ちょっと昨日の(辛気くさい話の)補足を。
「やりたいこと」と「なすべきこと」が一致した人を、「天職を得た人」と呼ぶ、と書いたが、実はそれを本人がどう思っているかは、また別の話である。
プロ野球史上に名高い400勝投手の金田正一は、こんなことを言っている。
「ワシは子供を抱いたことがない。肩に負担がかかると思っていたからね。夏もクーラーは一切つけず、毛糸の肩当てをして眠った(引用者注:現在はアイシングをするが、当時は肩を冷やしてはいけないというのが常識だった)。選手生活の間に感激なんてものはなかったよ。それだけの自己コントロールが、今の人にあるかどうか」
(『Number PLUS 20世紀スポーツ最強伝説B プロ野球大いなる白球の軌跡。』’99年8月より)
引退して30年後のインタビューだから多少割り引いて聞く必要はあるだろうが、プロ野球選手という「好きなことを仕事にした人」の最右翼にして、この発言。
いかに好きなことであっても、それを仕事にし、しかも一流であろうとすれば、人並みならぬ努力を必要とする、という話。
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