【四人の申し分なき重罪人】 特ダネを追って世界中を駆けめぐる新聞記者ピニオン氏は、ロンドンで四人の不思議な人物に出会った。〈誤解された男のクラブ〉 の会員である彼らは、やがてそれぞれの奇妙な体験を語り始める。着任早々の植民地総督はなぜ狙撃されたのか、事件の意外な真相をあかす 「穏和な殺人者」、芸術家の屋敷の庭の片隅に立つ奇怪な樹をめぐる恐ろしい秘密の物語 「頼もしい藪医者」、名家の子息はなぜ不手際な盗みを繰り返すのか、その隠された動機を探る 「不注意な泥棒」、学者に詩人、質屋に将軍――四人の陰謀家は何をたくらむのか、ある王国で起きた革命騒ぎの驚くべき展開 「忠義な反逆者」 の4話をおさめた連作中篇集。奇妙な論理とパラドックスが支配するチェスタトンの不思議な世界。 ◆ちくま文庫 2010年12月刊 本体1000円 [amazon]◆解説=巽昌章 ◆装画=北見隆
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