【内容見本でみる国書刊行会 第8回】


UFO、超常現象、ESP、心霊学、幽体離脱から失われた大陸まで、不思議大好き
《超科学シリーズ》 南山宏=監修。(1984- )

「人類は遂に月面に足跡を刻み、火星・土星の姿をも、その目にするにいたった。もはや科学技術の前に一切の神秘はその影をひそめたかに見える。
 だが、今、こうしている間にも世界のいたる地点で、科学を嘲笑うかのような超自然現象が続発しているのだ。
 一万メートルの深海に点々と記された謎の足跡・汎地球文明圏を証明する遺跡・突然、燃えあがる婦人・恐るべき心霊現象・幽体離脱・UFOより現われる蛾人間・驚異のESP能力……。
 〈世界魔法大全〉 で人間心理の暗黒面にスポットをあてた国書刊行会が、ここに現実世界の秩序の不確定をあばく!」
 (PR冊子 『星幽界通信』 no.1 に掲載された 「企画趣意書」 より)



空飛ぶ円盤、失われた大陸アトランティス、幽体離脱、天変地異説、心霊学など、超常現象研究ではおなじみのテーマの基本図書を紹介した叢書。
「推薦のことば」は、荒巻義雄、遠藤周作、つのだじろう、半村良、矢追純一の各氏。
「通俗合理主義や通俗科学主義で「ふしぎなもの」を嘲る時代遅れの連中たちは早くこの全集でも読み新時代の新しい流れについていってほしい」と述べているのは狐狸庵先生こと遠藤周作氏。UFO、ネッシーから超能力まで〈超科学〉番組を一手に手掛けたTVディレクターの矢追純一氏も「超常現象に関心がある者なら一度は目を通してみたい貴重な書ばかりが集められている」と推奨している。

1984年に刊行を開始したこのシリーズ、実はまだ完結していない。しかも、未刊2点のうち一つが、本シリーズの目玉、というか、これを出したいがためにシリーズが企画されたはずの超常現象収集の古典、チャールズ・フォート『呪われた者の書』というのがなんとも惜しい。


おまけ。

《真ク・リトル・リトル神話大系》 《世界魔法大全》 《超科学シリーズ》 などを企画したM井氏 (後の朝松健氏) が制作した不定期刊のPR小冊子。手元に5号まである (1983-1984)。第1号の特集は 「A・クロウリーの法の書刊行!!」。
ちなみに 「星幽界通信」 という如何にものタイトルは、系列会社で国書刊行会出版物の本文印刷を担当していた 「セイユウ写真印刷」 とかけたもの。

                                               

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