例によってスカパー!で名高いこの番組を観た。本当にユーエフオーって発音するんだ。
有名な作品だけに評判は知っていたが、観るのはこれが初めて。メカデザインは本当にいいんだ。今見てもカッコいいし、何より現実に存在しそう。でもなあ・・・・・・。
今イチ乗れない原因のひとつは、ストレイカー司令官が作中で言われてるような有能な人物に見えないから。判断ミスってばかりだし。
先日、日本放送の最終話(本国とかなり放映順が入れ替わっているとのこと)を観た。
ストレイカーは、仕事にかまけたせいで別れた妻との間に、息子がいる。あるときその息子が交通事故に遭って重体となる。命を救うには、遠いニューヨークから薬品を取り寄せなくてはならない。
通常ならとうてい間に合わないが、ストレイカーはSHADOの高速輸送機を使って、その薬品をロンドンへ輸送しようとする。
・・・・・・って、おいちょっと待て。
それ明らかに公私混同、職権乱用だろ。SHADO指揮官としての権限は、宇宙人の侵略から地球を守るという、公共の利益に資するために与えられているものだ。広義には、死にかけた子どもの命を救うことも公益と言えなくはないが、それが自分の息子である場合やはり問題だろう。
案の定、そんな事情は知らない輸送機は、たまたま同時期に飛来したUFOの調査のために途中の空港に立ち寄り、結果として息子は息を引き取る。
ナレーション(つまり作中の神の声)は、自分の息子の命より任務を優先しなければならないSHADOの非情さよ、という文脈で締めくくるのだが、これはヘンだよ。
ストレイカーが、SHADOの他の職員に事情を説明していないのが、職権乱用の後ろめたさを物語る。つまりこの話は、公共のために与えられた権限を私利私欲のために使ったために報いを受ける、という応報譚として語られるべきなのだ。
もしかすると、日本語に翻訳するときその辺のニュアンスを変えたのかもしれない。
話は変わるが、『フラクタル』は面白いなあ。フラクタルというのは「巨視的に見ても微視的に見ても同じ形が現れる図形」のこと(タイトルバックの、横たわる女の子の姿がそう)だから、この先、視点の大移動を見せてくれるのではないかと期待している。
どこかで見たような、というのはそれこそどこかで見たような陳腐な批判。クリシェがいけないのではない。つまらないクリシェがいけないのだ。
『フラクタル』は見ていてわくわくする。
ズバリ言っちゃうけど、『宇宙ショー』なんかとは格の違いというものを感じる。
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