴く。GENESIS三昧の一日だ。SACDが延期になってもやる ぞ。

10月14日
 連休初日はPCオーディオをいろいろ試してみた。とにかく音はいいのだが、わけがわからんことが続出である。CUBASEがCDトラックを認識しなく なったり、ASIOドライバーがアンダーランで音が途切れたり(これはまだ未解決)外付けCDドライブが1394接続のせいだろうと、ATAPI接続にし てみたりもしたけど、1394接続の方が音が良かったりする。もうわけがわかりませーん。cubaseは再インストールしてもだめだった。結局判ったのは 初期設定フォルダは再インストールしても残っていて、これがダメになっていた。このフォルダを丸ごと捨てて再起動するとデフォルトの初期設定フォルダが生 成される。で、動作okになったフォルダをキープしておけば安心である。夜中になって一応これでいけるかな ってとこまで来たところで、娘がノートPCに ジュースをドバーっとぶちまけた。 うぁぁ!!!!!!  慌てて電源を切って分解した。放置しておくとベトベトになってそのうちどこか腐ってくる。ノー トPCはエキセントリックな構造になっていて組立順番がシビアだったり、ネジの種類は多いわでもう大変。結局無事に洗って組みなおしたが、ネジが一本サイ ズが合わない・・ まぁ仕方ないか。これくらいで済めばいい方だろう。

 PCオーディオの音は一言で言えば高解像度で深い。これに高品位ワードクロックを入れたら「あの」音になるかと思うと俄然元気が出てくる。ルビジウムの ユニットも調達したのでこれでワードクロックを作ってと・・・うっしっし。

 しかし、アナログとは全く勝手が違うなぁ。あれをこうしようと思うと、まずパーツをショップから調達してガチャガチャ組み合わせる。半田付けや加工は全 く必要ない。インターフェースや接続はしっかり規格化されているから、ガチャポンで難なく取り付く。あっけないというか、ありがたいというか。なるほどこ ういうのはお手軽な趣味なわけだな。昔に比べるとタダみたいな値段だし。20年くらい前にPC9801のバンクメモリーは1Mで(いちめが ですよー)1 万円とかで出ると、安い!ってんで並んで買いに行った。SE/30の8MのSIMMなんか、4枚セットで3万円・・めちゃくちゃ安いなあ と感じたもの だ。それがさ、昨日買った1GのDDR2は5000円しないんだもんね。ついでにUSBの4GBも買ってみたが、1000円だってさ。笑うしかない。 PCって9801の頃に比べるとパフォーマンスは軽く1000倍以上で価格は1/10以下である。そのわりにはOSが重すぎてさっぱり速く感じない。って ことはOSは1000倍以上肥大化してるってことか。なんとも理不尽な話である。

 10/15(土)の音楽喫茶は なんと、紙ジャケ探検隊の S隊員がDJである。これはすごい。音が出る探検隊だ。探検隊のライブラリー(ダンボール箱)は質量ともに日本一だろう。先日アメリカで300万枚を丸ご と売る なんておじさんがいたけど、買い手がつかなかったようだ。そりゃそうでしょ 買っても置くところが確保できない。そのために家を10軒くらいは建 てないと無理だ。まぁ300万枚は大袈裟にしても、軽く万を越すライブラリーをダンボール箱積み上げという荒業でキープしているS隊員はすごい。先日東北 の地震で本に潰されて亡くなったアニメコレクターがいたけどレコードの重さはあんなもんじゃない。正に命がけの探検隊である。

 特集のThe Whoは正統派爆音系である。ピートは自ら難聴になったほどの音量でライブをやっていたわけで、あの音はチマチマ鳴らしていても全く真価を発揮できない。 StudioK'sでは爆音ができる ってんでWHOを選択したS隊員の慧眼である。アサイラムは米盤を代表するとてもいい音のレーベルだ。ジャクソン・ ブラウンやイーグルス、オーリアンズなど どれも突き抜けた音がする。こちらも楽しみだ。音楽喫茶の探検隊シリーズが定例化でもすれば最新リマスターとオリジナルをタイムリーに聴けるようになる。 というわけで、Whoをいつでも爆音で聴けるような人はおいといて、皆さんどうぞ聴きに来てください。

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10月19日
 ひさびさにGenesisの話題。1970-1975最後のBOXSETは予定通り11/10にリリースされそうだ。なにはともあれ、SACDフォー マットでマルチが出ることを喜びたい。発表から足掛け4年ここへ来てやっと形になるのだから感慨もひとしおである。

 で、やはりというか、アナログ盤も出る。詳細はよくわからないけど、従来音源のリマスターではなく、今回のマルチから起こしたリミックスバージョンだと 思う。amazon.uk に載ってる画像を見ると、Pink Scrollレーベルやlambのカスタムレーベルを再現しているようだ。お値段がねぇ・・現在日本で扱ってるのはHMVだけ。しかし、 amazon.ukでは88ポンドで予約を取っている店もある。送料を考えると(安くても30ポンドくらいか)送料を含めると120ポンド近い。ebayに も似たようなのがあったが、円高とはいえ、これならまだHMVの方がまだいいかも。 私は待ちきれないのでHMVで予約してしまいましたが(笑

 オフィシャルで提供されているベルギーTVの HOGWEED(冒 頭の1分くらい)は素晴らしい映像だ。ダビングを繰り返したビデオを30年くらい散々見ていたのだから、あれに比べると天国品質の画像である。 Historyにさわりだけ収録されていたものがやっと今回BOXSETに付くわけだ。まともな画質のボーナスが付くのは今回が初めてじゃないのか?(笑

 今回のプレビュー関連で一番の目玉はリミックス版の The Musical Box(フ ルバージョン)である。第一印象は悪くない。大変好感の持てるリミックスだ。オリジナルのイメージを保ちつつ、各楽器の音色がブラッシュアップされてい る。ヴォーカルのエフェクトは今風なので、人によっては好みが分かれるかもしれない。あとはホンモノが出てからじっくり聴いてみることにしよう。

Happy The Manは カットされた20秒のイントロが復活してるのと、オミットされていたピーターのフルートや細かい音が増えている。こちらもオリジナルと違和感の少ないリ ミックスだ。どちらも音質は素晴らしい。ヘタれな2chマスターから起こしたリマスターじゃこうはいかない。やはりマルチから起こしたものはトラックごと に手を加えられるから全体の品位も上がる。

 現時点では肝心の5.1マルチについては全くわからない。
前回の2つのBOXSETのマルチはあまり感心しなかったので、過度の期待は禁物だが、これはリリースされるまでのお楽しみということにしておこう。なん せ無事リリースされるだけでもありがたいのだから贅沢は言うまい。

10月25日
 爆音シリーズ第一弾 本日のStudioK's音楽喫茶は前半は The Whoの特集で、後半はアサイラムレーベルをいろいろ聴かせてもらった。今日はスピーカーがBBSモニター5/1で、いつものL-16よりも大型のもの だった。ゆったりした低音と張りのある音がリスナーに浴びせられた。あのパワーはThe Whoにぴったりマッチしていた。初期のシングルは鮮度たっぷり、Tommyはひさびさに全曲を通して聴いた。オリジナルTommyを通して聴いたのは 20年振りくらいか(笑 いい音だったなー。あのBBCモニタの音はクセになる。爆音なのに気持ちいい。ついウトウトしてしまった(笑 聴いているとα波が出ているのかもしれない。Rockを爆音で聴ける場所はなかなかないので、StudioK'sの音楽喫茶は今時貴重な存在かもしれな い。

 で、次の爆音第二弾Zeppelinは11月か・・・ とタカをくくっていたら、なんと来週じゃないの!(おいおい) 大変だぁ・・・ 今回は探検隊か らSHM-CDBOXとターゴイス(ホンモノ)をお借りする予定だ。

 ターゴイスのマトリクスは588が修正されていないもので、588を修正してまた書き足した後発のオレンジとは異なる。修正を加えたのはラッカーでは有 り得ないから、同じマスターから取ったセカンドマザーもしくは、使用中のマザーに加筆したと考えられる。ということは、複数のマザーが修正されていれば修 正パターンが複数存在するはずだ。つまり、修正なしのターゴイスは若いマザーからプレスされたと考えていいだろう。音質もより鮮度の高いものと思われる。 (真面目に聴き比べたことないんです) というわけで、今回の英仕様紙ジャケSHMCDターゴイスとアナログオリジナルターゴイス対決 ということになっ た。 もちろん、去年かけた米盤のファーストとセカンド、最新のアナログMothershipと永遠の詩もかけます。

 今日のBBCモニターから出た音はキース・ムーンやジョン・エントウィッスルが元気だった頃のパワーが炸裂していた。
さすがは15インチウーファーだけのことはあるな。おまけにあの容積のエンクロージャーだ。堂々とした量感たっぷりの深い低音が出る。あの音なら去年降臨 したボンゾを呼び出すのはそう難しくないかもしれない。

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11月1日
 さっきピピエコさんから電話があって、「BBCのThank Youは最高ですねー」「実は持ってないんですよぉ 明日持ってきてくださいね。うちには家内のCDしかないんです」みたいな話をした。私は自分で買った わけじゃないので、このThank Youを聴いたことがなかった。それじゃちょっと聴いてみるか (明日ピピエコさんが持ってきてくれるのはもちろんアナログ盤)このThank Youはほんといいですね。ブートで聴いたものとは比較にならん(あたりまえ)のだけど、ギターソロが出色の出来だ。ソロにムラのあるペイジにしてはよく できたソロだと思う。このギターはなんだろう?レスポールじゃないような・・ひょっとしてテレキャス? ボンゾもジョンジーもいいなーこれ。明日アナログ 盤で聴くのが楽しみになってきた。

 写真は紙ジャケCDと豪華アナログ箱が2セット。中身はさっきStudioK'sに送ってしまいました。去年の第一回RockdayのZeppelin スペシャルの時は、両手に下げて電車に乗った。あまりの重さで懲りたので、次から宅配便で送ることにした。ひーひーいいながら歩くことを考えると安いもの だ。

 探検隊からお借りしたMothershipと永遠の詩リマスターアナログを今日やっと聴くことができた。それにしてもこの箱は豪華だ。重量盤4枚組で 30センチ大のブックレットに収納箱。うーむ欲しい(笑 お布施と思えば、まぁ買ってもいいかな。
ペイジ御大のフトコロにいくらかでも入ると思えば ファンなら黙って買うべきだろう(笑 どちらも整ったバランスの今時のアナログ高音質盤といった音だっ た。これだけ聴いていれば何の不満もない。丁寧に仕上げられた素晴らしいリマスターだ。Mothershipを全部聴いたわけではないけど、これはある意 味ボンゾが出るかもしれないと思った。出るといっても降臨するのではなく、化けて出る って方だ(笑 曲によっては、オリジナル盤とのあまりの違いに唖然 となった。これが巷で評判の高音質盤である。何度も書いているけど、高音質盤のことをベタホメするのなら、せめてどの盤と比べて良い というのかはっきり 書くべきだ。絶対的に(オーディオ的に?)良い というのは理解できない。神様じゃあるまいし。

 紙ジャケはよくできている。笑っちゃうくらいすごい。これで音が凄かったら最高だ。永遠の詩以外は94年のリマスターだけど大評判のSHM-CDだから ね。それにStudioK'sのCD再生は最強の高精度クロック付きのPCオーディオなのだ。そこいらへんのハイエンドCDプレーヤーはまるで勝負になら ない。これで再生する最新のSHM-CDはきっと最高に違いない。扱い辛いプチプチうるさいアナログ盤は遠い過去の遺物なのだ。

 さて、明日は前半を最新盤、後半はオリジナル盤を中心に爆音でかける。音量はこれ以上にするとうるさくてだめ という寸前でとめる(笑 これは盤によっ て違う。うるさくて上げられない盤もあるし、際限なく上げられる盤もある。私は大きな音はダメなのだ。コンサートに行ったりすると大きな音で耳が飽和して クリップしてしまう。100dBくらいが限度。だから、ちょっと小さいと感じるかもしれない。その時は遠慮なくお知らせくださいね。

 今回からStudioK'sのご厚意でDJにチャージが設定された。DJが全部自腹じゃ申し訳ない ということだ。好きでやってるんだからいいですよ と言ったものの、断固として断るのもダダっ子みたいなので、ありがたく甘えさせていただくことにした。
しかし、報酬目当てでやってるのかと思われると、これまでのように気軽に盤をお借りすることも難しくなる。利益が出れば青色申告にも行かなければならな い。そうなるともはや趣味では済まされなくなる。だからチャージといっても、足代、レコードの運送費、協力してくれた人達へのお礼の足しになればそれで十 分だ。 なので、後半も来てくれたお客さんからは2回目のチャージは頂かないことにした。(後半も聴かないと意味がないようなプログラムにしちゃったのが いけないんです。次回からはなるべく同じプログラムを2回やるようにします)


11月2日
 Zeppelin特集 無事終わりました。来てくださった皆様、どうもありがとうございました。去年もそうだったけど、天気に恵まれてわりと暖かい日 だった。なんと数日前に木枯らし一号が吹いたという。天候不順なわりにはうまい具合に晴れてくれて本当によかった。さて、前半はSHM-CDとアナログの 最新盤を交互にかけた。ピピエコさんが応援に来てくれて本当に助かった。一人だと結構大変だからね。SHM-CDはファーストが結構聴ける音だった。普段 あまり聴くことがないインスルーとかCODAの曲からいいものをピピエコさんが選んでかけてくれたので、結構いいじゃん というのが多々あった。アルバム 自体にあまり手が伸びないので普段ほとんど聴く機会がないからね。後期のZEPはリフがかっこいい。前半のハイライトはBBCライヴのThank Youだった。この演奏はBBCライヴの中でも出色の出来だ。曲によっては明らかにオーバーダビングで作られたものもあったが、スタジオ盤よりもストレー トな演奏でとても楽しめた。ピピエコさんは石丸の処分セールで1000円で入手したそうだ。うらやましいなぁ。2000円でも買うぞ(笑

 後半のオリジナル盤は前半の最後に聞いた、Nobody Fault But Mineから開始した。この曲、トラッドが下敷きになっていて、John Renbornのアルバムに同じ曲が入っていた。その何の変哲もない曲をZEP風にアレンジしてあそこまで仕上げたわけだ。かっこいい。それはともかく、 Mothershipの同曲とあまりの違いに唖然とした。英盤両面マトリクス1のボロ盤はすっきり爽やかな伸びのある音で、際限なく音量を上げても平気な くらいうるさくない。Mothershipを聴いたときは感じなかったが、周到にコンプレッサーで圧縮されていたのだ。つまりはipodのようなDレンジ のない媒体で聴くためのリッピング素材としてマスタリングされたのだろう。StudioK'sのような広いところで爆音で聴くとその差は明らかだ。もっと も、爆音で聴かなければMothershipでも楽しめるのかもしれないが。ファーストはRCAプレスのブラウン/パープルレーベルのラフ・ミックス盤を かけた。そのあまりの鮮度の高さに ぎぇーーー てなもんで、バランスはメチャクチャだけど、圧倒的な存在感があった。聖なる館は杉本さんから譲って頂い たRIプレスの米プロモをかけた。米カッティングがベースだけあって、RIプレスは素晴らしく鮮度があってバランスの取れた音だった。(A面を全部かける つもりだったんだけどねー)それからサード、4thときて、最後にUをかけた。去年ボンゾが出たあのPRプレスのプロモと同じ盤だ。あれから死ぬ気で探し てやっと手に入れた。この盤はやはりすごかった。魔法のような音だ。これを聴いてしまうとMothershipリマスターはボケ老人のような枯れた音にし か聞こえない。ホントにしゃれにならん。探検隊が「なんちゃってリマスター」と言うだけのことはあるな(笑

 結局前半は後半を2倍楽しむための耳慣らしのようなものになってしまった。こんなことなら最初っからオリジナル盤だけ聴けばよかった。時間の無駄だ。大 音量で聴くとその差は歴然としている。前半後半両方聴いた人はそのことが身にしみて理解できたと思う。

 さて、今年はボンゾが出たかというと、微妙なところだ。音自体は大型のBBCモニターのおかげで、今年の方がよりロックらしくZeppelinにマッチ した音だった。しかし、去年は何かの魔法にかかったかのように、皆でボンゾの存在を感じた瞬間があった。あれはやはり特異な出来事だったのかもしれない。

 来年はもう迷いを捨ててオリジナル盤をガンガンかけまくることにした。その方が心と体の健康に良い(笑 今回も爆音を浴びてウトウトしていたのを数人見 かけた。やはり爆音にはヒーリング効果があるようだ。

 何はともあれ無事に終わってほっとした。スタジオの山本さん 協力してくれたピピエコさん 心配して様子を見に来てくれた会の皆さん、親しい友人たち、それに全てのお客さん達。本当にありがとうございました。また来年お会いしましょう。

11月6日
 さて、GenesisのSACDの発売が迫ってきた。本当に無事に出るんだろーーな と、悶々としていた矢先、今朝方スイスのお店でゲット と いう情報が舞い込んできた。よく見るとPAL版のようだが(あたりまえか)まだリリース4日前だというのにもう出たのか。うらやましいぞ。まずは無事に市 場に流れたようでほっとした。そろそろ日本にも入ってきそうだ。今週末は私も聴くことができるのだろうか。楽しみである。

 ここのところ、94年のDefinitive Editionリマスターをよく聴いている。やはりオリジナルミックスは自分に戻ったみたいでしっくりくる。この94年リマスターは実にいい。車で聴くと  もうこれでいいんだ と思える十分な音質だ。オリジナルLPと比較さえしなければ何の不満もない。今後リミックス版が「標準」になったとしても、94年 リマスターは価値あるオリジナルミックスとして残してほしいものだ。

 Genesisに限らず、リミックス版はオリジナルミックスとの違いが気になってしまって、どうも馴染めない。しかし、繰り返し聴き込めばそのうち慣れ ると思う。カーペンターズのSINGLESやELPの頭脳改革もそうだった。最初は違和感がものすごくて、そっちの方ばかりが気になって音質どころじゃな かった。けど、今はだんだん気にならなくなってきた。もはやオリジナルバージョンの方はボケとともに忘れつつある(笑

 プレリリースで聴ける9曲の感想を少し。The Knifeはまずヴォーカルの質感がかなりオリジナルと違っていて、気になって仕方がない。全体的にトゲのないバランスになっていて、ギターがギャーーと いわずに キャー くらいだな(笑 他の曲も総じてヴォーカルのエフェクトが今風の機材(プラグイン?)の音になっていて、どの曲を聴いてもこれが一番違 和感がある。バランスの違いで言えば、Counting Out Timeのイントロのメロトロンはもちょっと存在感があってもよかったんじゃないか ハケットのソロの音はなんじゃこれ? とか言いたいことはいろいろあ るけど まぁ慣れるまでの辛抱 かな?

 94年リマスターの時には TrespassとFoxtrotの オリジナルマスターテープが見つからずにサブマスターから起こした ということだったので、特にこの2枚のリミックス版の音質向上には大いに期待してい る。

 あとはなんといってもマルチ。特にLambはいろんなエフェクトで音の素材がたくさん入っているので、マルチへの展開が楽しみだ。The Waiting Roomなんか 5方向に分離しているだけ だったら怒るよ(笑

*今回の一連のマルチを制作したNick Davis のインタビューが掲載されている。2007年1月のものなので、その後状況が変化しているが、興味深い内容だ。興味のある方は こ ちら

追伸:遅れていたSACDの初期BOXSETの発売が本決まりになった
(11月15日頃入手予定)ので、ついにGENESISの特集が12月7日(日)
に決定した。こちらも前半はSACDマルチチャンネルを、
後半はたっぷり英オリジナルを聴く。GENESIS三昧の一日だ。
SACDが延期になってもやるぞ。

 GenesisのSACDBOXだが、プロモーションサイトがほぼ完成したようだ。
凝ったアニメーションで開くのに時間がかかる。
(うっかり開くとCounting Out Time が流れるのでご注意!)
現在プレリリースで聴ける曲は
The Knife
The Musical Box
Harold The Barrel
Get'Em Out By Friday
I Know What I Like
The Cinema Show
Counting Out Time
The Carpet Crawlers
Happy The Man
の9曲に増えている。映像もインタビューや、貴重なものも一部見れるようになった。
映像の充実度は前のBOXとは比べ物にならない。なんせ動くピーターが綺麗な
映像で見れるわけだから、今回は映像だけでも価値がある。
ここまで来たらもう延期はないだろう。

11月11日
 やっと来た。都内の某ショップには8日時点で入荷していたようだが、HMVからは10日発送で11日に無事届いた。発売予告から
4年以上待ったのだ。感慨もひとしおである。

 複数の友人からの情報によると、amasonから購入した米仕様のSACDなしバージョンはリージョン1だったそうだ。つまり日本のDVDプレーヤーで は映像が出ない。またamazonでは米仕様のほかにSACDバージョンもUKPAL版とUS NTSC版の両方が併売されているようだ。お求めの際は是非表記を確認してください。また、届いた人の中にはLamb Liesの3枚目のディスクが入ってないというのもあるそうだ。届いたら全部入っているかどうか確認したほうがよさそうです。

 後日5.1chマルチについてはまとめて書くつもりだが、まずは一度聴いてみた印象を少し書いてみようと思う。

 昨日Lambはなんとか全曲、あとは少しづつ聴いてみた。Lambは予想よりもずっとスペクタキュラーなマルチミックスでなかなか楽しめた。ヴォーカル のエフェクトが違っていたり、楽器のバランスが違ったりするので、違和感は免れない。しかし別ミックスだと思えば、これはこれで楽しめる。まず、Lamb の冒頭 ピアノのイントロがフェードインではなく、ちゃんと頭から入っている。CDリリースではすべてフェードインになっていたので、これが復活したのは 誠にうれしい。次にイントロに絡んでくるハケットのハエのようなギター(笑 これがえらいプレゼンスでブンブン飛び回るのだ。でかいハエだなぁーこれが標 準ミックスとして残るのか?次の聴き所は2曲目のwindsheldのべダルベースがズドーンと入ってくるところ。ここはしっかり出ていて大丈夫だった。 その他は詳しく調べてまとめてみようと思っている。総じて前半のDISK1はかなり冒険したミックスで、曲によっては別物になっている。一番驚いたのは Back in NYCだ。ピーターの声はともかく、楽器の音がまるで違う。これはもう別テイクと言ってもいいような違いだ。全曲を通してこの曲が大きく印象に残った。そ して、DISK2の方はオリジナルと大きな違和感を感じない。ただね、The Waiting Roomのイーノが参加したと思われるコラージュはちょっと馴染めない。ダイナミクスが少ないのが不満だ。もっとメリハリのあるミックスでも良かったん じゃないかと。DTS版についているスライドショウはちょっとした見ものらしい。75年のLamb tourで使われたものをアレンジしているそうだ。早く見てみたい。

 Lamb以外では明らかに音質が向上したなと思えるのがTrespassだ。94年リマスターの時にはマスターテープが見つからなかったらし いが、今回はマルチトラックから作り直しているので、音質の差が大きい。ここまでカリカリにしちゃう?というくらい高域の伸びがすごい。こうなるとオリジ ナルバランスどころじゃなくなって、これまた違和感がすごいが、この音を聴いてしまうと もうオリジナル盤を聴く気になれなくなるようなクリアさではある。White Mountainのベダルベースはしっかり量感を伴って入っているので、これは結構聴けると思う。
Nurseryも悪くない。Foxtrotまでは元々のトラック数が少なかったのだろう。初期作品はかなり早い時期にマルチミックスを制作したのではと思 われる。悪く言えば地味なマルチだが少ないトラックを振り分けても派手なことはできないし、分離のいいNEWMIXとして楽しめればこれはこれで価値があ るわけだ。今回の中ではNurseryとSelling Englandがオリジナルのイメージに近いミックスだと思った。ずっこけたのはサルマシスのコーラスになる部分 ここはバランス違うだろNick!って 感じでバックの声がでかすぎる(笑 それを除けば他は素晴らしい。特にHalequinは4年前にオフィシャルサイトで公開されたリミックスの様子を聴い てわくわくしたものだ。なのでこのマルチミックスが聴けたことに しみじみと感動した。(笑

 問題はFoxtrotだ。こちらもTrespassと同様、94年リマスターではマスターが見つからなかったようで、今回のリミックスで音質向上が期待 されたアルバムだ。聴いてみると確かに鮮度は上がっている。しかし決定的なのは低音の量感が足りないことだ。Genesisの特徴でもある通奏低音のペダ ルベースが聞こえないというのは問題だ。(個人的にですけど(笑)具体的にはCan-Utility and the Coastlinersのメロトロンが出てくるあたり ここに入ってるペダルベースはオリジナルミックスではズーーーンと出る。今回のマルチで期待をかけ ていた部分だけに、これが極薄になっていてがっかりした。こればかりじゃなくて、Watcherのフィルのバスドラも量感が足りない。低音のバランスさえ もっと良ければ という不満が残るのが残念だ。今回の5タイトルの中で唯一 Foxtrotだけは オリジナルアナログの方がまだ安心(笑 と思った。

 Selling EnglandはNick Davisも好きな作品と言っているだけに、この音質は素晴らしい。幾分高域がブライトだけど、低音バランスも悪くない。シンバルの響きが少し透明感が足 りない感じがするが、英オリジナル盤のイメージに近いものだから、これはこれでもいいのだろう(笑 ベダルベースもしっかり入っている。After the Ordealのハケットのギターソロがいい。しっかり存在感のあるミックスになっていて、ハケットファンには受けがいいと思う。これも価値あるマルチミッ クスだ。

 ボーナスディスクの目玉はHappy The ManとTwilight Alehouseの他にはなんといってもJacksonテープだ。ここにはMusical BoxやAnywayなどのオリジナルモチーフが入っている。69年の収録ということは、ドラムは誰なんだろう?ライナーには書いてあるのかもしれないが メイフューではない感じもする。私はこの音源については知らなかったのだが、アンソニー在籍当時はこのようなモチーフが数多く存在したのだろう。確かに貴 重なトラックではある。が、マルチミックスで聴いてもどうなるものでもないが(笑

 総じてSACDマルチはオリジナルや94年リマスターに比べると、格段に透明度の高い音質になっている。内容は別ミックスなので比較できないが、 Foxtrot以外はもはやオリジナル盤の存在価値が無くなるのではないかと思われるほどの音質といえる。
しかし、94年リマスターはオリジナルミックス版としてなんとか残してほしいものだ。

 映像についてはまだ見れていないが、前回までのオマケ映像は最悪だった。今回のものは初めて画像品質の良いものが収録されているので こちらも楽しみ だ。


11月14日
 今日は横浜アリーナでThe Whoを観る。仕事が立て込んでいてそれどころじゃないんだが。会社行事も断った。 こればっかりは仕方ない(笑

 USではamazonに予約したSACDBOXが届いてみたらRhino/Atlantic版のCDバージョンだったというのが多発しているらしい。な んでも予約時にはUS$158だったのが、実際に課金されたのは$110だったので、ヘンだなと思ってたら、Rhino版が届いた ということのようだ。 こりゃ怒りますよね。おまけにSACDの初回入荷は完売で、次の予定はクリスマス頃だってんで、もう許せねぇ と大変ご立腹の様子だ。そりゃ許せないで しょ。目の前にシールド状態の箱があるのに、聴かずに返品じゃあね おまけにSACDはクリスマス? こりゃたまりませんわ。お気の毒(笑

 日本でもRhino版を買ったらリージョン1で再生できないというし、Lambが1枚足りない事件もあるようだ。今回のBOXは3バージョンのせいで、 いろんなトラブルが生じている。

 さて、昨日あたりからぼちぼち聴いている。どれもこれも素晴らしい。Foxtrotのベースが薄い(stereoも同じ)点を除けば、大満足の内容である。

 DVDの画像はLambから見始めた。Lambのバックグラウンドに流れているスライドショウはちょっとした見ものだ。所々に挟まれたステージの動画は ご愛嬌(笑 このスライドは75年ツアーで使われた素材なのだろうか?まるでライヴを見ているかのような素晴らしいスライドなのだ。あのツアーを見たこと のない私にとっては、当時のステージを擬似体験できる格好の嬉しいボーナスだった。しかし、DTSの音質はうちのDVDプレーヤーが96kをサポートして いないせいか、SACDと比べると格段に情けない音だ。 我慢できずに映像はDVDで見ながら、同じタイミングでSACDマルチを流して鑑賞した(笑 し かし、2枚目になると面倒になって、今度はLambの後半の映像を見ながら Selling Englandを聴き始めた。こっちもいい音だ。多少シンバルが過剰にエンハンスされている感じもするが、この高解像度な音には逆らえない。ミックスの違 いが気になるのは仕方ないとして、これに慣れてしまったら、もうオリジナルアナログは聴けないんじゃないかと恐れている。特にUKオリジナルは日本盤に比 べるとモヤっとした音で今でもほとんど聴かない。もっぱら聴くのは日本盤のRJ-7032だ。再生環境でも違いがあるのだろうが、私の環境ではこれがダン トツである(笑 月影は2ch版もCDで聴いてみた。これもまた素晴らしい。ほんと、この調子だとオリジナル盤の出る幕がなくなってしまいそうだ。ヤバいよ これは。(笑

11月17日
 The Who行ってきました。横浜アリーナへ行ったのは10年ぶりくらいかな 最近はプログレ系のライヴが多かったので、Whoの観客のノリには驚いた。一曲目 から総立ちで結局最後まで立ちっぱなし。やっぱりプログレとは客層が違うなぁと(笑 演奏も素晴らしかった。特にロジャーはハイトーンはともかく、歌上手 くなったんじゃないの ってくらい聴かせる。まだ武道館が残っているので、行かれる方は期待してください。

 GenesisのSACDは一日一枚のペースで聴いている。マルチからのリミックス作品は単発ではいろんなアーティストの作品もあるが、全タイトルとい うのは珍しい。(ま、Liveは別にして)リマスターといってもトラックダウンした2chマスターテープから起こしたものは 大抵オリジナルとは比べものにならないリマスターになってしまうことが多い。その点、Genesisは反則技と言える。

 最近、他にもネット配信ものでオリジナル盤の存在価値が無くなるようなものを聴いてしまった。こうなってくるとオリジナル音源LPの存在価値が根底から 崩れてしまう(笑。 まったく困ったことになった。

 Genesisについて言えば、今回のリミックスでの音質改善度は驚異的だ。ピーター時代の5枚は今後オリジナル盤に頼らなくてもいいようなものが何枚 か出てきてしまった。リマスターではイコライジングをするにしても全体的にかけるしか手がないわけだが、マルチから起こすリミックスではトラックごとに手 を入れられるわけだから、これはもう勝負にならない。へたをするとオリジナル盤の音質を超えることだってありえる。今回のリミックスではマルチテープから 96k/24bitでトランスファーしたものをProtoolsで編集したようだ。将来的にはこういうものがマルチトラックの状態でネット配信されること があるのかもしれない。

 Genesisの場合はDecca時代を除けば一貫してCharismaで通しているし、Charismaがマイナだったがゆえに音源は自社(笑 の Farm Studioで一括管理していたので、マルチが散在せずにちゃんと残すことができた。日本じゃドマイナーなCharismaだったから、ろくなプロモー ションもされずに、メジャーになれなかったけど、ここへ来てマルチで高品位な音質で復活できた。正義は勝つ。というわけでもないが、まぁ世の中何が幸いするかわからないもんです。

 とはいえ、今回のSACDでは ちょっとやりすぎじゃないの? と思えるような過剰に高域がエンハンスされたものが多い。こういうのはやはりオリジナル ミックスを捨てるわけにはいかない。Nursery Crymeはそんな中で、あまりエンハンスされずに仕上げられている。今回の5タイトルの中では音質的にはこれが最も違和感が少なく感じた。それに、ト ラックダウンの過程でオミットされたトラックもあちこちで復活している。全部を取り込むと音数が多すぎて収拾がつかないという当時の技術的な問題もあった のだろうと思う。それが今回のリミックスで復活するのは悪いことじゃないんだけど、いくら残ってるからといって、オミットすべきものはやはり復活させない 方がよかったんじゃないか と感じられる部分もある。Happy The Manで復活したピーターのフルートのパートはあってもいいと思う。しかし、Cinema Showの後半のインストで出てくるタンバリンはToo Muchに感じる。元々音数が多いうえにそこまでやらんでも って感じだ。まぁ贅沢な不満といえばそれまでだけどね(笑


11月18日
 昨日はSelling EnglandとNurseryを少し聴いてみた。今まで音質を中心に聴いていたけど、昨日は改めてサラウンドの観点で聴いた。うーん・・・シンバルが潰 れ気味のブライトな音色にはまだ馴染めないでいるが、音場感ということでいえば言葉が出 ないくらいいいマルチだ。 決してGenesisだけをヨイショしているわけではない。それはちゃんと日記にも書いてある。前の2つのBOXが出た時は正直かなりがっかりした。マル チといっても各チャンネルにトラックを割り振っただけ のような、ほとんどサウンドフィールドを感じない編集だったからだ。お世辞にも"サラウンド"とは 言えないものだった。これじゃ分離のいいマルチトラック版として割り切って聴くしかない。(聴かないけどね)

 ところが、今回のBOXは前後左右の広がりを感じられる立派なサラウンドになっていて、前2回のBOXとはまるで作りが違う。マルチに対する思想が違う というか、別の人が制作したんじゃないか ってくらい違う。(音色は間違いなくNickのものだ)この差は何かというと、各スピーカーの単独チャンネルだ けではなく、2つの隣接したスピーカー間のファンタムチャンネルやパンニングも随所に使われている。前回のBOXが"点"だとすると、"線と面"に発展し ているのが今回のサラウンドミックスの特徴だ。おまけにLambのような効果音が多いトラックでは随所にサプライズも組み込まれていて、サラウンドファン (いるのか?)が泣いて喜ぶマルチになっている(笑 Seven Stonesのドラムはフロント、リア全てを使って全周囲から包み込まれるような効果を狙っている。トラック数が少ないわりに手が込んだことをやってる。 こんなのは前2回にはなかった手法だ。

 なんでこんなに違うのか、やはりピーターがやり直させた?Nick はやり直しを否定しているようだが、これだけ違うと、作り直したとしか思えない。当初の予定ではピーターとリユニオンツアーをやって、3つのBOXを売り まくろう と目論んでいたようだが、結局ピーター抜きで復活ツアーをやったのでピーター時代のBOXは発売時期を逸してしまった。どうせ4年もモタついた んだし、ついでにピーターの意見を取り入れて作り直すか というあたりじゃないかなと。 あるいはRoxyのAvalonのSACDでRhett Davisが素晴らしいサラウンドを作ったのに刺激されたのか。(Rhett DavisはSelling Englandの制作当時のエンジニアでもある)

 なんにせよ こんな素晴らしいサラウンドミックスが極上の音質で聴けるんだから本当にありがたいことだ。4年待った辛抱が報われた感じだ。私にとっての Genesisのオリジナル盤の価値はかなり違ったものになってしまったが。
でもどっちがいいかといえば、今が幸せ ってことかな。

 こうなるとSACDプレーヤーにも手を入れたくなってくる。(ついでに前2作のBOXもやり直してくれないかなぁ(笑)
11月24日
 寒くなったせいか、腰が痛い。立てないほどではないが、平常ではないことは確かだ。首も少し軋んでいるような感じだ。ホネがあちこち歪んでいるのかもし れない。歳は取りたくないですね。早めに治療してもらったほうがよさそうだ。

 昨日は新しいDACの音を聴いた。古い世代のものから順に聴いていくと、隔世の感がある。世代が新しくなるにつれて、音もどんどん深みを増すような印象 だ。世代ごとに解像度が高くなって、空間再現もどんどん広くなる。新しいデバイスは、いつも最新作が最高傑作 という感じがするのだけど、ここまで来る と、もはやアナログの音と遜色ないような気がしてきた。というか、我慢しなくても音楽に浸れる品位にやっと到達した という感じだ。CDが出た頃に最初か らこの音が出てたらなぁと思わずにはいられない。20年前のCDが今のDACの品位だったら、禁断のオリジナル盤コレクターにはならずに済んだかもしれな いのに(笑 最近はデジタルで素晴らしい音を聴く機会が多くて、こういうことを考えずにはいられない。なので、最近はあまりレア盤にも触手が伸びなくなっ てしまったのも事実だ。

 昨日はやっとFoxtrotのマルチをじっくり聴いてみた。通勤の車では2chのCDレイヤーを聴いていたが、2chmixだとWatcherは低音の 量感は十分にある。ただ、Can-Utility だけはメロトロンのところのズーーンというペダルベースがほとんど聞こえない。マルチではどうかというと、Watcherでの低音バランスは不足気味だ。 これは2ch版の方が良い。イントロのメロトロンは前後に広がりのあるミックスでこれは良い効果だと思う。Time Tableは元々音数の少ないトラックだが"Gone the carving"のところでフルートのメロトロンが聞こえる。これは今までオミットされていた没トラックだ。これだけでもかなり曲の印象が違った感じにな るが、これは悪くないと思う。問題のCan-Utility はマルチでもペダルベースがほとんど聞こえない。この曲は個人的にGenesisの中でもかなり好きな曲なので、これはがっかりだ。ところが、最後に来 て、Apocalypsein 9, 8 とAs Sure as Eggsのペダルベースはオリジナルミックスを凌ぐレベルで入っている。最後の最後に来てやっとズーーンだ。ここまで引っ張るかなー(笑 Foxtrot のマルチミックスは他のアルバムに比べると地味だけど、リアまできれいに広がるミックスは好感が持てる。だから余計にCan-Utilityは残念だ。し かし、この曲、エンディングがちょっとくどいよなぁ と昔から思っている。Mad Man Moonのくどさは明らかにこの曲の延長線上にある気がする(笑

11月28日
 どうも耳鳴りが定着してきたようだ。暗騒音が高くなったというか、騒がしいと気にならないが、静かな場所ではキーンと。まぁ歳だということでしょうか ね。若い頃は耳が聞こえなくなったらどうしよう と 不安で仕方がなかったけど、いきなり全く聞こえなくなるんじゃなくて、徐々にヘタってくる。実際にヘ タってきてやっとわかったよ。目が見えなくなるのも同じで、いきなり失明するわけではない。これも徐々に老眼が進んできて、水晶体も透明度が少しづつ悪く なるらしい。変化の度合いが小さいから気がついた頃にはかなりダメになっている って感じですね。最近では老眼は多焦点レンズを水晶体に入れるという手術 で治るという。米で始まって、すでに日本でも認可されてるようだ。とテレビでやっていた。夢のような話だけど治療費も夢のようだ。片目で50万、両目で 100万だって。いよいよダメになったらやってみたい気もするけど ちょっと高いです(笑

 最近、いろんな高品質の音源を聴いて思ったこと。所詮我々が聴いているレコード(CDも含めて)は、マスターの音とは程遠い、かなり加工されたものだっ た ということだ。レコーディングした完成直後のマスターの音というのは、エンドユーザーへ届けられるものとは次元の違う音だ。上位のフォーマットで記録 された音源を聴くとそれがはっきりとわかる。オーディオ装置でいくらピュアだとか、歪みゼロなんて頑張っても、加工が重ねられたソースしか入手できない限 り、無駄な努力ということになる。むしろ、付加されたものをうまく隠したり、足りない部分を積極的に付加することは、邪道とは言えない と思えるように なってきた。そうなると、装置は一種類だけでは足りない。音源の状態によって、いろんな付加装置やフィルターを組み合わせて使いわける。こうなるともう手 に負えない。いわゆる「レコード演奏家」になってしまうわけだ。環境や財力があって、オーディオのキカイが好きな人にとってはこれは堪らない趣味になるだ ろう。私のようなオーディオ音痴は、あまり装置で付加したり、削除したりせずに、何も足さない何も引かない装置を使って、できるだけ加工臭の少ない音源を 集める という選択肢になる。自分の感性で音を作ることはできないのだから面白くもなんともないのかもしれない。自分の感性が信じられる人は音を創って音 源のイメージに近づければいい。どちらが良いということではなくて同じレコード再生オーディオ教でも宗派の違いといった感じなのだろうと思う。

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             渋谷駅コンコースの「明日の神話」
11月30日
 今日はとあるイベントで渋谷へ行った。井の頭線の渋谷駅からハチ公方面へ行くコンコースの途中、なにやら大きな壁画が あ、これが渋谷に設置が決まった 岡本太郎の壁画か。横30メートルに及ぶ大作ですごい迫力だ。老眼だけど幸い離れたものはよく見える。この大きさはともかく色彩、タッチはやはり本物を見 ないとその良さがわからない。この絵が発見されたドキュメントを見たことがあるが、よくまぁこんなすごいものが処分されずに残ったものだ。オーラがビンビ ン出ている。 暫く眺めていたら鳥肌が立ってきた。こんなすごいものを毎日見れる渋谷の人達は毎日オーラを浴びられてうらやましいな。

 会場に着くと、あれれれ 杉本さんじゃ ないですか。内容は今は書けないけど、今日は知った人には会わないだろうなと思っていた。昨日まで杉本さんが新規に導入したスピーカーの話で盛り上がって いたばかりだったので、まさか今日こんなところでお会いするとは。事前にわかっていたらいろいろやりようがあったのに残念だ。

 12/7のGenesisは当時の楽屋での慣習(笑 に従って、3時になったらお茶の時間を取ることにしました。当然お菓子を頂きながら である。とい うわけで、お菓子付き2000円ということにさせていただきました。今回は、片っ端から聴きまくるというのではなくて、ゆったり まったりと聴く という 進行にしたいと思っています。やっと無事リリースされたSACDマルチをメインに、珍しい音源や、オリジナル盤の試聴も交えて楽しくやりたいと思います。


12月2 日
 腰痛がだんだん我慢できないくらいになってきたので、下石神井にある治療院へ行ってきた。治療(といっても軽く触るくらいなのだが)3分で完治した。つ まんないくらいあっけない。なんでも、生活していると、ホネ(の継ぎ目)がだんだんゆがんでくるのだとか。若いうちは筋力があるので、自然に元に戻るが、 筋力が衰えてくると、元に戻らずにゆがみが蓄積していくとのこと。なので、定期的に修正した方が良いらしい。そういうわけで、ちょいちょい と直しても らったのだが、達人になるとこうも簡単に直せてしまう??
結果的には、至極快適になった。今後は定期的に直しを入れないとだめみたいだな。情けないことになったもんだ。

 ところで、オーディオマニアの方々は「横マルチ」という言葉をお使いになる。何のことかわからずに訊いてみると、  5.1chのようなサラ ウンドのことをそう呼ぶらしい。なるほど、ただのマルチだとネットワーク式ではないマルチ駆動の4wayとかそういうことになるから、これと区別して「横 マルチ」と称してるわけだな。ちなみにマルチ駆動の方は「縦マルチ」と言うそうな。普通、3wayとか4wayは確かに縦に並んでるけどね へんなのーー (笑

 12/7のGenesisのSACDは、もちろんサラウンドを中心に聴く。私はリミックス版の2chはあまり興味がないのだ(笑 StudioK'sの SACD再生システムは、フロントは通常の2chのシステムをそのまま使って、リアのLとRは別のアンプとスピーカーが追加された4チャンネル構成だ。そ うなると、センターとサブウーファーがないじゃん という話になるのだけど、これはスピーカーをケチっているわけではなくて、逆に5.1chというフォー マットを最高の音質で聴くための手段なのだ。センターとサブウーファーの信号はプレーヤー内臓のダウンミックス機能を使わずに外付けのアダプターで合成さ れている。SACDプレーヤー内蔵のダウンミックスは絶対に使ってはいけない。演算エラーじゃないの?ってくらい音が死んでしまう。この駄目な音を聴いて しまうとSACDマルチって大したことないね と思ってしまうが、ダウンミックスをやめると俄然生き生きとしてくる というか、本来のSACD品位になる のだ。センターとサブウーファーをアナログでフロントL,Rにミキシングしたフロント2ch方式が言うほどいい音なのか、それは聴いてみればすぐにわか る。

 2chステレオの歴史は長い。一般に普及したのが1950年代だから、すでに半世紀以上の実績がある。そこへもってきて、家庭用のサラウンドフォーマッ トとして5.1chが登場してきたのはまだ10年そこらなのだ。完成度という意味では勝負にならないし、コアなAVファンを別にすれば、サラウンドは一般 に定着しているとは言い難い。むしろ、どこで消滅するのかな といった状況だ。ここへ来て、アメリカ発の危機的な大不況は、4chが消えて無くなったあの 1973年のオイルショックの状況を思い起こさせる・・・
----続く


12月3日
 SACDの5.1chマルチというのは、アメリカでは既に終わってしまっている。まずPhillipsがSACDから離れ、Universalと Capitolも撤退を表明した。コストがかかる上に売れないとくれば そりゃ止めるわけで。 Genesisの今回のBOXもアメリカ国内版はCD+ DVDで、SACD版は輸入盤扱いだ。アマゾンにSACDを予約したけど、来たのはCD+DVD版だった という事例が多発している。よほどSACDを売 りたくないらしい。要するにアメリカでは5.1chはDVDとBDに集約して、SACDは もうやめた というわけだ。ソフトが発売されても、現実問題と して再生できるプレーヤーがないんだから、ユーザークレームが大嫌いなアメリカとしては、これも当然の選択と言える。

 SACDのマルチチャンネルはDSDを武器に、史上最強のマルチを目論んで開発された。しかし、ある日Sonyは制作スタジオ向けのDSDマルチの編集 機器を作るのをやめてしまった。これを受けて、オーディオメーカーは新製品のSACDのマルチ対応をやめて2ch専用機にしてしまったのだ。これが2年く らい前のことだ。そのせいで現在は市場にSACDマルチ対応のプレーヤーがほとんどない。ところが、Sonyはやめてしまったが別の会社がDSDの機器を スタジオに納入し始めたのだ。なので、ソフトだけは制作され続け、新しいディスクも発売され続けている というのが今の状況だ。なんともミスマッチな状態 である。そういうわけで、SACDのマルチは細々とリリースされ続けてはいるが、いずれアメリカのようにDVDとBDに集約されるだろう。そういう意味で GenesisがSACDでリリースされたのはタイミング的には正に危機一髪だった というわけだ。私は予備にもう1セット買っておこうかな と思ってい る(笑

 SACDマルチが最強か と言われると、そんなことはない。
DVDだってBDだって、LPだって良いものは良い。問題はどれがエンドユーザーにとってリーズナブルな予算でハードを揃えて充実したソフトを楽しめるか  ということなのだ。CDだってお金をかければ,アナログはもういらない みたいな音が出る。だけど、お金をかけないのなら、圧倒的にアナログの方がいい。もっともオリジナル盤は高くつく場合もあるから一長一短だけどね(笑

 で、SACDマルチだが私は去年まではプレーヤーのダウンミックス機能を使ってフロント2chで聴いていた。もともとが4chのシステムなのだから、セ ンターとかサブウーファーを別に設置する気はさらさらない。これで聴くSACDの音質というのは、きれいだけど、腰がなくて張りもない・・ これじゃ欲情 できんな(笑 これがSACDの音なんだな という感じだった。これならアナログLPの方がはるかに欲情する(笑 ところが、ある日、プレーヤー内蔵のダ ウンミックスはダメだと聞いて、試しにダウンミックスをやめてみたら、あまりの音の違いにびっくりした。これがSACDの音か!躍動感もあるし、音に生気 が漲っている。もっと驚いたのはリアの音質までもが良くなったことだ。これに比べると今まで聴いていたダウンミックスの音はミイラに等しい。今までこんな 音を聴いていたのかと思うと猛烈に腹が立ってきた(笑
かなりの数のSACDマルチ購入を見送ってLP購入に走ったのだから。 ・・・続く

12月4日
 12/7のお茶の時間は紅茶にスコーン+ジャム、クロテッドクリームというクリーム・ティのフルセット が出るようだ。これは楽しみである。いっそ SACDは聴くのをやめて、全部お茶会にしようかな(笑

 昨日の続き。5.1chは2chステレオにリアの左右、フロントセンターとサブウーファーを足した構成だ。私は家庭用のサラウンドにはセンタースピー カーは無用の長物と考える。 理由は2つある。元々、センタースピーカーは映画館でセリフをスクリーンの中央から出すために設置されている。元々はこれ1 本だけでやっていたのだ。そこへ、立体音響システムが入ってきて、センターを残したまま、左右に各1個+客席のサラウンドを1系統を増やした。映画にとっ て、セリフの再生は最重要視されるファクターだ。これがきっちりスクリーン中央に定位しなければならない。

 映画館のような広い場所では客席がほぼスクリーンの幅いっぱいに設置されているので、左右の席だとファンタムセンターではセリフが中央に定位できない。 なので映画館ではセンタースピーカーは必須になる。しかし、家庭ではリスニングポジションは左右のスピーカーのほぼセンターだし、センタースピーカーが必 須ということにはならない。それに、ホームシアターでスクリーンを設置したとして、センタースピーカーはどこに置くのか?理想的にはスクリーンの裏側だ が、家庭用のスクリーンは有孔タイプではないので、裏側には置けない。そうなるとスクリーンの上か下に設置するしかない。大抵はスクリーンの下に置かれて いるようだ。そうなるとL、Rと同じサイズは無理だから、どうしてもかなり小型のものになる。

 だいたい、ホームビデオのパッケージは映画館で上映する同じフォーマットがそのまま家庭用に押し付けられているだけの話だ。絵の出ないSACDマルチに 絵の出るDVDと同じ5.1chを採用したのがそもそもの間違いだ。せめて4.1とか4.0にすればよかったのに。
・・・続く

12月5日

 昨日の続き 次はサブウーファーだ。どうせ方向感はないし、設置場所は極端でなければどこでも置ける。問題は、フロントのLRとサブウーファーをどういう帯域分担(ク ロスオーバー)にするかだ。これはスピーカーの性能に大きく依存するはずなのだが、なぜパッケージソフトが勝手に決める?ある程度の許容範囲はあるのだろ うが、適当に鳴っていればいいのなら、オーディオなんかやる必要はない。

 5.1chでサブウーファーから出る音を聴いてみると、必ずしも低音成分だけではない。ベースギターやバスドラムをそのまま入れてあるものもある。か の、カーベンターズのSinglesもそうだった。これには驚いた。基音だけではなく、倍音成分もしっかり含まれている。こうなるとウーファーじゃダメ じゃん。5.1chのサブウーファーにはフルレンジを付けろ なんて聞いたことがない。しかし、現実にそういうソフトがあるのなら、見過ごすわけにはいか ない。へたをするとリッケンバッカーのビンビンがウッドベースの音になってしまう。


 フロントセンターもサブウーファーもいろいろな問題があるが、最大のネックは既存の2chシステムとの親和性が極めて低いことだ。いくらコアなオーディ オマニアでも、2chの同じアンプをあと2セット揃えるわけにはいかないだろう。新たにAVアンプを導入する方がはるかに簡単だ。だからといって、既存の システムをあっさり捨てられるか ってことだ。

 唯一の解決策はフロントダウンミックスだ。
私の場合は、元々 センターにサブウーファーを設置しているので、これにそのままダウンミックスして入れるだけだ。これで何の障害もなく、すっきりさわやかに5.1chが再 生できる。センターもスーパーウーファーも2chのクォリティが保たれている。ということで、最初にSACDを導入した時からダウンミックスで構成してい たのだが、プレーヤー内蔵のダウンミックスに騙されたのが唯一の誤算だった。外付けのアナログダウンミックスにしてからは、天国の気分でSACDマルチが 楽しめるようになった。苦あれば楽あり。オーディオは怖い。

 オーディオマニアはこんな馬鹿馬鹿しいことを(こんなのは序の口、地獄の一丁目だ)年中やっている。金と時間を浪費して、やっているうちは楽しいが、そ んな人生 私はイヤだ。レコードを買い漁っている方が何百倍も楽しいのだ。



                              rock_day_5.jpg

*参加費 2,000円 お 茶とお菓子が付きます。途中お茶の時間を取ります。
(紅茶とスコーン、Clotted creamに手作りジャム=クリーム・ティのセット!)
すでに
25 人の参加表明がありました。定員に達したら、
すみませんが、また次回ということでお願いします。


12月6日

 さて、いよいよ明日だ。天気は大丈夫みたいだけど、今日から急激に寒くなった。考えてみれば今までが平年以上に暖かかったただけだ。もう12月だから ね。

 明日はピーター在籍時の音源を中心に聴く予定だ。だからたいした枚数にはならないはずだ。十分手で運べると思う。プログレとかになると軽く20 枚以上になるので、とても運べない。前回は宅配便で送った。持って行くのに困るのは全部LPだといいんだけど、今回はSACDやシングルもあるし、大きさ がまちまち。けっこうかさばる。うーむ。

 どういう進行にするかまだ何も決めていない。これから明日StudioK'sに行くまでに考えよう(笑 最初に何をかけるか決まったら、あとは成り行き でなんとかなると思う。明日は焼きたてのスコーンでクリームティのフルセットが出るみたいだから、楽しみだ。あまり気張らずに、まったりとやりましょう。 それでは、皆さん明日よろしくお願いします。

12月8日

 12/7のGenesis Dayに来て頂いた皆さん、ありがとうございました。前半はSACD化されていないDeccaの音源と、コレクター仲間のTさんが持ってきてくれた BBC71年のTranscriptionと幻のGenesis Live2枚組のSupper's Readyを聴かせていただいた。どちらも圧倒的な鮮度で、目前で演奏されているような錯覚を覚えた。ブートで散々聴いた音源だが、やはり本物は全然違 う。時空を超えた再生は良質の音源と再生装置があってこそだ。こんなものを聴ける日が来るなんて本当に夢のようだった。しかし、あまりにもコアな選曲だっ たので、Genesisにあまり馴染みの無い人にはかなり辛かったと思います。すみませんでしたね(笑 大半の人はこの道30年の筋金入りのファンだった ので、あえてそのままかけさせてもらいました(笑 まぁGabriel時代の特集なのでどうしてもコアな内容になってしまいます。

 途中クリームティのセットを頂いた。これが感動ものの味わいだった。調子に乗ってバクバク頂いてしまいました。
丹精こめて作ってくれた山本さん、ShowGさんに大感謝です。もう二度とこんなアホなお願いはしないと思いますのでご勘弁(笑 世の中にこんな旨いもの があったなんて というのはコレクターKさんの弁 でした。

 後半はLamb Lies Down全曲をSACDマルチで、プロジェクターにDVDのスライドをシンクロさせて聴いた。音もさることながら、大型の映像付きのインパクトは圧倒的 だった。
最後に月影から2曲聴いて無事終了しました。

 今回これを聴いて、真面目にSACDを導入しようという声をあちこちで聞いた。そのうち消えてなくなるはず なのであるうちに揃えた方がいいですよー  とオススメしておいた(笑

 今回、念願の「SACDでGenesisを聴く会」が開催できて、本当によかった。全ては今日の日のためにあった と思える、いいメモリアルになった。 今度は春になったらプログレ&レガシーマルチ(quadraphonic)をやってみたい。その時まで この不況を乗り切って頑張ろう!という勇気が湧い てきた。今日は皆さんどうもありがとうございました。重ねて御礼申し上げます。

Play List
The Silent Sun (decca A demo single)

Where The Sour Turns To Sweet(FGTR mono)
In The Begining(FGTR mono)
Fireside Song(FTGR mono)
Happy The Man(A demo single matrix 2U)
The Musical Box
Stagnation
(Sounds of the 70s 10th May 1971 BBC TS)
Seven Stones(Nursery test press 1U matrix)
Supper's Ready(Genesis Live 2LP holland test press)
Watcher of the Skies(Wembley 15th Apr 1975 BBC TS)
*** Cleam Tea break ***.
 SACD multi    **/w screen slide show(TLLDOB)
The Lamb Lies Down On Broadway(complete)
Firth Of Fifth
Cinema Show

12月17日

 Deccaの名盤といえばアンセルメの三角帽子が有名だ。超HiFiの2回目のステレオ盤SXL2296である。ファーストプレスはED1レーベルでマ トリクス3E/1Eだ。同じED1でも4D/2Dのものがあるようだ。ED2以降になると5G/3Gもある。音質はかなり違うので、どうせ買うならマトリ クスの確認は必須だ。冒頭のティパニの連打に続いて、空気をカミソリで裂くような金管の響き、そこへカスタネットのような鳴り物、男性コーラスによる掛け 声・・これらが広大な空間に現われては消える ここまでですでに唖然となる素晴らしい音だ。そのあとのベルガンサの歌、オーケストラの演奏もダイナミック だ。どうやったら当時こんな音が録音できたのか不思議なくらい凄い音。アナログファンだったら一度は聴いておきたい盤だ。

 LPのリイシュではドイツのSpeakers Cornerからジャケット、レーベルまでオリジナルそっくりの復刻がされている。違いはレーベルのDG とやや薄い黒色の違いくらいで大変忠実(やりすぎ?)な復刻だ。CDはもちろん、xrcdやSHM-CDもある。そこへ今回Esoteric監修で SACDが登場した。今回はDeccaからのスペシャルライセンスでオリジナルマスターから96k/24bitのデジタルマスターを作成して、日本ビク ターのマスタリングセンターでDSDマスタリングされているそうだ。これは楽しみだ。私も早速注文してみた。

 Deccaは現在ユニバーサルが原盤販売権を持っていて、出そうと思えばいつでもリリースできるわけだけど、どの音源を使うのかは、レコード会社次第 だ。金をかけてリマスタリングするもよし、20年前に作ったマスターを使うもよし。極端な話、音源がなければ板起こしでも出せる。レコード会社が音源をき ちんと管理しているかどうかは、極端なことを言えば原盤販売権とは何の関係もないのである。音楽産業とはかくも不可解な業界だ。

 今回のEsotericの企画はちゃんとした出所の音源を使って良い音質のSACDにしよう という、オーディオメーカーならではの企画なのでこれは期 待も高まるというものだ。かつてはMFSLが同様の手法で高音質盤を発売していたが、使われたマスターは必ずしもオリジナルではなかったようだ。だいたい オーディオマニア向けの高音質盤は鮮度が死に絶えたものが多い。やたらレンジだけを広げて S/Nを良くして さあどうだ すごいだろ みたいなやつ。一 瞬すごいと感じるものの、じゃあオリジナルは? 実際に聴き比べてみるとまるで勝負にならないことが多い。

 そいういう意味では今回の三角帽子は大いに期待している。Genesisもそうだったけど、良い音源さえあれば、物理的にはLPをはるかに凌ぐ音になる はずなのだ。

 同時にケルテス/VPOの新世界も出るそうだ。こちらも初期ステレオDeccaの名盤である。どちらもこれまで散々LPで聴いてきた盤だ。楽しみであ る。

Esoteric の紹介によると、「日本では、「三角帽子」は、イギリス・オリジナル初出LPとは違う、ゴヤの絵を使ったジャケットで長らく親しまれており、「恋 は魔術師」とのカップリングでCD化されてからも、それを踏襲していました。今回のSuper Audio CD化にあたっては、イギリス初出LPで使われた、夕暮れの広場にたたずむダンサーの絵によるデザインを採用しています。」  とある。

ゴヤの絵?バレエ衣装のやつかな?発売期間が長かったのはゴヤのやつかもしれないが、日本初版はステレオ、モノともに英の旧モノLXT5357のジャケッ トが使われていた。ややこしい(笑


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12月20日

 注文したEsotericのSACDはすぐに届いた。早速聴いてみた。うーん。さすが。ヘタれな再発盤とは比べものにならない良さだ。芯がしっかりした 音がする。うちの安物のSACDプレーヤーでもそこそこいい音で聴ける。高域はオリジナル盤よりもかなり抑えめだが、低音の厚みがかなり増している。空気 感というか、ホールトーンもたっぷり含まれていて、ベルガンサのソロが距離感を伴ってちゃんと聞こえる。良いSACDプレーヤーで聴けばもっといいはず だ。気になったのはオリジナル盤ではほとんど気にならないテープヒスがかなりはっきりと聴こえることだ。史上最強の音源といえどもアナログテープの磁気抜 けは免れないのかもしれない。どうしてもハイ落ちになる部分はエンハンスするしか手がないのかも。

 うちの安物のSACDプレーヤが相手だと、音の鮮烈さという点ではオリジナル盤の方がはるかにいい。決してハイエンドな音ではないが、ゾクゾクするよう な快感はオリジナル盤の方が楽しめる。SACDプレーヤーに100万くらい投入すれば互角になるのかもしれないが、このソースだけのためにそこまで金もか けてられない。大半のSACDソースはそこまで投資するだけの価値があるとは思えないのだ。同じ予算で楽しめるのはまだまだオリジナル盤の方だと思う。し かし、オリジナル盤の1/10の値段で買えると思えば、今回のSACDは安いと思う(笑

 先日、友人達と忘年会をやった席で、メディアは古いものほど長持ちするね という話が出た。SACDはともかく、DVDやCDは思ったよりも長持ちしない。テープものは論外。
レーザーディスクは張り合わせが剥離して3枚おろしになってしまう。20年前に買ったCDはTOCを読めないものが出てきている。そこへいくとアナログレ コードは手入れさえ普通なら50年そこらはへいちゃらなのだ。

 音楽産業とオーディオ業界は間違った道を進んでいる。テクノロジーは人のためにあるべきだ。レコード媒体は金儲けや経済効果だけのために変遷していった ように思う。車だって、今の技術で20年くらい持つものを作ろうと思えばできるはずだ。しかし、これじゃ消費が活性化されない。じゃあ寿命5年くらいの設 計をしてコストダウンしよう というのもいかがなものか?オーディオ装置だって同じことだ。ヴィンテージの名器と言われる機器は今でも立派に生き残ってい る。当時の技術者が30年以上の寿命を考えて設計していたとは思えないが、良い音を追求して設計されたものは妥協がない。使われている部品だって特性が良 いものはちゃんと作られている。今では良い部品はコストと需要のバランスが取れずに次々と廃品になる。今良い部品を使って30年前と同じ音が出る装置を作 ろうとしたら10倍以上の値段になってしまうのは仕方のないことだ。それも市場に良い部品が無くなったら間もなくおしまいになる。

 パソコンの価値はスペックのみだ。古いMacの未使用箱入り(笑 みたいなものは別にして、5年前のパソコンは今やゴミ以下である。リサイクル手数料が かかるので粗大ゴミにも出せない(笑 そこへいくとオーディオ機器の名器は50年前のものでも価値が落ちない。当時の定価より高いものもザラにある。今や オーディオは一部の金持ちの道楽に成り下がってしまった。こういう状況では若い人がオーディオに目覚めて音楽を楽しむ というのはありえないことだ。オー ディオに若いファンがつかないと必ず終わりがくる。

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12月28日

 26日が仕事納めだった。来年は大不況でえらいことになりそうだが、今年は忙しかった。年が越せるのかいな みたいな感じでどうなるかと思ったが、なん とか乗り切った。

 あー疲れた。さぁて、やっとのんびりレコードが聴けるかなと思って、ひさびさにターンテーブルに盤を乗せてみた。おや?なんかへんだ左のウーファーから ヘンな歪が 例によって電池切れか?と、電圧をあたってみると、多少へたってはいるものの、一応規定内で正常だ。DCバランスも大丈夫だ。ってことはいよ いよアンプが死んだ??うーん困った。直すにも部品が・・いよいよ年貢の納め時か とウーファーを下ろしてみると、見事に固着している。コーン紙を触って もびくともしない。こんな状態でよく音が出てるな と変なところでアンプのドライブ力に感心してしまった。

 20年くらい前に一度ボイスコイルから異音が出て、芯がずれていたのをダンパーを剥して貼り直したことがあった。今回はかなり厄介そうだ。とりあえず、 リアのウーファーに入替えて難をしのいだ。同じスピーカーを使ってマルチにしていると、こういう時は便利だ。で、取り外したユニットは専門のビルダーに修 理に出すことにした。こういう専門のショップがあると本当にありがたい。戻ってくるまではしばらく2chで普段聴かないLPをじっくりかけることにしよ う。

 ある方からレコードの修理を頼まれた。盤の一部が直径5mmくらい白くなっていて、そこを通過する時にジャ ジャとなんとも気分が悪いのでなんとかなら ないか というのだ。とりあえず見てみますから送ってください と、速攻で翌日届いた(笑 顕微鏡で見てみると、何か硬いものが溝に付着していて、見事に溝を塞いでいた。土砂崩れで埋まった谷のようだ。これはすぐに治 るな と針を入れてみると、ん?か、硬い!母材のビニールよりも硬いので力を入れると盤の方が負ける。参ったな・・どうしよう 室温を10度上げて、イソ プロパルアルコールを浸み込ませると少し柔らかくなった。これならいけるかも と少しずづ剥離させていった。慎重にやらないと瞬間パーになる。焦りは禁物 だ。結局じっくり2日かけてなんとか溝が見えるくらいまで除去できた。聴いてみるとこれなら大丈夫そうだ。無事おわってほっとした。修理の御礼にと頂いた のが上の盤だ。この印籠が目に入らぬか!ってのが右下のSQロゴである。これは長年入手できなくて困っていたので大変うれしかった。

 レコードの修理は商売にならないので、やる人もいない。リスクも大きい。大事な盤をパーにしたら元も子もない。手間がかかるわりにはお金が取れない。修 理代3時間で1万円です なんて不可能だ。なので、競合する相手もいないはずだ(笑 お礼は大抵「気持ち」とかこういう「モノ」になる。スピーカーやカー トリッジの修理はその道の有名なテクニシャンがおられる。私もいろいろお世話になっている。修理だけではメシが食えないと思うけど、自分がやらなきゃ誰が やる という気持ちで続けておられるのだと思う。本当に頭が下がる思いだ。こういう人たちがオーディオマニアを根底で支えているのだ。私もたいしたことは できないけど盤の修理は頼まれたら断ることはしないようにしている。ただし、仕事の合間でよければ、リスクも十分に納得した上で ということだ。それでも どうしても という場合は↓に。
でも買い直せるものなら 買いなおしてください(笑 


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1月4日

 あけましておめでとうございます。年末から子供と戯れていたら、あっというまに休みが終わった。明日から仕事だ。今年はもう考えるのも憂鬱になりそうな くらいな状況なので頭が痛い。考えると体によくないので行動あるのみだな。

 年末に固着したNS-1000Mのウーファーを修理に出したら、元旦に修理されたものが届いた。年末の忙しい中、修理して下さったショップにひたすら感 謝である。心なしか以前よりもしなやかに動く感じがする。本当は左右同時にメンテナンスした方がいいですよ とのことだ。御意!

 上の牛は、ララベル三世ではなく、テキサスのサイケショップからArzachelを 買った時に同封されていたものだ。Just Rememberって言われてもねぇ・・テキサス=牛 ってのもなんだか しかし印象に残ったのは確かだ。それとなぜにArzachelがテキサスの ショップにあるのか不思議だがテキサスはUSサイケのメッカらしい。で、届いたのがミントだったけどセカンドレーベルだった。まぁ中身(マトリクス)は同 じなんだから、これで止めておけばいいものを・・やっぱり初回レーベルじゃないとね と買ったのが、念願の青レーベルだったのだが、これもMCPS表記の ないセカンドレーベルだった。もうやめた。やっとれん。どうせこれ以上音が良くなりようがないし、だったら、各国盤を聴いてみようといろんなものに手を出 した。肝心のUSルーレット盤を持ってないけど(英以外ではこれが一番いい)なんとなく集まったものをやっと書いてみました。一応記録には残しておこう と。掲載しなかったが、この他にブートやら正規CDやら、再発アナログも・・増える一方だ。初回レーベルを入手するまでは止められそうにない(笑


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1月12日
 今年は年始から体調は最悪のコンディションだった。まず、1/5腰が痛いなぁと思いながら会社に行ったら、午後になって立てないくらいに激痛が走るよう になってしまった。こうなるとギックリ腰と同じだ。あくる日例の治療院へ行く。ここでやっと動けるくらいになった。しかし、咳をすると脳天まで激痛が走 る。くしゃみなんかもっての外だ。へたすると失神しそうな痛みだ。こればかりは体験してみないと理解できない。周囲にはさぞ滑稽に映っただろう。腰の痛み は治療後少しづつ回復していったが、今度は寝ると咳が止まらない。わけがわからず、かなりしつこい。痰がからむわけでもなく、熱も出ない。インフルエンザ や風邪ではない。どうもマイコプラズマというウィルス性のやつだそうだ。あまり飲みたくはないが、抗生物質を投与してやっと少し良くなってきた。 という のが年明け一週間の状況である。歳とともに抵抗力が落ちてきたのかなぁ やんなっちゃう。最近、つくづく健康は大事だと思う。健康でなければ何もできな い。体調を崩すと健康のありがたみが身にしみる。普段なんともないということは何にも増してありがたいことだ。こないだ耳が不調になったときはもう音楽を 聴く楽しみもオシマイかと悲観しそうになった。オーディオも健康なればこそ楽しめる趣味だ。せいぜい健康で長続きしたいものだ。

 運動不足の原因のひとつがレコード屋巡りをほとんどしなくなったことも一因だ。以前は休みになるとレコード屋を巡回するのが楽しみのひとつだった。最近 はほとんどインターネットを利用してレコードを買っている。理由は簡単だ。欲しいものはもはやレコード屋巡りでは入手できなくなったからだ。いろんな音楽 を聴きたいというのは同じだけど、手当たり次第に買えるほど裕福ではない。つまりまだ持っていないある種のレア盤というのはお店に転がってる確率は極めて 低いというわけだ。あまりその手の盤ばかりを買うのも不健康だとは思うけど、限られた予算の中ではそういうものに絞らないと、手当たり次第買うわけにはい かないのだ。私のようなコレクターが増えたわけでもないだろうけど、最近レコード屋があちこちで閉店になっているようだ。絶対数が減ってくるとレコードを 趣味にしている人も減る。あまり望ましい状況ではない。70年代のようにあちらこちらにレコード屋があるような状況はもはやあり得ないだろうがマーケット が消失するほどに減少するのは問題だ。そろそろそれに近い状況になりつつあるような気がする。よく拝見するピピエコさん路傍の石さんのHPに奇しくもレコード屋巡りの話題が あった。私のような不届きモノのコレクターは別にして、やはりマーケットを支えているのは本当に音楽が好きな人達なんだなと思う。

 正月からDeep Purpleのカリフォルニア・ジャムの映像を見た。この映像は数あるロックビデオの中でも不朽の名作だ。20歳の頃、この映像を見たさにフィルムコン サートに出かけた。何度見てもかっこいい。映像が乏しい時代だったから余計ありがたく感じたのだろうが、今見てもやはり凄いものは凄い。ロックは何かこう いう格好いいカリスマ性が絶対に必要だ。で、このメンバーのStormbringer のアニバーサリーエディション が出るそうだ。2枚組みで1枚はDTSのマルチチャンネル版だ。ひょっとしてと、よく見てみると、quadraphonicmixとのこと。これは当時米 で出たquad版のことか。先日のMachine Headはよく出来たquadmixだった。SACDはこのquadmixそのままで4.0chでリリースされたが、これはよくわかる。あの優秀な quadmixをそのままで出したEMIの英断に拍手したい。が、これはいけません。これだけはquadファンもソッポを向く駄作で有名なquadmix なのだ。Purpleのアニバーサリーも そろそろネタ切れの感じも否めない。作品自体は当時パープルらしくない作品で非難轟々だったけど、私は嫌いじゃ なかった。リッチーが好きでやっていたとは到底思えないが、こういう方向もなかなかいいなと思った。確かにしょうもない曲もたくさんあったが、シングル ヒットした「嵐の女」(笑 なんか結構好きだったし、グレンがヴォーカルを取るHoly Manはギターソロ以外(笑 はなかなかの名曲だと思う。 で、日本盤はUSのジャケットと同じだったが、UKは上の写真のやつで、色合いが全然違う。こ ちらの方が断然かっこいい。で、音はどうだったかというと、この作品に限ってはUS盤の方がしっくりくる。ゆったりした低音とグルーヴのある音質だ。アメ リカナイズされたこの音はUK盤だとなんかぎこちない(笑

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2月1日

 ジェネシスのSACD/DVD紙ジャケが届いた。というか、27日には既に届いていたのだが、包みが小さくて、今まで気がつかなかった。(笑 探検隊さ んから連絡を貰って慌てて確かめた次第。

 私は紙ジャケが好きではない。持っていないもので、高い紙ジャケを買うくらいなら、最初っからオリジナル盤を探して買う。結果的にはその方がずっと安く つくし、買い直しの迷いがない。もちろん、無茶に高いオリジナルは紙ジャケで我慢 という選択肢はある。(笑 今回ピーター期の5タイトルを買ったのは、 EUBOXのSACDが読み取り不能になったら、困る(笑 ので、もう1セット買っておこうかな と思っていたからだ。それならいっそ国内盤紙ジャケを 買ったらどうですか? という探検隊の強力な後押しもあった。普段いろいろお世話になりっ放しの探検隊さんからそう言われると、ちょっと逆らう気になれな い。(笑 ここは日頃のご恩返しにもなるし。どうせ買うのなら国内盤でもいいかなー
という気になっていた。

 で、早速紙ジャケットの出来をチェックしてみた。結果から言えば、素晴らしい再現度だ。付属品は完璧。Foxtrotの赤スリーヴ、ブロードウェイの赤 インサートに至るまで漏れなく付いている。レーベルもスクロール/ビッグ/スモールと使いわけてあって、ブロードウェイのピクチャーレーベルもコースター 状態で付属。ジャケットの再現度は比較特集を組むまでもなく、文句の付けようのない忠実度である。

 なかでも驚いたのは「侵入」のエンボスだ。オリジナル盤のエンボス加工は組立前のパーツの状態でローラーのようなものに通して加工されたのだと思うが、 侵入のワイドスパイン期のものは、エンボスに「シワ」がある。ドット4個くらいの間隔で縦横にスジが入ってしまっている。これがファーストプレスの特徴と も言える部分なのだが、紙ジャケットのエンボスにはこれが型を工夫して再現されているのだ。これには恐れ入った。さらに言うと、「侵入」のエンボスのドッ トは丸で、ナースリーとFoxtrotは角ドットだ。この違いも別のエンボス型で押すという、ここまでやって一体誰が喜ぶの?という拘りようだ。これが一 枚4800円の価格だから予算的にエンボス型を2種類起こすことが可能だったのか?しかし、ここまでやられると、もはや再現というレベルではなく、ワラ人 形に込めた呪いのような怨念すら感じられる(笑 こういう細部にまで拘った紙ジャケがメジャーから出るというのは凄いことだ。ストレンジ・デイズ(という か、岩本さんの執念?)監修は伊達じゃない。その出来栄えは前回のジェネシスの紙シリーズとは全く次元が違う。

 歌詞の対訳はともかく、インタビューの対訳は大変ありがたい。読み取りの原文もついている。こういうところはやはり国内盤ならでは。いくら SACD/DVDとはいえ、4800円というのはやはり高いと思う。しかし、この内容、充実度はまさに決定版といっていいものだ。古いファンもこれからこ の作品を聴こうという人にも、どうせ買うならこういうものを買いましょう とオススメしたい。

 今回のシリーズは全てマルチトラックから起こし直した「リミックス」バージョンだ。文中ではすべて「リマスター」という表記で統一されている。リミック ス版もマスタリングをやり直したという意味では間違いではないが、オリジナルミックスと違うものであることは認識されたい。バランスは違うしエフェクトも 現代のもの、オリジナルミックスにはないトラックが使われていたり、逆にオミットされたトラックもある。そういう違いがあって、且つ、音質がリファインさ れているのが今回のSACDシリーズ ということだ。もちろん私の興味は5.1chサラウンドミックスなのだけど。同じ5.1chでもDTSとSACDと では0.1chのレンジバランスが異なる。SACDの方がクロスオーバーが低く設定されていて、SACDはかなり低い成分のみ。DTSの方が低音チャンネ ルがにぎやかに聴こえる。

 Nickのインタビューによると、今後オフィシャルでリリースされるCDも随時今回のリミックス版に差替えられるようだ。

*ファンなら周知の事実だが、GenesisのマネージャーになったTony SmithはCharisma社長のストラトン・スミスとは別人。

*ブロードウェイのGENESIS側の要望による全世界統一ジャケ、レーベル、盤の重量 というのは初回日本盤のオビに記載されていた。しかし現実にリ リースされた各国盤は統一されていない。特に盤の重量を指示通りに合わせるのは技術的に無理だったのでは?日本フォノグラムにそのような指示が届いていた ものと思われるが詳細は不明だ。

      
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     *今回のboxsetのレビューは Keep a Diary にもあります
  1970-1975のリミックスアナログセットは12/15発送予定なんだそうで 怪しい・・
  12/18追記 HMVによると1/15出荷予定とのこと・・・やっぱりなー(笑
   1/12追記 HMVによると在庫なしの数週間の納期 と表記が変わっていた
   2/ 1追記 HMVは2/15予定から2/2予定に変更された。出荷通知でも来たのか?
          ディスク・ユニオンの店頭で売られていたそうだ。大丈夫か?HMV
      2/10 追記 HMVは2/9予定が2/10一瞬 在庫あり となったが再度お取り寄せに..
 
      2/11 追記 HMV再び在庫ありに
      2/18 追記 再度お取り寄せ に.. 
      3/12 追記 廃盤入手困難に.. 

2月11日
 というわけで、やっと来た。HMVにオーダーしたのが10/4だから4ヶ月待ったわけだ。
TrespassからLambまでの5タイトル。ブックレットもオマケもなし。付属品らしきものといえば外箱とTrespassと月影の歌詞カードくら い。Lambは歌詞インナーバック仕様。ジャケットの再現度は期待する方が無理か。月影以外は一応見開きではあるけど、エンボスは当然なし。 Trespassの歌詞カードが白なのはまだしも、内ジャケの左下はスクロールではなく、Mad Hatterが。それくらいならまだいいとして、そこにはでっかく CHC12  と..
どうやら再発の廉価盤からス キャンしたらしい。この大雑把加減には笑うしかない。 月影の歌詞カードはペラペラの水色がかった緑で、Lambのインナーバックはサイドオープンときた。やるなぁ(笑 完全無欠の紙ジャケ仕様が売られている 日本でこれは目立つ(笑 レーベルは侵入とナースリーがピンクスクロール、Foxtrot以降のはスモールハッター。LambのB面がピクチャーレーベル なのが救いか。まぁ雰囲気を出そうと頑張った ということなのか(笑 テキトーという意味では Classic Recordsの再発盤と大差ない。こういうのを見てしまうと、日本の紙ジャケの再現度がいかに優秀かよくわかる。 どうせなら、紙ジャケレベルの再現度 でジャケットを作ってオビ付で日本盤をリリースしたらどうか?海外のGenesisコレクターが飛びつくこと請け合いだ。

 盤のマトリクスはTrespassのA面から順に手書きで LPBOX14 A-1,B-1,C-1,D-1,E-1.F-1 とFoxtrotまでは末尾が1、月影はF-4,G-3、LambはH-2,I-2,J-2,K-2 と末尾2だ。その他に、MILES THE PARADIGM 1/2 SPEED STEREO RECORDSの刻印がある。BOXの末尾には Cut by Miles Showell & Crispin Murrayとあり、ロンドンのMetropolisで マスタリングからカッティングまで行われたようだ。

 で、肝心の音質だが、これでやっとオリジナル盤と同じ土俵で比較できる。早速月影とLambから聴き始めた。SACDの2chと比べても十分にアナログ の優位性を感じられる。この2枚はオリジナルマルチのトラックをダイレクトに聴いているような感覚だ。リミックスの効果で音の鮮度は間違いなく向上してい る。今まで埋もれていた音がいろいろ聞こえてくる。多少バランスは違うものの、これはやはり素晴らしい音質だ。しかし、オリジナルを30年以上聴いてきた 耳には違和感が大きい。音数は多いし、分離も鮮度も素晴らしい。しかし何かが足りない。オリジナル盤を聴いてみると足りないものがわかった。それは空気感 だ。オリジナル盤はスピーカーの背後に演奏している空間(音場)があるのだが、リミックス版では楽器の音を集めてきてヘッドホンで聴いているような感じな のだ。それぞれの楽器が別の時空にいて、それを寄せ集めて聴いているような感じ。同じ空間に溶け合わないというか、時間軸が合っていないように聴こえてし まう。特に月影とLambにはその傾向が強い。その点、Foxtrot以前の3枚は時空の差はあまり感じない。それよりも鮮度が向上した音の良さの方が際 立っている。特にFoxtrotはオリジナルと比べても鮮度の差が大きい。Can-Utilityでのペダルベースが聞こえないのが唯一残念だが、 Horizonsはこれまで聴いたどの音源よりも鮮明な音だし、Supper's ReadyのApocalipsのペダルベースはとんでもないバランスになっている。しかしこれはこれで面白い(笑 このご時世に今更アナログでもないだ ろうが、マルチテープからのリミックスという、禁断の蘇生術で生き返った音をアナログで楽しむというのも、究極の道楽なのかもしれない。
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3月15日

 留まるところを知らない不況は一向に回復しそうな気配がない。そのせいか、ebayなどの相場も劇的に下がっているような気がする。たまに見てみると信 じられない価格で落札されている。それが自分がかつて買った盤だったりすると大ショックなわけで(笑 こんなに安いのならいっちょ買ってみようか とは思 うものの、財布がお寒いのは皆同じ。だからこそ相場も低迷するわけです(笑

 気が滅入る毎日だが、寝ていても仕方がない。こういう時は忙しくてやれなかったことを少しづつやっていこう。で、かつての4chのレコードだが、CD- 4という方式がある。これはマトリクス式と違って、専用のカートリッジとイコライザアンプ(Demodulatorと呼ばれている)が必要だ。そうなると MC専用にしているうちのプレーヤーではおいそれとセッティングできない。なのでいつかはツインアームにして、いつでもCD-4を聴けるようにしようと 思っていた。で、先日ひょんなことからアームベースを入手できたので、昨日やっとセッティングできた。使わずに仕舞ってあったAudiocraftの AC4000MCを付けようと思ったら、ラテラル調整用のノブが固くて回らない。カウンターウェイトの文字板も同じように固着してしまっている。グリスが 硬化したのだろう。CRCを塗布してやっと廻るようになった。機械モノは使わないとダメになる典型だ。SAECのようなナイフエッジは日本刀のように砥が ないと感度が落ちたりするけど、クラフトのワンポイント支持はシンプルな構造ゆえ感度が落ちる心配がない。だからいつまでも安心して使うことができる。

 で、やっとアームを取り付けて、VictorのCD4-30というコンパクトなデモジュレータを繋いだ。この機種から回路がIC化されて、大きさが 1/4程度になった。安定度は抜群だ。カートリッジはテクニカのCD-4対応の針がついたAT-14Saを付けた。キャリアとセパレーションを調整して、 とりあえずこれでCD-4が聴ける。久しぶりに聴いてみて改めてセパレーションの良さに感心した。マトリクス式ではこうはいかない。しかし、時折ノイズが 出たり、いまいち歪みっぽい点はやはり扱いにくいものだ。(CD-4の専門家に相談したら、動的な歪みは接点部分に原因あり とのこと。内部のトリマーや 接点をメンテナンスしたら驚くほど歪みが減った。)何枚か盤を聴いてみたが、改めて米盤の音質の良さに感心した。絶対的なセパレーションを我慢すれば、マ トリクス式の方が安心して楽しめる。もっともマトリクス式でも良いデコーダーを使えば20dBくらいのセパレーションは取れる。73年頃にこういうデコー ダーがあったら、4chも簡単には廃れなかったかもしれない。

 4/29にStudio-K'sで4chのレコードを聴いてもらえることになった。5.1chマルチの現代に35年前の4chマルチ再生を聴いてもらう のも一興だ。レコードもそうだけど、古いからダメということは全くなくて、いくら技術が進歩してもダメなものはダメだし、古くても良いものは良い。フォー マットとソフトの良し悪しは全く別次元の話だ。35年前の4chマルチは技術的には今とは比べ物にならない開発難易度だ。現代の方がはるかに複雑な技術が 使われているが、開発の難易度は別だ。なんせ1本の音溝から4つの信号を取り出しているわけで、現代のデジタルなら簡単にできてしまうことをアナログ技術 で実現しているのだ。今時の技術屋には到底真似できるようなものではない。こういうアナログ技術の粋が込められた4chに素晴らしいソフトも多々残されて いる。これらの名演を デジタル5.1ch全盛の2009年に体験してみるのも意味のあることだと思う。デキの悪い5.1マルチよりも、はるかに素晴らし いマルチが既に35年前に存在したことを実感してもらえると思う。

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4月8日

 年度も明けて一週間が経ったけど、相変わらず景気のいい話は聞こえてこない。それどころか、この先どうなっちゃうんでしょうか。うーむ。仕事が少しヒマ になればそれはそれでやりたいことは山ほどあるのだが、それ以前に食い扶持の心配をしないといけないとは・・情けないことになった。
ここはじっと我慢してエネルギーを蓄えることにしよう。

 さて、パープルのStormbringerのマルチがやっと届いた。ん?DVD?DVD-Aマルチかと思ったら、なんのことはないただのDTSでした。 2chの24/48はDolbyのリニアだ。ハイレゾはうちのプレーヤーが対応してないので、聴く気がしないが、5.1のマルチはどうかな・・クレジット をよく見てみるとQUADMIXを5.1にre-formatした と書いてある。ということは、LPのquad版と同じってことだ。なんだマシンヘッド と同じパターンか。聴いてみると、確かにあのヘタレなquadmixである。おまけにDTSじゃ元気が出ない(笑
一連の作業にはマシンヘッドと同じく、Abbey RoadのPeter Mewが関わっているようだ。

 もう一枚はThe Flaming Lipsだ。The Bad Plusのカバー集 For All I Careに入っているFeeling Yourself Disintegrateのオリジナルを探して買ったものだ。5.1ch版があるというので、これにしてみた。他の曲はともかく、Feeling Yourself Disintegrateは素晴らしい。こんな名曲があったとはね。Bad Plusを聴かなければ絶対に聴く機会がなかったと思う。こういう曲にめぐり合えたのはBud Plus様々である。こちらは真っ当なDVD-Aだ。このままじゃ聴けないので普通のリニアファイルにならないかな・・

 4/29にStudio-K'sで行われる4chの日は奇 しくも昭和の 日だ。4チャンネルは昭和が生んだ偉大な再生メディアである。昭和はSPに始まり、LP、テープ、CDと変遷したメディアの時代と言えるかもしれない。こ れからはメディア+無形データーの時代だ。メディア華やかなりし昭和の象徴とも言える4チャンネルのディスクを2009年に再生してみるのも悪くない。 4/29はRockdayの一環なのだけど、キャンディーズや岩崎宏美もかける。クラシックやジャズありで、4ch総動員である。もちろん、プログレの QUAD名盤もたくさんあるし、4ch盛り沢山の内容にしようと画策している(笑 当日用意する内容はぼちぼち紹介していきます。

4月20日

 4/29は4チャンネルのレコードをかけます。Rockdayとは名ばかりで(笑 歌謡曲、ポピュラー、ジャズ、クラシックなんでもあり。かいつまんで メニューをご紹介しますと、サンタナ、BS&T、ジェフ・ベック・グループ、ミシェル・ポルナレフなどのSONYSQ勢、UK系ではDeep Purpleマシンヘッド、Pink Floyd狂気、炎 それにBBCのSQライヴはPFM、Steve Hillege(やりすぎ?)CD-4ではドゥービー・ブラザーズ、カーペンターズ、ジェスロ・タル、アイズレー・ブラザース、ジョーン・バエズ、ジャク ソン5、テンプテーションズ、ダイアナ・ロス、スタイリスティックス、麻丘めぐみ、岩崎宏美、キャンディーズ、山口百恵、南沙織、欧陽菲菲、チェリッ シュ、マイルス・ディビス、キース・ジャレット、バーンスタイン、ワルター・カーロス、富田勲、シナジーなんかを予定しています。何が出るかもうわけがわ かりませんが、今聴いても楽しめる4チャンネルをたくさんかけたいと思います。中には通常盤と露骨に違うテイク違いやミックス違いも多々あります。

 今でもよく尋ねられるのですが、4chレコードは特別な装 置がないと 2ch装置では再生できないのですか? ってことです。マトリクス方式は普通の2chステレオ盤と何ら違いません。2つのチャンネルにアナログミックスで 4ch分を混ぜ込んでいるだけですから普通の2chでかけても普通に音が出ます。専用のデコーダーを通せば4つに分離するわけです。なので、カセットや CDに移したものでもデコーダーを通せば元の4チャンネルに分離します。CD-4も2chと完全な互換性があります。CD-4だけは30KHzのパイロッ ト信号を使っているので、2chメディアに記録するとリア信号を分離するための情報が欠落してしまいます。そういう意味ではCD-4はレコードのままでし か4チャンネル再生ができませんが、2ch装置でCD-4をかければ普通に再生できます。

 今回はマトリクス用にSQとQS用のデコーダーを各1台、CD-4用には専用のカートリッジとデモジュレーターを用意します。中身はマニアの手でカスタ ムにチューニングされたものです(笑 そういうものなので、当時よりも良い状態で楽しめると思います。SQもマトリクス式とはいえ、後年作られた高性能デ コーダーのおかげでセパレーションは十分あるので、擬似方式とは比べものにならない4chです。当時お店でデモっていたものはなんとなく前後に分離してい る程度でしたが、今回は4チャンネル盤本来の性能で聴いてもらえると思います。

 5.1ch全盛の今、35年前の4チャンネルの実力がどの程度だったのか、確かめるいい機会だと思います。それよりなにより当時は圧倒的な量の4チャン ネル盤がリリースされていたのです。オイルショックさえ来なければ、間違いなく世の中は4チャンネル一色になっていたはず(笑 そんな時代の勢いを感じて もらえれば幸いです。

4月22日

 マトリクス方式の4チャンネルレコードは分離が悪い。どれくらい悪いかというと、代表的なSQでは左右のセパレーションが6dB、前後で3dBである。 桁が違うのではない。たった6dBしかないのだ。元々2chステレオの分離度はカートリッジの性能でほぼ決まるが、悪くても20dBは取れる。スピーカが 多くても分離が悪いとなればそりゃ引きますよね。これじゃあイカンってんで、デコーダーにはロジック回路なるものを付け足した。これは左右もしくは前後の 音量差が生じると、少しでも大きい方を残して、対向側の音量を下げる回路だ。これで見かけ上の分離を良くしている。しかし、音楽信号はオシレーターではな い。ダイナミックに変化する音量変化についていけるわけがない。従って、極めて不自然な音量変化になってしまう。あちこちのスピーカーの音量が上がったり 下がったり、なんか落ち着かない。当時お店で聴いたSQのデモは大体こんな感じだったと思う。

 つまり、2chよりも分離が悪く、不自然で音質も落ちる。 どうしようもないのがマトリクス式だった。そこへ行くとビクターのCD-4はこういう小細工 をせずに、FMのステレオ放送と同じような方式なので前後左右の分離度は申し分ないし、変な音量変化もしない。性能的にはマトリクス式に大差をつけてぶっ ちぎりだった 筈なのだけど、30KHzのキャリアを安定して再生できるほど1971年は甘くなかった。ブチブチとキャリアが途切れる。これがまた耳障り な音なのだ。サンドペーパーノイズなんて言われている。盤もカートリッジもデモジュレーターも、当時の技術水準ぎりぎりのところだった。ハイエンドゆえの 扱いにくさと不安定さではお店も安心して売れなかったんじゃないかな。それでも73年頃の製品になると、かなり安定して再生できるようになったようだ。マ トリクス式もロジック回路がこなれてきて、これならまぁいいんじゃないの 程度にまでは改善された。
ここまでの2年くらいで、ユーザーは4チャンネルってのはヒドイもんだ ということを知ってしまっていたので、性能が良くなったら考えてみようか と、 73年頃になって、やっと良いものが出てきた。山水はバリオ・マトリクスを採用し、前後左右20dBという、マトリクス式としては驚異的(笑 なセパレー ションを音質を損なうことなく実現した。量産型として出たQSD-1はバリオマトリクス回路を帯域別に3系統内蔵した超弩級のデコーダーだ。さぁやっと4 チャンネルもこれからという矢先、運命のオイルショックが来てしまった。

 どうにもならないSQはSonyがとっくにやめて、誰もが忘れかけていた82年頃、アメリカのFosgate社から101ATateUというデコーダー がひっそりと発売されていた。私はこのデコーダーの存在を随分後になって知った。とてつもないセパレーションの良さ、ハイエンドマニアも唸る高音質でSQ とは思えない驚異のデコーダーということで、USのマニアで評判だった。20世紀の終わりくらいにやっと入手して、これを聴いた時は本当に驚いた。まるで 状態の良いCD-4を聴いているかのような音なのだ。これがSQとはとても信じられない。なんといっても、日本では4チャンといえばSQというくらい大量 のレコードが発売されていたのだ。ソフトの豊富さからすれば、これがまともな4チャンネルで楽しめるのは何よりありがたかった。(続く)

4月23日

 SQ方式はSONY/CBSが大量にソフトを市場に投入した。しかし、当時のデコーダーではまともに再生できなかった。これが災いして4チャンネルの悪 いイメージが定着したのかもしれない。SQ以外のマトリクスはRM方式に統合された。マトリクス式で最高性能を誇っていたのはサンスイだ。73年頃に出た QSD-1は分離度が20dB以上と、他のマトリクス式を圧倒していた。しかも、3バンド独立式で、不自然さはほとんど感じない素晴らしい性能だった。東 芝の行方さんがPRO-USEのレコードなどで積極的に採用していたことからも、その性能の高さが伺える。しかし、世に出るのがちょっと遅すぎた。発売直 後にオイルショックが来た。

 そういうわけで、当時まともな4チャンネルを聴いた人はあまりいないと思う。今回はRM方式はサンスイQSD-1、SQにはFosgateTATEU 101Aを使う。どちらもマトリクス式最高のデコ−ダだ。しかも、しっかりと手が入っている(笑

 CD-4は友人にテクニクスのSH3280を用意してもらった。CD-4のデモジュレーターはほとんどがVICTORのOEMだが、これは松下の独自回 路とのことだ。この方は日本でも有数のCD-4マニアである。(もっとも日本でいまだに4チャンネルやってる人は10人いないと思う(笑) 今頃4チャン なんてやってる人なんかいないと思っていたから嬉しかった。私とは20世紀からのおつきあいだ。インターネットが普及し始めていろいろ調べていたら、US には4チャンネルを今でも熱心にやっている人達がたくさんいることを知った。

 海外では4チャンネルのことをQUADRAPHONICという。USにQuadraphonicQuadと いうサイトがある。ここは今では統合マルチチャンネルのような体裁を装っているが、中身はほとんどが4チャンネルを愛して病まない人達なのだ。しかも、 USに限らず、メンバーはほぼ全世界にいる。今頃4チャンネルを熱く語っている人達が大勢いるなんて、世界は広いというか、日本は狭いというか。まぁあち らの住宅事情なら古い装置も捨てずに取っておけるのだろう。日本じゃ片っ端から捨てるので古い装置はほとんど残っていない。そういうわけで、私もここに潜 り込んで沢山の友人ができた。類は友を呼ぶのである。で、デコーダーの問題点やら、改造の要領などいろんなことを教えてもらった。とにかく研究熱心であ る。日本製のデコーダーに関しては、へたな日本人よりもはるかに詳しい(笑

 デコーダーはどれも30年以上前のものだ。従って、内部の部品もそれなりに劣化している。抵抗や半導体はまず大丈夫だが、電解コンデンサーは乾いて抜け ているものがほとんどだ。基板も腐ってるし、手を入れないとまともに動作しない。で、どういう部品がweakなんだとか、どういうコンデンサーが音がいい んだ とか そこまでやらんでも・・・全くもってビョーキ系である。知らず知らずのうちに私も感染してしまったらしい。今回SH3280を提供してくれる 友人も最初は「4チャンなんてできるんですか?」くらいだったのが、
今やCD-4の大家である。私は菌を蒔いただけ(笑 CD-4のことは逆に教えてもらっている有様だ。QUAD菌はかくのごとく強力である。 


4月25日

 29日にかける4チャンネル盤をあちこちから引っ張り出してきた。ざっと250枚くらい出てきた。どれを持って行こうかとしばらく選別していたが収拾が つかない。もう面倒だから丸ごと持って行って、その場の気分でかけていこうか。とにかくジャンルに関係なくよくまぁこんなにあるもんだ(笑 USにはリ リースされたQUAD盤のコンプリートコレクションを目指して5000タイトル以上持っている人がいる。それに比べればたったこれだけである。猛烈な QUAD菌のせいで、一時は4チャンと名の付く物は片っ端から買った時期があった。愛好家からまとめて譲ってもらったものもある。最近はいくらか節制でき るようになった(?ので、無茶に増えることはなくなった。うちには少ないが4チャンネルフォーマットはレコードの他にオープンリールテープ、8トラック カートリッジテープがある。これにSACDやDVD-A、dtsCDなどを加えるとよくまぁこんなに種類があるもんだ。しかし、サラウンドメディアはどれ もが危機に瀕している。アナログのサラウンドはとっくに絶滅していて、ごく一部のマニアが自分の水槽で飼っているシーラカンスのようなものだ。エサもあげ ないといけないしデコーダーだって、使っていないと腐ってくる。
いずれはSACDなんかもそういう状況になりかねない。

 なぜサラウンドは定着しないのだろうか?装置が大掛かりになるから?そんなことはない。ホームシアターなんかもっと大袈裟だし、オーディオだってマニア は巨大な装置をいくつも使っている。それに比べたら全然大したことはない。大きな要因はフォーマットが一元化しないからだ。そうなるとソフトは追従できな い。SACDだけがマルチでソフトが豊富にあれば、みんなでSACDマルチを買うだろう。ソフトがたまに出るくらいじゃ装置だって売れないし量産できな い。買う側にしてみれば、今度はDVD-Aだったり、dtsだったり危なくって装置を揃えていられない。そのうち、売る側も消極的になる。ずっとそういう 悪循環が続いている。それでも4チャンネルが流行った頃はかなりまとまった数のソフトが世に出た。絶対数が出れば良いものも比例して多くなる。そういうも のがたくさん現存しているのだから、これを楽しまないのはもったいない。だからデコーダーだって腐らないように稼動させている。アナログレコードだって、 一般の人から見れば今時なにやってんの?ビョーキ?と言われるだろうがこの良さがわからんとは気の毒だね ってなもんだ。4チャンネルだってアナログを やっているオーディオ愛好家から見ても奇異に映るだろう。これだって同じことだ。やってる本人にとっては保菌者の自覚がないから、ごく日常の行為に過ぎな いのだ。楽しいんだからほっといてくれ(笑

 絵の出ないオーディオは映像が付くAVとは根本的に違う。映像ソフトは楽ちんだ。見ていれば勝手に情報が頭に入ってくる。それほど映像のインパクトは強 い。音だけだと自分がそちらの方に意識を向けないと楽しめない。イマジネーションが働かないと楽しめないのがオーディオである。そのかわり、聴いたイメー ジを意識で再構築して妄想を広げられる。その広がりには際限がない。これがどうしようもなく楽しい。だから止められない。

 サラウンドはイマジネーションを刺激する力が強い。昔の4チャンネルはピュアオーディオとは対極を行くものだが、臨場感の豊かさはそれを補って余りあ る。音に取り囲まれた小さな世界にどんな音が飛び出して来るのかを味わうスリル これがQUAD菌である。少しくらい(?) 分離が悪くても熱心なファン が絶えないのはこのQUAD菌のせいだ。
まぁ絶対数は限りなくゼロに近いけど。(続く)

4月27日

 私にとって忘れられない4チャンネルのレコードがある。まずは、サンタナの「ロータスの伝説」だ。写真を撮るために久々に広げてみて改めてその巨大さに 驚いた。よくこんなものを発売したものだ。当時カルロスがこのジャケットを見て横尾に土下座したとかいう話があった。今みてもこれはすごい。紙ジャケで先 日発売されたが、こともあろうに2chにミックスダウンしてしまった。まぁ今時4チャンでもあるまいし、仕方のないことなのだろうが、4チャンネルマニア にしてみれば、これは暴挙である。許せない。せめて4chのままSACDで出してくれ(笑 これは中学生の時、父に買ってもらった。3枚組みなんてとても 中学生の小遣いじゃ買えない。Rockの3枚組みなんて、ウッドストック、Yessongs以来である。父は横尾忠則のポップアートが好きだったようで、 何の抵抗も無く買ってくれた。サンタナ自体には特に興味は無かったようだったが。この時に貰った販促用のポスターはずっと部屋に貼っていたが、先日紙ジャ ケで再発されたときに大変なプレミアが付いているのをSonyのブログで知った。あのポスターはどうしたのだろうか。勿体無いことをしたもんだ。当時はス ピーカーマトリクスでこれを聴いていた。20世紀も終わり近くになって、改めてこれをTATEUで聴いた。そしてその分離の良さに驚いた。この音で当時聴 けていたらなぁと思わずにはいられない。元々日本でのライヴなので、音源の鮮度は素晴らしい。それが本来の分離度で聴けるのだから これはたまらん。瞑想 に続く一曲目でオルガンが静かに流れる中、電子音が360度に飛び交い、ホセ・チェピート・アレアスがシンバルを刻み始めると、あっという間にサンタナの 世界である。やっぱりサンタナはホセだな。久々に聴いてみたが、何度でもあの瞬間は鳥肌が立つ。今回はここと、「君に捧げるサンバ」あたりをかけるつもり だ。

 もう一枚はサンスイが販促用に出した「青春の歌」だ。これは当時無名だった小椋佳を起用して制作されたものだ。お店のデモでよく聴いた。後にヒットした 「しおさいの詩」や「さらば青春」が入っている。誰が歌ってるのか知らないけど、深みのあるいい声でとても印象に残った。後に小椋佳が有名になった時、あ あ、この人の声だとすぐにわかった。
当時のサンスイは先見の明があったということなのだろう。その後AUシリーズのアンプで一世を風靡したが、残念なことにその後韓国の会社に身売りしてし まった。東京オリンピックの頃、「コンバット」のビック・モローが「サンスイのレシーバー サイコーだね」とにっこり笑った広告をレコード芸術で見た覚え がある。来日した時に買って帰ったのか?バリオマトリクスやダイヤモンドドライブなど最高の技術を誇ったサンスイでさえ、オーディオ文化の衰退には勝てな かったのだ。オーディオが廃れたのは他の娯楽が増えたことだけが原因ではない。直接の引き金はやはりCDが出た辺りではないかと思う。メディアにモノとし てのありがたみが無くなっていったのと同様にオーディオ製品の価値観も薄れていったような気がする。今時CDよりも小さいUSBメモリーやSDカードの方 が容量は大きいし、便利にきまってる。BDだって怪しいもんだ。21世紀になってオーディオはもはや一部の物好きの趣味に成り下がってしまった。しかし、 当時私を魅了した「音の出る骨董品たち」は依然我が家でオーラを放ち続けている。だから今でも元気でいられるのかもしれない(笑
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4月28日

 明日からGWという方も多いのだろう。サンタナの生まれ故郷メキシコではなにやら物騒な伝染病が世間を騒がせている。スペインや韓国にも飛び火したよう だ。日本だっていつ上陸するかわからない。QUAD菌よりもタチの悪いものじゃなければよいが。昨日は危うく浅田美代子のSQ盤を買ってしまうところだっ た。まったくQUAD菌はあぶない。

 4チャンネルは引き篭りの趣味かもしれない。だいたいが外に出ないでレコード聴いてること自体が健康的でない。天気が良かったら外に出かけて遊んだほう がいいにきまってる。4チャンネルは周囲をスピーカーで囲って結界を張る。外界から隔離された音のバリヤーの中で聴くわけだから、誰にも邪魔されたくな い。頼むからほっといてくれ(笑

 4チャンネルの音質は今時のハイレゾ5.1chとは全く比べものにならない。臨場感だけが命だ。なので、過度に期待されても困ります。ほのぼのとした昭 和の遺産を楽しんでもらえたらそれでよいのです。アナログの4チャンネルは分離するだけでも奇跡のようなもので。それでもどんな音になるのか、敢えてやっ てみよう。明日は天気も良さそうだし、部屋を閉め切って「お香」でも炊いてサンタナ聴きますかな(笑

 Rockdayとは名ばかりで、実は歌謡曲やポップスが中心になりそうだ。事前情報では意外なことに今回は歌謡曲がお好きな方が多い。昭和歌謡と4チャ ンネルというのも実に妙な取り合わせだ。さて明日はどうなることやら・・
 リクエストがあれば遠慮なくお申し出ください。また、手持ちのレコードで4chで聴いてみたいものがあれば是非お持ちください。

 4チャンネルも歌謡曲も日本が生んだ偉大な文化だ。なのに4チャンは日本では完全に絶滅してしまった。(たった10人じゃ無いに等しい)USのQUAD ファンは海外に散逸した浮世絵くらい貴重な存在だ。せめて日本にも火種くらいは残しておきたいものだ。育て後継者!なわけないか(笑
それでは明日!

4月30日

 4/29の4チャンネル来て下さった皆さんどうもありがとうございました。アナログ式の4chではSACDマルチには到底勝負にならないだろうと思って いたが、アナログの優位な面もあって、思ったほど悪くなかった。こういう音で当時聴けていたら4チャンネルも生き残ったかもしれないと思うと残念でならな い。折角構築した技術や文化も経済不況の波が来るとあっという間に飲み込まれてしまう。今の5.1chマルチもそういうことにならないことを祈ろう。

 昨日は歌謡曲とRockを半々くらい聴いた。歌謡曲はこういう場でもないと滅多に良いオーディオで聴くことがない。当時はヘタクソだなーと思っていたア イドルも今聴くと意外に歌えてる。ヘタクソと言いながら美空ひばりクラスと比べるからいけないんだな(笑 最後にかけたPink Floydの狂気はUK盤のマトリクス両面1というものだ。滅多にないので入手するのに10年くらいかかった(笑 それをFosgateのTATEU 101AでSQデコードして聴いた。これはSACDで大変優秀なマルチがリリースされている。アナログ盤はアラン・パーソンズが仕上げたもので、当時の機 材ではまともに再生できなかったが、Fosgateのデコーダーで聴くと分離度は申し分ないし、音の鮮度もよかった。マトリクス式は最新のカートリッジや フォノイコライザを使えるメリットもある。ちなみにターンテーブルはガラード401、アームはクラフトAC3000MC、カートリッジとフォノEQは ZYXだ。これで聴く狂気のSQ盤は2chのオリジナルソリッドブルーには無い鮮度があることもわかった。SACDマルチと比べても鮮度の優位性は明らか にある。機会があれば今度こそRockだけ(笑 で高音質を狙った4チャンネルをまたやってみたい。

 終了後にお会いできた方々と食事をしながら懇談した。その場でわかったことだが、複数の人が社会生活(笑 においては、ピンポイントで意外な接点があっ たりして本当に驚いた。類は友を呼ぶと言うが実は身近なところに同類がいたというオチだ。まさか4チャンの寄り合いでこんな発見があろうとは これが今回一番の収穫だったかもしれない。

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5月5日

 連休で天気抜群。行楽としゃれこむつもりが、テレビを見てちょっとげっそりした。どこも1000円ETCのおかげで大渋滞。そこへ豚インフルエンザの騒 ぎである。こりゃ家で大人しくしてろ ということだな。そこへ忌野清志郎氏死去のニュース これには落ち込んだ。私は熱心なファンではなかったが、彼の生 き方は好きだった。忌野氏は日本には数少ない本物のロッカーだった。こういう人にこそミッキー・カーチスや内田裕也のように歳を取って長生きしてほしかっ た。ほんと人間生きているうちが花だ。体が動かなくなってから悔やむよりも今やれることを精一杯やろう。

 去年金田DACの基板を頂きながら、なかなか製作できずにいた。ところが、先日完成したDACを聴かせてもらう機会があった。プリント基板を使ったレプ リカにもかかわらず、出てきた音はすごかった。すごすぎて、その場にいた人全員がひれ伏して土下座しそうな勢いだった。もう怪しい宗教以外の何物でもな い。聴いてしまったらもう作らないわけにはいかない。あと10年若かったらユニバーサル基板に7本撚りを這わせてオリジナルと寸分違わず作るところだが残 念ながらそこまでの体力はもうない。残念ではあるがあの音が出るのならと、バカ高い部品を揃えて作り始めた。

 さて、電源はどうしようかなと。片チャンネル50mAだったら、左右独立の電池駆動も悪くない。しかし、60Vともなると40本 L+Rで80本か 大したことはないな(笑 と、電池駆動も視野に入れながら、部品を漁っていたら35年前一番最初に作ったプリアンプ用のタムラのトロイダルトランスが出て きた。タップを見ると18,24,30と使えそうなものが出ている。これだ。神の啓示に違いない。このトランスを使えということだな。じゃあDAC本体と 別に電源部を作って、電池とコンパチにしよう。

 しかし、P板式は本当に簡単だ。部品を間違いなく差して半田付けするだけで完成する。7本撚りに比べると1/10くらいの手間じゃなかろうか。これでオ リジナルと似たような音が出るのならこんなにありがたいことはない。金田先生は年中アンプを作り慣れてるとはいえ、よくこんなことができるものだ。私より は10以上も年配のはずなのに。長年の修行で体がDCアンプになっているに違いない。というわけで、まだ少し欠品の部品があるが、なんとか早いとこ完成さ せたい。やりたいことは何でもやれるうちにやっておこう。
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6月16日

 いやー先日のDACには参った。部品を基板に実装して、一発で動いた。あっけないなぁ と、音を出してドリフトを見ていたら なんと2Vくらいオフセッ トが出る。なんじゃこりゃー これじゃ使い物にならん。どうしよう・・ で、原因を調べてみると、どこにも異常がない。どうもDACから出ているゼロレベ ルそのものがズレているようだ。なぜだ?わからん。で、ものは試しにオフセットが出た状態でDACにリセットをかけてみた。するとセンターに戻った。つま り初期状態なら問題ないわけだ。温度や電圧の影響ではない。それじゃこれは一体??いろいろやってみると音源を停止するとオフセットが出ないことがわかっ た。これまで音を止めるのにSPDIFのジャックを抜いていたのだ。どうもこれが原因のようだ。抜く直前の値がDACにラッチされているようだ。危ない なぁ へたするとスピーカーが燃えるぞ。これじゃとても安心して聴いていられない。DIRの端子をうまく使ってDACにリセットをかけるようにしないと。 参ったな・・・
というわけで、自作DACをお使いの方はくれぐれも演奏中にSPDIFを引っこ抜いたりしないように。プリアンプ以降がDC構成だと ほんとスピーカー飛 びますよ。

 やっとCDの音で我慢する時代は終わったな というのが実感だ。CDでもPCと良いDACを使えば我慢せずに聴ける音になる。(質の良いクロックも私に は必要だ)今ではハイレゾ音源もネットワーク経由で手に入れることができる。メジャーも近々CDから配信に移行するだろう。9月のBeatlesのリマス ターも配信を視野に入れていることは間違いない。やっと音楽を我慢せずに聴ける環境が整ってきた。今年はきっとHD元年になる。これからはオリジナルアナ ログと出来のいいハイレゾ音源の両方が楽しめるようになる。

 さて、6月27日(土)は第7回のRockdayだ。今回の「これをきいたらRock通」のシリーズは山本さんのアイデアだ。これまでのマニアックな路 線は別にして、Rockファンならお馴染みの定番を良いオーディオで聴いてみよう という企画だ。Rockが好きな人ならオーディオにも興味があるはず だ。装置に無駄なお金をかける必要はない。自分に合ったものを自分の予算で構築すればいい。そのためには良い音を聴くことが何より大事だ。ヘンな音を聴い ていてはいつまで経っても良い音の基準がわからない。そういう意味では良い音源を良い音で聴くことは絶対に必要だ。

 その1では初期の英盤を中心に聴く。BeatlesとStonesはあえて外した。別の回で特集が予定されているからだ。シャドウズから始まって、70 年あたりまでを今回集めてみた。次は70年代になるのか、アメリカンロックになるのかまだ未定だ。そのうち日本のロックもやってみたい。このシリーズは 10回くらい続けてRockの道を極めよう(笑


6月28日

 昨日RockDayに来て頂いた皆さんどうもありがとうございました。急遽マイケル・ジャクソン追悼の意を込めて何曲か聴いた。やはり80年代の音はす ごいな(笑 マイケルの場合は映像が無いと物足りない。しかし、聴いてみるとやはり唯一無二のアーティストだったなと思う。合掌

 改めて60年代を聴いてみると、この頃はヴォーカリストの時代だったんだなと思う。ギタリストが偉くなるのはジミ・ヘンドリックスやクリーム以降だ。 ヤードバースだってクラプトンやジェフ・ベックがいてもキース・レルフの方がエラソーに聞こえるし。そこへ行くとシャドウズは異端もいいとこ。元々クリ フ・リチャードのバックバンドだったのでヴォーカルのある曲はほんの少ししかない。そうなるとギターが目立つしかないわけで、ハンク・マーヴィンは素晴ら しいパイオニアだった。彼のトーンはデイヴ・ギルモアやマーク・ノップラーにも受け継がれている。しかし、まんま「おもいでの渚」みたいな曲があったな (笑

 この頃のレコードは時代の空気の缶詰だと思う。アナログ盤で聴くと妙なリアリティというか、存在感を感じる。妙なCDではこういう音は出にくい。用意し た盤がEMIとDECCAに集中していたのも面白い。現在まで語り継がれてきたのはやはり大メジャーから出たものなのだ。60年代にもマイナーレーベルは あったと思うが、現存していなかったり、忘れ去られたということなのだろうか。70年代になるとマイナーというかアングラレーベルが台頭していくが60年 代はメジャーからレコードを出すしか手段が無かったのかもしれない。

 友人のKさんがスモール・フェイセズやゼムなどを持ってきてくれた。それにトゥルースのマザー1、スタンパーGという正真正銘の初回盤を。これには参っ た。目の醒めるような鮮度で迫ってくる音にはオーラが充満していた。うーーんほしい。(笑

 次回の内容は未定ですが、もっと頑張って地道に続けていけたらいいなと。体力の続く限り頑張ろう。それには身も心も、健全、健康が何より大切だ。


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7月5日

 こないだ作ったDAC 結局電池電源にしてしまった。もちろん最初はタムラのトランスで鳴らしてみたのだが、どうしても電池で鳴らしてみたいと(すでに この時点でビョーキ)単一では20時間くらいしか持たないし、あまりにも不経済だ。で、いろいろ調べてみると、サンヨーのエネループは容量が2000mA もある。すごいなぁ。アルカリの単一顔負けじゃないか。おまけに自己放電が少なく、一年放置していても80%くらいは大丈夫とのこと。アンプの電源に使っ ている単一300本を何度もニッカドなどの充電池へ置き換えようと検討していた。容量はすでに単一を超えるものが単三の大きさで実現できている。しかし、 自己放電がネックになっていて踏み切れずにいた。ここにきてエネループの登場で一気に現実味を帯びてきた。試しにDACからやってみたというわけだ。左右 独立給電なので単純計算で30時間くらいは持ちそうだ。

 エネループで給電した金田式DACはAC電源と比べると、やはり電池ならではの濁りの無い音がする。これを聴いてしまうとやはりAC電源には戻れない。 しかし、地を這うような力感が足りない感じがする。やはり電流容量の違いなのか?平滑に使っていた4700μを繋いでみると少し力感が戻ってきた。しばら くこれでエージングしてみよう。

 問題はどうやってエネループに充電するかだ。直列に繋いだまま充電するとセルごとにバラつきがどうしても出てしまう。専用の直列セル充電ICを使えば実 現できるが、作る手間もバカにならない。とりあえずソケットを使っているので取り外して充電はできるが、充電器も結構いいお値段である。4本単位で充電す ると26回?やっとれん。もうひとつ問題があった。フル充電したエネループは端子電圧が1.4Vを超える。これだと30本で36Vが42Vになってしま う。これはいくらなんでも危険だ。

 どうしようかと思っていた矢先、100円ショップでニッケル水素用の充電器が売っているのを発見。2個用で本当に100円だった。おまけに充電電流が 100mAなので18時間充電すると端子電圧が1.3V程度で80%くらいの充電量になる。これは好都合だ。急速充電しないので寿命も延びそうだ。それに 音質の点からも急速充電は不安がある。きれいな電流でじんわり充電した方が音も良さそうな気がする。

 お店にあるものをありったけ買ってきて、更に10個注文してきた。ついでに三叉タップも100円で10個購入。これで一気に42本充電できる。18時間 を3回やれば充電完了である。これなら十分実用範囲だ(笑 総額で3100円。とても得した気分になった。

 こうなるとアンプに使っていた300本の単一をエネループの単三型に置き換えるのも現実的になってきた。次のサイクルにはいよいよやってみようかと思っ ている。思えば単一をこれまで5000本近く交換してきたことになる。今後のことを考えると省資源の観点からもエネループは音質の点で若干の不安はある が、いい選択となることを願っている。

  DACはあれからDIRのエラー端子をデジトラで受けてオープンコレクタを1794のリセットに繋いだ。リセット時のポップノイズはほとん ど気にならないレベルだ。これなら安心。

 しかし、なんちゅう音だ。これまで何の不満もなかったFF400のアナログアウトと比べても、次元の違う深々とした音がする。こんなデジタルの音は聴い たことがない。クロックを入れるともはやアナログはいらないんじゃないか と錯覚させるような空間情報が出る。
真空管式のDACは更に次元の違う音がするらしい。これは聴かない方が身のためかも。24bit/96kの音源に至っては、こんな音が家庭で再生できる日 がとうとう来てしまった というのが実感だ。ビートルズやクリムゾンをハイレゾフォーマットで聴くまではもう死ねなくなった(笑 もうメディア市場がどう なろうと知ったことじゃない。ハイレゾマスターをそのまま出してくれ。時代はそこまで来てるのだ。もう16/44.1に落としてる場合じゃないよ。


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7月17日

 ただいま充電中。先日の100円ショップで買ったニッケル水素用の充電器だ。充電時間は18時間とのことだが、端子電圧を見ると16時間ですでに 1.4Vを超えている。ちょっと入れすぎたかな。まぁ100円なんでね。慣れないと(笑

それよりも、Beatlesのモノ・ボックスだ。予約した時点ではHMVがマルチバイをやっていなかったので、ステレオボックスとGenesisの Liveで3枚合計\79,144也 しばらくしたらマチバイになっていて、\61,205 (Genesisとは別送指定) これだけ開きがあると黙っ てはおられない。前の予約をキャンセルしてマルチバイで予約し直した。 ああよかった。
この時点では2万近く得をしたような気分になった。

 ところがである。Amazonの予約に「モノ・ボックスは限定1万枚で通しナンバー入り」という表記が出た。え?いちまんまい??まさかワールドワイド で一万?んなアホな おまけにナンバリングされたら コレクターや投機目的であっという間に無くなるだろう。とてもじゃないけど下々の方までは回って来る 可能性は極めて低い。ひどい あんまりだ。こんな売り方するなら最初から売るなよ と言いたくもなる。何か事情があってのことだろうが、欲しい人に行き渡らなかったら、是非再プレスしてもらいたい。それが企業のモラルというものです。

 実は今回のリマスターは買わずにハイレゾ版が出るまで我慢しようかと思っていたのだ。我慢?できませんでした。ばかだねぇ。 もうばかでもなんでもいい からモノ・ボックスなんとかならんのか。

 こんなことなら少々高くても最初の予約を変更しなきゃよかった と思ったが(うそです)後の祭りである。とほほーー

 更に、モノ・ ボックスに収録されるボーナストラックが追って発表された。オリジナルシングルに加え、Yellow SubmarineとAcross The Universeの未発表(だと思う)オリジナルモノミックスとのこと。L+Rのモノ盤じゃなくて本物のモノミックスだ。いやー素晴らしすぎて涙が出そう だよ。これで買えなかったらどうしてくれようか。


7/21追記
米amazonの説明文から"numbered"の表記がなくなった。胡散臭いなぁ・・

特報
紙ジャケ探検隊が9/12(sat) リリースホヤホヤのビートルズリマスターの大試聴会を開催する。場所はアナログ、デジタルともに都内屈指の再生環境を誇るStudioK'sで行われる。オリジナル盤、最新リマスターを検証するには最高 の条件だ。ビートルズファン、オーディオ愛好家にとっては千載一隅のチャンスである。お見逃しなく!

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ついに来た。マルチ制作の様子が伝えられていたKing Crimsonのハイレゾマルチの リリースが発表になった。まずは9月末からRed、宮殿、Lizardの順に出る。既報の通り、SACDではなくDVD-A(+dts)である。2chも 5.1も24bit/96kだ。でもPCで聴けばかなりの音質が期待できそうだ。これは何がなんでも聴かないわけにはいかない。宮殿の2004年のテープ 発掘以来、この日をずっと待っていた。このためにPCオーディオやDACを作ったようなものだ。生きててよかった(笑 しかし、クリムゾンがハイレゾ元年 の先鞭を切るとはね。さすがはキラーFripp様々でございますね。これでBeatlesもハイレゾが出れば世の中が一気に変わりそうな気がする。いや、 是非そうなってほしいものだ。

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8月8日

 先週仕事でドイツへ行った。ウィーンにも用事があったので、時間を作って念願のムジークフェライン・ザールを観てきた。観てきたというのは、今はシーズ ンオフで楽友協会もシュターツオパーもなにも演っていないのだ。唯一モーツァルトオーケストラというのが観光客向けにムジークフェラインで毎晩やってい る。手ぶらで帰るのも癪だし、これでも観てみるか とEUR70也を払って観てきた というわけ。

 初めて入った楽友協会のホールは毎年ニューイヤーコンサートで見ている同じ場所なのだが、実際に目にしてみると金箔が思ったよりくすんだ色で、質素な木 造のホールだった。天井に描かれた絵や細かい装飾は本当に見事だった。ウィーンモーツァルトオーケストラはさすがに毎日演っているだけあって、見事なアン サンブルだ。オペラのアリアを歌う場面ではバリトンとソフラノのソリストも出てきて、これは掛け値なしに素晴らしい歌唱だった。聴きながら、ああ もうい つ死んでもいいや と感じる瞬間が何度もあった。
休憩を挟んでたっぷり2時間 最後はシュトラウスの2曲「美しき青きドナウ」「ラディツキー行進曲」もあって、最初EUR70は高いかと思ったが満足度の 高い内容だった。

 ムジークフェラインはいったいどんな音がするのだろうと、耳を澄ませて臨んだが、時間が経つにつれ、これはやはり大したもんだなーと聴き入ってしまっ た。直接音と残響音のバランスが絶妙で、残響の質というかブレンド具合が・・・これですか。さすがに世界一のホールと言われるだけのことはあるなと。こう いうのを聴いてしまうと家庭で再生するオーディオが馬鹿馬鹿しくなってしまう。いくら技術が進んでも永遠に到達できない差を感じた。一言で言えば音の密度 と神が創った時間軸の差というものだ。オーディオ装置にも神を宿らせないとこういう音は出て来ないのだろう。こういうことが判っただけでもムジークフェラ インを観た価値は十分にあった。

  夏のフランクフルトはとても涼しく、朝晩は15度、昼間でも25度前後 それに湿度が極めて低く、サラっとしている。この快適さに身を預けてしまうと、も う日本には帰りたくない(笑 そのかわり冬はマイナス15度くらいは平気で冷えるそうだ。ウィーンはたまたま行った日が29度とかで、日本と変わらないく らい暑かった。それでも湿度は低い。夏場のヨーロッパは過ごすには最高だ。写真はフランクフルト市内のマイン川の風景。空に無数の飛行機雲があるのが見え るだろうか。フランクフルト空港は1分間隔くらいで離着陸しているとんでもない過密スケジュールなのだ。もっとも複数の滑走路があるからできるのだろう が、成田じゃとても無理だ。

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8月23日

 ドイツへ行った時にFrankfult市内からほんの少し郊外にZeppeliheimという駅があるのを見つけた。Zeppelinと聞けば黙っては いられない(笑 もちろん飛行船の Zeppelin伯ゆかりの地名だろうとは思ったが、博物館があるらしいので仕事の合い間に行ってみた。この駅はフランクフルト空港のすぐ近くで、ヒコー キマニアが泣いて喜ぶ滑走路の端部にあたる、絶好の撮影ポイントがある場所らしい。博物館よりもそちらの目的で訪れる人が多そうである。Zeppelin 博物館といえば、オーストリア国境近くのFriedrichshafenにあるものが規模も大きく有名らしい。他にも2箇所あるようだ。 ZeppeliheimはFrankfult中央駅から15分くらい。駅を降りてみると、いかにも郊外らしい静かな駅だった。南に歩いて10分くらいの住 宅地の入口にZeppelin Museumがあった。開館しているのは金土日だけで、行った日の木曜日は休館だった。ガラス越しに見える展示室にはZeppelin飛行船のミニチュア やゆかりの品があるようだった。エントランスには入れたので展示してある写真だけを見てきた。大した規模ではなかったが、今度行く機会があればゆっくり見 てみたい。今回は場所を確認しに行ったようものだった。

 数日後、Frankfultから南へ300kくらいのStuttgartへ行った。移動はICEという新幹線のようなやつで、在来線の線路を走ってい た。それでも200k以上の速度で安定して走行していた。ここではBentz Museumに寄ってみた。立派な施設で入場料7EURを払って入るのだけど、日本語の音声ガイドマシンを貸してくれる。(そのストラップは持ち帰ってい いようだ)なので、充実した展示に加え、このストラップで7EURは高くないと感じた。最上階から螺旋状に下まで降りながら時系列に配置してある展示を見 る。膨大な量の車両が素晴らしいコンディションで展示されていた。自動車が好きなら一度は行ってみる価値があると思う。

 今回は時間がなくて断念したが、ドイツ国内に三箇所ほどある戦車博物館にも行ってみたい。子供の頃散々作ったタイガーやパンサーのプラモの本物を是非見 てみたい。尤も、その前にSaltburgやMunich、Bayreuth などあちこちの音楽祭に行くのが先決なのは言うまでもないが。プライベートで行くほど余裕はないし、今度はいつになるのやら・・・

8月27日

 今回のBeatlesリマスター発売に合わせてあちこちで試聴会が開催されるようだ。本家EMIジャパンの9/9を始め、有名オーディオショップ、大型 CD店,プライベート開催など。今回の目玉は For Saleまでのステレオ音源の復活と紙ジャケ仕様のモノボックス、それに最大の関心事は音質向上がどの程度なのか である。EMIミュージックジャパンのサ ンプル音源 はウルトラクリアーな音質で驚く。28日からは放送でも解禁になる。放送でI Saw Her Standing Thereのステレオがかかるのは何年ぶりだろうか。テープの状態さえよければオリジナル盤を上回る音質になるのかもしれない。(ホントか?)こうなると アナログからトランスファーした一次デジタルマスターの音を聴いてみたくなる。

 私はBeatlesは完全に後追いで、中学に上がった時にLet It Beが出た。それ以前のアルバムやシングルはそれ以降に買ったわけだから、当然Appleレーベルになってからだ。それらをずっと聴いてきていて数年後に 出たキャピトルシリーズの米音源の音質が違うことが気になってはいた。87年の初CD化で傷を気にせずによくなったので、遠慮なく何度でも聴けるように なった。まぁここまではフツーの日本人だと思う。ある日、オリジナル盤を聴く機会があって、買い揃えて聴くようになったのはここ10年くらいのことだ。最 初にオリジナル盤を聴いた時はそりゃぁもう天地がひっくり返ったくらいびっくりしました。大袈裟に言えば曲の印象が変わってしまうくらいの違いがあったの だ。ものによっては大差ないものもあるが、大半は今まで聴いていたのは何だったんだろう と思わせるくらいの差がある。

 音の良さというのは人それぞれ感じ方が違うので絶対にこちらの方が良い とは言えない。装置の相性みたいなものもあるし、全体のどの部分を良いと感じる か、人によっていろいろだ。場合によっては日本盤LPの方が良く鳴る装置だってあるだろう。しかし、それが正しい装置の状態なのだろうか?


 オリジナル盤の音の良さというのは、一言で言えば「鮮度の差」に尽きる。当時の再生装置でうまく鳴るようにカッティングされているから という人もいる が、私はそれだけではないと思う。フレッシュなテープを使って入念にバランスを決めてカッティングされたファーストプレスの盤から出てくる音には当時の空 気の匂いを感じさせるようなリアリティがあるのだ。基音と倍音の関係が自然でバランスが良い。明瞭で、躍動感がある ような部分がオリジナル盤の特徴だと 思う。それに比べると各国盤(日本盤も)は何かモヤっとしていたり、不自然にエンハンスされたように聞こえる。

 Beatlesの日本盤で言えば、歌謡曲の音だ。当然日本でカッティングした時に日本市場にふさわしい音質を意識してバランスを整えたと思う。素材の テープは各国向けのコピーだったり、米経由だったりいろいろだ。(実は言うほどテープダビングは劣化が少ない)間違っても英オリジナルマスターテープが東 芝に供給されたとは思えない。しかし、当時の中学生にはそういう事情はわからない。この盤が基準となり、良く鳴るように装置を合わせていったわけだ。そう いうバランスの装置でオリジナル盤をかけると とんでもないバランスになってしまう。 で、オリジナル盤はよくない 高音質重量盤は最高! という評価に なったりする。へたにバランスの崩れた装置を使うくらいなら、当時の装置でオリジナル盤を再生したほうがマシな音がする というのも一理あると思う。

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9月9日

 今日は朝からThe Beatles一色だった。まず朝のNHKニュースで初売りのレポートに続き、小特集、昼間はラジオをひねるとあちこちで聴けた。webはどこも大賑わ い。最初にCDが出た87年だってここまでの騒ぎはなかったと思う。

 7月に予約したのに発売日に届かないという情報もあって、いろいろ気を揉んだが今日無事到着した。モノとステレオどちらもEU盤だ。まずはよかった。会 社の帰りにまずどれから聴こうかな なんていろいろ考えてみたが、やはり届いてみるとモノから開けてPPMから順次つまみ喰いしていった。レーベル面下の 誇らしげなMADE IN JAPANの文字が嬉しかった。

 紙ジャケットはよくここまでやったものだ。不満といえばPPMのAngus Mcbeanクレジットが右寄りじゃないこと、EMITEXにパラフィンやビニールの内貼りがないこと、Whiteのポートレートの保護紙が入ってないこ と くらい(くらいじゃないだろ)かな。Abbey Loadのレフトアップルはどうなってるかな?あれれ探すと入ってない!入れ忘れか!!大変だ と、よく考えたらAbbey Loadはステレオだからモノにはないのだ(爆

 それはいいとして、問題は音質だ。ツマミ喰いの今の段階で断定するのはどうかと思うが、まずは第一印象ということで。まずモノをPPMから順に聴いて いった。悪くない。これまで出た再発のモノでは一番いい というか、スタッフの連中が言うようにあまり手を加えていないようだ。極めてフラットなバランス で好感が持てる。鮮度という点では残念ながらUKアナログ初回盤には及ばない気がする。これはマスタリングのせいじゃなくて、CDという入れ物のせいでは ないか という気になってきた。これが96/24 いや、せめて48/24でもいい。ハイレゾのフォーマットで聴いてみたい。CDだとアナログ盤に比べると鮮度感がかなり違う。「空気の缶詰」はやはりアナ ログ盤に利があるように感じる。Paperback Writerを聴いて ああ これはカッティング前の音だと感じた。当時最新のコンプリミッターを駆使してTony Clarkが「気合を入れて」カッティングしたシングルのラウドさがまるでない。あたりまえのことだ。ここでやっと気がついた。私にとってのオリジナルと いうのはマスターテープじゃなくてカッティングしたアナログ盤こそがオリジナルの音なのだ。

 モノはそういういう意味ではUKアナログ盤と比べる対象にはならない。リマスターはマスターテープのイメージ、アナログ盤はカッティングエンジニアの 「気合」を足した音 という別の音源として捉えた方がよいのではないか。

 モノは少々期待過多だったのかもしれない。気を取り直して今度はステレオCDを聴き始めた。私はステレオオリジナル盤は数えるくらいしか持っていない。 最大の難関 PPMのゴールドステレオが足枷になっていて、揃える気がしないのである。あれを買うまではあがれないかと思うと気が重い(笑 で、PPMのステレオから 聴き始めた。これはすごい。2chマルチがそのままマスターになった音源がステレオであり、これをトラックダウンしたのがモノマスターなわけで、これだけ はステレオの方が一世代若いのである。さすがに鮮烈さはモノの比ではない。只々聴き入るのみだ。
低音部も適度に厚みがあっていいバランスだと思う。

 CDというメディアはステレオの方が相性がいいようだ。モノだと中央にピンとあるだけで どうにもユルさがなくて不自然に感じる。今回のステレオリマス ターはどれも鮮烈な音が楽しめる。SGTはアナログとはまた違った音色で面白い。Abbey Roadは期待が大きすぎたせいか、マザースタンパ1Gのアナログ盤の音を聴いてしまったせいか、なんかしっくりこないのだ。まだ全部聴いたわけじゃない が今日の段階で一番のお気に入りはパストマスターズになった(笑  モノのシングル集CDを聴くのならUKアナログの方がはるかに楽しめる。しかし、ステ レオ音源になるとこのCDはなかなか素晴らしい音色を持っていると思う。まぁ比較する対象がないだけなのかもしれないが。ちゃんとしたステレオオリジナル を聴けばまた印象が変わるかもしれない。

 感想は個人的な戯言なので、決して真に受けないようにお願いします。人それぞれ、装置それぞれ なのです。


 今回のリマスターの音質には誰もが多大な関心があるだろう。これを正しく評価するには既発の 正しい音源を 揃えて、正しいバランスの装置で横並びでやらないと無理だ。CDですら、英プレスの初期盤と日本プレスでは音が違う。ましてやアナログ盤の音は千差万別で ある。いまどき今回のリマスターはLPに比べて格段に良くなった と言われたところで、何がなんだかさっぱりわからない。これでは比較すること自体が無謀 だ。当然、結果も全く信憑性のないものになってしまう。

 そういう観点からすると、いろん な試聴会が催される中で、9/12 StudioK'sで行われる紙ジャケ探検隊の 試聴会は傑出している。中途半端な他の試聴会と違い、若いオリジナル盤や高音質盤、歴代の各国盤CDなど、現行で最高の音源を揃えて、今回のリマスターと 対決する。この10年間、オリジナル音源と最新リマスターの「差」 にとことん拘り続けた紙ジャケ探検隊の集大成とも言うべきイベントだ。StudioK'sの装置はオールジャンルでバランス良く調整されていて、CD再生 は高精度クロックを使った最新のPCオーディオ・システムだ。ハード,ソフト共に充実していてこそ、真っ当な音質の評価を下すことができる。時間もたっぷ り5時間。それに加え、紙ジャケのオリジナル再現度比較は探検隊のお家芸である。こんな試聴会が他にあるだろうか?今回のリマスターの音質に興味があるの なら是非 9/12のStudioK'sに来て,正しい判断をしてほしい。残席が僅かなので、早めにエントリーの予約を強くオススメす る。

9月13日

 昨日紙ジャケ探検隊主催のThe Beatles試聴会に行ってきた。50人近い来場者で外は涼しかったのだけどエアコン全開でもまるでだめ。異様な(笑 熱気が渦巻いていた。

 今回は探検隊の主催ということで、いつものRockdayとはまた違った雰囲気で楽しいイベントにだった。さすがはビートルズ。第一回のLed Zeppelin以来の盛況になった。来て下さった皆さん、悪天候かつ混雑したところに暑い中熱心に聴いていただいて、どうもありがとうございました。関 係者として私からもお礼申し上げます。

 最初は大人しくリマスター盤と旧CDやオリジナル盤をかけていったがあまりの両者の違いに音質の比較をするのも馬鹿馬鹿しくなってきて、終盤はオリジナ ル盤試聴会みたいになってしまった。リマスターCDとオリジナル盤は別のカテゴリーのものであって、比較すること自体が無意味だ。前にも書いたけどリマス ター盤はオリジナルアナログマスターテープの音を忠実に再現、アナログ盤はそのマスターを使ってカッティング・エンジニアが「気合い」を入れたもの なの だ。最初から違うのはあたりまえで、これを同列に比較しても意味が無い ということが身に染みて判った試聴会だった。

 というわけで、リマスターが出てもオリジナルアナログの価値はいささかも揺らぐことはない。むしろ、別カテゴリーの音源としての価値は増すのではないだ ろうか。しかしそういう見方ができるのはオリジナル盤を聴いたことのある人に限られてしまうので一般的な認識とのギャップがますます広がってしまう危険性 がある。価値観というのはその人の持っている知識や体験によって変わってくるものだ。アナログ盤体験のない人達がリマスター最高!と感じてもそれは仕方の ないことだと思う。危険というのは今時アナクロなことやってるヘンな人 CDしか聴いたことがない気の毒な人 という溝が深まるのは絶対によくないこと だ。

 昨日タモリ倶楽部を見ていたら、今回のリマスターは音が良い という特集をやっていた。高級オーディオ機器で再生される旧CDと新リマスターの違いに 「ぜんぜん違いますねぇこれは素晴らしい」みたいな内容だったが、監修したのはゲストの萩原健太だろう。彼はオリジナル盤を聴いたことがあるはずで、音の 違いを知らないはずがない。なのに旧CDと比べて良くなっている おしまい。というみたいな企画をやるわけだ。もっともいくらアナログ盤は別物だと紹介し たところで商売には全くならないのだから敢えて言わないのだろう。しかし、この番組を見た一般の人はそういうものなんだと思ってしまう。これは大変危険な ことだ。せめて、「一般の人には馴染みがありませんが、オリジナル盤というものがあって、これはまた別の音がするんです」と一言付け加えてくれてもよかっ たんじゃないのか?彼くらいの知名度、影響度がある評論家は音楽文化を守る社会的責任があると私は思う。

 今回お目当てのSGTニンバス盤とPPMのステレオゴールド盤が聴けたのが最大の収穫だっ た。SGTのニ ンバス盤はそのへんの高音質盤とはコンセンプトが違っていて正統UKオリジナル盤の流れの中の音だった。カッティングレベルはオリジナルとほとんど同じ。 高音質でありながら、オリジナルの良さを保っている。これがニンバス盤か・・・やはり大したもんだなーと。ところが、もっと驚いたのはモービルのUHQR 盤だ。どうせモービルなんてシオシオの音しかしないだろうと思っていたら、とてもしっかりした音でカッティングレベルもオリジナルとほとんど同じ。それに モービル独特のコクとツヤがあって深みのある音だった。オリジナルとは違う傾向の音だけど、こんな音がするのなら持っていたい(爆 という貴重な体験がで きたのだった。

 で、ハイライトはPPMのゴールドパロフォンステレオ盤だ。10年くらい前に一度聴いたことがあったのだけど まさしくあの衝撃が甦った。これももうレ コードを超越した音だ。これに針を落とすのは封印されたパンドラの箱を開けるようなものだ。魑魅魍魎が現世に解き放たれたように、ジョンがジョージが目の 前に現れる。それも22歳のままで!こりゃたまらん。取り憑かれたらどうしよう ってくらいのとんでもないレコードだった。世の中にはこんなスゴいもんが まだあるんだなぁと感慨ひとしおであった。

 今回の試聴会は紙ジャケ探検隊の結隊10周年アニバーサリーとして大変感慨深いものだった。当時は探検隊が10年続くなんて当の本人も考えていなかった だろう。ビートルズの完全紙ジャケ発売を機に解散するようなことも言っていたが、そんなこと言わずにこれからも紙ジャケ文化をしっかり監視していってほし い。それができるのは紙ジャケ探検隊だけなのである。

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9月20日

 ビートルズもまだ全部聴き終えていないが、サラウンドファンとしてはビートルズ以上に期待している超大型リリースが控えている。King Crimsonの一連のサラウンドである。

 まずはRedが今週リリースされるのを皮切りに2週間遅れで「宮殿」が、さらにLizardと続く。来年早々にはIslandからポセイドン、戦慄、暗 黒 と続く。(Island以降の順番は未定)フォーマットはDVD-Aだ。SACD不振の今となっては仕方の無いところだろう。しかし裏を返せばホーム シアターの設備でサラウンドが楽しめるわけだ。しかも、2ch音源は48/24フォーマットのPCMデータでも取り出せる見込みだ。

 「宮殿」に至っては5CD+1DVDのデラックスエディションも出る。これには2004年リマスター、オリジナルアナログ盤からの板起こし,USプロモ のMONO盤板起こしも含まれる。これまで出た主な宮殿を全部聴き比べることができるのだ。こんなものが出るとはね。もう笑うしかないが。今から楽しみ だ。

 今回のサラウンドミックスを担当したのは Porcupine TreeのSteven Wilsonだ。Robert Frippが全面的に彼に任せたというのも、彼らの作品Stupid Dreamを聴けば素直に納得できる。Genesisのサラウンドとは次元の違うものになっていることは疑う余地がないだろう。それは今週出るREDで明 らかになる。

 GenesisのLive11枚BOXにもサラウンドミックスが入っている。こちらは73年当時のマスターがマルチなの?という疑惑はあるが、どんなサ ラウンドになっているのだろう?

 Tony Banksのファーストソロ Curious Feelingも調子に乗ってサラウンドミックスのDVDが出るようだ。悩むなぁ こんなもんまで買わねばならないのか?いくらTonyとはいえあんまり だ。Genesisファンの私でさえも躊躇するのに・・・
これを一体誰が買うのだろうか?しかしこういうものがリリースできるというのは本当に凄いことだ。さすがはTony?

 10/24(土)のStudioK's Rockdayは極上サラウンドスペシャルだ。出来立てホヤホヤのKing Crimsonを中心にPorcupine Tree、Genesis、コーネリアスなど、サラウンド作品の話題作(笑 を聴く。5.1chといえば映画のものだと思われているが、音楽作品の5.1chがこれだけ出ていてまともに評価されずに聴かれてもいない現状はアンバラ ンスとしか言い様がない。CDメディアが終焉を迎えようとしている今、Robert Frippでさえサラウンドの可能性に賭けたのだ。これを聴かずにおくのはあまりにも勿体無い。

 そもそも音楽を楽しむオーディオが衰退したのはイヤホンオーディオが普及したからだ。こんな便利なものはないが、ここから音楽ファンをスピーカーに移行 させるのは容易なことではない。田舎ならともかく、都市部では大きな音を聴けるほど住環境は甘くはないのだ。そこへ来てイヤホンでは楽しめないサラウンド が普及しないのは無理もない。

 多くの人はスピーカーを鳴らして聴く音楽がイヤホンオーディオとは別次元のものだということを知らない。あるいは知っていても家でスピーカーをガンガン 鳴らすことができない。StudioK'sのRockDayは普段大きな音で聴けない音楽ファンに思いっきり大きな音で楽しんでもらおう という場を提供 するものだ。サラウンドにしても家庭でスピーカーを4本以上揃えて鳴らすのは簡単ではない。サラウンドはイヤホンで楽しめないわけだから、ここは StudioK'sに来て思う存分楽しんでいってほしい。そしてこんなに巣晴らしいものを自分のウチでも聴けるようになりたい と感じてもらえれば、とい う想いでRockDayを続けている。Rockを楽しむにはある程度以上のヴォリュームは絶対に必要だ。

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9月22日

 昼頃Genesis 1973-2007 Liveが届いた。お目当てはもちろん73年のGenesis LiveとSeconds Outの5.1chバージョンだ。ボーナスディスクの73年Rainbowも5.1ch化されている。さて、73年のLiveから聴き始めた。とてつもな くクリアな音質になっているが、元のマスターは2chだったようで5.1chに振り分けるほどのものではなかった。Seconds Outになると16トラックくらいは使ってるはずだが、相変わらずNick Davisのサラウンドミックスは冴えがない。75年以降のGenesisのSACDシリーズと同じ傾向で実につまらん。どうせ誰も聴かないんだからもう 少し冒険してもいいのに・・・ボーナスディスクのRainbowの5.1chは音質は素晴らしいのだが、元がマルチトラックなのか、あちらこちらで「差し 替え」が行われていてゲンナリしてしまった。(Archiveと同じ)ノーミスのTonyのCinema Showのキーボードソロなんか、聴きたくもないわい!調子に乗ってハケットまでもが・・・・おいおい、いい加減にしろよ 元ネタ(ブートレグ)は耳タコ なんだから、イッパツでバレるのよね。差し替える方が余計みっともないんだってば。楽器はまだしも、ピーターまで吹き替えを・・これはいけません。声が 20年も違うと そりゃ無理ですって。バレバレですよ・・ひょっとして今回は元音源に戻ってるかと期待したが残念であった。
(9/26追記 シュラインの音源は差し替え前のものでした)

 そこへ行くとPorcupine TreeのStupid Dreamは素晴らしい5.1ch作品だった。1999年録音の本作は2005年に5.1chにリミックスされたものだが、空間構築性というか、サラウン ドデザインが見事である。フロントもリアもおかまいなしに5.1chすべてを満遍なく使ってサラウンドの結界の中に音を均等に散らしている。更にしっかり 面となっているところが実に素晴らしい。これを聴いてRobert Frippが唸ったのも納得できる。音的にはネオ・プログレというか、メタルとアコースティックをうまくバランスさせたいという狙いなのだろう。
メンバーのクレジットにも目を引いた。メンバーのRichard Barbieriにはアナログシンセサイザー、ハモンド、メロトロンとある。普通キーボードと書くところをこれだ。こういう拘りは大変結構なことだ。もっ とやれ(笑 と応援したくなる。
出たばかりの最新作も5.1chが出れば是非聴いてみたい。

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10月7日

 今日帰ったら Burning Shedから Redのサラウンド盤が届いていた。実は2日に発送の通知が来ていた。USには昨日あたりから届いたという情報があったので、そろそろかなと待ち構えてい たのだ。このショップに3枚オーダー出したのでLizardが出たタイミングでまとめて発送されるのかと思っていたら、出次第順次発送という、願ってもな いサービスの良さ。素晴らしい。(もっとも送料割引はなかったけど、それでも十分に安い)サービス業という会社は皆こうありたいものだ。

 さて、早速ケースを見てみると、LPCM2.0STEREOのクレジットがある。これはDVDプレーヤーではもちろん、ファイルで引き出すことができ る。残念ながら48/24フォーマットだが、まずはよくやったと思う。快挙である。これからは是非こういう形でのリリースを期待したい。(あるいは配信 で)

 肝心のサラウンドだが期待通りの素晴らしいものだった。5.1chをフルに使っていて、リアもフロントも対等に音が割り振られている。Redはクリムゾ ンの中でも音数が少ないアルバムだが、オーバーダブされたギターを周囲にも振っていて、サイドファンタムセンターやリアデッドセンターもかなりの割合で 使っている。これはサラウンドファンにはたまらない。こういうミックスでこそサラウンド結界が形成される。

 ミックスダウンでカットされたトラックがかなりの箇所で復活していて、こんなにたくさんのトラックを使っていたのかと今更ながら驚く。それが手に取るよ うにわかるのはサラウンドミックスの素晴らしさがあってのことだ。LPではSIDE-1にあたる前半が特に素晴らしく、Starlessは期待が大きすぎ たせいか、わりとオーソドックスにまとめられていたのがちょっと残念。

 ProvidenceなんかいつもLPでは飛ばしていたくらいだけど今回サラウンド版を聴いて、こんなに緊張感のある曲だったのかと改めて感動した。音 質が良くなっているのはもちろんだが、聴いていて緊張を強いられる。こんなことはLPの頃は全く感じなかった。ボーナストラックも面白い。Fallen Angelのカラオケや初めて見たStarlessの演奏映像など、
大満足の内容だった。これなら宮殿もかなり期待できそうだし、来年早々出そうなISLANDのマルチはそれ以上に楽しみである。

 さてCDとDVDの2chトラックはまるで興味なし。そのうちPCオーディオに取り込んで電池DACで聴いてみよう。また新たな発見があるかもしれな い。

 最初はSACDでないのが残念だったが、これだけ内容が充実しているのならDVDも悪くない。今回のRedでDVD-Aアレルギーが多少減った気がす る。(笑 今度の10/24にやるRockdayは期待していてください。これは大音量で聴くべき音楽だ。

10/8追記:
 LPCMのデータを取り出そうとDVDをPCに入れてみた。残念ながらビデオ形式のファイルしかないのでそのままでは外部に取り出して聴くことはできな いようだ。宮殿のクレジットには「24/48 High Resolution Stereo mixes of full CD audio content (playable in all DVD players/DVD-Rom drives etc.) 」とあったのでRedもてっきり同じだと思っていたが、上の表を見てもDVD-Romの表記がないのでRedは対応していないのかもしれない。宮殿は大丈 夫なんだろうな・・・?

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10月14日
 ついに来た。10日に発送通知が来て予定通りの到着だ。さてさて、早速聴いてみる。もちろん2chバージョンはパス(笑 興味はサラウンド バージョンのみだ。いや、痺れました。こんなに凄い音楽を聴いたのは久しぶりだ。緊張感を強いるRedとはまた違うのだけど、こちらはひたすら美しい音楽 だ。それにしても8トラックしかないというのが信じられない見事なサラウンドである。どのサラウンドミックスも素晴らしいが、とりわけEpitaphはた まらない。史上最強のメロトロンソングが更に100倍くらいパワーアップした感じ。これをサラウンドで聴かずに何を語ろうというのか? 風とでも語ってろ (笑 はっきり言って気の毒としか言いようがないのである。   Steven Wilson様 あなたは神か?

 しかし本当のクライマックスは最後の最後にやってきた。 The Court Of The Crimson Kingのエンディングのリプライズでひっくりかえった。断末魔のごとき重低音がとんでもないレベルで入っているではないか。うわー・もうだめ なんせ聴 いているのは80センチのウーファーなのだ。寝た子も家内も飛び起きた(笑

 ボーナス映像にはなんと、ハイドパークのライヴが!!
これの音と絵がシンクロしてるのは初めて見た。おおおおす、凄い。しかし、え?これで終わり??そんなぁ・・ってくらい短い。これは断片だけでも見れただ け幸せか。

 ボーナストラックも素晴らしい。大抵こういうのはゴミかクズみたいのが多いのだが、どれも聴き応え十分。最後のWind Sessionは笑ったけど。

 さて、写真を撮ろうかと一度仕舞ったデジパックをスリップケースから出そうとしたら、きつくて出てこない。Redではこんなことはなかったのだが。これ じゃたまらん。仕方なく背中を開いて押し出した。

 大袈裟かもしれないが、これはメロトロンミュージック史上最強のサラウンド作品である。これをサラウンド版で聴かないのは背信行為だ。冒涜だ。それでも サラウンドを聴かない人には限りなき哀れみを捧げよう。「宮殿」を初めて聴いて30余年・・今日は本当に生きてて良かったと思える日になった。 さぁ次は Lizardだ。来年にはいよいよIslandが出てくる。これを聴くまではまた死ねなくなった。

 Red、宮殿と聴いてみて、残念でならないのはGenesisの一連のマルチ Steven Wilsonがやってくれてたらなぁ と。これこそ叶わぬ夢である。

10月24日

 サラウンドRockDayに来ていただいた皆さん どうもありがとうございました。開場直前までセッティングに手間取って少し開始が押してしまいまし た。DVD-Aってのは画面が見えないとどうにもできない。オーディオと言いながら操作が画面に依存しているのはどうかと思うぞ。

 40枚くらい用意していったのだけど、結局聴いたのは10枚だけだった。最初はコーネリアスのグラミーノミネート作品Sensurroundから。それ から冨田勲の「惑星」、ジャングル大帝、Pocupine Tree、The Beatles "Love"、ELPのJersalemなど。あとはCrimsonの2作品のサラウンドバージョンとボーナス映像、Deja Vroomでほとんどの時間を使い切ってしまった。SACDは結局一枚もかけず、全部がDVDによるセレクションになった。TOMITAの惑星は発売当 時、何か問題があって、すぐに廃盤になった曰く付きの作品だ。これのCD-4盤はウルトラレアである。2004年に出たDVDも既に中古市場ではプレミア が付いている。素晴らしいサラウンド作品で今聴いても最高だ。是非とも再発してもらいたい。

 宮殿は2/2のオリジナル盤を持って来て頂いた方がおられたので(これがなんとParm Tree!)これのEpitathを聴かせてもらってからサラウンド版を聴いた。音の違いよりもサラウンド版の広がりと分離が圧倒的で2ch版とはまるで 別物の作品のようだ。

 Red、宮殿どちらも素晴らしいサラウンドを堪能できた。これは間違いなく21世紀の新作だ。King Crimsonは今回の作品群でサラウンドというジャンルに強烈な一撃を打ち込んだ。これが今後のサラウンドデザインの新たな「指標」になることは間違い ないだろう。果たしてこれを超えるサラウンド作品が出てくるのだろうか・・・ いや、きっとこれから何かが起きそうな気がする。そんな可能性を感じさせて くれる試聴会だった。


crimsonlizard.jpg10月27日

 今年のクリムゾン3作の最後 Lizardが昨日届いた。これで来年予定のIslandまではしばらくこの3枚を聴き倒すことになりそうだ。今回リリースの3作のうち、Lizardが 最も興味深いサラウンドミックスと言えるかもしれない。Keith Tippet Groupが加わって音数も多いし、反面静かな曲が多く、サラウンドデザインの腕の見せ所でもある。ここでもSteven Wilsonは期待に違わず、素晴らしい仕事をしている。広大なサラウンド空間に包み込まれるともうステレオ版は全く聴く気になれなくなってしまった。前 の2作もそうだったけどサラウンドミックスがオリジナルかと錯覚するような説得力があるのだ。改めて24/96のステレオも聴いてみたがサラウンドに慣れ てしまうとなんとも平面的な空間だ。寂しくて寂しくて、とてもやり切れない(笑

 今回のクリムゾンのサラウンド作品は、ひょっとすると世の中が変わるかもしれない という気にさせてくれた。誰も見向きもしなかったサラウンドという ジャンルが一気にメジャーになるかもしれない。2ch版の旧作はもはや化石に等しい。5.1ch版こそがキング・クリムゾンの本質を示すものだ と思える ほど今回のサラウンド版は素晴らしい。

 DVDオーディオが再生できるプレーヤーは2〜3万くらいから買える。あとは眠っているスピーカーと小さなアンプさえあればこの極楽が味わえるのに。そ れでも聴かない人は聴かないんだろうな。ああなんてもったいない・・・

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11月21日

 宮殿BOXの発送通知が来たのが17日そろそろ届く頃だ。ま、マテリアルとして興味があるのは英オリジナルLPの盤起こしCDだ。これどんな音になって いるのだろうか。
そのために聴くこともないだろう4枚のCDが付いて来る。
やれやれ・・

 クリムゾンの宮殿40周年ですっかり霞んでいたが、Arzachelのレコーディングからこちらも40年なんだそうだ。このアルバム 今では ebayで500ポンドの値を付けているが、彼らの当時のギャラはその半分の250ポンドだったと嘆いている。(もっとも当時の為替レートは軽く今の倍以 上だが)それはいいとして、40周年の今年、レコーディングされたSoho Studio近くでリユニオンコンサートが行われたらしい。10/13のことだ。「過去 のバンドのリユニオンには興味がない」と表明していたDaveがよくokしたもんだと驚いた。ファンの熱い想いが彼等を動かしたに違いない。しかし全員健 在で、更にNeil SlavenやBarbla Gaskinも加わったようで、これを見逃したのは一生の不覚だ。事前に知っていたら病気にでもなんでもなって会社休んで行っていたのに・(本音です)  目の前でGarden of Earthly Delightsとか演奏された日にゃ・・失神必至ですな。せめてyouTubeでもいいから映像が見たい。

URIELのメンバーだけでも来日してくれないかな・・

 で、Egg関連のアーカイブが2枚とMont Campbellのソロアルバムが発売されていた。

The Metronomical Society/Egg
Arzachel Collectors Edition/Arzachel
Music From a Walled Garden/Mont Campbell

宮殿BOXを発注したBurining Shed でまんまと釣られた(笑

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12月20日

 仕事が忙しくて更新を放置しておいた。先の見えない開発は怖い。一瞬先は真っ暗闇だ。出口は本当にあるのだろうかと、だんだん自信がなくなってくる。で も一度始めたからにはやるしかない と覚悟を決めてやってきた。先日ようやく一山越したので、ようやく他のことにも気がまわせるようになってきた(笑 体 によくないよ ほんと。

 宮殿BOXはなぜか一週間遅れで届いた。途中事故でもあったんじゃないかと焦った。なんせ後追いで発注したEGGが先に届いてしまったのだから こりゃ 何か事故にでも遭ったのかと思った。ま、無事届いてよかったけど。今回目新しいものはなかったが、先のコレクターズエディションに収録されていたフィルモ アのレストア海賊版の音源は素晴らしい演奏だった。この頃のクリムゾンは本当に凄かったんだなぁと改めて感心した。

 それはともかく、Beatles USB-BOXだ。MP3はともかく、FLACの44.1k/24bitが収録されているというので、慌てて直販ショップに予約した。あまりの高額 (\39,800)に一瞬引いたが、気が付いた時には購入ボタンを押してしまっていた(笑 ところが、しばらくするとAmazonでも扱ってるではない か。それも3万弱で・・・ 後の祭りである。で、一昨日届いた。FLACのままではCUBASEで再生できないので、一度WAVに変換した。CDもWAV に取り込んでCUBASE上に並べて比較してみた。これなら同じ条件で16/24の比較ができる。

 さて、どの程度良くなっているのか、結論は一瞬で出た。WAVに変換した24bitは圧倒的な解像度で16bitCDを過去のものにしてしまった。買っ てからまだ3ヶ月しか経ってないというのに あんまりだ。最初っからこれを出せよ と言いたくもなる。おかげで聴き狂っていたら朝になった(笑

 今回のリマスターではオリジナルマスターテープから192k/24bitでコンバートし、96k/24bitで編集されたものを44.1k/16bit のCDフォーマットにマスタリングした行程はファンなら周知の事実だ。誰しも上位のフォーマットやマスターテープのプレイバックを聴いてみたいと思うのは 当然のことだろう。しかし、CDだってちゃんとマスタリングすれば十分満足の行く音質に仕上げられているはずだ。確かに今回のCDは素晴らしい。でもそれ は上位の音を聴いたことがないだけのことだったんだ。24bitの音を聴いてしまうと泣く泣くCDBOXを買った我が身の哀れさに涙がチョチョ切れる。

 いつかは96k/24bitのフォーマットの音源を聴けるようになるのだろうが、それまではこの44.1/24で我慢するしかない。しかし我慢と言うに はあまりにもいい音だ。こんな解像度のBeatlesは未だかつて聴いたことがない。オリジナルアナログ盤でさえこういう表現は不可能じゃないかと思って しまう。なんとももどかしいので開発中のDACを使って聴いてみた。176.4kにアップサンプリングされたflac24bitのBeatlesは 96k/24bitを擬似体験させてくれた。 うーん これがアラン・ローズがマスタリングで聴いた音なのか(笑

 12月30日に急遽Rock Dayを開催します。24bitのBeatlesのUSB-BOXをオールリクエストで聴きます。まさかこんな音だとは思わなかったので気にもしてません でしたが、こうなるともうさっさと聴いてもらうしかありません。年末でいろいろお忙しいでしょうが、ふらっと入って聴きたい曲だけリクエストでもokで す。再生には最新のUSBインターフェース、ルビジウムクロックなど最新のPCオーディオシステムを使います。CUBASEでハードディスクに移した WAVファイルをリクエストに応じて再生します。Beatlesファンのあなた、これを聴かずして2009年は終わりませんよー(笑

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12月31日

 今年もいよいよ大晦日である。思い返してみると、とんでもない年だった。未曾有の大不況から始まって、いよいよ覚悟しないとだめか・・・という中で、こ そこそ開発をやっていた。音楽関係ではクリムゾンのハイレゾ、ビートルズのリマスターとUSB この2つを聴かずに死ねるか と思っていたものが現実に なった。つまりもういつでもお迎えが来てもいい状態(笑 しかし、まだくたばるわけにはいかんのだ。来年は開発中の製品をなんとか世に出さねばならない。

 昨日のThe Beatles USB BOX試聴会に来て頂いた皆さんどうもありがとうございました。どの曲もハイレゾ全開で圧倒的な音でした。路 傍さんも感想を書いておられますが私も今回のイベントでCDは完全に過去のものになったと確信しました。2010年はアナログだ!!(爆 ちが うって。

 試聴に使ったPC用のDAコンバーターは試作品だが、今回のBeatlesに間に合ってよかった。ある意味これを聴くために開発したようなものだ。今回 の開発は天のお告げだったのかもしれない。このPC用DACにはハイレゾ音源を存分に楽しむための機能を満載してある。来年早々には公に発表します。

 今回のThe Beatles USB-BOXは2009年を象徴するエポックな出来事だった。今回のリリースはDVD-AやSACDではなくUSBメモリーというオーディオ製品とは違 う、明らかにPCを意識したものだったことに意義がある。PCで扱えるデーターなら配信でもメモリーでもなんだっていいわけだ。今回はずっしりと重い林檎 の体裁は取っているものの、実はメディアへの決別を宣言したと言ってもいい。その試金石だったのだ。次は間違いなく96/24になるだろう。それを出すの はフロイドなのかあるいはストーンズか。もうこうなると24/96のスタジオマスターが堰を切ったように市場に流れ出てくる。2010年はそういう年にな るだろう。

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1月1日

 あけましておめでとうございます。今年の元旦は抜けるような快晴だった。(寒かったけど)初日の出見に行った人はラッキーでしたね。今日は昼までのんび りして、近くの神社に初詣に行ってきた。不況のわりには出店が繁盛していて少し気分が楽になった。

 実は出掛けにubuntuを試してみようと、ダウンロードして出かけた。早速帰ってからインストールしてみた。まずドライブがひとつだけだったので、 パーテーションを新たに切ってNTFSでフォーマットした。で、ダウンロードしたubuntu-studioをDVDに焼いてインストール。しかし、 DVDから起動しない。BIOSをイジってDVDを省エネモードから切り替えてやっとブートに成功。で、インストールしてみたものの3回も失敗してしまっ た。こりゃNTFSがまずかったかと、手動設定で2つ目のパーティションをブート可として、ext2でフォーマットし直したら今度はうまくインストールで きた。ここまで2時間。とてもじゃないが休みでもなければやっとれん。そのままでは漢字が変換できなかったり、実用レベルにはまだ先があるが、10年前の LINUXに比べると呆れるほど簡単だ。コマンドラインから入れなくてもとりあえず走るというのは素晴らしい。(その後漢字変換もできるようになった)

 今度はArdourというDAWソフトにJACKという再生プラグインを組み合わせて音を出してみる。JACKは最初に起動しておいて、STARTして おかないとArdourがうまく起動しないことがわかった。ここまで1時間。ほんとやっとれん。開発中のDACを接続してみるとUSB接続で96kまで問 題なくASYNCで動いている。うっしっし(笑 NTFSのWindowsのファイルもマウントすればそのまま再生できた。

 で、出てきた音はWindows+Cubaseと比べると、屈託の無いとてもストレートな音だ。OSの軽さを感じる。重箱の隅をホジるような Windows+Cubaseのちょっと細身の音とは違う、健康的な感じだ。しばらくこれで聴いてみよう。カスタマイズすればまた変わってくるだろうし。

 しかし、これタダですよ。フリーウェア。片やWin+Cubaseはソフトのお値段だけで10万以上した。そのお金をクロックにでも廻した方が断然いい 音になるはずだ。うーん・・・これからPCオーディオ始めよう って人がうらやましいぞ(笑

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1月15日

 今年は去年と違ってめちゃくちゃに忙しい。といっても、儲かってるわけではまるでなくて、海面スレスレの低空飛行で、ちょっと気を抜くとドボンである。 そういう状況下での開発は辛い。結果が出ないと本当にドボンだ。

 ubuntu studioは快調だ。Ardour+jackよりもおまけの動画プレーヤーtotemの方が音が良い。これはCDを再生しようとするとリストが.WAV で出てくる へんなの と思いながら、今度はディスクを抜いても再生する。ということは、リアルタイムにWAVファイルに変換して再生しているようだ。一 種のmemory playだ。なるほど そういうことでしたか。

 LinuxにはWINDOWSには馴染みのない「マウント」というしきたりがある。違うドライブのファイルをアクセスしたい場合にローカルのドライブの 一部にそのドライブを割り付ける作業のことだ。これをやらないと別ドライブがアクセスできない。更にその都度パスワードを要求される。UNIXベースなの で知ってる人にとってはあたりまえのことだが、無条件にアクセスできていた無防備なWINDOWSユーザーから見れば面倒この上ない。でもこの機能のおか げでWindows側のドライブのWAVファイルもLinuxでアクセスできる。
同じようにCDドライブもマウントしてやらないと動かない。totemはCDドライブのマウント作業をある程度自動化しているようだ。しかし、 WINDOWSのドライブを一度マウントしてしまうと今度はCDドライブが無効になってしまう。まだまだ甘いな(笑 まぁ、そのうち改善されるだろう。

 去年の暮れにやったThe Beatles USB-BOXは来て頂いた方々には好評だったようだ。この音を聴いてしまうと二度とCDには戻れない。CD-BOXがゴミになる瞬間だ(爆

 前回は12/30と暮れも暮れ とんでもない日にやったので来れなかった人達から苦情が多発した。そういうわけで今度はちゃんと土曜日(1/30)に再 度開催することになりました。

 PCにUSB-BOX、STEREO-BOX、MONO-BOXの全てを収納したので、どれでもすぐに出てくる。超高音質ジュークボックス状態だ。ク リックすればCDをドライブにセットすることも、曲を頭出しする必要もない。頭に浮かんだ曲を選んでクリックするだけ。こんなに簡単でこんなスゴい音が出 ていいのか? と、最初はちょっとカルチャーショックになったがすぐに慣れた(笑 これからはこれがあたりまえになるんだなぁ=CDはもういらん という ことなんだ。

 よく考えたら、ここのところまるでアナログ盤を聴いていない。なんだか面倒臭くなってLPに手が伸びないのだ。PCオーディオのあまりの快適+楽チンさ に慣れてしまったのだ。こんなことじゃ先が思いやられるなぁ・・・・

 今は忙しくてとても無理だけど、このプロジェクトが一段落したら久々にアナログのオリジナルをじっくり聴いてみよう。初めて聴いたときに鮮度にのけぞっ たあの感性が正しかったのか、ハイレゾが快感になった今がホンモノなのか今一度確かめてみたい。

 というわけで、またやります。The Beatles USB-BOXオールリクエスト。去年聴き逃した方は是非おいでください。STEREO黒CD-BOXがゴミになるのは間違いありません。
MONO-USBが出たら白BOXも・・・ と、こちらは紙ジャケがありましたね(笑

 今回も最新のPCオーディオ機器を使用します。最新型USB-D/Aコンバーターにルビジウムクロックを注入し、PCは今回Ubuntu Studio9.10(Linux)を使います。この組合せは現時点で最高峰のハイエンドPCオーディオです。ここから上はありません(笑 一年前だった ら200万コースだ。それに組み合わせるPCは中古だったら数万円、ソフトはフリーウェアなのでもちろんタダ。これが20万ちょっとで始められる。紙ジャ ケマニアならたかだか数ヶ月分の予算だ(爆 BeatlesのUSBといい、なんかとんでもない世の中になった気がしてきた。


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4月4日

 1月以来、新製品の立ち上げに追われていた。やっとここへ来てなんとか冷静に状況を見れるようになってきた。
いやはや、何が大変かって、社内の理解を得ること。対外的なことよりも、これが最大の難関だったとは。今更ながら会社の仕組みの難しさに気が付いたという 次第。

 とまぁ愚痴はおいといて、製品自体はいいものが出来たと思う。あとはうまく認知してもらえるかどうかだ。性能はともかく、コンセプトや思想が理解しても らえないと商売には繋がらない。社内でさえも、地動説を唱えたガリレオみたいな状況になっているのだ。理解してもらえた頃には終わってたりして(笑

 で、息抜きにたまには何か買って聴いてみようと、物色していたら、日系独人のAlice Sara Ottという若手のピアニストが話題になっている。関西では化粧品のCMにも出ているという美人である。なにせ若い。まだ二十歳そこそこ。
なにやら凄い人気らしい。来年までびっしり予定が・・・
You Tubeで見る限り、かなりの技巧派だ。特に右手がすごい。速いパッセージを難なくこなす。ホロヴィッツのような明快な強靭さがある。オーディオ的に粒立 ちのいい出音なのだ。これであと10年もすれば凄いピアニストになるんじゃないか と予感させてくれる新人である。

 手始めにショパンのワルツ集を買ってみた。ハイレゾが無いかとDGGのサイトに行ってみたが、mp3と44/16FLACしかなく、44/16は 12.99EURでCDよりも高い。これならCDの方がマシだ。日本盤は高いのでドイツ盤を買った。上の写真がそれだ。デジパックはいいとして表の写真が ひどい。
もはや写真はどうでもいいようだ。DGGのサイトにもレオタード姿の正面から撮ったのが載っている。これもどう見ても座敷童子にしか見えない。どういうつ もりなんだろう・・気を取り直して曲を聴いてみると残響だらけの眠くなるような録音でちょっとがっかりした。You Tubeで見た強靭さのかけらもない。それでも最後の15番あたりにちょっと片鱗がある程度。ワルツといえばリパッティとかルービンシュタインを望むのは 無理としても、これが大ヒット中というのもどうかと思う。もっとマシな売り方した方がいいんじゃないのか?

 さて、じゃあ次はリストを買ってみようか と、DGGを見ると録音データーが載っていて、48k/24bitの収録とのこと。(ちなみにショパンは 96/24だ)そんなもんなの?これでまた買う気が失せた。もうハイレゾで出るまでやめておこう・・

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4月11日

 4chは今年も昭和の日(4/29)かな?5.1ch全盛の時代に今更4チャンネルじゃあるまいし というのは誤認も甚だしい。5.1だってダメなもの はダメで、4チャンにも素晴らしいものが沢山あるのだ。(去年の岩崎宏美はよかったなぁ・・)

 それはさておき、上の写真は8トラック用のテープデッキだ。8トラといってもそんじょそこらにあるものとは違う。メーターが4つあるのは4チャンネル仕 様ということだ。それは当然としても、なぜこんなにデカいかというと、中央付近に巨大なフライホイールが入っている。たかだか8トラにこんな無茶なものを 作っていたのが70年代のオーディオ製品なのである。

 4チャンマニアなら一家に一台常備してあるのが、このAKAI CR-80D-SSなのだ。これを聴いてしまうと他の8トラデッキは使う気になれなくなる という音がする。フライホイールはもちろん安定したテープ走行 のため。アナログでもデジタルでも時間軸は重要だ。これが正確じゃないとオーディオは始まらない。いつかはこいつのオーナーに と思っていたが、縁あって 先日やっと入手することができた。最初に音を出してみるとシオシオで眠い音だったが、電源を入れたまま一週間もすると、ようやく目が醒めたようだ。馬力の ある安定した音が出始めた。これでやっと8トラのテープが安心して聴ける。

 PCオーディオではfoobar2000にプラグインを入れて、DVD-Audioのディスクが再生できるようになった。さらにfireface400 を使うとフロントダウンミックスまで出来てしまう。これにルビジウムを入れると極楽の5.1マルチが楽しめる。もうDVDプレーヤーを使うこともないだろ う。SACDがPCで再生できるようになれば デジタルメディアは完全にPCだけで済んでしまう。しかしこれだけは無理だろうなぁ・・

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4月24日

 5/1はサラウンドの日なんだそうな。JEITAとJASが5.1にひっかけて制定したらしい。今日NHK-BShを見ていたら、5.1ch放送のプロ モーションをやっていた。これを聴いてしまうと2chステレオは実につまらないですね みたいなことを言っていたが、何を今更 って感じだ。リアを2つ足 すだけでサウンドフィールドは4倍になる。良いのは当然だ。
もっともソフトがしっかり制作されていることが前提だが。

 これまでも何度かサラウンドが広まる機会はあったのだが毎回失敗している。最初は70年代の4チャンネル。この時はオイルショックと相俟って瞬時にボツ になった。次はDVDデジタルサラウンドソフトが発売された10年くらい前。映画にはほとんどAC3が収められ、dtsが入っているものもあった。(画像 はまだアナログだったが)しかし、たくさんのスピーカーが必要なマルチは所詮日本の住宅事情にはマッチしないシステムだった。これは今でも状況は変わって いない。日本の住環境が劇的に改善でもしない限り、永久にサラウンドが定着することはないだろう。時代は携帯プレーヤーなのだよ。明智君。

 しかし諸外国ではちょっと事情が違うようだ。日本以外の国ではシアタールームにどでかいサラウンドシステムを備えている中産階級が結構いるらしい。日本 ではこういうことができるのは田舎か都市部の金持ちに限られる。庶民が無理してやっても隣近所はおろか、家族からも苦情が殺到するのがオチだ。

 日本はおいといても、マルチの音楽ソフトは4チャンネル時代からいろんなものが出ている。中にはマルチならではの素晴らしいものもたくさんある。これを 聴かずにおくのは本当に勿体無い。せめてサラウンドが絶滅するまでは年に一度くらいはサラウンド作品を聴けるようにしよう ということで今年もやることに しました。聴きたくても自宅で5.1は難しいだろう。だったら思いっきり聴けるような場所も必要だ。

 ピンク・フロイドの狂気はマトリクス2/2よりも3/3の方が低域が充実していて完成度の高いバランスの良い音だと思う。しかし、鮮度だけならQUAD バージョンのQHVL804のマトリクス1/1はSBTを上回る。おまけにAlan Parsonsが作ったQuadmixは今でも最高峰のサラウンドなのだ。当時のハードウェアではまともに再生できなかったこともあって、Quad版は正 当に評価されなかったが、後発のFosgateのデコーダーで再生すると最新の5.1が裸足で逃げ出すような凄いサラウンドが味わえる。

GenesisやKing Crimsonもサラウンド版を聴かずに何を聞けばいいのか?BeatlesのUSBを聴かずにリマスターが良いとか悪いとか言っているようなものだ。こ ういうものは聴かないと始まらないわけで、是非一度は体験してほしい。

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5月5日

 連休中はずっと好天に恵まれ、稀に見る晴天続きのGWだった。つい先日雪が降ったのがウソのような暑さで部屋に居ると我慢ができないほどだった。1日と 4日はマルチのDJで東京へ出かけた。2日はイタリアンな友人と珍しいシングル盤を聴かせてもらいに八王子の方へ。初めて見るものばかりで全く話について いけない。こういうものを欲しがるマニアは日本に何人いるのかな ってくらい狭いマーケットだ。しかし、こういうものが一旦オークションに出たりすると奪 い合いのbit合戦になる。欲しがる人が二人いれば十分なのだ。値段はどんどん上がる。ああこわ・・

 さて、昨日は久々のオフ。家内と娘が出かけたスキを狙って久々にアナログ盤をかけてみる。うーんやはりアナログはいいなぁ クロックがなくても、ちゃん と空間情報が出る。それに今更ながら鮮度は最高だ。腐ったテープから起こしたリマスター紙ジャケを毎回買い直すなんざ愚の骨頂である。SHMだ、Blue Specだとか、今更44/16のメディアを高品位にしてどうするというのだ?20万のガラスCDに至ってはこういうものを売っていいのかと思う。もう末 期的症状だ。これじゃレコード会社が潰れるのも無理はないな。

 しばらく聴いていると、あれ?ウーファーがヘンだ。電池かな 電圧を測ってみると15Vくらいしか出ていないブロックがある。仕方がない そろそろ交換 時だな。なんせ引越しの前から使っているブロックだからもう4年にもなる。今まで大丈夫だったのが奇跡だ。で、重い電池ブロックを引き摺り降ろして開けて みると見事に液漏れして腐っていた。これでよく電圧が出てたな と感心する。手持ちの電池がちょうど4パック(80本)あったので、意を決して交換するこ とにした。これも休みならではの贅沢だ。電池の皮剥きから始めて約2時間で80本を交換した。あー疲れた。数年に一度のイベントが無事終了しました。

 愛車のRV125バンバンも久しく乗っていなかった。今日は散髪に行くのでたまには乗ってみよう。エンジンは難なくかかったのだが、例によってクラッチ が固着している。いつものようにトップギアに入れて揺すっても外れない。こりゃあ重症かな・・仕方がないのでクラッチが切れないまま走って行った。(案外 走れるもんです)帰りにトップのままクラッチを絞ったままアクセルを煽って走っていたら、突然外れた。ああよかった。これでまたしばらく乗れる。なにせこ ちらも40年選手だからね。労ってあげないと。

 というわけで、今年の連休はとても充実した休みになりました。(去年はFW-800を動かそうとしてギックリ腰になったんでした・・・)

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5月23日

 昨日一昨日と仕事で東京ハイエンドショーに行ってきた。有楽町の交通会館の入り口にはそれらしき案内がなくて本当にやってるんだろうかと恐る恐る12階 へ上がった。予想に反して金曜日だというのにかなりの人出で賑わっていた。もっとも、例年に比べればフロアも減ってこれでも少ないんだとか。しかし、昨日 のPCオーディオの講演では入り口まで人が溢れるほどの人気で、もうCDは完全に置いて行かれたのだなと確信した。現実に24/96の音源が安い USBDACで聴けるようになったのだから無理もない。CD音源でさえもHDDに移してしまえばCDプレーヤーよりも遥かに良い音が出る。これではCDプ レーヤーが売れなくなるわけだ。

 しかし、音源の入手先はまだまだCDが主流だ。それにしても買う気がしないな と思っていたら、Deccaからキョン・ファ・チョンのBOXSETが出 ていると教えてもらい、慌ててHMVで購入。紙ジャケ仕様のCD19枚+1DVDで超豪華ブックレット付き。これがHMVのマルチバイだと13,000円 ちょっとで買える。ブックレットはハングル文字満載??? なんと韓国編集だ。よく知らないけど当然韓国では国民的英雄なのだろうな。Deccaがユニバーサルに統合されたおかげでEMIに移籍する前のDGGから 出た2枚も含まれている。Decca時代のキョン・ファのレコードは数枚しか持っていないのでこういうBOXは大変ありがたい。ぼちぼち聴いて良さそうな ものをLPで買うことにしよう。私にとってCDはもうカタログ以外の意味をなさないメディアになってしまった。

 CDでも一応聴いてみるかと、CDプレーヤーに入れてみたが音はそれなり。こういうのはリッピングしてぼちぼち聴くのが良い。と、先日某巨大掲示板に あったMacのafplayをi-Tunesに連動させるスクリプトを使うと信じられないような音が出る。これはafplayにキャッシュを組み合わせた スクリプトになっていて一曲ごとにHDDからRAMへキャッシュしてからplayを始めるのでplay中はHDDを全くアクセスしない。試しにキャッシュ しないものと比べると、その差は歴然だ。HDDが動かないだけでこんなに音質が変わるとは。この音を聴いてしまうと他の再生ソフトは全く使う気がしない。 おまけにi-Tunesから曲を選べるのだから最高だ。正に願ったり叶ったりの状態になった。普段は見る気もしない巨大掲示板だが、このスレッドにはスク リプトを書いた人へのリスペクトが感じられる。こういうこともあるんだな。

1月11日

 気が付いたら半年も更新していなかったな。PCをMacにしてからめっきりWindowsを触らなくなった。Macの快適さに慣れてしまうともう Windowsは触りたくない。困ったもんだ。

 8月は香港へ、10月にはWashington D.C.へ出張で行ってきた。この歳になると旅行は疲れる。外国に行くのは全く苦にならないがフライト中に煙草が吸えないのは辛い。空港に着いて15時間 ぶりくらいに吸ったら頭がジンジン痺れる。これって中毒症状だよなぁ 体によくないよ。

 Washington D.C.で観たRoger WatersのThe Wallはすごかった。始まる前からSEがサラウンドで鳴ってるし、代々木体育館のような会場だったけど吸音が効いていてとても良い音だ。リアのアンプだ けでアムクロンの3500が24台、卓はもちろんMIDASだ。それも3基。スライドのエフェクトがレンガの一個一個にシンクロしてたのが驚きだった。そ れとSnowy Whiteの出番が減っていてちょっと寂しかったけど素晴らしいショウだった。このスケールは日本じゃちょっと無理だろう。

 チケットは飛行機、ホテル、コンサート、迎えのシャトルなどほとんどがインターネットの予約で手配できた。プリントアウトさえすれば出先でもできる。た だ、ホテルによってはプリンターだけ貸してくれないところもあって、こっそりプリンターをジャックしたりしてなんとか済ませた。アメリカは空港はだいたい WIFIがタダで使えるし、ホテルも無料だった。メールや決済もホテルで使えてインターネット様々だった。

 インターネットでは音楽配信、それもハイレゾ配信がかなり定着してきた。まだまだ始まったばかりではあるが、ぼちぼち大物も登場してきた。Paulの Band On The Runが24/96配信されているし、Georgeのオルシンも26日から配信される予定だ。Band On The Runはメディアを買わなくてもデーターだけ購入できる。これは願ってもない方法だ。事前予約をしておいて発売日の11/3を待った。しかし一向にメール が届かない。予約した友人たちも同じくだめ。どうも何かトラブルが起こったようだ。ユーザーサポートに怒りのメールを出すと、Hey! *****, your access key is ***と、すぐにアクセスキーを送ってきた。それだけかよ??態度わるー さすがにHey!にはムッときましたね。侘びのひとつも言えないのか?無礼にも ほどがあるぞ。だいたい日本なら大騒ぎになるところでしょう。

 ポールよ、この配信をやらせた会社はこんな大失態やっといてこのザマだ。しっかりお灸を据えたほうがいいぞ。というか、今度は1st、RAMもやるんな らもっとしっかりした所にやらせてくれ。

11月13日
 新しく出たMac Book Airにはちょっとグラっときた。
出張にはMac Book Proの13インチを持って行ったのだが とにかく重い。Let's Noteの2台分くらいはありそうな重さだ。がっちりしていてドライブまで付いていてあのコンパクトさはさすがAppleだけどあの重さは歩いて持ち運ぶ にはちと辛いなーと思っていた。そこへこのMac Book Airだ。それも11インチで重量が1kgときた。おまけにUSBポートが2つもあるではないか。9万円を切る値段であのサイドビューにはかなりクラクラ きてしまった。今日はストアーのカスタマイズまで行って危うくポチっとするところだった。あぶないあぶない。

 オンボードSSDとはまた大胆な。メモリーは4G欲しいところ。SSDの容量はどうしたものか。64GだとiPadと同じだしやっぱり128Gだな。 CPUは1.4Gでもいいだろう。速くしてもバッテリーがヘバるだけだし。11インチのボディに分相応のバッテリー容量からするとCPUの高速化はバラン スを崩すだけだろう。

 というわけでターゲットスペックは決まっているのであとはポチるだけ なのだが が が・・・ なんせ去年のMac miniからこの1年でiPadまで含めるとMacを4台買ってしまったのだ。SE/30から始まって840AV、iMacまで入れるともう7台目だ。お い、いい加減にしろよー と心の闇が叫ぶ。
ああ、「購入する」ボタンを押せない自分が情けない!

 にしてもAppleはさすがだ。こんなにわくわくする製品を次々と投入してくる。Steve Jobsの神通力が効いてるに違いない。企業とはかくありたいものだ。Virginが飛行機をやった時は驚いたがAppleもそのうち洗濯機とか自動車と かやるのかもしれない。そうなってもたぶん驚かないだろう。Appleだったらやるかも。そう思わせてしまう勢いがAppleにはある。Appleはどん な未来を創造してゆくのだろうか。

11月18日
 やっとMacでHTMLを編集してFTPを使えるようになった。慣れとはいえこの作業だけはまだWindowsの方が楽だ。

HTMLエディターはKompoZerというのを使っているが何度やってもアクセスカウンターが動かない。ソースを見てみるとバーチカルバー|が化けてい る。 何度やってもだめ。表示画面に切り替ったところで勝手に文字変換されているようだ。それらしい設定も見つからず、やむなくテキストエディターで修 正しようと思って開いてみるといきなり画面イメージが出てくる!

テキストエディターのくせに生意気なー(親切が過ぎる)で、こっちは設定を変えてプレーンテキストで編集できるようになった。ああ面倒くさい。もう金輪 際編集にはHTMLエディターは使いたくない。

 iTunesからTheBeatlesの全タイトルがダウンロードできるようになった。このことが意味するところは大きい。しかし、これはCDメディア だったものが配信に本格移行する といったことではない。

 配信開始といってもファイル形式はAACの256kビットレートだ。これはUSB版に付いていたmp3の320kに も及ばない。そのわりには価格が2,000円/アルバムというのは高く感じる。もっとも、CDよりも安くしてしまうと本当にCDが売れなくなってしまう。 EMIとも協 議の上、この価格になったのだろうな。個人的には最初からUSB版の24/44.1のオプションがあってもよかったんじゃないかと。

 ハイレゾ版が iTunesにラインナップされて、それがリーズナブルな価格になった時、初めてCDに引導を渡すことになるだろう。

 それよりも感慨深いのは長年Apple社は設立当時から同名のビートルズのAppleCorpと揉めていて、今回のことでようやく決着が付いたことだ。 The BeatlesのiTunesでの配信はある意味Appleの悲願だったとも言える。音楽業界に進出したAppleがAppleCorpと合併(吸収)な んてことになると面白いんだけどな。

11月23日
 iOS4.2がリリースされた。これでiPadのカメラコネクションキットで24bitのUSBDACが使えるはずだ。 ただし有効データーは16bitらしい。なんてもったいない。iPodのiPadアプリが24bit出力できないのか、 だとしたら手の付けようがない。24bitのファイルは再生できるようなので明日にでもデーターを見てみよう。

 さて、今日は電池を交換した。センターウーファー用、MID、Hi用と、先日EQをやったからしめて160本だ。 これでしばらくは持つだろう。MIDとHiは引っ越す前からずっとそのままだったから5年以上使ったことになる。 空けてみると全く液漏れしていなかった。経験上電池は空にならなければ液漏れしにくいようだ。しかし、空になった途端 放置しておくとあっという間に液漏れしてしまう。電解液の組成が変化するのだろう。空になった電池は即刻 抜いておかないとひどいことになる。

 何枚かLPを聴いてみた。電池が新しいおかげで張りと艶が蘇った。ただ、カートリッジのダンパーがヘタってるような気がする。 さすがに20年以上経つとゴムはダメだな。サーフェースノイズの具合がちょっと気になる。予備のDL-305に交換してみた。 こっちの方がいくらかいいみたいだ。しばらくこれで様子を見てみよう。

 久々にアナログを聴いたけど、やはりアナログは素晴らしい。いくらハイレゾと言えども所詮「点」でサンプリング したものに過ぎない。膨大な情報量のアナログに比べればリニアPCMも圧縮音源と見なせる。 点を線に正確に変換するためには最低でもルビジウム精度のクロックが必要だ。粗いサンプリングほどルビジウムは効く。 20万の予算だったら絶対にアナログの方がいい音が出せる。しかしPCオーディオで100万ならデジタルでも ほとんど不満の無い音になる。これがせめて30万くらいでアナログみたいな音が出ればいいのだが。

 ジョージのサイトではAll Things Must Passのハイレゾ予約が始まった。早速予約したが 運営会社はBand On The Runと同じくTOPSPINだ。いやな予感がするなー。 同時に一曲だけフリーで公開された。曲はWah Wahだと。これをハイレゾで聴いてどないせーっちゅうのか。 せめてもっと静かな曲をやってくれないかな。ともあれ26日に無事ダウンロードできることを祈ろう。

11月24日
 iOS4.2をiPadに入れて24bitAsyncDACを繋いでみた。一応音が出た。 案の定データーは16bitだ。下位8bitはすべてゼロでパディングされている。 24bitファイルが再生はできるけどこれでは宝の持ち腐れだ。 わかってはいたけどちょっとがっかりだ。

 それはいいとして、iPodアプリでサンプリングレートが 違う曲を選択してPlayするとまともに動作しない。 音は出るがAsyncは崩れるわビットレート(音程)もおかしいわで 使いものならない。iPodアプリを再起動すると今度は大丈夫 が、また違うレートの曲をやると またおかしくなる。どうも最初に選んだサンプリングレートのままでしか動けないようだ。 公式には動作しますとは言っていないがヤミでサポートするようなことをリークするくらいなら もちっとちゃんとやってほしかったね。

 折角ビットレートを確認したのだからMBPでいろんな再生ソフトを使ってビットパーフェクトなのかを 確かめてみた。一番驚いたのはmp3やAACを再生すると何をやっても24bitデーターになっている。 リニアPCMに変換する時点で24bitデーターになるようだ。これがcore audioでやってるのか アプリで処理しているのかはよくわからない。しかし圧縮データーがリアル24bitデーターに化けても 16bitリニアよりも良くなるはずもない。いわゆるナンチャッテ24bitである。

 PCオーディオはオカルトだらけだ。わからないことが山のようにある。いろいろやってみて 消去法でオカルトを排除していけば、残ったものが犯人だ。いつか全容が解明できる日が来るだろう。

 The Beatlesの配信はともかく、USBの24bitやポールの24/96が入手できるようになったことは いいことには違いない。しかしこれをCDよりも良い音で聴くためにはインフラが整っていない。 携帯プレーヤーで24bit再生に対応しているものがない。(ごく一部あるにはあるが)これが最大のネックだろう。 現時点では面倒なPCを使うしかない。これでは一部のPCオーディオマニアが喜ぶだけだ。

 ネットワークプレーヤーがミニコンポのように5万くらいで買えるようにならないとハイレゾが一般的に は普及しないだろう。PCだけではハイレゾ本来の良さは楽しめない。インターフェースを付けたり 何かしら手を加えないといけない。これからは単体でも音の良いPCが出てくるのか?まー無理でしょうね。 なんせPCはオーディオ的な思想で作られていない。それを言うなら携帯プレーヤーだってそうだ。 いくら音が良くなったとはいえピュアオーディオには絶対にならない。お手軽さと安いだけのものだ。

 少しくらい高くてもいいから本当に音のいい携帯プレーヤーをどこか出さないかな。テープの時代は ナグラ、デンスケ、プロフェッショナルウォークマンみたいなピュアグレードの携帯プレーヤーが あった。ああいうものを作ろうと思えば作れるはずだ。出てこないということは需要もないということだ。 情けない世の中になったもんだ。悪循環を作っているのはピュアオーディオの世界だけではない。

rockday1127.jpg
11月26日
 iOS4.2のiPadでFLAC Playerを試してみた。これはFLACに特化した再生ソフトだけど、 44.1kのWAVやAIFFも再生できる。これとiPodアプリを併用すれば 44.1 48 88.2 96kネイティブのサンプリングレートでUSBDACが走る。
現時点では有効データーが16bitなのが残念だけど、アップデートで そのうちなんとかなりそうな気もする。

現状の16bitでもiPadの音質はかなり良い。へたなPCよりもいいかもしれない。 なのでリアル24bitになると最強マシンになったりして。

GeorgeのAll Things Must Pass のダウンロードが開始された。 リリース前日だというのにTopspinからメールが来て クリック一発でダウンロードできる。前回のポールの不手際があったので 今回は早めに対応したのだろう。少しは学習効果はあったみたいだ。 それにしても 遅い!!!30分経ってやっと300MBって...予定終了時間4時間だと? いつになったら終わるんだ?ポールの時は2バージョン合わせても1時間ちょっと で落ちたのに....

 11/27 RockDay John,Paul & George特集
ネット配信ハイレゾはBand On The Run 24/96の話題で持ちきりだ。
どこへ行っても「BOTRいいですねー」が挨拶文句だ。やっとハイレゾ配信が表舞台に移りつつあるのを感じる。予定通 りなら11/26にはジョージのAll Things Must Passの24/96も聴けるはずだ。もはや流通経路の時間差はない。カウントアップと同時に自分のコンピューターへ届けられるのだ。更に進めばダウン ロードさえする必要が無くなるだろう。音源ライブラリーがクラウド化する日もそう遠くないのかもしれない。DVD-Aも含めると、往年の名盤のハイレゾ データーもかなり揃ってきた。あともう少しだ。今我々は大きな時代の転換期の中にいる。

 The Beatlesの24bitUSBはハイレゾ時代の幕開けにふさわしいリリースだった。 そして今度はPaulとGeorgeだ。こうなるとJohnも
と期待せずにはいられない。是非スタジオマスター品質の音を体験してみよう。 BOTRのUnlimtedはCDマスタリング前の音を体験できる格好の素材なのだ。11/27の RockDay 場所はいつものStudioK'sだ。

 去年のThe BeatlesのハイレゾRockdayでは誰もがCDの終焉を実感したはずだ。今回も山のようなオリジナルアナログも用意されている。フレッシュなマス ターからカッティングした初版が勝つか、40年を生き延びたマスターテープからハイレゾフォーマットでトランスファーしたデジタルマスターが勝つか。是非 自分の耳で確かめてほしい。

*11/26追記:

All Things Must Passのダウンロードが開始された。200kB/secくらいの亀だけど なんとか今晩中にダウンロードして明日には間に合いそうだ。ダウンロードできたら最初に聴くのはWhat Is Lifeだな。 わくわくします。

今日の出来事(日記帳)

11月29日
 J,P,Gのハイレゾ試聴会来て頂いた皆さんありがとうございました。 データーをHDDにコピーする時間がかかって、1時間ずっとバンドオンザランの アナログ盤聴き比べをやってしまいまして、これが結構楽しかった(笑

 マト1は2と比べるとレンジ感もあるし、鮮度も一皮よかった。 マト3のBlairはがっちりバキバキのいかにもBlairらしい音で これもなかなかいい音。米ハーフスピード、 英Nimbusは高音質盤のお手本のような音で 今回出たアナログ重量盤はちっとは見習わないとだめですな。

 持っていることを忘れていた英テストはとんでもない音だった。 レンジ感も鮮度もやはりテストの音だ。比べてみると差が歴然である。 同じマト1なのに通常版とは明らかにベースの伸び、シンバルの 響きがハイレゾの音になっている(笑  イエスの危機テストみたいな差があった。

 今回イマジンとジョン魂をいろいろ聴かせてもらった。 イマジンは英、米どちらも良さがある。ジョン魂は英盤のMaclenが最高だ。 リンゴのドラムやピアノ、ヴォーカルの鮮度はこれが最も良く感じる。 びっくりしたのは日本盤。イマジンの萎れ方には呆れた。いくらなんでも これはひどい。シオシオのパーである。 ジョン魂の日本盤は鮮度は悪くないのだが低音がおかしい。 バスドラを踏むとフロイドのDSOTMのドクドクみたいだ。

 ジョージのATMPはハイレゾよりも英盤の方が鮮度が高い。 英盤の12弦やダルシマのシャラーンと鳴る響きの良さとキレは最高だ。 ハイレゾは曲によってかなり鮮度にバラツキがあるように感じた。 2000年リミックスは派手な音だ。長時間聴き通すのはちょっと辛い。

 途中、キース・ジャレットのケルンコンサートの24/96がHDTracksから 出てますよ と言うもんだから、その場でダウンロードを始めた。 おそいーー!26分の曲を落とすのに一時間くらいかかった。 FLACをAIFFに変換してiTunesに入れて聴いてみた。 いやーこれはいいです。アナログ盤はもう少し響きが深かった記憶があるけど このハイレゾのソリッドな音はこれはこれで素晴らしい。 これは是非一度聴いてほしい音源だ。

12月2日
 キャラバンのグレイとピンクの地 SHM仕様SACDを買った。 このSACDはマルチはおろか、CDレイヤーすらない。SACDの2chのみ という贅沢というより、チョー勿体ない仕様だ。私的にはSACDの魅力は マルチなのだから、マルチのない2chSACDは全く買う気が起きない。 何故これを買ったのかというと、このアルバムは英アナログマスターから DSDにトランスファーした最新リマスターだからだ。

 グレイとピンクの地「In The Land of Grey and Pink」はプログレ屈指の名盤だ。 これを聴かずしてプログレは語れない。あたり前田のクラッカーなわけですよ。

 で、「音が深い!気持ちいい!ずっと聴いていたくなる別次元のクオリティ」 とオビに書いてあるわけで、買わないやつはプログレを聴く資格なし と言ってるようなもんだ。そこまで言われたら買わないわけにはいかないでしょ

 普段はマルチしか聴かないSACDの接続をわざわざ2chに変更して聴いてみました。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ?? ?? ?? ?? なにこれ?どうも機械の調子が悪いみたいだ。 シャリシャリとうるさくて歪みもすごい。おまけに音がヨレてるし。 これじゃとても聴けない。たぶんSACDプレーヤーが壊れたのだ。 年末にでも再度チャレンジしてみよう。これじゃ寝覚めが悪いので英盤を聴いて 耳をリセットした。さーねよーっと

HD TracksからKeith Jarretのケルン・コンサートが24/96でリリースされた。 これはいい音だ。超お勧めです。


3月6日
 なんだかんだで忙しい。気がついたらもう3月じゃないか。今年は本当に寒かった。毎朝車の温度計を見ているが一番寒かった日はなんとマイナス6を指して いた。そろそろ暖かくなってくれないとね。そうそう、一月だったかギックリ腰が再発した。これは痛かった。普通ならすぐに治る
3月6日
 なんだかんだで忙しい。気がついたらもう3月じゃないか。今年は本当に寒かった。毎朝車の温度計を見ているが一番寒かった日はなんとマイナス6を指して いた。そろそろ暖かくなってくれないとね。そうそう、一月だったかギックリ腰が再発した。これは痛かった。普通ならすぐに治るところが、数日でまた再発。 こうなるともう体力低下を自覚せざるを得ない。ちっとは運動しないとだめか?

 最近はハイレゾがいろいろリリースされてやっと面白くなってきた。先日は遂にストーンズが出てきた。といっても私はストーンズはあまり好きじゃない。も う少し後のサタニックやベガバンあたりが好きだ。このあたりが出てくれば良く聴くようになるかもしれない。そろそろフロイドや大御所がハイレゾで出てくる と面白くなるのに。iTunesストアーでBeatlesの24bitを売るようになると一気にCDが売れなくなること必至だ。やっと忌まわしいCDとオ サラバできる。

 今極上の音質を求めるとアナログのオリジナルやテスト盤、出来のいいハイレゾしかない。いいハイレゾ音源が出てくるとテスト盤も危うくなってくるのか。 いやー絶対この鮮度は超えられないだろ と強がってはいるものの、昨今のハイレゾはかなりいい音で既に普通のアナログ盤を超えてしまったと言ってもいい。

 ここらで改めてテスト盤の音を確認してみたい。この極上の鮮度は果たしてハイレゾ全盛になっても優位性があるのか、今一度聴いてみよう。というわけで 3月26日(土)はテスト盤を聴く。もちろんプログレが中心のラインナップだ。今回はそういうわけでオリジナル盤はなし(爆 テストもしくはプロモ盤(白レーベル)に限るという暴挙である。
ラインナップは後日。
3月6日
 なんだかんだで忙しい。気がついたらもう3月じゃないか。今年は本当に寒かった。毎朝車の温度計を見ているが一番寒かった日はなんとマイナス6を指して いた。そろそろ暖かくなってくれないとね。そうそう、一月だったかギックリ腰が再発した。これは痛かった。普通ならすぐに治るところが、数日でまた再発。 こうなるともう体力低下を自覚せざるを得ない。ちっとは運動しないとだめか?

 最近はハイレゾがいろいろリリースされてやっと面白くなってきた。先日は遂にストーンズが出てきた。といっても私はストーンズはあまり好きじゃない。も う少し後のサタニックやベガバンあたりが好きだ。このあたりが出てくれば良く聴くようになるかもしれない。そろそろフロイドや大御所がハイレゾで出てくる と面白くなるのに。iTunesストアーでBeatlesの24bitを売るようになると一気にCDが売れなくなること必至だ。やっと忌まわしいCDとオ サラバできる。

 今極上の音質を求めるとアナログのオリジナルやテスト盤、出来のいいハイレゾしかない。いいハイレゾ音源が出てくるとテスト盤も危うくなってくるのか。 いやー絶対この鮮度は超えられないだろ と強がってはいるものの、昨今のハイレゾはかなりいい音で既に普通のアナログ盤を超えてしまったと言ってもいい。

 ここらで改めてテスト盤の音を確認してみたい。この極上の鮮度は果たしてハイレゾ全盛になっても優位性があるのか、今一度聴いてみよう。というわけで 3月26日(土)はテスト盤を聴く。もちろんプログレが中心のラインナップだ。今回はそういうわけでオリジナル盤はなし(爆 テストもしくはプロモ盤(白レーベル)に限るという暴挙である。
ラインナップは後日。
ところが、数日でまた再発。 こうなるともう体力低下を自覚せざるを得ない。ちっとは運動しないとだめか?

 最近はハイレゾがいろいろリリースされてやっと面白くなってきた。先日は遂にストーンズが出てきた。といっても私はストーンズはあまり好きじゃない。も う少し後のサタニックやベガバンあたりが好きだ。このあたりが出てくれば良く聴くようになるかもしれない。そろそろフロイドや大御所がハイレゾで出てくる と面白くなるのに。iTunesストアーでBeatlesの24bitを売るようになると一気にCDが売れなくなること必至だ。やっと忌まわしいCDとオ サラバできる。

 今極上の音質を求めるとアナログのオリジナルやテスト盤、出来のいいハイレゾしかない。いいハイレゾ音源が出てくるとテスト盤も危うくなってくるのか。 いやー絶対この鮮度は超えられないだろ と強がってはいるものの、昨今のハイレゾはかなりいい音で既に普通のアナログ盤を超えてしまったと言ってもいい。

 ここらで改めてテスト盤の音を確認してみたい。この極上の鮮度は果たしてハイレゾ全盛になっても優位性があるのか、今一度聴いてみよう。というわけで 3月26日(土)はテスト盤を聴く。もちろんプログレが中心のラインナップだ。今回はそういうわけでオリジナル盤はなし(爆 テストもしくはプロモ盤(白レーベル)に限るという暴挙である。ラインナップは後日。


3月13日
 ひどいことになった。金曜日は会社で地震に遭った。最初はなんだかユラユラって感じだったけど徐々に揺れがひどくなって、これは只事じゃないと気がつい た時は既にどうしようもなかった。身を守るのが精一杯でなんとか収まった時は本当にほっとした。宮城沖の余波でこれだけ来るんだからローカルの震源だった らまず助かっていない。
とはいえ、M9.0とか津波の高さが10mとかこれまで体験したことのない規模の地震/津波だった。亡くなった方々の無念さを考えると手を合わせることし かできない。被災された方には何らかの応援をしよう。

 起きてしまったことは仕方がないが、気になるのは福島原発の状態だ。二重三重の安全対策がなされているはずの原子炉だが情けないくらいのお粗末さであ る。本来働くはずのフェールセーフが全く機能していないどころか、トラブルが次から次へと発生する。一番お粗末だったのは一号棟の外壁がふっ飛んだ時だっ た。NHKはひた隠しにしてたが(情報統制の疑いもある)、BBCが放送したことで水素爆発が明るみに出た。それの政府発表が5時間もあとになったこと で、信頼が失せた。この対応は大いに疑問だ。結局海水の注入という最後の手段を使わざるを得ず、一号機の復旧は絶望的になった。まぁこれでも落ち着いたか らいいようなもの の、三号機も海水を注入したがまだ予断を許さない状態だ。もう緊急事態という段階は超えてIAEAへ報告までしているんだから、今更隠しても意味がないだ ろう。さっさと情報をオープンにすべきだ。少しでも助かる可能性があるのならそうすべきだと思う。

 明 日は会社で復旧作業だが、計画停電も実施されるようだ。これでは当分仕事にはなりそうにない。事態が沈静化するまではじっと我慢だな。被災された方々のこ と を思うと贅沢なんか言っていられない。皆で力を合わせて頑張ろう。私は日本人であることを誇りに思う。

3月22日
 震災から10日。やっとテレビも通常の番組を流し始めた。関東では被災地とは比べるべくもないが、ガソリンスタンドに長蛇の列ができたり、コンビニから ファーストフードが無くなったりと、ちょっと情けない状態になっている。おまけに計画停電だ。これでは夏場が思いやられる。火力発電所を稼働してなんとか 5月には一旦終息するらしいが、この調子じゃ電気代も値上げだろう。これまで安全と引き換えに安い原子力を使ってきたツケだ。東電管内じゃ当面原発を稼働 するのは難しいだろう。

 先の事を考えると気が滅入るが悩んでばかりもいられない。頑張って震災前の状態を取り戻そう。人間何事も気力次第である。

 さて、あれよあれよという間に週末はRockDayだ。テスト盤を明日あたりから漁り始めないと。分散してるから探すのが大変だ。

 ここ一年くらい前から粗悪なテスト盤が大量に出回るようになった。さすがに何枚も掴まされたから最近は簡単にはひっかからない。情けなくひどいのは通常 盤のレーベルに上から白い紙を貼付けたやつだ。マトリクスを見るとマザーもスタンパー思いっきり進んでいて、どこがテストプレスやねん ってやつだ。当然 音質はありきたりでどうしうようもない。こんなのにひっかかった自分が情けない。本気でテスト盤を買うなら最低でもマトリクス、マザー、スタンパーの確認 は必須だ。さすがにDeccaのFactory Sampleを真似したやつには出くわしていない。これは無理だろうがいずれ出てきそうな気もする。それにしても凄い量のニセテストだ。どこかのシンジ ケートが大量に密造してるんじゃないかと思うくらいのニセテストだらけである。
こう いうのに混じってホンモノのテストが混じっているからタチが悪い。

 ホンモノのテスト盤の音は素晴らしい。オリジナル盤はもういらんってくらいの音がするからどうしようもない。これに対抗できるのはタイムマシンしかな い。というわけで3/26はテスト盤をかけまくる。
友人 のK氏もテスト盤を供出してくれることになった。よくもまぁこんなに集めたもんだ。全部持っていけないかもしれないけど こんなものをかけるのでお楽しみ に!


Affinity/Same
Audience Friend's Friend's Friend
Audience Lunch
Big Sleep/Same
Bell And Arc same
Centipede same
Camel Moonmadness
Camel Rain Dances XZAL-15296-2/XZAL-15297-2
Camel Breathless
Camel I Can See Your House From Here  -1/-1
Camel Live Record
Camel/Stationary traveller Mat 2/1
Caravan  If I Could Do It All Over Again I'd Do It All Over You
Caravan In The Land Of Grey and Pink
Caravan/For Girls Who Grow Plump in the Night
Caravan/Cunning Stunts
Caravan Blind Dog At St.Dunstans
Caravan Canabury Tales
Deep Purple Shades Of Deep Purple(mono)
Deep Purple Come Taste The Band
Duncan Browne SRKA6754 A-1U/B-1U
Druid Fluid Druid
Egg same A2/B1 (inc.Fall Of Spring)
Egg The Polite Force
Emerson Lake and Palmer same A-1U/B-1U
Emerson Lake and Palmer Trilogy A-1U/B-1U
Emerson Lake and Palmer Brain Salad Surgery  A1/B1
England/Garden Shed Ma 1/1
Enya Watermark

3/26 RockDayテストプレス特集ラインナップ
(全部持って行けるわけじゃないのでどうしようかな・)

Fairport Convention What We Did On Our Holidays
Fairport Convention Nine
Fantasy/Paint a Picture
Flash/Out of Our Hands
Forest same
Free Hearbreaker A-1U/B-1U
Greenslade same
Greenslade Bedside Manners Are Extra
Greenslade Time and Tide
Dave Greenslade Cactus Choir

Genesis Nursery Cryme (side 2 only)
Genesis Trick Of The Tail
Genesis Wind and Wuthering
Genesis Abacab(side 1 only)
Genesis Invisible Touch
Gentle Giant/Three Friends
Gentle Giant/Playing the fool
Gryphon/Rain Dances
Jethro Tull Thick As A Brick
Jethro Tull Benefit
Jethro Tull/Warchild Mat1/1
Kate Bush Never For Ever A-1/B-1

Kestrel/Same
The Beatles Let It Be PCS7096 YEX773-1/YEX774-1
The Pentangle Sweet Child
The Pentangle Solomon's Seal
Bert Janshe Moonshine
Rare Bird Same
Rare Bird As Your Mind Fries By
Pink Floyd Wish You Were Here A-1/B-1
Plainsong Amelia Earhart
Richard Wright/Wet Dream
Stackridge/The Man in the Bowler Hat
Stackridge/Do the Stanley
Sadistic Mika Band Hot Menu
Sadistic Mika Band Black Ship
Steve Hackett/Please Don't Touch 1/1
Steve Hackett Spectral Morinings A//3 B//1
Steve Hackett/Cured Mat 1/1
Steve Hackett Defector
Steve Howe/Beginning Mat 1/1
Strange Days/Parts to the Wind
Strawbs Bursting At The Seems
Strawbs same
Storyteller same
Tsutomu Yamashita Go Too
Renaissance Ashes Are Burining 2/2
Wishbone Ash Live Dates
Darryl Way's Wolf same
Yes/Same US WL PROMO
四人囃子 Golden Picnics

Italian pressing
Festa Mobile/Diario Di Viaggio Della WL PROMO IT RCA
Pierrot Lunare/Gudrun WL PROMO IT IT
Rustichelli Bordini/Opera Prima WL PROMO IT RCA
Sangiuliano/Take Off WL PROMO IT RCA
Auturo Stalteri/Andore Sulla Luna WL PROMO IT IT
Il Volo/Essere o non Essere WL PROMO Numero Uno


quadraphoniclogo.jpg
UDA100
tate2.jpg
qsd1.jpg

the planet CD4tubellarbellsUD4

genesiswb75bbc.jpgrenaissance75bbc.jpg
5/1(サラウンドの日)13:00〜18:00 Rock Day  at Studio K's
特集 4チャンネルレコード
+ウェイトレス嬢


4月 20日
 毎日ドキドキしながらテレビを見ていた原発事故は最近めっきり出番が少なくなった。本当に終息方向へ落ち着いているのならいいのだけど ちょっと心配 だ。にしても現場で作業にあたっている方々には感謝の気持ちでいっぱいだ。どうぞご無事でいてください。

 先日のテストプレス特集は楽しかった。古い音源はアナログに敵うものはない。腐ったテープから作った最新リマスターで我慢するのもうやめた。所詮勝負に なるわけがなかったのだ。でも、もう二度とあんなことはしませんからご安心を。(笑

 で、次回は恒例の4チャンネル特集だ。毎年4/29の「昭和の日」か5/1の「サラウンドの日」のどちらかで開催することになった。一昨年の最初の回に 冗談でやってみたら「こりゃあ面白い」ってんで、毎年この日には4チャンネルを聴こうということになった。
今回で3年目だ。

 35年前の4チャンネルは今の5.1に比べると、比べものにならないくらい沢山のレコードやテープが発売されていた。当時はもちろんデジタルはまだなく てアナログの技術で4チャンネルをやっていた。マトリクスのデコーダーは位相と音量変化を巧みに組み合わせたものでこんなものでも20dBのセパレーショ ンを実現している。CD-4は30kHzのサブキャリアを使って1本の溝から完全分離した4つの信号を取り出す。今の技術屋には100年かかっても作れな いだろう。

 自宅では当時の装置をレストアして今でも聴ける状態にしてある。
乾いて抜けてしまった電解コンデンサーは交換して、小型のコンデンサーはポリプロピレンに交換して入念に調整を施してある。そういうわけで、当時よりも良 いコンディションで4チャンネルが聴ける。今のサラウンドがお店でひどい状態でデモされているのと同じように、当時の4チャンネルのデモもろくでもなかっ た。当時はこけおどしのような印象しかなかったかもしれないが、4チャンの実力はそんなものではない。素晴らしいソフトは素晴らしい音で鳴る。ダメなもの は何をやってもダメだけど。(笑 

 実は今アメリカで
CD-4デモジュレーターの開発製造が進行中だ。今時物好きだねぇ  と思ったアナタは認識を改めよう。このプロジェクトに賛同して購入を申し込んだ人が300人以上いるのだ。あまりの人気にカートリッジ(もちろんシバタ針)の頒布も始まった。私もそのうちの一人だ。世界中には今で も4チャンネルを楽しんでいる人たちがたくさんいるのです。それは当時膨大な量のソフトが出ていて、良いものもたくさんある。これを聴かないのは勿体ない というわけだ。しかし、このデモジュレーターは今回には間に合わなかった。残念だ。次の2012年には聴ける かもしれない(笑

4/29 追記
今年の5月にSACDマルチでリリース予定の冨田勲/惑星のウルトラレアなCD-4のオリジナルLPが参戦する。


当日 は4chのレコードを数百枚 持っていきます。ロック、歌謡曲、クラシック、ジャズ、プログレ(笑 ジャンルも幅広いので飽きずに楽しめると思います。岩崎宏美、麻丘めぐみ、キャン ディーズ、小椋佳 、南沙織、欧陽菲菲、サンタナ、BS&T、シカゴ、エアロスミス、キャロル・キング、ジェフ・ベック・グループ、ピンク・フロイド、ムーディー・ブルー ス、BJH、ディープ・パープル、ミシェル・ポルナレフ、ワルター・カーロス、キース・ジャレット、バーンスタイン、クリーブランド/セル、Audio LAB、BBCのトランスクリプションディスクなどなど なんでもありです。

 マトリクスの再生には山水電気のQSD-1、Fosgate社のTATE II、CD−4にはVictor CD-4-10を使います。

4/30 追記
去年も来てくれた私のCD4の師匠が今年も参加してくれることになった。今年はなんとUD4のデコーダーが参戦する。UD4は日本コロムビア(現デノン /D&Mホールディングス)が1975年頃に発表した4チャンネル方式だ。ディスクリートとマトリクスの両方を兼ね備えるもので、 最後の最後に真打ち登場といった感じだった。しかし遅すぎたよ明智君。既に4チャンネルは下火になっていたのだ。 それでもUD4方式のレコードは何枚か発売されたがデコーダーは見たことがない。実は日本では発売されなかったのでは という噂もあるくらいだ。 師匠はなぜこんなものを持っているのか?マニアは怖い。というわけで今回登場するのは世界中探しても滅多にお目にかかれない貴重な個体だ。 そうなると、これまで聴けなかったマイク・オールドフィールドのチューブラーベルズのUD4盤(これもまたウルトラレア)が聴けるわけだ。 この盤は英ではSQ、米ではCD4でリリースされた。で日本では日本コロムビアがヴァージンと契約したのでUD4になった わけだ。盤は手に入れたものの、これまで再生したくてもできなかった。苦節35年ようやく音が聴けるわけだ。この盤を 純正UD4で聴ける日が来るとは。長生きはするものだ。

rockday0528
5月 11日
 なんか急に暑くなったりまた冷えたりで体がついていけない。まだ電力不足でもないのに暑さを我慢して冷房を入れないのもどうしたもんですかね。これじゃ 本当に夏が来たら体がもたないよ。

さて、今日のトップニュース。ピンク・フロイドの最新リマスターが9月に発売されるそうだ。前回のリマスターから何年ぶりだろう。しかし、もはやCDやア ナログ盤はどうでもいい。今回はハイレゾが出るかどうか それだけが関心事だ。このタイミングで出さなかったらどうする? いや、絶対出て来るはずだ。

 で、表題のRockday ついに来ました ハイレゾ特集。ちょうどQueenも出たし、そろそろThe Beatlesのハイレゾ元年から一年半が経ったところで現状のハイレゾ音源を総括して聴いてみようというわけだ。

 192k/24bitはデーターはでかいし、本当にご利益あるのかいな というのも聴き比べてもらいましょう。ストーンズは174と88どちらを買う べきなのか?どうせ上の方は入ってないという話もあるし、でもこればっかりは聴いてみないとわからない。まぁハイレゾを聴いたことのない人は大抵腰を抜か す。こりゃあ高いリマスターCDBOXセットなんか買って散財してる場合じゃないぞ と瞬時に理解するはずだ。

 ここのとこ相次いで刊行されたPC Audio FAN4 と Digi Fi に挙げられているハイレゾのオススメ音源を中心に聴いていただきましょう。

 USBDACは1万円以下から100万を超えるものまでどれも横並びのスペックだ。こんな無茶な ことが起きているのがPCオーディオの世界なのだ。で、 1万と100万のものがどれだけ音が違うというのか。実際に聴いてみると安くてもいい音のものもあるし、高くてもどうしようもないものもある。それらが玉 石混合で売られているからたまらない。

今回使用するフェーズテッ クのHD-7A192は34万だ。前回のThe Beatles USBの時に使用したHD-7Aの最新型だ。もちろんルビジウムクロックでドーピングする。日本におけるPCオーディオの先駆的存在である StudioK'sの再生装 置でハイレゾの真の実力を是非体験してほしい。

5/29
 ハイレゾRockDayに来てくださった皆さんありがとうございました。The Beatlesをはじめ、いろんなRockのハイレゾを聴いたが やはりQueenの音質は群を抜いていたように感じた。とくに初期の音源はあの Roy Thomas Baker がダビングで重ねて重ねまくった鮮度の失せた音がここまで甦るとは。素晴らしい。


 余興でルビジウムクロックを入れた音と入れない音を比較してみたりもした。大差ないねぇ これで70万は高いんじゃないの? という反応を期待していた のだが 意外や意外 皆さん こりゃえらく違いますね と仰る。これには驚いた。いい機材を持って行ってよかったな。
やはり音楽ファンは侮れない。また、StonesのサタニックがHD Tracksからリリースされていた。慌ててその場でダウンロード。しかし慌ててたせいでクーポンを入れ忘れた。あーもったいね。こちらをネタに88.2 と176.4を聴き比べてみた。元の素材には30k以上はほとんど無いというので違いが出るのか興味津々だったが、176.4の方がよりナチュラルな音質 だった。まいったなー また買い直すのか。これじゃリマスターの二の舞じゃないか。それより容量が倍ってのがなんとも下品でいやなんですけど(笑

 で、サタニックも出たし、ポールの1stが来月には手に入る。あとはフロイドか。今年もハイレゾリリースに目が離せなくなりそうだ。


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最終更新日: 2011年6月12日 23時35分