庭球場の情事
南北漢字 作
----------- 5 敗者 ----------- 鮎川がコートを去ったあと、テニスのネットが手際よく片付けられた。 そして、コートの中央に半径5メートル程の虹色のシートが引かれる。 浅倉南は、虚ろな瞳でまだコート上にうずくまっていた。 先程まで主審と線審をしていた男が、南に寄り添い、両腕を持ってシート上まで導いていく。 南は、まだ頭がぼんやりとしていて、男達のなすがままであった。 南がシートの中央部に移動すると、シートを取り囲む形でパイプ椅子が並べられていく。 「コート上へお集まり下さい。」 マイク放送が告げられると、男達は我先にと観客席から蒼色のコートへ駆け降りていく。 パイプ椅子の背の部分にも番号が貼られており、男達は自分の番号札と確認しながら座っていく。 孝太郎の後にいた黒服が、どすの効いた声で言う。 「あんたも、下に行くんだろ。こんな場面には一生出会えないぜ。 ただし、さっきのようなことをしたらどうなるか分かってるだろうな…」 孝太郎は浅倉を救ってやりたいという心意気で参加したのに、これまで何も出来なかった自分を情けなく思う。 しかし、少しでもチャンスがある限り、逃げ出してはならないと思った。 最後まで見届けるのも義務だという気持ちでゆっくりコート上へ移動した。 最後に孝太郎が37番の椅子へ座ると、ハンドマイクを握った司会が進行を始める。 「今日の主役は、情智大学の浅倉南さんです。」 男達から大きな歓声が飛ぶ。 先程の黒服の男は、まだ孝太郎のすぐ後ろに立っている。 「まず初めに罰則の数を決めたいと思います。」 その言葉と同時に、直径1メートル位の円形の標的が虹色のシート上に運び込まれた。 その標的は、均等に5等分され1から5の番号が描かれている。 そして南に、マグネット式のダーツの矢が手渡された。 「これを、あの的を目掛けて投げて下さい。」 司会の輪田が南に言った。 「何ですか、これは?」 南の心に不安がよぎる。 輪田が微笑を称えて応える。 「これからのゲームの数を決めるものです。 ここまで来たんですよ。もう少しです。頑張ってください。」 南は、これまで敗者になったことがなかったので、これからどんなことが起こるのか分からなかった。 しかし、これまで以上の恥辱が待ち受けていることは容易に想像出来る。 「もう帰してください。お願いです…」 南は弱々しい声で哀願した。 「いいんですか、このまま帰って…。今までの苦労が水の泡になりますよ。」 拒否できないことを見透かしている輪田の声はあくまで優しい。 南は、結局断ることが出来なかった。 南が手に矢を持ち、狙いをつけると、線審が勢いよく標的を回転させる。 男達は固唾を飲んで見守っている。 浅倉に出来るだけ多くの恥辱を味わわせたい。 男達の想いはみな同じである。 浅倉の手から、標的に向かってダーツの矢が放たれた。 標的に当たった矢はカチッという音をたてて下に落ちた。 男達から「ふうっー」という大きな溜息が漏れる。 「すみません、もう一度お願いします。」 線審が申し訳なさそうに落ちた矢を拾い、南の所へ持って来る。 南は、再度、矢を標的に向かって投げた。 今度は、矢が何か意思を持ったかのように標的に吸い込まれた。 標的はその矢を乗せたまま回転している。 南は、矢の先を祈るような気持ちで眺めた。 男達の生唾を飲み込む音が聞こえる。 そして、標的がゆっくりとその動きを止めようとする時、ダーツの矢の先が「5」の番号を指していることを誰もが確信した。 輪田が冷たく宣言する。 「浅倉南さんには、5つの罰則を行っていただきます。」 男達から大歓声とともに大きな拍手が巻き起こる。 これから始まる淫靡な世界を心ゆくまで楽しむことが出来るのだ。 男達は加虐的な興奮を覚える。 しかし南にとっては、羞恥地獄の宣告に等しい言葉だった。 男達の視線が、新たな恥辱を期待しているかのように突き刺さってくるのを肌で感じた。 輪田が続ける。 「まず、1番目は身体測定です。 そして、これからの罰則は皆さんにも参加していただく企画となっています。 番号を呼ばれた方は手を上げて前に出て来てください。 それでは発表します。 このゲームに参加できる幸運な人は、14番の番号札の方です。」 1人の男が14番の番号札を誇らしげに翳して立ち上がった。 輪田が浅倉の耳元でつぶやく。 「これからの罰則は全て浅倉さんの意思でやっていただくものです。 拒否するのであれば、すぐお帰りいただいて結構です。 ただし、あそこで映しているビデオも含めて世間に公表させてもらいますが…」 南が輪田の指さす方向に眼をやると、観客席で黒服の男がビデオカメラを構えてこちらを狙っている。 盗撮されていた。 南は、新たな衝撃に躰が震えた。 今までテニスに熱中していて、そして出来るだけ観客のほうを見ないようにしていたため初めて気付いた。 「ストリップをしている浅倉さんの映像が裏ルートから流れると、世間の男達も喜ぶでしょうね。」 輪田は口許に笑みを浮かべながら言った。 「ううっ、卑怯です…」 浅倉の頬を一筋の涙が伝う。 輪田の声はあくまで優しい。 「このイベントを成功させるため、こちら側もしかたなく行っているのです。 気を悪くなさらないでください。浅倉さんが協力してくれれば、今撮ったビデオもすぐお返しします。 もう少し、頑張っていただきたいのですが…」 承諾するしか選択の道がない事を見越した依願である。 「わ、分かりました…」 南は口惜しさを必死に堪えて言葉を絞り出した。 このビデオが広まれば、世間から好奇の眼で見られるに違いない。 特に、達也にだけは絶対に知られたくなかった。 輪田は浅倉が観念したことを確認すると、14番の札を持った男に、黒布に白い目盛りが刻まれた巻き尺を渡した。 「それでは、身体測定の前に、身長と体重を聞いておきましょう。」 輪田はマイクを握り、これからの罰則に自信を深めたように司会を進める。 南は、卑猥なゲームに協力せざるを得なかった。 「身長は、161センチで、体重は45キロです。」 高校時代に新体操をしていたが、他の選手のようにダイエット等をしなくても、人も羨むほどの素晴らしいプロポーションを保てた。 大学に入って新体操から離れても、食生活に気を使なくても体重が増えることはない。 体型も、高校時代からそう変わっていない。 輪田が進行する。 「素晴らしいですね。ややスレンダーで理想の体型といえるでしょう。 それでは、その中身はどうなのでしょうか。浅倉さんの事を更に詳しく調べたいと思います。 まずバストの計測から始めます。浅倉さん、上着を持ち上げてください。」 巻き尺を持った男の黒いマスク奥から、緩んだ口許が見える。 これから、憧れの浅倉の桃乳を目の当たりに出来るのかと思うと興奮が納まらないのであろう。 浅倉は今にも泣き出しそうだ。 澄みきった黒眼に涙を湛えている。 既に襟元のボタンは外れ胸の谷間を覗かれているとはいえ、見も知らぬ男達の前で自ら乳房を晒す勇気が出ない。 大人になってからは、達也以外の異性の眼に触れさせたことはない。 濡れた上着越しに乳房を視姦されてはいたが、直にその全てを晒すのは比べ物にならないほどの恥辱であった ウェアの裾に掛けた手が震えて動かない。 「どうしました、浅倉さん…」 輪田が催促する。 男達の眼が嗜虐の期待に輝く。 南は、命令に従う外はなかった。 観念したように唇を噛み締め、ウェアに掛けた手をゆっくり持ち上げていく。 乳白色の肌が露わになる。 双乳の下部のふくらみが見える所で、一度躊躇したが、目をつむり震える手で胸全体を露わにした。 まだ硬そうな清純なふくらみが羞恥に喘ぐようにこぼれ出る。 「おぉっ…」 その瞬間、待ち焦がれた興奮の光景に、堪らず男たちから声が漏れる。 あまりの恥ずかしさに南は意識が遠くなりそうだった。 男たちの欲望を含んだ熱い視線が、浅倉の胸に釘付けになる。 触れるのがはばかれるほどの初々しさだ。 上着から透けてある程度想像は出来たが、見事なまでの円錐形の乳房である。 若く瑞々しい乳房は型崩れすることなく、やや上向きでその存在を示している。 最近、女性達の間では矯正ブラなるものが流行っているが、浅倉には全く不必要であろう。 そして、裾野を縁取るやや小さめの乳輪の先に、淡いピンク色の乳首が怯えたように潜んでいる。 巻き尺を持った男は、そのあまりの美しさに見惚れている。 輪田も、処女を含めて多くの女子大生の乳房を見てきたが、こんな瑞々しい乳房を見たのは初めてである。 山型の優美な曲線をしっかりと保ち、円錐形でやや上向きの乳房である。 そしてその頂点にそっと咲いている淡い乳首の色彩が、清純さをいやというほど醸し出している。 南は自分の乳房が、男達の淫欲の餌食になっているのを眼を閉じていてもはっきりと感じた。 「それでは計測してもらいます。」 輪田はやや上ずった声で男を男を促した。 男の巻き尺が浅倉の胸を囲っていく。 黒い巻き尺が胸に巻き付く様は、まるで蛇が胸を這っているようで得も知れぬ雰囲気が漂う。 「あっ…」 南が声をあげ、躰が引き気味になった。 計測するふりをしながら、男の指先が胸の隆起へ触れたのだ。 こんな最高の乳房が目の前に差し出されているのだから当然のことだろう。 南は持ち上げた上着で顔を隠して、恥辱に耐えている。 男は、巻き尺を固定すると大きな声で報告した。 「83センチです。」 南はその声を聞くと、あわてたようにウェアを元に戻した。 既にその顔は恥ずかしさで真っ赤になっている。 「次はウエストを測りましょう。」 輪田に促され、浅倉はスコートのホックを外すと、スコートを少し下へ降ろす。 絞り込まれたウェストのまわりには余分な肉はついていない。 男の巻き尺が素早く腰のまわりを囲った。 男が、大きな声で応える。 「57センチです。」 次はいよいよヒップである。 スコートを元に戻した南は、さすがに踏ん切りが付かない。 スコートの裾に手をかけてはいるが、なかなか上へ持ち上げることが出来ない。 これを捲ってしまえば、卑猥な眼で見つめる男達に女性の一番恥ずかしい部分を晒すことになる。 小学生の高学年になってからは、父とも別々に入浴していたため達也にしか見せたことがない。 それを見も知らぬ男達の前に晒さなくてはならない。 「浅倉さんどうしましたか?」 輪田に促され、ようやく諦めたようにゆっくりと裾を持ち上げていく。 閉じ併せた太腿が切ない。 眼に染みるようなまばゆい白さの臀丘が露出した。 太腿の付け根まで露出してしまったところで、南の手が止まった。 「もう少し持ち上げないと計れませんよ。」 輪田の声が催促する。 しかし指先は震え、躰が思うように動かない。 目の前では、巻き尺を持った男が興奮を隠さず自分の躰を凝視している。 初対面の男に見つめられながら、自分で恥部を晒すことなど、そう簡単にできるものではなかった。 「ここまで我慢したんだから。たっちゃんのためよ…」 南は、自分を叱咤した。 暫く躊躇した後、南は唇を噛み締めると、再びスコートを掴んだ手を持ち上げていく。 やっとの思いで捲り上げると、ぴっちり合された太腿の付け根に淡く慎ましい翳りが露わになった。 魅惑の花園が、ついに男達の前に晒された。 男達は、視線を一斉に太腿の奥へ向ける。 生唾を飲み込む音が聞こえる。 柔らかそうな恥毛が、桜色の割れ目を恥ずかしげに覆い隠している。 その恥毛は縮れ毛が殆どなく、ゆるやかなウェーブを描いていた。 雪白の太腿とのコントラストが眼を打つ。 浅倉の楚々とした顔が歪み、華奢な肩が屈辱に震えている。 無念さに端正な顔を歪めている表情が、男達にとっては堪えられない。 14番の男は、その場へしゃがみこみ遠慮なくまじまじと見つめる。 可憐に芽生えた少女の繊毛を覗き込む 太腿の間に、淡い翳りに飾られたピンクの合わせ目がぼんやりと見える。 南は、がくがくと自分の膝が震え出すのが分かった。 「早く測ってください。」 顔を背けて訴える。 早くこの状況から逃れたかった。 男は、やっと引き締まった小さめのヒップに巻き尺を廻し、その数字を報告した。 「ヒップは84センチです。」 南は、男の声が聞こえ終わるや否やすぐスコートを元に戻した。 ----------- 6 接客 ----------- 恥辱の身体測定が終わると、コート上にソファーとテーブルが運び込まれた。 硝子面のテーブル上には、ビールとお洒落なグラスが並べられた。 南は、黒いスーツの男達によって皮製のソファーへと導かれる。 不安気な面持ちで、両脚をぴったり閉じ合わせて座っている。 スコートに中途半端に隠れた太腿は、男たちの興味をかえって強く刺激する。 両手を膝の上に乗せて、スコートの裾を気にしているのがなんともいじらしい。 輪田が司会を再開する。 「皆さんお楽しみ頂けましたでしょうか。 まだまだ、浅倉さんには頑張ってもらいましょう。 2番目の罰則では、男性と仲良くお酒を飲んでもらいます。 そのお相手をして頂くのは、23番の方です。」 23番の番号札を持った男が、そさくさとシート上へ進み出る。 浅倉の横に遠慮がちに並んで腰を落とした男に脚本が手渡された。 「浅倉さんと貴方には、このシナリオに従って楽しんで頂きます。」 南がその脚本に眼をやると、「女」「男」と記された下に台詞(セリフ)が書かれていた。 「それでは、浅倉さんからどうぞ。」 輪田が浅倉を促す。 南は、仕方なく「女」の台詞を読み上げる。 「浅倉南です。よろしくお願いします。 指名していただいて有り難うございます。今日は楽しんでいって下さいね。」 男もやや上ずった声で応じる。 「いやぁ、今日は暑くて疲れたよ。でも、君の顔を見たら疲れも吹っ飛ぶよ。」 「嬉しいわ。それじゃ、おビールをどうぞ。」 緊張で南の声が震えている。 見知らぬ男の横に座って、媚を売るようにお酌をしなくてはならない。 「どうぞ。お注ぎします。」 南はそう言うと、ビール瓶に手を添えて男のグラスに丁寧に注いでいく。 男の口元がほころんだ。 胸ときめく瞬間である。 高校時代から憧れを抱いていた女性が隣で手酌をしてくれているのだ。 眼を伏せている浅倉の美貌を覗きこみ、嬉びを噛みしめる。 ごく薄い化粧で、じつに端整な顔立ちだ。 清楚で慎ましやかなテニスウェアが一層花を添え、清純さを醸し出す。 そして濡れたウェアから透けている双乳が、なんともいえぬ色気を漂わせている。 ウェアから伸びる引き締まった太腿は、血管をも透かせるように白い。 男はぐいっと一気に飲み干す。 「お強いのね。私、そういう男性大好きよ。もう一杯どうぞ。」 南は、歯の浮くような台詞を読み上げていく。 南が次の一杯をグラスに注ぎ込むと男が言った。 「君も一杯どうだい。」 「それじゃ、お言葉に甘えて私も一杯いただこうかしら。」 とぎこちなく言うと、黒服の男が透明な薄紫色のカクテルを南の前にあるカクテルグラスへ注いでいく。 「かんぱーい!!」 仕方なく、そっとグラスに唇をあてて飲むと、桜桃の心地よい甘さが口中に拡がった。 想像していたよりも遥かに甘くて口当たりは良いが、アルコール度はかなり高そうである。 南は少し飲んだところで唇をグラスから離した。 すかさず男の声が催促する。 「ぐっといきましょう。乾杯、乾杯…」 南はアルコールはほとんど嗜まない。 時々、女友達と飲みに行くことはあるが、いつもビールをグラスに2、3杯飲むだけである。 男に促されるままカクテルグラスを口元へ傾ける。 そして、男に急き立てられ、再度唇をグラスに添え喉に流し込む。 辛そうに飲むその様子を、男達は舌舐めずりして見つめる。 たちまち色白の美貌が紅く染まり、目もとがほんのりと紅く染まってくる。 見惚れてしまうほどの可憐さである。 黒目がちの澄んだ瞳、上品な首すじ、可憐なピンクの唇、まだ稚なさを残している清楚な顔だち…。 そして優雅な肢体を包むものは、テニスウェアだけなのである。 しかも、テニスウェアの下には下着を付けていないのだ。 膝上30センチのスコートがずり上がり、乳白色に輝く太腿が男の欲望をそそる。 男は抑えられなくなって、左手を遠慮がちに浅倉の肩に廻した。 「うっ…」 浅倉が一瞬小さく声をあげ、ぴくっと反応して躰を硬くするのが分かる。 小刻みに震えている華奢な肩を引き寄せるが、それを拒む強い意思はない。 男は、肩に廻した手を南の背中を這わし、柔らかく撫でていく。 甘美な髪の匂いを嗅ぎながら、軽くウェーブのかかった黒髪を撫で上げる。 南の躰から力が抜け、抱き寄せられるままに男の躰に寄り添うようになる。 少しずつ男の手に力が込められ抱擁が強くなる。 何度かの乾杯を重ね、ようやく4分の3程グラスを空けた時、輪田が台詞の部分を指で示す。 その台詞に南はどきっとした。 少し涙を湛えた眼が、輪田に救いを求める。 「続けてください。」 輪田は耳元で小さく言い放った。 せっかくここまで歯を食いしばって耐えてきたのだから、あと少しだけ辛抱すればいいのだ。 そう言い聞かせながら、虫酸が走る想いで次の台詞を口にした。 「はしたないけど少しお願いしてもいいかしら。口移しで飲ましていただけません。」 死ぬほど恥ずかしい台詞を言わされ、浅倉の頬は火を噴きそうな程真っ赤になっている。 その羞恥の表情がたまらない。 男の心臓は張り裂けんばかりである。 高校時代から憧れてきた女性とついに接吻ができる。 これまで、彼女の写真を眺めながら何度自慰をしたことだろうか…。 細い顎に手を掛けて顔を起こした。 カクテルの残りを口に含むと、浅倉に唇を寄せていく。 覚悟を決めたのだろう。 南は大きな抵抗はしなかった。 観念したように瞳を閉じ、顔を男に向ける。 男の唇が、南の慎ましやかな唇に重ねられた。 南は、見知らぬ男に唇を奪われ、躰を硬直させ顔を歪ませる。 男はそんな初々しい反応を楽しみながら、ウェストに廻した腕でしっかりと躰を引き寄せる。 そして、堅く結ばれている南の唇を舌の先で押し開いて、カクテルを送り込んだ。 「ううっ、うぐぅぅ…」 カクテルが、男の唾液と混じり南の口の中に注がれる。 南は眉を八の字にして、その甘いカクテルを喉に流し込んでいった。 輪田は、満足そうにその様子を眺めていた。 このカクテルには、即効性の強力な媚薬が含まれているのだ。 米国から直輸入したもので、現在、最も効き目が強いといわれている。 しかも、無色、無臭で飲んでも違和感は全くない。 常用すれば副作用があるらしいが、1回限りでは問題もないだろう。 これまでの経験からどんなに堅い処女でも30分も経てば、自分からねだってくる程強力な媚薬である。 女性達は娼婦のように快楽にのたうってきた。 この清純な天使がこれからどのような声で喘ぎ、悶え泣くのかと思うと期待で情欲が高まる。 このイベントで輪田達は、総額5千万円を超える金を手にした。 これからの為にも、是非成功させなければならない。 今日のテニスでは鮎川に少し手加減するように含ませてあった。 ただ、実際に試合を見ると、本当に手抜きしたかどうかは怪しいが…。 勿論、主審と線審にも会員達をハラハラさせながらも、最後には浅倉が敗れるように指示してあった。 輪田の陰謀である。 ダーツの標的にも仕掛けがしてある。 4と5の番号の所だけ磁石が貼ってあり、1から3の番号に当たっても付着しない仕組みになっている。 これからたっぷり時間をかけて、浅倉をじわじわと恥辱の底に落としていく…。 それは最高のショーになるだろう。 そんな策略があるとは知らず、浅倉は恋人のために自分を投げ出している。 なんと健気なことだろう。 しかし、心では押えきれない快感に蝕まれながら、やがては堕ちていく…。 そんな事を考えると、輪田の胸はいよいよ高鳴るのだった。 このイベントが終われば自分の愛人にしたい。 そんなことまでも考えてしまう。 南がカクテルを全て飲み干した後も、男は暫く南の唇を離さなかった。 舌を南の口の中に差し込み、唇の裏の柔らかい感触をしばらく楽しんだ。 ようやく男が唇を離すと、目元から頬の辺りにかけて、艶かしく朱色に染まっているのが分かる。 「ああっ…」 やっと口が離された時、南は甘ったるい溜息をついた。 細く繊細な指を火照った頬へ押し当て、そのまま豊かな黒髪を気だるそうな仕種で後ろへ撫で上げた。 こんな酔い方は初めてだ。 酒の酔いとは明らかに異なる。 先程から何か熱いものが、穏やかに南の躰を蝕んできている。 躰の芯が熱く火照るような感覚が生まれ始めてきたのだ。 「どうなってるの、わたしの躰…。」 南は、甘く蕩けるような感覚に戸惑いを覚えた。 少し羞恥心が薄らいでいく。 南は次の台詞を示された。 「ああっ、でも…」 南は言い澱んだ。 偽りの愛の告白をしなければならないのだ。 輪田に促され、両眼を伏せながらついにその台詞を口にした。 「わたし、貴方が大好きになっちゃった。お願い、キスして…」 媚びるような声で言うと、甘えて男に身をしなだれかけた。 勿論、南の意思ではない。 脚本どおりに演じているだけだが、男はそれを分かっていても嬉しさが込み上げてくる。 目元を朱に染めた姿が、男の欲望を刺激する。 男は背後から腕を回し、南の肩を抱き寄せる。 そして南の端整な顔立ちを眼に焼き付けながら、唇を重ねていく。 南は一瞬眼を見開いたが、素直に唇を預けていった。 しばらくは動かずに唇を合わせていたが、息苦しさもあって、南が唇を開いた。 男は、それを見逃さずに直ぐさま舌を差し入れた。 男の舌が唇を割り侵入してくる。 「ううっ…」 南は鼻の奥で哭き声をあげた。 男は、逃げ惑う舌先をとらえると、甘く絡め取る。 そして、ぴったりと重ね合わせ、撫でるようにからませてくる。 舌の感触はとろけるような柔らかさである。 そして、舌の表も裏も柔らかく巧みに愛撫してくる。 「ああっ私、たっちゃんを裏切っているんだわ。恋人でもない男にキスを許しているなんて…たっちゃん、ごめんなさい…。」 男はさらに舌を差し込み、口内の全てを味わおうとする。 唾液が互いの口内で混じり合い、眩暈がしてきた。 男が唾液を送り込んできた。 観念した南は悲しげに長い睫毛を閉じ合わせると、それを嚥下するのだった。 のけ反らせた白く細い喉が、何度も苦しげに上下する。 南のなかで理性の芯が溶け出してきた。 やるせなく躰をくねらせる。 拒む気持ちと裏腹に、濡れた舌を差し出す。 男は、嬉しげにそれを受け止め、一層激しく舌を絡めた。 「ううん…」 されるがままだった南が、今度は自分からも柔らかい舌を男の舌に絡み付かせた。 恋人を裏切り、見知らぬ男と背徳感たっぷりの大人のキスに溺れていく。 達也の親友の孝太郎が、その一部始終を見ているとも知らずに… 男の手が胸をまさぐってきた。 テニスウェアの上着越しに達也以外に触れさせたことのない乳房の隆起が掴まれた。 「あっ、いや…」 南は唇を重ねられたまま唸った。 しかし、男は南が大きな抵抗をしないのを確認すると、まだ固さの残る膨らみをねちねちと揉みしだいていく。 南は、隆起全体を微妙な触感で愛撫され続けられていた。 同じ愛撫でも達也が行えば甘い雰囲気に浸れるのに、望まない愛撫に始めは躰が拒否を示す。 それでも、揉みほぐされるうちに、徐々に甘美感が躰を襲ってくるのが分かる。 清楚な美貌が霞がかかったように潤んでくる。 理性がしだいに遠のいていき、揉まれるたびに拡がってくる快感を防ぐことが出来ない。 男達は、恋人同士のように甘いキスを繰り返す二人を羨望の眼差しで眺めている。 浅倉の躰を欲望の思いのままにする。 それは、浅倉に出会った男達の誰もが夢見たに違いない願望だった。 それが、今、眼前で披露されようとしているのだから、興奮するなと言う方が無理だった。 男達は、何度も空想した夢の光景に見入った。 南は、乳房をこってり揉みしだかれては身をくねらせている。 信じられないことが自分の躰に起こっていた。 肌がねっとりと火照り、躰の芯が甘く疼きだしている。 「ああっ、もう許して…」 こんな淫らな興奮を覚えるなど考えられないことだった。 それは清純な南の心を激しく戸惑わせる。 南の肩がピクッと震えた。 男の手がいよいよテニスウェアの下から手を入れ、柔肉の隆起をやさしく掴んできたのだ。 「ううっ、ううん…。」 拒もうとしても、口を塞がれ言葉に出来ない。 男は、肌のぬくもりを感じながら、手にくるんだしこりを揉みほぐしてくる。 きめ細かい肌は、指に吸いつくように馴染んで、至高の感触であった。 指を押し戻すような弾力性があった。 南は、執拗な愛撫に頬を火照らせ、肩を喘がせる。 澄んだ黒目がしだいにとろんとしてくる。 執拗な愛撫を受けているうちに、乳首が南の意思とは関係無しに痼りはじめた。 「ああっ、いや……」 南の鼻先から甘い吐息が漏れ始めるを、男は勝ち誇った気分で聞いていた。 乳房全体をこってりと揉みにじった後、男は、乳輪の中に埋まっている乳頭を指腹で触れて繊細にくすぐってきた。 可憐な乳首を人差し指で押し潰すようにして柔肌に埋め込ませるように愛撫する。 中指と人差し指の股の部分で、充血した乳首を刺激する。 尖った小さい乳首を優しく摘んで転がし始める。 南は、躰をぴくぴくと反応させて可愛い喘ぎ声をあげた。 「ああっ、いやんっ…」 尖った乳首を指先で擦られる度に、くねくねと情熱的に舌を絡めてくる。 やや頼りなかった乳輪も繊細な愛撫によって充血し、いくぶん厚みを増していた。 見知らぬ男に辱められる南の清純な顔が妖艶に火照っている。 それを確認した男は、ここが絶好の好機とばかりに細かく震える白い太腿に指先を伸ばした。 むっちりとした太腿へ手を這わせ、手のひらに吸いつきそうな太腿の感触を堪能する。 官能の渦に飲み込まれつつある南は、太腿を閉じ合わせたまま腰を切なげにうねらせている。 敏感な太腿の内側を細やかに撫で回され、形の良い脚がビクビクと反応する。 男の手が、スコートから覗く太腿の内側を丁寧に撫で上げ、次第に奥へと這い進んでいく。 そして、白い太腿に沿って男の指が、スコートの内側へ静かに侵入していった。 「やめてください…。」 南はスコートの裾を必死で押さえながら、つぶらな瞳で哀願する。 しかし、スコートから男の手が抜かれる事は無く、太腿の柔らかい感触を享受するように這い廻る。 既にスコートはほとんど捲れ上がり、すらりと伸びた白い太腿の全容が露わになっている。 太腿の付け根を飾る淡い翳りさえ、男達の卑猥な眼に晒し始めている。 男は太腿の軽い締め付け楽しみながら、指先をさらに奥へと進める。 男の手がついにスコートの最奥へ潜りこみ、太腿の付け根の部分に触れようとした瞬間、 「ああっ、駄目…」 南が涙を振り絞り、男の手首を押さえる。 「2番目の罰則はここまでです。」 輪田の声が神の声に聞こえた。 男は名残惜しそうに手を引くと、それでも満足感を漂わせながらソファーから離れた。 南はソファーに腰掛けたまま、上気して濡れ光る唇を半開きにして喘ぐように息をついていた。 宴は続いている。 開始からもう2時間が経過しているというのに、終るどころか、これから佳境を迎えるところであった。 ----------- 7 披露 ----------- 南の恥辱を演出したソファとテーブルが片付けられた。 そしてその替わりに黒色の円形のウォーターマットが運び込まれる。 南はその上へ腰を降ろし、先程の火照りを冷まそうとしている。 清楚な美貌ばかりかすらりとした首筋まで真っ赤に染め抜いている。 輪田がマイクを手に握る。 「清純そのものの浅倉さんも、少し熔けてきたようです。 3番目の罰則では、浅倉さんに全てを晒け出してもらいます。 浅倉さんの秘密を皆さんで観察しましょう。 そして、そのお相手をしていただくのは8番の方です。」 8番の番号札を持った男が、ガッツポーズをして立ち上がった。 「それではストリップショーの始まりです。」 輪田がそう告げるとコート内の照明が一斉に消え、ピンクのスポットライトが南を映し出す。 そして、誰もが聞いたことのある官能的なスローバラードが流れ出す。 南は、ウォーターベッドの上で何をしてよいか分からず、不安気な面持ちで佇んでいる。 南の背後から、輪田が囁く。 スポットライトの光の中に、観念したかように南が立ち上がった。 男達のひときわ大きな喚声があがった。 浅倉が、小さな動きだが、バラードに合わせて体を揺らし、腰を左右に振り出したのだ。 次第にその動きは、ゆっくりと躰をくねらせるような甘美な踊りへと変化していった。 南のしなやかな躰が、スポットライトに照らし出される。 黒いウォーターベッド上で舞う南は、言葉では言い表せないくらい幻想的だ。 輪田が南に指示する。 南は、テニスシューズの紐を緩めた。 そしてシューズを足から外すが、それらの動作は、しなやかに躰をくねらせながら行われる。 次に白いソックスを片足ずつ、太腿の奥が男たちの眼に触れないよう注意しながら脱いでいく。 脱いだソックスを丁寧にテニスシューズの上に置いた。 次に、輪田が何か指示すると、浅倉の顔が曇っていく。 必死に哀願するが、、やがて諦めたように眼を伏せながら、テニスウェアの上着に手を掛けた。 そして、音楽の緩やかなテンポに合わせるようにゆっくりと脱いでいく。 乳白色の双乳と細い肩がライトに照らし出された。 しかし、上着をテニスシューズの上に重ねると、耐え切れず細い腕を交差させて胸を押さえた。 白い背中を丸めている南の耳元で、輪田が何かを促す。 すると南は、顔を背け、覚悟を決めたように乳房から腕をはずす。 白桃に似た柔らかい乳房が溢れ出た。 隆起の頂点に、透き通る薄桃色の乳首が、恥ずかしげに咲いている。 しかし、先程の身体測定のときとは異なり、可憐な乳首が乳輪までも盛り上げ、頭をもたげているのが分かる。 それから南は、円錐形の乳房を晒け出しながら、煽情的なリズムに合わせて淫靡な舞踏を繰り広げた。 男達は、天使の舞いに心を奪われ溜息を漏らし続ける。 男達を堪能させる官能的な舞いを暫く続けていると、突然、音楽が変わった。 南は、ハッとした。 このサウンドは、南がインターハイの新体操で個人優勝したときに使用した曲である。 南に黒服の男から新体操用のリボンが渡された。 輪田が、何やら指示する。 あどけなさを残した清楚な美貌が歪む。 南の耳元で輪田が執拗に催促すると、南はあろうことか右脚を軸にして、左脚を少しづつ上へ持ち上げていった。 右手に持ったリボンはくるくると大きな弧を描いて、まるで生き物のように波打っている。 左脚が持ち上がっていくにつれて、唯一下半身を覆っていたスコートが捲れていく。 目に滲みるような美しい雪肌の下腹部と対照的な慎ましい漆黒の恥毛が顔を出した。 左脚は、ちょうど膝が耳の横になるまで、高々と持ち上げられた。 足先までぴんと直線的に伸びている。 開脚の角度は180度に近い。 既にスコートは何の役目も果たすことが出来ず、若々しい太腿が晒け出される。 南は、左手で必死に股間を隠している。 しかし、輪田から何か指示があると、観念したようにその左手を名残惜しそうに股間から離した。 そして、羞恥にその全身を染め、ウォーターベッドの上でポーズを取った。 「おおっ…」 男達から歓喜の声が、湧き上がる。 ついに憧れの美女の股間が晒け出されたのである。 男達の眼は、浅倉の瑞々しい股間に吸いよされていく。 その付根には、淡い悩ましい繊毛がふっくらと盛り上がり、悶えと共に浮き立つようにそよいでいる。 そして、その下奥には繊細な茂みを透かせて、可憐な女の秘裂まで露わに覗かせているのだった。 新体操界の星と称えられた淑女の、秘唇を射るスポットライトが眩しい。 この姿を、男達は誰もが夢見ていた。 4年前、スポーツビジュアルという月刊誌がインターハイの特集をした際に、浅倉の写真が表紙を飾ったのである。 そして、インターハイの美女達というコーナーで浅倉が大きく取り上げられた。 世の中の男達は、この清純さに溢れた可憐な女性に大きな憧れを抱いた。 そして、その月刊誌はあっと言う間に売り切れてしまったのである。 現在でも、インターネットのオークションでプレミアが付く程である。 今の浅倉のポーズは、白と青のレオタードに身を包み、右手でリボンを持ち左脚を高く上げた表紙のポーズそのものである。 男達はレオタードの中身を想像して、甘美な妄想を抱いたものであった。 それが今、現実のものになっている。 レオタード姿の浅倉とオーバーラップさせながら、眼前で展開される光景に見入る。 その姿は、まるで天から舞い降りた妖精である。 男達は、皆その姿を眼に焼き付けようとしている。 男達は、夢の様な気分に浸っていた。 高嶺の花だと思っていた浅倉南の恥辱ポーズを眼前で見られたのだ。 腰がくびれ、桃尻も小さい。 浅倉の羞恥に震える顔も刺激的だ。 恥ずかしい姿を晒していながら、どうすることもできずにリボンを振っている。 男達の嗜虐心と征服欲を満たすには十分すぎる演出であった。 それに引き換え、乙女の秘密を剥き出しにしている南は、羞恥のために失神する一歩手前にあった。 南の下半身は、小さな震えが続いていた。 浅倉は30秒ほど、恥辱のポーズを取らされた。 やっと解放されると、ウォーターマットの上へ正座させらされた。 両手は太腿の横へ置かされ、胸を隠すことは許されない。 バックミュージックが「タブー」に変わった。 すると、8番の札を持った男が南に歩み寄る。 手には、毛筆用の筆と小さなガラスの小瓶が握られている。 小瓶の中には、調合した秘薬が込められているのだった。 男は瓶の中の粘り気のある秘薬を筆ですくうと、筆の先を南の乳首へ近づけていく。 南の顔に一瞬、恐怖の表情が浮かぶ。 しかし、男は躊躇せず、筆の先で南の上向きの乳首をなぞっていく。 乳首が、何かを求める様に乳輪の中からせり出している。 男は、怪しげな秘薬を乳首に丁寧に塗っていく。 南の乳首は露をはらんだように、キラキラ光っている。 「我慢するのよ、たっちゃんの為よ…」 南は崩れそうになる気持ちを、そうやって健気に奮い立たせながら先程からの恥辱に耐えていた。 男が、秘薬を塗り終わると輪田から悪魔の指示が飛ぶ。 「脚を開いてください。」 「ご、ごめんなさい、もう許して…」 男達の欲望の眼が注がれている状況で、股間の奥の秘部を自ら晒すことなど出来るわけもない。 南は最後の訴えとばかりに輪田を見つめた。 「貴女の献身もこれで終わりですか。」 「わ、わかりました…」 南はうなだれて、腰を落としていく。 恥辱に耐えながら、桃尻をマットにつき、手を後ろに回し、膝を立てた。 しかし、そこで動きが止まった。 達也にも明るいところで見せたことはない。 自ら両脚を拡げて、誰とも知らぬ男達に秘めやかな花園を見られるのはとても我慢できない。 あまりにも恥ずかしすぎる行為に胸が締め付けられる。 男達は眼を皿のようにして、憧れの淑女が脚を開く瞬間を待ち受けている。 「後戻りできないことは分かりますね。」 輪田が急き立てる。 「貴女が他の男性とキスしてうっとりしている所を見たら、彼はどう思うかな。 愛する恋人が他人の愛撫であんなに気分を出したと解ったら…。」 もう戻れないところまで来てしまっている。 南は唇を噛み締め、意を決すると、スコートから伸びた形のよい脚をゆっくりと開いていった。 きつく眼を閉じ顔がたまらぬ屈辱感を醸し出す。 死にたいほどの恥辱に体中が赤く染まり、両脚も震えている。 それでも何とか両脚を30度位まで開いた。 しかし、これでも南は股間に忍び込む冷気を感じ、恥ずかしくて堪えられない。 実際、脚の間からは、うっすらと黒い恥毛が丸見えになっていた。 「もう少しです。頑張ってください。」 輪田の声に促され、浅倉は固く眼を瞑り、徐々に脚を拡げていった。 8番の札の男は、熱い眼差しを南の太腿の奥へと振り注いでいた。 秘裂が少しずつ見え始めたのだ。 男達の興奮が湧き上がるのが南にも分かった。 南はそれから何度か動きを止めたが、その度に輪田から巧みに促される。 両脚の角度が120度位になると、ようやく催促の声が止んだ。 体を支えるために後ろ手になっているため、股間を隠すものはもはや何も無い。 立て膝にした2本の太腿の谷間で、可憐な扇形の繊毛を伴って瑞々しい花園が晒け出された。 薄い肉厚の花弁、そしてすっと縦長に伸びた肉溝、それらは少しの崩れを見せずに、綺麗な貝殻の形を保っている。 ピンク色のスポットライトがその部分を直射する。 男達の喉がごくりと鳴った。 電光を恥じらって、震え慄くその清らかな裸身が男達を楽しませる。 男達は感慨深い思いで、憧れの美女の秘部を視犯する。 「駄目、み、見ないで…」 見も知らぬ男達に、自分の最も隠しておきたい部分を遠慮無く見つめられているのだ。 南はあまりの羞恥に歯を食いしばり、その顔を真っ赤に染めた。 さらに恥辱の命令が下される。 「指で開いてください。」 「そんな、あんまりです…。で、できません…」 哀願するようにかぶりを振る。 「早く終わりにしたいんでしょう。だったら言われたとおりにして下さい。」 輪田は冷たく言い放つ。 観念したのか、南は美しい眉根をひそめながら、震える指先を股間へ伸ばしていく。 右手の人差し指と中指を花弁の淵に這わせた。 羞恥の割れ目は、楚々とした佇まいを見せていた。 「ああっ、恥ずかしい…」 そこで一瞬、手が止まったが、唇をぐっとかみ締めたまま、秘めやかな合わせ目を左右に柔らかく押し拡げていく。 神秘の扉が開かれ、指の間から秘肉がこぼれた。 「ああっ…」 南はついに、女性が最も隠しておきたい部分を、見も知らぬ男達に自らの指で晒してしまった。 愛する男性にしか許したことの無かった大切な秘部を…。 あまりにも惨めすぎる。 股間に感じる空気の流れが冷たい。 男達は思わず生唾を飲み込んだ。 開ききった媚肉が、照明を浴びて鮮やかに輝く。 「これが、浅倉南の……」 男達は、憧れの女性がついに披露した神秘の源泉の瑞々しい佇まいに見入った。 肉襞は、性経験の未熟さを物語るように、全く色素沈着のないピンク色である。 達也のものを何度か受け入れてはいるが、まだ処女でも十分通用する初々しさだ。 「そこに何人の男性を受け入れたんですか。」 輪田が、指の間から露になった粘膜の奥を覗きこんで、卑猥な質問を飛ばす。 「………」 「答えるまで、このままですよ。」 南はやがて観念したのか、顔を背けたまま「1人だけです…」と泣きそうな声で答える。 「何度、楽しみましたか。」 「うっ…、5回です。」 南は、達也との想い出をつい正直に答えてしまう。 男達から、嫉妬に満ちた溜息が漏れる。 もしかしたら処女かもしれないという淡い期待もあった。 残念ながらその期待は裏切られたが、大学の4回生にもなってまだ5回しか性経験がない。 多分、相手はかねてから噂のあるプロ野球選手だろう。 男達は、思い描いていた純情さを確認して改めて納得するのだった。 「もっと拡げないとよく見えませんよ。」 しかし、輪田はどこまでも残酷だ。 「ああっ…」 羞恥の炎に灼かれながら、あてがった指で秘唇を大きく拡げていく。 幾層にも折り重なったピンクの襞が露にされる。 そして、内奥のピンク色に光る秘肉が姿を露し、ぽっちりした花の芽も覗かせた。 達也にも、こんなにあからさまに見せたことはない。 輪田に促された8番の男が、瓶の中のトロリとした秘薬を筆に掬う。 そして、筆の穂先が南の指の間を通り、開花した秘唇に達した。 「いやっ、ああぅ…」 白磁のむっちりとした太腿がブルブルと震える。 筆が秘肉を掻き分け中に潜り込む。 そして、生々しいまでにくつろげられた翳りの奥の粘膜に塗りこんでいく。 屈辱の涙が目尻から頬を伝う。 南は唇を噛み締めて屈辱に耐えている。 しかし、下肢を閉じることはできない。 右手は秘唇にあてがわれたままだ。 男の筆先が花弁の中を弄ぶ。 しばらくそうされているうちに、先程塗られた乳首もそうだが、何か異様な熱さが込み上げてきて花弁を甘く疼かせ始めた。 体内にじわじわ込み上げてくる熱い昂奮は抑えがたく、瑞々しい花弁から悦びの花蜜が溢れ出てくる。 南は唇を噛んで、全身に燃え広がる快感に耐えていた。 しかし、自分の意思に反して淫蜜が湧き出て、粘膜を潤すが分かる。 男の筆は、敏感な肉芽も剥き出しにして、南の分泌液とともに塗りこんでいく。 「はああっ…」 筆が花裂の中を撫で上げると、仰け反らせた真っ白な喉を震わせて熱い喘ぎが半開きの唇から漏れでてくる。 妖しい感覚が躰を蝕んでいく。 3分程翻弄されただろうか、やっと南は解放された。 ----------- 8 指撫 ----------- 孝太郎は浅倉の恥態に眼を惹かれながら、頭の中が混乱していた。 先程は、見知らぬ男とキスをしながらうっとりしていた。 そして、今度は女性の一番恥ずかしいところを自ら男達に披露した。 孝太郎の知っている清楚な浅倉からはとても想像できない。 いくら理由があるとはいえ、まるで風俗嬢のような振舞いは、孝太郎の心を痛く傷つけた。 今、目の前で起こっていることは夢だと思いたかった。 浅倉を愛している達也のことを思うと、涙が出そうになる。 救い出したいという気持ちが萎えていく。 清純なのか、淫乱なのか、本当の浅倉はどちらなのだろう。 それを最後まで確認してみたいという興味のほうが強まっていくのが分かる。 そんな事を考えていると、輪田が司会を再開した。 「浅倉さんの秘密の花園は堪能できましたか。 まだ、1人しか経験がないそうなので、皆さん方全員が2番目の謁見者ということになります。」 「それでは、4番目の罰則に移ります。 今度は、浅倉さんにやさしくサービスをしていただきたいと思います。 その幸運な男性は、43番の方です。 それでは、浅倉さんのテクニックをご覧いただきましょう。」 43番の男が照れくさそうにウォーターマットへ向かう。 輪田から、何やら耳打ちされると上半身裸になり、スラックスも脱いでマット上に仰向けに横たわった。 背が低く色白で、黒いマスク越しに眼鏡をかけているのが分かる。 典型的なガリ勉タイプで、女性から最も嫌われるタイプの男性である。 輪田から浅倉に指示が飛ぶ。 浅倉は、かぶりを振って拒否しているようであったが、やがて観念したのか男に近づいていく。 男の横に座り、そして決心したように眼を閉じる。 「今日は貴方のために、一生懸命尽くします。どうか南に、ご奉仕させてください。」 真っ赤になりながら、消え入りそうな声でそう言うと、男の太腿に手を添えた。 可愛い唇から発せられた言葉に、男の口元が緩む。 浅倉の長い睫毛が震え、上品な鼻筋から恥辱の吐息が漏れる。 羞恥に消え入りたげな表情を示している。 輪田が南の耳元で何か囁くと、可憐な掌がゆっくり動き出した。 太腿からブリーフに触るか触らないかの辺りをゆっくり撫でていく。 男は浅倉の繊細な掌の感覚で、早くもブリーフの前を膨らましているのが判る。 しばらくその動作を続けると、輪田から次の指示が出た。 南は眼は閉じたまま、その手をブリーフの上へ乗せた。 そして、指を静かに折り曲げて、掌に当てられたブリーフの下の固まりをそっと握りしめていく。 「う…うぅ…」 男の口から、早くも声が漏れる。 南は、それを握りしめたままブリーフ越しにゆっくりなぞっていく。 細い指が肉棒の形に添って、探るように撫でさする。 その指の震えがたまらない。 南は、眼を閉じていても肉棒が熱を帯びてくるのが分かる。 手のひらに熱い脈動が感じられる 屈辱に耐えながら、ゆっくり丁寧になぞる動作を何十回となく繰り返す。 男の股間を包むブリーフが、先端からの滴りで布地が湿ってくる。 輪田の指示で、南はブリーフのなかに手を差し入れた。 掌に熱い肉棒が、直接触れる。 男は、有頂天である。 掌を当てられただけなのに、蕩けるような快感が走り抜けた。 憧れの女性に触ってもらったことが、充足感と未経験の快感を与えてくれる。 南は、脈打っている肉棒に、手を差し伸べ、捧げるように指を添える。 窮屈なブリーフの中で、細い指を男の肉棒に絡みつかせ、ぎこちなく愛撫する。 昂奮している肉棒は、淫猥な刺激でさらに固さを増してくる。 必死に涙を堪えながら、奉仕する表情が男心をそそる。 輪田からブリーフを脱がすよう言われた。 南は、男のブリーフのゴムの部分に手をかけ、下へずらそうとする。 男は腰を上げて脱がしやすいように協力する。 眼をぼんやり開けると、剛毛のなかから充血して腹部にくっつきそうなほど反り返った男の肉棒が見えた。 薄明かりのなかで見た達也の逞しいのものより、長さも太さも明らかに一回り小さい。 黒服の男が、チューブに入ったローションを持ってきた。 輪田が肉棒にローションを塗すように指示する。 屈辱のあまり頭の中が真っ白になり、こらえていた涙が頬を伝う。 しかし、この屈辱に耐えなければここまで我慢した甲斐がない。 南は、ローションを右手へ垂らし、それを男の肉棒に塗していく。 男の肉棒全体が透明なローションで輝くようになった。 輪田が奉仕するように促す。 南は、固く瞳を閉ざし、いかにも恐る恐るといった感じで肉棒を何度かなぞり上げる。 肉棒に沿って手を動かす毎に、男の肉棒は反応して益々硬度と熱さを増してくる。 ゆるやかにそして小刻みに、繊細な指を肉棒の付け根から亀頭まで行き来させる。 先程のローションが指の滑りを良くする。 肉棒の幹に白く細い指先を絡め、丁寧に扱く。 それを繰り返す。 「乳首を舐めてあげてください。」 輪田の惨い命令が飛ぶ。 南は、寝そべり男に寄り添うようにする。 そして、男の乳首に舌を這わす。 あまりの羞恥と汚辱感に、南自身、自分が何をしているのかわからない状態だった。 舌先で乳首を刺激すると、男の乳首が頭をもたげてくる。 その乳首に唾液をまぶして吸い上げる。 指は魅惑的な動きを繰り返している。 時折、指の腹で亀頭を刺激する。 また、男の睾丸にまで手を伸ばすとやさしく包み込む。 ぎこちなさは残るが、一生懸命奉仕するその姿が、男の胸を熱くする。 そうした、奉仕を行いながら、南は燃え上がってくる官能の灯火とも戦っていた。 躰の芯から湧き上がる疼きが精神を蝕む。 そして、先程、筆で塗られた部分からむず痒さが生まれてくる。 薄いピンク色の乳頭が尖って、何かを欲しがっている。 そして、神秘の部分からは花蜜が溢れ出しているのが自分でも分かる。 南は、その部分を自分で刺激したい欲望に駆られるが、それだけは歯を食い縛って耐えていた。 しかし、むず痒さは限界に近い。 「ああんっ…」 男の胸に顔を寄せている南の口から小さな喘ぎ声が漏れる。 南は、乳白色のしなやかな裸身を男の上に重ねると、自分の乳首を男の胸に擦りつけ痒さを紛らす。 男の上で躰をくねらせながら、尖った乳首で男の胸を刺激する。 そして、魅惑的な目で男の顔を覗き見上げる。 南が身悶えするのに合わせて、男の鼻先で、甘く初々しい香りがする。 男は自慰の中で妄想していた事が現実のものとなり、脳が蕩けるような快感を覚えた。 そして、その快感は自慰の時の何百倍もの刺激であった。 掌の中の脈動が激しくなり、男の限界が近いことが分かる。 南は手の動きを速め、肉棒を絞り上げた。 その瞬間、 「いくぅ…、みなみちゃん…」 男は、低く呻きながら天井を仰いだ。 男の肉棒は痙攣して、あっけなく果てた。 南は、男が達すると同時にハッと手を離した。 しかし一瞬早く、若い大量の白濁は南の手を汚していた。 精液の雄臭の匂いが鼻を付く。 「後始末をしてあげてください。」 輪田からウェットティシュが渡された。 南は、自分の手の白濁を拭うと、丁寧に男の肉棒からローションや体液を拭い取っていく。 輪田の指示で、まだ勃起している男の肉棒の付け根に手を添える。 そして、きつく肉棹をなぞり、残った体液を絞り出した。 剛毛や睾丸のローションを拭き取ると、やっと4番目の罰則が終わった。