【パーシヴァル・ワイルドのミステリ】
悪党どものお楽しみ  探偵術教えます
【悪党どものお楽しみ】

パーシヴァル・ワイルド
巴妙子訳

国中を放浪した賭博師稼業から足を洗い、故郷の町で農夫として質実な生活を送っていたビル・パームリーが、無類のギャンブル好きでお調子者の友人トニーに担ぎ出されて、凄腕いかさま師たちと対決、その知識と経験をいかしてトリックを次々にあばいていく連作短篇集。みすぼらしい雑種犬を使っていかさま師の裏をかく「ポーカー・ドッグ」、思い通りの結果を出すルーレット盤の秘密をさぐる「赤と黒」、伝統あるクラブで毎夜行なわれる不自然なゲームの裏に隠された真実の物語「良心の問題」、ビルになりすまして有名な賭博師と対決するはめになったトニーの悪戦苦闘を描く爆笑篇「ビギナーズ・ラック」他、豊富なアイディアとユーモアに彩られた全8篇。文庫版ボーナストラックとして、ビルとトニーのもうひとつの活躍を描いた「堕天使の冒険」を新訳で追加収録した完全版。
エラリー・クイーンの名ミステリ短篇集リスト 《クイーンの定員》、『海外ミステリー マストリード100』 (杉江松恋、日経文芸文庫) に選出された名作。

国書刊行会版に 「堕天使の冒険」 (新訳) を追加収録。

◆ちくま文庫 2017年3月刊 900円(税別) [amazon]
◆解説=森英俊
◆装丁=藤田知子 装画=ヤギワタル


【収録作品】
シンボル/カードの出方/ポーカー・ドッグ/赤と黒/良心の問題/ビギナーズ・ラック/火の柱/アカニレの皮/エピローグ◇堕天使の冒険
パーシヴァル・ワイルド (1887-1953)
アメリカの劇作家・小説家。ニューヨーク生まれ。ヴォードヴィル用の一幕物で人気を博し、小劇場向けに書き下ろした100本以上の戯曲は全米の劇場で上演された。ミステリ長篇に 『ミステリ・ウィークエンド』 (38)、『検死審問』 (39)、『検死審問ふたたび』 (42) など、短篇集に 『悪党どものお楽しみ』 (29)、『探偵術教えます』 (47) がある。



【探偵術教えます】

パーシヴァル・ワイルド
巴妙子訳

田舎町のお屋敷付き運転手、P・モーランは通信教育の探偵講座を受講中。気分はすっかり名探偵で、覚えたての探偵術を試してみたくてたまらない。ところが尾行の練習相手が“たまたま”本物の犯罪者だったり、強盗事件に巻き込まれたり、なまかじりの知識をふりかざして乗り出した事件“捜査”がさらなる混乱をもたらしたりと、毎回なぜか大騒ぎに。シロウト探偵の活躍(と迷走)を描くユーモアミステリ連作集。新訳「P・モーランの観察術」を追加収録した完全版。

晶文社版に 「P・モーランの観察術」 (新訳) を追加収録。

◆ちくま文庫 2018年4月刊 840円(税別) [amazon]
◆解説=羽柴壮一
◆装丁=藤田知子 装画=ヤギワタル


【収録作品】
第一講 P・モーランの尾行術
第二講 P・モーランの推理
第三講 P・モーランと放火犯
第四講 P・モーランのホテル探偵
第五講 P・モーランと脅迫状
第六講 P・モーランと消えたダイヤモンド
第七講 P・モーラン、指紋の専門家
補 講 P・モーランの観察術