ジェイムズ・ブランチ・キャベル (1879-1958)
アメリカの作家、系図作製者。ヴァージニア州リッチモンドの名家に生まれる。幼少時から神話・伝説・聖書を耽読し、大学卒業後、新聞記者を経て作家となる。1904年に長篇第一作《Eagle’s
Shadow》 を発表、本書は架空の王国ポアテムを舞台に23代9世紀にわたる一大ファンタジイ・シリーズ《マニュエル伝》全18巻に発展した。その一冊『ジャーゲン』(1919/国書刊行会)は「不道徳な内容」のため発禁事件を引き起こし、それが話題を呼んで大ベストセラーとなった。他の代表作に『夢想の秘密』(1917/国書刊行会)、『土の人形(ひとがた)』(1921/国書刊行会近刊)、『イヴのことを少し』(1927)など。1920年代は「キャベル時代」とも呼ばれるほど批評界から高い評価を獲得、同時代アメリカ文学を代表する作家と目された。その後一時忘れられた作家となったが、1970年代はリン・カーターやアーシュラ・K・ル=
グウィンらの再評価もあり、SF・ファンタジイ作家の広範な影響が指摘されている。
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