静寂性


し〜っ

 クルマの静寂性能は、大きく分けてふたつの要素に分けられると思います。
 まずはエンジンの「爆発音」をはじめとしたクルマ自身から出る音。最近の、特にトヨタ自動車などの国産車のエンジン音の静かさには驚かされますが、エンジンブロックそのものに静寂性を持たせたこととエンジンから発せられる音の周波数とは逆の周波数の音を「人工的」に出してやることにより「相殺」させているとも聞きます。
 ハイブリッド車の「プリウス」等は、停車中エンジンが止まっているので「静か」なのは当たり前ですが、そうでない車種でも、近くまで行って耳を澄まさないと聞こえない場合も。

セルシオの静寂性は「世界一」だとか

 イプシロンの場合は…。まぁ、一般的と言ったところでしょうか?
 勿論「このクラス(1,000cc)では」と言う事なのですが、例えば知人のヴィッツに乗ったときに、「静かだなぁ」と感じる事も、「むむっ、案外ウルサイな」と思う事も有りません。
 静寂性のもうひとつの要素は、その外部からの音を遮断する事ではないでしょうか?
 いわゆる「遮音」技術のことですがこの点も国産車(特にトヨタ自動車)は抜きに出ているように思います。
 先のエンジン音と併せ車内では殆ど騒音がしない為、ドライバがエンジンが止まっていると勘違いして始動中にもかかわらずセルを回してしまう(エンジンをかける)事も稀にあるそうです。

 「静か」なのは勿論いい事です。ただこの過剰とも言える「遮音性能」にはちょっと辟易させられてしまいます。
 う〜む、何と言えばよろしいでしょうか。説明が難しいのですが、例えば外部の音が聞こえない様にするために「耳栓」をさせられているように感じる、とでも言うのでしょうか?
 「スモークガラス」の頁でも書いていますが、車内は所詮「屋外」です。外にいれば色々な音が聞こえてきます。街の雑沓や風の音、鳥のさえずりや川のせせらぎが聞こえて来る事もあるかもしれません。
 「音を聞きたければ窓をあければイイ!」とおっしゃるかもしれませんが、こう言った「音」は意識して聞くものではありません。気が付いたら「聞こえていた」と言うものです。

小鳥のさえずり♪

 運転中にヘッドフォンで音楽などを聞く事は道路交通法上禁止されています。ヒトは視覚以外の「聴覚」でも「安全確認」を行っている事が最大の理由でしょう。過度の「遮音」は、これと同様に耳をふさいでいる事になるのではないでしょうか?


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