マネー・ボール理論とは(暫定公開中です

マネー・ボールとは、2003年に出版された本の名前である(日本語版は2004年、ランダムハウス講談社)。著者はジャーナリストのマイケル・ルイス。

その内容は、オークランド・アスレチックスの経営と強さの秘密に迫るものだった。

選手の年俸高騰が著しいメジャーリーグにおいて、チームを強化するには莫大な投資が必要だ、というのが常識となって久しい。その結果、資金の豊富なチームは優秀な選手を買いあさり、球団間の実力差は資金力に比例して開く一方となり、ペナントレースの興味が薄れるまでになってしまった。

その中にあって、アスレチックスは異常なチームであった。選手の年俸総額はメジャー30球団のうちで常に下から数えた方が早い貧乏球団でありながら、毎年のようにプレーオフに駒を進めているのである。

それも、毎年のように優秀な選手がFAで移籍していくのに、だ。

その謎を追ううちに明らかになるのが、アスレチックスの旧来と全く異なる選手の評価法と野球理論である。

例えば、こんな具合だ。

・打率よりも長打率よりも、出塁率を重視する。

・打者の能力を評価するのに、打点には意味がない。

・選手の将来性には期待を抱かず、高校生は獲得しない。

・被安打は投手の責任ではない。

・勝ち星も防御率も投手の能力とは関係ない。


こうした独特の野球理論を総称して、マネー・ボール理論と呼んでいるのである。
以下に、その細部を紹介しよう。



1 出塁率

2 投手の評価

3 守備力の評価

4 ドラフト戦略

5 チーム戦略