『ノワール』のブルーレイボックスを観ている。
実は昨年、大きな仕事が一段落したので、自分へのご褒美にプロジェクターを新調した。ビクターのDLA-X75R。ソニーからの買い換えなのだが、さすがは4Kプロジェクターで、違いが歴然としている。黒が沈む!白がまぶしい!赤がにじまない!と観るたびに感動が新たになる。
『ノワール』も、DVD時代と全然違う。オープニングでもう、色彩のあまりの美しさに目を奪われた。こんなにも複雑で豊かな色合いだったとは。
解説によると、この作品は35ミリフィルムで制作されてたんですな。私は決してフィルム原理主義者ではないのだが、「解像度も発色も、銀塩フィルムに優るデバイスは存在しない」という主張にはある程度の理があると認めざるを得ない。
以下、雑感。オープニングの原画に、『ガンダムUC』のメカ作画で有名な玄馬宣彦の名が。演出助手に、今をときめく川面真也。やっぱり真下耕一の門下だったのか。
1話は、ミレイユと霧香の会話だけで進行している。
3話「暗殺遊戯」で、女殺し屋がミレイユを頭上から狙うシーンがある。DVDではよく解らなかったのだが、ミレイユが殺し屋に気づくのは、霧香が撃ったサブマシンガンのマズルフラッシュで照らされたため。
もう一件。調べ物の都合で、劇場版『パトレイバー2』を観返した。これも、プロジェクター新調後は初めて。これまた、以前は見えなかったものが見える。特に、都内に展開した自衛隊を点描するシーン。

よく見ると、画面右奥にも、戦車と兵士がいる。

歩道橋の上を、通行人が歩いている(ちょうどバルカン砲の銃身の下あたり)。

街灯の上にオナガが留まっている。
極めつけがこれ。南雲隊長が決起の前夜、柘植に会いに行くシーン。

埠頭で車を止めて南雲隊長が車外を見ると、雪とは明らかに違う赤い光が点滅しながら上下動している(下図の白円内)。

これおそらく、タバコの火なのですね。ボートの上で南雲隊長を待っていた男は、南雲の姿を見てタバコを消す。一方の南雲はそれを見て、念のため拳銃を取り出したというわけ。
というわけで、フィルム制作の旧作アニメをブルーレイ化することには大いに意義がある(リマスターがまともなら)。
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