年末からこっち、日本映画専門チャンネルで古い映画ばかり観ている。
そのひとつ、『天国はどこだ』('56)。『連合艦隊』('81)で有名な(われわれ偏った映画ファン的には)松林宗恵監督作品。東京湾に面した貧民街で、理想家肌の医者、刑務所帰りのチンピラとその恋人らが、街を仕切る暴力団に抗うという話なのだが、予備知識ゼロで観てびっくり。
これだ。




作中で、医者は子供たちの非行を防ぐために野球チームを作ろうとする。そこで子供たちの興味を惹くため、大学時代に野球部の後輩だった金田と町田を呼び、プレーを披露するという展開になっている。
金田と言えば言わずと知れた400勝投手。撮影時は22歳頃か。1950年、16歳でプロ入りしているので1955年にはすでに6年目、62試合登板で37先発、34完投、29勝20敗、投球回400イニング、350奪三振という、現在の野球では考えられない人間離れした成績を残している。
一方の町田はスワローズの主力打者で、やはり55年には31本塁打で本塁打王になっている。
まさしくスワローズの投打の柱がそろって出演しているのである。ウィキペディアをはじめ、野球関係のブログ類でこの件を紹介しているものは見当たらないようだ。『天国はどこだ』そのものの解説には2人の出演について触れられているが、ウェブ上で読めるものは全部同じ解説の使い回し。
あまり有名な話ではないのか、誰も関心を持っていないのか。私としては驚愕の事実なのだが、一体どういう事情なり人脈なりで出演することになったのか、興味が尽きない。
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