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Eggのセカンドアルバム The Polite Force をレコーディングする前、250ポンドのギャラに目がくらんで、Deccaにナイショで録音したものだ。メンバーは全員変名を使って偽装している。ギターにSteve Hillageを加えて、幻のURIELメンバーで録音されたものだ。後に英サイケデリックを代表する名盤と言われるようになった。発売枚数が極端に少ない上に永い間廃盤になっていて、聴きたいと思った時には粗悪なブートレグしかなかった。そのわりには各国盤のリリースがたくさんある。米Roulettを初め、スペイン、ドイツ、イタリアで正規発売されたようだ。粗悪なブートよりはまだ各国盤のほうがまだマシな音がする。そういう状況もあってか、1994年にEMI系列のDemon/Dropout Recordsから正規リイシューされた。これにはDave Stewartによる克明なライナーノートが添えられている。おそらく時効というか、版権の問題が何らかの解決に至ったのだろう。それからは2000年以降にイタリアのAKARMAやGetbackからも正規リイシューされている。CDは紙ジャケまで出た。今やこれらの盤がごろごろしていて、レア音源の影もない。内容は好みもあるだろうが、EggやUrielを抜きにしても、破天荒と理性が紙一重のバランスという、サイケデリックのニオイが充満している傑作だ。 |
![]() Evolution Z1003(second label) matrix Z 1003A1-◇ H A 1 KT/ Z 1003B1-◇ H C 1 KT ![]() Evolution Z1003(third label) ![]() Vogue/Germany issue LDVS17218 ![]() CBS/Italy issue S64347 |
最初に買ったのはEvolutionの渦巻きレーベルだった。Raw Materialはこのレーベルが初回のようだが、Arzachelは青い無地のレーベルが初回だ。その後入手した青レーベルが左のものだが、MCPS表記のあるレーベルも存在する。こちらの曲クレジットには版権者名が違う表記になっていて、どうもMCPSの方が初版のようだ。つまり、渦巻きレーベルはサードプレスということになる。マトリクスは青レーベルと全く同じものだ。ただし、渦巻きになると9時のAとCが薄くなって読めないくらいになっている。 元々の録音は全然HiFiではない。いかにも半日くらいで録音してしまった感じで、ほとんどスタジオライヴ一発録りという感じの音だ。オルガンのディストーションはどの系統で歪んでいるのかわからないくらいだが、これが逆に強烈なサイケっぽさを感じさせる。そのわりにはドラムの音はよく録れていると思う。各国盤では米Roulett盤が張りがあるいい音だ。スペイン盤は未聴。もちろん正規リイシュはちゃんとした音源からのもので、どれもまともな音だ。しかし、鮮度だけなら英Evolution盤がダントツに生々しい。これを聴いてしまうと再発盤はどれも鈍い音に聴こえてしまう。 ![]() ジャケットはDave Stewartによるフェルトペン画だそうだ。中央右上にギャラの250ポンドを示すという250が書いてある。左下にはジャスパーもいる。英盤とイタリア盤は背景が水色、米盤は赤だ。英盤とイタリア盤にはバンド名がなく、米盤と再発盤にはバンド名のロゴが入っている。ジャケ裏にはメンバーのプロフィールが書いてある。イタリア盤ではイタリア語に翻訳されていて、さっぱりわからない(笑 |