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しおり

その1.金森久雄
 

その2.香西 泰


その3.田原昭四
(08.05.28)


(参考3)

経済の学び方


その1.金森久雄

1.
経済を見る眼の鋭さは、経済に対する関心の度合いに比例する。経済に強くなろうとする人は、まず心身を鍛錬して、俗事に強い興味を持てるようにすることが大事である。

2.どのようにして経済を見るかといえば、目を開いて事実を観察することが第一である。工場にもデパートにも、公園にも、電車の中にも、すべて経済は存在している。

3.経済学の本を読むことも大事である。経済には個別では正しくても、全体では誤りになるといった問題が少なくない。基礎的な経済学の理論を知らない経済論議は危険で有害だ。

4.現実の経済を考えようとする人は、どん欲に新しい統計を漁らなくてはならない。その意欲によって、エコノミストとしての資質をだいたい判定することができる。

5.どの統計が一番いいか。私は毎週月曜の日本経済新聞朝刊の経済指標(「景気指標」)を愛用している。十分間ほど注意深く眺めれば、景気の流れが手に取るようにわかる。

6.統計に重要なのは、基本になる数字をはっきりと記憶していることだ。日本の人口、国民生産、国際収支の三つをおぼえることをまず勧めたい。

 日本経済新聞 1987年4月5日掲載 「金森久雄の経済を見る眼」


その2.香西 泰

1.新聞の経済面を読もう。その要点を日記に書くことを三ヶ月続けてみよう。

2.数字を覚えよう。日本経済新聞月曜日の「景気指標」を毎週三分間にらむことにする。

3.
なるべく数式を毛嫌いしない。文章より簡単で正確だ。「数学語」という言葉だと思って、習うより慣れよう。

4.練習問題を解く。練習問題を見て初めて本文の意味を悟るのが現実だ。

5.欲を出して経済学の古典、有名な論文、経済史書などを覗いてみよう。ツン読しているだけで内容に親しみがわいてくる。意外に霊験あらたかである。

日本経済新聞 1998年4月1日掲載 「経済教室」)


その3.
田原昭四 (景気観測10訓) 

1.景気とは波の反復現象である

2.景気の周期には規則性がある

3.景気用語の読み方には注意が必要

4.官庁用語には不況という言葉はない

5.景気政策に過信は禁物

6.経済見通しには個性がある

7.経済指標のタイミング(*)には特性がある。(*) 先行、一致、遅行

8.GNPだけでは景気は読めない

9.サーベイ・データには「クセ」がある。(*)好況期には過小予想、不況期には過大予想etc.

10.統計数字は数ヶ月ならして読む

(篠原三代平、田原昭四 編 「新しい景気の読み方」 1988年3月 東洋経済新報社)


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