「運命じゃない人」の内田けんじ監督待望の2作目。
「運命じゃない人」の面白さはフロックではなかった。周到な伏線、緻密なプロット。今回は時制の入れ替えは控えて、正統派の堂々たる演出ぶり。この監督はどんな映画を観て育ってきた人なのか、とても興味がある。パンフレットのインタビューではそういうところは触れていなくて、不満が残る。
ひたすら娯楽に徹した映画なのに、
「1クラスに1人くらいは、おまえみたいな奴がいるんだよ。何もかも知ってるみたいな顔して、学校がつまらないとか言いやがる。学校なんか関係ないんだよ。おまえがつまらないのは、おまえのせいだ」こんな味のあるセリフをさりげなく言わせたりするのだ。
いい映画をつくるのに、CGもスターも爆発も必要ない。
必要なのはただ、工夫だけ。
一切の事前情報を入れずに観ることをお薦めするが、2つだけ注意すべきポイントを。
1 作中で話題の人物「あゆみ」とは誰?
2 「靴」をどこで使う?
「靴」とは、始まってすぐ話題になる。何かの伏線だというのはすぐ分かるのだが、こんなところで使うか!とさすがの私も驚いた。
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