全世界統一ジャケット&レコード重量

 「★ジェネシス側の要望により、ジャケット、レーベル、重量まで全世界統一!!」
と日本初回のオビに書いてあるんです。

(それはいいとして、「こわがることも、ためらうこともありません!!ジェネシスはあなたのロマン!!」
って何だ?誰がこんなコピーを・・・)

 音楽専科の75年5月号のジェネシス特集は立川直樹氏によるもので、日本で初めて出た
まともなジェネシスの特集記事だったと思います。ここでも全世界統一ジャケット、
レコード重量という記載がありました。立川さんは盤のライナーノートも書いているし、
日本フォノグラムには本国からの指示があったものと思われます。

 いつかは確かめてみようと思っていたのですが(笑)、今手元に英盤と日本盤が数枚あるので
念願叶って(?)測ってみることにしました。(米盤が無いのが片手落ちですけど買う気がしない)
最近はキッチンに簡易型の電子天秤があるので1g誤差くらいで正確な重さが測れます。
計測に使ったのは貝印株式会社製 DL-9001 というもので2kgまで1g単位で測れます。
絶対精度はともかく、比較するには十分です。
 


貝印 DL-9001 100円ショップで購入

 

日本初盤3枚、SFX、英B&C3枚、英Phonogram、Classic Records
CD3種、オランダ初盤、おまけにブートが一枚^^;

 
盤の種類 disk1 disk2
日本盤 初回 RJ-5162 #1 135 115
日本盤 初回 RJ-5162 #2 149 144
日本盤 初回 RJ-5162 #3 134 139
日本盤 来日記念紫帯盤 SFX-10022 120 119
英盤 B&C 初期盤 CGS1 #1 115 126
英盤 B&C 初期盤 CGS1 #2 118 136
英盤 B&C 初期盤 CGS1 #3 127 130
英盤 Phonogram 2nd issue CGS1 114 116
オランダ盤 初回ジャケット CGS1 125 124

 さて、測ってみると結構バラついていました。特に日本初回盤はバラバラですね。
日本初回盤は差が大きいのでおいといて、英盤とオランダ盤については結構揃っています。
オランダ盤が最もよく、(何がだ(笑))さすがフィリップス本家だけのことはあるかな?
これから推測すると、ジェネシス側からの要望は全世界同じ重量ということで、重さまでは
指定していなかったのかもしれません。当時の標準的な盤の重さ125gを一応の目安とすれば、
125g±10gというのが許容範囲ではないかと思われます。これからすると、英盤はほぼこの
範囲に納まっています。日本盤はというと、2度目のSFX盤のみが規格内で、初回のRJ-5162は
3枚の内2枚がNGです。

 ついでに、ジャケットの作りを比較してみました。

 B&Cオリジナルを一応の基準とすると、日本盤は基本的にジャケットの版下は英B&C盤と同じものを
使っています。日本盤の違いは

1.ジャケット表右上にRJ-5162の表記(B&C盤はなし)
2.背中の表記の違い
3.ジャケット裏マッドハッターロゴの下カタログ番号(RJはロゴ+STEREO表記、SFXはロゴのみ)
4.ジャケット裏右下に「発売元日本フォノグラム株式会社P1975」
5.内ジャケット下に(RJ-5162〜3)-1-、(RJ-5162〜3)-2- 表記(SFXも同様の表記)
 


1

2

3

4

5

内ジャケットの説明文は完全に英B&C盤と同じです。

 内袋の違いは

1.レコード取り出し口のカットの違い(SFX盤は別カットデザイン)
2.貼り合わせが日本盤はフリップバック
3.右上にRJ-5162(二枚目はRJ-5163)を付加
4.右下のCG1(二枚目はCG2)表記がない
 
 


1

2,3

4 (B&C)

4 (RJ-5162)

 となっています。

 次はレーベル。全世界統一のわりには、レーベルが違います。米初盤はATCOの黄色いレーベル
が使われていたし、日本盤は一世代前の Big Mad Hatter レーベル(1)です。
2,4面はクレジットのない英と同じピクチャーレーベルでした。日本盤のピクチャーレーベルは
出来の悪いコピーのようにコントラストが強く、階調が潰れています。(3)(よせばいいのに、
B面用とD面用の2種類作っています。英盤でさえ2,4面は共用(2)なのに・・・)
また、2回目のSFX盤は途中からピクチャーレーベルが品切れになったのか、
クレジットなしのBig Mad Hatterが使われています。(4)
 


(1)

(2)

(3)

(4)

**日本フォノグラムから発売されたカリスマレーベルは「そして3人が残った」に至るまで
  Big Mad Hatterレーベルが使われています。英本国ではブロードウェイからSmall Mad Hatter

 やっとおしまいか? 日本盤の帯を見ると曲名が微妙に違う・・・やめてくれ
 

CGS1(original title) RJ-5162 SFX10022
The Lamb Lies Down On Broadway 眩惑のブロードウェイ 眩惑のブロードウェイ
Fly On A Windshield 風防ガラスを探して ウインドのハエ
Broadway Melody Of 1974 1974年のブロードウェイ・メロディー 1974年のブロードウェイ・メロディー
Cuckoo Cocoon おかしな繭のなか カッコー
In The Cage 囚われのレエル イン・ザ・ケイジ
The Grand Parade Of Lifeless Packaging 生命なき人形の大行進 グランドパレード
Back In N.Y,C 追憶のニューヨーク バック・イン・N・Y・C
Hairless Heart ヘアレス・ハート(間奏曲I) 無毛の心
Counting Out Time カウンティング・アウト・タイム カウンティング・アウト・タイム
Carpet Crawl カーペット・クロール カーペット・クロール
The Chamber Of 32 Doors 32の扉の部屋 ザ・チェンバー・オブ・32・ドアーズ
Lilywhite Lilith 百合のようなリリス 白百合のような乙女
The Waiting Room ウェイティング・ルーム(間奏曲II) ウェイティング・ルーム
Anyway エニイウェイ エニウェイ
Here Comes The Supernatulal Anaesthetist 超自然的な麻酔手 不思議な魔術師
The Lamia 妖婦ラミア 蛇魔女
Silent Sorrow In Empty Boarts エンプティ・ボード(間奏曲III) エンプティ・ボード
The Colony Of Slipperman
(Arrival)
到着 ザ・コロニー・オブ・スリッパーメン
(1)アライバル
A Visit To The Doktor ドクター・ダイパーを訪ねて (2)ビジット・トゥ・ザ・ドクター
Raven ワタリガラス 大ガラス
Ravine 峡谷(間奏曲IV) 狭谷
The Light Dies Down On Broadway ブロードウェイの光は死に絶えて ライト・ダイズ・ダウン・オン・ブロードウェイ
Riding The Scree 断崖のレエル ライディング・ザ・スクリー
In The Rapids 急流との戦い 早瀬
It イット イット

 タイプしていて噴出しそうになりました(笑)初回のタイトルの方が味があって
正しい意味だったように思います。SFXのはひどい カッコーはないでしょ・・
「無毛の心」「蛇魔女」ってなんだ??初回の「妖婦ラミア」ってのも結構スゴい。
「狭谷」は明らかに写植ミス^^; これ以降のブロードウェイの日本盤にも面白い曲名が
付いていたような気がします。情報をお寄せ下さい。追記しますんで・・・

 というわけでおしまいにします。

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最終更新日: 2004年05月04日 22時00分