前回の予告通り、今回は「軽自動車なんて嫌いだ!」の話。 と言っても「感情論」ではなく、一応私なりの理屈に沿った話です。 まずは「軽自動車」の概念を簡単に。 排気量660cc未満で全長×全幅×全高がそれぞれ3,400o×1,480o×2,000o以下と、前車フィアット・パンダより気も〜ち小さい自動車です。あらゆる税制が優遇され、車庫証明も事後報告が認められている為、セカンドカーとしてや、主婦や若者が気軽に乗ることが出来るクルマとなっています。 この「軽自動車」と言う規格、周知の通り「5ナンバー枠」や「商用車枠」と同様の、日本独自の「規格」で、米国はもちろん欧州やその他のアジア諸国でも存在しません。その為ほぼ国産自動車メーカの独占市場です。 ![]() 「スマート」も一部軽自動車です・・・ さて、私が「軽自動車」を嫌いな理由。それは、1にも2にも「トルクの細さ」にあります。 最近は排気量660cc以下にも関わらず、出力(馬力)は最高64馬力(自主規制)と余裕は無いにせよ「街乗り」には十分と言えますが、まだまだトルクが足りません。トルクが不十分だと必要以上にエンジンの回転数を上げてやらなくてはならず、これが「トロい」と感じてしまう原因になってしまいます。また、「回転数を上げる」と言うことは、燃費にも直接影響があり、実は排気量は約半分なのにも関わらず、リッターカー(1,000ccクラス)よりも燃費面で劣る事象も多々起きてしまっています。 普通、排気量が小さくなればなるほど「燃費」は良くなるはず。同じ回転数(燃焼回数)であれば1回の「爆発」で消費される燃料が多い「大排気量車」の方が燃費は悪くなります。これ当たり前です。ところが、ある程度排気量が小さくなりトルクが心細くなってくると、それを回転数で補ってやらなくてはなりません。変速機付きの自転車で、必要以上にギヤを落として「空回り」しているかのように走ると、かえって疲れてしまうのと同じような事です。 ![]() 一生懸命な姿は、嫌いではないのですが… 自動車の車重は特別な車種で無い限りだいたい同じです。その約1t前後の「荷物」を、交通事情に合った速度で走らせ移動する為に理想的な排気量は、現在の技術では1,000〜1,500ccと言われています。それ以上大きくなれば、勿論「余裕」は生まれますが「移動の道具」としては「無駄」が多く、排気口からお金を捨てていることにもなり兼ねませんし、逆に小さければ先に述べた通りです。 勿論、クルマに使用目的は「ひとつ」ではありません。オープンカーのように屋根を取ってしまうとその分の剛性を高める為に、またバスの様に人を沢山乗せても車重は重くなってしまい、2tを裕に超えてしまいます。そうなると上記のような「理屈」は合わなくなるのでもう少し排気量も増やしたほうがイイでしょう。また単純に「余裕を持って」運転したいヒトも居ることですし。 冒頭でも書きましたが軽自動車の一般的な使われ方であれば勿論大排気量は不要と言うことになります。がしかし、「小さければイイ」と言う訳でもありません。 これはあくまでも「現段階」の私なりの結論です。 結論「リッターカーは乗用車の理想の姿」 ![]() 999ccのパンダの燃費は20q/lに達する事も このところ業界では世界的に「軽自動車」に注目が集まっています。 トヨタ自動車が傘下のダイハツを子会社化したり、日産自動車がOEMで軽自動車の「モコ」(スズキ「MRワゴン」)を販売したり、ダイムラーが小排気量(600cc)の「スマート」を開発したり、また三菱自動車を傘下に治めたのも三菱が軽自動車メーカとしての実績を持っている事と無縁ではないでしょう。 近い将来、どこかのメーカが軽自動車のエンジンを利用した「ハイブリッド車」を出してくるかもしれません。もっと単純に第二の「スマート」を三菱自動車製「軽自動車用エンジン」を使うとか。 今現在、軽自動車に乗ることはお薦め致しません。税制や法に守られただけの全く魅力の無い「ビンボー臭い」クルマだからです。どこも判を押したように「同サイズ・同排気量・同出力・同コンセプト」。 そこに突如現れた「スマート」は、皮肉にも日本の他の軽自動車よりも、排気量も少なく、乗車人数も少なく(2名)、かと言って(オリジナルは)「軽自動車枠」に収まらないが為に税制他の優遇もありませんが、なんとも伸びやかで未来を感じさせてくれます。 もっと技術が進み、燃費やトルクが改善され、また「軽自動車枠」に縛られなくなれば、今後どんどん魅力的なクルマが出てきそうな気がします。 私が次にクルマを買いかえる頃には、「軽自動車」が候補のひとつに挙がる事にもなるかもしれません。 |