三菱ミニキャブ


公道デビュー!?

 私の記憶では、生まれて初めて自動車の運転をしたのは、5歳の頃でした。もちろん父の膝の上で。

 その頃の我が家の自家用車は、三菱重工の軽自動車「ミニキャブ」でした。何処に行くにもこの排気量360ccの2ストローク車で出かけ、郊外の長い坂道などでは白い煙を吐きながら一生懸命家族5人を運んでくれたものです。

未だ「三菱重工」でした

 父は日曜日の早朝などによく私をドライブに連れて行きました。場所は今考えると特に遠出をするわけでもなく、近所をくるくる周っているだけでしたが、ある時父が私に提案をします。

  父「運転してみるか?」

 そこは昼間でも殆どクルマの通らない川沿いの道とは言え、一級河川の土手上のセンタラインは勿論ガードレールも無い細く頼りない道です。
 クルマを停めた父は、私を膝の上に載せ、ハンドルを握らせます。足は当然届かないので、父がアクセルを踏むとクルマはゆっくりと走り出し、私は必死にハンドルを操り、数百メートル、ミニキャブをまっすぐ走らせました。
 今考えると、父は両手をハンドルから離しているように見せつつも、実は私を抱えるようにして私の脇の下でハンドルを握っていたのだと思いますが、そんな事は露も知らない当の本人は必死です。
 スピードはそんなに出ていないにせよ、ちょっとハンドル操作を誤れば河川敷に落ちてしまいます。生まれて初めて扱う数百sの鉄の塊を操るのに死に物狂いでした。

イメージとしてはこんなカンジ


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