global steel trends

鉄のコーナー     


しおり



1.株価動向
share pices
(17.02.01)


2.米国の粗鋼生産
U.S.A
(17.02.08)
 



3.日米鉄スクラップ市況
(17.01.10)



4.アジア鉄鋼生産 
Asian steel
(16.10.28) 


5.中国鉄鋼業の経営動向
China steel maker
(15.08.04)
 


6.トピックス
TOPICS
(16.02.06)



7.レポート

L..ミタルを巡る国際鉄鋼業の再編



はじめに prologue


第1章 アルセロールミタルとは about ArcelorMittal

1.プロフィール profile
(08.06.24)


2.役員 board
(08.05.02)


3.企業業績 achievment
(08.11.07)


第2章
アルセロールミタルの経営手法 management
(08.02.20)

第3章
アルセロールミタルの企業財務 corporate finance (08.06.09)

第4章
今後の展開 overview
(07.11.20)


6..国際鉄鋼統計
(figures)
(09.7.27)
 
 












































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1. 主要鉄鋼メーカーの株価動向  
share prices of AlcelorMittal
     (31/January/2017)

1月31日(火)NY市場の主要鉄鋼4社は総じて軟調。





<参考> 2014/5/29以降の株価

ニュ-コアは60ドル台前半。直近ピーク 2014年9月18日の58.09ドルを上抜け。




日経平均とダウ工業株価 Nikkei 225, Dow J. )

日本鉄鋼メーカー株価 (17.01.31


1−1. POSCO(NY市場)の株価動向

ポスコは50ドル台後半。






1−2. 新日鉄・住金(ドル換算)とアルセロールミタルの株価動向

新日鉄・住金(ドル換算・旧基準)は
2ドル台前半アルセロールミタルは8ドル割れ。






1−3.米国主要銘柄7社の株価動向


1月31日(火)NY市場の主要銘柄7社は高安まちまち






<参考1> 2007/10/30〜2014/10/16




<参考2> 2010/11/18〜2014/10/16



<参考3> 新日本製鉄(株)vsポスコ

新日鉄住金(株)

ポスコ

売上高

5兆5162億円

6兆1865億円

営業利益

2984億円

2996億円

総資産

7兆0823億円

8兆4455億円

営業利益率 5.4%

4.8%

自己資本利益率 37.9%

54.2%

総資産回転率

0.78倍 0.73倍

時価総額

2.9兆)

2.9兆円

                                                       (出所)週間ダイヤモンド 2014/08/30


2. 米国の粗鋼生産と操業率 U.S.A  Crude steel production & operaion rate


@週次ベース

2017年2月第1週 (04/Febrary/2017) の粗鋼生産・操業率

粗鋼生産は13週連続前年超。4週連続で年率8千万トン台。操業率は7割台前半。

粗鋼生産(年率)  8,128万トン    前月同週比(年率) 184万トン増    前年比 3.5%増

操 業 率  72.7%     前月同週比 1.7% ポイント上昇 




(note) The Raw Steel production tonnage provided in this report is estimated. The figures are compiled from weekly production tonnage provided from 50 percent of the domestic producers combined with monthly production data for the remainder. Therefore, this report should be used primarily to assess production trends.



A月次ベース

2016年6月

年率 8,199万6千トン     前月比 ▲175万8千トン減   前年比 ▲0.1%減  
5ヶ月振りに前年割れ

粗鋼生産は昨年11月に底打ちし、年率 8千トン台に回復。リーマンショック直前は1億トン超。




<参考> 5th/April/20084th/April/2014





3.日米鉄スクラップ市況

日米鉄スクラップ市況(2016年12月第3週





<参考>日米鉄スクラップ市況(2008年4月第5週〜2014年5月第1週)





4.アジア鉄鋼生産 
crude steel production in Asia

東アジア地域の9月粗鋼生産

日本      844万 2トン

中国    6,817万0千トン


韓国      571万 6千トン 







9月の東アジア粗鋼生産(前年比)

日本     前年比    ▲ 1.5%減
中国     前年比        3.9%増         堅調
韓国
     
前年比        1.1%増






(参考)インドの鉄鋼生産動向

9月  インド粗鋼生産量  788万0千 トン    日本のほぼ9割。韓国を抜き急速に日本に接近。






鉄鋼生産(年率換算)の国際比較

世界の粗鋼生産は年率換算で約16億トン。中国は8億トンベース。中国の粗鋼生産能力は11億トン規模と言われる。






同上・前年比増減

世界の粗鋼生産は中国に概ね連動。






世界鉄鋼生産・構成比

中国が世界の粗鋼生産の約5割を占める。東アジアは6割強。






5.中国鉄鋼業の経営動向 China Steel Maker

6月の鉄鋼業・購買担当者指数PMI

指数 37.4   前月比▲5.0ポイント低下  6年半振りの低水準。昨年4月以降、景況感分岐点「50」を下回る。

(注) 購買担当者指数は以下5項目の複合指数
(ウエイト:新規受注30% 生産25% 雇用20% サプライヤー納期15% 在庫10%)






購買担当者項目別指数

新規受注と生産の低下が大きい。











6. トピックス TOPICS

2016.2.5      アルセロール・ミタル     2015年12月期決算      (2/6 付 日経朝刊から抜粋)

   アルセロール・ミタルが5日発表した2015年12月期決算は最終損益が▲79億6千万ドルの赤字。2006年発足以来、2012年の▲37億ドルを上回る過去最大の赤字。前年比は▲70億ドル弱の赤字増。期中平均の販売価格が2割低下。

売上高     635億7,800万ドル (前年比 ▲20%減)
出荷量     8,460万トン    前年比微減


2015.10.21     ポスコ     2015/7〜9月期決算      (10/21 付 日経朝刊から抜粋)

   ポスコが20日発表した2015年7〜9月期の連結決算は、営業利益が前年同期比26%減の6,520億ウォン(約650億円)。13年12月にインドネシアに稼働した高炉一貫製鉄所も700億ウォンの赤字を記録。売上高は14%減の13兆9960億ウォン。部門別には鉄鋼が11%減、商社が16%減、プラントが0.6%減。

 最終損益は6,582億ウォンの赤字(前年同期は2,240億ウォンの黒字)。変圧器などに使う方向性電磁鋼板を巡る新日鉄住金との訴訟の和解金を費用として計上。ウォン安に伴う為替差損もマイナス要因。15年通年で2兆ウォンの純利益達成が目標。



2015.02.13    アルセロール・ミタル     2014年12月期決算      (2/14 付 日経朝刊から抜粋)

アルセロール・ミタルの2月13日発表。2014年通期の最終損益は11億ドルの赤字(前期は25億ドルの赤字)見込。鉱業部門の採算悪化がマイナス要因。


2014.09.25   
ミタル、米から再攻勢    
(9/24 付け日経朝刊から抜粋)

 鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタルは大型買収を繰り返して巨大企業に成長したが、欧州で債務危機に直面し財務リストラに追われた。新車販売が好調な米国で自動車用鋼板に集中投資し復活の足場とする。

 2月に新日鉄住金と共同で独ティッセン・クルップから買収した米南部アラバマ州カルバートの鋼板工場を戦略拠点と位置づける。16日、同工場にミタルが武器とする自動車用鋼板の新鋭技術を投入すると発表した。

 サビ止めのために通常使う亜鉛に加え、アルミニウムなども使う特殊な鋼板を来年1月から生産する。加工がしやすく、使い方によっては重量を23%軽くできるという。

 米国の新車販売台数は09年を底に4年間で1.5倍に回復し、ミタルも13年に米国での設備投資を前年より17%増やした。米鋼板生産量は今年にも08年を超える見通しで、今後5年で需要はさらに12%伸びると読む。米国の下支えもあり、4〜6月期決算は2年ぶりに最終黒字に転換した。

 鋼板の元となる母材はメキシコ製を使うほか、ブラジルの高炉を再稼働させて輸送する。低迷するブラジル事業を側面支援できる一石二鳥の効果も見込む。


2013.05.02
  
米鉄鋼市場に冷めた視線   
(5/01 付け日経夕刊「ウオール街」から抜粋)

 毎年1500万台前後の自動車が売れ続けた米国は需要が読みやすく、南米鉱山からの原料調達も容易。再編を経て大手はUSスチールに絞られ、海外勢からみれば格好の市場に映るが、なぜか米国で成功した海外鉄鋼大手は皆無。

 旺盛な自動車販売、住宅市場の回復、にぎわう株式市場。それでも米鉄鋼市場を見る各社の目はどこか冷めている。かつて来た道をたどるまいとする警戒心が働いている。

 買収王ミタル氏もカナダのドファスコや欧州アルセロール買収で足場を米国に築いたが、老朽化した設備の改修投資が予想外にかさんだ。最大の失敗例・独ティッセン・クルップは10年に稼働したばかりの最新鋭鋼板工場を売りに出さざるを得ない苦境にある。

 かつて鉄鉱石の産地だった五大湖周辺に集積する米製鉄所は、効率性の面で臨海型製鉄所に太刀打ちできない。高い人件費もネック。この10年近く淘汰が全く進まない中国も新たな脅威。中国の安価な鋼材が世界の鉄鋼大手を苦しめている。米国も例外ではない。

 30日に1〜3月期決算を発表したUSスチールは鋼板の値下がりが響き最終損益は7,300万ドル(約71億円)の赤字。株価は30日にやや戻したが、年初から3割も安い。


2013.02.11    
中国の鉄鋼主要80社、前年比▲98.2%の減益 (日経電子版から抜粋)

 中国鋼鉄工業協会によると、宝鋼集団(上海市)など主要80社の昨年の実現利潤(税引き前利益に相当)は15億8100万元と前年から98.2%減少した。2ケタ減益は金融危機で世界景気が急減速した09年(31.4%減)以来となる。

 不動産購入規制による不動産開発ペースの鈍化や、家電や造船など工業製品の販売不振で中国の鋼材市況は低迷。自動車や家電向け鋼板の母材となる熱延コイルは昨夏までの半年で2割安の1トン約3400元まで下落した。

 昨年9月ごろに市況は反転。在庫調整が進み、宝鋼集団など大手各社は鋼材値上げにも踏み切った。それでも業界団体による12月末の鋼材総合価格指数の上昇率は夏場から5%程度。「価格の上昇ペースは遅い」(同協会)

 背景には設備過剰がある。中国では08年の金融危機後に打ち出した政府の4兆元規模の景気対策で鉄鋼業界が設備投資を積極化。UBS証券の鉄鋼アナリスト、唐驍波氏によると、中国の粗鋼生産能力は12年時点で8億7300万トンと09年比で2割近く増えている。

 中国工業情報化省は景気底入れで13年の中国の粗鋼生産量が12年比5%増の7億5千万トン前後と予測する。伸び率は12年実績の3.1%を上回る見通しだ。それでも設備過剰の解消には程遠い。


2013.02.07    ミタル、債務危機の影響などから通期で初の赤字(日経電子版から抜粋)

  鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタル(ルクセンブルク)の2012年12月期の最終損益は、37億2600万ドル(約3500億円)の赤字。11年は22億6300万ドルの黒字。通期の赤字は06年の会社発足以来初めて。欧州事業が約37億ドルの営業赤字を計上。

2012.10.03    
ここにもチャイナリスク(日経電子版から抜粋)

  世界経済の減速で鉄の需給はただでさえだぶつき気味だが、中国では過去の経験則から「製鉄所はつくれば絶対もうかる」というのが常識になり、設備投資に歯止めがかからない。
  週刊東洋経済9月29日号の「中国炎上」特集によると、今中国全土で高炉が56基建設中であり、それらが完成すれば生産能力は8,440万トン増えるという。生産能力の余剰にもかかわらず、日本一国にほぼ匹敵する新設備が数年内に稼働を始める。記事によると、地方政府もそれぞれの地元の製鉄会社をサポートしており、過剰能力だからといって再編も淘汰も進まない。中国国内で行き場を失った鉄は安値で輸出市場に出回り、かくして中国を起点とした大幅な需給ギャップが世界に広がった。
 さすがのミタルも中国から押し寄せる洪水のような鉄にはいかんともしがたい。買収に次ぐ買収でのしあがったラクシュミ・ミタルCEOも足元では資産の売却などによる縮小均衡路線に舵を切ったという。ミタルの買収の脅威に身構えてきた日本の鉄鋼大手としてはややホッとできる状況だが、ミタルリスクと中国リスクのどちらが深刻か、というのはまた別の問題である。


2012.10.02  
  中国の宝鋼集団、最新製鉄炉の稼働停止(日経朝刊から抜粋)


 中国鉄鋼大手、宝鋼集団(上海市)が2007年から導入した還元製鉄炉(年産能力は2基合計で300万トン超)の稼働を停止した。
  景気減速で中国の鋼材市況は低迷。鋼材価格の下落などで悪化した収益基盤を立て直す。市況がさらに悪化すれば他社が追随するのではないかとの観測も出始めた。
 中国鋼鉄工業協会によると、景気減速で膨らんでいた中国の鋼材在庫は2月末の1894万トンをピークに減少傾向にあり、鋼材価格も足元で上昇に転じた。もっとも「価格上昇は一時的」と慎重に見る業界関係者は少なくない。「今は需要回復期待の思惑買いが主流。実需に回復感はない」(業界筋)
 中国の昨年の粗鋼生産量は約6億8千万トンと世界の半分近くを占めたが、生産能力は約9億トンとされる。

2012.10.02   ミタル、仏北部の溶鉱炉2基閉鎖 (日経夕刊から抜粋)

  鉄鋼世界最大手のアルセロール・ミタル(ルクセンブルク)は1日、仏北部の溶鉱炉2基を閉鎖すると発表した。欧州債務危機で鉄鋼需要の回復が当面見込めない。自動車大手の仏プジョーシトロエングループ(PSA)が工場閉鎖を計画するなど、欧州製造業で過剰設備を見直す動きが広がってきた。
  閉鎖する溶鉱炉はドイツとルクセンブルクの国境に近いフロランジュ市にある。従業員は約600人。すでに稼働を休止し市況の回復を待っていたが、「欧州の鉄鋼需要はいまだに2007年比で25%少ない状況」(ミタル)。仏政府は同設備の閉鎖を避けるため、売却先探しに着手。ミタルもこれを受け入れて今後60日間の猶予期間を設けるが、売却先が見つからなければ閉鎖する。
  ミタルは1〜6月期の欧州鋼板事業の営業損益が、前年同期の約4億ユーロの黒字から約4億ユーロの営業赤字に転落。これまでもベルギーの溶鉱炉を閉鎖するなど生産能力を縮小してきた。



7.レポート

「L.ミタルを巡る国際鉄鋼業の再編
(
「ArcelorMittal  vs. Nippon Steel」 )

はじめに
 prologue

 世界の鉄鋼業は再編の大きなうねりに直面している。TOBによるミタルスチール(粗鋼生産量一位)のアルセロール(同・二位)買収は、まさに変革期にある鉄鋼業界の現状を象徴する。ミタルスチールの総帥、L.ミタルはこれまでも企業買収を繰り返して急速に世界第一の地位を築いてきたが、今回の成功により世界の鉄鋼市場に確固不動の基盤を確立したと言える。

   アルセロール・ミタル社の誕生に至る実質的な出発点は、インドネシアでスクラップ工場を経営していたミタル会長が、トリニダードトバゴの鉄鋼メーカーを買収した1989年に遡る。その意味で、1989年は、世界鉄鋼業再編の歴史において記念すべき年となった。

  その後も、ミタル会長は世界各地で破綻寸前の鉄鋼メーカーを次々と買収し、それをインドネシアの工場経営で得たノウハウを活用して企業再建することで、世界有数の事業と個人資産を形成した。その過程では、数々のリスク(生命の危険や政治的スキャンダルも含む)を切り抜け、20年近くの歳月を掛けて世界に冠たる一大事業体に押し上げた。
   
   奇しくも、このミタル社の発展・成長は、国際的に見ると、ソ連崩壊による冷戦二極構造の終焉(旧社会主義圏鉄鋼業の国際市場参入)及び中国鉄鋼業の台頭、また、わが国においては、バブル経済の崩壊(それに続く「失われた10年」の低迷)及び鉄鋼業界の抜本的リストラ・企業再編等、世界史及び鉄鋼史上で特記すべき時期に該当する。文字通り、ミタル会長の「偉業(少なくとも現時点では)」は、政治・経済の両面において国際社会が極めて流動的かつ不安定な状況において達成された歴史的所産とも言える。
   
   今後、わが国の鉄鋼業界はアルセロール・ミタルの攻勢のもとで厳しい状況に置かれることが予想される。ここでは、これまでのミタルスチール巨大化の経緯をフォローし、L.ミタル(Lakshmi Mittal)が目指す世界鉄鋼業界の次なる展開を検討する。

第1章 アルセロールミタルとは  about ArcelorMittal


1.プロフィール  profile
 2007年にアルセロールとミタルの統合が完了し名実ともに世界一の鉄鋼メーカーに飛躍。関係地域は世界の60カ国に及び世界27カ国に企業立地。従業員は33万人を数える。2007年の粗鋼生産は1億16百万トン、世界生産のほぼ1割のシェアーを占める。売上高は1,052億ドル(約11兆円)。
  株価は統合前の2006年当時の30ドル台半ばから現在は100ドル台を上回り、時価総額は15兆円前後に達する。

株式時価総額  market values

株価動向  share prices


(1)世界の鉄鋼メーカー(粗鋼生産量)

増加率 比率
順位 メーカー名 所在地 2006年 2005年 06年/05年 2006年
100万トン 100万トン
1 アルセロール・ミタル オランダ 117.2 100.0
2 新日本製鉄 日本 34.7 32.0 8.4 29.6
3 JFEスチール 日本 32.0 29.9 7.0 27.3
4 ポスコ 韓国 30.1 30.5 - 1.3 25.7
5 宝鋼集団 中国 22.5 22.7 - 0.7 19.2
6 USスチール 米国 21.3 19.3 10.1 18.1
7 ニューコア 米国 20.3 18.4 10.4 17.3
8 唐山鋼鉄 中国 19.1 16.1 18.4 16.3
9 コーラス・グループ 英国 18.3 18.2 0.5 15.6
10 リヴァ・グループ イタリア 18.2 17.5 4.0 15.5

出所:IISI.HP


(参考)アルセロールミタル合併前の粗鋼生産量

増加率 比率
順位 メーカー名 所在地 2006年 2005年 06年/05年 2006年 2005年
万トン
1 ミタル・スチール オランダ 6,366 4,989 27.6 100.0 100.0
2 アルセロール ルクセンブルク 5,432 4,665 16.4 85.3 93.5
3 新日本製鉄 日本 3,370 3,291 2.4 52.9 66.0
4 JFEスチール 日本 3,202 2,957 8.3 50.3 59.3
5 ポスコ 韓国 3,120 3,142 -0.7 49.0 63.0
6 宝鋼集団 中国 2,253 2,273 -0.9 35.4 45.6
7 USスチール 米国 2,125 1,926 10.3 33.4 38.6
8 ニューコア 米国 2,031 1,845 10.1 31.9 37.0
9 唐山鋼鉄 中国 1,906 1,608 18.5 29.9 32.2
10 コーラス 英国 1,830 1,818 0.7 28.7 36.4

出所:英メタルブリテン社(東京ロイター)


(2) 世界の鉄鋼メーカー(株式時価総額


                               08/June/13, 株式時価総額(share values) , 億円(100millio\)     粗鋼生産( clude steel), 100万トン(1million ton) 
社 名 Company 国・地域(Region) 順位 (rank) 株式時価総額 前年比増減 順位 (rank) 粗鋼生産 clude steel
 2008 2007 (share values) (a year ago) 2006 2005 2006 2005
アルセロール・ミタル Arcelor Mittal オランダ Holland 1 1 149,735 47,873 1 - 117.2 -
ポスコ POSCO 韓国 Korea 2 3 48,918 ▲ 3,179 4 4 30.1 30.5
新日本製鉄 Nippon Steel 日本 Japan 3 2 42,339 ▲ 16,404 2 3 34.7 32.0
CSN CSN ブラジル Brazil 4 11 38,790 21,561 75 52 3.5 5.2
ゲルダウ Gerdau ブラジル Brazil 5 10 34,904 16,515 14 15 15.6 13.7
ティッセン・クッルプ ThyssenKrupp ドイツ Germany 6 5 34,549 ▲ 2,049 12 11 16.8 16.5
JFEホールディングス JFE 日本 Japan 7 4 34,531 ▲ 10,492 3 5 32.0 29.9
ノボリペック Novolipetsk ロシア Russia 8 9 31,396 12,152 30 31 9.1 8.5
宝山鋼鉄 Baosteel 中国 China 9 7 29,544 ▲ 3,389 5 6 22.5 22.7
ウジミナス Sistema Usiminas ブラジル Brazil 10 13 27,748 11,148 32 29 8.8 8.7
セベルスターリ Severstal ロシア Russia 11 16 26,667 10,950 11 13 17.5 15.2
ニューコア Nucor 米国 USA 12 8 24,018 1,328 7 8 20.3 18.4
住友金属工業 Sumitomo 日本 Japan 13 6 23,164 ▲ 10,284 18 16 13.6 13.5
USスチール U.S. Steel 米国 USA 14 12 22,201 5,570 6 7 21.3 19.3
中国鋼鉄 China Steel 台湾 Taiwan 15 14 20,477 4,600 25 26 10.7 10.3

(出所)日本経済新聞 Nikkei 2008.6.14   国際鉄鋼協会 IISI H.P


(3) 世界の鉄鋼メーカ(時価総額・粗鋼生産比率)

下表の時価総額・粗鋼生産比率は、アルセロール・ミタルで基準化した数値を用いて各鉄鋼メーカの粗鋼生産量一単位当りの時価総額を算出したものである。これによると、一般的に新日鉄やUSスチールなど、規模が大きく、成熟市場に立地する企業のは低く、ウジミナスやノボリペックのように新興市場に立地する企業は高い。その意味するところは、この比率が株式市場のメーカに対する将来期待値を表していると考えられる。その観点からすると、新日鉄や宝山鋼鉄はアルセロール・ミタルとほぼ同列に市場で評価されていると言える


社 名 Company 時価総額(A) 粗鋼生産(B) 比率(A)/(B)
share values clude steel ratio (%)
アルセロール・ミタル Arcelor Mittal 100.0 100.0 0.0
ポスコ POSCO 32.7 25.7 27.2
新日本製鉄 Nippon Steel 28.3 29.6 ▲ 4.5
CSN CSN 25.9 3.0 767.5
ゲルダウ Gerdau 23.3 13.3 75.1
ティッセン・クッルプ ThyssenKrupp 23.1 14.3 61.0
JFEホールディングス JFE 23.1 27.3 ▲ 15.5
ノボリペック Novolipetsk 21.0 7.8 170.0
宝山鋼鉄 Baosteel 19.7 19.2 2.6
ウジミナス Sistema Usiminas 18.5 7.5 146.8
セベルスターリ Severstal 17.8 14.9 19.3
ニューコア Nucor 16.0 17.3 ▲ 7.4
住友金属工業 Sumitomo 15.5 11.6 33.3
USスチール U.S. Steel 14.8 18.1 ▲ 18.2
中国鋼鉄 China Steel 13.7 9.1 49.8

(08.06.24更新)


2.統合会社の役員及び担当部門  board
   (2008年4月21日発表)

1.再任
Lakshmi  N. Mittal :CEO
Aditya Mittal  : CFO 、M&A、企業戦略、鋼板・米州
Gonzalo Urquijo : 条鋼、中国、ステンレス
Michel Wurth :鋼板・欧州、R&D、国際企業・自動車

(注)Aditya Mittalは、L N. Mittalの長男。

2.新任
Sudhir Maheshwari : M&A、企業財務・税務委員会委員(CFOに報告)
Christophe Cornier : アフリカ、アジア・インド、技術、環境
Davinder Chugh : サービス(含む、購入・法務・IT・出荷・エネルギー)

3.退任
Roland Junk : マーケティング、国際業務、中国他。CEOアドバイザー
Malay Murkherjee : ステンレス、鉱山、アジア・アフリカ

(出典)アルセロールミタル HP

3.企業業績  achievment

3-1.アルセロールミタルの四半期別動向

@2007年の出荷数量:109.7 百万トン。売上高:1,052.2億ドル(約10兆円)。EBITDA:194億ドル(約2兆円)。
A2008年7〜9月期は前年同期比で出荷量は減少したが単価向上で増収増益を確保。


主要指標1(実数)

2008年 2008年 2008年 2007年 2007年 2007年 2007年 2006年 2006年 2006年
7〜9月 4〜6月 1〜3月 10〜12月 7〜9月 4〜6月 1〜3月 10〜12月 7〜9月 4〜6月
出荷量shipments (百万トン)A 25.6 29.8 29.2 28.0 26.0 28.7 27.0 26.7 26.9 15.2
売上高sales(百万ドル)B 35,198 37,840 29,809 27,993 25,524 27,223 24,476 23,203 22,069 9,230
EBITDA(同上) 8,580 8,046 5,044 4,847 4,881 5,326 4,346 4,118 4,353 1,701
営業利益operating incomes(同上) 5,467 6,621 3,614 3,290 3,853 4,232 3,455 3,243 3,444 1,359
純利益net profits(同上) 3,821 5,839 2,371 2,435 2,960 2,723 2,250 2,371 2,182 897
1株当り利益earnings/share(ドル,$) 2.79 4.20 1.68 1.71 2.10 1.97 1.62 1.71 1.57 1.27
単価(ドル,$)B/A 1,375 1,270 1,021 1,000 982 949 907 869 820 607

(注)EBITDA:利子・税金・減価償却前利益


主要指標2(前年同期比増減比率  y/y change  %)

2008年 2008年 2008年 2007年 2007年 2007年 2007年 2006年 2006年 2006年
7〜9月 4〜6月 1〜3月 10〜12月 7〜9月 4〜6月 1〜3月 10〜12月 7〜9月 4〜6月
出荷量shipments ▲ 1.5 3.8 8.1 4.9 ▲ 3.3 88.8 4.3 7.7 ▲ 9.4 6.3
売上高sales 37.9 39.0 21.8 20.6 15.7 194.9 6.5 9.7 ▲ 6.2 11.2
EBITDA 75.8 51.1 16.1 17.7 12.1 213.1 4.1 ▲ 0.7 ▲ 8.4 22.5
営業利益operating incomes 41.9 56.5 4.6 1.4 11.9 211.4 9.8 ▲ 14.6 ▲ 9.0 22.5
純利益net profits 29.1 114.4 5.4 2.7 35.7 203.6 ▲ 2.6 ▲ 17.7 8.7 21.0
1株当り利益earnings/share 32.9 113.2 3.7 0.0 33.8 55.1 ▲ 1.8 ▲ 18.6 6.6 21.6
単価 B/A 40.1 33.9 12.6 15.0 19.7 56.2 2.1 1.8 3.5 4.6


3−2. 収益性比較

08年1〜3月期の売上高営業利益率は、アルセロールミタル12.1%、新日鉄10.4%。アルセロールミタルは07年4〜6月期の15.5%が山。新日鉄は06年10〜12月期の15.0%。ともにそれ以降は緩やかに低下。売上高純利益率はアルセロールミタルが8〜12%で上下。新日鉄は7%台で漸減。原料価格高騰によるコスト高への対応が収益に決定的要因。

(08.06.09 記)


第2章
アルセロールミタルの経営手法 management
(08.02.20)

第3章
アルセロールミタルの企業財務 corporate finance (08.06.09)

第4章
今後の展開 overview
(07.11.20)




6.国際鉄鋼統計(Figures)

(1)世界の2008年 5大 粗鋼生産国( 百万トン mmt)

  1. 中国(China)        500.5
  2. 日本(Japan )      118.7
  3. 米国(United States)   91.4
  4. ロシア(Russia)           68.5
  5. インド (India)           55.2


(2)世界の2008年 30大 鉄鋼メーカー(粗鋼生産量 crude steel, 百万トン mmt)

2008 2007
Rank million ton Rank million ton Company
1 101.6 1 116.4 ArcelorMittal
2 37.5 2 35.7 Nippon Steel (1)
3 35.4 6 28.6 Baosteel Group
4 33.3 4 31.1 Hebei Steel Group
5 32.4 3 34.0 JFE
6 31.7 5 31.1 POSCO
7 27.7 11 20.2 Wuhan Steel Group
8 24.4 7 26.5 Tata Steel (2)
9 23.3 9 22.9 Jiangsu Shagang Group
10 23.2 10 21.5 U.S. Steel
11 21.8 8 23.8 Shandong Steel Group
12 20.4 12 20.0 Nucor
13 20.4 13 18.6 Gerdau
14 19.2 15 17.3 Severstal
15 17.7 17 16.2 Evraz
16 16.9 14 17.9 Riva
17 16.0 18 16.2 Anshan Steel
18 15.9 16 17.0 ThyssenKrupp (3)
19 15.0 19 14.2 Maanshan Steel
20 14.1 21 13.8 Sumitomo Metal Ind
21 13.7 20 13.9 SAIL
22 12.2 24 12.9 Shougang Group
23 12.0 22 13.3 Magnitogorsk
24 11.3 30 9.7 Novolipetsk
25 11.3 26 11.1 Hunan Valin Group
26 11.0 27 10.9 China Steel Corporation
27 10.4 23 13.1 Techint (4)
28 10.0 28 10.1 IMIDRO
29 9.9 25 11.6 Industrial Union of Donbass
30 9.9 29 10.0 Hyundai Steel

1) - includes part of Usiminas
(2) - includes Corus
(3) - 50% of HKM included in ThyssenKrupp
(4) - includes partial tonnage of SIDOR

太字  黒:日本   青:中国   緑:アジア

(出所)World Steel Association HP


参考資料  reference

1.日本鉄源協会・日本機械工業連合会 「環太平洋圏における鉄源の需給・リサイクル動向」 平成13年3月
2.電炉業構造改善促進協会 「米国における普通鋼電炉業の現状と展望」 平成13年3月 
3.  同 上  「EU及びトルコにおける普通鋼電炉業の現状と展望」 平成14年5月 
4.  同 上  「中国・韓国・台湾における普通鋼電炉業の現状と展望」 平成15年9月
5.  同 上  「普通鋼電炉業の現状と構造改善の進展」 平成16年12月 
6.  同 上  「ロシア・ウクライナにおける普通鋼電炉業及び鉄鋼業の現状と展望」 平成17年7月
7.日本経済新聞
8.DowJones
9.http//indokeizai.com


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