藤原編集室の2007年


2007年、藤原編集室はこんな仕事をしてきた。

2月 ロバート・トゥーイ 『物しか書けなかった物書き』 (河出書房新社)
3月 ジョン・ディクスン・カー 『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』 (創元推理文庫)
4月 グラディス・ミッチェル 『ウォンドルズ・パーヴァの謎』 (河出書房新社)
5月 ドイル傑作集3 『クルンバーの謎』 (創元推理文庫)
8月 柴田宵曲 『明治風物誌』 (ちくま文庫)
9月 ジャック・リッチー 『ダイアルAを回せ』 (河出書房新社)
11月 ジョン・コリア 『ナツメグの味』 (河出書房新社)
    シオドア・スタージョン 『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』 (河出書房新社)
    ナイオ・マーシュ 『道化の死』 (国書刊行会)
    ※タイモン・スクリーチ 『江戸の大普請』 (講談社) *編集協力

このうち 『ゴドフリー』 文庫化は随分以前に自分の手を離れていたもので、「2007年の仕事」 という気はしない。マーシュ 『道化の死』で 《世界探偵小説全集》 4期45巻が完結。一方、《KAWADE MYSTERY》 は第2期に入った。また、『[ウィジェット]と[ワジェット]とボフ』 は元々 《晶文社ミステリ》 で予定していた企画が河出書房新社 《奇想コレクション》 へ移ったもの。同社では 『海を失った男』 等の文庫化の話も進み、新しく始まった 《世界文学全集》 のお手伝いも少しだけさせていただいている。
タイモン・スクリーチの本は講談社学術書部門から頂戴した完全な外注仕事。江戸時代について英国人が書いた本の翻訳という、いつも手がけている本とは少々勝手が違う仕事だったが、教えられることも多く、楽しく出来た。《世界探偵小説全集》 という大きな仕事に区切りがついたこともあり、今後はこうした外注編集の仕事も増えていくのではないかと思う。
毎年恒例になりつつある柴田宵曲本。2008年も大冊 『奇談異聞辞典』 が控えている。

(2008.7.3)

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