庭球場の情事

南北漢字 作



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9 奉仕
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輪田が再びマイクを手にする。
「それでは、皆さん残念ですがこれが最後のショーとなります。
最後は、フェラチオショーです。」
南が驚いたように、輪田の顔を見上げる。
うぶな浅倉が心細げに、自分を見つめている姿は扇情的だ。

輪田はそしらぬ顔で司会を続ける。
「浅倉さんの、唇そして舌で奉仕していただく姿を見ていただいていて今回のショーを終わりにしたいと思います。
それでは、超ラッキーな方の番号を読み上げます。
15番の方です。」
「やった!!」
大きな声が上がった。
それに併せて、無念さを表す大きな溜息が男達の間から漏れた。
輪田が続ける。
「15番以外の方々には、レインボーガールがお相手をしますので、遠慮なく申し出てください。
それでは、15番の方、前へどうぞ。」

15番の札を持った男が、黒いウォーターマット上へ小走りに進み出る。
輪田に指示され上着を脱いでいく。
筋肉質で背の高いスポーツマンタイプの男であった。
南は黒服に導かれ、仁王立ちしている男の前に跪いた。

輪田の声がする。
「スラックスを脱がしてください。」
南は狼狽した。
「そ、そんな…あんまりです。」
輪田が優しい声で促す。
「これが最後なんですよ。これが終われば貴女は悪夢から開放されるのですよ。
最後の最後で逃げ出すのですか。」
南の表情があきらめに変わる。

「これで全て終わるんだわ…」
南は健気に自分に言い聞かせると、立て膝になり、震える手で男のベルトを外していく。
スラックスの上からでも男が勃起しているのがはっきり分かる。
ベルトを抜き取り、ズボンの前のホックを外し、ジッパーを下に下げる。
ズボンをゆっくり下に降ろすと、毛むくじゃらの下半身が現れた。

男の肉棒は、予想したように青いボクサーブリーフを大きく突き上げている。
「下着も脱がしてあげてください。」
輪田の声がする。
南は、ボクサーブリーフの両側に手を添え、男の肉棒がブリーフに引っ掛からないように気を付けながら降ろしていく。
男の肉棒が徐々に姿を顕した。
冷静さを装うつもりでいたが、驚愕の表情でつぶらな瞳を大きく見開いた。
剛毛の中に猛りきった肉棒は、反り返るように天を仰ぎ、血管を浮き上がらせている。
皺の寄った大きな垂れ袋までもが姿を顕した。
達也のものは愛しいのに、男の体臭と汗の臭いが混ざった肉棒には嫌悪感が躰を突き抜ける。

南は火のように真っ赤になり、顔を背けた。
性臭がむっと鼻を付く。
南が狼狽していると、黒服の男が近づいてきて、両腕を背中で束ねる。
そして、南の両手の親指を親指手錠(サムカフ)で素早く固定する。
あっという間の出来事だった。
南は、両手の自由が利かなくなり、不安げな眼差しで輪田を仰ぎ見る。
「口だけで奉仕してください。それで全てが終わります。」
輪田から厳しい命令が飛ぶ。

「それだけは、許してください。わたし、口でしたことがないんです…。」
南は羞恥で戸惑いながら、涙声で訴える。
「私が、丁寧に教えてあげます。大丈夫ですよ。」
こんなことなら、たっちゃんのものを先に愛してあげれば良かった。
初めての行為をこんな所で披露するのはとても我慢ならなかった。

南の狼狽ぶりに、男の肉棒は益々充血して天を仰ぐ。
「いいんですか。これまでのビデオを上杉君の所へ送りますよ。」
輪田は、愛する人を思う聖女の心に卑劣に付け込む。
「卑怯です。」
そう答えたものの、命令に従うしかないことを分かっている。
観念するしかなっかた。
最愛の達也のためならどんなに辛くても耐えてみせる。

「これもたっちゃんのためなのよ…。」
追い詰められた南は、今にも萎えてしまいそうな心を懸命に支える。
輪田に言われるまま、とうとう血を吐くような台詞を口にした。
「南の口で…気持ちよくなって下さい…」
血を吐くような思いで告げると、肩を震わせ優美な眉を悲しげに折った。

「それでは、まずキスをしてあげてください。」
輪田が促す。
「わ、わかりました…。」
男の肉棒に可憐な唇を近づけた。
しかし、男の臭いを撒き散らかす肉棒まであと少しというところで、南は凍りついてそれ以上動けない。
「ここまできて、まだ決心がつかないんですか。」

南はついに観念し、固く眼を閉じて唇を前に進めた。
しっとり潤った桃色の唇が、男の誇らしげな勃起の先端に触れた。
いざ、生まれて初めて肉棒に触れると、激しい罪悪感が身を貫いた。
唇に醜悪な男性器の体温が伝わってくる。
「許して、たっちゃん…」
南は、海の向こうの恋人に詫びた。
そして、剛毛に顔をまさぐられる屈辱に耐えながら、肉棒への接吻を続けた。
「次は、舌で刺激して舐めてあげてください。」
輪田の遠慮のない命令が飛ぶ。
南は、屈辱で躰を震わせながらそれに従った。
美貌を被虐的に歪め、ついにピンク色の舌を差し出す。
男の熱気を帯びた肉棒の先端にわずかに覗かせた舌先をあてがう。
瞳を閉ざしたまま、恐る恐るひと舐めした。

さすがに屈辱感で、閉じた睫毛の間から涙が溢れた。
大粒の涙が頬を伝い、男の肉棒に滴り落ちるのを、男達はゾクッとして眺めている。
「裏側や、根元の部分も舐め上げてください。」
男の肉棒の胴体部に、南の唾液にぬれ光るピンクの舌腹が粘っこく這い始めた。
たどたどしく拙い奉仕ではあるが、そのことが南の唇が汚れてないことの証である。

南は嫌悪感に耐えながら、幹を丹念に根本から舐め上げていく。
唾液に濡れた舌が、幼い動きで肉棒を小刻みに舐めていく。
首を傾けつつ、血管を膨張させそそり立つ肉棒の裏筋へもねっとりと舌を走らせる。
「その調子です。先の部分もなぞってあげてください。」
輪田から繰り返し指示が出る。
言われるままピンクの舌を突き出し、亀頭に舌を這わす。

「うぅっ…」
男の躰が震えた。
南は、極限の羞恥の中で、早くこの地獄から解放されたい一心で献身的な奉仕を続けた。
「上手ですよ、浅倉さん。そうです、もっと舌を使って…」
輪田の命令に、南の舌先が従順に反応し、雁首のくびれの部分を柔らかくくすぐるように動いた。
顔を真っ赤にして、剛棒の隅々へ唾液を塗し、舌を巻きつけていく。
酔いしれたように、見ず知らずの男の肉棒への愛撫に没頭した。

「その調子です。それでは、口に含んであげてください。」
輪田の命令は容赦ない。
「ああ、もう、許して下さい…」
奉仕を中断し、哀願の表情で、これ以上は出来ないと許しを請う。
恋人でもない男の性器を口に含むのは汚辱感をもたらす。
肉棒を舐めることに対しての嫌悪感はやや消え失せ、屈辱の奉仕を続けてきた。
しかし、咥えるとなると、また別の嫌悪感が沸き上がる。

「どうしました。続けなきゃ駄目ですよ。これで最後なんですよ。」
輪田の声が催促する。
「ああっ、やるしかないのよ。」
南は、そう自分に言い聞かせた。
勇気を振り絞る。
心の葛藤を振り切るように、再び目を閉じ、唇を男の肉棒に寄せていった。
ゆっくりと口を開く。
そして唇を大きく開き、ためらいがちに赤紫色にいきり立つ肉棒の雁首まで含む。
舐めていたときとは比べ物にならないくらいの生臭さと淫臭が口の中に広がった。

輪田は、容赦ない。
「もう少し咥えて、唇でしっかり締めてください。歯は立てちゃダメですよ。」
「む、むふぅん…」
親指手錠により両手の自由を奪われた南は、くぐもった悲鳴を上げる。
男の太い肉棒で口をふさがれ、言葉を発することさえ奪われてしまった。
気持ち悪さから、嘔吐が込み上げてくる。
襲ってくる嘔吐に耐えながら必死で咥える。

男は、その瞬間を目に焼き付けようとした。
艶やかな唇の中に自分の分身が吸い込まれていく。
「ああぁ…」
感動だった。
男にとって、この世で最も憧れの存在である浅倉南、その可憐な唇が自分の肉棒を含んでいく。

眉をひそめ、小鼻を膨らませ、端麗な顔を歪めて、猛りきった肉棒を受け入れている。
涙がはらはらと頬を伝う姿が哀れを誘う。
嗜虐の磨性に取り憑かれる。
口の中は生暖かく、柔らかい。
ペニスと唇が接している部分にだけ圧力がかかり、そこが中心になって快感が押し寄せてくる。

輪田は事細やかに技巧の指導をする。
「唇全体をすっぽりかぶせて、甘く締め付けてください。
咥えるだけじゃなく、刺激してあげてください。」
南は肉棒を半分程咥えると、亀頭と溝の部分を柔らかな舌で甘く舐める。
慎ましやかな唇は今や裂けんばかりである。

「ゆっくり、出し入れしてください。」
輪田に指図されるまま、南は苦しげに眉に皺をよせながらも、健気に奉仕に耽った。
鼻息を乱しながら、顔をゆっくり前後に動かし、口にすっぽり含んだ亀頭から肉胴にかけて刺激する。
肉棒がさらに充血して、大きく膨らんでいく。
男は、自分の股間に吸い付く浅倉の姿に眼を細めながら、双乳を手に掬いに手を伸ばして柔らかく揉み込んでいく。
「うぅん……」
男に乳房を揉まれ、南が鼻にかかった吐息を漏らした。
甘い鼻息を漏らして奉仕にふける浅倉の表情は、何とも悩ましかった
異様な官能のうねりが、テニスコートを包みだしている。
周囲の男達は、誰もが昂奮を覚えていた。
新体操の、そして情智大学のヒロインであるあの浅倉が一途に口での愛撫を注いでいるのだ。
親指手錠で拘束され、黒髪を乱してフェラチオを強要される姿は凄絶な被虐美を醸し出す。

恥辱の行為に耽る浅倉の肌は桜色に上気を帯びている。
浅倉の艶やかな表情を鑑賞し、男達はうっとりとなった。
既に、何人かの男は虹色のバニースーツを纏った女性に自分の分身を咥えさせている。
手で奉仕させている男もいる。

南は、懸命に屈辱的な奉仕を続ける一方で、躰の芯を熱く火照らせる妖しげな官能と戦っていた。
怪しげな粘液を塗られた乳首が疼いて反りかえる。
秘唇には疼きと痒みが入り混じり、恥液を滴しているのが分かる。
刺激が与えられることを、肉体が渇望して悶え狂っているのだ。
押し寄せる愉悦の大波の前に官能が熔け出すみじめさに、南は泣きたい気持ちになってくる。

もう限界である。
固定されている親指以外の指を伸ばして、秘密の奥底を慰めたい。
花蜜が滲めば滲むほど秘部を触りたい気持ちが強まる。
その欲求は頂点に達している。
見知らぬ男達の前で、はしたない事は出来ないという自制心がかろうじて思い止まらせていた。
背中でくくり合わせた手をにじり閉め、必死でその誘惑と戦っている。

輪田は、浅倉の肢体が腰の辺りやを中心に微妙に身悶えるのを眼を細めて眺めている。
そして、躰の後で拘束された手で固く拳を作り、媚薬からの誘いに懸命に堪えている姿に感心するのだった。
あれだけ媚薬を飲まされ、媚薬を塗り込まれたというのに、清楚なこの女性はまだ貞操観念を失っていないのだ。
これまでの女性ならとっくに「抱いてください。」と哀願している。
「口での奉仕が終わるまでは我慢してくださいね。」と諭すと、男の肉棒に飛び付くように奉仕を始めたものだ。

それがどうだ、浅倉は官能の波に押し流されるのを、瀬戸際の所で堪えている。
肉体の官能を拒絶するその精神力の強さには感服する。
しかし、堕ちるのは時間の問題であることは間違いない。
スコート1枚の細腰や太腿がもぞもぞと微妙な動きをみせている。
そして、男のものを咥えた口からは、喘ぐような淫声が発っせられている。

輪田は次の指示を出した。
「全部、含んでください。」
南は、腰を浮かして男の肉棒を喉の奥まで導いていく。
しかし、肉棒を2/3ほど飲み込むと、それ以上はとても進めず、辛そうに眉をぴくつかせる。
「どうしました。もっと深く咥えてください。」
輪田の声が飛ぶ。

南が躊躇していると、15番の男が艶やかな光沢を放つ黒髪を握り、自分の亀頭を喉奥へ突き立てる。
巨大な肉棒が小さな口の奥まで突き入れられた。
「う…うぐっ…」
苦しさに顔が歪む。
閉じた眼の縁からは、絶え間なく涙がこぼれている。

男は、南の頭を両腕で固定して、肉棒を出し入れした。
南は肉棒が喉の奥に当たるたびに、嘔吐感がこみ上げてきた。
「さあ、もっと吸い込む様にして。喉の奥まで深く咥え込まないと…」
輪田も南を促す。
暫くすると、南は理知的な眉を折り曲げ美貌を歪ませながら、自分から顔を前後に動かし奉仕を始めた。
悪夢を一刻でも早く終わらせること、それが今の南にとって唯一の願いなのだ。

「ううん、ああん…」
南は悩ましく鼻を鳴らし、健気にも輪田に教えられたとおり肉棒を愛してみせる。
肉棒に沿って唇を締め付け、おずおずと舌を走らせ唾液をすべらせていく。
桜色の小さな唇が亀頭を柔らかく包み込み、幹の部分に絡みつく。
頬を悩ましく収縮させて、献身的におぞましい肉棒をしゃぶりぬく。
喉を目がけて容赦なく送り込まれる先端部の裏側へも舌を巻き付かせる。
男の股間に顔を埋めた南の鼻先から、甘い吐息がひっきりなしに漏れている。

周りの男達は、虹色の女性達の口内に次々と劣情を吐き出している。
15番の男にも限界が近づいていた。
肉棒を頬張り、濡れた唇が肉棒をスライドする。
何度、この日を夢見ただろう。
浅倉の清楚な口に、自分の肉棒が出入りしている。
唇が肉棒を滑り、根元まで口の中へ消えていく。
その刺激的な光景に、男は骨の髄まで痺れ切っている。

時折、上目づかいに見上げては奉仕に没頭する。
口内の粘膜と肉棒の擦れる感触は、脳天が熟れるほど気持ちがいい。
「はあっ、ああっ…」
甘い吐息を漏らしながら、眉根を寄せた切なげな顔が、嗜虐欲を一層かき立てる。

そして、見降せば桃肉の先端で、可憐な薄桃色をした乳輪から、乳首が何かを欲するように突起している。
その眺めは息を飲むほど素晴らしい。
胸元に手を差し伸べ、汗に光る白い隆起を揉みたてていく。
唇の締め付けが強くなり、舌が肉棒を刺激する。
自慰の時には必ず思い浮かべた妄想だった。
その妄想が今、現実のものになっている。
唇から垂れる唾液、極限まですぼめられた頬、小鼻から漏れる甘い吐息、その全てが官能を呼び起こす。
セミロングの黒髪が内腿を触れる感覚までもが快楽を誘う。

灼熱の快感が男の全身を走り抜けた。
男は「ううぅ…」と咆哮すると、ついに南の頭を両手で押さえながら、全身を激しく痙攣させる。
そして、南の喉奥へ灼熱の劣情を注ぎ込んだ。
おぞましい量の熱い精液を放出され、熱く青臭い味がたちまち舌に広がる。
男の射精は、驚くほど長く続いた。
南の口の中に最後の一滴まで精液を噴射した男が、男が肉棒を抜いた。
精液と南の唾液とが混じって、肉棒はてかてかと輝いている。

口の中に汚辱の熱い滴りを注ぎこまれて、激しく狼狽を示す南に、輪田が声を掛ける。
「全部呑み干してください。それで、全ての罰則は終了です。絶対に溢してはいけませんよ。」
喉に熱い精液が絡まる。
南は、気持ち悪さを堪えて、口の中一杯に貯まった精液を一口喉に通す。
細くて長い喉がコクリと上下した。
「うむ、うむむっ…」
南は、必死に嚥下しようとしたが、鼻をつく精臭に眉を吊り上げて咽せてしまった。
とても見知らぬ他人の体液を、飲み干すことは出来なかった。

処理し切れなかった白濁が、口の端から溢れ出した。
拭うこともできず滴り落ちる白濁が、南が唯一身に着けているスコートを汚していく。
「惜しかったですね。残念ですが、もうひと頑張りしてもらうことになりました。
といっても、今度は浅倉さんの欲求不満を解消してあげるこちら側からのサービスです。」
目を伏せ、虚ろに口を半開きにしている放心状態の南に対して、輪田が悪魔の趣向を紹介していく。
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10 結合
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「それでは、本番ショーの始まりです。」
南は輪田のその言葉を聞いて激しく狼狽した。
「いやっ、それだけはいやです。」
これまで達也の為にと、気も遠くなる程の羞恥に耐えてきた。
南にとっては、男女が愛のない性行為を行うことなど、とても考えられないことだった。
大切に守ってきたものを達也に与えてから、まだ1年も経っていない。
しかも、男達の欲望の眼に晒されながら淫らな行為を行うなど、絶対に承伏出来るものではなかった。

「許して、お願い、許してください…」と怯えた表情で哀願した。
しかし、先程まで審判と線審をしていた男に肩先を掴まれ、強引にウォータベッドの上に押し倒されていく。
「どこまで我慢できるか試してあげましょう。」
輪田が指図すると、男達はベッドの上で両脚を縮めている南に飛びかかった。

両脚に男達の手が伸びると、黒髪を振り乱し両脚をばたつかせ必死に抗った。
「いやっ、やめてっ…」
躰をくねらせ、何とか逃げようとする。
だが、それはあまりにも儚い抵抗だった。
男達は、素早い動作で、南が最後まで身に纏っていたスコートのホックを外した。
ファスナーが下げられ、細腰から抜かれる。
「うう、ううっ…」
ついに全裸にされてしまった南は躰を丸めて、秘密の花園を隠そうとした。

しかし、男達に強烈な腕力でやすやすと両脚を抱えられてしまう。
「うう、ううっ…」
南は躰を捩り、何とか逃げようとするが、両腕を親指手錠で固定されているため大きな抵抗は出来ない。
男達に手繰られるまま、両膝が開かれていく。
「ああっ…」
南の口から絶望の溜息が漏れる。

輪田が、ウェーブのかかった髪を愛撫しながら、耳元へ唇を押し当ててくる。
唇ではさんでは舐められ、そして耳元には生温かい吐息が吹きかけられる。
おぞましさで南の躰がぶるっと痙攣した。
「やめて、お願い、やめて…」
涙声で息を喘がせながら哀願するのがやっとだった。

輪田はその声を無視すると、今度は南の固く尖った乳首を口に含んでいく。
「あぁ、うぅっ…」
尖りきった乳首が、手慣れた輪田の舌で転がされる。 
そして柔らかい掌で、瑞々しい果実のような桃乳を優しく愛撫される。
ぴりぴりと痺れるような、得体の知れない何かが手足の先まで駆け巡った。 
切なく疼く神経を、強く掻き乱されるような痺れだった。 
南の汗の噴いた躰が、甘美な女の芳香を匂わせながら揺れ始めた。

乳房への愛撫を隅々まで堪能した輪田は、身動き出来ない南の両脚の最奥へ指を伸ばしていった。
ついに、輪田の指先が淡い叢をかきわけて、柔らかく息づいている秘肉の狭間に触れてきた。
「いやっ……」
輪田の指先が秘肉に触れた瞬間、南の肢体が感電したかのように仰け反った。
羞恥の花弁は、秘薬の効果で既にふっくらと開花している。
肉襞の一枚一枚を確かめるようにゆっくりとまさぐられる。
輪田の愛撫は狡猾で、じらしながら丹念にほぐしていく。

巧妙に躰の芯を攻め立てられ、南はされるがままだ。
ピンクの美麗な肉襞まではっきりと露にし、きらきら光る花蜜を溢れ出してくる。
心の鎧を少しずつ剥がされるように、官能の炎が体中に燃え広がりつつあった
執拗な愛撫に頬を火照らせ、肩を喘がせる。
「ああっ…、ああっ…」と甘美な吐息を漏らし続ける。

輪田が肉感的な太腿に舌を這わしていく。
南は、妖しく湧きあがってくる快感に、躰の芯が熱く燃え上がってくるのを堪え切れないでいた。
止めようとしても、噛みしめた唇がほつれ、恥ずかしい嗚咽がひとりでに溢れてしまう。
「うふぅ、んんっ…」
輪田の舌は太腿を昇ってくるが、まるでじらすかのように痒みが増している中心部の一歩手前で引き返す。
その動作を繰り返される。

じわじわと躰の奥底から湧き上がる愉悦に、全身を蝕まれたのが自分でも分かる。
「おとなしく抱かれる気になりましたか。」
「いやです…」
南は、僅かに残った理性で、悪魔の誘いに歯を喰いしばって耐えた。

輪田は浅倉の自制心の強さに驚きながら、再度、秘部へ攻撃の目標を移す。
指を秘裂の中に忍び込ませ、裂け目に沿って何かを探すようにゆっくりと掻き分けていく。
そして、亀裂の奥で頭をかかげている肉芽を探り当てた。
まだ包皮に包まれたままの肉芽を軽くなぞる。
「いゃぁっ…」
指が触れたその瞬間、南の唇から悲鳴ともつかない呻き声が漏れる。
媚薬の効果に苛まれた肉芽は、すでに充分に勃起していた。

輪田は巧みな指使いで南の敏感な肉芽の鞘を剥いた。
充血した肉芽は、容易く梢から姿を顕した。
露わになった光り輝くばかりの肉芽を撫であげ、指の腹でやさしく刺激する。
「ああっ、そんな…、あぁっ…」
肉芽を直接愛撫される刺激に、鋭さと甘さが混じり合わせたような快感が全身を駆け抜けた。
子宮の疼きは脳髄まで響き、このままでは頭がどうにかなりそうだった。
羞恥心はとっくに消し飛んでいる。
「どうにかして欲しいんじゃないですか。」
輪田の執拗な愛撫に抗しきれず、ついに明確な喘ぎ声を漏らしたのだった。
「はぁ、あぁ、あぁ…」

そこには、男達の憧れの的だった高校時代の清純無垢な面影はなかった。
清らかな躰は、悪魔の巧みな罠に陥り、官能の渦に飲み込まれてしまっている。
「ああっ…いやっ…」
脳天まで突き抜けるような快感に躰が崩壊していくのを感じる。
どんなに心が拒絶しようとしても、全身に広がる怪しいうねりに飲み込まれてしまう。
自分の感情とは違う反応を示す躰を恨んだ。

南は知った。
愛情がなくても性欲は存在することを、理性では肉体を支配できないものだと…。
満たされぬ官能に止めを指してもらいたかった。
「ああっ、お願い…」
弱々しく甘えているのが自分でも悔しかった。
「ちゃんと言って下さいね…」
輪田が決意を促す。
「ああっ、いじめないで…。」
南の声には、媚びた響きさえ含んできた。
輪田は、女の羞恥の部分を嬲るのを止めようとはしない。

甘媚な霞が渦巻く中で、南はついに観念の涙を飲んだ。
「誰か、だ…だ…抱いて下さい…」
そう小さく呟くのだった。
さすがに言ったあと恥辱の辛さが込み上げてきて細い喉を震わせた。
「たっちゃん、ごめんなさい。南はもう…」
魔淫の手に堕ち、恍惚に溺れた南は、心の中で米国にいる恋人に詫びた。 
輪田が南から離れ、満足そうにマイクを手にする。
「皆さん、嬉んでください。浅倉さんが、どなたかに抱いてもらいたいと希望しています。
このため、急きょお相手を選ばしてもらう事にしました。」
男達から大歓声が飛ぶ。
「今日の浅倉さんの花婿は…」
一瞬の間が空く。
男達の生唾を飲み込む音がする。
「37番の方です。」

孝太郎は、ギクリとした。
自分の番号である。
今日、ここに来たのは、達也と浅倉を救う為である。
その自分がとてもそんなことを出来るはずがない。
しかし、浅倉が他の男に犯されるのを見るのは余計に辛い。

孝太郎が躊躇していると、輪田が催促する。
「37番の方、早く手を挙げてください。このままだと棄権とみなして、次の人を指名しますが…」
孝太郎は、決心した。
浅倉が他の男に蹂躙されるよりは、自分が優しく抱いてやろう。
孝太郎は、ゆっくり右手を挙げた。
男達から羨望の溜息が漏れる。

孝太郎は、輪田の指示に従って上半身裸になリ、浅倉に近づいた。
南は覚悟を決めたとはいえ、両脚をきつく閉じ合わせ、不安そうな眼でこちらを見ている。
孝太郎は、両膝に手を掛けて左右に割り裂いた。
「ああっ…」
南が、顔を伏せる。
薄い叢の奥に神秘の部分が縦長にくっきりとピンク色の柔肉を露呈させていた。
美しく、清らかで、犯しがたい佇まいであった、

孝太郎は、しなやかな白い太腿の狭間へ顔を埋めた。
両手で花弁を広げ、柔らかく息づく幾重もの襞を露わにした。
「ああっ恥ずかしい、許して…」
南が涙声で哀願する。
秘唇は初々しい薄ピンク色で、襞と襞が捩れ合さっている。
まさに清純そのもので、無性に愛らしい。

孝太郎は浅倉の神秘の部分を心ゆくまで眺めてから、ゆっくりと舌を近づけていった。
舌先で襞の間を突付くようになぞる。
内側から淫蜜が粘っこく垂れ落ちてくる。
それを舌でなぞりながら、さらに花弁をくつろげる。
折り重なった肉門がこじ開けられ妖しいピンクの果肉が顔を出す。

孝太郎は、舌をすぼめ、果肉の中を、優しく淫らに攻める。
「いやあっ…」
めくるめく官能の嵐に翻弄されている南のあらがいは弱々しい。
もどかしいようなおぞましいような感覚に腰をうねらせ、軽くウェーブのかかった黒髪を乱して喘ぐ。
孝太郎は、秘裂に舌を軽くめり込ませ、前後にゆっくりと這い滑らせる。 
さらに、柔らかな秘裂の中心に尖った舌を沈み込ませる。
無防備な秘裂を執拗に攻撃され、我慢しきれなくなった浅倉の桃尻が浮き上がる。

孝太郎は、真珠のように滑り輝く肉芽にも舌先を伸ばした。
「ああっ駄目、そこは…」
既に鞘を脱ぎ去り充血した肉芽を捉え、舌の先で慎重に舐め挙げる。
粘っこく転がすうちに肉芽はぷっくりとして、新たな果汁が湧き出る。
露わになった光り輝くばかりの肉芽を、舌で直接包み込むように転がす。

「ああ、もう、ねえっ…」
南の拒絶が、鼻にかかった甘い喘ぎ声に変わっていった。
そして、完全に剥き出しにされた女の肉の芽を、孝太郎の目の前で大きく膨らませて勃起させている。
孝太郎の舌が硬くとがって勃起した肉芽を蹂躙する。
「あ…あああっ、ああっ…おねがい…」
津波のような快感が押し寄せ、喘ぎ声が熱い吐息とともに切なげな嗚咽へと変化していく。

「そろそろ、いいでしょう。」
輪田が、本番への移行を促す。
主審と線審が南に近づき、小さな鍵で親指手錠を外す。
その間に、孝太郎はスラックスとブリーフを脱ぎ、自分の逸物を露わにした。
とてつもなく巨大な肉棒が姿を顕した。
男達から、驚愕の歓声が上がる。
25センチを超える長さもさることながら、驚くべきはその圧倒的な太さである。
張り出した雁首の広がりも凄い。

南は、焦点の定まらない眼で、相手の股間に眼をやった。
背筋が凍った。
そこには、自分の手首程もある太さの肉塊が、まるで蛇のように自分を狙っているではないか。
躰を縮めて「いやっ、やめて…」と泣き叫んだ。
躰の隅々まで拡がっていた官能の火照りは、どこかへ消し飛んでしまった。
達也のものを遥かに凌駕する肉棒は、見ただけでも恐怖と衝撃が襲う。

輪田も流石に慌てて、浅倉をもう一度夢心地にするよう主審と線審に指示する。
主審と線審は、浅倉の躰を解しにかかった。
両側から、乳房を執拗に揉みしだき、淡いピンクの乳首を舌で転がしがら吸う。
孝太郎も、舌で浅倉の秘部を攻撃する。
燻っていた官能の火種が燃え盛るのに時間はかからなかった。
媚薬の効果も手伝って、浅倉の躰から緊張が解け始め、代わりに甘い吐息が漏れてくる。
「ああっ、ううっ…」
乳房全体が張り詰め、乳首の先が充血してきた。

秘部からは、熱い花蜜を滲ませていく。
南は、再び甘い感覚が拡がってくるのが分かった。
うねるような快感の波が押し寄せてくる。
舐められる肉芽が、次第に心地よくなってきた。
「あぁ、あっ…」
舌が動くたびに、甘く抗いがたい痺れが走り、腰が動き出す。
舌を求めて浮き上がり、ゆるく円を描いていく。

孝太郎が、秘肉のなかから肉芽を見つけ出し、舌を丹念に這わす。
「あんっ…あぁ…」
耐え切れなくなった南が、美しい黒髪を振り乱して妖しい性の情感を口にしてしまう。
浅倉の躰が切なげにくねり、甘美なすすり泣きが途絶えることはなくなった。
輪田は、浅倉が再び官能の渦の中に飲み込まれたのを確信すると、孝太郎に合図を送る。
「もういいでしょう、今日は安全日だそうなので避妊具なしでも大丈夫ですよ。
生で満足させてあげて下さい。」
孝太郎は、改めて浅倉の清らかな双乳、美脚、慎ましやかな翳りに眼を奪われた。
そして、これから訪れる浅倉との背徳の交わりへの期待感で、肉棒が益々充血していくのが分かった。
孝太郎は、浅倉の両足首を取り、ゆっくり両膝の辺りまでを両脇に抱え込む。
そのまま、真上からのし掛かり、熱く硬直したものを淡い繊毛に縁取られた秘部へと導く。

浅倉の中心部は、孝太郎を誘うように蜜を湛えて悩ましく潤んでいる。
窮屈すぎる花弁にその尖端を包み込ませた。
「うっ、痛い…痛いっ」
南は鋭く呻いて、少しでも矛先をかわそうとして上方へずり上がろうとする。
孝太郎は浅倉をがっちり押さえつけ、荒い息を吐きながら、猛り狂う逸物を一寸刻みで埋め込んでいく。
「ひいぃぃ痛い、止めて…」
腕の中で浅倉の裸身が仰け反った。

南は、形の良い眉を折り曲げて、魅惑的な美貌を歪ませた。
「他の男に犯されてしまった。たっちゃんを裏切ってしまった…」
南にとっては巨大なものを受け入れた事よりも、達也を裏切った事の動揺のほうが大きかった。
孝太郎はしばらく胎内の温もりを味わった後、窮屈すぎる入り口の辺りで浅い律動を繰り返した。
「ああっ動かないで、いやっ…」
南は、白い喉を反らし呻いた。
躰を真っ二つに引き裂かれたような衝動が、頭の先まで突き抜ける。
胎内を満たしてくる壮絶な圧迫感に躰を痙攣させる。
肉襞を引き裂かれていく感じなのだ。

南は、細い眉毛をたわめ小鼻を喘がせて、大粒の涙を流した。
しかし、孝太郎の巨大な逸物は、まだ半分も受け入れていない。
孝太郎は、しだいに律動の幅を広げ、少しずつ侵入を開始した。
「もう駄目っ、これ以上は…、ああぁ……」
処女かと思うほどきつい肉路を裂くような感覚はたまらない。
華奢な肩をよじり、黒髪を振り乱して、苦痛に歪む顔が悩ましい。
浅倉の小さくて窮屈な秘穴はゆっくりと、そして着実にこじ開けられ引き裂かれていく。

きつく閉じた秘穴を押し広げるのに苦労する。
それでも、粘膜と粘膜が擦れ合うにつれて、潤いが増してくる。
あれほど堅かったガードが少し緩み、眉間を寄せながらも受け入れていく。
巨大な雁首が狭小な肉孔をこじ開け、内部に潜り込んでいく。
「んあぁっ…」
律動を暫く続けているうちに、肉襞のほうは馴染んできて花蜜をねっとり滴らせ、孝太郎の逸物に甘く絡み付いてきた。
力強くえぐり続けるうちに、樹液がどっと溢れ出し、襞がまきついてくる。

観客の男達は、かぶりつきの特等席で、その様子を食い入るように見入っている。
レインボーガール達も、既に上半身を露にされ、かわるがわる男達の股間に吸い付いて尺八のサービスを行っている。
もう既に何人かの男達の精液を、口の中へ受け入れている。

「たっちゃん、助けて…」
南は、美貌を苦悶に歪ませて、愛しいその名を何度も叫ぶ。
その言葉は、孝太郎の征服欲に一層炎をつけた。 
自分の分身を咥えこまされ苦しみに歪んだ親友の恋人の表情を眺めながら、何とも言えぬ背徳感に浸っていく。
しとどに濡れた粘膜の感触がたまらなく心地よい。

始めのうちは息がつまるほどの圧迫感に苛まれていたのであるが、並外れた巨根に粘膜が少しずつ順応してきている。
粘膜の痛みも薄れてきたらしく、浅倉の鼻先から甘ったるい悦楽の喘ぎ声がこぼれてくる。
孝太郎の肉棒は肉襞を引き剥がすように、そして擦り取るようにしながらゆっくりと最奥を目指して前進を始めた。
南は、肉の凶器が押し入ってくる強烈な圧迫感を歯を食いしばって耐えていた。
「だ、だめぇ…」
孝太郎は、亀頭の先端が子宮に触れるか触れぬかの微妙な位置で、更に律動を繰り返した。
花芯の内部から甘い蜜が次々と分泌され、子宮が亀頭を舐め始めるのが分かる。

孝太郎は、ついに窮屈な肉路を貫いて自分の分身を根元まですっぽり収めた。
子宮の奥の奥に尖端が届いた。
膣は限界と思われるほど大きく拡張され、肉棒と肉壁の間の隙間は完全に無くなっている。
「うっうっ、いやぁ…」
達也との性交では、決して味わうことのなかった感覚だ。
野球のバットで股間から喉元まで串刺しにされと思えるほどの衝撃を感じる。
南は、華奢な肩を震わせ初めての経験に耐えている。

孝太郎は、完全に繋がったところで、ゆっくりした律動を繰り返す。
「いやっ、動かないで…」
南は、肉の楔で子宮の最奥を突かれる感覚に白い喉と背中を仰け反らせた。
孝太郎は、腰を大きく旋回させ、奥深く埋め込んだ肉棒できつい秘奥を攪拌するようにかきまわす。
すると窮屈すぎる肉襞の1枚1枚が素晴らしい伸縮力をみせて、肉棒全体をやさしく刺激する。

孝太郎は、生涯最高の感激に酔いしれていた。
粘った秘肉は肉棒が溶けてしまいそうと思うほど気持ちがいい。
孝太郎はたたみかけるように、肉棒の挿入と抽出を繰り返し、浅倉を恍惚へと導いていく。
「はあっ、いいっ…」
たまらず、南は扇情的な喘ぎ声を漏らしてしまう。
これまで知らなかった魔的な感性が躰全体を蝕む。
堪えても堪えても、剛棒の肉突きで子宮を殴打されると、自分が淫魔の沼に沈んでいくのを薄々感じ始める。
すでに性感は蕩けている。
得体の知れない熱いものが躰を包み込み、細腰もやるせなくうならせてしまう。
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11 融合
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剛棒を咥えた南の肉襞は、本人の意思とは裏腹に小刻みな収縮を繰り返していた。
あまりの恥ずかしさに顔を伏せると、それを利用するかのように南の躰は裏返しにされ、後ろへ臀を突き出す姿勢を取らされた。
孝太郎は、四つん這いになった南の細腰を抱え、剛棒をこじ入れていった。
既に開ききっている膣穴は剛棒の侵入に大きな抵抗も見せず、豪棒を受け入れた。
達也とは正常位しか経験していない。
動物的な後背位で交わる屈辱と恥辱に頬が紅く染まる。
なんとか躰を離そうとするが、腰が蕩けていうことをきかない。

孝太郎は背後から手を廻し、浅倉の美しく可憐な双乳を大きな掌でゆっくり揉み込んでいく。
双乳の揉み心地を堪能しながら、背後から深々と肉の楔を打ち込み、浅倉の官能を追い詰めていく。
「ああん、ああぁ…」
後ろから容赦なく犯しぬかれる甘美感に、南は甘い吐息を溢して震え泣いた。
正常位とは全く違った角度での性交、それは先程とは別な感覚をまだ蒼い女肉に刻み込んでいく。
南は、ウォータベッドに顔を埋め、黒髪を振り乱しながら、躰をくねらせる。

揉まれている乳房からは甘美感が拡がり、ますます性感は熔けていく。
愛する恋人では味わえなった被虐の官能を覚えていく。
歪み乱れていく性感と戦うもののどうにも抑えきれず、今まで知らなかった性の衝動が湧き出してくる。
恥じらいも忘れ、刺激的な性交に溺れていった。

孝太郎は、この夢のような時間が少しでも長く続くことを願った。
見下ろせば真白く美しい桃尻の間から、自分の太い肉棒が出入りしている。
ピンク色の可憐な花弁を過酷なまでに押し開いて出入りする自分の分身を眺めながら、征服感を噛み締めていた。
浅倉の秘部が、孝太郎の巨大な剛棒に負けまいと、柔らかくしかも強烈に締め付けてくる。
極上の触感は孝太郎を驚喜させる。

孝太郎は、射精を自由自在に制御できる自信があった。
しかし、これまで経験した女性に比べ、何倍いや何十倍もの悦楽を今は感じる。
ついその魔力に引きずり込まれ、我を忘れそうになった。
孝太郎は焦った。
射精の衝動が芽生えてきている。

孝太郎は、一度律動を止め、攻撃の的を桃尻の狭間で慎まし気に息づく可憐な菊花に向けた。
男からの甘美な突き上げが止まり、浅倉が怪訝そうな顔で振り返る。
孝太郎は、先程のチューブに入ったローションを手に取り、浅倉の秘めやかな菊花の辺りに垂らす。
そして、親指に掬ったったローションを小さな菊花に丁寧に塗りこんでいく。
「いやっ、だめっ、そんなところ触らないで…」
南は、排泄器官としか考えていなかったところを刺激され、羞恥の悲鳴をあげ桃尻を力なくくねらせる。

そんな狼狽ぶりにかまわず指先で揉み解ぐしていくと、次第に菊花の蕾が赤らみ始め、うっすらと口を開けてくる。
孝太郎は、中指で菊花の締め付けを押し割った。
その瞬間、浅倉は「うっ…」と仰け反り、おぞましさのあまり哀しげに嗚咽を漏らす。
中指の第一関節まで差し込み、ゆっくり動かす。
「いやぁ、やめて、やめて…」
中指を含ませて注挿してやると、指を食い千切るほどに激しく食い締めてくる。

孝太郎は太い指をさらに進行させ、熱い菊襞を剔っていく。
「あうっ、い、痛い…」
あまりの衝撃に、南は背中を弓反らせてがくがく震えた。
菊襞は、体内深くまで侵入しようとする孝太郎の指を押し戻そうとする。
しかし、孝太郎の指は容赦なく、ついには根元近くまで埋め込まれた。

南は悪寒でも感じたように身震いする。
内部は温めた生護謨のような粘着性があった。
根元まで完全に埋没した指先は熱い内部の粘膜にまで達している。
「やめて、やめて、あっ…」
涙声で訴える浅倉の切ない声に、血走った思いの孝太郎は、さらにその奥の腸壁の末端を探るのだった。
南の乳白色の肌は、吹き出した冷や汗がねっとり湿り桜色に変わっている。

孝太郎の指が、粘膜の中を蠢く。
そして、ゆっくり指の注入を繰り返し、生護謨の妖しい感覚を享受しようとする。
「いやぁ、いやぁ…」
南は嗚咽を漏らしながら、内臓を嬲られる悪魔的な感覚にのたうっている。
排泄時のせつなさに似た感覚が、何百倍にも増して襲ってきた。
妖しいざわめきが体の奥底から沸き上がる。

浅倉の菊襞が可憐な収縮を示し、真綿のように指をやさしく包み込む。
同時に、前の膣肉も締まり、奥まで貫いているものを食い締めてくる。
尻をよじっては孝太郎の肉棒を擦り上げようとする。
孝太郎の心はは淫靡な遊戯に酔いしれた。
長い蹂躙を行ったのち、孝太郎は名残惜しそうに指を抜き取った。
菊の花弁は、充血して盛り上がり、しばらく内部の薄紅い襞を覗かせていた。
休む間も与えず、孝太郎は足を前に投げ出して、浅倉の躰を自分の膝の上に抱き寄せた。
浅倉の背中を自分の胸にぴったりと引き込む。
膝を跨ぐように乗せられた南は、両脚を大きく開いた格好で恥部を全て曝け出されている。
孝太郎は、熱気を帯びて硬直した巨根を、浅倉の官能の源泉に含み込ます。
そして、浅倉の腰を静かに下ろして、天井を向いて聳える逸物を浅倉の体内に納めていった。
剛棒が少しずつ女体の中に消えていく。

「ああっ…」
南は、孝太郎の膝の上で左右に露にされた優美な太腿をうねらせ、狂おしい身悶えをしている。
孝太郎は、脇の下から伸ばした両手で、手の中に丁度納まる形の良い双乳をすくいあげるように揉みしだく。
乳房を揉みしだきつつ、体を引き寄せて連結を一層深める。
体重が乗り挿入が深くなる。
膝の上に乗せて、下から怒張を突き上げ揺さぶる。
「ああっ、いやっ…」
南の細腰が切なげに上下に弾み、黒髪がさざめく。

後ろ向きに男の膝にまたがった南は、背後から乳房をねちっこく揉み挙げられている。
豪棒を咥えるため花弁は開ききり、愛液に濡れた媚肉まで覗かせている。
南の媚肉から滲み出る愛蜜に濡れた豪棒が、襞肉を巻き込んでゆっくり抜き差しされる。
熱く潤んだ膣襞が剛棒にきつく絡み付く。
南の躰が上下する度に、孝太郎の亀頭が子宮口を突く。

「ああっ、だ、だめえ……。」
孝太郎が腰を突き上げる度に、南の細身の肢体が膝の上で舞った。
淡い繊毛で覆われた優美な太腿の中心部に、珈琲缶を凌ぐかのような極太の肉棒が愛液を滑めらせ出し入れされる。
秘めやかな花弁は、孝太郎の逞しい逸物が出し入れされる度に、捲くれて濡れ光るピンクの粘膜を覗かせる。
孝太郎は、熟した膣内の感覚を味わいながら、うなじへ吸い付いた。
背後から、耳たぶを噛み、耳の中へ舌を入れる。
「あっ、ああっ、あん……」
突き上げられた腰が落ちる度に、南の口から悩ましい嬉声が漏れる。

達也の優しい愛撫とは違う荒々しい責めに、南の頭の中には火花が散っていた。
子宮の奥を巨大な亀頭で捏ねられると、南は思わず歓喜の吐息を漏らしてしまう。
「いいっ、あっ…」
艶っぽいうなじを大きく浮き上がらせ、舌足らずの悲鳴を上げながら背後から攻撃してくる豪棒に自分を蹂躙させている。

達也との性交に比べ何倍もの悦楽を感じる
ひしひしと迫ってくる官能に、未だ見ぬ世界へ導かれようとしていた。
頭の芯が甘く痺れ、理性は蕩けるような快感に熔け落ちようとしている。 
子宮口まで届いている肉棒を、貪るように躰を弾ませる。
煌めく黒髪を打ち振り、孝太郎の激しい反復運動に呼応して、自分も弧を描くように双臀をうねり舞わせた。
熱い果汁を肉棒に浴びせる。
愛液は、孝太郎の肉棒を伝い、ウォータベッドに染みを創っていく。

周りの男達は、興奮の坩堝と化している。
清純を絵に描いたような淑女が男に跨り、桃尻を誘うようにくねらせているのだから、興奮するなという方が無理だった。
胸を露にしたバニースーツの女性達に、ディープキスを強要している。
紅唇に吸い付きながら、指を自分の肉棒の根元にからめさせて扱かせている。
憧れの女性が官能に震える様子を喰い入るように眺めながら、乳房の狭間で肉棒を擦る者もいる。
黒髪をつかんで口唇奉仕している女性に、また別の男が自分の逸物への奉仕を要求する。

男達は、心の奥深くに仕舞っておいた宝物が壊れていくような一抹の寂しさも感じていた。
華奢でしなやかな白い躰が、屈強な男の膝の上で大きく仰け反っている。
細い腕は、時折何かを求めるようにして宙を彷徨う。
「ああっ、あっん…」
甘い歓声が断続的に発っせられる。

高校時代の人一倍の羞恥心を持っていた浅倉を知る者にとっては、まさに信じがたい出来事のように思える。
新体操のコスチュームでさえ恥ずかしいからと、試合以外では殆ど着用しなかったあの頃…
決して膝上より短い制服を身に着けようとしなかったあの頃…
しかし、抽送に合わせて自らも腰を淫らにくねらせ、髪を振り乱して喘いでいるのは紛れもない事実なのだ。

快楽に打ち抜かれた美貌は、男を惹きつけてやまない艶麗な色気に満ちていた。
青い果実という清楚な殻を脱ぎ捨て、成熟した魅惑的な女性へと変貌を遂げている。
憧れの対象であった女性は、極太の肉棒で躰を蹂躙され、喜悦の悶え顔を呈している。
しかし、性の悦楽に溺れながらも、深く備わった淑女の気品は決して失われてはいない。
清らかな輝きは、躰の奥底からまるでオーラのように発せられている。
男達は、大人の色香を纏い、一層魅力的な女性へと変貌した姿を眩しく見つめるのだった。
孝太郎は、浅倉を組み伏せる形で正常位の体勢に戻すと、唇を狂おしく求めた。
すると、南は拒むどころか孝太郎の首に手を廻し、待ちわびたかのように可憐な唇を開いた。
さらには愛しげに自ら舌を差し出し、切なく甘えるように舌を絡ませてくるのだ。
2人は舌と舌を絡ませ、競うように擦り合わせる。
孝太郎が、大量の唾液を送り込んだ。
「うっ…」
南は甘い吐息を漏らして、流し込まれる唾液を飲み下す。
まるで、熱愛中の恋人同士のような接吻だ。

舌を激しく絡め合いながら、孝太郎は少しずつ腰の動きを早め、より力強く浅倉を貫いていく。
浅倉の美麗な乳房を揉みしだく。
充血して堅くなった乳首を、指で揉むように軽く転がす。
南は、貫かれた腰をしなやかに揺すリ、その度に膣肉を収縮させる。
「あうぅ…、いいっ…」
孝太郎は、切羽詰った喘ぎ声を楽しみながら、熱化した剛棒を膣内へ叩き込む。

南は、芯まで蕩けっきった表情で、艶かしい声をあげながら、裸身を大きく仰け反らせる。
無数の襞が微妙に痙攣させ、熱い愛蜜を肉棒に浴びせかける。
膣肉が絡み付いて甘く包まれている上に、膣襞で肉棒を濃厚に扱かれて、孝太郎の昂奮は頂点に達している。
「ああん、もう、だ、だめぇっ…」 
南の喘ぎ声がさらに切迫する。
体の震えもより小刻みになっていた。 

孝太郎は、肉棒の先端が子宮口を叩く程に深く貫く。
そして、胎内奥深くまで挿入された肉棒を、愛しく纏わり付く肉襞を掻き分ける様に引き抜く。
それは、雁首の括れが抜けようとする寸前まで一気の動作である。
休む間もなく、再び勢いをつけて腰を進め、熔けた膣肉の最奥部へと剛棒の先端をもぐり込ませる。
その動きは、浅倉の秘部に自分との性交の烙印を刻み付けようとするかのようであった。

南の鞘を剥ぎ取られた可憐な突起は勃起し、花園の上部で赤桃色に色付いている。
孝太郎の剛棒が狭い膣穴を押し広げて侵入するとき、露わになった肉芽の突起を絶妙に撫で上げる。
「あぁっ、あぁっ、あああっ…」
南は、初めての感覚に達しようとしていた。
かって到達したことのない喜悦の衝撃が手招きしている。
達也との性交では、絶頂感を覚えるまでには至らなかった。
達也では味わえなかった女としての肉体的な満足感を求め、南の躰は素直に反応していく。
膣内を余すことなく擦りあげる豪棒に愛蜜を塗し、その充足感を全身で噛み締める。

南は孝太郎の背中に爪を立てた。
躰が昂揚感に貫かれ、それがもっと欲しくて怒張を締め上げる。
とろけた肉襞で肉棒を粘っこく包み込みながら、妖しい腰つきで誘う。
片足を孝太郎の腰へ絡みつくように廻し、快楽を与えてくれる愛しい腰を一層自分の元へ引き込もうとする。
桃尻を淫靡に踊らせ、男の抽送をせがむ。
魅惑的な美貌を淫らに輝かせ、これでもかとばかりに剛棒を締め付ける。
2人は汗にまみれた恥毛と恥毛を擦り合わせて、お互いの粘膜の感覚を貪ろうとする。
下半身の粘膜と粘膜は、緊密に溶け合って一体化している。

朦朧とした意識の中で、達也の優しい微笑を浮かべた顔がおぼろげに揺らめいた。
そして幻想のように、恋人の姿はしだいに彼方へ消え去っていった。
頭の中が真っ白になると、暫くして南の脳に閃光が走った。
全身を痙攣させ、おびただしい花蜜を愛しい肉棒に浴びせると、一気に天空へ舞い上がっていった。
「あぁ、いっ、いくぅっ…」
髪を振り乱し、搾り出すような声で嬉悦を告げると、しなやかな躰を仰け反らせた。
南が初めて迎えた絶頂の瞬間である。
初めての絶頂は、甘美感が全身を襲い、脳が蕩けるような快感に貫かれた。

その瞬間、孝太郎の昂ぶりも頂点に達した。
しなやかな浅倉の躰をきつく抱擁し、白濁の熔岩を浅倉の子宮に放っていった。
巨大な肉棒はさらに膨張し、愛しい浅倉の肉襞に豪傑さを誇示しようとする。
尿道を駆け抜けて次から次へと吐き出される熱い白濁液が、子宮口へ叩き付けられる。
いつ終わるとも知れない射精が続いた。

南の膣内におびただしい量の精液が迸り、狭い肉路が満たされていく。
「い、いやっ……」
精液の熱を体内に感じた事により、南の官能は更に燃え上がった。
膣襞が、まだ精を吐き出す肉棒に絡みつき、精液を最後の一滴まで搾り取ろうと激しい収縮を繰り返す。
長い射精が終わっても、2人は荒い息のまま快感の余韻に浸りながら、躰を合わせたままでいた。
狭い肉路に収まり切らなかった白濁液が結合部分から漏れ出して、2人の恥毛を絡みつかせようとしている。

暫くして、孝太郎は南の唇にそっとキスをすると、名残惜しそうにゆっくりと自分の分身を引き抜いた。
欲望を解き放った後の肉棒に、生暖かい粘液が粘り付いてなんとも気持ちがよい。
南は、顔を左右の肩へ傾けるようにして、荒い息を繰り返し絶頂の余韻に浸ったままである。
躰を動かそうにも、指先まで蕩けてしまっている。
汗を含んだ黒髪が、つぶらな瞳そして小鼻の上に流れるよう掛かっている。
蹂躙された恥裂は開かれたままで、合せ目から孝太郎が放出したばかりの粘着性のある淫猥な白濁液が流れ落ちた。 
南は、剥き出しの秘裂を隠そうともせず、未だに続く快感の波にその身を委ねている状態だった。

コート上には、若い獣たちの放った生臭く濃厚な匂いが、息苦しく立ち込めている。
廻りの男達も、2人の絶頂に合せるようにレインボーガールの口や手で自らの欲望を満たしていた。
中には、脱ぎ捨てられていた浅倉の下着やテニスウェアを奪い、自分の分身を包み込みながら自慰で果てた者もいる。
輪田は満足げな表情で、マイクを手に取った。
「今回のイベントはこれで終わりです。
憧れの浅倉さんも、高校時代の清純さを脱皮して大人の女性として成長していることが確認できたと思います。
皆様、ご満足いただけましたか!!」
男達から大きな歓声が上がる。

「それでは、今日のイベントはこれで終了します。
次回は、和瀬田大学の綿家理沙さんと律銘館大学の黒木麻伊さんがゲストです。
野球拳などのゲームで楽しんでもらう予定です。奮ってご参加ください。
今回以上の興奮をお届けしたいと思います。」
孝太郎は、輪田の声を遠くで聞きながら、虚脱感と背徳感に苛まされながら、服を羽織っていった。
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12 終章
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「あの日」から1年と5ヶ月が過ぎた。
粉雪が舞う1月の寒い冬の日だった。
松平孝太郎はベッドに横たわり、スポーツ新聞を眺めていた。
その1面には、上杉達也と浅倉南の婚約の記事が掲載されている。
プロ野球もオフシーズンに入り、大きなスポーツイベントも無かったことから、数面を割いて特集されていた。

無理もない。
達也は、昨年大リーグで22勝して最多勝には僅かに及ばなかったが、堂々防御率のタイトルを獲得した。
昨年末に某テレビ局が行った好きなスポーツ選手の部門でも1位に輝いている。
今、最も注目されている野球選手であり、甘いマスクも手伝って女性達に圧倒的な人気がある。
その、選手が婚約したのだから、スポーツ紙も大きく取り上げる訳である。
知人や関係者のインタビュー記事が並んでいる。
あまりにもお似合いの達也と浅倉に対して、中傷や僻みの記事は見当たらなかった。、
2人の性格や振る舞いを反映してか、祝福や励ましの言葉ばかりである。
中には、有名な女子アナウンサーの「残念だわ。また他の男を見つけるわ。」のような能天気なコメントも載ってはいるが…。

「あの日」を思い起こす。
あれから、黒服が撮影したビデオと達也と浅倉のホテルの場面のビデオを奪った。
全てが終わったあと、黒服達が集まっている部屋へ向かった。
それまで孝太郎がおとなしくしていたので安心したのだろう。
怪訝そうではあったが部屋へ通してくれた。
それから、リーダーの奴を2、3発殴ってやった。
所詮、相手は暴力団とは違い、度胸も座っていない。
大声で恫喝すると、撮ったばかりのビデオテープを素直に差し出した。
そして、もしもの為に持ってきていたという2人のホテルでの場面を撮影したビデオも強奪した。

それらのビデオは差出人を自由會として、浅倉南宛に送り届けた。
内には「約束どおりお返しします。」とだけワープロで打った書簡を入れておいた。
そうする事が、助けに行ったはずのに何も出来なかった、そればかりか親友の彼女と交わってしまったことへの、せめてもの償いであった。
それから、1週間後に輪田が逮捕される。
輪田の悪事は、週刊誌やテレビなど様々な媒体を通して暴かれていくが、「あの日」の事はどこからも聞こえてこない。
政治家が父親という者も特別会員だったらしいので、政治的圧力で揉み消されたのかもしれない。

今、孝太郎は順風万帆である。
恋人も出来た。
その彼女は一昨年の秋に浅倉から紹介された。
ちょうど「あの日」から1ヶ月が過ぎようとしていた頃だった。
突然、浅倉から電話があって呼び出されたのである。
名前は中野美菜といい、孝太郎より1つ年下である。

啓応大学のミスキャンパスにも選ばれたそうで、とてもチャーミングな女性であった。
孝太郎の友達からも羨ましがられる程の女性が、なぜ自分のような男にと疑問をもったが、浅倉も美菜からも明確な返事は聞いていない。
性格的にも明るく孝太郎はすぐ気に入った。
彼女も、初対面のときから何故か孝太郎に好意を抱いている様子であった。
それから何度かデートを重ねた後、男女の関係になった。
勿論、処女ではなかったが、流石に孝太郎の分身を受け入れる時には涙をこぼして痛がったものである。

懸念していた就職も、美菜の父が専務をしている大型電気量販店に、その後すぐ決まった。
そして昨年の9月から新人であるにも関わらず、薄型テレビのコーナーを任されるようになった。
誰からも親しまれやすい体型と人当たりの良さで大きく売り上げを伸ばし、将来を嘱望されるようになっている。
美菜の家にも招待され、美菜の父からも、
「一時期落ち込んでいて心配していたが、君と付き合うようになってからいつもの明るさを取り戻した。」
と大きな信頼を得ている。
彼女の卒業後には、将来を約束しようみたいな話も出ている。

孝太郎は確信している。
浅倉が「あの日」自分を抱いたのが孝太郎だと分かっていることを…。
初めて美菜を抱いたとき、美菜は孝太郎の巨大な逸物を見ても余り驚かなかった。
風俗嬢でも驚愕する逸物に、美菜はさも頼もしそうな眼差しを向けていた。
誰かに、知らされていたに違いない…。

そして、昨年の年末、達也、浅倉、美菜、孝太郎の4人でテニスをした時の事だった。
浅倉は「あの日」と同じデザインのテニスウェアを着ていた。
達也と浅倉がペアを組むととても勝負にならないので、達也・美菜対浅倉・孝太郎というペアで試合をした。
孝太郎がバックに回った時に、浅倉のスコートから覗ける白いアンダースコートが眩しかった。
試合後、コートの横のテーブルで談笑しながらドリンクを飲んでいるときだった。
浅倉の前には達也、美菜の前には孝太郎が腰を降ろしていた。
達也がトイレで席を外すと、浅倉が今まで揃えていた脚を組んだ。
孝太郎が脚の付け根に眼をやると、先程まで確かに付けていたアンダースコートがない。
純白のパンティが浅倉の恥部を覆っているだけだった。

浅倉は、孝太郎の視線を確認すると、座り直す振りをしてさらにスコートを持ち上げた。
健康的な太股の奥の白い三角形が一層大きくなり、孝太郎の眼を射る。
浅倉は何事もなかったのように、笑顔で美菜と会話を続けている。
浅倉が、なぜあのような行動をしたのか今でも分からない。
孝太郎を誘惑したのだろうか…。
それとも、手出しの出来ない状況でこういった仕種をすることで、
「私は、達也のものなのよ。もう、忘れて…。」
と念を押したのだろうか…。
それから1ヶ月も経たないうちの出来事である。
新聞には、新体操でインターハイ優勝という浅倉南の紹介とともに、スポーツビジュアルの表紙を飾った例の写真が掲載されている。
レオタード姿の浅倉と「あの日」テニスのスコートだけで同じポーズをしていた浅倉の姿が交錯する。
孝太郎は激しい嫉妬を覚えた。
何か媚薬を使われていたにせよ、初めて浅倉に絶頂を極めさせたのは自分だという自負がある。
近くて遠い存在だった憧れの浅倉を初めて抱いた。
あの時の感激は生涯忘れられるものではない。

「あの日」の浅倉の肢体が思い出される。
円錐形の乳房、薄い恥毛、そして優しく絡みついてきた熱い肉襞……
心の奥底から欲望が頭をもたげ始める。
南の3秘宝のうち、まだ1つしか征服できてないという心残りもある。

切ない顔で、奉仕する姿を見てみたい。
柔らかい唇を自分の分身に吸い付かせ、舐め廻させたい…。
睾丸を唇に含ませ、丁寧に愛撫させたい…。
眼に涙を溜めながら、精液を呑ませたい…。
舌で丹念に自分の分身に後始末をする姿も見てみたい…。

そして何よりも、自分の人指し指を喰い締めてきた菊花の感覚がまだ残っている。
底無し沼のような感触、真綿を締め付けるような力感は、秘部で味わった快感とは別の意味で欲望をそそる。
達也は、とてもそんなことはしていないだろう。
誰も踏み入れたことのない処女地を征服したい…。
そこであれば、面倒な避妊の心配もない。
最初はとても受け入れるのは無理だろうが、慣らしていくうちにそれも可能になるだろう。
指、そして張型で徐々に開発していくうちに…。
最後には、前よりも後ろで嬉ぶ女にしてみたい…。
そんな、加虐感が心に芽生えるのであった。

甲子園優勝の集合写真の裏に、「あの日」を映したビデオテープからダビングしたDVDを隠してある。
これを持って、南の所へ行けばどうなるだろう。
警察にいって告白されれば、全てを失うかもしれない。
親友も、恋人も、仕事も、そして世間からも見捨てられるだろう。
しかし、どんなに事が待ち受けていようとも、甘い欲望が心を支配し勝ってくるのが分かる。

南となら地獄に堕ちてもいい。
最高に可憐な女を味わいつくし、自分好みの色に染めてみたい。
口腔、子宮、直腸と全ての粘膜に、熱い体液を浴びせたい。
隷嬢の刻印を打ち込みたい。
そんなことを考えると、孝太郎の歪んだ欲望は一層激しく燃え上がるのだ。

新聞記事によれば、今年のシーズン中は花嫁修行をして、シーズン後に結婚するらしい。
そして、来年からは2人でアメリカで新婚生活を送るようだ。
心までは支配できなくても、肉体は支配出来るのではないか。
もしかしたら、南もそれを望んでいるかもしれないという淡い期待もある。

もし、南が受け入れてくれれば、2人で背徳のそして淫悦の時間を過ごそう。
その期間も長い人生の中で、たった半年余りである。
2人で淫魔の沼へ沈み込むのだ。
2月に達也が大リーグのキャンプに旅立ったら、南の所へ行こう。
新聞を欲望の眼で眺めながら、そう固く決意するのだった。
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9ヶ月が過ぎた。
新宿にある有名なホテルで、スポーツ関係者や著名人が参列し、盛大な結婚披露宴が行われた。
人懐っこい顔をした太目の男が、新郎の友人としてスピーチを行っている。
高校時代のエピソードを紹介し新郎の誠実さを讃え、時にはユーモアを交えて参列者を和やかな雰囲気に包み込む。
照れながらも笑顔でスピーチを聞いている新郎の隣で、とびきり可憐な花嫁がその男を切な気に見詰めていた………。


〜おしまい〜



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