House in Nagano
長野の住宅


敷地は長野市、善光寺の近く。古くからの門前町でありながら、3階建てに囲まれた商業地域であり、街並みのすぐ先には里山が連なる。
敷地の中央には古い擁壁が存在し、ここも山麓の一部であることを示していた。施主の要望は、
・豊かな眺望を得るために建物の高さを確保する
・服飾デザイナーでもある施主が、将来店舗を開くためのフリースペースを設ける
というものだった。そこで私達は、建物を3つのボリュームに分け、中央のボリュームを1層分もちあげることにした。必要な機能は2階建てで収まる容積であったが、もちあげることよって近隣と同じ3階建ての高さを確保した。その下にできる空間は、フリースペースを「はなれ」とする緩衝帯となり、冬季に積雪のない中庭となり、そして北側の国道と南側の2項道路との間を通りぬける路地となる。また擁壁をまたぐ構成となるので、古い構造体に負担をかけない設計が可能となった。


date : 2016.05
type : house

status : completed
location : Nagano-shi, Nagano
floor area : 125m2
construction : IIJIMA Construction.
photo : Ken Shimizu, YOICHI YAMAMOTO ARCHITECTS



バルコニーと室内を繋ぐ高窓は、近隣からの視線を遮りつつ十分な採光を確保するよう計画された。

階段からリビングを見下ろす。

窓際にはベンチを兼ねるAVボードを造作し、陽だまりの居場所を用意した。

 階段の壁側はササラ埋込、吹抜け側は鋼棒による吊構造とし、開放性の高い構成とした。

「はなれ」として存在するフリースペース。現在はアトリエとして、将来は店舗としての利用も想定している。

北側は国道に面し、アトリエとしての安定した採光と、路面店舗としての立地条件を同時に満たす。天井画は施主の作品。

中庭とフリースペース。

中庭から擁壁、外階段を望む。

リビングとフリースペースをつなぐ宙に浮いたボリュームの内部。奥はバルコニーに繋がる。

2階バルコニー

3階子供室

屋上テラスからは、間近に迫る里山や善光寺平を一望にできる。

地階玄関

2階水回り

南外観

南東外観。中庭、フリースペースを介して北側の国道まで見通すことができる。

北外観。南側とは異なる顔を持つ。
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