【オシリスの眼】

R・オースティン・フリーマン
渕上痩平訳

エジプト学者ジョン・べリンガムが不可解な状況で忽然と姿を消してから二年が経った。生死不明の失踪者をめぐって相続問題が持ち上がった折も折、ベリンガムの所有地をはじめ各地でバラバラになった人間の骨が次々に発見される。はたして殺害されたベリンガムの死体なのか? 複雑怪奇なミステリの解決に乗り出した法医学者ソーンダイク博士は、証拠を集め、緻密な論証を積み重ねて事件の真相に迫っていく。江戸川乱歩が古典ベストテンに選出、ヴァン・ダイン、J・D・カーらも推奨する英国探偵小説の名作、初の完訳。

「フェアな手がかりと推理による正統的謎解き小説の確立者としての、フリーマンの先駆性をまざまざと示す作品だ」(ストラングル・成田氏 「翻訳ミステリ大賞シンジケート)

◆ちくま文庫 2016年11月刊 950円(税別) [amazon] [honto]
◆装丁=藤田知子 装画=小林達介


R・オースティン・フリーマン (1862-1943)
イギリスのミステリ作家。ロンドン生まれ。医師から作家に転身、1907年、法医学者ソーンダイク博士を探偵役とした 『赤い拇指紋』 を発表。科学捜査を駆使するソーンダイク博士は短篇でも活躍し、シャーロック・ホームズと人気を競った。英国探偵小説界の巨匠の一人。代表長篇に 『オシリスの眼』 (1911)、『キャッツ・アイ』 (1923)、『ポッターマック氏の失策』 (1930) など。短篇集 『歌う白骨』 (1912) は倒叙推理の嚆矢としても有名。