更新履歴と周辺雑記

更新履歴を兼ねて、日記付け。完結していない作品については、ここに書いていきます。

2014年5月27日(火)
最近のアニメなど
○ 『棺姫のチャイカ』
今期一番楽しく観ている作品。前評判はまったくと言っていいほどなかったが、密かに期待していた。なぜなら、監督が増井壮一だから。『スクラップド・プリンセス』の頃からのファンなのだ。なぜか監督としては極端に寡作で、間に監督しているのが『キルミンずぅ』というのではあまりに寂しい。
しかし今回は、原作も同じ榊一郎の手になるもので存分に腕をふるっている。作画はボンズだけに定評があるし、何より毎回アクションがよく考えられていて、敵味方ともプロの戦士らしく描写されているのが良い。

○ 『ピンポン THE ANIMATION』
傑作となるべく運命づけられて誕生する作品というものがまれに存在する。
例えばカサヰケンイチの『青い花』や、細田守『時をかける少女』がそうだが、間違いなく『ピンポン』もその一つである。湯浅政明に松本大洋原作をアニメ化させようと思いついた人は天才に違いない。
原作のエピソードをすべて拾いつつオリジナル展開を絡めていく手腕も見事なものだが、私が今思い出しているのは、実は曽利文彦監督の実写版('02)なのである。曽利がまともだったころの作品で、ほとんどそっくりさん大会の域に達した役者のチョイスに、原作への愛があふれていた。
今回のアニメ版も、松本キャラが動いたらきっとこうなるに違いないという描線で描かれているわけだが、それほどに原作の絵の力が大きいということであろう。原作の持つ力はときに束縛でもある。今後、どのように昇華されていくのか楽しみだ。

○ 『Spotted Flower』
あー、なるほど。話題になるわけだ。でもこれ、あくまで正編ではなくスピンオフととらえるべき作品だろうな。
面白かったのは、こういう出自の作品であるにもかかわらず、連載中にキャラの顔が変わっていくこと。すでに確立したキャラに年をとらせる作業は、作家にとっては新規デザインに等しいということか。ついでながら、木尾士目が老人キャラを描いているの初めて見た。

○ 『オールド・ボーイ』の絵コンテ
ヤフオクに出品されていたブツ。

http://page18.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/w66190748

調べてみたら、確かにアニメ化の企画はあったのだが、アニメ化権の二重許諾という問題が生じて流れた、ということらしい。
http://blogs.yahoo.co.jp/rimurer/40171668.html

西村純二監督だったとは。観てみたかったなあ。
それにしても「『オールド・ボーイ』なんて映画聞いたこともない」とは恐れ入る。カンヌでグランプリとってるのに。
無知は仕方がないけど、無知を恥じないのは恥ずかしい。

2014年5月20日(火)
『ガンダムUC』完結

「それでも」。

それが、『ガンダムUC』作品中で何度となく繰り返されるキーワードである。
世界の残酷さに絶望しても。
理不尽な悪意にさらされても。
悲しい記憶に押しつぶされそうになっても。

それでも、「なぜ」と問い続ける。
先人から託された想いを胸に、前へ進み続ける。
世界中でたった一人でも、NOならNOと言い続ける。
それだけが、世界をもっとよくする唯一の方法だから。



もはや正気の沙汰とも思えないモビルスーツ戦の凄まじさだけでもお腹いっぱいだが、正直言うと不満はないでもない。
私は原作未読だが、福井晴敏作品なので何となく想像のつく「ラプラスの箱」の正体とか(『Twelve Y.O.』とほぼ同じネタである)。
盛りだくさんな割に意外と平板なストーリー進行とか。これには理由がある。実はバナージのドラマは、とっくに終わってしまっているからだ。バナージがユニコーンガンダムに乗り事態に関わったのは、「オードリーに頼られたい」という動機だった。だから、episode5でオードリーに「頼みます」と言われたとき、願いは成就してしまっている。代わりに、この最終話でドラマ部分を担うことになったのがリディである。
マリーダにここまでの業を負わせてしまって本当に良いのか、という気もするのだが、これはまだ私自身気持ちの整理がついていないからかもしれない。

もう一つこの作品らしいのが、必ずしも因果応報という形で終わらないこと。どこか消化不良感が残るが、これはおそらく「人の善意を信じる」という作品のテーマに照らしてのことだろう。とりわけアルベルトの描き方に感心した。バナージの異母兄にして父殺しの罪を負ったキーパースンの一人。自我の肥大した小悪党として描くのは簡単だったと思うのだが、シリーズの進行に伴って陰影を加え、「愚かしくも決して憎みきれない人物」として描写することに成功した。これは、『ガンダムUC』という作品に奥行きを与えることに大いに貢献したと思う。

何にせよ、本作が成し遂げたことに比べれば小さな瑕疵である。
作中で、宇宙世紀の歴史として歴代ガンダムの戦いがインサートされるが、それらは初代『ガンダム』、『Zガンダム』、『ガンダムZZ』そして『逆襲のシャア』のものである。ニュータイプ論を切り離して自由になったスピンオフOVAや、全部リセットしたエセ続編とは志が違うのだ、という覚悟のほどが存分に伝わってきた。

『ガンダムUC』は新たにガンダムシリーズの正史を紡ぐという使命を見事に果たし、堂々の完結を迎えた。
それがすべてだ。

2014年5月13日(火)
宿題


鼻筋
表現の変遷について調べたとき、「完成画面の『ガッチャマン』と安彦氏の線画を比べるのは不当」という指摘を頂いたので、改めて『ガッチャマン』『ボルテスV』の設定資料を調べてきた。以降の判断は、皆様にお任せ。

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