○ 新作アニメを観ていると、ついつい「どこかで見たようなのばかり」と口走ってしまうものだが、しばし待たれよ。
最近どきっとした言葉。
(『蛇イチゴ』が寅さんに、『ゆれる』が『羅生門』に似ていると指摘されて)
‐しかしむすっと口元を歪めた私とは対照的に、指摘してくる人達はなぜだか皆一様に達成感に満ちた笑顔を浮かべていた。それもわからないではない。人は一見無関係な物事の類似点を発見すると、本能的なレベルで高揚する生き物なのだ。
西川美和「遠きにありて」『Number』第887号、2015年10月、9ページ。
日本映画界のホープ、西川美和監督のエッセイから。
似た作品を見つけた(と思った)だけのことで、何か意義あることをしたような気分になる。
我が身を振り返ってぞっとする。
○ スカパー!で『蒼き流星SPTレイズナー』を観ている。ちゃんと観るのは初めて。こんな描き込みの多い手描きロボットアニメを毎週放送していたなんて、80年代て凄い時代だ。
それはいいのだが、入れ替わり立ち替わり、頑迷な軍人やら利己的な政治家やらが出てきていっこうに話が進まないので、イライラする。
そこで思い出されるのは『アルドノア・ゼロ』。本作は頭いい人しか出てこないので、ストレスがなかった。典型的なのが1期のクライマックスで、デューカリオンがシベリア基地に到着したとき。
てっきりまたぞろ無理解な上層部の横槍とか入るんだろうと身構えていたら、そういうどうでもいいことは一切すっ飛ばして、即アセイラムの放送に移ったので感心した。
ストーリー展開のために不要な枝葉は、勇気を持って切る。この一事だけをもってしても、私は本作を支持する。
○ 7月期の作品では、『六花の勇者』が良かった。異世界ファンタジーならお手の物の高橋丈夫監督。舞台装置こそファンタジーの体裁だが、やってることは完全に謎解き。
『氷菓』『あの花』『Another』あたりから続く、ミステリアニメの系譜に連なる作品だと思う。タイトルをつい「りっか」と読んじゃうのが難点か。
ところで、最終回の絵コンテを川尻善昭が描いていたのはびっくり。マッドハウス以外で仕事するのは珍しい。元請けのパッショーネというスタジオは初めて聞いたのだが、マッドハウスと関係のある会社なんだろか。
○ 『アクエリオンロゴス』の製作委員会に、加賀電子という会社が入っているのが気になる。
パチスロの基盤を作っているのかと思ったら、音響制作らしい(こんなことも調べれば分かるのか!)。ホームページによると、最近アミューズメント事業、コンテンツ制作にも参入とのこと。
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