まさに刀折れ矢尽き、という感じでスワローズがCSファイナルステージで敗退し、ショックでこの一週間ほど寝込んでいた。
いやそれは冗談だが、風邪ひいてたのはホント。のどの痛み、セキ、発熱、頭痛、鼻水、腹下しとひととおりの症状が順番に出て、それ自体は珍しくないのだが、一回りしてまたのどに帰って来やがった。今年の風邪はしつこいようなので、皆様ご自愛下さい。
それはそうと、スワローズ優勝させてやりたかったなあ。投手力に劣る分CSでは不利だろうから、せめてリーグ優勝は、と。
CS全敗も覚悟していたのになまじタイまで持ち込んだから、落胆も大きかった。まあしかし、9月以降の故障者が延べ16人という惨状で、よくここまでやった。今は、来期へ向けてゆっくり休んで欲しい。
それにしても、恨み重なるドラゴンズ。もとより落合も中日も名古屋も天むすも大嫌いだが、また遺恨が増えた。かくなる上はホークスの力で正義の鉄槌を!と日本シリーズ観てたら、馬原で連敗するし。最低の気分だ。
さて本題。
標題は、WOWOWで観た1945年アメリカ映画。資産家の男性が殺され、その妻が警察で事情聴取を受ける。妻は尋問に答えながら、自身と娘との愛憎半ばする半生を思い返していく。主演のジョーン・クロフォードが熱演を見せオスカー受賞。真犯人は誰か、というミステリとしても面白いが、注目したいのは作中に現れる職業観。
夫と別居し2人の娘を抱えて生活に困った主人公は、ウェイトレスとして働き始める。そしてそのことを、思春期の娘にひた隠しにするのだ。このあたり、40年代アメリカ中産階級の、ブルーカラーへの蔑視や偏見が伺えて面白い。主人公の家では、黒人のメイドを使っている。これがキンキン声で少し頭の弱いという、何ともステレオタイプの描写。そういえば『風と共に去りぬ』にもこういう役いたなあ、ひとつの典型だなあと思ってたところ、もしかしたらと閃いた。
さっそくIMDbに当たってみたところ、やっぱり同一人物だった。
バタフライ・マックィーン(1911-1995)。残念ながら写真はなし。
もともとは舞台のダンサー。芸名の「バタフライ」は、『真夏の夜の夢』の「蝶のバレエ」を踊ったときの腕の動きからついた。
1939年、『The Women』で映画デビュー。同年『風と共に去りぬ』にプリシー役で出演。
この手のステレオタイプの役ばかり回ってくるのに嫌気がさし、映画からは早々に引退。もっとも、その後出演したテレビドラマではやっぱりメイド役だった。ブロードウェイで舞台に立っていないときは、タクシー会社のディスパッチャー、本物のメイド、デパートの販売員その他の副業で生計を立てていた。
この世代の黒人女性には珍しいのではないかと思うのだが、終生の無神論者で、「宗教からの自由を唱える協会 (the Freedom From Religion
Foundation)」の終身メンバーだった。
1975年、64歳でニューヨークシティ・カレッジで政治学の学位を取った。
69歳の時、グレイハウンドのバス停でスリと間違われ、警備員に突き飛ばされて肋骨を骨折。4年に及ぶ訴訟の末に60,000ドルの賠償金を勝ち取った武勇伝の持ち主。
95年、自宅で着衣に石油ストーブの火が燃え移り、火傷がもとで亡くなるという痛ましい最期を遂げる。享年84歳。
遺体は医学の発展のため検体に付された、とのことである。
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