少し前回の続き。
「分かり切ったことをいちいち描写しない」という作法は、谷口悟朗作品にもしばしば見られる。
代表的なのが「プラネテス」15話「彼女の場合」のラスト。
それまで内心を見せることのなかったデブリ課の派遣社員・エーデルの過去が描かれるエピソード。初めてタナベに心を開いたエーデルが、これまで通りにさん付けで呼ぶタナベに向かって、「エーデルでいいよ」と答える。
それが下のカットだが、ここでブツッと切ってエンディングに入ってしまう。

凡庸な演出家だったら(あ、また言っちゃった)、もう一回タナベのアップに切り返してしまうはず。
谷口作品には、こういうクールなブツ切り感が横溢している。
脚本:大河内一楼
絵コンテ:杉島邦久
演出:北村真咲
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