久しぶりに時間ができたので、『化物語』を観直した。ちなみに時間ができたのは、4ヶ月がかりで観ていた『バトルスター・ギャラクティカ』が完結したのと、プロ野球シーズンが終わったからである。


ふと気になったのが、「するがモンキー」冒頭のこのシーン。カメラは、阿良々木君と真宵を追って右へ移動していく。それにつれて、背景の高架も形状が変化していくわけだが。問題は、矢印で示した影の方。こちらも形が変わっていく。
よっくよく考えたんだけど、カメラが移動したって、光源(太陽)の位置が変わらない以上、影の形が変わるはずがない(だよね?)。
もちろん実景と違うからダメだなどと言いたいわけではない。面白い効果を生んでいると思う。
『化物語』には、主人公たち以外の人物がまったく登場しないことはよく指摘される。その背景もまたデザイン優先、ポップでカラフルで、現実味を欠いた箱庭のような世界である。この影の形の変化も、上下がシンメトリーになることで、その「箱庭感」を強調している。
ついでに言うと、映画・アニメを含めた絵画表現とは、二次元上に三次元空間を表現しようと試行錯誤してきた歴史がある。この場合、本当に平面になっているものまで勢い余って立体的に表現してしまったと言えなくもない。
まあ実際は、高架のモデルを流用して影を作っただけかもしれないけど。
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