発行所 | 株式会社ピーシーズ |
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(第1刷)発行年月日 | 1997年10月15日 |
所有刷数 | 1997年10月15日(初版) |
値段 | 2200円+税 |
ページ数 | 136ページ |
概要 | 小型コイ科魚類のカタログと飼育書が一緒になった1冊です。 カタログ部分には各種の説明と写真が配され、索引も和名と学名からひけるようになっている。 飼育書部分には「購入時の注意」「飼育の仕方」「繁殖」「病気」「レイアウト」などについて書かれている。 |
大きくて魚の特徴をよく捉えた綺麗な写真を多用しています。
和名だけでなく学名からも索け、索引はしっかりしています。
各種の説明には飼育に必要な情報から現地での様子などが書かれており必要十分な情報が得られます。
また種類によっては採集時の話や似た種との比較(違い)が書かれていたりと読んでいて非常に勉強になります。
一種あたりの内容は比べ物になりませんが、掲載種だけをみれば熱帯魚・水草2100種図鑑の方が多いです。
10年近く前に書かれた本ですから致し方ありませんが、情報が古く「誤り」になってしまっている部分があります。
例えば「ヘテロモルファ」は99年にRasbora属から新設されたTrigonostigma属に移りましたが、当然それは反映されていません。致し方ない事ではありますがこのような学名表記の古さが多々目立ちますので注意が必要でしょう。
ただ肝心の飼育条件や現地での様子は変わる事が少なく信頼できる面が多いので助かります。
種ごとの繁殖に関する情報がもっと欲しかったです。
また繁殖のページでは実際に魚が繁殖を行っている写真を何枚かおさめてあるのですが、卵の大きさが書かれてなかったり、チェリーバルブの所では稚魚の写真がなかったりと手落ちを感じました。
現在日本語でコイ科熱帯魚に関する本を入手しようとした時、この本以外に見当たらないという点だけをみてもこの本の存在意義は非常に大きいと思います。
しかもそんな状況の中にあって内容がしっかりとしていて読みごたえがあり勉強になる事が多々掲載されていて私は満足しています。
確かに欠点もありますし、できれば新版を出して欲しいところではありますが、それでもひとまずコイ科に興味を持った人が手元に置いて損のない本だと私はお薦めします。