B級映画の帝王ことロジャー・コーマンの半生を描いたドキュメンタリー『コーマン帝国』を観てきた。
86歳の今も現役で、目下メキシコで最新作『ディノシャーク』を撮影中。温暖化で極地の氷のなかから古代の巨大サメが復活し、(なぜか)メキシコの海で客を襲う映画だって。
流行の3Dにも挑戦。タイトルは『Atack of the 50Ft Cheerleader』。タイトルから想像できるとおり、チアリーダーが巨大化する話。
そんな映画作ってるのに本人はフェリーニやベルイマンが好きで、多くの外国映画をアメリカに配給した。その中には黒澤明も含まれる。
パンフレットの、江戸木純製作のコーマン映画目録全460本が壮観。1954年から始まる作品リストにはいちいち寸評が入っていて、一つ一つ読んでいくと、95年の『エイリアン・ターミネーター』(原題も同じ)にたどり着く当たりで自分は何をやっているんだろうかという気分になれる。恐ろしいことに未収録作品がまだ100本近くあるのだそうだ。
そのパンフ収録のインタビューから、印象的だった部分。
-素晴らしい門下生が多いですが、新人発掘のコツをお聞かせください。また、どういうところに着眼点をおいているんでしょうか?
基本的に、3つ要素があります。
まず、1つ目は知性です。1、2本は成功できても、長いキャリアを作り上げていくためには、私が今まで出会った人のなかで、知的でない人は一人もいませんでした。
2つ目は体力、3つ目がクリエイティビティだそうで。実際ご本人は「イギリスの大学教授みたい」な風貌で、作品からは想像つかない穏和で知的な人物と、インタビューされている門下生たちが口をそろえるのだった。
なかでも、インタビューで思い出話をしているうちに感極まって涙ぐんでしまうジャック・ニコルソンが本作の白眉。
ところで、楽しみにしていた『氷菓』第1話。
武本康弘・賀東招二の実力派コンビだから安心して観ていられるが、なるほど、このエピソードを1話に持ってきたか。
やるねえ。タイトルの「氷菓」をクライマックスに、「遠まわりする雛」を最終回に持ってくるんじゃないかと予想。
それにしても。前の四半期もそうだったが、今期も面白いのは渡辺信一郎、中村健治、渡辺歩と定評あるベテランの作品ばっかり。大丈夫かアニメ界。
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