食品添加物の現状

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2003.4 食の安全を考える会 野本

1.食品添加物の摂取量

食品添加物の国内での生産量から判断すると、平均的日本人は1日約11g、これを積み重ねると1年間で約4kg!の食品添加物を摂っています。
 日本で使用されている食品添加物の種類は、化学合成品351、化学合成品以外1051(既存添加物489を含む)で、合計1402種類もあります。ごく最近無認可添加物の使用が発覚したため、厚生労働省が業者に認可申請するよう促したため、新たに認可された添加物もあり、それらを含めると
約1500種類となりました。原則として使用したものすべてを表示することになっているのですがその実態は…

2.食品添加物の毒性

ア)遺伝毒性 遺伝的悪影響をもたらす恐れのあるもの。摂取した本人だけでなく、次の世代まで悪影響を引き継いでしまう毒性を言います。たとえば、女子を出産するとき、その子は既に次の世代用の卵子を全て持って生まれてきます。この卵子に何か異変があったとするとその次の世代まで影響があることになってしまうのです。
イ)変異原性 遺伝子が傷つけられ、突然変異を起こす性質突然変異を起こすと、奇形や発ガンの確率が高まります。奇形といっても、表面的には現れない、内臓が少し奇形していたために、機能不全を起こすなどの恐れがあります。
ウ)発ガン性 ガン細胞を発生させる恐れのある性質。発ガン物質は、たとえごく微量であっても、その量に見合った分の悪さをします。少量なら無害になるものとは性質が違います
エ)その他 発ガン促進性、アレルギー性、染色体異常、成長抑制、急性毒性など

TD=50 とは、50%が発ガンするための摂取量のことです。発色剤と肉や魚に含まれているアミノ酸が結合すると、ニトロソアミンという大変強い発ガン物質が生まれます。こういうものを複合毒性といいます。
3.食品添加物の問題点

表示免除になるものがある>


ア)加工助剤 加工の途中で補助的に使われるもの
たとえば、「ゆで麺」を作るときに、同じ湯を繰り返し使用したり大量の麺を一度に茹でると、泡が出てしまいます。これでは作業上効率が悪くなるので、シリコーンを湯に添加します。そうすると泡が出ず、効率よく製造できるのですが、この消泡剤として使用されたシリコーンはたとえ麺に残留する可能性があったとしても、麺自体には使用されていないので、表示が免除になります。
イ)キャリーオーバー その製品の加工以前に原材料に使われていたもの
たとえば、かまぼこを作るときに、かまぼこ屋さんがタラを仕入れてきてそれをすって、そこに、添加物としてのリン酸塩などを加えて、プリッと食感の良い透明感のある製品に仕上げた場合は、原材料表示には「タラ、リン酸塩・・・」と表示しなければいけません。しかし、多くの場合は、すり身業者から”タラすり身”を仕入れて製造しており、これには通常、リン酸塩やその他の添加物が使用されていますが、こういったものは、表示しなくて良い規定になっています。加工時に使用した調味料類に、添加物が入っていても、しょうゆ、マヨネーズなどと表示すれば良い事になりますね。ここはかなりザルな部分だと思います!
栄養強化 栄養強化の目的で使われるもの
同じ添加物であっても、使用目的によっては表示しなくて良いというもので、たとえば、毒性が認められている乳酸Caなどを、Ph調整の目的で使用すると表示義務があり、カルシウム類には変わりないのでカルシウム強化として使用すると、表示しなくて良くなるのです。そして、目的は使用するメーカーが決めるのです。
ばら売り ばら売りや量り売りをする場合
たとえば、大きな業務用のハムを食肉売り場で100gいくらで販売した場合、そこには表示しなくても良いというものです。もちろん、その大きな製品には表示はしてありますが、消費者が目にすることはありませんね。たとえば、冷凍のコロッケを大きなケース単位で仕入れて、揚げてひとついくらで売った場合ももちろん表示義務はありません。一旦パッケージ化すると表示義務が発生するのですが、2個入りや3個入りなどのパックでもばら売りするときの作業を前もってやっていたという事であれば、表示義務は発生しないということのようです。ばら売りしているパンなども当てはまりますね。ここもかなりザルと言わなければならないでしょう。もちろん、飲食店のメニューで添加物表示を見ることもありません。


<塩分のとりすぎ>
・添加物に多い、〜ナトリウム、〜Na、等は、たとえしょっぱくなくても、体内では塩分と同様の成分として働くのです。(特にアミノ酸は使用量が多いので、注意が必要ですね)

<まぎらわしい表示、わかりづらい表示>
・一括名表示で実際に使用されているものが何か分からない
・物質名のみの表示で、化学名が表示されていても、使用目的が分からない
・いろいろな表示方法が認められているので、判別がし難い
(添加物の表示を見ただけで、その使用目的や、どのような危険性のある物質かを判断できる消費者なんてごくわずかですし、そんな風にならなければいけないこと自体もおかしな事だと思いますよね)


<規制緩和>
・輸入促進のために、食品添加物、残留農薬、ポストハーベスト農薬等、さまざまな規制緩和が進行中である。(馬鈴薯の目止め剤は約千倍に!)
・世界のなかで一番基準の低い国に全ての国が合わせることを、「規制緩和」とか「貿易障壁の緩和」などと呼ぶようですね。おかしな事です。


<安全性の調査が不備である>
・複合毒性が調査されていない。

 一体どれだけの組み合わせがあるのでしょうか? 絶対に全てを調査する事は不可能です。でも明らかな複合毒性のあるものが判明しているという事は、やはり、不安だといわざるを得ませんね。

・成人男子を基準とした毒性調査しかされていない。
 いくら一日摂取許容量をひとつの物質について算出しても、実際には複合的に相乗的に摂取するわけですから、それだけで判断する事自体ナンセンスですが、子供や胎児についての体重比を考えると、考えさせられます。

・天然添加物についての毒性調査は、ほとんどされていない
 以前は天然系添加物は表示義務がありませんでした。これに表示義務ができたとき既存添加物という考え方で(つまりそれまで使われていたのだから大丈夫だろう)ほとんど調査されずに認可扱いになってしまったのです。大変ずさんですね。

・実際に問題があってから使用が規制されていく
 今までにもいくつもの添加物が使用禁止になってきています。しかし、よく考えるとそれらの添加物も、厚生省の言う安全基準を満たして認可された、食べても問題の無い添加物のなかまだったわけですよね? 今後はそういったものが無いと誰が言い切れるのでしょうか?



4.私達にすぐできることはなんでしょう?

1.添加物使用の食品をできるだけ買わないこと → 売れないものは無くなる
2.添加物を使用していない食品を買うこと → 売れるものは作り手が増える
3.安さにだまされない → 安いことには必ず恐い理由がある
4.できるだけ国内産のものを買う → 国内産ならば製造過程が見えやすい
5.現状をできるだけ多くの人に広めること → 1〜4をする人が増える