皆様お久しぶりです。気がつけば今年ももうすぐ終わりですね。
この2ヶ月ほどほんとに忙しくて、すっかりご無沙汰してしまったのだが、久々に今すぐ語らなければ、という作品に巡り会えた。
監督作に外れなしのあおきえい『オーバーテイク!』Rd.09「厄災の日」。
姿を消した孝哉を追って因縁の地、東北までやってきた悠。ようやく居所を突き止めて真意をただすが、孝哉ははぐらかそうとする。
このエピソードには、孝哉と悠が並んだカットが頻出する。
2人の人物の間に何らかの障害物を入れて断絶を表現するのは、映像言語の初歩である。私もなんかもっともらしいことを言うときによく指摘する。
だがこのエピソードの面白いのは、これ。
悠の姿が手前の障害物で隠れているという画が繰り返されるのである。特に最初の画は、座面に高低差がある点も注目。
おそらくは、悠を直視していない孝哉の心象風景だろう。
だが、まっすぐな悠の熱意に、孝哉は次第に過去の経験を語り出す。
すると悠の姿が画面に映るようになるが、
あまりに深い絶望と哀しみに、伸ばした手は届かず、
行く手は遮られる。
この赤信号は丁度Aパートの終わりである。
経過は省くが最終的に呪縛は破られ、絆はしっかりと結び直され、道は拓ける。
この計算され尽くした構成。いつもと異なるエンドクレジットと相まって、一本の映画を観たかという気にさせられる。見事だ。
監督本人の絵コンテかと思ったら、
脚本:関根アユミ、あおきえい
絵コンテ・演出:加藤誠!
自他共に認める一番弟子。『やがて君になる』という快作をものしたあと鳴かず飛ばずだったので心配していたのだ。
これが浮上のきっかけになるといいのだが。
震災つながりで、最近観た『岬のマヨイガ』。なんか時ならぬ迷い家ブームの一つに思えてスルーしていたのだが、川面真也監督作と聞いては観ないわけにいかない。決して悪くはないんだが、無理にスペクタクル展開にする必要なかったんじゃないかな。
カーレースつながりで、今期放送中の『MFゴースト』。しげの秀一作品てアニメも含めて初めて観た。
レース自体は面白いけれど、女の子の描き方がなんつうか、昭和のセンスというかおっさんくさいですね。
|