見たこともないような美しく冷酷なものに、からめとられる――川上弘美(解説より)
カヴァンの氷の世界は “侵食” のひとつの姿だ。氷は私たちのもとに忍び寄り、包囲し、捕らえる。熱帯に逃げようと、それはつかの間の安堵をもたらすだけのことでしかない。氷は必ずやってくる。――クリストファー・プリースト (序文より)
『氷』 は唯一無二の作品だ。その魔法の力によって、『氷』
は唯物論的なサイエンスファンタジーの視界を超えた領域に到達している。――ブライアン・W・オールディス
もっとも謎めいた現代作家のひとりであるアンナ・カヴァンは、独創的かつ魅力的な小説世界を創造した。そのヴィジョンの強度に匹敵しうる小説家はほとんどいない。――J・G・バラード
夢、幻想、想像力といった夜の世界の探索を敢行する数少ない作家の中でも、アンナ・カヴァンに私はずっと賛嘆の念を抱いてきた。――アナイス・ニン
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