シリーズ最終話を劇場公開。あの原作を、あのアニメ化スタッフが劇場向けに作るのだから出来が悪かろうはずもない。
劇場に、スタッフの寄せ書きが飾ってあった。
目を惹いたのが、動画監督・佐藤加奈子が動画に書き込んでいたコメント。パンフレットに原画が多数収録されていて、原画マンの書き込みや注意事項が読めるのだが、動画監督の注意が世に出るのは割と珍しい気がして。

「観て下さる皆様へ こちら動画のギンコです こういう絵を何十枚何百枚と描いて動かしていきます」

「線の強弱<中割時>
太いところはずーっと太め
細いところもずーっと細く
統一して下さい」
下図は、下アゴから耳へとつながる線の描き方の注意。

これを「何十枚何百枚も」描くのだから、まさしく気の遠くなりそうな仕事である。
原画に比べると注目されにくい動画だが、完成画面に現れるのはあくまで動画であって、その仕事にはもっと敬意を払わねばいけないなあと。
ちなみに、原画にはトレス線を「優しく」「柔らかく」という注意がやたら多かった。
これら入魂の描線一本一本が、本作を支えている。
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