遺伝子組み換えイネの実験圃場をみて来ました

 

食の安全を考える会 野本健司

 
 2001年3月27日、平塚の全農営農技術センターに、遺伝子組み換えイネの実験圃場を見に行ってきました。ここの生産システム研究室では、ヒトラクトフェリンという物質を作るヒト遺伝子を組み込んだイネを開発していました。とれた米には免疫力を高める機能があるそうです。種子としての開発段階を終え、2000年から全農での開放系隔離圃場へと段階が進んでいました。いわゆる「第二世代」の遺伝子組み換え作物なのです。

 

(開放系隔離圃場。2001年もここに遺伝子組み換えイネが作付けされる。)

 

(非閉鎖系の実験場。普通のハウスに見えます)       (平塚の全農営農技術センター。この中に生産システム研究室がある。)

 

 土などが流出しないよう圃場の周囲と底がコンクリートで防御され、約2mのネットで囲まれた、一見ごく普通の水田といった印象です。この地域は工業団地であり、雑交配しにくいイネの性質からも、環境への影響はあり得ないそうです。

 

(排水溝にもネットがかぶせてある。)              (あっけなく実験場を見学。)

 

 まだ商品化の目処はないが、必ず情報を開示していくとのことでした。全農は、輸入されてくる遺伝子組換え作物に対抗し、国内の生産者を守ることを目的とした、技術の蓄積のために研究しているとのことでした。しかし、全農以外で開発を行っているメーカーなどの開発スタンスは違うだろうと危惧されていました。安全性や追跡可能性が大きな話題となっていますが、それも国内生産力があってこそなのでしょう。

 

 消費者の選択性と追跡可能性の確保が大きな課題となりますが、それ自体も国内生産力があってこそのことなのでしょう。

 
 

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